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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】円筒形二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20240326BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240326BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/56 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/474 20210101ALI20240326BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/107
H01M50/627
H01M50/152
H01M10/04 W
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/566
H01M50/55 201
H01M50/474
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563883
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2022060268
(87)【国際公開番号】W WO2022223531
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】2150507-8
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521444701
【氏名又は名称】ノースボルト・エービー
【氏名又は名称原語表記】Northvolt AB
【住所又は居所原語表記】Alstroemergatan 20,112 47 Stockholm,Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ルーベ、ダニエル
【テーマコード(参考)】
5H011
5H021
5H023
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011DD03
5H011DD06
5H011DD13
5H011EE04
5H011FF02
5H011FF03
5H011GG01
5H021AA02
5H023AA03
5H023AS05
5H028AA01
5H028AA07
5H028BB01
5H028BB04
5H028CC12
5H043AA19
5H043BA17
5H043CA03
5H043CA12
5H043DA03
5H043DA09
5H043EA02
5H043EA35
5H043HA02D
5H043HA02E
5H043HA05D
5H043HA05E
5H043HA06D
5H043HA06E
5H043HA16D
5H043HA16E
5H043HA17D
5H043HA17E
5H043HA32D
5H043HA32E
5H043JA03D
5H043JA03E
5H043JA13D
5H043JA13E
5H043KA02D
5H043KA02E
5H043LA21D
5H043LA21E
5H043LA22D
5H043LA22E
(57)【要約】
本開示は、円筒形二次電池(1)およびその組立方法を提供する。円筒形二次電池(1)は、ビーディング溝(3)を備える円筒形缶(2)と、ゼリーロール(5)を形成するように巻回された、第1の電極コーティング(4a)を有する第1の導電性シート(4)であって、第1の導電性シート(4)は、第1の端部側(5a)に突出する第1の電極コーティング(4a)のない部分を備える、第1の導電性シート(4)と、第1の端部側(5a)に配置され、第1の電極コーティング(4a)のない部分と直接接触する電極鉛板(6)とを備える。電極鉛板(6)は、ゼリーロール(5)から離れるように延在し、電極鉛板(6)の縁部に沿って配置されたフランジ(6a)を備える。ビーディング溝(3)は、電極鉛板(6)のフランジがビーディング溝(3)によって円筒形缶(2)の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、円筒形缶(2)上に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形二次電池(1)であって、
-円筒形缶(2)であって、前記円筒形缶(2)の壁に形成され、前記円筒形缶(2)の円周の周りに配置されたビーディング溝(3)を備える、円筒形缶(2)と、
-前記円筒形缶(2)内に配置されるゼリーロール(5)を形成するように巻回された、第1の電極コーティング(4a)を有する第1の導電性シート(4)と、ここにおいて、前記第1の導電性シート(4)は、前記ゼリーロール(5)の第1の端部側(5a)に突出する第1の電極コーティング(4a)のない部分を備える、
-導電性であり、前記ゼリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)に配置され、前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティング(4a)のない前記部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板(6)と
を備え、
