(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】基板を保持するフレームシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564527
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2022053829
(87)【国際公開番号】W WO2022223170
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518264310
【氏名又は名称】セムシスコ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】SEMSYSCO GmbH
【住所又は居所原語表記】Karolingerstrasse 7C 5020 Salzburg Republic of Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ウールリッヒ タスチンデルレ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベルト オツリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ルイス ワグナー
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA12
5F131BA18
5F131BA37
5F131CA31
5F131CA41
5F131GA05
5F131GA26
5F131GA33
5F131GA43
(57)【要約】
本発明はフレームシステムに関する。当該フレームシステムは、基板の化学及び/又は電解表面処理中に前記基板を保持するように構成される。当該フレームシステムは、フレーム体と、該フレーム体に配置される複数の指状ユニットを備える。前記フレーム体は、前記基板の側端部を少なくとも部分的に囲み、少なくとも前記基板の第1表面又は第2表面を前記基板の処理のために接近可能にするように構成される。各指状ユニットは第1指状部と第2指状部を備える。前記第1指状部は前記基板の前記第1表面に接触するように構成され、前記第2指状部は前記第1表面とは反対側の前記基板の前記第2表面に接触するように構成される。前記第1指状部は、該第1指状部と前記第2指状部との間で前記基板を固定するように、前記フレーム体に対して移動可能である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の化学及び/又は電解表面処理中に前記基板を保持するフレームシステムであって、
フレーム体と、
該フレーム体に配置される複数の指状ユニットを備え、
前記フレーム体は、前記基板の横端部を少なくとも部分的に囲み、かつ、少なくとも前記基板の第1表面又は第2表面を前記基板の処理のために接近可能にするように構成され、
前記指状ユニットの各々は第1指状部と第2指状部を備え、
前記第1指状部は前記基板の前記第1表面に接触するように構成され、前記第2指状部は前記第1表面とは反対側の前記基板の前記第2表面に接触するように構成され、
前記第1指状部は、該第1指状部と前記第2指状部との間で前記基板を固定するように、前記フレーム体に対して移動可能である、
フレームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のフレームシステムであって、前記第2指状部は移動不可能である、フレームシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のフレームシステムであって、前記第2指状部は、前記フレーム体に対して移動可能である、フレームシステム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記複数の指状ユニットは、隣接する指状ユニット間の距離で前記フレーム体に沿って配置される、フレームシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記基板を受け取り及び/又は解放する開位置と、前記基板を保持する閉位置との間で前記第1指状部を移動させるように構成される作動部をさらに備える、フレームシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記第1指状部を前記閉位置である静止位置に保つように構成される予張力部をさらに備える、フレームシステム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記第1指状部及び/又は前記第2指状部は、前記基板と接触する弾性指先部を備える、フレームシステム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記指状ユニットの少なくとも1つは、前記基板の電気接地用の電気伝導性設置路を備える、フレームシステム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