IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼市華星光電技術有限公司の特許一覧

特表2024-514718画素回路、バックライトモジュール及び表示パネル
<>
  • 特表-画素回路、バックライトモジュール及び表示パネル 図1
  • 特表-画素回路、バックライトモジュール及び表示パネル 図2
  • 特表-画素回路、バックライトモジュール及び表示パネル 図3
  • 特表-画素回路、バックライトモジュール及び表示パネル 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】画素回路、バックライトモジュール及び表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20240327BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240327BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240327BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240327BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240327BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20240327BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 641A
G09G3/20 624B
G09G3/20 641E
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/33
H10K59/131
H10K59/123
H05B33/14 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527143
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2022087664
(87)【国際公開番号】W WO2023178778
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202210294590.8
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 斌
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA06
3K107BB01
3K107CC31
3K107DD39
3K107EE03
3K107HH05
5C080AA06
5C080AA07
5C080BB05
5C080FF11
5C080HH09
5C080HH13
5C080JJ03
5C080JJ04
5C094AA02
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094CA19
5C094DB01
5C094GA10
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB06
5C380BA39
5C380CB16
5C380CB18
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC37
5C380CC65
5C380CD025
5C380CD026
5C380DA06
5C380DA07
5C380DA09
5C380DA16
5C380DA47
(57)【要約】
本願は、画素回路、バックライトモジュール及び表示パネルを開示し、当該画素回路は、駆動ユニット、電圧安定化ユニット、カップリングユニット、書込ユニット及び黒挿入ユニットを含み、黒挿入ユニットの一端を駆動ユニットの制御端に、黒挿入ユニットの他端を第1電源線に、黒挿入ユニットの制御端を第2制御線に接続することにより、複数の異なる時間帯に駆動ユニットをオフにすることができ、複数の非等分サブフィールドを構成し、グレースケール数を増やすことができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ユニットと、
一端が前記駆動ユニットの制御端に接続され、他端が前記駆動ユニットの一端、第1電源線に接続される電圧安定化ユニットと、
一端が前記駆動ユニットの制御端に接続されるカップリングユニットと、
一端が前記カップリングユニットの他端に接続され、他端がデータ線に接続され、制御端が第1制御線に接続される書込ユニットと、
一端が前記駆動ユニットの制御端に接続され、他端が前記第1電源線に接続され、制御端が第2制御線に接続される黒挿入ユニットと、を含む、画素回路であって、
前記黒挿入ユニットは、前記画素回路が発光する段階における複数の異なる時間に前記駆動ユニットをオフにするためのものである、
画素回路。
【請求項2】
一端が前記駆動ユニットの制御端に接続され、他端が第2電源線に接続され、制御端が第3制御線に接続されるリセットユニットをさらに含む、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記リセットユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記駆動ユニットの制御端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記第2電源線に接続され、ゲートが前記第3制御線に接続されるリセットトランジスタを含む、
