(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】半径方向加速度信号からタイヤ接触長を識別するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B60C 19/00 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
B60C19/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558959
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 US2022023295
(87)【国際公開番号】W WO2022231782
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サムス,トーマス アンソニー
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131LA06
3D131LA21
(57)【要約】
【解決手段】 車両取り付けタイヤに作用する少なくとも1つの力を推定するためのシステム及び方法が、本明細書に開示される。タイヤ取り付け加速度センサ(118)のサンプリングされた出力からタイヤ半径方向におけるタイヤの加速度波形(150)を検出する。タイヤ半径方向における加速度波形を積分して速度波形を生成する(ステップ220)。速度波形における少なくとも第1及び第2のピークから接地中のサンプルの数を計算し、計算された接地中のサンプルの数、タイヤ取り付け加速度センサの出力のサンプリングレート、及び車両の速度に少なくとも基づいて、接地長を計算する。少なくとも計算された接地長(166)から、タイヤに作用する少なくとも1つの力を推定し、タイヤに作用する推定された少なくとも1つの力に対応する出力信号を生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの力を推定するためのコンピュータ実装方法(200)であって、前記方法が、
a)タイヤ取り付け加速度センサ(118)のサンプリングされた出力からタイヤ半径方向におけるタイヤの加速度波形を検出すること(210)と、
b)前記タイヤ半径方向における前記加速度波形を積分して速度波形を生成すること(220)と、
c)前記速度波形における少なくとも第1及び第2のピークから接地中のサンプルの数を計算すること(230)と、
d)計算された前記接地中のサンプルの数、前記タイヤ取り付け加速度センサの前記出力のサンプリングレート、及び前記車両の速度に少なくとも基づいて、接地長を計算すること(240)と、
e)計算された前記接地長から、前記タイヤに作用する少なくとも1つの力を推定すること(250)と、
f)前記タイヤに作用する推定された前記少なくとも1つの力に対応する出力信号を生成すること(270)と、を含む、コンピュータ実装方法(200)。
【請求項2】
前記タイヤのインナーライナを横切って横方向に取り付けられた複数の加速度センサの各々に対してステップa)~f)の各々を実行すること(260)と、
前記複数の加速度センサのうちの2つ以上の間のそれぞれの幅に関する接地長の変化を計算すること(262)と、
前記複数の加速度センサのうちの2つ以上の間のそれぞれの幅に関する計算された前記接地長の変化に基づいて、前記タイヤにかかる前記少なくとも1つの力を推定すること(264)と、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
推定された前記少なくとも1つの力が、前記タイヤのスリップ角及び傾斜角のうちの1つ以上を含む(264)、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記タイヤに作用する推定された前記少なくとも1つの力が、負荷を含み(250)、
前記接地長と、前記車両の前記速度と、前記タイヤに作用する前記負荷との間の関係を表す少なくとも1つのマップが、予め決定され、取り出し可能に記憶され、
ステップe)において、前記タイヤに作用する前記負荷は、計算された前記接地長と、前記車両の前記速度と、前記マップとから推定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記出力信号が、前記車両のユーザに表示するために、前記車両に関連付けられたユーザインターフェースに提供される(272)、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記出力信号が、フリート管理テレマティクスプラットフォームを介してリモートコンピューティングデバイスに関連付けられたユーザインターフェースに提供される(274)、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記出力信号が車両制御ユニットに提供される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
推定された前記負荷が、タイヤ摩耗検出モデルへの入力として利用される(276)、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
推定された前記負荷が、タイヤトラクション検出モデルへの入力として利用される(278)、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