記指状ユニット、前記第1指状部、前記第2指状部、及び/又は前記弾性指先部は交換可能である、フレームシステム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記フレーム体の外側端部は尖ったようにされ、前記外側端部は好適には当該フレームシステムの底部に向けられる、フレームシステム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記フレーム体及び/又は前記指状ユニットは、前記基板から遠ざかるように、好適には当該フレームシステムの底部へ向かう方向へ、流体を案内するように構成される流体案内システムを備える、フレームシステム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記フレーム体及び/又は指状ユニットはアンダーカットのない設計である、フレームシステム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記フレーム体及び/又は指状ユニットは疎水性又は親水性である、フレームシステム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載のフレームシステムであって、基板の長さ500mm辺り1つ又は2つだけ指状ユニットを備える、フレームシステム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載のフレームシステムであって、前記フレーム体はさらに、前記フレーム体の底端部に配置されると共に前記基板を支持するように構成される少なくとも1つの静止部を備える、フレームシステム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかに記載のフレームシステムであって、1つの単一フレーム体のみ備える、フレームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の化学及び/又は電解表面処理中に前記基板を保持するフレームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板又は作業片の湿式化学処理は、基板の表面を洗浄又はエッチングするのに多くの異なる業界-特に半導体関連産業-において最も用いられている技術の一つである。湿式化学処理は、化学的な選択性を高くすることができる。この化学的な選択性の高さは、様々な処理液(たとえば酸、塩基、酸化剤等)又は単純若しくは複合混合物によって実現可能である。それに加えて湿式化学処理は、処理を固有に単純化すること、様々なサイズを有する様々な種類の基板に処理を適合させること、動作コストを低くすることを可能にする。湿式化学処理の追加の利点は、平坦な基板表面の端部及び側部を含む両側又は複雑な形状を有する基板の多数の側部が同時に処理可能となることである。複数の基板を同時に処理することも可能である。従って湿式化学処理は、ランダムな表面の汚染物の除去、基板表面上のデバイスパターンを生成するためのさらなる処理用の材料層の意図しない部分を狙って除去するのに用いられる。
【0003】
所望の表面品質及び処理の均一性を実現するため、湿式化学処理中及び処理後-たとえば湿式化学処理の終了時でのリンス及び乾燥プロセス-に信頼性のある基板の取り付け及び保持手段を供することが重要である。従来の基板保持フレーム又はチャックは、上半分フレームと下半分フレームの2つの部材で構成される。基板は機械的な力によって前記2つの部材の間に配置される。フレームによっては、一つになるように固定されるものがあるし、特にサイズの大きな基板向けには、手動でねじ止めされるものもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、基板の固着を助けることによって基板処理の品質を高める信頼性のある基板の取付及び保持手段を供する必要があると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題は、本発明の独立請求項の対象によって解決される。さらなる実施形態は従属請求項に組み込まれる。
【0006】
本開示によると、フレームシステムが供される。当該フレームシステムは、基板の化学及び/又は電解表面処理中に前記基板を保持するように構成される。当該フレームシステムは、フレーム体と、該フレーム体に配置される複数の指状ユニットを備える。前記フレーム体は、前記基板の側端部を少なくとも部分的に囲み、かつ、少なくとも前記基板の第1表面又は第2表面を前記基板の処理のために接近可能にするように構成される。前記指状ユニットの各々は第1指状部と第2指状部を備える。前記第1指状部は前記基板の前記第1表面に接触するように構成され、前記第2指状部は前記第1表面とは反対側の前記基板の前記第2表面に接触するように構成される。前記第1指状部は、該第1指状部と前記第2指状部との間で前記基板を固定するように、前記フレーム体に対して移動可能である。
【0007】
