(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】除草化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 413/14 20060101AFI20240327BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20240327BHJP
A01N 43/80 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
C07D413/14 CSP
A01P13/00
A01N43/80 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561746
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2022058445
(87)【国際公開番号】W WO2022214377
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ウィッティンガム ウィリアム ガイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウェールズ ジェフリー スティーヴン
【テーマコード(参考)】
4C063
4H011
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB01
4C063CC51
4C063DD12
4C063EE03
4H011AB01
4H011BA01
4H011BB10
4H011BC03
4H011BC06
4H011BC07
4H011BC16
4H011BC18
4H011BC19
4H011BC20
4H011DA04
4H011DA05
4H011DA15
4H011DA16
4H011DH03
4H011DH05
4H011DH10
(57)【要約】
農薬として、とりわけ除草剤として有用な、式(I)(式中、置換基は、請求項1において定義されているとおりである)の化合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、
R
1は、水素及びC
1~C
6アルキルからなる群から選択され;
R
2は、水素、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6アルケニル及びC
3~C
6アルキニルからなる群から選択され;
R
3は、水素、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ及びC
1~C
4アルキルスルホニルからなる群から選択され;
R
4は、水素、ハロゲン、シアノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ及びC
1~C
4アルキルスルホニルからなる群から選択され;
各R
5及びR
6は、水素、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
4アルキルスルホニル、CO
2R
9、CONR
10R
11及びCH
2OR
12からなる群から独立して選択され;
各R
7及びR
8は、水素、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4アルキルスルホニル、C(=Z)R
15、CO
2R
9、CONR
10R
11及びCH
2OR
12からなる群から独立して選択され;
Zは、酸素、NOR
16及びNN(R
16)
2からなる群から選択され;
R
9は、水素、C
1~C
10アルキル、C
1~C
10ハロアルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6ハロアルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
1~C
4アルコキシC
1~C
6アルキル、C
1~C
4ハロアルコキシC
1~C
6アルキル、C
6~C
10アリールC
1~C
3アルキル、1~4個の基R
13によって置換されているC
6~C
10アリールC
1~C
3アルキル、ヘテロアリールC
1~C
3アルキル、及び1~3個の基R
13によって置換されているヘテロアリールC
1~C
3アルキルからなる群から選択され;
R
10は、水素、C
1~C
6アルキル及びSO
2R
14からなる群から選択され;
R
11は、水素及びC
1~C
6アルキルからなる群から選択されるか;又は
R
10及びR
11は、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素原子を任意に含有する、3~6員ヘテロシクリル環を形成し;
R
12は、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルキルスルホニル、C
1~C
4ハロアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、1~2個の基R
13によって置換されているフェニルスルホニル;C
1~C
4アルキルカルボニル、C
1~C
4ハロアルキルカルボニル、C
6~C
10アリールカルボニル、1~4個の基R
13によって置換されているC
6~C
10アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、1~3個の基R
13によって置換されているヘテロアリールカルボニル、C
6~C
10アリールC
1~C
3アルキルカルボニル、1~4個の基R
13によって置換されているC
6~C
10アリールC
1~C
3アルキルカルボニル、ヘテロアリールC
1~C
3アルキルカルボニル、及び1~3個の基R
13によって置換されているヘテロアリールC
1~C
3アルキルカルボニルからなる群から選択され;
各R
13は、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、シアノ及びC
1~C
4アルキルスルホニルからなる群から独立して選択され;
R
14は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、及びC
1~C
4アルキル(C
1~C
4アルキル)アミノからなる群から選択され;
R
15は、水素、C
1~C
4アルキル及びC
1~C
4ハロアルキルからなる群から選択され;
R
16は、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル及びC
1~C
4アルコキシカルボニルC
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
R
17は、水素、C
1~C
4アルキル及びC
1~C
4ハロアルキルからなる群から選択される)
の化合物又はその農学的に許容可能な塩。
【請求項2】
R
1は、水素及びC
1~C
4アルキルからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
2は、水素、C
1~C
4アルキル及びC
3~C
4アルキニルからなる群から選択される請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R
3は、水素、塩素及びフッ素からなる群から選択される請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R
4は、水素、塩素、シアノ及びアミノチオカルボニルからなる群から選択される請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
各R
5及びR
6は、水素、C
1~C
4アルキル、CO
2R
9及びCH
2OR
12からなる群から独立して選択される請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
各R
7及びR
8は、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、CO
2R
9、CONR
10R
11及びCH
2OR
12からなる群から独立して選択される請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R
9は、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシC
1~C
2アルキル、フェニルC
1~C
2アルキル、及び1~2個のR
13によって置換されているフェニルC
1~C
2アルキルからなる群から選択される請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R
10は、水素及びSO
2R
14からなる群から選択される請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
R
11は水素である請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
R
12は、水素、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2アルキルスルホニル、C
1~C
2ハロアルキルスルホニル、C
1~C
4アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、1~2個の基R
13によって置換されているフェニルカルボニル、フェニルC
1~C
2アルキルカルボニル、及び1~2個の基R
13によって置換されているフェニルC
1~C
2アルキルカルボニルからなる群から選択される請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
R
13は、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、シアノ及びC
1~C
4アルキルスルホニルからなる群から選択される請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
R
14は、C
1~C
4アルキル及びC
1~C
4アルキル(C
1~C
4アルキル)アミノからなる群から選択される請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
R
17は、C
1~C
2アルキル及びC
1~C
2ハロアルキルからなる群から選択される請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
除草的に有効な量の、請求項1~14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物と、農芸化学的に許容可能な希釈剤又はキャリアとを含む農芸化学的組成物。
【請求項16】
望ましくない植物の成長を防除又は防止する方法であって、除草的に有効な量の、請求項1~14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は請求項15に記載の組成物は、植物、その一部又はその生息地に適用される、方法。
【請求項17】
