(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】流体ラインコネクタおよび固定検出付きアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16L 37/098 20060101AFI20240326BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240326BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240326BHJP
G06K 19/073 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
F16L37/098
G06K19/07 160
G06K19/077 220
G06K19/073 045
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562299
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 US2022024380
(87)【国際公開番号】W WO2022221253
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503469175
【氏名又は名称】ノーマ・ユー・エス・ホールディング・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】NORMA U.S. HOLDING LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボードイン,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】イグナチャク,ブライアン・ティ
(72)【発明者】
【氏名】ジャローズ,マテウシュ
(72)【発明者】
【氏名】シンドラー,レネ
(72)【発明者】
【氏名】ジャックステイト,ブルーノ
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BE25
3J106EA03
3J106EB02
3J106ED38
(57)【要約】
流体ラインコネクタは、遠隔固定検出機能を提供し、したがって、自動化、ロボット化、および/または自律的とすることができる初期組み立て、その後の品質検査、およびその後の保守技術のために装備される。流体ラインコネクタは、一実施形態では、本体、無線周波数識別(RFID)タグ、およびアクチュエータ部材を含む。本体は、本体を通る流体流のための通路を有する。RFIDタグは、RFIDインテロゲータと通信することができ、回路に切れ目がある回路を有する。アクチュエータ部材の表面等の一部以上は、導電性材料からなる。導電性部分は、アクチュエータ部材が作動されるときに切れ目をブリッジする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ラインコネクタであって、
本体と、前記本体を通る流体流のために前記本体内に存在する通路と、
前記本体によって担持された無線周波数識別(RFID)タグであって、内部に切れ目のある回路を有するRFIDタグと、
前記本体の前記通路に隣接して位置するアクチュエータ部材であって、導電性材料からなる作用部分を有し、前記作用部分は、前記切れ目に隣接する前記RFIDタグの前記回路に面し、前記作用部分は、前記アクチュエータ部材の作動時に前記切れ目において前記RFIDタグと接触し、前記接触を介して前記切れ目をブリッジする、アクチュエータ部材と、
を備える、流体ラインコネクタ。
【請求項2】
前記流体ラインコネクタは、前記RFIDタグにおいてスイッチがない、請求項1に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項3】
前記回路の前記切れ目は、前記RFIDタグと無線周波数識別(RFID)インテロゲータとの間の通信を妨げ、前記作用部分からの前記接触を介して前記回路の前記切れ目をブリッジすることは、前記RFIDタグと前記RFIDインテロゲータとの間の通信を可能にする、請求項1に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項4】
前記RFIDタグは、前記アクチュエータ部材の作動時にその状態を変化させ、前記接触を介して前記切れ目をブリッジする、請求項1に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項5】
前記作用部分は、前記アクチュエータ部材の作用面である、請求項1に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項6】
前記導電性材料は、前記アクチュエータ部材の前記作用面上に存在する導電性インクである、請求項5に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項7】
前記作用部分は、前記アクチュエータ部材の作用面であり、前記作用面は前記導電性材料からなり、前記アクチュエータ部材の他の部分は、前記作用面の前記導電性材料とは異なる材料からなる、請求項1に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項8】
前記作用部分は、前記アクチュエータ部材のベース部分であり、前記ベース部分は、前記導電性材料からなり、前記ベース部分から少なくとも1つのプロング部分が垂下し、前記少なくとも1つのプロング部分は、前記ベース部分の前記導電性材料とは異なる材料からなる、請求項1に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項9】
前記アクチュエータ部材の全体は前記導電性材料からなる、請求項1に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項10】
前記アクチュエータ部材は、前記本体内に存在する貫通部内に少なくとも部分的に位置するカム部材であり、前記カム部材は、前記RFIDタグの前記回路に面するベース部分を有し、前記本体の前記通路内に少なくとも部分的に懸架された少なくとも1つのプロング部分を有する、請求項1に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項11】
前記アクチュエータ部材は、その作動時に変位し、前記アクチュエータ部材の変位は、第2の方向をほぼ横断する第1の方向に生じ、流体は、前記アクチュエータ部材に隣接する前記通路を通って前記第2の方向に流れる、請求項1に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項12】
請求項1に記載の流体ラインコネクタを備え、前記流体ラインコネクタの前記RFIDタグと通信する無線周波数識別(RFID)インテロゲータを備える、流体ラインコネクタアセンブリ。
【請求項13】
流体ラインコネクタであって、
本体と、前記本体を通る流体流のために前記本体内に存在する通路と、前記本体内に存在する貫通部と、
前記本体によって担持された無線周波数識別(RFID)タグであって、内部に不連続部を有する回路経路を有する、RFIDタグと、
前記貫通部内に少なくとも部分的に位置するカム部材であって、ベース部分を有し、前記ベース部分は表面を有し、少なくとも前記表面は導電性材料からなる、カム部材と、
を備え、
前記カム部材が非作動位置にあるとき、前記表面は前記不連続部において前記回路経路と接触せず、前記カム部材が作動位置にあるとき、前記表面は前記不連続部において前記回路経路と接触する、流体ラインコネクタ。
【請求項14】
少なくとも前記ベース部分は前記導電性材料からなる、請求項13に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項15】
前記導電性材料は、前記カム部材の前記ベース部分の前記表面上に存在する導電性インクである、請求項13に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項16】
前記不連続部における前記ベース部分の前記表面と前記回路経路との間の前記接触は、それらの間にスイッチが介在しない、請求項13に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項17】
前記カム部材は、前記ベース部分から垂下する少なくとも1つのプロング部分を有し、前記少なくとも1つのプロング部分は、前記カム部材が前記非作動位置にあるときに前記本体の前記通路内に少なくとも部分的に懸架され、前記少なくとも1つのプロング部分は、前記カム部材が前記作動位置にあるときに前記貫通部内に配置される、請求項13に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項18】
前記カム部材は、前記非作動位置から前記作動位置に変位され、前記変位は第1の方向に生じ、前記第1の方向は、流体流が前記貫通部に隣接する前記通路内を移動する第2の方向をほぼ横断する、請求項13に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項19】
前記回路経路は、第1の回路経路端部および第2の回路経路端部を有し、前記不連続部は、前記第1の回路経路端部と前記第2の回路経路端部との間に確立され、前記ベース部分の前記表面は、前記カム部材が前記作動位置にあるときに前記第1の回路経路端部および前記第2の回路経路端部と接触する、請求項13に記載の流体ラインコネクタ。
【請求項20】
流体ラインコネクタであって、
本体と、前記本体を通る流体流のために前記本体内に存在する通路と、前記本体内に存在する貫通部と、
前記本体に少なくとも隣接して配置された無線周波数識別(RFID)タグであって、回路経路を有し、前記回路経路は第1の回路経路端部および第2の回路経路端部を有し、前記第1の回路経路端部と前記第2の回路経路端部との間に不連続部が確立されている、RFIDタグと、
前記貫通部内に少なくとも部分的に位置するカム部材であって、ベース部分および少なくとも1つのプロング部分を有し、前記ベース部分は表面を有し、前記ベース部分の少なくとも前記表面は導電性材料からなり、前記表面は、前記カム部材の作動時に前記不連続部において前記第1の回路経路端部および前記第2の回路経路端部と接触する、カム部材と、
を備える、流体ラインコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月11日に出願された米国仮特許出願第62/544,057号の利益を主張する、2018年8月13日に出願された米国特許出願第16/102,256号の一部継続出願である、2019年5月6日に出願された米国特許出願第16/404,551号の一部継続出願である、2019年11月1日に出願された米国特許出願第16/671,520号の一部継続出願である。
【0002】
技術分野
本開示は、一般に、流体ラインを互いに接合するために使用されるコネクタアセンブリに関し、より詳細には、コネクタアセンブリ部材の適切かつ完全な係合を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
コネクタアセンブリ、特にクイック接続機能を有するコネクタアセンブリは、車両用途において流体ラインを互いに接合するために一般的に使用される。一例は、電気自動車における冷却剤流体ラインである。最初の組み立ておよび検査ならびにその後の点検のために、コネクタアセンブリの部材間で適切かつ完全な係合が行われたことを確認するために、コネクタアセンブリの設計および構築に視覚的な手段が採用されることがある。例としては、完全係合時に閉鎖可能な2次ラッチ、および係合を見るためにコネクタアセンブリの部材の1つに枠付けされた窓が挙げられる。これらの手段、ならびにこれらの手段のような他の手段は、コネクタアセンブリの部材間で適切かつ完全な係合が行われたことを確実にするために、組み立て者、検査者、または保守業者による物理的な相互作用および視認を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
