IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キャタピラー インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-514793機械状態を決定するための方法およびシステム
<>
  • 特表-機械状態を決定するための方法およびシステム 図1
  • 特表-機械状態を決定するための方法およびシステム 図2
  • 特表-機械状態を決定するための方法およびシステム 図3
  • 特表-機械状態を決定するための方法およびシステム 図4
  • 特表-機械状態を決定するための方法およびシステム 図5
  • 特表-機械状態を決定するための方法およびシステム 図6
  • 特表-機械状態を決定するための方法およびシステム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】機械状態を決定するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20240327BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
E02F9/20 Z
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560935
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 US2022022502
(87)【国際公開番号】W WO2022216493
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】17/226,635
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホッブス、ベンジャミン ディ.
(72)【発明者】
【氏名】テース、カルステン
(72)【発明者】
【氏名】シュロス、ラッセル エイ.
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB01
2D003AB02
2D003AB03
2D003AB04
2D003BA04
2D003BA06
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB03
2D003DB04
2D003DB05
2D015HA03
(57)【要約】
【要約】
機械状態を決定するための方法およびシステム。
機械(100)は、機械の下部フレーム(104)に対する機械の上部フレーム(102)の回転を感知するように構成された回転センサ(124)を含む。機械(100)はまた、下部フレーム(104)に対する上部フレーム(102)の回転軸(106)から離間して配置された3次元位置センサ(126)を含む。機械(100)はまた、トラック運動(128)を検出するためのセンサ、画像センサ(130)、測距センサ、IMU、線形変位センサ、および/または類似のセンサを含む複数の追加センサを含むことができる。コンピューティングシステムは、センサから様々な入力を受け取り、データを融合して機械(100)の状態情報を決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(100)であって、
表面に沿って移動するように構成された下部フレーム(104)と、
前記下部フレーム(104)に対して回転可能な上部フレーム(102)と、
前記下部フレーム(104)に対する前記上部フレーム(102)の角度向きを測定するように構成された第1センサ(124)と、
前記上部フレーム(102)に結合され、グローバル位置を感知するように構成された全地球航法衛星システム(GNSS)センサ(126)と、
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、
第1時刻における前記下部フレーム(104)に対する上部フレーム(102)の第1角度向きを示す第1入力を第1センサから受け付けるアクションと、
第2時刻における前記下部フレーム(104)に対する前記上部フレーム(102)の第2角度向きを示す第2入力を第1センサ(124)から受け付けるアクションと、
前記第1時刻に関連する第1グローバル位置(302(1))、および前記第2時刻に関連する第2グローバル位置(302(2))を前記GNSSセンサ(126)から受信するアクションと、
前記第1入力、前記第2入力、前記第1グローバル位置および第2グローバル位置に少なくとも部分的に基づいて、機械(100)の向き(144)を決定するアクションと、を機械に実行させる実行可能命令を記憶したメモリと、を含む、機械(100)。
【請求項2】
前記機械(100)の向きを決定するステップは、
前記第1角度向きおよび前記第2角度向きに少なくとも部分的に基づいて前記GNSSセンサ(126)の推定経路を決定するステップと、
前記第1グローバル位置(302(1))および前記第2グローバル位置(302(2))を推定経路と比較するステップと、
前記比較に基づいて前記機械(102)の推定回転中心(306)を決定するステップと、を含む、請求項1に記載の機械(100)。
【請求項3】
前記第1角度向きと前記第2角度向きとの差が約5度以下である、請求項1に記載の機械(100)。
【請求項4】
前記機械は、
前記機械上に配置された追加センサ(128、130)をさらに含み、前記アクションは、
追加センサデータを前記追加センサから受信するアクションをさらに含み、
前記機械(100)の向きを決定するステップは、追加センサデータにさらに基づいている、請求項1に記載の機械(100)。
【請求項5】
前記下部フレーム(104)に結合された1つまたは複数のトラック(108)と、
前記1つまたは複数のトラック(108)のうちの少なくとも1つに制御入力を提供して、前記1つまたは複数のトラック(108)を介して前記下部フレーム(104)を移動させるように構成されたコントローラと、をさらに含み、
追加センサ(128、130)は、トラックセンサ(128)を含み、前記アクションは、
トラックデータを前記トラックセンサから受信するアクションと、
前記トラックデータに少なくとも部分的に基づいて前記GNSSセンサ(126)の推定動きを決定するアクションと、
前記第1グローバル位置(302(1))および前記第2グローバル位置(302(2))を前記推定動きと比較するアクションと、をさらに含み、
前記機械(100)の向き(144)は、前記第1グローバル位置及び前記第2グローバル位置の比較に関連する誤差に少なくとも部分的に基づいている、請求項4に記載の機械(100)。
【請求項6】
前記追加センサ(128、130)は、画像センサ(130)または測距センサを含み、前記アクションは、
前記第1時刻に関連する第1画像(516)、および前記第2時刻に関連する第2画像(518)を含む画像データを前記追加センサ(130)から受信するアクションと、
前記第1画像(516)中の特徴(524)を識別するアクションと、
前記第2画像(518)中の特徴(524)を識別するアクションと、
前記第1画像(516)と前記第2画像(518)との間の前記特徴(524)の位置変化に少なくとも部分的に基づいて、前記GNSSセンサの推定動きを決定するアクションと、
前記第1グローバル位置および前記第2グローバル位置を前記推定動きと比較するアクションと、をさらに含み、
前記機械の向きは、前記第1グローバル位置と前記第2グローバル位置との比較に関連する誤差に少なくとも部分的に基づいている、請求項4に記載の機械(100)。
【請求項7】
システム(100、200、300、400、600)であって、
下部フレーム(104)と、下部フレーム(104)に対して移動可能な上部フレーム(102)とを有する機械(100、200、300、400、602)と、
前記下部フレーム(104)に対する前記上部フレーム(102)の回転軸(106)から離間した位置で、前記上部フレーム(102)または下部フレーム(104)に配置される3次元位置センサ(126)と、
前記機械(100)に結合された追加センサ(124、128、130)と、
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、
第1機械位置に関連する第1センサデータ、および第1機械位置とは異なる第2機械位置に関連する第2センサデータを前記追加センサ(124、128、130)から受信するアクションと、
前記第1センサデータおよび前記第2センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1機械位置と前記第2機械位置との間の機械(100)の推定動きを決定するアクションと、
前記機械に関連する複数のグローバル位置を3次元位置センサ(126)から受信するアクションと、
前記機械に関連する複数のグローバル位置および前記機械の推定動きに少なくとも部分的に基づいて、前記第2機械位置における機械(100)の向き(144)を決定するアクションと、を機械に実行させる、実行可能命令を記憶したメモリと、を含む、システム(100、200、300、400、600)。
【請求項8】
前記追加センサは、前記下部フレーム(108)に対する前記上部フレーム106)の回転を決定するように構成された回転センサ(124)であり、前記機械(100)の向き(144)を決定するステップは、
前記回転センサによって感知された角変位に少なくとも部分的に基づいて、前記3次元位置センサの推定円弧を前記推定動きとして決定するステップと、
前記複数のグローバル位置を前記推定円弧と比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記機械の推定回転中心を決定するステップと、を含む、請求項7に記載のシステム(100、200、300、400、600)。
【請求項9】
前記追加センサは、前記機械(100)に関連する前記トラック(108)の運動に関連するデータを生成するように構成されたトラックセンサ(128)を含み、前記機械の向き(144)を決定するステップは、
トラックデータを前記トラックセンサ(128)から受信するステップと、
前記トラックデータに少なくとも部分的に基づいて、推定動きである推定経路を決定するステップと、
前記複数のグローバル位置を前記推定経路と比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記機械の推定回転中心を決定するステップと、を含む、請求項7に記載のシステム(100、200、300、400、600)。
【請求項10】
前記追加センサは、画像センサ(130)または測距センサを含み、前記機械の向き(144)を決定するステップは、
第1画像データ(516)および第2画像データ(518)を前記追加センサから受信するステップと、
前記第1画像データと前記第2画像データとの間の差に少なくとも部分的に基づいて、前記3次元位置センサの推定動きを決定するステップと、
前記複数のグローバル位置を前記推定動きと比較するステップと、を含み、