本開示によるフレームシステムは、前記基板の単純、迅速、かつ信頼性のある自動又は手動での搬入出を可能にする。当該フレームシステムはさらに、前記基板の見事でかつ安定的な固定及び前記基板への電気的接触を保証することで、前記処理中での前記基板の基板破損及び/又は有害な静電帯電の危険を防止する。それに加えて、当該フレームシステムは、空気力学的に最適化されたフレームシステムによる前記基板の全面への非常に効率的かつ有効な化学処理を可能にする。
【0008】
前記基板の前記化学及び/又は電解表面処理は、材料堆積、亜鉛メッキコーティング、化学又は電気化学エッチング、陽極酸化、金属分離プロセス等であってよい。当該フレームシステムは、前記基板が固着した状態で保持可能な基板ホルダであってよい。前記基板は、導体板、半導体基板、フィルム基板、基本的に平板状の金属又は金属化された作業片等を含むことができる。前記基板は、前記化学及び/又は電解表面処理が処理システム内で実行される前に当該フレームシステムに取り付けられ得る。従って当該フレームシステムは、前記搬入出ステーションと前記処理システムとの間での安全で損傷を生じさせない搬送を可能にする。
【0009】
当該フレームシステムは、電流分布用の処理流体及び/又は電解質を含む電気化学堆積タンク内に浸漬され得る。前記フレーム部は、組み合わせられることで中心で前記基板を受けるキャビティを形成する少なくとも1つ-好適には複数-のフレームワークを含むことができる。前記フレーム部は、長方形、円形、又は多角形を含み、少なくとも部分的に前記基板を含むことができる。前記基板は、前記フレームワークが前記基板の横端部と位置合わせされ得るように実質的に平面形状であってよい。従って平面形状の前記基板の前記第1表面と前記第2表面は、前記表面処理用の前記電解質に曝すことができる。
【0010】
前記指状ユニットは、前記フレーム体と一体化して製造されてよいし、あるいは前記フレーム体で解放可能に配置されても良い。後者の場合では、前記指状ユニットは、該指状ユニットを個別的に前記フレーム部と分離するために、固定又はねじ止め等されてよい。前記指状ユニットは、前記フレーム部又はフレームワークに沿って配置されると共に、前記キャビティの方を向いてよい。換言すると前記指状ユニットは、前記フレーム部から前記キャビティの方向に突出することで、前記基板の前記横端部を保持することができる。さらに換言すると、前記指状ユニットはまた、前記基板の少なくとも一部を取り囲むこともできる。前記指状ユニットは、破壊又は意図しない機械変形を生じさせないように必要最小限の力で前記基板を保持するように構成され得る。前記指状ユニットの各々は、それぞれに対応する第1指状部と第2指状部で構成される一対の指又はピンを含むことができる。
【0011】
前記フレーム体は、第1面又は第1フレーム部、及び、第2面又は第2フレーム部を備えることができる。前記第1フレーム部と前記第2フレーム部は互いに分離され得る。前記第1面又は第1フレーム部は前記基板の前記第1面を少なくとも部分的に取り囲み、かつ、前記第2面又は第2フレーム部は前記基板の前記第2面を少なくとも部分的に取り囲むことができる。前記第1フレーム部は少なくとも1つのフレームワークを備え、かつ、前記第2フレーム部もまた少なくとも1つのフレームワークを備えることができる。
【0012】
前記指状ユニットの前記第1指状部は前記フレーム体の前記第1面又は第1フレーム部に配置され、前記指状ユニットの前記第2指状部は前記フレーム体の前記第2面又は第2フレーム部に配置され得る。あるいはその代わりに、前記第1指状部は前記第2面又は第2フレーム部に配置され、前記第2指状部は前記第1面又は第1フレーム部に配置され得る。さらに前記フレーム体に沿って配置される前記指状ユニットの前記第1指状部及び前記第2指状部は、前記第1面又は第1フレーム部と前記第2面又は第2フレーム部で交互に設けられ得る。
【0013】
前記指状ユニットの前記第1指状部は前記フレーム体に対して移動又は変位可能で、前記指状ユニットの前記第2指状部は前記フレーム体に固定された状態で配置され得る。あるいはその代わりに、前記第1指状部は前記フレーム体に固定した状態で取り付けられ、前記第2指状部は前記フレーム体に移動可能であり得る。「移動可能」という用語は、前記指状部が、前記第1指状部と前記第2指状部との間で前記基板を保持又は解放するように前記フレーム体に沿って閉位置と開位置との間で変位可能であると解され得る。好適には前記第1指状部又は移動可能な指状部は、前記閉位置において固定力を印加するように前記フレーム体に回転可能に取り付けられ得る。
【0014】
ある実施例では、前記指状ユニットは電気伝導性ポリマー、電気伝導性セラミックス、又は金属材料で作られる。前記指状ユニットはまた、非伝導性ポリマー、非伝導性セラミックス、又は非伝導性プラスチック材料で作られても良い。
【0015】