推定された前記負荷が、タイヤ耐久性及び健全性モデルへの入力として利用される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの力を推定するためのシステム(100)であって、前記システムが、
タイヤ半径方向におけるタイヤのサンプリングされた加速度に対応する出力信号を生成するように構成されたタイヤ取り付け加速度センサ(118)と、
前記タイヤ取り付け加速度センサと通信するようにリンクされ、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法(200)における動作の実行を指示するように更に構成されたコントローラ(102、130、140)と、を備える、システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、車輪付き自動車のタイヤの性能面の定量化に関する。より詳細には、本明細書に開示されるシステム、方法、及び関連するアルゴリズムは、タイヤ取り付けセンサからの半径方向加速信号に少なくとも部分的に基づいて、自動二輪車、民生用車両(例えば、乗用車及び軽トラック)、商用車及びオフロード(off-road、OTR)車両を含むがこれらに限定されない車輪付き自動車のタイヤの接地長の識別に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ接地面は、タイヤ性能の最も有用な指標のうちの1つである。これは、タイヤの負荷、傾斜角、及びスリップ角などの特定の動作条件に直接関連付けることができる。これらは全て、タイヤの摩耗、健全性及びトラクションポテンシャルを理解するために極めて重要な情報である。
【0003】
そのような性能測定値の予測は、特にフリート管理の文脈において、車両を所有又は操作する者にとって重要なツールである。タイヤが使用されるとき、トレッドが徐々に浅くなり、タイヤ全体の性能が変化することが通常である。タイヤトレッドが不十分であると危険な運転状態が生じる可能性があるので、ある時点でタイヤ状態を認識することが重要になる。例えば、道路状況が最適でない場合、タイヤは道路をグリップすることができない可能性があり、ドライバは自分の車両の制御を失う可能性がある。一般的に言えば、タイヤトレッドが浅ければ浅いほど、ドライバは、雨、雪などの中で運転するときにトラクションを失いやすくなり得る。
【0004】
大型トラックなどの車両についての典型的な車載センサ測定値は、車両速度、半径方向加速度、周囲温度、タイヤ膨張圧力、及びタイヤ含有空気温度(contained air temperature、CAT)を含み得る。これらの測定値は、それらを摩耗及び耐久性などのより高次の予測に拡張するときに全てが重要である。しかしながら、最も重要な情報の1つがまだ通常は欠けており、それはタイヤに作用する負荷であり、そのための従来のセンサは、法外に高価であり、かつ/又は信頼できない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムにおける前述の欠陥を考慮して、タイヤの接触長を決定するための本明細書に開示されるアプローチは、タイヤの摩耗、耐久性、トラクション、及び他の性能基準を理解するために極めて重要である、例えば、タイヤに作用する負荷などの動作状態指標を推定するために実装され得る。
【0006】
概括的に述べると、本開示のシステム及び方法は、タイヤへの負荷に直接相関され得る、タイヤの接触長を推定するために使用されてもよい。高周波加速度計データ(>1kHz)は、好ましくは、タイヤ取り付けセンサ(tire-mounted sensor、TMS)を用いて取得され得る。このデータが取得されると、アルゴリズムが、接地面の開始及び終了を決定し、次いで、接地面の開始及び終了を、タイヤの回転速度について補正し、最後に、記憶されたルックアップテーブル又は相関式を介してなど、マッピング関係を介して負荷を推定する。
【0007】
本方法の様々な実施形態は、接触長推定のための従来のツールを望ましく改善することができる。なぜなら、本方法は、センサ出力データ内のノイズの多いピークのためのフィルタとして機能するとともに、接触の開始及び終了の両方を識別するためのロバストな方法を提供するからである。
【0008】
本明細書に開示されるコンピュータ実装方法の第1の例示的な実施形態は、車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの力を推定するために提供され得る。この方法は、タイヤ取り付け加速度センサのサンプリングされた出力からタイヤ半径方向におけるタイヤの加速度波形を検出し、次いで、このタイヤ半径方向における加速度波形を積分して速度波形を生成することを含む。速度波形における少なくとも第1及び第2のピークから接地中のサンプルの数を計算し、更に、計算された接地中のサンプルの数、タイヤ取り付け加速度センサの出力のサンプリングレート、及び車両の速度に少なくとも基づいて、接地長を計算することができる。計算された接地長から、タイヤに作用する少なくとも1つの力を推定することができ、タイヤに作用する推定された少なくとも1つの力に対応する出力信号を生成する。
【0009】
第2の実施形態では、上記で参照した第1の実施形態による例示的な態様が、上記で参照した実施形態によるステップの各々が、タイヤのインナーライナを横切って横方向に取り付けられた複数の加速度センサの各々に対して実行されてもよく、接地長の変化が、複数の加速度センサのうちの2つ以上の間のそれぞれの幅に関して計算されてもよいことを含むことができる。更に、複数の加速度センサのうちの2つ以上の間のそれぞれの幅に関する接地長の計算された変化に基づいて、タイヤにかかる1つ以上の力を推定することができる。
【0010】