前記機械の向きは、前記複数のグローバル位置を前記推定動きと比較することに関連する誤差に少なくとも部分的に基づいている、請求項10に記載のシステム(100、200、300、400、600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、機械状態の決定に関し、より具体的には、複数の機械上のセンサによって生成されたデータを融合することによって機械の向きおよび/または位置を決定するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔制御および/または自律的な活動を含む一部の土木作業活動(例えば、採掘、建設、浚渫、掘削など)を促進するには、機械の位置および/または向きに関する情報が必要になる場合がある。例えば、一部のコンピュータ支援掘削作業では、掘削前および/または掘削中に、環境内などで機械の位置を特定すること、および/または機械の向きを決定することが必要である。従来、そのような位置特定および/または向きの決定は、GNSS(全地球航法衛星システム)センサを含む全地球測位センサに基づく場合がある。例えば、いくつかの従来の用途は、本体の一部上の既知の間隔位置に結合された2つのGNSSセンサが使用される。センサが結合された部分は、本体の1つまたは複数の他の部分に対して移動する。2つのGNSSセンサからのグローバル位置(および機械本体との関係)は、機械の位置と向き、または方位を提供する。しかし、機械、特に機械群に2つのGNSSセンサを搭載するのは高価である。したがって、単一のGNSSセンサを使用し、他のセンサからのデータを利用して車両の正確な位置および/または向きを決定するシステムを提供することが望ましい場合がある。
【0003】
システムの設計は、機械器具および/または部品の相対的な位置を決定する試みに着目している。例えば、Neyerらの特許公報GB2571004A(「第004号公報」)は、様々なセンサモダリティを使用して移動機械を制御するためのシステムおよび方法を記載している。例えば、第004号公報には、マニピュレータアームの位置を決定するために、移動式作業機械に変位センサ、角度センサ、慣性センサ、回転速度センサ、加速度センサ、および1つまたは複数のカメラを装備することが記載されてもよい。
【0004】
第004号公報に記載されたシステムは、作業機械の様々な状態を決定するためのセンサを含むことができるが、第004号公報には、ここで詳述されている機械の向きなど、機械の状態を判定するための技術の多くは記載されていない。
【0005】
本開示は、従来技術の1つまたは複数の改良に関する。
【発明の概要】
【0006】
機械の一例は、表面に沿って移動するように構成された下部フレームと、下部フレームに対して回転可能な上部フレームと、下部フレームに対する上部フレームの角度向きを測定するように構成された第1センサと、上部フレームに結合され、グローバル位置を感知するように構成された全地球航法衛星システム(GNSS)センサと、1つまたは複数のプロセッサと、実行可能な命令を記憶したメモリと、を含む。1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、命令は、第1時刻における下部フレームに対する上部フレームの第1角度向きを示す第1入力を第1センサから受け付けるアクションと、第2時刻における下部フレームに対する上部フレームの第2角度向きを示す第2入力を第1センサから受け付けるアクションと、第1時刻に関連する第1グローバル位置および第2時刻に関連する第2グローバル位置をGNSSセンサから受信するアクションと、第1入力、第2入力、第1グローバル位置、および第2グローバル位置に少なくとも部分的に基づいて機械の向きを決定するアクションと、を機械に実行させる。
【0007】
例示的なシステムは、下部フレームと、下部フレームに対して移動可能な上部フレームとを有する機械と、下部フレームに対する上部フレームの回転軸から離間した位置で上部フレームに配置された3次元位置センサと、機械に結合された追加センサと、1つまたは複数のプロセッサと、実行可能な命令を記憶したメモリと、を含む。1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、命令は、第1機械位置に関連する第1センサデータ、及び第1機械位置とは異なる第2機械位置に関連する第2センサデータを追加センサから受信するアクションと、第1センサデータおよび第2センサデータに少なくとも部分的に基づいて、第1機械位置と第2機械位置との間の機械の推定動きを決定するアクションと、機械に関連する複数のグローバル位置を3次元位置センサから受信するアクションと、機械に関連する複数のグローバル位置および機械の推定動きに少なくとも部分的に基づいて、第2機械位置における機械の向きを決定するアクションと、を機械に実行させる。
【0008】
機械の向きを決定する方法の一例は、機械の下部フレームに対する機械の上部フレームの回転を示すセンサデータを回転センサから受信するステップと、センサデータおよび3次元位置センサの位置に少なくとも部分的に基づいて、3次元位置センサの推定円弧を決定するステップと、複数のグローバル位置を3次元位置センサから受信するステップと、複数のグローバル位置および推定円弧に少なくとも部分的に基づいて機械の向きを決定するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の態様による、機械の位置および/または向きを決定するための例示的な環境を表す。
図2】本開示の態様による、単一の3次元位置センサおよび回転センサからのセンサデータを使用して機械の位置および/または向きを決定する例の概略図である。
図3】本開示の態様による図2の例を示す図である。
図4】本開示の態様による、機械の位置および/または向きを決定する別の例の概略図である。
図5】本開示の態様による、機械の位置および/または向きを決定するさらなる例の概略図である。
図6】本開示の態様による、機械の位置および/または向きを決定するためのコンピューティング環境の例である。
図7】本開示の態様による、機械の位置および/または向きを決定し、その位置および/または向きに基づいて機械を制御するための例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、一般に、機械状態を決定するための方法、システム、および技術に関する。本明細書で説明される特定の構成要素は、例えば地面係合機械、土木機械などの機械上の構成要素であり得るが、本明細書で説明された技術は、任意の数の他の機械に適用可能であり得る。可能であれば、図面全体を通じて同じ参照番号を使用して、同じまたは類似の特徴を参照する。
【0011】
図1は、本開示の態様による状態決定技術を実装する機械100の一例を示す。機械100は、掘削機として示されており、一般に、機械100を移動させる、機械100でタスクを実行するなど、互いに相対的に移動可能な複数の構成要素および部品を含む。より詳細には、図1に示されている機械100は、車台に対して移動可能に結合された上部または上部フレーム102と、下部または下部フレーム104とを含む。本開示の具体例では、上部フレーム102は、下部フレーム104に対して、例えば、上部フレーム102の回転中心を通って延びる軸106の周りに回転するように構成されている。図に示されるように、軸106は、通常、垂直方向またはz方向に位置合わせされている。本明細書でさらに詳述するように、本開示の態様は、相対回転を定量化することと、定量化を他のデータとともに使用して、向きおよび/または位置などの機械100の状態を決定することと、を含む。
【0012】
図1に示すように、下部フレーム104は、本明細書で総称して「トラック108」と呼ばれる、第1トラック108aおよび第2トラック108b上に支持されているか、あるいは、別の方法で結合されている。トラック108は、例えば、図1のx-y平面内に実質的に位置することができる地面に沿って機械100を推進するために、独立して移動可能である。1.これら2つのトラックは、独立して制御可能であり、例えば回転、並進等のように、下部フレーム104(従って機械100)の地面に対する運動を容易にしてもよい。いくつかの例では、トラック108は油圧によって作動してもよい。トラック108を介して地面に沿って(例えばx-y平面内で)機械100が移動することにより、機械100の位置および向きが変化する。トラック108は、2つのトラックを含むように図示されているが、他の実施形態では、機械100は、より多くまたはより少ないトラックを含んでもよい。さらに、機械100は、トラックの使用に限定されない。例えば、限定するものではないが、機械100はまた、トラック108の代わりに、またはそれに加えて、車輪を含んでもよい。
【0013】
上部フレーム102は、上述したように、下部フレーム104に結合され、下部フレーム104に対して回転可能である。図21に示すように、運転室110は、上部フレーム102に支持されている。諸例では、運転室110は、機械100のオペレータを収容することができ、例えば、オペレータが機械100を制御して1つまたは複数のタスクを実行することができるような大きさである。これらの場合、運転室110は、ジョイスティック、タッチスクリーンディスプレイ、ステアリングホイール、レバーなどの1つまたは複数のユーザ制御装置、ディスプレイ、ゲージなどのユーザフィードバックデバイス、および/または任意の他の特徴を収容してもよい。さらに、図1には示されていないが、運転室110は、コンピューティングシステム、電気システム、機械システム、油圧システムなどを含むが、これに限定されない、機械100の制御関連システムおよび部品も収容することができる。上部フレーム102はまた、例えば作業器具、電子装置、およびステアリングの操作を含む機械100の操作のための動力を供給するように構成された、エンジン、1つまたは複数の電池などの1つまたは複数の電源(図示せず)を支持することができ、および/または、機械100を、地形を横切って推進させるためにトラック108を駆動するためのトルクを供給することができる。限定するものではないが、動力源はまた、油圧流体の流れを介して履帯108および/または機械100の器具および他の態様の動作を制御する油圧システムを含んでもよい。
【0014】
上述したように、機械100は、掘削機として具現化することができ、ブーム112と、スティック114と、バケット116とを含むことができる。ブーム112は、従来の機械と同様に、上部フレーム102に結合され、上部フレーム102に対して相対移動可能に構成され、スティック114は、ブーム112に結合され、ブーム112に対して相対移動可能に構成され、スティック114は、スティック114に結合され、スティック114に対して相対移動可能に構成されている。図示の例では、ブーム112を上部フレーム102に対して相対的に移動させるために一対の第1油圧アクチュエータ118が設けられている。ブーム112に対してスティック114を移動させる第2油圧アクチュエータ120が設けられ、スティックに対してバケット116を移動させる第3油圧アクチュエータ122が設けられている。例えば、限定するものではないが、油圧アクチュエータ118、120、122は、掘削作業のような機械100による作業の完了を容易にするように制御されてもよい。他の例では、機械100は、他の器具および/または追加の器具を含んでもよい。例えば、バケット116は、スティック114に接続された別の器具と交換されてもよい。他の場合、機械100は、ブーム112およびスティック114以外の器具を含んでもよい。さらに、他のアクチュエータおよび/または追加のアクチュエータを使用して、例えば油圧アクチュエータ118、120、122の代わりに器具を制御してもよい。
【0015】
機械100はまた、図1に概略的に示された複数のセンサを含む。具体的には、図1は、下部フレーム104に対する上部フレーム102の運動、例えば軸106の周りの運動に関連するセンサデータを生成するように構成された回転センサ124を示している。限定するものではないが、回転センサ124は、回転ポテンショメータ、磁気ホール効果センサ、1つまたは複数のエンコーダ、誘導位置センサ、差動変圧器等のうちの1つまたは複数であってもよく、または、これらを含んでもよい。回転センサ124は、下部フレーム104に対する上部フレーム102の角度、例えば基準軸または基準面に対する上部フレーム102の角度を決定するように構成され得る。いくつかの例では、回転センサ124は、下部フレーム104に対する上部フレーム102の回転を約0.1度以下の精度まで計算することを可能にするデータを生成してもよい。本明細書でさらに詳述するように、本開示による技術では、回転センサ124によって生成されたセンサデータは、機械100の向きおよび/または位置情報などの状態情報を決定するために使用される。