請求項2に記載の画素回路。
【請求項4】
前記第1電源線は、第1電源信号を伝送するためのものであり、
前記第2電源線は、第2電源信号を伝送するためのものであり、
前記第1電源信号の電位は、前記第2電源信号の電位よりも低い、
請求項2に記載の画素回路。
【請求項5】
一端が前記第2電源線に接続される発光ユニットと、
一端が前記発光ユニットの他端に接続され、他端が前記駆動ユニットの他端に接続され、制御端が発光制御線に接続される発光制御ユニットと、
一端が前記駆動ユニットの他端に接続され、他端が前記駆動ユニットの制御端に接続され、制御端が第4制御線に接続される補償ユニットと、をさらに含む、
請求項2に記載の画素回路。
【請求項6】
前記発光ユニットは、陽極が前記第2電源線に接続される少なくとも一つの発光素子を含み、
前記発光制御ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記少なくとも一つの発光素子の陰極に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記駆動ユニットの他端に接続される発光制御トランジスタを含み、
前記補償ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記リセットユニットの一端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記発光制御トランジスタのソース/ドレインのうちの他方に接続され、ゲートが前記第4制御線に接続される補償トランジスタを含む、
請求項5に記載の画素回路。
【請求項7】
前記黒挿入ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記駆動ユニットの制御端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記第1電源線に接続され、ゲートが前記第2制御線に接続される黒挿入トランジスタを含む、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項8】
前記駆動ユニットは、ゲートが前記黒挿入トランジスタのソース/ドレインのうちの一方、前記電圧安定化ユニットの一端及び前記カップリングユニットの一端に接続され、ソース/ドレインのうちの一方が前記第1電源線に接続される駆動トランジスタを含み、
前記第1電源線は、第1電源信号を伝送するためのものであり、
前記駆動トランジスタがNチャネル型薄膜トランジスタである場合、前記第1電源信号の電位は、定電圧低電位であり、又は、
前記駆動トランジスタがPチャネル型薄膜トランジスタである場合、前記第1電源信号の電位は、定電圧高電位である、
請求項7に記載の画素回路。
【請求項9】
前記電圧安定化ユニットは、一端が前記駆動トランジスタのソース/ドレインのうちの一方に接続され、他端が前記駆動トランジスタのゲートに接続される電圧安定化コンデンサを含み、
前記カップリングユニットは、一端が前記駆動トランジスタのゲートに接続されるカップリングコンデンサを含み、
前記書込ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記カップリングコンデンサの他端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記データ線に接続され、ゲートが前記第1制御線に接続される書込トランジスタを含む、
請求項8に記載の画素回路。
【請求項10】
前記第1電源線は、ゼロ電位信号を伝送するためのものである、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項11】
請求項1に記載の複数の画素回路を含む表示パネルであって、
複数の画素回路は、マトリックス状に表示パネルに配列される、
表示パネル。
【請求項12】
前記画素回路は、一端が前記駆動ユニットの制御端に接続され、他端が第2電源線に接続され、制御端が第3制御線に接続されるリセットユニットをさらに含む、
請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記リセットユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記駆動ユニットの制御端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記第2電源線に接続され、ゲートが前記第3制御線に接続されるリセットトランジスタを含む、
請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第1電源線は、第1電源信号を伝送するためのものであり、
前記第2電源線は、第2電源信号を伝送するためのものであり、
前記第1電源信号の電位は、前記第2電源信号の電位よりも低い、
請求項12に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記画素回路は、
一端が前記第2電源線に接続される発光ユニットと、