一実施形態では、流体ラインコネクタは、本体、無線周波数識別(RFID)タグ、およびアクチュエータ部材を含むことができる。本体を通る流体流のための通路が本体内に存在する。RFIDタグは、本体によって担持される。RFIDタグは、内部に切れ目のある回路を有する。アクチュエータ部材は、本体の通路の近くに位置する。アクチュエータ部材は、作用部分を有する。作用部分は、導電性材料からなる。作用部分は、RFIDタグの回路に面する。対面は、切れ目またはその近くである。作用部分は、アクチュエータ部材が作動すると回路と接触する。作用部分は、アクチュエータ部材が作動されるときに接触によって回路の切れ目をブリッジする。
【0005】
別の実施形態では、流体ラインコネクタは、本体、無線周波数識別(RFID)タグ、およびカム部材を含むことができる。本体を通る流体流のための通路が本体内に存在し、貫通部が本体内に存在する。RFIDタグは、本体によって担持される。RFIDタグは、回路経路内に不連続部を有する回路経路を有する。カム部材は、貫通部内に部分的にまたはそれ以上位置している。カム部材はベース部分を有し、ベース部分は表面を有する。少なくとも表面は導電性材料からなる。カム部材が非作動位置にあるとき、表面は不連続部において回路経路と接触しない。カム部材が作動位置にあるとき、表面は不連続部において回路経路と接触している。
【0006】
さらに別の実施形態では、流体ラインコネクタは、本体、無線周波数識別(RFID)タグ、およびカム部材を含むことができる。本体を通る流体流のための通路が本体内に存在し、貫通部が本体内に存在する。RFIDタグは、本体または本体の近くに配置される。RFIDタグは、回路経路を有する。回路経路は、第1の回路経路端部および第2の回路経路端部を有する。第1の回路経路端部と第2の回路経路端部との間に不連続部が確立される。カム部材は、貫通部内に部分的にまたはそれ以上位置している。カム部材は、ベース部分と、1つまたは複数のプロング部分とを有する。ベース部分は、表面を有する。少なくとも表面は導電性材料からなる。表面は、カム部材が作動されると、不連続部において第1の回路経路端部および第2の回路経路端部と接触する。
【0007】
図面の簡単な説明
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】流体ラインコネクタアセンブリの一実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1の流体ラインコネクタアセンブリの部分分解図である。
【
図3】
図1の流体ラインコネクタアセンブリの流体ラインコネクタの分解図である。
【
図4】
図1の流体ラインコネクタアセンブリの断面図である。
【
図5】流体ラインコネクタの別の実施形態の斜視図である。
【
図6】
図5の流体ラインコネクタと共に使用することができるコネクタの一実施形態の側面図である。
【
図7】コネクタが組み立てられた、
図5の流体ラインコネクタの別の斜視図である。
【
図8】
図5の流体ラインコネクタのさらに別の斜視図である。
【
図10】
図5の流体ラインコネクタと共に使用することができるアクチュエータ部材およびスイッチの一実施形態の側面図である。
【
図11】
図5の流体ラインコネクタと共に使用することができる無線周波数識別(RFID)タグの一実施形態の上面図である。
【
図12】流体ラインコネクタの別の実施形態の斜視図である。
【
図14】流体ラインコネクタの別の実施形態の分解図である。
【
図15】
図14の流体ラインコネクタと共に使用することができる無線周波数識別(RFID)タグの別の実施形態の上面図である。
【
図16】
図14の流体ラインコネクタと共に使用することができるアクチュエータ部材の別の実施形態の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
流体ラインコネクタおよびアセンブリの複数の実施形態が、この説明において詳述される。コネクタおよびアセンブリは、ある程度のレベルの物理的相互作用および固定部位における組み立て者、検査者、または保守業者による視認を必要とした従来の2次ラッチおよび窓を必要とせずに、コネクタ間の適切かつ完全な固定の検出を可能にするように設計および構築される。代わりに、本明細書のコネクタおよびアセンブリは、コネクタの直接の固定部位から離れた場所に配置された装置を介して適切かつ完全な固定を検出することができる手段を備え、装置は、検出のために固定部位と必ずしも物理的に接触する必要はない。このようにして、コネクタおよびアセンブリは、最初の組み立て、その後の品質検査、およびその後の自動化されたサービス技術、ロボット技術、および/または自律的なサービス技術(例えば、自動車生産における高度な製造施設で見られるもの)のために装備される。したがって、コネクタおよびアセンブリは、即時電源が容易に利用できず、手軽に手元にない場合など、多くの用途において有用であることが判明する可能性がある。この説明は、電気自動車の冷却剤流体ラインなどの自動車流体ラインの文脈でコネクタおよびアセンブリを提示するが、コネクタおよびアセンブリはより広い用途を有し、航空機流体ライン、海洋流体ライン、農業流体ライン、および他の流体ラインでの使用に適している。
【0010】
本明細書で使用される場合、「完全固定」という語句およびその文法的変形は、流体ラインコネクタを介して流体密接合が確立される固定状態を指すために使用される。さらに、特に明記しない限り、半径方向、軸方向、および円周方向という用語、ならびにそれらの文法的変形は、流体ラインコネクタの通路の略円形の形状に関する方向を指す。
【0011】
流体ラインコネクタおよびアセンブリは、場合によっては流体ラインコネクタおよびアセンブリが使用される用途に応じて、異なる実施形態において様々な設計、構造、および構成要素を有することができる。
図1~
図4は、流体ラインコネクタおよびアセンブリ10の第1の実施形態を示す。流体ラインコネクタおよびアセンブリ10は、ここでは、流体ラインコネクタ12と、別の別個の個別のコネクタ14とを含む。流体ラインコネクタ12は、コネクタ14との容易な接続および切断動作のためのクイック接続機能を有し、自動車用流体ラインを互いに接合するために使用される。この実施形態では、流体ラインコネクタ12は雌コネクタであり、コネクタ14は雄コネクタ(スピゴットと呼ばれることが多い)である。流体ラインコネクタ12は、設置時に第1の端部16においてコネクタ14の挿入を受け入れ、第2の端部18において流体ラインに結合する。流体ラインコネクタ12は、図ではエルボおよびL字形構成を有するが、他の実施形態では直線およびインライン構成を有することができる。コネクタ14は、多くの可能性の中でも、車両バッテリトレイまたは熱交換器などのより大きな構成要素の一体的で幾分モノリシックな部分とすることができ、または流体ラインの一体的で幾分モノリシックな部分とすることができる。特に
図2および
図4を参照すると、コネクタ14は、その本体の半径方向外側に突出する第1のフランジ20を有し、第1のフランジ20から軸方向に離間し、かつ同様にコネクタの本体の半径方向外側に突出する第2のフランジ22を有する。第1および第2のフランジ20、22は、コネクタ14の周囲に円周方向に延びている。コネクタ14は、外側面24を有する。
【0012】
この実施形態では、流体ラインコネクタ12は、本体26と、Oリング28と、挿入部30と、無線周波数識別(RFID)チップ32と、スイッチ34と、アクチュエータ部材36とを含み、さらに、他の実施形態では、流体ラインコネクタ12は、より多くの、より少ない、および/または異なる構成要素を有することができる。ここで
図3および
図4を参照すると、本体26は、流体ラインコネクタ12を通る流体流を可能にするために、その構造内に画定された通路38を有する。本体26はまた、RFIDチップ32を受け入れて配置するための区画40を有する。区画40は、通路38とは別個の空間である。区画40を閉じ、RFIDチップ32をその中に封入するために、取り外し可能なカバー42を設けることができる。本体26は、組み立て時に本体26内にアクチュエータ部材36を位置させて着座させるための貫通部44をさらに有する。アクチュエータ部材36が本体26から取り出されると(例えば、
図3に示すように)、通路38および区画40は、通路38および区画40の両方に開口する貫通部44を介して互いに連通する。Oリング28は、おそらく
図4によって最もよく示されているように、通路38内に受け入れられ、そこで流体ラインコネクタ12とコネクタ14との間に封止を形成する。挿入部30はまた、通路38内に受け入れられ、コネクタ14と流体ラインコネクタ12とが互いに固定されるときにコネクタ14を保持するのを助けるために使用される。図の例では、挿入部30は、
図4に示すように、適切に重なり合う深さまでコネクタ14を流体ラインコネクタ12に挿入する際に第1のフランジ20を捕捉するフック端部48を有する一対のタング46を有する。挿入部30は、タング46によって互いにブリッジされた第1のリング構造50および第2のリング構造52を含む。第2のリング構造52の両側の押し下げ部54は、流体ラインコネクタ12からコネクタ14を分解するために、捕捉された第1のフランジ20を解放するように圧迫することができる。
【0013】
RFIDチップ32は、流体ラインコネクタ12とコネクタ14との間の適切かつ完全な固定の検出を支援する。RFIDチップ32は、RFIDインテロゲータ56との間で無線周波数(RF)信号を送受信する。RFIDインテロゲータ56は問い合わせ信号58をRFIDチップ32に送信し、これはRF信号60で応答する。このようにして、RFID技術を使用して適切かつ完全な固定検出が実行される。例えば、製造設備において、RFIDインテロゲータ56は、組み立て、検査、および/または設置製造ラインの中に配置することができ、流体ラインコネクタおよびアセンブリ10およびより大きな応用物が固定ゾーンを通って輸送されるときにRFIDインテロゲータ56がRFIDチップ32と相互に通信しようとする問い合わせゾーンを確立することができる。製造設備に応じて、RFIDインテロゲータ56は、RFIDインテロゲータ56から数メートルにわたる問い合わせゾーンを確立してもよい。別の設定では、RFIDインテロゲータ56は、ハンドヘルドデバイスなどのモバイルデバイスとすることができる。RF信号60は、様々なデータおよび情報をRFIDインテロゲータ56に伝達することができる。一実施形態では、伝達される情報は、流体ラインコネクタ12とコネクタ14との間の固定の状態の表示とすることができる。例えば、流体ラインコネクタ12およびコネクタ14が完全な固定を呈する場合、RF信号60は、完全に固定されているという情報をオン信号の形態でRFIDインテロゲータ56に伝達することができる。RFIDインテロゲータ56は、次に、伝達された情報を処理することができる。伝達される情報はまた、シリアル番号、設置場所などを含むことができる。
【0014】
特に
図3および
図4を参照すると、RFIDチップ32は本体26によって担持される。RFIDチップ32と本体26との間の支持は、様々な方法で達成することができる。この実施形態では、RFIDチップ32は区画40内に存在し、設置時にカバー42によって保護される。この位置では、RFIDチップ32は、通路38を通って移動する流体流への曝露から遮蔽され、特定の用途に応じて、外部の汚染源から遮蔽される。RFIDチップ32は、RF信号を交換(すなわち、送信および受信)するアンテナ62と、他の可能な機能の中でも、データおよび情報を記憶する集積回路(IC)64とを有する。
【0015】
スイッチ34は、RFIDチップ32をアクティブ化し、RFIDチップ32がRFIDインテロゲータ56との間でRF信号を送受信することを可能にするために、およびRFIDチップ32を非アクティブ化し、RFIDチップ32がRF信号を送受信することを無効化するために、RFIDチップ32と相互作用する。しかしながら、相互作用は、他の方法でRFIDチップ32の機能に影響を及ぼし得る。図によって示される実施形態では、スイッチ34はRFIDチップ32と電気的に結合され、RF信号の送受信に対するアンテナ62の有効化および無効化を行う。スイッチ34は、場合によっては、それが相互作用するRFIDチップ、ならびに付随するコネクタの設計および構造に応じて、異なる実施形態において様々な設計、構造、および構成要素を有することができる。例えば、スイッチ34は、機械的、電気的、および磁気的な形態をとることができる。一実施形態では、
図3および
図4を参照すると、スイッチ34は、RFIDチップ32に取り付けられたボタン66の形態である。
