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特表2024-514663電子顕微鏡法のための恣意的な電子線量波形
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】電子顕微鏡法のための恣意的な電子線量波形
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/147 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H01J37/147 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563811
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 US2022016479
(87)【国際公開番号】W WO2022220918
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/176,115
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523389866
【氏名又は名称】インテグレイテッド ダイナミック エレクトロン ソリューションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブルーム, ルース シュウモン
(72)【発明者】
【氏名】リード, ブライアン ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】マシエル, ダニエル ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】パク, サン テ
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA04
5C101AA05
5C101AA23
5C101DD08
5C101EE22
5C101EE23
5C101EE43
5C101EE49
5C101EE68
5C101GG09
5C101GG33
5C101GG37
5C101JJ08
(57)【要約】
デバイスは、電子源と、検出器と、偏向器とを含み得る。電子源は、サンプルエリアに向かって指向され得る。検出器は、電子信号または電子誘起信号を受信し得る。偏向器は、電子源とサンプルとの間に位置付けられ得る。偏向器は、連続的可変時間プロファイルを有する電子線量波形に従って、サンプルエリアに指向される電子源の強度を変調させ得る。本開示のシステムおよび方法は、線量の関数形態および時間スケール(例えば、電子線量波形)が、高速、精密、かつ繰り返し可能な方式においてサンプルの動態に調整されることを可能にする。本明細書に開示される方法およびシステムは、透過電子顕微鏡法(TEM)測定の間の電子線量の効果を低減または制御するために使用されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
サンプルエリアに向かって指向される電子源と、
電子信号または電子誘起信号を受信するための検出器と、
前記電子源と前記サンプルとの間に位置付けられる偏向器であって、前記偏向器は、連続的可変時間プロファイルを有する電子線量波形に従って、前記サンプルエリアに指向される前記電子源の強度を変調させる、偏向器と
を備える、デバイス。
【請求項2】
デバイスであって、
サンプルエリアに向かって指向される電子源と、
電子信号または電子誘起信号を受信するための検出器と、
前記電子源と前記サンプルとの間に位置付けられる偏向器であって、前記偏向器は、可変時間プロファイルを有する電子線量波形に従って、前記サンプルエリアに指向される前記電子源の強度を変調させ、前記可変時間プロファイルは、選択可能な不規則的なパルス幅、選択可能な不規則的な繰り返し率、または両方を備える、偏向器と
を備える、デバイス。
【請求項3】
前記電子線量波形は、恣意的に定義された時間プロファイルを備える、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記波形は、一連の中間地点を備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記一連の中間地点は、前記恣意的に定義された時間プロファイルを構築するために、個々に、または集合的に選択可能である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記一連のものは、1,000個を上回る中間地点を備える、請求項4または5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記恣意的に定義された時間プロファイルは、10ナノ秒未満の時間分解能を備える、請求項3-6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
前記恣意的に定義された時間プロファイルは、ユーザによって示される、請求項3-7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記偏向器は、駆動電極と、固定電圧における電極とを備える、請求項1-8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記偏向器は、2つの駆動電極を備える、請求項1-9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記電子線量波形は、前記サンプルエリアに向かって指向される前記電子源の平均強度を変調させる、請求項1-10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記平均強度は、実質的に他の画像条件の変化を伴わずに変調される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記平均強度を調節するために、物理または仮想ノブをさらに備える、請求項11または12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記平均強度は、前記電子源の駆動電圧から独立して制御可能である、請求項11-13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記平均強度は、0~100%の線量透過の範囲を横断して連続的に可変である、請求項11-14のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記電子線量波形は、周期的波形を備える、請求項1-15のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記電子線量波形は、非周期的である、請求項1-16のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記電子線量波形は、ポンプパルスと、プローブパルスとを備える、請求項1-17のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記電子線量波形は、方形波である、請求項1-18のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項20】
高電圧と低電圧との間の遷移時間は、リンギング時間+スロープ時間の和として定義される約50ナノ秒未満である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
高電圧と低電圧との間の遷移時間は、約10%~約90%の遷移電圧のスロープ時間として定義される約10ナノ秒未満である、請求項19または20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記方形波のパルス幅は、非周期的である、請求項19-21のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項23】
前記電子線量波形は、約100ナノ秒の最短暴露時間を備える、請求項1-22のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項24】
前記電子線量波形を表す電気信号を生じるように構成されるパターン発生器と、
ドライバ電子機器であって、前記ドライバ電子機器は、前記パターン発生器から前記電気信号を受信し、前記電子線量波形を備える電圧を前記偏向器に供給するように構成される、ドライバ電子機器と
をさらに備える、請求項1-23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサであって、前記1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサは、命令を備え、前記命令は、実行されると、
前記電子線量波形のインジケーションを受信することと、
前記インジケーションを前記パターン発生器に送達することと
を行わせるように構成される、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサ
をさらに備える、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
1つまたはそれを上回るパラメータに従って、前記電子線量波形の形状を調節するための命令をさらに備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記1つまたはそれを上回るパラメータは、前記検出器からの画像の性質、前記偏向器の性質、前記ドライバ電子機器の性質、前記検出器の性質、および前記電子線量波形のインジケーションのうちの1つまたはそれを上回るものについての情報を備える、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記1つまたはそれを上回るパラメータは、前記電子線量波形のパルス幅またはパルス繰り返し率に関する最小、最大、または固定値のインジケーションを備える、請求項26または27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記1つまたはそれを上回るパラメータは、前記偏向器、前記ドライバ電子機器、または前記パターン発生器のタイミング制約を備える、請求項26-28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記1つまたはそれを上回るパラメータは、サンプルまたは前記サンプル内のプロセスの特徴的な時間スケールを備える、請求項26-29のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記1つまたはそれを上回るパラメータは、時間依存性電圧バイアスまたは温度を備える、請求項26-30のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記1つまたはそれを上回るパラメータは、前記検出器の線量率またはタイミング考慮事項を備える、請求項26-31のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記1つまたはそれを上回るパラメータは、収集された測定値またはリアルタイム測定値からのデータ信号品質のインジケーションを備える、請求項26-32のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項34】
前記1つまたはそれを上回るパラメータは、収集された測定値またはリアルタイム測定値からのサンプルに対する前記電子線量波形の強度の効果のインジケーションを備える、請求項26-33のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項35】
前記検出器の収集時間、前記検出器の1つまたはそれを上回るサブ部分の場所、前記サンプルエリアへの刺激の到着時間、または前記デバイスの電子光学条件の変化に対する前記電子線量波形のタイミングを調節するための命令をさらに備える、請求項26-34のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記パターン発生器は、アナログまたはデジタルパターン発生器である、請求項24-35のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項37】
前記パターン発生器は、アナログ/デジタルコンバータを備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
透過電子顕微鏡画像における線量を変調させるための方法であって、
サンプルエリアに向かって指向される電子源を提供することと、
前記電子源と前記サンプルエリアとの間に配置される偏向器において電子線量波形を受信することであって、前記電子線量波形は、前記電子線量波形に従って、前記サンプルエリアに指向される前記電子源の強度を変調させる、ことと、
前記変調された強度の少なくとも一部に関連する電子信号または電子誘起信号を出力することと
を含む、方法。
【請求項39】