【0016】
機械100は、位置センサ126をさらに含む。位置センサ126は、位置センサ126の位置、例えば2次元または3次元のグローバル位置またはローカル位置を決定するように構成される。いくつかの例では、位置センサ126は、全地球航法衛星システム(GNSS)デバイスであってもよいが、機械目標位置センサ、ロボットトータルステーション、ロボット追跡ステーション、および他のタイプのセンサシステムを含むが、これらに限定されない他の位置センサも考慮されてもよい。図1の例では、位置センサ126は機械100の上部フレーム102に結合され、位置センサ126は、GNSSデバイス、または一般的に一定の間隔(例えば、10Hzの周波数で、または毎秒10回の出力)でデバイスのグローバル位置を決定し出力する他の従来の全地球測位デバイスとしてもよい。GNSSデバイスは、GNSSデバイスの2次元または3次元座標、例えば世界座標系を出力してもよい。従来から知られているように、GNSSデバイスの位置には、誤差が生じる。この例では、位置センサ126であるGNSSデバイスは、機械の回転中心から離間した位置、例えば、軸106から離間した位置に配置されている。これにより、GNSSデバイスは、機械100が地面に沿って移動する場合や、上部フレーム102が下部フレーム104に対して回転する場合、例えば並進運動を行わない場合に移動することになる。本明細書でさらに詳述するように、本開示の技術では、機械100の向きおよび位置情報は、GNSSデバイスによって生成された位置データを使用して決定される。さらに、いくつかの以前のシステムとは異なり、本明細書に記載された技術は、単一の位置センサ(例えば、単一のGNSSデバイス)のみからのデータを利用して正確な状態情報を決定することができる。機械100は、追加のGNSSデバイスを含むがこれに限定されない1つまたは複数の追加の位置センサを含んでもよいが、本明細書に記載された実施形態によれば、そのようなセンサは必要とされない場合がある。
【0017】
機械100は、回転センサ124および位置センサ126に加えて、追加センサを含んでもよい。例えば、図1は、トラックセンサ128を概略的に示す。トラックセンサ128は、第1トラック108aに関連して示されているが、トラックセンサ128のような他のトラックセンサも、第2トラック108bに関連していてもよい。以下の説明は、一般に第1トラック108aに関連するが、第2トラック108bにも適用してもよい。一般に、トラックセンサ128は、第1トラック108aの運動に関する情報を生成するように構成される。例えば、トラックセンサ128は、第1トラック108aの運動(およびその運動に伴う変位)を検出してもよい。他の例では、トラックセンサ128は、第1トラック108aを駆動するためのスプロケット、車軸、または他の機構に関連する回転の程度を検出してもよい。他の例では、トラックセンサ128は、例えばトラック108を駆動するために使用される流体に関連する流体の流れを感知してもよい。さらなる例では、トラックセンサ128は、第1トラック108aおよび第2トラック108bの両方の運動を決定するトラック感知システムの一部であってもよいし、トラック感知システムの一部であってもよい。本明細書でさらに詳述するように、トラック108の運動に関連する情報を使用して機械100の状態を決定してもよい。
【0018】
トラックの運動を決定するための他の技術およびシステムも考えられる。例えば、トラックの運動は、機械100を移動させるために使用される制御信号から推定され得る。例えば、このような制御信号は、運転室110内のオペレータからのオペレータ入力、遠隔オペレータからのオペレータ入力、および/または(例えば自律システム内の)オペレータとして機能するコンピューティングデバイスからのオペレータ入力に応答して生成され得る。これらの例では、トラックセンサ128は、これらの信号に関連する情報を生成するように構成されてもよく、トラック108の実際の動きおよび機械100の実際の動きは、信号から推測されてもよい。例えば、限定するものではないが、トラックセンサ128は、ジョイスティックステアリングホイールなどのユーザコントロールの物理的な変位を検出することができ、あるいはそのような運動に応答して生成される制御信号、例えば電気信号を識別してもよい。
【0019】
機械100はまた、図1に概略的に示すように、1つまたは複数の画像センサおよび/または測距センサをセンサ130として含んでもよい。例えば、センサ130は、機械100の環境に関するデータを生成するために、上部フレーム102に結合された位置に配置されてもよい。図示の例では、センサ130は運転室110のルーフに取り付けられている。センサ130は、遮るもののない視野を提供するためにルーフに取り付けることができるが、他の位置も考えられる。例えば、センサ130は、環境内の物体を含む環境を画像化してもよい。いくつかの例では、機械100の周囲の所定の領域を画像化するのに十分な数のセンサが設けられてもよい。場合によっては、機械の周囲の360度の視野に関連するセンサデータを生成するのに十分な数のセンサが提供される場合がある。限定するものではないが、センサ130は、カメラまたは他の撮像デバイス、レーザレーダセンサ、レーダセンサ、ソナーセンサ、飛行時間センサ、および/または同様のもののうちの1つまたは複数を含んでもよい。センサ130は単一のセンサとして示されているが、センサ130の複数のインスタンスが提供されてもよく、これらのインスタンスは同じまたは異なるモダリティであってもよい。本明細書に記載された技術によれば、センサ130によって生成されたセンサデータは、機械100の状態を決定するために使用されてもよい。
【0020】
機械100はまた、機械の器具に関連する情報を生成するための器具センサなどを含んでもよい。図1の例では、機械100は、第1器具センサ132、第2器具センサ134および第3器具センサ136を含む。より具体的には、第1器具センサ132は、上部フレーム102に対するブーム112の運動に関連するセンサデータを生成し、第2器具センサ134は、ブーム112に対するスティック114の運動に関連するセンサデータを生成し、第3器具センサ136は、スティック114に対するバケット116の運動に関連するセンサデータを生成する。いくつかの例では、第1器具センサ132は、第1油圧アクチュエータ118の一方または両方に関連してもよく、第2器具センサ134は、第2油圧アクチュエータ120に関連してもよく、および/または、第3器具センサ136は、第3油圧アクチュエータ122に関連してもよい。限定するものではないが、第1器具センサ132、第2器具センサ134、および/または第3器具センサ136のうちの1つまたは複数は、第1油圧アクチュエータ118、第2油圧アクチュエータ120、および/または第3油圧アクチュエータ122のそれぞれの線形変位を決定するように構成されてもよい。例えば、線形変位を使用して、器具のさまざまな要素の既知のキネマティック関係に基づいて運動を決定してもよい。他の実施形態では、器具センサ132、134、136は、線形変位以外の値を測定してもよい。限定するものではないが、器具センサ132、134、136のうちの1つまたは複数は、例えばピンまたは他のピボット位置における相対的な回転運動を検出するように構成されてもよい。更に別の例では、器具センサ132、134、136は、ブーム112、スティック114、および/またはバケット116のような関連する部品の3次元的な動きを、相対的な動きとは無関係に検出するように構成されてもよい。例えば、器具センサ132、134、136のうちの1つまたは複数は慣性測定ユニット(IMU)であってもよい。他の例では、器具センサ132、134、136は、変位センサ、位置センサ、角度センサ、回転センサ、加速度計、または動きを定量化、導出、推論することができる任意の他のセンサを含んでもよい。このようなセンサを備えた機械100が示されているが、他のタイプおよびユニットのセンサも考えられる。
【0021】
上述したように、機械100は、1つまたは複数のタスクを実行するために使用される。このようなタスクは、例えば、トラック108を介して機械100を異なる位置に移動させること、および/または(ブーム112および/またはバケットバー114を介して)バケット116を作動させて掘削、整地などを行うことを含んでもよい。タスクはまた、下部フレーム104に対する上部フレーム102(そのために運転室110、ブーム112、スティック114、およびバケット116)の回転を含むかまたは必要とする場合がある。いくつかの例では、タスクは、例えば運転室110に座っている人間のオペレータからの指示に応答して実行されてもよい。限定するものではないが、人間のオペレータは、レバー、ジョイスティック、タッチスクリーン、または他のタイプの制御装置を使用して機械100を操作してもよい。オペレータはまた、「スティックイン」イベント、「スティックアウト」イベント、「ブームアップ」イベント、「ブームダウン」イベントなど、さまざまなタイプの機能、動作、またはイベント、「バケットカール」イベント、「バケットダンプ」イベント、または機械100の1つ以上の部品の運動に関連する他の任意のイベントに対応する入力コマンドを使用してもよい。
【0022】
図1は、機械100に関連する状態決定システム138も示している。状態決定システム138は、コンピューティングシステムまたはコンピューティングデバイス(機械100上のコンピューティングデバイスまたは非搭載コンピューティングデバイスを含む)によって実装されてもよい。状態決定システム138は、センサデータ140を受信し、機械100の状態に関する情報を(例えば、状態データ142として)決定する機能を含む。本明細書で使用される場合、「状態」という用語は、機械100に関連する任意の特性または属性を指し得る。特定の例では、状態決定システム138は、車両の位置(例えば、世界座標系における)および/または向きを決定することができる。機械状態はまた、機械100の機首方位、姿勢、速度、加速度、および/または任意の他の特徴もしくは特性のうちの1つまたは複数をさらにまたは代替的に含むことができる。以下でさらに説明されるように、状態決定システム138は、1つまたは複数の融合モデル146を含む。
【0023】
センサデータ140は、上述したように、機械100に関連する任意のセンサによって生成されたデータを含んでもよい。限定するものではないが、センサデータ140は、例えば、下部フレーム104に対する上部フレーム102の角度変位として、回転センサ124によって生成された回転データを含んでもよい。センサデータ140は、位置センサ126によって生成された位置、例えばグローバル位置、例えば世界座標系におけるGNSSセンサとしての位置を含んでもよい。センサデータ140は、トラックセンサ128(および/または上述した任意の追加のトラックセンサ)によって生成されたトラックデータをさらに含んでもよい。さらに、センサデータ140は、センサ130および/または器具センサ132、134、136によって生成された環境データを含んでもよい。センサデータ140は、図1に示すセンサ以外からの情報を含むこともできる。例えば、センサデータ140は、機械100および/または機械100の一部を移動させるために機械100のオペレータによって発行されたオペレータコマンドに関する情報を含むこともできる。諸例では、センサデータ140は、また、例えば状態判定システム138または何らかの遠隔コンピューティングシステムなどのコンピューティングシステムがデータを取得できるようにするために、例えばタイムスタンプ、タグ、ヘッダなどとして時間データを含んでもよい。