植物栽培場所での望ましくない植物の生育を防除する方法であって、前記方法が、a)前記場所で、プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害型除草剤に対して抵抗する又は耐性があるPPOポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸を含む植物を提供するステップ;b)有効量の前記除草剤を前記場所に適用するステップを含み、ここで、PPO阻害型除草剤は、請求項1~14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物である方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草的に活性なイソオキサゾリン誘導体並びにこのような誘導体の調製に用いられるプロセス及び中間体に関する。本発明は、このような誘導体を含む除草組成物並びに望ましくない植物の成長の防除のためのこのような化合物及び組成物の使用、特に有用な植物の作物における雑草の防除のための使用にさらに及ぶ。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、本明細書において定義されるような式(I)のイソオキサゾリン誘導体が意外なほど良好な除草活性を示すという知見に基づいている。従って、本発明によれば、式(I):
【化1】
(式中、
R
1は、水素及びC
1~C
6アルキルからなる群から選択され;
R
2は、水素、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6アルケニル及びC
3~C
6アルキニルからなる群から選択され;
R
3は、水素、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ及びC
1~C
4アルキルスルホニルからなる群から選択され;
R
4は、水素、ハロゲン、シアノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ及びC
1~C
4アルキルスルホニルからなる群から選択され;
各R
5及びR
6は、水素、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
4アルキルスルホニル、CO
2R
9、CONR
10R
11及びCH
2OR
12からなる群から独立して選択され;
各R
7及びR
8は、水素、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4アルキルスルホニル、C(=Z)R
15、CO
2R
9、CONR
10R
11及びCH
2OR
12からなる群から独立して選択され;
Zは、酸素、NOR
16及びNN(R
16)
2からなる群から選択され;
R
9は、水素、C
1~C
10アルキル、C
1~C
10ハロアルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6ハロアルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
1~C
4アルコキシC
1~C
6アルキル、C
1~C
4ハロアルコキシC
1~C
6アルキル、C
6~C
10アリールC
1~C
3アルキル、1~4個の基R
13によって置換されているC
6~C
10アリールC
1~C
3アルキル、ヘテロアリールC
1~C
3アルキル及び1~3個の基R
13によって置換されているヘテロアリールC
1~C
3アルキルからなる群から選択され;
R
10は、水素、C
1~C
6アルキル及びSO
2R
14からなる群から選択され;
R
11は、水素及びC
1~C
6アルキルからなる群から選択されるか;又は
R
10及びR
11は、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素原子を任意に含有する、3~6員ヘテロシクリル環を形成し;
R
12は、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルキルスルホニル、C
1~C
4ハロアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、1~2個の基R
13によって置換されているフェニルスルホニル;C
1~C
4アルキルカルボニル、C
1~C
4ハロアルキルカルボニル、C
6~C
10アリールカルボニル、1~4個の基R
13によって置換されているC
6~C
10アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、1~3個の基R
13によって置換されているヘテロアリールカルボニル、C
6~C
10アリールC
1~C
3アルキルカルボニル、1~4個の基R
13によって置換されているC
6~C
10アリールC
1~C
3アルキルカルボニル、ヘテロアリールC
1~C
3アルキルカルボニル及び1~3個の基R
13によって置換されているヘテロアリールC
1~C
3アルキルカルボニルからなる群から選択され;
各R
13は、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、シアノ及びC
1~C
4アルキルスルホニルからなる群から独立して選択され;
R
14は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、及びC
1~C
4アルキル(C
1~C
4アルキル)アミノからなる群から選択され;
R
15は、水素、C
1~C
4アルキル及びC
1~C
4ハロアルキルからなる群から選択され;
各R
16は、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル及びC
1~C
4アルコキシカルボニルC
1~C
4アルキルからなる群から独立して選択され;
R
17は、水素、C
1~C
4アルキル及びC
1~C
4ハロアルキルからなる群から選択される)
の化合物又はその農学的に許容可能な塩が提供される。
【0003】
本発明の第2の態様によれば、除草的に有効な量の式(I)の化合物と、農芸化学的に許容可能な希釈剤又はキャリアとを含む農芸化学的組成物が提供される。このような農業用組成物は、少なくとも1種の追加の有効成分をさらに含み得る。
【0004】
本発明の第3の態様によれば、望ましくない植物の成長を防除又は予防する方法であって、除草的に有効な量の式(I)の化合物又はこの化合物を有効成分として含む組成物は、植物、その一部又はその生息地に適用される、方法が提供される。
【0005】
本発明の第4の態様によれば、除草剤としての式(I)の化合物の使用が提供される。
【0006】
本発明の第5の態様によれば、式(I)の化合物を調製するためのプロセスが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において用いられる場合、「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素(フルオロ)、塩素(クロロ)、臭素(ブロモ)又はヨウ素(ヨード)、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を指す。
【0008】
本明細書において用いられる場合、シアノは、-CN基を意味する。
【0009】
本明細書において用いられる場合、ヒドロキシは、-OH基を意味する。
【0010】
本明細書において用いられる場合、ニトロは、-NO2基を意味する。
【0011】
本明細書において用いられる場合、「C1~C6アルキル」という用語は、炭素及び水素原子のみから構成され、不飽和を含まず、1~6個の炭素原子を有し、且つ単結合によって分子の残部に結合している直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖ラジカルを指す。C1~C4アルキル及びC1~C2アルキルは、相応に解釈されるべきである。C1~C6アルキルの例としては、これらに限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル及び1-ジメチルエチル(t-ブチル)が挙げられる。
【0012】
本明細書において用いられる場合、「C1~C6アルコキシ」という用語は、一般に上記に定義されているとおり、RaがC1~C6アルキル基である式-ORaの基を指す。C1~C4アルコキシは、相応に解釈されるべきである。C1-4アルコキシの例としては、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及びt-ブトキシが挙げられる。
【0013】
本明細書において用いられる場合、「C1~C6ハロアルキル」という用語は、1個以上の同じであるか又は異なるハロゲン原子によって置換されている、一般に上記に定義されているC1~C6アルキル基を指す。C1~C4ハロアルキルは、相応に解釈されるべきである。C1~C6ハロアルキルの例としては、これらに限定されないが、クロロメチル、フルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロエチルが挙げられる。
【0014】
本明細書において用いられる場合、「C2~C6アルケニル」という用語は、炭素及び水素原子のみから構成され、(E)又は(Z)立体構成のいずれかであり得る少なくとも1つの二重結合を含み、2~6個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残部に結合している直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖ラジカル基を指す。C2~C4アルケニルは、相応に解釈されるべきである。C2~C6アルケニルの例としては、これらに限定されないが、プロプ-1-エニル、アリル(プロプ-2-エニル)及びブタ-1-エニルが挙げられる。
【0015】
本明細書において用いられる場合、「C2~C6ハロアルケニル」という用語は、1個以上の同じであるか又は異なるハロゲン原子によって置換されている、一般に上記に定義されているC2~C6アルケニル基を指す。C2~C6ハロアルケニルの例としては、これらに限定されないが、クロロエチレン、フルオロエチレン、1,1-ジフルオロエチレン、1,1-ジクロロエチレン及び1,1,2-トリクロロエチレンが挙げられる。
【0016】
本明細書において用いられる場合、「C2~C6アルキニル」という用語は、炭素及び水素原子のみから構成され、少なくとも1つの三重結合を含み、2~6個の炭素原子を有し、且つ単結合によって分子の残部に結合している直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖ラジカル基を指す。C2~C4アルキニルは、相応に解釈されるべきである。C2~C6アルキニルの例としては、これらに限定されないが、プロプ-1-イニル、プロパルギル(プロプ-2-イニル)及びブタ-1-イニルが挙げられる。
【0017】
本明細書において用いられる場合、「C1~C6ハロアルコキシ」という用語は、1個以上の同じであるか又は異なるハロゲン原子によって置換されている、上記に定義されているC1~C6アルコキシ基を指す。C1~C4ハロアルコキシは、相応に解釈されるべきである。C1~C6ハロアルコキシの例としては、これらに限定されないが、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ及びトリフルオロエトキシが挙げられる。
【0018】
本明細書において用いられる場合、「C1~C3ハロアルコキシC1~C3アルキル」という用語は、一般に上記に定義されているとおりRbがC1~C3ハロアルキル基であり、及び一般に上記に定義されているとおりRaがC1~C3アルキレン基である式Rb-O-Ra-の基を指す。