前記電子線量波形は、連続的時間可変プロファイルを備える、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記電子線量波形は、恣意的に定義された時間プロファイルを備える、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記波形は、一連の中間地点を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記一連の中間地点は、前記恣意的に定義された時間プロファイルを構築するために、個々に、または集合的に選択可能である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記一連のものは、1,000個を上回る中間地点を備える、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記恣意的に定義された時間プロファイルは、10ナノ秒未満の時間分解能を備える、請求項41-43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
ユーザから前記恣意的に定義された時間プロファイルのインジケーションを受信することを含む、請求項41-44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
請求項1-37のいずれか1項に記載のデバイスを提供することをさらに含む、請求項38-45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
透過電子顕微鏡(TEM)上の電子線量を変調させるためのコンピュータ実装方法であって、
(a)プロセッサにおいて、前記TEM内のサンプルエリアに指向される電子線量の強度の時間プロファイルの表現を備える電子線量波形のインジケーションを受信することと、
(b)前記インジケーションを前記TEMに伝送することであって、前記インジケーションを表す電気信号が、前記TEM内の偏向器を駆動し、それによって、前記電子線量の時間プロファイルを変調させる、ことと、
(c)1つまたはそれを上回る調整可能パラメータを受信することであって、前記1つまたはそれを上回る調整可能パラメータは、TEM画像の性質、前記偏向器の性質、前記TEM内のドライバ電子機器の性質、前記TEM内の検出器の性質、および前記電子線量波形のインジケーションのうちの1つまたはそれを上回るものについての情報を備える、ことと、
(d)前記1つまたはそれを上回るパラメータに基づいて、前記電子線量波形のインジケーションを更新することと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項48】
前記電子線量波形のインジケーションを連続的に更新することをさらに含む、請求項47に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項49】
請求項1-37のいずれか1項に記載のデバイスを提供することをさらに含む、請求項47または48に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(相互参照)
本願は、あらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる、2021年4月16日に出願された米国仮出願第63/176,115号の利益を主張する。
【0002】
(連邦政府資金による研究の記載)
本発明は、米国エネルギー省によって付与された授与番号DE-SC0013104に基づいて、米国政府の支援を受けてなされた。
【0003】
電子顕微鏡は、電子線量を送達するための種々のシステムおよび方法を備え得る。例えば、透過電子顕微鏡法では、高エネルギー電子が、上方からサンプルを通して通過し、下方の検出器上に画像を形成し得る。サンプルの性質を測定することを意図する本プロセスは、サンプルを変化させ得、さらにはサンプルを損傷させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
出願人は、透過電子顕微鏡上の電子線量を時間的に変調させるための新しい方法およびシステムに関する満たされていない必要性が存在することを認識している。本開示のシステムおよび方法は、線量の関数形態および時間スケール(例えば、電子線量波形)が、高速、精密、かつ繰り返し可能な方式においてサンプルの動態に調整されることを可能にする。本明細書に開示される方法およびシステムは、透過電子顕微鏡法(TEM)測定の間の電子線量の効果を低減または制御するために使用されてもよい。
【0005】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、例えば、電子ビームの電子光学設定を変調させることによって動作する、電子線量を調節する方法を改良し得る。そのような設定は、ビーム電流、収束角、および開口サイズを含み得る。電子光学設定を調節することは、電子線量が高速の時間スケールで変調されることを可能にし得ない。さらに、原子分解能を達成するために透過電子顕微鏡法に関する電子光学系を整合させることは、複雑であり得、電子光学システム内の複数の相互接続されたパラメータを調節することを伴い得る。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、以下の非限定的な利点、すなわち、平均線量が高速の時間スケールで調節されることを可能にすること、平均線量が時間に対する恣意的な関数を実行することを可能にすること、平均線量(例えば、デューティサイクル)が0~100%の線量透過の範囲を横断して連続的に変動されることを可能にすること、線量波形が検出器、サンプルへの刺激、または顕微鏡の電子光学条件の変化に同期されることを可能にすること、線量波形が、サンプル、偏向電子機器、測定に関与する検出器、およびユーザによって制御ソフトウェアに入力される決定された波形についての情報のうちの1つまたはそれを上回るものを考慮し得るアルゴリズムによって計算および調節されることを可能にすること、ポンプパルス、プローブパルス、または両方の時間プロファイルがポンプ-プローブ実験においてカスタマイズされることを可能にすること、レーザ駆動カソードおよび無線周波数パルサ等の超高速パルス化電子源の物理的制約によって生成される線量波形に対する限定、例えば、波形に関する限定された動的範囲および/または持続時間を低減させること、線量波形が電子ビームのために利用可能な選択可能な加速電圧において印加されることを可能にすること、および線量波形を構成するパルスが不均一な繰り返し率において生じることを可能にすることのうちの少なくともいくつかを提供し得る。
【0007】
ある側面では、本開示は、デバイスを提供する。本デバイスは、サンプルエリアに向かって指向される、電子源と、電子信号または電子誘起信号を受信するための検出器と、電子源とサンプルとの間に位置付けられる、偏向器であって、偏向器は、連続的可変時間プロファイルを有する電子線量波形に従って、サンプルエリアに指向される電子源の強度を変調させる、偏向器とを備えてもよい。
【0008】
別の側面では、本開示は、デバイスを提供する。本デバイスは、サンプルエリアに向かって指向される、電子源と、電子信号または電子誘起信号を受信するための検出器と、電子源とサンプルとの間に位置付けられる、偏向器であって、偏向器は、可変時間プロファイルを有する電子線量波形に従って、サンプルエリアに指向される電子源の強度を変調させ、可変時間プロファイルは、選択可能な不規則的なパルス幅、選択可能な不規則的な繰り返し率、または両方を備える、偏向器とを備えてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、電子線量波形は、恣意的に定義された時間プロファイルを備える。いくつかの実施形態では、波形は、一連の中間地点を備える。いくつかの実施形態では、一連の中間地点は、恣意的に定義された時間プロファイルを構築するために、個々に、または集合的に選択可能である。いくつかの実施形態では、一連のものは、1,000個を上回る中間地点を備える。いくつかの実施形態では、恣意的に定義された時間プロファイルは、10ナノ秒未満の時間分解能を備える。いくつかの実施形態では、恣意的に定義された時間プロファイルは、ユーザによって示される。
【0010】
いくつかの実施形態では、偏向器は、駆動電極と、固定電圧における電極とを備える。いくつかの実施形態では、偏向器は、2つの駆動電極を備える。いくつかの実施形態では、電子線量波形は、サンプルエリアに向かって指向される電子源の平均強度を変調させる。いくつかの実施形態では、平均強度は、実質的に他の画像条件の変化を伴わずに変調される。いくつかの実施形態では、本デバイスは、平均強度を調節するために、物理または仮想ノブを備える。いくつかの実施形態では、平均強度は、電子源の駆動電圧から独立して制御可能である。いくつかの実施形態では、平均強度は、0~100%の線量透過の範囲を横断して連続的に可変である。
【0011】
いくつかの実施形態では、電子線量波形は、周期的波形を備える。いくつかの実施形態では、電子線量波形は、非周期的である。いくつかの実施形態では、電子線量波形は、ポンプパルスと、プローブパルスとを備える。いくつかの実施形態では、電子線量波形は、方形波である。いくつかの実施形態では、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、リンギング時間+スロープ時間の和として定義される、約50ナノ秒未満である。いくつかの実施形態では、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、約10%~約90%の遷移電圧のスロープ時間として定義される、約10ナノ秒未満である。いくつかの実施形態では、方形波のパルス幅は、非周期的である。いくつかの実施形態では、電子線量波形は、約100ナノ秒の最短暴露時間を備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、電子線量波形を表す電気信号を生じるように構成される、パターン発生器と、パターン発生器から電気信号を受信し、電子線量波形を備える電圧を偏向器に供給するように構成される、ドライバ電子機器とを備える。いくつかの実施形態では、本デバイスは、実行されると、電子線量波形のインジケーションを受信し、インジケーションをパターン発生器に送達するように構成される、命令を備える、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサを備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサは、1つまたはそれを上回るパラメータに従って、電子線量波形の形状を調節するための命令を備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るパラメータは、検出器からの画像の性質、偏向器の性質、ドライバ電子機器の性質、検出器の性質、および電子線量波形のインジケーションのうちの1つまたはそれを上回るものについての情報を備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るパラメータは、電子線量波形のパルス幅またはパルス繰り返し率に関する最小、最大、または固定値のインジケーションを備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るパラメータは、偏向器、ドライバ電子機器、またはパターン発生器のタイミング制約を備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るパラメータは、サンプルまたはサンプル内のプロセスの特徴的な時間スケールを備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るパラメータは、時間依存性電圧バイアスまたは温度を備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るパラメータは、検出器の線量率またはタイミング考慮事項を備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るパラメータは、収集された、またはリアルタイム測定値からのデータ信号品質のインジケーションを備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るパラメータは、収集された、またはリアルタイム測定値からのサンプルに対する電子線量波形の強度の効果のインジケーションを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るプロセッサは、検出器の収集時間、検出器の1つまたはそれを上回るサブ部分の場所、サンプルエリアへの刺激の到着時間、または本デバイスの電子光学条件の変化に対する電子線量波形のタイミングを調節するための命令を備える。いくつかの実施形態では、パターン発生器は、アナログまたはデジタルパターン発生器である。いくつかの実施形態では、パターン発生器は、アナログ/デジタルコンバータを備える。
【0016】
