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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ロック可能な屋内/屋外栽培器
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20240327BHJP
【FI】
A01G9/02 103G
A01G9/02 103W
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023558581
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 CA2022050441
(87)【国際公開番号】W WO2022198326
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/165,230
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518431613
【氏名又は名称】モンディ・プロダクツ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MONDI PRODUCTS LTD.
【住所又は居所原語表記】633-2768 WEST BROADWAY, VANCOUVER, BRITISH COLUMBIA V6K 2G4, CANADA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】モンタガーノ,マイケル
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327NC53
2B327ND01
2B327QA05
2B327QB03
2B327QB09
2B327RC36
2B327VA20
(57)【要約】
作物を生育するためのロック可能な栽培器。閉鎖した生育環境を画定する前記栽培器は、植物が生育できる体積を画定するカバー(ドームとも呼ぶ)と、種子が発芽できかつ/または根茎が生育できる生育培地を受容するためのトレー(容器とも呼ぶ)とを含む。互いに設置されたときに前記ドームが載る前記トレーの縁には下向きの溝が設けられている。前記ドームを前記トレーに取外し可能に接続して不慮の離脱を防止するためにクリップ(取付けデバイス/手段)が設けられる。前記クリップは、前記溝に挿入されるように適合された第一の区間と、前記凹みにカチッと嵌まるように適合された第二の区間とを有し、前記溝への前記第一の区間の挿入により、前記凹みにカチッと嵌まるように前記第二の区間を押す実質的に水平方向の張力および前記カバーを前記トレーに押し付ける垂直方向の張力が働く。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を生育するための栽培器であって、
生育培地を受容するためのトレー/容器であって、縁を画定する側壁と、下向きの溝とを有するトレー/容器と、
生育環境を作り出すための、前記トレー/容器に被嵌するような形状および寸法のカバーであって、前記トレー/容器の前記縁に当接するその表面に凹みを画定するカバーと、
前記カバーを前記トレー/容器に取外し可能に固定するためのクリップであって、前記溝への挿入に適合された第一の自由端を有する第一の区間と、該第一の区間に垂直で、前記凹みにカチッと嵌まるように適合された第二の自由端を有する第二の区間とを有するクリップであって、前記溝への前記第一の区間の前記第一の自由端の挿入により、前記凹みに自動的にカチッと嵌まるように前記第二の区間の前記第二の自由端を押す実質的に水平方向の張力が働くクリップとを備える栽培器。
【請求項2】
前記第一の区間と前記第二の区間を接続する第三の区間をさらに備え、前記第一の区間が前記溝の中を上方に挿入される間に前記第一の区間と前記第三の区間が互いに離れるように移動されるときに前記水平方向の張力が働く、請求項1に記載の栽培器。
【請求項3】
前記第一の区間および前記第二の区間がS字形状である、請求項1または2に記載の栽培器。
【請求項4】
前記第一の区間と前記第二の区間との間に垂直方向の張力が存在し、該垂直方向の張力が、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記第二の張力が、前記クリップが定位置にあるときに前記カバーを前記トレー/容器に押し付けるためのものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項5】
前記凹みが、前記トレー/容器の前記縁に当接する前記カバーのリップに設けられた押出成形部によって画定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項6】
作物を生育するための栽培器であって、
内部に前記作物を生育するための生育培地を受容するためのトレー/容器と、
生育環境を作り出すための、前記トレー/容器に被嵌するような形状および寸法のカバーと、
前記カバーを前記トレー/容器に取外し可能に固定するためのクリップとを備え、
前記トレー/容器が、前記カバーを受容するための縁を有する側壁と、溝とを備え、
前記カバーが凹みを画定し、
前記クリップが、前記溝に受容されるように適合された第一の端部と、前記凹みに受容されるように適合された第二の端部とを有し、前記クリップが、前記クリップが設置されたときに前記トレー/容器を前記ドームに固定するようにかつ動作中に前記クリップを定位置に維持するように働く張力を有するような形状および寸法である、栽培器。
【請求項7】
前記クリップが、前記第一の端部を備える第一の区間と、前記第二の端部を備える第二の区間と、前記第一の区間と前記第二の区間とを接続する第三の区間とを備える、請求項6に記載の栽培器。
【請求項8】
前記第一の区間と前記第二の区間が互いに実質的に垂直であり、前記第一の区間と前記第三の区間が互いに実質的に平行である、請求項7に記載の栽培器。
【請求項9】
前記第一の自由端を備える前記第一の区間がS字形状である、請求項7または8に記載の栽培器。
