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特表2024-514758塊状材料を破砕するための装置及び方法
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  • 特表-塊状材料を破砕するための装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】塊状材料を破砕するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B02C 15/00 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
B02C15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023555553
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 FI2022050136
(87)【国際公開番号】W WO2022189698
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】20210015
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(31)【優先権主張番号】20216280
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522306479
【氏名又は名称】モビエーター オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ハンニネン,ペルッティ
【テーマコード(参考)】
4D063
【Fターム(参考)】
4D063EE03
4D063EE12
4D063EE21
4D063GA10
(57)【要約】
本発明の目的は、塊状材料を破砕するための装置及び方法である。本発明による解決手段は、垂直回転軸の周囲を水平面上で回転する破砕プレート(2)を備え、その上面に、被破砕材料(3)を供給することができ、その破砕プレートの上面(8)には、破砕プレート(2)の回転運動の影響によって回転し、破砕プレート(2)に対して被破砕材料を圧縮する複数の破砕ディスク(4a)が存在する。本装置は、破砕プレート(2)の半径方向の線に対する破砕ディスク(4a)の回転平面(RP)の角度を変更するための回転機構を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塊状材料を破砕するための装置であって、水平面上で垂直回転軸の周りを回転する破砕プレート(2)を備え、前記破砕プレートの上面に、被破砕材料(3)を供給することができ、前記破砕プレートの前記上面(8)に、複数の破砕ディスク(4a)が存在し、前記破砕ディスク(4a)は、前記破砕プレート(2)の回転運動の影響により回転し、前記被破砕材料を前記破砕プレート(2)に対して圧縮する、装置において、前記装置が、前記破砕プレート(2)の半径方向の線(R1)に対する前記破砕ディスク(4a)の回転平面(RP)の角度を変更するための回転機構(11)を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記回転機構(11)が、前記破砕プレート(2)の半径方向の線(R1)に対して前記破砕ディスク(4a)のシャフト(4b)を水平方向に回すことにより、前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)の角度を変更するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置内に、1つ又は複数の破砕ディスク(4a)を備える複数の破砕ディスクユニット(4)が存在し、前記ユニットのそれぞれは、それ自体の駆動シャフト(6)に懸吊されており、前記駆動シャフト(6)には、前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)の角度を変更するために、前記駆動シャフト(6)をその垂直中心軸の周りで回転させるための前述の回転機構(11)が接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
