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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】作業および保守手段ならびに方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 80/50 20160101AFI20240327BHJP
   F03D 13/10 20160101ALI20240327BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20240327BHJP
   B63B 81/00 20200101ALI20240327BHJP
【FI】
F03D80/50
F03D13/10
B63B35/00 T
B63B81/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023558611
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2022057340
(87)【国際公開番号】W WO2022200268
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】20210374
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523058098
【氏名又は名称】フレッド・オルセン・オーシャン・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ゲイル・グリムスルード
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA26
3H178BB79
3H178DD61X
3H178DD67X
3H178DD70X
(57)【要約】
浮体式風力タービンのための作業および保守手段(1)は、少なくとも1つの風力タービンユニット(3)が据え付けられた浮体式基礎構造(2)と、サービス作業船(11)およびポータブルクレーン(14)と、を備え、浮体式基礎構造(2)は、クレーン(14)を受容して且つ基礎構造に固定的に係止することが可能な界面を備え、サービス作業船(11)は、船(11)から基礎構造(2)へとポータブルクレーン(14)を持ち上げることが可能な船上クレーン(12)を備えている。手段を使用して部品を交換するための方法も記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体式風力タービンのための作業および保守手段であって、少なくとも1つの風力タービンユニットが据え付けられた浮体式基礎構造と、サービス作業船およびポータブルクレーンと、を備え、前記浮体式基礎構造は、前記クレーンを受容して且つ前記基礎構造に固定的に係止することが可能な界面を備え、前記サービス作業船は、前記船舶から前記基礎構造へと前記ポータブルクレーンを持ち上げることが可能な船上クレーンを備えている、手段。
【請求項2】
前記風力タービンに取り付けられる風力タービンブレードまたはギアユニット等の部品を受容するためのサポートをさらに備え、該サポートは、前記浮体式基礎構造の界面と結合して固定的に係止する界面を備えている、請求項1に記載の手段。
【請求項3】
前記サポートは、少なくとも1つの風力タービンブレードを受容する少なくとも1セットのクレードルを備えている、請求項2に記載の手段。
【請求項4】
少なくとも3つの風力タービンブレードが、前記サポート上のクレードル内に積み重ねられる、請求項3に記載の手段。
【請求項5】
前記サポートはトラス梁を備えている、請求項2から4のいずれか一項に記載の手段。
【請求項6】
前記浮体式基礎構造は少なくとも2つの円筒浮きを備え、各円筒浮きは、前記ポータブルクレーンおよび前記サポートのそれぞれを受容するための界面を備えている、請求項1に従属した請求項2に記載の手段。
【請求項7】
前記ポータブルクレーンは前記船舶から遠隔操作可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の手段。
【請求項8】
浮体式風力タービンの風力タービンブレードまたはギアユニット等の部品を交換するための方法であって、以下の
a.浮体式風力タービンの隣にサービス作業船を展開するステップと、
b.前記船舶の船上クレーンを使用して、前記船舶から前記浮体式風力タービンの基礎構造上へとポータブルクレーンを持ち上げるステップと、
c.前記ポータブルクレーンを前記基礎構造に固定的に係止するステップと、
d.部品サポートを前記基礎構造上へ持ち上げるステップと、
e.前記部品サポートを前記基礎構造へ固定的に係止するステップと、
f.交換される部品を、前記ポータブルクレーンを使用して前記風力タービンから前記部品サポートへと持ち上げるステップと、
g.前記部品サポートから前記船舶へと前記部品を持ち上げるステップと、
h.新しい部品を前記部品サポート上へと持ち上げるステップと、
i.前記新しい部品を前記風力タービン上に持ち上げて、交換されるべき前記部品が使用されていた位置に、前記新しい部品を取り付けるステップと、
j.空の前記サポートを前記船舶上に持ち上げるステップと、
k.前記ポータブルクレーンを、前記船上クレーンを使用して前記船舶上に持ち上げるステップと、
を含んでいる方法。
【請求項9】
