(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】無溶媒ポリオルガノシロキサンペレット及びシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C08J 3/05 20060101AFI20240327BHJP
C08J 3/20 20060101ALI20240327BHJP
C08L 83/04 20060101ALI20240327BHJP
C08L 83/07 20060101ALI20240327BHJP
C09J 183/04 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
C08J3/05 CFH
C08J3/20 Z
C08L83/04
C08L83/07
C09J183/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561326
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 CN2021086234
(87)【国際公開番号】W WO2022213377
(87)【国際公開日】2022-10-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ユンロン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、チャンチャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ビン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホンユ
(72)【発明者】
【氏名】マロツキー、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ジホア
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リー、シューツオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェンジェ
(72)【発明者】
【氏名】ディン、リー
【テーマコード(参考)】
4F070
4J002
4J040
【Fターム(参考)】
4F070AA60
4F070AC12
4F070AC13
4F070AC56
4F070AE08
4F070AE14
4F070AE28
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4F070CB12
4F070FA17
4F070FB07
4F070FC06
4J002CP03W
4J002CP03X
4J002CP13X
4J002GJ01
4J002HA07
4J040EK081
4J040JB09
4J040MA02
(57)【要約】
シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を調製するためのプロセスは、ポリオルガノシリケート樹脂及びポリオルガノシロキサンガムを含有する無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットの使用を含む。シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液をフリーラジカル開始剤と組み合わせ、乾燥及び硬化させて、シリコーン感圧接着剤を形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットからシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
1)第1の供給口、第2の供給口、及びダイを有する出口を有するバレルと、前記バレルを加熱するように構成された加熱手段と、前記バレル内に収容されたスクリュー機構とを備える押出機であって、前記第1の供給口及び前記第2の供給口が、出発材料を前記押出機に導入するように構成され、前記スクリュー機構が、前記出発材料を混合し、前記第1の供給口及び前記第2の供給口から前記出口に向けて運搬することが可能であり、前記第1の供給口が、前記第2の供給口の上流にあり、前記第2の供給口が、前記出口よりも上流にある、押出機を提供することと、
2)i)無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムの少なくとも一部を、前記第1の供給口を通して前記押出機に添加することと、ii)無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を、前記第2の供給口を通して前記押出機に添加することであって、前記ガム及び前記樹脂が、重量比樹脂:ガムが2.1:1~5:1であるような量で添加される、添加することと、
3)前記バレル内で、かつ前記バレルを200℃~250℃の温度で加熱しながら、前記無溶媒ポリジオルガノシロキサンガム及び前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を混合し、それによって混合物を形成することと、
4)前記混合物を、前記出口の前記ダイを通して運搬し、それによってストランドを形成することと、
5)前記ダイを出る前記ストランドを冷却することと、
6)前記ストランドを粉砕し、それによって前記無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製することと、
7)分散装置に、工程6)で調製された前記ペレットと、樹脂:ガム比を0.4:1~3:1に調整するのに十分な量の任意選択的に追加のポリジオルガノシロキサンガムと、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤と、水と、を含む出発材料を供給することであって、ただし、前記界面活性剤が、スルホン酸及びその塩誘導体、長鎖カルボン酸界面活性剤及びその塩、脂肪酸アミン及びアミド、並びにその塩及び誘導体、アルキルグルコシド、並びに線状シリコーンポリエーテルを含まないことを条件とする、供給することと、
8)工程7)からの前記出発材料を前記分散装置中で混合及び加熱し、それによって前記シリコーン感圧接着剤ベースの水系分散液を生成することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
工程2)の前に、溶媒型ポリオルガノシリケート樹脂を調製し、前記溶媒型ポリオルガノシリケート樹脂を脱揮して、前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を形成することを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂が、単位式(R
1R
2
2SiO
1/2)
w(R
2
3SiO
1/2)
x(SiO
4/2)
yX
zを含み、式中、各R
2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R
2は、独立して選択された2~18個の炭素原子のアルケニル基であり、Xは、加水分解性置換基を表し、下付き文字w≧0、下付き文字x>4、下付き文字y>1、下付き文字z≧0であるが、ただし、量(w+x+y+z)が、前記樹脂に2,000g/mol~15,000g/モルの数平均分子量を与えるのに十分であることを条件とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムが、単位式(R
3R
2
2SiO
1/2)
a(R
2
2SiO
2/2)
b(R
2SiO
3/2)
cを含み、式中、各R
2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R
3は、硬化性基であり、下付き文字a≧2、下付き文字b>5000、下付き文字c≧0であるが、ただし、量(a+b+c)が、150,000g/mol~1,000,000g/molの数平均分子量を有する前記ガムを提供するのに十分であることを条件とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ガムの全てが、前記第1の供給口に添加される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ガムの0~15%が、前記第2の供給口に添加される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
工程5)及び6)が、水中ペレタイザを使用して実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
工程7)における前記分散装置が、追加の押出機である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
I)請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセスを実行して、前記シリコーン感圧接着剤ベースの前記水性分散液を形成することと、
II)追加の出発材料を前記シリコーン感圧接着剤ベースの前記水性分散液に添加することであって、前記追加の出発材料が、フリーラジカル開始剤、溶媒、コーティング添加剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、添加すること、それによって前記シリコーン感圧接着剤組成物の前記水性分散液を形成することと、を含む、プロセス。
【請求項10】
前記コーティング添加剤が存在し、前記コーティング添加剤が、消泡剤、湿潤剤、及びpH調整添加剤からなる群から選択される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
接着剤物品を調製するための方法であって、
任意選択的に、1)基材の表面を処理することと、
2)請求項9又は10に記載のプロセスを実行して、前記シリコーン感圧接着剤組成物の前記水性分散液を形成し、前記基材の前記表面上に前記シリコーン感圧接着剤組成物の前記水性分散液をコーティングすることと、
任意選択的に、3)前記水、及び存在する場合には前記溶媒の全て又は一部を除去して、前記基材の前記表面上に前記感圧接着剤組成物の層を形成することと、
4)前記シリコーン感圧接着剤組成物を硬化させて、シリコーン感圧接着剤を形成することと、を含む、方法。
【請求項12】
無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製するためのプロセスであって、
1)第1の供給口、第2の供給口、及びダイを有する出口を有するバレルと、前記バレルを加熱するように構成された加熱手段と、前記バレル内に収容されたスクリュー機構とを備える押出機であって、前記第1の供給口及び前記第2の供給口が、出発材料を前記押出機に導入するように構成され、前記スクリュー機構が、前記出発材料を混合し、前記第1の供給口及び前記第2の供給口から前記出口に向けて運搬することが可能であり、前記第1の供給口が、前記第2の供給口の上流にあり、前記第2の供給口が、前記出口よりも上流にある、押出機を提供することと、
2)i)無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムの少なくとも一部を、前記第1の供給口を通して前記押出機に添加することと、ii)無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を、前記第2の供給口を通して前記押出機に添加することであって、前記ガム及び前記樹脂が、重量比樹脂:ガムが2.1:1~5:1であるような量で添加される、添加することと、
3)前記バレル内で、かつ前記バレルを200℃~250℃の温度で加熱しながら、前記無溶媒ポリジオルガノシロキサンガム及び前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を混合し、それによって混合物を形成することと、
4)前記混合物を、前記出口の前記ダイを通して運搬し、それによってストランドを形成することと、
5)前記ダイを出る前記ストランドを冷却することと、
6)前記ストランドを粉砕し、それによって前記無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製することと、を含む、プロセス。
【請求項13】
前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂が、単位式(R
1R
2
2SiO
1/2)
w(R
2
3SiO
1/2)
x(SiO
4/2)
yX
zを含み、式中、各R
2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R
2は、独立して選択された2~18個の炭素原子のアルケニル基であり、Xは、加水分解性置換基を表し、下付き文字w≧0、下付き文字x>4、下付き文字y>1、下付き文字z≧0であるが、ただし、量(w+x+y+z)が、前記樹脂に2,000g/mol~15,000g/モルの数平均分子量を与えるのに十分であることを条件とする、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムが、単位式(R
3R
2
2SiO
1/2)
a(R
2
2SiO
2/2)
b(R
2SiO
3/2)
cを含み、式中、各R
2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R
