(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ニコチンの舌下送達の為の組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/465 20060101AFI20240327BHJP
A61P 25/26 20060101ALI20240327BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240327BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240327BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A61K31/465
A61P25/26
A61K9/00
A61K47/44
A61K47/02
A61K47/36
A61K47/26
A61K47/10
A61K47/38
A61K47/40
A61K47/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532287
(86)(22)【出願日】2023-03-20
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 US2023015627
(87)【国際公開番号】W WO2023183228
(87)【国際公開日】2023-09-28
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516371405
【氏名又は名称】ポビバ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Poviva Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ドチャーティ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ブンカ,クリストファー,アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA99
4C076BB22
4C076CC01
4C076DD25
4C076DD38
4C076EE23
4C076EE30
4C076EE31
4C076EE38
4C076EE39
4C076EE53
4C076FF31
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC20
4C086GA13
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA34
4C086MA57
4C086NA10
4C086ZA11
(57)【要約】
【課題】本願に於いては、ニコチン及びニコチン誘導体の経口送達の為の組成物及び方法が開示される。
【解決手段】1つの実施形態に於いて、ニコチンは経口のパケット、パウチ、又は分包に依って送達される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む事を特徴とする組成物:
a)重量で約1%から約6%のニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)重量で約3%から約20%の向日葵油;
c)重量で約10%から約20%の重炭酸ナトリウム;及び
d)残部は1つ以上の担体。
【請求項2】
ニコチンを含む事を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ニコチン塩を含む事を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
樹脂との組み合わせのニコチンを含む事を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記担体が、イヌリン、微結晶セルロース、ガラクトゲン、セルロース、キチン、ペクチン、サイリウム、グアー、ヘミセルロース、馬鈴薯澱粉、又は部分加水分解多糖から選択される事を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記担体が、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、加水分解水添澱粉、又はイソマルトースから選択される事を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
更にグリセロール、プロピレングリコール、β-シクロデキストリン、プロピレングリコール400(PEG400)、又は其れ等の混合物を含む事を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
以下を含む事を特徴とする組成物:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;及び
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム。
【請求項9】
重量で15mgから約40mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物を含む事を特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
更に担体を含む事を特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記担体が、イヌリン、微結晶セルロース、ガラクトゲン、セルロース、キチン、ペクチン、サイリウム、グアー、ヘミセルロース、馬鈴薯澱粉、又は部分加水分解多糖から選択される事を特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記担体が、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、加水分解水添澱粉、又はイソマルトースから選択される事を特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
更に、グリセロール、プロピレングリコール、β-シクロデキストリン、プロピレングリコール400(PEG400)、又は其れ等の混合物を含む事を特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項14】
以下を含む事を特徴とするキット:
A)以下を含む非ニコチン組成物を含む液体透過性のパウチ:
a)1つ以上の送達制御剤;及び
b)増量剤;並びに
B)以下を含む主剤ニコチン送達組成物:
a)ニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)向日葵油;
c)重炭酸ナトリウム;及び
d)残部は1つ以上の担体。
【請求項15】
前記液体透過性のパウチが、小麦繊維、オート麦繊維、エンドウ豆繊維、米繊維、トウモロコシ繊維、オート麦繊維、トマト繊維、大麦繊維、ライ麦繊維、甜菜繊維、ソバ繊維、馬鈴薯繊維、セルロース繊維、林檎繊維、ココア繊維、セルロース繊維、粉末化セルロース、竹繊維、ブラン繊維、又は其れ等の組み合わせを含む事を特徴とする、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
以下を含む事を特徴とする、請求項15に記載のキット:
B)以下を含む約70mgから約510mgの活性主剤送達系:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン安息香酸塩;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;
d)約350mgから約1500mgの1つ以上の担体;及び
e)残部は1つ以上の送達制御剤。
【請求項17】
前記担体が、イヌリン、微結晶セルロース、ガラクトゲン、セルロース、キチン、ペクチン、サイリウム、グアー、ヘミセルロース、馬鈴薯澱粉、又は部分加水分解多糖から選択される事を特徴とする、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記担体が、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、加水分解水添澱粉、又はイソマルトースから選択される事を特徴とする、請求項16に記載のキット。
【請求項19】
前記1つ以上の担体が、デキストリン、微結晶セルロース、イヌリン、及び其れ等の混合物から選択される増量剤である事を特徴とする、請求項16に記載のキット。