前記部品は風力タービンブレードのセットであり、
l.前記ステップf.において特定された持ち上げは、前記風力タービンのロータから、前記ポータブルクレーンを使用して前記サポート上へと1つずつ摩耗したブレードを持ち上げるステップを含み、
m.前記ステップg.において特定された持ち上げは、前記ブレードサポートから前記船舶上へと、積み重ねられた前記摩耗したブレードを持ち上げるステップを含み、
n.前記ステップh.において特定された持ち上げは、積み重ねられた新しいブレードを前記ブレードサポート上へと持ち上げるステップを含み、
o.前記ステップi.において特定された持ち上げは、前記ポータブルクレーンを使用して、前記ロータへと前記新しいブレードを1つずつ持ち上げるステップを含んでいる、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮体式風力タービンのための作業および保守手段、ならびに浮体式風力タービンの風力タービンブレードおよびギアユニットを交換する等の、主構成要素交換を実施するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋におけるクレーン作業は、特に作業が実行されるユニットが浮体式ユニットである場合に、手腕を問われる。これを実行するために、原則として2つの方法が存在する。1つ目は、浮体式ユニットの隣に適切なクレーンを備えた船舶を展開し、このクレーンを使用して船舶(または別の船舶)と浮体式ユニットとの間で物体を移動させることである。2つ目の方法は、浮体式ユニット上にクレーンを配置し、このクレーンを使用して、支援船と浮体式ユニットとの間で物体を移動させ、同様に浮体式ユニット上での設置等の作業を実行することである。
【0003】
1つ目の選択肢においては、すべての作業は、船舶とユニットとの両方が波動により移動する間に実行されなければならない。このことは、洗練されたうねり補正を必要とし、比較的静かな状態の際にのみ実行されることが可能である。
【0004】
2つ目の選択肢は、船舶の荷積みまたは荷降ろしの際のみにうねり補正を必要とするが、風力タービンを備えた浮体式ユニット上にクレーンを設置することを必要とする。
【0005】
自身の上に設置されたクレーンを備えた浮体式風力タービンの例は、複数存在する。
【0006】
特許文献1は、クレーンが風力タービンのタワーに一時的に取り付けられた風力タービンを示している。クレーンは、タワーに沿って上下動可能である。
【0007】
特許文献2は類似したクレーンを示しており、このクレーンは、クレーンが取り付けられたタワー領域の頂部にさらなるタワー領域を設置することが可能である。
【0008】
特許文献3も、風力タービンのタワーに取り付けられて、タワーを上下に移動可能なクレーンを示している。クレーンは、風力タービンのブレードを交換するように形成されている。
【0009】
特許文献4は、タワー構造に取り付けられたさらに別のクレーンを示している。
【0010】
特許文献5は、小さいサービスクレーンがナセルの内側に配置された風力タービンを示している。ハッチが開放され、サービスクレーンが必要な場合に、ハッチを通じて、クレーンが出現することが可能である。
【0011】
特許文献6は、ナセルの頂部に配置された大型のサービスクレーンを示している。
【0012】
特許文献7は、クレーンが支援船に配置されているが、支援船は風力タービンの基礎にぶつけられる例を示している。
【0013】
特許文献8は、単一のクレーンの少なくとも一部が、船舶の上の支持構造物上に持ち上げられる支援船を示している。システムは、船舶と支持構造物との間の相対移動を補正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国特許出願公開第197 41988号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第196 47515号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/0282134号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10 2012 002720号明細書
【特許文献5】米国特許第9,120,652号明細書
【特許文献6】英国特許出願公開第2 558 242号明細書
【特許文献7】国際公開第2020/167137号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2020/043254号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
すべての既知の解決策において、特許文献7を除き、クレーンは風力タービンのタワーに配置されている。このことは、タワーが、クレーンおよびクレーンの荷物の両方を担持するように設計されなければならないことを意味している。クレーンが取り付けられることが可能な外側面も備えなければならない。さらに、クレーンのリーチはこの配置により制限され、クレーンが、ロータおよびブレードと干渉しないように注意されなければならない。
【0016】
クレーンが恒久的にタワーに取り付けられない場合、必要になるたびにクレーンを設置および除去することは、面倒である。クレーンが恒久的に取り付けられる場合、保守には手腕を問われる。
【0017】