別の側面では、本開示は、透過電子顕微鏡画像における線量を変調させるための方法を提供する。本方法は、サンプルエリアに向かって指向される、電子源を提供することと、電子源とサンプルエリアとの間に配置される、偏向器において電子線量波形を受信することであって、電子線量波形は、電子線量波形に従って、サンプルエリアに指向される電子源の強度を変調させる、ことと、変調された強度の少なくとも一部に関連する電子信号または電子誘起信号を出力することとを含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、電子線量波形は、連続的時間可変プロファイルを備える。いくつかの実施形態では、電子線量波形は、恣意的に定義された時間プロファイルを備える。いくつかの実施形態では、波形は、一連の中間地点を備える。いくつかの実施形態では、一連の中間地点は、恣意的に定義された時間プロファイルを構築するために、個々に、または集合的に選択可能である。いくつかの実施形態では、一連のものは、1,000個を上回る中間地点を備える。いくつかの実施形態では、恣意的に定義された時間プロファイルは、10ナノ秒未満の時間分解能を備える。いくつかの実施形態では、本方法は、ユーザから恣意的に定義された時間プロファイルのインジケーションを受信することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、任意の側面または実施形態のデバイスを提供することを含む。
【0018】
別の側面では、本開示は、透過電子顕微鏡(TEM)上の電子線量を変調させるためのコンピュータ実装方法を提供する。本方法は、(a)プロセッサにおいて、TEM内のサンプルエリアに指向される電子線量の強度の時間プロファイルの表現を備える、電子線量波形のインジケーションを受信することと、(b)インジケーションをTEMに伝送することであって、インジケーションを表す電気信号が、TEM内の偏向器を駆動し、それによって、電子線量の時間プロファイルを変調させる、ことと、(c)1つまたはそれを上回る調整可能パラメータを受信することであって、1つまたはそれを上回る調整可能パラメータは、TEM画像の性質、偏向器の性質、TEM内のドライバ電子機器の性質、TEM内の検出器の性質、および電子線量波形のインジケーションのうちの1つまたはそれを上回るものについての情報を備える、ことと、(d)1つまたはそれを上回るパラメータに基づいて、電子線量波形のインジケーションを更新することとを含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、本方法は、電子線量波形のインジケーションを連続的に更新することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、任意の側面または実施形態のデバイスを提供することを含む。
【0020】
本開示の別の側面は、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサと、それに結合されるコンピュータメモリとを備える、システムを提供する。コンピュータメモリは、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによる実行に応じて、上記または本明細書の別の場所の方法のうちのいずれかを実装する、機械実行可能コードを備える。
【0021】
本開示の付加的側面および利点が、本開示の例証的実施形態のみが示され、説明される、以下の詳細な説明から、当業者に容易に明白となるであろう。認識されるであろうように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、種々の明白な点で修正が可能である。故に、図面および説明は、本質的に例証的と見なされ、制限的と見なされるものではない。
【0022】
(参照による組み込み)
本明細書に言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個々に参照することによってその全体として組み込まれることが示される場合と同程度に、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。本明細書の用語と組み込まれた参考文献における用語との間で矛盾する場合、本明細書の用語が、優先される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の新規の特徴は、添付される請求項に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する以下の詳細な説明、および付随の図面を参照することによって、取得されるであろう。
【0024】
図1図1は、実施形態による、電子線量波形を送達するための偏向器を備える、デバイスの非限定的実施例を示す。
【0025】
図2図2は、実施形態による、偏向器の実施例を示す。
【0026】
図3図3は、実施形態による、透過電子顕微鏡画像における線量を変調させるためのコンピュータ実装方法の概略図を示す。
【0027】
図4図4は、実施形態による、電子顕微鏡画像における線量を変調させるための方法の概略図を示す。
【0028】
図5図5は、偏向器によって変調された電子線量波形を使用する線量減衰とともに撮影された高分解能TEM画像の実施例を示す。
【0029】
図6図6は、偏向器によって変調された電子線量波形を使用する高分解能電子顕微鏡法実験の概略図を示す。
【0030】
図7図7は、本開示の電子線量変調方法を実装するために使用され得る、コンピュータシステムの一実施例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
例えば、透過電子顕微鏡法(TEM)における使用のための電子線量を変調させるための方法およびシステムが、説明される。本開示のシステムおよび方法は、線量の関数形態および時間スケールが、精密かつ繰り返し可能な方式においてサンプルの動態に調整されることを可能にする。ある場合には、これは、TEM測定の間に電子線量の効果を低減または制御するために使用されてもよい。
【0032】
ある場合には、サンプルに対する電子線量の効果は、不利であり得る。例えば、線量は、サンプルを変形および移動させ、またはサンプルに熱または正味電荷を蓄積させ得、そのそれぞれは、不鮮明な画像につながり得る。ある場合には、サンプルの構造は、改変され得、したがって、着目される元の構造は、もはや可視ではなくなる。ある場合には、サンプルに対する電子線量の効果は、暴露の開始時に生じ得る。例えば、サンプルが、飛び跳ねる、または別様にしばらく不鮮明な画像をもたらし得る。ある場合には、これらの効果は、電子ビームがそれらに触れた後の限定された時間にわたって現れ得る。ある場合には、これらの効果は、暴露の後の時点で低減される、または消失し得る。ある場合には、サンプル収集の開始時の線量の効果は、サンプルが、測定の過程にわたって蓄積され得るものよりも少ない損傷を有し得るため、不利であり得る。ある場合には、線量の効果は、データの品質を低減させ得る。理論によって限定されるわけではないが、これは、例えば、過渡的荷電および/またはサンプル運動に起因し得る。ある場合には、サンプルに対する線量の効果は、時間に伴って電子線量を緩慢に変動させることによって軽減され得る。例えば、時間に伴って線量を変動させることは、線量が増加または減少するにつれて調節される機会をサンプルに与え得る。例えば、線量の効果は、短い繰り返し暴露の持続時間を制御することによって軽減され得る。
【0033】
ある場合には、電子線量誘起動態を研究することが、着目され得る。例えば、ナノ粒子の核生成および成長は、電子ビームの高強度バーストによって誘起され、例えば、続けて、低減された強度において測定され得る。プロセスの各段階における線量率を制御することによって、研究対象のプロセスの率は、検出器の帯域幅にわたって調節され得る。
【0034】
本開示は、サンプルエリアに向かって指向される、電子源と、電子信号または電子誘起信号を受信するための検出器と、電子源とサンプルとの間に位置付けられる、偏向器とを備える、システムおよびデバイスを提供する。偏向器は、電子線量波形に従って、サンプルエリアに指向される電子源の強度を変調させてもよい。波形は、連続的可変時間プロファイルを有してもよい。例えば、波形は、不均一な繰り返し率、不均一なパルス幅、または不均一なパルス形状のうちの1つまたはそれを上回るものを伴う時間プロファイルを有してもよい。偏向器は、サンプルエリアに指向される電子源(例えば、電子ビーム)に電場を印加してもよい。
【0035】
別様に定義されない限り、本明細書に使用される技術用語の全ては、本開示が属する分野における当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。
【0036】
本明細書および添付される請求項に使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に決定付けない限り、複数の参照を含む。本明細書の「または」の任意の言及は、別様に記載されない限り、「および/または」を包含することを意図している。
【0037】
本明細書に使用されるように、別様に規定されない限り、用語「約」または「おおよそ」は、当業者によって決定されるような特定の値に関する許容可能な誤差を意味し、これは、部分的に、値が測定または決定される方法に依存する。ある場合には、用語「約」または「おおよそ」は、1、2、3、または4標準偏差以内を意味する。ある場合には、用語「約」または「おおよそ」は、所与の値または範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.05%以内を意味する。ある場合には、用語「約」ある数は、その数±その数の10%を指す。ある場合には、範囲の文脈において使用されるときの用語「約」は、その最低値のマイナス10%およびその最大値のプラス10%のその範囲を指す。
【0038】
上記に記述されるように、例えば、透過電子顕微鏡法(TEM)画像における使用のための電子線量を変調させるための方法およびシステムが、説明される。本開示の方法およびシステムは、ビーム電流、収束角、および開口サイズ等の電子光学設定の調節によって電子線量を変調させる方法を改良し得る。そのような方法では、線量は、時間において迅速に変動され得ず、その方法は、技能を要求し得、本システムの多くのパラメータは、強度に伴って変化し得、これは、画像の品質を低減させ得る。
【0039】
別の実施例では、本開示の方法およびシステムは、キロヘルツ(kHz)またはそれよりも高いもの等の高周波数における動作が可能ではないシャッタおよび/またはブランカを使用して、ビームを完全にオンまたはオフにすることによって電子線量を変調させる方法を改良し得る。例えば、サンプルが測定されていない間、ビームは、オフにされ得る。そのような実施例では、線量率は、2つの値(オンおよびオフ)に固定され得る。
【0040】
別の実施例では、本開示の方法およびシステムは、電子ビームが走査プローブ測定のある部分の間にオフにされ、したがって、サンプルが疎らに測定される方法を改良し得る。スパース測定技法では、線量率は、サンプル全体を横断して均一に調節され得ず、したがって、高線量の効果は、サンプルの全ての場所において完全には制御され得ない。特殊化コンピュータアルゴリズムが、完全な測定の成果を推定するために使用され、それによって、潜在的に、スパース測定技法の難易度を増加させ得る。ある場合には、アルゴリズムは、完全な測定において存在するであろう詳細を見逃し得る。ある場合には、アルゴリズムは、完全な測定において存在しないであろう詳細を生じ得る。スパース測定技法では、サンプルの測定領域全体への線量は、経時的に迅速に変動され得ない。
【0041】
別の実施例では、本開示の方法およびシステムは、キャビティまたはストリップラインに基づく共振器を含む、無線周波数パルサによって電子線量を変調させる方法を改良し得る。例えば、共振無線周波数パルサは、ビームをギガヘルツ(GHz)時間スケールにおける同じパルスの均一な列に分断し得る。そのような実施例では、パルス列は、具体的繰り返し率および低い準固定デューティサイクルに制限され得る。そのような実施例では、共振パルサは、恣意的な波形を実行し得ない。ある場合には、共振パルサは、様々な電圧において動作することが可能な透過電子顕微鏡上で固定加速電圧のために具体的に配設され得る。そのような場合では、パルス化動作は、透過電子顕微鏡上の全ての可能性として考えられる光学設定のために利用可能ではない場合がある。
【0042】
若干関連する技法では、レーザ駆動カソード照明および/または光電子放出が、線量を変調させるために使用され得る。透過電子顕微鏡は、レーザ光がカソードに衝突すると、電子が放出されるように構成され得る。本目的のためにパルス化レーザを使用することによって、パルス化または変調された電子ビームが、生成され得る。レーザおよびカソードの物理的制約に起因して、本方法は、限定された調整範囲であり得る。したがって、これは、本開示のシステムおよび方法と同一の意味において恣意的な波形を実行し得ない。光電子放出方法はまた、本開示のシステムおよび方法と比較して、はるかにより技術的に困難かつ高価であり得、画像品質、最大ビーム電流、またはTEMコンポーネントの寿命に対する有害効果を有し得る。例えば、レーザ駆動光カソードは、連続波(CW)レーザの電力出力を調節することによって、連続電流を調節し得る(例えば、1%~100%の電力レベル調節)。いくつかの実施例では、レーザ駆動光カソードは、光電子電流以外のTEM上の測定パラメータを変更し得ない。
【0043】
図1は、実施形態による、電子線量波形を送達するための偏向器を備える、デバイスの非限定的実施例を示す。ある場合には、本デバイスは、器具の上に位置付けられる電子銃または他の源から発する電子ビームが、サンプルを通して下向きに伝搬する、高速静電偏向器を伴うTEMである。
【0044】