一端が前記発光ユニットの他端に接続され、他端が前記駆動ユニットの他端に接続され、制御端が発光制御線に接続される発光制御ユニットと、
一端が前記駆動ユニットの他端に接続され、他端が前記駆動ユニットの制御端に接続され、制御端が第4制御線に接続される補償ユニットと、をさらに含む、
請求項12に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記発光ユニットは、陽極が前記第2電源線に接続される少なくとも一つの発光素子を含み、
前記発光制御ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記少なくとも一つの発光素子の陰極に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記駆動ユニットの他端に接続される発光制御トランジスタを含み、
前記補償ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記リセットユニットの一端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記発光制御トランジスタのソース/ドレインのうちの他方に接続され、ゲートが前記第4制御線に接続される補償トランジスタを含む、
請求項15に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記黒挿入ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記駆動ユニットの制御端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記第1電源線に接続され、ゲートが前記第2制御線に接続される黒挿入トランジスタを含む、
請求項11に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記駆動ユニットは、ゲートが前記黒挿入トランジスタのソース/ドレインのうちの一方、前記電圧安定化ユニットの一端及び前記カップリングユニットの一端に接続され、ソース/ドレインのうちの一方が前記第1電源線に接続される駆動トランジスタを含み、
前記第1電源線は、第1電源信号を伝送するためのものであり、
前記駆動トランジスタがNチャネル型薄膜トランジスタである場合、前記第1電源信号の電位は、定電圧低電位であり、又は、
前記駆動トランジスタがPチャネル型薄膜トランジスタである場合、前記第1電源信号の電位は、定電圧高電位である、
請求項17に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記電圧安定化ユニットは、一端が前記駆動トランジスタのソース/ドレインのうちの一方に接続され、他端が前記駆動トランジスタのゲートに接続される電圧安定化コンデンサを含み、
前記カップリングユニットは、一端が前記駆動トランジスタのゲートに接続されるカップリングコンデンサを含み、
前記書込ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が前記カップリングコンデンサの他端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が前記データ線に接続され、ゲートが前記第1制御線に接続される書込トランジスタを含む、
請求項18に記載の表示パネル。
【請求項20】
請求項1に記載の画素回路を含む、
バックライトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示の技術分野に関し、具体的には画素回路、バックライトモジュール及び表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
表示業界の急速な発展に伴い、人々の表示媒体に対する要件がますます高くなり、高コントラスト、高彩度、高応答速度などにより、自発光型表示は、業界の主な発展方向の1つとなる。
【0003】
自発光型表示は、一般的に、その対応する画素回路により実現され、画素回路は、内部補償型画素回路と外部補償型画素回路に分けられ、当該内部補償型画素回路をパルス幅変調という方式で駆動すれば、実現可能なグレースケール数が依然として少なく、高品質表示の需要を満たすことは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、実現可能なグレースケール数が少ないという技術的課題を改善するために、画素回路、バックライトモジュール及び表示パネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、駆動ユニットと、一端が駆動ユニットの制御端に接続され、他端が駆動ユニットの一端、第1電源線に接続される電圧安定化ユニットと、一端が駆動ユニットの制御端に接続されるカップリングユニットと、一端がカップリングユニットの他端に接続され、他端がデータ線に接続され、制御端が第1制御線に接続される書込ユニットと、一端が駆動ユニットの制御端に接続され、他端が第1電源線に接続され、制御端が第2制御線に接続される黒挿入ユニットと、を含む、画素回路であって、黒挿入ユニットが、画素回路が発光する段階における複数の異なる時間に駆動ユニットをオフにするためのものである画素回路が提供される。
【0006】
他の実施態様において、画素回路は、一端が駆動ユニットの制御端に接続され、他端が第2電源線に接続され、制御端が第3制御線に接続されるリセットユニットをさらに含む。