ある実施例では、前記フレーム体及び/又は前記指状ユニットは、ステンレス鋼、アルミニウム、又はチタンで作られる。前記フレーム体及び/又は前記指状ユニットはまた、化学的に相性の良い材料又は化学的に相性の良くない材料で作られ、さらに化学的に相性の良いポリマーで被覆されてもよい。ある実施例では、前記フレーム体及び/又は前記指状ユニットは、ポリマー、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、又はフッ化エチレンプロピレン(FEP)で被覆され得る。ある実施例では、前記第1指状部及び前記第2指状部は、前記フレーム体と同一の材料で作られ得るし、あるいは前記フレーム体と異なる材料で作られ得る。
【0016】
ある実施例では、前記第2指状部は移動不可能である。換言すると、前記指状ユニットの前記第2指状部は前記フレーム体に固定した状態で取り付けられ、前記第1指状部のみが前記フレーム体及び/又は前記第2指状部に対して移動可能である。さらに換言すると、前記第2指状部は前記フレーム体の固定された位置に取り付けられ、前記第1指状部は、前記基板を保持する固定力を印加するように前記第2指状部に対して回転可能である。前記フレーム体への前記基板の搬入中、前記基板の前記第2面は前記第2指状部上に設けられ得る。前記第2指状部は、前記基板用の参照位置として機能し得る。
【0017】
ある実施例では、前記第2指状部は前記フレーム体に対して移動可能である。換言すると、前記第1指状部と前記第2指状部のいずれも、前記第1指状部と前記第2指状部との間で前記基板を受けることができる前記フレーム体に対して開くことができるように移動可能である。これは、2つ以上の基板が前記フレーム体に取り付けられ得る場合に特に有用となり得る。
【0018】
ある実施例では、複数の指状ユニットは、隣接する指状ユニット間の距離で前記フレーム体に沿って配置される。前記指状ユニットは、前記フレーム体-好適には前記フレーム体の横フレームワーク-に配置され得る。前記フレーム体は、前記堆積タンクへの当該フレームシステムの浸漬方向に対して平行に配置される。前記指状ユニットは、前記フレーム体に沿って相互に離間され得る。前記指状ユニットは、前記フレーム体の横方向に対して相互に対向し得るし、あるいは、前記オフセットされるように配置され得る。フレーム体の前記横方向に対して相互に配置され得る。従って前記指状ユニットは、損傷も意図しない機械変形をも生じさせることなく最適かつ信頼できる状態で前記基板を保持するように配置され得る。
【0019】
ある実施例では、当該フレームシステムはさらに、前記基板を受け取り及び/又は解放する開位置と、前記基板を保持する閉位置との間で前記第1指状ユニットを移動させるように構成される作動部を備える。前記作動部はまた、前記基板を受け取り及び/又は解放する開位置と、前記基板を保持する閉位置との間で前記第2指状ユニットを移動させるようにも構成され得る。前記作動部は、複数の第1指状部が前記開位置と前記閉位置との間で一緒に移動可能となるように前記複数の第1指状ユニットを移動させるように構成され得る。前記作動部はまた、複数の第2指が前記開位置と前記閉位置との間で一緒に移動可能となるように前記複数の第2指状ユニットを移動させるように構成され得る。
【0020】
前記作動部は、前記開位置と前記閉位置との間での前記指状ユニットの移動を作動させるシリンダ機構を備えることができる。前記作動部は、前記フレーム体-好適には前記フレーム体内部で、より好適には前記作動部を保護するために前記堆積タンク内に浸漬されない前記フレーム体の上部-に配置され得る。前記作動部は、前記指状ユニット及び/又はフレーム体の移動を誘起するシリンダ機構を動作させる制御部に接続され得る。前記制御部は、電気駆動されてよいし、あるいは空気圧力を印加しても良い。従って前記基板の搬入出が完全に自動化され得る。
【0021】
ある実施例では、当該フレームシステムは、前記第1指状部を静止位置-これは閉位置である-に保つように構成される予張力部をさらに備える。前記予張力部はまた、前記第2指状部を静止位置-これは閉位置である-に保つようにも構成され得る。前記予張力部は、前記フレーム体及び前記作動部と相互接続することで、前記第1指状部の運動を生じさせることができる。換言すると、前記予張力部は、一の面上で前記作動部と結合し、他の面上で前記フレーム体と結合することができる。前記予張力部はまた、前記フレーム体及び前記作動部と相互接続することで、前記第2指状部の運動を生じさせることもできる。
【0022】
前記予張力部は、一の面上で前記作動部又は前記シリンダ機構に接続されて、他の面上で前記フレーム体と結合するガイド部に接続されるばね部を備えることができる。前記ばね部は、前記シリンダ機構の運動に対して前記ガイド部を押す又は解放することができる。
【0023】
前記ばね部と前記ガイド部との間には、ギアラック部が配置され得る。前記ガイド部は、表面に歯構造を備えることができる。前記歯構造は、前記ギアラック部と接触する。従って前記シリンダ機構が前記ばね部を押圧する場合、前記ばね部は前記ガイド部を押すことができる。その結果、前記ギアラック部は回転する。従って前記ギアラック部に結合される前記フレーム体は、前記指状ユニットを開くように回転され得る。
【0024】
