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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】時相論理を通じた複合事象の推定
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20240326BHJP
【FI】
G06N20/00 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562923
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2022079546
(87)【国際公開番号】W WO2022222623
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】17/235,900
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【復代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(72)【発明者】
【氏名】サメル,カラン マノイ
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニアン,ダルマシャンカール
(57)【要約】
時相論理を通じて複合期間事象の構造を発見する、コンピュータに実装された方法は、時間的に関連する複数の原子事象を、多変量データセットの期間データ軌跡から原子事象述語の定義に従って識別することを含む。該時間的に関連する複数の原子事象のうちの少なくとも幾つかの原子事象の期間事象構造を有する少なくとも1つの複合事象が、機械学習によって発見される。該複合事象に関連付けられた所定のリストから選択されたアクションが実行される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時相論理を通じて複合期間事象の構造を発見する、コンピュータに実装された方法であって、
時間的に関連する複数の原子事象を、多変量データセットの期間データ軌跡から原子事象述語の定義に従って識別すること;
前記時間的に関連する複数の原子事象のうちの少なくとも幾つかの原子事象の期間事象構造を有する少なくとも1つの複合事象を、機械学習によって発見すること;及び、
前記複合事象に関連付けられた所定のリストから選択されたアクションを実行すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記実行されたアクションが、前記複合事象に関連付けられた前記リストからの指定されたエンティティを通知することを含む、請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項3】
前記複数の原子事象がそれから識別されるところの前記多変量データセットの前記期間データ軌跡が、1つの時間間隔にわたって数値的に測定された少なくとも2つの変数を含む入力軌跡を決定することによって識別される、請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項4】
前記原子事象述語が、ドメイン固有の知識に基づいて決定される、請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項5】
前記多変量データセットがビデオデータセットを含み、及び前記時間的に関連する複数の原子事象を識別することが、
前記多変量データセットの生の時系列データを処理すること;及び、
前記生の時系列データの1つの時間間隔の1つのサブ間隔の期間を有する個々の複数の原子事象を識別すること
を更に含む、請求項4に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項6】
前記多変量データセットの前記生の時系列データを処理することによって、前記原子事象述語を追加的に決定することを更に含む、請求項5に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項7】
前記多変量データセットが生データを含み;及び、
前記方法が、対応する規則構造を前記生データのラベリングに基づいて学習することを更に含む、
請求項4に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項8】
前記多変量データセットの前記生データ内の時間的軌跡を取り込むこと;及び、
前記取り込まれた時間的軌跡を、自動的に選択された状態空間構築における時間的軌跡として記憶すること
を更に含む、請求項7に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項9】
時間的に関連する複数の原子事象のタイムラインを、前記複数の原子事象の間の時間的関係に沿って構築することによって、前記少なくとも1つの複合事象を識別することを更に含む、請求項4に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項10】
前記タイムラインを前記原子事象述語に基づいて注釈付けすること;及び、
前記複数の原子事象に対応する前記タイムライン上で1以上のサブ間隔を局所化すること
を更に含む、請求項9に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの複合事象の前記期間事象構造を、教師有り学習操作において前記タイムライン上の前記局所化されたサブ間隔を用いて学習することを更に含む、請求項10に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの複合事象の前記期間事象構造を、強化学習操作において前記タイムライン上の前記局所化されたサブ間隔を用いて学習することを更に含む、請求項10に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項13】
リアルタイムストリーミングデータを解析することによって、前記発見された少なくとも1つの複合事象の期間事象構造を適用すること;及び、
構成する原子事象を検出し、そして、前記複数の原子事象間の時間的関係を検証することによって、特定の複合事象の進化している展開を検出すること
を更に含む、請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの複合事象が、電力系統の故障を含み;及び、
前記時間的に関連する複数の原子事象が、前記電力系統の1以上のコンポーネントによって提供されるセンサデータを含む、
請求項1に記載の、コンピュータに実装された方法。
【請求項15】
時相論理を通じて複合期間事象の構造を発見するように構成されたコンピューティングデバイスであって、該コンピューティングデバイスが、
プロセッサ;
前記プロセッサに接続されたメモリ
を備えており、前記メモリが命令を記憶し、及び、前記プロセッサに、
時間的に関連する複数の原子事象を、多変量データセットの期間データ軌跡から原子事象述語の定義に従って識別すること;
前記時間的に関連する複数の原子事象のうちの少なくとも幾つかの原子事象の期間事象構造を有する少なくとも1つの複合事象を、機械学習によって発見すること;及び、
前記複合事象に関連付けられた所定のリストから選択されたアクションを実行すること
を含む行為を実行させる、
前記コンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記命令が、前記プロセッサに、
時間的に関連する複数の原子事象のタイムラインを、前記複数の原子事象の間の時間的関係に沿って構築することによって、前記少なくとも1つの複合事象を識別すること;
前記タイムラインを前記原子事象述語に基づいて注釈付けすること;及び、
前記時間的に関連する複数の原子事象に対応する前記タイムライン上で複数のサブ間隔を局所化すること
を含む追加の行為を実行させる、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記原子事象述語が、ドメイン固有の知識に基づいており、及び、
前記命令が、前記プロセッサに、
前記多変量データセットの生の時系列データを処理することによって、前記時間的に関連する複数の原子事象を識別すること;及び、
