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特表2024-514746所定の質量を供給することができる装置のための秤量システム及び対応する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】所定の質量を供給することができる装置のための秤量システム及び対応する方法
(51)【国際特許分類】
   G01G 13/24 20060101AFI20240327BHJP
   G01G 17/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G01G13/24 A
G01G17/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550583
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 FR2022050325
(87)【国際公開番号】W WO2022180338
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】2101830
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515174216
【氏名又は名称】ベアバ
【氏名又は名称原語表記】BEABA
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パピ、エルヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ、シルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】エルベ、アドリアン
【テーマコード(参考)】
2F046
【Fターム(参考)】
2F046AA02
2F046BB04
2F046DA04
(57)【要約】
本発明は食品の所定の質量を秤量するためのシステム10に関連し、システム10が、シャーシ11によって支持され、出力シャフトを有する、電気ステッピング・モータ30と、食品を受け取るための位置と食品を傾けて外に出すための位置との間を移動軸に沿って移動することができる食品受け取り部材22と、電気モータを制御するための電子制御ユニットと、を備える。本発明によると、受け取り部材が出力シャフトから独立して移動することができず、秤量システムが、受け取り位置において受け取り部材及び食品が出力シャフトに静的トルクを加えることになるように、構成され、電子制御ユニットが、食品の所定の質量のために、出力シャフトに抵抗トルクを加えるように構成され、その結果、静的トルクが抵抗トルクに少なくとも等しい場合に出力シャフトが位置を変化させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の所定の質量を秤量して排出するための秤量システム(10)であって、前記デバイスが、
シャーシ(11)と、
前記シャーシ(11)によって担持され、変位軸(A)に沿って多様な位置を取り入れることができる出力シャフト(34)を有する、電気ステッピング・モータ(30)と、
食品を受け取るための受け取り位置と前記食品を排出するための排出位置との間で前記変位の軸(A)に沿って移動可能である、前記食品を受け取るための受け取り部材(22)であって、前記受け取り部材(22)が、前記受け取り位置で前記食品の所定の質量を収容又は保持するように、及び前記排出位置で前記質量を落下させるように構成される、受け取り部材(22)と、
前記電気モータ(30)を制御するための電子制御ユニット(18)と、
を備え、
前記受け取り部材(22)が前記出力シャフト(34)に対しての変位に関して固定されること、前記秤量システム(10)が、前記受け取り位置において、前記受け取り部材(22)及び前記受け取り部材(22)が収容又は保持する前記食品が前記出力シャフト(34)に静的トルクを加えることになるように、構成されること、及び、前記電子制御ユニット(18)が、前記食品の所定の質量のために、前記出力シャフト(34)に抵抗トルクを加えるように構成され、その結果、前記静的トルクが前記抵抗トルクに少なくとも等しい場合に前記出力シャフト(34)が位置を変化させること、を特徴とする、秤量システム(10)。
【請求項2】
前記電子制御ユニット(18)が、前記出力シャフト(34)の前記変位、及び、食品の前記質量が所定の値に到達する場合の前記受け取り位置と前記排出位置との間での前記受け取り部材(22)の変位、を制御するように構成される、ことを特徴とする、請求項1に記載の秤量システム(10)。
【請求項3】
前記受け取り部材(22)に収容される前記食品の前記所定の質量及び前記受け取り部材(22)が、前記変位の軸Aから所定の距離(d)に位置する重心(CGP)を有する、ことを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の秤量システム(10)。
【請求項4】
前記受け取り部材(22)が駆動シャフト(38)に固定された接続手段(35)を備え、前記駆動シャフト(38)が、回転運動可能である、前記電気モータ(30)の前記出力シャフト(34)に回転可能に連結される、ことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の秤量システム(10)。
【請求項5】
前記受け取り部材(22)がバケット又は受け取り壁(23’)の形態である、ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の秤量システム(10)。
【請求項6】