【0019】
本明細書において用いられる場合、「C1~C3アルコキシC1~C3アルキル」という用語は、一般に上記に定義されているとおりRbがC1~C3アルキル基であり、及び一般に上記に定義されているとおりRaがC1~C3アルキレン基である式Rb-O-Ra-の基を指す。
【0020】
本明細書において用いられる場合、「C1~C3アルコキシC1~C3アルコキシ-」という用語は、一般に上記に定義されているとおりRbがC1~C3アルキル基であり、及び一般に上記に定義されているとおりRaがC1~C3アルキレン基である式Rb-O-Ra-O-の基を指す。
【0021】
本明細書において用いられる場合、「C3~C6アルケニルオキシ」という用語は、一般に上記に定義されているとおりRaがC3~C6アルケニル基である式-ORaの基を指す。
【0022】
本明細書において用いられる場合、「C3~C6アルキニルオキシ」という用語は、一般に上記に定義されているとおりRaがC3~C6アルキニル基である式-ORaの基を指す。
【0023】
本明細書において用いられる場合、「ヒドロキシC1~C6アルキル」という用語は、1個以上のヒドロキシ基によって置換されている、一般に上記に定義されているC1~C6アルキル基を指す。
【0024】
本明細書において用いられる場合、「C1~C6アルキルカルボニル」という用語は、一般に上記に定義されているとおりRaがC1~C6アルキル基である式-C(O)Raの基を指す。
【0025】
本明細書において用いられる場合、「C1~C6アルコキシカルボニル」という用語は、一般に上記に定義されているとおりRaがC1~C6アルキル基である式-C(O)ORaの基を指す。
【0026】
本明細書において用いられる場合、「アミノカルボニル」という用語は、式-C(O)NH2の基を指す。
【0027】
本明細書において用いられる場合、「アミノチオカルボニル」という用語は、式-C(S)NH2の基を指す。
【0028】
本明細書において用いられる場合、「C3~C6シクロアルキル」という用語は、飽和又は部分飽和であり、且つ3~6個の炭素原子を含有する安定な単環式環基を指す。C3~C4シクロアルキルは、相応に解釈されるべきである。C3~C6シクロアルキルの例としては、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0029】
本明細書において用いられる場合、「C3~C6ハロシクロアルキル」という用語は、1個以上の同じであるか又は異なるハロゲン原子によって置換されている、一般に上記に定義されているC3~C6シクロアルキル基を指す。C3~C4ハロシクロアルキルは、相応に解釈されるべきである。
【0030】
本明細書において用いられる場合、「C3~C6シクロアルコキシ」という用語は、一般に上記に定義されているとおりRaがC3~C6シクロアルキル基である式-ORaの基を指す。
【0031】
本明細書において用いられる場合、「N-C3~C6シクロアルキルアミノ」という用語は、一般に上記に定義されているとおりRaがC3~C6シクロアルキル基である式-NHRaの基を指す。
【0032】
本明細書において用いられる場合、別段の定めがある場合を除き、「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む5又は6員単環式芳香族環を指す。ヘテロアリール基は、炭素原子又はヘテロ原子を介して分子の残部に結合し得る。ヘテロアリールの例としては、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジル又はピリジルが挙げられる。
【0033】
本明細書において用いられる場合、別段の定めがある場合を除き、「ヘテロシクリル」又は「複素環式」という用語は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む安定な4~6員非芳香族単環式環基を指す。ヘテロシクリル基は、炭素原子又はヘテロ原子を介して分子の残部に結合し得る。ヘテロシクリルの例としては、これらに限定されないが、ピロリニル、ピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロイソキサゾリル、ジオキソラニル、モルホリニル又はδ-ラクタミルが挙げられる。
【0034】
式(I)の化合物中における1個以上の場合により不斉の炭素原子の存在は、その化合物が、キラル異性形態、すなわち鏡像異性形態又はジアステレオ異性形態で生じ得ることを意味する。また、アストロプ異性体は、単結合に係る回転の制限の結果として生じ得る。式(I)は、すべてのこれらの可能性のある異性形態及びその混合物を含むことが意図されている。本発明は、式(I)の化合物に係るすべてのこれらの可能性のある異性形態及びその混合物を含む。同様に、式(I)は、存在する場合、すべての可能性のある互変異性体(ラクタム-ラクチム互変異性及びケト-エノール互変異性を含む)を含むことが意図されている。本発明は、式(I)の化合物に係るすべての可能性のある互変異性形態を含む。同様に、二置換されたアルケンが存在する場合、これらは、E若しくはZ形態で又はいずれかの割合における両方の混合物として存在し得る。本発明は、式(I)の化合物について、すべてのこれらの可能な異性形態及びその混合物を含む。
【0035】
式(I)の化合物は、典型的には、農学的に許容可能な塩、双性イオン又は双性イオンの農学的に許容可能な塩の形態で提供される。本発明は、このような農学的に許容可能な塩、双性イオン及びすべての割合でのその混合物のすべてを包含する。
【0036】
本発明の好適な農学的に許容可能な塩は、これらに限定されないが、金属、アミンの共役酸及び有機カチオンを含むカチオンを有し得る。好適な金属の例としては、アルミニウム、カルシウム、セシウム、銅、リチウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、ナトリウム、鉄及び亜鉛が挙げられる。好適なアミンの例としては、アリルアミン、アンモニア、アミルアミン、アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、ブテニル-2-アミン、ブチルアミン、ブチルエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、デシルアミン、ジアミルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジヘプチルアミン、ジヘキシルアミン、ジイソアミルアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジオクチルアミン、ジプロパノールアミン、ジプロパルギルアミン、ジプロピルアミン、ドデシルアミン、エタノールアミン、エチルアミン、エチルブチルアミン、エチレンジアミン、エチルヘプチルアミン、エチルオクチルアミン、エチルプロパノールアミン、ヘプタデシルアミン、ヘプチルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘキセニル-2-アミン、ヘキシルアミン、ヘキシルヘプチルアミン、ヘキシルオクチルアミン、ヒスチジン、インドリン、イソアミルアミン、イソブタノールアミン、イソブチルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、リシン、メグルミン、メトキシエチルアミン、メチルアミン、メチルブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルノニルアミン、メチルオクタデシルアミン、メチルペンタデシルアミン、モルホリン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルピペラジン、ノニルアミン、オクタデシルアミン、オクチルアミン、オレイルアミン、ペンタデシルアミン、ペンテニル-2-アミン、フェノキシエチルアミン、ピコリン、ピペラジン、ピペリジン、プロパノールアミン、プロピルアミン、プロピレンジアミン、ピリジン、ピロリジン、sec-ブチルアミン、ステアリルアミン、タローアミン、テトラデシルアミン、トリブチルアミン、トリデシルアミン、トリメチルアミン、トリヘプチルアミン、トリヘキシルアミン、トリイソブチルアミン、トリイソデシルアミン、トリイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリペンチルアミン、トリプロピルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びウンデシルアミンが挙げられる。好適な有機カチオンの例としては、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリフェニルホスホニウム、コリン、テトラブチルアンモニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラプロピルホスホニウム、トリブチルスルホニウム、トリブチルスルホキソニウム、トリエチルスルホニウム、トリエチルスルホキソニウム、トリメチルスルホニウム、トリメチルスルホキソニウム、トリプロピルスルホニウム及びトリプロピルスルホキソニウムが挙げられる。
【0037】
以下のリストは、本発明に従う式(I)の化合物に関連した置換基Z、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17についての、好ましい定義を含む定義を提供する。これらの置換基の任意の1つについて、下記に与えられる定義のいずれも、本明細書の下記又は他の箇所で与えられる任意の他の置換基の任意の定義と組み合わされ得る。
【0038】
好ましくは、R1は、水素及びC1~C4アルキル、より好ましくは水素及びメチルからなる群から選択され、最も好ましくは水素である。
【0039】
好ましくは、R2は、水素、C1~C4アルキル及びC3~C4アルキニルからなる群から選択され、より好ましくはC1~C2アルキル、最も好ましくはメチルである。
【0040】
好ましくは、R3は、水素、塩素及びフッ素、より好ましくは塩素及びフッ素からなる群から選択される。
【0041】
好ましくは、R4は、水素、塩素、シアノ及びアミノチオカルボニル、より好ましくは塩素、シアノ及びアミノチオカルボニルからなる群から選択され、最も好ましくは塩素である。
【0042】
好ましくは、各R5及びR6は、水素、C1~C4アルキル、CO2R9及びCH2OR12、より好ましくは水素及びC1~C2アルキルからなる群から独立して選択され、最も好ましくは水素である。
【0043】
好ましくは、各R7及びR8は、水素、C1~C4アルキル、C1~C6ハロアルキル、CO2R9、CONR10R11及びCH2OR12からなる群から独立して選択される。より好ましくは、R7は、CO2R9、CONR10R11及びCH2OR12からなる群から選択され、最も好ましくはCO2R9である。より好ましくは、R8は、水素及びC1~C4アルキルからなる群から選択され、最も好ましくはメチルである。
【0044】
好ましくは、R9は、水素、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C2アルコキシC1~C2アルキル、フェニルC1~C2アルキル及び1~2個の基R13によって置換されているフェニルC1~C2アルキル、より好ましくは水素、C1~C4アルキル、C1~C2アルコキシC1~C2アルキル及びフェニルC1~C2アルキル、最も好ましくは水素、C1~C4アルキル及びフェニルC1~C2アルキルからなる群から選択される。