3は、硬化性基であり、下付き文字a≧2、下付き文字b>5000、下付き文字c≧0であるが、ただし、量(a+b+c)が、150,000g/モル~1,000,000g/モルの数平均分子量を有する前記ガムを提供するのに十分であることを条件とする、請求項12又は13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記重量比樹脂:ガムが、2.1:1~3.5:1である、請求項14に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
なし。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を調製するためのプロセスに関する。より詳細には、本発明は、フリーラジカル開始剤と組み合わせ、乾燥及び硬化させて、シリコーン感圧接着剤を形成することができる、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を調製するためのプロセスに関する。水性分散液を調製するためのプロセスは、ポリオルガノシリケート樹脂及びポリオルガノシロキサンガムからなる無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットの使用を含む。
【背景技術】
【0003】
序論
シリコーン感圧接着剤(pressure sensitive adhesive、PSA)は、優れた耐熱性、安定した接着性、及び湿潤特性を有するマイカテープ及び/又はマスキングテープなどの無数の最終用途を有する。しかしながら、市場におけるほとんどのシリコーンPSA製品は、BTX(ベンゼン、トルエン、及びキシレン)溶媒中で利用されている。BTXなどの有機溶媒を少量有するか、又は全く有しないことができるPSA製品が業界で必要とされている。硬化して、シリコーンPSAを形成するシリコーン組成物は、典型的には、ポリオルガノシロキサンガム及びポリオルガノシリケート樹脂を含有する。
【0004】
ポリオルガノシリケート樹脂は、樹脂が室温(room temperature、RT)で固体であるため、典型的には、芳香族溶媒中で生成される。溶媒がないと、樹脂は、典型的には、粉末又はフレーク形状を有し、それは、非常に低いかさ密度を有し、保存及び輸送が困難になり得る。粉末は、シリコーン硬化性感圧接着剤組成物などのシリコーン組成物の製造プロセスにおいて、取り扱い及び運搬するのに不便であり得る。そして、フレーク樹脂は、典型的には、高いガラス転移温度及び高い溶融温度を有し、それによって、シリコーン組成物を調製する場合、他の成分、特にポリオルガノシロキサンガムと均質にブレンドすることが困難になる。
【0005】
ペレットは、プラスチック業界において、広く使用されている出発材料の供給形態である。高密度に詰め込まれたペレットは、ベルトフィーダー又はスクリューフィーダーなどの一般的な機械によって、簡単に保存、輸送、運搬され得る。しかしながら、ペレットの使用は、シリコーン業界において限定されている。
【0006】
過去におけるシロキサン樹脂及びポリジオルガノシロキサンポリマーを含むペレットを製造する試みは、樹脂を溶媒に溶解するか、又は樹脂とポリマーとを溶媒中で組み合わせ、その後溶媒を除去することを含んでいた。得られた組み合わせは、本質的に残留溶媒を含有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、シリコーン業界、特にシリコーン感圧接着剤業界において、シリコーン硬化性感圧接着剤組成物などの生成物のために、ポリオルガノシリケート樹脂と他の出発材料とを組み合わせる場合の、製造プロセス効率及び混合効率の両方において、輸送及び保存することが容易であるペレット形状のポリオルガノシリケート樹脂の必要性が存在する。そのようなペレットを製造し、それを使用して、BTXなどの有機溶媒を全く含有しないか又は少量しか含有しないシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を形成するプロセスが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製するためのプロセス、及びペレットを用いて作製されたシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液が開示される。このプロセスは、
1)第1の供給口、第2の供給口、及びダイを有する出口を有するバレルと、バレルを加熱するように構成された加熱手段と、バレル内に収容されたスクリュー機構とを備える押出機であって、第1の供給口及び第2の供給口が、出発材料を押出機に導入するように構成され、スクリュー機構が、出発材料を混合し、第1の供給口及び第2の供給口から出口に向けて運搬することが可能であり、第1の供給口が、第2の供給口の上流にあり、第2の供給口が、出口よりも上流にある、押出機を提供することと、
2)i)無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムの少なくとも一部を、第1の供給口を通して押出機に添加することと、ii)無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を、第2の供給口を通して押出機に添加することであって、該ガム及び該樹脂が、樹脂:ガムの重量比が2.1:1~5:1であるような量で添加される、添加することと、
3)バレル内で、かつバレルを200℃~250℃の温度で加熱しながら、無溶媒ポリジオルガノシロキサンガム及び無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を混合し、それによって混合物を形成することと、
4)混合物を、出口のダイを通して運搬し、それによってストランドを形成することと、
5)ダイを出るストランドを冷却することと、
6)ストランドを粉砕し、それによって無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製することと、
7)工程6)で調製されたペレットと、界面活性剤と、水と、樹脂:ガム比を0.4:1~3:1に調整するのに十分な量の任意選択的に追加のポリジオルガノシロキサンガムとを含む出発材料を分散装置に供給することと、
8)工程7)からの出発材料を分散装置中で混合及び加熱し、それによってシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を生成することと、を含む。
【0009】
シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を調製するためのプロセスは、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を調製するためのプロセスを実行することと、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を、開始剤を含む追加の出発材料と組み合わせることとを含む。シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液は、表面基材上にシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液をコーティングし、硬化させて、接着剤物品を形成することを含むプロセスにおいて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1(A)】本発明の使用に好適なペレットを調製するのに好適な装置の概略図を示す。
【
図1(B)】下記の比較例2によるペレットを調製するために使用される装置の概略図を示す。
【
図1(C)】本発明の使用に好適なペレットを調製するのに好適な代替装置の概略図を示す。
【
図2】本明細書の実施例の項に従って作製されたペレットを示す。
図2(A)は、下記の実施例1に従って作製されたペレットを示す。
図2(B)は、下記の比較例2に従って作製されたペレットを示す。
図2(C)は、下記の実施例3に従って作製されたペレットを示す。
【
図3】接着剤物品400の部分断面図を示す。接着剤物品は、本明細書に記載される感圧接着剤組成物を、フィルム基材103の第1の表面402上で硬化させることによって調製された感圧接着剤401を含む。物品400は、フィルム基材403の反対面405に取り付けられた第2の基材404を更に含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記のプロセスにおいて調製された無溶媒ポリオルガノシロキサンペレット(ペレット)は、ポリジオルガノシロキサンガム(ガム)及びポリオルガノシリケート樹脂(樹脂)を含む。あるいは、ペレットは、ガム及び樹脂から本質的になり得る。あるいは、ペレットは、ガム及び樹脂からなり得る。ペレット中のガム及び樹脂の量は、2.1:1~5:1の樹脂:ガムの重量比(R:G比)を提供するのに十分である。あるいは、R:G比は、2.1:1~4.5:1、あるいは2.4:1~4.0:1、あるいは3.0:1~4.0:1、あるいは2.1:1~3.5:1、あるいは2.4:1~3.0:1、あるいは2.4:1~2.9:1、あるいは2.7:1~2.9:1、あるいは2.4:1~2.5:1であり得る。
【0012】
ガム
ペレット中のガムは、脂肪族不飽和基又はヒドロキシル基で終端化されたポリジオルガノシロキサンガムであり得る。ガムは、米国特許第9,593,209号の欄31から始まる参考例1における試験方法に従って、GPCによって測定される場合、≧150,000g/mol、あるいは200,000g/mol~1,000,000g/mol、あるいは300,000g/mol~800,000g/mol、あるいは500,000g/モル~1,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する。
【0013】
ガムは、単位式(G-1):(R3R2
2SiO1/2)a(R2
2SiO2/2)b(R2SiO3/2)cを有し得、式中、各R2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R3は、独立して選択される硬化性基であり、下付き文字a≧2、下付き文字b>1500、下付き文字c≧0であるが、ただし、量(a+b+c)が、ガムに上記のMnを与えるのに十分であることを条件とする。あるいは、下付き文字aは、2であり得る。あるいは、下付き文字bは、2500~8000、あるいは4000~6000、あるいは5300~6000、あるいは5400~5900であり得る。あるいは、下付き文字cは、0であり得る。
【0014】
単位式(G-1)では、R2は、1~18個の炭素原子のアルキル基であり得る。あるいは、各R2は、1~12個の炭素原子、あるいは1~6個の炭素原子を有し得る。「アルキル」は、環状、分岐状又は非分岐状の飽和一価炭化水素基を意味する。アルキルは、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソ-プロピル及び/又はn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、及び/又はsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert-ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル、並びに6~18個の炭素原子の分岐状アルキル基、並びにシクロペンチル及びシクロヘキシルなどの環状アルキル基によって例示されるが、これらに限定されない。あるいは、R2の1つ以上の例は、アリール基であり得る。「アリール」は、完全に不飽和の環状炭化水素基を意味する。アリールとしては、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル、及びナフチルによって例示されるが、これらに限定されない。単環式アリール基は、5~9個の炭素原子、あるいは6~7個の炭素原子、あるいは5~6個の炭素原子を有し得る。多環式アリール基は、炭素原子10~17個、あるいは炭素原子10~14個、あるいは炭素原子12~14個を有し得る。あるいは、各R2は、メチル及びフェニルから独立して選択され得る。あるいは、各R2は、アルキルであり得る。あるいは、各R2は、メチルであり得る。
【0015】
単位式(G-1)では、各R3は、硬化性基である。各R3は、独立して、OH及び2~18個の炭素原子の一価の脂肪族不飽和炭化水素基からなる群から選択され得る。あるいは、R3の脂肪族不飽和炭化水素基は、2~12個の炭素原子、あるいは2~6個の炭素原子を有し得る。好適な一価脂肪族不飽和炭化水素基としては、アルケニル基及びアルキニル基が挙げられる。「アルケニル」は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する一価炭化水素基を意味する。アルキル基は、線状、分岐、又は環式であり得る。好適なアルケニル基は、ビニル;アリル;プロペニル(例えば、イソプロペニル、及び/又はn-プロペニル);並びにブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、及びヘプテニル(4~7個の炭素原子の分岐状異性体も含む);並びにシクロヘキセニルによって例示される。「アルキニル」は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する一価の炭化水素基を意味する。アルキニル基は、分岐、非分岐、又は環式であり得る。好適なアルキニル基は、エチニル、プロピニル、及びブチニル(2~4個の炭素原子の分岐異性体も含む)によって例示される。あるいは、R3の脂肪族不飽和基は、ビニル、アリル、又はヘキセニルなどのアルケニルであり得る。
