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特表2024-514602切除治療のための装置およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】切除治療のための装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/067 20060101AFI20240326BHJP
   A61B 18/18 20060101ALI20240326BHJP
   A61N 5/06 20060101ALI20240326BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20240326BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61N5/067
A61B18/18
A61N5/06 A
A61M25/06 556
A61M39/10 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562737
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 US2022024291
(87)【国際公開番号】W WO2022221208
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/174,431
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508328693
【氏名又は名称】ナノスペクトラ バイオサイエンセズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NANOSPECTRA BIOSCIENCES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュウォーツ ジョン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】グッドリッチ グレン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】マーフィ アンドリュー マーク
【テーマコード(参考)】
4C066
4C082
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C066JJ05
4C082PA01
4C082PC10
4C082PE10
4C082PG13
4C082PG15
4C082PL10
4C082RA02
4C082RC09
4C082RE17
4C082RE24
4C082RE38
4C082RE39
4C082RG03
4C082RG06
4C082RL02
4C082RL07
4C082RL16
4C082RL22
4C082RL30
4C160MM32
4C267AA04
4C267AA05
4C267AA12
(57)【要約】
組織切除を治療するための様々な方法、システム、および装置が開示されている。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、腫瘍を治療する方法、電磁放射線で組織および腫瘍を照射するために使用されるシステム、そのシステムの構成要素および装置、ならびに電磁放射線で組織および腫瘍を照射するために使用されるシステムを提供するためのキットに関する。いくつかの実施形態では、システムは、ナノ粒子によって吸収され得るサブアブレーション赤外放射線を提供することができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は放射線を吸収して熱エネルギーに変換する。いくつかの実施形態では、赤外線放射自体はサブ切除性であっても、ナノ粒子によって生成される熱エネルギーは、熱凝固、温熱療法、および/または組織切除を引き起こすのに十分である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ照射装置アセンブリであって、
本体と、
前記本体から遠位方向に延びるプローブと、
シースコネクタと、を備え、
前記本体は、
第1の流体チャンバと、
前記1の流体チャンバと流体連通する第1のハブであって、第1の流体ポートと、第1の冷却剤ラインに係合するように構成されたフィッティングとを備える第1のハブと、
導波管開口部を備える第2の流体チャンバと、
前記第2の流体チャンバと流体連通する第2のハブであって、第2の流体ポートと第2の冷却剤ラインに係合するように構成されたフィッティングとを備える第2のハブと、
前記本体の前記第2の流体チャンバにアクセスを提供し、導波管を受け入れ、前記第2の流体チャンバと是木第2の流体チャンバの前記導波管開口部を通して前記導波管を導くように構成された導波管ハブと、を備え、
前記プローブは、
細長いプローブ内に管状キャビティを画定する可撓性の外壁を備え、当該外壁が前記第1の流体チャンバと流体連通する第1の内腔を画定し、前記可撓性の外壁が前記本体に近接する部分から、密封された先端部を備える遠位部分まで延在する細長いプローブ部材と、
前記本体から遠位方向に延び、前記管状キャビティ内にある内部管状部材であって、第2の内腔を画定し、前記細長いプローブ部材の遠位部分内に配置された出口開口部を備え、前記導波管が前記導波管開口部を通って向けられたときに、前記導波管を受容するように構成されている、内部管状部材と、を備え、
前記シースコネクタは、前記シースコネクタが前記カテーテルシースの前記コネクタに係合されると、前記カテーテルシースが前記プローブを少なくとも部分的に覆うように、前記カテーテルシースの対応するコネクタに係合するように構成されている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタが前記カテーテルシースの前記コネクタを介して前記コネクタシースに係合されると、前記カテーテルシースは、前記プローブを安定させる、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタが前記カテーテルシースの前記コネクタを介して前記コネクタシースに係合されると、前記カテーテルシースは、前記プローブのキンクの発生率を低下させる、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項4】
請求項1または3に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタが前記カテーテルシースの前記コネクタを介して前記コネクタシースに係合されると、前記レーザ照射装置アセンブリは、前記プローブをキンクさせることなく、前記プローブが水平になる位置で前記プローブによって保持される、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項5】
請求項1または4に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタは、前記細長いプローブ部材の少なくとも一部の周囲に円周方向に配置されている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シース
コネクタは、前記レーザ照射装置アセンブリの前記本体に接続され、および/または、前記レーザ照射装置アセンブリの前記本体と一体化されていること、を特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタは、前記細長いプローブ部材に接続され、および/または、前記細長いプローブ部材と一体であること、を特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記プローブは目盛りを有する、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記目盛りは、前記プローブの前記近位部分に設けられている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項10】
請求項8または9に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記目盛りは、前記プローブの前記遠位部分に設けられていない、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記プローブの目盛りは、前記シースコネクタまたはその近傍の位置を始端としている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記プローブの目盛りは、約4mm間隔である、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項13】
請求項1~7のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記プローブは、可視波長光、赤外光、紫外光、またはこれらの組み合わせに対して透過性を有する材料である、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記封止された先端部は、ドーム状先端部である、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項15】
請求項14に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記ドーム状先端部は、可視波長光、赤外光、紫外光、またはこれらの組み合わせに対して透過性である、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項16】
請求項14または15に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記レーザ照射装置アセンブリによって受容されたとき、前記導波管は、前記第2の管腔内に配置され、前記イントロデューサプローブの前記ドーム状端部を通してレーザ放射を伝達するように構成されている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記プローブの前記第1の内腔は、前記プローブの前記第2の内腔と流体連通している、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記第1チャンバは、前記プローブを介して前記第2の流体チャンバと流体連通している、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記プロ
ーブは、前記密封された先端部と前記内部管状部材の前記出口開口部との間に位置する溜め部を備え、前記溜め部は、前記プローブの前記第1の内腔と前記第2の内腔との間の流体の循環および/または移動を可能にするように構成されている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項20】
レーザ照射装置アセンブリであって、
本体と、
シースコネクタと、
プローブと、を備え、
前記プローブは、前記本体から遠位方向に延び、第1の内腔と、密封された端部と、を備える細長いプローブ部材と、
イントロデューサプローブの第1の内腔内に配置され、遠位方向に延びる内部管状部材であって、第2の内腔を備え、前記細長いプローブ内の出口開口部において終端する、内部管状部材と、を備え、
前記第1の内腔は、前記第2の内腔と流体連通し、
前記シースコネクタは、カテーテルシースの対応するコネクタと係合するように構成され、前記カテーテルシースは、前記カテーテルシースの前記コネクタを介して前記シースコネクタに接続されたときに、前記プローブを少なくとも部分的に覆うように構成されている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項21】
請求項20に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタが前記カテーテルシースの前記コネクタを介して前記コネクタシースに接続されると、前記カテーテルシースは、前記プローブを安定させる、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項22】
請求項20または21に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタが前記カテーテルシースの前記コネクタを介して前記コネクタシースに接続されると、前記カテーテルシースは、前記プローブのキンクの発生率を低下させる、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項23】
請求項20~22のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記プローブは、目盛りを有する、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項24】
請求項23に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記目盛りは、前記プローブの近位部分に設けられている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項25】
請求項23または24に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記目盛りは、前記プローブの遠位部分に設けられていない、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項26】
請求項20~25のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記プローブの密封された端部は、レーザ光の透過を可能にするように構成されたドーム状表面である、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項27】
請求項20~26のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記レーザ照射装置アセンブリは、
前記第1の内腔と流体連通する第1のハブと、
前記第2の内腔と流体連通する第2のハブと、を備え、
前記第1のハブは、
第1の流体ポートと、
第1の冷却剤ラインに係合するように構成されたフィッティングと、を備え、
前記第2のハブは、
第2の流体ポートと、
第2の霊薬剤ラインに係合するように構成されたフィッティングと、を備えること、を特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項28】
請求項1~19、27のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記第1の流体ポートは、前記第1の冷却剤ラインに冷却剤を分配するように構成された冷却剤出口であり、前記第2の流体ポートは、前記第2の冷却剤ラインから冷却剤を受容するように構成された冷却剤入口であり、
前記レーザ照射装置アセンブリは、前記冷却剤入口から前記第2の内腔を通って前記第1の内腔への冷却剤の通過と、前記冷却剤出口からの冷却剤の流出を可能にするように構成されている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項29】
請求項28に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記流体入口と前記流体出口とは、前記レーザ照射装置を通る冷却剤の不適切な経路を防止するために、異なるコネクタと相互作用するように構成されている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項30】
請求項1~19、27~29のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記第1ハブの前記フィッティングは、雄または雌のコネクタであり、前記第2ハブの前記フィッティングは、雄または雌のコネクタであり、前記第1ハブの前記コネクタと前記第2ハブの前記コネクタの性別が異なる、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタは、ねじ山が形成され、前記カテーテルシースのコネクタの対応するねじ山に係合するように構成されている、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項32】
請求項1~30のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタは、前記カテーテルシースの前記コネクタの対応するルアーフィッティングに係合するように構成されたルアーフィッティングを備える、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項33】
請求項32に記載のレーザ照射装置アセンブリであって、前記シースコネクタは、前記カテーテルシースの前記コネクタの対応する雌型のルアーフィッティングに係合するように構成された雄型ルアーフィッティングを備える、ことを特徴とするレーザ照射装置アセンブリ。
【請求項34】
システムであって、請求項1~33のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリおよび前記導波管を備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項35】
請求項34に記載のシステムであって、前記カテーテルシースをさらに備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項36】
システムであって、請求項1~33のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリおよび前記カテーテルシースを備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項37】
請求項36に記載のシステムであって、前記導波管をさらに備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項35~37のいずれかに1項に記載のシステムであって、前記カテーテルシースは、その長さの少なくとも一部に沿って目盛りが付けられている、ことを特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項38に記載のシステムであって、前記目盛りは、前記カテーテルシースの前記コネクタに近接した位置で前記カテーテルシースに設けられている、ことを特徴とするシステム。
【請求項40】
請求項34~39のいずれか1項に記載のシステムであって、前記プローブは、前記カテーテルシースが前記シースコネクタおよび前記カテーテルシースのコネクタを介して前記レーザ照射装置アセンブリに接続されると、前記プローブが前記カテーテルシースから突出するように、前記カテーテルシースよりも長くなっている、ことを特徴とするシステム。
【請求項41】
請求項40に記載のシステムであって、前記カテーテルシースが前記シースコネクタおよび前記カテーテルシースのコネクタを介して前記レーザ照射装置アセンブリに接続されると、前記内部管状部材の前記出口開口部は、前記カテーテルシースによって覆われない、ことを特徴とするシステム。
【請求項42】
請求項34、35、37~41のいずれか1項に記載のシステムであって、前記導波管は、前記導波管ハブの対応するフィッティングに係合するように構成されたフィッティングを備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項43】
請求項34、35および37~42のいずれか1項に記載のシステムであって、前記導波管は光ファイバである、ことを特徴とするシステム。
【請求項44】
請求項43に記載のシステムであって、前記光ファイバは、前記光ファイバから前記レーザ照射装置アセンブリの外へ放射を分配するように構成された拡散部を備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項45】
請求項44に記載のシステムであって、前記カテーテルシースが前記シースコネクタおよび前記カテーテルシースのコネクタを介して前記レーザ照射装置アセンブリに接続されると、前記拡散器先端部は、前記カテーテルシースによって覆われていない、ことを特徴とするシステム。
【請求項46】
請求項34~45のいずれか1項に記載のシステムであって、前記第1の冷却剤ラインをさらに備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項47】
請求項34~46のいずれか1項に記載のシステムであって、前記第2の冷却剤ラインをさらに備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項48】
請求項34~47のいずれか1項に記載のシステムであって、前記第2の冷却剤ラインに係合し、前記第2の冷却剤ラインに係合したとき前記レーザ照射装置アセンブリと流体連通するように構成された冷却剤リザーバをさらに備え、前記冷却剤リザーバは、前記レーザ照射装置アセンブリに霊薬剤を供給するように構成されている、ことを特徴とするシステム。
【請求項49】
請求項34~48のいずれか1項に記載のシステムであって、動作時に前記導波管を冷却するために、前記冷却剤リザーバから前記第2のラインを介して前記レーザ照射装置アセンブリに冷却剤を搬送するように構成されたポンプをさらに備える、ことを特徴とする
システム。
【請求項50】
請求項34~39のいずれか1項に記載のシステムであって、前記第1の冷却剤ラインに係合し、前記第1の冷却剤ラインに係合したときに前記レーザ照射装置アセンブリと流体連通するように構成された冷却剤回収バッグをさらに備え、前記冷却剤回収バッグは、前記レーザ照射装置アセンブリから冷却剤を受け取るように構成されている、ことを特徴とするシステム。
【請求項51】
請求項34~50のいずれか1項に記載のシステムであって、前記導波管と光通信するように構成されたレーザ光源をさらに備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項52】
キットであって、請求項1~33のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリを備える、ことを特徴とするキット。
【請求項53】
請求項52に記載のキットであって、前記カテーテルシースをさらに備える、ことを特徴とするキット。
【請求項54】
請求項52または53に記載のキットであって、前記導波管をさらに備える、ことを特徴とするキット。
【請求項55】
請求項52~54のいずれか1項に記載のキットであって、前記第1の冷却剤ラインをさらに備える、ことを特徴とするキット。
【請求項56】
請求項52~55のいずれか1項に記載のキットであって、前記第2の冷却剤ラインをさらに備える、ことを特徴とするキット。
【請求項57】
請求項52~56のいずれか1項に記載のキットであって、前記冷却剤リザーバをさらに備える、ことを特徴とするキット。
【請求項58】
請求項52~57のいずれか1項に記載のキットであって、前記冷却水ポンプをさらに備える、ことを特徴とするキット。
【請求項59】
請求項52~58のいずれか1項に記載のキットであって、前記冷却剤回収バッグをさらに備える、ことを特徴とするキット。
【請求項60】
請求項52~59のいずれか1項に記載のキットであって、レーザ光源をさらに備える、ことを特徴とするキット。
【請求項61】
請求項52~60のいずれか1項に記載のキットであって、取扱説明書をさらに備える、ことを特徴とするキット。
【請求項62】
請求項61に記載のキットであって、前記取扱説明書は、レーザ照射装置の操作方法に関する説明書を備える、ことを特徴とするキット。
【請求項63】
請求項61または62に記載のキットであって、前記取扱説明書は、前記レーザ照射装置システムの操作方法に関する説明書を備える、ことを特徴とするキット。
【請求項64】
患者の腫瘍を治療する方法であって、前記方法は、
赤外線を熱エネルギーに変換するナノ粒子を前記患者の全身に注入し、
前記ナノ粒子が前記腫瘍に優先的に集積させ、
カテーテルシースにシースされたトロカールを備えるトロカールアセンブリを第1の挿入点で前記患者に挿入し、
前記トロカールアセンブリが前記腫瘍の近位面を通過し、前記腫瘍の遠位側で終端するように、前記トロカールアセンブリを前記腫瘍に通すことによって、前記トロカールアセンブリを前記患者内に位置決めし、前記腫瘍内に第1の経路を形成し、
前記トロカールアセンブリから前記トロカールを取り外し、前記カテーテルシースを前記第1の経路内の前記患者に残し、
請求項1~33のいずれか1項に記載の前記レーザ照射装置アセンブリの前記プローブを前記カテーテルシースに挿入し、
前記プローブを前記腫瘍の前記第1の経路内の前記腫瘍の遠位側またはその近傍に位置する第1の位置に誘導し、
前記シースコネクタを使用して前記カテーテルシースとレーザ照射装置アセンブリとを接続し、
前記プローブが前記第1の経路内の前記第1の位置にあるとき、前記プローブ内の導波管に接続されたレーザ光源を作動させ、前記第1の位置で第1の時間赤外線を発生させ、前記ナノ粒子を切除温度まで加熱し、
前記カテーテルシースを前記レーザ照射装置から取り外し、
前記プローブを前記腫瘍の前記第1の経路内の前記第1の位置に対して近位に位置する第2の位置まで引き出し、
前記カテーテルシースを引き出し、前記シースコネクタを使用して前記カテーテルシースを前記レーザ照射装置アセンブリに接続し、
前記プローブが前記第2の位置にあるとき前記レーザ光源を作動させ、赤外線を第2の時間発生させ、前記ナノ粒子を切除温度まで加熱する、ことを特徴とする方法。
【請求項65】
請求項64に記載の方法であって、前記カテーテルシースおよび前記プローブを前記第1の経路から除去し、前記トロカールアセンブリを使用して前記腫瘍を通る第2の経路を形成する、ことをさらに備え、
前記カテーテルシースを前記第2の経路内の前記患者に残したまま、前記トロカールアセンブリから前記トロカールを取り外し、
前記レーザ照射装置アセンブリの前記プローブを前記カテーテルシースに挿入し、
前記プローブを前記腫瘍内の前記第2経路内の前記腫瘍の遠位側またはその近傍に位置する第1位置に誘導し、
前記シースコネクタを使用して、前記カテーテルシースと前記レーザ照射装置アセンブリとを接続し、
前記プローブが前記第2の経路内の前記第1の位置にあるとき、前記レーザ光源を作動させ、第3の期間赤外線を発生させ、前記ナノ粒子を切除温度まで加熱する、ことを特徴とする方法。
【請求項66】
請求項64または65に記載の方法であって、前記第1の経路の前記第1の位置と前記第2の位置とは、約8mm離れている、ことを特徴とする方法。
【請求項67】
請求項64~66のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1の挿入点および前記第2の挿入点から前記腫瘍の近位側に横方向に配置された追加の挿入点で、前記トロカールアセンブリを前記患者に挿入することをさらに備える、ことを特徴とする方法。
【請求項68】
請求項64~67のいずれか1項に記載の方法であって、前記テンプレートグリッドは、トロカールアセンブリを前記第1の挿入点および前記第2の挿入点に位置決めするために使用される、ことを特徴とする方法。
【請求項69】
請求項68に記載の方法であって、前記テンプレートグリッドは、前記トロカールアセ
ンブリを前記追加の挿入点で位置決めするために使用される、ことを特徴とする方法。
【請求項70】
請求項64~69のいずれか1項に記載の方法であって、前記レーザは、組織の光熱凝固を誘導するには不十分な放射線を放出するように作動する、ことを特徴とする方法。
【請求項71】
請求項64~70のいずれか1項に記載の方法であって、前記レーザ照射装置は、前記ナノ粒子の非存在下でサブ切除性の放射線を放出するように作動する、ことを特徴とする方法。
【請求項72】
請求項64~71のいずれか1項に記載の方法であって、前記レーザ照射装置は、前記ディフューザ先端部の約3.5W/cm~約4.5W/cmの放射線を放出するように作動する、ことを特徴とする方法。
【請求項73】
腫瘍を治療する方法であって、前記方法は、
請求項1~33のいずれか1項に記載のレーザ照射装置アセンブリを取得し、
カテーテルシースを組織の近位面を通して前記組織の遠位側まで通し、前記腫瘍を備える前記組織内に第1の位置で前記カテーテルシースを位置決めし、
前記レーザ照射装置アセンブリの前記プローブを前記カテーテルシースに挿入し、
前記シースコネクタを使用して、前記カテーテルシースと前記レーザ照射装置アセンブリとを接続し、
前記プローブが前記第1の位置にある間に、前記レーザ照射装置アセンブリのレーザ光源を作動させ、前記組織に赤外線を第1の時間照射する、ことを特徴とする方法。
【請求項74】
請求項73に記載の方法であって、前記カテーテルシースに接続された状態で前記プローブを前記組織の前記第1の位置に対して近位に位置する第2の位置まで引き出すことをさらに備え、
前記イントロデューサプローブが前記第2の位置にあるとき、前記レーザ光源を作動させ、サブ切除赤外線放射を第2の時間前記組織に照射する、ことを特徴とする方法。