図4によって最もよく示されるように、ボタン66は、RFIDチップ32とアクチュエータ部材36との間に、貫通部44に隣接して配置される。衝突して物理的に押されると、ボタン66は、RFIDチップ32へのその電気的結合に起因して、アンテナ62をアクティブ化してRF信号を送信および受信することを可能にする。実施形態に応じて、ボタン66の単一の押圧および解放はRFIDチップ32をアクティブ化することができ、または維持された衝突および押圧は、衝突および押圧が持続する期間にわたってRFIDチップ32をアクティブ化することができる。逆に、ボタン66の単一の押圧および解放は、RFIDチップ32を非アクティブ化することができ、または維持された衝突および押圧がないことは、衝突および押圧がない期間にわたってRFIDチップ32を非アクティブ化することができる。
【0016】
さらに、他の実施形態では、スイッチ34は、他の手段によってRFIDチップ32をアクティブ化および非アクティブ化するように促され得る。特に
図4を参照すると、別の実施形態は、接触ベースのスイッチの代わりに非接触スイッチを使用することによって働きかけを実行する。流体ラインコネクタ12の本体26によってリードスイッチ68が担持され、コネクタ14によって磁気構成要素70が担持されている。ここで、流体ラインコネクタ12およびコネクタ14が完全に固定されているとき、リードスイッチ68と磁気構成要素70との間の近接は、RFIDチップ32のアクティブ化を促す。逆に、完全に固定されておらず、リードスイッチ68および磁気構成要素70が互いに対して離れていることに起因して、RFIDチップ32が非活性化される。本実施形態では、アクチュエータ部材36は設けられていなくてもよい。
【0017】
アクチュエータ部材36は、完全な固定動作の最中に、および流体ラインコネクタ12とコネクタ14との間の完全な固定において当接を受け、それによってスイッチ34の衝突を促す。アクチュエータ部材36は、場合によってはスイッチ34ならびに付随するコネクタの設計および構造に応じて、異なる実施形態において様々な設計、構造、および構成要素を有することができる。図の実施形態では、
図3および
図4を参照すると、アクチュエータ部材36は、通路38とスイッチ34との間にまたがり、コネクタ14とRFIDチップ32との間に相互関係を提供する。アクチュエータ部材36は、流体ラインコネクタ12の本体26内に担持され、貫通部44内に位置し着座している。アクチュエータ部材36は、その位置において、通路38に一端を有し、スイッチ34に他端を有する。
図3および
図4の実施形態では、アクチュエータ部材36はカム部材72の形態である。カム部材72は、一体型であり、ベース部分74と、ベース部分74から垂下する一対のプロング部分76とを有するU字形の輪郭を有する。ベース部分74は、スイッチ34に存在し、かつスイッチ34との接触を維持する第1の作用面78を有する。また、プロング部分76は各々、流体ラインコネクタ12への挿入時にコネクタ14と当接するために通路38内に存在する第2の作用面80を有する。第2の作用面80は、コネクタ14との当接を容易にし、カム部材72の付随する変位を誘発するために、コネクタ14の軸に対して傾斜していてもよい。
【0018】
流体ラインコネクタおよびアセンブリ10が使用時に使用される場合、RFID技術を介して適切かつ完全な固定を検出することができる。流体ラインコネクタ12とコネクタ14とは、コネクタ14が第1の端部16において本体26に挿入される際に一緒にされる。第1のフランジ20は、カム部材72に当接し、カム部材72を(図面の向きに対して)上方かつボタン66に向かって変位させる。第1のフランジ20は、カム部材72の第2の作用面80に面間当接する。カム部材72は、上方に付勢され、第1の作用面78とボタン66の正対面との間の面間接触を介してボタン66に衝突する。この実施形態では、第1のフランジ20はカム部材72との当接を維持し、したがってカム部材72はボタン66との衝突を完全な固定状態に維持する。
【0019】
別の実施形態では、流体ラインコネクタ12は、複数のRFIDチップを含む。特に
図3を参照すると、第1のRFIDチップ32に加えて第2のRFIDチップ33が設けられている。また、第1のRFIDチップ32と同様に、第2のRFIDチップ33は、流体ラインコネクタ12とコネクタ14との間の適切かつ完全な固定の検出を支援する。この実施形態では、第1および第2のRFIDチップ32、33の両方が、RFIDインテロゲータ56との間でRF信号を送受信する。一例では、流体ラインコネクタ12およびコネクタ14が完全な固定を呈するとき、第1のRFIDチップ32は、完全に固定されているという情報をRFIDインテロゲータ56に伝達することができる。逆に、流体ラインコネクタ12とコネクタ14とが完全に固定されていない場合、第2のRFIDチップ33は、この完全には固定されていないという情報をRFIDインテロゲータ56に伝達することができる。さらに、完全な固定では、第2のRFIDチップ33は、完全には固定されていないという情報をRFIDインテロゲータ56に伝達せず、完全に固定されていない場合、第1のRFIDチップ32は、完全に固定されているという情報をRFIDインテロゲータ56に伝達しない。先の実施形態と同様に、第1および第2のRFIDチップ32、33は、シリアル番号、設置場所などの追加情報を伝達することができる。第1のRFIDチップ32がその完全に固定されているという情報を伝達するか、または第2のRFIDチップ33がその完全に固定されていないという情報を伝達するかは、スイッチ34によって部分的に管理される。この実施形態では、スイッチ34は、第1および第2のRFIDチップ32、33の両方と相互作用し、第1および第2のRFIDチップ32、33の両方に電気的に結合される。情報の相互作用および伝達は、様々な方法で行うことができる。例えば、衝突すると、スイッチ34は、第1のRFIDチップ32をアクティブ化して、完全に固定されたという情報を伝達することを可能にすることができ、衝突しないと、スイッチ34は、第2のRFIDチップ33をアクティブ化して、完全に固定されていないという情報を伝達することを可能にすることができる。スイッチ34の衝突および衝突の非存在は、第1のRFIDチップ32または第2のRFIDチップ33を非アクティブ化および無効化することができる。
【0020】
ここで
図5~
図11を参照すると、流体ラインコネクタおよびアセンブリ110のさらに別の実施形態が示されている。この実施形態は、
図1~
図4の実施形態といくつかの類似点を有し、類似点は、
図5~
図11の実施形態の説明において繰り返されない場合がある。流体ラインコネクタおよびアセンブリ110は、流体ラインコネクタ112と、別の別個の個別のコネクタ114とを含む。流体ラインコネクタ112は、コネクタ114との容易な接続および切断動作のためのクイック接続機能を有し、自動車用流体ラインおよび他の用途における他の流体ラインを互いに接合するために使用される。この実施形態では、流体ラインコネクタ112は雌コネクタであり、コネクタ114は雄コネクタ(スピゴットと呼ばれることが多い)である。流体ラインコネクタ112は、
図7によって最もよく示されるように、コネクタ114の挿入を受け入れる。流体ラインコネクタ112は、図ではエルボおよびL字形構成を有するが、他の実施形態では直線およびインライン構成を有することができる。コネクタ114は、多くの可能性の中でも、車両バッテリトレイまたは熱交換器などのより大きな構成要素の一体的で幾分モノリシックな部分とすることができ、または流体ラインの一体的で幾分モノリシックな部分とすることができる。
【0021】
特に
図6を参照すると、コネクタ114は、延長部115と、流体ラインコネクタ112に挿入されるコネクタ114の端部に配置されたスロット117とを有する。延長部115は、コネクタ112、114間の相対的な回転整列目的のために流体ラインコネクタ112の相補的なキャビティ内に受け入れることができ、いくつかの実施形態では設ける必要はない。延長部115は、いくつかの実施形態では、流体ラインコネクタ112の第1のアクチュエータ部材(以下に示す)と当接することができ、したがって、その作動を促すことができる。延長部115は、設けられた場合、コネクタ114の挿入された端部を軸方向にまたぎ、コネクタの周囲本体の半径方向外側に突出する。スロット117は、後述するように、流体ラインコネクタ112のリテーナの挿入を受け入れる。スロット117は、コネクタ114の周りに円周方向に広がっている。さらに、コネクタ114は、傾斜部119を有する。傾斜部119は、コネクタ114内で増大する直径を呈する。外面113は、スロット117および傾斜部119から位置している。コネクタ114は、延長部115の前およびスロット117が流体ラインコネクタ112に受け入れられる前に傾斜部119が流体ラインコネクタ112に受け入れられた状態で、流体ラインコネクタ112に挿入される(すなわち、
図6の向きで右から左に)。
【0022】
図5~
図11によって示される実施形態では、流体ラインコネクタ112は、本体126と、リテーナ129と、無線周波数識別(RFID)タグ132と、1つまたは2つのスイッチ134、135と、1つまたは2つのアクチュエータ部材136、137とを含み、さらに、他の実施形態では、流体ラインコネクタ112は、より多くの、より少ない、および/または異なる構成要素を有することができる。ここで
図5および
図7~
図9を参照すると、本体126は、流体ラインコネクタ112を通る流体流を可能にするために、その構造内に画定された通路138を有する。さらに、本体126は、RFIDタグ132を受け入れて配置するための区画を有する。カバー142は、区画を閉じ、その中にRFIDタグ132を封入するために設けられる(区画およびカバーは
図5および
図7にのみ示されているが、
図8および
図9の描写は、RFIDタグ132を収容するための同様の構造を有することができる)。カバー142は取り外し可能であってもよいが、そうである必要はない。さらに、
図5には部分的にしか示されていないが、挿入部アセンブリ143を設けて、流体ラインコネクタ112の内部および通路138内に担持することができる。その設計および構造に応じて、挿入部アセンブリ143は、流体ラインコネクタ112とコネクタ114との間の嵌合、受け入れ、および/または封止を容易にすることができる。挿入部アセンブリ143は、例えば、実施形態に応じて、Oリング145およびキャリア147を含むことができ、ブッシングを含むこともできる。
【0023】
本体126は、リテーナ129と協働して、流体ラインコネクタ112のクイック接続機能を提供する構造を有する。再び
図5および
図7~
図9を参照すると、第1の開口部149および第2の開口部151が、本体の壁の両側に画定され、全体を貫通して通路138に通じている。壁の外部には、リテーナ129が半径方向外側に引っ張られて流体ラインコネクタ112からコネクタ114が解放されるときに、リテーナ129を一時的に展開するための第1の凹部153および第2の凹部155が存在する。フランジ157は、リテーナ129がスロット117に受け入れられたときにリテーナが不注意に外れるのを防止するために、本体の壁の半径方向外側に突出し、リテーナ129の部分を部分的に囲む。
【0024】
さらに、本体126は、アクチュエータ部材136、137の組み立ておよび設置に対応するように意図された構造を有する。その構造の正確な設計および構造は様々であり得、流体ラインコネクタ112に利用されるアクチュエータ部材およびスイッチの設計および構造に依存し得る。図面によって示され、ここで
図5、
図8、および
図9を参照する実施形態では、第1のソケット159および第2のソケット161が本体126内に存在する。第1のソケット159は、第1のアクチュエータ部材136を受け入れて保持し、この実施形態ではスロット構造の形態である。第1のソケット159は、第1のアクチュエータ部材136をそこに位置させるための通路138の入口163に配置され、入口163の近くの本体の壁に画定される。第1のアクチュエータ部材136を完全に受け入れるために、第1のソケット159の軸方向深さは、第1のアクチュエータ部材136の長さとほぼ同等とすることができる。同様に、第1のソケット159の径方向幅は、第1のアクチュエータ部材136の幅とほぼ同等とすることができる。第1のソケット159の軸方向深さは、一般に、入口163における通路138の軸と整列している。図面は、第1のアクチュエータ部材136を収容し、第1のソケット159を設けるための本体の壁内の拡大された構造を示しているが、他の実施形態では、拡大を最小限に抑えることができるように、収容をより密着させて、本体126に一体化することができる。