各駆動シャフト(6)が、前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)の角度を変更するために、前記駆動シャフト(6)をその垂直中心軸の周りで回転させるために、それ自体のシャフトを、独立して又は他の駆動シャフト(6)と同期して駆動する回転機構(11)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置が、圧縮力を発生する複数の押圧機構(6a)を備え、前記圧縮力が、前記破砕プレート(2)の上面(8)に向かって前記破砕ディスクユニット(4)を押圧するように構成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記押圧機構(6a)の圧縮力が、前記駆動シャフト(6)を経由して前記破砕ディスクユニット(4)の水平シャフト(4b)から前記破砕プレート(2)の上面(8)に対して前記破砕ディスクユニット(4)を押圧するように構成されることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)が本質的に垂直であることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに一項に記載の装置。
【請求項8】
各破砕ディスクユニット(4)に、同じ水平シャフト(4b)上の軸受に取り付けられた1つ又は複数の破砕ディスク(4a)が存在することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
塊状材料を破砕する方法であって、前記方法は垂直回転軸の周囲を水平面上で回転可能な破砕プレート(2)を備え、その上面に被破砕材料(3)が供給され、前記破砕プレートの上面(8)で、前記被破砕材料が、前記破砕プレート(2)の回転運動によって、圧縮する破砕ディスク(4a)に対して回転される、方法において、前記破砕ディスク(4a)の回転平面(RP)の角度が、前記破砕プレート(2)の半径方向の線(R1)に対して変更されることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)が、前記垂直回転軸(5a)の周りを回転することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)を前記垂直回転軸(5a)の周りで回転させるとき、前記回転平面(RP)は前記破砕プレート(2)の上面の水平面に対して垂直に保たれることを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)が、前記破砕ディスク(4a)の垂直駆動シャフト(6)に接続された回転機構(11)によって、前記駆動シャフト(6)により回転されることを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
各駆動シャフト(6)が、独立して又は他の駆動シャフト(6)と同期して、その垂直中心軸の周りを回転することを特徴とする、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記破砕ディスク(4a)が、圧縮力を発生する押圧機構(6a)によって前記破砕プレート(2)の上面(8)に対して押圧されることを特徴とする、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
破砕結果を改善するために、前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)を回転させることによって、及び/又は前記破砕ディスク(4a)を前記破砕プレート(2)の上面(8)に対して押圧することによって、前記破砕ディスク(4a)と前記破砕プレート(2)の表面(8)との間で非破砕材料(3)に破砕摩擦力が及ぼされることを特徴とする、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、塊状材料を破砕するための請求項1の前提部に示される装置及び請求項9の前提部に示される方法である。
【0002】
本発明による装置及び方法、以下より簡潔に「解決手段」は、例えば、押し砕かれた鉄鋼スラグ又は他の金属製造に伴って生成されたスラグを破砕するのに適している。
【0003】
本発明による解決手段を実施する1つの装置は平面破砕機であり、この平面破砕機は水平面上で回転する本質的に平面の破砕プレートを備え、その上面に被破砕材料を供給可能であり、破砕プレートの上面に複数の破砕ディスクがあり、その破砕ディスクは破砕プレートの回転運動の影響により回転し、破砕ディスクに作用する圧縮手段の圧縮力によって被破砕材料を破砕プレートの上面に対して押圧する。
【背景技術】
【0004】