あるいはその代わりに、前記ギアラック部は、前記フレーム体に挿入されると共に前記指状ユニットに直接接続される支持部に取り付けられ得る。従って前記ギアラック部を回転させるとき、前記支持部は回転され、かつ、前記指状ユニットは、前記フレーム体を動かすことなく開かれ得る。前記ギアラック部の歯数、前記ガイド部の長さ、及び/又は前記シリンダ機構のシリンダストロークによって、前記フレーム体及び/又は前記指状ユニットの制御された回転-好適には前記フレーム体及び/又は前記指状ユニットの180°回転-は実現され得る。
【0025】
前記シリンダ機構が元の位置に戻る場合、前記ばね部は静止し、前記ガイド部は解放され得る。これは、前記指状ユニットの前記閉位置に相当する。前記ばね部が静止又は解放状態になろうとするので、前記予張力部は、前記シリンダ機構が作動されないときの前記指状ユニットの自己閉塞を保証することができる。従って前記指状ユニットによって保持される前記基板は、前記フレーム体から逃れることができない。まとめると、前記指状ユニットの前記開位置は前記作動部又は前記シリンダ機構を動作させることによって実現され、かつ、前記指状ユニットの前記閉位置は前記予張力部を解放することによって実現され得る。
【0026】
ある実施例では、前記第1指状部及び/又は前記第2指状部は、前記基板と接触する弾性指先部を備える。前記基板を直接接触する前記第1指状部及び/若しくは前記第2指状部の終端面又は遠い位置は、エラストマー部を含むことができる。前記弾性指先部が前記電解質又は前記処理中に用いられる他の任意の薬液による有害な影響を受け得ないように、前記第1指状部及び/又は前記第2指状部の前記指先部用のエラストマー材料は、化学的な耐性を有するものにすることができる。前記指状ユニットによって加えられると共に前記第1指状部及び/又は前記第2指状部の前記弾性指先部へ伝わる固定力は、前記閉位置において大きな基板を確実に固定することができる。前記基板の表面と前記指状ユニットとの接触点は、材料除去プロセス段階中に生成される意図しないエッチングパターンを回避するようにも構成され得る。
【0027】
ある実施例では、前記指先部は、ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン-モノマー、フルオロエラストマー(FPM/FKM)、又はペルフルオロエラストマー(FFKM)で作られる。そのような材料は、前記基板へ伝わる恐れのあるいかなる機械適応力又は振動も減少さらには減衰させることができる。さらにそのような材料は、前記指先部が前記基板の処理中に分解されないように-分解は前記基板の保持を失わせる恐れがある-処理環境と化学的に相性が良い。
【0028】
ある実施例では、前記指状ユニットの少なくとも1つは、前記基板の電気接地用の電気伝導性設置路を備える。従って前記基板の電気接地は、前記化学及び/又は電解表面処理中での前記基板の静電帯電を回避又は少なくとも抑制するように常に保証され得る。
【0029】
ある実施例では、前記指状ユニット、前記第1指状部、前記第2指状部、及び/又は前記指先部は交換可能である。前記第1指状部又は前記指状ユニットの任意の部分-たとえば指先-は、別個に製造可能であると共に前記フレーム体又は前記指状ユニットの他の任意の部分に取り付けられ得る。従って指状ユニットは、前記基板若しくは化学環境の要求又は特性に従って個別的かつ最適に組み合わせられ得る。ある実施例では、前記フレーム体に配置される各指状ユニットは、各第1指状部及び/又は第2指状部が、各異なる材料で作られる各異なる形状又は指先部を有することができるようにそれぞれ異なるように配置され得る。
【0030】
ある実施例では、前記フレーム体の外端は尖ったようにされ、前記外端は好適には当該フレームシステムの底部に向けられる。前記フレーム体の底部に配置される前記フレームワークは、当該フレームシステムを前記堆積タンクへ浸漬させるときに前記電解質に最初に接触し、外側方向に先細る形状をとってよい。従って前記堆積タンクへの当該フレームシステムの高速浸漬及び/又は前記堆積タンクからの当該フレームシステムの高速抽出が促進され、電解質及び/又は薬液の飛散が防止可能となる。これは、高いプロセススループット、及び最高の上部から底部までのエッチング均一性を実現するのに要求される高速浸漬エッチングプロセスの場合で特に重要となり得る。それに加えて前記フレーム体の尖った設計は、乾燥プロセス中でのリンス流体の残留液滴の容易な除去を可能にし得る。
【0031】
ある実施例では、前記フレーム体及び/又は前記指状ユニットは、前記基板から遠ざかるように-好適には当該フレームシステムの底部へ向かう方向へ-流体を案内するように構成される流体案内システムを備える。前記流体案内システムは、乾燥気体を供するように構成される気体流ユニットを備えることができる。前記乾燥気体は、好適にはリンス流体膜又は液滴が当該フレームシステムの下方及び外部へ除去され得るような前記フレーム体の前記上部から前記下部まで流れるものである。従って当該フレームシステム又は基板から遠ざかるように移送される前記リンス流体は前記基板とは二度と接触し得ない。たとえば前記リンス流体は脱イオン水で、前記乾燥気体は空気又は窒素気体であってよい。前記乾燥プロセスは、温度を上げた気体-たとえば70℃又は他の任意のプロセスに最適化された温度に加熱された空気-によって実行され得る。