前記電極鉛板(6)は、前記ゼリーロール(5)から離れるように延在し、前記電極鉛板(6)の縁部に沿って配置されたフランジ(6a)を備え、前記ビーディング溝(3)は、前記電極鉛板(6)の前記フランジが前記ビーディング溝(3)によって前記円筒形缶(2)の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、前記円筒形缶(2)上に配置されることを特徴とする、円筒形二次電池(1)。
【請求項2】
前記電極鉛板(6)は、前記フランジと前記電極鉛板(6)の少なくとも前記縁部とに配置された少なくとも1つのスリット(6a)を備える、請求項1に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項3】
前記電極鉛板(6)は、前記フランジと前記電極鉛板(6)の少なくとも前記縁部とに、前記縁部の周りに対称パターンで配置された少なくとも2つのスリット(6a)を備える、請求項2に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項4】
前記電極鉛板(6)は、電解液充填のための少なくとも1つの貫通孔(6b)を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項5】
前記電極鉛板(6)は、前記円筒形缶(2)と直接接触している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項6】
前記電極鉛板(6)の前記フランジは、前記ビーディング溝で前記円筒形缶(3)に溶接される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項7】
前記電極鉛板(6)と前記円筒形缶(2)との間に配置された絶縁部材を備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項8】
前記電極鉛板(6)の前記縁部に最も近い部分は、前記ゼリーロール(5)に向かって曲げられている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項9】
蓋(7)を備え、前記蓋(7)は、前記電極鉛板(6)とは反対側の前記ビーディング溝(3)の側で、前記ビーディング溝(3)上に載置されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)を組み立てるための方法であって、前記円筒形二次電池(1)を前記組み立てることは、
-前記ゼリーロール(5)を前記円筒形缶(2)内に配置することと、
-前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティング(4a)のない前記部分(4a)の少なくとも一部が前記電極鉛板(6)と直接接触するように、前記電極鉛板(6)を前記円筒形缶(2)内に配置することと、
-前記電極鉛板(6)の前記フランジが前記ビーディング溝(3)によって前記円筒形缶(2)の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、前記円筒形缶(2)上の位置に前記ビーディング溝(3)を形成するために前記円筒形缶(2)をビーディングすることと
を備える、方法。
【請求項11】
ビーディングする前に
-前記電極鉛板(6)と前記円筒形缶(2)との間に絶縁部材を配置すること
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
-前記フランジを前記円筒形缶に溶接すること
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ビーディング溝(3)を形成するために前記円筒形缶(2)を前記ビーディングすることは、縁部に最も近い前記電極鉛板(6)の一部も前記ゼリーロール(5)側に曲げる、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、円筒形二次電池およびそれを組み立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料から再生可能エネルギーへの移行は、かなりの勢いを得ている。最も重要な要因のうちの1つは、より良好且つ安価な再充電可能バッテリの開発である。現在、リチウムイオンバッテリはますます普及しつつある。それらは、リチウムイオンが放電中に負極から正極に移動し、充電時に逆に移動するタイプの再充電可能バッテリを表す。
【0003】
再充電可能バッテリに対する需要が増加するにつれて、生産会社が需要を満たすことができるように、生産速度がますます注目されている。再充電可能バッテリの効果的な生産を達成するために、製造工程のステップが最適化されることができる。考慮すべき別の態様は、再充電可能バッテリの使用が安全でなければならないことである。
【0004】
再充電可能バッテリ、または言い換えれば二次バッテリは、1つ以上の二次電池を備える。
【発明の概要】
【0005】
上記を踏まえて、本開示の目的は、再充電可能バッテリために改善された円筒形二次電池を提供することである。
【0006】
この目的は、請求項1に記載の装置、および請求項9に記載の方法によって達成される。
【0007】
本開示は、円筒形二次電池を提供し、円筒形二次電池は、
-円筒形缶であって、円筒形缶の壁に形成され、円筒形缶の円周の周りに配置されたビーディング溝(beading groove)を備える、円筒形缶と、