【0016】
あるいは、各R2は、アルキル基であり得、各R3は、独立して、OH及び2~18個の炭素原子のアルケニル基からなる群から選択され得、下付き文字aは、2であり得、下付き文字cは、0であり得、下付き文字bは、5300~6000であり得る。あるいは、各R2は、メチルであり得、各R3は、独立して、OH、ビニル、アリル、及びヘキセニルからなる群から選択され得、下付き文字aは、2であり得、下付き文字cは、0であり得、下付き文字bは、5400~5900であり得る。
【0017】
あるいは、ガムは、ビス-ヒドロキシル終端ポリジオルガノシロキサンであり得る。ヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(G-2):[R2
2(HO)SiO1/2]2(R2
2SiO2/2)dを有し得、式中、各R2は、上記の通りであり、下付き文字d≧0であるが、ただし、下付き文字dが、ガムに上記のMnを与えるのに十分な値を有することを条件とする。あるいは、ガムは、ビス-アルケニル終端ポリジオルガノシロキサンであり得る。ビス-アルケニル終端ポリジオルガノシロキサンは、単位式(G-3):(R2
2R3’SiO1/2)2(R2
2SiO2/2)dを有し得、式中、各R2は、上記の通りであり、R3’は、上記の通りのアルケニル基であり、下付き文字d≧0であるが、ただし、下付き文字dが、ガムに上記のMnを与えるのに十分な値を有することを条件とする。あるいは、ガムは、ビス-ヒドロキシル終端ポリジオルガノシロキサンとビス-アルケニル終端ポリジオルガノシロキサンとの組み合わせであり得る。
【0018】
ガムは、当該技術分野で既知であり、対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合、又は環式ポリジオルガノシロキサンの平衡化などの方法によって調製され得る。ガムは、市販されており、例えば、SILASTIC(商標)SGM-36は、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)から市販されている。本明細書で使用するのに好適なガムの例は、i)ジメチルビニルシロキシ終端ポリジメチルシロキサン、ii)ジメチルビニルシロキシ終端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニル)シロキサン、iii)ジメチルビニルシロキシ終端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニル)シロキサン、iv)フェニル、メチル、ビニル-シロキシ終端ポリジメチルシロキサン、v)ジメチルヘキセニルシロキシ終端ポリジメチルシロキサン、vi)ジメチルヘキセニル-シロキサン終端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニル)シロキサン、vii)ジメチルヘキセニルシロキシ終端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニル)シロキサン、viii)ヒドロキシル終端ポリジメチルシロキサン、ix)ヒドロキシル終端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニル)シロキサン、x)ヒドロキシル終端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニル)シロキサン、xi)i)~x)のうちの2つ以上の組み合わせによって例示される。あるいは、ガムは、i)ジメチルビニルシロキシ終端ポリジメチルシロキサン、v)ジメチルヘキセニルシロキシ終端ポリジメチルシロキサン、及びi)とv)との組み合わせからなる群から選択され得る。あるいは、ガムは、viii)、ix)、及びx)からなる群から選択され得る。あるいは、ガムは、i)及びviii)からなる群から選択され得る。
【0019】
ポリオルガノシリケート樹脂
ポリオルガノシリケート樹脂(樹脂)は、式RM
3SiO1/2の単官能性単位、及び式SiO4/2の四官能性単位(「Q」単位)を含み、式中、各RMは、独立して選択される一価ヒドロカルビル基である。RMの好適な一価の炭化水素基は、1~20個の炭素原子、あるいは1~12個の炭素原子、あるいは1~8個の炭素原子、あるいは1~4個の炭素原子、あるいは1~2個の炭素原子を有し得る。あるいは、RMのヒドロカルビル基は、アルキル基、アルケニル基、及びアリール基からなる群、代替的にアルキル及びアリールからなる群、代替的にアルキル及びアルケニルからなる群、代替的にアルキルからなる群から選択され得る。アルキル基及びアリール基は、R2について上記の通りであり、アルケニル基は、R3について上記のアルケニル基の通りである。あるいは、樹脂において、各RMは、独立して、アルキル、アルケニル、及びアリールからなる群から選択され得る。あるいは、各RMは、メチル、ビニル、及びフェニルから選択され得る。あるいは、RM基の少なくとも3分の1、代替的に少なくとも3分の2は、メチル基である。あるいは、単官能単位は、(Me3SiO1/2)、(Me2PhSiO1/2)、及び(Me2ViSiO1/2)によって例示され得る。樹脂は、ベンゼン、トルエン、キシレン、及びヘプタンなどの液体炭化水素によって例示される出発材料(H)として、本明細書に記載されるようなものなどの溶媒に可溶であるか、又は低粘度の線状及び環式ポリジオルガノシロキサンなどの液体オルガノシリコン化合物に可溶である。
【0020】
調製される場合、樹脂は、上記の単官能性単位及び四官能性単位を含み、ポリオルガノシロキサンは、シラノール(ケイ素結合ヒドロキシル)基を有する単位を更に含み、また、式Si(OSiRM
3)4のネオペンタマーを含み得、式中、RMは、上記の通りである。米国特許第9,593,209号の欄32の参考例2に記載されているように、Si29核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance、NMR)分光法を使用して、M及びQ単位のモル比を測定することができ、式中、該比は、{M(樹脂)+(M(ネオペンタマー)}/{Q(樹脂)+Q(ネオペンタマー)}として表現され、樹脂及びネオペンタマー部におけるシリケート基(Q単位)の総数に対するポリオルガノシリケート樹脂の樹脂及びネオペンタマー部のトリオルガノシロキシ基(単官能性単位)の総数のモル比を表す。
【0021】
樹脂のMnは、存在するRMで表される炭化水素基の種類を含む様々な要因に依存する。樹脂のMnは、ネオペンタマーを表すピークが測定から除外される場合、米国特許第9,593,209号の欄31の参考例1における手順に従ってGPCを使用して測定される数平均分子量を指す。樹脂のMnは、2,000g/mol超、あるいは2,500g/mol~15,000g/molであり得る。あるいは、樹脂のMnは、2,000g/mol~8,000g/mol、あるいは2,900g/mol~6,000g/mol、あるいは2,900~5,000g/molであってよい。
【0022】
樹脂は、対応するシランの共加水分解又はシリカヒドロゾルキャッピング法などの任意の好適な方法によって調製され得る。樹脂は、Daudtらの米国特許第2,676,182号、Rivers-Farrellらの米国特許第4,611,042号、及びButlerらの米国特許第4,774,310号に開示されているものなどのシリカヒドロゾルキャッピング法によって調製することができる。上述のDaudtらの方法は、酸性条件下でシリカヒドロゾルを、トリメチルクロロシランなどの加水分解性トリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン、又はそれらの混合物と反応させ、単官能性単位及び四官能性単位を有するコポリマーを回収することを伴う。得られたコポリマーは概ね、2~5重量パーセントのヒドロキシル基を含有する。
【0023】
樹脂を調製するために使用される中間体は、トリオルガノシラン及び4個の加水分解性置換基を有するシラン、又はアルカリ金属シリケートであり得る。トリオルガノシランは、式、RM
3SiX1、を有し得、式中、RMは、上記の通りであり、X1は、加水分解性置換基を表す。4つの加水分解性置換基を有するシランは、式SiX2
4を有し得、式中、各X2は、ハロゲン、アルコキシ、又はヒドロキシルである。好適なアルカリ金属シリケートとしては、ナトリウムシリケートが挙げられる。
【0024】
上記の通りに調製された樹脂は、典型的には、例えば、式HOSi3/2及び/又はHORM
2SiO1/2のケイ素結合ヒドロキシル基を含有する。ポリオルガノシリケート樹脂は、最高5重量%、あるいは同じ基準で最高2重量%のケイ素結合ヒドロキシル基を含み得る。樹脂中に存在するケイ素結合ヒドロキシル基の濃度は、ASTM標準E-168-16に従って、フーリエ変換赤外(FTIR)分光法を使用して決定され得る。特定の用途では、ケイ素結合ヒドロキシル基の量は、0.7%未満、あるいは0.3%未満、あるいは1%未満、あるいは0.3%~0.8%であることが望ましい場合がある。樹脂の調製中に形成されたケイ素結合ヒドロキシル基は、樹脂を、適切な終端基を含有するシラン、ジシロキサン、又はジシラザンと反応させることによって、トリヒドロカルビルシロキサン基又は異なる加水分解性基に変換され得る。加水分解性基を含有するシランは、樹脂上のケイ素結合ヒドロキシル基と反応するのに必要な量よりもモル過剰で添加され得る。
【0025】
あるいは、樹脂は、式XSiO3/2及び/又はXRM
2SiO1/2で表される、2%以下、あるいは0.7%以下、あるいは0.3%以下、あるいは0.3%~0.8%の単位を更に含み得、式中、RMは、上記の通りであり、Xは、X1について上記の通りの加水分解性置換基を表す。
【0026】
あるいは、樹脂は、終端脂肪族不飽和基を有し得る。終端脂肪族不飽和基を有する樹脂は、最終生成物中に3~30モルパーセントの不飽和有機基を提供するのに十分な量の、不飽和有機基含有末端封止剤及び脂肪族不飽和を含まない末端封止剤と、Daudtらの生成物を反応させることによって調製され得る。末端封止剤の例としては、限定されないが、シラザン、シロキサン、及びシランが挙げられる。好適な末端封止剤は、当該技術分野で既知であり、米国特許第4,584,355号、同第4,591,622号、及び同第4,585,836号に例示されている。単一の末端封止剤又はこのような剤の混合物を使用して、このような樹脂を調製することができる。
【0027】
あるいは、樹脂は、単位式(R-1):(R1R2
2SiO1/2)w(R2
3SiO1/2)x(SiO4/2)yXzを含み得、式中、R2及びXは、上記の通りであり、各R1は、2~18個の炭素原子の独立して選択された脂肪族不飽和基(例えば、R3について上記の通りのもの)であり、下付き文字w、x、y、及びzは、w≧0、x≧0、y>1、z≧0、量(w+x)>4であるような平均値を有する。あるいは、単位式(R-1)中の各R2は、アルキル、あるいはメチルであり得る。量(w+x+y+z)は、樹脂に2,000g/モル~15,000g/モル、あるいは8,000~10,000、あるいは9,000~9,500の重量平均分子量を与えるのに十分である。あるいは、各R1は、独立して、ビニル、アリル、及びヘキセニルからなる群から選択され得る。あるいは、各Xは、OHであり得る。あるいは、下付き文字xは、40~55、あるいは43~50であり得る。あるいは、下付き文字yは、45~65、あるいは50~57であり得る。あるいは、下付き文字zは、最大5重量%のOH基、あるいは、最大2重量%、あるいは最大0.7重量%のOH基を有する樹脂を提供するのに十分な値まで0であり得る。あるいは、樹脂は、単位式(R-2):(R2
3SiO1/2)v(SiO4/2)yXzを含み得、式中、R2、X、下付き文字y、及び下付き文字zは、上記の通りであり、下付き文字v>4である。
【0028】
上記の樹脂は、溶媒中で調製され得るが、次いで、その後、脱揮される。例えば、樹脂を劣化させることなく溶媒を除去するために、最大150℃の温度に加熱することによって、樹脂を乾燥させ得る。例えば、樹脂は、溶媒を除去するために、任意選択的に減圧して加熱され得る。無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂は、例えば、樹脂製造プロセスからの、検出不可能な、又は0~2%、あるいは0%~1%、あるいは0ppm~100ppmの残留溶媒を含有する。ペレットを調製するための方法では、使用される無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂は、粉末又はフレークの形状であり得る。
【0029】
無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製する方法
無溶媒ポリオルガノシロキサンペレット(ペレット)は、上記の樹脂及びガムを含む。ペレットは、無溶媒であり、本明細書で使用される場合、「無溶媒」という用語は、ペレットの製造中に、溶媒が意図的に添加されないことを意味する。当業者は、ポリオルガノシリケート樹脂が、溶媒の使用によって調製され得るが、この方法で使用される無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を上記の通りに脱揮して、溶媒を除去し、ペレットを作製する方法中に、その溶媒を添加しないことを認識する。無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂は、フレーク又は粉末として押出機に供給され得る。
【0030】
上記のペレットを調製するためのプロセスは、