【0032】
ある実施例では、前記フレーム体及び/又は指状ユニットは疎水性又は親水性である。換言すると、前記フレーム体及び/又は前記指状ユニットは、いかなる残留液滴をも完全に除去するため、前記乾燥プロセスを促進するように疎水性又は親水性材料で被覆され得る。
【0033】
ある実施例では、前記フレーム体及び/又は指状ユニットはアンダーカットのない設計である。換言すると、前記フレーム体及び/又は指状ユニットは、薬液又は電解質が集められる、あるいは前記リンス流体の液滴が保持される恐れのある隠された隅部又は領域を有しない。前記フレーム体及び/又は指状ユニットのそのような空気力学的に最適化された幾何学形状は、当該フレームシステム及び/又は基板の実効的かつ効率的なリンス及び乾燥を可能にし得る。
【0034】
ある実施例では、当該フレームシステムはさらに、基板の長さ500mm辺り1つ又は2つだけ指状ユニットを備える。当該フレームシステムは、特に高速移動のため、前記基板を所定の位置に固定するように前記基板表面に接触する最小数の指状ユニットを備えることができる。最小数の必要とされる指状ユニットは、前記基板の寸法に依存し得る。たとえば500×500mmの基板では、2つの指状ユニットだけ前記フレーム体の各側面に配置され得る。前記フレーム体は、前記堆積タンク内での当該フレームシステムの浸漬方向に対して平行である。
【0035】
ある実施例では、前記フレーム体はさらに、前記フレーム体の底端に配置されると共に前記基板を支持するように構成される少なくとも1つの静止部を備える。前記静止部は、前記基板の下端を受ける静止面を有し得る。従って前記基板は垂直方向において信頼性のある状態で所定の位置で保持され得る。前記静止面は、前記電解質及び/又は液滴の逆飛散を回避するため、非常に薄く形成され、かつ/あるいは、前記基板の方向へ向かって先細り得る。前記静止部は、前記フレーム体と一体形成されるか、あるいは別個に製造されると共に前記フレーム体へ解放可能に取り付けられ得る。さらに前記静止部は、前記フレーム体への前記基板の自動搬入及び/又は前記フレーム体からの前記基板の自動搬出用の参照位置として機能し得る。
【0036】
ある実施例では、当該フレームシステムは、1つの単一フレーム体のみさらに備える。換言すると、前記フレーム体のすべてのフレームワーク並びに/又は第1フレーム部材及び第2フレーム部材は、単一のフレーム体を構成するように一体化するように配置されてよい。従って当該フレームシステムへの前記基板の搬入出は、当該フレームシステムの組立によって促進され得る。
【0037】
本開示によると、基板-特に大きな基板-の化学及び/又は電気化学処理への上述のフレームシステムの使用が示される。前記化学及び/又は電解処理は、高速メッキ(HSP)技術に適用可能である。HSPシステムでは、少なくとも1つの基板が、電解質を含む堆積タンク内に浸漬され、化学的及び/又は電気化学的に処理される。
【0038】
上述の実施形態は、含まれる態様に関わらず相互に組み合わせられ得ることに留意して欲しい。
【0039】
本発明の上記及び他の態様は以降で説明する実施形態から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
ここで本発明の典型的実施形態について、以下の図面を参照しながら説明する。
【
図1A】本発明のフレームシステムの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図1B】本発明のフレームシステムの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図2】本発明によるフレームシステムの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図3A】本発明の指状ユニットの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図3B】本発明の指状ユニットの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図4】本発明によるフレームシステムの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図5A】本発明の指状ユニットの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図5B】本発明の指状ユニットの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図5C】本発明の指状ユニットの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図5D】本発明の指状ユニットの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図5E】本発明の指状ユニットの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図5F】本発明の指状ユニットの実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【