【請求項10】
前記第一の区間と前記第三の区間との間に第一の張力が存在し、前記第三の区間を前記第一の区間から離れるように移動することにより働く、請求項7から9のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項11】
前記第一の張力が実質的に水平方向で、前記第一の張力が、前記第一の区間が前記溝に挿入されていく間に前記第二の区間の前記第二の端部を前記凹みに向かって押すように適合される、請求項10に記載の栽培器。
【請求項12】
前記第二の自由端を備える前記第二の区間がS字形状である、請求項7から11のいずれか一項の栽培器。
【請求項13】
前記第二の区間と前記第三の区間との間に第二の張力が存在し、該第二の張力が、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記第二の張力が、前記カバーを前記トレー/容器に押し付けるためのものである、請求項12に記載の栽培器。
【請求項14】
前記トレー/容器が、防水の中実底部を有するもの、孔を備える中実底部を有するもの、孔を画定するメッシュ状底部を有するもの、および底部を有しないもののうちの一つである、請求項7から13のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項15】
前記凹みが、前記縁に当接する前記カバーのリップに形成された押出成形部によって画定される、請求項6から14のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項16】
前記凹みが、前記カバーに形成された切抜き部/開口によって画定される、請求項6から14のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項17】
カバーをトレー/容器に固定するためのクリップであって、
前記トレー/容器に設けられた溝への挿入に適合された第一の自由端を有する第一の区間と、
前記カバーの表面に形成された凹みへの挿入に適合された第二の自由端を有する第二の区間と、
前記第一の区間および前記第二の区間の非自由端同士を接続する第三の区間とを備えるクリップであって、
該クリップが、前記第一の自由端および前記第二の自由端が定位置に設置されたときに働く張力を定め、該張力が、前記トレーを前記カバーに固定するためおよび前記クリップを前記トレー/カバー組立体に固定するためのものである、クリップ。
【請求項18】
前記第一の区間と前記第三の区間との間に水平方向の張力が存在し、前記第三の区間を前記第一の区間から離れるように移動することによって働き、前記張力が、前記クリップの前記第一の自由端が前記溝に挿入されるときに前記第二の区間の前記第二の端部を前記凹みに向かって押すように適合される、請求項17に記載のクリップ。
【請求項19】
前記第一の区間と前記第二の区間との間に垂直方向の張力が存在し、該垂直方向の張力が、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記第二の張力が、係合中に前記カバーを前記トレーに押し付けるためのものである、請求項17または18に記載のクリップ。
【請求項20】
トレー/容器の側壁に従属する溝を有する該トレー/容器を備える栽培器を前記トレー/容器に被嵌するように適合されたカバーにロックする方法であって、
前記カバーに凹みを設けることと、
前記カバーを前記トレー/容器に取外し可能に固定するためのクリップであって、前記溝に挿入されるように適合された第一の自由端を有する第一の区間と、前記凹みにカチッと嵌まるように適合された第二の自由端を有する第二の区間とを有するクリップであって、前記第一の自由端および前記第二の自由端が定位置に設置されたときに働く張力を定めるクリップを使用することを含む方法。
【請求項21】
前記凹みを設けることが、前記トレーの縁に当接する前記カバーの表面に前記凹みを設けることを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年3月24日に出願した米国特許出願第63/165230号の利益を主張し、これをもって該出願の明細書全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
(a)分野
開示する主題は、概して屋内/屋外植物栽培器に関する。
【背景技術】
【0003】
(b)関連の先行技術
都市/屋内栽培が近年人気を博している。耕作地を利用できない多くの人々、例えば、高層ビルの住民や厳しい気象条件を有する国の住民などにとっての趣味/ニーズであるほか、都市栽培は、新鮮な野菜およびハーブに対して高まるニーズの解決策である。
【0004】
屋内栽培の成功には、光の強度/色および温度および湿度のレベルの適切な組み合わせを有する環境が必要である。一部の作物は、温度、湿度、ならびに光の色および強度のレベルおよび増減に関して他の作物よりも敏感である。これらの要因は、収穫高ならびに前記作物中の栄養素および抗酸化物質の濃度に影響する。
【0005】
したがって、これらの条件を満足する最良の栽培器は、閉鎖した生育環境を画定する栽培器である。市場で最も一般的な栽培器は、種子/根茎を置いて生育させる土/水を含むトレー(容器とも呼ぶ)の上に嵌合するプラスチックまたは他の材料の透明な部品を主に画定するカバー(ドームとも呼ぶ)を含む。
【0006】
このタイプの栽培器は、主にある場所から他の場所への輸送中または前記栽培器が日光に当てるために屋外に置かれているときに、内部で生育する植物を温度および湿度などの生育条件の如何なる急激な変化からも保護する閉鎖した生育環境を画定する。
【0007】
しかしながら、前記ドームの重量およびその(前記ドームの高さ次第で)高くなる場合のある重心に起因して、輸送中のほんの僅かな動き、例えば、旋回、急発進/停止、または風に当たることにより、前記ドームが前記トレーから離脱して落下し、それにより前記ドームが損傷し、前記植物が外部の気象条件に曝される可能性があり、該外部の気象条件は、前記植物の焼け/凍害/乾燥を引き起こし、結果的にそれらを枯らしたり生育を遅らせたりする可能性がある。
【0008】