前記シャーシ(11)が、いずれかの側でプラットフォーム(12)の壁を通過する開口部(17)を装備する前記プラットフォーム(12)を備え、前記食品が重力により前記開口部(17)を通って落下することが意図される、ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の秤量システム(10)。
【請求項7】
前記秤量システム(10)が、前記ステッピング・モータの前記出力シャフト(34)の少なくとも1つの位置を検出することができる検出手段(40)を備え、前記検出手段が前記電子制御ユニット(18)に接続される、ことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の秤量システム(10)。
【請求項8】
前記所定の質量が3gから100gの間である、ことを特徴とする、請求項7に記載の秤量システム(10)。
【請求項9】
前記受け取り部材(22)が前記出力シャフト(34)に備え付けられ、その結果、前記受け取り部材(22)及び食品の前記質量によって形成される組立体の重心(CGP)が、前記出力シャフト(34)の前記変位の軸Aを通過する水平面(P1)に対しての所定の前進角を形成する、前記変位の軸Aを通過する平面内に画定される、ことを特徴とする、請求項3から8までのいずれか一項に記載の秤量システム(10)。
【請求項10】
食品を基にした飲料を調製するための装置(1)であって、前記装置(1)が請求項1から9までのいずれか一項に記載の秤量システム(10)を備える、ことを特徴とする、装置(1)。
【請求項11】
前記装置(1)が、食品のための保存タンク(3)と、前記排出位置において前記受け取り部材(22)から食品の所定の質量を受け取ることが意図された混合チャンバ(7)と、を備える、ことを特徴とする、請求項10に記載の装置(1)。
【請求項12】
秤量システム(10)により食品の所定の質量を秤量して排出するための方法であって、前記秤量システム(10)が、出力シャフト(34)を有する少なくとも1つの電気ステッピング・モータ(30)、及び、前記出力シャフト(34)の変位に関して固定された受け取り部材(22)、を備え、前記方法が以下のステップ、
食品を提供するステップ(110)と、
一定量の食品を前記受け取り部材(22)の上に又はその中に排出するステップ(120)と、
食品を秤量するステップ(130)であって、
電子制御ユニット(18)により食品の所定の質量のために前記出力シャフト(34)に抵抗トルクを加えること、
前記受け取り部材(22)及び前記受け取り部材が収容又は保持する前記食品により前記出力シャフト(34)に静的トルクを加えること、
前記静的トルクが前記抵抗トルクに少なくとも等しい場合に前記電気モータの前記出力シャフト(34)の位置を変化させること、
から構成される、秤量するステップ(130)と、
を含む、方法。
【請求項13】
前記食品が粉乳を含む、ことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の所定の質量を供給することができる装置のための、食品の所定の質量を秤量するための秤量システムに関する。装置が、特には、粉乳を基にした哺乳瓶などの飲料を調製することに適する。
【背景技術】
【0002】
飲料調製で使用される食品のための種々の秤量システムが存在する。多くの秤量システムが導管を備え、導管内をウォームねじが延在、ウォームねじが駆動手段により回転駆動される。ウォームねじは、哺乳瓶調製のための粉乳などの食品粉末を投入するのに特に適する。秤量システムがその中で一定量の粉乳が供給されるところであるホッパーをさらに備え、ホッパーが導管の壁内に設けられた開口部を介してウォームねじを供給することが意図される。導管内のウォームねじの回転及び/又は回転数が、粉乳の所定の量を食品出口の方に供給するのを可能にする。
【0003】
しかし、ウォームねじによって供給される製品の量は正確ではない。粉乳の供給は、粉末の粒度分布又は顆粒の流動学(granular rheology)を考慮せずに平均密度に基づいて実施される。粉乳は子供の栄養必要量に応じて多様な粒度分布及び/又は密度を有する。加えて、乾燥状態での密度の変動により、及び、(装置の内部及び装置の外部の)ホッパーの上流でのその保存状態に応じて粉末によって吸収される水の質量により実際に供給される粉乳の質量には大きなばらつきが存在する。粉乳中に水分が存在することにより粉乳の流れ方が大きく変化する。加えて、ウォームねじが止まると、一定量の粉末がウォームねじの端部セクションから外に出て、ウォームねじのモータの停止後に供給される。これらのすべての要素が、供給される粉乳の質量の測定を歪める。
【0004】
測定チャンバと、回転軸を中心として自由に回転することができ、測定チャンバの中に設置される、プレートと、を備える粉乳を秤量するための秤量システムも知られている。ホッパーが測定チャンバに粉乳を供給することが意図される。プレートが一方の端部のところで感圧式の粉末秤量手段に接続され、この粉末秤量手段が電子制御ユニットに接続される。プレートのもう一方の端部が当接手段に接続される。重力により落下する粉末の質量が感圧式の手段によって所望される値に到達すると、電子制御ユニットが、当接手段に当接されるように設計されたカムを担持するステッピング・モータの回転の命令を出す。次いで、カムによって作動される当接手段がプレートを回転させるように駆動する。この量の粉末が、測定チャンバ内の排出オリフィスを通して排出される。しかし、測定が、上で述べたような、粉乳の多様な粒度分布、密度、及び/又は顆粒の流動学を考慮しないため、所望の量の粉乳は正確ではない。さらに、システムが、正確な質量を測定するための及びこの正確な質量を供給するための複数の部材を伴うため、このシステムは複雑であり、高コストである。
【0005】