1)第1の供給口、第2の供給口、及びダイを有する出口を有するバレルと、バレルを加熱するように構成された加熱手段と、バレル内に収容されたスクリュー機構とを備える押出機であって、第1の供給口及び第2の供給口が、出発材料を押出機に導入するように構成され、スクリュー機構が、出発材料を混合し、第1の供給口及び第2の供給口から出口に向けて運搬することが可能であり、第1の供給口が、第2の供給口の上流にあり、第2の供給口が、出口よりも上流にある、押出機を提供することと、
2)i)上記の通りのガムの少なくとも一部を、第1の供給口を通して押出機に添加することと、ii)上記の通りの樹脂を、第2の供給口を通して押出機に添加することであって、該ガム及び該樹脂が、重量比樹脂:ガムが2.1:1~5:1であるような量で添加される、添加することと、
3)バレル内で、かつバレルを200℃~250℃の温度で加熱しながら、ガム及び樹脂を混合し、それによって混合物を形成することと、
4)混合物を、出口のダイを通して運搬し、それによってストランドを形成することと、
5)ダイを出るストランドを冷却することと、
6)ストランドを粉砕し、それによってペレットを調製することと、を含む。
【0031】
上記の方法は、任意選択的に、工程2)の前に、溶媒型ポリオルガノシリケート樹脂を調製することと、溶媒型ポリオルガノシリケート樹脂を脱揮して、無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を形成することと、を更に含み得る。
【0032】
上記の方法では、ガムの全ては、第1の供給口に添加され得る。あるいは、ガムの最大15%は、第2の供給口に添加され得る(例えば、樹脂とのブレンドで)。
【0033】
工程5)及び6)は、連続で又は同時に実施され得る。例えば、工程5)及び6)は、水中ペレタイザなどのように、同時に(すなわち、1つの機器で)実施され得る。あるいは、工程5)及び6)は、工程5)におけるストランドを冷却するための水浴、及び工程6)における別個のペレタイザなどの、別個の機器を使用して連続して実施され得る。上記の方法を行うために、市販の機器が使用され得る。二軸押出機などの押出機、及びペレット化装置は、当該技術分野で既知であり、市販されている。上記の通りに調製して得られたペレットは、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を調製するのに有用である。
【0034】
シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を作製するためのプロセス
上記のペレットは、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を作製するためのプロセスにおいて使用され得る。このプロセスは、
上記の工程1)~6)を含むプロセスを実行し、それによってペレットを調製することと、
7)工程6)で調製されたペレットと、樹脂:ガム比を0.4:1~2:1に調整するのに十分な量の追加のポリジオルガノシロキサンガムと、界面活性剤と、水と、を含む出発材料を分散装置に供給することと、
8)工程7)からの出発材料を分散装置中で混合及び加熱し、それによってシリコーン感圧接着剤ベースの水系分散液を生成することと、を含む。このプロセスは、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を、それが分散装置を出るときに収集することを更に含み得る。
【0035】
工程7)は、水性シロキサン分散液を調製するための従来の連続プロセス機器において実施され得る。連続ミキサ/コンパウンダの例証的な例としては、Krupp Werner&Pfleiderer Corp(Ramsey、NJ)及びLeistritz(NJ)によって製造されているものなどの、単軸押出機、二軸押出機、及び多軸押出機、及び共回転押出機、並びに二軸逆回転押出機、二段階押出機、二軸回転式連続ミキサ、動的若しくは静的ミキサ、又はこれらの種類の機器の組み合わせが挙げられる。あるいは、工程7)で使用される分散装置は、押出機、あるいは、二軸押出機であり得る。
【0036】
シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を作製するためのプロセスの工程7)において押出機が使用される場合、押出機は、上記のペレットを作製するために使用される押出機と同じであり得る。あるいは、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を作製するためのプロセスの工程7)において、異なる押出機が使用され得る。シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を作製するために使用される押出機は、バレルに沿って間隔があいている1つ以上の供給口を有するバレルと、バレル内に収容されたスクリュー機構と、任意選択的に背圧調整器が取り付けられた出口と、を備え得る。スクリュー機構は、出発材料を混合し、供給口から出に向けて運搬することができる。この押出機は、バレルを加熱するように構成された加熱手段を更に備え得る。供給口は、出発材料を押出機に導入するように構成される。押出機は、任意選択的に、押出機内部の圧力を制御するために、出口に背圧調整器を更に備え得る。工程7)及び/又は工程8)は、50℃~200℃、あるいは70℃~150℃の温度で実施され得る。
【0037】
追加のガム
追加のポリジオルガノシロキサンガムを工程7)で添加して、ペレットからの樹脂:ガム比をシリコーン感圧接着剤組成物に好適な値に調整することができる。追加のポリジオルガノシロキサンガムは上記の通りであり、選択される追加のポリジオルガノシロキサンガムは、ペレットを調製するために使用されるポリジオルガノシロキサンガムと同じであっても異なっていてもよい。添加される追加のポリジオルガノシロキサンガムの量は、0.4:1~3:1、あるいは0.4:1~2:1、あるいは0.5:1~1.9:1、あるいは0.7:1~1.8:1、あるいは0.9:1~1.7:1、あるいは1:1~1.5:1の樹脂:ガム比を有するシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を提供するのに十分である。
【0038】
界面活性剤
シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液は、界面活性剤を含む。界面活性剤は、固体又は液体であり得る。固体界面活性剤は、25%~75%の固体界面活性剤(活性)を含有する水系分散液として送達され得る。界面活性剤は、ペレットとともに分散装置に供給され得る。あるいは、界面活性剤は、水とともに分散装置に供給され得る。あるいは、界面活性剤は、他の出発材料とは別に分散装置に供給され得る。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との両方の組み合わせからなる群から選択されるが、ただし、界面活性剤が、スルホン酸及びその塩誘導体、長鎖カルボン酸界面活性剤及びその塩、脂肪酸アミン及びアミド、並びにその塩及び誘導体、アルキルグルコシド、並びに線状シリコーンポリエーテルを含まないことを条件とする。
【0039】
アニオン性界面活性剤としては、アルキル置換基に少なくとも6個の炭素原子を有するアルキルサルフェート、例えば、ナトリウムラウリルサルフェート、及びポリオキシエチレンモノアルキルエーテルのサルフェートエステルが挙げられる。アニオン性界面活性剤のいくつかの他の例は、アルカリ金属スルホサクシネート;脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル(例えばヤシ油酸のスルホン化モノグリセリド);一価のスルホン化アルコールエステル塩(例えばナトリウムオレイルイソシアネート);脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物(例えばパルミトニトリルスルホネート);スルホン化芳香族炭化水素(例えば、ナトリウムα-ナフタレンモノスルホネート);ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒドとの縮合生成物;ナトリウムオクタヒドロアントラセンスルホネート;アルカリ金属アルキルサルフェート;8個以上の炭素原子のアルキル基を有するエーテルサルフェート、例えば、ナトリウムラウリルエーテルサルフェート、及び8個以上の炭素原子の1つ以上のアルキル基を有するアルキルアリールスルホネートである。
【0040】
使用され得る市販のアニオン性界面活性剤としては、The Dow Chemical Company(Midland,Michigan,USA)によって商標名DOWFAX(商標)AS-801で販売されているアルキルアルコキシレートサルフェートのナトリウム塩、The Dow Chemical Company(Midland,Michigan)によって商標名DOWFAX(商標)8390で販売されているn-ヘキサデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、及びClariant Corporation(Charlotte,North Carolina)によって商標名HOSTAPUR(商標)SAS 60で販売されている二級アルカンスルホネートのナトリウム塩が挙げられる。
【0041】
使用可能な、いくつかの適した非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。市販されている非イオン性界面活性剤としては、(i)商品名TERGITOL(商標)TMN-10で販売されている2,6,8-トリメチル-4-ノニルポリオキシエチレンエーテル、(ii)Dow Chemical Company(Midland,Michigan,USA)によって、商品名TERGITOL(商標)15-S-9、TERGITOL(商標)15-S-15、TERGITOL(商標)15-S-30、及びTERGITOL(商標)15-S-40で販売されているC11~15二級アルキルポリオキシエチレンエーテル、Dow Chemical Companyにより商品名TRITON(商標)X405で販売されているオクチルフェニルポリオキシエチレン(40)エーテル、(iii)Stepan Companyにより商品名MAKON(商標)10で販売されているノニルフェニルポリオキシエチレン(10)エーテル、(iv)Henkel Corp./Emery Group(Cincinnati,Ohio,USA)により商品名Trycol 5953で販売されているエトキシ化アルコール、(v)Croda Inc.(Edison,New Jersey,USA)により商品名BRIJ(商標)L23及びBRIJ(商標)L4で販売されているエトキシ化アルコール、(vi)アルキルオキソアルコールポリグリコールエーテル(例えば、GENAPOL(商標)UD050、及びGENAPOL(商標)UD110)、(vii)C10ゲルベ(Guerbet)アルコール及びエチレンオキシドをベースにするアルキルポリエチレングリコールエーテル(例えばLUTENSOL(商標)XP79)などの組成物が挙げられる。
【0042】
好適な非イオン性界面活性剤はまた、ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリ-ブロックコポリマーを含む。ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリ-ブロックコポリマーは、一般にポロキサマーとしても知られている。これは、中央部の、ポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))である疎水性鎖と、その両側の、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))である2つの親水性鎖からなる非イオン性トリブロックコポリマーである。ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリ-ブロックコポリマーは、BASF(Florham Park,New Jersey,USA)から市販されており、PLURONIC(商標)L61、L62、L64、L81、P84等のPLURONIC(商標)の商標名で販売されている。
【0043】
他の好適な非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル他の好適な非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシル化トリメチルノナノール、及びポリオキシアルキレングリコール修飾されたポリシロキサン界面活性剤が挙げられる。使用され得る市販されている非イオン性界面活性剤としては、商標名TERGITOL(商標)TMN-10で販売されている、2,6,8-トリメチル-4-ノニルオキシポリエチレンオキエタノール、商標名TERGITOL(商標)15-S-7、TERGITOL(商標)15-S-9、TERGITOL(商標)15-S-15で販売されているアルキレンオキシポリエチレンオキシエタノール(C11~15二級アルコールエトキシレート7EO、9EO、及び15EO);商標名ECOSURF(商標)EH-40、並びにTERGITOL(商標)15-S-12、15-S-20、15-S-30、及び15-S-40で販売されている他のC11~15二級アルコールエトキシレート、TRITON(商標)X-405の商標で販売されているオクチルフェノキシポリエトキシエタノール(40EO)、及びECOSURF(商標)EH-40などのECOSURF(商標)EHの商標を付したアルコールエトキシレート等の組成物が挙げられる。これらの界面活性剤の全ては、Dow Chemical Companyにより販売されている。