前記生の時系列データの1つの時間間隔の1つのサブ間隔の期間を有する個々の複数の原子事象を識別すること
を含む追加の行為を実行させる、
請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記多変量データセットが、ビデオデータセット及びオーディオデータセットのうちの少なくとも1つを含み、並びに前記命令が前記プロセッサに、
前記少なくとも1つの複合事象の前記期間事象構造を、強化学習操作において前記タイムライン上の前記局所化されたサブ間隔を用いて学習すること
を含む追加の行為を実行させる、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記命令が前記プロセッサに、
前記少なくとも1つの複合事象の前記期間事象構造を、教師有り学習操作において前記タイムライン上の前記局所化されたサブ間隔を用いて学習すること
を含む追加の行為を実行させる、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項20】
実行されたときに、コンピュータデバイスに、時相論理を通じて複合期間事象の構造を発見する方法を実行させるコンピュータ可読命令を有するコンピュータ可読プログラムコードを実態的に実行する非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記方法が、
時間的に関連する複数の原子事象を、多変量データセットの期間データ軌跡から原子事象述語の定義に従って識別すること;
前記時間的に関連する複数の原子事象のうちの少なくとも幾つかの原子事象の期間事象構造を有する少なくとも1つの複合事象を、機械学習によって発見すること;及び、
前記複合事象に関連付けられた所定のリストから選択されたアクションを実行すること
を含む、
前記コンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、動的多変量データに関するシステム及び方法に関し、より特には、時間的関係を有する複合事象(composite events)の発見に関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能(AI:Artificial Intelligence)の登場により、多くの分野、例えばビデオ理解(video comprehension)及びオーディオ認識(audio recognition)を包含するがこれらに限定されない上記の多くの分野、にわたって予測解析における関心が高まっている。そのような例の1つが、複数(M)の変数を含む間隔(例えば、軌跡iの[0,Ti])にわたる動的多変量期間データ(dynamic multivariate temporal data)に基づく、複合事象の推定である。間隔内には、原子事象と呼ばれる持続的な事象が存在する。原子事象は、開始時刻と終了時刻とを持つサブ間隔(例えば、[0,Ti]内)に対応する。原子事象は通常、M変数のサブセットにまたがるサブ間隔でのタイムスタンプデータのシグネチャを有する。原子事象の集合が、その集合にまたがる論理的な時間的関係で一緒にされたものが上記の複合事象として知られている。ディープラーニングにより、リアルタイムの意思決定をサポートする為に複合事象の推定を提供しようと試みられてきたが、成功しなかった。
【0003】
例えば、既存の技術、例えばディープラーニング、を用いた複合事象推定に対する慣用的なアプローチは、ブラックボックスモデルの使用に依存していることもあり、複合事象の建設的な構造(constructive structural)及び解釈可能なビュー(interpretable view)を提供することができない。該慣用的なアプローチはまた、導入されうる何らかのドメイン固有の知識又は帰納的バイアスに対応することができない。複合事象の検出(composite event detection)を含むベンチマークタスクに対する慣用的なアプローチの一般的に貧弱な性能は、リアルタイムの意思決定をサポートすることを妨げている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施態様に従うと、時相論理を通じて複合期間事象の構造(composite durational event structure)を発見する、コンピュータに実装された方法は、時間的に関連する複数の原子事象を、多変量データセットの期間データ軌跡(temporal data trajectories)から原子事象述語(atomic event predicate)の定義に従って識別することを含む。該時間的に関連する複数の原子事象のうちの少なくとも幾つかの原子事象の期間事象構造を有する少なくとも1つの複合事象が、機械学習によって発見される。該複合事象に関連付けられた所定のリストから選択されたアクションが実行される。該方法により、複数の原子事象の識別と複合事象の発見とが可能になり、及び望ましくない結果を修正又は防止することが可能になる。
【0005】
1つの実施態様に従うと、該実行されたアクションは、該複合事象に関連付けられた該リストからの指定されたエンティティを通知することを含む。該指定されたエンティティは、応答の為に該複合事象を更に解析するところの監視システムであってもよい。
【0006】
1つの実施態様に従うと、該複数の原子事象がそれから識別されるところの該多変量データセットの該期間データ軌跡が、1つの時間間隔にわたって数値的に測定された少なくとも2つの変数を有する入力軌跡を決定することによって識別される。
【0007】
1つの実施態様に従うと、該原子事象述語が、ドメイン固有の知識に基づいて決定される。該ドメイン固有の知識は、前処理された期間データを用いて高レベルのパターンを接続し且つ識別する為に使用されることができる。
【0008】
1つの実施態様に従うと、該多変量データセットはビデオデータセットであり、並びに、該時間的に関連する複数の原子事象を識別することが、該多変量データセットの生の時系列データ(raw timeseries data)を処理すること;及び、該生の時系列データの1つの時間間隔の1つのサブ間隔の期間を有する個々の複数の原子事象を識別することを更に含む。該多変量データセットの該生の時系列データは、複雑なデータを解析する為のデータ取り込み操作の為に使用される。
【0009】
1つの実施態様に従うと、該原子事象述語が、該多変量データセットの該生の時系列データを処理することによって追加的に決定される。該生の時系列データを処理することによって原子述語(atomic predicate)を決定することにより、より正確な結果が提供される。
【0010】
1つの実施態様に従うと、該多変量データセットは生データ(raw data)を含み、及び該方法は、対応する規則構造を該生データのラベリング(labeling)に基づいて学習することを更に含む。該生データのラベリングにより、述語に基づく規則を構築する為の機械学習の使用が容易にされる。
【0011】
1つの実施態様に従うと、該多変量データセットは生データを含み、及び該方法は、該多変量データセットの該生データ内の時間的軌跡を取り込むこと、及び該取り込まれた時間的軌跡を、自動的に選択された状態空間構築における時間軌跡として記憶することを更に含む。該取り込まれた時間的軌跡は、該複数の原子事象及び複合事象のより正確な状態空間ストレージを提供する為に使用される。
【0012】
1つの実施態様に従うと、時間的に関連する複数の原子事象のタイムラインを、該複数の原子事象の間の時間的関係に沿って構築することによって、該少なくとも1つの複合事象が識別される。該タイムラインは、原子事象を識別し及び複合事象を発見する際に、時相論理解析を支援する為に使用される。
【0013】
1つの実施態様に従うと、該タイムラインが該原子事象述語に基づいて注釈付けされ、及び該複数の原子事象に対応する該タイムライン上で1以上のサブ間隔が局所化される。該注釈付けは、原子事象を識別すること及び複合事象を発見することを支援する。
【0014】
1つの実施態様に従うと、該少なくとも1つの複合事象の該期間事象構造が、教師有り学習操作において該タイムライン上の該局所化されたサブ間隔を用いて学習される。機械学習は、より正確な結果を提供する為に、ドメイン固有の知識と機械学習による生データの処理とが使用されて、より正確な結果を提供する。