秤量システムの他の例が文献DE-A1-1549301及びDE-U1-29620108で説明されている。文献DE-A1-1549301では、秤量システムが、とりわけ、秤量すべき食物の質量を決定するための、磁石から一定距離のところに配置構成された棒、釣り合いおもりに接続された、秤量すべき食物を受け取るための受け取り部材、排出中に所定の時間にわたって受け取り部材を保持するためのマイクロ・リレーなどの、種々のアクションを動作させるための種々の要素を備える。釣り合いおもりが受け取り部材を定位置に戻すのを可能にする。到達すべき質量を決定するのに使用される棒と磁石との間の距離は次元量である。このようなシステムは信頼性がなく、高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE-A1-1549301
【特許文献2】DE-U1-29620108
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、正確であり、信頼性があり、経済的である秤量システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的が、本発明に従って、食品の所定の質量を秤量して排出するための秤量システムによって達成され、このデイバスが、
- シャーシと、
- シャーシによって担持され、変位軸に沿って多様な位置を取り入れることができる出力シャフトを有する、電気ステッピング・モータと、
- 食品を受け取るための受け取り位置と食品を排出するための排出位置との間で変位の軸に沿って移動可能である、食品を受け取るための受け取り部材であって、受け取り部材が、受け取り位置で食品の所定の質量を収容又は保持するように、及び排出位置でこの質量を落下させるように構成される、受け取り部材と、
- 電気モータを制御するための電子制御ユニットであって、受け取り部材が出力シャフトに対して変位に関して固定され、秤量システムが、上記受け取り位置において、受け取り部材及び受け取り部材が収容又は保持する食品が出力シャフトに静的トルクを加えることになるように、構成され、電子制御ユニットが、食品の所定の質量のために、出力シャフトに抵抗トルクを加えるように構成され、その結果、静的トルクが抵抗トルクに少なくとも等しい場合に出力シャフトが位置を変化させる、電子制御ユニットと、
を備える。
【0009】
したがって、この解決策が上で言及した目的を達成するのを可能にする。特には、到達時の所望の質量の値がモータの同期性の損失を引き起こす静的負荷トルクを誘発する。「同期性の損失」はモータの回転子の非同期化の現象を意味し、このモータの回転子の非同期化の現象が、衝撃を受ける場合に又はモータのシャフトに加えられるトルクがモータの位置保持トルクに等しいか又はそれより大きい場合に起こり得る。モータがもはや位置を維持することができず、スリップして同期性を失い、それにより不本意にモータにそのステップを変化させる。本発明は、受け取り部材の中に排出される食品の正確な質量を正確に検出するためにこの現象を利用する。このようなシステムの実装及び設置は単純で経済的である。その理由は、システムがモータに昔から見られる物理的現象を利用するからである。モータのトルクの測定は線形則に従うものであり、したがってこの解決策が適応的なシステムとなる。単純さに関して、ステッピング・モータが複数のアクション/機能を作動させるのを可能にし、つまり、到達すべき質量を設定すること、所定の質量に到達するまで受け取り部材を保持すること、受け取り部材を傾斜させること、及び受け取り部材を所定の位置に戻すこと、を作動させる。ステッピング・モータは非常に小さい空間しか占有せず、したがってシステムが非常にコンパクトになる。加えて、ステッピング・モータは次元量より大幅により高い信頼性を有する電磁量(electromagnetic quantity)を設定することを可能にする。
【0010】
本システムが、単独で又は組み合わせで以下の性質を有する。
- 電子制御ユニットが、出力シャフトの変位、及び、食品の質量が所定の値に到達する場合の受け取り位置と排出位置との間での受け取り部材の変位、を制御するように構成される。
- 受け取り部材に収容される食品の所定の質量及び受け取り部材が、変位の軸Aから所定の距離に位置する重心を有する。
- 受け取り部材が駆動シャフトに固定された接続手段を備え、上記駆動シャフトが、回転運動可能である、電気モータの出力シャフトに回転可能に連結される。
- 受け取り部材がバケットの形態である。
- 受け取り部材が受け取り壁の形態である。
- 受け取り壁が平坦な又は湾曲している受け取り面を有する。
- シャーシが、いずれかの側でプラットフォームの壁を通過する開口部を装備するプラットフォームを備え、食品が重力によりこの開口部を通って落下することが意図される。
- 秤量システムが、ステッピング・モータの出力シャフトの少なくとも1つの位置を検出することができる検出手段を備え、検出手段が電子制御ユニットに接続される。
- 所定の質量が3gから100gの間である。
- 受け取り部材が出力シャフトに備え付けられ、その結果、受け取り部材及び食品の質量によって形成される組立体の重心が、出力シャフトの変位の軸Aを通過する水平面に対しての所定の前進角を形成する、変位の軸Aを通過する平面内に画定される。
- 受け取り位置と排出位置との間での受け取り部材の排出角が0°から180°の間である。
- 秤量システムが、受け取り部材から排出位置へ食品を完全に排出するのを可能にすることを意図された振動デバイスを備える。
【0011】
本発明はさらに、食品を基にした飲料を調製するための装置に関連し、装置が前述の性質のうちの任意の性質に従う秤量システムを備える。
【0012】
装置の性質が、装置が、食品保存タンクと、排出位置において受け取り部材から食品の所定の質量を受け取るための混合チャンバと、を備える、ことである。
【0013】
本発明はさらに、秤量システムにより食品の所定の質量を秤量して排出するための方法に関連し、秤量システムが、出力シャフトを有する少なくとも1つの電気ステッピング・モータと、出力シャフトの変位に関して固定された受け取り部材と、を備え、この方法が以下のステップ、