本明細書に提供されるものは、サンプルエリア110に向かって指向される、電子源102と、電子信号または電子誘起信号を受信するための検出器104と、電子源とサンプルとの間に位置付けられる、偏向器106とを備える、デバイスである。ある場合には、本デバイスは、透過電子顕微鏡であるが、しかしながら、本明細書に開示されるもの等の偏向器システムはまた、連続切片電子顕微鏡法(ssEM)、走査電子顕微鏡法(SEM)、反射電子顕微鏡法(REM)、走査透過電子顕微鏡法(STEM)、エネルギー分散X線分光分析(EDS)等の他の電子顕微鏡法および電子分光法用途と併せて使用されてもよい。これらの動作モードのうちの1つを上回るものが可能な器具が、存在する。電子源が、器具の底部または側上にあり得、ビームが上向きまたは水平に進行し得るような幾何学形状における変形例が、存在する。
【0045】
図1に示されるように、電子源102が、提供されてもよい。電子源は、制御可能な加速電圧において電子を放出してもよい。電子源は、サンプルエリアの方向に電子を放出してもよい。電子源は、電子銃を備えてもよい。電子源は、電子を放出する、熱フィラメント源を備えてもよい。電子源は、電子を放出する、電場放出源を備えてもよい。電子源は、1つまたはそれを上回る加速光学系を備えてもよい。例えば、加速光学系は、カソードと、アノードとを備えてもよい。アノードは、選択可能な電圧においてフィラメントから離れるように電子を加速させるための制御可能な電極電圧を備えてもよい。電子源は、電子源の空間プロファイルを成形するための一連の電子光学系を備えてもよい。例えば、電子源は、1つまたはそれを上回る静電または動電レンズを備えてもよい。ある場合には、電子源は、1つまたはそれを上回る操向偏向器によってサンプルに向かって指向されてもよい。操向偏向器はまた、サンプルエリアに到着する電子線量波形の時間プロファイルを制御するために使用される場合とそうではない場合がある。
【0046】
図1に示されるように、検出器104が、提供されてもよい。検出器は、サンプルエリアを通して伝搬した電子信号またはサンプルエリアからの電子誘起信号を受信してもよい。検出器は、2次元検出器アレイであってもよい。2次元検出器アレイは、いくつかの事例では、単一の検出器、例えば、個々のピクセルまたはピクセル群の2次元アレイを備える、CCDまたはCMOS画像センサを備えてもよい、またはいくつかの事例では、個々の検出器の2次元アレイ、例えば、CCDまたはCMOS画像センサの2次元アレイを指し得る。いくつかの事例では、2次元検出器アレイは、CMOS画像センサ、CCD画像センサ、暗視野STEM検出器、ファラデーカップセンサ、または他のタイプの検出器の組み合わせを含む、個々の検出器の2次元アレイを備えてもよい。いくつかの事例では、検出器は、エネルギー分散X線分光計(EDS)またはエネルギー分散X線(EDS)検出器を備えてもよい。EDS検出器は、電子誘起信号を測定し得る。例えば、EDS検出器は、電子ビームがサンプルエリアに衝突する際に後方散乱されるX線を測定し得る。ある場合には、X線は、電子ビームが、これがサンプルエリアを通して通過する際にサンプルと衝突および相互作用するときに発生され得る。
【0047】
開示される方法およびシステムにおける使用のための好適な検出器の実施例は、限定ではないが、電子によって衝突されるときに光子を放出する層を含む、電荷結合デバイス(CCD)画像センサおよびカメラ、電子によって衝突されるときに光子を放出する層を含む、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサおよびカメラ、電子直接検出(EDD)画像センサおよびカメラ(例えば、電子を直接検出するように設計されたCCD、CMOS、またはハイブリッドピクセル画像センサ)、飛行時間(ToF)画像センサおよびカメラ、暗視野STEM検出器、ファラデーカップ、クアッドフォトダイオード、環状暗視野検出器、明視野検出器、ユニバーサル検出器、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0048】
図1に示されるように、偏向器106が、提供されてもよい。偏向器は、電子源とサンプルとの間に位置付けられてもよい。偏向器は、図2に関して本明細書に説明される偏向器の実施形態、変形例、または実施例を備えてもよい。本開示のシステムおよび方法は、高速静電偏向器を使用してもよい。高速静電偏向器は、TEMにおいて電子ビームの源の後に設置されてもよい。いくつかの実施例では、いかなる電圧も、印加されないとき、電子ビームは、正常に透過し得、電圧が、印加されるとき、電子は、それらが開口を通して通過せず、それらがサンプルに到達しないような角度において偏向され得る。このように、ビームは、迅速にオンおよびオフにされてもよい。ある場合には、ビームが、開口108を通して伝搬してもよい。偏向器に印加される電圧は、電子ビームが開口を通して伝搬するか、または開口によって遮断されるかどうかを制御し得る。
【0049】
偏向器106は、サンプルエリアに指向される電子源の強度を変調させてもよい。変調は、以下、すなわち、パルス幅変調(PWM)、パルス密度変調(PDM)、またはデルタ変調(DM)のうちの1つまたは組み合わせを通して達成されてもよい。偏向器による電子源の変調は、電子線量波形に関連し得る。提供される波形は、サンプルエリアに到着する電子の量(例えば、線量)を変調させてもよい。ある場合には、波形は、サンプルエリアにおける平均線量の時間プロファイルを決定してもよい。いくつかの実施例では、平均線量の時間プロファイルを決定する波形が、提供されてもよい。平均線量の時間プロファイルは、ユーザによって示されてもよい。示される時間プロファイルは、波形に変換されてもよい。波形への変換は、本明細書に開示されるような命令を備えるプロセッサによって実施または支援されてもよい。波形は、時間に伴って平均線量を変動させる、オン-オフ波形であってもよい。波形は、動作電圧に増幅され、高速静電偏向器に印加されてもよい。
【0050】
理論によって限定されるわけではないが、PDMおよび/またはDM変調スキームは、オン-オフ遷移の数を最小限にする目標と平滑な時変強度の生成の目標とを平衡させ得る。オン-オフ遷移は、少なくともいくつかの事例において不利であり得、第1に、それらは、電力を消費し得、これは、線量波形の最大時間分解能を限定し得、第2に、オンとオフとの間の遷移の間の中間状態は、データ品質を低減させ得る。PDMおよび/またはDMシステムは、本質的に、不均一なパルス持続時間を活用し得る。例えば、PDMスキームでは、時間に対するパルスの密度は、例えば、周期関数等の基準関数に従って変動され得る。例えば、DMスキームでは、時間に対するパルス持続時間は、例えば、周期関数等の基準関数に従って変動され得る。
【0051】
電子線量波形は、恣意的に定義された時間プロファイルを有してもよい。恣意的に定義された電子線量プロファイルは、規則的な周期関数によって決定付けられないプロファイルであってもよい。規則的な周期関数は、パルスパターンまたは規則的なパルスパターン、例えば、方形波、正弦波、または規則的に繰り返すパルスを含んでもよく、非周期関数は、ランプパルス、ガウシアン、ローレンチアン、指数関数的上昇、指数関数的減衰、および半正矢関数を含んでもよい。恣意的に定義された電子線量波形は、規則的なパルス幅を有していない、または規則的な繰り返し率を有していない、または両方を有していない電子線量波形であってもよい。恣意的に定義された電子線量波形は、選択可能な不規則的なパルス幅を有する、または選択可能な不規則的な繰り返し率を有する、または両方を有する電子線量波形であってもよい。
【0052】
ある場合には、恣意的に定義された電子線量プロファイルは、一連の点(例えば、中間地点)を伴う線量プロファイルを備えてもよい。波形は、一連の点から補間されてもよい。一連の中間地点は、恣意的に定義された時間プロファイルを構築するために、個々に、または集合的に選択可能である。ある場合には、恣意的に定義された時間プロファイルは、ユーザによって示される。ある場合には、ユーザが、関数を提供してもよく、一連の中間地点が、発生されてもよい。ある場合には、ユーザが、波形を変化させるために、中間地点または中間地点のセットを個々に移動させてもよい。ある場合には、電子線量波形は、非周期的である。
【0053】
ある場合には、時間プロファイルは、時間分解能を備える。ある場合には、時間分解能は、恣意的に定義された時間プロファイルにおける中間地点の間の距離として定義される。時間分解能は、約100ナノ秒(ナノ秒)未満であってもよい。時間分解能は、約50ナノ秒未満であってもよい。時間分解能は、約10ナノ秒未満であってもよい。時間分解能は、随意に、約100ナノ秒未満、約50ナノ秒未満、約20ナノ秒未満、約10ナノ秒未満、約5ナノ秒未満、約1ナノ秒未満、約500ピコ秒(ピコ秒)未満、約250ピコ秒未満、約100ピコ秒未満、約50ピコ秒未満、約20ピコ秒未満、約10ピコ秒未満、またはそれを下回ってもよい。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、時間分解能は、約100ナノ秒~約5ナノ秒、約50ナノ秒~約1ナノ秒、または約20ナノ秒~約1ナノ秒の範囲内であってもよい。
【0054】
ある場合には、一連の中間地点は、約1,000個を上回る中間地点を備える。ある場合には、一連の中間地点は、約10,000個を上回る中間地点を備える。ある場合には、一連の中間地点は、約100,000個を上回る中間地点を備える。ある場合には、一連の中間地点は、約1,000,000個より多くのまたはそれを上回る中間地点を備える。ある場合には、一連の中間地点は、約10,000個の中間地点~約1,000,000個の中間地点を備える。ある場合には、一連の中間地点は、数回繰り返され、一連の系列を形成する。ある場合には、系列は、約10回、約100回、約1,000回、約10,000回、約100,000回、約1,000,000回、またはそれを上回って繰り返される。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、時系列における繰り返しの数は、約10~約10,000、約1~約100、または約1~約1,000の範囲内であってもよい。
【0055】
ある場合には、波形は、系列内に複数のパルスを備えてもよい。例えば、電子線量波形は、ポンプパルスと、プローブパルスとを備えてもよい。ポンプ-プローブ実験が、サンプル内の時間依存性プロセスを測定するために使用されてもよい。ある場合には、ポンプパルスおよびプローブパルスは、同一の形状、例えば、2つのガウシアン、2つのローレンチアン、2つの方形波等を有してもよい。ある場合には、2つのパルスの形状は、異なる、例えば、指数関数的減衰およびガウシアンまたは本明細書に説明される任意の2つの他のパルスタイプであってもよい。一連のパルスは、数回繰り返され、一連の系列を形成してもよい。ある場合には、系列は、約10回、約100回、約1,000回、約10,000回、約100,000回、約1,000,000回、またはそれを上回って繰り返される。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、時系列における繰り返しの数は、約10~約10,000、約1~約100、または約1~約1,000の範囲内であってもよい。
【0056】
ある場合には、一連の電子線量波形の繰り返し率は、約1kHより大きい、約5kHzより大きい、約10kHzより大きい、約20kHzより大きい、約50kHzより大きい、約100kHzより大きい、またはそれを上回る。ある場合には、一連の電子線量波形の繰り返し率は、約1,000MHz未満、約500MHz未満、約200MHz未満、約100MHz未満、またはそれを下回る。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、一連の電子線量波形の繰り返し率は、約500kHz~約1MHz、約100kHz~約10MHz、または約10kHz~約100MHzであってもよい。
【0057】
ある場合には、一連の電子線量波形の最小繰り返し周期は、随意に、約100ミリ秒(ミリ秒)未満、約50ミリ秒未満、約20ミリ秒未満、約10ミリ秒未満、約5ミリ秒未満、約1マイクロ秒(マイクロ秒)未満、約500マイクロ秒未満、約250マイクロ秒未満、約100マイクロ秒未満、約50マイクロ秒未満、約20マイクロ秒未満、約10マイクロ秒未満、またはそれを下回ってもよい。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、最小繰り返し周期は、約1ミリ秒~約1マイクロ秒、約100マイクロ秒~約1マイクロ秒、または約20ナノ秒~約1マイクロ秒の範囲内であってもよい。
【0058】
電子線量波形は、連続的可変時間プロファイルを有してもよい。例えば、ユーザが、波形を決定してもよく、後で、波形を改変してもよい。改変は、1つまたはそれを上回る中間地点の場所を変更すること、一連の波形の繰り返しの間の時間を変更すること、繰り返しの数を変更すること等を備えてもよい。ある場合には、方形波のパルスの幅は、動的に変更されてもよい。例えば、一連の方形波のパルス幅は、非周期的である、または連続的に調節可能な周期性を有してもよい。
【0059】
いくつかの実施例では、ユーザは、恣意的に定義された時間プロファイルと規則的な周期関数との間で選定してもよい。例えば、偏向器は、パルスパターンまたは規則的なパルスパターン、例えば、方形波、正弦波、またはTTLパルスを提供してもよく、偏向器への規則的に繰り返すパルス、ランプパルス、ガウシアン、ローレンチアン、指数関数的上昇、指数関数的減衰、および半正矢関数を含んでもよい。ある場合には、電子線量波形は、周期的である。
【0060】