-缶内に配置されるゼリーロールを形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シートと、ここにおいて、第1の導電性シートは、ゼリーロールの第1の端部側に突出する第1の電極コーティングのない部分を備える、
-導電性であり、ゼリーロールの第1の端部側に配置され、第1の導電性シートの第1の電極コーティングのない部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板と
を備える。
【0008】
電極鉛板は、ゼリーロールから離れるように延在し、電極鉛板の縁部に沿って配置されたフランジを備え、ビーディング溝は、電極鉛板のフランジがビーディング溝によって円筒形缶の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、円筒形缶上に配置される。
【0009】
この円筒形二次電池によって、ビーディング工程で電極鉛板をその所定位置に(in its position)固定することができる。また、電極鉛板はゼリーロールとビーディング溝との間でクランプされ、それにより、電極鉛板は円筒形缶内の所定位置にゼリーロールを保持する。
【0010】
円筒形二次電池の場合、円筒形缶の側面に溝を作成するビーディングは一般的な方法である。ビーディング溝は、缶の側面の周囲に延在する。ビーディングは、缶の端部側を閉じるためのキャップまたは蓋を保持するための棚を形成するために使用され、また、ゼリーロールが缶内で移動するのを防止する止め具を形成するために使用されることもできる。
【0011】
請求項に記載の円筒形二次電池によって、ビーディング工程で電極鉛板がゼリーロールとビーディング溝との間に固定されるので、使用される部品数および組立に必要な工程を最小限にすることができる。すなわち、ビーディング工程以外に、ゼリーロールおよび/または電極鉛板を固定するための追加工程は不要である。
【0012】
前記ビーディング溝によって変形される電極鉛板のフランジを有することによって、電極鉛板のゼリーロールに対する圧力が確保され、それにより、それらの間の良好な電気的接触が得られ、ゼリーロールの移動も防止される。
【0013】
本明細書の開示は、円筒形二次電池の正極側または負極側のいずれかで使用され得ることに留意されたい。
【0014】
電極鉛板は、ゼリーロールの負極側、すなわち、アノード側に使用される場合、例えば銅を備える。代替材料は、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル/銅クラッド材料のうちのいずれか、またはそれらの混合物を備える。
【0015】
電極鉛板は、ゼリーロールの正極側、すなわち、カソード側に使用される場合、例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼またはそれらの混合物を備える。
【0016】
いくつかの態様によれば、電極鉛板は、フランジおよび電極鉛板の少なくとも縁部に配置された少なくとも1つのスリットを備える。電極鉛板のフランジがビーディング溝によって変形されるとき、変形時の力によって電極鉛板に生じる応力を低減するために、少なくとも1つのスリットが使用され得る。
【0017】
いくつかの態様によれば、電極鉛板は、フランジと電極鉛板の少なくとも縁部とに、縁部の周りに対称パターンで配置された少なくとも2つのスリットを備える。電極鉛板の材料に応じて、材料内の応力を低減するために、より多くのまたはより少ないスリットが使用され得る。スリットの幅もまた、変化させることができる。例えば、電極鉛板は、電極鉛板が6つのスリットを有する場合よりも広い2つのスリットを備え得る。すなわち、材料やスリットの数に応じて、1つまたは複数のスリットが設計され得る。
【0018】
いくつかの態様によれば、電極鉛板は、電解液充填のための少なくとも1つの貫通孔を備える。円筒形二次電池に電解液を充填する方法に応じて、セル内部に電解液を充填および分配するために、電極鉛板に1つまたは複数の孔を設ける必要があり得る。
【0019】
いくつかの態様によれば、電極鉛板は、円筒形缶と直接接触している。鉛板を円筒形缶に直接電気的に接触させることにより、缶の側面を外部負荷の端子として使用することができ、また、電流を円筒形缶のいずれかの端部側に導き、そこに端子を設けることができる。したがって、端末を配置する場所は非常に柔軟である。直接の電気的接触は、直接の電気的および物理的接触を意味する。
【0020】
いくつかの態様によれば、電極鉛板のフランジは、ビーディング溝で円筒形缶に溶接される。溶接は、ビーディング工程で電極鉛板をその所定位置に固定することに加えて、電極鉛板と円筒形缶との間の電気的接触を改善する。
【0021】
いくつかの態様によれば、円筒形二次電池は、電極鉛板と円筒形缶との間に配置された絶縁部材を備える。このような場合、端子は、ゼリーロールの第1の端部側に関連付けられた円筒形缶の端部側に配置される。端部側の端子配列は、電極鉛板と電気的に接触して配置され得る。
【0022】
いくつかの態様によれば、電極鉛板の縁部に最も近い部分は、ゼリーロールに向かって曲げられている。すなわち、電極鉛板のフランジがビーディング溝によって内側に曲げられるとき、電極鉛板の縁部はゼリーロールに向かって曲げられ得る。
【0023】
いくつかの態様によれば、円筒形二次電池は蓋を備え、蓋は、電極鉛板とは反対側のビーディング溝の側で、ビーディング溝上に載置されている。
【0024】
本開示は、上記の円筒形二次電池を組み立てるための方法を提供する。円筒形二次電池を組み立てることは、
-ゼリーロールを円筒形缶内に配置することと、