- 食品を提供するステップと、
- 一定量の食品を受け取り部材の上に又はその中に排出するステップと、
- 食品を秤量するステップであって、
・ 電子制御ユニットにより食品の所定の質量のために出力シャフトに抵抗トルクを加えること、
・ 受け取り部材及び受け取り部材が収容又は保持する食品により出力シャフトに静的トルクを加えることと、
・ 静的トルクが抵抗トルクに少なくとも等しい場合に電気モータの出力シャフトの位置を変化させることと、
から構成される、秤量するステップと、
を含む。
【0014】
この方法が単独で又は組み合わせで以下のステップ及び/又は性質を有する。
- 食品が粉乳を含む。
- 食品の測定した質量を排出するステップ。
- 電子制御ユニットが電気モータを制御する。
【0015】
添付概略図面を参照しながら、単純に例示であり非限定的である例として与えられる本発明の実施例の以下の詳細な説明的な記述を読むことにより、本発明がより良好に理解され、本発明の他の目的、詳細、性質、及び利点がより明瞭になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による、食品の正確な質量を供給すること及びこの正確な質量を用いて飲料を調製することが意図される装置を示す正面図である。
図2】本発明による、食品の正確な決定された質量を秤量するための秤量システムを示す斜視図である。
図3】本発明による、食品を受け取るための受け取り部材の実例を示す実質的に下方からの斜視図である。
図4】本発明による、食品を受け取るための受け取り部材の実例を示す実質的に上方からの斜視図である。
図5】本発明による、秤量システムのシャーシの上に設置されたモータと、モータの出力シャフトの少なくとも1つの位置を検出するための検出手段と、の実例を示す斜視図である。
図6】本発明による秤量システムの実例を示す斜視断面図である。
図7】本発明による、受け取り位置にある受け取り部材を備える秤量システムを示す軸方向断面図である。
図8】本発明による、排出位置にある受け取り部材を備える秤量システムを示す軸方向断面図である。
図9】本発明による、入れ物を閉じるための受け取り壁の形態である秤量システムの受け取り部材の別の実施例を示す概略軸方向断面図である。
図10】本発明による、入れ物を閉じるための受け取り壁の形態である秤量システムの受け取り部材の別の実施例を示す概略軸方向断面図である。
図11】本発明による、秤量システムの電気モータの出力シャフトの位置を検出するための検出手段を示す部分断面図である。
図12】本発明による、食品の所定の質量を秤量して排出するための方法の種々のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1が、粉末、液体、などの、食品を基にした飲料の調製のための装置1を示す。食品が、好適には、限定しないが、乳児用粉乳である。装置が、特には、飲料を調製するために食品の正確な質量を供給することが意図される。
【0018】
装置1が、フレーム2と、食品保存タンク3と、水タンク(図示せず)と、を備える。フレーム2が、容器6を受けるように構成された基部5を有し、飲料が容器6の中に排出される。容器6が哺乳瓶であってよい。食品保存タンク3が長手方向軸X(ここでは、図1の平面を基準として垂直であり、作業面の上に配置構成された装置の使用の状況に従う)に沿って基部5の上方に配置構成される。この実例では、水タンクが第1の横方向軸Y(ここでは、水平であり、図1の平面に対して垂直である)に沿って基部5の下流に配置構成される。第1の横方向軸Yが長手方向軸Xに対して垂直である。飲料を調製するために正確な手法で食品の所定の質量を秤量して排出するのを可能にするために、装置が、本記述で後で説明される秤量システム10を備える。
【0019】
食品の所定の正確な質量が混合チャンバ7に供給され、所定の温度の水が食品(この事例では粉乳及び水)の混合を促進するために混合チャンバ7の中に注入される。水が圧力下で注入され得る。混合チャンバ7が、長手方向軸Xに沿って基部5と秤量システム10との間に配置構成される。混合チャンバ7が、基部5から一定の距離のところに配置構成された飲料を計量分配することを意図されたノズル8を備える。ノズル8が長手方向軸Xに沿って基部5の反対側にある。ノズル8が長手方向軸に沿ってチャンバの底部から基部の方に延在する。この目的のため、装置1が、水タンクに接続された入口オリフィスと、混合チャンバ7に接続された出口オリフィスと、を備える導管を備える液圧回路(図示せず)を備える。液圧回路が、水タンクから水を引き出すこと及び導管を通る水の循環を可能にするポンプ、さらには、水を加熱するための手段を備える。これらの加熱手段が導管上に配置構成され、ポンプと混合チャンバ7との間に配置構成される。
【0020】
秤量システム10が図2に示される。秤量システム10が、直交座標系X、Y、Tを用いて、装置内での設置の状況で説明される。秤量システム10がフレーム2のエンクロージャ4(点線で示される)内に配置構成されたシャーシ11を備え、エンクロージャが長手方向軸Xに沿って混合チャンバ7の上方に位置する。シャーシ11が、長手方向軸Xと直交する平面内に画定された第1の表面13を備えるプラットフォーム12を備える。シャーシ11が、プラットフォーム12を安定させること及びエンクロージャ4の底部から一定の距離のところでプラットフォーム12を維持することを可能にする脚部14を備える。この実例では4つの脚部が存在する。各脚部14が第1の端部14aと第2の端部14bとの間で長手方向軸に沿って細長である。第1の端部14aが、エンクロージャ4の底部の上に載置されることを意図された基部プレート15を担持し、第2の端部14bが取り付け部材によりプラットフォーム12に取り付けられる。これを達成するために、プラットフォーム12がオリフィス16を備え、オリフィス16の各々が脚部14の第2の端部14bを受ける。取り付け部材がナットを含み、ナットの各々がオリフィス16の中に圧力嵌めされ、ナットの雌ねじが、各脚部の第2の端部14bのところに設けられた雄ねじと協働する。もちろん、取り付け部材は、スタッド、ねじ、接着剤、溶接部などの、他の取り付け部材を含むこともできる。
