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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】デジタル-アナログ電圧変換器
(51)【国際特許分類】
   H03M 1/68 20060101AFI20240327BHJP
   G01T 1/17 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H03M1/68
G01T1/17 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556561
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2022059447
(87)【国際公開番号】W WO2022214663
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】2105111.5
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521548733
【氏名又は名称】アーエムエス インターナショナル アーゲー
【氏名又は名称原語表記】AMS INTERNATIONAL AG
【住所又は居所原語表記】Eichwiesstrasse 18b, Jona, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リゴ マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル フリドリン
【テーマコード(参考)】
2G188
5J022
【Fターム(参考)】
2G188AA02
2G188AA03
2G188BB02
2G188BB15
2G188CC28
2G188EE01
2G188EE03
2G188EE06
2G188EE12
5J022AB05
5J022AB09
5J022BA03
5J022BA06
5J022CF02
5J022CF07
5J022CF10
(57)【要約】
複数の抵抗器を有する第1抵抗器ストリングと、それぞれが第1抵抗器ストリングに結合された複数のDAC段とを備えたデジタル-アナログ電圧変換器(DAC)であって、複数のDAC段は、それぞれ、電圧バッファと、第1抵抗器ストリングに結合され、デジタル入力の第1サブワードの受信に応じて電圧バッファへの入力を供給するように構成された第1スイッチング段と、1つ以上の抵抗器を有し、第1端部が電流源に結合され第2端部が電圧バッファの出力に結合された第2抵抗器ストリングと、第2抵抗器ストリングに結合され、デジタル入力の第2サブワードの受信に応じてDAC段の出力を供給するように構成された第2スイッチング段と、を備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル-アナログ電圧変換器(300)であって、
その第1端部と第2端部との間に複数の抵抗器を有する第1抵抗器ストリング(306)と、
それぞれが前記第1抵抗器ストリングに連結された複数のデジタル-アナログ電圧変換器段(305)と、を備え、
複数のデジタル-アナログ電圧変換器段(305)は、それぞれ、
電圧バッファ(312)と、
前記第1抵抗器ストリングに結合され、前記デジタル-アナログ電圧変換器のデジタル入力の第1サブワードの受信に応じて、前記電圧バッファへの入力を供給するように構成された第1スイッチング段(308)と、
1つ以上の抵抗器を有し、第1端部が電流源(311b、313b、402b)に結合され、第2端部が電圧バッファ(312)の出力に結合された第2抵抗器ストリング(314)と、
前記第2抵抗器ストリングに結合され、前記デジタル-アナログ電圧変換器のデジタル入力の第2サブワードの受信に応じて、前記デジタル-アナログ電圧変換器段の出力としてのアナログ電圧を供給するように構成された第2スイッチング段(316)と、を有する、
前記デジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項2】
前記第1抵抗器ストリングに結合され、入力電圧によって制御される第1トランスコンダクタ(311a、313a、402a)を備え、
前記電流源は第2トランスコンダクタであり、前記第2トランスコンダクタは、前記第1トランスコンダクタが、前記第2トランスコンダクタによって前記第2抵抗器ストリングに送出される電流に比例する電流を前記第1抵抗器ストリングに送出するように、前記入力電圧によって制御される、
請求項1に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項3】
前記第1トランスコンダクタによって送出される電流と前記第2トランスコンダクタによって送出される電流とは同じである、
請求項2に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項4】
前記第1トランスコンダクタは、p型トランジスタ(311a)を備え、
前記第2トランスコンダクタは、p型トランジスタ(311b)を備える、
請求項2または3に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項5】
前記第1トランスコンダクタのゲート端子は、前記入力電圧を受信するように配置され、前記第1トランスコンダクタのドレイン端子は、前記第1抵抗器ストリングの第1端部に結合され、
前記第2トランスコンダクタのゲート端子は、前記入力電圧を受信するように配置され、前記第2トランスコンダクタのドレイン端子は、前記第2抵抗器ストリングの第1端部に結合される、
請求項4に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項6】
電圧増幅器(302)および前記第1トランスコンダクタを有する第1基準電圧バッファ(301)を備え、前記電圧増幅器は、入力として第1基準電圧を受信するように配置され、前記電圧増幅器の出力端子は、前記第1トランスコンダクタのゲート端子に結合されて前記入力電圧を前記第1トランスコンダクタに供給する、
請求項5に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項7】
第2基準電圧を入力として受信するように構成された第2基準電圧バッファ(303)を備え、前記第2基準電圧バッファの出力端子は、前記第1抵抗器ストリングの第2端部に結合される、
請求項5または6に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項8】
前記第1トランスコンダクタがn型トランジスタ(313a)を備え、前記第2トランスコンダクタがn型トランジスタ(313b)を備える、
請求項2または3に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項9】
前記第1トランスコンダクタのゲート端子は、前記入力電圧を受信するように配置され、前記第1トランスコンダクタのドレイン端子は、前記第1抵抗器ストリングの第2端部に結合され、
前記第2トランスコンダクタのゲート端子は、前記入力電圧を受信するように配置され、前記第2トランスコンダクタのドレイン端子は、前記第2抵抗器ストリングの第1端部に結合される、
請求項8に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項10】