【0045】
好ましくは、R10は、水素及びSO2R14からなる群から選択され、より好ましくはSO2R14である。
【0046】
好ましくは、R11は、水素である。
【0047】
好ましくは、R12は、水素、C1~C2アルキル、C1~C2アルキルスルホニル、C1~C2ハロアルキルスルホニル、C1~C4アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、1~2個の基R13によって置換されているフェニルカルボニル、フェニルC1~C2アルキルカルボニル及び1~2個の基R13によって置換されているフェニルC1~C2アルキルカルボニル、より好ましくはC1~C2アルキルスルホニル、C1~C2ハロアルキルスルホニル及びC1~C4アルキルカルボニルからなる群から選択される。
【0048】
好ましくは、R13は、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ、シアノ及びC1~C4アルキルスルホニルからなる群から選択される。
【0049】
好ましくは、R14は、C1~C4アルキル及びC1~C4アルキル(C1~C4アルキル)アミノ、より好ましくはメチル及びイソプロピル(メチル)アミノからなる群から選択される。
【0050】
好ましくは、R17は、C1~C2アルキル及びC1~C2ハロアルキルからなる群から選択され、より好ましくはハロメチル、最も好ましくはトリフルオロメチルである。
【0051】
化合物の好ましいサブセットは、
R1が、水素又はメチルからなる群から選択され;
R2がC1~C2アルキルであり;
R3が、水素、塩素及びフッ素からなる群から選択され;
R4が、塩素、シアノ及びアミノチオカルボニルからなる群から選択され;
各R5及びR6が、水素及びC1~C2アルキルからなる群から独立して選択され;
R7が、CO2R9、CONR10R11及びCH2OR12からなる群から選択され;
R8が、水素及びC1~C4アルキルからなる群から選択され;
R9が、水素、C1~C4アルキル、C1~C2アルコキシC1~C2アルキル及びフェニルC1~C2アルキルからなる群から選択され;
R10がSO2R14であり;
R11が水素であり;
R12が、C1~C2アルキルスルホニル、C1~C2ハロアルキルスルホニル及びC1~C4アルキルカルボニルからなる群から選択され;
R14が、メチル及びイソプロピル(メチル)アミノからなる群から選択され;
R17が、メチル及びトリフルオロメチルからなる群から選択されるものである。
【0052】
化合物のより好ましいサブセットは、
R1が水素であり;
R2がメチルであり;
R3が、塩素及びフッ素からなる群から選択され;
R4が塩素であり;
各R5及びR6が水素であり;
R7がCO2R9であり;
R8がメチルであり;
R9が、水素、C1~C4アルキル及びフェニルC1~C2アルキルからなる群から選択され;
R17がトリフルオロメチルであるものである。
【0053】
例の表
この表は、式(I)(式中、R1は水素であり、R2はメチルであり、R17はトリフルオロメチルである)の具体的な化合物を開示する。
【0054】
【0055】
これらのうちで、化合物14が最も好ましい。
【0056】
本発明の化合物は、有機化学の当業者に公知の技法によって調製され得る。式(I)の化合物の一般的な製造方法が以下に記載される。本文に特に明記しない限り、置換基Z、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、上記において本明細書に定義されているとおりである。本発明の化合物の調製のために使用される出発原料は、通常の商業的供給業者から購入され得るか、又は公知の方法によって調製され得る。出発原料及び中間体は、クロマトグラフィー、結晶化、蒸留及びろ過などの従来技術の方法により、次のステップでの使用前に精製され得る。
【0057】
式(I)の化合物は、反応スキーム1に示されるように、式(A)の化合物から調製され得る。
反応スキーム1
【化2】
例えば、式(A)の化合物は、メチルペンタノンなどの好適な溶媒中で、炭酸カリウムなどの、塩基、及びヨウ化メチルなどの、アルキル化剤で処理され得る。
【0058】
式(A)の化合物は、反応スキーム2に示されるように式(B)の化合物と式(C)のアミンとから調製され得る。
反応スキーム2
【化3】
例えば、式(C)の化合物は、酢酸などの、好適な溶媒中で、式(B)のオキサジノンで処理され得る。
【0059】
式(C)のアミンは、反応スキーム3に示されるように式(D)のニトロ化合物から調製され得る。
反応スキーム3
【化4】
【0060】
例えば、式(D)の化合物は、水とエタノールとの混合物などの好適な溶媒中において、鉄及び塩化アンモニウムなどの還元剤で処理することができる。
【0061】
式(D)のニトロ化合物は、反応スキーム4に示されるように、式(E)のオキシムと式(F)のアルケンとから調製され得る。
反応スキーム4
【化5】
【0062】
例えば、式(E)のオキシムは、ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒中においてN-クロロスクシンイミドで処理され得、次いで、得られた中間体は、ジクロロメタンなどの好適な溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基の存在下において式(F)のアルケンで処理される。
【0063】
式(F)のアルケンは、入手可能であるか又は文献で公知の方法によって調製され得る。
【0064】
式(E)のオキシムは、反応スキーム5に示されるように、式(G)のアルデヒドから調製され得る。
反応スキーム5
【化6】
【0065】
例えば、式(G)のアルデヒドは、水とエタノールとの混合物などの好適な溶媒中においてヒドロキシルアミン塩酸塩で処理され得る。
【0066】
式(G)のアルデヒドは、入手可能であるか又は文献で公知の方法によって調製することができる。
【0067】
R
7がカルボン酸基である式(I)の化合物である、式(I-A)の化合物は、反応スキーム6に示されるように、R
7がCO
2R
9である式(I)の化合物である、式(I-B)の化合物から調製され得る。
反応スキーム6
【化7】
【0068】
例えば、式(I-B)の化合物は、水とエタノールとの混合物などの好適な溶媒中において水酸化ナトリウムで処理され得る。
【0069】
R
7がヒドロキシメチル基である式(I)の化合物である、式(I-C)の化合物は、反応スキーム7に示されるように、式(I-A又はI-B)の化合物から調製され得る。
反応スキーム7
【化8】
【0070】
例えば、式(I-A)又は(I-B)の化合物は、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中において、好適な還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウム又はボランなどの金属水素化物試薬で処理され得る。
【0071】
R
7がCH
2OR
12である式(I)の化合物である、式(I-D)の化合物は、反応スキーム8に示されるように、式(I-C)の化合物から調製され得る。
反応スキーム8
【化9】
【0072】
例えば、式(I-C)の化合物は、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中、水素化ナトリウム又はトリエチルアミンなどの塩基の存在下においてアルキル化剤、アシル化剤又はスルホニル化剤などの試薬R12-LG(式中、LGは、ハロゲンなどの脱離基である)で処理され得る。
【0073】
R
7がCONR
10R
11である式(I)の化合物である、式(I-E)の化合物は、反応スキーム9に示されるように、式(I-A)の化合物から調製され得る。
反応スキーム9
【化10】
【0074】
例えば、式(I-A)の化合物は、ジクロロメタンなどの好適な溶媒中において、塩化オキサリルなどのハロゲン化試薬で処理されて、アシルハロゲン化物を形成し、これは、ジクロロメタンなどの好適な溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基の存在下において試薬HNR10R11で処理され得る。
【0075】
R
7がオキシム基である式(I)の化合物である、式(I-G)の化合物は、反応スキーム10に示されるように、R
7がケトン基である式(I)の化合物である、式(I-F)の化合物から調製され得る。
反応スキーム10
【化11】
【0076】
例えば、式(I-F)の化合物は、エタノールなどの好適な溶媒中、トリエチルアミンなどの任意に塩基の存在下においてヒドロキシルアミンH2NOR16又はその塩で処理され得る。
【0077】
R
7がヒドラゾン基である式(I)の化合物である、式(I-H)の化合物は、反応スキーム11に示されるように、R
7がケトン基である式(I)の化合物である、式(I-F)の化合物から調製され得る。
反応スキーム11
【化12】
【0078】
例えば、式(I-F)の化合物は、エタノールなどの好適な溶媒中、トリエチルアミンなどの任意に塩基の存在下においてヒドラジンH2NN(R16)2又はその塩で処理され得る。
【0079】
当業者は、上記で記載された変換が行われる順番を変更するか、又は式(I)の広範囲の化合物を調製するために代わりの方法でそれらを組み合わせることが多くの場合に可能であることを理解するであろう。複数のステップも単一の反応に組み合わされ得る。すべてのこのような変形形態は、本発明の範囲内と考えられる。
【0080】
当業者は、いくつかの試薬が、ある種の値又は本明細書で定義されるような置換基Z、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の組み合わせと適合しないであろうことも認識し、所望の変換を達成するために必要である保護及び/又は脱保護ステップなどの任意の追加のステップは、当業者に明らかであろう。
【0081】
本発明に従う化合物は、修飾されない形態で除草剤として使用することができるが、一般に、担体、溶媒及び界面活性物質などの製剤補助剤を用いて様々な方法で組成物に配合される。製剤は、種々の物理的形態、例えば散布剤、ゲル、水和剤、水分散性顆粒、水分散性錠剤、発泡性ペレット、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、水中油型エマルション、オイルフロアブル剤、水性分散体、油性分散体、サスポエマルション、カプセル懸濁液、乳化性顆粒、可溶性液体、水溶性濃縮物(担体として水又は水混和性有機溶媒を含む)、含浸ポリマーフィルムの形態又は例えばManual on Development and Use of FAO and WHO Specifications for Pesticides,United Nations,First Edition,Second Revision(2010)から知られている他の形態とすることができる。水溶性化合物、可溶性液体、水溶性濃縮物又は水溶性顆粒が好ましい。このような製剤は、直接使用することができるか、又は使用前に希釈することができる。希釈は、例えば、水、液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油又は溶媒を用いて行うことができる。
【0082】