したがって、より多用途な、クレーンを担持するように設計されたタワーを備えることなく、多様な浮体式風力タービンにおいて使用されることが可能なクレーが、必要とされている。特に重量物を持ち上げるクレーンを必要とすることなく、クレーンが容易に設置されることも、望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
これらの目的は、浮体式風力タービンのための作業および保守手段により達成され、その手段は、少なくとも1つの風力タービンユニットが据え付けられた浮体式基礎構造と、サービス作業船およびポータブルクレーンと、を備え、浮体式基礎構造は、クレーンを受容して且つ基礎構造に固定的に係止することが可能な界面を備え、サービス作業船は、船から基礎構造へとポータブルクレーンを持ち上げることが可能な船上クレーンを備えている。
【0019】
好適な実施形態においては、その手段は、風力タービンに取り付けられる風力タービンブレードまたはギアユニット等の部品を受容するためのサポートをさらに備え、そのサポートは、浮体式基礎構造の界面と結合して固定的に係止する界面を備えている。このことは、ポータブルクレーンが、波動による相対動作を考慮する必要なく、部品を持ち上げ得ることを確実にしている。
【0020】
部品が風力タービンブレードである場合、それがクレードル内に配置されることが好適であり、複数のブレードがある場合、それらは複数のクレードル内に積み重ねられる。
【0021】
部品が複数のブレードである場合、それらはクレードル内に高く積み上げられることが好適である。このことは、支援船のデッキ上のより少ない空間を占め、積み重ねはユニットとして持ち上げられることが可能である。
【0022】
都合良く、サポートはトラス梁であり、軽量であるが高強度である。
【0023】
浮体式基礎構造が少なくとも2つの円筒浮きである場合、1つの円筒浮きはポータブルクレーンを受容することが可能であり、他の1つは部品を伴ったサポートを受容する。
【0024】
支援船からポータブルクレーンを遠隔操作することにより、浮体式風力タービン上に人員が搭乗する危険性が排除される。
【0025】
浮体式風力タービンの風力タービンブレードまたはギアユニット等の部品交換の方法によれば、浮体式風力タービンの隣にサービス作業船を展開するステップと、船の船上クレーンを使用して、船から浮体式風力タービンの基礎構造上へとポータブルクレーンを持ち上げるステップと、ポータブルクレーンを基礎構造に固定的に係止するステップと、部品サポートを基礎構造上へ持ち上げるステップと、部品サポートを基礎構造へ固定的に係止するステップと、交換される部品を、ポータブルクレーンを使用して風力タービンから部品サポートへと持ち上げるステップと、部品サポートから船へと部品を持ち上げるステップと、新しい部品を部品サポート上へと持ち上げるステップと、新しい部品を風力タービン上に持ち上げて、交換されるべき部品が使用されていた位置に、新しい部品を取り付けるステップと、空のサポートを船上に持ち上げるステップと、ポータブルクレーンを、船上クレーンを使用して船上に持ち上げるステップと、含んでいる。
【0026】
風力タービンブレードの交換のために適合された好適な実施形態においては、風力タービンのロータから、ポータブルクレーンを使用してサポート上へと1つずつ摩耗したブレードを持ち上げるステップと、ブレードサポートから船上へと、積み重ねられた摩耗したブレードを持ち上げるステップと、積み重ねられた新しいブレードをブレードサポート上へと持ち上げるステップと、ポータブルクレーンを使用して、ロータへと新しいブレードを1つずつ持ち上げるステップと、を含んでいる。
【0027】
本発明は、添付図に示された例示的な実施形態により、さらに詳細にここに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】サービス作業船が浮体式風力タービンの隣に展開される場合の、本発明の配置を示した図である。
図2】船舶のデッキから持ち上げられたポータブルクレーンを示した図である。
図3】風力タービンの浮体式基礎上に搭載されたポータブルクレーンを示した図である。
図4】基礎上に搭載された風力タービンのためのサポートを示した図である。
図5】ロータからサポートへと持ち上げられた摩耗した第1のブレードを示した図である。
図6】ロータからサポートへと持ち上げられた摩耗した第2のブレードを示した図である。
図7】ロータからサポートへと持ち上げられた摩耗した第3のブレードを示した図である。
図8】サポートから船舶へと持ち上げられた、積み重ねられた摩耗したブレードを示した図である。
図9】船上に載置された、積み重ねられた摩耗したブレードを示した図である。
図10】サポート上へと持ち上げられた、積み重ねられた新しいブレードを示した図である。
図11】ロータに装着された新しいブレードを示した図である。
図12】船上へと持ち上げられたサポートおよびポータブルクレーンを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の実施形態の記載は、タービンブレードの交換を詳細に記載しているが、手段および方法は、ギアユニットまたはポータブルクレーンの持ち上げ能力を超えない重量を有する部品等の、他のタイプの保守のために使用可能であることが理解されるべきである。ポータブルクレーンは、例えば100メートルトンの持ち上げ能力を有するとされ得る。
【0030】