前記入力電圧を入力として受信するように配置された第1基準電圧バッファ(301)を備え、前記第1基準電圧バッファの出力端子は、前記第1抵抗器ストリングの第1端部に結合される、
請求項9に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項11】
電圧増幅器(304)および前記第1トランスコンダクタを有する第2基準電圧バッファ(303)を備え、前記電圧増幅器は、第2基準電圧を入力として受信するように配置され、前記電圧増幅器の出力端子は、前記第1トランスコンダクタのゲート端子に結合される、
請求項9または10に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項12】
前記電流源は、入力電圧によって制御されず、固定電流を前記第2抵抗器ストリングに送出する、
請求項1に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項13】
前記第1抵抗器ストリングの第1端部は、第1基準電圧または電圧増幅器(302)を備える第1基準電圧バッファ(301)の出力に結合され、前記電圧増幅器は、前記第1基準電圧を入力として受信するように配置され、
前記第1抵抗器ストリングの第2端部は、第2基準電圧または電圧増幅器(304)を備える第2基準電圧バッファ(303)の出力に結合され、前記電圧増幅器は、前記第2基準電圧を入力として受信するように配置され、前記第2基準電圧は、前記第1基準電圧よりも低い、
請求項12に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項14】
前記第1抵抗器ストリングは複数の第1電圧タップを備え、前記第1スイッチング段は複数のスイッチを備え、前記第1スイッチング段の前記複数のスイッチはそれぞれ、前記電圧バッファへの入力として前記複数の第1電圧タップのうちの1つの電圧を供給するように制御可能であり、
前記第2抵抗器ストリングは複数の第2電圧タップを備え、前記第2スイッチング段は複数のスイッチを備え、前記第2スイッチング段の前記複数のスイッチはそれぞれ、前記デジタル-アナログ電圧変換器段の出力として前記複数の第2電圧タップのうちの1つの電圧を供給するように制御可能である、
請求項1~13のいずれかに記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項15】
前記電圧バッファは、前記デジタル-アナログ電圧変換器段それぞれにおいて、唯一の電圧バッファである、
請求項1~14のいずれかに記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項16】
光子感応領域を有し、前記光子感応領域への光子の入射に応じて電流信号を生成するように構成された光子検出器(102)と、
前記電流信号を受信し、前記電流信号に応じた電圧信号を供給するフロントエンド電子回路(104)と、
前記フロントエンド電子回路(104)に接続され、前記電圧信号の大きさと複数の閾値との比較に応じてデジタル信号を生成するように構成されたエネルギー弁別器(112)と、
前記エネルギー弁別器に結合された請求項1~15のいずれかに記載の前記デジタル-アナログ電圧変換器(300)であって、各デジタル-アナログ電圧変換器段の出力は、前記複数の閾値のうちそれぞれの閾値を一つ供給する前記デジタル-アナログ電圧変換器(300)と、を備える、
光子計数回路(100)。
【請求項17】
医療診断用装置(700)であって、請求項16に記載の光子計数回路(100)を備え、前記医療診断用装置は、X線装置またはコンピュータ断層撮影スキャナとして構成される、
前記医療診断用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタル-アナログ電圧変換器に関する。また、本開示は、デジタル-アナログ電圧変換器を備える光子計数回路および医療診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル-アナログ変換器(DAC)は、デジタル値をアナログ領域で表現するために使用される。抵抗型DACはDACのカテゴリのうちの1つであり、2つの基準電圧の間に接続された整合抵抗器ストリングによって、DAC出力を供給するアナログマルチプレクサに選択される多数の等間隔の中間電圧を生成する。アナログマルチプレクサは、DACレベル数に伴って複雑さが増すため、この種のソリューションは、8ビットよりも高い分解能となる場合、面積集約的になる傾向がある。
【0003】
そのような場合、2ステップアーキテクチャまたはサブレンジングアーキテクチャとしても知られる粗-微細アーキテクチャは、抵抗器ストリングDACを効率的に実現する方法となる。そのようなアーキテクチャは、粗抵抗器ストリングを用いて低分解能アナログ表現を生成し、当該表現はその後、理想的には粗ステップに等しい範囲をカバーする微細抵抗器ストリングの出力を加算または減算することによって詳細化され、2ステップ近似プロセスにおいて最終アナログ値が生成される。このようなアーキテクチャの実施態様は、パッシブとアクティブ、あるいはバッファなしアーキテクチャとバッファ付きアーキテクチャの2つに分類することができる。
【0004】
第1(パッシブ/バッファなしアーキテクチャ)の場合、微細抵抗器ストリングは粗ストリングのサブセットと並列に接続され、タップ間電圧差のパッシブな補間を行う。このため、スイッチ抵抗を考慮する必要があるほか、負荷の効果も考慮する必要があり、それぞれ微分非直線性(DNL)と積分非直線性(INL)という非直線性が生じる。
【0005】
第2(アクティブ/バッファ付きアーキテクチャ)の場合、粗ストリングは、バッファ増幅器によって第2ストリングから隔離され、ネットワークはスイッチ抵抗の影響を受けなくなる。また、ひとつの粗文字列からより多くの出力を得ることができるため、よりスケーラブルである。しかし、このアーキテクチャでは、オフセット、ノイズ、および複雑さが増す。図2は、第2のカテゴリの最新技術の一例を示す。
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、図2に示す既知のDAC200に関して、多くの問題を特定した。図2のDACでは、粗い選択のための2つの粗スイッチツリー208a、bおよび2つの電圧バッファ210、212が必要となる。このため、スイッチおよびバッファがシリコン領域を占めるという問題がある。特に、スイッチツリーは、適度な分解能ストリングに対して非常に面積集約的である。
【0007】
さらに、2つのバッファ増幅器のオフセットは非単調性を引き起こす。図2のDACでは、任意の粗コードにおいて、最低および最高の微細コードにおける出力電圧を見ると、DAC出力においてオフセット、すなわち、ボトムエンドバッファ212のオフセットまたはトップエンドバッファ210のオフセットが観察される。これにより、出力において微細コードに依存したオフセット(基本的には、コードに応じた、2つのバッファのオフセットの加重和)が発生する。すなわち、微細範囲は、両方のバッファオフセットの影響を受ける。次のコードステップにおいて粗コードの変更が必要となるようにコードが1だけ増加されるとき、微細コードは、例えば、トップバッファ210が正のオフセットを有し、ボトムバッファ212が負のオフセットを有する場合(または、一般に、オフセット差がDACステップよりも大きい場合)、非単調性を引き起こす可能性がある最も低いものにリセットされる。図2のDACでは、これは、トップバッファ210を常にトップ粗タップ用に使用し、ボトムバッファ212を常にトップ粗タップ用に使用することによって回避される(いわゆる「リープフロギング(leap-frogging)」タップ選択をもたらす)。