鉄鋼スラグの破砕に適用可能な、当該技術分野でそれ自体公知の破砕装置、より簡潔には粉砕機が、例えばフィンランド実用新案第FI12742号及びフィンランド特許第FI128329号に開示されている。これらの粉砕機の試験及び使用は、押し砕かれた材料は、粉砕機に望まれる品質と全く同じであることを実証している。しかしながら、これらの粉砕機は、本発明による水平面上で垂直軸のまわりを回転する破砕プレートも、その表面上で回転する破砕ディスクも備えていない。
【0005】
水平面上で回転する破砕プレートと共に回転する破砕ディスク又はロールを備えた1つの破砕装置が、中国特許明細書第CN106861824 A号に開示されている。この破砕装置は、水平面上で回転する破砕プレートを備え、その外周縁には別個の傾斜破砕機溝が設けられ、その中に個々の破砕ディスクが破砕プレートの回転運動の力によって回転するように配置されている。各破砕ディスクは、斜めの姿勢である、すなわち破砕プレートの上面の水平面に対して角度が付いたそれ自体の回転シャフト上にある。さらに、角度が付いた各破砕ディスクのシャフトには油圧シリンダが固定されており、このシリンダによって、破砕プレートに対する破砕ディスクの押圧具合と、水平面に対するシャフトの角度を調整することができる。CN明細書の構造は、以下の点で本発明による構造とは実質的に異なる、すなわち、本発明による構造においては、破砕ディスクの回転シャフトが、破砕ディスクの垂直面上にある回転平面の周りを回転することができる、すなわち、破砕ディスクの回転平面を垂直回転軸の周りで同時に回転させることができる。これは、CN明細書による解決手段では不可能である。
【0006】
ここでいう回転平面とは、破砕ディスクの回転軸に対して垂直であり、破砕ディスクの中心点を経由して破砕ディスクの側面の平面の方向に走る平面のことである。実際には、この種の平面は、破砕ディスクの幅の中心点を通過する。回転平面は回転面と呼ばれることもある。破砕ディスクの回転シャフトが水平面上にある場合、破砕ディスクの回転平面は垂直面上にある。
【0007】
また、米国特許明細書第US3951347号は、粉々にし難い材料を押し砕く破砕装置を開示している。この特許明細書によれば、この装置は、慣習的な回転可能な破砕プレートと、プレートの表面の溝内にある複数の回転可能な破砕ディスク又はロールとを備える。各ディスクパッケージは2枚の破砕ディスクを有し、それらは、本発明による解決手段のように、共通の水平シャフトで互いに接続されている。しかしながら、この特許明細書には、破砕ディスクがその回転平面の周囲を回転するという記載はなく、この特許明細書の図面にもそのような構造は見られない。
【0008】
先行技術による解決手段では、すべての目的に対して十分な品質の最終結果を得ることは不可能である。例えば、先行技術による解決手段では、破砕された鉄鋼スラグを、コンクリート製造におけるセメントの代用品としてうまく使用できるとは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、前述の欠点を排除し、例えば、鉄鋼スラグを、特にセメントの代用品として使用できるような破砕の細かさと品質にするための、単純で安価な破砕装置を提供することである。さらに、本発明の目的は、平面破砕機をさらに発展させ、有効性と所望の結果を改善することである。本発明による装置は、請求項1の特徴部分に開示されていることを特徴とする。これに対応して、本発明による方法は、請求項9の特徴部分に開示されていることを特徴とする。本発明の他の実施形態は、他の請求項に開示されていることを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的を実現するために、本発明による平面破砕機は、垂直な回転軸の周りを水平面上で回転する破砕プレートを備え、その上面に被破砕材料を供給可能であり、その破砕プレートの上面に複数の破砕ディスクがあり、その破砕ディスクは破砕プレートの回転運動の結果として回転し、被破砕材料を破砕プレートに対して圧縮する。好ましくは、平面破砕機は、破砕プレートの半径方向の線に対して破砕ディスクの回転平面の角度を変えるための回転機構を備える。
【0011】
本発明による平面破砕機は、水平面上で垂直回転軸の周りを回転可能な破砕プレートを備え、その破砕プレートの上面に被破砕材料が供給され、その破砕プレートの上面で被破砕材料が、破砕プレートの回転運動によって、圧縮する破砕ディスクに対して回転される。好ましくは、破砕ディスクの回転平面の角度は、破砕プレートの半径方向の線に対して変更される。好ましくは、この場合、破砕ディスクの回転平面は、垂直回転軸の周りで回転される。
【0012】