したがって、これらの問題に対処する栽培器に対するニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
概要
本実施形態はこのような栽培器を説明する。
一態様によれば、作物を生育するための栽培器であって、生育培地を受容するためのトレー/容器であって、縁を画定する側壁と、側部スカートとを有するトレーであって、前記側壁および前記側部スカートが下向きの溝を画定するトレーと、生育環境を作り出すための、前記トレーに被嵌するような形状および寸法のカバーであって、前記トレーの前記縁に当接するその表面に凹みを画定するカバーと、前記カバーを前記トレーに取外し可能に固定するためのクリップであって、前記溝への挿入に適合された第一の自由端を有する第一の区間と、該第一の区間に垂直で、前記凹みにカチッと嵌まるように適合された第二の自由端を有する第二の区間とを有するクリップであって、前記溝への前記第一の区間の前記第一の自由端の挿入により、前記凹みに自動的にカチッと嵌まるように前記第二の区間の前記第二の自由端を押す実質的に水平方向の張力が働くクリップとを備える栽培器が提供される。
【0010】
前記栽培器は、前記第一の区間と前記第二の区間を接続する第三の区間をさらに備えてよく、前記第一の区間が前記溝の中を上方に挿入される間に前記第一の区間と前記第三の区間が互いに離れるように移動されるときに前記水平方向の張力が働く。
【0011】
前記第一の区間および前記第二の区間はS字形状でよい。
【0012】
前記栽培器は、前記第一の区間と前記第二の区間との間に垂直方向の張力を定めるように構成してよく、該垂直方向の張力は、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記第二の張力は、前記クリップが定位置にあるときに前記カバーを前記トレーに押し付けるためのものである。
【0013】
一実施形態では、前記凹みは、前記トレーの前記縁に当接する前記カバーのリップに設けられた押出成形部によって画定される。
【0014】
別の態様によれば、作物を生育するための栽培器であって、内部に前記作物を生育するための生育培地を受容するためのトレーと、生育環境を作り出すための、前記トレーに被嵌するような形状および寸法のカバーと、前記カバーを前記トレーに取外し可能に固定するためのクリップとを備え、前記トレーが、前記カバーを受容するための縁を有する側壁と、溝とを備え、前記カバーが凹みを画定し、前記クリップが、前記溝に受容されるように適合された第一の端部と、前記凹みに受容されるように適合された第二の端部とを有し、前記クリップが、前記クリップが設置されたときに前記トレーを前記ドームに固定するようにかつ動作中に前記クリップを定位置に維持するように働く張力を有するような形状および寸法である、栽培器が提供される。
【0015】
前記クリップは、前記第一の端部を備える第一の区間と、前記第二の端部を備える第二の区間と、前記第一の区間と前記第二の区間を接続する第三の区間とを備えてよい。
【0016】
前記第一の区間と前記第二の区間は互いに実質的に垂直に設けられてよく、前記第一の区間と前記第三の区間は互いに実質的に平行に設けられてよい。
【0017】
前記第一の自由端を備える前記第一の区間はS字形状でよい。
【0018】
前記栽培器は、前記第一の区間と前記第三の区間との間に第一の張力を定めるように設計してよく、前記第三の区間を前記第一の区間から離れるように移動することにより働く。
【0019】
前記第一の張力は実質的に水平方向でよく、前記第一の張力は、前記第一の区間が前記溝に挿入されていく間に前記第二の区間の前記第二の端部を前記凹みに向かって押すように適合される。
【0020】
前記第二の自由端を備える前記第二の区間はS字形状でよい。
【0021】
前記第二の区間と前記第三の区間との間に第二の張力が存在してよく、該第二の張力は、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記第二の張力は、前記カバーを前記トレーに押し付けるためのものである。
【0022】
一実施形態では、前記第三の区間は、平らなようにまたは曲線を画定するように設計してよい。
【0023】
前記トレー/容器は、防水の中実底部を有するトレー/容器、孔を備える中実底部を有するトレー/容器、孔を画定するメッシュ状底部を有するトレー/容器、および底部を有しないトレー/容器のうちの一つでよい。
【0024】
一実施形態では、前記凹みは、前記縁に当接する前記カバーのリップに形成された押出成形部によって画定される。別の実施形態では、前記凹みは、前記カバーに形成された切抜き部/開口によって画定される。
【0025】
別の態様によれば、カバーをトレー/容器に固定するためのクリップであって、前記トレー/容器に設けられた溝への挿入に適合された第一の自由端を有する第一の区間と、前記カバーの表面に形成された凹みへの挿入に適合された第二の自由端を有する第二の区間と、前記第一の区間および前記第二の区間の非自由端同士を接続する第三の区間とを備えるクリップであって、該クリップが、前記第一の自由端および前記第二の自由端が定位置に設置されたときに働く張力を定め、該張力が、前記トレーを前記カバーに固定するためおよび前記クリップを前記トレー/カバー組立体に固定するためのものである、クリップが提供される。
【0026】
前記クリップは、前記第一の区間と前記第三の区間との間に水平方向の張力を定めるように設計してよく、前記第三の区間を前記第一の区間から離れるように移動することによって働き、前記張力は、前記クリップの前記第一の自由端が前記溝に挿入されるときに前記第二の区間の前記第二の端部を前記凹みに向かって押すように適合される。
【0027】
前記クリップは、前記第一の区間と前記第二の区間との間にも垂直方向の張力を定めるように設計してよく、該垂直方向の張力は、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記第二の張力は、係合中に前記カバーを前記トレーに押し付けるためのものである。
【0028】