【0008】
多数のDACを必要とする適用例があるが、そのような構造は、DACのクラスターと称することができる。
【0009】
最新の粗-微細抵抗アーキテクチャにより実施されたDACのクラスターは、共有の粗ステップの恩恵を受けることができ、面積および消費電力の大幅な節減につながる。一方、各微細段は、ローディング効果を除去するための2つの独立した電圧バッファまたは回路と、粗い電圧選択のための2つの独立したスイッチツリーとを必要とする。
【0010】
一例として、10個のDACのクラスターは、20個の電圧バッファ、20個の粗スイッチツリー、および10個の微細スイッチツリーを必要とする。高分解能ストリング(>8ビット)に対する実装面積がスイッチ領域に漸近的に占められると想定すると、この回路はスイッチ領域によって制限され、電圧バッファの大きなアレイを含むこととなり、面積および電力消費に大きく寄与する。
【0011】
本開示の一態様によれば、その第1端部と第2端部との間に複数の抵抗器を有する第1抵抗器ストリングと、それぞれが第1抵抗器ストリングに連結された複数のデジタル-アナログ電圧変換器段とを備えるデジタル-アナログ電圧変換器が提供される。複数のデジタル-アナログ電圧変換器段は、それぞれ、電圧バッファと、第1抵抗器ストリングに結合され、デジタル-アナログ電圧変換器のデジタル入力の第1サブワードの受信に応じて、電圧バッファへの入力を供給するように構成された第1スイッチング段と、1つ以上の抵抗器を有し、第1端部が電流源に結合され、第2端部が電圧バッファの出力に結合された第2抵抗器ストリングと、第2抵抗器ストリングに結合され、デジタル-アナログ電圧変換器のデジタル入力の第2サブワードの受信に応じて、デジタル-アナログ電圧変換器段の出力としてのアナログ電圧を供給するように構成された第2スイッチング段とを有する。
【0012】
単一の粗スイッチツリー(第1スイッチング段)および単一の電圧バッファを有することにより、本開示の実施形態では、アクティブ領域がより少なくなり、サイズの面でより有利となる(特に、DACのクラスターを考慮した場合)。さらに、本開示の実施形態では、DACの複雑さおよび電力消費は、有利に低減される。
【0013】
さらに、粗ストリング出力を選択するために必要となるのは1つのバッファおよび1つのスイッチツリー(第1スイッチング段)であるため、技術水準と比較して漸近的に1ビットの分解能の優位性が得られる。領域がスイッチによって制限される場合、同じ面積に2倍のスイッチを収めることができ、同じ漸近条件ではさらに1ビットの解像度になる。
【0014】
単一電圧バッファを有することにより、回路ノイズの低減が達成される。
【0015】
さらに、本開示の実施形態では、電圧バッファに関連するバッファオフセットは、非単調性をDACにもたらさない。図2のDACとは対照的に、本開示の実施形態では、上側のオフセットが除去され、微細範囲が、正確に設計可能な電流源によって規定される。したがって、これがコードに依存しない限り、単一電圧バッファに対応した一定のオフセットが観測される。
【0016】
いくつかの実装態様において、デジタル-アナログ電圧変換器は、第1抵抗器ストリングに結合され、入力電圧によって制御される第1トランスコンダクタを備え、電流源は第2トランスコンダクタであり、第2トランスコンダクタは、第1トランスコンダクタが、第2トランスコンダクタによって第2抵抗器ストリングに送出される電流に比例する電流を第1抵抗器ストリングに送出するように、入力電圧によって制御される。より一般的には、第1電流源装置によって送出される電流と第2電流源装置によって送出される電流との間の比は、一定であってもよい。
【0017】
電流源(第1トランスコンダクタおよび第2トランスコンダクタ)を整合させる際、第2抵抗器ストリングの微細範囲を第1抵抗器ストリングの粗タップに整合させることが望ましい。これにより、デジタル-アナログ電圧変換器のステップは、厳密に制御され、予測可能となる。そうでない場合、DAC特性に非単調性が生じる可能性がある。
【0018】
いくつかの実装態様において、第1トランスコンダクタによって送出される電流と第2トランスコンダクタによって送出される電流とは同じである。
【0019】
いくつかの実装態様において、第1トランスコンダクタは、p型トランジスタを備え、第2トランスコンダクタは、p型トランジスタを備える。これらの実装形態において、第1トランスコンダクタのゲート端子は、入力電圧を受信するように配置され、第1トランスコンダクタのドレイン端子は、第1抵抗器ストリングの第1端部に結合され、第2トランスコンダクタのゲート端子は、入力電圧を受信するように配置され、第2トランスコンダクタのドレイン端子は、第2抵抗器ストリングの第1端部に結合されてもよい。デジタル-アナログ電圧変換器は、電圧増幅器および第1トランスコンダクタ有する第1基準電圧バッファを備えてもよく、電圧増幅器は、入力として第1基準電圧を受信するように配置されてもよく、電圧増幅器の出力端子は、第1トランスコンダクタのゲート端子に結合されて入力電圧を第1トランスコンダクタに供給してもよい。デジタル-アナログ電圧変換器は、第2基準電圧を入力として受信するように構成された第2基準電圧バッファを備えてもよく、第2基準電圧バッファの出力端子は、第1抵抗器ストリングの第2端部に結合されてもよい。
【0020】
他の実装形態において、第1トランスコンダクタがn型トランジスタ(313a)を備え、第2トランスコンダクタがn型トランジスタ(313b)を備えてもよい。これらの実装形態において、第1トランスコンダクタのゲート端子は、入力電圧を受信するように配置され、第1トランスコンダクタのドレイン端子は、第1抵抗器ストリングの第2端部に結合され、第2トランスコンダクタのゲート端子は、入力電圧を受信するように配置され、第2トランスコンダクタのドレイン端子は、第2抵抗器ストリングの第1端部に結合されてもよい。デジタル-アナログ電圧変換器は、入力電圧を入力として受信するように配置された第1基準電圧バッファを備えてもよく、第1基準電圧バッファの出力端子は、第1抵抗器ストリングの第1端部に結合されていてもよい。デジタル-アナログ電圧変換器は、電圧増幅器および第1トランスコンダクタ有する第2基準電圧バッファを備えていてもよく、電圧増幅器は、第2基準電圧を入力として受信するように配置され、電圧増幅器の出力端子は、第1トランスコンダクタのゲート端子に結合されていてもよい。
【0021】
いくつかの実装態様において、電流源は、入力電圧によって制御されず、固定電流を第2抵抗器ストリングに送出する。すなわち、電流源のマッチングおよびランダムなミスマッチの影響を最小限に抑えるための大型デバイスを利用しないため、デジタル-アナログ電圧変換器のサイズを最小限に抑えることができる。
【0022】
第1抵抗器ストリングは複数の第1電圧タップを備えていてもよく、第1スイッチング段は複数のスイッチを備え、第1スイッチング段の複数のスイッチはそれぞれ、電圧バッファへの入力として複数の電圧タップのうちの1つの電圧を供給するように制御可能である。
【0023】
第2抵抗器ストリングは、複数の第2電圧タップを備えてもよく、第2スイッチング段は複数のスイッチを備え、第2スイッチング段の複数のスイッチはそれぞれ、デジタル-アナログ電圧変換器段の出力として、複数の電圧タップの1つに電圧を供給するように制御可能である。
【0024】