【0044】
商用の、他の有用な非イオン性界面活性剤は、Stepan CompanyによりMAKON(商標)10の商標で販売されているノニルフェノキシポリエトキシエタノール(10EO)、ICI Surfactants(Wilmington,Delaware,USA)によりBRIJ(商標)35Lの商標で市販されているポリオキシエチレン23ラウリルエーテル(Laureth-23)、及びICI Surfactantsにより更に販売されているポリオキシエチレンエーテルアルコール、RENEX(商標)30である。
【0045】
好適な非イオン性界面活性剤はまた、ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリ-ブロックコポリマーを含む。ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリ-ブロックコポリマーは、一般にポロキサマーとしても知られている。これは、中央部の、ポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))である疎水性鎖と、その両側の、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))である2つの親水性鎖からなる非イオン性トリブロックコポリマーである。ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリ-ブロックコポリマーは、BASF(Florham Park,NJ)から市販されており、PLURONIC(商標)L61、L62、L64、L81、P84などの商標名PLURONIC(商標)で販売されている。
【0046】
市販の他の有用な非イオン性界面活性剤は、Stepan Company(Northfield,Illinois)によって商標名MAKON(商標)10で販売されているノニルフェノキシポリエトキシエタノール(10EO)、ICI Surfactants(Wilmington,Delaware)によって商標名BRIJ(商標)35Lで市販されているポリオキシエチレン23ラウリルエーテル(Laureth-23)、及びICI Surfactants(Wilmington,Delaware)によって販売されているポリオキシエチレンエーテルアルコール、RENEX(商標)30である。
【0047】
非イオン性界面活性剤はまた、シリコーンポリエーテル(silicone polyether、SPE)であり得る。SPEは、その中のケイ素原子に結合したポリエーテル基を有するポリオルガノシリケート樹脂であり得る。好適なSPEとしては、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)製のDow Silicones Corporation製のDOWSIL(商標)2-3216 INTが挙げられる。
【0048】
あるいは、非イオン性界面活性剤は、ポリビニルアルコール化合物を含み得る。ポリビニルアルコール化合物は、当該技術分野で既知であり、例えば、米国特許出願公開第20007/0099007号の段落[0172]及び[0173]に開示されている。ポリビニルアルコール化合物は、ポリ酢酸ビニルの鹸化によって作られてもよく、そのため、ポリ酢酸ビニルの15%までが、本明細書で使用されるポリビニルアルコール化合物中に残存し得る。あるいは、ポリビニルアルコール化合物は、88%~92%のポリビニルアルコール(12%~8%のポリ酢酸ビニルとの平衡状態)であり得る。ポリビニルアルコール化合物は、20℃の4%水溶液において5cPの最小粘度を有し得る。
【0049】
本明細書に記載のプロセスにおいて使用される界面活性剤は、1つの界面活性剤又は2つ以上の界面活性剤の組み合わせであり得る。界面活性剤の量は、選択される界面活性剤の種類及び量を含む様々な要因に依存するが、界面活性剤の量は、樹脂及びガムの合計重量に基づいて、0.1%~20%、あるいは0.5%~10%を提供するのに十分であり得る。
【0050】
水
水は、一般には限定されず、未希釈(すなわち、いずれの担体ビヒクル/溶媒もないもの)、及び/又は純粋(すなわち、ミネラル及び/又は他の不純物を含まないか又は実質的に含まない)なものを利用することができる。例えば、水は、上記のプロセスの使用前に処理されてもよいし、未処理であってもよい。水を精製するために使用され得るプロセスの例としては、蒸留、濾過、脱イオン化、及びそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられ、これによって、水に対して脱イオン化、蒸留、及び/又は濾過を行ってもよい。あるいは、水は、未処理であってもよい(例えば、更に精製することなく使用される、都市用水システムによって提供される水道水又は井戸水であり得る)。あるいは、水は、プロセスにおいて使用する前に精製され得る。
【0051】
水は、様々な要因、例えば、調製されるシリコーン感圧接着剤組成物の所望の希釈に応じて、当業者によって選択される任意の量で利用され得る。あるいは、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液の水の量は、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液中の全ての出発材料の合計重量に基づいて、10%~95%、あるいは30%~70%であり得る。
【0052】
シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を作製するためのプロセス
シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液は、シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を作製するためのプロセスにおいて使用され得る。この方法は、上記の工程1)~8)を含むプロセスを実行して、シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を形成することと、9)シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液と、フリーラジカル開始剤、溶媒、コーティング添加剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される追加の出発材料とを混合し、それによってシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を形成することと、を含む。工程9)は、バッチ、半連続、又は連続処理を使用して、任意の好都合な手段によって実施され得る。工程7)について上で考察された連続プロセス機器が使用され得る。あるいは、工程9)における混合は、バッチ、半連続、又は連続モードで実施され得る。Charles Ross&Sons(NY)、Hockmeyer Equipment Corp.(NJ)によって作製されたものなどの、高剪断かつ高速ディスペンサーを有するバッチ機器、商標名Speedmixer(商標)で販売されているものなどのバッチ混合機器、並びに高剪断作用を有するバッチ機器、例えば、バンバリー型(CW Brabender Instruments Inc.、NJ)及びヘンシェル型(Henschel mixers America、TX)が使用され得、かつ市販されている。あるいは、工程9)における混合は、例えば、中/低剪断によるバッチ混合機器を使用して実施することができ、その機器としては、チェンジカンミキサー(change-can mixer)、ダブルプラネタリーミキサ、円錐軸ミキサ、リボンブレンダ、ダブルアームミキサ、又はシグマブレードミキサが挙げられる。コーティング添加剤は、消泡剤、湿潤剤、pH調整添加剤、及びそれらの2つ以上の組み合わせによって例示される。
【0053】
フリーラジカル開始剤
フリーラジカル開始剤は、
アルキルパーオキシド、ジアシルパーオキシド、パーオキシドエステル、及び/又はパーオキシドカーボネートなどの有機過酸化物化合物を含み得る。
好適な有機過酸化物化合物としては、ベンゾイルパーオキシド;4-モノクロロベンゾイルパーオキシド;ジクミルパーオキシド;tert-ブチルパーオキシベンゾアート;tert-ブチルクミルパーオキシド;tert-ブチルオキシド2,5-ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチルパーオキシヘキサン;2,4-ジクロロベンゾイルパーオキシド;ジ-tertブチルパーオキシ-ジイソプロピルベンゼン;1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン;2,5-ジ-tert-ブチルパーオキシヘキサン-3,2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、又はクミル-tert-ブチルパーオキシドが挙げられる。好適な過酸化物化合物は、当該技術分野で既知であり、例えば、米国特許出願公開第2018/0105692号の段落[0093]に開示されている。
【0054】
工程9)において添加されるフリーラジカル開始剤の量は、選択される開始剤の種類及び量、並びに他の出発材料の選択を含む様々な要因に依存するが、開始剤は、樹脂及びガムの合計重量に基づいて、1%~10%、あるいは2%~6%、あるいは2%~5%の量で添加され得る。
【0055】
溶剤
任意選択的に、後述する工程7)及び/又は工程9)において、シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液に溶媒を添加することができる。理論に束縛されるものではないが、溶媒は、出発材料のうちの1つ以上の混合及び/又は送達を補助し得ると考えられる。例えば、開始剤は、混合を容易にするために溶媒中に溶解又は分散され得る。好適な溶媒としては、ポリアルキルシロキサン及び/又は有機溶媒、例えば、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、グリコールエーテル、テトラヒドロフラン、ミネラルスピリット、ナフサ、テトラヒドロフラン、ミネラルスピリット、ナフサ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。好適な蒸気圧を有するポリアルキルシロキサンが溶媒として使用され得、これらとしては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、並びにDow Silicones Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されている、0.5~1.5cStのDOWSIL(商標)200 Fluids及びDOWSIL(商標)OS FLUIDSなどの他の低分子量ポリアルキルシロキサンが挙げられる。
【0056】
あるいは、有機溶媒が使用され得る。有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn-プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン等のケトン;ベンゼン、トルエン、又はキシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン若しくはオクタンなどの脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、又はエチレングリコールn-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のグリコールエーテル;ミネラルスピリット;ナフサ;又はそれらの組み合わせであり得る。
【0057】
溶媒の量は、シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液のために選択される溶媒の種類、並びに選択される他の出発材料の量及び種類を含む様々な要因に依存するであろう。しかしながら、溶媒の量は、シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液中の全ての出発材料の合計重量に基づいて、0%~<10%、あるいは0%~<2%、あるいは0%~<1%、あるいは0%~<0.5%であり得る。あるいは、溶媒は、省かれ得る。
【0058】
上記のプロセスによって調製されたシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液に、任意選択的な出発材料を添加することもできる。そのような任意選択的な出発材料としては、例えば、消泡剤、湿潤剤、pH調整添加剤、及びそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。他の任意選択的な出発材料としては、例えば、反応性希釈剤、香料、防腐剤、充填剤、例えば、シリカ、石英、又はチョーク、及びそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0059】
あるいは、硬化性シリコーン感圧接着剤組成物は、充填剤を含み得ないか、又は硬化性シリコーン感圧接着剤組成物の0~30重量%などの限られた量でのみ充填剤を含有し得る。充填剤は、硬化性シリコーン感圧接着剤組成物を基材に塗布するために使用されるコータ機器に凝集、又はさもなければ付着し得る。充填剤はまた、シリコーン感圧接着剤及び/又はそれで形成された任意のテープの光学特性、例えば透明性を妨げ得る。
【0060】
使用方法