第3の実施形態では、上記で参照した第1又は第2の実施形態による例示的な態様が、タイヤに作用する推定された1つ以上の力が、タイヤのスリップ角及び/又は傾斜角を含むことを含むことができる。
【0011】
第4の実施形態では、上記で参照した第1~第3の実施形態による例示的な態様が、接地長と、車両の速度と、タイヤに作用する負荷との間の関係を表す少なくとも1つのマップが、予め決定され、取り出し可能に記憶されることを含むことができる。したがって、計算された接地長と、車両の速度と、少なくとも1つのマップとから、タイヤに作用する負荷を推定することができる。
【0012】
様々な実施形態では、上記で参照した第1~第4の実施形態による例示的な態様が、出力信号が、車両のユーザに表示するために車両に関連付けられたユーザインターフェース、及び/又はフリート管理テレマティクスプラットフォームを介してリモートコンピューティングデバイスに関連付けられたユーザインターフェース、及び/又は車両制御ユニットに提供され得ることを更に含むことができる。
【0013】
出力信号が車両制御ユニットに提供される場合、推定された負荷は、例えば、タイヤ摩耗検出モデル、及び/若しくはタイヤトラクション検出モデル、並びに/又はタイヤ耐久性及び健全性モデルへの入力として利用され得る。
【0014】
本明細書に開示される別の実施形態では、車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも負荷を推定するためのシステムが提供される。このシステムは、タイヤ半径方向におけるタイヤのサンプリングされた加速度に対応する出力信号を生成するように構成されたタイヤ取り付け加速度センサと、タイヤ取り付け加速度センサと通信するようにリンクされたコントローラと、を備える。コントローラは、上記で参照した第1~第4の実施形態のいずれか、及び任意選択で、第1~第4の実施形態による更なる上記で参照した態様のうちのいずれか1つ以上による方法におけるステップの実行を指示するように更に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態をより詳細に例解する。
【
図1】
図1は、本明細書に開示されるタイヤ負荷推定システムの一実施形態を表すブロック図である。
【
図2】
図2は、本明細書に開示されるタイヤ負荷推定方法の一実施形態を表すフローチャートである。
【
図3】
図3は、例示的な半径方向加速度波形を表すグラフ図である。
【
図4】
図4は、
図3の半径方向加速度波形の積分から得られる例示的な波形を表すグラフ図である。
【
図5】
図5は、計算された接地(フットプリント)長さと、タイヤに作用する負荷と、タイヤが取り付けられた車両の速度との間の例示的なマッピング関係を表すグラフ図である。
【
図6】
図6は、車両上試験のための本明細書に開示される方法の一実施形態を使用した負荷推定結果を表すグラフ図である。
【
図7】
図7は、フラットベルト試験のための本明細書に開示される方法の一実施形態を使用した負荷推定結果を表すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概して
図1~
図7を参照して、発明の様々な例示的な実施形態をここで詳細に説明することができる。様々な図が、様々な共通の要素及び特徴を他の実施形態と共有する実施形態を説明することがある場合、同様の要素及び特徴は同じ参照番号を与えられ、その重複する説明は以下で省略されることがある。
【0017】
本明細書に開示されるシステムの様々な実施形態は、本明細書に開示されるモデルを効果的に実装するために、(例えば、個々の車両に関連付けられる)複数の分散データコレクタ及びコンピューティングノードと機能的に通信する中央集中型コンピューティングノード(例えば、クラウドサーバ)を含み得る。最初に
図1を参照すると、システム100の例示的な実施形態は、データ取得デバイス102を含み、これは車両に搭載され、少なくともデータを取得し、前出のデータを1つ以上の下流コンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ130)に送信して、本明細書に開示されるように関連する計算を実行するように構成されている。データ取得デバイスは、例えばタイヤの半径方向加速度、含有空気温度及び/又は内部空気圧力に対応する信号などの未処理の測定信号を収集し、そのような信号を下流コンピューティングデバイスに連続的又は選択的に送信するように適切に構成されたスタンドアロンのセンサユニット(図示せず)であってもよい。データ取得デバイス102は、1つ以上の分散型センサと通信するオンボードコンピューティングデバイス102を含み得、これは、分散型車両データ収集及び制御システムの一部としてポータブル又はモジュール式であり、あるいは、中央車両データ収集制御システムに対して一体型で提供されてもよい。データ取得デバイス102は、プロセッサ104と、プログラム論理108が常駐するメモリ106とを含み得、様々な実施形態では、車両電子制御ユニット(electronic control unit、ECU)又はその構成要素を含み得、又はそうでない場合、例えば恒久的に、本質的にディスクリートであり得、又は車両マウントに対して着脱可能に設けられ得る。
【0018】
一般的に言及すると、本明細書に開示されるシステム100は、1つ以上の車両にわたって分散された多数の構成要素を実装することができ、例えば、必ずしもフリート管理エンティティに関連付けられるわけではないが、更に、通信ネットワークを介して車両モータの各々と機能的に通信する中央サーバネットワーク又は事象駆動型サーバレスプラットフォームを実装することができる。