ある場合には、高偏向器電圧と低偏向器電圧との間の遷移は、遷移時間によって特徴付けられてもよい。例えば、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、リンギング時間+スロープ時間の和として定義される、約50ナノ秒未満である。ある場合には、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、約1マイクロ秒未満、約500ナノ秒未満、約250ナノ秒未満、約100ナノ秒未満、約50ナノ秒未満、約20ナノ秒未満、約10ナノ秒未満、約5ナノ秒未満、またはそれを下回る。
【0061】
ある場合には、高偏向器電圧と低偏向器電圧との間の遷移は、遷移時間によって特徴付けられてもよい。例えば、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、約10%~約90%の遷移電圧のスロープ時間として定義される、約10ナノ秒未満である。ある場合には、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、約1マイクロ秒未満、約500ナノ秒未満、約250ナノ秒未満、約100ナノ秒未満、約50ナノ秒未満、約20ナノ秒未満、約10ナノ秒未満、約5ナノ秒未満、約2ナノ秒未満、約1ナノ秒未満、またはそれを下回る。
【0062】
ある場合には、電子線量波形は、最短暴露時間によって特徴付けられる。例えば、電子線量波形は、約100ナノ秒の最短暴露時間を備えてもよい。ある場合には、最短暴露時間は、約1マイクロ秒未満、約500ナノ秒未満、約250ナノ秒未満、約100ナノ秒未満、約50ナノ秒未満、約20ナノ秒未満、約10ナノ秒未満、約5ナノ秒未満、約2ナノ秒未満、約1ナノ秒未満、またはそれを下回る。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、最短暴露時間は、約500ナノ秒~約1ナノ秒、約100ナノ秒~約5ナノ秒、約50ナノ秒~約1ナノ秒、または約20ナノ秒~約1ナノ秒の範囲内であってもよい。
【0063】
ある場合には、時間プロファイルは、パルス幅を備える。最小パルス幅は、約100ナノ秒(ナノ秒)未満であってもよい。最小パルス幅は、約50ナノ秒未満であってもよい。時間分解能は、約10ナノ秒未満であってもよい。最小パルス幅は、随意に、約100ナノ秒未満、約50ナノ秒未満、約20ナノ秒未満、約10ナノ秒未満、約5ナノ秒未満、約1ナノ秒未満、約500ピコ秒(ピコ秒)未満、約250ピコ秒未満、約100ピコ秒未満、約50ピコ秒未満、約20ピコ秒未満、約10ピコ秒未満、またはそれを下回ってもよい。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、最小パルス幅は、約100ナノ秒~約5ナノ秒、約50ナノ秒~約1ナノ秒、または約20ナノ秒~約1ナノ秒の範囲内であってもよい。
【0064】
ある場合には、時間プロファイルは、最速パルス持続時間を備える。最速パルス持続時間は、約200ナノ秒(ナノ秒)未満であってもよい。最速パルス持続時間は、約100ナノ秒未満であってもよい。時間分解能は、約50ナノ秒未満であってもよい。最速パルス持続時間は、随意に、約100ナノ秒未満、約50ナノ秒未満、約20ナノ秒未満、約10ナノ秒未満、約5ナノ秒未満、約1ナノ秒未満、約500ピコ秒(ピコ秒)未満、約250ピコ秒未満、約100ピコ秒未満、約50ピコ秒未満、約20ピコ秒未満、約10ピコ秒未満、またはそれを下回ってもよい。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、最速パルス持続時間は、約100ナノ秒~約5ナノ秒、約50ナノ秒~約1ナノ秒、または約20ナノ秒~約1ナノ秒の範囲内であってもよい。
【0065】
いくつかの実施例では、線量変調は、高速静電シャッタを使用して実装されてもよい。電子ビームは、平均線量が低減されるように、固定繰り返し率(kHz~MHz)において迅速にブランキングされてもよい。本実施例では、ピーク線量率は、変化し得ない。平均線量率または繰り返し周波数が、変更されると、設定は、遅延後に有効になり得る。ある場合には、遅延は、非繰り返し可能な遅延、規則的に繰り返し可能な遅延、または不規則的に繰り返される遅延であってもよい。
【0066】
シャッタモードにおける電子線量波形の繰り返し率は、約80kV(キロボルト)~約300kVの範囲内の電子ビームの電圧において約500kHz(キロヘルツ)~約1MHz(メガヘルツ)の範囲内であってもよい。繰り返し率は、約80kV~約300kVの範囲内の電子ビームの電圧において約10kHz~約100MHzの範囲内であってもよい。繰り返し率は、約0.5kV~約1,000kVの範囲内の電子ビームの電圧において約500kHz~約1MHzの範囲内であってもよい。
【0067】
ある場合には、電子線量波形の繰り返し率は、約1kHzより大きい、約5kHzより大きい、約10kHzより大きい、約20kHzより大きい、約50kHzより大きい、約100kHzより大きい、またはそれを上回る。ある場合には、電子線量波形の繰り返し率は、約1,000MHz未満、約500MHz未満、約200MHz未満、約100MHz未満、またはそれを下回る。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲、例えば、約500kHz~約1MHz、約100kHz~約10MHz、または約10kHz~約100MHzを形成するように組み合わせられてもよい。
【0068】
図1に示されるように、本デバイスは、駆動電子機器120と、デジタルパターン発生器130と、シーケンス発生アルゴリズム140とを備えてもよい。シーケンス発生アルゴリズムは、図3に関して本明細書に説明される偏向器の実施形態、変形例、または実施例を備えてもよい。例えば、パターン発生器は、電子線量波形を表す電気信号を生じてもよい。ドライバ電子機器は、パターン発生器から電気信号を受信し、電子線量波形を備える電圧を偏向器に供給してもよい。シーケンス発生アルゴリズムは、ユーザへの電子線量波形のインジケーションを受信し、インジケーションをパターン発生器に送達し、電気信号を生じてもよい。
【0069】
図2は、実施形態による、偏向器106の実施例を示す。偏向器は、1つまたはそれを上回る電極を備えてもよい。偏向器は、電極の2つまたはそれを上回る対を備えてもよい。電極の各対は、異なる方向に電子を移動させてもよい。いくつかの実施例では、電極の種々の対は、異なる軸において電子を移動させてもよい。示される実施例では、検出器は、プレートのように成形される、2つの電極X1およびX2を有する。
【0070】
ある場合には、偏向器は、駆動電極と、固定電圧における電極とを備える。ある場合には、偏向器は、固定電圧において保持され、固定電圧において第2の電極として作用する、顕微鏡の一部の近傍の駆動電極を備える。いくつかの事例では、顕微鏡の一部は、接地されたビーム管である。いくつかの事例では、駆動電圧の大きさは、約0ボルト~約10キロボルト(kV)に及んでもよい。いくつかの事例では、駆動電圧の大きさは、少なくとも0ボルト、少なくとも10ボルト、少なくとも100ボルト、少なくとも500ボルト、少なくとも1,000ボルト、少なくとも5kV、または少なくとも10kVであってもよい。いくつかの事例では、駆動電圧の大きさは、多くても10kV、多くても5kV、多くても1,000ボルト、多くても500ボルト、多くても100ボルト、多くても10ボルト、または約0ボルトであってもよい。ある場合には、駆動電圧は、約±100~約±200ボルト(V)の範囲内である。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、駆動電圧は、約±1~約±2,000V、約±10~約±1,000V、約±20~約±500V、または約±50~約±500Vの範囲内であってもよい。
【0071】
ある場合には、偏向器は、2つの駆動電極を備える。例えば、2つの駆動電極は、反対の電圧を有してもよい。2つの駆動電極は、等しい反対の電圧または不等の電圧を有してもよい。いくつかの事例では、駆動電圧の大きさは、約0ボルト~約10kVに及んでもよい。いくつかの事例では、駆動電圧の大きさは、少なくとも0ボルト、少なくとも10ボルト、少なくとも100ボルト、少なくとも500ボルト、少なくとも1,000ボルト、少なくとも5kV、または少なくとも10kVであってもよい。いくつかの事例では、駆動電圧の大きさは、多くても10kV、多くても5kV、多くても1,000ボルト、多くても500ボルト、多くても100ボルト、多くても10ボルト、または約0ボルトであってもよい。ある場合には、駆動電圧は、約±100~約±200ボルト(V)の範囲内である。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、駆動電圧は、約±1~約±2,000V、約±10~約±1,000V、約±20~約±500V、または約±50~約±500Vの範囲内であってもよい。
【0072】
示されるように、偏向器は、ビーム偏向システムの一部であってもよい。例えば、ビーム偏向システムは、駆動電子機器120と、デジタルパターン発生器130と、シーケンス発生アルゴリズム140とを備えてもよい。シーケンス発生アルゴリズムは、図3に関して本明細書に説明される偏向器の実施形態、変形例、または実施例を備えてもよい。シーケンス発生アルゴリズムは、デジタル信号をデジタルパターン発生器に提供してもよい。
【0073】
デバイスは、駆動電子機器120を備えてもよい。駆動電子機器は、デジタルパターン発生器から電気信号を受信し、電圧を出力し、偏向器の電極を駆動する。駆動電子機器は、デジタル電力増幅器を備えてもよい。デジタル電力増幅器は、偏向器プレートにおいて着信デジタルパターンをミラーリングしてもよい。駆動電子機器は、PWM変調スキームにおける波形の柔軟性を促進し得る。駆動電子機器は、アナログ信号調整コンポーネント、例えば、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、DCオフセット、接地、遮蔽等を備えてもよい。駆動電子機器は、電極を駆動するための別個のチャネルを備えてもよい。
【0074】
駆動電子機器は、高速遷移時間を提供してもよい。ある場合には、高偏向器電圧と低偏向器電圧との間の遷移は、遷移時間によって特徴付けられてもよい。例えば、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、リンギング時間+スロープ時間の和として定義される、約50ナノ秒未満である。ある場合には、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、約1マイクロ秒未満、約500ナノ秒未満、約250ナノ秒未満、約100ナノ秒未満、約50ナノ秒未満、約20ナノ秒未満、約10ナノ秒未満、約5ナノ秒未満、またはそれを下回る。ある場合には、高偏向器電圧と低偏向器電圧との間の遷移は、遷移時間によって特徴付けられてもよい。例えば、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、約10%~約90%の遷移電圧のスロープ時間として定義される、約10ナノ秒未満である。ある場合には、高電圧と低電圧との間の遷移時間は、約1マイクロ秒未満、約500ナノ秒未満、約250ナノ秒未満、約100ナノ秒未満、約50ナノ秒未満、約20ナノ秒未満、約10ナノ秒未満、約5ナノ秒未満、約2ナノ秒未満、約1ナノ秒未満、またはそれを下回る。
【0075】
駆動電子機器は、持続される高周波数を提供してもよい。例えば、駆動電子機器によって提供される周波数は、約80kV~約300kVの範囲内の電子ビームの電圧において約500kHz(キロヘルツ)~約1MHz(メガヘルツ)の範囲内であってもよい。駆動電子機器によって提供される周波数は、約80kV~約300kVの範囲内の電子ビームの電圧において約10kHz~約100MHzの範囲内であってもよい。駆動電子機器によって提供される周波数は、約0.5kV~約1,000kVの範囲内の電子ビームの電圧において約500kHz~約1MHzの範囲内であってもよい。
【0076】
ある場合には、駆動電子機器によって提供される周波数は、約1kHzより大きい、約5kHzより大きい、約10kHzより大きい、約20kHzより大きい、約50kHzより大きい、約100kHzより大きい、またはそれを上回る。ある場合には、駆動電子機器によって提供される周波数は、約1,000MHz未満、約500MHz未満、約200MHz未満、約100MHz未満、またはそれを下回る。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲、例えば、約500kHz~約1MHz、約100kHz~約10MHz、または約10kHz~約100MHzを形成するように組み合わせられてもよい。
【0077】
デバイスは、パターン発生器130を備えてもよい。パターン発生器は、アナログまたはデジタルパターン発生器であってもよい。デジタルパターン発生器は、アルゴリズムから波形のインジケーションをとり、電子線量波形を表す電気信号を生じてもよい。電子線量波形を表す信号は、駆動電子機器によって偏向器に提供されるものよりも低い電圧信号であってもよい。デジタルパターン発生器は、波形の形状に関連する種々のパラメータを受信してもよい。パラメータは、ともに、波形のインジケーションを備えてもよい。種々のパラメータは、本明細書に開示されるような波形の性質のうちのいずれかのインジケーションを備えてもよい。デジタルパターン発生器は、本明細書に開示されるような顕微鏡の他の部分から同期信号を受信してもよい。パターン発生器は、プログラム可能であってもよい。パターン発生器は、シーケンス発生アルゴリズムに関して本明細書に説明されるもの等、顕微鏡内の他のセンサおよびワークフローと統合されてもよい。デジタルパターン発生器は、パルス幅変調器を備えてもよい。デジタルパターン発生器は、DM、PWM、および/またはPDM変調スキームを発生させてもよい。デジタルパターン発生器は、デジタル/アナログ(DAC)コンバータまたはアナログ/デジタルコンバータ(ADC)を備えてもよい。ある場合には、デジタルパターン発生器は、顕微鏡の1つまたはそれを上回るコンポーネントを制御し、例えば、これを線量波形と同期させるために、DACおよび/またはADCを備える。