別の態様によれば、トレーの側壁に従属する溝を有する該トレーを備える栽培器を前記トレーに被嵌するように適合されたカバーにロックする方法であって、前記カバーに凹みを設けることと、前記カバーを前記トレーに取外し可能に固定するためのクリップであって、前記溝に挿入されるように適合された第一の自由端を有する第一の区間と、前記凹みにカチッと嵌まるように適合された第二の自由端を有する第二の区間とを有するクリップであって、前記第一の自由端および前記第二の自由端が定位置に設置されたときに働く張力を定めるクリップを使用することを含む方法が提供される。
【0029】
一実施形態では、前記凹みを設けることは、前記トレーの縁に当接する前記カバーの表面に前記凹みを設けることを含む。
【0030】
本発明は、本発明の範囲を制限するのではなく本発明を例示するために与えられる以下の例を参照することによってより容易に理解されるだろう。特に、以下の実施形態は、前記トレーの前記縁によって画定される前記溝に引っ掛かり、前記縁に載る前記ドームの下部リップに設けられた凹みにカチッと嵌まるクリップの非制限的な例を示して説明する。しかしながら、クリップ/取付けデバイス/取付け手段が一端で前記凹みに引っ掛かり、他端で前記溝にカチッと嵌まる、または両端から両方にカチッと嵌まることを可能にする他の実施形態も考えられる。前記凹みは、図面に示す前記縁の前記表面から張り出した体積を画定してよく、また前記ドームの前記リップに設けられる開口/切抜き部を画定することもでき、該開口/切抜き部は、好ましくは、前記トレーの前記縁に設けられる別の開口と重なり合い、それにより前記クリップは両方に引っ掛かりまたはカチッと嵌まって前記ドームと前記トレーとを接続することができる。
【0031】
本明細書の前記主題の特徴および利益は、添付の図面に示す、選ばれた実施形態の以下の詳細な説明に照らしてより明らかになるだろう。いずれ分かるように、開示され請求された前記主題は、様々な点で変更が可能であり、全て本特許請求の範囲から逸脱しない。したがって、前記図面および本明細書は、制限的なものではなく本質的に例示的なものとして見なすものとし、前記主題の全範囲は本特許請求項に記載される。
【0032】
本開示のさらなる特徴および利点は、次の添付の図面と組み合わせて解釈される以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1a】本実施形態に従い、栽培器の異なる図を示す。
図1b】本実施形態に従い、栽培器の異なる図を示す。
図1c】本実施形態に従い、栽培器の異なる図を示す。
図2】本実施形態に従う、動作位置にあるクリップの拡大図であり、該クリップがドームとトレーをロック可能な位置で接続している。
図3】本実施形態に従い、前記ドーム上で前記クリップを受容するように適合された凹みの一例を示す。
図4a】本実施形態に従う、トレーの一例の上面図である。
図4b】本実施形態に従う、トレーの一例の側面図である。
図5a】本実施形態に従い、クリップの側面図を示す。
図5b】本実施形態に従い、クリップの底面図を示す。
図5c】本実施形態に従い、クリップの側面斜視図を示す。
図5d図5aのクリップの詳細な側面図を示す。
図6】別の実施形態に従い、円形/オーバル形を有する栽培器の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
前記添付の図面全体を通して、同様の特徴は同様の参照番号によって識別されることに留意されたい。
【0035】
詳細な説明
本実施形態は、作物を生育するためのロック可能な栽培器を説明する。閉鎖した生育環境を画定する前記栽培器は、植物が生育できる体積を画定するカバー(ドームとも呼ぶ)と、種子が発芽できかつ/または根茎が生育できる生育培地を受容するためのトレー(容器)とを含む。前記トレーの縁には、互いに設置されたときに前記ドームが載る下向きの溝が設けられている。前記ドームを前記トレーに取外し可能に接続して不慮の離脱を防止するクリップ(取付けデバイス/手段)が設けられている。前記クリップは、前記溝に挿入されるように適合された第一の区間と、凹みにカチッと嵌まるように適合された第二の区間とを画定し、前記溝への前記第一の区間の挿入により、前記凹みにカチッと嵌まるように前記第二の区間を押す実質的に水平方向の張力が働く。前記クリップは、前記カバーを前記トレーに押し付ける垂直方向の張力も定めるように設計してよい。
【0036】
これから第一の例を示す図面、より詳細には図1Aおよび図1Bを参照して、本発明に係る栽培器を説明する。図1Aおよび図1Bに示すように、栽培器100は、ドーム102と、トレー104と、前記ドーム102と前記トレー104を互いに取外し可能にロックして不慮の離脱を防止するような形状および寸法のクリップ106とを備える。図2は動作位置にある前記クリップ106の拡大図であり、前記クリップ106が前記ドーム102と前記トレー104をロック可能な位置で接続している。
【0037】
一実施形態では、また図1cを参照すると、前記ドームは、側壁120と、該側壁120の上端から延在するまたは該上端に接続された天井122と、前記側壁120の下端から外方に(かつ実質的に水平に)延在し、適合するトレー104の縁126に載るように設計された下部リップ124とを備える。前記トレー104は、底面と、該底面に従属し、前記トレー104の深さを定める側壁とを画定する。該側壁は、上部に前記ドームを受容するための縁126を画定する。該縁は、前記側壁とともに下向きの溝を画定する側部スカートを備え、本実施形態は該スカートを用いて前記クリップを受容し、前記ドームを前記トレー上に固定する。好ましくは前記ドームにも側部スカート128が設けられてよく、該側部スカート128は前記リップ124に従属し、下方に延出して、図1cに例示する前記トレーの前記溝を画定する前記縁126の前記側部スカートに当接/被覆/包囲する。この配置により、前記ドームが前記トレー104に載り、内部に前記縁126を受容して、前記トレーに対する前記ドームの水平移動を防止することができるが、これは、移動中および風の強い条件時に前記トレーからの前記ドームの離脱を防止するには不十分である。
【0038】