本発明による解決手段の1つの大きな利点は、例えば鉄鋼スラグを破砕し、破砕結果の品質を向上させるための、単純で、動作上信頼性が高く、安価な破砕装置である。本発明による解決手段により、破砕された鉄鋼スラグの特性を改善し、特にセメントの代用品として使用できるような細かさと品質にすることができる。
【0013】
本発明による装置、好ましくは平面破砕機は、製鋼所から発生する残留スラグを破砕するように意図され、この場合、鉄鋼残留物から分離された残留石灰が得られる。残留石灰は、本発明による平面破砕機で破砕して、石灰がセメント粉末の代用品として鉄鋼業に適するように粉塵状にすることができる。残留スラグは、破砕プレートの上面と破砕ディスクとの間で破砕処理されるが、この場合、破砕を助ける熱も発生する。破砕された石灰が十分に細かく破砕されない場合は、残留石灰の粒度がセメントの代替品としてセメント工業に適した10~50μmになるまで、再び破砕サイクルに戻される。
【0014】
以下、本発明を、添付の簡略化された概略的な図面を参照しながら、いくつかの好ましい実施形態の助けを借りて、より詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による装置、例えば平面破砕機の簡略化された部分断面側面図を示す。
図2図1の線A-Aに沿って断面化された図1による装置の簡略化された上面図を示し、また、第1の回転位置にある破砕ディスクを示す。
図3図1の線A-Aに沿って断面化され、さらに装置のフレーム部から取り外された、図1による装置の簡略化された上面図を示し、また、第2の回転位置にある破砕ディスクを示す。
図4図1の線A-Aに沿って断面化された、本発明で使用される破砕ディスクのペアの拡大上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び2は、簡略化され且つ部分的に断面化された本発明による解決手段に使用される平面破砕機を示す。平面破砕機は、第1の回転位置にある破砕ディスクユニット4と同様に、図1において側面から見た状態で示され、図2において上から見た状態且つ図1の線A-Aに沿って断面化した状態で示されている。
【0017】
本発明による装置、すなわち好ましくは平面破砕機は、筐体タイプのフレーム部1と、その内部で、1つ又は複数の支持軸受2aに取り付けられ、垂直回転軸を中心に矢印Cの方向に水平面上で回転する本質的に平面状の破砕プレート2とを備え、破砕プレート2の上面8に被破砕材料3を投入アパーチャ1aを介して供給することができる。被破砕材料は、例えば、塊状材料に押し砕かれ、残留石灰を含有する鉄鋼スラグである。
【0018】
破砕プレート2の上面8には、破砕ディスク4aを有する複数の破砕ディスクユニット4があり、これらの破砕ディスク4aは、破砕プレート2の回転運動の影響により、本質的に水平回転軸を中心に回転する。各破砕ディスクユニット4は、その垂直駆動シャフト6によって、フレーム部1のカバーに不動に固定されたそれ自体の支持手段5に、好ましくは中空の垂直シャフトに取り付けられる。各駆動シャフト6は、その下端で破砕ディスクユニット4に結合される。
【0019】
さらに本装置は各破砕ディスクユニット4のための押圧機構6aを備える。押圧機構6aは、好ましくは、中空の管状の支持手段5の内部に設けられ、破砕ディスク4aを破砕プレート2に対して押圧するように配置される。押圧機構6aは、例えば、油圧シリンダなどの1つ又は複数の動力手段を備えることができ、この動力手段は、破砕プレート2に向かって垂直方向に垂直駆動シャフト6を押すように適合されている。破砕ディスク4aは、破砕ディスク4aに作用する圧縮力の影響により、被破砕材料3を破砕プレート2に対して押圧する。
【0020】
駆動シャフト6をその垂直中心軸の周りで回転させることにより、破砕ディスクユニット4も同時にその垂直中心軸の周り、すなわち垂直回転軸5aの周りを回転する。好ましくは、支持手段5の垂直中心軸、駆動シャフト6の垂直中心軸、及び破砕ディスクユニット4の垂直回転軸5aは、すべて同一の垂直直線上にある。破砕ディスクユニット4が垂直回転軸5aの周囲を回転するとき、各破砕ディスク4aの回転平面も同時に枢動する。この機能は、回転軸5aの周囲の回転平面の回転と呼ぶこともできる。
【0021】
この場合、破砕プレート1の上面8と破砕ディスク4aとの間の摩擦が増大し、破砕ディスク4aと破砕プレート2の表面8との間の被破砕材料に破砕摩擦力が生じ、この力が破砕結果を改善する。好ましくは、押圧機構6aの圧縮力は、駆動シャフト6を介して破砕ディスクユニット4及び破砕ディスク4aに作用する。
【0022】