【0021】
食品保存タンク3が有利にはプラットフォーム12に備え付けられる。保存タンク3が、食品を保存するための保存ボリュームを決定する。プラットフォーム12が、いずれかの側で長手方向軸Xに沿ってその壁を通過する開口部17を備える。保存タンク3が、一方側で保存タンクの保存ボリュームの中へと開いており他方側でプラットフォーム12内の開口部17の中へと開いている排出オリフィス(図示せず)を備える。有利には、排出オリフィスを密閉するための密閉手段(図示せず)が、排出オリフィスの開位置及び閉位置を占有するように設けられる。これらの密閉手段が、電子制御ユニット18(図1、6、及び11を参照)によって制御される。電子ユニットが、装置1内の、特にはフレーム2に備え付けられる。密閉手段が、プラットフォーム12の第1の表面13の平面に平行である軸を中心として枢動するドア又は第1の表面13の平面内で摺動する少なくとも1つのドアを備えることができる。さらに、ホッパー19が長手方向軸Xに沿ってプラットフォーム12の第2の表面20(図5を参照)から延在することが分かる。開口部17がホッパー19の中へ開いており、ホッパー19が開口部17を延長する。この実例では、ホッパー19が、ホッパー19の出口オリフィス21(図5及び8を参照)に向かって先細になっている円錐台形断面(長手方向軸及び第1の横方向軸Yによって形成された平面において)を有する。ホッパー19の出口オリフィス21が、プラットフォーム12内に画定された開口部17の反対側である(長手方向軸Xに沿う)。
【0022】
図2、3、及び4を参照すると、秤量システム10が、保存タンク3によって供給される食品を受け取るための受け取り部材22を備える。この受け取り部材22が、変位軸に沿って食品受け取り位置と食品排出位置との間で移動可能である。ここでは、受け取り部材22が変位の軸を中心として回転的に変位する。有利には、限定しないが、受け取り部材22がバケットの形態である。このバケットの形状が、食品及び内容物の受け取りを良好に制御するのを可能にする。特には、受け取り部材22が、受け取り壁23と、受け取り壁23の側方縁部から延在する2つの側方パーティション24と、受け取り壁23の上流側縁部から隆起する上流側パーティション25と、を備える。受け取り壁23が受け取り部材の底部であり、湾曲している。側方パーティション24が第2の横方向軸Tに沿って互いに反対側にあり、実質的に平行な平面に画定された内部表面24aを備える。「上流側」及び「下流側」という用語は第1の横方向軸Yを基準として定義される。内部表面24aが互いの方を向く。上流側パーティション25がさらに側方パーティション24の上流側縁部に接続される。上流側パーティション25が、側方パーティション24の内部表面24aの平面に対して垂直である平面に画定される内部表面25aを備える。上流側パーティション25、2つの側方パーティション24、及び受け取り壁23が、一定量の食品を受け取るためのボリュームを形成する。少なくとも、上流側パーティション25及び側方パーティション24が、各々、受け取り部材22の受け取りボリュームの中へ開いている開口部27の境界を画定する自由縁部26を備える。受け取り壁23が、バケットの開口部27の方を向く湾曲している凹形内部表面23aを備える。内部表面23が、食品を受け取るための受け取り面として機能する。
【0023】
図2、5、及び6では、秤量システム10が、受け取り位置と排出位置との間での受け取り部材22の変位を駆動することが意図される電気モータ30を備える。電気モータ30が示されるようにシャーシ11によって担持される。シャーシ11がハウジング31(図6を参照)を備え、モータがハウジング31内に取り外し可能に配置構成される。図6でより正確に示されるように、シャーシ11が、長手方向軸Xに沿ってプラットフォーム12の第2の表面20から延在する支持壁32を備える。支持壁32が、第2の横方向軸Tに対して垂直である平面に画定された内部表面32aを備える。突出部33が支持壁32の内部表面32aから延在し、電気モータ30を受けるのに適するハウジング31の境界を少なくとも部分的に画定する。これらの突出部33が(平面XY(長手方向軸X及び第1の横方向軸Yによって形成される)に沿って)円形断面を有し、第2の横方向軸Tに平行な軸を有する円筒形壁を一体に形成する。この実例では、3つの突出部33が存在する。別法として、単一の円筒形壁が支持壁32の内部表面33aから延在する。
【0024】
図3、4、及び6を参照すると、電気モータ30が、第2の横方向軸Tに平行である変位軸Aを有する出力シャフト34を備える。受け取り部材22がモータの出力シャフト34に対して変位に関して固定される。この目的のため、図3及び4に示されるように、受け取り部材22が、モータ30の出力シャフト34に接続されるための接続手段35を備える。本実例では、受け取り部材22が、側方パーティション24を下流側に延長する2つの側方翼部36を備える。側方翼部36が実質的に第1の横方向軸Yに沿って延在する。各側方翼部36が、第2の横方向軸Tに対して垂直である平面に画定された内部表面36aを備える。2つの側方翼部36の内部表面36aが互いの方を向く。接続手段35が、受け取り部材22の2つの側方翼部36の間を延在する中空管37を備える。駆動シャフト38がモータ30の出力シャフト34に連結され、出力シャフト34の変位に関して固定される。駆動シャフト38が変位軸Aと同軸である。駆動シャフト38が受け取り部材22に固定され、その結果、受け取り部材22がシャフト38と同時に変位する。特には、駆動シャフト38が中空管37の内部に配置構成される。駆動シャフト38が、中空管37の内径に実質的に等しい直径を有する。別法として、示されないが、接続手段35が受け取り壁23に接続された耳部を備え、各耳部が、第2の横方向軸Tに沿って貫通孔を備える。駆動シャフト38が耳部を通過し、受け取り部材の変位を駆動することが可能となるように耳部に固定される。