【0025】
ここで特に
図9を参照すると、第2のソケット161は、第2のアクチュエータ部材137を受け入れて保持し、この実施形態ではスロット構造の形態である。第2のソケット161は、通路138の外側で、第2のアクチュエータ部材137をそこに位置させるために本体の壁の側面に配置されている。第2のアクチュエータ部材137を完全に受け入れるために、第2のソケット161の径方向深さは、第2のアクチュエータ部材137の長さとほぼ同等とすることができる。同様に、第2のソケット161の軸方向幅は、第2のアクチュエータ部材137の幅とほぼ同等とすることができる。第2のソケット161の径方向深さは、一般に、入口163における通路138の半径と整列している。図面は、第2のアクチュエータ部材137を収容し、第2のソケット161を設けるために本体の壁の側面から突出する拡大された構造を示しているが、他の実施形態では、拡大構造を最小限に抑えることができるように、収容をより密着させて、本体126に一体化することができる。
図9では、ベース壁165と、ベース壁165から垂下する一対の側壁167とが一緒になって第2のアクチュエータ部材137を部分的に囲み、流体ラインコネクタ112が使用されるときに異物からの不用意な接触から保護するのに役立つ。
【0026】
リテーナ129は、本体126と相互作用して流体ラインコネクタ112のクイック接続機能をもたらし、その結果、コネクタ114を流体ラインコネクタ112に容易に挿入して保持することができ、必要に応じてまたは所望に応じてそこから解放して取り外すことができる。リテーナ129は、設計および構造が様々であり得る。特に
図5および
図8を参照すると、この実施形態では、リテーナ129は、内側に付勢された一体型ステンレス鋼線バネである。リテーナ129は、第1の脚部169と、第2の脚部171と、脚部間にまたがるブリッジ173とを有する。第1および第2の脚部169、171は、形状およびサイズが実質的に同様であってもよい。リテーナ129の第1の使用位置が、
図5、
図8、および
図9に示されている。第1の使用位置では、リテーナ129は、第1および第2の脚部169、171が第1および第2の開口部149、151を通って動いた状態で、本体126によって担持される。第1および第2の脚部169、171は、通路138内に部分的に存在する。コネクタ114は、第1の使用位置において流体ラインコネクタ112に挿入されない。リテーナ129の第2の使用位置は、図には具体的に示されていない。第2の使用位置では、コネクタ114は流体ラインコネクタ112に挿入され、傾斜部119は第1および第2の脚部169、171と係合する。係合は、第1および第2の脚部169、171を互いに離れるように広げ(すなわち、半径方向外側に)、ブリッジ173を半径方向外側に動かすことができる。コネクタ114の挿入が継続すると、リテーナ129は、リテーナ129がスロット117に受け入れられる第3の使用位置に動かされる。第1脚部および第2の脚部169、171は、傾斜部119を乗り越え、第1の使用位置の位置にスナップ式に戻ることができるが、ここではスロット117に受け入れられる。第1脚部および第2の脚部169、171は、それぞれ第1および第2の開口部149を通って動かされる。第1および第2の脚部169、171の一方または両方がスロット117内に受け入れられることにより、流体ラインコネクタ112およびコネクタ114が互いに固定される。リテーナ129が第1の使用位置と第2の使用位置と第3の使用位置との間で動くと、リテーナ129は、流体ラインコネクタ112へのコネクタ114の挿入方向179(
図5)をほぼ横断して直交する方向に動く。言い換えると、リテーナの動きは、半径方向外側かつ半径方向内側、または上下である。保守業者が、流体ラインコネクタ112からのコネクタ114の解放および取り外しのためにリテーナ129を引き上げると、第1の脚部169の末端脚部173(
図9)を第1の凹部153に着座させることができ、同様に、第2の脚部171の末端脚部(具体的には図示せず)を第2の凹部155に着座させることができる。
【0027】
ここで
図11を参照すると、RFIDタグ132は、流体ラインコネクタ112とコネクタ114との間の適切かつ完全な固定の検出を支援する。RFIDタグ132は、RFIDインテロゲータまたはリーダ156(
図7)と通信する。RFIDインテロゲータ156は、RFIDタグ132に問い合わせ信号158を送信し、これは同様にRFIDインテロゲータ156と通信する。このようにして、RFID技術を使用して適切かつ完全な固定検出が実行される。例えば、製造設備において、RFIDインテロゲータ156は、組み立て、検査、および/または設置製造ラインの中に配置することができ、流体ラインコネクタおよびアセンブリ110およびより大きな応用物が固定ゾーンを通って輸送されるときにRFIDインテロゲータ156がRFIDタグ132と相互に通信しようとする問い合わせゾーンを確立することができる。製造設備に応じて、RFIDインテロゲータ156は、RFIDインテロゲータ156から数メートルにわたる問い合わせゾーンを確立してもよい。別の設定では、RFIDインテロゲータ156は、ハンドヘルドデバイスなどのモバイルデバイスとすることができる。
【0028】
RFIDタグ132は、この実施形態ではパッシブ型RFIDタグ型であるが、アクティブ型RFIDタグなどの別の型であってもよい。RFIDタグ132から受信した通信は、様々なデータおよび情報をRFIDインテロゲータ156に伝達することができる。一実施形態では、伝達される情報は、流体ラインコネクタ112とコネクタ114との間の固定の状態の表示とすることができる。例えば、流体ラインコネクタ112およびコネクタ114が完全な固定を呈する場合、RFIDタグ132は、完全に固定されているという情報をオン信号の形態でRFIDインテロゲータ156に伝達することができる。逆に、流体ラインコネクタ112およびコネクタ114が完全に固定されていない場合、RFIDタグ132は、完全に固定されていないという情報をオフ信号の形態でRFIDインテロゲータ156に伝達することができる。RFIDインテロゲータ156は、次に、伝達された情報を処理することができる。伝達される情報はまた、部品シリアル番号、設置場所などを含むことができる。流体ラインコネクタ112がスイッチ134、135の両方およびアクチュエータ部材136、137の両方を備える実施形態では、RFIDタグ132は、スイッチ134、135の衝突または非衝突に基づいてアクチュエータ部材136、137の各々の状態を伝達することができる。例えば、RFIDタグ132は、i)アクチュエータ部材136、137の両方が作動せず、したがって第1および第2のスイッチ134、135の両方が開状態にあること、ii)第1のアクチュエータ部材136が作動せず、したがって第1のスイッチ134が開状態にあり、第2のアクチュエータ部材137が作動し、したがって第2のスイッチ135が閉状態にあること、iii)第1のアクチュエータ部材136が作動し、したがって第1のスイッチ134が閉状態にあり、第2のアクチュエータ部材137が作動せず、したがって第2のスイッチ135が開状態にあること、および/またはiv)第1および第2のアクチュエータ部材136、137の両方が作動し、したがって第1および第2のスイッチ134、135の両方が閉状態にあること、のうちの1つ以上を伝達することができる。
【0029】
RFIDタグ132は、本体126によって担持されている。RFIDタグ132と本体126との間の支持は、様々な方法で達成することができる。この実施形態では、RFIDタグ132は、本体の区画内に存在し、設置時にカバー142によって保護される。この位置では、RFIDタグ132は、通路138を通って移動する流体流への曝露から遮蔽され、特定の用途に応じて、外部の汚染源から遮蔽される。
図11に示すように、RFIDタグ132は、アンテナ162を有し、他の可能な機能の中でも、データおよび情報を記憶する集積回路(IC)164を有する。アンテナ162およびIC164は、RFIDタグ132の基板上に搭載することができる。両方が設けられる場合、一実施形態では、第1および第2のスイッチ134、135は、直列配置でRFIDタグ132と電気的に結合され得る。直列配置は、いくつかの実施形態では、有益な回路および検出能力を有する連続性ループを確立するのに役立つ。例えば、スイッチ134、135の一方または両方で連続性ループが確立されない場合、結果として生じる不連続性の検出を容易に実行することができる。他の実施形態では、第1および第2のスイッチ134、135とRFIDタグ132との間の電気的結合は、例えば、上述したように、スイッチ134、135の各々の独立した状態を伝達する能力をもたらすために、IC164において直列配置以外の配置を有することができる。さらに、
図3を参照して前述したように、
図5~
図11の実施形態では、流体ラインコネクタ112は、複数のRFIDタグを含むことができる。
【0030】
図5~
図11の実施形態の代替形態では、流体ラインコネクタ112は、i)第1のスイッチ134および第1のアクチュエータ部材136のみ、ii)第2のスイッチ135および第2のアクチュエータ部材137のみ、またはiii)第1および第2のスイッチ134、135の両方ならびに第1および第2のアクチュエータ部材136、137の両方を備えることができる。第3の[iii)]代替形態が図面に示されているが、当業者は、図面の流体ラインコネクタ112から他方を除去することによって第1の[i)]および第2の[ii)]代替形態を容易に想像することができる。
【0031】
ここで
図10を参照すると、第1および第2のスイッチ134、135は、第1および第2のアクチュエータ部材136、137によるスイッチ134、135の衝突または非衝突に基づいてそれらの状態をRFIDタグ132に伝達するために、RFIDタグ132と電気的に結合される。電気的結合は、第1および第2のスイッチ134、135からRFIDタグ132までまたがるワイヤ175の形態であってもよい。ワイヤは、直列配置を確立することができる。ワイヤ175の例では、ワイヤ175は、他の可能性の中でも、本体126内に存在する1つまたは複数の溝を通ってルーティングすることができ、または本体の壁内に埋め込むことができる。第1および第2のスイッチ134、135は、場合によっては、それが相互作用するRFIDタグならびに付随するアクチュエータ部材の設計および構造に応じて、様々な実施形態において様々な形態をとることができる。互いに対して、またスイッチ134、135の両方が存在する実施形態では、第1および第2のスイッチ134、135は異なる形態をとることができる。
図10において、第1および第2のスイッチ134、135は、ボタン166の形態である。特定のアクチュエータ部材が衝突して物理的に押されると、ボタン166は閉状態になる。そして、特定のアクチュエータ部材に衝突せず、物理的に押されないとき、ボタン166は開状態にある。
【0032】
第1および第2のアクチュエータ部材136、137は、完全な固定動作の最中および流体ラインコネクタ112とコネクタ114との間の完全な固定時に当接を受け、それによって作動され、第1および第2のスイッチ134、135にそれぞれ衝突してスイッチを閉じる。第1および第2のアクチュエータ部材136、137は、場合によっては特定のスイッチならびにコネクタの設計および構造に応じて、異なる実施形態において様々な設計、構造、および構成要素を有することができる。互いに対して、またアクチュエータ部材136、137の両方が存在する実施形態では、第1および第2のアクチュエータ部材136、137は異なる形態をとることができる。
【0033】
図面の実施形態において、およびここで
図5、
図8、および