【0019】
図示された実施形態は、本発明の範囲を特に限定することなく、タイヤ取り付けセンサユニット118、周囲温度センサ112、例えば車両に関連付けられた加速度データを収集するように構成された車両速度センサ114、全地球測位システム(global positioning system、GPS)トランスポンダなどの位置センサ116、及びDC電源110を例示の目的で含むことができる。タイヤ取り付けセンサユニット118は、限定はしないが、半径方向加速度、含有空気温度、膨張圧力などを含むタイヤ状態に対応する出力信号を生成するように構成された1つ以上のセンサを含むことができ、そのようなセンサは、そのような信号を提供するために当業者に知られている様々な形態のいずれかをとることができる。様々なバスインターフェース、プロトコル、及び関連ネットワークは、それぞれのデータソースとローカルコンピューティングデバイス102との間の通信に関して当技術分野で周知であり、当業者であれば、そのようなツール及びそれを実装するための手段の広範囲を認識するであろう。
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書にて開示されるデータ取得デバイス及び同等のデータソースは、必ずしも車両固有センサ及び/又はゲートウェイデバイスに限定されず、サードパーティエンティティ及び関連ネットワーク、ドライバインターフェースなどのユーザコンピューティングデバイス上に常駐するプログラムアプリケーション、フリート管理インターフェース、並びに本明細書に開示されるアルゴリズム及びモデルに適切であると考えられ得るような、任意の企業デバイス又はログデータの生ストリームの他のプロバイダも含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、様々なセンサ112、114、116、118のうちの1つ以上は、例えば、セルラ通信ネットワークを介して、又は車両のユーザが携行するモバイルコンピューティングデバイス(図示せず)を介して、ローカル車載デバイス又はゲートウェイ構成要素を用いずに下流プラットフォームと通信するように構成され得る。
【0022】
システムは、例えば、フリート管理サーバ若しくは他のユーザコンピューティングデバイス140上に常駐する追加の分散されたプログラム論理、又は(例えば、視覚及び/若しくは音声インジケータを介した)リアルタイム通知のための車両に常駐するか、若しくはそのドライバと関連付けられたデバイス(図示せず)のユーザインターフェースを含み得、フリート管理デバイスは、いくつかの実施形態では、通信ネットワークを介してオンボードデバイスに機能的にリンクしている。システムプログラミング情報は、例えば、ドライバによって、又はフリートマネージャによってオンボードで提供され得る。
【0023】
本明細書で使用される「ユーザインターフェース」という用語は、特に明記されていない限り、ユーザデバイスが、本明細書に開示される処理ユニット、サーバ、デバイス、などに対してユーザ対話を容易にする任意の入出力モジュールを含み得、限定されるものではないが、ダウンロードされた、又はそうでない場合、常駐するプログラムアプリケーション、ウェブブラウザ、個々のウェブページ又はホストされるホストされるウェブサイトを集合的に規定するウェブページなどのようなウェブポータル、などを含む。ユーザインターフェースは、パーソナルモバイルコンピューティングデバイスに関して、ボタン及びディスプレイ部分の文脈で更に説明され得、これらは、独立して配置され得るか又はそうでない場合、例えば、タッチスクリーンに対して相互に関連付けられ得、更に音声及び/又は明示的なユーザ対話機能を用いない視覚的な入出力機能を含み得る。
【0024】
車両及びタイヤセンサ112、114、116、118、などには、一実施形態では一意の識別子が更に提供されてもよく、その場合、オンボードデバイスプロセッサは、同じ車両上のそれぞれのセンサから提供される信号を区別することができ、更に特定の実施形態においては、中央処理ユニット及び/又はフリートメンテナンス監督クライアントデバイスは、タイヤ、並びに関連する車両及び/又は複数の車両にわたるタイヤセンサから提供される信号を区別することができる。換言すれば、センサ出力値は、様々な実施形態において、本明細書に開示されるような計算のために、搭載又はリモート/下流のデータストレージ及び実装を目的として、特定のタイヤ、特定の車両、及び/又は特定のタイヤ車両システムと関連付けられてもよい。オンボードデータ取得デバイス102は、
図1に示されるように、下流処理ステージ130と直接通信することができるか、又は、代替的に、運転手のモバイルデバイス又はトラックに搭載されたコンピューティングデバイスは、オンボードデバイス出力データを受信して処理し、1つ以上の下流処理ユニットに送信するように構成されてもよい。
【0025】
タイヤ取り付けセンサ118から受信された生の信号は、本明細書に開示される方法による計算の必要に応じて、選択的な取り出し及びデータパイプラインステージを介した送信のために、オンボードデバイスメモリ106、又はオンボードデバイスプロセッサ104に機能的にリンクされた同等のローカルデータストレージネットワークに記憶され得る。本明細書で使用されるローカル又は下流「データストレージネットワーク」は、データを記憶し、そこからデータを選択的に取り出すことができるように構成された個別の、中央集中型の、又は分散型の論理的及び/又は物理的エンティティを一般に指し、例えば、これに限定されないが、メモリ、ルックアップテーブル、ファイル、レジスタ、データベース、データベースサービス、などを含むことができる。いくつかの実施形態では、様々なセンサ112、114、116、118からの生データ信号は、車両からサーバ132などの下流処理ユニットに実質的にリアルタイムで通信され得る。代替的に、高周波データの連続データ送信における固有の非効率を特に考慮して、データは、例えば、車両から適切な(例えば、セルラ)通信ネットワークを介した処理ユニットへのより効率的な(例えば、周期的な時間ベースの、又は代替的に規定された事象ベースの)送信のためにコンパイル、符号化、及び/又は要約されてもよい。