【0024】
図1に示すように、状態決定システム138は、1つまたは複数の融合モデル146を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「融合モデル」とは、複数のデータ入力から状態データを決定する数学モデル、アルゴリズム、トレーニングモデル、および/または他の処理部品を指す。例えば、融合モデル146は、機械100に取り付けられた様々なセンサによって生成されたセンサデータ140から状態データ142を決定するように実行されてもよい。例えば、融合モデル146は、上記したセンサデータ140のような異なる入力を処理し、これらの入力を使用して状態データ142を推定してもよい。いくつかの例では、融合モデル146の各々は、向き、速度、加速度などの異なる状態パラメータを決定するのに使用されてもよい。他の例では、モデル146の個々は、受信されたセンサデータ140のタイプに基づいて提供されてもよい。諸例では、本明細書でさらに詳述するように、融合モデル146は、状態データ142を推定するためにセンサデータ140を処理する推定モデル、確率モデル、トレーニングモデルなどを含んでもよい。
【0025】
いくつかの例では、融合モデル146のうちの1つは、位置センサ126からの位置データおよび回転センサ124からの回転データを使用して機械100の回転中心を推定するように構成されてもよい。例えば、図2および図3に関連して以下でさらに詳述するように、融合モデル146は、位置センサ126によって生成されたグローバル位置の複数のインスタンスから機械100の回転中心の推定値を生成し、これらの推定値を回転センサ124からの測定された角変位と融合して、位置センサのみから得られるよりも正確な回転中心を決定してもよい。上述したように、回転センサ124は、位置センサ126によって生成された位置よりも高い精度で、下部フレーム104に対する上部フレーム102の回転中心、例えば、軸線106の周りの角度変位を決定する。融合モデル146は、このようなより忠実度の高い回転データを利用して、回転中心のより正確な位置を決定し、機械100の位置および向きをより正確に決定してもよい。さらに、本明細書に記載された技術は、慎重な校正ステップを必要とせずに状態データを決定してもよい。例えば、回転センサ124からのデータを位置データと融合することにより、機械100の通常の使用中に状態データ142を正確に決定することが可能になり得る。言い換えれば、本明細書に記載された技術によれば、校正ルーチンを部分的または完全に省略してもよい。
【0026】
図1は、状態決定システム138が融合モデル146のみを含むことを示しているが、状態決定システム138は、追加部品を含んでもよい。限定するものではないが、状態決定システム138は、入力を処理する機能を含んでもよい。例えば、状態決定システム138は、入力センサデータ140を検証する機能を含んでもよい。例えば、状態決定システム138は、一定の遅延、忠実度、または他の要件を満たしていないデータを含むことができる信頼性のないデータを識別し、削除してもよい。状態決定システム138はまた、例えば、時間、ソースなどによってデータをフィルタリングする機能も含むことができる。例えば、状態決定システム138は、直前の期間(例えば、直前の秒、10ミリ秒など)の間に機械100が移動した期間に関連するセンサデータを識別し、これらの入力のみを融合モデル146に渡すことができる。状態決定システム138はまた、入力センサデータ140を処理して、融合モデル146に渡されるデータを生成することもできる。例えば、状態決定システム138は、画像データを受信し、画像データを処理して、エッジ、角などの特徴を識別してもよい。状態決定システム138の他の機能も説明から理解される。諸例では、センサデータ140(および/または、本明細書でさらに説明されるような他のデータ)から状態データ142を決定することに含まれる任意の処理は、状態決定システム138によって実行され得る。他の場合、本明細書で説明される機能の一部または全てが、異なる部品によって実行されてもよい。
【0027】
上述したように、状態データ142は、機械100の状態に関する任意の情報を含んでもよい。いくつかの例では、状態データ142は、機械100の相対的な位置および向きを示す2次元または3次元のベクトルを含んでもよい。機器向きベクトル144の一例を図1に示す。機械向きベクトル144は、軸106上の点、例えば、下部フレーム104に対する上部フレーム102の回転中心から始まり、上部フレーム102の前部に対応する方向を有してもよい。他の例では、機械向きベクトル144の方向は、機械100および/または機械100の部品に異なって対応してもよい。また、諸例では、機械向きベクトル144は、速度、加速度、信頼度メトリック、および/または他の状態情報を含むがこれらに限定されない、他の関連するデータを有してもよい。
【0028】
前述したように、機械100に関連するデータは、例えば、融合モデル146を実装する状態決定システム138を介して、状態データ142を決定するために使用されてもよい。本明細書に記載の技術によれば、状態データ142を決定する例については、図2~5を参照して以下に詳細に説明する。
【0029】
より具体的には、図2は、回転中心206を中心として下部フレーム204に対して回転することを必要とするタスクを実行する機械100であり得る機械200の概略図である。この例では、上部フレーム202は機械100の上部フレーム102に対応し、下部フレーム204は下部フレーム104に対応し、回転中心206は軸106などの回転軸に一致していてもよい。図22はGNSSセンサ208であり、このGNSSセンサ208は、図1に関連して上述された位置センサ126の例であり得る。図示の例では、下部フレーム204は地面に対して動かない、例えばトラックの動きがない。機械100は、第1場所からバケットを用いて土を除去し、例えば第2場所で回転してバケットを捨ててもよい。
【0030】
図2は、具体的には、第1機械位置を実線で示し、第2機械位置を点線で示す。第1機械位置では、上部フレーム202は、回転中心206を中心とする第1回転位置を有し、第2機械位置では、上部フレーム202’は、回転中心を中心とする異なる回転位置を有する。理解されるように、第1回転位置は第1時刻に関連し、第2回転位置は第1時刻の後の第2時刻に関連している。上述したように、2つの機械位置では、下部フレーム204は動かない。機械200の上部フレーム202は、回転角度θだけ、上部フレーム202’によって示される第2位置まで(図2の平面内で)反時計回りに回転している。上記したように、回転角θは、回転センサ124(図2には図示せず)を使用して測定される。回転センサ124は、下部フレーム204に対する上部フレーム202の角度向き(または向きの変化)の正確な測定を提供する。例えば、回転角度θは、1回目と2回目とで測定された角度向きの差である。
【0031】
図2の例では、機械100の位置(例えばグローバル位置)は変化しないが、機械100の状態は変化している。したがって、図2の例では、第1位置では、機械100は、第1グローバル位置と第1向きまたは方位とを含む第1状態を有する。この第1状態は、図2において、第1機械向きベクトル210によって示されている。第1状態には、ゼロ(線形およびおそらく回転)速度、ゼロ(線形およびおそらく回転)加速度、および/またはその他の特性も含まれるいくつかの例では、信頼値を第1機械向きベクトル210に関連付けることもできる。限定するものではないが、第1機械向きベクトルの大きさは信頼値に対応してもよい。第2機械位置では、機械200は、第2グローバル位置と第2向きまたは方位とを含む第2状態を有する。この第2状態は、図2において、第2機械向きベクトル210’によって示されている。第2の状態には、ゼロ(線形およびおそらく回転)速度、ゼロ(線形およびおそらく回転)加速度、および/またはその他の特性も含まれる。いくつかの例では、信頼値を第2機械向きベクトル210’に関連付けることもできる。限定するものではないが、第2機械向きベクトル210’の大きさは、信頼値に対応してもよい。
【0032】
第2機械位置では、車両の下部フレーム204は第1状態に対して動かず、例えば、トラックは、機械200が世界座標系において地面に対して動く原因とならない。しかしながら、GNSSセンサ208は、例えば、GNSSセンサが上部フレーム202に結合されており、下部フレーム204に対する上部フレーム202の回転のために、上部フレーム202が、例えば上部フレーム202’に示されるように移動しているので、位置の変化を検出する。GNSSセンサ208は、例えばX-Y平面内において、回転中心206から離間した位置で、回転中心206を中心として下部フレーム204に対して回転する上部フレーム202に結合される。この間隔のために、GNSSセンサ208は、下部フレーム204に対する上部フレーム202の回転中心206の周りの円弧を追跡する、すなわち、GNSSセンサ208によって示される第1位置からGNSSセンサ208’によって示される第2位置へ移動する。理解されるように、上部フレーム202が第1位置から第2位置に回転するとき、GNSSセンサ208は、少なくとも第1機械状態および第2機械状態に関連するグローバル位置を含む複数のグローバル位置を記録する。GNSSセンサ208の構成、例えば、GNSSセンサ208がグローバル位置を決定および/または生成する頻度に応じて、GNSSセンサ208はまた、図示の機械位置の間の複数のグローバル位置を決定してもよい。
【0033】
図2の例では、下部フレーム204に対する上部フレーム202の回転は機械200の唯一の運動であり、第2位置における機械200の向きは、例えば、第2機械向きベクトル210’の方向によって示されるように、例えば、第1機械向きベクトル210の方向によって示されるように、回転角度θだけ回転させた、第1位置における機械の向きである。
【0034】
理想的なケースでは、例えば、機械振動に起因するセンサノイズや誤差が存在しない場合、GNSSセンサ208によって測定されたグローバル位置は、向きベクトル210’を決定するのに十分である可能性がある。具体的には、GNSSセンサ208の機械208上の位置が、例えば、機械200の回転中心206に対して、および/または、機械200上の器具の位置に対して既知であるので、GNSSセンサ208は、上部フレーム202およびGNSSセンサ208によって生成された位置が、回転中心206から既知の距離にある円弧上にある場合と同様に、同じ回転(回転角度θなど)を受けることになる。GNSSセンサによって生成された2つのグローバル位置を用いて、例えば、回転中心206とGNSSセンサ208との間の距離に等しい半径を有するグローバル位置を囲む円の交点において、2つの候補回転中心を決定することができる。GNSSセンサによって測定された第3グローバル位置から回転中心206を三角測量して、機械向きベクトル210’の方向を決定することができる。
【0035】
理想的な場合には、GNSSセンサ208からのデータは、状態情報を決定するのに十分であるが、現実世界の適用は異なる。具体的には、図1の例のように、回転動きのみであっても、GNSS技術、使用中の機械100の振動、および/または他の要因により、GNSSセンサからの測定値にはノイズが多いことが多い。このようなノイズおよび現実世界の不正確さを克服するために、本明細書に記載の技術は、測定された回転角度θなどの回転データを利用して、ベクトルの方向を含む機械向きベクトル210’の様々な態様を正確に決定することができる。
【0036】