【0078】
ある場合には、電子線量波形は、サンプルエリアに向かって指向される電子源の平均強度を変調させてもよい。ある場合には、平均強度は、実質的に他の画像条件の変化を伴わずに変調されてもよい。例えば、波形の時間プロファイルが、設定されてもよく、器具の整合が、設定されてもよいが、電子線量の平均強度を変更することが、望ましくあり得る。
【0079】
示されるように、ノブ210が、デジタルパターン発生器に接続されてもよい。ノブ210は、平均強度を調節するための物理または仮想ノブであってもよい。ある場合には、平均強度は、電子源の駆動電圧から独立して制御可能である。例えば、平均強度は、電子パルスの間の時間遅延の調節、電子パルス持続時間の狭化、または波形の振幅の直接的な調節を備えてもよい。
【0080】
ある場合には、平均強度は、0~100%の線量透過または0~100%の線量減衰の範囲を横断して連続的に可変である。線量減衰(減衰率とも称される)は、比率a/bとして表されてもよく、aは、パルス幅であり、bは、電子線量波形の周期である。線量減衰は、パーセンテージとして表されてもよい。線量透過は、関係、すなわち、線量透過=100%-パーセンテージとして表される線量減衰によって、線量減衰に関連し得る。
【0081】
ある場合には、平均強度は、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、約0.1%、約0.05%、約0.01%、約0.001%、またはそれ未満の増分において、0~100%の線量透過または0~100%の線量減衰の範囲を横断して連続的に可変である。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、線量減衰は、約30%~約0.01%、約10%~約0.1%、約30%~約1%、約10%~約0.01%等の範囲内の増分において変動されてもよい。
【0082】
パルス幅および周期の比率(a/b)は、経時的に変動されてもよい。例えば、これは、20秒の経過にわたって変動されてもよい。比率は、約100秒(秒)未満、約50秒未満、約20秒未満、約10秒未満、約5秒未満、約1秒未満、約500ミリ秒未満、約250ミリ秒未満、約100ミリ秒未満、約50ミリ秒未満、約20ミリ秒未満、約10ミリ秒未満、またはそれを下回る時間にわたって変動されてもよい。本段落に説明される下限値および上限値のうちのいずれかは、本開示内に含まれる範囲を形成するように組み合わせられてもよく、例えば、比率は、約100秒~約1ミリ秒、約100秒~約1秒、または約50秒~約1秒等の範囲内の時間にわたって変動されてもよい。
【0083】
図3は、実施形態による、透過電子顕微鏡画像における線量を変調させるためのコンピュータまたはプロセッサ実装方法の概略図を示す。本デバイスは、例えば、プロセッサおよびコンピュータの節に関して本明細書に説明されるもの等の1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサを備えてもよい。1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサは、実行されると、本明細書に説明される方法を実装するように構成される、命令を備えてもよい。
【0084】
例えば、プロセッサは、電子線量波形、例えば、線量波形302のインジケーションを受信してもよい。プロセッサは、インジケーションをビーム偏向システム320a、320b内のパターン発生器に送達してもよい。プロセッサはまた、波形を発生させるための方法のステップを含む、命令を備えてもよい。プロセッサはまた、種々のパラメータに応答して、波形を調節するための方法のステップを含む、命令を備えてもよい。シーケンス発生アルゴリズム140は、コンポーネント304、306、308、310、312、314、316、および318のうちの1つまたはそれを上回るものを備えてもよい。
【0085】
例えば、電子線量波形の形状が、1つまたはそれを上回るパラメータに従って調節されてもよい。ある場合には、測定品質を改良する、または器具の外部変化に応答する、または両方のために、画像、偏向器、ドライバ、検出器、または波形の性質に従って、波形の特性、例えば、波形の時間プロファイルを連続的に調節することが、有利であり得る。波形の時間プロファイルの自動的更新は、測定条件の変化を補正することによって、または改良された測定設定を自動的に入力することによって、ユーザ体験を簡略化し得る。
【0086】
例えば、1つまたはそれを上回るパラメータは、検出器からの画像の性質、偏向器の性質、ドライバ電子機器の性質、検出器の性質、および電子線量波形のインジケーションのうちの1つまたはそれを上回るものについての情報を備えてもよい。ある場合には、1つまたはそれを上回るパラメータは、電子線量波形のパルス幅またはパルス繰り返し率に関する最小、最大、または固定値のインジケーションを備える。例えば、波形は、ユーザによる波形のインジケーションが、本デバイスの機能的能力を超え得ないように調節されてもよい。ある場合には、波形のインジケーションは、例えば、ランプ電圧が設定レベルを超えないように、ユーザによって設定された波形の固定パラメータを超え得ない。
【0087】
ある場合には、1つまたはそれを上回るパラメータは、偏向器、ドライバ電子機器、またはパターン発生器のタイミング制約を備える。例えば、偏向器が、電子が検出器の収集間隔の間に検出器に通過し得るように、タイミング調整されてもよい。例えば、偏向器のパターン発生器が、電子が収集間隔の間に検出器に通過するように、タイミング調整されてもよい。例えば、偏向は、長い時間周期にわたる検出器からの読出値と同期されてもよい。時間周期は、例えば、最大8時間またはそれを上回るデータ入手周期であってもよい。偏向器および検出器のタイミングは、2つのプロセスに関するタイミング精度が、例えば、2つのプロセスの同期が50ミリ秒以内の精度である、またはより良好である、定義された性能仕様を満たすようなものであってもよい。
【0088】
ある場合には、1つまたはそれを上回るパラメータは、サンプルまたはサンプル内のプロセスの特徴的な時間スケールを備える。例えば、電子線量は、サンプルを変形および移動させ、またはサンプルに熱または正味電荷を蓄積させ得、そのそれぞれは、不鮮明な画像につながり得る。ある場合には、サンプルの構造は、改変され得、したがって、着目される元の構造は、もはや可視ではなくなる。これらのプロセスはそれぞれ、特徴的な時間スケールを有し得る。例えば、サンプルに対する電子線量の効果は、暴露の開始時に生じ得る、または電子ビームが最初にサンプルに触れた後の限定された時間にわたって現れ得る。これらの効果は、暴露の後の時点で低減される、または消失し得る。故に、電子線量波形は、時間に伴って電子線量を緩慢に変動させること等によって、自動的に調節されてもよい。時間に伴って線量を変動させることは、線量が増加または減少するにつれて調節される機会をサンプルに与え得る。別の実施例として、線量の効果は、短い繰り返し暴露の持続時間を制御することによって軽減され得る。
【0089】
ある場合には、1つまたはそれを上回るパラメータは、時間依存性電圧バイアスまたは温度を備える。例えば、電圧バイアスまたは温度が、サンプル保持器によってサンプルに印加され得、これは、最適な線量波形を変化させ得る。例えば、電子線量は、サンプルに熱または正味電荷を蓄積させ得、そのそれぞれは、不鮮明な画像につながり得る。例えば、サンプルまたは器具の温度が、ドリフトし得、波形は、応答するために調節されてもよい。波形は、誘起される電圧または電流変化を限定するために、または熱または電荷変動に基づく信号またはサンプルの変化に応答するために、平均線量を上昇または低下させるように適合してもよい。
【0090】
ある場合には、1つまたはそれを上回るパラメータは、検出器の線量率またはタイミング考慮事項を備える。例えば、偏向器が、電子が検出器の収集間隔の間に検出器に通過し得るように、タイミング調整されてもよい。例えば、波形は、長い時間周期にわたる検出器からの読出値と同期されてもよい。時間周期は、例えば、最大8時間またはそれを上回るデータ入手周期であってもよい。波形および検出器のタイミングは、2つのプロセスに関するタイミング精度が、例えば、2つのプロセスの同期が50ミリ秒以内の精度である、またはより良好である、定義された性能仕様を満たすようなものであってもよい。
【0091】
ある場合には、1つまたはそれを上回るパラメータは、収集された、またはリアルタイム測定値からのデータ信号品質のインジケーションを備える。ある場合には、1つまたはそれを上回るパラメータは、収集された、またはリアルタイム測定値からのサンプルに対する電子線量波形の強度の効果のインジケーションを備える。ある場合には、線量の効果は、データの品質を低減させ得る。理論によって限定されるわけではないが、これは、例えば、過渡的荷電および/またはサンプル運動に起因し得る。ある場合には、リアルタイム画像に応答して、電子線量の1つまたはそれを上回るパラメータを自動的に調節することが、有利であり得る。
【0092】
ある場合には、ユーザからの波形のインジケーションは、波形発生器304に入力されてもよい。波形のインジケーションは、予備波形306を生成するために入力されてもよい。
【0093】
ある場合には、予備波形304は、1つまたはそれを上回る制約308に従って調節されてもよい。制約は、電子線量波形のパルス幅またはパルス繰り返し率に関する最小、最大、または固定値のインジケーションを備えてもよい。このように、ユーザによる波形のインジケーションは、本デバイスの機能的能力を超え得ない。ある場合には、波形のインジケーションは、例えば、ランプ電圧が設定レベルを超えないように、ユーザによって設定された波形の固定パラメータを超え得ない。ある場合には、制約は、偏向器、ドライバ電子機器、またはパターン発生器のタイミング制約を備えてもよい。このように、ユーザによる波形のインジケーションは、本デバイスの機能的能力を超え得ない。ある場合には、制約は、サンプルまたはサンプル内のプロセスの特徴的な時間スケールを備えてもよい。例えば、ユーザは、サンプルまたはサンプル内のプロセスの理解に基づいて、漂白時間またはサンプル破壊時間を把握し得る。波形は、そのようなプロセスを限定するために、平均暴露を限定するように自動的に適合されてもよい。制約は、検出器の収集時間、検出器の1つまたはそれを上回るサブ部分の場所、サンプルエリアへの刺激の到着時間、または本デバイスの電子光学条件の変化に対する電子線量波形のタイミングを備えてもよい。
【0094】
1つまたはそれを上回る制約308は、波形発生器310を使用して、更新された波形312を生成するために使用されてもよい。ある場合には、更新された波形は、ビーム偏向システム320a内のパターン発生器に送達されてもよい。更新された波形は、パターン発生器に送達されるべき波形のインジケーションを備えてもよい。図3は、制約308の使用を示すが、ある場合には、制約は、使用されなくてもよい。例えば、予備波形306が、リアルタイムセンサ情報の使用の有無を問わず、波形発生器316に直接フィードされてもよい。
【0095】
ある場合には、電子線量波形は、リアルタイムセンサ情報314に応答して、1つまたはそれを上回るパラメータに従って調節されてもよい。リアルタイムセンサ情報は、時間依存性電圧バイアスまたは温度を備えてもよい。例えば、サンプルまたは器具の温度が、ドリフトし得、波形は、応答するために調節されてもよい。例えば、波形は、電子加速電圧におけるドリフト、またはサンプルの荷電、または浮遊磁場に関して調節されてもよい。リアルタイムセンサ情報は、検出器の線量率またはタイミング考慮事項を備えてもよい。例えば、波形は、検出器の線量率が検出器閾値を超え始める場合に修正されてもよい。例えば、波形は、これが検出器の時間的応答時間を超える場合に修正されてもよい。リアルタイムセンサ情報は、収集された、またはリアルタイム測定値からのデータ信号品質のインジケーションを備えてもよい。リアルタイムセンサ情報は、収集された、またはリアルタイム測定値からのサンプルに対する電子線量波形の強度の効果のインジケーションを備えてもよい。例えば、サンプルが、信号を喪失し始める場合、波形は、強度を増加させ、信号を上昇させるように修正されてもよい。リアルタイムセンサ情報は、検出器の収集時間、検出器の1つまたはそれを上回るサブ部分の場所、サンプルエリアへの刺激の到着時間、または本デバイスの電子光学条件の変化に対する電子線量波形のタイミングを備えてもよい。
【0096】
リアルタイムセンサ情報314は、波形発生器316を使用して、第2の更新された波形318を生成するために使用されてもよい。ある場合には、第2の更新された波形は、ビーム偏向システム320b内のパターン発生器に送達されてもよい。更新された波形は、パターン発生器に送達されるべき波形のインジケーションを備えてもよい。
【0097】