【0007】
他の実施態様において、リセットユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が駆動ユニットの制御端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が第2電源線に接続され、ゲートが第3制御線に接続されるリセットトランジスタを含む。
【0008】
他の実施態様において、第1電源線は、第1電源信号を伝送するためのものであり、第2電源線は、第2電源信号を伝送するためのものであり、第1電源信号の電位は、第2電源信号の電位よりも低い。
【0009】
他の実施態様において、画素回路は、一端が第2電源線に接続される発光ユニットと、一端が発光ユニットの他端に接続され、他端が駆動ユニットの他端に接続され、制御端が発光制御線に接続される発光制御ユニットと、一端が駆動ユニットの他端に接続され、他端が駆動ユニットの制御端に接続され、制御端が第4制御線に接続される補償ユニットと、をさらに含む。
【0010】
他の実施態様において、発光ユニットは、陽極が第2電源線に接続される少なくとも一つの発光素子を含み、発光制御ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が少なくとも一つの発光素子の陰極に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が駆動ユニットの他端に接続される発光制御トランジスタを含み、補償ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方がリセットユニットの一端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が発光制御トランジスタのソース/ドレインのうちの他方に接続され、ゲートが第4制御線に接続される補償トランジスタを含む。
【0011】
他の実施態様において、黒挿入ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方が駆動ユニットの制御端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が第1電源線に接続され、ゲートが第2制御線に接続される黒挿入トランジスタを含む。
【0012】
他の実施態様において、駆動ユニットは、ゲートが黒挿入トランジスタのソース/ドレインのうちの一方、電圧安定化ユニットの一端及びカップリングユニットの一端に接続され、ソース/ドレインのうちの一方が第1電源線に接続される駆動トランジスタを含み、第1電源線は、第1電源信号を伝送するためのものであり、駆動トランジスタがNチャネル型薄膜トランジスタである場合、第1電源信号の電位は、定電圧低電位であり、又は、駆動トランジスタがPチャネル型薄膜トランジスタである場合、第1電源信号の電位は、定電圧高電位である。
【0013】
他の実施態様において、電圧安定化ユニットは、一端が駆動トランジスタのソース/ドレインのうちの一方に接続され、他端が駆動トランジスタのゲートに接続される電圧安定化コンデンサを含み、カップリングユニットは、一端が駆動トランジスタのゲートに接続されるカップリングコンデンサを含み、書込ユニットは、ソース/ドレインのうちの一方がカップリングコンデンサの他端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方がデータ線に接続され、ゲートが第1制御線に接続される書込トランジスタを含む。
【0014】
他の実施態様において、第1電源線は、ゼロ電位信号を伝送するためのものである。
【0015】
第2態様によれば、本願は、少なくとも一つの上記実施形態における複数の画素回路を含む表示パネルであって、複数の画素回路がマトリックス状に表示パネルに配列される、表示パネルを提供する。
【0016】
第3態様によれば、本願は、少なくとも一つの上記実施形態における画素回路を含む、バックライトモジュールを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本願に係る画素回路、バックライトモジュール及び表示パネルによれば、黒挿入ユニットの一端を駆動ユニットの制御端に、黒挿入ユニットの他端を第1電源線に、黒挿入ユニットの制御端を第2制御線に接続することにより、画素回路が発光する段階における複数の異なる時間帯に駆動ユニットをオフにすることができ、複数の非等分サブフィールドを構成し、表示可能なグレースケール数を指数関数的に増やすことができる。
【0018】
また、駆動ユニット、黒挿入ユニットは、同一の第1電源線を共有することができるため、画素回路に必要な信号線の数を減少させ、さらに表示領域への占用空間を低下させ、開口率を向上させることに役立つ。
【0019】
また、駆動ユニットの制御端にリセットユニットの一端、カップリングユニット及び電圧安定化ユニットが接続されるため、カップリングユニット、電圧安定化ユニットには、リークパスが形成されにくく、かつ当該リセットユニットの他端が定電圧高電位に維持されるため、駆動ユニットの制御端の電位を保持しやすく、さらに表示可能なグレースケール精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】関連技術における画素回路の概略構成図である。