【0026】
車両データ及び/又はタイヤデータは、通信ネットワークを介して下流サーバ132又は同等の処理システムに送信されると、例えば、そこに関連付けられたデータベース134に記憶され得、1つ以上の本明細書に開示されるようなアルゴリズム的モデルを介して処理のために更に処理され得るか、又は、入力として取り出し可能になり得る。モデルは、少なくとも部分的にプロセッサの実行を介して実装されてもよく、車両データ及び/又はタイヤデータの選択的取り出しを可能にすることができ、更に処理ユニットに関連付けて保存されているデータベース、ルックアップテーブル、などからの任意の追加のデータ又はアルゴリズムを入力するための電子通信を可能にする。
【0027】
次に以下で
図2~
図5を参照して、車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの力を推定するための方法200の一実施形態を説明する。
【0028】
図3を例示的に参照すると、例示的な方法200の第1のステップ210は、タイヤ取り付け加速度センサ118のサンプリングされた出力からタイヤ半径方向におけるタイヤの加速度波形150を検出することを含む。一実施形態では、サンプリングされた出力は高周波加速度計データ(例えば、>1kHz)を含むが、本明細書に開示される方法は、特に明記しない限り、そのように限定されない。
【0029】
次に、タイヤ半径方向における加速度波形を積分して速度波形を生成することができ(ステップ220)、速度波形における少なくとも第1及び第2のピークから接地中のサンプルの数を計算する(ステップ230)。
図4を例示的に参照すると、速度(積分された加速度)プロファイル160の物理的理解から、当業者は、接地面(フットプリント)166の入口及び出口が、それぞれピーク162及び164に対応するものとして識別可能であることを理解されよう。積分された加速度計信号のピーク162とピーク164との間のサンプルの数の差が決定されてもよく、したがって、フットプリント領域166においてとられたサンプルの数に対応する。例えば、従来の技法に対する、そのようなステップの1つの特定の利点は、積分が、加速度計データ150内のノイズの多いピークをフィルタにかけるフィルタとして働くことであり得る。
【0030】
次のステップ240において、更に、計算された接地中のサンプルの数、タイヤ取り付け加速度センサの出力のサンプリングレート、及び車両の速度に少なくとも基づいて、接地面166の長さを計算することができる。
【0031】
少なくとも計算された接地長から、タイヤに作用する少なくとも1つの力を推定することができる(ステップ250)。少なくとも1つの力は、例えば、計算された接地長、タイヤ内部膨張圧力、及び車両の速度を少なくとも使用して推定された、タイヤに作用する半径方向負荷であり得る。一実施形態では、少なくとも1つのマップ(例えば、ルックアップテーブル、相関式など)が予め決定され、取り出し可能に記憶されてもよく、マップは、例えば、接地長と、車両の速度と、タイヤ内部膨張圧力と、タイヤに作用する負荷との間の関係を表す。したがって、
図5に示すように、タイヤに作用する負荷168は、計算された接地長166、車両の速度(例えば、65kph)、及び対応するマップ上の定義された曲線170から推定することができる。
【0032】
様々な実施形態では、代替的な力が、類似の技術を使用して推定されてもよい。例えば、複数のセンサがタイヤインナーライナを横切って横方向に配置されてもよく(ステップ260)、接触長の変化が幅に関して決定されてもよい(ステップ262)。次に、この情報を使用して、タイヤのスリップ角又は傾斜角、ひいてはコーナリング力を決定することができる(ステップ264)。
【0033】
方法200は更に継続してもよく、タイヤに作用する推定された少なくとも1つの力、例えば半径方向負荷に対応する出力信号が生成される(ステップ270)。様々な実施形態では、出力信号は、車両のユーザへのローカル表示のために車両に関連付けられたユーザインターフェース(ステップ272)、及び/又は例えばフリート管理テレマティクスプラットフォームを介してリモートコンピューティングデバイスに関連付けられたユーザインターフェース(ステップ274)、及び/又は車両制御ユニットに提供されてもよい。出力信号が車両制御ユニットに提供される場合、推定された負荷は、例えば、タイヤ摩耗検出モデル(ステップ276)、及び/又はタイヤトラクション検出モデル(278)への入力として利用され得る。
【0034】
例示的なタイヤ摩耗モデルは、例えば、様々な物理的部分、プロセス、又はシステムの「デジタルツイン」仮想表現に基づいてタイヤ摩耗値を推定してもよく、デジタル及び物理データは、ペアリングされ、例えばニューラルネットワークなどの学習システムと組み合わされる。例えば、上記で参照した出力信号及び関連する位置/経路情報を提供して、タイヤ摩耗を推定するための車両タイヤのデジタル表現を生成してもよく、推定されたタイヤ摩耗と決定された実際のタイヤ摩耗とのその後の比較は、機械学習アルゴリズムのフィードバックとして実装してもよい。摩耗モデルは、オンボードシステムを介して処理するために車両において実装されてもよいか、又は、タイヤデータ及び/若しくは車両データは、リモート摩耗推定のために代表的なデータをホスト型サーバに提供するように処理されてもよい。