図3は、本開示の態様による位置および向きの決定をより詳細に示す概略図である。具体的には、図3は、GNSSセンサ208からの測定値である第1点302(1)および第2点302(2)を示しており、測定値は、第1機械位置にある上部フレーム202および第2機械位置にある上部フレーム202’に対応している。図3はまた、第3点302(3)、第4点302(4)、および第N点302(N)を含む複数の追加点を示し、Nは4より大きい任意の整数を表す。一般的に、第1点302(1)から第N点302(N)、またはその点の任意のサブセットは、ここでは「点302」と呼ばれる場合がある。一方、図3の例では、5つの点302が示されているが、他の例では、より多くまたはより少ない点(第1点302(1)および第2点302(2)までの点を含む)が使用されてもよい。
【0037】
限定するものではないが、本開示の態様は、点302および回転センサによって決定された角度、例えば回転角度θを使用して、機械の位置および向きを決定する。例えば、GNSSセンサ208の運動を近似する予想される円弧304の特性は、上部フレーム206上のGNSSセンサ208の配置と、測定された回転角度θとに基づいて決定されてもよい。本開示のいくつかの態様では、円弧304のオフセット形式の測定点302に対する誤差、例えば横方向距離を決定することができ、回転中心206に対応する推定回転中心306を、これらの誤差に基づいて決定することができる。他の例では、円弧304を点302に当てはめて、推定回転中心306を得るようにしてもよい。例えば、回転中心を決定するための技術は、最小二乗誤差最小化、平均化、モデル適合に基づく最適化などを含んでもよい。加えて、これらの推定方法は、誤差の分散、中央値誤差など、最終推定値に関する不確実性の指標を提供する可能性がある。車両の状態推定に関連する信頼値、例えば機械向きベクトルに関連する信頼値は、この不確実性に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0038】
推定回転中心306を決定するための他の例も考えられる。例えば、ノイズがない場合には、隣接する対点302を結ぶ線の垂直二等分線はすべて回転中心206で交わる。しかしながら、グローバル位置ポイントにはノイズが多いため、本明細書に記載される技術は、ポイント302のペアの回転中心を推定することができる。このようにして、推定された中心のクラスタ、例えば点の各対に対応するクラスタが生成される。本明細書に記載の技術は、クラスタから推定回転中心306を推定することができる。このようなクラスタリングは、上記のフィッティングと組み合わせて、または上記のフィッティングの代わりに使用され得る。
【0039】
いくつかの例では、例えば、機械がこれらの位置を感知している間静止していてもよいので、第1点302(1)および第2点302(2)は、点302の他の例よりも正確であってもよい。上記の方法では、点302(1)、302(2)および回転角度θから得られた回転中心から推定される回転センサ124からの最小二乗誤差を、例えば他の誤差項よりも高い重みで重み付けすることで、誤差を適切に重み付けすることにより、事前信念として組み合わせることができる。
【0040】
GNSSのグローバル位置データにはある程度誤差がある。そのため、GNSSセンサによる連続的な測定は、実際の動きがない場合など、機械の運動を誤って示している可能性がある。例えば、従来のGNSSセンサは、約0.1フィート(例えば、約3センチメートル)の範囲内でグローバル位置を見つけることができる。いくつかの例では、本明細書に記載された技術は、GNSSセンサに関連する誤差範囲外の2点に関するデータを受信したときに、車両の向きおよび位置を決定することができる。言い換えれば、図2および3では、比較的大きな回転角θを示しているが、これは主に説明を明確にするためである。実際には、本明細書に記載の方法を使用して正確な回転中心を得るには、5度以下の回転角θで十分である可能性がある。次に、推定された回転中心の振り角度を機械の以前の位置および向きに適用することにより、機械の向きベクトルを決定できる。
【0041】
先に説明した例では、機械の横方向の運動が発生していないことを確認するために、センサデータ140の一部などの他のセンサデータが車両で生成され得る。例えば、上述したように、車両の制御入力に関する情報は、状態決定部品によって受信されてもよい。具体的には、機械のオペレータが、例えばジョイスティック、ユーザインターフェース、ステアリング機構、または他の制御デバイスを介して機械を動かすための制御を入力した場合、その入力は、トラック108をある態様で動かすためにコントローラに送信され得る。図2の例では、状態決定部品は、トラックを移動するための入力または命令が与えられていないと判定し、それによって、次のフレームが移動していないことを確認することができる。図1または本明細書の他の場所に関連して上記したセンサのいずれかからの他のセンサデータも、下部フレーム204が動いていないことを判定するために使用され得る。例えば、下部フレームに結合されたIMU、加速度計、および/または他のセンサは、下部フレームが移動していないことを確認する(または他の例では、下部フレーム204の運動量を決定する)ことができる情報を状態決定部品に提供することができる。
【0042】
前述の技術は、上部フレーム202上の異なる既知の位置など、複数のGNSSセンサを必要とする従来のシステムを改良したものである。他の従来のシステムは、単一のGNSSセンサ(または他のタイプの位置センサ)を有してもよいが、使用前および/または使用中の間隔など、機械の位置および向きを決定するための広範な校正手順を機械が実行する必要がある。例えば、従来の校正手順の一部は、機械が下部フレームに対して上部フレームを比較的大きな角度、例えば30度以上回転させることを含む場合がある。この校正手順を通じて、十分に大きな角度にわたる十分な数の離間したグローバル位置を使用して、例えば点によって作られる円弧を推定することによって、機械の回転中心を許容誤差内で近似する。しかしながら、上述したように、GNSSセンサによって生成されるグローバル位置に関連する大きな誤差のために、許容可能な精度を有する機械向きを提供するためには、大きな角度と比較的多数の位置が必要である。一方、本開示の態様は、回転センサおよび(単一の)GNSSデバイスからの情報(および/または他のセンサからのデータ)を融合して、広範な校正手順を必要とせずに、位置および/または向きを含む機械200の正確な状態情報を決定する。いくつかの例では、本明細書に記載された技術は、大きな校正角度を必要とせずに、より高い精度で機械200の位置および向きを計算することができる。本明細書に記載された技術では、回転角度θ、例えば、5度以下の角度回転で機械状態情報を決定することができる。いくつかの例では、本明細書に記載された技術は、機械の通常の動作中、例えばタスクの実行中に実行することができ、それにより、それによって別個の校正手順の必要性が完全に回避される。他の実施形態では、校正手順を大幅に簡略化し、例えば、より小さい角度回転を有することにより、校正に必要な時間を大幅に短縮することができる。
【0043】
機械の並進運動がないことがわかっている場合、GNSSセンサからの複数の測定値で車両の位置および向きを決定するのに十分な場合がある。しかしながら、並進運動は、GNSSセンサ208の期待される円弧304を変化させてもよい。本開示の態様は、センサデータ140からのデータなどの追加のデータを使用して、より複雑な機械運動に応答して機械向きベクトルを生成することもできる。限定するものではないが、融合モデル146は、IMUデータ、トラックデータ、および/または同様のデータ、例えば、下部フレーム204に関連するセンサデータを使用して、GNSSセンサ208によって生成された測定値が適切であるGNSSセンサの推定経路を決定してもよい。上述したように、本明細書に記載の技術を実行するには比較的小さな動きで十分であるため、推定経路は円弧から大きく逸脱することがなく、および/または推定された円弧は機械の動作中に他の動き、例えば並進運動から分離される可能性がある。
【0044】
図2および図3の例、これらの図に関連して説明された変形例のいずれでも、下部フレーム104および204に対する上部フレーム102。202の回転運動を想定しており、回転センサ124は、回転の正確な測定値を取得し、回転データおよびグローバル位置データに基づいて状態データ142を生成する。ただし、一部のタイプの機械動きには、このような相対回転が含まれない場合がある。図4および5は、相対回転を含まないこれらの動きの例を示している。
【0045】
具体的には、図4は、機械100または機械200であり得、上部フレーム402および下部フレーム404を含む機械400の概略図である。この例では、上部フレーム402は機械100の上部フレーム102に対応し、下部フレーム404は機械100の下部フレーム104に対応してもよい。さらに、上部フレーム402は、下部フレーム404に対して、例えば回転中心406を中心として回転可能である。回転中心406は、軸106などの回転軸と一致していてもよい。また、図4はGNSSセンサ408であり、GNSSセンサ408は、図1に関連して上述した位置センサ126の例であり得る。図示の例では、下部フレーム404は地面に対して移動しているが、上部フレーム402は下部フレーム404に対して、例えば回転中心406を中心として相対回転していない。機械400は、第1場所から第2芭蕉、例えば建設現場の異なる部分に移行する可能性がある。
【0046】
図4の例では、上部フレーム402は下部フレーム404に対して回転していないが、機械状態は変化している。図4の例では、第1機械位置410において、機械400は、第1グローバル位置および第1向きまたは方位を含む第1状態を有する。この第1状態は、図4において、第1機械向きベクトル412によって示されている。第1状態には、非ゼロの速度、加速度、および/または他の特性も含まれてもよい。いくつかの例では、信頼値を第1機械向きベクトル412に関連付けることもできる。限定するものではないが、第1機械向きベクトル412の大きさは、信頼値に対応してもよい。第2機械位置414では、機械400は、第2グローバル位置および第2向きまたは方位を含む第2状態を有する。第2の状態は、図4において、機械向きベクトル416によって示されている。第2状態には、非ゼロ速度、ゼロ(線形およびおそらく回転)加速度、および/またはその他の特性も含まれてもよいいくつかの例では、信頼値を第2機械向きベクトル416に関連付けることもできる。限定するものではないが、第2機械向きベクトル416の大きさは、信頼値に対応してもよい。
【0047】
上述したように、第2機械位置414では、機械400の下部フレーム404が地面に対して移動している。より具体的には、第1トラック108aおよび第2トラック108bに対応し得る第1トラック418および/または第2トラック420は、機械400が世界座標系において地面に対して移動させるように作動されている。前の例と同様に、GNSSセンサ408は、例えばGNSSセンサが上部フレーム402に結合され、上部フレーム402が下部フレーム404によって支持されるので、第1および第2機械位置410、414に関連するグローバル位置(および第1および第2機械位置410、414の間の位置)を生成する。しかしながら、上部フレーム402は下部フレーム404に対して移動しないので、図2および図3の例に示されるように、測定点と比較できる予想される円弧は存在しない。
【0048】