製剤は、例えば、微粉化固体、顆粒、溶液、分散体又はエマルションの形態の組成物を得るために、有効成分を製剤補助剤と混合することによって調製することができる。また、有効成分は、微粉化固体、鉱油、植物又は動物由来の油、植物又は動物由来の変性油、有機溶媒、水、界面活性物質又はこれらの組み合わせなどの他の補助剤と共に配合することができる。
【0083】
また、有効成分は、微細なマイクロカプセル中に含有させることもできる。マイクロカプセルは、多孔質担体中に有効成分を含有する。これは、有効成分が制御された量で環境に放出される(例えば、持続放出)ことを可能にする。マイクロカプセルは、通常、0.1~500ミクロンの直径を有する。マイクロカプセルは、カプセル重量の約25~95重量%の量の有効成分を含有する。有効成分は、モノリシック固体の形態、固体又は液体分散体中の微粒子の形態又は適切な溶液の形態であり得る。カプセル化膜は、例えば、天然又は合成ゴム、セルロース、スチレン/ブタジエンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン又は化学修飾ポリマー及びデンプンキサンテート又は当業者に知られている他のポリマーを含むことができる。代わりに、有効成分が基体の固体マトリックス中に微粉化粒子の形態で含有された微細なマイクロカプセルを形成することができるが、マイクロカプセル自体は、カプセル化されない。
【0084】
本発明に従う組成物の調製に適した製剤補助剤は、それ自体知られている。液体担体としては、水、トルエン、キシレン、石油エーテル、植物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酸無水物、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、炭酸ブチレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸のアルキルエステル、ジアセトンアルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアビエタート、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾアート、ジプロキシトール、アルキルピロリドン、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、アルファ-ピネン、d-リモネン、乳酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ガンマ-ブチロラクトン、グリセロール、酢酸グリセロール、二酢酸グリセロール、三酢酸グリセロール、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、酸化メシチル、メトキシプロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m-キシレン、n-ヘキサン、n-オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミン酢酸塩、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール、プロピオン酸、乳酸プロピル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、p-キシレン、トルエン、トリエチルホスファート、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びより高分子量のアルコール、例えばアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドンなどが使用され得る。
【0085】
適切な固体担体は、例えば、タルク、二酸化チタン、パイロフィライトクレイ、シリカ、アタパルジャイトクレイ、珪藻土、石灰石、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルシウムモンモリロナイト、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、粉末クルミ殻、リグニン及び同様の物質である。
【0086】
多数の界面活性物質は、固体及び液体製剤の両方において、特に使用する前に担体により希釈され得る製剤において有利に使用することができる。界面活性物質は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は高分子であり得、乳化剤、湿潤剤若しくは懸濁化剤として又は他の目的のために使用することができる。典型的な界面活性物質には、例えば、アルキル硫酸の塩、例えばラウリル硫酸ジエタノールアンモニウムなど;アルキルアリールスルホン酸の塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなど;アルキルフェノール/アルキレンオキシド付加生成物、例えばノニルフェノールエトキシレートなど;アルコール/アルキレンオキシド付加生成物、例えばトリデシルアルコールエトキシレートなど;石鹸、例えばステアリン酸ナトリウムなど;アルキルナフタレンスルホン酸の塩、例えばジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えばジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなど;ソルビトールエステル、例えばソルビトールオレアートなど;第4級アミン、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、脂肪酸のポリエチレングリコールエステルなど、例えばステアリン酸ポリエチレングリコールなど;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー;並びにモノ-及びジ-アルキルリン酸エステルの塩が含まれ、例えばMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual,MC Publishing Corp.,Ridgewood New Jersey(1981)に記載されるさらなる物質も含まれる。
【0087】
農薬製剤において使用することができるさらなる補助剤には、結晶化抑制剤、粘度調整剤、懸濁化剤、染料、酸化防止剤、起泡剤、光吸収剤、混合助剤、消泡剤、錯化剤、中和又はpH調整物質及び緩衝剤、防蝕剤、香料、湿潤剤、吸収増強剤、微量栄養素、可塑剤、流動化剤、潤滑剤、分散剤、増粘剤、凍結防止剤、殺菌剤並びに液体及び固体肥料が含まれる。
【0088】
本発明に従う組成物は、植物又は動物由来の油、鉱油、このような油のアルキルエステル又はこのような油及び油誘導体の混合物を含む添加剤を含むことができる。本発明に従う組成物中の油添加剤の量は、適用される混合物を基準として一般に0.01~10%である。例えば、油添加剤は、スプレー混合物を調製した後、所望の濃度でスプレータンクに添加することができる。好ましい油添加剤は、鉱油又は植物由来の油(例えば、菜種油、オリーブ油又はヒマワリ油)、乳化植物油、植物由来の油のアルキルエステル(例えば、メチル誘導体)又は動物由来の油(例えば、魚油又は牛脂など)を含む。好ましい油添加剤は、C8~C22脂肪酸のアルキルエステル、特にC12~C18脂肪酸のメチル誘導体、例えばラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のメチルエステル(それぞれラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル及びオレイン酸メチル)を含む。Compendium of Herbicide Adjuvants,10th Edition,Southern Illinois University,2010から多数の油誘導体が知られている。
【0089】
除草組成物は、一般に、0.1~99重量%、特に0.1~95重量%の式(I)の化合物と、好ましくは0~25重量%の界面活性物質を含む1~99.9重量%の製剤補助剤とを含む。本発明の組成物は、一般に、0.1~99重量%、特に0.1~95重量%の本発明の化合物と、好ましくは0~25重量%の界面活性物質を含む1~99.9重量%の製剤補助剤とを含む。市販の製品は、好ましくは、濃縮物として配合され得るが、エンドユーザーは、通常、希釈製剤を使用するであろう。
【0090】
適用率は、広い範囲内で異なり、土壌の性質、適用方法、作物植物、防除される有害生物、優勢な気候条件並びに適用方法、適用の時期及び標的作物に支配される他の要因によって決まる。一般的な指針として、化合物は、1~2000l/ha、特に10~1000l/haの割合で適用され得る。
【0091】
好ましい製剤は、以下の組成(重量%)を有することができる。
【0092】
乳化性濃縮物:
有効成分:1~95%、好ましくは60~90%
界面活性剤:1~30%、好ましくは5~20%
液体担体:1~80%、好ましくは1~35%
【0093】
散布剤:
有効成分:0.1~10%、好ましくは0.1~5%
固体担体:99.9~90%、好ましくは99.9~99%
【0094】
懸濁液濃縮液:
有効成分:5~75%、好ましくは10~50%
水:94~24%、好ましくは88~30%
界面活性剤:1~40%、好ましくは2~30%
【0095】
水和剤:
有効成分:0.5~90%、好ましくは1~80%
界面活性剤:0.5~20%、好ましくは1~15%
固体担体:5~95%、好ましくは15~90%
【0096】
顆粒:
有効成分:0.1~30%、好ましくは0.1~15%
固体担体:99.5~70%、好ましくは97~85%
【0097】
本発明の組成物は、少なくとも1つの付加的な農薬をさらに含み得る。例えば、本発明に従う化合物は、他の除草剤又は植物成長調節剤と組み合わせて使用することもできる。好ましい実施形態では、付加的な農薬は、除草剤及び/又は除草剤薬害軽減剤である。
【0098】