-第1の導電性シートの第1の電極コーティングのない部分の少なくとも一部が電極鉛板と直接接触するように、電極鉛板(6)を円筒形缶内に配置することと、
-電極鉛板のフランジがビーディング溝によって円筒形缶の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、円筒形缶上の位置にビーディング溝を形成するために円筒形缶をビーディングすることと
を備える。
【0025】
この方法は、ゼリーロールと電極鉛板を円筒形缶内に固定する効率的な方法を提供する。したがって、工程および構成要素の数が最小限に抑えられる。上記と同じ利点がここでも当てはまる。
【0026】
いくつかの態様によれば、方法は、ビーディングする前に
-電極鉛板と円筒形缶との間に絶縁部材を配置すること
を備える。
【0027】
これは、電極鉛板が円筒形缶の側壁ではなく、ゼリーロールの第1の端部側に関連付けられた端部側の端子に電気的に接続される場合のためである。
【0028】
いくつかの態様によれば、方法は、フランジを円筒形缶に溶接することを備える。溶接は、ビーディング工程で電極鉛板をその所定位置に固定することに加えて、電極鉛板と円筒形缶との間の電気的接触を改善する。
【0029】
いくつかの態様によれば、ビーディング溝を形成するために円筒形缶をビーディングすることは、縁部に最も近い電極鉛板の一部もゼリーロール側に曲げる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
ここで、異なる態様が、添付の図面を参照して例として説明される。
図1図1は、電極鉛板およびゼリーロールがビーディング溝によって円筒形缶内の定位置に固定された実例的な円筒形二次電池の断面図を示す。
図2図2は、ゼリーロールが挿入され、電極鉛板が上部に置かれている円筒形缶を示す。
図3図3は、電極鉛板がゼリーロールの第1の端部側に対して配置されたときを示す。
図4図4は、ゼリーロールおよび電極鉛板が円筒形缶に完全に挿入されたときを示す。
図5図5は、ビーディング後の円筒形缶と、どのようにビーディング溝が電極鉛板の真上に配置され、電極鉛板をゼリーロールに向かって押すのかを示す。
図6図6は、電極鉛板の一例を示す。
図7図7は、より多くの電解液充填孔を有する電極鉛板の一例を示す。
図8図8は、端部にスリットを有する電極鉛板の一例を示す。
図9図9は、端部にスリットを有し、より多くの電解液充填孔を有する電極鉛板の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、開示される実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で変更および修正され得る。
【0032】
ここで、本開示の態様が、添付の図面を参照して説明される。しかしながら、本明細書に開示されるデバイスおよび方法は、多くの異なる形態で実現されることができ、本明細書に記載される態様に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0033】
本明細書で使される専門用語は、本願の特定の態様を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図されない。単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段に明示しない限り、複数形も含むことを意図される。
【0034】
「端子」という用語は、外部負荷に接続されるべき二次電池の一部を意味する。
【0035】
「缶」という用語に対する代替用語は、「ケース」および「ハウジングケース」である。
【0036】
「導電性シート」という用語に対する代替用語は、「導電性基材」および「集電体」である。
【0037】
図1は、電極鉛板およびゼリーロール5がビーディング溝3によって円筒形缶2内の定位置に固定された実例的な円筒形二次電池の断面図を示す。
【0038】
円筒形二次電池1は、円筒形缶2を備え、円筒形缶2は、円筒形缶2の壁に形成され、円筒形缶2の円周の周りに配置されたビーディング溝3を備える。すなわち、ビーディング溝3は、円筒形壁側の周りに配置されている。
【0039】
円筒形二次電池1は、缶中に配置されたゼリーロール5を形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シート4を備える。
【0040】
いくつかの態様によれば、円筒形二次電池1は、第2の電極コーティングを有する第2の導電性シートを備える。また、円筒形二次電池1は、セパレータシートを備え得る。第1の導電性シート4および第2の導電性シート、並びに、任意で、セパレータシートは、ゼリーロール5を形成するように巻回される。あるいは、第1の導電性シート4、第1のセパレータシート、第2の導電性シート、および第2のセパレータシートがゼリーロール5を形成するように巻回されるように、2つのセパレータシートが存在する。例えば、固体電解液が円筒形二次電池1中に使用される場合、セパレータシートが存在しない場合もあり得る。本開示の目的では、第2の導電性シートは本開示に影響を与えない別の方法で将来実現される可能性があるため、第1の電極コーティング4aを有する第1の導電性シート4が最も関連性の高い部分である。
【0041】
第1の導電性シート4は、ゼリーロール5の第1の端部側5aに突出する第1の電極コーティング4aのない部分を備える。このようなゼリーロール5の端部側に未塗工の導電性シートが突出した円筒形二次電池1は、タブレス電池として知られている。
【0042】