図10を参照すると、第1のアクチュエータ部材136は、流体ラインコネクタ112へのコネクタ114の軸方向挿入の検出を容易にするように意図されている。第1のアクチュエータ部材136は、通路138の入口163付近に位置している。一般に、第1のアクチュエータ部材136は、側方を向いたV字形状に似ている。第1のアクチュエータ部材136の長手方向範囲177は、組み立て時に、コネクタ114の流体ラインコネクタ112への挿入方向179とほぼ一直線に配置される。長手方向範囲177は、一般に、入口163における通路138の軸と整列している。第1のアクチュエータ部材136は、ベース181と、ベース181から垂下する付属部183とを有する。ベース181は、第1のスイッチ134を担持し、本体126の第1のソケット159に挿入されて受け入れられる。付属部183は、第1のアクチュエータ部材136がコネクタ114から当接を受けると、弧状経路185を介してベース181に対して移動することができる。付属部183は、おそらく
図5によって最もよく示されるように、コネクタ114の挿入前に通路138内に部分的に懸架され、その結果、コネクタの傾斜部119は、そのような挿入時に付属部183と当接することができる。付属部183は、静止しているとき、および傾斜部119からの当接がないとき、この延長および懸架位置に留まり、これは、第1のアクチュエータ部材136の非作動状態および第1のスイッチ134の対応する開状態を構成する。当接されると、付属部183は次にベース181に向かって動き、第1のスイッチ134に衝突し、これは第1のアクチュエータ部材136の作動状態および第1のスイッチ134の対応する閉状態を構成する。
【0034】
一方の側では、付属部183は、通路138およびコネクタ114との全体的な対面を維持する外側作用面187を有する。その反対側では、付属部183は、第1のスイッチ134との全体的な対面を維持する内側作用面189を有する。突出部191は、第1のスイッチ134との直接衝突のために内側作用面189から延びることができる。付属部183は、その周りで付属部183がベース181に対して屈曲する近位端193を有し、遠位端195を有する。近位端193はヒンジとして機能し、遠位端195は付属部183の自由末端を構成する。第1のアクチュエータ部材136の場合、ヒンジの軸197は、コネクタ114の流体ラインコネクタ112への挿入方向179とほぼ直交する配置にあり、同様に入口163において通路138の軸とほぼ直交する。
【0035】
この実施形態では、第2のアクチュエータ部材137は、第1のアクチュエータ部材136と同様の設計および構造を有する。ここで
図9を参照すると、第2のアクチュエータ部材137は、リテーナ129の適切な位置決めおよびそれに伴うスロット117内の脚部169、171の受け入れの検出を容易にするように意図されている。第2のアクチュエータ部材137は、通路138の外側であって、本体の壁の側面に位置しており、さらに、図示を欠く他の実施形態では、第2のアクチュエータ部材は、本体126の内部に配置することができ、外部にある必要はない。その位置のために、そして第1のアクチュエータ部材136とは異なり、第2のアクチュエータ部材137の長手方向範囲177は、流体ラインコネクタ112へのコネクタ114の挿入方向179をほぼ横断して配置される。長手方向範囲177は、入口163において通路138の軸に対してほぼ直交している。第2のアクチュエータ部材137のベース181は、第2のスイッチ135を担持し、本体126の第2のソケット161に挿入されて受け入れられる。付属部183は、その遠位端195が、リテーナ129がその第1および第3の使用位置にあるときに末端脚部173が下降して存在する経路と交差するように、本体の外部に配置される。このようにして、末端脚部173は、脚部169、171がスロット117内で動かされるときに付属部183と当接することができ、したがって第2のアクチュエータ部材137の作動を引き起こすことができる。末端脚部173からの当接を介した第2のアクチュエータ部材137の作動が、
図9に示されている。付属部183は、静止しているとき、および末端脚部173からの当接がないとき、その延長位置に留まり、これは、第2のアクチュエータ部材137の非作動状態および第2のスイッチ135の対応する開状態を構成する。付属部183は、リテーナ129がその第2の使用位置にあるとき、末端脚部173からの当接がない。次いで、末端脚部173によって当接されると、付属部183はベース181に向かって動き、第2のスイッチ135に衝突し、これは第2のアクチュエータ部材137の作動状態および第2のスイッチ135の対応する閉状態を構成する。第2のアクチュエータ部材137の場合、ヒンジの軸197は、流体ラインコネクタ112へのコネクタ114の挿入方向179とほぼ一直線に配置され、同様に、入口163において通路138の軸とほぼ一直線になる。
【0036】
スイッチ134、135の両方およびアクチュエータ部材136、137の両方の使用を使用する流体ラインコネクタ112の実施形態は、完全固定の決定を向上させ、偽陰性検出読み取りを排除する。ここで
図6を参照すると、第1の棒グラフ200は、流体ラインコネクタ112へのコネクタ114の特定の軸方向挿入深さにおける第1のスイッチ134の状態を表し、第2の棒グラフ202は、流体ラインコネクタ112へのコネクタ114の同じ軸方向挿入深さにおける第2のスイッチ135の状態を表す。第1および第2の棒グラフ200、202は例であり、他の実施形態では異なっていてもよい。
図6では、第1および第2の棒グラフ200、202は、コネクタ114に隣接してコネクタ114の軸と平行に配置され、流体ラインコネクタ112に挿入されて両者が軸方向に重なるときのコネクタ114の対応する軸方向部分の表現として機能する。すべての実施形態において必要ではないが、第1および第2の棒グラフ200、202は、リテーナ129が最初にその第1の使用位置にあるという仮定に基づいている。この実施形態では、流体ラインコネクタ112へのコネクタ114の第1の軸方向挿入深さ204(または初期軸方向挿入深さ)に沿って、第1のスイッチ134はその開状態にあるべきである。流体ラインコネクタ112へのコネクタ114の第1の軸方向挿入深さ206に沿って、第2のスイッチ135はその閉状態にあってもよい。さらに、第2の軸方向挿入深さ208(または中間軸方向挿入深さ)に沿って、第1のスイッチ134の状態は不確実であり得、第1のスイッチ134はその閉状態にあり得る。図示されているように、第2の軸方向挿入深さ208において、リテーナ129はここで傾斜部119と係合しており、第1のアクチュエータ部材136の付属部183は傾斜部119または延長部115によって当接される。第2の軸方向挿入深さ209に沿って、第2のスイッチ135の状態は、不確実であり得るか、または閉じられ得る。第3の軸方向挿入深さ210に沿って、第2のスイッチ135は開状態にあるべきである。ここでも、傾斜部119は、第2の軸方向挿入深さ210でリテーナ129と係合している。最後に、第3の軸方向挿入深さ212(または最終軸方向挿入深さ)に沿って、第1のスイッチ134はその閉状態にあるべきである。また、第4の軸方向挿入深さ214に沿って、第2のスイッチ135もその閉状態にあるべきである。第3および第4の軸方向挿入深さ212、214において、第1および第2の脚部169、171はスロット117に受け入れられ、流体ラインコネクタ112およびコネクタ114は完全に互いに固定される。また、第1および第2のアクチュエータ部材136、137は作動され、第3および第4の軸方向挿入深さ212、214で第1および第2のスイッチ134、135に衝突する。流体ラインコネクタ112内へのコネクタ114の挿入動きに伴い、この実施形態では、第1のスイッチ134は、その開状態から不確実な状態に、そしてその閉状態に進み、第2のスイッチ135は、閉状態から不確実状態に、その開状態に進み、その後閉状態に戻る。第2のスイッチ135は、ある意味で、瞬間的なスイッチのように作用し、第2のアクチュエータ部材137によって衝突されたときにのみその閉状態にある。さらに、第2の軸方向挿入深さ208で第1のスイッチ134が最初にその閉状態に入る(または少なくともその閉状態にあり得る)時点で、第2のスイッチ135は第3の軸方向挿入深さ210で同時にその開状態にあるので、偽陰性検出読み取りは除外される。言い換えると、第1または第2のスイッチ134、135の少なくとも一方は、第3および第4の軸方向挿入深さ212、214までその開状態のままである。
【0037】
さらに、
図5~
図11の実施形態について、さらなる代替形態が可能である。一代替形態では、第1および第2のアクチュエータ部材136、137からの衝突は、それぞれの第1および第2のスイッチ134、135の状態を変化させ、例えば、衝突を介してスイッチを最初の開状態からその後の閉状態にし、または逆に衝突を介してスイッチを最初の閉状態からその後の開状態にする。別の代替形態では、第1のスイッチ134自体がコネクタ114から当接を受けることができ、第1のアクチュエータ部材136は、第1のスイッチ134を介して当接に間接的に作用され、当接によって間接的に動かされる。
【0038】
ここで
図12および
図13を参照すると、流体ラインコネクタおよびアセンブリ310の別の実施形態が示されている。この実施形態は、
図1~
図4の実施形態および
図5~
図11の実施形態といくつかの類似性を有し、類似点は、
図12および
図13の実施形態の説明において繰り返されない場合がある。流体ラインコネクタおよびアセンブリ310は、流体ラインコネクタ312と、別の別個の個別のコネクタ314とを含む。流体ラインコネクタ312は、コネクタ314との容易な接続および切断動作のためのクイック接続機能を有し、自動車用流体ラインおよび他の用途における他の流体ラインを互いに接合するために使用される。この実施形態では、流体ラインコネクタ312は雌コネクタであり、コネクタ314は雄コネクタ(スピゴットと呼ばれることが多い)である。流体ラインコネクタ312は、
図12および
図13に示すように、コネクタ314の挿入を受け入れる。流体ラインコネクタ312は、図ではエルボおよびL字形構成を有するが、他の実施形態では直線およびインライン構成を有することができる。コネクタ314は、多くの可能性の中でも、車両バッテリトレイまたは熱交換器などのより大きな構成要素の一体的で幾分モノリシックな部分とすることができ、または流体ラインの一体的で幾分モノリシックな部分とすることができる。
【0039】
特に
図13を参照すると、この実施形態におけるコネクタ314は、傾斜部319およびスロット317を有する。傾斜部319は、末端321からある距離にあるが、スロット317よりも末端321に近い。傾斜部319は、コネクタ314の外側部分において増大する直径を確立する。スロット317は、後述するように、流体ラインコネクタ312のリテーナの挿入を受け入れる。スロット317は、コネクタ314の周りに円周方向に広がっている。
【0040】
流体ラインコネクタ312は、異なる実施形態では、様々な設計、構造、および構成要素を有することができる。
図12および
図13によって示される実施形態では、流体ラインコネクタ312は、本体326と、カバー342と、リテーナ329と、無線周波数識別(RFID)タグ332と、スイッチ334と、アクチュエータ部材336とを含み、さらに、他の実施形態では、流体ラインコネクタ312は、より多くの、より少ない、および/または異なる構成要素を有することができる。特に
図13を参照すると、本体326は、流体ラインコネクタ312を通る流体流を可能にするために、その構造内に画定された通路338を有する。挿入部アセンブリは、流体ラインコネクタ312の内部および通路338内に設けることができる。その設計および構造に応じて、挿入部アセンブリは、流体ラインコネクタ312とコネクタ314との間の嵌合、受け入れ、および/または封止を容易にすることができる。ここでの実施形態では、挿入部アセンブリはOリング345を含む。さらに、本体326は、リテーナ329と協働して、流体ラインコネクタ312のクイック接続機能を提供する構造を有する。
図12を参照すると、第1の開口部349および第2の開口部(見えない)が、本体の壁の両側に画定され、全体を貫通して通路338に通じている。壁の外側には、リテーナ329を一時的に展開するための第1の凹部353および第2の凹部(やはり見えない)が存在する。フランジ357は、リテーナ329がスロット317に受け入れられたときにリテーナ329が不用意に外れるのを防止するために、本体の壁の半径方向外側に突出し、リテーナ329の部分を部分的に囲む。アクチュエータ部材336の利用に対応するために、貫通部344が本体の壁に画定され、そこを完全に貫通して通路338に通じている。アクチュエータ部材336は、通路338において貫通部344を介してアクセス可能である。アクチュエータ部材336は、貫通部344内に存在し、貫通部344を通って動く。