従って、式(I)の化合物を1つ又は複数の他の除草剤と組み合わせて使用して、種々の除草剤混合物を提供することができる。このような混合物の特定の例としては、以下が挙げられる(ここで、「I」は、式(I)の化合物を表す):-I+アセトクロール;I+アシフルオルフェン(アシフルオルフェン-ナトリウムを含む);I+アクロニフェン;I+アラクロール;I+アロキシジム;I+アメトリン;I+アミノカルバゾン;I+アミドスルフロン;I+アミノシクロピラクロル;I+アミノピラリド;I+アミトロール;I+アシュラム;I+アトラジン;I+ベンスルフロン(ベンスルフロン-メチルを含む);I+ベンタゾン;I+ビシクロピロン;I+ビラナホス;I+ビフェノックス;I+ビスピリバック-ナトリウム;I+ビクスロゾン;I+ブロマシル;I+ブロモキシニル;I+ブタクロール;I+ブタフェナシル;I+カフェンストロール;I+カルフェントラゾン(カルフェントラゾン-エチルを含む);クロランスラム(クロランスラム-メチルを含む);I+クロリムロン(クロリムロン-エチルを含む);I+クロロトルロン;I+シノスルフロン;I+クロルスルフロン;I+シンメチリン;I+クラシホス;I+クレトジム;I+クロジナホップ(クロジナホップ-プロパルギルを含む);I+クロマゾン;I+クロピラリド;I+シクロピラニル;I+シクロピリモレート;I+シクロスルファムロン;I+シハロホップ(シハロホップ-ブチルを含む);I+2,4-D(コリン塩及びその2-エチルヘキシルエステルを含む);I+2,4-DB;I+ダイムロン;I+デスメディファム;I+ジカンバ(そのアルミニウム、アミノプロピル、ビス-アミノプロプルメチル、コリン、ジクロロプロップ、ジグリコールアミン、ジメチルアミン、ジメチルアンモニウム、カリウム及びナトリウム塩を含む);I+ジクロホップ-メチル;I+ジクロスラム;I+ジフルヘニカン;I+ジフェンゾコート;I+ジフルヘニカン;I+ジフルフェンゾピル;I+ジメタクロール;I+ジメテナミド-P;I+ダイコートジブロミド;I+ジウロン;I+エスプロカルブ;I+エタルフルラリン;I+エトフメセート;I+フェノキサプロップ(フェノキサプロップ-P-エチルを含む);I+フェノキサスルフォン;I+フェンキノトリオン;I+フェントラザミド;I+フラザスルフロン;I+フロラスラム;I+フロルピラウキシフェン;I+フルアジホップ(フルアジホップ-P-ブチルを含む);I+フルカルバゾン(フルカルバゾン-ナトリウムを含む);;I+フルフェナセット;I+フルメトラリン;I+フルメツラム;I+フルミオキサジン;I+フルピルスルフロン(フルピルスルフロン-メチル-ナトリウムを含む);;I+フルロキシピル(フルロキシピル-メプチルを含む);;I+フルチアセット-メチル;I+フォメサフェン;I+ホラムスルフロン;I+グルホシネート(そのアンモニウム塩を含む);I+グリホサート(そのジアンモニウム、イソプロピルアンモニウム及びカリウム塩を含む);I+ハラウキシフェン(ハラウキシフェン-メチルを含む);I+ハロスルフロン-メチル;I+ハロキシホップ(ハロキシホップ-メチルを含む);I+ヘキサジノン;I+ヒダントシジン;I+イマザモックス;I+イマザピック;I+イマザピル;I+イマザキン;I+イマゼタピル;I+インダジフラム;I+イオドスルフロン(イオドスルフロン-メチル-ナトリウムを含む);I+イオフェンスルフロン;I+イオフェンスルフロン-ナトリウム;I+アイオキシニル;I+イプフェンカルバゾン;I+イソプロツロン;I+イソキサベン;I+イソキサフルトール;I+ラクトフェン;I+ランコトリオン;I+リニュロン;I+MCPA;I+MCPB;I+メコプロップ-P;I+メフェナセット;I+メソスルフロン;I+メソスルフロン-メチル;I+メソトリオン;I+メタミトロン;I+メタザクロール;I+メチオゾリン;I+メトブロムロン;I+メトラクロール;I+メトスラム;I+メトキシウロン;I+メトリブジン;I+メトスルフロン;I+モリネート;I+ナプロパミド;I+ニコスルフロン;I+ノルフラゾン;I+オルソスルファムロン;I+オキサジアルギル;I+オキサジアゾン;I+オキサスルフロン;I+オキシフルオルフェン;I+パラコートジクロリド;I+ペンディメタリン;I+ペノキススラム;I+フェンメディファム;I+ピクロラム;I+ピコリナフェン;I+ピノキサデン;I+プレチラクロール;I+プリミスルフロン-メチル;I+プロジアミン;I+プロメトリン;I+プロパクロル;I+プロパニル;I+プロパキザホップ;I+プロファム;I+プロピリスルフロン、I+プロピザミド;I+プロスルホカルブ;I+プロスルフロン;I+ピラクロニル;I+ピラフルフェン(ピラフルフェン-エチルを含む):I+ピラスルホトール;I+ピラゾリネート、I+ピラゾスルフロン-エチル;I+ピリベンゾキシム;I+ピリデート;I+ピリフタリド;I+ピリミスルファン、I+ピリチオバック-ナトリウム;I+ピロキサスルホン;I+ピロキシスラム;I+キンクロラック;I+キンメラック;I+キザロホップ(キザロホップ-P-エチル及びキザロホップ-P-テフリルを含む);I+リムスルフロン;I+サフルフェナシル;I+セトキシジム;I+シマジン;I+S-メトラクロール;I+スルコトリオン;I+スルフェントラゾン;I+スルホスルフロン;I+テブチウロン;I+テフリルトリオン;I+テンボトリオン;I+テルブチラジン;I+テルブトリン;I+チエンカルバゾン;I+チフェンスルフロン;I+チアフェナシル;I+トルピラレート;I+トプラメゾン;I+トラルコキシジム;I+トリアファモネ;I+トリアレート;I+トリアスルフロン;I+トリベヌロン(トリベヌロン-メチルを含む);I+トリクロピル;I+トリフロキシスルフロン(トリフロキシスルフロン-ナトリウムを含む);I+トリフルジモキサジン;I+トリフルラリン;I+トリフルスルフロン;I+トリトスルフロン;I+4-ヒドロキシ-1-メトキシ-5-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン;I+4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン;I+5-エトキシ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン;I+4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン;I+4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[1-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]イミダゾリジン-2-オン;I+(4R)1-(5-t-ブチルイソキサゾール-3-イル)-4-エトキシ-5-ヒドロキシ-3-メチル-イミダゾリジン-2-オン;I+3-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタン-2,4-ジオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5,5-ジメチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+6-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,4,4-テトラメチル-シクロヘキサン-1,3,5-トリオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5-エチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-4,4,6,6-テトラメチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+2-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+3-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタン-2,4-ジオン;I+2-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5,5-ジメチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+6-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,4,4-テトラメチル-シクロヘキサン-1,3,5-トリオン;I+2-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+4-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,6,6-テトラメチル-テトラヒドロピラン-3,5-ジオン及びI+4-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,6,6-テトラメチル-テトラヒドロピラン-3,5-ジオン。
【0099】
また、式(I)の化合物の混合パートナーは、例えば、The Pesticide Manual,Fourteenth Edition,British Crop Protection Council,2006において言及されるように、エステル又は塩の形態であり得る。
【0100】
また、式(I)の化合物は、殺真菌剤、殺線虫剤又は殺虫剤などの他の農業化学品(その例は、The Pesticide Manualに示される)との混合物で使用することもできる。
【0101】
式(I)の化合物の混合パートナーに対する混合比は、好ましくは、1:100~1000:1である。
【0102】
混合物は、上記の製剤(この場合、「有効成分」は、式(I)の化合物と混合パートナーとのそれぞれの混合物に関する)において有利に使用することができる。
【0103】
本発明の式(I)の化合物は、除草剤毒性緩和剤とも組み合わされ得る。好ましい組み合わせ(ここで、「I」は、式(I)の化合物を表す)としては、-I+ベノキサコール、I+クロキントセット(クロキントセットメキシルを含む);I+シプロスルファミド;I+ジクロルミド;I+フェンクロラゾール(フェンクロラゾール-エチルを含む);I+フェンクロリム;I+フルキソフェニム;I+フリラゾールI+イソキサジフェン(イソキサジフェン-エチルを含む);I+メフェンピル(メフェンピル-ジエチルを含む);I+メトカミフェン;I+N-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド及びI+オキサベトリニルが挙げられる。
【0104】
式(I)の化合物と、シプロスルファミド、イソキサジフェン(イソキサジフェン-エチルを含む)、クロキントセット(クロキントセットメキシルを含む)及び/又はN-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチル-アミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドとの混合物が特に好ましい。
【0105】
また、式(I)の化合物の薬害軽減剤は、例えば、The Pesticide Manual,14th Edition(BCPC),2006において言及されるように、エステル又は塩の形態であり得る。クロキントセット-メキシルへの言及は、国際公開第02/34048号に開示されるように、そのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、第4級アンモニウム、スルホニウム又はホスホニウム塩にも適用され、及びフェンクロラゾール-エチルへの言及は、フェンクロラゾールにも適用されるなどである。
【0106】
好ましくは、式(I)の化合物の薬害軽減剤に対する混合比は、100:1~1:10、特に20:1~1:1である。
【0107】
混合物は、上記の製剤(この場合、「有効成分」は、式(I)の化合物と薬害軽減剤とのそれぞれの混合物に関する)において有利に使用することができる。
【0108】
本発明の式(I)の化合物は、除草剤として有用である。従って、本発明は、不要な植物を防除する方法をさらに含み、本方法は、有効量の本発明の化合物又は前記化合物を含む除草組成物を前記植物又はそれを含む生息地に適用することを含む。「防除」は、死滅、成長の低減若しくは遅延又は発芽の防止若しくは低減を意味する。一般に、防除される植物は、不要な植物(雑草)である。「生息地」は、植物が成長している領域又は成長する予定の領域を意味する。
【0109】
式(I)の化合物の適用率は、広い範囲内で異なり、土壌の性質、適用方法(出芽前;出芽後;まき溝への適用;非耕作適用など)、作物植物、防除される雑草、優勢な気候条件並びに適用方法、適用の時期及び標的作物に支配される他の要因によって決まり得る。本発明に従う式(I)の化合物は、一般に、10~2000g/ha、特に50~1000g/haの割合で適用される。好ましい範囲は、10~200g/haである。
【0110】
適用は、一般に、通常広い領域のためにトラクターに取り付けられた噴霧器によって組成物を噴霧することによって行われるが、散布(粉末用)、滴下又は灌注などの他の方法を使用することもできる。