円筒形二次電池1は、導電性であり、ゼリーロール5の第1の端部側5aに配置され、第1の導電性シート4の第1の電極コーティングのない部分4aの少なくとも一部と直接接触する電極鉛板6を備える。すなわち、図1に見られるように、電極鉛板6は、第1の導電性シート4の第1の電極コーティング4aのない部分の少なくとも一部に直接当接して、円筒形缶2内に配置される。電極鉛板6は、第1の導電性シート4と直接の電気的および物理的に接触して配置される。
【0043】
電極鉛板6は、ゼリーロール5から離れるように延在し、電極鉛板6の縁部に沿って配置されたフランジ6aを備え、ビーディング溝3は、電極鉛板6のフランジがビーディング溝3によって円筒形缶2の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、円筒形缶2上に配置されることを備える。
【0044】
すなわち、電極鉛板6は、その縁部に沿って、電極鉛板6のゼリーロール5とは反対側に突出した突出部を有する。したがって、フランジは、ゼリーロール5から離れる方向を向いている。
【0045】
フランジは、電極鉛板6の全周にわたって連続している必要はないことに留意されたい。フランジは、縁部に配置され、ゼリーロール5から離れるように方向付けられたいくつかの別個のフランジを備え得る。
【0046】
フランジは、例えば、平坦な電極鉛板を打ち抜いて、その縁部を折り曲げることにより作成される。
【0047】
図1では、フランジは完全に曲がっているように見え、その曲がりは電極鉛板6の残りの部分と平行であることにも留意されたい。その場合もあるが、図1に示されるよりも少なく内側に曲げられ得る。ビーディング溝3は、フランジをわずかに内側に曲げることで十分である。
【0048】
図2乃至図5は、ゼリーロール5および電極鉛板が円筒形缶2に挿入されるときの異なる段階を示す。図2は、ゼリーロール5が挿入され、電極鉛板が上部に置かれている円筒形缶2を示す。図3は、電極鉛板がゼリーロール5の第1の端部側5aに対して配置されたときを示す。図4は、ゼリーロール5および電極鉛板が円筒形缶2に完全に挿入されたときを示す。図5は、ビーディング後の円筒形缶2と、どのようにビーディング溝3が電極鉛板6の真上に配置され、電極鉛板6をゼリーロールに向かって押すのかを示す。
【0049】
図2では、ゼリーロール5の暗い端部は、ゼリーロール5の第1の端部側5aに突出する第1の電極コーティング4aのない部分である。その直上には、電極鉛板が配置されている。図面では、電極鉛板は完全には見えず、少し切り欠かれていることに留意されたい。
【0050】
図3では、電極鉛板6は、第1の電極コーティング4aのない部分に当接するように配置されている。電極鉛板6は、第1の電極コーティング4aのない部分に溶接される、または別の方法で、第1の電極コーティング4aのない部分に導電的に取り付けられる場合もあり得る。
【0051】
図4では、ゼリーロール5および電極鉛板は、円筒形缶2内に配置されており、図5では、円筒形缶2は、電極鉛板がゼリーロール5に向かってクランプされるようにビーディングされている。この時点では、円筒形二次電池1は完成しておらず、円筒形缶2は、電極鉛板6の上方が開口しており、例えば、以下でさらに説明されるような蓋7によって閉塞されていることに留意されたい。
【0052】
この円筒形二次電池1によって、ビーディング工程で電極鉛板6をその所定位置に固定することができる。また、電極鉛板6はゼリーロール5とビーディング溝3との間でクランプされ、それにより、電極鉛板6は円筒形缶2内の所定位置にゼリーロール5を保持する。
【0053】
円筒形二次電池の場合、円筒形缶2の側面に溝を作成するビーディングは一般的な方法である。ビーディング溝3は、缶の側面の周囲に延在する。ビーディングは、缶の端部側を閉じるためのキャップまたは蓋7を保持するための棚を形成するために使用され、また、ゼリーロール5が缶内で移動するのを防止する止め具を形成するために使用されることもできる。
【0054】
請求項に記載の円筒形二次電池1によって、ビーディング工程で電極鉛板6がゼリーロール5とビーディング溝3との間に固定されるので、使用される部品数および組立に必要な工程を最小限にすることができる。すなわち、ビーディング工程以外に、ゼリーロール5および/または電極鉛板6を固定するための追加工程は不要である。
【0055】
ビーディング溝3によって変形される電極鉛板6のフランジを有することによって、電極鉛板6のゼリーロール5に対する圧力が確保され、それにより、それらの間の良好な電気的接触が得られ、ゼリーロール5の移動も防止される。
【0056】
電極鉛板6は、ゼリーロール5の正極側、すなわち、アノード側に使用される場合、例えば銅を備える。
【0057】
電極鉛板6は、ゼリーロール5の正極側、すなわち、カソード側に使用される場合、例えばアルミニウムを備える。
【0058】
いくつかの態様によれば、電極鉛板6のフランジは、ビーディング溝で円筒形缶に溶接される。溶接は、円筒形缶のビーディングの前または後のいずれかに行うことができる。すなわち、以下に説明される円筒形二次電池の組立方法において、ビーディングの前または後のいずれかに、円筒型缶にフランジを溶接する工程が追加される場合がある。溶接は、例えば、円筒形缶の外側から行われ、溶接位置に到達することがより容易であるため、溶接がビーディング後に行われる場合に特に有益である。溶接方法は、円筒形缶を電極鉛板6に溶接するのに適した任意の方法であることができる。溶接方法は、例えば、レーザ溶接または抵抗溶接である。
【0059】
図6は、電極鉛板の一例を示す。図7は、より多くの電解液充填孔を有する電極鉛板の一例を示す。