図6】本発明による静止部の実施形態を概略的かつ例示的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
[0041]
図1Aは、基板20の化学及び/又は電解表面処理中に基板20を保持するためのフレームシステム10を示す。基板20は、処理を実施する前にフレームシステム10に取り付けることができる。フレームシステム10は、基板20を自動または手動で簡単、迅速、かつ確実に搬入および搬出することを可能にする。
【0042】
フレームシステム10は、フレーム体30と、フレーム体30に配置された複数の指状ユニット60(
図3A、
図3Bおよび
図4も参照)を備える。フレーム体30は、基板20の側方端部23を少なくとも部分的に取り囲み、基板20の少なくとも第1表面21または第2表面22を表面処理のために接近可能にするように構成されている(
図5A~
図5Eも参照)。複数の指状ユニット60は、フレーム体30に沿って、隣接する指状ユニット60間と間隔をあけて配置される。フレーム体30は、第1フレーム部材31と第2フレーム部材32を備えることができる。第1フレーム部材31は、基板20の第1表面21を少なくとも部分的に取り囲むことができ、第2フレーム部材32は、基板20の第2表面22を少なくとも部分的に取り囲むことができる。
【0043】
フレームシステム10は、特に高速めっき(HSP)システムの場合、基板20を所定位置に固定するために基板表面21、22に接触する最小数の指状ユニット60を備え得る。必要最小限の指状ユニット60の数は、寸法、重量のみならず、基板材料の化学的及び物理的特性並びに基板20の表面特性に依存し得る。
【0044】
指状ユニット60は、フレーム体30と一体的に製造されてもよいし、フレーム体30に解放可能に取り付けられてもよい。
図3Aに示すように、各指状ユニット60は第1指状部61と第2指状部62を含む。第1指状部61は、基板20の第1表面21に接触するように構成され、第2指状部62は、基板20の第1表面21とは反対側の基板20の第2表面22に接触するように構成される(
図5A~
図5Eも参照)。従って、第1指状部61は第1フレーム部材31に配置され、第2指状部62は第2フレーム部材32に配置されてもよい。第1指状部61は、第1指状部61と第2指状部62との間で基板20を固定するために、フレーム体30に対して移動可能である。
【0045】
フレーム体10および/または指状ユニット60は、ステンレス鋼、アルミニウムまたはチタン製であってもよい。フレーム体10および/または指状ユニット60は、化学的に相性の良い材料または化学的に相性の良くない材料で作られてもよく、さらに化学的に相性の良いポリマーで被覆されてもよい。
【0046】
フレーム体30および/または指状ユニット60はアンダーカットなしで設計されている(
図3B参照)。言い換えれば、フレーム体30及び/又は指状ユニット60は、化学薬品又は電解液が溜まったり、リンス流体の液滴が保持されたりするような、隠れた隅部又は領域を有しない。
【0047】
フレーム体30は、底部フレームワーク33をさらに備え、底部フレームワーク33の外縁は尖っている(
図1B参照)。フレームシステム10を堆積タンクに浸漬する際に最初に電解液に接触するフレーム体30の下部に配置されたフレームワーク33は、外側方向に先細りになっていてもよい。従って、フレームシステム10の堆積タンクへの浸漬及び/又は堆積タンクからの取り出しの高速化が促進され、電解液及び/又は薬液の飛散が回避され得る。さらに、フレーム体30の尖った設計により、乾燥工程中にリンス流体の残留液滴を容易に除去することができる。
【0048】
フレーム体30の底部フレームワーク33は、基板20を支持するように構成された少なくとも1つの静止部70を備える(
図6参照)。静止部70は、基板20の下側端部を受ける静止面71を含む。従って、基板20は、垂直方向の所定位置に確実に保持され得る。静止面71は、電解液の逆飛散を避けるために、基板20の方向に非常に薄く及び/又は先細り形状となるように形成されている。
【0049】
図2に示すように、フレームシステム10は、基板20を受容および/または解放するための開位置と、基板20を保持するための閉位置との間で可動指を移動させるように構成された作動部40をさらに備える(
図3Aおよび
図4も参照)。作動部40は、開位置と閉位置との間での指状ユニット60の移動を作動させるシリンダ機構41を備える。作動部40は、フレーム体30の内部、好ましくは電解液に浸漬されないフレーム体30の上部に配置される。
【0050】
指状ユニット60の開閉とともに、第1指状部61は、