図2】本願の実施例に係る画素回路の概略構成図である。
図3図1又は図2に示す画素回路のタイミング概略図である。
図4図1図2に示す画素回路のサブフィールド分布の比較概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の目的、技術手段及び効果をより明瞭かつ明確にするために、以下、図面を参照して実施例を挙げて本願をさらに詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことを理解されたい。
【0022】
図1に示すように、関連技術には、駆動トランジスタT1、電圧安定化コンデンサC1、カップリングコンデンサC2、書込トランジスタT2、リセットトランジスタT4、補償トランジスタT3、発光制御トランジスタT5及び発光素子D1を含む内部補償型画素回路が提供されている。
【0023】
駆動トランジスタT1のゲートは、電圧安定化コンデンサC1の一端、カップリングコンデンサC2の一端、リセットトランジスタT4のソース/ドレインのうちの一方及び補償トランジスタT3のソース/ドレインのうちの一方に接続される。駆動トランジスタT1のソース/ドレインのうちの一方は、電圧安定化コンデンサC1の他端、第1電源線に接続される。駆動トランジスタT1のソース/ドレインのうちの他方は、補償トランジスタT3のソース/ドレインのうちの他方、発光制御トランジスタT5のソース/ドレインのうちの一方に接続される。発光制御トランジスタT5のソース/ドレインのうちの他方は、発光素子D1の陰極に接続され、発光素子D1の陽極は、リセットトランジスタT4のソース/ドレインのうちの他方、第2電源線に接続される。カップリングコンデンサC2の他端は、書込トランジスタT2のソース/ドレインのうちの一方に接続される。書込トランジスタT2のソース/ドレインのうちの他方は、データ線に接続され、書込トランジスタT2のゲートは、第1制御線に接続される。リセットトランジスタT4のゲートは、第3制御線に接続される。補償トランジスタT3のゲートは、第4制御線に接続され、発光制御トランジスタT5のゲートは、発光制御線に接続される。
【0024】
図1に示す画素回路の表示パネルによれば、当該表示パネルをリフレッシュレート240Hz、10行を例として、駆動トランジスタT1の閾値電圧(Vth)の検出及び補償に50usの時間がかかり、図1に示す画素回路がパルス幅変調(PWM、Pulse Width Modulation)に基づく等分サブフィールド駆動方式しか実現することができないと仮定すると、このような状況で、8つのグレースケール(3bit)を実現することができる。
【0025】
しかしながら、表示需要の向上に伴い、図1に示す画素回路の提供可能なグレースケール数が非常に少ない。これに鑑みて、本実施例は、画素回路を提供する。図2に示すように、当該画素回路は、駆動ユニット10と、一端が駆動ユニット10の制御端に接続され、他端が駆動ユニット10の一端、第1電源線に接続される電圧安定化ユニット20と、一端が駆動ユニット10の制御端に接続されるカップリングユニット30と、一端がカップリングユニット30の他端に接続され、他端がデータ線に接続され、制御端が第1制御線に接続される書込ユニット40と、一端が駆動ユニット10の制御端に接続され、他端が第1電源線に接続され、制御端が第2制御線に接続され黒挿入ユニット50と、を含み、黒挿入ユニット50は、画素回路が発光する段階における複数の異なる時間帯に駆動ユニット10をオフにするためのものである。
【0026】
理解できるように、本実施例に係る画素回路は、黒挿入ユニット50の一端を駆動ユニット10の制御端に、黒挿入ユニット50の他端を第1電源線に、黒挿入ユニット50の制御端を第2制御線に接続することにより、画素回路が発光する段階における複数の異なる時間帯に駆動ユニット10をオフにすることができ、複数の非等分サブフィールドを構成し、表示可能なグレースケール数を指数関数的に増やすことができる。
【0027】
また、駆動ユニット10、黒挿入ユニット50は、同一の第1電源線を共有することができるため、画素回路に必要な信号線の数を減少させ、さらに表示領域への占用空間を低下させ、開口率を向上させることができる。
【0028】
1つの実施例において、画素回路は、一端が駆動ユニット10の制御端に接続され、他端が第2電源線に接続され、制御端が第3制御線に接続されるリセットユニット60をさらに含む。
【0029】
理解できるように、駆動ユニット10の制御端にリセットユニット60の一端、カップリングユニット30及び電圧安定化ユニット20が接続されるため、カップリングユニット30、電圧安定化ユニット20には、リークパスが形成されにくく、かつ当該リセットユニット60の他端が定電圧高電位に維持されるため、駆動ユニット10の制御端の電位を保持しやすく、さらに表示可能なグレースケール精度を向上させることができる。
【0030】
1つの実施例において、リセットユニット60は、ソース/ドレインのうちの一方が駆動ユニット10の制御端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が第2電源線に接続され、ゲートが第3制御線に接続されるリセットトランジスタT4を含む。
【0031】
なお、第3制御線の制御下で、リセットトランジスタT4は、駆動ユニット10の制御端の電位をリセットすることができる。