図13によって示されるように、貫通部344は、後述するように、アクチュエータ部材336がコネクタ314と相互作用することができるように、コネクタ314の挿入を受け入れる本体326の端部の近くに配置される。
【0041】
カバー342は、本体326によって担持され、流体ラインコネクタ312の使用中に異物および物への暴露からRFIDタグ332を保護するために、RFIDタグ332を部分的にまたはそれ以上囲む。カバー342は、様々な設計および構造を有することができる。この実施形態では、所定の位置にあるとき、カバー342は、本体326の外側境界に位置し、RFIDタグ332を全体的に囲む。本体326への取り付けのために、カバー342は、その構造の各側に配置された一対の延長部343(
図12では一方しか見えない)を有し、これは本体326上の相互接続構造をスナップ留めし、それによって本体との取り付けを確立する。さらに、後述するように、アクチュエータ部材336は、本明細書に提示される実施形態では、カバー342のモノリシック構造である。アクチュエータ部材336は、カバー342の前端部345から一体的に延びている。ここで、アクチュエータ部材336は、カバー342の外周347に延びている。この構造は、カバー342が本体326によって取り付けられると、アクチュエータ部材336がカバー342によって担持され、貫通部344に受け入れられるので、アクチュエータ部材の組み立ておよび設置を容易にする。さらに、他の実施形態では、カバー342およびアクチュエータ部材336は、本明細書に記載のモノリシック構造を示す必要はない。
【0042】
リテーナ329は、本体326と相互作用して流体ラインコネクタ312のクイック接続機能をもたらし、その結果、コネクタ314を流体ラインコネクタ312に容易に挿入して保持することができ、必要に応じてまたは所望に応じてそこから解放して取り外すことができる。リテーナ329は、設計および構造が様々であり得る。特に
図12を参照すると、この実施形態では、リテーナ329は、内側に付勢された一体型ステンレス鋼線バネである。リテーナ329は、第1の脚部369と、第2の脚部(図示せず)と、脚部間にまたがるブリッジ373とを有する。第1および第2の脚部369は、形状およびサイズが実質的に同様であってもよい。第1の使用位置では、リテーナ329は、第1および第2の脚部369が第1および第2の開口部349を通って動いた状態で、本体326によって支持される。第1および第2の脚部369は、通路338内に部分的に存在する。コネクタ314は、第1の使用位置において流体ラインコネクタ312に挿入されない。第2の使用位置では、コネクタ314は流体ラインコネクタ312に挿入されている最中であり、傾斜部319は第1および第2の脚部369と係合する。係合は、第1および第2の脚部369を互いに離れるように広げ(すなわち、半径方向外側に)、ブリッジ373を半径方向外側に動かすことができる。コネクタ314の挿入が継続すると、リテーナ329は、第3の使用位置、またはリテーナ329がスロット317内に受け入れられる固定位置に動かされる。第3の使用位置が
図12および
図13に示されている。第1および第2の脚部369は、傾斜部319を乗り越え、第1の使用位置の位置にスナップ式に戻ることができるが、ここではスロット317に受け入れられる。第1および第2の脚部369は、それぞれ第1および第2の開口部349を通って動く。第1および第2の脚部369がスロット317内に受け入れられることにより、流体ラインコネクタ312およびコネクタ314が互いに固定される。リテーナ329が第1の使用位置と第2の使用位置と第3の使用位置との間で動くと、リテーナ329は、流体ラインコネクタ312へのコネクタ314の挿入方向379(
図13)をほぼ横断して直交する方向に動く。言い換えれば、リテーナの動きは、ほぼ半径方向外側かつ半径方向内側、または上下である。保守業者が、流体ラインコネクタ112からのコネクタ114の解放および取り外しのためにリテーナ129を引き上げると、第1の脚部169の末端脚部173(
図9)を第1の凹部153に着座させることができ、同様に、第2の脚部171の末端脚部(具体的には図示せず)を第2の凹部155に着座させることができる。
【0043】
RFIDタグ332は、流体ラインコネクタ312とコネクタ314との間の適切かつ完全な固定の検出を支援する。RFIDタグ332は、RFIDインテロゲータまたはリーダ356(
図12)と通信する。RFIDインテロゲータ356は、RFIDタグ332に問い合わせ信号358を送信し、これは同様にRFIDインテロゲータ356と通信する。このようにして、RFID技術を使用して適切かつ完全な固定検出が実行される。例えば、製造設備において、RFIDインテロゲータ356は、組み立て、検査、および/または設置製造ラインの中に配置することができ、流体ラインコネクタおよびアセンブリ310およびより大きな応用物が固定ゾーンを通って輸送されるときにRFIDインテロゲータ356がRFIDタグ332と相互に通信しようとする問い合わせゾーンを確立することができる。製造設備に応じて、RFIDインテロゲータ356は、RFIDインテロゲータ356から数メートルにわたる問い合わせゾーンを確立してもよい。別の設定または単なる別の例では、RFIDインテロゲータ356は、ハンドヘルドデバイスなどのモバイルデバイスとすることができる。
【0044】
RFIDタグ332は、この実施形態ではパッシブ型RFIDタグ型であるが、アクティブ型RFIDタグなどの別の型であってもよい。RFIDタグ332から受信した通信は、様々なデータおよび情報をRFIDインテロゲータ356に伝達することができる。一実施形態では、伝達される情報は、流体ラインコネクタ312とコネクタ314との間の固定の状態の表示とすることができる。例えば、流体ラインコネクタ312およびコネクタ314が完全な固定を呈する場合、RFIDタグ332は、完全に固定されているという情報をオン信号の形態でRFIDインテロゲータ356に伝達することができる。逆に、流体ラインコネクタ312およびコネクタ314が完全に固定されていない場合、RFIDタグ332は、完全に固定されていないという情報をオフ信号の形態でRFIDインテロゲータ356に伝達することができる。RFIDインテロゲータ356は、次に、伝達された情報を処理することができる。伝達される情報はまた、部品シリアル番号、設置場所、設置日などを含むことができる。
【0045】
RFIDタグ332は、本体326によって担持されている。RFIDタグ332と本体326との間の支持は、様々な方法で達成することができる。この実施形態では、RFIDタグ332は、本体の外側境界に位置し、設置時にカバー342によって保護される。この位置では、RFIDタグ332は、通路338を通って移動する流体流への曝露から遮蔽され、特定の用途に応じて、外部の汚染源から遮蔽される。RFIDタグ332は、
図11によって提示されたものと同様の設計を有することができ、したがって、アンテナと、他の可能な機能の中でも、データおよび情報を記憶する集積回路(IC)とを有することができる。アンテナおよびICは、RFIDタグ332の基板上に存在することができる。もちろん、RFIDタグ332は、
図11のものとは異なる他の設計を有することができる。
【0046】
ここで
図13を参照すると、スイッチ334は、アクチュエータ部材336によるスイッチ334の衝突または非衝突に基づいてその状態をRFIDタグ332に伝達するために、RFIDタグ332と電気的に結合される。電気的結合はワイヤの形態であり得る。この実施形態では、スイッチ334は、RFIDタグ332に直接取り付けられ、それによって担持される。スイッチ334は、
図13に示すように、組み立て時にスイッチ334がアクチュエータ部材336によって物理的に挟まれるように、RFIDタグ332の位置に担持される。
図13の向きでは、スイッチ334はRFIDタグ332の下側にある。スイッチ334は、場合によっては、それが相互作用するRFIDタグならびに付随するアクチュエータ部材の設計および構造に応じて、様々な実施形態において様々な形態をとることができる。
図13において、スイッチ334はボタン366の形態である。アクチュエータ部材336が衝突して物理的に押されると、ボタン366は閉状態になる。そして、アクチュエータ部材336が衝突せず、物理的に押されないと、ボタン366は開状態にある。
【0047】
アクチュエータ部材336は、スイッチ334に衝突し、作動時にその状態を変化させる(例えば、開状態から閉状態、またはその逆)役割を果たす。この実施形態では、アクチュエータ部材336は、a)流体ラインコネクタ312へのコネクタ314の挿入、およびb)リテーナ329のその固定位置への移動の2つの動作が発生した場合にのみ、スイッチ334を作動および衝突させる。これらの2つの動作の一方が欠如していて不在である場合、アクチュエータ部材336は非作動のままであり、スイッチは衝突しない。アクチュエータ部材336は、場合によっては特定のスイッチならびにコネクタの設計および構造に応じて、異なる実施形態において様々な設計、構造、および構成要素を有することができる。
図12および
図13の実施形態では、また前述したように、アクチュエータ部材336は、カバー342の一体型拡張部である。アクチュエータ部材336は、
図13に示すように、組み立ておよび設置時に貫通部344に受け入れられる。この位置では、アクチュエータ部材336は、コネクタ314が流体ラインコネクタ312に挿入されている最中に、コネクタ314からの当接を受けるために通路338内に部分的に懸架されており、リテーナ329からの当接を受けるために本体326の外部に部分的に露出している。アクチュエータ部材336は、通路338の入口363付近に位置している。アクチュエータ部材336の長手方向範囲377は、挿入方向379とほぼ一直線に配置される。
【0048】
この実施形態では、アクチュエータ部材336は、ベース381と、ベース381から垂下する付属部383とを有する。一般に、ベース381は、通路338の外側に配置され、リテーナ329に面し、一方、付属部383は、通路338に配置され、その中に部分的に懸架され、コネクタ314に面する。スイッチ334に対して、ベース381は、その半径方向外側に位置し、付属部383は、その反対の半径方向内側に位置する。これにより、スイッチ334がアクチュエータ部材336に挟まれ、アクチュエータ部材336がスイッチ334を各側から押すことができる。ベース381は、カバー342から直接かつすぐに延び、付属部383は、ベース381から直接かつすぐに延びる。
【0049】
第1の延長部385はカバー342とベース381とを接合し、第2の延長部387はベース381と付属部383とを接合する。第2の延長部387は、その中に屈曲部を有し、RFIDタグ332の縁部の上および周囲でアクチュエータ部材336を包み、
図13の向きに対してベース381の下に付属部383を配置する。第2の延長部387の反対側に、付属部383は、終端部および自由端388(
図13)を有する。ベース381は、リテーナ329と当接するためにそれと直接対面する第1の作用面389を有し、付属部383は、コネクタ314と当接するためにそれに面する第2の作用面391を有する。第1の作用面389はほぼ半径方向外側に向けられ、第2の作用面391はほぼ半径方向内側に向けられる。第1の作用面389はリテーナ329から当接を受け、第2の作用面391はコネクタ314から当接を受ける。リテーナ329がその固定位置にもたらされたときにリテーナ329のブリッジ373を受け入れて支えるためにベース381に湾曲シート393(
図13)が存在する。また、第2の作用面391の反対側において、付属部383は、スイッチ334に直接衝突するためにスイッチ334にほぼ面する内側作用面392を有する。
【0050】
アクチュエータ部材336は、以下でさらに説明するように、流体ラインコネクタ312へのコネクタ314の挿入およびリテーナ329の固定の最中に移動する。アクチュエータ部材の移動を容易にするために、第1のヒンジ端部395は第1の延長部385にあり、第2のヒンジ端部397は第2の延長部387にある。この実施形態では、第1のヒンジ端部395は、すぐ周囲の壁部の厚さに対して薄くされた壁部である。第1のヒンジ端部395は、第1の軸399(