【0015】
1つの実施態様に従うと、該多変量データセットがビデオデータセット及びオーディオデータセットのうちの少なくとも1つを含み、並びに該少なくとも1つの複合事象の該期間事象構造は、強化学習(Reinforcement Learning)操作において該タイムライン上の該局所化されたサブ間隔を用いて学習される。該期間事象構造の学習は、原子事象を識別することと複合事象を発見することを支援する為の述語に基づく規則を構築する為に使用される。ビデオデータセット若しくはオーディオデータセット又はそれらの組み合わせにおける複合事象は、ビデオ理解及びオーディオ認識等の分野において有利である。
【0016】
1つの実施態様に従うと、該実施態様において、リアルタイムストリーミングデータの解析が実行される。該発見された複合事象構造は、構成する複数の原子事象を決定し、そして、それらの時間的関係を検証することによって、特定の複合事象の進化している進歩(evolving progression)を検出することにおいて適用される。特定の複合事象の進歩している進化を検出することにより、致命的な障害が防止されることができ、且つ現在の障害が軽減されることができる。
【0017】
1つの実施態様に従うと、該複合事象が、電力系統の故障を含む。該時間的に関連する複数の原子事象が、該電力系統の1以上のコンポーネントによって提供されるセンサデータを含む。本出願は、例えば、電力網(power grid)の停止を緩和し、場合によっては電力網の停止を防止する等の本開示の幾つかの有利点を示す。
【0018】
1つの実施態様に従うと、時相論理を通じて複合期間事象の構造を発見する為のコンピューティングデバイスは、プロセッサ、及び該プロセッサに接続されたメモリを備えている。該メモリが命令を記憶し、及び、該プロセッサに、時相論理を通じて複合期間事象の構造を発見することを含む行為を実行させる。該コンピューティングデバイスは、時間的に関連する複数の原子事象を、多変量データセットの期間データ軌跡から原子事象述語の定義に従って識別することを含む。少なくとも1つの複合事象が、該時間的に関連する複数の原子事象のうちの少なくとも幾つかの原子事象の期間事象構造を有する。該複合事象に関連付けられた所定のリストから選択されたアクションが実行される。該コンピューティングデバイスは、該複数の原子事象の識別と複合事象の発見とを可能にし、及び望ましくない結果を修正又は防止する。
【0019】
1つの実施態様において、該命令は該プロセッサに、時間的に関連する複数の原子事象のタイムラインを、該複数の原子事象の間の時間的関係に沿って構築することによって、該少なくとも1つの複合事象を識別する為の追加の行為を実行させる。該タイムラインが、該原子事象述語に基づいて注釈付けされ、及び該複数の原子事象に対応する該タイムライン上で複数のサブ間隔が局所化される。該タイムラインは、複数の原子事象を識別し且つ複数の複合事象を発見する際に、時相論理解析を支援する為に使用される。
【0020】
1つの実施態様に従うと、コンピュータ可読命令を有するコンピュータ可読プログラムコードを実態的に実行する非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体が提供され、該コンピュータ可読命令は、実行されたときに、コンピュータデバイスに、時相論理を通じて複合期間事象の構造を発見する方法を実行させる。該方法が、時間的に関連する複数の原子事象を、多変量データセットの期間データ軌跡から原子事象述語の定義に従って識別すること、該時間的に関連する複数の原子事象のうちの少なくとも幾つかの原子事象の期間事象構造を有する少なくとも1つの複合事象を、機械学習によって発見することを含む。該複合事象に関連付けられた所定のリストから選択されたアクションが実行される。該方法により、原子事象を識別すること、複合事象を発見すること、及び望ましくない結果の修正又は防止をすることが可能になる。
【0021】
これらの及び他の特徴は、添付の図面と関連して読まれるべきである例示的な実施態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0022】
図面は、例示的な実施態様のものである。それらは全ての実施態様を例示するものでない。他の実施態様が追加されてもよく又は代わりに使用されてもよい。スペースを節約する為に又はより効果的な説明の為に、明白な又は不要な詳細が省略される場合がある。幾つかの実施態様は、追加のコンポーネント若しくは工程を使用して、図示されているコンポーネント若しくは工程の全てを使用すること無しに、又はそれらの組み合わせで実施されうる。同じ数字が異なる図面に現れる場合、それは、同じ又は同様のコンポーネント又は工程を言及する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、例示的な実施態様と一致する複雑な期間データ(complex temporal data)を示す概要図である。
図2図2は、例示的な実施態様と一致する、時相論理を通じて複合事象を推定する為の、コンピュータに実装された方法の概念ブロック図である。
図3図3は、例示的な実施態様と一致する、時系列の取り込みを示す。
図4図4は、例示的な実施態様と一致する状態空間構築を示す。
図5図5は、例示的な実施態様と一致する、複合事象/原子事象の識別を示す。
図6図6は、例示的な実施態様と一致する、事象識別の為に監視される電力網データの説明図である。
図7図7は、例示的な実施態様と一致する、図6の電力網を示す。
図8図8は、例示的な実施態様と一致する、合成ビデオデータセットの個々の複数の原子事象の幾つかの画像を示す。
図9図9は、例示的な実施態様と一致する、時相論理を通じて複合期間事象の構造を発見する、コンピュータに実装された方法を示すフローチャート図である。
図10図10は、例示的な実施態様と一致する、コンピュータハードウェアプラットフォームの機能ブロック図の説明図である。
図11図11は、例示的な実施態様と一致する、例示的なクラウドコンピューティング環境を図示する。
図12図12は、例示的な実施態様と一致する、クラウドコンピューティング環境によって提供される機能抽象化層の1組を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
概要
以下の詳細な説明において、関連する教示の徹底的な理解を提供する為に、多数の具体的な詳細が例として挙げられている。しかしながら、本教示は、そのような詳細無しに実施されうることが明らかであるべきである。他の例において、本教示の観点を不必要に不明瞭にすることを避ける為に、周知の方法、手順、コンポーネント、若しくは回路、又はそれらの組み合わせが、詳細を省いて、相対的に高いレベルで説明されている。
【0025】
概要としては、タイムラインにおいて、観察された複数の複合事象を構成する個々の観察されなかった事象の識別が最初に行われることができる。例えば、生の時系列データが、時系列中の個々の事象を識別する為に処理される。論理的な規則が、個々の事象を分類する為に述語規則(predicate rule)の基本セットを通じて構築される。機械学習を通じて、該論理的な規則は、個々の事象のどれが観察された複合事象を構成しているかを識別する為に更に一緒にされる。該論理的な規則は、基礎となる時間的事象(例えば、個々の事象)が該観察された複数の複合事象を生じる可能性があるという解釈可能なビューを提供する。機械学習は、複合的な規則を構築する為に且つ時間の経過に伴う新しいデータによる調整(tuning)を提供する為に使用される。
【0026】
多くの持続事象を含む一時的な情報源が存在する。複合事象は、個々の原子事象の時相論理的組み合わせである。本開示は、複合事象の基礎的な構造/構成(make-up)を発見するように特に構成された、コンピュータに実装された方法及びコンピューティングデバイスを提供する。該複合事象を発見する為に、対応する原子事象の各々と、該複合事象を形成する為に一緒にする際のそれらの論理的な時間的関係との識別が提供される。
【0027】
