(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスのための接続システム及び能動滅菌部
(51)【国際特許分類】
A61M 5/28 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
A61M5/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565597
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 US2022020192
(87)【国際公開番号】W WO2022197608
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517229774
【氏名又は名称】ウエスト ファーマスーティカル サービシーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス,ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス,ロートン
(72)【発明者】
【氏名】アベイグナワルデナ,メナカ
(72)【発明者】
【氏名】フリストファス,エレフテリオス
(72)【発明者】
【氏名】バシスタ,ジョン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE06
4C066LL02
4C066QQ82
(57)【要約】
無菌接続を作成するための方法及びシステムが開示されている。方法は、発熱体が第1の外側封止面及び第2の外側封止面に接触するように第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に発熱体を配置する工程を含む。方法は、第1の外側封止面と第2の外側封止面が互い向かって付勢されるように第1の外側封止面と第2の外側封止面へ対向する力を印加する工程と、第1の外側封止面及び第2の外側封止面を滅菌するために発熱体を加熱する工程と、を更に含む。方法はまた、第1の外側封止面と第2の外側封止面へ対向する力を印加し続けながら第1のシールと第2のシールの間から発熱体を除去する工程であって、その結果同時に第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に無菌接続が形成される、工程、を含む。
【選択図】
図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌接続を作成するための方法であって、前記方法は、
開口部を画定している第1の本体を提供する工程であって、第1のシールが前記第1の本体の前記開口部を封止しており、前記第1のシールは第1の外側封止面を画定している、第1の本体を提供する工程と、
開口部を画定している第2の本体を提供する工程であって、第2のシールが前記第2の本体の前記開口部を封止しており、前記第2のシールは第2の外側封止面を画定している、第2の本体を提供する工程と、
前記第1の外側封止面を前記第2の外側封止面と対面関係に配置する工程と、
発熱体が前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面と接触するように当該第1の外側封止面と当該第2の外側封止面の間に前記発熱体を配置する工程と、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面が互いに向かって付勢されるように当該第1の外側封止面と当該第2の外側封止面へ対向する力を印加する工程と、
前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面を滅菌するために前記発熱体を所定温度へ所定時間に亘って加熱する工程と、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面へ前記対向する力を印加し続けながら前記第1のシールと前記第2のシールの間から前記発熱体を除去する工程であって、その結果同時に前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間に前記無菌接続が形成される、工程と、を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記発熱体は電気伝導性材料の条片を画定している、方法。
【請求項3】
請求項1乃至2の何れか一項に記載の方法において、
前記発熱体は熱伝導性材料の条片を画定している、方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の方法において、
前記発熱体は電気抵抗によって加熱される、方法。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の方法において、
前記発熱体は誘導によって加熱される、方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法であって、
前記第1の外側封止面を前記第2の外側封止面と接触関係に固定する工程、を更に備える方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法において、
第1の係合体及び第2の係合体が、前記第1の本体及び前記第2の本体を対面関係にそれぞれ固定し、前記対向する力を印加する、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記対面関係では、前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間にスロットが形成され、
前記方法は、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の前記スロットに前記発熱体が配置された状態で前記第1の係合体と前記第2の係合体を互いへ固定する工程と、
前記発熱体を前記スロットを通して除去する工程と、を更に備える、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記第1のシールと前記第2のシールの間から前記発熱体を除去する前記工程は、前記第1の係合体と前記第2の係合体を固定する前記工程の後に行われる、方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の本体は隔壁を有する医薬品収容器を画定しており、前記第1のシールは前記医薬品収容器を封止している、方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法において、
前記第2の本体は移送針の先端が配置されたエンクロージャを画定しており、前記第2のシールは前記エンクロージャを封止している、方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間に前記発熱体を配置する工程は、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の空間の中へ前記発熱体を挿入する工程と、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の一方又は両方を前記発熱体に向かって、前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面が前記発熱体に接触する位置まで前進させる工程と、を備える、方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の本体と前記第2の本体はそれぞれ空である、方法。
【請求項14】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の本体と前記第2の本体の一方は医薬品を収容している、方法。
【請求項15】
薬物送達デバイスを組み立てる方法であって、前記薬物送達デバイスの2つの構成要素の間に、請求項1乃至14の何れか一項に記載の無菌接続を作成する方法、を備える方法。
【請求項16】
無菌接続を作成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の本体と、
前記第1の本体を封止している第1のシールであって、第1の外側シール面を画定している第1のシールと、
第2の本体と、
前記第2の本体を封止している第2のシールであって、第2の外側シール面を画定している第2のシールと、
前記第1の本体と前記第2の本体を前記第1の外側シール面と前記第2の外側シール面が互いに接触する対面関係にそれぞれ固定するように構成された第1の係合体及び第2の係合体と、
前記第1の外側シール面と前記第2の外側シール面の間の接触を遮断するため及び当該第1の外側シール面及び当該第2の外側シール面を滅菌するために、前記第1の係合体と前記第2の係合体が前記対面関係にある間に前記第1の外側シール面と前記第2の外側シール面の間を延びるように構成された発熱体と、を備え、