図1は、浮体式風力タービンユニット1を示している。このユニットは、浮体式基礎2および風力タービン3を備えている。浮体式基礎は三角形の形状であり、管状梁7により連結された3つの円筒浮き4、5、6を備えている。風力タービン2は、1つの円筒浮き5に取り付けられたタワー8、およびブレード10を備えたロータ9を備えている。
【0031】
図示された風力タービンユニットは、例示のみである。同時係属中の特許文献9に示されたような、他のデザインを有し得る。以下に記載されたクレーンを担持することが可能であることのみが、必要とされる。
【0032】
浮体式風力タービンユニット1(これ以降、「ユニット」と称される、)の隣は、支援船11である。船舶11には、船舶11に恒久的に取り付けられた船上クレーン12が備わっている。船舶は、デッキ上に貨物エリア13も備えている。図示されたように、貨物は初期的にポータブルクレーン14、トラス梁15、空の第1のセットのブレードクレードル15、およびブレード17を備えた第2のセットのブレードクレードル16であり、すべては以下に説明されている。
【0033】
船舶11はユニットの隣にアンカー留めされることが可能であるか、またはDP(自動位置決め)により所定の位置に維持され得る。
【0034】
図2から図12は、風力タービン1のブレード10を、新しいブレード17と交換する作業を段階的に示している。これは、風、雨、氷、暖房と冷房、昆虫、鳥、落雷による浸食によってブレードが摩耗するため、間隔を置いて実行する必要がある作業である。局所的な環境により、ブレードは10年ないし20年ごとに交換されなければならない。
【0035】
図2は、ブレード交換作業における第1のステップを示している。船上クレーン12は、貨物デッキ13からポータブルクレーン13の持ち上げを開始した。
【0036】
図3において、ポータブルクレーン14は、1つの円筒浮き4の頂部に載置された。円筒浮き4は、クレーン14の下側と結合可能な界面と共に備わった。クレーン14は、界面を通じて円筒浮き4上に堅固に係止されている。界面と係止手段とがどのように設計されているかは、当業者が選択するだろう。多くのオプションが、当分野において既に実施可能である。
【0037】
ポータブルクレーンは、例えば機内バッテリもしくは発電機による自身の動力供給装置を備えることが可能であるか、またはケーブルが、船舶11からクレーン14へと延びることが可能である。クレーン14は、船舶11から便利に遠隔操作されている。作業者は、そのとき安全な距離にあり、クレーン14に設置されたカメラを通じてクレーンの作業を追跡する。
【0038】
ユニット1上の所定の位置のクレーン14により、船舶11からユニットへ部品を持ち上げるために使用することが可能である。しかしながら、より便利である場合、船舶上のクレーン12も使用され得る。
【0039】
図4は、船舶から持ち上げられて円筒浮き6の頂部に設置されたトラス梁15を示している。トラス梁15と円筒浮き6との間の界面は、クレーン14と円筒浮き5との間の界面と同じとされることが可能である。トラス梁15の頂部には、2つのサポート18aおよび18bを備えた第1のクレードルが配置されている。
【0040】
ここで、作動ブレード10の除去が開始可能となる。図5において、第1のブレード10aがクレーン14によりロータ9から持ち上げられ、クレードル18a、18b内に載置される。次に、サポート18c、18dを備えた新しいクレードルが第1のクレードルの頂部に載置され、第2の摩耗したブレード10bはクレーン14によりロータ9から持ち上げられて、図6に示されたようにクレードル18c、18d内に載置される。
【0041】
最後のブレード10cは、先のブレード10bと同じ方法により持ち上げられてクレードル内に載置され、これにより、図7に示されたようにすべてのブレードが梁15の頂部に整然と積み重ねられる。
【0042】
図8に示されたように、積み重ねられたブレード10a、10b、10cは、梁15から持ち上げられて離される。これは、船上クレーン12およびポータブルクレーン14により実行されることが可能である。しかしながら、荷物が載置されるユニット上のクレーンを使用することが、全体的により便利である。これは、波の動きに合わせて荷物を降ろすよりも、荷降ろしのタイミングを計りやすいからである。
【0043】
図9において、積み重ねられた作動ブレード10a、10b、10cは、船舶11の貨物デッキ13上に載置された。
【0044】
ここで、積み重ねられた新しいブレード17が船舶11から持ち上げられて、トラス梁15上に載置される。ここで、ポータブルクレーンは、取り付けのためにナセルへとブレード17を持ち上げることが可能である。各ブレード17が持ち上げられると、静止したクレードルが船舶11の船上に持ち上げられる。
【0045】
図11において、新しいブレード17はすべて設置された。ここで、トラス梁15は船上に持ち上げられている。このことが完了した場合、クレーン14自身は解放され船上クレーン12により船上へと持ち上げられる。図12に示されたように、作業はここで完了する。船舶11は、摩耗したブレード10を荷降ろしするために港に戻り、必要に応じて、別の風力タービンのブレードを交換するために新しいブレードのスタックを船に積み込むことができる。
【0046】
トラス梁15はもちろん、プラットフォーム等の、ブレードを確実に支持する別のサポートに置換され得る。ブレードは、サポートと横並びにも配置され得る。しかしながら、デッキ上の空間を節約するので、積み重ねがより便利である。