上記の通りに調製されたシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を使用して、基材上に接着剤物品、例えば、シリコーン感圧接着剤(上記の硬化性シリコーン感圧接着剤組成物を硬化させることによって調製される)を形成することができる。接着剤物品は、上記のプロセスを実行することによってシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を調製することと、基材の表面上にシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液をコーティングすることと、シリコーン感圧接着剤組成物を硬化させて、シリコーン感圧接着剤を形成することとを含むプロセスによって調製され得る。硬化前(及び任意選択的に硬化中)に、基材を乾燥させて、シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液から水の全て又は一部を除去し、それによって基材上にシリコーン感圧接着剤組成物を残すことができる。
【0061】
基材へのシリコーン感圧接着剤の結合を改善するために、このプロセスは、任意選択的に、基材上にシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液をコーティングする前に、基材の表面を処理することを更に含み得る。基材の表面を処理することは、基材上にシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液をコーティングする前に、プライマーを適用すること、又は基材をコロナ放電処理、エッチング、若しくはプラズマ処理に供することなどの、任意の好都合な手段によって実施され得る。
【0062】
基材の表面上にシリコーン感圧接着剤組成物をコーティングすることは、任意の好都合な手段によって実施され得る。例えば、硬化性シリコーン感圧接着剤組成物は、グラビアコータ、オフセットコータ、オフセット-グラビアコータ、ローラーコータ、リバースローラーコータ、エアナイフコータ、又はカーテンコータによって、基材の表面上に塗布され得る。
【0063】
基材は、シリコーン感圧接着剤組成物を硬化させて、基材上にシリコーン感圧接着剤を形成するために使用される(本明細書に記載の)硬化条件に耐え得る任意の材料であり得る。例えば、150℃以上、あるいは50℃~120℃の温度での熱処理に耐え得る任意の基材が好適である。ポリイミド(polyimide、PI)、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)、液晶ポリアリレート、ポリアミドイミド(polyamideimide、PAI)、ポリエーテルスルフィド(polyether sulfide、PES)、又はポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、又はポリエチレン(polyethylene、PE)、又はポリプロピレン(polypropylene、PP)などのプラスチックフィルムを含むそのような基材に好適な材料の例。あるいは、基材は、アルミニウムホイル又は銅箔などの金属箔であり得る。あるいは、基材は、クラフト紙などの紙でもあり得る。基材の厚さは重要ではないが、厚さは、5マイクロメートル~300マイクロメートルの範囲であり得る。
【0064】
乾燥は、硬化前及び/又は硬化中に実施され得る。乾燥は、水(及び存在する場合には溶媒)を蒸発させるのに十分な温度、例えば、50℃~120℃で加熱して、水を除去し、硬化させることによって実施され得る。あるいは、乾燥は、50℃~120℃、あるいは50℃~100℃、あるいは70℃~80℃の温度で、水の全て又は一部を除去するのに十分な時間(例えば、30秒間~1時間、あるいは1分間~5分間)加熱することによって実施され得る。本方法は、室温で、又は80℃~220℃、あるいは140℃~220℃、あるいは150℃~220℃、あるいは160℃~200℃、あるいは165℃~180℃の温度で、シリコーン感圧接着剤組成物を硬化させるのに十分な時間(例えば、30秒~1時間、あるいは1分~5分)加熱することを用いて、シリコーン感圧接着剤組成物を硬化させることを更に含む。硬化速度を増加させるか、又はプロセス硬化温度を下げる必要がある場合、開始剤レベルを増加することができる。これによって、基材上にシリコーン感圧接着剤が形成される。乾燥及び/又は硬化は、基材をオーブン内に置くことによって実施することができる。基材に適用されるシリコーン感圧接着剤組成物の量は、特定用途に依存するが、その量は、シリコーン感圧接着剤の硬化後の厚みが5マイクロメートル~200マイクロメートルであり得るように十分であり得る。
【0065】
本明細書で記載される方法は、任意選択的に、例えば、接着剤物品の使用前のシリコーン感圧接着剤を保護するために、基材の反対側のシリコーン感圧接着剤に取り外し可能な剥離ライナーを適用すること、を更に含み得る。剥離ライナーは、硬化性シリコーン感圧接着剤組成物を硬化させる前、硬化中、又は硬化後、あるいは硬化後に、適用することができる。
【実施例】
【0066】
これらの実施例は、当業者に本発明を例示することを目的とするものであり、請求項に記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。表1の材料を、これらの実施例で使用した。
【0067】
【0068】
実施例1-ペレットを調製するための装置及び手順
図1(A)は、ペレットを調製する(プロセスA)ための装置110を示す。装置110は、水中ペレタイザ108の上流に二軸押出機(L/D=48及び12段階を備えたLeistritz ZSE27 MAXX)100を備えていた。二軸押出機100は、第1の供給口102、第2の供給口103、及びダイ(図示せず)を有する出口104を有するバレル101と、バレル101を加熱するように構成された加熱手段(図示せず)と、バレル101内に収容されたスクリュー機構(図示せず)とを有した。第1の供給口102は、第4の段階105で押出機にガムを導入するように構成されていた。第2の供給口103は、ポリオルガノシリケート樹脂を第5段階106に導入するように構成されていた。スクリュー機構は、第1供給口102及び第2供給口103からダイを通して出口104まで、ガムと樹脂とを混合して運搬し、ストランド107を形成し、水中ペレタイザ108に入るように構成されていた。水中ペレタイザは、ストランド107を冷却及び粉砕して、ペレットを形成し、出口109で押出機を出るように構成されていた。
【0069】
ガムの全部又は一部を、第1の供給口102を通して押出機100に供給した。樹脂の全部を、第2の供給口103を通して押出機100に供給した。ガムの一部を第1の供給口102を介して添加したいくつかの試料について、ガムの残りを、第2の供給口103を介して樹脂とともに添加した。バレルを200℃~250℃に加熱した。第1の供給口102に添加したガムを2.5kg/時間で供給し、第2の供給口103に添加した樹脂(任意選択的に、ガムの一部を含む)を7.5kg/時間で供給した。ガム及び樹脂を混合し、ダイ(図示せず)を通して出口104に運搬し、それによってストランド107を形成した。ストランドは、水中ペレタイザ108に入り、粉砕されてペレットになり、出口109で装置110を出た。以下の表2は、この一般的な手順を使用してペレットを形成したガムと樹脂との配合を示す。
【0070】
以下の表2は、参考例1の手順を使用して調製されたペレットの組成物を示す。樹脂及びガムの種類は、表1で定義されている。樹脂及びガムの量は、重量部である。
【0071】
【0072】
比較例2
図1(B)は、ペレットを調製する(プロセスB)ための装置210を示す。装置210は、水中ペレタイザ208の上流に二軸押出機(L/D=48及び12段階を有するLeistritz ZSE27 MAXX)200を備えた。二軸押出機200は、第1の供給口203、第2の供給口202、及びダイ(図示せず)を有する出口204を有するバレル201と、バレル201を加熱するように構成された加熱手段(図示せず)と、バレル201内に収容されたスクリュー機構(図示せず)とを有した。第1の供給口203は、第1の段階206で押出機に樹脂を導入するように構成されていた。第2の供給口202は、ガムを第4段階205に導入するように構成されていた。スクリュー機構は、第1供給口203及び第2供給口202からダイを通して出口204まで、樹脂とガムとを混合して運搬し、ストランド207を形成し、水中ペレタイザ208に入るように構成されていた。水中ペレタイザは、ストランド207を冷却及び粉砕して、ペレットを形成し、出口209で押出機を出るように構成されていた。
【0073】
樹脂の全部を、第1の供給口203を通して押出機200に供給した。ガムの全部又は一部を、第2の供給口202を通して押出機200に供給した。ガムの一部を第1の供給口203を介して樹脂とともに添加したいくつかの試料について、ガムの残りを、第2の供給口202を介して添加した。バレルを200℃~250℃に加熱した。第2の供給口202に添加したガムを2.5kg/時間で供給し、第1の供給口203に添加した樹脂(任意選択的に、ガムの一部を含む)を7.5kg/時間で供給した。ガム及び樹脂を混合し、ダイ(図示せず)を通して出口204に運搬し、それによってストランド207を形成した。ストランドは、水中ペレタイザ208に入り、粉砕されてペレットになり、出口209で装置210を出た。上記の表2の組成物1を使用した。
【0074】
図2(A)は、表2における組成物番号1を使用して、実施例1の方法によって作製されたペレットを示す。
図2(B)は、表2における組成物番号1を使用して、比較例2の方法によって作製されたペレットを示す。比較例2の方法によって作製されたペレットは、サイズ、形状、及び外観が不均一であった。理論に拘束されることを望まないが、実施例1及び比較例2は、添加の順序(すなわち、樹脂を添加する前にガムの少なくとも85%を添加する)が、本明細書でペレットを作製するための方法において利点を提供する、すなわち、ペレットは、主張された方法を使用して、より均一なサイズ及び形状、並びに改善された外観を有することを示すと考えられる。
【0075】
実施例3
図1(C)は、ペレットを調製する(プロセスC)ための装置310を示す。装置310は、水中ペレタイザ308の上流にある水タンク311の上流に二軸押出機(L/D=48及び12段階を備えたLeistritz ZSE27 MAXX)300を備えていた。二軸押出機300は、第1の供給口302、第2の供給口303、及びダイ(図示せず)を有する出口304を有するバレル301と、バレル301を加熱するように構成された加熱手段(図示せず)と、バレル301内に収容されたスクリュー機構(図示せず)とを有した。第1の供給口302は、第4の段階305で押出機にガムを導入するように構成されていた。第2の供給口303は、ポリオルガノシリケート樹脂を第5の段階306に導入するように構成されていた。スクリュー機構は、第1供給口302及び第2供給口303からダイを通して出口304まで、ガムと樹脂とを混合して運搬し、ストランド307を形成し、水タンク311、その後水中ペレタイザ308に入るように構成されていた。水中ペレタイザ308は、ストランド307を冷却及び粉砕して、ペレットを形成し、出口309で押出機を出るように構成されていた。
【0076】
ガムの全部又は一部を、第1の供給口302を通して押出機300に供給した。樹脂の全部を、第2の供給口303を通して押出機300に供給した。ガムの一部を第1の供給口302を介して添加したいくつかの試料について、ガムの残りを、第2の供給口303を介して樹脂とともに添加した。バレルを200℃~250℃に加熱した。第1の供給口302に添加したガムを2.5kg/時間で供給し、第2の供給口303に添加した樹脂(任意選択的に、ガムの一部を含む)を7.5kg/時間で供給した。ガム及び樹脂を混合し、ダイ(図示せず)を通して出口304に運搬し、それによってストランド307を形成した。ストランドは、水中ペレタイザ308に入り、粉砕されてペレットになり、出口309で装置310を出た。実施例1及び比較例2と同様に、上記の表2の組成物1を用いて、ペレットを調製した。ペレットを以下の
図2(C)に示す。実施例3は、ガム及び樹脂の添加の順序が使用される場合、異なるペレット化装置を用いて、本明細書に記載される方法を使用して、許容可能な品質のペレットが調製され得ることを示した。
【0077】
上記の表2における組成物番号4及び組成物番号3を使用して、実施例1の方法に従って調製されたペレットを使用して、シリコーン感圧接着剤を作製した。
【0078】
実施例4
追加のペレットを、表3に示される出発材料を用いて、実施例1の手順を使用して調製した。ガム4を押出機の第1の口に供給し、樹脂又は樹脂とガムとのブレンドのいずれかを第2の口に供給した。
【0079】
【0080】
実施例5
シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を以下のように調製した。
実施例4に記載したように調製したペレットを、ロスインウェイトスクリューフィーダーによって、25mmの二軸押出機(Coperion ZSK26、L/D=48及び12段階)の第1のバレルに供給し、続いて、ガムをギアポンプによって第2又は第3のバレルに供給した。界面活性剤を5~25%(シリコーン固体、すなわち樹脂とガムとの組み合わせに対する重量比)の水とともにピストンポンプ(ISCO 1000D)によって第4(又は第5又は第6)のバレルに注入した。残りの水を更に下流のバレル(例えば、第8~第12)に注入した。全てのバレルを80~120℃に設定し、押出機を300~900RPMで操作した。シリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を押出機の出口で収集した。