例えば矢印Bで両回転方向に示されるような、駆動シャフト6の中心軸回りの回転は、好ましくは、例えば加圧シリンダと目的に適した関節機構とを備える、解決手段の回転機構11で実現される。回転機構11は、図2及び3において、ただ1つの破砕ディスクユニット4と組み合わせて、鎖線で概略的に示されているが、例えばフレーム部1のカバー上、又はフレーム部1の他の適切な位置に配置することができる。回転機構11は、例えばフレーム部1の内部で、フレーム部の屋根又は側壁に結合することができる。
【0023】
被破砕材料3は、投入アパーチャ1aを介して平面破砕機に、好ましくは破砕プレート2の中央に供給される。材料3は、投入アパーチャ1aから破砕プレート2の中心点にある円錐形破砕機7上に落下し、そこで予備破砕された後、被破砕材料は破砕プレート1の上面8に落下する。好ましくは、円錐形破砕機7は、破砕プレート2と共に回転する上方に狭まる円錐部と、下方に開口する非回転式の対向円錐部とを備え、これらの円錐部の間には、そこを通って被破砕材料が破砕プレート1の上面8に落下できる狭い隙間がある。
【0024】
破砕プレート2と破砕ディスク4aとの間で破砕された材料は、非常に軽く、破砕機のフレーム部1の上蓋にあるアパーチャ9を介して、空気抽出機を用いて、又は破砕機のフレーム部1内の陽圧によって、さらなる処理のための適切な収集容器に容易に除去できる、微細なダスト状の石灰を形成する。鉄鋼の粒子とより大きな石灰の粒子とを含有する破砕された鉄鋼スラグを含有するより粗い材料は、破砕機のフレーム部1の底部、例えば底にある穴10を介して下方のコンベヤに導かれ、そこから材料は再破砕のために再び破砕機の投入アパーチャ1aに導かれる。
【0025】
図3は、図1の線A-Aに沿って断面化され、平面破砕機のフレーム部1から取り外された、図1による平面破砕機の簡略化された上面図を示し、破砕ディスク4aは別の回転位置にある。
【0026】
図3に示される状況において、各破砕ディスクユニット4aは、所望の回転角度Dまでそれ自体の駆動シャフト6とともにその垂直回転軸5aの周囲で回転される。この場合、破砕ディスクユニット4の破砕ディスク4aの回転軸R2は、破砕ディスクユニット4の点における破砕プレート2の半径方向の線R1に対して角度Dをなしている。このような場合、前述の半径方向の線R1は、各破砕ディスクユニット4の垂直回転軸5a、すなわち中心軸を、好ましくはそれに対して直角に横切る。
【0027】
これに対応して、各破砕ディスク4aの回転平面RP、例えばディスクの側面方向の平面は、破砕ディスクユニット4の回転軸5aの点における破砕プレート2の半径方向の線R1に対して90°-Dの角度をなしている。
【0028】
角度Dは任意の角度でよく、破砕プレート2の半径方向の線R1に対して負でも正でもよい。さらに、角度Dは、各破砕ディスクユニット4について常に同時に等しくすることも、不等とすることもでき、この場合、各破砕ディスクユニット4の破砕結果は異なる。
【0029】
図4は、図1の線A-Aに沿って断面化された、本発明で使用される破砕ディスクのワンペア、すなわち2つの破砕ディスク4aを備える破砕ディスクユニット4の拡大上面図を示している。このユニットは、2つの同様な破砕ディスク4aを有し、これらのディスク4aは、好ましくは水平シャフト4bで互いに接続され、その両端にディスク4aが軸受に取り付けられている。水平シャフト4bの中心軸は、同時に破砕ディスク4aの回転軸R2であり、この軸は好ましくは水平である。デュアルディスク又はマルチディスク型の破砕ディスクユニット4は、その駆動シャフト6に、好ましくはユニットの中心点で上から見て対称に結合され、この場合、破砕ディスクユニット4の垂直回転軸5aがそこを通る。このような場合、駆動シャフト6をその垂直回転軸の周りで回転させることによって、1つの破砕ディスクユニット4のすべての破砕ディスク4aの回転平面が、回転角度Dの範囲だけ対称に回転する。図4中、1つの破砕ディスク4aの回転平面RPが、鎖線で表示される。好ましくは、回転平面RPは垂直である。
【0030】
デュアルディスク型の破砕ディスクユニット4は、好ましくは水平軸4bの中心で駆動シャフト6に結合される。破砕ディスクユニットに破砕ディスク4aが1つだけ存在することもでき、この場合、ディスクの駆動シャフト6への結合は、水平軸4bの片側だけから行うことも、ディスクの両側から行うこともできる。好ましくは、この場合、駆動シャフト6の中心軸は、上方から見て、ディスク4aの中心点と同一線上にあり、この場合、ディスクの垂直回転軸5aと駆動シャフト6の回転軸すなわち中心軸は一致する。単ディスク型破砕ディスク4における駆動シャフト6の中心軸は、破砕ディスク4aの回転軸5aとは異なる垂直線上にあることもできる。