本開示において、基礎となる複合的な規則は、ラベル付けされたデータの使用を通じて明らかにされる。例えば、時間的リレーショナルネットワーク(temporal relational network)は、複数の原子事象間の時間的関係を最初に学習し、そして、ラベル付けされた複合事象を与えられた規則構造を学習することによって使用されることができる。
【0028】
図1は、例示的な実施態様と一致する複雑な期間データを例示する概要100である。図1は、限定すること無しに説明の目的の為に提供されることを理解されたい。図1において、該複雑な期間データは、原子事象の編集である複合事象を図示する。この場合、自動車101は、野球ボール110によって粉砕されるフロントガラス145を有する。しかしながら、該フロントガラスの粉砕は、4つの原子事象の複合事象であると考えられることができる。第1の原子事象105において、ピッチャーがバッターに向かって野球ボール110を投げる。第2の原子事象115において、バッターが野球ボール110に向かってスイングする。第3の原子事象において、野球ボール110がバットによって打たれ、そして進行方向を反転させる。第4の原子事象において、野球ボール110はフェンスを越えて移動し、そして、駐車場内の自動車101に衝突し、そして、フロントガラス145を粉々にする。図1には4つの原子事象のみが示されているが、該複合事象を構成する原子事象の数は、該複合事象の複雑さに一部依存し、そして、実質的に任意の数の原子事象が存在する可能性がある。該複合事象について及び該複数の原子事象の各々について開始時刻及び終了時刻が存在する。
【0029】
図1における前述された複合事象は、複数の原子事象の明確な提示を有しているが、現実世界において、複合事象の発見を妨げる相当量の「ノイズ」が存在する可能性がある。複雑な時系列(complex time series)の場合に、そのような複雑な時系列は、固有エントロピーを有し、且つ複数の時間スケールを含む場合があることに留意されたい。従って、生データ、例えば生データセット、を解析して、ドメイン固有の知識と機械学習とを用いて生データ解析を行い、複合事象を発見し、そして、該複合事象を構成する原子事象を識別することは、これまで未知であった。生データセットは、多くの異なるタイプの情報、例えば事象データ、を含み、そして、多くの持続事象を含む時間的な情報源における特定の事象の発見は複雑な解析を利用する。
【0030】
使用される複合事象を発見する為のアプローチは、時系列の取り込み、状態空間の構築、若しくは複合事象/原子事象の識別又はそれらの組み合わせを含みうるが、それらに限定されない。本開示に従うと、複合事象の検出は、純粋な学習ベースのモデルが目指す生の期間データと、高レベルのパターンを前処理された期間データと接続し且つ識別する為に提供される現在のドメイン知識との両方を統合して取り扱う際に実行される。両方のアプローチを活用して複合事象を検出することは、いずれかの方法単独よりも正確であることが示された。
【0031】
本開示のコンピュータに実装された方法及びコンピュータデバイスは有利には、複合事象定義の解釈可能な構築を提供し、且つ関連付けられたドメイン知識を含む。ベンチマークタスク性能評価テスト、例えば複合事象の検出を含む上記のベンチマークタスク性能評価テスト、が、ブラックボックスモデルを使用する慣用的な技術に対して、速度及び精度の点で高められた結果を有する為に、複合事象の検出が改善される。
【0032】
本開示のコンピュータに実装された方法及びコンピューティングデバイスはまた、夫々の原子事象及びそれらの相互の時間的関係の観点から、当該技術分野において以前に知られていなかった様々な複合ラベル(composite labels)の構造を発見することによって、予測解析の分野における多くの改善を提供する。また、本開示の教示は、複雑な動的システムにおいて進行中の複合事象の解釈可能なリアルタイム検出及び解釈可能なリアルタイムの緩和の為の取得した構造知識の使用を提供する。本明細書における教示により、処理オーバーヘッド及びストレージにおける削減、並びに消費電力における削減が実現されうる。
【0033】
本開示のコンピュータに実装された方法及びデバイスの追加の利点が本明細書において開示されている。
【0034】
例示的な実施態様
図2は、時系列における個々の事象が生の時系列データを処理することによって定義される操作205での概念ブロック図200を示す。該生の時系列データは、開始時刻及び終了時刻を有する実質的に任意のデータであってもよい。例えば、モーションデータ、ビデオデータ、オーディオデータ、デジタルログされたデータ、ストリーミングセンサ、又は温度データが、時系列を構成することができる非限定的なデータのほんの一部である。該時系列における個々の事象を識別することは、例えばビデオ理解及びオーディオ認識の分野にとって特に有益である。しかしながら、当業者は、本開示のコンピュータに実装された方法及び装置が多くの他の分野に適用可能であることを理解する必要がある。
【0035】
操作225では、述語規則の基本セットを通じて論理的な規則が構築される。発生する事象には、その事象の存在又は不存在を規定する基本的な論理を有する。そのような述語規則は、例えば、管理アプリケーションによって、若しくは管理者或いは主題専門家(SME:subject matter expert)を介して、又はそれらの組み合わせによって、以前に作成されている場合がある。管理アプリケーション若しくはSME又はそれらの組み合わせは、状態空間から利用可能な情報を与えられたこれらの事象を識別するところの述語規則の基本セットの構成を定義することができる。該論理的な規則は、時系列で識別された個々の事象を分類する為に使用される。
【0036】
述語規則の基本セットの例に関して、電力網の操作が観察された場合に、在りうる複合事象は変圧器の故障である。適用されることができる基本述語(base predicate)は、ある閾値を超える過剰な電流が変圧器の故障につながるということである。追加データモダリティ、例えば温度センサ、は、熱波でより多くのエネルギーが冷却の為に使用され、従って、電力網の潜在的な誤動作につながる。また、変圧器の温度が機器の故障に関連付けられるレベルまで上昇する場合があり、述語規則の基本セットの別の規則であることができる。
【0037】
操作245では、機械学習が利用され、複数の該論理的な規則を更に一緒にして、観察された複合事象を該個々の事象のどれが構成しているかを識別する。この例示的な実施態様において、該機械学習は、或る代表的なラベル付けされた事象データが教師有りである。しかしながら、強化学習(RL:Reinforcement Learning)がまた使用されうる。RLは、環境と相互作用する学習エージェントで、基本的な挙動を観察する為に構成されうる。RLは例えば、様々な操作、例えば、探索、搾取、マルコフの決定過程、深層学習、政策学習、価値学習等を包含する上記の様々な操作、を実行する為に使用されることができる。
【0038】
図3は、例示的な実施態様と一致する、時系列の取り込み(300)を示す。時系列の取り込みの属性の幾つかは、何らかの時系列モダリティが取り込まれること(310)ができることである。時系列データは、多くの形態でタイムラインに配置されることができる。例えば、タイムラインデータは、データログ、ストリーミングセンサ、オーディオ又はビデオ(320)を含むことができるが、これらに限定されない。
【0039】
図3を引き続き参照すると、本開示に従う複合事象検出デバイスは、所与のデータプリプロセッサについて1以上のデータモダリティで動作することができる。例えば、データプリプロセッサは、取り込まれたデータモダリティ上で実行される(330)ことができ、及び生の時系列データを、クエリされることができるフォーマットへと変換する為に使用されることができる。連続時間センサデータ(340)の場合、そのようなセンサデータは、日、週又は月によって区分けされうる。該区分け(binning)は、生のセンサデータを検索可能な形式へと変換する。生のセンサデータは、値ストリーム、例えば、温度測定、圧力測定等、である。データの前処理が、温度又は圧力を分単位、時間単位、日単位等で集計する為に使用されることができる。その上、ビデオデータ(350)の場合、フレーム内でオブジェクト識別(object identification)及び位置特定(localization)が実行されることができる。セキュリティビデオからの取り込みされたデータモダリティがまた、データ前処理されることができる。前述された非限定的な例は、例示的な目的の為に記載されていることを理解されたい。前処理されうる多くのタイプの取り込まれたデータが存在する。該データプリプロセッサは典型的には、モダリティに特異的である。