前記第1の係合体と前記第2の係合体は、前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間に前記無菌接続を提供するために前記発熱体が除去されると同時に前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の接触が復元されるように前記第1の本体と前記第2の本体を前記対面関係にそれぞれ固定するように構成されている、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、
前記第1の本体は隔壁を有する医薬品収容器を画定しており、前記第2の本体は移送針の先端が配置されたエンクロージャを画定している、システム。
【請求項18】
請求項16又は17に記載のシステムにおいて、
前記第1の本体と前記第2の本体はそれぞれ空である、システム。
【請求項19】
請求項16又は17に記載のシステムにおいて、
前記第1の本体と前記第2の本体の一方は医薬品を収容している、システム。
【請求項20】
請求項16乃至19の何れか一項に記載のシステムにおいて、
前記発熱体は、前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面を200°Cを超える温度へ少なくとも15秒に亘って加熱するように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月14日出願の米国仮特許出願第63/160,871号の恩典を主張するものであり、これによりその開示を参考文献として本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、第1の本体と第2の本体の間に無菌接続を作成するための方法及びシステムに関しており、特に薬物送達システムへの適用を有する。
【背景技術】
【0003】
シリンジやオートインジェクタの様な注入デバイスが、医薬品を医薬品収容器から皮下注射針を通して送達する。皮下注射針は患者の身体へ医薬品を送達するので、注入デバイス及び医薬品収容器の滅菌性が最大限に重要である。
【0004】
多くの場合、注入デバイスは医薬品収容器とは別に製造され販売されている。結果として、広範な治療のうちの何れか1つのための医薬品の種類及び用量を収容している医薬品収容器へ注入デバイスを接続することによって、単一の注入デバイスが広範な治療を送達するのに使用できる。使用前に、製造業者又はユーザ(医療専門家又は患者であるとしてもよい)は、必要とされる治療のための医薬品の種類及び用量を収容している医薬品収容器を注入デバイスへ結合する。収容器と注入デバイスの皮下注射針の間に流体接続が形成され、その結果、医薬品の注入を遂行できるようになる。注入デバイスと収容器は集合的に注入システムを形成する。
【0005】
多くの注入システムでは、最初、収容器は隔壁によって封止されており、それにより医薬品は収容器内に密封され、医薬品の滅菌性が維持される。また、注入デバイスは、移送針(皮下注射針とは別)を含んでおり、移送針は、収容器と注入デバイスがひとたび接続されたら隔壁を穿孔するように構成されている。流体導管が移送針を皮下注射針へ流体接続する。したがって、ひとたび移送針が隔壁を穿孔したら、医薬品は皮下注射針を通って患者へ送達されることができる。その様な注入システムは、収容器と注入デバイスの間の接続が(収容器又は移送針を所定位置へ押し入れることによって)容易に達成できるため、特に自宅使用に有用である。その様な注入システムは、病院又は他の臨床環境で使用されることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国仮特許出願第63/160,871号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、隔壁の外側表面の滅菌性及び移送針の滅菌性は確約するのが難しいという問題が存在する。したがって、隔壁の外側表面と移送針の一方又は両方が汚染されてしまうというリスク、またこの汚染が注入形成時に患者に進入しかねないというリスクがある。このリスクは、注入システムが自宅で又は医療専門家が注入システムを操作しない環境で使用される場合に強調される。また、ユーザが注入デバイスと収容器を汚染の可能性が高い引き出し又は食器棚などの自宅内の非滅菌環境に保管していることもある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様によれば、無菌接続を作成するための方法が、開口部を画定している第1の本体を提供する工程を含む。第1のシールが第1の本体の開口部を封止しており、第1のシールは第1の外側封止面を画定している。方法は、開口部を画定している第2の本体を提供する工程を含む。第2のシールが第2の本体の開口部を封止しており、第2のシールは第2の外側封止面を画定している。方法は、第1の外側封止面を第2の外側封止面と対面関係に配置する工程と、発熱体が第1の外側封止面及び第2の外側封止面と接触するように第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に発熱体を配置する工程と、を含む。方法は、第1の外側封止面と第2の外側封止面が互い向かって付勢されるように、第1の外側封止面と第2の外側封止面へ対向する力を印加する工程を含む。方法は、第1の外側封止面及び第2の外側封止面を滅菌するために発熱体を所定温度へ所定時間に亘って加熱する工程と、第1の外側封止面と第2の外側封止面へ対向する力を印加し続けながら第1のシールと第2のシールの間から発熱体を除去する工程であって、その結果同時に第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に無菌接続が形成される、工程と、を含む。
【0009】
第1の態様の諸実施形は、電気伝導性材料の条片を画定している発熱体を含むことができる。発熱体は、熱伝導性材料の条片を画定していてもよい。発熱体は電気抵抗によって加熱されてもよい。発熱体は誘導によって加熱されてもよい。方法は、第1の外側封止面を第2の外側封止面と接触関係に固定する工程を含むことができる。第1の係合体と第2の係合体が、第1の本体と第2の本体を対面関係にそれぞれ固定し、対向する力を印加することができる。対面関係では、第1の外側封止面と第2の外側封止面の間にスロットが形成され得る。方法は、第1の外側封止面と第2の外側封止面の間のスロットに発熱体が配置された状態で第1の係合体と第2の係合体を互いへ固定する工程と、発熱体をスロットを通して除去する工程と、を含むことができる。第1のシールと第2のシールの間から発熱体を除去する工程は、第1の係合体と第2の係合体を固定する工程の後に行われる。第1の本体は隔壁を有する医薬品収容器を画定しており、第1のシールは医薬品収容器を封止している。第2の本体は移送針の先端が配置されたエンクロージャを画定しており、第2のシールはエンクロージャを封止している。第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に発熱体を配置する工程は、第1の外側封止面と第2の外側封止面の間の空間の中へ発熱体を挿入する工程と、第1の外側封止面と第2の外側封止面の一方又は両方を発熱体に向かって、第1の外側封止面及び第2の外側封止面が発熱体に接触する位置まで前進させる工程と、を含むことができる。第1の本体及び第2の本体それぞれは個々に空であってもよく、又は、第1の本体と第2の本体の一方は医薬品を収容していてもよい。薬物送達デバイスを組み立てる方法が、薬物送達デバイスの2つの構成要素の間に開示の1つの態様による無菌接続を作成する工程を含むことができる。
【0010】
開示の第2の態様は、無菌接続を作成するためのシステムを含む。システムは、第1の本体と、第1の本体を封止している第1のシールと、を含むことができ、第1のシールは第1の外側シール面を画定している。システムは、第2の本体と、第2の本体を封止している第2のシールと、を含むことができ、第2のシールは第2の外側シール面を画定している。システムは、第1の本体と第2の本体を第1の外側シール面と第2の外側シール面が互いに接触する対面関係にそれぞれ固定するように構成された第1の係合体及び第2の係合体を含むことができる。システムは、第1の外側シール面と第2の外側シール面の間の接触を遮断するため及び第1の外側シール面及び第2の外側シール面を滅菌するために、第1の係合体と第2の係合体が対面関係にある間に第1の外側シール面と第2の外側シール面の間を延びるように構成された発熱体、を含むことができる。第1の係合体と第2の係合体は、第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に無菌接続を提供するために発熱体が除去されると同時に第1の外側封止面と第2の外側封止面の間の接触が復元されるように第1の本体と第2の本体を対面関係にそれぞれ固定することができる。
【0011】
第2の態様の諸実施形は、隔壁を有する医薬品収容器を画定している第1の本体と、移送針の先端が配置されたエンクロージャを画定している第2の本体と、を含むことができる。第1の本体及び第2の本体はそれぞれ空であってもよく、又は、第1の本体と第2の本体の一方は医薬品を収容していてもよい。発熱体は、第1及び第2の外側封止面を200°Cを超える温度へ少なくとも15秒に亘って加熱するように構成されていてもよい。
【0012】