【請求項75】
請求項74に記載の方法であって、前記カテーテルシースは目盛り付きであり、前記カテーテルシースの目盛りは、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離を測定するために使用される、ことを特徴とする方法。
【請求項76】
請求項73に記載の方法であって、
前記レーザ光源を前記第1の位置で作動させた後、前記レーザ照射装置アセンブリから前記カテーテルシースを取り外し、
前記プローブの目盛りを使用して、前記腫瘍の前記第1の経路内の第2の位置まで前記プローブを引き出し、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離を測定し、
前記シースコネクタを使用して、前記カテーテルシースを前記レーザ照射装置アセンブリに再接続し、
前記イントロデューサプローブが前記第1の位置に対して近位に位置する前記第2の位置にあるとき、前記レーザ光源を作動させ、前記サブ切除赤外線放射を第2の時間前記組織に照射する、ことを特徴とする方法。
【請求項77】
請求項1~76のいずれか1項に記載の方法であって、前記腫瘍は前立腺腫瘍である、ことを特徴とする方法。
【請求項78】
レーザ照射装置アセンブリの製造方法であって、
レーザ照射装置アセンブリの本体を取得し、
プローブを前記本体に取り付け、
シースコネクタを前記レーザ照射装置アセンブリに取り付ける、ことを特徴とする方法。
【請求項79】
請求項78に記載の方法であって、前記シースコネクタは前記本体に固定されている、ことを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項78に記載の方法であって、前記シースコネクタは前記プローブに固定されている、ことを特徴とする方法。
【請求項81】
請求項78に記載の方法であって、前記シースコネクタは、前記本体と前記プローブとの間に配置される、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2021年4月13日に出願された米国仮特許出願第63/174431号の優先権の利益を主張するものであり、本特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
治療的切除治療のためのナノ粒子の照射方法、システム、キット、および装置が開示されている。
【背景技術】
【0003】
熱的切除および放射線的切除は、治療法のために組織を燃焼および/または切除するために使用することができる。これらの技術は、がん組織や腫瘍の切除に用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、治療的処置および/または組織の切除療法のための方法、システム、キット、および装置に関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、レーザ照射アセンブリに関する。レーザ照射アセンブリ、またはレーザカテーテルは、レーザ導波路(光ファイバーなど)を受けるように構成された装置である。いくつかの実施形態において、レーザ照射アセンブリは、作動時にレーザ導波路を冷却するための冷却剤を受け取るように構成された冷却レーザ照射アセンブリである。いくつかの実施形態において、レーザ照射装置アセンブリは、本体およびプローブを含み得る。いくつかの実施形態では、レーザ照射装置アセンブリは、シースコネクタを含むことができる。シースコネクタを使用することで、ある利点が得られることが分かっている。
【0005】
いくつかの実施形態では、本体は、第1の流体チャンバを含むことができる。いくつかの実施形態において、本体は、第1のハブを含み得る。いくつかの実施形態において、第1のハブは、第1の流体チャンバと流体連通することができる。いくつかの実施形態において、第1のハブは、第1の流体ポートを含み得る。いくつかの実施形態において、第1のハブは、第1の冷却剤ラインに係合するように構成されたフィッティングを含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、本体は、第2の流体チャンバを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の流体チャンバは、導波管開口部を含むことができる。いくつかの実施形態では、本体は、第2のハブを含むことができる。いくつかの実施形態において、第2のハブは、第2の流体室と流体連通することができる。いくつかの実施形態において、第2のハブは、第2の流体ポートを含み得る。いくつかの実施形態において、第2のハブは、第2の冷却剤ラインに係合するように構成されたフィッティングを含み得る。いくつかの実施形態において、本体は、導波管ハブを含むことができる。いくつかの実施形態において、導波管ハブは、本体の第2の流体チャンバへのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、導波管ハブは、導波管を受け取り、第2の流体チャンバおよび第2の流体チャンバの導波管開口部を通して導波管を導くように構成することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、プローブは、本体から遠位方向に延びる。いくつかの実施形態において、プローブは、細長いプローブ部材を含み得る。いくつかの実施形態において、細長いプローブ部材は、可撓性外壁を含み得る。いくつかの実施形態において、可撓性の外壁は、細長いプローブ内に管状の空洞を画定する。いくつかの実施形態において、外
壁は、第1の流体室と流体連通可能な第1の管腔を画定する。いくつかの実施形態において、可撓性外壁は、本体から遠位方向に延びる。いくつかの実施形態において、細長いプローブ部材は、近位部分および遠位部分を含み得る。いくつかの実施形態において、近位部分は、遠位部分よりも本体の近くに位置し得る(例えば、隣接し得る、取り付けられ得るなど)。いくつかの実施形態において、密封された先端部を構成する遠位部分(例えば、細長いプローブ部材は密封された先端部で終端する)。
【0008】
いくつかの実施形態では、プローブは内部管状部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、内部管状部材は、本体から遠位方向に、細長いプローブ部材の管状キャビティ内に延在する。いくつかの実施形態において、内部管状部材は、プローブの第2の管腔を画定する。いくつかの実施形態において、内部管状部材は、出口開口部を含み得る。いくつかの実施形態において、出口開口部は、細長いプローブ部材の遠位部分内に配置され得る。いくつかの実施形態では、内部管状部材は、導波管が導波管開口部を通して向けられたときに導波管を受けるように構成することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、シースコネクタはフィティングを含むことができる。いくつかの実施形態において、シースコネクタは、カテーテルシースの対応するコネクタ(例えば、フィッティング)と係合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルシースは、カテーテルシースのコネクタを介してシースコネクタに接続されたときに、プローブを少なくとも部分的に覆うように構成され得る。いくつかの実施形態において、シースコネクタがカテーテルシースのコネクタを介してコネクタシースに接続されると、カテーテルシースはプローブを安定させる。いくつかの実施形態において、シースコネクタがカテーテルシースのコネクタを介してコネクタシースに接続されると、カテーテルシースはプローブのキンクの発生率を低下させる。いくつかの実施形態において、シースコネクタがカテーテルシースのコネクタを介してコネクタシースに接続されるとき、レーザ照射装置アセンブリは、プローブをキンクさせることなく、プローブが水平になる位置でプローブによって保持され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、シースコネクタは、細長いプローブ部材の少なくとも一部の周囲に円周方向に配置することができる。いくつかの実施形態では、シースコネクタは、レーザ照射装置アセンブリの本体に接続され、および/または本体と一体化され得る。いくつかの実施形態では、シースコネクタは、細長いプローブ部材に接続され、および/または細長いプローブ部材と一体化され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、プローブの長さに目盛りを付けることができる。いくつかの実施形態では、目盛りは、プローブの近位部分に設けることができる。いくつかの実施形態では、目盛りは、オプションとして、プローブの遠位部分には設けられていない。いくつかの実施形態では、プローブの目盛りは、シースコネクタの位置またはその近傍から始まる。いくつかの実施形態では、プローブの目盛りは、約4mm間隔であり得る。いくつかの実施形態において、プローブは、可視波長の光、赤外光、紫外光、またはこれらの組み合わせに対して透過性であり得る材料であり得る。いくつかの実施形態において、密封された先端部はドーム状先端部とすることができる。いくつかの実施形態において、ドーム状先端部は、可視波長の光、赤外光、紫外光、または前述の組み合わせに対して透過性であり得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、レーザ照射装置アセンブリによって受信されると、導波路は、第2の管腔内に配置されることができ、イントロデューサプローブのドーム状先端部を通してレーザ放射を伝送するように構成されることができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、プローブの第1の管腔は、プローブの第2の管腔と流体
連通することができる。いくつかの実施形態において、第1のチャンバは、プローブを介して第2の流体チャンバと流体連通することができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、プローブは、密封された先端部と内部管状部材の出口開口部との間に位置する溜め部を含むことができ、溜め部は、プローブの第1の内腔と第2の内腔との間の流体の循環および/または移動を可能にするように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態は、本体、シースコネクタ、およびプローブを含むレーザ照射装置アセンブリに関する。いくつかの実施形態において、プローブは、本体から遠位方向に延びる細長いプローブ部材を含むことができ、この細長いプローブは、第1の内腔と密封された端部とを含む。いくつかの実施形態において、プローブは、遠位に延びる内部管状部材を含み得る。いくつかの実施形態において、内部管状部材は、イントロデューサプローブの第1の内腔内に配置および/または配置され得る。いくつかの実施形態において、内部管状部材は、第2の管腔を含み、細長いプローブ内の出口開口部で終端し得る。いくつかの実施形態において、第1の管腔は、第2の管腔と流体連通することができる。いくつかの実施形態において、シースコネクタは、カテーテルシースの対応するコネクタと係合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルシースは、カテーテルシースのコネクタを介してシースコネクタに接続されたときに、プローブを少なくとも部分的に覆うように構成され得る。いくつかの実施形態において、シースコネクタがカテーテルシースのコネクタを介してコネクタシースに接続可能である場合、カテーテルシースはプローブを安定させる。いくつかの実施形態において、シースコネクタがカテーテルシースのコネクタを介してコネクタシースに接続可能である場合、カテーテルシースはプローブのキンクの発生率を低下させることができる。いくつかの実施形態では、プローブの長さに目盛りを付けることができる。いくつかの実施形態では、目盛りはプローブの近位部分に設けることができる。いくつかの実施形態では、目盛りは、任意選択で、プローブの遠位部分には設けられない。いくつかの実施形態では、プローブの密封端部は、レーザ光の透過を可能にするように構成されたドーム状の表面とすることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、レーザ照射装置アセンブリは、第1の内腔と流体連通する第1のハブを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のハブは、第1の流体ポートと、第1の冷却剤ラインに係合するように構成されたフィッティングとを含み得る。いくつかの実施形態において、レーザ照射装置アセンブリは、第2の内腔と流体連通する第2のハブを含み得る。いくつかの実施形態では、第2のハブは、第2の流体ポートおよび第2の冷却剤ラインに係合するように構成されたフィッティングを含み得る。
【0017】
上述の実施形態のいずれか、または本明細書の他の箇所に記載されている実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の流体ポートは、冷却剤を第1の冷却剤ラインに分配するように構成された冷却剤出口とすることができ、第2の流体ポートは、第2の冷却剤ラインから冷却剤を受け取るように構成された冷却剤入口とすることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、レーザ照射装置アセンブリは、冷却剤入口から第2の管腔を通って第1の管腔に、そして冷却剤出口から冷却剤を通過させるように構成することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、流体入口および流体出口は、レーザ照明装置を通る冷却剤の不適切な経路を防止するために、異なるコネクタと相互作用するように構成され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1のハブの嵌合は、雄または雌のコネクタとすることがで
き、第2のハブの嵌合は、雄または雌のコネクタとすることができ、第1のハブのコネクタと第2のハブのコネクタの性別は、異なる性別とすることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、シースコネクタはねじ切りされ、カテーテルシースのコネクタの対応するねじ山に係合するように構成され得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、シースコネクタは、カテーテルシースのコネクタの対応するルアーフィッティングに係合するように構成されたルアーフィッティングを含むことができる。いくつかの実施形態では、シースコネクタは、カテーテルシースのコネクタの対応する雌型ルアーフィッティングに係合するように構成された雄型ルアーフィッティングを含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態は、上記または本明細書の他の箇所に記載されているようなレーザ照射装置アセンブリを含むシステムに関係する。いくつかの実施形態では、システムは、導波管、カテーテルシース、またはその両方をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシースは、その長さの少なくとも一部に沿って目盛りが付けられ得る。いくつかの実施形態では、目盛りは、カテーテルシースのコネクタに近接した位置でカテーテルシース上に設けることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、プローブはカテーテルシースよりも長くすることができる。いくつかの任意の実施形態において、カテーテルシースがシースコネクタおよびカテーテルシースのコネクタを介してレーザ照射装置アセンブリに接続され得るとき、プローブはカテーテルシースから突出し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシースがシースコネクタおよびカテーテルシースのコネクタを介してレーザ照射装置アセンブリに接続されるとき、内部管状部材の出口開口部は、任意に、カテーテルシースによって覆われないことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、導波管は、導波管ハブの対応するフィッティングと係合するように構成されたコネクタフィッティングを含むことができる。いくつかの実施形態では、導波管は光ファイバであり得る。いくつかの実施形態では、光ファイバは、光ファイバからレーザ照射装置アセンブリの外へ放射を分配するように構成された拡散部分を含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の冷却剤ラインをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、第2の冷却剤ラインをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、第2の冷却剤ラインに係合し、第2の冷却剤ラインに係合したときにレーザ照射装置アセンブリと流体連通するように構成された冷却剤リザーバをさらに含むことができ、冷却剤リザーバは、レーザ照射装置アセンブリに冷却剤を供給するように構成されている。いくつかの実施形態において、システムは、動作時に導波路を冷却するために、冷却剤リザーバから第2のラインを介してレーザ照射装置アセンブリに冷却剤を搬送するように構成されたポンプをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、第1の冷却剤ラインに係合し、第1の冷却剤ラインに係合したときにレーザ照射装置アセンブリと流体連通するように構成された冷却剤回収バッグをさらに含むことができ、冷却剤回収バッグは、レーザ照射装置アセンブリから冷却剤を受け取るように構成され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、レーザ照明システムは、光ファイバと光通信するように構成されたレーザ光源を含み得る。いくつかの実施形態において、切除は、光ファイバを通してレーザ照射装置アセンブリに放射を送信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、活性化されると、切除は、光ファイバを通して、密封された端部を通して電磁放射
線を送信する。
【0029】
いくつかの実施形態は、上記または本明細書の他の箇所に開示されているようなレーザ照射装置アセンブリを含むキットに関係する。いくつかの実施形態は、上記または本明細書の他の箇所に開示されているようなシステムを含むキットに関する。
【0030】
いくつかの実施形態は、腫瘍を治療する方法に関する。いくつかの実施形態において、この方法は、ナノ粒子を患者に全身的に注入することを含むことができ、ナノ粒子は、赤外光を熱エネルギーに変換するように適合させることができる。いくつかの実施形態において、本方法は、ナノ粒子が腫瘍に優先的に蓄積するようにすることを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、トロカールとカテーテルシースとを含むトロカールアセンブリを第1の挿入点で患者に挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態において、トロカールアセンブリは、トロカールがカテーテルシース内にシースされ得る。いくつかの実施形態において、本方法は、トロカールアセンブリが腫瘍の近位面を通過し、腫瘍の遠位側で終端し、腫瘍内に第1の経路を形成するように、トロカールアセンブリを腫瘍に通すことによって、トロカールアセンブリを患者内に位置決めすることを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、第1の経路内の患者内にカテーテルシースを残したまま、トロカールアセンブリからトロカールを取り外すことを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、カテーテルシース内にレーザ照射装置アセンブリのプローブを挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、プローブを腫瘍内の第1の経路内の第1の位置に誘導することを含むことができ、第1の位置は、腫瘍の遠位側またはその近傍に位置することができる。いくつかの実施形態において、本方法は、シースコネクタを使用してカテーテルシースをレーザ照射装置アセンブリに接続することを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、プローブが第1の経路内の第1の位置にあるときに、プローブ内の導波路に接続されたレーザ光源を作動させて、第1の位置で第1の時間赤外線を発生させ、それによってナノ粒子を切除温度まで加熱することを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、カテーテルシースをレーザ照射装置アセンブリから切り離すことを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、プローブを腫瘍内の第1の経路内の第2の位置まで引き出すことを含むことができ、第2の位置は、第1の位置に対して近位に位置する。いくつかの実施形態において、本方法は、シースコネクタを用いてカテーテルシースをレーザ照射装置アセンブリに接続することを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、プローブが第2の位置にあるときにレーザ光源を作動させて、第2の期間赤外線を発生させ、それによってナノ粒子を切除温度まで加熱することを含むことができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、本方法は、第1の経路からカテーテルシースおよびプローブを取り外し、トロカールアセンブリを使用して腫瘍を通る第2の経路を形成することを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、第2の経路内でカテーテルシースを患者内に残したままトロカールアセンブリからトロカールを取り外すことを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、レーザ照射器アセンブリのプローブをカテーテルシース内に挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、プローブを腫瘍内の第2の経路内の第1の位置に誘導することを含むことができ、第1の位置は、腫瘍の遠位側またはその近傍に位置することができる。いくつかの実施形態において、本方法は、シースコネクタを用いてカテーテルシースをレーザ照射装置アセンブリに接続することを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、プローブが第2の経路内の第1の位置にあることができるときに切除を作動させて、第3の期間赤外線を発生させ、それによってナノ粒子を切除温度まで加熱することを含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1の経路の第1の位置と第2の位置は、約8mm離れ得る。いくつかの実施形態では、テンプレートグリッドを使用して、トロカールアセンブリを第1の挿入位置および第2の挿入位置に位置決めすることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、この方法は、第1の挿入点および第2の挿入点から腫瘍の近位側に横方向に配置され得る追加の挿入点でトロカールアセンブリを患者に挿入することを含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、テンプレートグリッドを使用して、追加の挿入点でトロカールアセンブリを位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、レーザは、組織の光熱凝固を誘導するには不十分な放射線を放出するように作動させることができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、本方法は、レーザ照射器を亜切除レベルまで作動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、レーザ照射器は、ナノ粒子の非存在下でサブ切除可能な放射線を放出するように活性化され得る。いくつかの実施形態において、レーザ照射器は、ディフューザ先端部の約3.5W/cm~約4.5W/cmの放射線を放出するように活性化され得る。
【0036】
いくつかの実施形態は、腫瘍を治療する方法に関する。いくつかの実施形態において、この方法は、本明細書の他の箇所に開示されるようなレーザ照射装置アセンブリを得ることを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、カテーテルシースを組織の近位面から組織の遠位側まで通過させて第1の位置にすることによって、腫瘍を構成する組織内にカテーテルシースを位置決めすることを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、レーザ照射装置アセンブリのプローブをカテーテルシースに挿入することを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、シースコネクタを用いてカテーテルシースをレーザ照射装置アセンブリに接続することを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、プローブが第1の位置にある間にレーザ照射装置アセンブリの切除を作動させて、サブ切除赤外線放射を第1の期間組織に伝達することを含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、本方法は、カテーテルシースに接続された状態でプローブを組織内の第2の位置まで引き出すことを含むことができ、第2の位置は第1の位置に対して近位に位置する。いくつかの実施形態において、本方法は、イントロデューサプローブが第2の位置にあるときに切除を作動させて、サブ切除赤外線放射を第2の期間組織に照射することを含むことができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、カテーテルシースは目盛りを付けることができ、カテーテルシースの目盛りは、第1の位置と第2の位置との間の距離を測定するために使用することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、本方法は、第1の位置でレーザ光源を作動させた後、レーザ照射装置アセンブリからカテーテルシースを切り離すことを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、第1の位置と第2の位置との間の距離を測定するためにプローブ上の目盛りを使用して、腫瘍内の第1の経路内の第2の位置までプローブを引き出すことを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、シースコネクタを用いてカテーテルシースをレーザ照射装置アセンブリに再接続することを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、イントロデューサプローブが第2の位置にあるときにレーザ光源を作動させて、サブ切除赤外線放射を第2の期間組織に照射することを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の位置は、第1の位置に対して近位に位置し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、腫瘍は前立腺腫瘍であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態は、レーザ照射装置アセンブリを製造する方法に関する。いくつかの実施形態において、方法は、レーザ照射装置アセンブリの本体を得ることを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、本体にプローブを貼り付けることを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、レーザ照射装置アセンブリにシースコネクタを貼り付けることを含み得る。いくつかの実施形態において、シースコネクタは、本体に貼り付けることができる。いくつかの実施形態において、シースコネクタは、プローブに貼り付けることができる。いくつかの実施形態では、シースコネクタは、本体とプローブとの間に配置することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、レーザ照明システムは、レーザ照射装置アセンブリを含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に開示されているように、レーザ照射装置アセンブリは、レーザ照明システムの外部に、スタンドアロンコンポーネントとして提供され得る。いくつかの実施形態において、レーザ照射装置アセンブリは、シースコネクタを含むことができる。いくつかの実施形態において、レーザ照射システムは、トロカールアセンブリを含み得る。いくつかの実施形態において、レーザ照射システムは、カテーテルシースを含み得る。いくつかの実施形態において、レーザ照射システムは、ディフューザチップおよび光ファイバコネクタを有する光ファイバを含み得る。いくつかの実施形態において、光ファイバコネクタは、レーザ照射装置アセンブリに係合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、光ファイバコネクタがレーザ照射装置アセンブリに係合されると、光ファイバのディフューザ先端部は、レーザ照射装置アセンブリ内に配置され得る。いくつかの実施形態において、レーザ照明システムは、光ファイバと光通信するように構成されたレーザ光源を含み得る。いくつかの実施形態において、切除は、光ファイバを通してレーザ照射装置アセンブリに放射線を伝送するように構成され得る。いくつかの実施形態において、活性化されると、切除は、光ファイバを通して、封止された端部を通して電磁放射線を伝送する。いくつかの実施形態において、レーザ照明システムは、冷却剤リザーバを含むことができる。いくつかの実施形態において、冷却剤リザーバは、レーザ照明アセンブリと流体連通することができる。いくつかの実施形態において、レーザ照射装置アセンブリは、冷却剤リザーバからレーザ照射装置アセンブリに冷却剤を搬送するように構成された冷却剤入口管を含むことができる。いくつかの実施形態において、レーザ照明システムは、光ファイバを冷却するために、冷却剤リザーバから冷却剤入口チューブを介してレーザ照射装置アセンブリに冷却剤を搬送するように構成されたポンプを含むことができる。いくつかの実施形態において、レーザ照明システムは、レーザ照射装置アセンブリと流体連通し、レーザ照射装置アセンブリから冷却剤を受け取るように構成された冷却剤回収バッグを含むことができる。いくつかの実施形態において、レーザ照射装置アセンブリは、冷却剤をレーザ照射装置アセンブリから冷却剤回収バッグに搬送するように構成された冷却剤出口チューブを含むことができる。いくつかの実施形態において、レーザ照明システムは、レーザ光源を作動および非作動にするように構成されたアクチュエータを含むことができる。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、フットペダルであり得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータはポンプも制御する。いくつかの実施形態において、レーザおよびポンプは、アクチュエータによって実質的に同時に作動され得る。いくつかの実施形態において、レーザおよびポンプは、アクチュエータによって実質的に同時に作動停止され得る。いくつかの実施形態において、冷却剤入口チューブは、タイゴン材料であり得る。いくつかの実施形態では、冷却剤入口チューブの長さは約4メートルとすることができる。いくつかの実施形態において、冷却剤入口チューブは、低速度での冷却剤の流れを許容するように構成され得る。いくつかの実施形態において、冷却剤入口チューブは、約8ml/分の速度で冷却剤の流れを許容するように構成され得る。いくつかの実施形態において、切除は、近赤外波長であり得る