【0081】
各出発材料の量を、表4において下記に示す。
【0082】
【0083】
実施例6
シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を以下のように調製した。
【0084】
10グラムの調製された分散液、特定の重量の開始剤(PERKADOX(商標)L-40 RPS、Nouryon)、及び任意選択的にいくつかの添加剤を一緒に直接添加し、SpeedMixer(商標)によって2000RPMで1分間混合した。
【0085】
各出発材料の量を、表5において下記に示す。
【0086】
【表5】
*発明例8では、KOHを使用することによってpHを7.6から11.2に調整した。
【0087】
実施例7
実施例6で調製された試料を、以下の試験方法に従って、SUSに対する接着性について試験した。結果は表6にある。
【0088】
【0089】
本明細書で使用される試験方法は、以下を含んだ。
【0090】
粒径をBeckman Coulter LS230 Laser Diffraction Particle Size Analyzerによって測定した。
【0091】
ステンレス鋼(Stainless Steel、SUS)への接着性を以下の手順に従って試験した。4本のバードバード(bird bard)を使用して、シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を2つのPET基材上にドローダウンした。コーティングされた基材を80℃で2分間、180℃で3分間加熱した。次いで、コーティングされた基材を冷却し、1インチ幅のストリップに切断した。1インチのストリップを清潔なステンレス鋼パネル/ガラスに適用した。TMI剥離及び接着試験器上で、翌日180℃及び12インチ/分で引っ張ることによって、試料を試験した。単位は、グラム/インチであった。
【0092】
上記のガム及び樹脂を含む出発材料の重量平均分子量及び数平均分子量は、米国特許第9,593,209号の31欄から始まる参考例1の試験方法に従ってゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、GPC)によって測定することができる。
産業上の利用可能性
【0093】
上記の実施例は、ステンレス鋼に対して良好な接着性を有するシリコーン感圧接着剤が、本明細書に記載のプロセスによって調製され得ることを示す。発明例7及び発明例8は、添加剤が試料(それぞれ発明例2及び発明例3に匹敵する)に含まれ得、これらが接着性を改善し得ることを示す。
用語の定義及び使用
【0094】
本明細書の文脈によって別段の指示がない限り、本明細書における全ての量、比率、及び百分率は、重量によるものであり;冠詞「a」、「an」、及び「the」は、それぞれ1つ以上を指し;単数形は複数形を含む。「発明の概要」及び「要約書」は、参照により本明細書に組み込まれる。「~を含む(comprising)」、「~から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「~からなる(consisting of)」の移行句は Manual of Patent Examining Procedure Ninth Edition,Revision 08.2017,Last Revised January 2018のセクション§2111.03 I.、II.、及びIIIに記載されているように使用される。実例を列記する「例えば(for example)」「例えば(e.g.,)」、「例えば(such as,)」及び「が挙げられる(including)」の使用は、列記されている例のみに限定しない。したがって、「例えば(for example)」又は「例えば/など(such as)」は、「例えば、それらに限定されないが(for example,but not limited to)」又は「例えば、それらに限定されないが(such as,but not limited to)」を意味し、他の類似した、又は同等の例を包含する。DOWSIL(商標)、SILASTIC(商標)、及びSYL-OFF(商標)ブランドの材料は、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)から市販されている。本明細書で使用される略語は、表8における定義を有する。
【0095】
【0096】
本発明の実施形態
第1の実施形態では、無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットからシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を調製するためのプロセスは、
1)第1の供給口、第2の供給口、及びダイを有する出口を有するバレルと、バレルを加熱するように構成された加熱手段と、バレル内に収容されたスクリュー機構とを備える押出機であって、第1の供給口及び第2の供給口が、出発材料を押出機に導入するように構成され、スクリュー機構が、出発材料を混合し、第1の供給口及び第2の供給口から出口に向けて運搬することが可能であり、第1の供給口が、第2の供給口の上流にあり、第2の供給口が、出口よりも上流にある、押出機を提供することと、
2)i)無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムの少なくとも一部を、第1の供給口を通して押出機に添加することと、ii)無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を、第2の供給口を通して押出機に添加することであって、該ガム及び該樹脂が、重量比樹脂:ガムが2.1:1~5:1であるような量で添加される、添加することと、
3)バレル内で、かつバレルを200℃~250℃の温度で加熱しながら、無溶媒ポリジオルガノシロキサンガム及び無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を混合し、それによって混合物を形成することと、
4)混合物を、出口のダイを通して運搬し、それによってストランドを形成することと、
5)ダイを出るストランドを冷却することと、
6)ストランドを粉砕し、それによって無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製することと、
7)分散装置に、工程6)で調製されたペレットと、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両方の組み合わせからなる群から選択される界面活性剤と、水と、樹脂:ガム比を0.4:1~3:1に調整するのに十分な量の任意選択的に追加のポリジオルガノシロキサンガムと、を含む出発材料を供給することであって、ただし、界面活性剤が、スルホン酸及びその塩誘導体、長鎖カルボン酸界面活性剤及びその塩、脂肪酸アミン及びアミド、並びにその塩及び誘導体、アルキルグルコシド、並びに線状シリコーンポリエーテルを含まないことを条件とする、供給することと、
8)工程7)からの出発材料を分散装置中で混合及び加熱し、それによってシリコーン感圧接着剤ベースの水系分散液を生成することと、を含む。
【0097】
第2の実施形態では、第1の実施形態のプロセスは、工程2)の前に、溶媒型ポリオルガノシリケート樹脂を調製することと、溶媒型ポリオルガノシリケート樹脂を脱揮して、無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を形成することとを更に含む。
【0098】
第3の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態のプロセスにおいて、無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂は、単位式(R1R2
2SiO1/2)w(R2
3SiO1/2)x(SiO4/2)yXzを含み、式中、各R2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R2は、独立して選択された2~18個の炭素原子のアルケニル基であり、Xは、加水分解性置換基を表し、下付き文字w≧0、下付き文字x>4、下付き文字y>1、下付き文字z≧0であるが、ただし、量(w+x+y+z)が、樹脂に2,000g/mol~15,000g/モルの数平均分子量を与えるのに十分であることを条件とする。
【0099】
第4の実施形態では、第1~第3の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムは、単位式(R3R2
2SiO1/2)a(R2
2SiO2/2)b(R2SiO3/2)cを含み、式中、各R2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R3は、硬化性基であり、下付き文字a≧2、下付き文字b>5000、下付き文字c≧0であるが、ただし、量(a+b+c)が、150,000g/mol~1,000,000g/molの数平均分子量を有する該ガムを提供するのに十分であることを条件とする。
【0100】
第5の実施形態では、第1~第4の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、全てのガムは、第1の供給口に添加される。
【0101】
第6の実施形態では、第1~第5の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、0~15%のガムが、第2の供給口に添加される。
【0102】
第7の実施形態では、第1~第6の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、工程5)及び6)は、水中ペレタイザを使用して実施される。
【0103】
第8の実施形態では、第1~第7の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、工程7)における分散装置は、追加の押出機である。
【0104】
第9の実施形態では、シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を調製するためのプロセスは、
1)第1の供給口、第2の供給口、及びダイを有する出口を有するバレルと、バレルを加熱するように構成された加熱手段と、バレル内に収容されたスクリュー機構とを備える押出機であって、第1の供給口及び第2の供給口が、出発材料を押出機に導入するように構成され、スクリュー機構が、出発材料を混合し、第1の供給口及び第2の供給口から出口に向けて運搬することが可能であり、第1の供給口が、第2の供給口の上流にあり、第2の供給口が、出口よりも上流にある、押出機を提供することと、
2)i)無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムの少なくとも一部を、第1の供給口を通して押出機に添加することと、ii)無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を、第2の供給口を通して押出機に添加することであって、該ガム及び該樹脂が、重量比樹脂:ガムが2.1:1~5:1であるような量で添加される、添加することと、
3)バレル内で、かつバレルを200℃~250℃の温度で加熱しながら、無溶媒ポリジオルガノシロキサンガム及び無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を混合し、それによって混合物を形成することと、
4)混合物を、出口のダイを通して運搬し、それによってストランドを形成することと、
5)ダイを出るストランドを冷却することと、
6)ストランドを粉砕し、それによって無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製することと、
7)分散装置に、工程6)で調製されたペレットと、アニオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤と、水と、樹脂:ガム比を0.4:1~2:1に調整するのに十分な量の任意選択的に追加のポリジオルガノシロキサンガムと、を含む出発材料を供給することであって、ただし、界面活性剤が、スルホン酸及びその塩誘導体、長鎖カルボン酸界面活性剤及びその塩、脂肪酸アミン及びアミド、並びにその塩及び誘導体、アルキルグルコシド、並びに線状シリコーンポリエーテルを含まないことを条件とする、供給することと、
8)工程7)からの出発材料を分散装置中で混合及び加熱し、それによって、シリコーン感圧接着剤ベースの水系分散液を生成することと、
9)追加の出発材料をシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液に添加することであって、追加の出発材料が、フリーラジカル開始剤、溶媒、コーティング添加剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、添加すること、それによってシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を形成することと、を含む。
【0105】
第10の実施形態では、第9の実施形態のプロセスにおいて、コーティング添加剤が存在し、コーティング添加剤は、消泡剤、湿潤剤、及びpH調整添加剤からなる群から選択される。
【0106】
第11の実施形態では、接着剤物品を調製するためのプロセスは、以下を含む。
11.