添付図面に示されている多くの非限定的な実施例を参照しながら発明をより詳細に説明してゆく。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2a】
図1に対応した或る例示としての注入システムを示す。
【
図3a】未接続状態にある本開示による接続システムを示す。
【
図3b】第1の接続状態にある
図3aの接続システムを示す。
【
図3c】滅菌接続が確立された第2の接続状態にある
図3aの接続システムを示す。
【
図4a】
図3aの接続システムの詳細を示し、滅菌接続を形成するプロセスを示している。
【
図4b】
図4aと共に、滅菌接続を形成するプロセスを示している。
【
図4c】
図4a-
図4bと共に、滅菌接続を形成するプロセスを示している。
【
図4d】
図4a-
図4cと共に、滅菌接続を形成するプロセスを示している。
【
図4e】
図4a-
図4dと共に、滅菌接続を形成するプロセスを示している。
【
図5】本開示の或る実施例による医薬品収容器を充填するためのシステムを示す概略説明図である。
【
図6】本開示による無菌流体経路を形成する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面全体を通して同様の構成要素には同様の参照符号が使用されている。
【0015】
図1は、オンボディ注入デバイス(on-body injection device)100と、医薬品収容器102と、を備える注入システムの概略図を示している。注入システムは、医薬品収容器102が注入デバイス100と結合されて注入デバイス100が注入を遂行する用意のできた組み立て済み状態で示されている。
【0016】
図示されている様に、注入デバイス100は、患者の皮膚106を刺すための皮下注射針104と、流体導管110を介して皮下注射針104へ流体接続することのできる移送針108と、を含むことができる。
図1の組み立て済み状態に示されている様に、移送針108の自由端は、医薬品収容器102の隔壁112を穿孔することができる。したがって、皮下注射針104は移送針108及び流体導管110を介して医薬品収容器102と流体連通することができ、その結果、医薬品収容器102からの医薬品は皮下注射針104を通って分注されることができる。
【0017】
注入デバイス100はハウジング114を含み、ハウジング114は、注入デバイス100の諸構成要素を包み込むことができ、更には注入システムが
図1に示されている組み立て済み状態にあるときには医薬品収容器102を包み込むことができる。ハウジング114は皮膚接触面116を含んでいてもよい。皮膚接触面116は、患者の皮膚へ確実に付着させるための接着層を含んでいてもよい。
【0018】
皮下注射針104は、皮下注射針104がハウジング114内に隠れる引込位置と皮下注射針104がハウジングの皮膚接触面の開口部を通って突出する注入位置(
図1に示す)の間で、ハウジング114に対して並進運動することができる。皮下注射針104は引込状態ではハウジング114内に隠れることができるため、皮下注射針104によるけがのリスクは低減又は排除され得る。諸実施形態では、注入デバイス100は、注入デバイス100が患者の皮膚106へ固定された後にしか皮下注射針104が注入位置へ入れないように構成されることができる。諸実施形態では、注入デバイス100は、ボタン及び/又はアクチュエータを含むことができる。ボタン及び/又はアクチュエータは、ハウジング114上及び/又はハウジング114内に設けられ、注入処置を開始させることができる。アクチュエータは、注入部位の中へ針を前進させることのできる機械的アクチュエータであってもよい。諸実施形態では、注入デバイス100は、(例えば、ボタン及び/又はアクチュエータを介して)注入処置を開始させることのできる制御ユニットを含むことができる。
【0019】
諸実施形態では、皮下注射針104は、ハウジングへ直接取り付けられているのではなく、ハウジング114から離間された輸注セットの一部とすることができる。その様な実施形態では、注入デバイス100は、患者への送達のための遠隔に配置された皮下注射針まで医薬品をポンプで送り込むようになっていてもよい。
【0020】
図2a及び
図2bは、或る例示としてのウェアラブル注入システム200を示している。文脈によって別段明示的又は明確に指示されていない限り、注入システム200は、注入デバイス100の特徴の何れかを含むことができ、逆もまた同様である。
図2aは、注入部位への取り付けの用意ができた組み立て済み状態の注入システム200を示している。注入システム200は、ハウジング201及びアクチュエータボタン220を含むことができる。注入システム200は、更に、医薬品収容器202を挿入できるドア222又はハッチを含むことができる。ドア222は、
図2aに示されている様な閉位置と
図2bに示されている様な開位置の間で動くことができる。注入システム200と医薬品収容器202は、別々に製造され、及び/又は別々に販売されることができ、使用前にユーザ又は医療専門家によって互いへ結合されるようになっていてもよい。ドア222は、医薬品収容器202を受け入れるためのエンクロージャへのアクセスを許容することができる。エンクロージャは、ドア222が開位置にあるときにアクセス可能であり、ドア222が閉位置にあるときには医薬品収容器202をハウジング201内に固定することができる。ゆえに、医薬品収容器202は、ドアが開位置にあるときに注入システム200のエンクロージャの中へ挿入されることができる。
【0021】
更に
図2bから分かる様に、医薬品収容器202は、第1端に隔壁212を含み、第2端にプランジャ218を含むことができる。プランジャ218は、第2端から第1端に向かって医薬品収容器202を通って動くことができる。プランジャ218は、医薬品収容器202の医薬品を収容することのできる内部体積を画定するように医薬品収容器202とのシールを形成することができる。プランジャ218の第1端に向かう運動が、医薬品収容器202の内部体積を減少させ、それにより医薬品へ圧力が印加され、医薬品が医薬品収容器202から医薬品収容器202の第1端の隔壁212を穿孔した移送針208を通って追い出されることになる。
【0022】
図2bに示されている様に、注入システム200は、注入針を注入前位置(ハウジング201内)から注入用意位置(
図1に示す)へ前進させることのできる挿入機構224を含むことができる。注入システム200は、移送針208を注入針へ接続することのできる流体導管210を含むことができる。
【0023】
注入システム200は、プランジャ218を医薬品収容器202の本体に沿って前進させることのできるドライブアセンブリを含むことができる。ドライブアセンブリは、ピストンロッドを前進させることのできる伸縮式ねじアセンブリ(TSA)226を含むことができる。注入システム200は、ピストンロッドを前進させるためにTSA226を駆動することのできるモータ228を含むことができる。注入システム200は、モータ228の作動を制御することのできる制御ユニット230(
図2bに概略的に示す)を含むことができる。ピストンロッドは、プランジャ218を、医薬品収容器202を通って前進させるために、プランジャ218に係合することができる。
【0024】
図2bに示されている構成では、隔壁212(又は他のシール)が移送針208によってまだ穿孔されていないので、移送針208と医薬品収容器202の内部体積の間の流体連通が妨げられている。但し、注入針を介して注入が行えるようになる前に、移送針208は医薬品収容器202の内部体積と流体連通に至らされなければならない。流体導管210と移送針208と隔壁212の滅菌性はこのプロセス全体を通して維持されることができる。
【0025】
図3a-
図3cは、薬物送達システム内の2つの本体の間に滅菌接続を提供するためのシステム300の簡略化された表現を示している。システム300は、例えば注入デバイス100及び/又は注入システム200と共に使用することができる。
図3a-
図3cは、読者の理解を支援するために簡略化された構成要素のセットを示している。
図3aは、未接続状態にあるシステムの構成要素を示している。
図3bは、滅菌接続を作成するために構成要素が寄せ合わされた第1の接続状態にあるシステムの構成要素を示している。
図3cは、システム内の2つの本体の間に滅菌接続が形成された第2の接続状態にあるシステムの構成要素を示している。
【0026】
滅菌接続を提供するためのシステム300は、第1の体積を画定している第1の本体310と、第2の体積を画定している第2の本体320と、を含むことができる。第1の本体310と第2の本体320は
図3aには未接続状態で示されている。第1の本体310は一端に開口部を画定しており、第1のシール312が開口部を封止することができる。第1のシール312は第1の外側封止面314を画定することができる。第2の本体320は一端に開口部を画定しており、第2のシール322が開口部を封止することができる。第2のシール322は第2の外側封止面324を画定することができる。第1の本体310は、第1の本体310と第2の本体320が接続されたら第1の本体310と第2の本体320の間に流体接続を形成するために第1のシール312及び第2のシール322を穿孔することのできる移送針318を含むことができる。