波長を有する放射を提供する。いくつかの実施形態において、切除は、約805nmから約810nmの範囲の波長を有する放射線を提供する。いくつかの実施形態において、光ファイバは、光ファイバからレーザ照射装置アセンブリの外へ放射を分配するように構成された拡散部分を含み得る。いくつかの実施形態において、光ファイバの拡散部分の長さは、約1.0cm~約1.8cmの範囲である。いくつかの実施形態では、光ファイバの拡散部分の長さは、約50mm、30mm、18mm、10mm、前述の値の間の値、またはそれらの値を含むおよび/またはそれらの値にまたがる範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本明細書で開示されるレーザ照射装置アセンブリ、レーザ照明システム、およびそれらのコンポーネントの特徴を、特定の実施形態の図面を参照して以下に説明する。図示された実施形態は、本開示を示すことを意図しているが、限定することを意図していない。これらの図面に示される各構成要素の比率および相対的な寸法およびサイズは、本明細書の開示の一部を構成するが、そのような比率、寸法またはサイズが個々の請求項に含まれる範囲を除き、本明細書の範囲を限定すべきではない。
【0044】
図1図1は、レーザ照射システムの一実施形態を示す。
図2A図2Aは、シースコネクタを含むレーザカテーテルアセンブリの実施形態を示す。
図2A-1】図2A-1は、図2Aに示すレーザカテーテルアセンブリの拡大図である。
図2A-2】図2A-2は、図2Aに示すレーザカテーテルアセンブリの拡大図である。
図2A-3】図2A-3は、図2Aに示すレーザカテーテルアセンブリの拡大図である。
図2B図2Bは、シースコネクタがレーザカテーテルアセンブリの本体と一体化されているレーザカテーテルアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
図2C図2Cは、シースコネクタを含む追加のレーザカテーテルアセンブリである。
図2D図2Dは、シースコネクタを含む追加のレーザカテーテルアセンブリである。
図2E図2Eは、シースコネクタを含む追加のレーザカテーテルアセンブリである。
図3A図3Aは、図2Aのレーザカテーテルアセンブリに挿入可能な光ファイバの実施形態を示す。
図3B図3Bは、図3Aに示す光ファイバの斜視図である。
図4図4は、冷却剤入口導管の一実施形態を示す図である。
図5A図5Aは、クーラント回収バッグの一実施形態を示す図である。
図5B図5Bは、図5Aに示す冷却剤回収バッグの斜視図である。
図6A図6Aは、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図6A-1】図6A-1は、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図6A-2】図6A-2は、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図6A-3】図6A-3は、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図6A-4】図6A-4は、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図6B図6Bは、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図6B-1】図6B-1は、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図6B-2】図6B-2は、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図6B-3】図6B-3は、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図6B-4】図6B-4は、トロカールスリーブアセンブリの図である。
図7A図7Aは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7B図7Bは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7C図7Cは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7D図7Dは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7E図7Eは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7F図7Fは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7G図7Gは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7H図7Hは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7I図7Iは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7J図7Jは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7K図7Kは、本明細書に記載されるレーザカテーテルアセンブリの実施形態を使用する試験組織の挿入および照明を示す図である。
図7L図7Lは、導波管を収容するプローブ先端部の実施形態を示す。
図8A図8Aは、レーザプローブ配置用の六角形グリッドテンプレートの実施形態を示す図である。
図8B図8B、正方形グリッドテンプレートの実施形態を示す。
図8C図8Cは、グリッド開口部間の間隔が7mmの六角形グリッドテンプレートを使用したレーザ露光領域の実施形態を示す図である。
図8D図8Dは、グリッド開口部間の間隔が3mmの正方形グリッドテンプレートを使用したレーザ露光領域の実施形態を示す。
図8E図8Eは、分解された3分割正方形グリッドの図である。
図8F図8Fは、モノリシック6角形グリッドの実施形態の図である。
図8G図8Gは、3分割正方形グリッドの実施形態の斜視図である。
図9A図9Aは、レーザ照射システムキットの一実施形態の構成要素を示す図である。
図9B図9Bは、レーザ照射システムキットの一実施形態の構成要素を示す図である。
図9C図9Cは、レーザ照射システムキットの一実施形態の構成要素を示す図である。
図9D図9Dは、レーザ照射システムキットの一実施形態の構成要素を示す図である。
図9E図9Eは、レーザ照射システムキットの一実施形態の構成要素を示す図である。
図9F図9Fは、レーザ照射システムキットの一実施形態の構成要素を示す図である。
図9G図9Gは、レーザ照射システムキットの一実施形態の構成要素を示す図である。
図10A図10Aは、円錐形の先端部を有するレーザカテーテルおよび透過性の先端部を有するレーザカテーテルアセンブリを試験するための実験セットアップの写真である。
図10B図10Bは、円錐形の先端部を有するレーザカテーテルおよび透過性の先端部を有するレーザカテーテルアセンブリを試験するための実験セットアップの写真である。
図11A図11Aは、円錐形の先端部を有するレーザカテーテル(11A)および丸みを帯びた透過性の先端部を有するレーザカテーテルアセンブリ(11B)の加熱を示すグラフである。
図11B図11Bは、円錐形の先端部を有するレーザカテーテル(11A)および丸みを帯びた透過性の先端部を有するレーザカテーテルアセンブリ(11B)の加熱を示すグラフである。
図12A図12Aは、6.0W照射後の円錐形の先端部を有するレーザカテーテルの遠位端部の熱画像を示す。
図12B図12Bは、6.0W照射後の円錐形の先端部を有するレーザカテーテルの遠位端部の熱画像を示す。
図12C図12Cは、6.0W照射後のドーム状先端部を有するレーザカテーテルの遠位端部の熱画像を示す。
図12D図12Dは、6.0W照射後のドーム状先端部を有するレーザカテーテルの遠位端部の熱画像を示す。
図13図13は、18mmのディフューザを有する光ファイバを使用した場合の円錐先端部レーザカテーテルの加熱を示す。
図14A図14Aは、患者の前立腺の9つの全取付切片の写真である(スケールバー=1cm)。
図14B図14Bは、患者の前立腺の9つの全取付切片の写真である(スケールバー=1cm)。
図14C図14Cは、患者の前立腺の9つの全取付切片の写真である(スケールバー=1cm)。
図14D図14Dは、患者の前立腺の9つの全取付切片の写真である(スケールバー=1cm)。
図14E図14Eは、患者の前立腺の9つの全取付切片の写真である(スケールバー=1cm)。
図14F図14Fは、患者の前立腺の9つの全取付切片の写真である(スケールバー=1cm)。
図14G図14Gは、患者の前立腺の9つの全取付切片の写真である(スケールバー=1cm)。
図14H図14Hは、患者の前立腺の9つの全取付切片の写真である(スケールバー=1cm)。
図14I図14Iは、患者の前立腺の9つの全取付切片の写真である(スケールバー=1cm)。
図15図15は、2人の患者からのサンプルの腫瘍組織対健常組織におけるナノ粒子の相対的蓄積を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、腫瘍(例えば、癌腫瘍)を治療する方法、組織および腫瘍に電磁放射線を照射するために使用されるシステム、そのシステムの構成要素および装置、ならびに組織および腫瘍に電磁放射線を照射するために使用されるシステムを提供するためのキットに関する。いくつかの実施形態において、システムは、(例えば、患者の組織に)赤外放射線を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、赤外放射線は、非切除放射線(例えば、それ自体で組織を切除するには不十分な強度の放射線および/またはサブ切除放射線)であり得る。いくつかの実施形態において、非切除赤外線放射は、処置されるべき標的組織内またはその周囲に分散され得るナノ粒子によって吸収され得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は放射線を吸収して熱エネルギーに変換する。いくつかの実施形態では、赤外放射自体は亜切除性であっても、ナノ粒子によって生成される熱エネルギーは、熱凝固、温熱療法、および/または組織切除を引き起こすのに十分であり得る。腫瘍を治療し、組織を切除するための様々な方法、装置、システム、およびキットが、1つ以上の所望の改善を達成するために採用され得る様々な例を説明するために以下に記載される。これらの実施例は例示に過ぎず、提示された一般的な発明、およびこれらの発明の様々な態様および特徴を制限することを何ら意図していない。さらに、本明細書で使用される語句および用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではない。本明細書で開示される特徴、構造、またはステップは、必須または不可欠であり得ない。本明細書に開示されるシステムまたは方法のいずれもが、本明細書に記載される1つまたは複数のステップまたは特徴を除外することができる。
【0046】
治療法としての光熱凝固は、組織に特定の量のエネルギーを間質的に供給するために、レーザエネルギーが光ファイバを通して伝送される能力を利用することができる。レーザ間質性温熱療法(LITT)は、組織に直接熱凝固を起こすのに十分な光パワーを供給する技術である。基本的に、光エネルギーは、その結果生じる熱を除去する身体の能力よりも大きな速度で組織に供給することができる。この熱は高体温と組織切除をもたらす。
【0047】
しかしながら、LITTおよび他の光子に基づく療法の効果的な治療深度は、組織における光の散乱および吸収(熱凝固によるものを含む)によって妨げられることがある。この散乱と吸収は、光源から組織内への距離が長くなるにつれて指数関数的に減少する光強度をもたらす可能性がある。更なる制約として、一次元光源(例えば、レーザ光を組織間に照射するために使用される光ファイバディフューザ)によって照射される場合、光強度すなわち放射照度(W/cmで測定)も半径方向に減少および/または低下する。正味の結果として、光放射照度は、それを照射する光源に近接して高くなり、光源(例えば、拡散器)のすぐ近傍から外れた領域でははるかに低くなり得る。凝固領域の形状はエネルギー源の形状の関数であり得、凝固領域の体積は堆積された総エネルギーに依存し得る。例えば、光子ベースの処理に使用される現在のレーザカテーテルは、光ファイバ拡散器と12~15Wの出力を使用して、拡散器の周囲に楕円形の凝固ゾーンを生成する。そのため、標的組織に対する選択性は低い。
【0048】
さらに、現在のシステムは高出力の放射照度を必要とするため、高いレーザ温度が発生し、レーザ送達カテーテルを破壊および/または変形させる可能性がある。これはまた、組織の炭化を引き起こし、放射線が組織に浸透する深さをブロックする。レーザデリバリカテーテル直後の組織の炭化を防ぐため、および/または器具の損傷を防ぐために、能動的な冷却を使用することができる。それにもかかわらず、冷却しても多くのカテーテルは先端部が熱エネルギーを吸収し、レーザカテーテルを溶融させてしまう。また、カテーテルプローブを組織内に正確に配置することが困難な場合があることも指摘されている。そのため、医師は組織内のレーザカテーテルの位置を大まかに判断することになり、一部の領域が治療されず、一部の領域が過剰に治療される可能性がある。さらに、レーザカテーテルは、非常に壊れやすく、よじれや破損の恐れがあり、治療が中止される可能性があり、また、加熱や焦げの問題を悪化させる可能性がある。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、これらの問題の1つ以上または他の問題に対する解決策を提供する。
【0049】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるのは、光熱凝固を生成するために放射線を照射するように構成された方法、装置、システム、およびキットである。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるのは、粒子指向性光熱凝固を生成するために(例えば、ナノ粒子または他の薬剤を使用して)非切除放射線を送達するように構成された方法、装置、システム、およびキットである。いくつかの実施形態において、開示された技術および装置は、組織の標的化および組織の効果的な治療における選択性の改善を可能にする。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、光熱凝固、温熱療法、および/または組織切除が所望され得る部位に放射線を発生させるために使用されるシステムおよび装置に関する。
【0050】
いくつかの実施形態では、本方法および装置は、腫瘍の治療に用いられる光熱凝固に関する。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリのレーザプローブは、関心部位(例えば、腫瘍内または腫瘍近傍)またはその近傍に位置決め(例えば、挿入、配置など)され得る。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリは、電磁放射線(例えば、紫外線、可視光線、近赤外線、遠赤外線、マイクロ波など)を組織に照射するように作動され得る。いくつかの実施形態において、放射線は赤外線であることができる。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリは、光熱凝固(例えば、切除放射線であり得る放射線)、温熱療法、および/または組織切除を引き起こすのに十分な強度を有し得る放射線を送達する。
【0051】
いくつかの実施形態では、本方法および装置は、腫瘍の治療に使用される粒子指向性(例えば、ナノ粒子による)光熱凝固に関する。いくつかの実施形態において、方法は、腫瘍(または標的化され得る別の組織)を有する患者にナノ粒子を注入することを含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、規定された期間にわたって腫瘍に蓄積させるこ
とができる。いくつかの実施形態において、ナノ粒子が一旦関心部位に蓄積されると、レーザカテーテルアセンブリのレーザ探針は、関心部位(例えば、腫瘍内または腫瘍近傍)またはその近傍に位置決め(例えば、挿入、配置等)され得る。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリは、電磁放射線(例えば、紫外線、可視光線、近赤外線、遠赤外線、マイクロ波など)をナノ粒子に照射するように作動させることができる。いくつかの実施形態において、放射線は赤外放射線であり得る。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリは、光熱凝固(例えば、非切除放射線および/またはサブ切除放射線であり得る放射線)、温熱療法、および/またはそれ自体による組織切除を引き起こすには不十分な強度であり得る放射線を送達する(例えば、ナノ粒子の非存在下で)。いくつかの実施形態では、放射強度はナノ粒子によって熱エネルギーに変換され得る。いくつかの実施形態において、ナノ粒子によって伝達される熱は、切除的温熱療法、組織凝固、および/または組織切除を引き起こすのに十分であり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、開示された方法で使用されるナノ粒子は、赤外線放射を吸収して熱エネルギーに変換するように設計することができる。いくつかの実施形態では、サブ切除赤外線放射を切除温度に変換するナノ粒子として、金ナノシェル(例えば、AuroShell(登録商標)など)を使用することができる。金ナノシェル(例えば、AuroShell(登録商標)など)は、説明のために代表的なナノ粒子として使用されているが、赤外線光子を吸収し、それらの光子を熱エネルギーに変換する任意のナノ粒子(または微粒子)が想定され得ることに留意すべきである。特定の理論に束縛されることなく、ナノシェルによる光子の吸収は効果的に光子を消滅させ、そのエネルギーを熱に変換し、周囲の組織に放出することができると考えることができる。光子が粒子によって散乱され得る(例えば、吸収されない)場合、散乱された光子は他の場所(例えば、組織、別のナノシェルなど)による吸収に利用可能である。透過性ナノ粒子には、特に、ナノシェル(AuroShell(登録商標)などの金殻シリカコアナノシェル、金-金硫化物ナノシェル、および他の変形を含む)、固体ナノ球(金、銀など)、金属ナノロッド(金、銀など)、ナノスター、中空ナノロッド(金、銀など)、金属ナノロッド(金、銀など)が含まれる。ナノスター、中空ナノ粒子、ナノケージ、楕円「ナノリス」、炭素粒子、フラーレン、炭素フラーレン、金属ナノ粒子、金属コロイド、炭素粒子、カーボンナノチューブ、バッキーボール、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0053】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された方法は、治療のために組織を標的化するために使用することができる。いくつかの実施形態において、標的組織は腫瘍組織であり得る。いくつかの実施形態において、腫瘍標的は、癌によって引き起こされる腫瘍を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は、結腸直腸癌、脳腫瘍、肺癌、乳癌、頭頸部癌、膵臓癌、卵巣癌、黒色腫癌、前立腺癌、および他の形態の癌によって引き起こされる腫瘍であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される技術は、組織中の腫瘍を治療するため、および/または、下にある腫瘍組織を破壊しながら健康な組織の機能を維持するために好適であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に開示される技術および装置は、腫瘍組織または機能不全組織を特異的に標的とするために使用され得る。特定の健康な組織の機能喪失は、患者の生活の質に壊滅的な影響を及ぼし得る。例えば、咽頭から癌腫瘍組織を除去するための外科的操作は、発声障害を引き起こす可能性がある。前立腺から癌腫瘍組織を切除する外科的操作は、性機能の喪失を引き起こす可能性がある。現在の切除方法では、腫瘍内に加熱器具を配置することに基づいて組織を加熱することができる。加熱器具を作動させることにより、健康な組織を含む周囲の組織を死滅させることができる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される治療法は、その下にある組織の正常な機能を促進または実質的に維持するために、その下にある非疾患の健常組織の構造および/または機能を部分的に、実質的に、および/または完全に維持することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、方法は、ナノ粒子を全身的に患者に注射(例えば、注入)することを含む。全身的導入は、循環系へのナノ粒子の導入、および/または体内の、標的部位から離れた部位へのナノ粒子の導入を含むことができる。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、非経口投与経路(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、腔内、腹腔内など)を介して患者に導入することができる。これらの部位は、治療部位に近接していない患者の体内の部位(例えば、腫瘍部位以外の体内の部位)に位置することができる。例えば、ナノ粒子は、その大きさ、および腫瘍の漏出性、混沌性、および未熟な脈管からの受動的な外浸潤の結果として、主に腫瘍内に優先的に蓄積する。いくつかの実施形態では、この受動的蓄積により、放射線変換体の標的への沈着が可能となり、腫瘍特異的な光熱凝固療法が可能となる。
【0055】
いくつかの実施形態では、体内に導入された後、ナノ粒子を腫瘍に受動的に蓄積させることができる。いくつかの実施形態において、この受動的蓄積は、規定された期間の経過によって達成され得る。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、注入および/または注射後、等しいかまたは少なくとも約12時間の間、および/または等しいかまたは約36時間以下の間の期間、腫瘍に蓄積させることができる。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、少なくとも約12時間、約24時間、約36時間、または前述の値を含むおよび/またはまたがる範囲の期間、腫瘍部位に蓄積させることができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、腫瘍新生血管系の血管周囲腔に蓄積し、レーザエネルギーの病巣として機能する。いくつかの実施形態では、関心部位に集積した後、レーザエネルギーおよび/または電磁エネルギーを使用してナノ粒子を加熱することができる。いくつかの実施形態において、このレーザエネルギー(例えば、電磁エネルギー)は、標的組織の熱凝固、温熱療法、および/または切除を引き起こすのに十分な温度までナノ粒子を加熱する。
【0057】
いくつかの実施形態では、図1に示すように、レーザ照射システム100を使用して、レーザエネルギーを治療のための標的部位に発生させることができる。いくつかの実施形態では、図1に示すように、レーザ照射システム100は、レーザカテーテルアセンブリ101(例えば、レーザ照射器)を含むことができる。図1には示されていないが、システムは、(図6A~6A-4に示されているような)カテーテルシース426をさらに含み得る。図1には示されていないが、いくつかの実施形態において、システムはトロカール425(図6A~6A-4に示されているような)を含むことができる。図1には示されていないが、システムはトロカールアセンブリ400(図6A~6A-4に示されるように)をさらに含むことができ、このトロカールアセンブリ400はトロカール425およびカテーテルシース426を含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、図1に示すように、レーザ照明システムは、照明システム200および冷却システム300のうちの1つ以上をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、照明システム200は、光ファイバ202および/またはレーザ光源203を含むことができる。いくつかの実施形態において、光ファイバ202は、切除203に接続するように、切除203と光通信するように、および/または切除203からレーザエネルギーを受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に開示されているように、切除、光ファイバ、および/またはレーザカテーテルは、光通信することができる。いくつかの実施形態では、冷却システムは、冷却剤リザーバ305、冷却剤ポンプ307、および/または冷却剤回収バッグ309のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に開示されているように、冷却剤リザーバ、レーザカテーテルアセンブリ、および/または冷却剤回収バッグは、互いに流体連通するように構成することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、レーザ照射システムは、レーザカテーテルアセンブリ1101を含むが、照射システム200および/または冷却剤供給システム300および/または前述のいずれかの個々の構成要素などの他の特徴の1つ以上を欠いている。
【0060】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、レーザ照射器101は、本体102と、レーザ照射システムの様々な特徴(例えば、冷却流体導管、光ファイバコネクタなど)と係合するように構成されたハブ106、109、120aと、プローブ113(例えば、患者の体内および/または組織内に挿入されるように構成されたイントロデューサプローブ)と、シースコネクタ150とを含むことができる。