【0032】
1つの実施例において、第1電源線は、第1電源信号VSSを伝送するためのものであり、第2電源線は、第2電源信号VDDを伝送するためのものであり、第1電源信号VSSの電位は、第2電源信号VDDの電位よりも低い。
【0033】
理解できるように、第1電源信号VSSの電位により駆動ユニット10をオフにすることができ、発光電流が後述する発光ユニット90を流れることを防止し、表示中の黒挿入を実現することができる。
【0034】
1つの実施例において、画素回路は、一端が第2電源線に接続される発光ユニット90と、一端が発光ユニット90の他端に接続され、他端が駆動ユニット10の他端に接続され、制御端が発光制御線に接続される発光制御ユニット80と、一端が駆動ユニット10の他端に接続され、他端が駆動ユニット10の制御端に接続され、制御端が第4制御線に接続される補償ユニット70と、をさらに含む。
【0035】
1つの実施例において、発光ユニット90は、陽極が第2電源線に接続される少なくとも一つの発光素子D1を含む。
【0036】
なお、少なくとも一つの発光素子D1は、互いに直列接続及び/又は並列接続することができ、各発光素子D1は、Mini-LED、Micro-LED、OLED及びQLEDのうちの1つであってもよい。
【0037】
1つの実施例において、発光制御ユニット80は、ソース/ドレインのうちの一方が少なくとも一つの発光素子D1の陰極に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が駆動ユニット10の他端に接続される発光制御トランジスタT5を含む。
【0038】
1つの実施例において、補償ユニット70は、ソース/ドレインのうちの一方がリセットユニット60の一端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が発光制御トランジスタT5のソース/ドレインのうちの他方に接続され、ゲートが第4制御線に接続される補償トランジスタT3を含む。
【0039】
1つの実施例において、黒挿入ユニット50は、ソース/ドレインのうちの一方が駆動ユニット10の制御端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方が第1電源線に接続され、ゲートが第2制御線に接続される黒挿入トランジスタT6を含む。
【0040】
1つの実施例において、駆動ユニット10は、ゲートが黒挿入トランジスタT6のソース/ドレインのうちの一方、電圧安定化ユニット20の一端及びカップリングユニット30の一端に接続され、ソース/ドレインのうちの一方が第1電源線に接続される駆動トランジスタT1を含む。ここでは、第1電源線は、第1電源信号VSSを伝送するためのものであり、駆動トランジスタT1がNチャネル型薄膜トランジスタである場合、第1電源信号VSSの電位は、定電圧低電位であり、又は、駆動トランジスタT1がPチャネル型薄膜トランジスタである場合、第1電源信号VSSの電位は、定電圧高電位である。
【0041】
1つの実施例において、電圧安定化ユニット20は、一端が駆動トランジスタT1のソース/ドレインのうちの一方に接続され、他端が駆動トランジスタT1のゲートに接続される電圧安定化コンデンサC1を含む。
【0042】
1つの実施例において、カップリングユニット30は、一端が駆動トランジスタT1のゲートに接続されるカップリングコンデンサC2を含む。
【0043】
1つの実施例において、書込ユニット40は、ソース/ドレインのうちの一方がカップリングコンデンサC2の他端に接続され、ソース/ドレインのうちの他方がデータ線に接続され、ゲートが第1制御線に接続される書込トランジスタT2を含む。
【0044】
1つの実施例において、第1電源線は、ゼロ電位信号を伝送するためのものである。
【0045】
なお、駆動トランジスタT1、書込トランジスタT2、リセットトランジスタT4、補償トランジスタT3及び発光制御トランジスタT5のうちの少なくとも一つは、Nチャネル型薄膜トランジスタであってもよいが、それに限定されず、Pチャネル型薄膜トランジスタであってもよい。
【0046】
電圧安定化コンデンサC1、カップリングコンデンサC2のうちの少なくとも一つは、上記画素回路において電荷を蓄積する機能を発揮することもできる。
【0047】
Mini-LED、Micro-LEDのような発光素子について、電圧によるグレースケール分割方式を用いる場合、電圧が低いとき、発光電流を精度よく制御しにくく、低グレースケールの表示輝度が均一ではないという問題が存在する。低電流による輝度表示の不均一及びストレス(Stress)による閾値電圧のオフセットという課題を回避するために、図2に示す内部補償型画素回路は、時間によるグレースケール分割PWMという駆動方式と組み合わせて、発光素子D1を常に大電流により安定して発光する段階において動作させることにより、表示の不均一という問題を改善するか又は回避するとともに、駆動トランジスタT1の閾値電圧の補償を実現することができる。
【0048】
なお、第1制御線は、第1走査信号SCAN1を伝送するためのものであり、第2制御線は、第2走査信号SCAN4を伝送するためのものであり、第3制御線は、第3走査信号SCAN2を伝送するためのものであり、第4制御線は、第4走査信号SCAN3を伝送するためのものであり、発光制御線は、発光制御信号EMを伝送するためのものであり、データ線は、データ信号DATAを伝送するためのものである。