【0025】
電気モータ30が回転ステッピング・モータ又は線形ステッピング・モータである。ステッピング・モータを使用することは非常に経済的である。この実例では、モータ30が回転ステッピング・モータである。出力シャフト34が変位の軸Aを中心として回転を実施する。同様に、受け取り部材22がこの変位軸Aを中心として枢動する。ステッピング・モータは出力シャフトの制御される正確な回転を可能にし、容易に制御される。ステッピング・モータが少なくとも1つの回転子及び1つの固定子を備える。回転子が出力シャフト34に連結される。固定子が、磁界を作る少なくとも2つの電気コイル又は電磁石を担持する。磁界は、モータが所定の電圧の供給を受けるときに出現する電流によって生成される。固定子のコイル内を循環する磁界の方向が回転子の回転を駆動する。電気モータ30の出力シャフト34が、各電気パルスに反応して一定の角度で回転し、それによりステップと称される多様な角度位置を取り入れることを可能にする。モータ30が所定の数のステップを有することができる。角度が0.9°から45°の間であってよい。モータの出力シャフト34が、モータに応じて、一回転で8ステップから400ステップの間をとることができる。
【0026】
電気ステッピング・モータ30が、永久磁石ステッピング・モータ、可変磁気抵抗ステッピング・モータ、又はハイブリッド・ステッピング・モータを含むことができる。好適には、電気モータ30が、一定の磁気抵抗を有するハイブリッド・ステッピング・モータ又は永久磁石ステッピング・モータである。ハイブリッド・ステッピング・モータは永久磁石を備え、永久磁石を有さないステッピング・モータよりも磁気抵抗トルクを増大させるのを可能にする。ハイブリッド・モータはより効率的であり、同じトルクを得るのにより少ない電流を必要とする。
【0027】
モータ30が、モータ30を制御することを意図された電子制御ユニット18に接続される。電子制御ユニット18がさらにモータ30に電力を供給するのを可能にする。電子制御ユニット18が、電気モータに電圧を供給することを意図された電源モジュールと、電気モータの出力シャフト34の回転を制御するための制御モジュールと、を備える。電気制御ユニット18が、例えば装置1の電気ケーブル(図示せず)を介して、ホーム・ネットワークなどの電力の供給源に接続される。
【0028】
図7が、受け取り位置にある受け取り部材22を示す。この位置では、受け取り部材22が、食品の所定の質量を収容又は保持するように構成される。受け取り部材22がもちろん空である。この位置では、受け取り部材22の受け取り面(内部表面23a)が開口部17の実質的に反対側にあり、食品が重力によりこの開口部17を通って受け取り部材22の中へ落下することが意図される。この実例では、自由縁部が長手方向軸に対して垂直である平面に画定され、この平面が、出力シャフト34の変位の軸Aを通過する平面P1に平行である。より正確には、空の受け取り部材22の重心CGV(centre of gravity)が、出力シャフト34の変位の軸を通過する平面P1内に画定される。平面P1は、秤量システム10が装置1内に設置されるときに、水平であり、長手方向軸Xに対して垂直である、と仮定する。受け取り部材22の重心CGVは、受け取り部材22を構築する要素の重心(barycentre)によって決定される。ここでは、受け取り部材22の重心(barycentre)は重心CGVに等しい。
【0029】
図8が排出位置にある受け取り部材22を示す。排出位置では、受け取り部材22が、この所定の質量をドロップさせるように構成される。排出位置では、受け取り面(内部表面23a)が開口部17から一定の距離のところにある。受け取り壁23がプラットフォーム12の第2の表面20の方を向き、プラットフォーム12の第2の表面20に実質的に接触する。この図は、受け取り部材22が、変位の軸を通過する水平面P1に対しての約180°の排出角で変位の軸Aに沿って枢動している、ことを示す。排出角は0°から180°の間である。有利には、排出角が60°から135°の間である。
【0030】
一実施例では、秤量システム10が、排出位置において受け取り部材22の食品を完全に排出する(又は、取り除く)のを可能にするように設計された振動デバイス(図示せず)を備える。この振動デバイスは、枢動角が水平面P1に対して170°未満である場合に特に有利である。振動デバイスが電子制御ユニット18に電気接続され、電子制御ユニット18が、排出位置を通知されるとき、振動デバイスを制御する。
【0031】
図9に概略的に示される別の実施例では、受け取り部材22が、電気モータ30の出力シャフト34に対して変位に関して固定された受け取り壁23’を備える。受け取り壁23’が入れ物47を閉じる又は密閉することを意図され、入れ物47が同様にモータ30の出力シャフト34に対して変位に関して固定される。受け取り壁23’が、重力により保存タンク3から落下する食品を受け取ること及び後で説明するように食品の質量を秤量することを意図された受け取り面23aを担持する。食品の量が秤量されて受け取り壁23’が排出位置まで変位させられた後、入れ物47が食品を受け取る。より正確には、受け取り壁23’がモータ30の出力シャフト34に対して回転可能に固定される。受け取り壁23’が接続手段35(耳部、中空管)を介して出力シャフト34に直接に接続され得るか、又は、出力シャフト34に連結された駆動シャフト38に接続され得る(接続手段35を介する)。