【請求項20】
前記送達制御剤が、グリセロール、プロピレングリコール、b-シクロデキストリン、及びプロピレングリコール400(PEG400)から選択される事を特徴とする、請求項16に記載のキット。
【請求項21】
以下を含む事を特徴とする、請求項14に記載のキット:
B)以下を含む約70mgから約510mgの活性主剤組成物:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチンポラクリレックス;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;
d)約350mgから約1500mgの1つ以上の担体;及び
e)残部は1つ以上の送達制御剤。
【請求項22】
前記担体が、イヌリン、微結晶セルロース、ガラクトゲン、セルロース、キチン、ペクチン、サイリウム、グアー、ヘミセルロース、馬鈴薯澱粉、又は部分加水分解多糖から選択される事を特徴とする、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
前記担体が、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、加水分解水添澱粉、又はイソマルトースから選択される事を特徴とする、請求項21に記載のキット。
【請求項24】
前記1つ以上の担体が、デキストリン、微結晶セルロース、イヌリン、及び其れ等の混合物から選択される増量剤である事を特徴とする、請求項21に記載のキット。
【請求項25】
前記送達制御剤が、グリセロール、プロピレングリコール、b-シクロデキストリン、及びプロピレングリコール400(PEG400)から選択される事を特徴とする、請求項21に記載のキット。
【請求項26】
以下を含む事を特徴とする、組成物:
a)約8.6mgから約21.7mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)約25.8から約72.6mgの向日葵油;及び
c)約76.1mgから約86.6mgの重炭酸ナトリウム。
【請求項27】
ニコチン塩がニコチン安息香酸塩であり、樹脂との組み合わせのニコチンがニコチンポラクリレックスである事を特徴とする、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
更に約383.2mgから約510mgのイヌリンを含む事を特徴とする、請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
ニコチンポラクリレックスを含む事を特徴とする、請求項26に記載の組成物。
【請求項30】
更にグリセリンを含む事を特徴とする、請求項29に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に於いては、ニコチン及びニコチン誘導体の経口送達の為の組成物及び方法が開示される。1つの実施形態に於いて、ニコチンは経口のパケット、パウチ、又は分包に依って送達される。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】
図1は、雄ビーグル犬に於ける表Iに開示されているニコチン安息香酸塩対照組成物のバッカル投与後のニコチンの個々の血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
【
図2】
図2は、雄ビーグル犬に於ける表Iに開示されているニコチン安息香酸塩対照組成物のバッカル投与後のニコチンの平均血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
【
図3】
図3は、雄ビーグル犬に於ける表IIに開示されている本開示のニコチン安息香酸塩組成物(4mg)のバッカル投与後のニコチンの個々の血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
【
図4】
図4は、雄ビーグル犬に於ける表IIの本開示の化合物(4mg)のバッカル投与後のニコチンの平均血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
【
図5】
図5は、雄ビーグル犬(群3)に於ける表IIIに開示されているニコチンポラクリレックス対照組成物(4mg)のバッカル投与後のニコチンの個々の血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
【
図6】
図6は、雄ビーグル犬(群3)に於ける表IIIに開示されているニコチンポラクリレックス対照組成物(4mg)のバッカル投与後のニコチンの平均血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
【
図7】
図7は、雄ビーグル犬(群4)に於ける表VIに開示されているニコチンポラクリレックス(polarcilex)組成物(4mg)のバッカル投与後のニコチンの個々の血漿中濃度(poncentration)(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
【
図8】
図8は、雄ビーグル犬(群4)に於ける表VIに開示されているニコチンポラクリレックス(polarcrilex)組成物(4mg)のバッカル投与後のニコチンの平均血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本願に記載される材料、化合物、組成物、成形品、及び方法は、本開示の主題の具体的な態様の次の詳細な記載及び其れに包含される実施例の参照に依って、より容易く理解され得る。
【0004】
又、本明細書に於いては、種々の刊行物が参照される。此れ等の刊行物の開示は、本開示の問題が該当する従来技術をより詳しく記載する為に、其れ等の全体が此処に参照に依って本願に組み込まれる。又、本開示の参照は、参照が依拠される文に於いて論じられる其れ等に含有される材料に就いて、個々に且つ具体的に参照に依って本願に組み込まれる。
【0005】
一般的な定義
本明細書及び次の請求項に於いては幾つもの用語の参照が為される。此れ等は次の意味を有すると定義される。
【0006】
別様に指定されない限り、本願に於ける全てのパーセンテージ、比、及び割合は重量である。別様に指定されない限り、全ての温度はセルシウス度(℃)である。
【0007】
本開示が明示的に別様に要求しない限り、用語「a」及び「an」は1つ以上として定義される。
【0008】
範囲は本願に於いては「約」1つの特定の値から及び/又は「約」別の特定の値迄と表現され得る。斯かる範囲が表現される時には、別の態様は1つの特定の値から及び/又は他方の特定の値迄を包含する。類似に、値が先行する「約」の使用に依って概算として表現される時には、特定の値は別の態様を形成すると理解されるであろう。更に、範囲の其々の端点は、他方の端点との関係に於いて及び他方の端点からは独立して両方で有意であると理解されるであろう。
【0009】
用語「含む(comprise)」(並びに含むの何れかの形態、例えば「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」)、「有する(have)」(並びに有するの何れかの形態、例えば「有する(has)」及び「有する(having)」)、「包含する(include)」(並びに包含するの何れかの形態、例えば「包含する(includes)」及び「包含する(including)」)、並びに「含有する(contain)」(並びに含有するの何れかの形態、例えば「含有する(contains)」及び「含有する(containing)」)は、開放的な連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「含む」、「有する」、「包含する」、又は「含有する」器具は、其れ等の1つ以上の要素を備えるが、其れ等の要素のみを備える事には限定されない。同様に、1つ以上のステップを「含む」、「有する」、「包含する」、又は「含有する」方法は、其れ等の1つ以上のステップを備えるが、其れ等の1つ以上のステップのみを備える事には限定されない。
【0010】
本開示の方法又は組成物の何れかの何れかの実施形態は、記載されるステップ、要素、及び/又は特徴の何れかを含む/包含する/含有する/有するよりも寧ろ其れから成り得るか又は本質的に其れから成り得る。其れ故に、請求項の何れかに於いて、用語「から成る」又は「本質的に~から成る」は、然もなければ其れが開放的な連結動詞を用いてあるべき物から所与の請求項の範囲を変更する為に、上に記載されている開放的な連結動詞の何れかの代わりに使われ得る。