【0035】
様々な実施形態では、方法は、1つ以上の将来の時点における摩耗値を予測することを更に含んでもよく、そのような予測値は、それぞれの閾値と比較され得る。例えば、予測されたタイヤ摩耗状態(例えば、所与の距離、時間などにおける予測されたトレッド深さ)に対応するフィードバック信号が、インターフェースを介して、例えば、タイヤを交換すべきであるか、若しくは間もなく交換する必要があるという警告又は通知/推奨を提供するように構成されたユーザインターフェースを統合している、車両自体に関連付けられたオンボードデバイスに、若しくはユーザに関連付けられたモバイルデバイスに提供され得る。他のタイヤ関連閾値事象は、本開示の範囲内で、例えば、タイヤ回転、位置合わせ、膨張などを含む予測されたタイヤ摩耗に基づいて、警報及び/又は介入のために予測及び実装され得る。システムは、個々の閾値、閾値のグループ、及び/又は既定されたパラメータに対する非閾値アルゴリズム比較に基づいて、そのような警告及び/又は介入推奨を生成し得る。
【0036】
別の例として、本明細書に開示されるような階層的摩耗モデルは、フリート管理システムが、特定の車両及びタイヤだけでなく、関連付けられたルート、ドライバなどの性能を追跡することを可能にし得る。本明細書の方法によって得られた予測された摩耗率を使用して、フリートマネージャは、例えば、どのトラック、ドライバ、ルート、及び/又はタイヤモデルがトレッドを最も速く焼き切っているか、又は逆にトレッドを節約しているかを確認し得る。更に、正確な摩耗モデリングは、フリートタイヤ購入に関する意思決定支援を好ましく提供する場合がある。摩耗予測は、例えば、所与の年、月、週などの予測されたタイヤ購入推定モデルに集約され得る。
【0037】
別の例として、自律型車両フリートは、様々な最小トレッド状態値を有する多数の車両を含み得、フリート管理システムは、最小閾値を下回る車両の配備を予防的に無効にするように構成され得る。フリート管理システムは、車輪位置に対応する様々な最小トレッド状態値を更に実装し得る。このシステムは、したがって、車両と関連付けられた複数のタイヤの各々の最小タイヤトレッド値に作用するように構成され得るか、又は一実施形態では、最小閾値と比較するために、複数のタイヤの集約されたトレッド状態を計算し得る。
【0038】
タイヤ摩耗状態(例えば、トレッド深さ)は、例えば、上記で参照した出力信号とともにトラクションモデルへの入力として提供され得、トラクションモデルは、それぞれのタイヤについての推定トラクション状態又は1つ以上のトラクション特性を提供するように構成され得る。前述の摩耗モデルと同様に、トラクションモデルは、物理的部分、プロセス、又はシステムの「デジタルツイン」仮想表現を含んでもよく、デジタル及び物理データがペアリングされ、例えば人工ニューラルネットワークなどの学習システムと組み合わされる。特定のタイヤ、車両、又はタイヤ-車両システムからの実車両データ及び/又はタイヤデータを、それぞれの資産のライフサイクル全体にわたって提供して、タイヤトラクションの推定のための車両タイヤの仮想表現を生成し得、推定タイヤトラクションと対応する測定又は判定された実際のタイヤトラクションとのその後の比較は、好ましくは、サーバレベルで実行される機械学習アルゴリズムのフィードバックとして実装し得る。
【0039】
トラクションモデルは、様々な実施形態において、多数のタイヤ-車両システム及び入力パラメータ(例えば、タイヤトレッド、膨張圧力、路面特性、車両速度及び加速度、スリップ率及び角度、垂直力、制動圧力及び負荷)の値の関連付けられた組み合わせに関して収集された、例えば、停止距離試験結果、タイヤトラクション試験結果などを含む事前試験からの結果を利用し得、タイヤトラクション出力は、現在の車両データ及びタイヤデータ入力の所与の設定について効果的に予測され得る。
【0040】
一実施形態では、このトラクションモデルからの出力は、アクティブセーフティシステムに組み込まれ得る。本明細書で使用するとき、「アクティブセーフティシステム」という用語は、好ましくは、衝突回避システム、高度運転補助システム(advanced driver-assistance system、ADAS)、アンチロック制動システム(anti-lock braking system、ABS)などの例を含むがこれらに限定されない、当業者に一般的に既知であるようなシステムを包含し得、これらは、最適な性能を達成するために、トラクションモデル出力情報を利用するように構成され得る。例えば、衝突回避システムは、典型的には、標的車両との潜在的な衝突を回避又は軽減するために、自車のブレーキを自動的に係合することなどの、及びタイヤのトラクション能力に関する情報の強化、ひいてはタイヤ車両システムの制動能力などの回避作用をとるように構成されており、タイヤのトラクション能力、すなわちタイヤ車両システムの制動能力に関する拡張情報が極めて望ましい。
【0041】