図4aおよび図4bは、トレー104の一例のそれぞれ上面図および側面図である。図4aおよび図4bに例示するように、前記トレー104は、前記トレー104の深さ、および植物の生育/発芽のために種子および根茎を受容するための土または他の種類の生育培地などの、内部に受容できる生育培地の体積を画定する下面および側壁を備える。前記トレーの前記下面を被覆する数列の突起110が設けられてよい。該突起110同士は、好ましくは、異なる長さを有し、前記トレー内で水が均等に分配されるのを可能にする形で横および縦に所与の距離/間隙だけ隔てられる。非制限的な一例では、また前記トレー内での水の均等な分配を向上させるために、長い突起110‐1は短い突起110.2よりも約二倍から三倍長い。前記長い突起110‐1は、前記間隙の間から別の列に水を移動させる前に該水の蓄積を確保するために中間に設けられる。このようにして、たとえ使用者が一箇所に水をかけても、該水は前記トレー内に植えられた前記根茎の全てに均等に分配することができる。
【0039】
別の実施形態では、また変わらず図4aおよび図4bを参照すると、前記トレー104の角は、三つの面の間で従来の90°の角度ではなく斜面111を画定するような形状であり、これは、剛性を確保するため、および前記トレーが落下したり鋭利な物体/縁に押し付けられたりした場合に前記角から前記トレーに穴が開くのを防止するためであり、これにより、前記トレーが着地方向に垂直または実質的に垂直に角から落下した場合、前記トレーは、結果的に前記トレー104に穴が開き、そこから水が漏れることになる鋭利な90°の角ではなく、地面に平行な前記面111で着地することになる。
【0040】
同様に前記図面に例示するように、前記適合するトレー104の前記縁126は、使用者が前記トレー104および/または前記栽培器組立体100を掴む/保持するために使用できる下向きの溝127を前記側壁とともに画定する側部スカートを備える。後述のように、この溝127を用いて前記クリップ106の一端を引っ掛けるように受容し、前記ドームを前記トレー上に固定し、不慮の離脱を防止する。
【0041】
これから図3を参照して、動作中に前記トレーの前記縁126に載るように設計された前記ドームの前記リップ124に形成される凹み108の一例を示す。本例における前記凹み108は、前記ドーム102を前記トレー104に固定するために前記クリップ106の他端を受容して係合するポケット/間隙/溝の形状になっている。非制限的な一例では、前記凹み108は、内部に前記クリップを受容するような形状の実質的に矩形のポケットを成すように前記リップ124から突出したU字形の壁突起によって画定される。前記凹みを設けることに関しては他の実施形態も可能である。
【0042】
図5aから図5cは、本発明の例示的な一実施形態に従い、クリップ106のそれぞれ側面図、底面図、および側面斜視図を示す。図5dは、前記図面に示す前記例示的なクリップの詳細な側面図である。図5dに示すように、前記クリップ106は、単一体として一体的に作られているが、互いに幾何学的かつ/または機能的に異なる三つの区間を備える。つまり、実質的にS字形の第一の区間130、同様に実質的にS字形の第二の区間132、および第三の区間134である。本例では、前記第二の区間132と前記第一の区間130は、平らに図示されているが異なる形状を画定してもよい、例えば曲線状でもよい前記第三の区間134によって接続されている。本例では、前記第二の区間132は、前記第三の区間134(および前記第一の区間130)に実質的に垂直であり、前記第一の区間130は、前記第三の区間134に実質的に平行である。前記第二の区間132は、前記凹み108に円滑にカチッと嵌まるような、かつ使用者によってそこから取り外されるような形状および寸法の曲線状の先端136を備える。前記先端136は上向きに図示されている(が、前記凹みに円滑にカチッと嵌まることおよびそこから取り外されることを可能にする限り、反対方向の向きにすることもできる)。前記第二の区間132の反対側には、下向きになって前記第三の区間134に接続した別の曲線部138が設けられている。前記第一の区間130も、前記トレーの前記溝に円滑に挿入するような形状および寸法の曲線状の先端140と、前記第三の区間134の他端に接続している別の曲線状の端部142とを備える。
【0043】
前記実施形態では、前記クリップ106は可撓性/弾性材料で作られ、該材料が、前記異なる区間の前記形状(主に前記S字形状の非自由端)とともに、第二の区間132/先端136と前記第一の区間130との間に(実質的に垂直方向の)第一の張(弾/ばね)力F1を生じ、前記ドームの前記下部リップ124を前記トレー104の前記縁126に押し付けることによって前記ドーム102を前記トレー104に固定する。前記力F1は、主に前記第二の区間と前記第三の区間との間の前記曲線部138の形状によって得られる。一実施形態では、前記クリップは、前記第三の区間134と前記第一の区間130との間に、前記クリップが前記溝に挿入されたときに前記第二の区間の前記先端136を前記凹みに自動的にカチッと嵌める一方、前記凹みからの前記先端136の離脱の防止および前記トレーの前記縁126への前記ドームの前記側部スカート128の押し付けも行うための(実質的に水平方向の)第二の張(弾/ばね)力F2も生じるように設計してよい。前記力F2は主に前記曲線状の端部142の形状によって得られる。
【0044】
動作時、使用者が前記クリップを用いて前記ドームを前記トレーに固定したいとき、前記クリップの前記第一の区間130の前記曲線状の先端/端部140がまず、前記トレー104の前記縁126によって画定された前記溝127に挿入され、前記クリップは前記溝127の中へと上方に移動され/押し込まれ、これにより前記力F2が働くことになり、前記第二の区間132が前記ドームに向かって押され、したがって、前記第二の区間の前記曲線状の端部136が前記ドームの前記下部リップ124上に画定された前記凹み108に到達すると、前記力F2によって自動的に、または前記曲線状の端部136を前記凹み108に係合させるように前記ドームに向かって前方に少し押込みを加えることによって、前記曲線状の端部136は前記凹み108とカチッと嵌まるように係合し、それにより、図2に例示するように前記ドーム102が前記トレー104に取外し可能に固定されることになる。