入れ物47が、壁47b及び底部47cによって境界を画定された開口部47aを有し、壁47bが底部47cから隆起する。受け取り壁23’が、入れ物47を閉じるために開口部47aの高さに配置構成される。受け取り壁23’がさらに開口部47の寸法に実質的に等しい寸法を有し、他方で、食品の質量に到達するときに入れ物47の内部で傾斜するのを可能にする。入れ物47が長手方向軸Xに沿って混合チャンバ7の上方に配置構成される。受け取り部材22の重心CGVが、出力シャフト34の変位の軸Aを通過する水平面P1内に画定される。受け取り部材の重心CGVが受け取り壁23’の重心(barycentre)に一致する。この実例では、受け取り面23aが平坦である。しかし、受け取り面23aが、食品をより良好に保持するための凹形形状を有することもできる。この構成は、より多くの量の食品を測定するのを可能にする。
【0032】
受け取り部材22がポリマー材料から作られるか、又はポリマー・マトリクスを有する複合材料から作られる。材料の例として、ポリカーボネート(PC)又はアクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、或いはこれらの混合物がある。これらのポリマー材料の利点は、ポリマー材料が非常に軽量であるが頑丈であることである。材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)などであってもよい。
【0033】
一般的に言うと、電気ステッピング・モータ30は抵抗トルク(又は、磁気抵抗トルク)及び同期トルク(synchronous torque)を受ける。磁気抵抗トルクは、固定子及び回転子内での磁束の通過に対しての抵抗から生じる。電気モータ30が、各角度位置を維持するために所定の電圧の供給を受ける。この所定の電圧は、電気モータ30の出力シャフト34に加えられる抵抗トルクの関数である。
【0034】
秤量システム10が、モータの同期性を失うことにより、つまりステップの変化又は角度的枢動を誘発することにより、食品の質量を決定するように構成され、この間、電子制御ユニット18により抵抗トルクが出力シャフト34に加えられる。これを行うために、秤量システム10が、上記受け取り位置において受け取り部材22及び受け取り部材22により収容又は保持される食品が出力シャフト34に静的トルクを加えることになるように、構成され、電子制御ユニット18が、出力シャフト34に抵抗トルクを加えるように構成される。こうすることで、静的トルクが抵抗トルクに少なくとも等しい場合、電気モータ30(出力シャフト34)が位置を変化させる。特には、抵抗トルクが食品の所定の質量に対応する。この所定の質量は、飲料を調製するために混合チャンバ7の中へ排出されなければならない質量である。
【0035】
さらに、秤量システムの電気モータ30(及び、電子ユニット)の同期トルクを制御することにより食品の秤量を適応させることが可能となる、ことが理解できる。言い換えると、決定すべき質量値を修正することが可能である。次元量を利用する一部の秤量システムでは、決定すべき質量が固定される。このような秤量システムはまた、次元量を利用するシステムより大幅に正確である。
【0036】
所定の質量の値は3gから100gの間である。好適には、値が8gである。
【0037】
図7によると、受け取り部材22が、この事例では粉乳である食品39が(保存タンク3からの)排出後に受け取り部材22内に又は受け取り部材22の上にスロープを形成しすることになるように、構成される。食品39の所定の質量及び受け取り部材22が、変位の軸Aから所定の距離dのところに位置する重心CGPを有する。距離dは実質的に一定である。組立体の重心CGPは、長手方向軸Xに沿って、受け取り部材22の重心(CGV)の下方且つ水平面P1の下方に配置構成される。組立体の質量(食品の質量及び受け取り部材の質量によって形成される)の重量を乗じた、重心CGPまでの逆方向の距離dが、モータ30の出力シャフト34に加えられる機械的モーメントを構成する。このモーメントがモータ30の出力シャフト34に加えられる静的トルクになる。
【0038】
図10に示される実施例の実例によると、受け取り部材22(受け取り壁23’を備える)が、モータ30の変位の軸Aを通過する水平面に対して一定の角度のところにフレールを画定する。言い換えると、受け取り部材22が、所定の前進角α(アルファ)で出力シャフト34に備え付けられる。この角αは1.8°から8°の間である。示されるように、粉乳のスロープが受け取り壁23’の受け取り面23aの上に配置構成される。スロープを形成している食品の重心CGTが受け取り面23aの上方に配置構成される。スロープによって作用される力Fの適用点が受け取り面23aの上に画定され、受け取り部材22の重心CGV’を通過する。受け取り部材22が、組立体(粉末及び受け取り部材22)の重心CGPを、モータの変位の軸を通過する水平面P1の上方に置くように、出力シャフト34に接続される。重心CGPは、平面P1に対して前進角αを形成する、変位の軸Aを通過する平面内に画定される。したがって、モータが同期性を失うとき、静的トルクが減少するのではなく増大するようになる。食品の質量を増大させることなくモーメント(F*d*cоs(a))が増大する。この配置構成は秤量システムの感度を改善するのを可能にする。
【0039】