別の実施形態では、ライドシェア自律フリートは、トラクションモデル278からの出力データを使用して、悪天候の間にトレッド深さが低い車両を使用不能にするか、又は別様に選択的に除去するか、又は潜在的にそれらの最大速度を制限し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法200はまた、タイヤ耐久性及び健全性モデルへの入力として、タイヤに作用する推定された力、推定された摩耗などの入力を、単独で、又はタイヤの使用の過酷さの他の関連する測定基準と組み合わせて提供することを含んでもよい。そのようなモデルは、例えば、トレッド/ベルト分離などの耐久性事象の指標として、相対的な疲労特性を推定するために実装されてもよい。そのようなモデルはまた、例えば、相対的なタイヤ老化特性を推定するために、又は1つ以上の将来の時点における摩耗状態を予測するために実装されてもよい。そのような耐久性事象に対応するフィードバック信号は、インターフェースを介して、車両自体に関連付けられたオンボードデバイス102に、又はユーザに関連付けられたモバイルデバイスに提供されてもよく、例えば、1つ以上のタイヤが例えば交換、回転、位置合わせ、膨張などされるべきであるか又は間もなく必要になるなどの介入イベントの警告又は通知/推奨を提供するように構成されたユーザインターフェースと統合されてもよい。タイヤ耐久性及び健全性モデルからの出力は、更に、又は代替として、上記で参照したトラクションモデルに提供されてもよい。
【0043】
図6は、車両上試験のためにタイヤに作用する負荷を推定するために上記で参照した方法200を使用した例示的な結果を示し、試験結果180、182、184はそれぞれ、実際の負荷の50ポンド(lbf)以内に収集されたいくつかのフットプリントの後に安定する。
【0044】
図7は、時速50マイル(mph)でのフラットベルト試験のためにタイヤに作用する負荷を推定するために上記で参照した方法200を使用した更なる例示的な結果を示し、試験結果190、192、194、196、及び198はそれぞれ同じく、実際の負荷の50lbf以内に収集されたいくつかのフットプリントの後に安定する。
【0045】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、文脈がそうでない旨を指示しない限り、以下の用語は、少なくとも、本明細書に明示的に関連する意味をとる。以下で識別される意味は、必ずしも用語を限定するものではなく、単に用語の例解的な例を提供するものである。
【0046】
「a」、「an」、及び「the」の意味は、複数の参照を含み得、「in」の意味は、「in」及び「on」を含み得る。
【0047】
本明細書で使用されるとき、「一実施形態では」という句は、必ずしも同じ実施形態を指すものではないが、指すこともあり得る。
【0048】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例解的な論理ブロック、モジュール、及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの両方の組み合わせとして実装することができる。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性を明確に例解するために、様々な例解的な構成要素、ブロック、モジュール、及びステップは、概して、それらの機能性に関して上で説明されている。そのような機能性がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例、及びシステム全体に課される設計上の制約に依存する。説明された機能性は、それぞれの特定の適用例ごとに様々な方式で実装することができるが、そのような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0049】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例解的な論理ブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書に説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせなど、機械によって実装又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシン、それらの組み合わせなどであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成の組み合わせとして実装することもできる。
【0050】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される方法、プロセス、又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接具現化するか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化するか、又はこれら2つの組み合わせで具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD-ROM、又は当該技術分野において既知の任意の他の形態のコンピュータ可読媒体内に常駐することができる。例示的なコンピュータ可読媒体は、プロセッサがメモリ/記憶媒体から情報を読み取り、メモリ/記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合され得る。代替として、媒体は、プロセッサと一体であり得る。プロセッサ及び媒体は、ASIC内に常駐することができる。ASICは、ユーザ端末内に常駐することができる。代替として、プロセッサ及び媒体は、ユーザ端末内の別個の構成要素として常駐することができる。
【0051】