【0027】
第1の外側封止面314と第2の外側封止面324の何れか又は両方が長時間に亘って環境に曝された場合にそれらの封止面が汚染されてしまうリスクがある。上述の様に、確実に、このプロセスの間に第1の外側封止面314と第2の外側封止面324の何れか又は両方の汚染のせいで移送針318が汚染されてしまうことのないようにするために、第1の外側封止面314及び第2の外側封止面324はそれらが接触させられる時点にて滅菌されることができる。
【0028】
システム300は、第1の外側封止面314及び第2の外側封止面324を滅菌することのできる発熱体330を含むことができる。諸実施形態では、発熱体330は、電気伝導性材料又は熱伝導性材料の条片を有するものとすることができる。条片は、金属で作られていてもよいし、又は電気エネルギーを熱へ変えるための任意の他の適切な材料で作られていてもよい。発熱体330は、第1のシール312の外側封止面314と第2のシール322の外側封止面324の、それらが対応する関係に至らされたときの形状に対応する形状であってもよい。発熱体330は、他の構成も考えられるが実質的に平行な互いに反対側の平面を画定しているものとしてもよい。
【0029】
図3bは、第1のシール312と第2のシール322が対面関係に至らされる位置、即ち、第1の外側封止面314と第2の外側封止面324が互いに向き合うように互いに対面する位置、へ至らされた第1の本体310と第2の本体320を示している。封止面314、324が平面状である場合、外側封止面314と324は互いに平行に互いに向き合って配置されることができる。発熱体330は、発熱体330が第1の外側封止面314及び第2の外側封止面324と接触するようにして第1の本体310と第2の本体320の間に配置されることができる。システムが
図3bに示された位置へ至らされたら、発熱体330は、例えば、電気抵抗の作用を介して、誘導の作用を介して、又は任意の他の適切なやり方で、加熱されることができる。発熱体330はこうして外側封止面314、324へ熱を伝達して外側封止面314、324を滅菌することができる。
【0030】
発熱体330は、外側封止面314、324を滅菌するために、外側封止面314、324を所定温度へ所定時間に亘って加熱することができる。外側封止面314、324を滅菌するのに要する時間が最小化され、第1及び第2のシール312、322へ伝達される熱が最小化されるように、発熱体330はシステムが
図3bに描かれた位置へ至らされる前に予加熱されてもよい。代替的に、発熱体330は、システム300が
図3bに描かれた位置へ至らされた後にしか加熱されないようになっていてもよい。発熱体330と外側封止面314、324の間の熱伝達を監視するために、1つ又はそれ以上のセンサが発熱体330の何れかの部分に適用されてもよい。追加的又は代替的に、発熱体330の材料特性に基づき、発熱体へ提供される電流の量及び発熱体330が加熱される時間の量から発熱体330の温度が推測されてもよい。滅菌プロセスの閾値温度及び持続時間を決定するためのパラメータが制御ユニットへプログラムされていて、制御ユニットが発熱体330を自動的に動作させるようになっていてもよい。外側封止面314、324が適切な許容範囲まで滅菌されることを確約するために、発熱体330の温度は200°C超に15秒又はそれ以上に亘って留まることができる。諸実施形態では、発熱体330は、200°Cより有意に高い温度(例えば、250°Cから300°Cの間、又は300°Cより高い温度)に15秒未満に亘って留まることができる。
【0031】
発熱体330は、所要加熱時間を最小化するように最適化されることができる。例えば、発熱体330は、低い比熱容量を有する金属、即ち、急速に熱くなる材料を有することができる。前述の様に、発熱体330は、滅菌時間、即ち、
図3bの位置にある時間が最小化されるように、
図3bの位置へ至らされる前に予加熱されてもよい。滅菌時間を最適化及び/又は最小化することは、例えば
図2a及び
図2bの注入システム200の場合がそうである様に第1の本体310又は第2の本体320の一方に収容された医薬品への加熱の悪影響を低減又は排除することができる。
【0032】
諸実施形態では、第2のシール322は耐熱性材料を有することができ、そうすれば第2のシール322は熱を外側封止面324から第2の本体320の内部へ伝達しない。追加的又は代替的に、第2のシール322は、第2の外側封止面324から第2の本体320の内部への熱伝達が最小化され又は排除されるような厚さとすることができる。追加的又は代替的に、第2のシール322は、外側封止面324と第2の本体320の内部の間に位置する1つ又はそれ以上の絶縁層を有する層状構造を有していてもよい。絶縁層は、外側封止面324から内部又は第2の本体320への熱伝達を防止する絶縁材料を有していてもよい。追加的又は代替的に、シール322は、外側封止面324が第2の本体320の開口部を覆って気密バリア又はガスタイトバリアを形成し、ストッパシールが、第2の本体内の物質(例えば、医薬品)が第2の本体320の内部から脱出しないことを確約するという、多部構造を有していてもよい。上述のやり方でシール312、322の何れか又は両方が形成されることもできるだろう。これらの態様によれば、第1の本体310及び/又は第2の本体320内に収容された医薬品の様な物質をシール312、322へ適用される熱処理の悪影響から保護することができる。
【0033】
諸実施形態では、第1の本体310と第2の本体320の一方又は両方が滅菌プロセス中に医薬品を収容していてもよい。但し、第1の本体310及び第2の本体320が充填工程前に本明細書に記載の滅菌プロセスを受けること、即ち、第1の本体310と第2の本体320の両方が滅菌時には空であるということも考えられる。その様なシステムでは、第1の本体310と第2の本体320の一方又は両方は滅菌プロセスが起こった後に医薬品を充填されることができる。
【0034】
第1の本体310と第2の本体320は、
図3b及び
図3cに示されている様に対面関係へ至らされることができる。諸実施形態では、協働する第1の係合体342及び第2の係合体344を含み得る接続アセンブリ340が、第1の本体310と第2の本体320を
図3a-
図3cに概略的に示されている様に対面関係に固定することができる。第1の係合体342及び第2の係合体344は、第1の係合体342と第2の係合隊344が第1のシール312と第2のシール322を互いに対面させてそれぞれ固定するように、対応する嵌合構成要素を画定していてもよい。例えば、第1の係合体342及び/又は第2の係合体344は、ブラケット、アーム、クランプ、ホルダの様な機械的構造であってもよいし、又は第1の本体310及び第2の本体320を所定位置に保持することのできる任意の他の構造であってもよい。第1のシール312及び第2のシール322は、第1のシール312と第2のシール322の間に空間を設けて固定されることができ、空間は発熱体330と大凡同じ寸法(例えば、厚さ)を有するものとすることができる。第1の係合体342と第2の係合体344は一体に固定されたときスロット346を画定し、このスロット346を通って発熱体330がシール312と322の間を通過するように挿入され、発熱体330は第1の外側封止面314と第2の外側封止面324の両方と接触する
図3bに示された位置に到達することができる。発熱体330は、発熱体330が第1の本体310と第2の本体320の間に配置されない第1の位置(即ち、
図3a及び
図3cに示される位置)と発熱体330が第1の本体310と第2の本体320の間に配置される第2の位置の間で可動であるとしてもよい。発熱体330は、第1の位置と第2の位置の間で可動である取り付けアセンブリ上に取り付けられていてもよい。取り付けアセンブリは、ユーザによって直接操作可能であってもよいし、又は電子制御ユニットによって制御されるようになっていてもよい。
【0035】
諸実施形態では、第1の係合体342及び第2の係合体344は、発熱体330が第1の外側封止面314と第2の外側封止面324の間の位置に配置されたときに固定されることができる。この配設では、第1の外側封止面314と第2の外側封止面324が互いに向かって付勢されるように、第1の外側封止面314と第2の外側封止面324へ対向する力を印加することができる。結果として、第1の本体310と第2の本体320の間に圧力を印加することができる。発熱体330を通して第1の本体310と第2の本体320の間に圧力を印加することが、発熱体330に接触している外側封止面314、324の表面積を増加させることになる。例えば、外側封止面314、324の全表面積が発熱体330に接触することができる。シール312とシール322の何れか又は両方は変形可能な材料を有していてもよく、その様な材料は第1の本体310と第2の本体320の間に圧力が印加されたときに外側封止面314、324の発熱体330に接触する表面積を更に増加させることができ、発熱体相手に全点接触が作られることを確約する。こうして、発熱体330へ圧力を印加して発熱体330を所定位置に固定することができる。追加的又は代替的には、発熱体330は、クランプ、ブラケット、アームなどの様な他の機械的手段によって所定位置に固定されることができる。
【0036】