【0047】
ポータブルクレーンの固定は、自動クランプ等を通じて浮体式基礎構造上に無人で好適に実行される。
【符号の説明】
【0048】
1 ・・・浮体式風力タービンユニット
2 ・・・浮体式基礎
3 ・・・風力タービン
4、5、6 ・・・円筒浮き
7 ・・・管状梁
8 ・・・タワー
9 ・・・ロータ
10 ・・・ブレード
11 ・・・支援船
12 ・・・船上クレーン
13 ・・・貨物デッキ
14 ・・・ポータブルクレーン
15 ・・・トラス梁
15 ・・・第1のセットのブレードクレードル
16 ・・・第2のセットのブレードクレードル
17 ・・・ブレード
18a、18b、18c、18d ・・・サポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体式風力タービンのための作業および保守手段であって、少なくとも1つの風力タービンユニット(3)が据え付けられた浮体式基礎構造(2)と、サービス作業船(11)およびポータブルクレーン(14)と、を備え、前記浮体式基礎構造(2)は、前記クレーン(14)を受容して且つ前記基礎構造(2)に固定的に係止することが可能な界面を備え、前記サービス作業船(11)は、前記船舶(11)から前記基礎構造(2)へと前記ポータブルクレーン(14)を持ち上げることが可能な船上クレーン(12)を備えている手段において、該手段は、前記風力タービン(3)に取り付けられる風力タービンブレード(10、17)またはギアユニット等の部品を受容するためのサポートをさらに備え、該サポートは、前記浮体式基礎構造(2)の界面と結合して固定的に係止する界面を備えている、手段。
【請求項2】
前記サポートは、少なくとも1つの風力タービンブレード(10、17)を受容する少なくとも1セットのクレードル(16、18)を備えている、請求項に記載の手段。
【請求項3】
少なくとも3つの風力タービンブレード(10)が、前記サポート上のクレードル(16、18)内に積み重ねられる、請求項に記載の手段。
【請求項4】
前記サポートはトラス梁(15)を備えている、請求項からのいずれか一項に記載の手段。
【請求項5】
前記浮体式基礎構造(2)は少なくとも2つの円筒浮き(4、6)を備え、各円筒浮きは、前記ポータブルクレーン(14)および前記サポートのそれぞれを受容するための界面を備えている、請求項に記載の手段。
【請求項6】
浮体式風力タービンの風力タービンブレード(10、17)またはギアユニット等の部品を交換するための方法であって、以下の
a.浮体式風力タービン(1)の隣にサービス作業船(11)を展開するステップと、
b.前記船舶の船上クレーン(12)を使用して、前記船舶(11)から前記浮体式風力タービンの基礎構造(2)上へとポータブルクレーン(14)を持ち上げるステップと、
c.前記ポータブルクレーン(14)を前記基礎構造(2)に固定的に係止するステップと、
d.部品サポート(15)を前記基礎構造上へ持ち上げるステップと、
e.前記部品サポートを前記基礎構造へ固定的に係止するステップと、
f.交換される部品を、前記ポータブルクレーン(14)を使用して前記風力タービンから前記部品サポートへと持ち上げるステップと、
g.前記部品サポートから前記船舶(11)へと前記部品を持ち上げるステップと、
h.新しい部品を前記部品サポート上へと持ち上げるステップと、
i.前記新しい部品を前記風力タービン(1)上に持ち上げて、交換されるべき前記部品が使用されていた位置に、前記新しい部品を取り付けるステップと、
j.空の前記サポートを前記船舶(11)上に持ち上げるステップと、
k.前記ポータブルクレーン(14)を、前記船上クレーン(12)を使用して前記船舶上に持ち上げるステップと、
を含んでいる方法。
【請求項7】
前記部品は風力タービンブレード(10)のセットであり、
l.前記ステップf.において特定された持ち上げは、前記風力タービン(3)のロータ(9)から、前記ポータブルクレーン(14)を使用して前記サポート上へと1つずつ摩耗したブレード(10)を持ち上げるステップを含み、
m.前記ステップg.において特定された持ち上げは、前記ブレードサポートから前記船舶(11)上へと、積み重ねられた前記摩耗したブレード(10)を持ち上げるステップを含み、
n.前記ステップh.において特定された持ち上げは、積み重ねられた新しいブレード(17)を前記ブレードサポート上へと持ち上げるステップを含み、
o.前記ステップi.において特定された持ち上げは、前記ポータブルクレーン(14)を使用して、前記ロータ(9)へと前記新しいブレード(17)を1つずつ持ち上げるステップを含んでいる、請求項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮体式風力タービンのための作業および保守手段、ならびに浮体式風力タービンの風力タービンブレードおよびギアユニットを交換する等の、主構成要素交換を実施するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋におけるクレーン作業は、特に作業が実行されるユニットが浮体式ユニットである場合に、手腕を問われる。これを実行するために、原則として2つの方法が存在する。1つ目は、浮体式ユニットの隣に適切なクレーンを備えた船舶を展開し、このクレーンを使用して船舶(または別の船舶)と浮体式ユニットとの間で物体を移動させることである。2つ目の方法は、浮体式ユニット上にクレーンを配置し、このクレーンを使用して、支援船と浮体式ユニットとの間で物体を移動させ、同様に浮体式ユニット上での設置等の作業を実行することである。