【0045】
換言すれば、上記のように、前記第一の区間130が前記溝127の中を上方に挿入されていく間に、前記力F2により前記第二の区間132の前記曲線状の先端136が前記凹み108に向かって押される。したがって、前記クリップを前記溝の上方に押し込むことにより、前記クリップは自動的に適所に係合してカチッと嵌まり、前記ドームを前記トレーに固定することになる。前記クリップの前記異なる区間の構成のされ方により、前記クリップが適所に設置/取り付けられている間、力F1と力F2の両方で前記ドームを前記トレー上に固定し、前記クリップを前記凹み内に固定することができる。
【0046】
前記クリップの取外しは、前記曲線状の先端136に逆向きの力を掛けて前記凹みから離脱させ、次いで前記クリップを下方に降ろし、前記第一の区間130を前記トレーの前記溝127から離脱させることによって行うことができる。
【0047】
好適な実施形態を上記で説明し添付の図面に例示したが、本開示から逸脱することなく変更し得ることは当業者には明らかであろう。そのような変更は、本開示の範囲内に含まれる考え得る変形と見なされる。
【0048】
例えば、前記ドーム(およびその適合するトレー)は、矩形、正方形、オーバル形、または円形とすることができ、他の規則的および不規則な形状を有してもよい。矩形/正方形のドームについて、前記ドーム102は、その対辺に、または好ましくは四辺全てに凹み108を含むことができる。さらに、各辺は、必要に応じて一つまたは複数の凹み108を含むことができる。円形/オーバル形のトレーは少なくとも二つの、しかし好ましくは図6に例示するように三つ以上の凹みを含むことができる。
【0049】
前記トレーは、浅いトレー、ポット、および生育培地を保持するのに適した任意の他の容器を含むように、形状および深さが様々でよい。前記トレーの他の実施形態は、中実の底部(防水または有孔)を有するトレー、底部がメッシュ状のトレー(有孔および無孔)、および底部のない容器/トレーであって、それにより上記特徴を有する側壁を、地面または生育培地、例えば水に単に挿入することができる一方、本明細書に記載の実施形態を用いてカバー/ドームを前記側壁に取外し可能にロックすることができる容器/トレーも含むことができる。
【0050】
前記クリップの前記先端136を受容することを意図した前記凹み(ポケット/間隙/溝とも呼ぶ)に関しても他の実施形態が可能である。例えば、前記実施形態に示す押出成形部を用いた凹みを設ける代わりに、前記クリップの前記先端136を内部に受容するような形状および寸法の切抜き部が、前記ドームと前記トレーの前記縁の両方に設けられてもよい。
【0051】
他の実施形態では、前記クリップの前記第一の区間を受容する前記トレーの前記縁を包囲する溝の代わりに、前記ドーム上で前記先端136を受容することを意図した前記凹み/フックの位置と適合するように設けられる局所的な溝など、他の手段が前記トレーの前記側壁に設けられて前記第一の区間を受容してよい。
図1A
図1B
図1c
図2
図3
図4A
図4B
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-11-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を生育するための栽培器であって、
生育培地を受容するためのトレー/容器であって、縁を画定する側壁と、下向きの溝とを有するトレー/容器と、
生育環境を作り出すための、前記トレー/容器に被嵌するような形状および寸法のカバーであって、前記トレー/容器の前記縁に当接するその表面に凹みを画定するカバーと、
前記カバーを前記トレー/容器に取外し可能に固定するためのクリップであって、前記クリップが、単一体として一体的に作られており、前記溝への挿入に適合された第一の自由端を有する第一の区間と、該第一の区間に垂直で、前記凹みにカチッと嵌まるように適合された第二の自由端を有する第二の区間とを有するクリップであって、前記溝への前記第一の区間の前記第一の自由端の挿入により、前記凹みに自動的にカチッと嵌まるように前記第二の区間の前記第二の自由端を押す実質的に水平方向の張力が働くクリップとを備える栽培器。
【請求項2】
前記第一の区間と前記第二の区間を接続する第三の区間をさらに備え、前記第一の区間が前記溝の中を上方に挿入される間に前記第一の区間と前記第三の区間が互いに離れるように移動されるときに前記水平方向の張力が働く、請求項1に記載の栽培器。
【請求項3】
前記第一の区間および前記第二の区間がS字形状である、請求項1または2に記載の栽培器。
【請求項4】
前記第一の区間と前記第二の区間との間に垂直方向の張力が存在し、該垂直方向の張力が、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記垂直方向の張力が、前記クリップが定位置にあるときに前記カバーを前記トレー/容器に押し付けるためのものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項5】
前記凹みが、前記トレー/容器の前記縁に当接する前記カバーのリップに設けられた押出成形部によって画定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項6】
作物を生育するための栽培器であって、
内部に前記作物を生育するための生育培地を受容するためのトレー/容器と、
生育環境を作り出すための、前記トレー/容器に被嵌するような形状および寸法のカバーと、
前記カバーを前記トレー/容器に取外し可能に固定するためのクリップとを備え、
前記トレー/容器が、前記カバーを受容するための縁を有する側壁と、溝とを備え、
前記カバーが凹みを画定し、
前記クリップが、単一体として一体的に作られており、前記溝に受容されるように適合された第一の端部と、前記凹みに受容されるように適合された第二の端部とを有し、前記クリップが、前記クリップが設置されたときに前記トレー/容器を前記カバーに固定するようにかつ動作中に前記クリップを定位置に維持するように働く張力を有するような形状および寸法である、栽培器。