第1スイッチング段および第2スイッチング段は、任意のベースまたは混合ベース(のツリーである態様)であってもよい。例えば、第1スイッチング段および第2スイッチング段はそれぞれ、2進数、4進数、8進数、4-2進数などでよい。本開示の実施形態は、第1スイッチング段および第2スイッチング段における特定のタイプのコーディングに限定されない。
【0025】
実装態様において、電圧バッファは、デジタル-アナログ電圧変換器段それぞれにおいて、唯一の電圧バッファである。
【0026】
本開示の別の態様によれば、光子感応領域を有し、光子感応領域への光子の入射に応じて電流信号を生成するように構成された光子検出器と、電流信号を受信し、電流信号に応じた電圧信号を供給するフロントエンド電子回路と、フロントエンド電子回路に接続され、電圧信号の大きさと複数の閾値との比較に応じてデジタル信号を生成するように構成されたエネルギー弁別器と、エネルギー弁別器に結合された上記デジタル-アナログ電圧変換器であって、各デジタル-アナログ電圧変換器段の出力は、複数の閾値のうちそれぞれの閾値を一つ供給するデジタル-アナログ電圧変換器と、を備える光子計数回路が提供される。
【0027】
本開示の別の態様によれば、医療診断用装置であって、上記光子計数回路を備え、医療診断用装置は、X線装置またはコンピュータ断層撮影スキャナとして構成される、医療診断用装置が提供される。
【0028】
これらの態様および他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになるであろう。本開示の範囲は、この概要によって限定されることも、記載された欠点のいずれかまたはすべてを必ずしも解決する実装形態に限定されることも意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
ここで、本開示のいくつかの実施形態を、あくまでも一例として、添付の図面を参照して説明する:
図1】デジタル-アナログ電圧変換器を備える光子計数回路を示す。
図2】既知のデジタル-アナログ電圧変換器回路を示す。
図3a】本開示の一実施形態に係るデジタル-アナログ電圧変換器回路を示す。
図3b】本開示の一実施形態に係るデジタル-アナログ電圧変換器回路を示す。
図4】本開示の実施形態に係る、デジタル-アナログ電圧変換器において使用される第1および第2トランスコンダクタを示す。
図5a】本開示の実施形態に係るデジタル-アナログ電圧変換器の第1スイッチング段および第2スイッチング段において採用され得るスイッチツリーアーキテクチャの一例を示す。
図5b】本開示の実施形態に係るデジタル-アナログ電圧変換器の第1スイッチング段および第2スイッチング段において採用され得るスイッチツリーアーキテクチャの一例を示す。
図5c】本開示の実施形態に係るデジタル-アナログ電圧変換器の第1スイッチング段および第2スイッチング段において採用され得るスイッチツリーアーキテクチャの一例を示す。
図6a】複数のデジタル-アナログ電圧変換器段を備えるデジタル-アナログ電圧変換器回路を示す。
図6b】特定の態様に係る構成の複数のデジタル-アナログ電圧変換器段を備えるデジタル-アナログ電圧変換器回路を示す。
図7】医療診断用装置の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して実施形態の詳細について説明する。
【0031】
図1は、デジタル-アナログ電圧変換器を有する光計数回路100を示す。
【0032】
図1を参照すると、光子計数回路100は、光子感応領域を有する光子検出器102を備える。光子検出器102は、光子感応領域への光子の入射に応じて電流信号Ipulseを生成するように構成される。光子計数回路100は、光子検出器102から電流信号Ipulseを受信し、電流信号に応じて電圧信号Vpulseを供給するフロントエンド回路段104を備える。フロントエンド回路段104は電荷感応増幅器を備えてもよい。電荷感応増幅器の反転入力は、電流信号Idetを受信してもよい。帰還コンデンサを、電荷感応増幅器の反転入力と電荷感応増幅器の出力との間に接続してもよい。帰還抵抗を、電荷感応増幅器の反転入力と電荷感応増幅器の出力との間に接続してもよい。フロントエンド回路段104は、電荷感応増幅器の出力を受信し、フロントエンド回路段104によって出力される電圧信号Vpulseがベル型パルスを生成するように電圧信号Vpulseを出力する整形増幅器段(図示せず)を備えてもよい。
【0033】
光子計数回路100は、フロントエンド回路段104に接続されたエネルギー弁別器112を備える。具体的には、フロントエンド回路段104は、エネルギー弁別器112に電圧信号Vpulseを供給する。
【0034】
エネルギー弁別器112は、少なくとも1つの閾値Vth1、...、Vthnにより、電圧信号Vpulseの大きさに応じて、デジタル信号を生成するように構成される。特に、エネルギー弁別器112は、異なる閾値Vth1、...、VthN-1、VthNを有する数個の比較器114を備えてもよい。次に、比較器114の出力信号は、カウンタ116によって個別にカウントされる。ただし、エネルギー弁別器112は任意の数の比較器(それぞれ対応するカウンタを備える)を備えてもよい。
【0035】
図1に示されるように、光子計数回路100は、エネルギー弁別器112の比較器114の異なる閾値電圧Vth1、...、VthN-1、VthNを供給するために用いられるデジタル-アナログ電圧変換器118を備える。
【0036】
光子計数回路100は、様々な光子計数用途、特に低ノイズ強度測定や場合によってはスペクトル情報も必要とする用途に使用することができる。これには、医療用の画像、分光法、セキュリティスキャナ、コンピュータ断層撮影などが含まれる。
【0037】
本明細書に記載されているデジタル-アナログ電圧変換器は、図1に示される光子計数回路100のデジタル-アナログ電圧変換器段118において使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0038】
ここで、本開示の一実施形態に係るデジタル-アナログ電圧変換器回路300を示す図3aを参照する。
【0039】
図3aに示されるデジタル-アナログ電圧変換器回路300は、第1電圧増幅器302および第1トランスコンダクタ311aを備える第1基準電圧バッファ301を備える。図3aの例では、第1トランスコンダクタ311aはp型トランジスタであるが、以下に詳述するように、これはあくまでも一例である。
【0040】
第1電圧増幅器302は、入力として第1基準電圧(Vrefp)を受信するように配置される。第1電圧増幅器302の出力端子は、p型トランジスタ311aのゲート端子に結合され、p型トランジスタ311aに入力電圧を供給する。第1基準電圧(Vrefp)は正電圧であってもよい。
【0041】
第1電圧増幅器302は、反転入力がp型トランジスタ311aのドレイン端子に結合され、非反転入力で第1基準電圧(Vrefp)を受信するように配置されたオペアンプでもよい。
【0042】
p型トランジスタ311aのドレイン端子は、第1抵抗器ストリング306の第1端部に結合され、p型トランジスタ311aのソース端子は供給電圧に結合される。「抵抗器ストリング」という用語は、本明細書では、直列に接続された1つまたは複数の抵抗器を意味する。第1抵抗器ストリング306は、複数の抵抗器を備え、粗抵抗器ストリングとして動作する。p型トランジスタ311aは、第1抵抗器ストリング306に電流Icoarseを供給する。本明細書において抵抗器ストリングに関して用いられる「粗」および「微細」という用語は、抵抗器ストリングの各抵抗器にわたる電圧ステップまたは分解能を意味し、それらの抵抗値を指すものではない。
【0043】