【0003】
1つ目の選択肢においては、すべての作業は、船舶とユニットとの両方が波動により移動する間に実行されなければならない。このことは、洗練されたうねり補正を必要とし、比較的静かな状態の際にのみ実行されることが可能である。
【0004】
2つ目の選択肢は、船舶の荷積みまたは荷降ろしの際のみにうねり補正を必要とするが、風力タービンを備えた浮体式ユニット上にクレーンを設置することを必要とする。
【0005】
自身の上に設置されたクレーンを備えた浮体式風力タービンの例は、複数存在する。
【0006】
特許文献1は、クレーンが風力タービンのタワーに一時的に取り付けられた風力タービンを示している。クレーンは、タワーに沿って上下動可能である。
【0007】
特許文献2は類似したクレーンを示しており、このクレーンは、クレーンが取り付けられたタワー領域の頂部にさらなるタワー領域を設置することが可能である。
【0008】
特許文献3も、風力タービンのタワーに取り付けられて、タワーを上下に移動可能なクレーンを示している。クレーンは、風力タービンのブレードを交換するように形成されている。
【0009】
特許文献4は、タワー構造に取り付けられたさらに別のクレーンを示している。
【0010】
特許文献5は、小さいサービスクレーンがナセルの内側に配置された風力タービンを示している。ハッチが開放され、サービスクレーンが必要な場合に、ハッチを通じて、クレーンが出現することが可能である。
【0011】
特許文献6は、ナセルの頂部に配置された大型のサービスクレーンを示している。
【0012】
特許文献7は、クレーンが支援船に配置されているが、支援船は風力タービンの基礎にぶつけられる例を示している。
【0013】
特許文献8は、単一のクレーンの少なくとも一部が、船舶の上の支持構造物上に持ち上げられる支援船を示している。システムは、船舶と支持構造物との間の相対移動を補正する。
【0014】
特許文献9は、船から洋上風力タービン発電機の一部にクレーンを設置するための方法に関連しており、撤去可能なクレーンアダプタが、洋上風力タービン発電機の一部への第1のカップリングを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】独国特許出願公開第197 41988号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第196 47515号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/0282134号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10 2012 002720号明細書
【特許文献5】米国特許第9,120,652号明細書
【特許文献6】英国特許出願公開第2 558 242号明細書
【特許文献7】国際公開第2020/167137号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2020/043254号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2020/043256号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2012/038487号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
すべての既知の解決策において、特許文献7を除き、クレーンは風力タービンのタワーに配置されている。このことは、タワーが、クレーンおよびクレーンの荷物の両方を担持するように設計されなければならないことを意味している。クレーンが取り付けられることが可能な外側面も備えなければならない。さらに、クレーンのリーチはこの配置により制限され、クレーンが、ロータおよびブレードと干渉しないように注意されなければならない。
【0017】
クレーンが恒久的にタワーに取り付けられない場合、必要になるたびにクレーンを設置および除去することは、面倒である。クレーンが恒久的に取り付けられる場合、保守には手腕を問われる。
【0018】
したがって、より多用途な、クレーンを担持するように設計されたタワーを備えることなく、多様な浮体式風力タービンにおいて使用されることが可能なクレーが、必要とされている。特に重量物を持ち上げるクレーンを必要とすることなく、クレーンが容易に設置されることも、望まれている。
【0019】
さらに、特許文献10は、洋上タワーの設置工程を記載しており、重力式構造物が海底に載置され、クレーンはこの構造物上に載置される。この公報は水中に浮揚する半浸漬基礎構造を記載していない。さらに、クレーンが重力式構造物上に載置されるので、この解決策は、クレーンと基礎との間の波動に起因した相対移動を一切考慮していない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
これらの目的は、浮体式風力タービンのための作業および保守手段により達成され、その手段は、少なくとも1つの風力タービンユニットが据え付けられた浮体式基礎構造と、サービス作業船およびポータブルクレーンと、を備え、浮体式基礎構造は、クレーンを受容して且つ基礎構造に固定的に係止することが可能な界面を備え、サービス作業船は、船から基礎構造へとポータブルクレーンを持ち上げることが可能な船上クレーンを備えている。