図4の例では、上記のセンサデータ140のタイプのような他のセンサデータを使用して、GNSSセンサ408の予想される経路422を推定することができる。その後、GNSSセンサ408によって生成されたグローバル位置は、推定経路422と比較され得る。少なくともいくつかの例では、予想される経路422は、例えば上述したトラックセンサ128からのトラックデータのようなトラックデータに少なくとも部分的に基づいて決定されてもよい。例えば、機械400に入力された制御に応じて、機械400の運動は、第1トラック418および/または第2トラック420の運動によって、例えば、オペレータ、遠隔制御装置、自律制御システム、または他の方法によって入力されてもよい。いくつかの例では、状態決定システム138はまた、機械400のこれらの制御に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、向きを決定してもよい。トラック418、420は、例えば、互いに相対的に移動するように独立に制御されて、下部フレーム404に地面上での所望の動きを与えてもよい。本開示の諸例では、トラック418、420のそれぞれの制御に関する情報を他のデータと融合して、予想される経路422を決定してもよい。制御に関する情報には、ジョイスティックまたは他の物理的制御の物理的変位、電気信号、またはユーザ入力によって引き起こされる電気信号の変化などのユーザ入力に関する情報が含まれているが、これに限定するものではない。他の例では、制御に関する情報は、トラックを移動させるための駆動システムに関する情報を含んでもよい。例えば、トラックは油圧システムによって駆動されてもよく、トラックに流れる油圧流体に関する情報は、トラックの実際の運動を推定するために使用され得る。さらに別の例では、制御に関する情報は、トラックの実際の運動を示すセンサデータであり得る。例えば、トラックセンサをトラックに取り付けて、トラックの変位や、トラックを駆動するハブの回転などを決定してもよい。
【0049】
トラックの運動に関連する情報は、機械100の並進運動および/または回転運動を近似するために使用され得る。例えば、状態決定システム138は、例えば、1つまたは複数の融合モデル146を使用して、第1トラック経路424および/または第2トラック経路426を近似してもよい。上部フレーム402に対するGNSSセンサの位置が既知であるので、予想される経路422は、第1トラック経路424および/または第2トラック経路426のうちの1つまたは複数に基づいて決定されてもよい。GNSSセンサ408からのグローバル位置データは、推定経路422に沿った位置に関連する時刻においても利用可能である。場合によっては、状態決定システム138は、機械の幾何学的形状、センサの既知の位置、および左/右トラックから上記の各センシングデータに入力された並進量のマッピングに基づいて、その回転中心に対する機械の並進および3次元回転(ヨー、ピッチおよびロール)を計算する。単一のセンサに基づくこれらの推定値は、センサ融合アルゴリズムを使用して、例えば融合モデル146として機械100の動きの正確な推定値を決定して融合し、次いで、例えば推定動きベクトルを機械の以前の位置および向きに適用することによって、機械の位置および向きを計算してもよい。例えば、一実施形態では、カルマンフィルタまたは拡張カルマンフィルタを使用して、センサ測定値を入力として使用して機械の回転中心および向きを追跡してもよい。
【0050】
GNSSセンサ408の推定トラック経路424、426、およびその結果としての推定経路422は、回転センサ124から決定される推定円弧304よりも大きな誤差を受けやすい可能性がある。例えば、トラック418、420は、例えば地形、土壌条件、および/または類似のものに基づいてスライドする傾向があり得る。その結果、下部フレーム404に対する上部フレーム402の回転の恩恵を受けずに計算された機械向きベクトル412、416は、相対回転運動に少なくとも部分的に基づく機械向きベクトルよりも低い信頼性を有する可能性がある。その結果、本開示のいくつかの実施形態では、図4に示すように、機械400のような機械が第1位置から第2位置に移動するように制御されるとき、機械400は、下部フレーム404に対する上部フレーム402の回転を与えるように制御可能である。このような制御は、例えば、ユーザからの入力がない場合、オペレータによって誘導されてもよく、コントローラによって誘導されてもよい。本明細書で詳述するように、例えば約5度以下のオーダーのような小さな相対回転でも、本明細書に記載された技術を実現するのに十分である。
【0051】
図5は、例えば、追加のタイプのセンサデータを使用して、状態情報を決定するための追加の技術を示す。具体的には、図5は、機械100、200、400のいずれかであり得、上部フレーム502と下部フレーム504とを含む機械500の概略図である。この例では、上部フレーム502は上部フレーム102、202、402のいずれかに対応し、下部フレーム504は下部フレーム104、204、404のいずれかに対応してもよい。さらに、他の例と同様に、上部フレーム502は、下部フレーム504に対して、例えば回転中心506を中心として回転可能であってもよい。回転中心506は、軸106などの回転軸と一致していてもよい。また、図5は、GNSSセンサ508であり、GNSSセンサ508は、位置センサ126および/または上述したGNSSセンサ208、408のうちの1つであり得る。図示の例では、下部フレーム504は地面に対して回転するが、上部フレーム502は下部フレーム504に対して回転しない、例えば回転中心406を中心として回転する。この例では、機械は、例えば、材料を掘削する第1向きと、掘削された材料を投棄する第2位置との間で、所定の位置で回転してもよい。
【0052】
図5の例では、下部フレーム504に対する上部フレーム502の回転はないが、地面に対する回転により機械状態が変化している。図5の例では、実線で示される第1機械位置5では、機械500は、第1グローバル位置および第1向きまたは方位を含む第1状態を有する。この第1状態は、関連する第1機械向きベクトル(図5に図示せず)を有してもよい。第1状態はまた、速度、加速度、および/または他の特性を含んでもよい。いくつかの例では、信頼値を第1機械位置に関連付けることもできる。破線で示す第2機械位置において、機械500は、第2グローバル位置(GNSSセンサ508によって測定される)と、第2向きまたは方位とを含む第2状態を有する。第2の状態は、図5において、機械向きベクトル510によって示されている。第2状態はまた、速度、加速度、および/または他の特性を含んでもよい。いくつかの例では、信頼値を機械向きベクトル510に関連付けることもできる。限定するものではないが、第2機械向きベクトル510の大きさは、信頼値に対応してもよい。
【0053】
機械500はまた、図1に示されるセンサ130に対応し得る画像センサ512を含む。図4において、画像センサ512は、機械500の前方にほぼ広がる視野514を有するカメラであってもよい。図5の視野514は、画像センサ512は、より広い視野またはより狭い視野を有し得るため、図5に示される視野は単なる例である。限定するものではないが、視野514は機械500のツールによって容易に妨げられることがあり、したがって、機械500の片側または後部のような交互の視野が好ましい。さらに別の例では、360度の視野カメラが使用され、全視野の一部が本明細書に記載の技術に従って使用される。視野514の範囲に関係なく、画像センサ512は機械500の環境に関する画像データを生成してもよい。図5の例では、画像センサ512は、機械500が第1機械位置(実線で示す)にある画像センサ512の視野514に対応する第1画像データ516(図5に概略的に示す)を生成する。像センサ512はまた、画像センサ512が第2機械位置(破線で示す)にある視野514に対応する第2画像データ518を生成する(図5にも概略的に示す)。第1画像データ516と第2画像データ518は、図5にも概略的に示されるように、領域520で重なる。
【0054】
図5の例では、図4の例と同様に、GNSSセンサ508が追跡する推定円弧を生成するために使用できる、回転センサ124によって測定される相対回転はない。しかしながら、画像センサ512によって生成された画像データは、GNSSセンサ508の運動を推定するために使用されてもよい。例えば、第1画像データ516および第2画像データ518は、機械500の周囲の環境における特徴の画像を含む。これらの特徴には、建物、送電塔、監視塔、クレーンなどの固定重機などが含まれるが、これらに限定されるものではない。諸例では、第1画像データ516および第2画像データ518を分析して、キャプチャ間のカメラの回転角度を計算してもよい。
【0055】
いくつかの例では、画像センサ512は、第1画像データ516および第2画像データ518を含む画像データとして、一定の時間間隔でビデオシーケンスまたは静止画像をキャプチャしてもよい。状態決定システム138は、画像データから画像センサ512のカメラの回転角度を推測するための1つまたは複数の方法を実装してもよい。一例では、重複領域520内の建物524などの特有の構造上の点は、例えば、SIFT、SURF、またはHoG特徴を使用して決定および記述され得、後続の画像内の対応する点は、これらの特徴を照合することによって決定され得る。マッチングが要求される画像は、重複領域520など、少なくともいくつかのユニークな構造を含む重複を有する。カメラの動きは、一組の既知の点対応関係と、図示の例では機械500が旋回する点または軸に対するカメラの位置関係から計算してもよい。さらに、GNSSセンサ508は、画像センサ512に対して既知の位置関係を有するので、図2および図3の例に示すように、状態決定システム138は、例えば融合モデル146を使用して予想される円弧を決定してもよく、GNSSセンサ508によって決定されたグローバル位置は、上述したように予想される円弧に適合してもよい。別の方法では、回転運動中にキャプチャされたビデオシーケンスは、コンピュータビジョンにおいて既知の特徴追跡またはオプティカルフローを使用するストラクチャフロムモーション技術を使用して分析され得る。図5の例は画像センサを使用しているが、今説明した技術は測距センサ、飛行時間センサなどにも同様に適用可能である。
【0056】
図2および3は、例えば単一のGNSSセンサからの回転データおよびGNSSデータを使用して状態情報を決定する技術を示している。図4および5は、相対回転が存在しない例を示しているので、単一のGNSSセンサと組み合わせて他の技術を使用して、向きおよび/または位置を含む状態を推定する。理解されるように、理解されるように、本開示は、利用可能な回転データがない場合に、図4のようなトラックデータおよび/または図5のような画像データを使用することに限定されない。対照的に、本明細書に記載された様々な技術は、例えば、融合モデル146を使用して、一緒に使用されてもよい。より多くのデータ型とモデルが使用されるようになると、推定技術はより堅牢になる可能性がある。例えば、回転センサ124は最も精度の高いデータを生成してもよいが、トラックデータおよび/または画像データは、正確ではないが、状態データ142を決定するために使用されてもよい。諸例では、異なるタイプのデータに異なる重み付けを行ってもよい。
【0057】
図1図5および前述の開示は、機械の上部フレームに配置されたGNSSセンサに関するものであるが、代わりに、GNSSセンサは機械の下部フレームに配置されてもよく、他のセンサの少なくともいくつかは逆に上部フレームに配置されてもよいことが理解されるべきである。さらに、上述したように、GNSSセンサは位置センサの一例に過ぎず、本明細書で説明する例で使用するGNSSセンサの代わりに他の種類の位置センサを使用してもよい。
【0058】