図5及び11を参照すると、秤量システム10が、電気モータ30の出力シャフト34の少なくとも1つの角度位置を検出することができる検出手段40を備える。検出手段40が電子制御ユニット18に接続され、電子制御ユニット18が、モータのステップ又は角度位置の変化が検出される場合にモータ30に作用するように構成される。検出手段40が、光ビーム(可視又は非可視)のエミッタ及び光ビームの受信機を備える。受信機がエミッタの反対側に配置構成される。エミッタ及び受信機が電子制御ユニット18に接続される。本実例では、検出手段が、その上にエミッタが備え付けられるところである第1の脚部41a及びその上に受信機が備え付けられるところである第2の脚部41bを備える光学フォーク41を備える。光ビームは赤外線ビームであってよい。検出手段40が、出力シャフト34に固定された妨害部材42を備える。この妨害部材42は、出力シャフト34の角度位置に応じて光ビームの経路内に挿置されることが意図される。示される実例では、妨害部材42が、出力シャフト34の変位の軸Aと同軸である中心軸を有し、出力シャフト34に回転可能に固定される、ディスクを備える。こうすることで、モータ30が同期性を失うとき(モータがステップを変化させるとき)、ディスクが出力シャフト34と同時に枢動する。ディスクが、ディスクの周縁部44からディスクの中心軸に向かって径方向に延在する少なくとも1つの第1のスロット43を備える。スロット43が光ビームによって通過されることが意図される(図11で点線で示されるように)。この目的のため、第1の脚部41a及び第2の脚部41bがそれぞれ、横方向軸Tに沿ってディスク42の一部分のいずれかの側で延在する。光学フォーク41が、シャーシ11のプラットフォーム12内に形成されたハウジング45内に設置される。ハウジング45がプラットフォームの第1の表面13の上で及び第2の表面20の上で開いている。ディスクの一部分が、エミッタと受信機との間を横方向に、ハウジング45を通って延在する。この事例ではディスクである妨害部材42は設置することが容易であり、モータの出力シャフト34に対して寄生トルク(parasitic torque)を一切導入しない。別法として、妨害部材42がカムを備える。特には、光ビームがスロットを通過するとき、電子制御ユニット18が、抵抗トルクを適用することによりモータの出力シャフト34の位置の維持を制御する。この事例では、受け取り部材22が食品の供給を受ける。光ビームが中断する場合、これは、光ビームがディスクの固体表面を走査していること、及び、出力シャフト34が少なくとも1ステップだけ回転したこと(第1の角度位置)、を意味する。この事例では、電子制御ユニット18が、受け取り部材22を排出位置まで駆動するために出力シャフト34を制御する。
【0040】
検出手段40が、電気モータ30の出力シャフト34の別の角度位置(第2の位置)を検出することができる。有利には、ディスクが、出力シャフト34の、また特には受け取り部材22の、第2の位置を検出するのを可能にすることを意図された図6で見ることができる第2のスロット46を備える。第1のスロット43及び第2のスロット46が互いに180°のところに配置構成される。この第2のスロット46は、排出位置における受け取り部材22のためのストローク・エンド検出要素として機能する。
【0041】
次に、上で説明した秤量システム10により食品の所定の質量を秤量して排出するための方法100を説明する。方法100が図12に示される。本方法が、食品を提供するステップ110を含む、このステップ中、食品が、秤量システム10の上方に位置する保存タンク3内に配置構成される。好適には、食品が乳児用粉乳を含む。本方法が、受け取り部材22の上に又は受け取り部材22の中に一定量の食品を排出するステップ120を含む。特には、食品が、受け取り部材22の受け取り面23aの上にスロープを形成するように排出される。受け取り面23aが上で説明したように平坦であるか又は中空である。このステップ中、電子制御ユニット18が、保存タンク3の排出オリフィスを開けるための制御コマンドを密閉手段に送信する。したがって、一定量の食品が、食品を受け取り部材22の方に案内する、プラットフォーム12内の及びホッパー19内の開口部17を介して、受け取り部材22の上又は受け取り部材の中に排出される。バケットの事例では食品39が受け取り部材22の受け取りボリュームの中まで案内され得る。粉乳が受け取り部材22の受け取り面23aの上まで継続的に又は断続的に排出される。
【0042】
本方法が、受け取り部材22内で食品の所定の質量を秤量するステップ130を含む。このステップ130が、モータの同期性の損失を実行することから構成される。特には、秤量するステップ130が、電子制御ユニット18によりモータ30の出力シャフト34に抵抗トルクを加えるサブステップを含む。この抵抗トルクが供給電圧の関数である。例えば、16mNmの抵抗トルクに相当する12Vの電圧がモータ30に加えられる。この抵抗トルクが約8gの粉末質量に相当する。受け取り部材22及び受け取り部材に収容される食品が抵抗トルクに等しい静的トルクを加えると、出力シャフト34が枢動してステップを変化させる。受け取り部材の質量と併せた受け取り部材22内の(又は、受け取り面23a上の)粉乳の質量がこの所定の値に到達しない間は、粉乳が継続して受け取り部材22の中に排出される。
【0043】
方法100が、粉末を秤量して質量を排出するステップ140を含む。特には、この質量に到達するとすぐにモータ自体のからのアクションや又は電子制御ユニット18からのコマンドなしで出力シャフト34がステップ又は角度位置を変化させる。同時に、この事例ではディスクである妨害部材42がエミッタとその受信機との間の光ビームを遮断する。検出手段40及び特には光学フォーク41が、出力シャフト34の位置に関連する制御信号を電子制御ユニット18に送信する。電子制御ユニット18が、出力シャフト34及び受け取り部材22の排出位置までの回転を駆動するための制御コマンドをモータ30に送信する。排出するステップ140と同時に又はその前に、本方法が、受け取り部材22の中への食品の排出150を停止するステップを含む。この事例では、電子制御ユニット18が、保存タンク3を排出するためのオリフィスを閉じるための制御コマンドを密閉手段に送信する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】