【0021】
好適な実施形態においては、その手段は、風力タービンに取り付けられる風力タービンブレードまたはギアユニット等の部品を受容するためのサポートをさらに備え、そのサポートは、浮体式基礎構造の界面と結合して固定的に係止する界面を備えている。このことは、ポータブルクレーンが、波動による相対動作を考慮する必要なく、部品を持ち上げ得ることを確実にしている。
【0022】
部品が風力タービンブレードである場合、それがクレードル内に配置されることが好適であり、複数のブレードがある場合、それらは複数のクレードル内に積み重ねられる。
【0023】
部品が複数のブレードである場合、それらはクレードル内に高く積み上げられることが好適である。このことは、支援船のデッキ上のより少ない空間を占め、積み重ねはユニットとして持ち上げられることが可能である。
【0024】
都合良く、サポートはトラス梁であり、軽量であるが高強度である。
【0025】
浮体式基礎構造が少なくとも2つの円筒浮きである場合、1つの円筒浮きはポータブルクレーンを受容することが可能であり、他の1つは部品を伴ったサポートを受容する。
【0026】
支援船からポータブルクレーンを遠隔操作することにより、浮体式風力タービン上に人員が搭乗する危険性が排除される。
【0027】
浮体式風力タービンの風力タービンブレードまたはギアユニット等の部品交換の方法によれば、浮体式風力タービンの隣にサービス作業船を展開するステップと、船の船上クレーンを使用して、船から浮体式風力タービンの基礎構造上へとポータブルクレーンを持ち上げるステップと、ポータブルクレーンを基礎構造に固定的に係止するステップと、部品サポートを基礎構造上へ持ち上げるステップと、部品サポートを基礎構造へ固定的に係止するステップと、交換される部品を、ポータブルクレーンを使用して風力タービンから部品サポートへと持ち上げるステップと、部品サポートから船へと部品を持ち上げるステップと、新しい部品を部品サポート上へと持ち上げるステップと、新しい部品を風力タービン上に持ち上げて、交換されるべき部品が使用されていた位置に、新しい部品を取り付けるステップと、空のサポートを船上に持ち上げるステップと、ポータブルクレーンを、船上クレーンを使用して船上に持ち上げるステップと、含んでいる。
【0028】
風力タービンブレードの交換のために適合された好適な実施形態においては、風力タービンのロータから、ポータブルクレーンを使用してサポート上へと1つずつ摩耗したブレードを持ち上げるステップと、ブレードサポートから船上へと、積み重ねられた摩耗したブレードを持ち上げるステップと、積み重ねられた新しいブレードをブレードサポート上へと持ち上げるステップと、ポータブルクレーンを使用して、ロータへと新しいブレードを1つずつ持ち上げるステップと、を含んでいる。
【0029】
本発明は、添付図に示された例示的な実施形態により、さらに詳細にここに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】サービス作業船が浮体式風力タービンの隣に展開される場合の、本発明の配置を示した図である。
図2】船舶のデッキから持ち上げられたポータブルクレーンを示した図である。
図3】風力タービンの浮体式基礎上に搭載されたポータブルクレーンを示した図である。
図4】基礎上に搭載された風力タービンのためのサポートを示した図である。
図5】ロータからサポートへと持ち上げられた摩耗した第1のブレードを示した図である。
図6】ロータからサポートへと持ち上げられた摩耗した第2のブレードを示した図である。
図7】ロータからサポートへと持ち上げられた摩耗した第3のブレードを示した図である。
図8】サポートから船舶へと持ち上げられた、積み重ねられた摩耗したブレードを示した図である。
図9】船上に載置された、積み重ねられた摩耗したブレードを示した図である。
図10】サポート上へと持ち上げられた、積み重ねられた新しいブレードを示した図である。
図11】ロータに装着された新しいブレードを示した図である。
図12】船上へと持ち上げられたサポートおよびポータブルクレーンを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の実施形態の記載は、タービンブレードの交換を詳細に記載しているが、手段および方法は、ギアユニットまたはポータブルクレーンの持ち上げ能力を超えない重量を有する部品等の、他のタイプの保守のために使用可能であることが理解されるべきである。ポータブルクレーンは、例えば100メートルトンの持ち上げ能力を有するとされ得る。
【0032】
図1は、浮体式風力タービンユニット1を示している。このユニットは、浮体式基礎2および風力タービン3を備えている。浮体式基礎は三角形の形状であり、管状梁7により連結された3つの円筒浮き4、5、6を備えている。風力タービン2は、1つの円筒浮き5に取り付けられたタワー8、およびブレード10を備えたロータ9を備えている。
【0033】
図示された風力タービンユニットは、例示のみである。同時係属中の特許文献9に示されたような、他のデザインを有し得る。以下に記載されたクレーンを担持することが可能であることのみが、必要とされる。
【0034】