ある場合には、リアルタイムセンサ情報は、第3の更新された波形、第4の更新された波形、またはそれを上回るものを生成するために使用されてもよい。リアルタイムセンサ情報は、波形発生器316に繰り返しフィードバックされてもよい。例えば、リアルタイムセンサ情報は、10秒毎、1秒毎、100ミリ秒毎、10ミリ秒毎、1ミリ秒毎、100ナノ秒毎、10ナノ秒毎、1ナノ秒毎、またはそれ未満で波形を更新するために使用されてもよい。波形発生器は、実質的にリアルタイムで更新されてもよい。ある場合には、リアルタイムセンサ情報は、ビーム偏向システム320bに指向されてもよい。
【0098】
図4は、実施形態による、電子顕微鏡画像における線量を変調させるための方法の概略図を示す。動作410において、方法400は、サンプルエリアに向かって指向される、電子源を提供することを含んでもよい。電子源は、図1の源102を備えてもよい。サンプルエリアは、図1のサンプルエリア110を備えてもよい。
【0099】
動作420において、方法400は、電子源とサンプルエリアとの間に配置される、偏向器において電子線量波形を受信することを含んでもよい。偏向器は、図1の偏向器106を備えてもよい。電子線量波形は、サンプルエリアに指向される電子源の強度を変調させてもよい。電子線量波形は、本明細書に開示されるような任意または全ての可変パラメータを含む、波形のうちのいずれかを備えてもよい。電子線量波形は、図1に関して本明細書に開示される特性のうちのいずれかを備えてもよい。電子線量波形は、図3に関して説明されるもの等の本明細書の任意の方法によって発生されてもよい。
【0100】
例えば、偏向器による電子源の変調は、電子線量波形に関連し得る。提供される波形は、サンプルエリアに到着する電子の量(例えば、線量)を変調させてもよい。ある場合には、波形は、サンプルエリアにおける平均線量の時間プロファイルを決定してもよい。いくつかの実施例では、平均線量の時間プロファイルを決定する波形が、提供されてもよい。
【0101】
ある場合には、方法400はさらに、ユーザから平均線量の時間プロファイルのインジケーションを受信することを含む。示される時間プロファイルは、波形に変換されてもよい。波形への変換は、本明細書に開示されるような命令を備えるプロセッサによって実施または支援されてもよい。波形は、時間に伴って平均線量を変動させる、オン-オフ波形であってもよい。波形は、動作電圧に増幅され、高速静電偏向器に印加されてもよい。
【0102】
電子線量波形は、恣意的に定義された時間プロファイルを有してもよい。恣意的に定義された電子線量プロファイルは、規則的な周期関数によって決定付けられないプロファイルであってもよい。規則的な周期関数は、パルスパターンまたは規則的なパルスパターン、例えば、方形波、正弦波、または規則的に繰り返すパルスを含んでもよく、非周期関数は、ランプパルス、ガウシアン、ローレンチアン、指数関数的上昇、指数関数的減衰、および半正矢関数を含んでもよい。恣意的に定義された電子線量波形は、規則的なパルス幅を有していない、または規則的な繰り返し率を有していない、または両方を有していない電子線量波形であってもよい。恣意的に定義された電子線量波形は、選択可能な不規則的なパルス幅を有する、または選択可能な不規則的な繰り返し率を有する、または両方を有する電子線量波形であってもよい。恣意的に定義された時間プロファイルは、恣意的に定義された波形によって決定される時間プロファイルであってもよい。恣意的な波形は、ユーザによって発生または入力されてもよい。ある場合には、方法400は、ユーザから不規則的なパルス幅または一連の不規則的なパルス幅のインジケーションを受信することを含む。
【0103】
ある場合には、恣意的に定義された電子線量プロファイルは、一連の点(例えば、中間地点)を伴う線量プロファイルを備えてもよい。波形は、一連の点から補間されてもよい。一連の中間地点は、恣意的に定義された時間プロファイルを構築するために、個々に、または集合的に選択可能である。ある場合には、方法400はさらに、ユーザから恣意的に定義された時間プロファイルのインジケーションを受信することを含む。ある場合には、方法400はさらに、ユーザが提供した関数を受信することおよび/または一連の中間地点を発生させることを含む。ある場合には、方法400はさらに、移動させるべき個々の中間地点または中間地点のセットのインジケーションをユーザから受信することおよび/または応答して波形を変化させることを含む。ある場合には、電子線量波形は、非周期的である。
【0104】
ある場合には、方法400はさらに、波形を発生させることを含む。例えば、波形を発生させることは、種々のパラメータ、例えば、図3に関して本明細書に説明される1つまたはそれを上回るパラメータに応答して、波形を調節することを含んでもよい。ある場合には、方法400はさらに、シーケンス発生アルゴリズム140を実装することを含む。実装することはさらに、図3に関して説明されるようなコンポーネント304、306、308、310、312、314、316、および318のうちの1つまたはそれを上回るものを実装することを含んでもよい。
【0105】
ある場合には、方法400はさらに、以下、すなわち、波形発生器304において電子線量波形のインジケーションを受信することと、初期または予備波形306を発生させることと、1つまたはそれを上回る制約308に従って予備波形304を調節することと、制約310に一致する、または実質的に一致するように波形のインジケーションを反復的に更新することと、更新された波形312を生成することと、リアルタイムセンサ情報314に応答して、1つまたはそれを上回るパラメータに従って波形を調節することと、リアルタイムセンサ情報316に一致する、または実質的に一致するように波形のインジケーションを反復的に更新することと、補正された波形を偏向器に出力することとのうちの1つまたはそれを上回るものを含む。
【0106】
動作420において、方法400は、変調された強度の少なくとも一部に関連する電子信号または電子誘起信号を出力することを含んでもよい。ある場合には、電子信号は、サンプルエリアを通して伝搬した信号を備える。電子信号は、図1の検出器104から収集されてもよい。電子信号は、本明細書に開示されるような電子顕微鏡画像のうちのいずれかに関する画像および/または関連付けられる画像データの全てまたは一部を備えてもよい。
【0107】
プロセッサおよびコンピュータ:いくつかの事例では、開示されるシステムは、例えば、電子線量変調の制御、構成、および同期、および入手されたセンサデータまたは印加された変調パターンの記憶、処理、分析、および表示を含む、電子線量を変調させるために構成される、1つまたはそれを上回るプロセッサ、コンピュータ、またはコンピュータシステムを備えてもよい。いくつかの事例では、1つまたはそれを上回るプロセッサ、コンピュータ、およびコンピュータシステムは、他のシステム機能および/または他のデータ入手、記憶、処理、分析、または表示機能の制御のためにも同様に構成されてもよい。
【0108】
本明細書に開示されるものは、電子顕微鏡、例えば、透過電子顕微鏡または本明細書に開示される任意の他の電子顕微鏡上の電子線量を変調させるためのコンピュータ実装方法である。本方法は、プロセッサにおいて、電子顕微鏡内のサンプルエリアに指向される電子線量の強度の時間プロファイルの表現を備える、電子線量波形のインジケーションを受信することを含んでもよい。本方法は、インジケーションを電子顕微鏡に伝送することを含んでもよい。例えば、インジケーションを表す電気信号が、電子顕微鏡内の偏向器を駆動し、電子線量の時間プロファイルを変調させてもよい。本方法は、図3に関して本明細書に開示されるもの等の1つまたはそれを上回る調整可能パラメータを受信することを含んでもよい。例えば、1つまたはそれを上回る調整可能パラメータは、画像の性質、偏向器の性質、顕微鏡内のドライバ電子機器の性質、顕微鏡内の検出器の性質、および電子線量波形のインジケーションのうちの1つまたはそれを上回るものについての情報を備えてもよい。本方法は、1つまたはそれを上回るパラメータに基づいて、電子線量波形のインジケーションを更新することを含んでもよい。
【0109】
ある場合には、方法は、電子線量波形のインジケーションを連続的に更新することを含む。本方法は、本明細書に説明される方法の1つまたはそれを上回る動作を実施するためのプロセッサの使用を含んでもよい。例えば、プロセッサは、電子線量波形、例えば、線量波形302のインジケーションを受信してもよい。プロセッサは、インジケーションをビーム偏向システム320a、320b内のパターン発生器に送達してもよい。プロセッサはまた、波形を発生させるための方法のステップを含む、命令を備えてもよい。プロセッサはまた、種々のパラメータに応答して、波形を調節するための方法のステップを含む、命令を備えてもよい。シーケンス発生アルゴリズム140は、コンポーネント304、306、308、310、312、314、316、および318のうちの1つまたはそれを上回るものを備えてもよい。
【0110】
図7は、本明細書の別の場所に説明される方法(例えば、電子線量波形の方法、本明細書に説明される方法等)を実装するようにプログラムまたは別様に構成される、コンピュータシステム701の概略図示を提供する。コンピュータシステム701は、例えば、回折パターンデータ、画像データ、STEMデータ、分光学的データ、またはそれらの任意の組み合わせの入手および処理等の開示される方法およびシステムの種々の側面を調整することができる。コンピュータシステム701は、ローカルコンピュータシステム、ユーザの電子デバイス(例えば、スマートフォン、ラップトップ、またはデスクトップコンピュータ)、または電子デバイスに対して遠隔に位置するコンピュータシステムと通信するユーザの電子デバイスを備えてもよい。コンピュータシステム701は、古典後コンピュータシステム(例えば、量子コンピューティングシステム)であってもよい。
【0111】
コンピュータシステム701は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサであり得る、中央処理ユニット(CPU、本明細書では、「プロセッサ」または「コンピュータプロセッサ」とも称される)705を含む。コンピュータシステム701はまた、メモリまたはメモリ場所710(例えば、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット715(例えば、ハードディスク)と、1つまたはそれを上回る他のシステムと通信するための通信インターフェース720(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタ等の周辺デバイス725とを含む。メモリ710、記憶ユニット715、インターフェース720、および周辺デバイス725は、マザーボード等の通信バス(実線)を通してCPU705と通信する。記憶ユニット715は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム701は、通信インターフェース720を用いてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)730に動作的に結合されることができる。ネットワーク730は、インターネット、イントラネットおよび/またはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/またはエクストラネットであってもよい。ネットワーク730は、ある場合には、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク730は、クラウドコンピューティング等の分散コンピューティングを可能にし得る、1つまたはそれを上回るコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク730は、ある場合には、コンピュータシステム701を用いて、コンピュータシステム701に結合されるデバイスが、クライアントまたはサーバとして挙動することを可能にし得る、ピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0112】
CPU705は、プログラムまたはソフトウェアにおいて具現化され得る、機械可読命令のシーケンスを実行するように構成される。命令は、メモリ710等のメモリ場所内に記憶されてもよい。命令は、CPU705にダイレクトされることができ、これは、続けて、本開示の方法を実装するようにCPU705をプログラムまたは別様に構成することができる。CPU705によって実施される動作の実施例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0113】
CPU705は、集積回路等の回路の一部であってもよい。システム701の1つまたはそれを上回る他のコンポーネントが、回路内に含まれてもよい。ある場合には、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0114】
記憶ユニット715は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラム等のファイルを記憶するように構成される。記憶ユニット715は、ユーザデータ、例えば、ユーザ選好およびユーザプログラムを記憶してもよい。コンピュータシステム701は、ある場合には、イントラネットまたはインターネットを通してコンピュータシステム701と通信する遠隔サーバ上に位置するデータ記憶ユニット等のコンピュータシステム701の外部にある1つまたはそれを上回る付加的データ記憶ユニットを含むことができる。