【0061】
図1に示すように、また本明細書の他の箇所で開示するように、いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101は、1つ以上のハブ106、109、120aを含むことができる。図2に示すように、これらのハブ106、109、120aは、レーザ照射装置アセンブリ101の本体102上および/または本体102の一部に配置され得る。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に開示されているように、ハブは、様々なコネクタに係合するように構成された接続構造を含むことができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、図1に示すように、レーザカテーテルアセンブリ101の本体102は、ハブ106を介して冷却剤を受け取るように構成することができる。いくつかの実施形態では、ハブ106は、冷却剤入口コネクタ(図示せず)を含むことができ、またはハブ106は、(図2Aに示すように)入口コネクタ104を有する冷却剤入口コネクタアセンブリと係合するように構成することができる。図2Bに示すように、冷却剤入口コネクタ104は、ハブ106のカテーテル導管コネクタ104aおよびハブ嵌合コネクタ106aを有するカテーテル導管132を介して本体と流体連通することができる。いくつかの実施形態では、冷却剤入口コネクタアセンブリは、冷却剤入口コネクタ104、カテーテル導管132、およびカテーテル導管コネクタ104aを含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテル導管コネクタ104aおよびハブ嵌合コネクタ106aは、本明細書の他の箇所に開示されているように、様々な接続構造を含むことができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ハブ106は、冷却剤入口導管306(図示せず)の対応する入口導管コネクタ310に直接係合するように構成された接続構造および/またはコネクタを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、レーザ照射装置アセンブリは、介在するカテーテル入口導管132および別個の冷却剤入口コネクタ104を欠くことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、ハブ106は、レーザ照明器101の本体102へのアクセスポイントを提供するポートを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、レーザ照明システム100は、冷却剤リザーバ305(例えば、バッグ、ボトルなど)を含むことができる。いくつかの実施形態において、レーザ照明アセンブリ101に接続されるとき、冷却剤リザーバ305は、冷却剤入口導管306を介して冷却剤入口コネクタ104と流体連通することができる。いくつかの実施形態では、作動時に、冷却剤リザーバ305からの冷却剤は、冷却剤ポンプ307の作動を介して、冷却剤入口コネクタ104およびハブ106を介してレーザカテーテルアセンブリ101内に移送され得る。いくつかの実施形態では、冷却剤入口導管306は、冷却剤入口コネクタ104と相互作用するように構成され得る入口導管コネクタ310を有する。
【0065】
いくつかの実施形態では、図1に示すように、レーザカテーテルアセンブリ101の本体102は、出口ハブ109を介して冷却剤を排出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ハブ109(例えば、出口ハブ)は、冷却剤出口(図示せず)を
含むことができ、または(図2Bに示すように)冷却剤出口コネクタ108を有する冷却剤出口アセンブリに係合するように構成することができる。図2Bに示すように、冷却剤出口コネクタ108は、カテーテル導管コネクタ108aおよびハブ109のハブ嵌合コネクタ109aを有するカテーテル導管127を介して本体102と流体連通することができる。いくつかの実施形態では、冷却液出口コネクタアセンブリは、冷却液出口コネクタ108、カテーテル導管127、およびカテーテル導管コネクタ108aを含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテル導管コネクタ108aおよびハブ嵌合コネクタ109aは、本明細書の他の箇所に開示されているように、様々な接続構造を含むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ハブ109は、冷却剤出口導管311(図示せず)の対応する出口導管コネクタ324と直接係合するように構成された接続構造および/またはコネクタを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、レーザ照射装置アセンブリは、介在するカテーテル出口導管127および別個の冷却剤出口コネクタ108を欠くことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、レーザ照射システム100は、冷却材回収バッグ309(例えば、バッグ、ボトルなど)を含むことができる。いくつかの実施形態では、冷却剤回収バッグ309は、冷却剤出口導管311を介して冷却剤出口コネクタ108と流体連通することができる。いくつかの実施形態では、動作時に、レーザカテーテルアセンブリ101からの冷却剤は、冷却剤出口コネクタ108を介して冷却剤回収バッグ309に移送され得る。いくつかの実施形態では、冷却剤出口導管311は、冷却剤出口コネクタ108と相互作用するように構成され得る出口導管コネクタ312を有する。
【0068】
いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、レーザカテーテルアセンブリ101の入口および出口コネクタ104、108は、異なる性別であってもよい。いくつかの実施形態において、この構成は、レーザカテーテルアセンブリ101の入口および出口コネクタの冷却剤供給および回収アタッチメントへの不正な接続および/または不一致を防止することができる(例えば、逆方向の接続を防止する)。例えば、図1に示すように、冷却剤入口コネクタ104は、雌型受容部104′を有する雌型コネクタとすることができ、冷却剤供給入口310は、雄型突出部315および任意選択でシュラウド316(例えば、冷却剤出口コネクタ108は、雄型突出部108′および任意選択でシュラウド108′′(例えば、フード、ねじ付きシュラウドなど)を有する雄型コネクタとすることができ、冷却剤出口導管コネクタ324は、雌型受容部325を有する雌型接続部を有することができる。いくつかの実施形態では、冷却剤入口コネクタ104は雄型コネクタとすることができ、一方、冷却剤出口コネクタ108は雌型コネクタとすることができる(図示せず)。いくつかの実施形態では、異なる性別を有する代わりに、またはそれに加えて、入口コネクタ104および出口コネクタ108は、入口導管コネクタ310および出口導管コネクタ324(図示せず)の色と一致するように色分けすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、入口コネクタ104および入口導管コネクタ310は、一色(例えば、赤、オレンジ、黄、緑、シアン、青、藍、紫、紫、マゼンタ、ピンク、茶色、白、出口コネクタ108および出口導管コネクタ324は、別の異なる色(例えば、赤、オレンジ、黄、緑、シアン、青、藍、紫、紫、マゼンタ、ピンク、茶色、白、グレー、ブラック)であってもよい。いくつかの実施形態では、雄コネクタおよび雌コネクタはルアーコネクタであってもよい(いくつかの実施形態では、ISO594準拠のルアーテーパを含むことができる)。いくつかの実施形態では、入口コネクタと出口コネクタは、必要に応じて、異なる性別のものでなくてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、レーザ照射装置アセンブリは、対応するコネクタ(例えば、その相手)に係合するように構成されたシースコネクタ150を含むことができる。いく
つかの実施形態では、シースコネクタ150の相手方は、カテーテルシース440のコネクタであり得る。いくつかの実施形態では、シースコネクタ150は接続構造を含むことができ、カテーテルシース440のコネクタは対応する接続構造を含むことができる。いくつかの実施形態では、シースコネクタ150がカテーテルシース440のコネクタに係合されると、カテーテルシース426はプローブ113を少なくとも部分的に覆うように構成され得る。図2A~2Eに示すように、シースフィッティング150(例えば、シースコネクタ)は、少なくとも部分的に、細長いプローブ部材の少なくとも一部の周囲に円周方向に配置され得る。図示しない他の実施形態では、シースフィッティングは、任意に、プローブの周囲に円周方向に配置されない。例えば、シースコネクタは、カテーテルシース(図示せず)の歯またはリップに係合するヒンジであってもよい。いくつかの実施形態では、シースフィッティングは、レーザ照射装置アセンブリの本体に接続され、および/または本体と一体化され得る。例えば、シースフィッティングは、レーザ照明器本体に溶接され、レーザ照明器本体に成形され、またはレーザ照明器本体と一体成形され得る。他の実施形態では、シースコネクタは、細長いプローブ部材に接続され、および/または、細長いプローブ部材と一体化され得る。例えば、シースコネクタは、レーザ照明器のプローブに溶接され、プローブと一体成形され、またはプローブと一体成形され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に開示されているように、シースコネクタ150および/または本明細書に開示されている他のコネクタ(流体入口および出口コネクタ、導波管/光ファイバコネクタ、トロカールコネクタ、カテーテルシースのコネクタ、前述のいずれかの対応する相手側コネクタなど)は、1つまたは複数の接続構造を含むことができる。これらの接続構造は、1つまたは複数の隆起、ねじ山、留め具、アーム、ラッチ、突起、凹部、または前述のいずれかの組み合わせを含むことができる。接続構造は、(例えば、その相手側コネクタの対応するテーパと係合するように構成された)テーパを含むことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1のコネクタ(例えば、シースコネクタ150)の接続構造は、対応するコネクタ(例えば、カテーテルシース440のコネクタ)を、対応するコネクタと結合するための係合状態に案内、取り付け、および/または保持するのを助けるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のコネクタ(例えば、シースコネクタ150)は、対応するコネクタ(例えば、カテーテルシース440のコネクタ)と摩擦を介して係合する(例えば、摩擦嵌合を提供する)。いくつかの実施形態では、接続構造はねじ山を含むことができる。いくつかの実施形態では、ねじ山の少なくとも一部を特大にすることができる。いくつかの実施形態において、ねじ山は、切断抵抗性特徴(例えば、ロック特徴、バーブ、コネクタが互いにねじられるほど広がるねじ山など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタがその相手と係合した後にコネクタを切り離すために、耐切り離し機能は、耐切り離し機能の保持に打ち勝つための最初の力と、それ以降の別の小さい力を必要とする。
【0072】
いくつかの実施形態では、コネクタの嵌合対(例えば、シースコネクタ150とカテーテルシース440のコネクタなどのコネクタ嵌合)は、雄型および雌型ルアーコネクタ(例えば、それぞれルアーコネクタの雄型および雌型構成要素となり得る接続構造を含み得る)であってもよい。いくつかの実施形態では、コネクタはISO594準拠のルアーテーパを含むことができる。例えば、カテーテルシース440のコネクタは、雌型受容部を有する雌型コネクタとすることができ、シースコネクタ150は、雄型突出部(これは、プローブ113の一部を提供するか、またはプローブ113から直接移行することができる)を有する雄型接続部を有することができる。いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、シースコネクタは、任意選択で、シュラウド151(例えば、フード、ねじ付きシュラウドなど)を含むことができ、カテーテルシース440のコネクタは、雌型受容部441を有する雌型接続部を有することができる。
【0073】
図2Aおよび図2Bに示すように、いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101は、イントロデューサプローブ113を含むことができる。いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、レーザカテーテルアセンブリ101は、出口アームユニット125、出口アーム126、および入口アームユニット130、および入口アーム131のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113は、近位のイントロデューサプローブコネクタシール135(例えば、シール、スリーブなど)からイントロデューサプローブ113の密封された端部115まで延びる細長いチューブ(例えば、細長いプローブ部材)を含むことができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113は、外側管状部114(例えば、イントロデューサプローブ内に管状キャビティを画定する外壁)を含むことができる。いくつかの実施形態では、図2Aおよび図2Bに示すように、外側管状部114は、連続材料(例えば、単一材料から成形された単一ピース、一体構造など)とすることができる。いくつかの実施形態において、外側管状部114は、例えば、紫外線、可視光線、近赤外線、遠赤外線、および/またはマイクロ波放射のうちの1つ以上などの特定の波長の電磁放射に対して透明であるか、または実質的に透明であることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、外側管状部114は、密封端部115を含むことができる。いくつかの実施形態において、密封端部115は、透明、光学的および/または赤外線透明、および/または実質的に光学的および/または赤外線透明とすることができる。いくつかの実施形態において、密封端部115は、特定の波長の電磁放射線、例えば、紫外線、可視光線、近赤外線、遠赤外線、および/またはマイクロ波放射線のうちの1つ以上に対して透明であるか、または実質的に透明であることができる。いくつかの実施形態では、密封端部115は、透過性であり得る。いくつかの実施形態において、密封端部115は、切除203からの電磁放射がそれを透過することを可能にする(例えば、本明細書の他の箇所に開示されるような拡散器先端部204を介して)。いくつかの実施形態では、図2A-2に示されるように、密封端部115は、光ファイバ202からの光を、イントロデューサプローブ113と一直線上に、密封端部115から外方および遠位に拡大する円錐分布140に、または密封端部115から外方および遠位に拡大する半球分布141に分布させる形状にすることができる。いくつかの実施形態において、光の分布(円錐状または半球状)は、分布内において、所与の距離における放射の量が実質的にまたはほぼ同じ強度となり得るように拡散され得る(例えば、点140Aおよび140Bにおいて、および/または点141Cおよび141Dにおいて)。いくつかの実施形態では、端部115は、放射線および/または光を実質的に吸収することなく通過させるように構成され得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、光ファイバ先端部204は、先端部を通る放射線の通過を阻害するように構成され得、および/または光ファイバ先端部204は、放射線を実質的に遮断する。いくつかの実施形態では、拡散器先端部223は、放射線源を介して受信された放射線の大部分および/または実質的に全ておよび/または全てを横方向(例えば、拡散器先端部部から横方向)に放出し、光ファイバ202の経路に沿って(例えば、光ファイバ先端部204を通って)放出しないように構成することができる。いくつかの実施形態では、放射線を横方向(例えば、側面)に放出する拡散器先端部は、拡散器先端部223に隣接する組織の治療を有利に可能にする。いくつかの実施形態において、この構成は、ファイバ先端部204の直前の組織の加熱量および/または照射量を防止および/または低下させる。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で述べたように、(例えば導波路の)ディフューザ先端部223は、(例えば、導波路が光ファイバコネクタ222を介してレー
ザ照射装置アセンブリと係合するときに)イントロデューサプローブから電磁放射線を横方向に分配するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ディフューザからの電磁放射の強度は、ディフューザ先端部223から等距離でほぼ等しいか、または実質的に等しくなり得る。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113から放出される光は、分散させることができ、および/または集束させないことができる。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113から放出される光は、実質的に均等に分布させることができる。いくつかの実施形態では、光は、ディフューザの表面に沿ってディフューザから分配され得るので、放出される放射は、影(例えば、放射がレーザカテーテルの構成要素等によって遮られ得る場所)および/または集光を生じない。いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリおよび/またはディフューザ先端部は、集光レンズを欠いており、ミラーを含んでいない。
【0078】
いくつかの実施形態において、密封端部は、ドーム状(例えば、半球状、半球の形状を有する、半球状、ドーム状など)であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に記載されるように、密封端部は、透過性であり得る。いくつかの実施形態において、透過性とは、ディフューザチップ223からの電磁放射の全て、実質的に全て、または一部を通過させることを意味する。いくつかの実施形態において、外側管状部114は、密封端部115と連続することができる(例えば、密封端部および外側管状部は、単一の材料から成形された単一部材、一体構造などであり得る)。いくつかの実施形態において、透過性の密封端部115は、プローブの先端部における熱の蓄積を低減するという利点を有する。この特徴は、プローブの融解を回避するのに役立ち、また、プローブの方向に沿って組織にレーザを分布させることを可能にする。いくつかの実施形態において、封止された端部は、任意に、円錐形ではなく、かつ/または、接地材料(例えば、散乱材料、不透明または実質的に不透明な材料など)ではなくすることができる。いくつかの実施形態では、円形および/または円錐形の構成では、放射線がイントロデューサプローブを通過しないことが判明している。いくつかの実施形態において、円形および/または円錐形の構成は、プローブの反りおよび/または焦げおよび/またはプローブ周囲の組織の火傷につながり得るホットスポットおよび加熱を引き起こす放射線を集中させ得ることが判明している。
【0079】
いくつかの実施形態では、ドーム状先端部は高周波を用いて作製することができる。いくつかの実施形態では、ドーム状先端部はナイロン押出成形品から形成することができ、この押出成形品をマンドレル上に配置し、次いでステンレス鋼ダイに挿入することができる。いくつかの実施形態では、RFエネルギーでダイを加熱し、同時に空気圧で作動するグリッパーを使用して押出成形品をキャビティに押し込み、押出成形品の先端部をマンドレルの端部上でリフロー/リシェイプすることができる。いくつかの実施形態では、RF装置は、押出成形に特化した温度、圧力、および時間設定を行うことができるため、非常に再現性の高い先端部を製造することができる。いくつかの実施形態では、先端部は、任意に半球状ではなく、熱の実質的な蓄積または放射線の集中なしに放射線の通過を可能にする別の形状(例えば、丸みを帯びた立方端形状、立方端形状、丸みを帯びた円柱端形状、円柱端形状など)とすることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、図2A-1に示されるように、外側管状部114は、管腔116(例えば、第1の管腔)を含み得る。いくつかの実施形態では、内部管117(例えば、内部管状部材)が第1の管腔116内に存在する。いくつかの実施形態において、内部管117は、第2の管腔118を含み得る。いくつかの実施形態では、図2Aおよび図2Bに示すように、レーザカテーテルアセンブリ101は、冷却剤入口コネクタ104を介して、カテーテル入口導管132を通り、入口アームユニット131を通り、流体チャンバ103bを提供する入口アームユニット130の本体内に冷却剤を受け入れるように構成され得る。次いで、冷却剤は、内部チューブ117を経て、開放プール119へ、第
1の内腔116を経て、別の流体室103aへ、出口アームユニット125を経て、出口アーム126を経て、カテーテル出口導管127へ、そして冷却剤出口コネクタ108を経て出て行くことができる。換言すれば、いくつかの実施形態では、冷却剤入口コネクタ104、カテーテル入口導管132、入口アームユニット131、入口アームユニット130、内部チューブ117、開放プール119、第1の内腔116、出口アームユニット125、出口アーム126、カテーテル出口導管127、および/または冷却剤出口コネクタ108のうちの1つ以上が流体連通することができる。図示しない他の実施形態では、レーザ照射装置アセンブリは、カテーテル入口導管、入口アームユニット、出口アーム、およびカテーテル出口導管のうちの1つまたは複数を欠いている。例えば、ハブ106、109は、レーザ照射装置アセンブリ101の本体102(図示せず)に直接配置することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113は近位端から遠位端まで延びており、外側管状部114の密封ドーム状端部115は遠位端部に位置している。いくつかの実施形態では、内部チューブ117は、イントロデューサプローブ113の遠位端部に開放プール119を残して、密封ドーム状端部115から離れた距離で終端する。いくつかの実施形態では、光ファイバがイントロデューサプローブ113内に配置され得るとき、ディフューザチップ223の末端は、内部チューブ117の遠位端部で、またはほぼ内部チューブ117の遠位端部で終端する。いくつかの実施形態では、ディフューザ先端部223の一部は、開放プール119内で内部チューブ117から突出している。いくつかの実施形態では、この突出部は、より集中した量の電磁放射線がイントロデューサプローブ113の密封端部115を貫通することを可能にする。いくつかの実施形態では、開放プールは、ファイバ先端部204による実質的な制限(例えば、管腔内の冷却剤の流れを遮断および/または制限すること)なしに冷却剤が流れることができる領域を周囲に提供する。
【0082】
いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101は導波路ハブ120aを含むことができる。いくつかの実施形態では、導波管ハブ120aは、開口部120(例えば、端部開口部)を含むことができる。いくつかの実施形態では、導波管ハブ120aは、導波管コネクタ222と係合するように構成された接続特徴部120bを含むことができる。いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101は、端部開口部120を介して光ファイバ202をイントロデューサプローブ113内に受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態において、内部チューブ117は、第2の内腔118内に光ファイバ202を受容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、光ファイバコネクタ222は、流体密シールを提供するために端部開口部120上の特徴と結合する(例えば、導波管ハブは、1つ以上の接続構造を有するコネクタを含むことができる)。いくつかの実施形態では、結合は、ディフューザチップ223をイントロデューサプローブ113内の位置に固定する。いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101は、1本の光ファイバ202のみを受容し、イントロデューサプローブ113および内部チューブ117は、1本の光ファイバ先端部204および/またはディフューザ先端部223のみを受容するサイズおよび/または構成とすることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で述べたように、第2の管腔118は、冷却剤入口コネクタ104と流体連通することができる。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で述べたように、第1の管腔116は、冷却剤出口コネクタ108と流体連通することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ202が第2の内腔118内に配置されるとき、レーザカテーテルアセンブリは、冷却剤入口コネクタ104から第2の内腔118を通って第1の内腔116に、そして冷却剤出口コネクタ312から出る冷却剤の通過を可能にするように構成され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101の導入器プローブ113の内腔は、ナイロン、PA12ナイロン、または同様の材料などの材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、ポリカーボネートのような材料とは対照的に、PA12ナイロンは、イントロデューサプローブ113がイントロデューサーおよび組織を通過するのを有利に滑らかにする。
【0085】
いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、導入器プローブ113は、印刷された「ハッシュ」マーク121を含むことができる。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113は(例えば、番号付け、レタリングなどで)目盛りを付けることができる。いくつかの実施形態において、ハッシュマークおよび/または目盛りは、組織へのプローブの侵入深さ(および/またはプローブが組織から引き抜かれた距離)を明確にマークすることができる。本明細書の他の箇所に開示されているように、いくつかの実施形態において、ハッシュマーク(例えば、目盛り)は、プローブの近位部分に配置され得る。いくつかの実施形態では、ハッシュマークは、オプションとして、プローブの遠位部分に配置されないことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ハッシュマークは、プローブの遠位部分の約1/5以下に延びることができる:プローブの下方の1/5、プローブの下方の1/4、プローブの下方の1/3、プローブの下方の1/2、またはこれらの値を含むおよび/もしくはこれらの値にまたがる範囲である。いくつかの実施形態では、ハッシュマークは、約4mm間隔、約8mm間隔、約12mm間隔、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがる、および/またはそれらの値を含む範囲と等しいか、またはそれ以下の間隔で配置され得る。いくつかの実施形態では、間隔の交互のハッシュマークおよびドットは、本明細書の他の箇所で論じるように、様々な光拡散体(例えば、1cmの拡散体、1.8cmの拡散体など)を用いた複数の処置のために、組織を通してレーザカテーテルアセンブリ101を引き戻すことを可能にする。いくつかの実施形態において、これらの目盛りおよび/またはハッシュマークは、プローブの深さを使用者が直接視覚化することを可能にする。いくつかの実施形態において、これらの目盛りおよび/またはハッシュマークは、組織の効果的および/または制御された切除を可能にするプローブの位置の微細な制御を可能にする。いくつかの実施形態では、プローブの全長または実質的に全長に目盛りを付けることができる。いくつかの実施形態において、導入器プローブは、約50cm、30cm、20cmまたはそれ以下の長さであり得る:50cm、30cm、20cm、10cm、前述の値の間の値、またはそれらの値を含むおよび/またはそれらの値にまたがる範囲である。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に開示されているように、光ファイバ202は、ディフューザ先端部を含むことができる。いくつかの実施形態では、ディフューザ先端部223は、放射(例えば、レーザ光、光子、放射線)が異なる方向(例えば、散乱、拡散など)で光先端部から出ることを促すおよび/または可能にする放射散乱特徴(例えば、トポグラフィ、バンプ、粗面化、ディンプルなど)を有する光ファイバ202の一部であり得る。いくつかの実施形態において、これらの特徴は、ディフューザに沿った勾配として提供され得、レーザ光源203に近いほど密度が低く、レーザ光源203から遠いほど密度が高くなり得る。いくつかの実施形態において、密度勾配は、ディフューザ先端部全体に沿って放射の実質的に均一な分布を促す。いくつかの実施形態において、光ファイバ202の拡散部223は、異なる長さであってもよい。いくつかの実施形態では、光ファイバの拡散部分は、約50mm、30mm、18mmまたはそれ以下の長さであってよい:50mm、30mm、18mm、10mm、前述の値の間の値、またはそれらの値を含むおよび/もしくはそれらの値にまたがる範囲である。いくつかの実施形態において、より長いディフューザは、より高いレーザ出力を使用し、より長いディフューザに沿ってそれを分配することによって、同じ時間でより大きな腫瘍体積の治療を可能にする。いくつかの実施形態では、より小さい拡散チップを使用することにより、より少ないレーザ出力を使用することができ、より小さいサイズの腫瘍をより高い特異性で治療するこ