【0040】
図4は、例示的な実施態様と一致する状態空間構築(400)を示す。状態空間データベースは、ある期間におけるシステムの全体的な点の状態を示す。前処理された時系列データ(図3に関して議論された)の場合、そのような前処理されたデータは、規則によって検索可能(例えば、照会可能)である単一のデータベース、例えば、連続的なタイムライン(continuous timeline)上に整列(405)された前処理された全てのデータモダリティの集約における状態空間データベース、に結合される。該状態空間は、事象が生じたタイムラインに沿った場所を識別する為にクエリされることができる。状態空間データベースの評価の為に、述語規則の1組が定義される(425)専門家規則識別(420)が存在する。該述語規則は、監視されるべき項目についての事象規則を構築する為のビルディングブロックである。事象検出(430)は、事象、例えば機器の故障、を予測する為に使用されることができ、該述語規則は、事象に関する情報を取得する為に状態空間データベース上で適用される。関心のある事象は該タイムラインの間隔にわたって生じ、それは、候補規則を適用する為に識別される(435)。関心のある事象は候補規則を実行する為に検出され、無限に大きくなる可能性がある状態空間全体にわたって候補規則を適用することを回避することを理解されたい。従って、計算処理時間及び電力における節約が達成される。
【0041】
図5は、例示的な実施態様と一致する、複合事象/原子事象の識別(500)を示す。所与の状態空間構築、例えば図4に関して議論されたような所与の状態空間構築、の場合に、原子事象及び複合事象を識別する為に使用される所与の述語及び事象間隔がある(505)。関心のある複数の原子事象が、識別された間隔内で生じる(510)。そのような事象は、事前に定義された基本述語を使用して構築規則によって評価される(515)。該複数の原子事象は、知識に基づいて暗黙的に定義されることができ、且つ該タイムライン内にレコードを有しない場合がある(520)。
【0042】
該複合事象は、複数の原子事象を該タイムライン上で順番に識別することによって本質的に決定される(525)。該複合事象は、例えば、教師有り学習又は強化学習を利用して、決定される。システムは、複合事象の該識別を説明する為に、最も可能性の高い事象の組み合わせと順序とを関連付ける。事象予測の場合、コンピュータフレームワークは、検出された事象に対して、以前に定義された規則を適用するであろう。そのような規則は、主題専門家によって事前に定義されている場合がありうる。
【0043】
図6は、例示的な実施態様と一致する、事象識別(600)の為に監視される電力網データの説明図である。適用されることができる基本述語は、変圧器の誤動作をもたらす或る閾値を超える過剰電流である。追加のデータモダリティ、例えば温度感知、は、熱波において冷却の為により多くのエネルギーが使用され、従って潜在的な誤動作を生じることを示す。(例えば、図7に示されているような)電力網は、運用における障害を検出又は予測する為に及び是正措置若しくは予防措置の実行を可能にする為に、温度及び電流値について監視されることができる。
【0044】
引き続き図6を参照すると、605では、電力網の電力線における温度(56℃~57℃)及び電流の値(3kA)がセンサによって測定されていることが示されている。温度データ及び電流データは、プリプロセッサ610によって取り込まれる2種類のモダリティである。プリプロセッサ610は、温度と電流の生データを、状態空間データベース630において検索可能な形に変換する。電力網の監視は、この例において、少なくとも2つの述語規則を有する。高電流は、4分で5kA超の電流値である。高温は、3分で87℃超の温度である。事象検出操作635は、述語規則に従った事象、例えば複数の原子事象640、を検出する。事象識別操作650は、述語によって指定された値での高温及び高電流として故障が定義されるところの規則に基づいて実行される。複合的なラーナ(composite learner)は、複数の原子事象640を解析し、そして、規則に基づいて、複数の原子事象640の複合事象である失敗(failure)660を識別する。次に、別のアクション、例えば、通知、アラームの起動、是正措置又は予防措置、が実行されうる。
【0045】
図7は、例示的な実施態様と一致する、図6の電力網700を示す。タワー705は、電力線を支持する為に使用され、並びに項目、例えば温度及び電流(kA)、を監視することができるセンサ710を備えている。該電力網の識別の間隔について、本明細書において以前に論じられているように、データ取り込みの為にサーバ720に提供されるべきセンサデータの為の無線送信機715が存在する可能性がある。
【0046】
図8は、例示的な実施態様と一致する、合成ビデオデータセット800の個々の幾つかの原子事象の複数の画像を図示する。本開示は、本実施態様において、教示目的の為に合成ビデオデータに適用されるものとして示されているが、複合事象の原子事象として個々の事象を識別することにより、多変量ビデオデータセット、オーディオデータセット、又はそれらの組み合わせに適用されることができることを理解されたい。例えば、複合事象は、時間的に関連するオーディオ原子事象とビデオ原子事象との組み合わせとすることができる。合成ビデオに例示された複数のアクションのうちの3つは、場所占有(pick-place)805(例えば、拾って置く)、スライド(slide)810、及び「含有」(contain)815を含む。ビデオにおけるアイテムの幾つかは、円錐、球、及びスニッチ(snitch)である。タスク1は、原子認識事象(atomic recognition event)820であり、及びそこに示されているように、合成フレームであるスライド810、場所占有805、及び含有815の比較によって実行される。該複数の原子事象は、動きと形状の異なるオブジェクトとの組み合わせ、並びに時間的述語、例えば、前、間、及び後、である。タスク2は、複合認識事象825、例えば、スライド中に場所占有アクションを実行すること、及びスライドアクションの後に含有アクションを実行することを含む上記の複合認識事象825である。複合認識事象825は、2つの原子事象間の時間的述語で構成されている。タスク3は、グラフ上のスニッチ位置(snitch localization)830を識別することを示す。合成ビデオデータセット800は、複合事象につながる基礎となる原子事象を回復することを目標とするマルチラベル分類問題(multi-label classification problem)の一例である。
【0047】
例示的なプロセス
例示的なアーキテクチャの前述の概要により、ここで、例示的な方法のハイレベルな議論を検討することが有用でありうる。その為に、図9は、例示的な実施態様と一致する、コンピュータに実装された方法の様々な観点を示すフローチャート図900を図示する。図9は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装されることができる操作のシーケンスを表す、論理的順序でのブロックの集まりとして示されている。ソフトウェアの文脈において、該ブロックは、1以上のプロセッサによって実行されるときに、言及されたオペレーションを実行するコンピュータ実行可能な命令を表す。一般的に、コンピュータ実行可能な命令は、機能を実行する、又は抽象的なデータ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含みうる。各方法において、該操作が記述される順序は、限定として解釈されることが意図されておらず、任意の数の記述されたブロックが、該方法を実施する為に任意の順序で組み合わせられ若しくは並行して又はそれらの組み合わせで実行されることができる。
【0048】
図9は、例示された実施態様と一致する、時相論理を通じて複合期間事象の構造を発見する、コンピュータに実装された方法を示すフローチャート図900である。
【0049】