【0060】
いくつかの態様によれば、電極鉛板6は、電解液充填のための少なくとも1つの貫通孔を備える。円筒形二次電池1に電解液を充填する方法に応じて、セル内部に電解液を充填および分配するために、電極鉛板6に1つまたは複数の孔を設ける必要があり得る。少なくとも1つの孔は、図に示されるものとは異なるように配置され得る。図7の星形の形態は、孔の配列が、一端から他端まで、円板を横切るいくつかの直線の溶接線を可能にするので、電極鉛板が未塗工部分に溶接される場合に有益であり得る。
【0061】
図8は、端部にスリットを有する電極鉛板の一例を示す。図9は、端部にスリットを有し、より多くの電解液充填孔を有する電極鉛板の一例を示す。
【0062】
いくつかの態様によれば、電極鉛板6は、フランジおよび電極鉛板6の少なくとも縁部に配置された少なくとも1つのスリットを備える。電極鉛板のフランジがビーディング溝3によって変形されるとき、変形時の力によって電極鉛板に生じる応力を低減するために、少なくとも一つのスリットが使用され得る。少なくとも1つのスリットは、例えば、電極鉛板から切り出される。フランジがスタンピング工程で作成される場合、少なくとも1つのスリットは、スタンピングの前に、または、同じ工程で作成され得る。
【0063】
いくつかの態様によれば、電極鉛板6は、フランジと電極鉛板6の少なくとも縁部とに、縁部の周りに対称パターンで配置された少なくとも2つのスリットを備える。電極鉛板の材料に応じて、材料内の応力を低減するために、より多くのまたはより少ないスリットが使用されることができる。スリットの幅もまた、変化させることができる。例えば、電極鉛板は、電極鉛板が6つのスリットを有する場合よりも広い2つのスリットを備え得る。すなわち、スリットの数や材料に応じて、1つまたは複数のスリットが設計され得る。
【0064】
少なくとも1つのスリットは、フランジに形成され、縁部から電極鉛板の内側に延びている。いくつかの態様によれば、少なくとも1つのスリットは、電極鉛板内に1~20mm、好ましくは、1~10mm延在する。いくつかの態様によれば、少なくとも1つのスリットは、0.5~4mm、好ましくは、0.5~2mmの幅を有する。一例として、少なくとも1つのスリットは、電極鉛板の中心に向かって、円板内に5mm延在し、1mmの幅を有する。
【0065】
図8および図9の実例的な電極鉛版6に見られるように、少なくとも1つのスリットは、電解液充填孔の少なくともいくつかの中に延在する。
【0066】
図1の例に見られるように、電極鉛版6は、円筒形缶2と直接接触し得る。鉛板を円筒形缶2に直接電気的に接触させることにより、缶の側面を外部負荷の端子として使用することができ、また、電流を円筒形缶2のいずれかの端部側に導き、そこに端子を設けることができる。したがって、端末を配置する場所は非常に柔軟である。鉛版は、円筒形缶と直接の電気的および物理的に接触して配置される。
【0067】
図示しない例では、円筒形二次電池1は、電極鉛板6と円筒形缶2との間に配置された絶縁部材を備え得る。このような場合、端子は、ゼリーロール5の第1の端部側5aに関連付けられた円筒形缶2の端部側に配置される。端部側の端子配列は、電極鉛板6と電気的に接触して配置され得る。
【0068】
図示しない他の例では、電極鉛板6の縁部に最も近い部分は、ゼリーロール5に向かって曲げられ得る。すなわち、電極鉛板6のフランジがビーディング溝3によって内側に曲げられるとき、電極鉛板6の縁部はゼリーロール5に向かって曲げられ得る。したがって、電極鉛板6の外縁はゼリーロールに向かって曲げられ、フランジは円筒形缶の中心に向かって内側に曲げられる前に、まず上方に延びる。
【0069】
図1の例に見られるように、円筒形二次電池1は、蓋7を備え得、蓋7は、電極鉛板6とは反対側のビーディング溝3の側で、ビーディング溝3上に載置されている。蓋7は、様々な方法で設計され得、例えば、ビーディングまたはシーミングによって缶に固定され得る。
【0070】
本開示では、円筒形二次電池1のビーディング溝3を備える側とは反対側の端部側については言及していない。ゼリーロール5の反対側を端子に接続する方法は多数あり、それらが、電極鉛板6がビーディング溝3によって定位置にどのようにロックされるかに影響を与えることはない。電極鉛板が円筒形缶2に直接接触する場合には、外部負荷用端子が円筒形缶2のいずれの側に配置され得る。一例として、円筒形二次電池1の一方の端子は、底面の中心に配置され得、底面は、円筒形二次電池が図2乃至5のように配置されるときの底面であって、他方の端子は、絶縁体を間に挟んで第1の端子の周りに配置され得る。
【0071】
本開示は、上記の円筒形二次電池1を組み立てるための方法を提供する。円筒形二次電池1を組み立てることは、
-ゼリーロール5を円筒形缶2内に配置することと、
-第1の導電性シート4の第1の電極コーティング4aのない部分の少なくとも一部が電極鉛板6と直接接触するように、前記電極鉛板6を前記円筒形缶2内に配置することと、
-前記電極鉛板6のフランジがビーディング溝3によって前記円筒形缶2の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、前記円筒形缶2上の位置に前記ビーディング溝3を形成するために前記円筒形缶2をビーディングすることと
を備える。
【0072】
この方法は、ゼリーロール5と電極鉛板6を円筒形缶2内に固定する効率的な方法を提供する。したがって、工程および構成要素の数が最小限に抑えられる。上記と同じ利点がここでも当てはまる。これらのステップは、図2乃至5に見られる。
【0073】