とができる。いくつかの実施形態では、1回の治療で様々なサイズの拡散器を使用して、身体の特定の領域と特定の腫瘍寸法に向けて治療を調整することができる。いくつかの実施形態では、図3Bに示すように、光ファイバは、しなやかおよび/または柔軟であり得、キンクまたは亀裂を生じることなくイントロデューサプローブ内で移動するように構成され得る。いくつかの実施形態において、光ファイバは、手術中にレーザ光源を邪魔にならないように配置するのに十分な長さを有する。いくつかの実施形態において、光ファイバの長さは、1m、2m、3m、5m、または前述の値を含むおよび/または前述の値にまたがる範囲に等しいかまたはそれ以下とすることができる。
【0087】
開示されたレーザカテーテルアセンブリの設計上の特徴を用いて達成される1つ以上の改善を説明するために、以下の例示的な図が提供される。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブに沿って配置されたハッシュマークにより、ユーザは、レーザカテーテル拡散器先端部の位置および標的化されている腫瘍に対する治療の範囲を決定することができる。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブの初期位置決め(例えば、z軸に沿って体内に挿入される深さ、およびx軸およびy軸に沿って横方向の位置決め)は、コンピュータ断層撮影法を用いて決定することができる。初期位置に到達したら、ハッシュマークを用いてピンポイントで治療位置を決めることができる。プローブは、プローブ上の目盛によって決められた間隔で、ある位置から次の位置へ引き抜くことができる。レーザカテーテルアセンブリの印字は、ユーザがレーザカテーテルアセンブリがどの程度組織に浸透したか、またはプローブが開始位置からどの程度引き出されたかを知るための「深さゲージ」を提供する。いくつかの実施形態では、例えば、ハッシュマーク間の8mm間隔と、ハッシュマーク間の中間の「ドット」間の8mm間隔とが、正確な「引き戻し」を可能にする4mm間隔の「定規」を提供する。本明細書の他の箇所に記載されているように、いくつかの実施形態では、グリッドを使用して、組織内のレーザカテーテルアセンブリのディフューザ先端部の横方向への適切な位置決めを補助することができる。本明細書の他の箇所に開示されているように、いくつかの実施形態では、10mmのグリッド許可に対して8mmのプルバックを使用することができる。これらのマーキングは、使用者がレーザカテーテルを標的腫瘍または組織内にどの程度深く位置させることができるかを知るための分かりやすい方法を提供し、また、カテーテル軌道に沿って連続した切除ゾーンを形成するためにカテーテルを段階的に引き戻す分かりやすい手段を提供することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、図3Aおよび図3Bに示すように、光ファイバは、光ファイバコネクタ122を含むことができる。いくつかの実施形態では、光ファイバコネクタ(または導波路コネクタ)は、レーザ照射装置アセンブリの導波路ハブ120aの対応する構造に係合するように構成された1つ以上の接続構造を含むことができる。例えば、導波路コネクタ122は、ルアーコネクタを含むことができ、いくつかの実施形態では、ISO594準拠のルアーテーパを含むことができる。いくつかの実施形態では、光ファイバコネクタは、光ファイバ先端部204の遠位端から一定の距離で結合され得る。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に開示されているように、光ファイバコネクタ122は、レーザカテーテルアセンブリ101の端部開口部120と係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、光ファイバコネクタ122の固定位置決めによって、レーザカテーテルアセンブリ101内でのディフューザ先端部の適切なセットバックを確保することができる。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリ101内で光ファイバ202を固定することは、先端部の融解を防止するのに役立ち、ディフューザ周囲の適切な冷却剤の流れを確保することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバを固定することによって、ディフューザ先端部がレーザカテーテルアセンブリ101から滑り落ちるのを防止することができる。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリ101内で光ファイバ202を固定することは、レーザがディフューザ先端部から適切に拡散することを確実にするのに役立つ(例えば、ディフューザの一部が内
部チューブ117から出ることを防止することによって、またはディフューザがプローブ113先端部に対して底付きすることを防止することによって、例えば、冷却剤の流れを閉塞する、および/または放出される光の不均一な分布を引き起こす可能性がある)。いくつかの実施形態では、ファイバを固定することにより、イントロデューサプローブ113の先端部からの光の十分な拡散を有利に提供することもでき、(ディフューザ先端部に横方向に隣接する組織に加えて)先端部前方の組織の治療を可能にする。
【0089】
いくつかの実施形態では、光ファイバは、2、3.5、5、または前述の値を含むおよび/または前述の値にまたがる範囲以下のメートル単位の全長を有する。この長さは、いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるようなレーザ照射システム全体が、手術室(例えば、無菌環境)内に完全に収容されることを可能にするサイズであることができることを考慮すると、手術室内の散乱を有利に減少させる。
【0090】
いくつかの実施形態では、レーザ照射システム100の冷却剤供給システムは、冷却剤リザーバ305、冷却剤入口導管306、および冷却剤ポンプ307を含み得る。いくつかの実施形態では、冷却剤供給システムは、冷却剤(例えば、生理食塩水、水など)をレーザカテーテルアセンブリ101に供給する。いくつかの実施形態において、冷却剤は、レーザカテーテルアセンブリ101の導入器プローブ113に隣接する光凝固の早期発症を防止するのに役立つ。光凝固の早期発症は、組織へのレーザ放射の光透過を有害に制限し、および/または光学的に励起されたナノ粒子の腫瘍特異性を無効にする可能性がある。
【0091】
図4は、冷却剤入口導管306の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、冷却剤入口導管306の長さは、約3m、約4m、約5m、約10m、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがるおよび/またはそれらの値を含む範囲以下とすることができる。いくつかの実施形態において、冷却剤入口導管306の長さは、動作設定における乱雑さを低減する。いくつかの実施形態において、冷却剤入口導管306は、その長さに沿った任意の位置で冷却ポンプにクランプすることを可能にする可撓性タイゴンチューブ(ポリ塩化ビニルチューブ等、例えば、可撓性チューブ)で構成することができる。いくつかの実施形態では、チューブの直径は約1/8インチとすることができる。いくつかの実施形態において、チューブの直径は、約1/12′′、1/8′′、1/4′′、または前述の値を含むおよび/または前述の値にまたがる範囲である。いくつかの実施形態において、この直径は、より小さいポンプヘッド間隔、冷却剤流量のより大きな制御、および/またはチューブセット間の流量のより大きな一貫性を可能にする。いくつかの実施形態では、この特徴により、戻りラインにおける外部流量制限器およびメータの必要性がなくなる。いくつかの実施形態では、この特徴により、本明細書に記載される特定の方法中に使用される低流量(例えば、約8mL/分以下)の冷却剤流量をより正確に制御することができる。いくつかの実施形態において、達成され得るmL/分単位の流量は、2、4、8、10以下、または前述の値を含むおよび/または前述の値にまたがる範囲であり得る。図5Aおよび図5Bは、冷却剤回収バッグの一実施形態を示す。図5Bに示すように、冷却剤回収バッグは、レーザカテーテルアセンブリに取り付けるように構成された可撓性の長さのチューブを含むことができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される冷却剤供給セットの設計は、冷却剤を供給するリザーバに対して冷却剤ポンプを位置決めできないという問題を有利に解消または低減する。いくつかの実施形態では、冷却剤供給システムは、連続的な長さのチューブで作製することができ、それにより部品点数および複雑さが低減される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された内径のポリ塩化ビニルチューブを使用することにより、低流量(例えば、8mL/分)の冷却液流量を有利に制御することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、冷却液ポンプ307は、所定の流量を生成するために所定の速度に初期設定されるように較正され得る流量調整器を有する。いくつかの実施形態では、ポンプは、蠕動ポンプ(例えば、Langer BT100-1L)とすることができる。いくつかの実施形態では、ポンプは、約0.002、0.01、0.1、1、20、50、100、500以下、または前述の値を含むおよび/または前述の値にわたる範囲の流量(mL/分)を送達する。いくつかの実施形態では、冷却液ポンプ307は、静音運転機能を有し、約、10、20、30、40、500、またはそれ以下のデシベルレベルで動作する:10、20、30、40、50、60、70、80、または前述の値を含むおよび/または前述の値にまたがる範囲である。いくつかの実施形態において、開示されたシステムは患者と共に手術室に配置され得るので、このポンプの静かな特徴は有益であり得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、ポンプ307は、作動デバイス(例えば、フットスイッチ、ペダル、パネル、ボタン)を接続することができる。いくつかの実施形態において、作動装置は、使用者(例えば、ポンプを操作する医師または技術者)によってオンまたはオフにされ得る。いくつかの実施形態において、切除は、ポンプを制御する作動装置と同じであっても異なっていてもよい作動装置(例えば、フットスイッチ、ペダル、パネル、ボタン)に接続され得る。ポンプおよび切除の作動装置が同一であり得るいくつかの実施形態において、作動装置は、ユーザがレーザカテーテルを通る冷却剤の流れを制御することおよび/または切除によるレーザの放出を別個にまたは同時に制御することを可能にする1つ以上のトグルスイッチ(例えば、ボタンまたはパネル)を有し得る。切除およびポンプが同時に作動されるいくつかの実施形態では、作動装置は、切除およびポンプの両方を同時にオンまたはオフにするための単一のスイッチを有することができる。切除とポンプを別々に作動させるいくつかの実施形態では、作動装置は、一度に1つの装置を作動させるための異なるスイッチを有することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ接続は、レーザがアクティブなときに冷却液の流れを許容し、非アクティブなときに冷却液の流れを停止することができる。いくつかの実施形態では、消費される冷却剤の体積(例えば、冷却剤バッグの交換回数等)を低減することに加えて、この特徴は、有利には、レーザ治療間の組織の予冷を防止することができる。いくつかの実施形態では、ポンプは、レーザが動作しているときに既定の流量を有するようにプログラム可能であり得る。いくつかの実施形態において、ポンプの既定の流量の制御は、リアルタイムの温度監視を使用することなく、公称サブ切除レーザ用量を使用することができる開示された方法にとって有用であり得る。いくつかの実施形態において、mL/分単位の既定流量は、約以下であり得る:0.002、0.01、0.1、1、5または前述の値を含むおよび/または前述の値にまたがる範囲である。所定の流量により、使用者は予め決められた速度で熱を除去することができる。いくつかの実施形態では、レーザがオフのときに冷却液の流れを自動的に停止させることで、組織を冷やさないようにすることができる。レーザ治療の間(例えば、レーザがオフのとき)に、レーザカテーテルアセンブリを通して冷却剤を流すと、周囲の組織が(例えば、30~37℃付近から)冷却剤の温度(例えば、21~23℃付近)まで冷やされる。いくつかの実施形態において、これは、組織切除を生じさせるために克服されなければならない付加的な温度勾配のために、治療不足を生じさせる効果を有する。いくつかの実施形態では、開示された特徴の組み合わせにより、冷却を厳密に調節することができる。いくつかの実施形態では、この温度制御により、レーザカテーテルに隣接する組織の凝固を、時限治療の終了まで有利に遅らせることができる。いくつかの実施形態では、凝固から生じる光散乱の増加は組織への光浸透を効果的に減衰させるので、光凝固の遅延は、ナノ粒子が光フォトンによってのみ活性化されるので、レーザカテーテルからより長い距離の腫瘍組織を治療するのを助けることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、冷却剤回収バッグ309は、レーザカテーテルアセンブリ101を1回通過した後の冷却剤を回収する。いくつかの実施形態では、冷却剤回収バッグ309は、冷却剤出口導管311および出口導管コネクタ324を介してレーザカテーテルアセンブリ101に接続され得る(図5A~5B参照)。いくつかの実施形態では、冷却剤回収バッグ309の容積は、約1.5リットル、2.0リットル、または3リットル以上とすることができる。いくつかの実施形態では、この容積は、治療期間中を通しての回収を可能にする。いくつかの実施形態において、治療持続時間は、フットスイッチ作動ポンプを使用して8mL/分で約62回の標準的な3分間治療に等しいか、または少なくとも約62回とすることができる。いくつかの実施形態では、冷却剤回収バッグ309は、ベッドサイドに配置することを可能にする一体型1.5mチューブセットを有する。
【0097】
いくつかの実施形態では、トロカールアセンブリ400が提供され得る。いくつかの実施形態では、レーザ照射システムは、レーザ照射装置アセンブリ101とともにトロカールアセンブリ400を含むことができる。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリ101のプローブ113は、トロカール425の周囲にスリーブカテーテル426(例えば、カテーテルシース)が被覆されたトロカール425からなるトロカールアセンブリ400を用いて、腫瘍または腫瘍組織からなる器官に導入され得る。図2Bに示すように、いくつかの実施形態では、導入器プローブ113は、しなやかおよび/または柔軟であることができる(例えば、25cmの長さのプローブは、キンクすることなく輪にすることができる)。いくつかの実施形態において、先端部は、有利には先端部が組織で障害物を回避することを可能にする屈曲を可能にする材料で構成され得る。いくつかの実施形態において、本明細書の他の箇所に開示されているように、プローブの可撓性材料は、有利には、組織に付着しにくく、および/または、非粘着性であり得、および/または、実質的に非粘着性であり得る。いくつかの実施形態において、イントロデューサプローブ13は、約300mm、240mm、200mm以下の長さ(例えば、近位端から遠位端まで)を有する:300mm、240mm、200mm、または前述の値を含むおよび/または前述の値にまたがる範囲である。いくつかの実施形態において、イントロデューサプローブは、約2mm、1mm、0.5mm、または前述の値を含むおよび/または前述の値にまたがる範囲以下の幅を有する。
【0098】
いくつかの実施形態では、導入器プローブ113の導入を容易にするために、図6A~6A-2に示すように、トロカールスリーブアセンブリ400を用いて導入器プローブ113を組織に挿入することができる。いくつかの実施形態では、図6Aに示すように、トロカールスリーブアセンブリ400は、トロカール425およびスリーブカテーテル426(例えば、プローブシース)を含むことができる。いくつかの実施形態では、トロカール425はトロカール内腔428を含むことができる。図6A-1は、内腔428が露出したトロカールアセンブリ400の二等分図を示す。図6A-4は、トロカールスリーブアセンブリ400の端面図である。図6Bおよび図6B-1は、スリーブのないトロカール425を示し、図6B-1は二等分図を示す。いくつかの実施形態において、トロカール425はまた、示されるように、トロカールハンドル429を含み得る。いくつかの実施形態において、トロカールハンドル429は人間工学的であり得る。いくつかの実施形態において、トロカールハンドル429は、配置中にトロカール425の操作を容易にする1つ以上の指掛け431を有する。いくつかの実施形態において、トロカールハンドル429は、患者の組織を通してのトロカールの配置および/または治療部位における患者内部でのトロカールアセンブリ400の位置決めを可能にする。
【0099】
いくつかの実施形態では、トロカール425は3面カニューレおよび/または針430を含むことができる。図6A-3は、シース426を備えたカテーテル先端部430の拡大図である。図6B-2は、シース426なしのカテーテル先端部430の拡大図である。図6B-3はトロカール先端部430の正面図である。いくつかの実施形態では、3面
トロカール先端部430は、トロカールが患者の組織を通って押し込まれる際に組織が引っ張られるのを回避する。いくつかの実施形態では、斜角を付けた針は、組織を通過するときに斜角の側に引っ張られることがある。他の実施形態では、ベベル付き針をトロカールとして使用することができる(図示せず)。図6B-4はトロカール429の端面図である。
【0100】
いくつかの実施形態では、トロカールスリーブアセンブリ400が治療部位に挿入された後、トロカール425を患者の体内から取り出すことができる。いくつかの実施形態では、トロカール425を取り外す際に、カテーテルシースアセンブリ427を患者の体内に残すことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシース426は、その後、レーザカテーテルアセンブリ101の導入器プローブ113を治療部位に位置決めするために使用することができる。いくつかの実施形態では、図6A-1に示すように、プローブスリーブ426はコネクタ440を含むことができる。いくつかの実施形態において、スリーブコネクタ440(例えば、カテーテルシースのコネクタ)は、本明細書の他の箇所に開示されているように、1つ以上の接続構造を含むことができる。図6A-1に示す例では、接続構造は、対応するシースコネクタ150のシュラウド151にねじ込むことができる隆起部440aを含むことができる。例えば、本明細書の他の箇所で開示されるように、いくつかの実施形態では、図2Aに示されるように、シースコネクタ150は、任意選択で、シュラウド151(例えば、フード、ねじ付きシュラウドなど)を含むことができ、カテーテルシース440のコネクタは、雌型受容部441との雌型接続を有することができる。いくつかの実施形態では、接続構造は、ねじ山、留め具、アーム、ラッチ、突起、凹部、テーパ、または前述のいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0101】
開示された装置および構成要素の1つまたは複数の利点は、本明細書に開示されたようなシステムを利用する方法を実行するときに明らかになる。方法の一実施形態が図7A~7Kに示されている。いくつかの実施形態において、この方法は、トロカール426と、トロカール426の周囲にシースされたカテーテルシースアセンブリ427とを含むトロカールアセンブリ400を、挿入点(例えば、第1の挿入点)で患者に挿入することを含むことができる。このような挿入は、標的組織(例えば、腫瘍など)を表す試験片700を用いて図7A~7Kの図面に図示されている。この場合、試験片は生の鶏胸肉である。試験片は、腫瘍または腫瘍を構成する臓器のモデルとして使用される。
【0102】
図7Aは、保護カバー433内の試験片およびトロカールスリーブアセンブリ400を示す。いくつかの実施形態では、トロカールスリーブアセンブリはトロカールを含むことができる。図7Bは、保護カバー433から取り外されたトロカールスリーブアセンブリ400を示す。図7Cに示すように、いくつかの実施形態において、トロカールスリーブアセンブリ400は、標的組織(例えば、試験片700)の近位側701(例えば、近位部分、ここで、近位とは、使用者および/または挿入点の位置を指す)に挿入され得る。いくつかの実施形態では、図7Dに示すように、トロカールスリーブアセンブリ400は、標的組織の本体を通って標的組織700の遠位側702または実質的に遠位側まで挿入され得る。いくつかの実施形態では、トロカールスリーブアセンブリは、標的組織の近位側と遠位側との中間の位置に配置され得る。図7Dでは、トロカール425は標的組織の遠位側702に見えることができる。図7Eに示すように、いくつかの実施形態では、トロカールカテーテルアセンブリが標的組織702の遠位側に到達すると、カテーテルシース426を所定の位置に残したままトロカール425を取り外すことができる。いくつかの実施形態では、トロカールスリーブアセンブリ400(またはトロカール、トロカール先端部、および/またはカテーテルシース426)の適切な位置決めは、MRI、超音波、または他のリアルタイム画像法(例えば、コンピュータ断層撮影法)を用いて達成することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、図7Fに示すように、レーザカテーテルアセンブリ101は、カテーテルシースへの挿入のために準備することができる。図示されているように、レーザカテーテル101のイントロデューサプローブ113は、レーザを作動させることができるときに、ディフューザ先端部の周囲に存在する照射半径111を有する。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113をカテーテルシース426に挿入する前に、光ファイバ202をレーザカテーテルアセンブリ101の内部に配置することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ202は、光ファイバコネクタ222と端部開口部220との係合を介してレーザカテーテルアセンブリ101内に固定することができる。図7Lに示すように、光ファイバ202はプローブ113内に配置することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバおよびその拡散先端部204は、イントロデューサプローブ113のドーム状端部115を通してレーザ放射を伝送することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、図7Gに示すように、レーザカテーテルアセンブリ101の導入器プローブ113をカテーテルシース426に挿入することができる。これにより、カテーテルの能動先端部が標的組織700の遠位側702に誘導される。いくつかの実施形態では、図7Eに示すように、カテーテルシースアセンブリ427は、挿入ポート432およびシース426を含むことができる。いくつかの実施形態では、挿入ポート432およびシース426は、イントロデューサプローブ113などの器具の挿入を容易にする。いくつかの実施形態では、レーザ照射器のプローブ113は、挿入ポート432を介してシースアセンブリ427のシース426に挿入することができる。図7Gに示すように、組織内のプローブ113の位置は、カテーテルシースのコネクタ440とプローブ113の近位部分の目盛りを用いて決定することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシースのコネクタの位置は、プローブが標的組織700内の適切な深さに達したときに使用者に示す。いくつかの実施形態では、プローブ113の目盛りを使用することに加えて、その代替として、標的組織内におけるプローブ113の最初の位置決めは、使用者によって感じられ、トロカールによって貫通されていない組織に起因する抵抗によって決定することができる。
【0105】
適切な深さおよび/または所望の深さに達したら、図7Hに示すように、カテーテルシースアセンブリ727をプローブ113に沿ってスライドさせて戻すことができる。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113が標的組織内の適切なおよび/または所望の位置に達した後(図7Gに示すように)、シースアセンブリ427を標的組織700の近位側に向けて引き出して、イントロデューサプローブ113内のディフューザチップ223を露出させて標的組織への照射を開始することができる(図7Hに示すように)。図7Hに示すように、シースアセンブリ427が引き出されている状態で、レーザ照明器アセンブリ101のシースコネクタ150を使用して、カテーテルシースのコネクタ440に係合させ、カテーテルシースアセンブリ427をレーザ照明器アセンブリ101に固定することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシース440のコネクタの接続構造と、例えばシースコネクタ150のシュラウド151の接続構造とを一緒に挟み込んで、カテーテルシース426とレーザ照射装置アセンブリのプローブ113との間の接続を提供することができる。
【0106】
図7Gに示すように、カテーテルシース426が透明でない(例えば、先端部から放射される放射線に対して光学的に透明でない、または透過性がない)場合、放射線はディフューザ先端部によって部分的に遮断される可能性がある。図7Hに示すように、カテーテルシース426が組織から引き抜かれ(例えば、近位に引っ張られ)プローブの先端部が(組織内に)露出した状態で、放射線は、照射領域710を提供する組織内に先端部から放出され得る。いくつかの実施形態では、図7Hに示すように、カテーテルシース426のコネクタ440と、レーザ照射装置アセンブリ101のシースコネクタ150とを係合させる(例えば、接続する)ことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ150、
440を互いに係合させることができると、プローブはカテーテルシースによってマスクされなくなる。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテルシースアセンブリはプローブの長さの数分の一であり得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシースアセンブリは、プローブの長さ(例えば、プローブの先端部からシースコネクタまで)の9/10、7/8、4/5、3/4、2/3、または1/2に等しいか、またはそれ以下の長さを有することができる。
【0107】
いくつかの実施形態において、カテーテルシース426は、プローブ113をマスクするため、および/またはプローブからの組織の照射を防止するために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、照射処置の間中、冷却水を流しながらレーザをオンにしておくことができる。いくつかの実施形態では、レーザは、プローブの再位置決め中および/または照射期間の終了後に遮断されることがある。例えば、コネクタ150、440を外し、プローブの目盛りを用いて、プローブがマスクされ、組織を実質的に照射しなくなったタイミングを判断することができる。あるいは、本明細書の他の箇所に開示されているような他の実施形態では、再位置決め中および/または照射期間の終了後にレーザをオフにすることができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、図7Hに示すように、カテーテルシース440のコネクタとシースコネクタ150とが互いに近位にある間、および/または互いに係合している間、プローブの先端部を標的組織内に露出させることができ、第1の領域710を照射することができる。いくつかの実施形態では、第1の領域は、所定の期間および/または規定された期間照射され得る。