操作905では、時間的に関連する複数の原子事象が、多変量データセットの期間データ軌跡から原子事象述語の定義に従って識別される。該原子事象述語は、専門家によって予め提供される場合がある、ドメイン固有の知識に基づいて決定される。該原子事象述語は、該多変量データセットの生の時系列データの処理によって追加的に決定されうる。教師付きデータが該原子事象について利用可能である場合、該原子事象述語は、主題専門家(SME)からの入力なしに、関心のある生の時系列事象にわたって自動的に学習されることができる。
【0050】
生の期間データ(生の時系列データ)と現在のドメイン知識とを使用して複合事象を検出し、高レベルのパターンを前処理された期間データと接続し、そして識別することを活用することにより、いずれかのアプローチだけよりもより高い精度を提供する。データプリプロセッサが、生データをシステム内の規則によって照会されることができる形式へと変換する為に使用されることができる。
【0051】
操作915では、該時間的に関連する複数の原子事象のうちの少なくとも幾つかの原子事象の期間事象構造を有する少なくとも1つの複合事象を発見する為に、機械学習が使用される。使用される機械学習のタイプは、教師有り学習又は強化学習であってもよい。該機械学習は、上記原子述語(atomic predicate)に基づいて複合規則を構築する為に使用されてもよく、及び、規則を定期的に若しくは新しいデータを受信することに又はそれらの組み合わせに応答して更に調整する為にまた使用されてもよい。
【0052】
操作925では、該複合事象に関連付けられた所定のリストから選択されたアクションが実行される。そのようなアクションは、該複合事象に固有のものであってもよい。例えば、該アクションは、指定されたエンティティに該事象が生じたことを通知すること、又は或る時間枠内で識別された複数の原子事象に基づいて複合事象が近未来に生じうることを警告することであってもよい。アプリケーションは実質的に無制限であり、先に述べられているように、電力網の故障は一つの非限定的な例である。該アクションは、発見された複合事象を記憶すること、若しくは通知よりもはるかに多くのことを含む可能性がある複合事象に応答して、アクションを取ること、又はそれらの組み合わせであることができる。操作905~操作925は、繰り返し実行されうる。
【0053】
特に構成された例示的なコンピュータハードウェアプラットフォーム
図10は、コンピュータハードウェアプラットフォームの機能ブロック図の説明図1000を提供する。特に、図10は、図9に示されている方法を実施する為に使用されうる、特に構成されたネットワーク又はホストのコンピュータプラットフォーム1000を図示する。
【0054】
コンピュータプラットフォーム1000は、システムバス1002に接続された中央処理装置(CPU:central processing unit)1004、ハードディスクドライブ(HDD:hard disk drive)1006、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)若しくは読み取り専用メモリ(ROM:read-only memory)1008、キーボード1010、マウス1012、ディスプレイ1014、及び通信インタフェース1016を備えていてもよい。HDD 1006は、データストアを備えていることができる。
【0055】
1つの実施態様において、HDD 1006は、様々な処理、例えば、機械学習、予測モデリング、分類、モデルパラメータの更新、を実行することができるプログラムを記憶することを含む機能を有する。MLモデル生成モジュール1040は、生成された候補機械学習パイプラインのうちの少なくとも1つに基づいて、機械学習モデルを生成するように構成されている。
【0056】
図10を引き続き参照すると、説明を容易にする為に、離散的なコンポーネントとして示された様々なモジュールが存在する。しかしながら、そのようなモジュールの機能性及びモジュールの数量は、示されているよりも少ないか又は多くてもよいことを理解されたい。例示的な実施態様と一致する複合事象推定モジュール1040は、原子事象述語の定義に従って多変量データセットの期間データ軌跡から時間的に関連する複数の原子事象を識別するように構成されている原子事象識別モジュール1042を備えている。複合事象発見モジュール1044は、原子事象識別モジュール1042によって識別された、複数の時間的に関連する複数の原子事象のうちの少なくとも幾つかの期間事象構造を有する複合事象を発見するように構成されている。
【0057】
複合事象アクションモジュール1050は、複合事象に関連付けられたアクションを実行するように構成されている。該アクションは、アクションの所定のリストから選択されうる。時系列取り込みモジュール1052は、任意の時系列モダリティ、例えば、データログ、ストリーミングセンサ、オーディオデータ、若しくはビデオデータ又はそれらの組み合わせを包含するがこれらに限定されない上記の任意の時系列モダリティ、を取り込み、そして、該取り込まれたモダリティ上でデータ前処理を実行するように構成されている。該データ前処理は、生の時系列データを、クエリを介して検索可能な形態へと変換する。
【0058】
状態空間構築モジュール1054は、前処理されたモダリティを、統一されたタイムライン(unified timeline)上に整列させ、並びに状態空間データベースにおいて評価されることができる基本の述語規則(base predicate rule)の1組を定義することによって専門家規則識別を提供するように、及び該タイムラインの間隔にわたって関心のある事象が生じる場合に事象検出を行うように構成されている。
【0059】
ドメイン固有の知識モジュール1056は、原子事象及び複合事象について解析されているデータに関連付けられた識別の主題に関するストレージにロードされたドメイン固有知識を含む。教師有り学習モジュール1058及び強化学習モジュール1060は夫々、複合事象の発見、規則の作成及び調整、並びに解析されている新しいデータに基づく更新の為に使用される夫々のタイプの機械学習で構成されている。複合事象推定モジュール1040において、教師有り学習及び強化学習の両方に対する能力要件は存在しないことを理解されたい。通信インタフェースモジュール1062は、例えば、ストリーミングデータ、例えばセンサ等、を提供している供給源と通信するように構成されている。
【0060】
例示的なクラウドプラットフォーム
前述されているように、高解像度ビデオデータの低帯域幅伝送に関連する機能は、クラウドを含みうる。本開示は、本明細書において後述されているようにクラウドコンピューティングの詳細な説明を含むが、本明細書において述べられている教示の実装は、クラウドコンピューティング環境に限定されないことが理解されるであろう。寧ろ、本開示の実施態様は、現在知られている又は後に開発される任意の他のタイプのコンピューティング環境と組み合わせて実装されることが可能である。
【0061】
クラウドコンピューティングは、最小限の管理労力又はサービスのプロバイダとのインタラクションで迅速にプロビジョニングされ且つ解放されることができる構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理(processing)、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン、及びサービス)の共有プールへの便利なオンデマンドネットワークアクセスを可能にする為のサービス提供のモデルである。このクラウドモデルは、少なくとも5つの特徴、少なくとも3つのサービスモデル、及び少なくとも4つのデプロイメントモデル(deployment model)を含みうる。
【0062】
特徴は下記の通りである。
【0063】
オンデマンドセルフサービス(On-demand self-service):クラウドコンシューマ(cloud consumer)は、サービスのプロバイダとのヒューマンインタラクション(human interaction)を必要とせずに、必要に応じて、コンピューティング機能、例えばサーバ時間及びネットワークストレージ、を一方的にプロビジョニングすることができる。
【0064】