発熱体330が温度及び持続時間に関する定義されたパラメータに従って加熱されたら、発熱体330は第1の本体310と第2の本体320の間から除去されることができる。発熱体330は所定の加熱時間が経過した後に除去されてもよく、発熱体330は閾値温度に達した後及び/又は所定時間に亘って閾値温度を上回った後に除去されてもよい。例えば、発熱体330の温度を監視するために、1つ又はそれ以上の温度センサが設けられてもよい。温度センサは、発熱体330の一部、又は、第1及び/又は第2の係合体342、344の一部とすることができる。発熱体330の除去は制御ユニットによって制御されることができる。例えば、制御ユニットは、先に論じられた様に、発熱体330が所定温度へ所定時間に亘って加熱されたときの様な消毒プロセスの完了に応えて発熱体330を自動的に除去するようになっていてもよい。
【0037】
諸実施形態では、第1の係合体342と第2の係合体344は、互いに向かって付勢され、発熱体330へ圧力を働かせることができる。この付勢力の印加は、発熱体330が除去されている間もその除去後も継続し得る。発熱体330が第1の本体310と第2の本体320の間の位置から除去されるとき、この付勢力は第1の本体310と第2の本体320が発熱体330の除去につれて互いに向かって動くように仕向けることができる。つまり、発熱体330が第1の本体310と第2の本体320の間に配置されているとき、発熱体330は第1の本体310と第2本体320が
図3cに示される最終位置へ動くのを有効に阻止しているので、発熱体330へ圧力が印加されるように第1の本体310と第2本体は付勢されることになる。この付勢力は、第1の本体310と第の2本体320を、第1の外側封止面314と第2の外側封止面324が互いに接触した状態で接続関係に固定することができる。滅菌後に第1の本体310と第2の本体320を接続関係に至らせることによって、発熱体330が外側封止面314と324の間から除去されてゆくのと同時に付勢力の作用を通して外側封止面314と324の間にシールを形成させることができる。つまり、外側封止面314、324は、発熱体330の除去と同時に互いに接触して外側封止面314、324を環境から封止することができる。このシールは、第1のシール312と第2のシール322の間に信頼性の高い無菌接続を提供し、滅菌後の第1及び第2の封止面314、324の汚染を低減又は排除することができる。発熱体330の除去中に同時に第1の封止面314と第2の封止面324の間にシールが作成されるのは、発熱体330が第1の封止面314と第2の封止面324の間から除去されるにつれて発熱体330の後縁にて第1のシール312と第2のシール322の弾性膨張が起こることで生じ得る。
【0038】
第1の本体310と第2の本体320は
図3cに示された位置に無期限に留まることができ、それらが一体に固定されている限りシールは使用時まで滅菌されたままであるはずだ。例えば第1の本体310と第2の本体320の一方が医薬品を収容している事例では、使用時に、第1の本体310と第2の本体320の間に流体経路を確立させることができる。例えば、移送針318を使用して第1のシール312及び第2のシール322を穿孔することによって流体経路が確立されてもよい。
【0039】
先述の様に、第1の本体310と第2の本体320は、接続アセンブリ340の一部として所定位置に保持されることができる。接続アセンブリ340は、
図1及び
図2にそれぞれ示されている注入デバイス100及び注入システム200の様な医療デバイスの一部とすることができる。第1の本体310と第2の本体320の何れかは医療デバイスの一体部分であってもよい。諸実施形態では、第1の本体310及び/又は第2の本体320は接続アセンブリ340の中へ挿入され固定されることができる。接続アセンブリ340は、第1の接続アセンブリ及び第2の接続アセンブリを画定していてもよい。第1の接続アセンブリと第2の接続アセンブリはそれぞれ対応する第1の係合体342と第2の係合体344を含んでいてもよい。接続アセンブリ340は、
図3a又は以下で
図4aに示されている様に第1の本体310と第2の本体320が互いと係合されていない又はそれらの間が空いている第1の位置から、
図3cに示されている様に第1の本体310と第2の本体320が接触する第2の位置へ、可動であるとしてもよい。
図3a-
図3cに示されている実施形態では、発熱体330の存在は、第1の本体310と第2の本体320が動いて互いと接触してしまうのを防ぐことができる。接続アセンブリ340は、第1の本体310と第2の本体320が
図3bに示されている位置にロックされるのを可能にするラッチ機構又はロック機構を含むことができる。ラッチ機構は、発熱体330が除去されたときに第1及び/又は第2の本体310、320が他方に向かって動き、発熱体330によって残された空間を埋めて互いと接触することができるように、第1の本体310と第2の本体320の何れか又は両方の間に圧力を印加する付勢力を提供することができる。
【0040】
諸実施形態では、シール312及び322は、
図4aに示されている様に、第1の本体310の開口部の端及び/又は第2の本体320の開口部の端を越えて延びる弾性材料又は変形可能材料を有することができる。第1のシール312は距離aだけ第1の本体310を越えて延びることができ、第2のシール322は距離bだけ第2の本体320を越えて延びることができる。
図4aは、
図3aに示されている位置と同じ位置にある接続アセンブリ340の諸部分を示している。第1の本体310と第2の本体320は、
図4bに示されている様に接続位置へ至らされることができる。
図4bに示されている位置は、
図3bに示されている位置と同じであるとしてもよい。第1の係合体342及び第2の係合体344を含む接続アセンブリ340は、接続アセンブリ340が第1の本体310と第2の本体320を第1の本体310の端と第2の本体320の端が
図4bに示されている様に互いから距離Dになるように保持する位置へ固定されることができる。諸実施形態では、距離Dは距離a+bよりも小さく、第1のシール312と第2のシール322は
図4bの斜線部分によって示されている様に変形することができる。つまり、発熱体330が第1のシール312と第2のシール322の間に配置されているとき、第1のシール312の端と第2のシール322の端は接続アセンブリ340によって所定位置に保持されることにより圧縮されることになる。
【0041】
第1の本体310と第2の本体320を距離a+bより小さい距離Dに保持することによって、発熱体330は、第1のシール312及び第2のシール322の変形による陽圧によって所定位置に保持されることができる。第1のシール312と第2のシール322は、保持位置と発熱体330の存在との組合せにより互いに向かって付勢されることができる。発熱体330は、第1のシール312と第2のシール322の間の接触を遮断することができる。
【0042】
図4c-
図4eに見ることができる様に、発熱体330が、第1の外側封止面314及び第2の外側封止面324を滅菌した後に除去されてゆくと、第1のシール312及び第2のシール322は未変形状態へ復帰することができる。この様に、第1の本体310と第2の本体320の互いに向かう運動を一切要することなく、第1のシール312と第2のシール322の間のシールを自動的に形成させることができる。これは、第1の本体310と第2の本体320が固定されている位置(即ち、対面関係)が、第1のシール312の第1の本体310からの距離aの伸張及び第2のシール322の第2の本体320からの距離bの伸張により、第1のシール312と第2のシール322を互いと接触するように導くからである。したがって、
図4a-
図4eに示されている構成では、接続アセンブリ340は、第1の本体310及び第2の本体320を互いから距離dにあるそれらの最終位置へ固定するだけでよく、この位置で、第1のシール312と第2のシールの323は発熱体330が存在しなくなったときに自動的に接続を形成するのである。
【0043】
上述の方法及び接続システムは、以上に論じられた注入デバイス100及び/又は注入システム200と共に使用することができるが、本開示はそれらに限定されることを意図していない。また、以上に論じられた方法及び接続システムが注入デバイス100と共に使用されたとき、注入デバイス100と医薬品収容器102の間の滅菌接続を実現させることができる。諸実施形態では、上述の方法及び接続システムは医薬品収容器102の隔壁側の端へ結合され、接続アセンブリ340は注入デバイス100のドア122内のエンクロージャの中に配置されてもよい。また一方、上述の方法及び接続システムは、ウェアラブル注入デバイス内の他の無菌接続を形成するのに使用されてもよく、又は他の薬物送達システム(例えば、シール医薬品カートリッジを備えたペン型注入器、輸注ポンプなど)内の接続を形成するのに使用されてもよいことが理解されるだろう。
【0044】