上述のように、p型トランジスタ311aのゲート端子は、抵抗器ストリング306の第1端部の電圧と、抵抗器ストリング306に送出されるストリング電流Icoarseとを設定する調整ループを形成する第1電圧増幅器302の出力端子に接続される。抵抗器ストリング306の第1端部における電圧は、第1基準電圧(Vrefp)でなくてもよく、その近似値、または一般に、第1基準電圧(Vrefp)に依存する電圧であってもよい。
【0044】
図3aに示されるデジタル-アナログ電圧変換器回路300は、第2基準電圧バッファ303を備える。図3aに示す第2基準電圧バッファ303は、第2電圧増幅器304を備える。第2電圧増幅器304は、入力として第2基準電圧(Vrefn)を受信するように配置される。第2基準電圧(Vrefn)は負電圧でもよい。第2電圧増幅器304の出力端子は、第1抵抗器ストリング306の第2端部(第1端とは反対側の端部)に結合される。抵抗器ストリング306の第2端部における電圧は、第2基準電圧(Vrefn)でなくてもよく、その近似値、または一般に、第2基準電圧(Vrefn)に依存する電圧であってもよい。第2電圧増幅器304は、反転入力が第1抵抗器ストリング306の第2端部でその出力に結合され、非反転入力で第2基準電圧(Vrefn)を受信するように配置されたオペアンプでもよい。すなわち、第2基準電圧バッファ303は帰還ループを備えてもよい。ただし、図3aに示す第2基準電圧バッファ303はあくまでも一例であり、図3aに示すものとは異なるように構成されてもよい。
【0045】
第2基準電圧(Vrefn)は、第1抵抗器ストリング306に電位差が生じるように、第1基準電圧(Vrefp)よりも低い。第1抵抗器ストリング306内の複数の抵抗器は、その電位差が等しいステップで第1抵抗器ストリング306において分割されるように、等しい抵抗値とすることができる。しかし、これは必須ではなく、第1抵抗器ストリング306内の複数の抵抗器は、その電位差が非直線ステップで第1抵抗器ストリング306において分割されるように、同じ抵抗値を有していなくてもよい。
【0046】
図3aに示すデジタル-アナログ電圧変換器回路300の変形例では、いくつかの実装態様において、第1電圧増幅器302は設けられず、p型トランジスタ311aのゲート端子は第1基準電圧(Vrefp)を直接受信する。同様に、第2電圧増幅器304は設けられなくてもよく、第1抵抗器ストリング306の第2端部は第2基準電圧(Vrefn)を直接受信してもよい。
【0047】
図3aに示されるように、デジタル-アナログ電圧変換器回路300は、1つ以上のデジタル-アナログ電圧変換器段305を備える。
【0048】
各デジタル-アナログ電圧変換器段305は、第1抵抗器ストリング306に結合される第1スイッチング段(粗スイッチツリー)308を備える。特に、第1抵抗器ストリング306は、複数の電圧タップ(第1スイッチング段308によって到達可能な接点)を備え、第1スイッチング段308は、複数のスイッチを備える。第1スイッチング段308の複数のスイッチはそれぞれ、第1抵抗器ストリング306の電圧タップのうちの1つに接続するように制御可能である。
【0049】
第1抵抗器ストリング306は、第1抵抗器ストリング306の第1端に電圧タップを備え、この電圧タップは、p型トランジスタ311aのドレイン端子に結合される。また、第1抵抗器ストリング306は、第1抵抗器ストリング306内の抵抗器間に電圧タップを備える。また、第1抵抗器ストリング306は、第1抵抗器ストリング306の第2端部に電圧タップを備え、この電圧タップは、第2電圧増幅器304の出力に結合される。
【0050】
第1スイッチング段308は、デジタル-アナログ電圧変換器のデジタル入力の第1サブワードの受信に応じて、電圧バッファ312に入力を供給するように構成される。特に、第1スイッチング段308は、デジタル入力の第1サブワードの受信に応じて、そのスイッチのうちの1つまたは複数を閉じ、第1抵抗器ストリング306の対応する電圧タップで電圧を電圧バッファ312の入力に供給するように構成される。
【0051】
第1サブワードは、アナログ電圧に変換されるデジタル入力の最上位ビットに対応する。たとえば、8ビットデジタル入力および32レベルを有する第1スイッチング段308の場合、第1サブワードは、長さが5ビットである(b7~b3。b7は、8ビットデジタル入力の最上位ビット)。
【0052】
電圧バッファ312は、反転入力がその出力に結合され、非反転入力で第1スイッチング段308からの入力電圧を受信するように配置されたオペアンプであってもよい。
【0053】
各デジタル-アナログ電圧変換器段305は、第2抵抗器ストリング314に電流Ifineを供給する電流源311bを備える。電流源311bは、第2トランスコンダクタまたは固定電流源(制御されない)であってもよい。
【0054】
電流源311bが固定電流源である実施形態では、第1トランスコンダクタ311aは不要である(第1抵抗器ストリング306は、バッファされ得る第1基準電圧および第2基準電圧に直接接続される)。すなわち、第1抵抗器ストリング306の第1端部は、第1基準電圧(Vrefp)または電圧増幅器302を備える第1基準電圧バッファ301の出力に直接結合され、第1抵抗器ストリング306の第2端部は、第2基準電圧(Vrefn)または電圧増幅器304を備える第2基準電圧バッファ303の出力に結合される。電流源311bが固定電流源である実施形態では、電流源311bは、第1電圧増幅器302の出力端子によって供給される入力電圧によって制御されず、固定電流を第2抵抗器ストリング314に送出する。
【0055】
図3aは、第1電圧増幅器302の出力端子によって供給される入力電圧によって制御される、第2トランスコンダクタとしての電流源311bを示す。つまり、図3aに示すデジタル-アナログ電圧変換器回路300は、整合電流源のペア310を備える。特に、第2トランスコンダクタ311bによって第2抵抗器ストリング314に送出される電流Ifineは、第1トランスコンダクタ311aによって第1抵抗器ストリング306に送出される電流Icoarseに比例してもよい。いくつかの実装態様において、電流Ifineは電流Icoarseと同じである。
【0056】
図3aの例では、第2トランスコンダクタ311bはp型トランジスタであるが、以下に詳述するように、これはあくまでも一例である。第1電圧増幅器302の出力端子は、p型トランジスタ311bのゲート端子に結合され、p型トランジスタ311bに入力電圧を供給する。
【0057】
p型トランジスタ311bのドレイン端子は第2抵抗器ストリング314の第1端に結合され、p型トランジスタ311bのソース端子は電源電圧に結合される。第2抵抗器ストリング314は、1つまたは複数の抵抗器を備え、微細な抵抗器ストリングとして動作する。電圧バッファ312の出力端子は、第2抵抗器ストリング314の第2端部(第1端部とは反対側の端部)に結合される。
【0058】
第2抵抗器ストリング314が複数の抵抗器を備える実装態様では、第2抵抗器ストリング314内の複数の抵抗器は、その電位差が等しいステップで第2抵抗器ストリング314において分割されるように、等しい抵抗値とすることができる。しかし、これは必須ではなく、第2抵抗器ストリング314内の複数の抵抗器は、その電位差が非直線ステップで第2抵抗器ストリング314において分割されるように、同じ抵抗値を有していなくてもよい。
【0059】