図12)を画定する。アクチュエータ部材の動きの一部は、ベース381が、カバー342に対して第1のヒンジ端部395の周りおよび第1の軸399の周りで偏向および変位されることを含むことができる。第1のヒンジ端部395と同様に、第2のヒンジ端部397は、第2の軸401(
図12)を画定する。アクチュエータ部材の動きの別の部分は、付属部383が、ベース381に対して第2のヒンジ端部397の周りおよび第2の軸401の周りで偏向および変位されることを含むことができる。第1の軸399および第2の軸401は、この実施形態では互いに平行であり、挿入方向379に対してほぼ直交して配置される。
【0051】
図12および
図13の実施形態では、アクチュエータ部材336は、i)流体ラインコネクタ312へのコネクタ314の完全な挿入、およびii)その固定位置へのリテーナ329の決定的かつ完全な移動が同時に起こるときにのみ、スイッチ334を作動および衝突させる。条件i)および条件ii)を
図12および
図13に示す。2つの条件i)またはii)の一方がないか、または条件i)およびii)の両方がない場合、アクチュエータ部材336は作動せず、スイッチ334は衝突しない。したがって、スイッチ334は、条件i)およびii)の両方が満たされたときにのみその状態を変化させ、流体ラインコネクタ312は、条件i)およびii)の両方が満たされたときにのみ適切かつ完全な固定を示す。実証されているように、以前の手法とは異なり、流体ラインコネクタ312は、単一のスイッチおよび単一のアクチュエータ部材の使用を利用して、コネクタ314の条件[すなわち、i)]およびリテーナ329の条件[すなわち、ii)]の2つの条件の検出をもたらす。
【0052】
流体ラインコネクタ312の使用中、コネクタ314は流体ラインコネクタ312に挿入され、傾斜部319は付属部383と当接する。第2の作用面391は傾斜部の外側面と直接接触する。傾斜部319から付属部383に第1の力が加えられる。第1の力は、挿入方向379をほぼ横断する。それに応答して、
図13に示すようにコネクタ314がその完全な挿入深さに達すると、付属部383およびベース381の両方がある程度の動きを経験することができ、リテーナ329がその固定位置にない場合、付属部383およびベース381の動きはスイッチ334の衝突をもたらさない。付属部383は、ベース381に対して円弧状の経路に沿って第2の軸401の周りを動く。一方、ベース381は、付属部の動きに応答して、カバー342に対して、第1の軸401を中心としてわずかに外側に動く。ベース381の動きは起こり、ある意味では、これはリテーナ329がその固定位置に存在しないために許容される。実際、スイッチ334の衝突を未然に防ぐのはベース381の動きである。リテーナ329がその固定位置に動き、脚部369がスロット317に受け入れられると、リテーナ329はベース381と当接する。第1の作用面389はリテーナのブリッジ373の外面と直接接触する。リテーナ329およびベース381から第2の力が加えられる。第1の力と同様に、第2の力は、挿入方向379をほぼ横断する。第2の力は、第1の力の方向とほぼ反対の方向を有する。第1の力および第2の力は、この点において、互いに反作用して対抗する役割を果たす。これに応じて、ベース381は、カバー342に対して、第1の軸401を中心として、
図13に最もよく示されている位置まで内側に動く。この動き、ならびに第1および第2の力の反対の作用は、アクチュエータ部材336をその作動状態にし、アクチュエータ部材336はスイッチ334に衝突して押圧する。スイッチ334の衝突は、ベース381と付属部383との間、および第1の力と第2の力との間に挟まれた結果である。
【0053】
ここで
図14~
図16を参照すると、流体ラインコネクタおよびアセンブリ410のさらに別の実施形態が示されている。この実施形態は、
図1~
図13の前述の実施形態といくつかの類似点を有し、類似点は、
図14~
図16の実施形態の説明において繰り返されない場合がある。流体ラインコネクタおよびアセンブリ410は、流体ラインコネクタ412と、別の別個の個別のコネクタとを含む。流体ラインコネクタ412は、別個のコネクタとの容易な接続および切断動作のためのクイック接続機能を有し、自動車用流体ラインおよび他の用途における他の流体ラインを互いに接合するために使用される。例えば、自動車用流体ライン用途では、流体ラインコネクタ412は、電気自動車のバッテリ設備に冷却剤流体ラインを装備することができ、または他の可能性の中でも、設置後に流体ラインコネクタ412にアクセスできない自動車用燃料タンクの内側のタンク内に装備することができる。タンク内用途では、流体ラインコネクタ412のその後の点検は、その内部位置のために困難であり、しばしば費用がかかる可能性がある。
図14~
図16の実施形態では、流体ラインコネクタ412は雌コネクタであり、個別コネクタは雄コネクタ(スピゴットと呼ばれることが多い)である。流体ラインコネクタ412は、個別コネクタの挿入を受け入れる。流体ラインコネクタ412は、図ではエルボおよびL字形構成を有するが、他の実施形態では直線およびインライン構成を有することができる。個別コネクタは、多くの可能性の中でも、車両バッテリトレイまたは熱交換器などのより大きな構成要素の一体的で幾分モノリシックな部分とすることができ、または流体ラインの一体的で幾分モノリシックな部分とすることができる。
【0054】
この実施形態における個別コネクタは、
図2および
図4を参照して説明したコネクタ14と同様とすることができる。したがって、個別コネクタは、その本体の半径方向外側に突出する第1のフランジと、その本体の半径方向外側に突出する第2のフランジとを有することができる。第1および第2のフランジは、互いに軸方向に離間することができ、個別コネクタの周りに円周方向に広がることができる。
【0055】
流体ラインコネクタ412は、異なる実施形態では、様々な設計、構造、および構成要素を有することができる。
図14~
図16に示す実施形態では、流体ラインコネクタ412は、本体426と、Oリング428と、挿入部430と、無線周波数識別(RFID)タグ432と、アクチュエータ部材436とを含む。さらに、他の実施形態では、流体ラインコネクタ412は、より多くの、より少ない、および/または異なる構成要素を有することができる。例えば、流体ラインコネクタ412は、ここに提示されたOリング428および挿入部430を有する必要はなく、異なる設計および構造を有する挿入部を有することができ、別の方法での嵌合および/または受け入れおよび/または封止を容易にする別の挿入部アセンブリを有することができ、またはこれらの構成要素の一方または両方を有する必要は全くない。特に
図14を参照すると、本体426は、流体ラインコネクタ412を通る流体流を可能にするために、その構造内に画定された通路438を有する。通路438は、流体ラインコネクタ412の主通路を構成する。本体426はまた、RFIDタグ432を受け入れて配置するための区画440を有する。区画440は、通路438とは別個の空間である。区画440を閉じ、RFIDタグ432をその中に封入するために、取り外し可能なカバー442を設けることができる。RFIDタグ432の受け入れおよび配置は、本特許出願の他の箇所に記載された実施形態によるものを含む、他の実施形態における異なる設計および構造を有することができる。
【0056】
本体426は、組み立て時に本体426内にアクチュエータ部材436を位置させて着座させるための貫通部444をさらに有する。アクチュエータ部材436が貫通部444に組み込まれていない場合、通路438および区画440は、通路438および区画440の両方に開口する貫通部444を介して互いに連通している。貫通部444は、
図14の破線の描写によって部分的に表されるように、通路438と区画440との間に軸方向に広がる。Oリング428は、通路438内に受け入れられ、流体ラインコネクタ412と個別コネクタとの間に封止を形成する。挿入部430はまた、通路438内に受け入れられ、個別コネクタと流体ラインコネクタ412とが互いに固定されるときに個別コネクタを保持するのを助けるために使用される。
図14の例では、挿入部430は、十分に重なり合う深さまで個別コネクタを流体ラインコネクタ412に挿入する際に第1のフランジを捕捉するフック端部448を有する一対のタング446を有する。挿入部430は、タング446によって互いにブリッジされた第1のリング構造450および第2のリング構造452を含む。第2のリング構造452の両側の押し下げ部454は、流体ラインコネクタ412から個別コネクタを分解するために、捕捉された第1のフランジを元に戻して解放するように圧迫することができる。
【0057】
RFIDタグ432は、流体ラインコネクタ412と個別コネクタとの間の適切かつ完全な固定の検出を支援する。RFIDタグ432は、RFIDインテロゲータまたはリーダ456(
図14)と通信する。RFIDインテロゲータ456は、RFIDタグ432に問い合わせ信号458を送信し、これはRFIDインテロゲータ456と通信することができる。このようにして、RFID技術を使用して適切かつ完全な固定検出が実行される。例えば、製造設備において、RFIDインテロゲータ456は、組み立て、検査、および/または設置製造ラインの中に配置することができ、流体ラインコネクタおよびアセンブリ410およびより大きな応用物が固定ゾーンを通って輸送されるときにRFIDインテロゲータ456がRFIDタグ432と相互に通信しようとする問い合わせゾーンを確立することができる。製造設備に応じて、RFIDインテロゲータ456は、RFIDインテロゲータ456から数メートルにわたる問い合わせゾーンを確立してもよい。別の設定または単なる別の例では、RFIDインテロゲータ456は、ハンドヘルドデバイスなどのモバイルデバイスとすることができる。
【0058】
RFIDタグ432は、この実施形態ではパッシブ型RFIDタグ型であるが、アクティブ型RFIDタグなどの別の型であってもよい。RFIDタグ432から受信した通信は、様々なデータおよび情報をRFIDインテロゲータ456に伝達することができる。一実施形態では、情報は、流体ラインコネクタ412と個別コネクタとの間の固定の状態の表示とすることができる。例えば、流体ラインコネクタ412および個別コネクタが完全な固定を呈する場合、RFIDタグ432は、完全に固定されているという情報をオン信号の形態でRFIDインテロゲータ456に伝達することができる。逆に、流体ラインコネクタ412および個別コネクタが完全に固定されていない場合、完全に固定されていないという情報は、RFIDタグ432からRFIDインテロゲータ456への信号の不在またはRFIDタグ432の沈黙の形態で確認することができ、またはRFIDタグ432は、完全に固定されていないという情報をオフ信号の形態でRFIDインテロゲータ456に伝達することができる。これらは、流体ラインコネクタ412と個別コネクタとの間の固定の状態を示す方法の単なる例であり、他の実施形態では他の例が可能である。RFIDインテロゲータ456は、次に、情報を処理することができる。情報はまた、部品シリアル番号、設置場所、設置日などを含むことができる。
【0059】
RFIDタグ432は、この実施形態では本体426によって担持されるか、または少なくとも本体426付近に配置される。RFIDタグ432と本体426との間の支持は、様々な方法で達成することができる。この実施形態では、RFIDタグ432は区画440内に存在し、設置時にカバー442によって保護される。この位置では、RFIDタグ432は、通路438を通って移動する流体流への曝露から遮蔽され、特定の用途に応じて、外部の汚染源から遮蔽される。ここで
図15を参照すると、RFIDタグ432は、基板423と、他の可能な機能の中でも、データおよび情報を記憶する集積回路の形態の回路464とを有する。回路464は、基板423上に配置されている。回路464は、基板423上に配置された導電性トレース427によって確立される回路経路425を含む。導電性トレース427は、一例では銅で構成することができる。電流は、導電性トレース427を介して回路経路425上を流れることができる。回路464の切れ目431は、回路経路425における電流の流れの継続を遮断する。切れ目431は、様々な方法で設計および構築することができる。