図5は、本開示による収容器充填システムを示している。収容器充填システムは、第1の接続アセンブリ402へ接続できる第1の収容器500を含むことができる。収容器充填システムは、第2の接続アセンブリ404へ接続できる第2の収容器502を含むことができる。第1の接続アセンブリ402及び第2の接続アセンブリ404は、接続システム300に関して以上に論じられた特徴の何れかを含むことができ、逆もまた同様である。以上に説明された滅菌プロセスは、第1の収容器500と第2の収容器502(又はそれら収容器へ流体的に取り付けられた構成要素)のそれぞれの面の間で遂行されることができる。したがって、滅菌性を危うくすることなしに第1の収容器500又は第2の収容器502を充填することが可能である。第1の収容器500は、バイアル又はカートリッジを画定していてもよい。第2の収容器502は、第1の収容器400よりも大きい、小さい、又は同じ大きさであってもよい。第1の収容器500及び/又は第2の収容器502は、可撓性のバッグを画定していてもよく、又は剛性構造であってもよい。
【0045】
図6は、本開示による無菌流体経路を形成する方法を示している。
図6の方法は、上述されている
図3a-
図3cの接続システム300、注入デバイス100、及び/又は注入システム200と同様の構造を使用して遂行されることができる。
【0046】
工程600にて、ユーザは、患者の身体上に提供されている注入デバイスのドアを開くことができる。注入デバイスは、第2の接続アセンブリを含むことができる。ドアを開けることによって、注入デバイス内のエンクロージャを露にすることができる。エンクロージャは、第2の接続アセンブリを収容することができる。
【0047】
工程602にて、ユーザは、投与される治療のための正しい医薬品の種類及び用量を収容している医薬品収容器を選択することができる。医薬品収容器は、医薬品収容器の開口部を封止する隔壁を含むものとすることができる。ユーザは、医薬品収容器をエンクロージャの中へ部分的に挿入することによって、注入デバイスを医薬品収容器と結合させることができる。医薬品収容器は、医薬品を通して注入部位まで皮下注射針を介して送達させる注入デバイス内の第2の本体に対面して配置されることができる。これは、
図4aに描かれている第1の状態に対応するとしてもよい。医薬品収容器の第1のシールと注入デバイスの第2の本体の間に発熱体を配置させることができる。
【0048】
工程604にて、ユーザは注入デバイスのドアを閉じることができる。そうすることで、医薬品収容器は、注入デバイス内で、医薬品収容器が医薬品収容器のシールの第1の外側封止面と注入デバイス内の第2の本体の第2の外側封止面の間の滅菌接続について用意のできた位置へと動くことができる。具体的には、ドアを閉じることが、医薬品収容器を、第1の外側封止面が発熱体と接触し且つ第2の外側封止面も発熱体と接触する付勢位置へ至らせることになる。ドアを閉じることが発熱体を所定位置に動かすことになり、つまり、ドアの運動は、発熱体の第1の位置と発熱体が第1の本体と第2の本体の間の所定位置にある第2の位置との間の運動へ機械的にリンクされているとしてもよい。
【0049】
工程606にて、発熱体は、第1の外側封止面及び第2の外側封止面を所定温度へ所定時間に亘って加熱することによって滅菌処置を遂行することができる。諸実施形態では、工程604でのドアの閉鎖は、滅菌を遂行するための所定の加熱プログラムをアクティブにすることができる。
【0050】
工程608にて、発熱体は、第1の外側封止面と第2の外側封止面の間から除去され、第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に滅菌接続を形成することができる。これは、注入デバイスのドアを閉じることによって印加される付勢力であって第1の本体を第2の本体に向かって動かし接続させることのできる付勢力を介して、第1の本体と第2の本体が寄り合うことで果たされ得る。これは、追加的又は代替的には、発熱体が除去されるにつれ1つ又はそれ以上の弾性シールが未変形状態へ復帰することにより果たされ得る。
【0051】
工程610にて、移送針は、シールを通って隔壁に向かって動き、最終的に隔壁を穿孔することができる。隔壁が穿孔されたら、保持機構が移送針に係合して移送針を所定位置に保持することができる。この状態で、医薬品収容器と注入デバイスの間の流体経路が確立されることになる。これは、
図3cに描かれている第3の状態に対応するとしてもよい。
【0052】
工程612にて、ユーザはボタンを押すことができ、それにより注入が遂行されるように注入機構がアクティブにされる。医薬品が皮下注射針を通って患者へ送達されることができる。
【0053】
本開示の他の態様は、薬物送達システム内に無菌接続を作成するための方法を含むことができ、方法は、第1のシールを備える第1の体積であって、第1のシールは第1の体積の開口部を封止していて第1の外側封止面を有している、第1の体積を提供する工程と、第2のシールを備える第2の体積であって、第2のシールは第2の体積の開口部を封止していて第2の外側封止面を有している、第2の体積を提供する工程と、第1のシールの外側表面を第2のシールの外側表面と対面関係に配置する工程と、発熱体が第1の外側封止面及び第2の外側封止面と接触するように第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に発熱体を配置する工程と、第1の外側封止面と第2の外側封止面が互いに向かって付勢されるように第1の外側封止面と第2の外側封止面へ対向する力を印加する工程と、第1の外側封止面及び第2の外側封止面を滅菌するために発熱体を所定温度へ所定時間に亘って加熱する工程と、第1の外側封止面と第2の外側封止面へ対向する力を印加し続けながら第1のシールと第2のシールの間から発熱体を除去する工程であって、その結果同時に第1の外側封止面と第2の外側封止面の間にシールが形成される、工程と、を備える。
【0054】
発熱体が提供されるので、2つの本体の間に無菌シールを作成するための単純且つ時間効率の良い方法がもたらされる。ゆえに、第1の本体から第2の本体への流体移動は、高信頼度で、しかもシールの表面からの非滅菌要素が流れを汚染する可能性を少なくして遂行され得る。シール及びそれらシールの外側表面は、それらが互いに向かって付勢される対面関係へ至らされ、即ち、そこからそれらが接合されることになる位置へ至らされるので、両方の外側表面を滅菌すると同時に接合するプロセスは、シールが一体に接合される前にシールが汚染されてしまう機会がほとんどないことを意味する。所定温度とは、発熱体がそれより上に加熱されなくてはならないとされる最小値温度と、封止面を損傷させないために発熱体が超えてはならないとされる最大値温度と、を備える所定の温度範囲であるとしてもよい。加熱時間は、その間に発熱体が所要温度になるか又は所要温度範囲内に入るはずの1つ又はそれ以上の時間間隔を備えていてもよい。
【0055】
発熱体は、電気伝導性材料又は熱伝導性材料の条片であって、条片の形態をしていて、電気抵抗又は誘導によって加熱されるものを備えていてもよい。条片は、滅菌プロセスが行われたら、シール間から容易に除去できるように形成されていてもよい。
【0056】
第1の外側封止面及び第2の外側封止面は、滅菌プロセスが行われたら接触関係に固定され得る。その後、2つの本体は、第1の外側封止面と第2の外側封止面の間のシールが危うくなることなくこの位置に無期限に又は必要なだけ長く留まることができる。
【0057】
第1のシールは、第1の体積を備えた第1の係合体を備える第1の接続アセンブリの一部であり、第2のシールは、第2の体積を備えた第2の係合体を備える第2の接続アセンブリの一部であってもよい。第1の係合体と第2の係合体は、第1のシールと第2のシールを接触関係に固定するために対応する嵌合構成要素を備えていてもよい。
【0058】
第1の係合体と第2の係合体は、互いへ接続されたときに、スロットを形成することができ、このスロットを通って発熱体は第1の外側封止面及び第2の外側封止面に接触するように延びる。方法は、更に、発熱体が第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に配置された状態で第1の係合体と第2の係合体を互いへ固定する工程と、発熱体をスロットを通して除去する工程と、を含んでもよい。
【0059】
第1の係合体と第2の係合体を有する接続アセンブリを備えたこの構成は、第1の本体と第2の本体を寄せ合わせ且つそれらを所定位置に固定する単純な手段を提供する。第1の係合体と第2の係合体が一体に接続されたときに係合体の間に形成されるスロットは、第1の本体と第2の本体が所定位置に置かれたときの第1の外側封止面と第2の外側封止面の間の空間の中へ発熱体を挿入するための及び/又は空間から発熱体を除去するための好都合な手段を提供する。
【0060】
第1のシールと第2のシールの間から発熱体を除去する工程は、第1の係合体と第2の係合体を固定する工程の後に行われるものとしてもよい。
【0061】
第1のシールは、医薬品収容器の隔壁が配置されたエンクロージャを封止していてもよい。
【0062】
第2のシールは、移送針の先端が配置されたエンクロージャを封止していてもよい。
【0063】
第1の外側封止面と第2の外側封止面の間に発熱体を配置する工程は、第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の空間の中へ発熱体を挿入する工程と、第1の外側封止面と第2の外側封止面の一方又は両方を発熱体に向かって、第1の外側封止面及び第2の外側封止面が発熱体に接触する位置まで前進させる工程と、を備えてもよい。第1の外側封止面と第2の外側封止面が固定位置に至らされ、次いでそれらの間に発熱体が設置されてもよい。2つの外側封止面は、この位置に入ったら、発熱体の何れかの面との接触に至らされることになる。