各デジタル-アナログ電圧変換器段305は、第2抵抗器ストリング314に結合された第2スイッチング段(微細スイッチツリー)316を備える。特に、第2抵抗器ストリング314は、複数の電圧タップ(第2スイッチング段316によって到達可能な接点)を備え、第2スイッチング段316は、複数のスイッチを備える。第1スイッチング段308の複数のスイッチはそれぞれ、第2抵抗器ストリング314の電圧タップのうちの1つに接続するように制御可能である。
【0060】
第2抵抗器ストリング314は、第2抵抗器ストリング314の第1端部に電圧タップを備え、この電圧タップは、p型トランジスタ311aのドレイン端子に結合される。また、第2抵抗器ストリング314は第2抵抗器ストリング314の第2端部に電圧タップを備え、この電圧タップは、電圧バッファ312の出力に結合される。
【0061】
第2抵抗器ストリング314が複数の抵抗器を備える場合、第2抵抗器ストリング314も、第2抵抗器ストリング314内の抵抗器間に電圧タップを備える。
【0062】
第2スイッチング段316は、デジタル-アナログ電圧変換器のデジタル入力の第2サブワードの受信に応じて、デジタル-アナログ電圧変換器段305のアナログ出力電圧Voutを供給するように構成される。特に、デジタル入力の第2サブワードの受信に応じて、第2スイッチング段316は、そのスイッチのうちの1つまたは複数を閉じ、デジタル-アナログ電圧変換器段305のアナログ出力電圧Voutとして、第2抵抗器ストリング314の対応する電圧タップにおける電圧を供給するように構成される。
【0063】
第2サブワードは、アナログ電圧に変換されるデジタル入力の最下位ビットに対応する。例えば、8ビットデジタル入力および8レベルを有する第2スイッチング段316の場合、第2サブワードは、長さが3ビットである(b2~b0。b0は、8ビットデジタル入力の最下位ビット)。
【0064】
図2に示された既知のDAC200とは対照的に、デジタル-アナログ電圧変換器回路300では、各デジタル-アナログ電圧変換器段305は、単一の第1スイッチング段(粗スイッチツリー)308および単一の電圧バッファ312のみを必要とする。
【0065】
上述の実施形態に関して、N個の抵抗器を備える粗抵抗器ストリング306と、K個の抵抗器(K+1個の電圧タップ)を備える微細抵抗器ストリング314とを想定した場合、デジタル-アナログ電圧変換器段305の出力、すなわちVoutは、Vcoarse+Vfineで与えられる。すべての電圧タップが等間隔に配置されている場合、このシステムの制約は次のように定義され得る:
【数1】
微細範囲が粗ステップに収まるためには、
【数2】
たとえば、K=7でRfine=Rcoarse/8の場合、微細範囲は粗ステップに収まる。
【0066】
RcoarseとRfineは、マッチングのために、同じ単位要素を用いて実現することができる。IcoarseとIfineはマッチングされるが、等価性が保たれる限り、両者間のスケーリング係数は予測できる。
【0067】
デジタル-アナログ電圧変換器回路300は、「グローバルDAC」と考えることができるが、これは、デジタル-アナログ電圧変換器回路300は、別のDAC(各デジタル-アナログ電圧変換器段305)を備えるためである。ミスマッチ(装置がランダムな分布のパラメータを有することにより、生産時に発生し得るミスマッチ)が存在する場合、粗ストリングユニット306は、それぞれの積分非直線性(INL)仕様を満たすために、グローバルDACまたはlog2(NK)ビットの同じマッチングを必要とする。ここでは、デジタル-アナログ電圧変換器回路300をNとKの2つサブステップで分解するので、グローバルDACは、N*Kステップを有する。
【0068】
微細ストリングマッチングは、グローバルDAC微分非直線性(DNL)および微細レンジゲイン誤差を満たすために必要であり、その結果、微細フルスケールから後続の粗ステップへの遷移でDNL誤差が生じる。(後続のコードが選択されたときにグローバルDACによって生成される)各段差のステップは、規準値から、例えば0.5以上逸脱すべきではない(上記0.5は、特定のDNLが必要とされる場合にしばしば使用されるが、この特定の値はあくまでも一例である)。これが当てはまらない場合、符号の欠落または非単調性さえも引き起こし得る。粗い遷移と細かい遷移があるので、各段差の一部のステップは、粗い遷移に起因する特別なものである。この場合、その遷移で再び欠落コードや非単調性を生じさせないよう、微細DAC範囲は正確でなければならない。
【0069】
この最悪の場合、DNL遷移がLSBの半分以内であるためには、以下の適用が必要となる:
【数3】
【数4】
で、微細ストリングと電流が不一致の場合:
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
の場合:
【数9】
【0070】
一例として、微細ユニットが16個の並列の粗ユニットからなる場合、微細ストリングのミスマッチは、実際上非優勢であり、ストリング間の許容相対電流のミスマッチは、
【数10】
となる。
【0071】
上記では、第1トランスコンダクタ311aおよび第2トランスコンダクタ311bをp型トランジスタとしたが、これはあくまでも一例である。図3bに示すデジタル-アナログ電圧変換器回路300の例では、第1トランスコンダクタ311aおよび第2トランスコンダクタ311bはn型トランジスタである。
【0072】
図3bに示されるように、第1基準電圧バッファ301は、(トランスコンダクタを有さない)第1電圧増幅器302を備える。第1電圧増幅器302は、入力として第1基準電圧(Vrefp)を受信するように配置される。第1電圧増幅器302の出力端子は、第1抵抗器ストリング306の第1端に結合される。第1電圧増幅器302は、反転入力が第1抵抗器ストリング306の第1端部でその出力に結合され、非反転入力で第2基準電圧(Vrefn)を受信するように配置されたオペアンプであってもよい。すなわち、第1基準電圧バッファ301は帰還ループを備えてもよい。ただし、図3bに示された第1基準電圧バッファ301はあくまでも一例であり、図3bに示されたものとは異なるように構成されてもよい。
【0073】
図3bに示されるように、第2基準電圧バッファ303は、第2電圧増幅器304と、n型トランジスタの態様の第1トランスコンダクタ313aとを備える。第2電圧増幅器304は、入力として第2基準電圧(Vrefn)を受信するように配置される。第2電圧増幅器304の出力端子は、n型トランジスタ313aのゲート端子に結合され、n型トランジスタ313aに入力電圧を供給する。n型トランジスタ313aのソース端子は接地に結合され、n型トランジスタ313aのドレイン端子は第1抵抗器ストリング306の第2端部(第1端部とは反対側の端部)に結合される。
【0074】
図3bは、第2電圧増幅器304の出力端子によって供給される入力電圧によって制御される、n型トランジスタの態様の第2トランスコンダクタとしての電流源313bを示す。特に、第2電圧増幅器304の出力端子は、n型トランジスタ313bのゲート端子に結合され、n型トランジスタ313bに入力電圧を供給する。n型トランジスタ313bのソース端子は接地に結合され、n型トランジスタ313bのドレイン端子は第2抵抗器ストリング314の第1端部に結合される。図3aと同様に、図3bの例では、電圧バッファ312の出力端子は、(第1端とは反対側の端である)第2抵抗器ストリング314の第2端部に結合される。
【0075】
図3bに示すデジタル-アナログ電圧変換器回路300の変形例では、いくつかの実装態様において、第2電圧増幅器304は設けられず、n型トランジスタ313aのゲート端子は第2基準電圧(Vrefn)を直接受信する。同様に、第1電圧増幅器302は設けられなくてもよく、第1抵抗器ストリング306の第1端部は直接第1基準電圧(Vrefp)を受ける。