【0011】
本開示又は実施形態の性質に依って明白に禁じられない限り、1つの実施形態の特徴(単数又は複数)は、記載又は例解されなくても、他の実施形態に適用され得る。
【0012】
本開示の化合物又は方法の何れかの何れかの実施形態は、記載されるステップ、要素、及び/又は特徴の何れかを含む/包含する/含有する/有するよりも寧ろ其れから成り得るか又は本質的に其れから成り得る。其れ故に、請求項の何れかに於いて、用語「から成る」又は「本質的に~から成る」は、然もなければ其れが開放的な連結動詞を用いてあるべき物から所与の請求項の範囲を変更する為に、上に記載されている開放的な連結動詞の何れかの代わりに使われ得る。
【0013】
本開示の目的では、用語「舌下」及び「バッカル」は交換可能に用いられる。「舌下」の定義は、其の中の組織に依って吸収されるべき舌の下に於ける薬物の投与である。「バッカル」の定義は、其れを人の頬及び歯茎の間に置く事に依って薬物を投与する事である。本開示の目的では、ユーザは、何方の送達モードがより便利であろうとも、本開示の組成物をチェック及び歯茎の間の舌の下に何方かに置き得る。拠って、開示組成物はユーザに依って選択される何れかの様式で吸収され得る。
【0014】
本開示又は実施形態の性質に依って明白に禁じられない限り、1つの実施形態の特徴(単数又は複数)は、記載又は例解されなくても、他の実施形態に適用され得る。
【0015】
無煙の経口ニコチン製品はポーショニングされた又はポーショニングされていないフォーマットでユーザに提供され得る。ポーショニングされた無煙の経口ニコチン製品はユーザに依るタバコの手扱いを縮減又は消失させ得る。此れはより良好な衛生、便宜、及び/又は使用の容易さの点で有意な利点を提供し得る。
【0016】
本願に於いては、ニコチンの舌下送達の為の組成物が開示される。経口送達される組成物とは違って、舌下組成物は口の粘膜に吸収され、拠って、胃、腸、及び他の消化器とのニコチンの直接的接触の副作用を回避する。
【0017】
本願に於いては、以下を含むニコチンの舌下又はバッカル送達の為の主剤組成物が開示される:
a)重量で約1%から約6%のニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)重量で約3%から約20%の向日葵油;
c)重量で約10%から約20%の重炭酸ナトリウム;及び
d)残部は1つ以上の担体。
【0018】
本開示の組成物は有機又は無機酸を含まない。加えて、組成物は重量で0.01%未満の水分を含有する自由流動性の固体である。
【0019】
本開示の組成物の1つの態様は以下を含む:
a)重量で約1%から約3.5%のニコチン、ニコチン塩、又は其れ等の混合物;
b)重量で約3%から約10.5%の向日葵油;
c)重量で約10%から約20%の重炭酸ナトリウム;及び
d)残部は1つ以上の担体。
【0020】
此の態様の1つの限定しない実施形態に於いて、主剤組成物は以下を含む:
a)重量で約1%から約3.5%のニコチン、ニコチン塩、又は其れ等の混合物;
b)重量で約3%から約10.5%の向日葵油;
c)重量で約10%から約20%の重炭酸ナトリウム;及び
d)残部は微結晶セルロース及びイヌリンの混和物。
【0021】
本開示の主剤組成物は重量で約1%から約6%のニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチンを含み得る。1つの実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約1%から約5%のニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチンを含み得る。別の実施形態に於いては、主剤組成物は重量で約2%から約6%のニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチンを含み得る。更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約2%から約5%のニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチンを含み得る。尚更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約3%から約5%のニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチンを含み得る。例えば、ニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチンの量は、重量で1%、2%、3%、4%、5%、若しくは6%、又は何れかの端数の量、例えば1.5%、3,25%、及び5.75%であり得る。
【0022】
本開示の主剤組成物は重量で約3%から約20%の向日葵油を含み得る。1つの実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約3%から約15%の向日葵油を含み得る。別の実施形態に於いては、主剤組成物は重量で約5%から約17%の向日葵油を含み得る。更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約7.5%から約15%の向日葵油を含み得る。依然として更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約5%から約10%の向日葵油を含み得る。例えば、向日葵油の量は、重量で3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、若しくは20%の向日葵油、又は何れかの端数の量、例えば10.5%、13.6%、及び17.5%であり得る。
【0023】
此の態様に従うと、ニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチン対向日葵油の比は約1:1から約1:4である。例えば、ニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチン対向日葵油の比は、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9、又は1:3であり得る。
【0024】
本開示の主剤組成物は重量で約10%から約20%の重炭酸ナトリウムを含み得る。1つの実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約10%から約15%の重炭酸ナトリウムを含み得る。別の実施形態に於いては、主剤組成物は重量で約15%から約20%の重炭酸ナトリウムを含み得る。更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約12.5%から約17.5%の重炭酸ナトリウムを含み得る。依然として更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約14%から約17%の重炭酸ナトリウムを含み得る。例えば、重炭酸ナトリウムの量は、重量で10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、若しくは20%の重炭酸ナトリウム、又は何れかの端数の量、例えば10.5%、13.6%、及び17.5%であり得る。
【0025】
別の態様に於いて、主剤組成物は以下を含む:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;及び
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム。
【0026】
本開示の主剤組成物は、重量で5mgから約50mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物を含み得る。
【0027】