【0031】
押圧機構6aの圧縮力が駆動シャフト6を介して作用する同一の水平シャフト4bに、2つより多くの破砕ディスク4aを取り付けることもできる。
【0032】
破砕ディスクユニット4は、2つ以上の水平シャフト4bを備え、破砕ディスクユニット4に結合された駆動シャフト6の垂直中心軸、すなわち回転軸の周りに矢印Bで表したように回転可能な、列車又は飛行機の台車型ホイールアセンブリとすることもできる。破砕ディスクユニット4が多数の破砕ディスク4aを備える場合、破砕ディスクユニット4の総表面積は拡大する。
【0033】
破砕ディスク4aのシャフト4bは、ディスクの断面形状が必要とする場合、又は破砕プレート2と破砕ディスク4aの接触面にこの種のプロファイル形状に適した溝がある場合、破砕プレート2の表面の平面に対して斜めに傾斜させることもできる。しかしながら、このような場合には、回転軸5aの周りで破砕ディスクユニット4を回転させることができなければならない。
【0034】
破砕ディスクユニット4は、ユニット4が矢印Bで示されるように回転されるときに、揺動し、ぐらつく横方向の動きを受け入れるように、駆動シャフト6に結合することができる。回転運動はユニット4に関して別々又は接続された一連のものであることができる。押圧機構6aは、圧縮力を発生させる1つ又は複数の油圧シリンダ又は当該技術分野でそれ自体公知の他の動力手段を備えることができる。
【0035】
本発明が上述した例のみに限定されるものではなく、以下に示す請求項の範囲内で種々の変更が可能であることは、当業者には明らかである。したがって、例えば、平面破砕装置は、その構造的解決手段において、上記に提示されたものとは異なることができる。
【0036】
また、破砕ディスクユニットの懸吊構造を、上述したものと異なるものとすることができることは、当業者には明らかである。この場合、例えば、破砕プレートの表面に対する破砕ディスクの押圧は、支持手段の垂直軸の方向と同一点で交わる動力シリンダ以外の他の解決手段で実現され得る。破砕ディスクは、例えば破砕ディスクユニットの側面から、何らかの適切な動力手段によって破砕プレートの表面に対して押圧することができる。
【0037】
また、破砕ディスクユニットの懸吊は、その中心軸の周りで回転可能な1つの駆動シャフト以外の別の方法でも実現できることは、当業者には明らかである。本質的なことは、平面破砕機の構造が、破砕ディスクの回転平面を、破砕ディスクの位置と破砕プレートの中心点との間の線に対して異なる角度に回すための手段を含んでいることである。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塊状材料を破砕するための装置であって、水平面上で垂直回転軸の周りを回転する破砕プレート(2)を備え、前記破砕プレートの上面に、被破砕材料(3)を供給することができ、前記破砕プレートの前記上面(8)に、複数の破砕ディスク(4a)が存在し、前記破砕ディスク(4a)は、前記破砕プレート(2)の回転運動の影響により回転し、前記被破砕材料を前記破砕プレート(2)に対して圧縮し、また前記装置内には、破砕ディスク(4a)を備える複数の破砕ディスクユニット(4)が存在し、前記破砕ディスクユニット(4)のそれぞれは、それ自体の駆動シャフト(6)上で懸吊され、前記駆動シャフト(6)は、前記破砕プレート(2)の回転軸と平行である、装置において、前記装置が、前記破砕プレート(2)の半径方向の線(R1)に対して、前記破砕ディスク(4a)のシャフト(4b)を水平方向に回すことによって、前記破砕ディスク(4a)の回転平面(RP)の角度を変更するための回転機構(11)を備え、前記回転機構(11)は、例えばこの目的に適した圧力シリンダと関節機構とを好ましくは備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記回転機構(11)が、前記破砕プレート(2)の半径方向の線(R1)に対して前記破砕ディスク(4a)のシャフト(4b)を水平方向に回すことにより、前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)の角度を変更するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置内に、1つ又は複数の破砕ディスク(4a)を備える複数の破砕ディスクユニット(4)が存在し、前記ユニットのそれぞれは、それ自体の駆動シャフト(6)に懸吊されており、前記駆動シャフト(6)には、前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)の角度を変更するために、前記駆動シャフト(6)をその垂直中心軸の周りで回転させるための前述の回転機構(11)が接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