【0076】
また、電流源313bは、固定電流源(非制御)であってもよい。電流源311bが固定電流源である実施形態では、第1トランスコンダクタ313aは不要である(第1抵抗器ストリング306は、バッファされ得る、第1基準電圧および第2基準電圧に直接接続される)。電流源313bが固定電流源である実施形態では、電流源313bは、第2電圧増幅器304の出力端子によって供給される入力電圧によって制御されず、固定電流を第2抵抗器ストリング314に送出する。
【0077】
図3aと図3bとから分かるように、本開示の実施形態では、単一の電圧タップからの外挿は、1つの電圧バッファ(電圧バッファ312)と1つのスイッチツリー(第1スイッチング段308)のみを必要とし、図2に示される既知のDACと比較して回路面積を大幅に節約する。
【0078】
図4は、図3aまたは図3bに示すデジタル-アナログ電圧変換器回路300で使用できる整合トランスコンダクタ402a、402bのペア410の概略図である。上記では、整合トランスコンダクタ402a、402bをp型またはn型トランジスタのいずれかであると説明したが、本実施形態は、トランスコンダクタ402a、402bの他の態様、すなわち、電流源として動作し、ここで説明する関係を有する粗(Icoarse)ストリング電流および微細(Ifine)ストリング電流を送出するように構成されたトランスコンダクタ402a、402bも包含する。図4に示されるように、第1トランスコンダクタ402aと第2トランスコンダクタ402aは、同じ入力電圧によって制御される。
【0079】
すべての実施形態において、スイッチツリー(すなわち、第1スイッチング段308および第2スイッチング段316)を制御するために、デジタルコードが使用される。任意の符号化においてデジタルワードが与えられると、最下位サブセットは、微細スイッチツリーを復号するために使用され(第2スイッチング段316)、最上位サブセットは、粗スイッチツリーを復号するために使用される(第1スイッチング段308)。
【0080】
第1スイッチング段308および第2スイッチング段316は、任意のベースまたは混合ベースの(ツリーとして実装される)ことができる。図5は、第2スイッチング段316が8レベルを有し、3ビットのデジタル-アナログ電圧変換器回路300のデジタル入力の最下位サブワードを受信する単純化した場合の例を示す。ただし、図5a-cに示すレベルの数は、あくまでも一例である。さらに、これらの例は、第1スイッチング段308にも適用可能である。
【0081】
図5aは、バイナリスイッチツリーである第2スイッチング段316の一例を示す。図5bは、4進-2進スイッチツリーである第2スイッチング段316の一例を示す。図5cは、8進スイッチツリーである第2スイッチング段316の一例を示す。
【0082】
図6aは、複数のデジタル-アナログ電圧変換器段305a-eを備え、各デジタル-アナログ電圧変換器段305a-eが、特定のデジタル-アナログ電圧変換器段305aの第1スイッチング段308および第2スイッチング段316に供給されるデジタル入力に応じて、アナログ出力電圧Vthを供給する、デジタル-アナログ電圧変換器回路300を示している。
【0083】
明らかなように、デジタル-アナログ電圧変換器段305a~eはそれぞれ、同じ第1トランスコンダクタ402aおよび同じ第1抵抗器ストリング306に結合される。換言すれば、第一のトランスコンダクタ402aおよび第一の抵抗器ストリング306は、デジタル-アナログ電圧変換器段305a-eの各々に共通である。
【0084】
図6aは、整合トランスコンダクタ402a、402bのペア410の実装形態の一例(これにより、第2トランスコンダクタ402bによって送出される電流Ifineが、第1トランスコンダクタ402aによって送出される電流Icoarseに比例する)を示す。
【0085】
図6bは、整合トランスコンダクタ402a、402bがp型トランジスタである図6aに対応する、デジタル-アナログ電圧変換器回路300を示す。
【0086】
また、本開示の実施形態は、整合トランスコンダクタ402a、402bとしてn型トランジスタを利用する複数のデジタル-アナログ電圧変換器段を備えるデジタル-アナログ電圧変換器回路300も包含する。
【0087】
ただし、図6aおよび図6bに示すデジタル-アナログ電圧変換器回路300は、エネルギー弁別器112の比較器114の異なる閾値電圧Vth1、...、VthN-1、VthNを供給するように、図1に示す光子計数回路100のデジタル-アナログ電圧変換器段118に採用され得る。
【0088】
図6aおよび図6bの例では、上述のように一対の整合トランスコンダクタが使用されているが、第2トランスコンダクタは固定電流源であってもよい。
【0089】
ただし、図6aおよび図6bに示すデジタル-アナログ電圧変換器段305a-eの数は、あくまでも一例である。
【0090】
図6aおよび図6bから明らかなように、本開示の実施形態は、図2に示される既知のDACと比較して、回路面積および電力消費に関して良好なスケールとなる。図7は、本明細書に記載される実施形態に係るデジタル-アナログ電圧変換器回路300を備える光子計数回路100が、医療診断用装置700内に設けられる応用例を示す。装置700は、例えば、X線装置またはコンピュータ断層撮影スキャナとして構成されてもよい。
【0091】
以上、本開示を、上述の好ましい実施形態に関して説明したが、これらの実施形態はあくまでも一例であり、特許請求の範囲はこれらの実施形態に限定されないことを理解されたい。当業者は、添付の特許請求の範囲内にあると考えられる開示を考慮して、修正および代替を行うことができるであろう。本明細書に開示または例示される各特徴は、単独で、または本明細書に開示または例示される任意の他の特徴との任意の適切な組み合わせで、任意の実施形態に組み込まれ得る。
【符号の説明】
【0092】
100 光子計数回路
102 光子検出器
104 フロントエンド回路段
112 エネルギー弁別器
114 比較器
116 カウンタ
118 デジタル-アナログ電圧変換器
200 既知のデジタル-アナログ電圧変換器
208a,b 粗スイッチツリー
210 電圧バッファ
212 電圧バッファ
300 デジタル-アナログ電圧変換器回路
301 第1基準電圧バッファ
302 第1電圧増幅器
303 第2基準電圧バッファ
304 第2電圧増幅器
305 デジタル-アナログ電圧変換器段
306 第1抵抗器ストリング
308 第1スイッチング段
310 整合電流源のペア
311a p型トランジスタ
311b p型トランジスタ
312 電圧バッファ
313a n型トランジスタ
313b n型トランジスタ
314 第2抵抗器ストリング
316 第2スイッチング段
402a 第1トランスコンダクタ
402b 第2トランスコンダクタ
410 整合トランスコンダクタのペア
700 装置

図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル-アナログ電圧変換器(300)であって、
その第1端部と第2端部との間に複数の抵抗器を有する第1抵抗器ストリング(306)と、
それぞれが前記第1抵抗器ストリングに連結された複数のデジタル-アナログ電圧変換器段(305)と、を備え、
複数のデジタル-アナログ電圧変換器段(305)は、それぞれ、
電圧バッファ(312)と、
前記第1抵抗器ストリングに結合され、前記デジタル-アナログ電圧変換器のデジタル入力の第1サブワードの受信に応じて、前記電圧バッファへの入力を供給するように構成された第1スイッチング段(308)と、