1つの実施形態に於いて、主剤組成物は重量で10mgから約50mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物を含み得る。別の実施形態に於いては、主剤組成物は重量で15mgから約40mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物を含み得る。更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で10mgから約30mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物を含み得る。依然として更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で15mgから約30mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物を含み得る。尚更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で10mgから約25mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物を含み得る。主剤組成物は、例えば重量で5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、若しくは50mgのニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物、或いは何れかの端数の量、例えば7.5mg、22.5mg、及び34.6mgを含み得る。
【0028】
本開示の主剤組成物は重量で約15mgから約160mgの向日葵油を含み得る。1つの実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約15mgから約160mgの向日葵油を含み得る。別の実施形態に於いては、主剤組成物は重量で約25mgから約120mgの向日葵油を含み得る。更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約40mgから約100mgの向日葵油を含み得る。依然として更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約50mgから約150mgの向日葵油を含み得る。尚更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約75mgから約120mgの向日葵油を含み得る。本開示の主剤組成物は、例えば重量で15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、101mg、102,mg、103,mg、104mg、105mg、106mg、107mg、108mg、109mg、110mg、111mg、112mg、113mg、114mg、115mg、116mg、117mg、118mg、119mg、120mg、121mg、122mg、123mg、124mg、125mg、126mg、127mg、128mg、129mg、130mg 31mg、132mg、133mg、134mg、135mg、136mg、137mg、138mg、139mg、140mg、141mg、142mg、143mg、144mg、145mg、146mg、147mg、148mg、149mg、150mg、151mg、152mg、153mg、154mg、155mg、156mg、157mg、158mg、159mg、若しくは160mgの向日葵油、又は何れかの端数の量、例えば27.5mg、82.5mg、及び134.6mgを含み得る。
【0029】
本開示の主剤組成物は重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウムを含み得る。1つの実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約50mgから約100mgの重炭酸ナトリウムを含む。別の実施形態に於いては、主剤組成物は重量で約75mgから約100mgの重炭酸ナトリウムを含む。更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約100mgから約200mgの重炭酸ナトリウムを含む。依然として更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約150mgから約200mgの重炭酸ナトリウムを含む。尚更なる実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約150mgから約300mgの重炭酸ナトリウムを含む。尚別の実施形態に於いて、主剤組成物は重量で約225mgから約300mgの重炭酸ナトリウムを含む。本開示の主剤組成物は、例えば重量で50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、101mg、102mg、103,mg、104mg、105mg、106mg、107mg、108mg、109mg、110mg、111mg、112mg、113mg、114mg、115mg、116mg、117mg、118mg、119mg、120mg、121mg、122mg、123mg、124mg、125mg、126mg、127mg、128mg、129mg、130mg、31mg、132mg、133mg、134mg、135mg、136mg、137mg、138mg、139mg、140mg、141mg、142mg、143mg、144mg、145mg、146mg、147mg、148mg、149mg、150mg、151mg、152mg、153mg、154mg、155mg、156mg、157mg、158mg、159mg、160mg、161mg、162mg、163mg、164mg、165mg、166mg、167mg、168mg、169mg、170mg、171mg、172mg、173mg、174mg、175mg、167mg、177mg、178mg、179mg、180mg、181mg、182mg、183mg、184mg、185mg、186mg、187mg、188mg、189mg、190mg、191mg、192mg、193mg、194mg、195mg、196mg、197mg、198mg、199mg、200mg、201mg、202mg、203mg、204mg、205mg、206mg、207mg、208mg、209mg、210mg、211mg、212mg、213mg、214mg、215mg、216mg、217mg、218mg、219mg、220mg、221mg、222mg、223mg、224mg、225mg、226mg、227mg、228mg、229mg、230mg、231mg、232mg、233mg、234mg、235mg、236mg、237mg、238mg、239mg、240mg、241mg、242mg、243mg、244mg、245mg、246mg、247mg、248mg、249mg、250mg、251mg、252mg、253mg、254mg、255mg、256mg、257mg、258mg、259mg、260mg、261mg、262mg、263mg、264mg、265mg、266mg、267mg、268mg、269mg、270mg、271mg、272mg、273mg、274mg、275mg、276mg、277mg、278mg、279mg、280mg、281mg、282mg、283mg、284mg、285mg、286mg、287mg、288mg、289mg、290mg、290mg、291mg、292mg、293mg、294mg、295mg、296mg、297mg、298mg、299mg、若しくは300mgの重炭酸ナトリウム、又は何れかの端数の量、例えば110.5、220.7、及び250.8を含み得る。
【0030】
ニコチン化合物
本開示のニコチン化合物は、ニコチン、ニコチンの薬理学的に許容される塩、ニコチン錯体、及びニコチンを含有するポリマー樹脂から選択される。ニコチン塩の限定しない例はニコチン安息香酸塩、ニコチン乳酸塩、ニコチンリンゴ酸塩、ニコチン二酒石酸塩、ニコチンサリチル酸塩、ニコチンクエン酸塩、及びニコチンレブリン酸塩を包含する。樹脂との組み合わせのニコチンの限定しない例はニコチンポラクリレックス及びニコチンレジネートを包含する。
【0031】
1つの限定しない例に於いて、ニコチン塩はニコチン安息香酸塩である。別の限定しない例に於いて、ニコチン塩はニコチン乳酸塩である。更なる限定しない例に於いて、ニコチン塩はニコチンリンゴ酸塩である。尚更なる限定しない例に於いて、ニコチン塩はニコチン二酒石酸塩である。依然として尚更なる限定しない例に於いて、ニコチン塩はニコチンサリチル酸塩である。尚別の限定しない例に於いて、ニコチン塩はニコチンクエン酸塩である。依然として尚別の限定しない例に於いて、ニコチン塩はニコチンレブリン酸塩である。
【0032】
担体