【請求項7】
前記クリップが、前記第一の端部を備える第一の区間と、前記第二の端部を備える第二の区間と、前記第一の区間と前記第二の区間とを接続する第三の区間とを備える、請求項6に記載の栽培器。
【請求項8】
前記第一の区間と前記第二の区間が互いに実質的に垂直であり、前記第一の区間と前記第三の区間が互いに実質的に平行である、請求項7に記載の栽培器。
【請求項9】
前記第一の自由端を備える前記第一の区間がS字形状である、請求項7または8に記載の栽培器。
【請求項10】
前記第一の区間と前記第三の区間との間に第一の張力が存在し、前記第三の区間を前記第一の区間から離れるように移動することにより働く、請求項7から9のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項11】
前記第一の張力が実質的に水平方向で、前記第一の張力が、前記第一の区間が前記溝に挿入されていく間に前記第二の区間の前記第二の端部を前記凹みに向かって押すように適合される、請求項10に記載の栽培器。
【請求項12】
前記第二の自由端を備える前記第二の区間がS字形状である、請求項7から11のいずれか一項の栽培器。
【請求項13】
前記第二の区間と前記第三の区間との間に第二の張力が存在し、該第二の張力が、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記第二の張力が、前記カバーを前記トレー/容器に押し付けるためのものである、請求項12に記載の栽培器。
【請求項14】
前記トレー/容器が、防水の中実底部を有するもの、孔を備える中実底部を有するもの、孔を画定するメッシュ状底部を有するもの、および底部を有しないもののうちの一つである、請求項7から13のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項15】
前記凹みが、前記縁に当接する前記カバーのリップに形成された押出成形部によって画定される、請求項6から14のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項16】
前記凹みが、前記カバーに形成された切抜き部/開口によって画定される、請求項6から14のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項17】
カバーをトレー/容器に固定するためのクリップであって、
前記トレー/容器に設けられた溝への挿入に適合された第一の自由端を有する第一の区間と、
前記カバーの表面に形成された凹みへの挿入に適合された第二の自由端を有する第二の区間と、
前記第一の区間および前記第二の区間の非自由端同士を接続する第三の区間とを備えるクリップであって、
前記クリップが、単一体として一体的に作られており、該クリップが、前記第一の自由端および前記第二の自由端が定位置に設置されたときに働く張力を定め、該張力が、前記トレーを前記カバーに固定するためおよび前記クリップを前記トレー/カバー組立体に固定するためのものである、クリップ。
【請求項18】
前記第一の区間と前記第三の区間との間に水平方向の張力が存在し、前記第三の区間を前記第一の区間から離れるように移動することによって働き、前記張力が、前記クリップの前記第一の自由端が前記溝に挿入されるときに前記第二の区間の前記第二の端部を前記凹みに向かって押すように適合される、請求項17に記載のクリップ。
【請求項19】
前記第一の区間と前記第二の区間との間に垂直方向の張力が存在し、該垂直方向の張力が、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記垂直方向の張力が、係合中に前記カバーを前記トレーに押し付けるためのものである、請求項17または18に記載のクリップ。
【請求項20】
トレー/容器の側壁に従属する溝を有する該トレー/容器を備える栽培器を前記トレー/容器に被嵌するように適合されたカバーにロックする方法であって、
前記カバーに凹みを設けることと、
前記カバーを前記トレー/容器に取外し可能に固定するためのクリップであって、単一体として一体的に作られており、前記溝に挿入されるように適合された第一の自由端を有する第一の区間と、前記凹みにカチッと嵌まるように適合された第二の自由端を有する第二の区間とを有するクリップであって、前記第一の自由端および前記第二の自由端が定位置に設置されたときに働く張力を定めるクリップを使用することを含む方法。
【請求項21】
前記凹みを設けることが、前記トレーの縁に当接する前記カバーの表面に前記凹みを設けることを含む、請求項20に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
本明細書の前記主題の特徴および利益は、添付の図面に示す、選ばれた実施形態の以下の詳細な説明に照らしてより明らかになるだろう。いずれ分かるように、開示され請求された前記主題は、様々な点で変更が可能であり、全て本特許請求の範囲から逸脱しない。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を生育するための栽培器であって、
生育培地を受容するためのトレー/容器であって、縁を画定する側壁と、下向きの溝とを有するトレー/容器と、
生育環境を作り出すための、前記トレー/容器に被嵌するような形状および寸法のカバーであって、前記トレー/容器の前記縁に当接するその表面に凹みを画定するカバーと、
前記カバーを前記トレー/容器に取外し可能に固定するためのクリップであって、前記クリップが、単一体として一体的に作られており、前記溝への挿入に適合された第一の自由端を有する第一の区間と、該第一の区間に垂直で、前記凹みにカチッと嵌まるように適合された第二の自由端を有する第二の区間とを有するクリップであって、前記第二の自由端が前記凹みに到達すると、前記溝への前記第一の区間の前記第一の自由端の上方への挿入により、前記凹みに自動的にカチッと嵌まるように前記第二の区間の前記第二の自由端を押す実質的に水平方向の張力が働くクリップとを備える栽培器。
【請求項2】