1つ以上の抵抗器を有し、第1端部が電流源(311b、313b、402b)に結合され、第2端部が電圧バッファ(312)の出力に結合された第2抵抗器ストリング(314)と、
前記第2抵抗器ストリングに結合され、前記デジタル-アナログ電圧変換器のデジタル入力の第2サブワードの受信に応じて、前記デジタル-アナログ電圧変換器段の出力としてのアナログ電圧を供給するように構成された第2スイッチング段(316)と、を有する、
前記デジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項2】
前記第1抵抗器ストリングに結合され、入力電圧によって制御される第1トランスコンダクタ(311a、313a、402a)を備え、
前記電流源は第2トランスコンダクタであり、前記第2トランスコンダクタは、前記第1トランスコンダクタが、前記第2トランスコンダクタによって前記第2抵抗器ストリングに送出される電流に比例する電流を前記第1抵抗器ストリングに送出するように、前記入力電圧によって制御される、
請求項1に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項3】
前記第1トランスコンダクタによって送出される電流と前記第2トランスコンダクタによって送出される電流とは同じである、
請求項2に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項4】
前記第1トランスコンダクタは、p型トランジスタ(311a)を備え、
前記第2トランスコンダクタは、p型トランジスタ(311b)を備える、
請求項2に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項5】
前記第1トランスコンダクタのゲート端子は、前記入力電圧を受信するように配置され、前記第1トランスコンダクタのドレイン端子は、前記第1抵抗器ストリングの第1端部に結合され、
前記第2トランスコンダクタのゲート端子は、前記入力電圧を受信するように配置され、前記第2トランスコンダクタのドレイン端子は、前記第2抵抗器ストリングの第1端部に結合される、
請求項4に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項6】
電圧増幅器(302)および前記第1トランスコンダクタを有する第1基準電圧バッファ(301)を備え、前記電圧増幅器は、入力として第1基準電圧を受信するように配置され、前記電圧増幅器の出力端子は、前記第1トランスコンダクタのゲート端子に結合されて前記入力電圧を前記第1トランスコンダクタに供給する、
請求項5に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項7】
第2基準電圧を入力として受信するように構成された第2基準電圧バッファ(303)を備え、前記第2基準電圧バッファの出力端子は、前記第1抵抗器ストリングの第2端部に結合される、
請求項5に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項8】
前記第1トランスコンダクタがn型トランジスタ(313a)を備え、前記第2トランスコンダクタがn型トランジスタ(313b)を備える、
請求項2に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項9】
前記第1トランスコンダクタのゲート端子は、前記入力電圧を受信するように配置され、前記第1トランスコンダクタのドレイン端子は、前記第1抵抗器ストリングの第2端部に結合され、
前記第2トランスコンダクタのゲート端子は、前記入力電圧を受信するように配置され、前記第2トランスコンダクタのドレイン端子は、前記第2抵抗器ストリングの第1端部に結合される、
請求項8に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項10】
前記入力電圧を入力として受信するように配置された第1基準電圧バッファ(301)を備え、前記第1基準電圧バッファの出力端子は、前記第1抵抗器ストリングの第1端部に結合される、
請求項9に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項11】
電圧増幅器(304)および前記第1トランスコンダクタを有する第2基準電圧バッファ(303)を備え、前記電圧増幅器は、第2基準電圧を入力として受信するように配置され、前記電圧増幅器の出力端子は、前記第1トランスコンダクタのゲート端子に結合される、
請求項9に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項12】
前記電流源は、入力電圧によって制御されず、固定電流を前記第2抵抗器ストリングに送出する、
請求項1に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項13】
前記第1抵抗器ストリングの第1端部は、第1基準電圧または電圧増幅器(302)を備える第1基準電圧バッファ(301)の出力に結合され、前記電圧増幅器は、前記第1基準電圧を入力として受信するように配置され、
前記第1抵抗器ストリングの第2端部は、第2基準電圧または電圧増幅器(304)を備える第2基準電圧バッファ(303)の出力に結合され、前記電圧増幅器は、前記第2基準電圧を入力として受信するように配置され、前記第2基準電圧は、前記第1基準電圧よりも低い、
請求項12に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項14】
前記第1抵抗器ストリングは複数の第1電圧タップを備え、前記第1スイッチング段は複数のスイッチを備え、前記第1スイッチング段の前記複数のスイッチはそれぞれ、前記電圧バッファへの入力として前記複数の第1電圧タップのうちの1つの電圧を供給するように制御可能であり、
前記第2抵抗器ストリングは複数の第2電圧タップを備え、前記第2スイッチング段は複数のスイッチを備え、前記第2スイッチング段の前記複数のスイッチはそれぞれ、前記デジタル-アナログ電圧変換器段の出力として前記複数の第2電圧タップのうちの1つの電圧を供給するように制御可能である、
請求項1に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項15】
前記電圧バッファは、前記デジタル-アナログ電圧変換器段それぞれにおいて、唯一の電圧バッファである、
請求項1に記載のデジタル-アナログ電圧変換器。
【請求項16】
光子感応領域を有し、前記光子感応領域への光子の入射に応じて電流信号を生成するように構成された光子検出器(102)と、
前記電流信号を受信し、前記電流信号に応じた電圧信号を供給するフロントエンド電子回路(104)と、
前記フロントエンド電子回路(104)に接続され、前記電圧信号の大きさと複数の閾値との比較に応じてデジタル信号を生成するように構成されたエネルギー弁別器(112)と、
前記エネルギー弁別器に結合された請求項1に記載の前記デジタル-アナログ電圧変換器(300)であって、各デジタル-アナログ電圧変換器段の出力は、前記複数の閾値のうちそれぞれの閾値を一つ供給する前記デジタル-アナログ電圧変換器(300)と、を備える、
光子計数回路(100)。
【請求項17】
医療診断用装置(700)であって、請求項16に記載の光子計数回路(100)を備え、前記医療診断用装置は、X線装置またはコンピュータ断層撮影スキャナとして構成される、
前記医療診断用装置。
【国際調査報告】