ブロードネットワークアクセス:機能は、ネットワークを介して利用可能であり、及び異種のシン(thin)クライアント・プラットフォーム又はシック(thick)クライアント・プラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、及びPDA)による使用を促進する標準的なメカニズムを介してアクセスされる。
【0065】
リソースのプーリング:プロバイダのコンピューティングリソースは、マルチテナントモデルを使用して複数のコンシューマにサービスを提供する為にプールされ、及び様々な物理リソースと仮想リソースが需要に従って動的に割り当てられ及び再割り当てされる。コンシューマは一般的に、提供されたリソースの正確な場所についての制御又は知識を有していないが、より高いレベルの抽象化での場所(例えば、国、州又はデータセンター)を特定できうるという点で、場所に依存しないといえる。
【0066】
迅速な順応性:機能は、迅速且つ弾力的にプロビジョニングされ、場合によっては自動的に、迅速にスケールアウトされ、迅速にリリースされて迅速にスケールインされうる。コンシューマにとって、プロビジョニングに利用可能な機能はしばしば、無制限であり及びいつでも任意の量で購入されることができる。
【0067】
測定されたサービス:クラウド・システムは、サービスのタイプ(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、及びアクティブなユーザアカウント)に適した何らかの抽象化レベルでの計量機能を用いることによって、リソースの使用を自動的に制御し及び最適化する。リソースの使用は監視され、制御され、及び報告され、利用されるサービスのプロバイダ及びコンシューマの両方についての透明性を提供することができる。
【0068】
サービスモデルは下記の通りである。
【0069】
サービスとしてのソフトウェア(SaaS:Software as a Service):クラウドインフラストラクチャにおいて実行しているプロバイダのアプリケーションを使用する為に、コンシューマに提供される機能である。該アプリケーションは、シン・クライアント・インタフェース、例えばウェブブラウザ(例えば、ウェブ・ベースの電子メール)、を通じて、様々なクライアントデバイスからアクセス可能である。該コンシューマは、制限されたユーザ固有のアプリケーション構成設定の在りうる例外として、基礎をなすクラウドインフラストラクチャ、例えば、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、ストレージ、又は個々のアプリケーション機能さえも包含する基礎をなすクラウドインフラストラクチャ、を管理又は制御しない。
【0070】
サービスとしてのプラットフォーム(PaaS:Platform as a Service):プロバイダによってサポートされるプログラミング言語及びツールを用いて生成された、コンシューマが生成した又は取得したアプリケーションを、クラウドインフラストラクチャ上にデプロイする為に、該コンシューマに提供される機能である。該コンシューマは、基礎をなすクラウドインフラストラクチャ、例えば、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、又はストレージを包含する基礎をなすクラウドインフラストラクチャ、を管理又は制御しないが、デプロイされたアプリケーション、及び場合によってはアプリケーション・ホスティング環境構成に対して制御を有する。
【0071】
サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS:Infrastructure as a Service):コンシューマが、オペレーティングシステム及びアプリケーションを含むことができる任意のソフトウェアをデプロイ及び実行することができる、処理、ストレージ、ネットワーク、及び他の基本的なコンピューティングリソースをプロビジョニングする為に、該コンシューマに提供される機能である。該コンシューマは、基礎をなすクラウドインフラストラクチャを管理又は制御しないが、オペレーティングシステム、ストレージ、デプロイされたアプリケーションに対する制御、及び場合によっては、ネットワーク・コンポーネント(例えば、ホストのファイアウォール)を選択することの制限された制御を有する。
【0072】
デプロイメントモデル(deployment models)は下記の通りである。
【0073】
プライベートクラウド:クラウドインフラストラクチャは、ある組織の為のみに運営される。該クラウドインフラストラクチャは、該組織又は第三者によって管理され得、及びオンプレミス(on-premises)又はオフプレミス(off-premises)に存在しうる。
【0074】
コミュニティクラウド:クラウドインフラストラクチャは、幾つかの組織によって共有され、及び共通の関心事項(例えば、ミッション、セキュリティ要件、ポリシー、及びコンプライアンス考慮事項)を有する特定のコミュニティをサポートする。該クラウドインフラストラクチャは、該組織又は第三者によって管理され得、及びオンプレミス又はオフプレミスに存在しうる。
【0075】
パブリッククラウド:クラウドインフラストラクチャは、一般公衆又は大規模な業界グループに対して利用可能であり、及びクラウドサービスを販売する組織によって所有される。
【0076】
ハイブリッドクラウド:クラウドインフラストラクチャは、固有のエンティティのままであるが、データ及びアプリケーションの移行性を可能にする標準化された又は専用の技術(例えば、クラウド間の負荷分散の為のクラウド・バースティング)によって一緒にされる2以上のクラウド(プライベート、コミュニティ、又はパブリック)の混成物である。
【0077】
クラウドコンピューティング環境は、無国籍性(statelessness)、低結合性、モジュール性、及びセマンティック相互運用性(semantic interoperability)に焦点を有する指向されたサービスである。クラウドコンピューティングの中核(heart)は、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャである。
【0078】
図11を参照すると、クラウドコンピューティングを利用したクラウドコンピューティング環境1100が図示されている。図示されている通り、クラウドコンピューティング環境1100は、1以上のクラウドコンピューティングノード1110を備えており、クラウドコンシューマによって使用されるローカルコンピューティングデバイス、例えば、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:personal digital assistant)若しくは携帯電話1154A、デスクトップコンピュータ1154B、ラップトップコンピュータ1154C若しくは自動車用コンピュータシステム1154N又はそれらの組み合わせ、が通信しうる。ノード1110は互いに通信しうる。該ノード1110は、物理的又は仮想的に、1以上のネットワーク、例えば、本明細書において前述されているプライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド若しくはハイブリッドクラウド又はそれらの組み合わせ、にグループ化されうる(図示せず)。このことは、クラウドコンシューマがローカルコンピューティングデバイスにおいてリソースを維持する必要がないサービスとして、インフラストラクチャ、プラットフォーム若しくはソフトウェア又はそれらの組み合わせをクラウドコンピューティング環境1100が提供することを可能にする。図11に示されているコンピューティングデバイス1154A~1154Nのタイプは、例示のみであることが意図されていること、並びにクラウドコンピューティングノード1110及びクラウドコンピューティング環境1100は、任意のタイプのネットワーク若しくはネットワークアドレス可能接続又はそれらの組み合わせを介して(例えば、ウェブブラウザを使用して)任意のタイプのコンピュータ化されたデバイスと通信することができることが理解される。
【0079】
図12を参照すると、クラウドコンピューティング環境1200(図12)によって提供される抽象化モデル層1200が示されている。図12に示されているコンポーネント、層及び機能は、単に例示であることが意図されていること、並びに本開示の実施態様はそれらに限定されないことが理解されるべきである。図示されている通り、下記の複数の層及び対応する複数の機能が提供される。