1つの態様に於いて、本開示の担体は多糖である。多糖担体の限定しない例はイヌリン、ガラクトゲン、セルロース、キチン、ペクチン、サイリウム、グアー、ヘミセルロース、馬鈴薯澱粉、及び部分加水分解多糖を包含する。別の態様に於いて、担体は糖アルコール、例えばソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、加水分解水添澱粉、イソマルトース、又は其れ等の何れかの組み合わせである。更なる態様に於いて、担体構成成分は、天然若しくは化工寒天、アルギン酸、カラギーナンガム、セルロース、キトサン、キチン、シクロデキストリン、デキストラン、ゲランガム、グリコーゲン、グリコサミノグリカン、カラヤガム、イヌリン、ペクチン、ポリデキストロース、キサンタンガム、又は何れかの他の澱粉、ガム、若しくは他の多糖に基づき、官能化誘導体、デキストリン化、加水分解、酸化、アルキル化、ヒドロキシアルキル化、アセチル化、分級、及び物理加工澱粉、並びに其れ等の混合物を包含する。幾つかの実施形態に於いては、グリセリン及び/又はプロピレングリコールが担体として追加され得る。
【0033】
1つの態様に於いて、担体は増量剤として働き得る。1つの実施形態に於いては、微結晶セルロースが、担体として主剤組成物に且つ増量剤として本願に於いて下で開示されるパウチに利用される。別の実施形態に於いては、2つ以上の担体、例えば微結晶セルロース及びイヌリンが組み合わせられ得る。此の組み合わせは主剤組成物及びパウチ両方に利用され得る。其れが本開示のパウチに関する時には、デキストリンは増量剤として追加される。然しながら、デキストリンは、製剤者が追加する事を欲する何れかの香料の為の担体としても又働き得る。例えば、エチルバニリンはバニラの着香を提供する化合物である。エチルバニリンはデキストリン、微結晶セルロース、又はイヌリンと調合され、それから増量剤又は他の担体と混練され得る。
【0034】
1つ以上の担体の1つの態様に於いて、担体の1つは水溶性であり、他はそうではない。此れは、活性主剤が下で本願に記載される通り非水溶性だが水透過性のパウチに依って送達される時に、製剤者が活性主剤の放出を制御する事を許す。担体の此の組み合わせは、ニコチン塩に依って又はポリマー担持ニコチン、例えばポラクリレックスに依って何方かでニコチンの送達を許す。
【0035】
本開示の組成物は重量で約80%から約95%の1つ以上の担体を含み得る。1つの実施形態に於いて、本開示の組成物は重量で約80%から約90%の1つ以上の担体を含み得る。別の実施形態に於いては、本開示の組成物は重量で約85%から約95%の1つ以上の担体を含み得る。更なる実施形態に於いて、本開示の組成物は重量で約85%から約90%の1つ以上の担体を含み得る。
【0036】
抗酸化剤
本開示の組成物は約0.05%以下の抗酸化剤を含み得る。抗酸化剤の限定しない例は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル(PG)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、及び其れ等の混合物を包含する。
【0037】
次の表は主剤ニコチン送達組成物の限定しない例を開示する。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
キット
本願に於いては、ニコチンの舌下送達の為のキットが開示される。キットは、活性成分を含む主剤ニコチン送達系と、活性成分及びニコチン、ニコチン塩、又は(of)ニコチン樹脂組成物の送達の為に有用な何れかの必要な補助成分が入る非水溶性の液体透過性のパウチとを含有する。1つの態様に於いて、キットは、以下を含む開示される組成物を含有するパウチを含む:
A)以下を含む非ニコチン組成物を含む液体透過性のパウチ:
a)1つ以上の送達剤;及び
b)増量剤;並びに
B)以下を含む主剤ニコチン送達組成物:
a)ニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)向日葵油;
c)重炭酸ナトリウム;及び
d)残部は1つ以上の担体。
【0051】
送達制御剤
本開示のニコチン含有組成物の舌下送達を制御する為に、キットは、用いられる口中へのニコチンの放出を制御する1つ以上の薬剤を含有する。此れ等の薬剤は、典型的には、主剤ニコチン送達組成物の組み立て後に製剤される;然しながら、製剤者は送達制御剤を担体系の一部として追加し得る。
【0052】
1つの実施形態に於いて、送達剤は、可溶化剤、例えばレシチン、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸塩、食用脂肪酸のモノ及びジグリセリドのモノ及びジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸のモノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のサッカロースエステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、インターエステリフィケーションヒマシ油酸のポリグリセロールエステル(E476)、ステアロイル乳酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、並びに脂肪酸のソルビタンエステル及びポリオキシエチル化水添ヒマシ油(例えばCREMOPHOR(商標))、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー(例えば、1つ以上のプルロニック(登録商標)又はポロキサマー(商標))、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸のソルビタンエステル、並びにポリオキシエチレンステアリン酸エステルである。
【0053】
1つの実施形態に於いて、送達剤は、ステアロイル乳酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセロール、プロピレングリコール、b-シクロデキストリン、及びプロピレングリコール400(PEG400)から選択される。
【0054】
可溶化剤の限定しない例はグリセロール、プロピレングリコール、b-シクロデキストリン、及びプロピレングリコール400(PEG400)を包含する。
【0055】
本開示のキットの1つの態様に於いて、キットは以下を含む:
A)以下を含む非ニコチン組成物を含む液体透過性のパウチ:
a)1つ以上の送達剤;及び
b)増量剤;並びに
B)以下を含む主剤ニコチン送達組成物:
a)ニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)向日葵油;
c)重炭酸ナトリウム;及び
d)残部は1つ以上の担体。
【0056】
此の態様の1つの実施形態に於いて、キットは以下を含む:
A)以下を含む非ニコチン組成物を含む液体透過性のパウチ:
a)1つ以上の送達剤;及び
b)増量剤;並びに
B)以下を含む主剤ニコチン送達組成物:
a)重量で約1%から約6%のニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)重量で約3%から約20%の向日葵油;
c)重量で約10%から約20%の重炭酸ナトリウム;及び
d)残部は1つ以上の担体。
【0057】
此の実施形態の1つのイテレーションに於いて、キットは以下を含む:
A)以下を含む非ニコチン組成物を含む液体透過性のパウチ:
a)マルチトール;及び
b)微結晶セルロース及びイヌリンの混和物;並びに
B)以下を含む主剤ニコチン送達組成物:
a)重量で約1%から約6%のニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)重量で約3%から約20%の向日葵油;
c)重量で約10%から約20%の重炭酸ナトリウム;及び
d)残部:
i)デキストロース;及び
ii)着香料。
【0058】
着香料の限定しない例は林檎、バナナ、桜桃、シナモン、葡萄、オレンジ、梨、パイナップル、ラズベリー、ブルーベリー、苺、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、及びバニラを包含する。
【0059】
本願に於いては、以下を含むキットが開示される:
A)以下を含む非ニコチン組成物を含む液体透過性のパウチ:
a)1つ以上の送達制御剤;及び
b)増量剤;並びに
B)以下を含む主剤ニコチン送達組成物:
a)ニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)向日葵油;
c)重炭酸ナトリウム;及び
d)残部は1つ以上の担体。
【0060】
1つの限定しない例に於いて、キットは以下を含む:
A)以下を含む非ニコチン組成物を含む液体透過性のパウチ:
a)1つ以上の送達制御剤;及び
b)増量剤;並びに