【0111】
本発明に従う組成物を使用することができる有用な植物には、穀物、例えば大麦及び小麦、綿、アブラナ、ヒマワリ、トウモロコシ、米、大豆、テンサイ、サトウキビ及び芝生などの作物が含まれる。
【0112】
また、作物植物は、果樹、ヤシの木、ココヤシの木又は他のナッツなどの木も含むことができる。また、ブドウなどのつる植物、果実の低木、果実植物及び野菜も含まれる。
【0113】
作物は、従来の育種方法又は遺伝子操作によって除草剤又は除草剤の種類(例えば、ALS-、GS-、EPSPS-、PPO-、ACCase-及びHPPD-抑制剤)に対して耐性にされた作物も含むと理解されるべきである。従来の育種方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックスに対して耐性にされた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子操作方法によって除草剤に対して耐性にされた作物の例としては、例えば、商品名RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホサート耐性及びグルホシネート耐性のトウモロコシ品種が挙げられる。
【0114】
また、作物は、遺伝子操作方法によって害虫に対して耐性にされたもの、例えばBtトウモロコシ(ヨーロッパアワノメイガに耐性)、Bt綿(綿花ゾウムシに耐性)及びさらにBtジャガイモ(コロラドハムシに耐性)でもあると理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt176トウモロコシハイブリッドである。Bt毒素は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌細菌によって天然に形成されるタンパク質である。毒素又はこのような毒素を合成することができるトランスジェニック植物の例は、欧州特許出願公開第451878号明細書、欧州特許出願公開第374753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、国際公開第03/052073号及び欧州特許出願公開第427529号明細書に記載されている。殺虫剤耐性をコードし、1つ又は複数の毒素を発現する1つ又は複数の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿)、Bollgard(登録商標)(綿)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。植物作物又はその種子材料は、いずれも除草剤に対して耐性であり、同時に昆虫の摂取に対しても耐性であり得る(「積層」トランスジェニック事象)。例えば、種子は、殺虫性Cry3タンパク質を発現する能力を有し、同時にグリホサートに対して耐性である。
【0115】
また、作物は、従来の育種方法又は遺伝子操作方法によって得られ、いわゆる出力形質(output trait)(例えば、改善された貯蔵安定性、より高い栄養価及び改善された風味)を含有するものも含むことが理解されるべきである。
【0116】
他の有用な植物には、例えば、ゴルフ場、芝地、公園及び沿道における芝草又は芝生のために商業的に栽培された芝草並びに花又は低木などの観賞植物が含まれる。
【0117】
本発明の化合物は、プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)抑制剤に対して耐性である、作物植物中の望ましくない植物の生育を防除する方法に使用することができる。そのような植物は、例えば、好適なプロトポルフィリノーゲン酸化酵素をエンコードする核酸、それをPPO抑制剤に対してより耐性であるようにするために突然変異を含有し得る核酸で作物植物を形質変換することによって得ることができる。そのような核酸及び作物植物の例は、国際公開第95/34659号、国際公開第97/32011号、国際公開第2007/024739号、国際公開第2012/080975号、国際公開第2013/189984号、国際公開第2015/022636号、国際公開第2015/022640号、国際公開第2015/092706号、国際公開第2016/099153号、国際公開第2017/023778号、国際公開第2017/039969号、国際公開第2017/217793号、国際公開第2017/217794号、国際公開第2018/114759号、国際公開第2019/117578号、国際公開第2019/117579号及び国際公開第2019/118726号に開示されている。従って、本発明はまた、植物栽培場所での望ましくない植物の生育を防除する方法であって、本方法が、a)前記場所で、プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害型除草剤に対して抵抗する又は耐性があるPPOポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸を含む植物を提供するステップ;b)有効量の前記除草剤を前記場所に適用するステップを含み、ここで、PPO阻害型除草剤は、本明細書で定義されるような式(I)の化合物である方法を提供する。
【0118】
本発明の式(I)の化合物及び組成物は、通常、様々な種類の単子葉及び双子葉雑草種を防除するために使用することができる。通常防除することができる単子葉種の例としては、アロペクルス・ミオスロイデス(Alopecurus myosuroides)、アベナ・ファツア(Avena fatua)、ブラキアリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea)、ブロムス・テクトルム(Bromus tectorum)、キペルス・エスクレンツス(Cyperus esculentus)、ディギタリア・サングイナリス(Digitaria sanguinalis)、エキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-galli)、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)、ロリウム・マルチフロラム(Lolium multiflorum)、パニクム・ミリアケウム(Panicum miliaceum)、ポア・アヌア(Poa annua)、セタリア・ビリディス(Setaria viridis)、セタリア・ファベリ(Setaria faberi)及びソルガム・ビコロ(Sorghum bicolor)が挙げられる。防除することができる双子葉種の例としては、アブティロン・テオフラスティ(Abutilon theophrasti)、アマランサス・レトロフレクサス(Amaranthus retroflexus)、ビデンス・ピローサ(Bidens pilosa)、ケノポディウム・アルブム(Chenopodium album)、ユーフォルビア・ヘテロフィラ(Euphorbia heterophylla)、ガリウム・アパリネ(Galium aparine)、イポモエア・ヘデラケア(Ipomoea hederacea)、コキア・スコパリア(Kochia scoparia)、ポリゴヌム・コンボルブルス(Polygonum convolvulus)、シダ・スピノサ(Sida spinosa)、シナピス・アルベンシス(Sinapis arvensis)、ソラヌム・ニグルム(Solanum nigrum)、ステラリア・メディア(Stellaria media)、ベロニカ・ペルシカ(Veronica persica)及びキサンチウム・ストルマリウム(Xanthium strumarium)が挙げられる。望ましくない植物は、進化によって、従来の育種方法によって又は遺伝子操作によって除草剤又は除草剤の種類(例えば、ALS-、GS-、EPSPS-、PPO-、ACCase-及びHPPD-抑制剤)に対して耐性にされたそれらの雑草も含むと理解されるべきである。例としては、グリホサート及び/又はアセト乳酸合成酵素(ALS)阻害型除草剤に対する耐性を進化させているアマランサス・パルメリ(Amaranthus palmeri)が挙げられる。
【0119】
本発明の化合物は、プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)抑制剤に対して耐性である、望ましくない植物又は雑草を防除する方法に使用することができる。例えば、アマランサス・パルメリ(Amaranthus palmeri)及びアマランサス・ツベルクラツス(Amaranthus tuberculatus)個体群は、例えば、アミノ酸R128(R98とも言われる)及びG399で起こるものなどの、PPX2Lにおけるアミノ酸置換、又はコドン210(Δ210)でのPPX2Lにおけるコドン(グリシン)欠失が原因でPPO耐性雑草として進化してきた。本発明の化合物は、前述のコドンにおける突然変異又は欠失を持つアマランサス・パルメリ(Amaranthus palmeri)及び/又はアマランサス・ツベルクラツス(Amaranthus tuberculatus)を防除する方法に使用することができ、生じ得るPPO抑制剤に対する耐性又は抵抗性を付与する他の突然変異を持つ望ましくない植物又は雑草を防除するために本化合物を試みることは自明であろう。
【0120】
式(I)の化合物は、作物、これらに限定されないが、例えばジャガイモ、大豆、ヒマワリ及びコットンの収穫前の乾燥にも有用である。収穫前の乾燥は、収穫を促進するために、作物自体への有意な損傷なしに作物の葉を乾燥するために用いられる。
【0121】
本発明の化合物/組成物は、非選択的なバーンダウン(burn down)適用において特に有用であり、従って自生植物を防除するか又は作物植物を退避させるためにも使用され得る。
【0122】
本発明の種々の態様及び実施形態は、ここで、例としてさらに詳細に説明されるであろう。本発明の範囲から逸脱することなく詳細の変更がなされ得ることが認識されるであろう。
【実施例】
【0123】
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、限定するものではない。
【0124】
合成例
実施例1 エチル 3-[3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]-2-ピリジル]-5-メチル-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート(化合物14)の調製
ステップ1 (3-クロロ-5,6-ジフルオロ-2-ピリジル)メタノールの合成
【化13】
水素化ホウ素ナトリウム(0.6g、20mmol)を、テトラヒドロフラン(10ml)及びメタノール(3ml)中のエチル 3-クロロ-5,6-ジフルオロピリジン-2-カルボキシレート(0.9g、4mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた混合物を、周囲温度で2時間撹拌し、減圧下で蒸発させ、水(50ml)を添加した。得られた混合物を酢酸エチル(150ml)で抽出し、有機相を乾燥させ、減圧下で蒸発させて油を残し、これをクロマトグラフィーによって精製して(3-クロロ-5,6-ジフルオロ-2-ピリジル)メタノールを油(520mg)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.65(t,1H),4.7(d,2H),3.2(t,1H)ppm.