各駆動シャフト(6)が、前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)の角度を変更するために、前記駆動シャフト(6)をその垂直中心軸の周りで回転させるために、それ自体のシャフトを、独立して又は他の駆動シャフト(6)と同期して駆動する回転機構(11)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置が、圧縮力を発生する複数の押圧機構(6a)を備え、前記圧縮力が、前記破砕プレート(2)の上面(8)に向かって前記破砕ディスクユニット(4)を押圧するように構成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記押圧機構(6a)の圧縮力が、前記駆動シャフト(6)を経由して前記破砕ディスクユニット(4)の水平シャフト(4b)から前記破砕プレート(2)の上面(8)に対して前記破砕ディスクユニット(4)を押圧するように構成されることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)が本質的に垂直であることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに一項に記載の装置。
【請求項8】
各破砕ディスクユニット(4)に、同じ水平シャフト(4b)上の軸受に取り付けられた1つ又は複数の破砕ディスク(4a)が存在することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
塊状材料を破砕する方法であって、前記方法は垂直回転軸の周囲を水平面上で回転可能な破砕プレート(2)を備え、その上面に被破砕材料(3)が供給され、前記破砕プレートの上面(8)で、前記被破砕材料が、前記破砕プレート(2)の回転運動によって、圧縮する破砕ディスク(4a)に対して回転され、また破砕ディスク(4a)が破砕ディスクユニット(4)を形成し、前記破砕ディスクユニット(4)のそれぞれは、それ自体の駆動シャフト(6)上で懸吊され、前記駆動シャフト(6)は前記破砕プレート(2)の回転軸と平行である、方法において、前記破砕ディスク(4a)の回転平面(RP)の角度が、回転機構(11)によって前記破砕プレート(2)の半径方向の線(R1)に対して変更され、前記回転機構(11)は、例えばこの目的に適した圧力シリンダと関節機構とを好ましくは備え、前記破砕ディスク(4a)および前記破砕プレート(2)の表面間に破砕摩擦力を生じさせることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)が、前記垂直回転軸(5a)の周りを回転することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)を前記垂直回転軸(5a)の周りで回転させるとき、前記回転平面(RP)は前記破砕プレート(2)の上面の水平面に対して垂直に保たれることを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)が、前記破砕ディスク(4a)の垂直駆動シャフト(6)に接続された回転機構(11)によって、前記駆動シャフト(6)により回転されることを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
各駆動シャフト(6)が、独立して又は他の駆動シャフト(6)と同期して、その垂直中心軸の周りを回転することを特徴とする、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記破砕ディスク(4a)が、圧縮力を発生する押圧機構(6a)によって前記破砕プレート(2)の上面(8)に対して押圧されることを特徴とする、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
破砕結果を改善するために、前記破砕ディスク(4a)の前記回転平面(RP)を回転させることによって、及び/又は前記破砕ディスク(4a)を前記破砕プレート(2)の上面(8)に対して押圧することによって、前記破砕ディスク(4a)と前記破砕プレート(2)の表面(8)との間で非破砕材料(3)に破砕摩擦力が及ぼされることを特徴とする、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】