【0064】
第1の体積と第2の体積のそれぞれは、滅菌プロセス中は空であってもよい。代替的には、第1の体積と第2の体積の一方は滅菌プロセス中に医薬品を収容していてもよい。
【0065】
第2の態様では、薬物送達システム内で2つの構成要素の間に無菌接続を作成するためのシステムが提供されており、システムは、第1のシールによって封止されていて第1の外側シール面を有している第1の無菌体積と、第2のシールによって封止されていて第2の外側シール面を有している第2の無菌体積と、第1の外側シール面と第2の外側シール面を接触関係に固定するように構成された接続アセンブリと、を備えている。接続アセンブリは、スロットであって発熱体がそれを通って第1の外側封止面及び第2の外側封止面に接触するために延びるよう構成されているスロットと、第1及び第2の外側封止面に接触するためにスロットを通って延びるように構成されている発熱体と、を備えている。
【0066】
説明されているシステムは、第1の体積と第2の体積を寄せ合わせ、それらの間に発熱体の導入を介して無菌シールを形成させることを可能にする。
【0067】
以上の詳細な説明は、オンボディ注入デバイスの滅菌性を確約するためのシステム及び方法を記述している。しかしながら、当業者には理解される様に、発明は本明細書に説明されている例示としてのオンボディ型デバイスと関連した使用に限定されない。むしろ、本発明と関連づけられる1つ又はそれ以上の恩恵は、他の薬物送達デバイスと関連して実施されてもよく、又は、以上の詳細な説明に照らして当業者には明らかである様に滅菌されていない可能性のあるシールを有する2つの本体の間に滅菌接続を形成させる任意の事例に実施されてもよい。
【0068】
以上、添付図面に記述され及び示されている実施形態は、本発明を実行に移すことのできるやり方の実施例として提供されており、発明の範囲を限定することを意図するものではない。修正がなされてもよく、開示から逸脱することなく要素が機能的及び構造的に等価な部分と置き換えられてもよいし異なる実施形態の特徴同士が組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0069】
100 オンボディ注入デバイス
102 医薬品収容器
104 皮下注射針
106 患者の皮膚
108 移送針
110 流体導管
112 隔壁
114 ハウジング
116 皮膚接触面
200 ウェアラブル注入システム
201 ハウジング
202 医薬品収容器
208 移送針
210 流体導管
212 隔壁
218 プランジャ
220 アクチュエータボタン
222 ドア
224 挿入機構
226 伸縮式ねじアセンブリ(TSA)
228 モータ
230 制御ユニット
300 2つの本体の間に滅菌接続を提供するためのシステム
310 第1の本体
312 第1のシール
314 第1の外側封止面
318 移送針
320 第2の本体
322 第2のシール
324 第2の外側封止面
330 発熱体
340 接続アセンブリ
342 第1の係合体
344 第2の係合体
346 スロット
402 第1の接続アセンブリ
404 第2の接続アセンブリ
500 第1の収容器
502 第2の収容器
a、b シールが本体開口部の端を越えて延びている距離
D 接続アセンブリによって固定されたときの本体の端間距離
【手続補正書】
【提出日】2023-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌接続を作成するための方法であって、前記方法は、
開口部を画定している第1の本体を提供する工程であって、第1のシールが前記第1の本体の前記開口部を封止しており、前記第1のシールは第1の外側封止面を画定している、第1の本体を提供する工程と、
開口部を画定している第2の本体を提供する工程であって、第2のシールが前記第2の本体の前記開口部を封止しており、前記第2のシールは第2の外側封止面を画定している、第2の本体を提供する工程と、
前記第1の外側封止面を前記第2の外側封止面と対面関係に配置する工程と、
発熱体が前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面と接触するように当該第1の外側封止面と当該第2の外側封止面の間に前記発熱体を配置する工程と、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面が互いに向かって付勢されるように当該第1の外側封止面と当該第2の外側封止面へ対向する力を印加する工程と、
前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面を滅菌するために前記発熱体を所定温度へ所定時間に亘って加熱する工程と、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面へ前記対向する力を印加し続けながら前記第1のシールと前記第2のシールの間から前記発熱体を除去する工程であって、その結果同時に前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間に前記無菌接続が形成される、工程と、を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記発熱体は電気伝導性材料の条片又は熱伝導性材料の条片を画定している、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記発熱体は電気抵抗又は誘導によって加熱される、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法であって、
前記第1の外側封止面を前記第2の外側封止面と接触関係に固定する工程、を更に備える方法。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法において、
第1の係合体及び第2の係合体が、前記第1の本体及び前記第2の本体を対面関係にそれぞれ固定し、前記対向する力を印加する、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記対面関係では、前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間にスロットが形成され、
前記方法は、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の前記スロットに前記発熱体が配置された状態で前記第1の係合体と前記第2の係合体を互いへ固定する工程と、
前記発熱体を前記スロットを通して除去する工程と、を更に備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記第1のシールと前記第2のシールの間から前記発熱体を除去する前記工程は、前記第1の係合体と前記第2の係合体を固定する前記工程の後に行われる、方法。
【請求項8】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の本体は隔壁を有する医薬品収容器を画定しており、前記第1のシールは前記医薬品収容器を封止している、方法。
【請求項9】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法において、
前記第2の本体は移送針の先端が配置されたエンクロージャを画定しており、前記第2のシールは前記エンクロージャを封止している、方法。
【請求項10】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間に前記発熱体を配置する工程は、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の空間の中へ前記発熱体を挿入する工程と、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の一方又は両方を前記発熱体に向かって、前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面が前記発熱体に接触する位置まで前進させる工程と、を備える、方法。
【請求項11】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の本体と前記第2の本体の一方は医薬品を収容している、方法。
【請求項12】
無菌接続を作成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の本体と、
前記第1の本体を封止している第1のシールであって、第1の外側シール面を画定している第1のシールと、
第2の本体と、
前記第2の本体を封止している第2のシールであって、第2の外側シール面を画定している第2のシールと、
前記第1の本体と前記第2の本体を前記第1の外側シール面と前記第2の外側シール面が互いに接触する対面関係にそれぞれ固定するように構成された第1の係合体及び第2の係合体と、