【0049】
上記画素回路の動作過程は、図3に示すように、具体的には、以下の段階S1~S5を含む。
【0050】
初期化段階S1:第3走査信号SCAN2がハイレベルにあり、リセットトランジスタT4をオンにし、第2電源信号VDDは、駆動トランジスタT1のゲート、すなわちG点を充電し、駆動トランジスタT1のソース、すなわちS点は、第1電源信号VSSに接続される。
【0051】
閾値電圧検出段階S2:第3走査信号SCAN2がローレベルにあり、リセットトランジスタT4をオフにし、第1走査信号SCAN1、第4走査信号SCAN3のみがハイレベルにあり、書込トランジスタT2、補償トランジスタT3をオンにする。この時、データ信号DATAの電圧が低電位、すなわちDATA_Lにあり、ダイオード(Diode)構造が形成され、かつS点での電位が第1電源信号VSSの電位であるため、駆動トランジスタT1のG点での電位は、第2電源信号VDDの電位からVSS+Vthに低下し、駆動トランジスタT1をオフにする。この時、S点での電位は、依然として第1電源信号VSSの電位のままである。
【0052】
書込段階S3:この時、第4走査信号SCAN3、第3走査信号SCAN2がローレベルにあり、補償トランジスタT3、リセットトランジスタT4をオフにし、第1走査信号SCAN1がハイレベルにあり、書込トランジスタT2をオンにし、データ信号DATAの電圧は、DATA_Lから高電位、すなわちDATA_Hになり、カップリングコンデンサC2は、G点での電位を(DATA_H-DATA_L)×C2/(C1+C2)+VSS+Vthにカップリングすることができる。この時、S点での電位は、依然として第1電源信号VSSの電位である。
【0053】
発光段階S4:発光制御信号EMのみがハイレベルにあり、発光制御トランジスタT5をオンにし、発光素子D1が発光し、Vgs-Vth=(DATA_H-DATA_L)×C2/(C1+C2)であるため、第1電源信号VSS及び閾値電圧によらず、第1電源線の電圧降下(IR-drop)及び駆動トランジスタT1の閾値電圧補償を実現することができる。ここでは、Vgsは、駆動トランジスタT1のゲートとソースとの間の電位差である。
【0054】
黒挿入段階S5:第2走査信号SCAN4がハイレベルにあり、黒挿入トランジスタT6をオンにし、G点での電位が瞬間的にプルダウンされ、駆動トランジスタT1をオフにし、発光素子D1が消灯する。ここでは、黒挿入トランジスタT6をオンにする時点を制御することにより、等分された表示サブグレースケールを非等分サブグレースケールに分割し、グレースケール数の向上を実現することができる。
【0055】
なお、図1図2に示す画素回路の閾値電圧検出段階S2、書込段階S3が完全に一致するため、図2に示す画素回路は、補償範囲を損失することなく、グレースケール数又はビット数(Bits)を大幅に増やすことができる。
【0056】
図4は、図1及び図2に示す画素回路のサブフィールド分布の比較概略図であり、図4に示すように、縦座標は、発光素子D1を流れる電流ID1を示し、横座標は、時間Timeを示す。図4における上半分P1は、図1に示す画素回路の等分サブフィールドの分布を示すためのものであり、図4における下半分P2は、図2に示す画素回路の非等分サブフィールドの分布を示すためのものである。
【0057】
なお、図2に示す画素回路は、黒挿入ユニット50を制御し、すなわち黒挿入トランジスタT6のオンのタイミングを制御することにより、発光素子D1を消灯させ、上半分P1に示す8つの等分サブフィールドと比較して、下半分P2は8つの非等分サブフィールドを実現することができ、すなわち、当該8つの非等分サブフィールドは、256種類のグレースケール変化を実現することができ、グレースケール数を指数関数的に増やすことができる。
【0058】
1つの実施例によれば、少なくとも一つの上記実施例における複数の画素回路を含む表示パネルであって、複数の画素回路がマトリックス状に表示パネルに配列される表示パネルが提供される。
【0059】
理解できるように、本実施例に係る表示パネルは、黒挿入ユニット50の一端を駆動ユニット10の制御端に、黒挿入ユニット50の他端を第1電源線に、黒挿入ユニット50の制御端を第2制御線に接続することにより、画素回路が発光する段階における複数の異なる時間帯に駆動ユニット10をオフにすることができ、複数の非等分サブフィールドを構成し、表示可能なグレースケール数を指数関数的に増やすことができる。
【0060】
1つの実施例によれば、少なくとも一つの上記実施例における画素回路を含むバックライトモジュールが提供される。
【0061】
理解できるように、本実施例に係るバックライトモジュールは、黒挿入ユニット50の一端を駆動ユニット10の制御端に、黒挿入ユニット50の他端を第1電源線に、黒挿入ユニット50の制御端を第2制御線に接続することにより、画素回路が発光する段階における複数の異なる時間帯に駆動ユニット10をオフにすることができ、複数の非等分サブフィールドを構成し、表示可能なグレースケール数を指数関数的に増やすことができる。
【0062】
理解できるように、当業者にとって、本願の技術手段及びその発明構想に基づいて同等置換又は変更を行うことができ、これら全ての変更又は置換は、いずれも本願に添付された請求項の保護範囲に属するべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】