浮体式風力タービンユニット1(これ以降、「ユニット」と称される、)の隣は、支援船11である。船舶11には、船舶11に恒久的に取り付けられた船上クレーン12が備わっている。船舶は、デッキ上に貨物エリア13も備えている。図示されたように、貨物は初期的にポータブルクレーン14、トラス梁15、空の第1のセットのブレードクレードル18、およびブレード17を備えた第2のセットのブレードクレードル16であり、すべては以下に説明されている。
【0035】
船舶11はユニットの隣にアンカー留めされることが可能であるか、またはDP(自動位置決め)により所定の位置に維持され得る。
【0036】
図2から図12は、風力タービン1のブレード10を、新しいブレード17と交換する作業を段階的に示している。これは、風、雨、氷、暖房と冷房、昆虫、鳥、落雷による浸食によってブレードが摩耗するため、間隔を置いて実行する必要がある作業である。局所的な環境により、ブレードは10年ないし20年ごとに交換されなければならない。
【0037】
図2は、ブレード交換作業における第1のステップを示している。船上クレーン12は、貨物デッキ13からポータブルクレーン14の持ち上げを開始した。
【0038】
図3において、ポータブルクレーン14は、1つの円筒浮き4の頂部に載置された。円筒浮き4は、クレーン14の下側と結合可能な界面と共に備わった。クレーン14は、界面を通じて円筒浮き4上に堅固に係止されている。界面と係止手段とがどのように設計されているかは、当業者が選択するだろう。多くのオプションが、当分野において既に実施可能である。
【0039】
ポータブルクレーンは、例えば機内バッテリもしくは発電機による自身の動力供給装置を備えることが可能であるか、またはケーブルが、船舶11からクレーン14へと延びることが可能である。クレーン14は、船舶11から便利に遠隔操作されている。作業者は、そのとき安全な距離にあり、クレーン14に設置されたカメラを通じてクレーンの作業を追跡する。
【0040】
ユニット1上の所定の位置のクレーン14により、船舶11からユニットへ部品を持ち上げるために使用することが可能である。しかしながら、より便利である場合、船舶上のクレーン12も使用され得る。
【0041】
図4は、船舶から持ち上げられて円筒浮き6の頂部に設置されたトラス梁15を示している。トラス梁15と円筒浮き6との間の界面は、クレーン14と円筒浮き5との間の界面と同じとされることが可能である。トラス梁15の頂部には、2つのサポート18aおよび18bを備えた第1のクレードルが配置されている。
【0042】
ここで、作動ブレード10の除去が開始可能となる。図5において、第1のブレード10aがクレーン14によりロータ9から持ち上げられ、クレードル18a、18b内に載置される。次に、サポート18c、18dを備えた新しいクレードルが第1のクレードルの頂部に載置され、第2の摩耗したブレード10bはクレーン14によりロータ9から持ち上げられて、図6に示されたようにクレードル18c、18d内に載置される。
【0043】
最後のブレード10cは、先のブレード10bと同じ方法により持ち上げられてクレードル内に載置され、これにより、図7に示されたようにすべてのブレードが梁15の頂部に整然と積み重ねられる。
【0044】
図8に示されたように、積み重ねられたブレード10a、10b、10cは、梁15から持ち上げられて離される。これは、船上クレーン12およびポータブルクレーン14により実行されることが可能である。しかしながら、荷物が載置されるユニット上のクレーンを使用することが、全体的により便利である。これは、波の動きに合わせて荷物を降ろすよりも、荷降ろしのタイミングを計りやすいからである。
【0045】
図9において、積み重ねられた作動ブレード10a、10b、10cは、船舶11の貨物デッキ13上に載置された。
【0046】
ここで、積み重ねられた新しいブレード17が船舶11から持ち上げられて、トラス梁15上に載置される。ここで、ポータブルクレーンは、取り付けのためにナセルへとブレード17を持ち上げることが可能である。各ブレード17が持ち上げられると、静止したクレードルが船舶11の船上に持ち上げられる。
【0047】
図11において、新しいブレード17はすべて設置された。ここで、トラス梁15は船上に持ち上げられている。このことが完了した場合、クレーン14自身は解放され船上クレーン12により船上へと持ち上げられる。図12に示されたように、作業はここで完了する。船舶11は、摩耗したブレード10を荷降ろしするために港に戻り、必要に応じて、別の風力タービンのブレードを交換するために新しいブレードのスタックを船に積み込むことができる。
【0048】
トラス梁15はもちろん、プラットフォーム等の、ブレードを確実に支持する別のサポートに置換され得る。ブレードは、サポートと横並びにも配置され得る。しかしながら、デッキ上の空間を節約するので、積み重ねがより便利である。
【0049】
ポータブルクレーンの固定は、自動クランプ等を通じて浮体式基礎構造上に無人で好適に実行される。
【符号の説明】
【0050】
1 ・・・浮体式風力タービンユニット
2 ・・・浮体式基礎
3 ・・・風力タービン
4、5、6 ・・・円筒浮き
7 ・・・管状梁
8 ・・・タワー
9 ・・・ロータ
10 ・・・ブレード
11 ・・・支援船
12 ・・・船上クレーン
13 ・・・貨物デッキ
14 ・・・ポータブルクレーン
15 ・・・トラス梁
15 ・・・第1のセットのブレードクレードル
16 ・・・第2のセットのブレードクレードル
17 ・・・ブレード
18a、18b、18c、18d ・・・サポート
【国際調査報告】