B)以下を含む約70mgから約510mgの活性主剤送達系:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン安息香酸塩;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;
d)約350mgから約1500mgの1つ以上の担体;及び
e)残部は1つ以上の送達制御剤。
【0061】
別の限定しない例に於いて、キットは以下を含む:
A)以下を含む非ニコチン組成物を含む液体透過性のパウチ:
a)1つ以上の送達制御剤;及び
b)増量剤;並びに
B)以下を含む約70mgから約510mgの活性主剤送達系:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチンポラクリレックス;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;
d)約350mgから約1500mgの1つ以上の担体;及び
e)残部は1つ以上の送達制御剤。
【0062】
調製
本開示の主剤組成物は次の一般的な手順に依って調製され得る。ニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチンが、充分な撹拌をしながらベッセル内で向日葵油と組み合わせられる。各成分の量は、ニコチン含有成分及び向日葵油の比の製剤者の選択に依存して様々である。即ちニコチン含有成分対向日葵油の比は、本願に於いて上で開示されている通り、約1:1から約1:3であり得る。比の選択は追加される補助成分の相対量をも又決めるであろう。其れから、再び成分の比及び賦形剤の選択に基づいて、撹拌しながら、ニコチン含有成分向日葵油混和物は約50℃から約75℃にゆっくり加熱される。
【0063】
此の時点で、抗酸化剤及び他の補助成分が加熱の間にニコチン含有化合物/向日葵油混和物に任意に追加され得る。混和物に追加される何れかの抗酸化剤の量及び比は、製剤者の選択に依存して様々である。1つの限定しない実施形態に於いて、抗酸化剤の量は重量で混和物の約0.01%から約0.10%である。
【0064】
其れから、抗酸化剤及び/又は他の補助成分の任意の追加後に、齎された混和物は十分な混合をしながら乾燥微粒子基材にゆっくり追加されて、均一な分散液を形成する。基材に追加される混和物の数量は重量で約5%から約60%である。其れから、最終的な分散液は、製剤者に依って選択される何等かの手段、例えば炉乾燥、凍結乾燥、対流式乾燥、マイクロ波照射等に依って脱水される。1つの限定しない実施形態に於いて、分散液は約45から約135分迄乾燥される。補助成分の型及びニコチン含有化合物対向日葵油の比を包含する多くの因子に依存して、時間は短縮又は延長され得る。
【0065】
此の時点で、アルカリ化剤が組み込まれる。1つの限定しない例に於いては、重炭酸ナトリウムがアルカリ化剤として用いられる。アルカリ化剤の量は他の成分の量及び基材の選択に基づく。1つの限定しない実施形態に於いて、組成物は重量で約1%から約25%のアルカリ化剤を含み得る。
【0066】
今や形成された均一な混和物中にアルカリ化剤をホモジナイズした後に、他の補助成分が追加され得る。限定しない例は、パウチと適合性である口当たりを提供し、其れに依ってパウチ内の「実質」の感じをユーザに提供する増量剤を包含する。増量剤は微結晶セルロース及びイヌリンを包含する。加えて、甘味料、例えばマルチトール、及び/又は着香化合物が、異なる口中感覚を提供する為に追加される。
【0067】
其れから、齎された組成物は、製剤者の選択に依存して様々であるレベルの他の補助成分、例えば増量剤(例えば微結晶セルロース)、高力価の甘味料(例えばマルチトール)、及び/又は着香化合物と更に調合され、最後に、種々の異なる経口又は口内フォームファクターで与えられ得る。
【0068】
1つの限定しない例に於いては、ニコチン安息香酸塩(15g)及び向日葵油(45g)が効率的な撹拌をしながらステンレス鋼反応ベッセル内で組み合わせられ、均一に50℃に加熱される。其れから、均一に分散される迄混合しながら、ニコチン安息香酸塩向日葵油混和物は乾燥微粒子基材化合物としてイヌリン(500g)中にゆっくり量り入れられる。均一に分散される迄混合しながら、重炭酸ナトリウム(20g)が追加される。其れから、混和物は対流気流式脱水チャンバー内に90分に渡って置かれて、残りの水分を取り除き、ニコチン及び向日葵油含浸乾燥微粒子の間の分子的な結び付きを齎す。其れから、齎された組成物は微結晶セルロース(200g)、マルチトール(175g)、及びスペアミント着香(100g)と組み合わせられ、其れからユニットドーズ経口パウチに詰められる。
【0069】
パウチ
パウチの特性は、パウチ組成物からのニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチンの放出に影響し、其れに依って、可能性としては、ユーザに依る取り込み速度に影響し得る。本開示のパウチは水不溶性繊維を含み、此れは、水分、典型的にはユーザの唾液がパウチに入り、水溶性の構成成分を可溶化する事を許す。
【0070】
本願に於いては水不溶性のパウチが開示され、此れ等は不溶性繊維、例えば小麦繊維、オート麦繊維、エンドウ豆繊維、米繊維、トウモロコシ繊維、オート麦繊維、トマト繊維、大麦繊維、ライ麦繊維、甜菜繊維、ソバ繊維、馬鈴薯繊維、セルロース繊維、林檎繊維、ココア繊維、セルロース繊維、粉末化セルロース、竹繊維、ブラン繊維、又は其れ等の組み合わせを含み得る。
【0071】
1つの実施形態に於いて、本開示のパウチは、繊維性の植物材料の品種からパルプとして得られるアルファセルロース、例えば木材パルプを加工する事に依って調製されるセルロースを含む。更なる実施形態に於いて、パウチは小麦繊維、オート麦繊維、又は其れ等の組み合わせを含み得る。
【0072】
次は植物繊維の限定しない例である。Vitacel-WF600(商標)、Vitacel-HF600(商標)、Vitacel-P95(商標)、Vitacel-WF200(商標)、Vitacel-LOO(商標)、Vitacel-Erbsenfaser-EF150(商標)、Vitacel竹繊維baf90(商標)、Vitacel-HF600(商標)、VitacelセルロースL700G(商標)、Vitacel-PF200(商標)、Vitacel馬鈴薯繊維KF200(商標)、Vitacel竹繊維haf-BAF40(商標)、Vitacel-Haferfaser/オート麦繊維HF-401-30(商標)、Vitacel-L00(商標)、VitacelセルロースL700G(商標)、Vitacel-LC1000(商標)、Vitacel-L600-20(商標)、Vitacel-L600(商標)、又は其れ等の組み合わせ。
【0073】
種々の量の主剤ニコチン送達組成物を含有するパウチを製剤する事に於いて、水不溶性繊維の量は使用中の口当たりを損なう事無しに縮減され得るという事が本開示の1つの実施形態である。パウチ材料は使用中の膨潤を引き起こさないという事が重要である。何故なら、此の事実は水溶性の構成成分の溶解に反対に作用し、其れに依って、ユーザが使用中のパウチの内容の何れかの減少を経験する事を防止し得るからである。
【0074】
加えて、パウチ組成物は望ましい口当たり、例えば柔らかい及び/又は粘着性の質感をも又可能にし得る。取り出されようとする時に一緒に粘着又は集塊化してパウチの破裂を齎す事無しに、依然として製造されたパウチを一緒に隣接して例えば缶及び同類に保存する事が出来乍ら、望ましい質感及び口当たりが得られ得る。又、幾つかの実施形態に於いて、望ましい口当たりは、タバコパウチを思わせる痺れる感覚を、然し其れに関連する望まれない効果の多く、例えば組織の変色無しに含み得る。
【0075】
本開示のキットの1つの態様に於いて、キットはユーザへの舌下へのニコチンの送達の為の活性主剤組成物とパウチとを含む。
【0076】
キットは水透過性のパウチを含み、此れの中に活性主剤組成物及び送達系が追加される。本開示のパウチは以下を含む:
A)以下を含む重量で約5%から約20%の活性主剤組成物
a)重量で約1%から約6%のニコチン、ニコチン塩、樹脂との組み合わせのニコチン、又は其れ等の混合物;
b)重量で約3%から約20%の向日葵油;
c)重量で約10%から約20%の重炭酸ナトリウム;及び
B)重量で約80%から約95%の送達系であって、送達制御系は1つ以上の送達制御剤、担体、可溶化剤、又は其れ等の混合物を含有する。
【0077】
此の態様の1つの実施形態に於いて、パウチは以下を含む:
A)以下を含む約70mgから約510mgの活性主剤組成物:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン安息香酸塩;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;