図6は、本明細書に記載された一実施形態による機械状態を決定するためのシステム600の一例を示す図である。少なくとも1つの例では、システム600は、1つまたは複数のネットワーク604を介して1つまたは複数の遠隔コンピューティングデバイス606と通信する1つまたは複数の機械602を含んでもよい。例えば、機械602は、機械100、200、400、500のいずれでもよい。遠隔コンピューティングデバイス606は、フラットパネルコンピューティングデバイス、デスクトップコンピューティングデバイス、ノートパソコンコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、クラウドベースのコンピューティングデバイス、サーバベースのコンピューティングデバイス、または本明細書に記載された機能を実行し、機械602と通信することができるその他任意のコンピューティングデバイスを含んでもよい。ネットワーク604は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットを含むがこれに限定されないワイドエリアネットワーク(WAN)、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができ、任意の適切なプロトコルおよび通信技術を使用する有線および無線通信技術を含んでもよい。
【0059】
システム600は、1つまたは複数のセンサ608と、ディスプレイ610と、1つまたは複数のユーザインターフェース612と、1つまたは複数のコントローラ614と、プロセッサ616と、プロセッサ616に通信可能に結合されたメモリ618と、1つまたは複数の通信接続部品620とを含んでもよい。図示の例では、機械602のメモリ618は、状態決定部品622およびグラフィカルユーザインタフェース(GUI)生成システム624を記憶する。これらのシステムは、以下に示され、別個の部品として説明されるが、様々なシステムの機能は、上述した従来のシステムとは異なる場合がある。さらに、本明細書で説明される様々な機能を実行するために、より少ないまたはより多いシステムおよび部品を使用してもよい。説明のために、図6では、メモリ618に常駐するように示されているが、状態決定部品622および/またはGUI生成システム624は、追加的にまたは代替的に、機械602によってアクセス可能である(例えば、機械602から離れたメモリ上に記憶されているか、または機械602から離れたメモリによってアクセス可能である)ことが想定され得る。
【0060】
センサ608は、本明細書で説明される任意のセンサを含んでもよい。例えば、限定するものではないが、センサ608は、回転センサ124、位置センサ126、トラックセンサ128、センサ130、および/または、本明細書で説明する他のセンサを含んでもよい。限定するものではないが、センサ608は、機械602の態様および/または機械602の環境に関するデータを生成するように構成されてもよい。
【0061】
ユーザインターフェース612は、例えば、ユーザが機械602と対話することを可能にするように、機械602のオペレータに提供されてもよい。いくつかの例では、機械602のオペレータは、オペレータが運転室110内にいる間、ユーザインターフェース612にアクセスすることができる。ユーザインターフェース612は、ディスプレイスクリーン、タッチスクリーン、ジョイスティック、ステアリングホイール、スイッチ、ペダル、および/またはオペレータがインターフェースできる任意の他の機構もしくはコンポーネントを含んでもよい。
【0062】
コントローラ614は、制御信号を実装する部品を含んでもよい。限定するものではないが、コントローラ614は、ユーザインターフェース612を介して受信したオペレータ入力に基づいて信号を受信し、これらの制御を実行するためのアクションを決定してもよい。コントローラ614は、油圧コントローラ、アクチュエータコントローラ、電子コントローラなどを含んでもよい。場合によっては、本明細書でさらに詳述するように、ユーザインターフェース612および/またはコントローラ614からのデータを使用して、機械の動きを推定してもよい。
【0063】
少なくとも一例では、状態決定部品622は、センサ入力に基づいて機械602の状態データを決定する機能を含んでもよい。例えば、状態決定部品622は、上述した状態決定システム138と実質的に同じであってもよい。諸例では、状態決定部品622は、回転センサおよび単一のGNSSセンサからセンサデータを受信し、その情報に基づいて機械602の方向を決定してもよい。例えば、状態決定部品622は、上述した融合モデル140のような1つまたは複数のモデルを利用してもよい。
【0064】
いくつかの例では、GUI生成システム624は、例えば、ディスプレイ610を介してレンダリングするための1つまたは複数の対話型インターフェースを生成する機能を含んでもよい。いくつかの例では、GUI生成システム624は、GUIを生成するために、状態決定部品622から情報を受信してもよい。いくつかの例では、GUIは、機械602および情報状態に関する情報を示してもよい。状態情報は、機械向きベクトルを含んでもよい。GUIは、状態情報に関連する信頼値をオペレータに提示することもできる。本明細書で説明するように、回転センサからの回転データを使用して決定される状態情報は、他の技術を使用して決定される状態データよりも正確である可能性がある。この精度はGUIを介してオペレータに説明する場合がある。
【0065】
通信接続部品(複数可)620は、機械602と、遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606および/または他のローカルまたは遠隔デバイス(複数可)との間で通信することを可能にする。例えば、通信接続部品620は、例えば、ネットワーク604を介して、遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606との通信を容易にすることができる。通信接続部品(複数可)620は、例えば、IEEE802.11規格によって定義された周波数、ブルートゥース登録商標のような短距離無線周波数、他の無線送信、または任意の適切な有線または無線通信プロトコルを介して、Wi-Fiベースの通信を可能にしてもよく、これにより、個々のコンピューティングデバイスが他のコンピューティングデバイスとインターフェースしてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、機械602は、GUI、センサデータなどを生成する命令などの情報を、ネットワーク604(複数可)を介して遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606に送信することができる。遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606は、通信接続部品620、640を介して機械602からそのような情報を受信してもよい。いくつかの実施形態では、遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606は、例えば、機械602の状態を決定すること、またはGUIを生成することを含む、機械602に起因するいくつかの機能を実行してもよい。少なくとも1つの例では、遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606は、プロセッサ626と、プロセッサ(複数可)626に通信可能に結合された1つまたは複数のメモリ628とを含んでもよい。図示の例では、遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606のメモリ628は、状態決定部品630、GUI生成部品632、状態モデル生成部品634を記憶し、および/またはデータストア636を含んでもよい。諸例では、状態決定部品630は、状態決定部品622と実質的に同じであってもよく、GUI生成部品632は、GUI生成部品624と実質的に同じであってもよい。
【0067】
状態モデル生成部品634は、例えば、上述した融合モデル(複数可)140を含む1つまたは複数のモデルを生成する機能を含んでもよい。限定するものではないが、状態モデル生成部品634は、様々なセンサ入力から状態情報を生成するために機械学習モデルを訓練するなどの1つまたは複数の訓練プロセスを実施してもよい。さらに、状態モデル生成部品634は、推定経路、重心、および/またはGNSSセンサの他の機械部品など、本明細書で説明される態様をモデル化する機能を含んでもよい。
【0068】
データストア636は、モデル638を含んでもよく、モデル638は、いくつかの場合、融合モデル(複数可)146を含んでもよい。データストア636は、本明細書で説明されるように、機械固有情報、機械固有モデル、および/または、状態決定態様を決定するために使用される他のデータを記憶することもできる。
【0069】
遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606はまた、遠隔コンピューティングデバイス606と他のローカルまたは遠隔デバイス(複数可)との間の通信を可能にする通信接続部品(複数可)640を含んでもよい。例えば、通信接続部品(複数可)640は、例えば、ネットワーク604を介して、機械602および/または他の機械との通信を容易にすることができる。通信接続部品(複数可)640は、例えば、IEEE802.11規格によって定義される周波数、ブルートゥース登録商標のような短距離無線周波数、他の無線送信、または任意の適切な有線または無線通信プロトコルを介して、Wi-Fiベースの通信を可能にすることができ、これにより、個々のコンピューティングデバイスが他のコンピューティングデバイスとインターフェースしてもよい。
【0070】
機械602のプロセッサ(複数可)616および遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606のプロセッサ(複数可)626は、データを処理し、本明細書で説明する動作を実行する命令を実行することができる任意の適切なプロセッサであってもよい。限定的ではなく、例示的には、プロセッサ616、626は、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、または電子データを処理して、電子データをレジスタおよび/またはメモリに記憶され得る他の電子データに変換する他の任意のデバイスまたはデバイスの一部を含んでもよい。いくつかの例では、集積回路(例えば、ASICs等)、ゲートアレイ(例えば、FPGAs等)、および他のハードウェアデバイスは、符号化された命令を実装するように構成されている限り、プロセッサとみなされてもよい。
【0071】
メモリ618およびメモリ628は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体の一例である。メモリ618、628は、本明細書に記載された方法および様々なシステムに起因する機能を実装するために、オペレーティングシステムおよび1つまたは複数のソフトウェア用途、命令、プログラム、および/またはデータを記憶してもよい。様々な実施形態において、メモリは、任意の適切なメモリ技術、例えば、SRAM(SRAM)、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)、不揮発性/フラッシュメモリ型メモリ、または情報を記憶することができる任意の他のタイプのメモリを使用して実施してもよい。本明細書に記載されたアーキテクチャ、システム、および単一の要素は、多くの他の論理、プログラミング、および物理部品を含むことができ、添付図面に示されているものは、本明細書での議論に関連する例にすぎない。
【0072】
様々なシステムおよび部品が離散システムとして図示されているが、これらの図示は単なる一例であり、より多くまたはより少ない離散システムが本明細書に記載された様々な機能を実行してもよい。さらに、機械602に帰属する機能は、遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606において実行してもよく、および/または、遠隔コンピューティングデバイス(複数可)606に帰属する機能は、機械602において実行してもよい。