【0109】
照射時間中、以前のレーザ照射装置アセンブリでは、ユーザはレーザ照射装置アセンブリを手で保持する必要があった。照射時間中に使用者がレーザ照射装置アセンブリ101から手を放すと(レーザ照射装置アセンブリの本体102の重量がプローブ113にかかるように)、レーザ照射装置アセンブリ101の繊細で柔軟なプローブ113が曲がったり、よじれたり、破損したりする危険性がかなりあった。プローブ113がよじれたり損傷したりすると、(例えば、プローブの裂け目から)冷却水が漏れて光ファイバの冷却がうまくいかなくなる可能性がある。プローブの損傷は、効果的でない放射線の分布および/または照射された領域の効果的でない治療(例えば、プローブ周囲の組織の炭化が放射線の拡散をブロックするため)につながる可能性がある。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、この問題またはその他の問題に対処する。いくつかの実施形態では、プローブを安定化装置(例えば、カテーテルシースアセンブリ427)に結合するように構成することができるので、プローブを処置中の損傷から保護することができる。いくつかの実施形態では、開示された構成を用いると、安定化装置がプローブの損傷(曲げまたは破損による)を防止および/または低下させるので、照射中にレーザ照射装置アセンブリ101を所定位置に保持する必要がない(例えば、離すことができる)。照射は面倒であり、かつ/または長時間の照射を必要とする場合があり、また、レーザ照射装置アセンブリは、いくつかの実施形態では非常に繊細であり得るため、安定化機能の使用は、適切に配置されたときに繊細なプローブがよじれたり、曲がったり、折れたりしないことを保証する上で、または適切に配置されたときにプローブがよじれたり、曲がったり、折れたりするリスクを低減する上で、特に有利であり得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、安定化装置は、プローブの一部を取り囲み、シースコネクタを介してレーザアセンブリに接続するように構成することができる。いくつかの実施形態において、安定化装置は、患者の身体とレーザ照射システムの本体102との間のプローブの部分において、プローブに支持および/または追加強度を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に開示されているように、安定化装置は、カテーテルシースアセンブリ427および/またはカテーテルシースであり得る。いくつかの実施形
態において、レーザ照射装置アセンブリは、(例えば、コネクタ426およびシースコネクタ150を介して)カテーテルシース426と係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、シースコネクタがカテーテルシースのコネクタを介してコネクタシースに係合されると、プローブを安定させることができる。いくつかの実施形態では、シースコネクタがカテーテルシースのコネクタを介してコネクタシースに係合されると、プローブのキンクまたは損傷の発生を回避することができ、最小限に抑えることができ、および/または頻度を少なくすることができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された幾つかの構成を使用して、処置中にレーザ照明器システム101の本体102によってプローブを保持することを余儀なくされる代わりに、カテーテルシースアセンブリ427を安定化装置として使用することができる(例えば、シースコネクタに結合されたとき)。いくつかの実施形態では、使用者は、レーザ照射装置アセンブリ101から手を放すことができ、および/または、組み立てられたプローブ113およびカテーテルシースアセンブリ427にレーザ照射装置アセンブリ101の全重量を支持させることができる。
【0112】
いくつかの実施形態において、シースアセンブリは、コネクタ150、440を介して係合されるとき、レーザアセンブリ101に剛性および/または強度を加える。いくつかの実施形態では、シースコネクタ150がカテーテルシースアセンブリ427のコネクタ450を介してコネクタシース426に係合されると、レーザ照射装置アセンブリ101は、プローブをねじれさせることなく、プローブが水平になり得る位置でプローブによって保持され得る。
【0113】
カテーテルシースコネクタ440とシースコネクタ150とを一緒に係合させることは一定の利点を有する可能性があるが、カテーテルシースコネクタ440とシースコネクタ150とは、あらゆる場合において係合させる必要はない。いくつかの実施形態では、カテーテルシースコネクタ440とシースコネクタ150の近接がプローブの安定化をもたらすことがある。
【0114】
図7H~7Jに示すように、いくつかの実施形態では、第1の領域の照射が完了した後、導入器プローブ113を、標的組織700の近位側701に向かってわずかに引き出し、遠位側702から離して、標的組織の第2の領域(第2の照射領域7712)を治療に曝すことができる。いくつかの実施形態では、標的組織の大きさに応じて、引き出し/照射工程を複数回繰り返すことができる。図7Iに示すように、プローブが引き出された後、カテーテルシースアセンブリ427を引き出すことができる。いくつかの実施形態では、図7Jに示すように、コネクタ150、440を結合して、第2の領域712で治療を行うことができる。図示されていないが、いくつかの実施形態では、第3、第4、第5、および追加の領域が照射され得る。いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101のハッシュマーク121により、使用者は、イントロデューサプローブ113が引き抜かれる際に、照射のための第1、第2、第3、第4等の領域の適切な位置を決定することができる。図7Kに示すように、治療終了後、プローブ113とシースアセンブリ427は完全に引き抜くことができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113および/またはイントロデューサプローブおよびカテーテルシースアセンブリ427は、約4mm、約8mm、約12mm、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがるおよび/またはそれらの値を含む範囲に等しいかまたは以下の距離で、標的組織から増分的に引き抜くことができる。いくつかの実施形態において、標的組織の照射領域間の距離は、約4mm間隔、約8mm間隔、約12mm間隔、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがる範囲および/もしくはそれらの値を含む範囲に等しいか、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態
では、照射領域間の距離は、イントロデューサプローブ上の目盛りを用いて決定することができる。
【0116】
図示しないが、いくつかの実施形態では、照射領域間の距離は、カテーテルシース上の目盛りを用いて決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテルシースアセンブリのカテーテルシースに目盛りを付けることができる。いくつかの実施形態では、標的組織内のカテーテルシース内に導入器プローブを最初に配置した後、カテーテルシースをコネクタ150、440を介してプローブに係合させることができる。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブ113および/またはイントロデューサプローブとカテーテルシースアセンブリ427は、約4mm、約8mm、約12mm、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがるおよび/またはそれらの値を含む範囲の値以下の距離で、一緒に標的組織から漸増的に引き抜くことができる。いくつかの実施形態において、標的組織の照射領域間の距離は、約4mm間隔、約8mm間隔、約12mm間隔、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがるおよび/もしくはそれらの値を含む範囲に等しいか、またはそれ以下であり得る。
【0117】
他の実施形態では、カテーテルシースは、光学的に、および/または、切除によって放射される放射線に対して透明であることができる。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブの目盛りは、カテーテルシース426を通して視認することができ、処置中に患者への挿入深度を容易に視覚化することができる。
【0118】
いくつかの実施形態において、トロカールスリーブアセンブリ400は、標的組織の別の領域(例えば、側方に配置された第2の挿入点)に再挿入され得、上記の照射および引き抜きプロセスが繰り返され得る。いくつかの実施形態では、照射後、レーザアセンブリを腫瘍の異なる領域に再位置決めすることができる。
【0119】
いくつかの実施形態において、図7A~7Kに示される試験サンプルについてと同様に、標的領域(例えば、器官または腺における腫瘍)における腫瘍または腫瘍を処置する方法は、トロカールスリーブアセンブリ400を患者に位置決めするためのステップを含み得る。いくつかの実施形態において、トロカールスリーブアセンブリは、トロカールアセンブリが腫瘍の近位面を通り(トロカールスリーブアセンブリを挿入している使用者に向かって)、腫瘍の遠位側で終端する(トロカールスリーブアセンブリを挿入している使用者から離れる)ように、トロカールアセンブリを例えば前立腺腫瘍に通すことによって位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、腫瘍の近位側から遠位側へのトロカールスリーブアセンブリの挿入により、腫瘍内に第1の経路が形成される。いくつかの実施形態では、図7A~7Kの試験標本で説明したように、腫瘍を治療する方法は、トロカールを患者から抜き取り、カテーテルシースアセンブリ427(例えば、カテーテルシース426)を第1の経路内の患者内に残すステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101(例えば、レーザイルミネータアセンブリ)を取得することができる。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で論じるように、レーザカテーテルアセンブリ101は、イントロデューサプローブ113および光ファイバ202のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、図7Jおよび図7Lに示すように、イントロデューサプローブ113(例えば、レーザイントロデューサプローブ)は、第1の内腔を含むことができ、レーザ光の透過を可能にするように構成された密封されたドーム状の端部で終端する。いくつかの実施形態では、図7Lに示すように、イントロデューサプローブは、イントロデューサプローブ113の第1の内腔116内に位置する内部チューブを含むことができる。いくつかの実施形態では、内部チューブ117は、第2の内腔118を含むことができる。いくつかの実施形態では、図7Lに示すように、光ファイバ202は、第2の内腔118内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の内腔内に配置されると、光ファイバおよびその拡散器先端部204は、イントロデュ
ーサプローブ113のドーム状端部115を通してレーザ放射を伝送することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバが第1の管腔内に配置され得るとき、第1の管腔は、第2の管腔と流体連通することができる。
【0120】
いくつかの実施形態において、本方法は、レーザ照射装置アセンブリをカテーテルシース426に挿入し、レーザ照射器(例えば、レーザカテーテルアセンブリ101)を腫瘍内の第1の経路内の第1の位置に誘導するステップを含む。いくつかの実施形態において、第1の位置は、腫瘍の近傍または遠位側に位置し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシースを部分的に除去して、イントロデューサプローブを露出させることができる。いくつかの実施形態において、カテーテルシースは、コネクタ150、440を用いて導入器プローブに係合させることができる。いくつかの実施形態において、本方法は、第1の経路内の第1の位置でレーザ照射器を作動させ、第1の時間、非切除赤外線放射を発生させ、それによりナノ粒子を切除温度に加熱するステップを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、本方法は、レーザ照射器およびカテーテルシースを第1の経路内の第2の位置まで引き出す(およびコネクタ150、440を介して接続する)ステップを含む。いくつかの実施形態において、第1の経路内の第2の位置は、第1の経路内の第1の位置よりも腫瘍の近位側に近接し得る。いくつかの実施形態において、レーザ照明器は、第1の経路内の第2の位置で作動させられて、第2の期間、非切除赤外線放射を発生させることができる。いくつかの実施形態において、レーザ照射器の照射は、ナノ粒子を切除温度まで加熱する。
【0122】
いくつかの実施形態では、本方法は、カテーテルおよびレーザ照射器を第1の経路から引き出し、トロカールアセンブリを第2の挿入点で患者に挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態において、第2の挿入点は、第1の挿入点から腫瘍の近位側に側方に配置され得る。いくつかの実施形態において、トロカールアセンブリは、トロカールアセンブリが腫瘍の近位面を通過し、腫瘍の遠位側で終端し、それによって腫瘍を通る第2の経路を形成するように、トロカールアセンブリを前立腺腫瘍に通すことによって患者内に配置され得る。いくつかの実施形態において、トロカールはトロカールアセンブリから取り外すことができる。いくつかの実施形態において、レーザ照射装置アセンブリの導入器プローブは、次いで、カテーテルシース内に配置され得る。いくつかの実施形態では、イントロデューサプローブは、腫瘍内の第2の経路内の第1の位置に誘導され得る。カテーテルは、イントロデューサプローブを露出させるために移動させることができる。いくつかの実施形態では、第1の位置は腫瘍の遠位側近傍に位置することができる。いくつかの実施形態では、任意の経路内の第1の位置は、代替的に、標的組織(例えば、腫瘍)の近位面と遠位面との中間であり得る。
【0123】
いくつかの実施形態において、レーザ照射器は、第3の期間、非切除赤外線放射を発生させるために、第2の経路内の第1の位置で活性化され得る。いくつかの実施形態では、第2の経路の第1の位置におけるレーザ照射器の活性化は、ナノ粒子を切除温度まで加熱する。いくつかの実施形態では、第1の経路で使用される手順と同様に、レーザ照射器(およびカテーテルシース)は、第2の経路内の第2の位置まで近位に引き抜くことができる。いくつかの実施形態では、レーザ照射器を第2経路内の第2位置で作動させて、第4の期間、非切除赤外線放射を発生させ、それによってナノ粒子を切除温度まで加熱することができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、レーザ照射器は、各経路内の照射のために、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の位置に配置され得る。いくつかの実施形態において、経路内の標的組織の照射領域間の距離は、約4mm間隔、約8mm間隔、約12mm間隔、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがるおよび/またはそれらの値を含む範囲に
等しいか、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態において、経路の各位置においてレーザが活性である期間(例えば、照射時間)は、約1分、約3分、約5分、約10分、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがるおよび/もしくはそれらの値を含む範囲に等しいか、もしくは少なくとも等しくあり得る。いくつかの実施形態において、全経路の各位置を照射するのに必要な時間は、等しいか、または少なくとも約分とすることができる:15分、30分、45分、60分、90分、または前述の値を含むおよび/もしくはそれらの値にまたがる範囲である。
【0125】
いくつかの実施形態では、照射および/または処置と引抜きの方法は、処置の経路に沿って薬剤(例えば、癌細胞など)が播種されるのを防ぐのに役立つ。いくつかの実施形態では、引き抜き法は、器具が引き抜かれる際の出血を防ぐために組織を焼灼するのにも役立つ。いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリを標的組織の遠位側から近位側へ引き抜くことによって、血液を凝固させることができ、および/またはあらゆる出血を実質的にまたは完全に封鎖することができる。いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリを標的組織の遠位側から近位側へ引き抜くことにより、血流による腫瘍細胞の拡散、または癌細胞の標的組織外への押し出し等を行うことができる。
【0126】
いくつかの実施形態において、本明細書の他の箇所に開示された挿入および引き抜き方法および/または他の方法は、腫瘍組織、癌組織を構成する腺、癌組織を構成する器官、および/または癌組織を構成する構造(例えば、咽頭)に対して実施することができる。例えば、前立腺を処置する場合、本明細書の他の箇所に記載されるように、導入器プローブを前立腺を通して遠位側まで挿入し、引き抜くことができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、赤外光は導入器プローブから横方向に約4mm透過することができるため、横方向の幅が8mmを超える腫瘍または治療領域に対しては、レーザカテーテルアセンブリレーザ導入器プローブ(またはプローブ)の複数の挿入を使用することができる。複数の挿入点を使用する場合、レーザ導入器をフリーハンドで配置する(または、例えば、レーザ照射の間隔を維持するために定規を使用して配置する)と、レーザカテーテルアセンブリの不適切な配置になる可能性がある。不適切な配置の可能性は、皮膚表面においてのみレーザカテーテルアセンブリの分離を設定することが可能であり得るため、キャビティ内治療において高くなり得る。いくつかの実施形態では、8mmを超える横方向の寸法を有する腫瘍または治療領域に対して、複数のレーザカテーテルアセンブリを同時に位置決めする(または単一のレーザカテーテルアセンブリの個々の配置を繰り返す)ための装置を使用して、貫通点間の一定の分離を維持することができる。いくつかの実施形態では、この装置は、一種のテンプレート(例えば、グリッドまたはジグ)とすることができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に記載されているように、トロカールスリーブアセンブリの標的組織(例えば、腫瘍)への挿入点を決定するためにグリッドまたはテンプレートを使用することができる。いくつかの実施形態では、横方向に間隔をあけて配置された穴を有するテンプレートグリッドが、トロカールスリーブアセンブリの配置を案内するために使用され得る。いくつかの実施形態において、患者の組織内の各挿入点は、テンプレートグリッドの穴の間隔によって決定され得る。いくつかの実施形態において、テンプレートグリッドによって決定される挿入点間の横方向の距離は、約4mm間隔、約8、mm間隔、約12mm間隔、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがるおよび/またはそれらの値を含む範囲に等しいか、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態において、挿入点間の横方向の距離は、約4mm離れているか、約8mm離れているか、約12mm離れているか、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがるおよび/もしくはそれらの値を含む範囲に等しいか、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態において、複数の挿入(例えば、複数のレーザカテーテルからの複数のプローブ
の挿入)は、グリッドを使用して同時に実行され得る。いくつかの実施形態では、挿入は、単一のレーザカテーテルとグリッドを用いて連続的に行うことができる。
【0129】
いくつかの実施形態において、図8Aに示すようなグリッドテンプレートは、レーザカテーテルアセンブリを選択された間隔に設定および/または位置決めするため、および/またはレーザカテーテルアセンブリ導入プローブの複数の貫通の平行な整列を維持するために使用することができる。いくつかの実施形態において、グリッドの使用は、例えば、不適切なプローブの配置のために、レーザ線量が粒子活性化のために不十分であった場合に生じ得る腫瘍の未処理縁部の量を防止または減少させるのに役立つ。いくつかの実施形態では、グリッドは複数の開口部801を含み得る。いくつかの実施形態では、各グリッド開口部801は、シース付きトロカール425、カテーテルシース426、および/またはイントロデューサプローブ113を受容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、トロカール425が標的組織に配置されると、カテーテルシース426を残して取り外すことができる。次いで、レーザカテーテルアセンブリ101のイントロデューサプローブ113をシース426に挿入して本明細書の他の箇所に開示されているような照射方法を実行することができる。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に記載されているように、複数(2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)のレーザカテーテルアセンブリ101およびイントロデューサプローブ113を、グリッドを用いて位置決めされた複数のシース426に挿入することができる。そして、イントロデューサプローブ113は、治療中に一緒にまたは連続的に引き抜くことができる(それにより、標的領域の治療に要する時間を短縮する)。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤを使用することができる。いくつかの実施形態では、レーザカテーテルアセンブリの位置決めにガイドワイヤを使用しないこともある。
【0130】
いくつかの実施形態では、図8Aに示すように、六角形グリッド802を使用することができる。いくつかの実施形態では、六角形グリッド802は、最近接プローブに対して等距離間隔を提供するために使用することができる。正方形構成のグリッド850を図8Bに示す。示されるように、正方形構成グリッド850のグリッド開口部851は、正方形形状852を提供するように整列する。図8Aおよび図8Bに記載されているように、ラベル付きマーカー803、804、853、854を使用して、グリッド800、850内でレーザカテーテルを配置すべき場所を示すことができる。図8Aおよび図8Bに示すように、ラベル付きマーカーは、グリッドの異なる軸上にアルファベットインジケータ803、853(例えば、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、X、Y、Z、AAなど)または数字インジケータ804、854(例えば、1、2、3、4、5など)を含むことができる。色(例えば、赤、オレンジ、黄、緑、シアン、青、藍、紫、マゼンタ、ピンク、茶色、白、灰色、黒)、形状(正方形、円、3角形、菱形、5角形、6角形)、または色分けされた形状の混合物など、他のインジケータを使用することもできる。
【0131】
図8Bに示すような正方形のグリッドは、グリッド位置のわかりやすい識別を可能にする一方で、図8Cおよび8Dに示すような特定の欠点に悩まされる。図8Cは、最小開口部間隔7mmの六角形の実施形態を示す。図8Dは、開口部間隔が3mmの正方形の構成を示している。まず、(図8Dに示すように)3mmの間隔を有する正方形のグリッドの場合、例えば、グリッドの位置は両軸において3mm離れることができる。これは、図8Dに示すように、対角線に沿った平行移動が4.24mmの平行移動に相当することを意味する。したがって、光透過半径が4mmである腫瘍の側方範囲を完全にカバーするためには、正方形のグリッドは「過剰サンプリング」を必要とする。すなわち、3mm四方のグリッドの場合、主軸に沿って交互のグリッド位置を使用すべきであるが、対角線に沿っては、各対角線グリッド位置を使用しない限り、潜在的な未治療領域が存在することになる。このことは、標的領域を完全にカバーするためにどのグリッド位置を使用しなければ
ならないか、またどの位置を迂回することができるかを計算するために、時間のかかる治療計画を立てることにつながる。図8Dに示すように、3mm間隔の9つのグリッド位置の正方形パターンは、横方向の位置が埋まっていない場合の非重複領域(白)を示している。
【0132】
いくつかの実施形態では、図8Cにその一部を示す六角形のグリッド配置を採用することにより、各最近隣接位置が等距離であり得るので、これらの困難が回避される。いくつかの実施形態では、一旦治療ゾーンの境界が定義されると、全ての内部グリッド位置を使用することができ、最小限の重なりでターゲットゾーンを完全にカバーすることができる。これは、患者へのイントロデューサーの貫入の数を減少させる(および/または最小にする)こと、および治療時間の数を減少させる(および/または最小にする)ことの二重の利点をもたらす。いくつかの実施形態では、グリッド開口部間の間隔7mmを使用して、どのグリッド位置からも最大4mmの距離を保証することができる。図8Cは、半径4mmの治療ゾーンの収束を示す7mm間隔の3つのグリッド位置を示す。図8Cに見られるように、いくつかの実施形態では、孔の各トライアッドの中心における最大距離を4mmに設定することができる。結果として、レーザ配置のために隣接する穴を使用することは、最小限の冗長性で領域の連続的なカバーを保証し、治療時間の最も効率的な使用を可能にする。いくつかの実施形態において、隣接するグリッド開口部間の間隔は、約5mm以下とすることができる:5mm、4mm、3mm、2mm、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがる範囲である。
【0133】
いくつかの実施形態では、グリッドは、モノリシック構造(例えば、一体設計)を使用して調製することができる。いくつかの実施形態では、グリッドは、単一のプラスチック片からコンピュータ数値制御フライス加工によって機械加工することができる。いくつかの実施形態において、レタリングおよびナンバリング(例えば、インジケータ)は、プラスチックにエッチングすること、および/または表面に印刷することができる。いくつかの実施形態では、モノリシック設計は、図8Eに示される3ピーステンプレートグリッドとは異なることができる。いくつかの実施形態では、開口部サイズは、約20ゲージ、14ゲージ、12ゲージ、前述の値の間の値、またはそれらの値にまたがる範囲以下とすることができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、正方形グリッドの各数字および文字指定は、垂直方向および水平方向の両方で、2つの穴をカバーし、所与のコールアウトに対して両軸で2倍の曖昧さをもたらす。いくつかの実施形態では、(図8Aに示すように)6角形のグリッドの7mmの間隔は、正確な識別を容易にするために、孔の交互の行に印刷または刻まれた水平線と同様に、すべての位置について曖昧さのない識別を可能にする。6角形グリッドと正方形グリッドの実施形態の図面をそれぞれ図8Fと8Gに示す。
【0135】
いくつかの実施形態では、治療中、レーザ照射器は、ユーザによって制御され得るアクチュエータによって作動され得る。いくつかの実施形態では、ユーザがアクチュエータを使用してレーザ照明器を作動させると、冷却剤がレーザ照射装置アセンブリの第1の入口に自動的に流入する。いくつかの実施形態において、レーザ照射器がアクティブでなく、組織を照射しないことができるとき、冷却剤は、レーザ照射装置アセンブリに流入しない。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、フットペダルであり得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で議論されているように、組織内のナノ粒子によってレーザパワーを吸収することができる。いくつかの実施形態では、吸収の際、ナノ粒子は十分に高温に発熱し、組織の光熱凝固を誘導する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子を用いた光熱療法は、それ自体が凝固性温熱療法を誘発しないように、十分に低い出力(例えば、3.5~4.5W/cmの拡散体)のレーザを用いて行うことができ