1)第1の供給口、第2の供給口、及びダイを有する出口を有するバレルと、バレルを加熱するように構成された加熱手段と、バレル内に収容されたスクリュー機構とを備える押出機であって、第1の供給口及び第2の供給口が、出発材料を押出機に導入するように構成され、スクリュー機構が、出発材料を混合し、第1の供給口及び第2の供給口から出口に向けて運搬することが可能であり、第1の供給口が、第2の供給口の上流にあり、第2の供給口が、出口よりも上流にある、押出機を提供することと、
2)i)無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムの少なくとも一部を、第1の供給口を通して押出機に添加することと、ii)無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を、第2の供給口を通して押出機に添加することであって、該ガム及び該樹脂が、重量比樹脂:ガムが2.1:1~5:1であるような量で添加される、添加することと、
3)バレル内で、かつバレルを200℃~250℃の温度で加熱しながら、無溶媒ポリジオルガノシロキサンガム及び無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を混合し、それによって混合物を形成することと、
4)混合物を、出口のダイを通して運搬し、それによってストランドを形成することと、
5)ダイを出るストランドを冷却することと、
6)ストランドを粉砕し、それによって無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製することと、
7)工程6)で調製されたペレットと、スルホン酸及びその塩誘導体、長鎖カルボン酸界面活性剤及びその塩、四級アンモニウム塩、脂肪酸アミン及びアミド、並びにその塩及び誘導体、ベタイン、アルキルグルコシド、並びに線状シリコーンポリエーテルを含まない界面活性剤と、水と、樹脂:ガム比を0.4:1~2:1に調整するのに十分な量の任意選択的に追加のポリジオルガノシロキサンガムと、を含む出発材料を分散装置に供給することと、
8)工程7)からの出発材料を分散装置中で混合及び加熱し、それによって、シリコーン感圧接着剤ベースの水系分散液を生成することと、
9)追加の出発材料をシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液に添加することであって、追加の出発材料が、フリーラジカル開始剤、溶媒、コーティング添加剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、添加すること、それによってシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を形成することと、
任意選択的に、10)基材の表面を処理することと、
11)基材の表面上にシリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液をコーティングすることと、
任意選択的に、12)水、及び存在する場合には溶媒の全て又は一部を除去して、基材の表面上に感圧接着剤組成物の層を形成することと、
13)シリコーン感圧接着剤組成物を硬化させて、シリコーン感圧接着剤を形成することと、を含む、接着剤物品を調製するための方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットからシリコーン感圧接着剤ベースの水性分散液を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
1)第1の供給口、第2の供給口、及びダイを有する出口を有するバレルと、前記バレルを加熱するように構成された加熱手段と、前記バレル内に収容されたスクリュー機構とを備える押出機であって、前記第1の供給口及び前記第2の供給口が、出発材料を前記押出機に導入するように構成され、前記スクリュー機構が、前記出発材料を混合し、前記第1の供給口及び前記第2の供給口から前記出口に向けて運搬することが可能であり、前記第1の供給口が、前記第2の供給口の上流にあり、前記第2の供給口が、前記出口よりも上流にある、押出機を提供することと、
2)i)無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムの少なくとも一部を、前記第1の供給口を通して前記押出機に添加することと、ii)無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を、前記第2の供給口を通して前記押出機に添加することであって、前記ガム及び前記樹脂が、重量比樹脂:ガムが2.1:1~5:1であるような量で添加される、添加することと、
3)前記バレル内で、かつ前記バレルを200℃~250℃の温度で加熱しながら、前記無溶媒ポリジオルガノシロキサンガム及び前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を混合し、それによって混合物を形成することと、
4)前記混合物を、前記出口の前記ダイを通して運搬し、それによってストランドを形成することと、
5)前記ダイを出る前記ストランドを冷却することと、
6)前記ストランドを粉砕し、それによって前記無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製することと、
7)分散装置に、工程6)で調製された前記ペレットと、樹脂:ガム比を0.4:1~3:1に調整するのに十分な量の任意選択的に追加のポリジオルガノシロキサンガムと、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤と、水と、を含む出発材料を供給することであって、ただし、前記界面活性剤が、スルホン酸及びその塩誘導体、長鎖カルボン酸界面活性剤及びその塩、脂肪酸アミン及びアミド、並びにその塩及び誘導体、アルキルグルコシド、並びに線状シリコーンポリエーテルを含まないことを条件とする、供給することと、
8)工程7)からの前記出発材料を前記分散装置中で混合及び加熱し、それによって前記シリコーン感圧接着剤ベースの水系分散液を生成することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
工程2)の前に、溶媒型ポリオルガノシリケート樹脂を調製し、前記溶媒型ポリオルガノシリケート樹脂を脱揮して、前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を形成することを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂が、単位式(R
1R
2
2SiO
1/2)
w(R
2
3SiO
1/2)
x(SiO
4/2)
yX
zを含み、式中、各R
2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R
1は、独立して選択された2~18個の炭素原子のアルケニル基であり、Xは、加水分解性置換基を表し、下付き文字w≧0、下付き文字x>4、下付き文字y>1、下付き文字z≧0であるが、ただし、量(w+x+y+z)が、前記樹脂に2,000g/mol~15,000g/モルの数平均分子量を与えるのに十分であることを条件とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムが、単位式(R
3R
2
2SiO
1/2)
a(R
2
2SiO
2/2)
b(R
2SiO
3/2)
cを含み、式中、各R
2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R
3は、硬化性基であり、下付き文字a≧2、下付き文字b>5000、下付き文字c≧0であるが、ただし、量(a+b+c)が、150,000g/mol~1,000,000g/molの数平均分子量を有する前記ガムを提供するのに十分であることを条件とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ガムの全てが、前記第1の供給口に添加される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ガムの0~15%が、前記第2の供給口に添加される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
工程5)及び6)が、水中ペレタイザを使用して実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
工程7)における前記分散装置が、追加の押出機である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
シリコーン感圧接着剤組成物の水性分散液を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
I)請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセスを実行して、前記シリコーン感圧接着剤ベースの前記水性分散液を形成することと、
II)追加の出発材料を前記シリコーン感圧接着剤ベースの前記水性分散液に添加することであって、前記追加の出発材料が、フリーラジカル開始剤、溶媒、コーティング添加剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、添加すること、それによって前記シリコーン感圧接着剤組成物の前記水性分散液を形成することと、を含む、プロセス。
【請求項10】
前記コーティング添加剤が存在し、前記コーティング添加剤が、消泡剤、湿潤剤、及びpH調整添加剤からなる群から選択される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
接着剤物品を調製するための方法であって、
任意選択的に、1)基材の表面を処理することと、
2)請求項9に記載のプロセスを実行して、前記シリコーン感圧接着剤組成物の前記水性分散液を形成し、前記基材の前記表面上に前記シリコーン感圧接着剤組成物の前記水性分散液をコーティングすることと、
任意選択的に、3)前記水、及び存在する場合には前記溶媒の全て又は一部を除去して、前記基材の前記表面上に前記感圧接着剤組成物の層を形成することと、
4)前記シリコーン感圧接着剤組成物を硬化させて、シリコーン感圧接着剤を形成することと、を含む、方法。
【請求項12】
無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製するためのプロセスであって、
1)第1の供給口、第2の供給口、及びダイを有する出口を有するバレルと、前記バレルを加熱するように構成された加熱手段と、前記バレル内に収容されたスクリュー機構とを備える押出機であって、前記第1の供給口及び前記第2の供給口が、出発材料を前記押出機に導入するように構成され、前記スクリュー機構が、前記出発材料を混合し、前記第1の供給口及び前記第2の供給口から前記出口に向けて運搬することが可能であり、前記第1の供給口が、前記第2の供給口の上流にあり、前記第2の供給口が、前記出口よりも上流にある、押出機を提供することと、
2)i)無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムの少なくとも一部を、前記第1の供給口を通して前記押出機に添加することと、ii)無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を、前記第2の供給口を通して前記押出機に添加することであって、前記ガム及び前記樹脂が、重量比樹脂:ガムが2.1:1~5:1であるような量で添加される、添加することと、
3)前記バレル内で、かつ前記バレルを200℃~250℃の温度で加熱しながら、前記無溶媒ポリジオルガノシロキサンガム及び前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂を混合し、それによって混合物を形成することと、
4)前記混合物を、前記出口の前記ダイを通して運搬し、それによってストランドを形成することと、
5)前記ダイを出る前記ストランドを冷却することと、
6)前記ストランドを粉砕し、それによって前記無溶媒ポリオルガノシロキサンペレットを調製することと、を含む、プロセス。
【請求項13】
前記無溶媒ポリオルガノシリケート樹脂が、単位式(R
1R
2
2SiO
1/2)
w(R
23SiO
1/2)
x(SiO
4/2)
yX
zを含み、式中、各R
2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R
1は、独立して選択された2~18個の炭素原子のアルケニル基であり、Xは、加水分解性置換基を表し、下付き文字w≧0、下付き文字x>4、下付き文字y>1、下付き文字z≧0であるが、ただし、量(w+x+y+z)が、前記樹脂に2,000g/mol~15,000g/モルの数平均分子量を与えるのに十分であることを条件とする、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記無溶媒ポリジオルガノシロキサンガムが、単位式(R
3R
2
2SiO
1/2)
a(R
2
2SiO
2/2)
b(R
2SiO
3/2)
cを含み、式中、各R
2は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各R
3は、硬化性基であり、下付き文字a≧2、下付き文字b>5000、下付き文字c≧0であるが、ただし、量(a+b+c)が、150,000g/モル~1,000,000g/モルの数平均分子量を有する前記ガムを提供するのに十分であることを条件とする、請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
前記重量比樹脂:ガムが、2.1:1~3.5:1である、請求項14に記載のプロセス。
【国際調査報告】