いくつかの態様によれば、方法は、ビーディングする前に、電極鉛板6と円筒形缶2との間に絶縁部材を配置することをさらに備える。これは、電極鉛板6が円筒形缶2の側壁ではなく、ゼリーロール5の第1の端部側5aに関連付けられた端部側の端子に電気的に接続される場合のためである。
【0074】
いくつかの態様によれば、ビーディング溝3を形成するために円筒形缶2をビーディングすることは、縁部に最も近い電極鉛板6の一部もゼリーロール5側に曲げる。
【0075】
[参照リスト]
1.円筒形二次電池
2.円筒形缶
3.ビーディング溝
4.第1の導電性シート
a.第1の電極コーティング
5.ゼリーロール
a.第1の端部側
6.電極鉛板
7.蓋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形二次電池(1)であって、
-円筒形缶(2)であって、前記円筒形缶(2)の壁に形成され、前記円筒形缶(2)の円周の周りに配置されたビーディング溝(3)を備える、円筒形缶(2)と、
-前記円筒形缶(2)内に配置されるゼリーロール(5)を形成するように巻回された、第1の電極コーティング(4a)を有する第1の導電性シート(4)と、ここにおいて、前記第1の導電性シート(4)は、前記ゼリーロール(5)の第1の端部側(5a)に突出する第1の電極コーティング(4a)のない部分を備える、
-導電性であり、前記ゼリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)に配置され、前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティング(4a)のない前記部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板(6)と
を備え、
前記電極鉛板(6)は、前記ゼリーロール(5)から離れるように延在し、前記電極鉛板(6)の縁部に沿って配置されたフランジ(6a)を備え、前記ビーディング溝(3)は、前記電極鉛板(6)の前記フランジが前記ビーディング溝(3)によって前記円筒形缶(2)の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、前記円筒形缶(2)上に配置されることを特徴とする、円筒形二次電池(1)。
【請求項2】
前記電極鉛板(6)は、前記フランジと前記電極鉛板(6)の少なくとも前記縁部とに配置された少なくとも1つのスリット(6a)を備える、請求項1に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項3】
前記電極鉛板(6)は、前記フランジと前記電極鉛板(6)の少なくとも前記縁部とに、前記縁部の周りに対称パターンで配置された少なくとも2つのスリット(6a)を備える、請求項2に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項4】
前記電極鉛板(6)は、電解液充填のための少なくとも1つの貫通孔(6b)を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項5】
前記電極鉛板(6)は、前記円筒形缶(2)と直接接触している、請求項1に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項6】
前記電極鉛板(6)の前記フランジは、前記ビーディング溝で前記円筒形缶(3)に溶接される、請求項1に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項7】
前記電極鉛板(6)と前記円筒形缶(2)との間に配置された絶縁部材を備える、請求項1に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項8】
前記電極鉛板(6)の前記縁部に最も近い部分は、前記ゼリーロール(5)に向かって曲げられている、請求項1に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項9】
蓋(7)を備え、前記蓋(7)は、前記電極鉛板(6)とは反対側の前記ビーディング溝(3)の側で、前記ビーディング溝(3)上に載置されている、請求項1に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項10】
請求項1に記載の円筒形二次電池(1)を組み立てるための方法であって、前記円筒形二次電池(1)を前記組み立てることは、
-前記ゼリーロール(5)を前記円筒形缶(2)内に配置することと、
-前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティング(4a)のない前記部分(4a)の少なくとも一部が前記電極鉛板(6)と直接接触するように、前記電極鉛板(6)を前記円筒形缶(2)内に配置することと、
-前記電極鉛板(6)の前記フランジが前記ビーディング溝(3)によって前記円筒形缶(2)の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、前記円筒形缶(2)上の位置に前記ビーディング溝(3)を形成するために前記円筒形缶(2)をビーディングすることと
を備える、方法。
【請求項11】
ビーディングする前に
-前記電極鉛板(6)と前記円筒形缶(2)との間に絶縁部材を配置すること
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
-前記フランジを前記円筒形缶に溶接すること