【0115】
コンピュータシステム701は、ネットワーク730を通して1つまたはそれを上回る遠隔コンピュータシステムと通信してもよい。例えば、コンピュータシステム701は、ユーザの遠隔コンピュータシステム(例えば、クラウドサーバ)と通信してもよい。遠隔コンピュータシステムの実施例は、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップPC)、ポータブルパーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップまたはタブレットPC)、スマートフォン(例えば、Apple iPhone(登録商標)、Android(登録商標)対応デバイス等)、または携帯情報端末を含む。ユーザは、ネットワーク730を介してコンピュータシステム701にアクセスしてもよい。
【0116】
ソフトウェアおよびアルゴリズム:上記に議論されるように、いくつかの事例では、開示されるシステムはさらに、(i)サンプルエリアに向かって指向される、電子源を提供し、(ii)電子源とサンプルエリアとの間に配置される、偏向器において電子線量波形を受信し、電子線量波形は、電子線量波形に従って、サンプルエリアに指向される電子源の強度を変調させ、(iii)変調された強度の少なくとも一部に関連する電子信号または電子誘起信号を出力するためのソフトウェアを備えてもよい。ある場合には、電子信号は、サンプルエリアを通して伝搬した信号を備える。いくつかの事例では、プロセッサは、コンポーネント304、306、308、310、312、314、316、および318のうちの1つまたはそれを上回るもの等のシーケンス発生アルゴリズム140の1つまたはそれを上回るステップを実施するためのソフトウェアを備えてもよい。いくつかの事例では、プロセッサは、他のシステム機能および/または他のデータ入手、記憶、処理、分析、または表示機能の制御のためのソフトウェアも同様に備えてもよい。
【0117】
いくつかの事例では、本明細書に説明される方法は、図7に図示されるもの等のコンピュータシステムの電子記憶場所上(例えば、コンピュータシステム701のメモリ710または電子記憶ユニット715内等)に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードを用いて実装されてもよい。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態において提供されることができる。使用の間、コードは、プロセッサ705によって実行されることができる。ある場合には、コードは、記憶ユニット715から読み出され、プロセッサ705による迅速なアクセスのためにメモリ710上に記憶されることができる。いくつかの状況では、電子記憶ユニット715は、除外されることができ、機械実行可能命令は、メモリ710上に記憶される。
【0118】
いくつかの事例では、コードは、事前コンパイルされ、コードを実行するように適合されるプロセッサを有する機械との併用のために構成されることができる。いくつかの事例では、コードは、ランタイムの間にコンパイルされてもよい。コードは、コードが事前コンパイルまたはアズコンパイルされた方式において実行されることを可能にするように選択され得る、プログラミング言語において供給されることができる。
【0119】
コンピュータシステム701等の本明細書に提供される方法およびシステムの側面は、プログラミングにおいて具現化されることができる。本技術の種々の側面は、典型的には、あるタイプの機械可読媒体上で搬送される、またはそれにおいて具現化される機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連付けられるデータの形態における「製品」または「製造品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)内またはハードディスク上等の電子記憶ユニット上に記憶されることができる。「記憶」タイプ媒体は、ソフトウェアプログラミングのために任意の時点で非一過性記憶を提供し得る、コンピュータシステム、コンピュータプロセッサ、または同等物の有形メモリ、または種々の半導体メモリデバイス、テープドライブ、ディスクドライブ、光学ドライブ、および同等物等のその関連付けられるモジュールのうちのいずれかまたは全てを含むことができる。ソフトウェアの全てまたは一部は、随時、インターネットまたは種々の他の電気通信ネットワークを通して通信されてもよい。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のものへの、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を搭載し得る別のタイプの媒体は、ローカルデバイスの間の物理的インターフェースを横断して、有線および光学固定ネットワークを通して、および種々のエアリンクを経由して使用されるもの等、光学、電気、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光学リンク、または同等物等のそのような波を搬送する物理的要素はまた、ソフトウェアを搭載する媒体と見なされ得る。本明細書に使用されるように、非一過性の有形「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」等の用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0120】
したがって、コンピュータ実行可能コード等の可読媒体は、限定ではないが、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含む、多くの形態をとってもよい。不揮発性記憶媒体は、例えば、データベースを実装するために使用され得る任意のコンピュータまたは同等物内の記憶デバイスのうちのいずれか等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリ等のダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブル、すなわち、コンピュータシステム内のバスを備えるワイヤを含む、銅ワイヤおよび光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、電気または電磁信号、または無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信の間に発生されるもの等の音響または光波の形態をとってもよい。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、したがって、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード紙テープ、孔のパターンを伴う任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を輸送する搬送波、そのような搬送波を輸送するケーブルまたはリンク、またはそれからコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取り得る任意の他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態のうちの多くは、1つまたはそれを上回る命令の1つまたはそれを上回るシーケンスを実行のためにプロセッサに搬送することに関与し得る。
【0121】
コンピュータシステム701は、例えば、ユーザが命令を入力する、データをコンピュータデータベースにアップロードする、コンピュータデータベースからデータをダウンロードする等のためのインターフェースを提供するためのユーザインターフェース(UI)740を備える、電子ディスプレイ735を含む、またはそれと通信してもよい。UIの実施例は、限定ではないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。
【0122】
いくつかの事例では、本開示の方法およびシステムは、1つまたはそれを上回るアルゴリズム、例えば、回折パターンデータ、画像データ、および同等物を入手および/または処理するための命令を備えるアルゴリズムの使用を通して、実装されてもよい。アルゴリズムは、シーケンス発生アルゴリズム140、例えば、コンポーネント304、306、308、310、312、314、316、および318のうちの1つまたはそれを上回るものを含むアルゴリズムを備えてもよい。アルゴリズムは、中央処理ユニット705による実行に応じて、ソフトウェアを用いて実装されることができる。
【0123】
実施例
以下の実施例は、本発明の種々の実施形態を例証する目的のために与えられ、いかなる方式でも本発明を限定することを意味しない。本実施例は、本明細書に説明される方法とともに、現在、好ましい実施形態を表し、例示的であり、本発明の範囲に対する限定として意図されない。請求項の範囲によって定義されるような本発明の精神内に包含されるそれにおける変更および他の使用が、当業者に想起されるであろう。
【0124】
図5は、偏向器によって変調された電子線量波形を使用する種々の線量減衰とともに撮影された高分解能TEM画像の実施例を示す。第1の線量波形(500)は、5マイクロ秒のパルス幅と、10マイクロ秒の周期(隣接するパルスの立ち上がりエッジの間の時間として定義される)とを有する。平均照明率(510)は、50%である。第2の線量波形(520)は、常にオンであり、平均照明率は、100%である。50%の線量率(530)において撮影されたTEM画像は、100%の線量率(540)における画像と比較して、いかなる顕著な歪みまたはぼけも示さない。しかしながら、画像530におけるピクセルあたりの検出された電子の平均数は、画像520におけるものの半分の大きさである。画像は、カーボングリッド上の金ナノ粒子のサンプルを使用して、200kVの加速電圧において撮影された。本明細書の別の場所に説明される線量減衰は、100%-パーセンテージとして表される線量率の値を備える。
【0125】
図6は、偏向器によって変調された電子線量波形を使用する電子顕微鏡法実験の概略図を示す。概略図は、低電子線量率を処理し得る検出器に適応するために、実験が進行するにつれて経時的に変動するパルス化照明を示す。段階Aの間、線量波形(600)は、100%の照度にあり、検出器(620)は、無効にされる。高電子線量は、サンプルにおける着目プロセスを開始する。段階Bの間、線量波形(600)は、25%の平均照度(610)を伴うパルス化モードに遷移する。段階Bの間の低減された照度は、検出器の最適な動作範囲と一貫する。検出器は、段階Bの間に有効にされ、検出器は、段階Aの間に印加された高電子線量に対するサンプルの応答を記録する。線量減衰は、経時的に連続的に変動され、連続的可変または断続的パルス変調を可能にし得る。
【0126】
表1および表2は、本明細書に説明されるような電子線量波形を変調させるように構成される、偏向器のための例示的使用モードを示す。例えば、偏向器は、種々の画像モダリティのための高速電子ビームブランカとして使用されてもよい。例えば、偏向器は、電子ビームを減衰させるために、および/または電子ビームの形状に対するある程度の制御を伴う実験を実施するために使用されてもよい。これらの潜在的用途は、限定と見なされるべきではない。ある場合には、種々の製品が、表1および表2に示される一方または両方の例示的モードに関する能力を伴って出荷され得る。
【0127】
下記の表1は、種々の加速電圧における最大パルス持続時間、遷移時間、最小パルス幅、およびブランキング信号入力の数の例示的値を示す。本明細書に説明される電子線量波形変調の一例示的実装は、例えば、透過または反射モダリティにおける正確な電子顕微鏡法画像を提供するための高速ビームブランキングシステムである。
【表1】
【0128】
下記の表2は、種々の電子線量変調タイプに関する例示的パルス繰り返し周波数の最大値、繰り返し周波数の最小値、および持続時間を示す。本明細書に説明される電子線量波形変調の一例示的実装は、例えば、透過または反射モダリティにおける電子顕微鏡法画像のための高速減衰および/またはビーム成形用途である。表はまた、線量変調タイプ毎の潜在的用途を示す。例えば、タイプAは、TEM撮像のためにより有用であり得、タイプBは、TEMおよび/またはSTEMおよび/またはポンププローブ撮像のためにより有用であり得る。これらの潜在的用途は、限定と見なされるべきではない。例えば、タイプBは、TEM撮像のためにより有用であり得、タイプAは、TEMおよび/またはSTEMおよび/またはポンププローブ撮像のためにより有用であり得る。ある場合には、種々の製品が、タイプAおよびタイプBのうちの一方または両方に関する能力を伴って出荷され得る。
【表2】
【0129】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが当業者に明白であろう。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明を実践する際に任意の組み合わせにおいて採用され得ることを理解されたい。以下の請求項が、本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造およびそれらの均等物が、それによって網羅されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】