る。いくつかの実施形態において、レーザの出力は、約2W/cm、3W/cm、4W/cm、5W/cm、6W/cm、またはこれらの値にまたがるおよび/もしくはこれらの値を含む範囲以下とすることができる。いくつかの実施形態において、凝固性温熱療法は、ナノ粒子が放射エネルギーを吸収するときに起こる。いくつかの実施形態において、非凝固性温熱療法は、約45℃以下、約35℃以下、約30℃以下、またはそれらの値にまたがるおよび/もしくはそれらの値を含む範囲の温度で誘導することができる。いくつかの実施形態において、凝固性温度は、約45℃に等しいかまたはそれ以上の組織温度を含む。いくつかの実施形態において、レーザは、光熱凝固を引き起こす温度を誘発することなく、約3分から約5分の期間作動させることができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、レーザ照射器は、近赤外波長を有する放射線を放出する。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、このエネルギーの正常組織への透過を可能にする近赤外領域(例えば、波長約670nmから約1200nmの範囲)の放射における光吸収極大を有するように設計され得る。いくつかの実施形態では、これらの波長内で放射されるレーザの適用時に、ナノ粒子はこのエネルギーを吸収して熱に変換し、腫瘍の温度を切除レベルまで上昇させる。いくつかの実施形態において、ナノ粒子誘発性温熱療法の効果は、腫瘍とそのすぐ隣の領域に限定された温度上昇を生じさせ、組織切除領域を限局化し、周囲の健康な組織への損傷を減少させることである。いくつかの実施形態において、レーザ照射器は、約805nmから約810nmの範囲の近赤外波長を有する放射線を放出する。いくつかの実施形態において、約805nmから約810nmの波長は、ナノ粒子の吸収を増加させる一方で、組織(およびヘモグロビン)による吸収を低くすることを可能にする。いくつかの実施形態では、約1000nmの波長を使用することができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、レーザ照射器は、組織の光熱凝固を誘導するのに不十分な出力の放射線を放出することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、非切除赤外線放射を腫瘍内に分布させる拡散器先端部を含むことができる。いくつかの実施形態では、レーザ照射器は、ディフューザ先端部の約3.5W/cmから約4.5W/cmの間の放射線を放出する。
【0139】
他の実施形態では、挿入点間の横方向の距離は、テンプレートグリッドを使用して決定しないことができる。
【0140】
いくつかの実施形態は、本明細書の他の箇所に記載されているようなレーザ治療に使用するためのキットに関する。図9A~9Gは、レーザ照射システムの1つ以上の構成要素を含むことができるキットの実施形態を示す。いくつかの実施形態では、図9Aに示すように、梱包材を有する容器が提供され得る。いくつかの実施形態では、キットは、図9Bに示すように、光拡散器パックを含むことができる。いくつかの実施形態において、光拡散器パックは、本明細書の他の箇所に記載されているように、光ファイバ先端部および光ファイバコネクタを有する光ファイバ202を含むことができる。いくつかの実施形態では、光拡散器パックは、ファイバおよび/または拡散器先端部を保護する光ファイバシースを含むことができる。いくつかの実施形態では、キットは、図9Cに示すような冷却剤供給セットを含むことができる。いくつかの実施形態において、冷却液供給セットは、冷却液リザーバ、冷却液入口導管、入口導管コネクタ、冷却液回収バッグ、冷却液出口導管、および/または冷却液出口コネクタのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施形態では、キットは、レーザカテーテルアセンブリパケットを含むことができる。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリキットは、レーザカテーテル組アセンブリ101のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施形態において、レーザカテーテルアセンブリの導入器プローブ113は、図9Dに示されるように、保護シース122を用いて保護され得る。いくつかの実施形態では、更に、図9Eに示す指示
910(例えば、レーザカテーテルアセンブリの組立または使用に関する)を含むことができる。いくつかの実施形態では、指示は、図1に示すような図面を含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所に開示されているようなレーザカテーテルシステムの使用方法を説明書の一部として提供することができる。いくつかの実施形態では、図9Fに示すように、キットを覆うために追加の梱包材の層を使用することができる。いくつかの実施形態では、図9Gに示すように、包装容器を閉じて密封し、出荷準備が整ったキットを提供することができる。図示していないが、いくつかの実施形態において、キットは冷却液ポンプ、トロカールおよびそれに関連する装置、グリッドアセンブリなどをさらに含むことができる。さらに、図9A~9Gに示した構成要素の1つ以上をキットから除外することもできる。
【0141】
いくつかの実施形態を添付の図面に関連して説明してきた。いくつかの図は縮尺通りに描かれているが、図示されている以外の寸法および比率が想定され、開示された本発明の範囲内であるので、このような縮尺は限定的ではない。距離、角度などは単なる例示であり、図示された装置の実際の寸法およびレイアウトと必ずしも正確な関係を有するものではない。構成要素は、追加、削除、および/または再配置が可能である。さらに、様々な実施形態に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、特性、品質、属性、要素などの本明細書における開示は、本明細書に規定される他のすべての実施形態において使用することができる。さらに、本明細書に記載される任意の方法は、言及されたステップを実行するのに適した任意の装置を使用して実施され得ることが認識されるであろう。
【0142】
使用例
例1:レーザカテーテル検査
冷却カテーテルレーザシステムのある種のレーザ導入器プローブ先端部が臨床処置中に溶融し、その結果、先端部上に炭化物が形成され、組織への光の浸透が失われることが観察されている。この炭化物はまた、非特異的凝固と熱固定をもたらす。ドーム状レーザカテーテル先端部を有する実施形態の加熱を、Visualase(R)冷却カテーテルシス
テム(CCCS)(研削円錐状先端部を有する)と並べて比較した。その結果、CCSの円錐形先端部は、ドーム状レーザカテーテル先端部のそれを大きく上回る、重要な熱の焦点を形成することが判明した。この例で説明した実験によると、CCSの加熱は円錐形の先端部に集中し、この加熱の3分の1から2分の1以上はレーザ拡散ファイバー(LDF)からの端部損失の結果である。この結論は、Visualaseレーザ拡散ファイバと、ドーム状レーザカテーテル先端部を有する実施形態の両方を、同じ円錐形Visualase冷却カテーテルシステムで同じ条件下で使用することによって得られた。ドーム状レーザカテーテル先端部を有する実施形態が使用された場合、Visualase LDFが同じVisualase円錐形先端部カテーテルに使用された場合よりも、発生する熱は34~57%少なかった。特定の理論に束縛されることなく、Visualase LDFの先端部から漏れる過剰な光と円錐形のカテーテル先端部そのものが、装置を破壊するホットスポットの発生に寄与している。先端部加熱の残りは、カテーテル自体の形状と素材に起因する。CCSによる22~57℃の温度上昇とは対照的に、同様の実験条件下でのドーム状レーザカテーテル先端部の温度上昇は2℃未満であった。
【0143】
テスト組織
Visualase CCSとドーム状レーザカテーテル先端部からなるレーザカテーテルアセンブリは互いに同様に構成され、等方性ディフューザ先端部光ファイバが透明な二重内腔の液冷16Gカテーテル内に固定された。テストは、熱結合や組織への熱伝達がなく、先端部からの熱放散を助ける傾向があるという「最悪のシナリオ」を表す野外で行われた。CCSは、標準的なVisualase Cooled Laser Applicator System (VCLAS)の一部として組み立てられた。11メートルのLDFの先端部は、CCS先端部の終端から2mm以内の位置まで進められた。冷却
液の入口と出口には、室温の水を入れた1Lのフラスコから供給されたVCLASチューブセット(延長セットは含まない)を使用した。冷却液はVisualase K-Pumpで供給した。
【0144】
実施した実験の実験レイアウトを図10Aおよび図10Bに示す。冷却液ポンプ307とレーザ203はカート(図10Aの左)に置かれ、冷却液チューブセットを介してCCS/LDFアセンブリ901に接続された。サーマルカメラ900(図10A図10Bの両方の中央の調節可能なアームに取り付けられた小さな物体)は、ラップトップコンピュータから操作された。電源902も示されている。CCS/LDFアセンブリは、図10Bに示すリングスタンドに吊り下げることができる。レーザパワーメーターは図10Aの右側にある。
【0145】
テスト
1.CCS/LDFアセンブリの加熱4.5、6.0、および12.0Wレーザ出力、大気中、公称冷却液流量で測定した。
【0146】
2.Visualase LDFの代わりに18mmのAuroLase(登録商標)光ファイバディフューザを用いたCCSアセンブリの加熱。
【0147】
テスト条件
空気:サーモグラフィによる測定が可能な非生理的条件であり、熱伝導率の「最悪のシナリオ」を示す。
【0148】
向き:すべての場合において、CCSアセンブリ901は先端部を下にして垂直に取り付けられていた。
【0149】
レーザ出力:10mmディフューザで4.5±0.1W、18mmディフューザで6.0±0.1W、標準レーザ出力の2倍である12.0±0.1Wである。
【0150】
名目冷却液流量:7.9±0.2mL/分 水、室温(20~21℃)
【0151】
CCS実験セットアップ
レーザーディオメッド 15+ #10000126
【0152】
冷却剤ポンプ:ビジュアラーゼ K ポンプ、物件番号 10000125
【0153】
冷却剤供給:標準的なAuroLase(登録商標)セラピーのCSS
【0154】
光パワオプトメータ:Gigahertz-Optik P9710-2、NBI Property #10000242/243
【0155】
サーモグラフィ 900:ICIモデル 3720
【0156】
データ記録と画像制御ソフトウェア:カスタムICA IRFlashアプリケーションを実行するLenovo Ultrabook Yoga 2 Pro
【0157】
テスト記事
レーザ拡散ファイバ付き冷却カテーテルアセンブリをカテーテル先端部から2mmまで前進させた。
【0158】
18mm光ファイバディフューザをカテーテル先端部から2mmまで前進させた冷却カテーテルアセンブリ。
【0159】
図11Aおよび11Bは、Visualase(登録商標)冷却カテーテルシステム(CCS)(研削円錐先端部を有する;図11A)および本明細書の他の箇所に開示されているようなドーム状レーザカテーテル先端部(図11B)のデータを示す。図11Aは、レーザ出力4.5W、6.0W、12.0Wの3分間にわたるCCSアセンブリの遠位端のピーク温度の上昇を示している。冷却液の流れは中断せず、室温(20℃)の1リットルのリザーバから7.9mL/分に設定した。温度は特徴的な一次過渡応答をたどった。4.5Wでの温度上昇は22℃、6.0Wでの温度上昇28℃、12.0Wでの温度上昇は57℃であった。最終温度での沈降は速く、時定数は1.9~2.9秒で、すべてのケースで15秒以内に平均に達した。
【0160】
図11Bは、図11Aのビジュアラーゼシステムを照射したときと同じ加熱条件下における、ドーム状レーザカテーテル先端部からなるレーザカテーテルアセンブリの加熱の様子を示している。比較として、12.0W照射のドーム状レーザカテーテル先端部からなるレーザカテーテルアセンブリの場合、標準的な3分間の治療中に周囲温度より1.2~1.6℃上昇した。図11Bは、アセンブリ#1(丸)とアセンブリ#2(四角)の両方について、名目(6.0W/18mmディフューザー)と2倍のレーザ出力下でのドーム状レーザカテーテル先端部からなるレーザカテーテルアセンブリの加熱を示している。アセンブリ#1と#2は、同一の条件でテストされた2つの同一の光ファイバ/レーザカテーテルアセンブリである。アセンブリは室温の水で8.0mL/分で冷却した。図11A図11Bは、温度変化の詳細を明確に示すために、スケールを変えてある。例えば、図11Bは温度の拡大図を示している。
【0161】
図12Aおよび12Bは、CCS/LDFアセンブリの遠位端950および6.0W照射終了時の偽色熱画像を示す。図12Cおよび12Dは、6.0W照射終了時のドーム状カテーテルの一実施形態の遠位端の偽色熱画像を示す。熱はCCSのごく先端に集中し、52.4℃、すなわち周囲温度より28℃高くなる。図12Bは、6.0W照射下のCCS/LDF先端部のクローズアップで、円錐形先端部の極端に熱が蓄積していることがはっきりとわかる。図12Aから、円錐形先端部内に加熱が集中することがすぐに明らかである。このことは、図12BのCCS先端部のクローズアップによりさらに実証され、最も高温の部分がCCSの極端な先端部であることがわかる。図12Cおよび図12Dから、ドーム状冷却カテーテルの先端部では熱が蓄積しないことが明らかである。
【0162】
2.CCS/OFDアセンブリの加熱
異なるレーザカテーテルによる熱の発生には、光ファイバディフューザそのものと、カテーテルを包む材料と形状の2つの原因がある。これら2つの寄与を区別するために、本明細書の別の箇所に記載されているレーザカテーテルシステムの光ファイバディフューザをCCSに代用し、レーザ照射を繰り返した。
【0163】
図13は、Visualase Laser Diffusing Fiberの代わりに、本明細書に開示されたレーザ拡散器の一実施形態(18mmの拡散器先端部を有する)を使用したCCSの温度上昇を示す。図13は、4.5、6.0、および12.0Wのレーザ出力を3分間にわたってCCS/OFDアセンブリの遠位端のピーク温度の上昇を記録している。冷却液の流量は、室温(20℃)1リットルのリザーバから供給される7.9mL/分に設定され、中断されなかった。温度も特徴的な一次過渡応答をたどった。4.5Wでは9.4℃、6.0Wでは12.3℃、12.0Wでは38℃上昇した。最終温度でのセトリングは、時定数2.2~4.8秒と、従来よりも急速ではなく、実質的には25秒以内に平衡に達した。全体として、LDFからOFDへの変更により、4.5
W出力では57%、6.0W出力では56%、12.0W出力では34%も発熱量が減少した。CCSの加熱は円錐状の先端部で圧倒的に行われるため、次のように結論づけられた:1)本明細書に開示された光ディフューザに切り替えることによって得られる34~57%の加熱低減は、ディフューザ先端からの端部損失が大幅に低減された結果である可能性がある。
【0164】
結論
臨床処置中に冷却カテーテルシステムの円錐形先端部が溶融する傾向が観察され、その結果、先端部上に炭化物が形成され、組織への光の浸透が失われ、非特異的凝固および熱固定が生じる。この加熱の1/3から1/2以上はレーザ拡散ファイバからの端部損失によるものであり、残りはカテーテル自体の形状と材質によるものである。対照的に、CCSの22~57℃の温度上昇では、ほぼ同じ条件下で、本明細書に開示したようなレーザカテーテルアセンブリの実施形態(例えば、ドーム状先端部を有する本明細書に開示したような実施形態)を用いた温度上昇は2℃未満であった。
【0165】
例2:前立腺腫瘍の治療
本試験は、1群の患者を対象とした単群試験である。本試験の目的は、MRI/USフュージョンイメージング技術を使用して、ナノ粒子指向性レーザ照射を用いた前立腺組織の局所切除の有効性を判定することである。
【0166】
患者集団は、MRIで可視化され、MRI/US Fusion Guided Biospyを用いて前立腺がんの局所領域が確認された、低リスクから中リスクの限局性前立腺がんを有する男性からなる。患者はまた、MRI像で可視化された領域以外の超音波ガイド下生検で検出された病変を有さない。
【0167】
この試験には1つの群/グループがある。最大45人の患者が、FDA認可のレーザと間質性光ファイバを用いたMRI/USガイド下レーザ照射の12~36時間前に、AuroShell(登録商標)粒子の単回静脈内注入を受ける。
【0168】
レーザ照射後48~96時間後に造影MRIを行い、凝固性壊死の出現と溶解作用による組織の再構築に先立ち、切除の有効性と急性体積を評価することができる。MRI上では、病変の縮小よりも「空洞」の出現が一般的に期待される。
【0169】
前立腺組織の局所焼灼の有効性は、レーザ治療後90日目(主要評価項目)と1年目にMRI/超音波ガイド下生検によって評価される。標準的な治療では、1年後のフォローアップを6ヵ月単位で行うが、これは最初の研究の範囲外である。
【0170】
ナノ粒子の投与量:この研究ではAuroShell(登録商標)を使用した。これは金ナノシェルである。AuroShell(登録商標)投与量:各患者は、100光学密度(約2.77×1011粒子/mlまたは36mg粒子/患者体重1kg)に濃縮されたAuroShell(登録商標)粒子を最大7.5mL/kg注入される。AuroShell(登録商標)粒子は標準的な非DEHP輸液セットから静脈内投与され、治験責任医師の裁量で120mL/時間から公称600mL/時間までの速度で注入される。
【0171】
レーザ照射:レーザ照射は、粒子注入の12~36時間後に超音波ガイド下で行われる。水冷ジャケットに入った等方性拡散器先端部ファイバを経会陰的に挿入することができる。尿道カテーテルを通して生理食塩水(または水)を循環させることで、尿道を冷却することができる。810±10nmのレーザ出力を測定した光ファイバ拡散器の長さ1cmあたり最大5.0ワットを、各治療部位に対して最大4分間照射することができる。必要であれば、レーザファイバの位置を変えて、別のゾーンを照射することもできる。
【0172】
組み入れ基準
患者は、組織学的または細胞学的に前立腺の腫瘍の証拠が証明されている。患者は45歳以上である。患者またはその法定代理人は、インフォームドコンセントを読み、理解し、署名することができる。臓器限局性の臨床的T1Cまたは臨床的T2a前立腺がんで、MR画像で可視化される。前立腺がんはMR画像ガイド下生検によって診断される。グリソンスコア≦7;かつ、過去にMR US fusionガイド下前立腺生検で陽性病変が2個以下であった。標準生検のコアが陽性の場合は、MR病変が生検され、がんであることが証明された前立腺の同じ位置から採取されたものでなければならない。(左/右、基部、中腺、頂点)。切除前120日以内にMRI検査を受けたことがある。NCCNガイドライン(www.nccn.org)による転移性病変がない。臨床的T1およびPSA>20、またはT2およびPSA>10 PSA>15ng/mlの患者ではPSA<15ng/ml、またはPSA密度<0.15ng/ml2であれば、転移性病変の有無を確認するために骨スキャンが指示される。患者は、本試験の内容と代替治療の選択肢について説明した後、書面によるインフォームドコンセントを行った。
【0173】
PEG化金ナノシェル懸濁液の成分(ポリエチレングリコール、金)に対して既知の過敏症を有する患者。同時に治験薬治療を受けている患者、またはPEG化ナノシェル粒子の投与日前の当該治験薬治療から5半減期以内に治験薬治療を受けている患者。
【0174】
はじめに
前立腺がんは、男性において最も一般的に診断されるがんである。2014年、米国ではおよそ233,000人の男性が前立腺がんと診断され、推定29,000人がこの病気で死亡した。アフリカ系アメリカ人男性における前立腺癌の年間平均罹患率は、非ヒスパニック系白人男性よりも60%高く、年間平均死亡率は非ヒスパニック系白人男性2倍以上であった。
【0175】
原発性前立腺がんに対する既存の治療法には、「積極的監視療法」、外科的切除、放射線療法(ブラキセラピーを含む)などがある。これらの治療法には、勃起不全、尿失禁、直腸障害など、かなりのレベルの副作用がある。治療に伴う副作用を軽減し、現在の病変を根絶し、あるいは進行までの時間を延長する可能性のある局所的な治療アプローチが必要とされている
【0176】
組織の光学的特性は、本質的に光エネルギーの伝播深度を制限し、それによって真に焦点療法を可能にする。エネルギー源から発生する熱は本質的に拡散的で非特異的である。熱切除熱はミリメートル単位で伝播させることができるが、腫瘍の形態に特異的ではない。ナノシェル粒子は、より正確に局在化した共形療法を可能にし、ミリメートルスケールで腫瘍に特異的な損傷を与える。
【0177】
先験的なMRIフュージョンイメージングに基づく超音波ガイダンスを用いたMRIフュージョンイメージングアプローチは、切除の対象となる前立腺病変内またはそれに隣接した光ファイバーカテーテルの正確な配置を可能にするはずである。
【0178】
MRIフュージョンイメージングとそれに続くレーザカテーテルの指示された配置の融合は、前立腺組織の焦点療法治療のためのナノシェル治療の有効性と有用性を確立する手段を示す。MRIと超音波の融合アプローチは、超音波のみのアプローチを用いて特定された制限を解決する。
【0179】
1)治療前のターゲット計画、および2)切除すべき病巣に近接してレーザカテーテルを正確に配置できるようにするブラキセラピステッパーを用いたカテーテルの配置計画の
ために超音波を最初に使用した後の追加的な安全レベルとして使用する誘導画像。
【0180】
この方法はまた、頭頸部の扁平上皮癌、イヌの黒色腫、口腔の癌、イヌとヒトの前立腺にも使用することができ、粒子指向性光熱エネルギーの本質的な焦点性を実証するのに役立つ。イメージングモダリティを組み込むことで、正確な病巣治療が可能になる。さらに、粒子が腫瘍組織と同位置にあることで、標的腫瘍に適合した病巣切除が可能になる。
【0181】
ナノシェル療法の潜在的な利点は、周囲組織へのダメージを最小限に抑えながら、腫瘍を高度に選択的かつ迅速に破壊することであり、これにより最小限の毒性で腫瘍を治癒できる可能性がある。前臨床試験では、ナノシェル療法が有効であり、検出可能な全身毒性を引き起こさないことが実証されている。
【0182】
治験用機器およびシステム
本明細書に開示されたナノシェルとレーザ照射システムは、レーザからの近赤外照射を用いて固形腫瘍を選択的に破壊する。他のエネルギーベースの切除法は、内因性の吸収と蒸着エネルギーの熱への変換に依存しているが、ナノシェル粒子は、腫瘍に全身的に送達され、このレーザ照射の外因性吸収体として機能し、腫瘍組織に特異的な致死的熱反応を発生させる。
【0183】
ナノシェル療法は3つの要素から構成される:(i)近赤外レーザ光源、(ii)レーザエネルギーを腫瘍近傍および/または腫瘍内部に送達するための間質性光ファイバプローブ、および(iii)レーザエネルギーを吸収して熱に変換するように設計された近赤外吸収不活性材料であるナノシェル粒子である。ナノシェル粒子は全身的に投与され、腫瘍部位に選択的に集積させた後、近赤外レーザで照射する。粒子はこの照射を吸収して熱に変換し、その結果、周囲の健康な組織へのダメージを最小限に抑えながら、腫瘍とそれを供給する血管を熱破壊する。腫瘍の血管周囲腔内への粒子の集積は受動的で、固形腫瘍に特徴的な柵状の新生血管系にのみ依存することができるため、ナノシェル療法は化学療法や放射線療法を受けたことのある患者にも使用することができる。処置中、腫瘍の周囲に設置した針状熱電対を使用して、治療のマージンをモニターすることができる。いくつかの実施形態では、これによって切除領域周辺の温度をモニターし、オペレーターが重要な構造や意図した標的組織以外の領域を過熱するリスクを最小限に抑えることができる。尿道、尿道括約筋、直腸壁などの重要な構造物の近くでは、これらの組織への損傷を避けるために、低い温度制御点(約45℃から約50℃の閾値)が使用される。
【0184】
ナノシェル療法は再発難治性の頭頸部癌や転移性肺腫瘍に有用である。
【0185】
この試験には1つの群/グループがある。最大45人の患者に、FDA認可のレーザと間質性レーザファイバを用いた超音波ガイド下レーザ照射の12~36時間前に、ナノシェル粒子を単回静脈内注入する。レーザ照射後48~96時間後に造影MRIを行い、凝固性壊死が出現するまでの時間を確保するが、溶菌作用による組織の再構成を行う前に、急性期の有効性と切除量を評価する。MRI上では、病変の縮小よりも「空洞」の出現が一般的に予想される。
【0186】
ナノシェル/レーザカテーテル療法は、近赤外線エネルギーを用いて固形腫瘍を光熱焼灼するシステムである。このシステムは、FDAの認可を受けたレーザが発する近赤外エネルギーを固形腫瘍の近接部位および/または内部に供給するために、間質性光ファイバプローブを利用する。照射されたエネルギーの内因性吸収と熱への変換に依存する他のエネルギーベースの切除法とは異なり、腫瘍に全身的に送達されるナノシェル/レーザカテーテル治療粒子は、このレーザ照射の外因性吸収体として機能し、腫瘍組織に特異的な致死的熱反応を発生させる。
【0187】
ナノシェル/レーザカテーテル療法は、3つの構成要素からなる:(i)近赤外レーザ光源、(ii)レーザエネルギーを腫瘍近傍および/または腫瘍内部に送達するための間質性光ファイバプローブ、および(iii)レーザエネルギーを吸収して熱に変換するように設計された近赤外吸収不活性治験材料であるナノシェル粒子である。
【0188】
ナノシェル/レーザカテーテル療法は、所望のパラメータ(エネルギー、デューティサイクル、サイクル時間)で近赤外エネルギーを放出するFDA認可の臨床レーザと、経皮的エネルギー送達のための間質性光ファイバプローブとともに使用することができる。この研究で使用されたナノシェル粒子は、金の金属シェルと、ファイバから供給される近赤外レーザエネルギーの外来吸収体として機能する非導電性(誘電性)コアから構成されている。
【0189】
この研究におけるナノシェル/レーザカテーテル治療は、赤外線エネルギー源としてFDA認可のレーザ、Diomed 15-PLUS(K013499)またはLiteCure,LLC(K093087)のいずれかを使用し、間質性の液体冷却光ファイバ源を使用する。
【0190】
ナノシェル/レーザカテーテル療法に関与するステップは、(i)ナノシェル粒子の用量の静脈内注入、(ii)強化された透過性および保持(EPR)効果による腫瘍内へのナノシェル粒子の蓄積を可能にするための12時間から36時間の時間遅延、および(iii)最大5.0ワットの平均送達出力で最大4分間、例えば800nmから815nmの間の所望の波長で連続波(CW)またはパルスコヒーレント光による領域の照射、のうちの1つ以上を含むことができる。0ワットの平均出力で照射する(長さ1cmの等方拡散照射を想定)。領域のナノシェル粒子は光を吸収し、金属シェルは吸収された光を熱に変換し、腫瘍を熱的に切除するのに十分な熱を発生する。アプリケーターは外部に配置することも、間質的に挿入することも、内視鏡的に挿入することもでき、コリメートファイバーチップまたは分散ファイバーチップのいずれかを使用することができる。
【0191】
本研究で使用するナノシェル粒子は、金属シェルと非導電性、または誘電性のコアから構成されている。これらの粒子は、所望の波長で光を吸収または散乱するように設計構築することができる。この「調整可能性」は、金属シェルと非導電性コアの厚さの比率を変えることで実現できる。粒子の外殻は金で構成することができ、これは生体内で粒子状で、移植材料として、あるいは移植装置のコーティングとして使用されてきた長い歴史がある。非導電性コアはシリカであるが、任意の誘電性材料で構成することができる。がん治療のために、ナノシェル粒子は、ヒト組織で光があまり吸収されない波長の赤外光を吸収するように設計されている。人体組織は750nmから1100nmの波長域で最小限の吸収を示すが、これはしばしば「水の窓」あるいは「組織光学窓」と呼ばれる。固体の金ナノ粒子や微粒子は組織でも吸収される波長の光を吸収するが、金でコーティングされたナノシェル粒子は、この「組織光学窓」内で光を吸収または散乱するように設計することができ、新たな生体内応用を可能にする。
【0192】
より具体的には、この研究で使用されたナノシェル粒子は、固体のシリカ(二酸化ケイ素)コア上に蒸着された、厚さ10~20nmの薄い金シェルで構成されている。生理食塩水環境での粒子の凝集を防ぎ、生体内で立体障害を与えるために、5000分子量(MW)のメトキシ-ポリエチレングリコール(PEG)鎖をチオール(硫黄)結合で結合させることができる。PEGコーティングは、等張水溶液中でのナノシェル粒子の安定性を向上させ、投与時の循環半減期も改善する可能性がある。ここで報告されている研究では、粒子は所望のレベル(一般に0.1体積%以下)まで濃縮され、注射用等張水溶液(水中10%トレハロース)に懸濁される。
【0193】