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ビーディング溝(3)を形成するために前記円筒形缶(2)を前記ビーディングすることは、縁部に最も近い前記電極鉛板(6)の一部も前記ゼリーロール(5)側に曲げる、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
[参照リスト]
1.円筒形二次電池
2.円筒形缶
3.ビーディング溝
4.第1の導電性シート
a.第1の電極コーティング
5.ゼリーロール
a.第1の端部側
6.電極鉛板
7.蓋
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
円筒形二次電池(1)であって、
-円筒形缶(2)であって、前記円筒形缶(2)の壁に形成され、前記円筒形缶(2)の円周の周りに配置されたビーディング溝(3)を備える、円筒形缶(2)と、
-前記円筒形缶(2)内に配置されるゼリーロール(5)を形成するように巻回された、第1の電極コーティング(4a)を有する第1の導電性シート(4)と、ここにおいて、前記第1の導電性シート(4)は、前記ゼリーロール(5)の第1の端部側(5a)に突出する第1の電極コーティング(4a)のない部分を備える、
-導電性であり、前記ゼリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)に配置され、前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティング(4a)のない前記部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板(6)と
を備え、
前記電極鉛板(6)は、前記ゼリーロール(5)から離れるように延在し、前記電極鉛板(6)の縁部に沿って配置されたフランジ(6a)を備え、前記ビーディング溝(3)は、前記電極鉛板(6)の前記フランジが前記ビーディング溝(3)によって前記円筒形缶(2)の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、前記円筒形缶(2)上に配置されることを特徴とする、円筒形二次電池(1)。
[C2]
前記電極鉛板(6)は、前記フランジと前記電極鉛板(6)の少なくとも前記縁部とに配置された少なくとも1つのスリット(6a)を備える、C1に記載の円筒形二次電池(1)。
[C3]
前記電極鉛板(6)は、前記フランジと前記電極鉛板(6)の少なくとも前記縁部とに、前記縁部の周りに対称パターンで配置された少なくとも2つのスリット(6a)を備える、C2に記載の円筒形二次電池(1)。
[C4]
前記電極鉛板(6)は、電解液充填のための少なくとも1つの貫通孔(6b)を含む、C1乃至3のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C5]
前記電極鉛板(6)は、前記円筒形缶(2)と直接接触している、C1乃至4のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C6]
前記電極鉛板(6)の前記フランジは、前記ビーディング溝で前記円筒形缶(3)に溶接される、C1乃至5のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C7]
前記電極鉛板(6)と前記円筒形缶(2)との間に配置された絶縁部材を備える、C1乃至5のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C8]
前記電極鉛板(6)の前記縁部に最も近い部分は、前記ゼリーロール(5)に向かって曲げられている、C1乃至7のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C9]
蓋(7)を備え、前記蓋(7)は、前記電極鉛板(6)とは反対側の前記ビーディング溝(3)の側で、前記ビーディング溝(3)上に載置されている、C1乃至8のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C10]
C1乃至8のいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)を組み立てるための方法であって、前記円筒形二次電池(1)を前記組み立てることは、
-前記ゼリーロール(5)を前記円筒形缶(2)内に配置することと、
-前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティング(4a)のない前記部分(4a)の少なくとも一部が前記電極鉛板(6)と直接接触するように、前記電極鉛板(6)を前記円筒形缶(2)内に配置することと、
-前記電極鉛板(6)の前記フランジが前記ビーディング溝(3)によって前記円筒形缶(2)の中心に向かって内側に曲げられて押圧されるように、前記円筒形缶(2)上の位置に前記ビーディング溝(3)を形成するために前記円筒形缶(2)をビーディングすることと
を備える、方法。
[C11]
ビーディングする前に
-前記電極鉛板(6)と前記円筒形缶(2)との間に絶縁部材を配置すること
を備える、C10に記載の方法。
[C12]
-前記フランジを前記円筒形缶に溶接すること
を備える、C10に記載の方法。
[C13]
前記ビーディング溝(3)を形成するために前記円筒形缶(2)を前記ビーディングすることは、縁部に最も近い前記電極鉛板(6)の一部も前記ゼリーロール(5)側に曲げる、C10乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】