本明細書で使用される、とりわけ、「できる(can)」、「かもしれない(might)」、「場合がある(may)」、「など(e.g.)」など、条件付き文言は、具体的に別途記載のない限り、又はさもなければ使用される文脈内で理解されない限り、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態は、それらの特定の特徴、要素、及び/又は状態を含まないことを伝えることを概して意図する。したがって、そのような条件付き文言は、特徴、要素、及び/又は状態が、1つ以上の実施形態のために何らかの方式で必要とされることを示唆することを概して意図せず、また、1つ以上の実施形態が、オーサー入力又はプロンプティングを用いて又は用いないで、これらの特徴、要素、及び/又は状態が、何らかの特定の実施形態に含まれるか又はそれにおいて実行されるべきかどうかを決定するための論理を、必ず含むことを示唆することを概して意図しない。
【0052】
本発明の特定の好ましい実施形態は、典型的には、フリート管理システムにより、又はフリート管理システムのために実行される方法、より具体的には自律型車両フリート又は商業用トラック用途のために実行される方法に対して本開示で説明され得るが、本発明は、それに全くもって明示的に限定されるものではなく、本明細書で使用される用語「車両」は、別途記載のない限り、自己推進式であるかどうかにかかわらず、1つ以上のタイヤを含み得る、自動車、トラック、又はそれらいずれかの等価物を指し、したがって、タイヤ内部圧力損失及び可能性のある障害の正確な推定又は予測、交換、若しくは介入を必要とし得る。
【0053】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、「ユーザ」という用語は、例えば、本明細書に開示される特徴及びステップを提供するためのユーザインターフェースを有するデバイスと関連付けられ得る、ドライバ、搭乗者、メカニック、技術者、フリート管理職員、又は任意の他の人物若しくはエンティティを指し得る。
【0054】
前述の詳細な説明は、例解及び説明の目的のために提供されている。したがって、新規で有用な発明の特定の実施形態を説明してきたが、このような参照が、以下の特許請求の範囲における記載を除いて、本発明の範囲への限定として解釈されることを意図しない。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの力を推定するためのコンピュータ実装方法(200)であって、前記方法が、
a)タイヤ取り付け加速度センサ(118)のサンプリングされた出力からタイヤ半径方向におけるタイヤの加速度波形を検出すること(210)と、
b)前記タイヤ半径方向における前記加速度波形を積分して速度波形を生成すること(220)と、
c)前記速度波形における少なくとも第1及び第2のピークから接地中のサンプルの数を計算すること(230)と、
d)計算された前記接地中のサンプルの数、前記タイヤ取り付け加速度センサの前記出力のサンプリングレート、及び前記車両の速度に少なくとも基づいて、接地長を計算すること(240)と、
e)計算された前記接地長から、前記タイヤに作用する少なくとも1つの力を推定すること(250)と、
f)前記タイヤに作用する推定された前記少なくとも1つの力に対応する出力信号を生成すること(270)と、を含む、コンピュータ実装方法(200)。
【請求項2】
前記タイヤのインナーライナを横切って横方向に取り付けられた複数の加速度センサの各々に対してステップa)~f)の各々を実行すること(260)と、
前記複数の加速度センサのうちの2つ以上の間のそれぞれの幅に関する接地長の変化を計算すること(262)と、
前記複数の加速度センサのうちの2つ以上の間のそれぞれの幅に関する計算された前記接地長の変化に基づいて、前記タイヤにかかる前記少なくとも1つの力を推定すること(264)と、を更に含み、
推定された前記少なくとも1つの力が、前記タイヤのスリップ角及び傾斜角のうちの1つ以上を含む(264)、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タイヤに作用する推定された前記少なくとも1つの力が、負荷を含み(250)、
前記接地長と、前記車両の前記速度と、前記タイヤに作用する前記負荷との間の関係を表す少なくとも1つのマップが、予め決定され、取り出し可能に記憶され、
ステップe)において、前記タイヤに作用する前記負荷は、計算された前記接地長と、前記車両の前記速度と、前記マップとから推定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記出力信号が、
前記車両のユーザに表示するために、前記車両に関連付けられたユーザインターフェース(272)、
フリート管理テレマティクスプラットフォームを介してリモートコンピューティングデバイスに関連付けられたユーザインターフェース(274)、並びに/あるいは
推定された前記負荷が、タイヤ摩耗検出モデルへの入力として(276)、タイヤトラクション検出モデルへの入力として(278)、及び/又はタイヤ耐久性及び健全性モデルへの入力として利用される、車両制御ユニット、に提供される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの力を推定するためのシステム(100)であって、前記システムが、
タイヤ半径方向におけるタイヤのサンプリングされた加速度に対応する出力信号を生成するように構成されたタイヤ取り付け加速度センサ(118)と、
前記タイヤ取り付け加速度センサと通信するようにリンクされ、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法(200)における動作の実行を指示するように更に構成されたコントローラ(102、130、140)と、を備える、システム(100)。
【国際調査報告】