B)約350mgから約1500mgの1つ以上の担体;及び
C)残部は1つ以上の送達制御剤。
【0078】
此の実施形態の1つのイテレーションに於いて、1つ以上の担体は送達制御剤として働く。例えば、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン安息香酸塩;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;及び
d)イヌリン、ガラクトゲン、セルロース、キチン、ペクチン、サイリウム、グアー、ヘミセルロース、馬鈴薯澱粉、又は部分加水分解多糖から選択される、重量で約300mgから約1300mgの担体。
【0079】
此の実施形態の別のイテレーションに於いては、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン安息香酸塩;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;及び
d)ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、加水分解水添澱粉、イソマルトース、又は其れ等の何れかの組み合わせから選択される、重量で約300mgから約1300mgの担体。
【0080】
此の実施形態の依然として更なるイテレーションに於いては、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン安息香酸塩;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;及び
d)重量で約300mgから約1300mgのイヌリン。
【0081】
此の実施形態の尚依然として更なるイテレーションに於いては、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン安息香酸塩;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;及び
d)重量で約300mgから約1300mgの微結晶セルロース。
【0082】
此の実施形態の尚依然として更なるイテレーションに於いては、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチン安息香酸塩(benzoat);
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;並びに
d)重量で約300mgから約1300mgのイヌリン及び微結晶セルロースの混和物。
【0083】
此の態様の別の実施形態に於いては、パウチは以下を含む:
A)以下を含む約70mgから約510mgの活性主剤組成物:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチンポラクリレックス;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;
B)約350mgから約1500mgの1つ以上の担体;及び
C)残部は1つ以上の送達制御剤。
【0084】
此の実施形態の1つのイテレーションに於いて、1つ以上の担体は送達制御剤として働く。例えば、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチンポラクリレックス;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;及び
d)イヌリン、ガラクトゲン、セルロース、キチン、ペクチン、サイリウム、グアー、ヘミセルロース、馬鈴薯澱粉、又は部分加水分解多糖から選択される、重量で約300mgから約1300mgの担体。
【0085】
此の実施形態の別のイテレーションに於いては、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチンポラクリレックス;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;及び
d)ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、加水分解水添澱粉、イソマルトース、又は其れ等の何れかの組み合わせから選択される、重量で約300mgから約1300mgの担体。
【0086】
此の実施形態の依然として更なるイテレーションに於いては、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチンポラクリレックス;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;及び
d)重量で約300mgから約1300mgのイヌリン。
【0087】
此の実施形態の尚依然として更なるイテレーションに於いては、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチンポラクリレックス;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;及び
d)重量で約300mgから約1300mgの微結晶セルロース。
【0088】
此の実施形態の尚依然として更なるイテレーションに於いては、以下を含むパウチ:
a)重量で約5mgから約50mgのニコチンポラクリレックス;
b)重量で約15mgから約160mgの向日葵油;
c)重量で約50mgから約300mgの重炭酸ナトリウム;並びに
d)重量で約300mgから約1300mgのイヌリン及び微結晶セルロースの混和物。
【0089】
本開示の組成物は重量で約80%から約95%の1つ以上の送達制御剤、担体、可溶化剤、又は其れ等の混合物を含み得る。1つの実施形態に於いて、本開示の組成物は重量で約80%から約90%の1つ以上の送達制御剤、担体、可溶化剤、又は其れ等の混合物を含み得る。別の実施形態に於いては、本開示の組成物は重量で約85%から約95%の1つ以上の送達制御剤、担体、可溶化剤、又は其れ等の混合物を含み得る。更なる実施形態に於いて、本開示の組成物は重量で約85%から約90%の1つ以上の送達制御剤、担体、可溶化剤、又は其れ等の混合物を含み得る。
【0090】
プロセス
本開示の主剤組成物は次の一般的な手順に依って調製され得る。ニコチン、ニコチン塩、又は樹脂との組み合わせのニコチンが、充分な撹拌をしながらベッセル内で向日葵油と組み合わせられる。各成分の量は、ニコチン含有成分及び向日葵油の比の製剤者の選択に依存して様々である。即ち、ニコチン含有成分対向日葵油の比は約1:1から約1:3である。比の選択は追加される補助成分の相対量をも又決めるであろう。其れから、再び成分の比及び賦形剤の選択に基づいて、撹拌しながら、ニコチン含有成分向日葵油混和物は約50℃から約75℃にゆっくり加熱される。
【0091】
1つの限定しない例に於いて、ニコチン安息香酸塩(15g)及び向日葵油(45g)は効率的な撹拌をしながらステンレス鋼反応ベッセル内で組み合わせられ、均一に50℃に加熱される。イヌリン(500g)をゆっくり量り入れ、全てのイヌリンが分散される迄撹拌を続ける。温度を60℃迄上げ乍ら、重炭酸ナトリウム(150g)をゆっくり追加する。一旦混和物が均一であると、均一な混和物を維持する為の速度でイヌリン(790g)を追加する。それから、混和物を30℃迄ゆっくり冷却し、5時間に渡って真空炉内に置いて、残りの水分の全てを取り除く。それから、齎された組成物は追加のイヌリン又は微結晶セルロースと組み合わせられ、其れから1つ以上のパウチに詰められ得る。
【実施例】
【0092】
次は不溶性の植物又は合成パウチに依って送達される組成物の限定しない例である。
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
次のデータ及び
図1から8に依って実証される通り、本開示の組成物は、経口送達に依るニコチンの血漿中レベルを増大させる事に於いて、担体に依ってニコチン単独を提供する事よりも有効である。次の動物研究は此の事実の決定的証拠を提供する。
【0102】
本開示の動物研究は本開示の組成物を利用して実施された。表Iは研究デザインを纏めている。マーシャル・バイオリソーシス(Marshall Bioresources)からの雄ビーグル犬を此の研究に利用した。動物は耳の入墨及びケージラベルに依って識別した。研究は盲検ではなかった。動物は研究の開始には健康であった。体重は各投薬時点に於いて記録した。全般的な健康観察を研究の実施期間中に各投薬及びサンプル収集時点に於いて記録した。
【0103】
投薬