前記第1の外側シール面と前記第2の外側シール面の間の接触を遮断するため及び当該第1の外側シール面及び当該第2の外側シール面を滅菌するために、前記第1の係合体と前記第2の係合体が前記対面関係にある間に前記第1の外側シール面と前記第2の外側シール面の間を延びるように構成された発熱体と、を備え、
前記第1の係合体と前記第2の係合体は、前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間に前記無菌接続を提供するために前記発熱体が除去されると同時に前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の接触が復元されるように前記第1の本体と前記第2の本体を前記対面関係にそれぞれ固定するように構成されている、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記第1の本体は隔壁を有する医薬品収容器を画定しており、前記第2の本体は移送針の先端が配置されたエンクロージャを画定している、システム。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のシステムにおいて、
前記第1の本体と前記第2の本体の一方は医薬品を収容している、システム。
【請求項15】
請求項12乃至13の何れか一項に記載のシステムにおいて、
前記発熱体は、前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面を200°Cを超える温度へ少なくとも15秒に亘って加熱するように構成されている、システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
以上、添付図面に記述され及び示されている実施形態は、本発明を実行に移すことのできるやり方の実施例として提供されており、発明の範囲を限定することを意図するものではない。修正がなされてもよく、開示から逸脱することなく要素が機能的及び構造的に等価な部分と置き換えられてもよいし異なる実施形態の特徴同士が組み合わされてもよい。
〔態様1〕
無菌接続を作成するための方法であって、前記方法は、
開口部を画定している第1の本体を提供する工程であって、第1のシールが前記第1の本体の前記開口部を封止しており、前記第1のシールは第1の外側封止面を画定している、第1の本体を提供する工程と、
開口部を画定している第2の本体を提供する工程であって、第2のシールが前記第2の本体の前記開口部を封止しており、前記第2のシールは第2の外側封止面を画定している、第2の本体を提供する工程と、
前記第1の外側封止面を前記第2の外側封止面と対面関係に配置する工程と、
発熱体が前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面と接触するように当該第1の外側封止面と当該第2の外側封止面の間に前記発熱体を配置する工程と、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面が互いに向かって付勢されるように当該第1の外側封止面と当該第2の外側封止面へ対向する力を印加する工程と、
前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面を滅菌するために前記発熱体を所定温度へ所定時間に亘って加熱する工程と、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面へ前記対向する力を印加し続けながら前記第1のシールと前記第2のシールの間から前記発熱体を除去する工程であって、その結果同時に前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間に前記無菌接続が形成される、工程と、を備える、方法。
〔態様2〕
態様1に記載の方法において、
前記発熱体は電気伝導性材料の条片を画定している、方法。
〔態様3〕
態様1乃至2の何れか一項に記載の方法において、
前記発熱体は熱伝導性材料の条片を画定している、方法。
〔態様4〕
態様2又は3に記載の方法において、
前記発熱体は電気抵抗によって加熱される、方法。
〔態様5〕
態様2又は3に記載の方法において、
前記発熱体は誘導によって加熱される、方法。
〔態様6〕
態様1乃至5の何れか一項に記載の方法であって、
前記第1の外側封止面を前記第2の外側封止面と接触関係に固定する工程、を更に備える方法。
〔態様7〕
態様1乃至6の何れか一項に記載の方法において、
第1の係合体及び第2の係合体が、前記第1の本体及び前記第2の本体を対面関係にそれぞれ固定し、前記対向する力を印加する、方法。
〔態様8〕
態様7に記載の方法において、
前記対面関係では、前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間にスロットが形成され、
前記方法は、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の前記スロットに前記発熱体が配置された状態で前記第1の係合体と前記第2の係合体を互いへ固定する工程と、
前記発熱体を前記スロットを通して除去する工程と、を更に備える、方法。
〔態様9〕
態様8に記載の方法において、
前記第1のシールと前記第2のシールの間から前記発熱体を除去する前記工程は、前記第1の係合体と前記第2の係合体を固定する前記工程の後に行われる、方法。
〔態様10〕
態様1乃至9の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の本体は隔壁を有する医薬品収容器を画定しており、前記第1のシールは前記医薬品収容器を封止している、方法。
〔態様11〕
態様1乃至10の何れか一項に記載の方法において、
前記第2の本体は移送針の先端が配置されたエンクロージャを画定しており、前記第2のシールは前記エンクロージャを封止している、方法。
〔態様12〕
態様1乃至11の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間に前記発熱体を配置する工程は、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の空間の中へ前記発熱体を挿入する工程と、
前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の一方又は両方を前記発熱体に向かって、前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面が前記発熱体に接触する位置まで前進させる工程と、を備える、方法。
〔態様13〕
態様1乃至12の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の本体と前記第2の本体はそれぞれ空である、方法。
〔態様14〕
態様1乃至12の何れか一項に記載の方法において、
前記第1の本体と前記第2の本体の一方は医薬品を収容している、方法。
〔態様15〕
薬物送達デバイスを組み立てる方法であって、前記薬物送達デバイスの2つの構成要素の間に、態様1乃至14の何れか一項に記載の無菌接続を作成する方法、を備える方法。
〔態様16〕
無菌接続を作成するためのシステムであって、前記システムは、
第1の本体と、
前記第1の本体を封止している第1のシールであって、第1の外側シール面を画定している第1のシールと、
第2の本体と、
前記第2の本体を封止している第2のシールであって、第2の外側シール面を画定している第2のシールと、
前記第1の本体と前記第2の本体を前記第1の外側シール面と前記第2の外側シール面が互いに接触する対面関係にそれぞれ固定するように構成された第1の係合体及び第2の係合体と、
前記第1の外側シール面と前記第2の外側シール面の間の接触を遮断するため及び当該第1の外側シール面及び当該第2の外側シール面を滅菌するために、前記第1の係合体と前記第2の係合体が前記対面関係にある間に前記第1の外側シール面と前記第2の外側シール面の間を延びるように構成された発熱体と、を備え、
前記第1の係合体と前記第2の係合体は、前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間に前記無菌接続を提供するために前記発熱体が除去されると同時に前記第1の外側封止面と前記第2の外側封止面の間の接触が復元されるように前記第1の本体と前記第2の本体を前記対面関係にそれぞれ固定するように構成されている、システム。
〔態様17〕
態様16に記載のシステムにおいて、
前記第1の本体は隔壁を有する医薬品収容器を画定しており、前記第2の本体は移送針の先端が配置されたエンクロージャを画定している、システム。
〔態様18〕
態様16又は17に記載のシステムにおいて、
前記第1の本体と前記第2の本体はそれぞれ空である、システム。
〔態様19〕
態様16又は17に記載のシステムにおいて、
前記第1の本体と前記第2の本体の一方は医薬品を収容している、システム。
〔態様20〕
態様16乃至19の何れか一項に記載のシステムにおいて、
前記発熱体は、前記第1の外側封止面及び前記第2の外側封止面を200°Cを超える温度へ少なくとも15秒に亘って加熱するように構成されている、システム。
【国際調査報告】