【0125】
ステップ2 (6-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-2-ピリジル)メタノールの合成
【化14】
(3-クロロ-5,6-ジフルオロ-2-ピリジル)メタノール(1.8g、9.7mmol)と飽和水性アンモニア(5ml、260mmol)との混合物を、電子レンジ中100℃で2時間加熱し、次いで放冷し、減圧下で蒸発させて(6-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-2-ピリジル)メタノール(1.0g)を得た。
【0126】
ステップ3 3-[5-クロロ-3-フルオロ-6-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの合成
【化15】
2-(ジメチルアミノ)-4-(トリフルオロメチル)-1,3-オキサジン-6-オン(1.9g、8.7mmol)を、酢酸(2ml)中の(6-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-2-ピリジル)メタノール(1.4g、7.9mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた混合物を2時間還流下に加熱し、放冷し、減圧下で蒸発させて茶色の油を残し、これをクロマトグラフィーによって精製して3-[5-クロロ-3-フルオロ-6-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンを茶色の油(0.9g)として得た。
【0127】
ステップ4 3-[5-クロロ-3-フルオロ-6-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジオンの合成
【化16】
炭酸カリウム(0.42g、3mmol)、引き続きヨードメタン(0.065ml、1mmol)を、アセトニトリル(11ml)中の3-[5-クロロ-3-フルオロ-6-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(375mg、1mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を周囲温度で17時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、水を添加し、混合物をジクロロメタン(6ml)で抽出した。有機相を乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をクロマトグラフィーによって精製して3-[5-クロロ-3-フルオロ-6-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジオンを無色の油(100mg)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.7(d,1H),6.0(s,1H),4.8(br s,2H),3.6(s,3H),3.4(m,1H)ppm.
【0128】
ステップ5 3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]ピリジン-2-カルバルデヒドの合成
【化17】
重クロム酸ピリジニウム(100mg、0.6mmol)を、ジクロロメタン(5ml)中の3-[5-クロロ-3-フルオロ-6-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジオン(72mg、0.2mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を周囲温度で24時間撹拌した。混合物をろ過し、濾液をクロマトグラフィーによって精製して3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]ピリジン-2-カルバルデヒドを油(41mg)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.3(s,1H),7.8(d,1H),6.4(s,1H),3.6(s,3H)ppm.
【0129】
ステップ6 3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]ピリジン-2-カルバルデヒドオキシムの合成
【化18】
ヒドロキシルアミン塩酸塩(12mg、0.17mmol)を、テトラヒドロフラン(1ml)中の3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]ピリジン-2-カルバルデヒド(40mg、0.11mmol)の撹拌溶液に添加した。水(0.15ml)を添加し、得られた混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させて3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]ピリジン-2-カルバルデヒドオキシムを得、これをさらなる精製なしにステップ7に使用した。
【0130】
ステップ7 エチル 3-[3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]-2-ピリジル]-5-メチル-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート(化合物14)の合成
【化19】
N-クロロスクシンイミド(11.6mg、0.085mmol)を、クロロホルム(5ml)中の3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]ピリジン-2-カルバルデヒドオキシム(26mg、0.07mmol)の撹拌溶液に添加し、得られた溶液を40℃で2時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、ジクロロメタン(2ml)中のエチル 2-メチルプロパ-2-エノエート(12.3mg、0.11mmol)及びトリエチルアミン(0.015ml、0.11mmol)の溶液を滴加した。得られた混合物を1時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させて黄色の固体を残し、これをクロマトグラフィーによって精製してエチル 3-[3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]-2-ピリジル]-5-メチル-4H-イソオキサゾール-5-カルボキシレート(化合物14)を油(3mg)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.8(d,1H),6.4(s,1H),4.25(q,2H),4.0(dd,1H),3.6(s,3H),3.4(dd,1H),1.7(s,3H),1.3(t,3H)ppm.
【0131】
配合物実施例
【0132】
【0133】
組み合わせを補助剤と十分に混合し、混合物を好適なミルにおいて十分に粉砕し、水で希釈して所望の濃度の懸濁液とすることが可能である水和剤が得られる。
【0134】
乳化性濃縮物
有効成分 10%
オクチルフェノールポリエチレングリコールエーテル 3%
(4~5molのエチレンオキシド)
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 3%
ヒマシ油ポリグリコールエーテル(35molのエチレンオキシド) 4%
シクロヘキサノン 30%
キシレン混合物 50%
【0135】
植物の保護に使用可能である、いずれかの要求される希釈率のエマルジョンを、この濃縮物から水による希釈によって得ることが可能である。
【0136】
【0137】
直ちに使用可能な粉剤は、組み合わせとキャリアとを混合し、混合物を好適なミルにおいて粉砕することによって得られる。
【0138】
押出し顆粒
有効成分 15%
リグノスルホン酸ナトリウム 2%
カルボキシメチルセルロース 1%
カオリン 82%
【0139】
組み合わせを補助剤と混合及び粉砕し、混合物を水で湿らせる。混合物を押し出し、次いで空気流中で乾燥させる。
【0140】
被覆顆粒
有効成分 8%
ポリエチレングリコール(mol.wt.200) 3%
カオリン 89%
【0141】
ミキサ中で、微細に粉砕した組み合わせを、ポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに均一に適用する。このようにして、粉剤を含まない被覆顆粒が得られる。
【0142】
懸濁液濃縮物
有効成分 40%
プロピレングリコール 10%
ノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル(15molのエチレンオキシド) 6%
リグノスルホン酸ナトリウム 10%
カルボキシメチルセルロース 1%
シリコーン油(75%水中エマルジョンの形態) 1%
水 32%
【0143】
微細に粉砕した組み合わせを補助剤と完全に混合し、これにより懸濁液濃縮物を得、これから、いずれかの所望の希釈率の懸濁液を水による希釈によって得ることが可能である。
【0144】
緩効性カプセル懸濁液
28部の組み合わせを2部の芳香族溶剤及び7部のトルエンジイソシアネート/ポリメチレン-ポリフェニルイソシアネート-混合物(8:1)と混合する。この混合物を、1.2部のポリビニルアルコール、0.05部の脱泡剤及び51.6部の水の混合物中において、所望される粒径が達成されるまで乳化させる。このエマルジョンに5.3部の水中の2.8部の1,6-ジアミノヘキサンの混合物を添加する。混合物を重合反応が完了するまで撹拌する。
【0145】
得られたカプセル懸濁液を、0.25部の増粘剤及び3部の分散剤を添加することにより安定化させる。カプセル懸濁液配合物は、28%の有効成分を含有する。中度のカプセル直径は、8~15ミクロンである。
【0146】
得られる配合物を目的に好適な装置中において水性懸濁液として種子に適用する。
【0147】
生物学的実施例
発芽前の生物学的効力
雑草及び/又は作物の種子をポット中の標準的な土壌中に播種した。温室内の制御された条件下(24/19℃、昼/夜;16時間の光)で1日間栽培した後、50g/lの溶液を生み出すための、少量のアセトン及び特殊溶媒及びIF50と言われる乳化剤混合物(11.12%のEmulsogen EL360 TM+44.44%のN-メチルピロリドン+44.44%のDowanol DPMグリコールエーテル)中の技術的な有効成分の配合物(これは、次いで0.2%のGenapol XO80を希釈剤として使用して希釈される)に由来するスプレー水溶液を植物に噴霧してテスト化合物の所望の最終用量を与えた。
【0148】
次いで、テスト植物を温室内の制御された条件下(24/18℃、昼/夜;15時間の光;50%湿度)で育て、1日2回水を与えた。13日後、テストを評価した(100=植物に対する全損傷;0=植物に対する損傷なし)。結果を以下の表2に示す。
【0149】
【0150】
発芽後の生物学的効力
雑草及び/又は作物の種子をポット中の標準的な土壌中に播種した。温室内の制御された条件下(24/19℃、昼/夜;16時間の光)で14日間栽培した後、50g/lの溶液を生み出すための、少量のアセトン及び特殊溶媒及びIF50と言われる乳化剤混合物(11.12%のEmulsogen EL360 TM+44.44%のN-メチルピロリドン+44.44%のDowanol DPMグリコールエーテル)中の技術的な有効成分の配合物(これは、次いで0.2%のGenapol XO80を希釈剤として使用して希釈される)に由来するスプレー水溶液を植物に噴霧してテスト化合物の所望の最終用量を与えた。
【0151】
次いで、テスト植物を温室内の制御された条件下(24/18℃、昼/夜;15時間の光;50%湿度)で育て、1日2回水を与えた。13日後、テストを評価した(100=植物に対する全損傷;0=植物に対する損傷なし)。結果を以下の表3に示す。
【0152】
【国際調査報告】