【0080】
ハードウェア及びソフトウェア層1260は、ハードウェアコンポーネント及びソフトウェアコンポーネントを包含する。ハードウェアコンポーネントの例は、メインフレーム1261、RISC(Reduced Instruction Set Computer(縮小命令セット・コンピュータ))アーキテクチャ・ベースのサーバ1262;サーバ1263;ブレードサーバ1264;ストレージデバイス1265;並びに、ネットワーク及びネットワーキング・コンポーネント1266を包含する。幾つかの実施態様において、ソフトウェアコンポーネントは、ネットワーク・アプリケーション・サーバ・ソフトウェア1267及びデータベース・ソフトウェア1268を包含する。
【0081】
仮想化層1270は、抽象化層を提供し、この抽象化層から、仮想エンティティの下記の例が提供されうる:すなわち、仮想サーバ1271;仮想ストレージ1272;仮想ネットワーク1273、例えば仮想プライベートネットワークを包含する上記の仮想ネットワーク1273;仮想アプリケーション及びオペレーティングシステム1274;並びに、仮想クライアント1275。
【0082】
1つの例において、管理層1280は、以下で説明される複数の機能を提供しうる。リソース・プロビジョニング1281は、クラウドコンピューティング環境内でタスクを実行する為に利用されるコンピューティングリソース及び他のリソースの動的な調達を提供する。計量及び価格決定1282は、リソースがクラウドコンピューティング環境内で利用される場合のコスト追跡と、これらのリソースの消費についての課金又は請求とを提供する。1つの例においては、これらのリソースは、アプリケーション・ソフトウェア・ライセンスを包含しうる。セキュリティは、クラウドコンシューマ及びタスクに対する識別検証と、データ及び他のリソースに対する保護とを提供する。ユーザ・ポータル1283は、コンシューマ及びシステム管理者の為に、クラウドコンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービス・レベル管理1284は、要求されるサービス・レベルが満たされるように、クラウド・コンピューティング・リソースの割り当て及び管理を提供する。サービス・レベル・アグリーメント(SLA:Service Level Agreement)の計画及び履行1285は、将来の要件がSLAに従って予測されるクラウド・コンピューティング・リソースの為の事前配置及びその調達を提供する。
【0083】
ワークロード層1290は、クラウドコンピューティング環境が利用されうる複数の機能の例を提供する。この層から提供されうる複数のワークロード及び複数の機能の例は、マッピング及びナビゲーション1291;ソフトウェア開発及びライフサイクル管理1292;仮想教室教育の提供1293;データ解析処理1294;トランザクション処理1295;並びに、本明細書において前述されている、時間的に関連する複数の原子事象の識別と複数の原子事象からなる複合事象の発見とを実行するように構成されている複合事象推定モジュール1296を包含する。
【0084】
結論
【0085】
本教示の様々な実施態様の記載は、例示を目的として提示されているが、網羅的であること、又は開示された実施形態に限定されることが意図されるものでない。本明細書において記載された実施態様の範囲及び精神から逸脱すること無しに、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。本明細書において使用されている語は、実施態様の原理、市場において見出される技術に対する実用化若しくは技術的改善、又は当業者が本明細書において開示された実施態様を理解することを可能にする為に、最適に説明する為に選択された。
【0086】
上記では、最良の状態若しくは他の例又はそれらの組み合わせであると考えられる内容について記載されているが、これには様々な変更が行われ得、本明細書に開示されている主題は様々な形態及び例で実装され得、これらの教示は多数の応用例で適用され得、その一部のみが本明細書に記載されていることが理解されるであろう。本教示の真の範囲内に入る任意の及び全ての応用例、変更形態及び変形形態を請求することが添付の特許請求の範囲によって意図されている。
【0087】
本明細書において論じられているコンポーネント、工程、特徴、目的、利益、及び利点は、単なる例示に過ぎない。それらのいずれも、またそれらに関連する議論も、保護範囲を限定することを意図していない。様々な利点が本明細書において論じられてきたが、全ての実施態様が必ずしも全ての利点を含むわけでないことが理解されるであろう。特に断らない限り、添付の特許請求の範囲を含む本明細書で規定される全ての測定値、値、定格、位置、大きさ、及び他の仕様は、およそのものであり、正確でない。それらは、それらが関係する機能及びそれらが関係する技術分野において慣習的であるものと一致する合理的な範囲を有することが意図されている。
【0088】
数多くの他の実施態様がまた企図されている。これらは、より少ない、追加の、若しくは異なる、又はそれらの組み合わせのコンポーネント、工程、特徴、目的、利益、及び利点を有する実施態様を含む。これらはまた、コンポーネント若しくは工程又はそれらの組み合わせが異なるように配置され、若しくは順序付けされ、又は配置且つ順序付けされた実施態様を含む。
【0089】
本明細書における図中のフローチャート図、及びブロック図は、本開示の様々な実施態様に従う在りうる実装のアーキテクチャ、機能性、及び操作を示す。
【0090】
上記は例示的な実施態様に関連して説明されているが、語「例示的」は、最良又は最適ではなく、単に一つの例であることを意味することが理解される。上記された場合を除いて、記載された又は図示された内容はいずれも、特許請求の範囲に記載されているか否かにかかわらず、如何なるコンポーネント、工程、特徴、目的、利益、利点、又は均等物の一般への供与が意図されたものではなく、又はそのように解釈されるべきでない。
【0091】
本明細書において使用される語及び表現は、特有の意味が本明細書に別途記載されている場合を除いて、対応する夫々の探求及び研究領域に関してそのような語及び表現に与えられる一般的な意味を有することが理解されるであろう。第1及び第2等の関係を示す語は、実体又は動作を互いに区別する為だけに使用することができ、必ずしもそのような実体又は動作間の実際のそのような関係又は順序を必要としたり示唆したりするものでない。「備えている、包含する(comprises)」、「備えている、包含する(comprising)」という語、又はそれらのあらゆる他の変形体は、非排他的な包含を含むことを意図したものであり、従って要素の一覧を含むプロセス、方法、物品、又は装置は、それらの要素を有するだけでなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に明白に列挙されていない又は固有でない他の要素も含みうる。一つ(「a」又は「an」)に続く要素は、さらなる制約を受けずに、その要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置における追加の同一の要素の存在を除外するものでない。
【0092】
本開示の要約書は、技術的開示の性質を読み手が迅速に確認することを可能にする為に提供されている。それは、特許請求の範囲又は意味を解釈又は限定する為に使用されるものでないことを理解した上で提出される。加えて、上記の発明を実施する為の形態において、本開示を簡略化する目的で、様々な特徴が様々な実施態様で共にグループ化されていることが分かる。この開示方法は、特許請求されている実施態様が各請求項に明白に記載されたものよりも多くの特徴を有するという意図を反映すると解釈されるべきでない。寧ろ、添付の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、開示された単一の実施態様の全ての特徴にあるわけではない。従って、添付の特許請求の範囲は、本明細書によって発明を実施する為の形態に組み込まれており、各請求項は、別個に特許請求される主題として独立して存在する。
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【国際調査報告】