図7は、本明細書で説明されているように、機械状態を決定することに関連することができる、本開示の例示的なプロセス700を説明する流れ図を示している。例示的なプロセス700は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実現され得るアクションまたは動作を表す論理フロー図中のステップのセットとして示されている。ソフトウェアのコンテキストでは、ステップは、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能命令を表す。そのような命令が例えばプロセッサ(複数可)によって実行される場合、そのような命令は、プロセッサ(複数可)および/またはコンピューティングデバイス、またはコンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイスに関連する機械を含む様々な部品に、説明されたアクションまたは動作を実行させてもよい。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行する、または特定のデータタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、部品、データ構造などを含む。記述された動作の順序は限定的と解釈されることを意図しておらず、記述された任意の数の動作を任意の順序および/または並列に組み合わせてプロセスを実現することができる。いくつかの実施形態では、プロセスの1つまたは複数のブロックが完全に省略されてもよい。さらに、プロセス700は、他の方法と全体的にまたは部分的に組み合わせてもよい。
【0073】
より詳しく説明すると、図17は、機械(例えば、機械100、200、400、500)の状態を決定し、その状態に基づいて、掘削タスクを実行するように機械(例えば)を制御するための例示的なプロセス700を示している。プロセス700は、状態決定システム(複数可)/部品(複数可)138、622、630および/または機械(複数可)100、200、400、500、602によって実行してもよいが、他の部品はプロセス700の動作の一部またはすべてを実行してもよい。加えて、プロセス700の動作は、必ずしも図7に示される順序で実行される必要はなく、開示された実施形態と一致する異なる順序で実行されてもよい。
【0074】
動作702において、プロセス700は、GNSSセンサから第1データを受信することを含んでもよい。例えば、機械100が1つまたは複数のタスクを実行するために使用される場合、状態決定システム138は、位置センサ126によって生成されたセンサデータを受信してもよい。諸例では、第1データは、機械100が移動したときにGNSSセンサによって生成された複数のグローバル位置を含む。GNSSセンサは、機械100の上部フレーム102に、上部フレーム102が回転する軸から離間した位置で結合されてもよい。このように構成すると、GNSSセンサは、大部分の機械運動に応答して移動して、新しいグローバル位置を生成する。
【0075】
動作704において、プロセス700は、回転センサから第2データを受信してもよい。例えば、機械100が1つまたは複数のタスクを実行するために使用される場合、状態決定システム138は、回転センサ124によって生成されたセンサデータを受信してもよい。諸例では、第2データは、機械100の下部フレーム104に対する機械の上部フレーム102の回転変位を含む。回転センサ124は、軸106を中心とした上部フレーム102の下部フレーム104に対する角度変位を決定するように構成されてもよい。回転センサ124は、例えば約0.1度以内の回転変位を高精度に求めてもよい。
【0076】
動作706において、プロセス700は、第2データに基づいて振り角度を決定することを含む。上述したように、回転センサ124は、回転軸106を中心とした角度変位を測定する。振り角度は、絶対角度、相対角度、または他の角度測定値としてもよい。図2の例では、振り角度は、回転角度θであってもよい。
【0077】
動作700において、プロセス700は、振り角度と第1データとに基づいて回転中心を推定することを含む。図2および図3の例に関連して上述したように、本開示の態様には、GNSSデータおよび回転データを使用して状態情報を決定することが含まれる。例えば、回転中心に対するGNSSセンサの位置が既知であるので、振り角度を使用してGNSSセンサの期待円弧を決定してもよい。上述したように、GNSSセンサによって決定されたグローバル位置は、推定円弧と比較されて、推定された重心を決定してもよい。本明細書では、推定回転中心を決定するための他の例示的な技術も記載される。
【0078】
動作710において、プロセス700は、追加データを受信することを任意に含んでもよい。追加データは、上述のセンサデータ140のいずれか、および/または機械および/または機械の運動に関連する他の情報であり得る。場合によっては、追加データは、それぞれ図4および図5に関連して上述したトラックデータおよび/または画像データを含んでもよく、またはそれらを生成するために使用してもよい。
【0079】
動作712において、プロセス700は、推定回転中心、機械パラメータ、および任意選択で追加データに基づいて機械状態情報を決定することを含む。例えば、機械状態情報は、位置、位置、向き、速度、加速度、および/または機械100の様々な態様に関連する他の情報を含んでもよい。限定するものではないが、機械状態情報は、機械の位置および向きを示す機械向きベクトルであってもよい。諸例では、推定回転中心が決定されると、GNSSセンサ、重心、トラック、および/または他のセンサのような機械部品間の既知の空間関係が、機械の方向を決定するために使用されてもよい。追加データは、推定重心を決定するため、車両の運動に関する仮定(例えば、横方向の運動がないこと)を確認するため、および/または本明細書で詳述される他の目的のために、センサデータと融合され得る。
【0080】
動作714において、プロセス700は、機械状態情報に少なくとも部分的に基づいて機械を制御することを含む。例えば、機械100は、マイニング、グレーディング等を含むがこれに限定されないマイニングタスクを実行するために使用されてもよい。いくつかの例では、掘削する地形の3Dモデルを使用して、これらの動作を支援することができる。モデルに基づいて動作を実行するには、機械の向きなど、機械の状態が必要になる場合がある。他の例では、動作714は、オペレータ、サイト管理者、またはマシンに関連する他のユーザに表示するためのGUIを生成することを含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
開示されたシステムおよび方法は、機械の制御、機械の位置決めなど、機械状態データが必要とされ得るあらゆる環境に適用される。一実施形態では、状態決定は、機械向きベクトルとして少なくとも部分的に特徴付けられ得る。たとえば、状態は、機械の各部分の相対回転に関連付けられた回転センサデータと、GNSSセンサによって生成されたグローバル位置に基づいてもよい。開示されたシステムおよび方法は、より正確な状態決定を可能にし、場合によっては複雑で煩雑な校正および/または再校正ルーチンを必要としない。例えば、本明細書に記載された技術は、機械を使用してタスクを実行するプロセスを含む、校正および再校正を実行する時間を短縮してもよい。
【0082】
例えば、図1を参照して、機械100は、下部フレーム104に対して軸106を中心に回転可能な上部フレーム102を含む。回転センサ124は、上部フレーム102と下部フレーム104との間の相対的な角度変位を測定するために配置されている。3次元位置センサ126、例えばGNSSセンサも、軸106から離間した位置で上部フレーム102に結合される。トラックセンサ128、画像センサ(例えば、センサ130として)、および/または器具センサ132、134、136を含むが、これらに限定されない追加センサも、機械100上に配置されてもよい。機械100に関連するコンピューティングシステムとして動作する状態決定システム138は、例えば1つまたは複数の融合モデル146を適用することによって、センサデータおよび生成された状態データ142を一部またはすべてのセンサから受信してもよい。諸例では、状態決定システム138は、回転センサ124からの回転データ、トラックセンサ128からのトラックデータ、画像センサ130からの画像データ、および/または他のセンサデータに基づいて機械100の運動を推定し、位置センサ126によって検出されたグローバル位置を推定された経路と比較してもよい。例えば、比較によって機械の推定回転中心を識別してもよく、位置センサ126と回転中心との既知の関係を使用して機械100の方向を決定してもよい。
【0083】
本明細書に記載された技術は、作業場所の効率および/または機械(機械100のような)の効率を向上させることができる。限定的ではなく、例示的には、本明細書で説明する技術は、頻繁、複雑、および/または破壊的な校正ルーチンなしに、機械の向きを含む機械状態情報を決定することができ、これは、燃料消費および/または部品の摩耗の低減を含むがこれに限定されない、機械100のより効率的な使用をもたらすことができる。
【0084】
例えば、オペレータが校正手順を実行して機械状態を判断しなければならない場合、機械は生産作業タスクに使用できない。本開示の態様は、タスクの実行中に機械に関する状態情報を決定することができ、それにより、作業のスループットを増加させ、非作業関連の使用による機械部品の摩耗を減少させることができる。
【0085】
当業者であれば、開示された技術を実施するためのコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に記憶され、および/またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み出されてもよいことを理解する。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プロセッサによって実行されたときに、本明細書で開示されるプロセスを含むコンピュータ実行可能命令を記憶することができる。例示的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、または当技術分野で知られている他の磁気記憶装置のような磁気記憶装置、光学的記憶装置、例えばCD-ROM、DVD-ROM、または当該技術分野で知られている他の光学的記憶装置、および/または、EPROM、フラッシュ・ドライブ、または当技術分野で知られている別の集積回路記憶装置などの電子記憶装置を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、機械100の1つまたは複数の部品によって実装されてもよい。
【0086】
当業者にとって明らかなように、機械の向きおよび/または位置を決定するために開示されたシステムは、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な修正および変更が可能である。本明細書に開示された様々な実施形態の仕様および実践を考慮することによって、本開示の他の実施形態は当業者にとって明らかである。本開示の真の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示され、本明細書および実施例は単なる例示とみなされることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】