パウチ当たり4mgのニコチンをバッカル投与に依って投与した。動物を6mg/kgの用量のプロポフォールに依って麻酔した。其れから、動物に挿管し、1~5%のイソフルラン及び2Lの酸素流を用いて麻酔状態に維持した。被験物質を有するパウチをバッカルスペースに置いた。小体積の水(0.5~1mL)に依ってリンスした。パウチ被験物質被験物質をバッカルスペースに置いた後の5分毎に、イソフルランマスクを取り除き、パウチを穏やかに圧迫した。唾液が口から漏れないという事を保証する為に特段の注意を払った。30分後に、パウチ被験物質をバッカルスペースから取り除き、動物が麻酔から回復する事を許した。全てのパウチは投薬後に保持した。各パウチは動物のID及びパウチ識別を有する個々のコニカルチューブ中に置いた。
【0104】
試験組成物
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
下の表に示される通り、群1はニコチン安息香酸塩対照群を投与された。群2はニコチン安息香酸塩を含む本開示の組成物を投与された。群3はニコチンポラクリレックス対照を投与された。群4はニコチンポラクリレックスを含む開示組成物を投与された。力価試験の結果に基づく実際の量は、其々群1、2、3、及び4に於いてパウチ当たり3.12、3.31、3.48、及び3.79mgであった。
【0110】
【0111】
サンプル収集、調製、及び保存
各血液サンプル(凡そ2000μL)は頸静脈からK2ETDA収集チューブに収集し、数回穏やかに転倒混和した。3,000×gでの5分の4℃に於ける遠心迄、サンプルは氷上に保った。凡そ1000μLの血漿を遠心に依って分離した。バイオアナリシスを実施する迄は、齎された血漿サンプルは-80Cで保存した。
【0112】
定量的な血漿サンプル分析
血漿サンプルを蛋白質沈殿に依って抽出し、LC-MS/MSを用いて分析した。ニコチンの個々の及び平均の血漿中濃度並びに齎された薬物動態学パラメータを表4~7に示す。全てのデータはニコチンのng/mLとして表現されている。定量限界(血漿中に1.0ng/mL)よりも下であるサンプルは平均値の計算から除外した。平均濃度対時間データは
図1~8にプロットされている。
【0113】
薬物動態学パラメータを血漿中濃度のタイムコースから計算した。薬物動態学パラメータはフェニックスWinNonlin(v8.0)ソフトウェアに依ってノンコンパートメントモデルを用いて決定した。投薬後の最高血漿中濃度(Cmax)及び最高血漿中濃度到達時間(tmax)をデータから観察した。最終定量可能データポイント迄の計算(AUC0-last)に依って、及び適用可能な場合には無限大迄の外挿(AUC∞)に依って、時間濃度曲線下面積(AUC)を線形台形法を用いて計算した。血漿中半減期(t1/2)は終末消失相の0.693/傾きから計算した。平均滞留時間MRTはモーメント曲線下面積(AUMC)をAUCに依って除算する事に依って計算された。定量化限界(1.0ng/mL血漿)よりも下の何れかのサンプルは平均値の計算には用いなかった。
【0114】
データ
雄ビーグル犬(群1)に於ける表VI及びVIIに開示されるニコチン安息香酸塩対照組成物のバッカル投与後の、ニコチンの薬物動態学パラメータ及び血漿中濃度(ng/mL)
【0115】
【0116】
【0117】
表VIIIは動物1~10の結果の平均及び標準偏差を提供する。
【0118】
【0119】
図1は、雄ビーグル犬に於ける表Iに開示されるニコチン安息香酸塩対照組成物のバッカル投与後の、ニコチンの個々の血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
図2は、雄ビーグル犬に於ける表Iに開示されるニコチン安息香酸塩対照組成物のバッカル投与後の、ニコチンの平均血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)のプロットである。
【0120】
雄ビーグル犬(群2)に於ける表IX及びXのニコチン安息香酸塩の開示される組成物(4mg)を含有するパウチのバッカル投与後の、ニコチンの薬物動態学パラメータ及び血漿中濃度(ng/mL)
【0121】
【0122】
【0123】
表XIは動物11~21の結果の平均及び標準偏差を提供する。
【0124】
【0125】
図3は、雄ビーグル犬に於ける表IIに開示される本開示のニコチン安息香酸塩組成物(4mg)のバッカル投与後の、ニコチンの個々の血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)を図示する。
図4は、雄ビーグル犬に於ける表IIの本開示の化合物(4mg)のバッカル投与後の、ニコチンの平均血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)を示す。
【0126】
雄ビーグル犬(群3)に於ける表XII及びXIIIに開示されるニコチンポラクリレックス対照組成物(4mg)のバッカル投与後の、ニコチンの薬物動態学及び個々の血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)
【0127】
【0128】
【0129】
表XIVは動物21~30の結果の平均及び標準偏差を提供する。
【0130】
【0131】
図5は、雄ビーグル犬(群3)に於ける表IIIに開示されるニコチンポラクリレックス対照組成物(4mg)のバッカル投与後の、ニコチンの個々の血漿中濃度(poncentration)(ng/mL)対時間(hr)を示す。
図6は、雄ビーグル犬(群3)に於ける表IIIに開示されるニコチンポラクリレックス対照組成物(4mg)のバッカル投与後の、ニコチンの平均血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)を示す。
【0132】
雄ビーグル犬(群4)に於ける表XV及びXVIのニコチンポラクリレックスの開示される組成物(4mg)を含有するパウチのバッカル投与後の、ニコチンの薬物動態学パラメータ及び血漿中濃度(ng/mL)
【0133】
【0134】
【0135】
表XVIIは動物31~40の結果の平均及び標準偏差を提供する。
【0136】
【0137】
図7は、雄ビーグル犬(群4)に於ける表VIに開示されるニコチンポラクリレックス(polarcilex)組成物(4mg)のバッカル投与後の、ニコチンの個々の血漿中濃度(poncentration)(ng/mL)対時間(hr)を示す。
図8は、雄ビーグル犬(群4)に於ける表VIに開示されるニコチンポラクリレックス(polarcrilex)組成物(4mg)のバッカル投与後の、ニコチンの平均血漿中濃度(ng/mL)対時間(hr)を開示する。
【0138】
手順
分析用ストック溶液調製
分析用ストック溶液(1.00mg/mLの遊離薬物)は水に依って調製した。
【0139】
標準の調製
標準はブランク雄ビーグル犬血漿に依って調製した。使用溶液を50:50アセトニトリル:水に依って調製した。其れから、使用溶液を血漿に追加して、2000、1000、500、250、100、50、10、5、2、及び1ng/mLの終濃度で検量標準を作った。標準は研究サンプルと同一に処置した。
【0140】
サンプル抽出
血漿サンプルを96ウェルプレート上でアセトニトリルに依る沈殿に依ってマニュアル抽出した。
【0141】
【0142】
HPLC条件
装置:ウォーターズ(Waters)AcquityUPLC
カラム:ウォーターズ(Waters)フェニルBEH、1.7μm、2.1×50mm
水系リザーバー(A):水中の10mm重炭酸アンモニウム、pH9.5
有機リザーバー(B):アセトニトリル
【0143】
【0144】
流量:600μL/min
注入体積:3μL
ランタイム:2.0min
カラム温度:30℃
サンプル温度:4℃
オートサンプラー強洗浄:1:1:1:1(v:v)アセトニトリル:メタノール:イソプロパノール:水
オートサンプラー弱洗浄:50:50(v:v)メタノール:水
【0145】
質量分析計条件
装置:ウォーターズ(Waters)XevoTQ-MS
インターフェース:エレクトロスプレー
モード:多重反応モニタリング(MRM)
脱溶媒ガス:1000L/hr
コーンガス:100L/hr
コリジョンガス:0.25mL/min
脱溶媒温度:500℃
キャピラリー電圧:2.5kV
【0146】
本開示の特定の実施形態を例解及び記載したが、種々の他の変更及び改変が本開示の趣旨及び範囲から外れる事無しに成され得るという事は当業者には自明であろう。拠って、添付の請求項に於いては、本開示の範囲内である全ての斯かる変更及び改変をカバーする事が意図される。
【国際調査報告】