図15の実施形態では、切れ目431は、回路経路425内の不連続部433によって確立される。不連続部433は、回路経路425における電流の流れの継続を遮断する。ここで、回路経路425は、ある位置で第1の回路経路端部435で終端し、別の位置で第2の回路経路端部437で終端する。第1および第2の回路経路端部435、437は、互いに近くに配置され、不連続部433によって画定される間隔にわたって互いに面する。不連続部433は、第1および第2の回路経路端部435、437を介して確立される。第1および第2の回路経路端部435、437は、一例によれば導電性カーボンインクなどの導電性インクによって、別の例では銅パッドによって、または他の何かによって構成することができる。それでも、RFIDタグ432は、本明細書に提示されているよりも多くの、より少ない、および/または異なる回路構成要素を有することができ、その正確な構成要素は、RFIDタグ432の意図された機能によって決定され得る。
【0060】
アクチュエータ部材436は、完全な固定動作の最中に、および流体ラインコネクタ412と個別コネクタとの間の完全な固定において当接を受ける。アクチュエータ部材436は、場合によっては本体426、RFIDタグ432、および/または個別コネクタの設計および構造に応じて、異なる実施形態において様々な設計、構造、および構成要素を有することができる。この実施形態では、
図14および
図16を参照すると、アクチュエータ部材436は、通路438とRFIDタグ432との間に延び、個別コネクタとRFIDタグ432との間の相互関係を提供する。アクチュエータ部材436は、組み立て時に、流体ラインコネクタ412の本体426内に担持され、貫通部444内に位置して着座している。アクチュエータ部材436は、組み立てられた位置において、通路438に一端を有し、RFIDタグ432に他端を有する。この実施形態では、アクチュエータ部材436はカム部材472の形態である。カム部材472は、一体型であり、略U字形の輪郭を有する。カム部材472は、ベース部分474と、ベース部分474から垂下する一対のプロング部分476とを有する。カム部材472が貫通部444内に位置するとき、ベース部分474は、それらの間に確立された間隔にわたってRFIDタグ432に直接面し、対向し、特に、第1および第2の回路経路端部435、437において回路経路425に面し、対向する。
図16の描写では、ベース部分474は、わずかにアーチ状に示されている。しかし、ベース部分474は、他の実施形態では、流体ラインコネクタ412の使用中に切れ目431のブリッジを容易にするために、他の設計、構造、および形状を有することができる。例えば、ベース部分474は、
図16の描写に示されるものよりも平坦でアーチが少ない形状を有することができる。実際、いくつかの実施形態では、ベース部分474の各側の突起または突出部は、ベース部分474からプロング部分476の反対方向に上方に延びることができ、ここで、突起/突出部は、ブリッジ目的で回路464とより容易に接触することができる。
【0061】
プロング部分476は、第1のプロング部分475および第2のプロング部分477を含む。第1および第2のプロング部分475、477は各々、第1および第2のプロング部分475、477の隣接する末端に画定された作用面480を有する。組み立て時に、作用面480は、通路438に部分的にまたはそれ以上に懸架されて存在し、流体ラインコネクタ12への個別コネクタの挿入時に個別コネクタによる当接に利用可能である。個別コネクタとの当接を容易にするために、作用面480は、ベース部分474に向かって上方に傾斜し、個別コネクタの主長手方向軸に対して傾斜することができる。
【0062】
切れ目431をブリッジし、不連続部433において連続性をもたらすために、アクチュエータ部材436は、導電性材料からなる作用部分481を有する。作用部分481が切れ目431をブリッジすると、以下でより詳細に説明するように、電流が流れ、作用部分481およびその導電性組成物を介して回路経路425の第1および第2の回路経路端部435、437の間を伝わることができる。ブリッジされると、電流は、第1の回路経路端部435から作用部分481を通って第2の回路経路端部437まで、およびその逆に移動することができる。導電性材料は、実施形態に応じて、銅、グラファイト、銀もしくは炭素粒子、または別の導電性材料であり得る。アクチュエータ部材436が貫通部44内に位置し、非作動状態および位置にあるとき、作用部分481は、それらの間に確立された間隔にわたってRFIDタグ432の回路464に面する。
【0063】
作用部分481は、異なる実施形態では異なる形態をとることができる。一実施形態では、作用部分481は、アクチュエータ部材436の作用面483によって構成される。作用面483は、ベース部分474の外側の面である。作用面483は、第1および第2の回路経路端部435、437において回路経路425に直接かつすぐに面して対向する。作用面483を介して電流が流れるために、導電性インク485が塗布され、作用面483の一区画以上に存在する(導電性インク485は、破線で囲まれた
図16の描写によって表されている。描写および破線は、作用面483上に塗布された導電性インク485の正確な配置を提示することを必ずしも意図するものではなく、代わりに例示目的で示されている)。導電性インク485は、導電性カーボンインク、導電性グラファイトインクなどとすることができる。この実施形態では、アクチュエータ部材436の他の部分は、作用面483において導電性インク485の材料以外の材料で構成することができ、例えば、ベース部分474およびプロング部分476は、プラスチック材料または非導電性材料で構成することができる。このとき、電流の流れは、導電性インク485を介してのみ生じてもよく、ベース部分474およびプロング部分476の他の領域では生じ得ない。別の実施形態では、作用部分481は、ベース部分474の一部以上によって構成される。例えば、ベース部分474の全体を作用部分481とすることができ、したがってベース部分474の全体を導電性材料で構成することができる(この可能性は、
図16において参照番号487で表されている。前述のように、描写および破線は例示を目的としている)。この実施形態の別の例では、ベース部分474の層は作用部分481とすることができ、したがって層は導電性材料で構成される。層は、単なる表面よりも大きな厚さおよび深さを有する。本実施形態およびこれらの例では、アクチュエータ部材436の他の部分は、導電性材料以外の材料で構成することができ、例えば、プロング部分476のような他の部分は、プラスチック材料または非導電性材料で構成することができる。その場合、電流の流れは、どのような構成であっても導電性材料を介してのみ生じてもよく、プロング部分476などの他の領域では生じ得ない。さらに、さらに別の実施形態では、作用部分481は、アクチュエータ部材436の全体によって構成され、したがって、アクチュエータ部材436の全体は、導電性材料で構成される。
【0064】
さらに、
図1~
図4の流体ラインコネクタの第1の実施形態とは異なり、
図14~
図16の流体ラインコネクタ412の実施形態は、RFIDタグ432にスイッチ構成要素がない。アクチュエータ部材436とRFIDタグ432との間には、スイッチ構成要素は介在しない。むしろ、アクチュエータ部材436およびその作用部分481は、RFIDタグ432との係合および相互作用の直接的かつ隣接する経路を有し、それらの間にスイッチ構成要素も他の構成要素もない。
【0065】
流体ラインコネクタおよびアセンブリ410が使用時に使用される場合、RFID技術を介して適切かつ完全な固定を検出することができる。流体ラインコネクタ412および個別コネクタは、個別コネクタが本体426および通路438に挿入される際に一緒にされる。個別コネクタの第1のフランジは、挿入時にアクチュエータ部材436(すなわち、本実施形態ではカム部材472)に当接する。カム部材472は、非作動状態にあり、当接前の位置にある。その非作動状態および位置において、カム部材472は、RFIDタグ432から離間しており、RFIDタグ432との接触がなく、回路464との接触がない。切れ目431はブリッジされず、不連続部433において連続性はもたらされない。この接触がなく、カム部材472が非作動状態および位置にあるとき、一実施形態によれば、RFIDタグ432およびRFIDインテロゲータ456は、互いに通信することができない。通信がないこと、および結果としてRFIDタグ432の沈黙は、流体ラインコネクタ412および個別コネクタが完全に固定されていないことの表示として機能する。別の実施形態では、カム部材472が非作動状態および位置にあり、カム部材472とRFIDタグ432との間に接触がないとき、RFIDタグ432はオフ信号をRFIDインテロゲータ456に伝達する。オフ信号は、流体ラインコネクタ412および個別コネクタが完全に固定されていないことの表示として機能する。
【0066】
個別コネクタの第1のフランジは、挿入時にカム部材472の作用面480に面間当接する。カム部材472は、通路438の第2の方向をほぼ横断して直交する第1の方向に変位して上方に移動するように促される。流体は、第2の方向においてカム部材472に隣接する通路438を通って流れ、さらに、個別コネクタは、流体ラインコネクタ412に第2の方向に挿入される。カム部材472は、RFIDタグ432および回路464と面間接触する。ここで、カム部材472は作動状態および位置にある。作用部分481は、回路経路425と直接かつ隣接して接触しており、それらの間にいかなる構成要素も介在していない。特に、作用部分481は、第1の回路経路端部435および第2の回路経路端部437と直接かつ隣接して接触する。ベース部分474の外面および外側の面は、第1および第2の回路経路端部435、437の外面に接触する。これにより、切れ目431は、作用部分481および形成された接触部を介してブリッジされ、不連続部433において連続性がもたらされる。ここで、電流は、第1の回路経路端部435から作用部分481を通って第2の回路経路端部437まで、およびその逆に移動することができる。一実施形態によれば、RFIDタグ432およびRFIDインテロゲータ456は、カム部材472が作動状態および位置にあり、接触が行われるときに互いに通信することができる。通信する能力は、流体ラインコネクタ412および個別コネクタが完全に固定されていることの表示として機能することができる。一例では、RFIDタグ432は、オン信号をRFIDインテロゲータ456に伝達する。オン信号は、流体ラインコネクタ412および個別コネクタが完全に固定されていることの表示として機能することができる。一実施形態によれば、アクチュエータ部材436のその非作動位置からその作動位置への移動は、RFIDタグ432の状態の変化を促す。RFIDタグ432の状態の第1の状態から第2の状態への変化は、流体ラインコネクタ412および個別コネクタが完全な固定に達したことの表示として機能する。
【0067】
前述の説明は、本発明の定義ではなく、本発明の1つ以上の好ましい例示的な実施形態の説明であることを理解されたい。本発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されず、むしろ、以下の特許請求の範囲によってのみ定義される。さらに、前述の説明に含まれる記述は、特定の実施形態に関連し、用語または句が上記で明確に定義されている場合を除いて、本発明の範囲または特許請求の範囲で使用される用語の定義に対する限定として解釈されるべきではない。様々な他の実施形態ならびに開示された実施形態に対する様々な変更および修正が、当業者には明らかになるであろう。そのような他のすべての実施形態、変更、および修正は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図されている。
【0068】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、用語「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、および「など(such as)」、ならびに動詞「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、およびそれらの他の動詞形は、1つ以上の構成要素または他の項目の列挙と組み合わせて使用される場合、各々オープンエンドとして解釈されるべきであり、列挙が他の追加の構成要素または項目を除外すると見なされるべきではないことを意味する。他の用語は、異なる解釈を必要とする文脈で使用されない限り、それらの最も広い合理的な意味を使用して解釈されるべきである。
【国際調査報告】