前記第一の区間と前記第二の区間を接続する第三の区間をさらに備え、前記第一の区間が前記溝の中を上方に挿入される間に前記第一の区間と前記第三の区間が互いに離れるように移動されるときに前記水平方向の張力が働く、請求項1に記載の栽培器。
【請求項3】
前記第一の区間および前記第二の区間がS字形状である、請求項1または2に記載の栽培器。
【請求項4】
前記第一の区間と前記第二の区間との間に垂直方向の張力が存在し、該垂直方向の張力が、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記垂直方向の張力が、前記クリップが定位置にあるときに前記カバーを前記トレー/容器に押し付けるためのものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項5】
前記凹みが、前記トレー/容器の前記縁に当接する前記カバーのリップに設けられた押出成形部によって画定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項6】
作物を生育するための栽培器であって、
内部に前記作物を生育するための生育培地を受容するためのトレー/容器と、
生育環境を作り出すための、前記トレー/容器に被嵌するような形状および寸法のカバーと、
前記カバーを前記トレー/容器に取外し可能に固定するためのクリップとを備え、
前記トレー/容器が、前記カバーを受容するための縁を有する側壁と、溝とを備え、
前記カバーが凹みを画定し、
前記クリップが、単一体として一体的に作られており、前記溝に受容されるように適合された第一の端部と、前記凹みに受容されるように適合された第二の端部とを有し、前記クリップが、前記クリップが前記溝に挿入されたときに前記第二の端部を前記凹みに自動的にカチッと嵌め、前記第二の端部が前記前記凹みに到達するとき前記トレー/容器を前記カバーに固定するうに働く張力を有するような形状および寸法である、栽培器。
【請求項7】
前記クリップが、前記第一の端部を備える第一の区間と、前記第二の端部を備える第二の区間と、前記第一の区間と前記第二の区間とを接続する第三の区間とを備える、請求項6に記載の栽培器。
【請求項8】
前記第一の区間と前記第二の区間が互いに実質的に垂直であり、前記第一の区間と前記第三の区間が互いに実質的に平行である、請求項7に記載の栽培器。
【請求項9】
前記第一の自由端を備える前記第一の区間がS字形状である、請求項7または8に記載の栽培器。
【請求項10】
前記第一の区間と前記第三の区間との間に第一の張力が存在し、前記第三の区間を前記第一の区間から離れるように移動することにより働く、請求項7から9のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項11】
前記第一の張力が実質的に水平方向で、前記第一の張力が、前記第一の区間が前記溝に挿入されていく間に前記第二の区間の前記第二の端部を前記凹みに向かって押すように適合される、請求項10に記載の栽培器。
【請求項12】
前記第二の自由端を備える前記第二の区間がS字形状である、請求項7から11のいずれか一項の栽培器。
【請求項13】
前記第二の区間と前記第三の区間との間に第二の張力が存在し、該第二の張力が、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記第二の張力が、前記カバーを前記トレー/容器に押し付けるためのものである、請求項12に記載の栽培器。
【請求項14】
前記トレー/容器が、防水の中実底部を有するもの、孔を備える中実底部を有するもの、孔を画定するメッシュ状底部を有するもの、および底部を有しないもののうちの一つである、請求項7から13のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項15】
前記凹みが、前記縁に当接する前記カバーのリップに形成された押出成形部によって画定される、請求項6から14のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項16】
前記凹みが、前記カバーに形成された切抜き部/開口によって画定される、請求項6から14のいずれか一項に記載の栽培器。
【請求項17】
カバーをトレー/容器に固定するためのクリップであって、
前記トレー/容器に設けられた溝への挿入に適合された第一の自由端を有する第一の区間と、
前記カバーの表面に形成された凹みへの挿入に適合された第二の自由端を有する第二の区間と、
前記第一の区間および前記第二の区間の非自由端同士を接続する第三の区間とを備えるクリップであって、
前記クリップが、単一体として一体的に作られており、該クリップが、前記第一の自由端が前記溝へ挿入されたときに前記第二の端部が前記凹みに自動的にカチッと嵌め、前記第二の端部が前記凹みに到達するときに前記トレーを前記カバーに固定するように働く張力を定め、クリップ。
【請求項18】
前記第一の区間と前記第三の区間との間に水平方向の張力が存在し、前記第三の区間を前記第一の区間から離れるように移動することによって働き、前記張力が、前記クリップの前記第一の自由端が前記溝に挿入されるときに前記第二の区間の前記第二の端部を前記凹みに向かって押すように適合される、請求項17に記載のクリップ。
【請求項19】
前記第一の区間と前記第二の区間との間に垂直方向の張力が存在し、該垂直方向の張力が、前記第二の区間が前記第一の区間から上方に離れるように移動されるときに働き、前記垂直方向の張力が、係合中に前記カバーを前記トレーに押し付けるためのものである、請求項17または18に記載のクリップ。
【請求項20】
トレー/容器の側壁に従属する溝を有する該トレー/容器を備える栽培器を前記トレー/容器に被嵌するように適合されたカバーにロックする方法であって、
前記カバーに凹みを設けることと、
前記カバーを前記トレー/容器に取外し可能に固定するための請求項17に記載のクリップを設けることを含む方法。
【請求項21】
前記第二の自由端が前記凹部にカチッと嵌まり、それによって前記トレーが前記カバーに取外し可能に固定されるまで、前記クリップの前記第一の自由端を前記溝に挿入することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【国際調査報告】