作用メカニズム
レーザや高周波焼灼装置は、組織が血液灌流熱拡散によってエネルギーを放散する能力を超える速度でエネルギーを供給することにより、組織を熱的に破壊するために使用される。さらに、組織や血液の自然吸収体としての性質を利用して、組織や血液内の色素体によって自然に吸収される波長でエネルギーを供給し、光を熱エネルギーに変換するレーザもある。その結果、細胞の熱凝固または組織の熱固定と血管系の破壊が起こる。
【0194】
ナノシェル粒子は静脈内に注入され、腫瘍に関連する柵状血管系の結果として腫瘍間質に蓄積することが知られている。この蓄積方法は他の粒子で確立されており、EPR効果と呼ばれている。ナノシェル粒子静脈内注射後の腫瘍組織のSEM分析から、粒子の蓄積は腫瘍血管系近傍に優先的に起こりうることが示されている。
【0195】
ナノシェル粒子は、近赤外線エネルギーを吸収し、表面プラズモン共鳴を介して熱に変換するように設計されている。ナノシェル/レーザカテーテル治療で利用される近赤外線線量レベルは、ナノシェル粒子が存在しなければ腫瘍や正常組織に重大な損傷を与えるレベル以下とすることができる。組織内にナノシェル粒子が存在する場合、近赤外線線量は光熱凝固をもたらすのに十分な熱反応を発生させ、細胞死につながる。これには、FDAが認可した塞栓用マイクロスフェアと同様に、腫瘍血管系の破壊や閉塞も含まれると思われる。
【0196】
ナノシェルの調製
本試験で使用したナノシェル粒子は、80mL単位で滅菌IVバッグに包装され、2~8℃に保たれている。点滴の際には、バッグを冷蔵から取り出し、30分かけて室温まで温める。バッグを軽くこねるか振って、材料が均一に分散するようにする。輸液用チューブは、C-Flex、非DEHP、医療用グレードのものを使用する。輸液チューブと患者用カテーテルの間に1.2ミクロンのフィルター(Pall TNA1または同等品)を設置する。
【0197】
粒子の投与量と投与方法
ナノシェル粒子は600mL/時間(10mL/分)の速度で注入される。投与前3日間と投与後最初の6時間は、腫瘍への粒子蓄積を最大にするために血管収縮薬は避ける。各患者は100光学密度(約2.77×1011粒子/mLまたは35mg/粒子/kg患者体重)に濃縮されたナノシェル粒子を最大7.5mL/Kg静脈内注入される。
【0198】
レーザアプリケーション
レーザ照射は、粒子注入の12~36時間後にMRI/USフュージョンガイダンスのもとで行われる。尿道は尿道カテーテルを通して生理食塩水(または水)を循環させることにより冷却することができ(typ.6~10mL/分)。密封されたカテーテルに等方拡散器先端部を持つ光ファイバを14G針/カニューレイントロデューサーを用いた経会陰アプローチで間歇的に挿入することができる。最大5.0ワットの810±10nmレーザ出力を、各治療部位に最大4分間照射できる。必要であれば、レーザファイバの位置を変えて、別の部位に照射することもできる。
【0199】
具体的な手順は、AuroLase(登録商標)セラピーの取扱説明書(IFU)に記載されているが、その概要は以下の通りである。
【0200】
使用前に、レーザを較正し、レーザファイバを通したレーザ出力が平均出力5.0ワット/cmまでであることを確認する。使用前に、レーザファイバの冷却システムが適切に機能していることを確認する。超音波ガイドを使用し、尿道やその他の重要な構造物を避
けながら、治療すべき指標病変の近位に針/カニューレ導入器(トロカールやカテーテルシースなど)を前立腺内に挿入する。MRIで作成されたフュージョン画像はレーザ挿入のガイダンスには使用せず、超音波ガイダンスによる挿入のチェックとしてのみ使用する。イントロデューサーから針を抜き、レーザカテーテルと交換する。カニューレを引き抜き(レーザカテーテルのプローブに接続し)、レーザカテーテルの発光部を露出させる。標的病変が敏感または重要な構造物(尿道、前立腺被膜、神経束など)に近接していることが示唆された場合、治療領域付近の温度をモニターするために、臨床医の判断により針状熱電対をレーザカテーテルと並行して挿入することができる。ファイバを前立腺内のゾーンに最長4分間照射する。治療する病変の大きさによって指示された場合、ファイバを照射長より2mm短い距離だけ引き抜き、新しいゾーンを照射する。病変全体を照射するために、必要に応じてこれを繰り返す。さらに標的病変を治療する場合は、新しい部位でステップを繰り返す。単一の標的病変を治療する場合、研究者はレーザ治療の陰性対照(すなわち、腫瘍組織の血管周囲に粒子が集積していない状態で正常組織に熱的損傷がないこと)として、対側の前立腺半球に1回のレーザ治療を行う。前立腺の各半球に1つずつ、計2つの病変を治療する場合、この陰性対照処置は行わない。治験責任医師の判断により、レーザ治療中に尿道を冷却するためにフォーリーカテーテルが使用された場合、熱による浮腫の結果として尿道が閉塞するのを防ぐために、このカテーテルを残すことができる。フォーリーカテーテルは4/5日目のフォローアップMRIまで留置することができる。
【0201】
ベースライン時および90日間の追跡調査時に、完全な身体検査(一般的な外観、皮膚、首、耳、目、鼻、喉、肺、心臓、腹部、背部、直腸、リンパ節、四肢、神経学的状態)を行うことができる。
【0202】
治療領域内に生存可能ながん細胞が存在するかどうか、したがって前立腺組織の局所的切除の有効性を確認する目的で、腫瘍切除の有効性を評価するために、90日後の経過観察時にフォローアップMRI融合生検を行うことができる。患者は1年目とその後6ヵ月目に、医師の治療方針に従って標準治療の再評価生検を受ける。これにはMRI/US融合生検と標準的な12コア生検が含まれる。
【0203】
結果
患者は治療後6ヵ月で、腫瘍の大きさが70~80%縮小した。患者の25%では、前立腺癌は完全に根絶される。患者の50%では、副作用は認められず、正常な前立腺機能を維持できる。
【0204】
例3 頭頸部腫瘍の治療
頭頸部の難治性および/または再発腫瘍患者におけるAuroLase(登録商標)セラピーのパイロットスタディ。
これは、頭頸部の難治性および/または再発腫瘍患者の治療におけるAuroLase(登録商標)セラピーの非盲検、多施設、単回投与パイロット試験である。5人ずつの3つの治療グループが登録され、治療後6ヶ月間観察される。各群はAuroShell(登録商標)粒子を単回投与される。第1群で予期せぬ重大な副作用が認められなかった場合、第2群および第3群ではこの投与量を最大67%増量することができる。各群のレーザ照射は、(腫瘍の大きさに応じて)1回または複数回の間質照射で構成され、第2群および第3群のレーザ線量は漸増される。
【0205】
5人の患者の最初のグループは、100光学密度(約1.3×10^12粒子/Kgまたは29mg粒子/Kg)に濃縮されたAuroShell(登録商標)粒子4.5ml/Kgの最低治療レベルで治療される。1cmの拡散器先端部を持つ水冷ジャケット内の等方性ファイバを腫瘍内および/または腫瘍近傍に間歇的に挿入し、最大3.5ワ
ットの測定平均出力800~810nmレーザパワーを75%デューティサイクル、1.25パル/秒で最大4分間照射することができる。ファイバは、適切な予防措置を講じれば、腫瘍の反対側や異なる腫瘍に照射するために、最初の配置から1cmの距離で再配置することができる。ファイバを留置した時点での推定厚さが1.0cmを超える腫瘍については、ファイバをカテーテル内に引き込んで腫瘍塊を照明することができる。
【0206】
最初の3人の患者の治療後、各患者の安全性データ(治療後4週目の来院データを含む)がFDAの要求に従って提出される。予期せぬ副作用がない場合、登録と治療は、最低濃度の4.5ml/Kgで治療されている追加2人の患者(試験の最初のグループの合計(5人)の患者)に対して継続される。第1群でAuroShell(登録商標)投与量に関連した予期せぬ装置有害作用が観察されない場合、第2群および第3群のAuroShell(登録商標)投与量は、100光学濃度(約2.1×10^12粒子/Kgまたは34mg粒子/Kg)に濃縮されたAuroShell(登録商標)粒子4.5ml/Kgから7.5ml/Kgに増量される。
【0207】
5人の患者からなる第2の治療グループに対して、レーザ照射は、第1のグループにおいて予期されない有害な装置効果が観察されなければ、最大4分間の期間、75%のデューティサイクル、1秒あたり1.25パルスで照射される800~810nmのレーザ出力の測定平均出力を4.5ワットまで増加させることができる。
【0208】
5人の患者からなる第3の治療群では、第2群でAuroLase(登録商標)セラピーに起因する予期せぬ機器への悪影響が観察されない場合、レーザ照射を最大4分間、100%のデューティサイクル(連続波)で照射される800~810nmのレーザ出力の測定平均出力5.0ワットまで増加させることができる。
【0209】
各治療群において、AuroShell(登録商標)粒子を最初の15分間は2ml/分の速度で静脈内投与し、その後最大10ml/分まで増加させることができる。AuroShell(登録商標)粒子投与後約0.5、2、4、8、24および48時間に、2mlの血液サンプルを得て、動的光散乱分析(DLS)および中性子放射化分析(NAA)によって粒子の濃度を決定することができる。
【0210】
粒子の静脈内注入の約12~36時間後に、標的腫瘍を記載されたようにレーザで照射することができる。標的病巣のAuroLase(登録商標)処置の後、生検を行い、中性子放射化分析によって金の蓄積を測定することができる。
【0211】
レーザ治療後初日までの観察に加えて、患者のフォローアップが1週目と2週目に行われ、その後治療後6ヶ月間は毎月行われる。
【0212】
はじめに
米国では、年間約46000例の頭頸部癌が診断され、年間約11000人が死亡している。残念なことに、手術、放射線療法、化学療法を含む集学的治療が行われているが、いずれも患者にとってかなりの罹患率を伴うものであるにもかかわらず、5年生存率はここ数年大きく改善されていない。
【0213】
ナノシェル療法は、レーザからの近赤外光を用いて固形腫瘍を選択的に破壊するために用いることができる。腫瘍に全身投与された粒子は、このレーザ照射の外因性吸収体として機能し、熱反応を発生させる。
【0214】
ナノシェル
ナノシェル(例えば、AuroShell(登録商標))は、直径約110~125n
mのシリカコア(金シェルを含む粒子の総直径は140~170nmであり得る);金コロイドをシリカに付着させるための官能化分子、APTES(3-アミノプロピルトリエトキシシラン);シリカコアの官能化表面に付着した金の薄層(厚さ10~20nmから構成され得る。金シェルをシリカコアに付着させるプロセスには、直径2~6nmの小さなコロイド状金ナノ粒子の製造と、これらのナノ粒子をAPTESに存在するアミン基に付着させることが含まれる。これらのコロイド状ナノ粒子は、ホルムアルデヒドの存在下で金塩(HAuC14)を還元するための核となり、シェル層を完成させる。金シェルは粒子質量の約95%を含むことができる。表面に5000MWのPEG-チオールの層を付着させる。
【0215】
投与量と投与方法
EPR効果およびAuroLase(登録商標)の有効性を高めるため、投与1時間前に、毛布またはヒーティングパッドで患者の体温を上昇させる。腫瘍部位には加温パッドを当てる。腫瘍が口腔内または口腔や食道に近接している場合は、冷たい飲み物は避けるべきである。
【0216】
AuroShell(登録商標)粒子は、点滴の最初の15分間は毎分2mlの速度で静脈内に投与され、点滴の残りの時間は毎分最大10mlまで速度を上げる。血液サンプルは、AuroShell(登録商標)粒子の血液クリアランスを決定するために、0.5、2、4、8、24および48時間に採取される。
【0217】
投与後最初の6時間は、効果を最大にするために血管収縮薬は避けるべきである。患者5人の最初のグループは、100光学密度(約1.3×10^12粒子/Kgまたは20mg粒子/Kg)に濃縮されたAuroShell(登録商標)粒子4.5ml/Kgの静脈内注入を受ける。AuroShell(登録商標)投与量は、第1群でAuroShell(登録商標)投与量に関連する重大な予期せぬ装置副作用が観察されなければ、第2群および第3群に対して、100光学密度に濃縮したAuroShell(登録商標)粒子4.5ml/Kgから7.5ml/Kg(または約2.1×10^12粒子/Kgまたは34mg粒子/Kg)に増加させることができる。
【0218】
レーザアプリケーション
AuroLase(登録商標)システムの較正と適切な作動の確認は、レーザ処置を開始する前に行うことができ、以下に要約する。MRI、CTまたは類似の画像技術に基づき、腫瘍領域は外科医によってグリッドにマッピングされ、推定腫瘍マージンの外側に1.0cmまでの領域の体系的なレーザ照射を可能にすることができる。この技術は、1回のレーザ照射につき、推定1cmの組織治療量に基づくことができる。AuroShell(登録商標)注入後12~36時間の時点で、患者は治療の準備ができる。医師の判断により、患者を鎮静または麻酔することができる。レーザと冷却ポンプをインターロックケーブルで接続する。光ファイバをレーザに接続し、カテーテルに通す。滅菌生理食塩水バッグ(1リットル)を吊るし、レーザファイバ冷却チューブセットに接続する。レーザファイバ冷却チューブを蠕動冷却ポンプに通し、カテーテルの入口ポートに接続する。ドレーンチューブは、カテーテルの出口ポートに接続し、液体回収バッグに接続することができる。冷却ポンプを作動させ、冷却ラインを吸引する。レーザの設定は、所望の平均出力が得られるように調整する。ファイバの出力は、積分球光度計に取り付けた滅菌チューブにカテーテルを挿入することで確認できる。レーザパワーノブは、指定通りの平均出力が得られるように調整できる。間質性カテーテルは、腫瘍の播種を避けるために、14ゲージの導入カテーテルシースを用いて、治療する腫瘍の近位(約1cm以内)に配置することができる。レーザはカテーテルシースを通して挿入され、その後カテーテルシースをイントロデューサプローブに係合させることができる。レーザは所定の時間照射した後、ファイバの位置を変えて(グリッド座標を変更する場合は新しいイントロデューサーを
使用)、前回マッピングした腫瘍の追加領域を照射し、レーザを再照射することができる。患者の標的病巣にレーザを照射した直後に、少なくとも6mgの腫瘍組織を採取できる生検(長さ1cmの18ゲージTru-Cut針生検や同様の手技など)を行い、中性子放射化分析によって金の蓄積量を測定することができる。1人の患者に複数の腫瘍を治療する場合、生検は奇数番目の病変(1番目、3番目、5番目など)に対してのみ行う必要がある。
【0219】
エンドポイント
各患者について、最大5つの指標病変が同定される。指標病変とは、直接検査(ファイバ式経鼻咽頭鏡または喉頭鏡による検査は可)および生検が可能な病変である。また、中性子放射化分析による評価のために、生検(長さ1cmの18ゲージTru-Cut針生検または同様の手技)により少なくとも6mgの腫瘍組織を提供できるものでなければならない。腫瘍の大きさは、CT、MRI、X線など、病変に適した物理的測定および画像診断技術から評価される。ベースライン測定は、可能な限りAuroLase(登録商標)治療直前に行う。最大5病変までの測定可能な病変をすべて標的病変として同定し、ベースライン時に記録測定する。標的病変は、その大きさ(最長径の病変)と、正確な繰り返し測定(画像技術または臨床的な測定)に適しているかどうかに基づいて選択される。すべての標的病変の最長径(LD)の合計が計算され、ベースライン合計LDとして報告される。ベースライン合計LDは、客観的腫瘍を特徴付ける基準となる。
【0220】
その他の病変(または病変部位)はすべて非標的病変として同定し、ベースライン時に記録する。これらの病変の測定は任意に必要とされないが、追跡調査期間中、それぞれの病変の有無を記録しておくべきである。
【0221】
結果
患者は治療後6ヵ月で、腫瘍の大きさが60~80%縮小した。15%の患者では、癌は完全に根絶される。40%の患者では副作用は認められず、正常な前立腺機能を維持できる。
【0222】
例4
以下の研究は、本明細書の他の箇所に記載されているようなレーザカテーテルアセンブリの実施形態でナノ粒子(AuroShell(登録商標))を使用して達成された結果を記載している。
【0223】
FDAのIDEをクリアした頭頸部癌のヒト被験者11人を対象とした、AuroLase(登録商標)セラピー(例えば、ナノ粒子の使用と、本明細書の別の箇所に記載されているレーザカテーテルによる照射)のパイロットスタディが完了し、粒子送達とレーザ処置のいずれにおいても安全性に関連する問題はないことが明らかになった。
【0224】
同様に、生検で前立腺がんと診断された22人のヒト被験者を対象としたAuroLase(登録商標)セラピーのパイロット試験では、粒子導入またはレーザ処置のいずれにおいても重篤な有害事象は認められなかった。合計すると、本研究の時点で、33人のヒト被験者がAuroShell(登録商標)粒子注入を受け、26人が関連するレーザ治療を追加で受けたが、重篤な有害事象は報告されていない。
【0225】
AuroShell(登録商標)粒子の前臨床安全性は、生体外および生体内の動物実験で確立されている。脳内接種腫瘍、イヌ前立腺への直接注射、マウスで定位成長させたヒト前立腺腫瘍に対して粒子を全身投与した概念実証試験が実施された。
【0226】
動物およびヒトに対する安全性の基本が確立されたので、本研究の焦点は、本明細書に
開示したように、ナノシェルによる治療と、レーザカテーテルを用いたそれらのナノシェルのサブアブレイティブ赤外照射の有効性を決定することであった。この治療は、22人の患者を対象としたパイロット試験において、前立腺疾患を患っている患者に対して行われた。22人の患者全員に、3つの異なる投与レベルでナノシェルを注入した。これらの患者のうち15人は、その後レーザ処置も受けた。別の研究では、さらに13人の患者にナノシェルを注入し、その後超音波ガイド下で腫瘍組織の局所レーザ焼灼術を行った。
【0227】
本試験は安全性試験として考案され、組織化されたが、病理組織学的解析のために、質の異なる多数の前立腺全切片が利用可能であった。これらの分析から、治療効果に関する追加的な結論を導き出すことが可能であった。
【0228】
前立腺の研究は、メキシコの健康安全委員会COFEPRISの後援のもと、切除可能な原発性前立腺がんを有する被験者の治療におけるAuroLase(登録商標)セラピーの非盲検、多施設、単回投与のパイロット研究として実施された。根治的前立腺摘除術が予定されている被験者のみが登録された。試験は2つの群に分けられた:1)根治的前立腺摘除術が予定されている1日前にAuroShell(登録商標)粒子を注入するグループ1、2)レーザ治療の1日前と根治的前立腺摘除術が予定されている5±1日前にAuroShell(登録商標)粒子を注入するグループ2。患者は粒子注入後6ヵ月間追跡され、バイタルサイン、血液学、血液化学、尿検査を定期的にチェックされた。合計で、グループ1では7人の被験者が試験を完了し、グループ2では15人の被験者が試験を完了した。
【0229】
前立腺の結果
2011年1月から2012年7月にかけて、メキシコで22人の前立腺がん患者を登録した。これらの患者のそれぞれに、臨床的なAuroShell(登録商標)粒子(本明細書の他の箇所に開示されているナノシェル)が注入され、そのうちの15人がAuroLase(登録商標)セラピレーザ治療を受けた。安全性の結果とは別に、この結果から2つの一般的な結論が得られた:1)レーザエネルギーは、狭い出力設定範囲において、観察可能な熱損傷を生じないものから、最大1cmの熱病変を生じるものまである。2)核活性化分析(NAA)は、正常な前立腺組織とは対照的に、前立腺腺癌ではAuroShell(登録商標)粒子の集積が促進されることを示している。
【0230】
有害事象
すなわち、点滴時に明らかなアレルギー反応を起こした患者がいたが、点滴薬で回復した。また、上腹部の灼熱感を1回経験した患者がいたが、これに対しては治療 が行われず、自然に回復した。レーザ治療に起因する有害事象は認められなかった。
【0231】
注入とレーザ照射
すべての患者に同じ7.5mL/kg(100OD)量の粒子を注入した。これは、粒子の投与量を体重で、したがって血液量で計量するものである。グループ2の被験者15人は、注入の翌日にレーザ治療を受けた。経直腸超音波プローブを用いて、前立腺の各半球の皮質内に光ファイバーシステムを1回だけ配置した。各半球内の光ファイバーカテーテルの位置の調整は、針生検で示されたグリソンスコアが最も高い位置に基づいて行われた。レーザ治療の目的は、腫瘍組織を切除し、健康な前立腺は切除しないレーザ照射量を開発することによって、この手技の安全性を実証することであった。これは安全性試験であったが、最適なレーザ照射量に基づき、各部位で3.0W~3.5Wを3分間照射し、レーザ照射量を変化させることにより、有効性の洞察が確立された。合計6人の患者が3.5W以下で治療を受けた。15人の患者がレーザ治療を受ける間に、この線量は3分間照射で5.0W(3人)へと段階的に増加し、その後、各治療部位(6人)で3分間または4分間照射で4.5Wへと減少した。
【0232】
メキシコ調査の限界と結果の解釈
安全性の評価としてはかなり満足のいくものであったが、メキシコ前立腺試験は、治療効果を判定する能力において、以下の点で限界があった。
【0233】
1)試験のために患者の診断と病期分類に用いられた標準的な12パンチ生検は、患者の腫瘍の数、範囲、特定の位置の正確なマッピングを提供しなかった。
【0234】
2)利用可能な小型のポータブル超音波システムは、レーザカテーテルを特定の前立腺半球の一般的な領域に挿入するのに十分な感度を有するものの、レーザカテーテルを腫瘍内または腫瘍に隣接して確実に配置するためのミリメートルスケールの解像度を提供しなかった。
【0235】
3)ある症例の固定、切断、埋め込み、搬送、評価、報告のロジスティクスが、次の症例の前に治療パラメータを調整するのに十分なタイムリーな情報を提供することはほとんどなかった。
【0236】
4)研究が行われた私立クリニックは、レーザ処理された前立腺の不連続だが不完全な切片のホールマウントスライドを提供することができた。
【0237】
図14A~14Iは、15人のレーザ治療患者のうち最後の9人(3.5W以上で治療された患者;スケールバー=1cm)からの代表的な全マウント切片を示す。これらのH&E切片(ヘマトキシリンおよびエオシン)は、前立腺1000に存在する腫瘍組織1001と光ファイバの配置1002との間の空間的関係、および結果として生じる凝固壊死1003のあらゆるゾーンを示す。患者208および210~215については、少なくとも1つのレーザファイバ配置が腫瘍の領域内または領域に隣接していた。一般に、4.5Wレベルの治療は、腫瘍境界に適合した凝固壊死を生じるが、一般に正常腺には生じず、一方、5.0Wレベルの治療は、一般に熱病変を生じる傾向があった。さらに、凝固壊死領域によって前立腺被膜が破壊された症例はなかったことに留意されたい。
【0238】
図14Aは、4.4Wを3分間照射し、正常な腺に損傷がなかったことを示す。図14Bは、4.4Wを3分間照射し、正常腺に損傷がなかったことを示す。図14Cは、5.0Wを3分間照射し、正常腺に非特異的な損傷を与えた場合を示す。図14Dは、5.0Wを3分間照射したが、正常腺に損傷はなく、癌腫周辺部に非特異的な損傷を認めた。図14Eは、4.5Wを4分間照射したもので、腫瘍境界(1003)に一致した損傷領域があり、副次的な部位(1002)には損傷がない。図14Fは、4.5Wを4分間照射したもので、正常腺に損傷はなく、がんの周辺部にも損傷はない。図14Gは、4.5Wを3分間照射し、癌腫と正常組織に重なる熱病変、出血によって増強された正常腺内の熱病変を示す(左上領域、1003)。図14Hは、4.5Wを3分間照射し、正常な出血腺に熱的損傷を与えたものである。図14Iは、正常な出血腺における熱損傷を伴う5Wの3分間照射を示す(矢印の領域、1003)。
【0239】
図15は、NAAによって決定された、患者210および211(図14Dおよび14Eを参照)から採取された代表的なサンプルにおけるAuroShell(登録商標)粒子の相対的蓄積を示す。選択されたサンプルは、グリソンスコアから決定される腫瘍の悪性度と同様にかなり異なるが、腫瘍組織における粒子の蓄積は明らかに大きい。
【0240】
治療効果実証のコンセプト
組織の光学的特性は、光エネルギーの伝搬深度を制限し、それによって真の焦点療法を可能にする。エネルギー源から発生する熱は本質的に拡散的で非特異的である。熱切除熱
はミリメートル単位で伝播させることができるが、腫瘍の形態に特異的ではない。AuroShell(登録商標)粒子は、より正確に局在化したコンフォーマル療法を可能にし、ミリメートルスケールで腫瘍に特異的な損傷を与える。先験的なMRIフュージョンイメージングに基づく超音波ガイダンスを用いたMRIフュージョンイメージングアプローチは、切除の対象となる指標前立腺病変内またはそれに隣接した光ファイバーカテーテルの正確な配置を可能にするはずである。
【0241】
治療効果を実証するための詳細
粒子指向性治療は、非常に局所的に行うことができる。4.0~5.0W/cmという狭い範囲のレーザ出力設定において、光熱治療は、正常な腺組織を温存し、粒子を含む腺癌やBPHを熱的に切除することができる。
【0242】
粒子の存在により光吸収が増強される結果、AuroLase(登録商標)セラピーは、3~4分の治療時間の間に標的組織を55~65℃まで上昇させることにより、光熱病変を発生させることができる。このような温度プロファイルは凝固壊死領域を生成し、熱固定病変がほとんどの病理組織学的検査で生きているように見える一方で消失しない傾向があるのとは対照的に、数日かけて再顆粒化し溶解する。光熱切除の結果は、治療後48~72時間以内に完全に現れ、MRIで観察可能である。
【0243】
粒子の蓄積は新生血管の機能であり、血管や細胞壁の細胞表面バイオマーカーではないので、AuroLase(登録商標)セラピーは化学療法や放射線療法の直後(またはその前)に行うことができる。今のところ、AuroLase(登録商標)セラピーの有効性が以前の治療によって影響を受けるという証拠はない。
【0244】
概要
安全性に関する疑問は、粒子の安全性とレーザ照射の両面で解決されている。
【0245】
MRIフュージョンイメージングと、それに続くレーザカテーテルの指向性配置の融合は、限局性前立腺疾患の治療におけるAuroLase(登録商標)セラピーの有効性と有用性を確立する手段であり、AuroLase(登録商標)セラピーの利用における論理的な次のステップを示すものである。MRI-超音波フュージョン法は、1)治療前のターゲットプランニング、2)切除すべき指標病変に近接してレーザカテーテルを正確に配置するためのガイド付き画像が可能であることから、これまでのAuroLase(登録商標)セラピーの研究で明らかにされた限界を解決するのに有用である。
【0246】
前立腺内における光ファイバーカテーテルの3次元的な位置特定は、ほぼリアルタイムの熱データ(理想的にはMRTI)と相まって、治療すべき指標病変に適合した焦点切除を行うために、適切な治療出力を確認し、治療時間を長くしたり短くしたりすることを可能にするであろう。
【0247】
頭頸部の扁平上皮癌、イヌの黒色腫、口腔の癌、イヌとヒトの前立腺を用いた試験では、粒子指向性光熱エネルギーの焦点性が実証されている。イメージングモダリティを組み込むことで、正確な病巣治療が可能になる。さらに、粒子が腫瘍組織と同位置にあることで、標的腫瘍に適合した病巣切除が可能になる。
【0248】
AuroLase(登録商標)セラピーの潜在的な利点には、周囲組織へのダメージを最小限に抑えながら、腫瘍を高度に選択的かつ迅速に破壊することが含まれ、最小限の毒性で腫瘍を根治できる可能性がある。前臨床研究では、AuroLase(登録商標)セラピーは有効であり、検出可能な全身毒性はないことが実証されている。
【0249】
要約すると、腫瘍を治療するための方法、システム、および装置の様々な実施形態および例が開示されてきた。方法、システム、および装置は、それらの実施形態および例の文脈で開示されてきたが、本開示は、具体的に開示された実施形態を越えて、他の代替の実施形態および/または実施形態の他の使用、ならびにそれらの特定の改変および等価物に及ぶことが、当業者には理解されるであろう。例えば、本方法のいくつかの実施形態は、他のタイプのデバイスおよびシステムでも使用されるように構成される。本開示はまた、開示された実施形態の様々な特徴および態様を互いに組み合わせることができ、または互いに置き換えることができることを明示的に企図する。したがって、本開示の範囲は、上述した特定の開示された実施形態によって限定されるべきではなく、後に続く、または将来提示される可能性のある特許請求の範囲の公正な読解によってのみ決定されるべきである。
図1
図2A
図2A-1】
図2A-2】
図2A-3】
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6A-1】
図6A-2】
図6A-3】
図6A-4】
図6B
図6B-1】
図6B-2】
図6B-3】
図6B-4】
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図7L
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H
図14I
図15
【国際調査報告】