図4に示すように、第1指状部61と第2指状部62との間で基板20を保持または解放するために、閉位置と開位置との間で移動可能であってもよい。一方、第2指状部62は移動不能であり、フレーム体30に固定配置される。基板20をフレームシステム10に装填する際、基板20の第2表面22を第2指状部62に載せ、第1指状部61が基板20にクランプ力を加えて固定することができる。
【0051】
フレームシステム10は、可動第1指状部61を閉位置である静止位置に維持するように構成された予張力部50をさらに備える。予張力部50は、一方が作動部40またはシリンダ機構41に連結され、他方がフレーム体30またはフレーム体30の第1のフレーム部材31に連結されたガイド部52に連結されたばね部51を備える。ばね部51は、シリンダ機構41の動きに対してガイド部52を押す又は解放することができる。ガイド部52は、フレーム体30又はフレーム体30の第1フレーム部材31と結合されたギアラック部53を備える。
【0052】
シリンダ機構41がばね部51を押すと、ばね部51がガイド部52を押し、これによりギアラック部53が回転する。ガイド部52は、ギアラック部53と接触する表面において歯構造を構成することができる。従って、ガイド部52は、ガイド部52がばね部51によって押されると、ギアラック部53を回転させ、これにより、フレーム体30又はギアラック部53と結合されたフレーム体30の第1フレーム部材31が回転して、指状ユニット60を開くことができる。
【0053】
シリンダ機構41が元の位置に戻ると、ばね部51が静止し、ガイド部52が解放され得る。これは指状ユニット60の閉鎖位置に対応する。ばね部51は静止状態または解放状態になろうとするため、予張力部50は、シリンダ機構が作動していないときに、指状ユニット60の自己閉鎖を保証することができる。
【0054】
図5Aから
図5Fは、指状ユニット60の様々な実施形態を示す。指ユニット60、第1指状部61、第2指状部62、および/または指先部63は交換可能である。第1指状部61と第2指状部62は対称的に配置されてもよいし(
図5A参照)、第1指状部61と第2指状部62の少なくとも一方がエラストマー材料からなる弾性指先部63を有してよい(
図5B参照)。このような材料は、基板20にかかる機械的応力または振動を低減させるか、あるいは減衰させることができる。
【0055】
図5Cでは、第1指状部61はばね部64を有し、
図5Dでは、第1指状部61は傾斜指状部を有する。
図5Eに示すように、第1指状部61は、基板20の電気的接地のための電気伝導性接地経路を提供するための接地ピン65を備えることもできる。その場合、第2指状部62は弾性指先部63を備えることができる。しかしながら、第1指状部61は、第2指状部62が弾性指先部を備えることを必要としない電気伝導性弾性指先部を備えることができる。第1指状部61および/または第2指状部62は、しずく形状の指先部63を備えることもできる(
図5F参照)。指状ユニット60の様々な実施形態により、基板20を損傷することなくフレーム体によって確実に保持することができ、基板20の処理を効率的に行うことができる。
【0056】
フレームシステム10は、流体を基板20から離れる方向、好ましくはフレームシステム10の底部に向かう方向に案内するように構成された流体案内システム(図示せず)をさらに含んでよい。流体案内システムは、リンス流体膜又は液滴が下方及びフレームシステム10の外側に除去され得るように、好ましくはフレーム体30の上部から下部へ流れる乾燥気体を供給するように構成された気体流ユニットを含んでもよい。
【0057】
本開示の実施形態は、異なる対象を参照して記載されていることに留意しなければならない。しかしながら、当業者であれば、上記及び以下の説明から、特に断らない限り、1つの種類の対象に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる対象に関連する特徴間の任意の組み合わせも、本出願と共に開示されると考えられることを理解するであろう。しかしながら、全ての特徴は、特徴の単純な合計以上の相乗効果を提供する組み合わせが可能である。
【0058】
本開示は、図面および説明において詳細に図示および説明されているが、このような図示および説明は、例示的または例示的なものであり、制限的なものではない。本開示は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、特許請求の範囲に記載された開示事項を実施する当業者によって、図面、本開示、および従属請求項の研究から理解され、効果を奏することができる。
【0059】
特許請求の範囲において、「備える」、「有する」、「含む」(comprising)という語は、他の部材またはステップを排除するものではなく、不定冠詞(“a”または“an”)は、複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載された複数の項目の機能を果たす場合もある。特定の手段が相互に異なる従属請求項において再引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】