(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】発作性疾患を治療するための医薬組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/05 20060101AFI20240327BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240327BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240327BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240327BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240327BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240327BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20240327BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240327BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20240327BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20240327BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240327BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A61K31/05
A61P25/08
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/34
A61K47/02
A61K47/04
A61K47/20
A61K47/36
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/10
A61K47/14
A61K47/12
A61K47/44
A61K47/26
A61K47/06
A61K47/42
A61K9/70 401
A61K9/00
A61P43/00 121
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561779
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 IB2022053271
(87)【国際公開番号】W WO2022215030
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522142752
【氏名又は名称】パイク セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】プラコヤニス、フォティオス エム.
(72)【発明者】
【氏名】ラザー、タマンナ
(72)【発明者】
【氏名】モディ、ニサーグ
(72)【発明者】
【氏名】ボロビンスカヤ、マリーナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA72
4C076BB31
4C076DD27
4C076DD27P
4C076DD28
4C076DD28P
4C076DD29
4C076DD34N
4C076DD37N
4C076DD38N
4C076DD41N
4C076DD44N
4C076DD45N
4C076DD46N
4C076DD52N
4C076DD54N
4C076DD55N
4C076DD57N
4C076DD59N
4C076DD60N
4C076EE02
4C076EE02P
4C076EE04
4C076EE04P
4C076EE06
4C076EE06P
4C076EE07
4C076EE07P
4C076EE08
4C076EE08P
4C076EE09
4C076EE09P
4C076EE10
4C076EE11
4C076EE13
4C076EE13P
4C076EE16
4C076EE16P
4C076EE23
4C076EE27P
4C076EE30
4C076EE30P
4C076EE32
4C076EE36P
4C076EE37P
4C076EE38P
4C076EE42P
4C076EE51N
4C076FF17
4C076FF33
4C076FF34
4C076FF35
4C076FF36
4C076FF43
4C076FF51
4C076FF61
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA32
4C084MA63
4C084NA05
4C084ZA061
4C084ZA062
4C084ZA291
4C084ZA292
4C084ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA52
4C206MA83
4C206NA10
4C206ZA06
4C206ZA29
4C206ZC75
(57)【要約】
本開示は、「治療抵抗性てんかん」(TRE)の治療における発作頻度を減少させるためのカンナビジオール(CBD)の経皮投与に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮及び/又は局所医薬組成物であって、
合成カンナビジオール、天然カンナビジオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される約0.1%~約20%の活性薬剤、
約35%~約99%の少なくとも1つの接着剤及び/又はポリマー、
任意選択で、約0.1%~約30%の少なくとも1つの浸透促進剤、
任意選択で、約0.1%~約40%のゲル化剤
を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記CBD又はその誘導体が合成経路によって生成される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記活性薬剤が少なくとも約90%(w/w)のカンナビジオール(CBD)を含む高純度合成物である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記接着剤及び/又はポリマーが、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、合成ポリマー及びその誘導体、カルボキシビニルポリマー又はカルボマー、carbopol(登録商標)940、carbopol(登録商標)934、carbopol(登録商標)971pNF、ポリエチレン、及びそのコポリマー、粘土、ケイ酸塩、ベントナイト、二酸化ケイ素、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー、オイドラギット、アクリル酸エステル、ポリアクリラートコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンホモポリマー及びポリビニルピロリドンコポリマー、PVP、Kollidon(登録商標)30、ポロキサマー、イソブチレン、酢酸エチルビニルコポリマー、天然ゴム、合成ゴム、感圧接着剤、bio psa(登録商標)4302、bio-psa(登録商標)4501、4202、アクリル系感圧接着剤、duro-tak(登録商標)87-2156、duro-tak(登録商標)387-2287、ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレン、中分子量ポリイソブチレン、35000mwのポリイソブチレン、アクリルコポリマー、ゴム系接着剤、ホットメルト接着剤、スチレン-ブタジエンコポリマー、ベントナイト、すべての水及び/又は有機溶媒で膨潤可能なポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つの浸透促進剤が存在し、それがジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、デシメチルスルホキシド、ジメチルイソソルビド、1,3-ブタンジオール、アゾン、ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、エステル、脂肪酸エステル、モノラウリン酸プロピレングリコール、エタン酸ブチル、エタン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、エタン酸メチル、オレイン酸デシル、モノオレイン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ラウリル、脂肪酸、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、アルコール、脂肪族アルコール及びグリコール、オレイルアルコール、ナタノール、ドデカノール、プロピレングリコール、グリセロール、エーテルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、尿素、トリグリセリド、トリアセチン、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪族アルコールのエステル、精油、界面活性剤型促進剤、brij(登録商標)、ラウリル硫酸ナトリウム、Tween(登録商標)、ポリソルベート、テルペン、テルペノイド及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つのゲル化剤が存在し、それが天然ポリマー、多糖類及びその誘導体、寒天、アルギン酸及び誘導体、カッシアトラ、コラーゲン、ゼラチン、ジェラム(gellum)ガム、グアーガム、ペクチン、カラギーナンカリウム又はナトリウム、トラガカント、キサンタンガム、コーパル、デンプン、キトサン、樹脂、合成ポリマー及びその誘導体、カルボキシビニルポリマー又はカルボマー、carbopol(登録商標)940、carbopol(登録商標)934、carbopol(登録商標)971、ポリエチレン及びそのコポリマー、粘土、ケイ酸塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンホモポリマー及びポリビニルピロリドンコポリマー、PVP、ポロキサマー、アクリル酸そのエステル、ポリアクリラートコポリマー、イソブチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、天然ゴム、スチレン-ジエンコポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、イソプレンブロックコポリマー、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム又はネオプレンゴムなどの合成ゴム、シリコーン系の感圧接着剤、ホットメルト接着剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
溶媒、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される担体又は成分を有効量でさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
経皮パッチとして製剤化される、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
経皮パッチとして製剤化され、前記経皮パッチは、リザーバーパッチ、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバーシステム、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、粘膜接着パッチ、ポリマー接着性マトリックスパッチ、及びそれらの組み合わせなどの群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御に適応される請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、前記発作性疾患には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれる、医薬組成物。
【請求項11】
1日1回、1日2回、1日3回、1~8時間に1回、1~24時間に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、8~約13日に1回、2週間に1回、15日~約30日に1回からなる群から選択される投与計画で投与可能な経皮製剤として製剤化される、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
マイクロニードルとして製剤化され得る、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤と同時投与される、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法であって、
発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御を必要とする患者を選択すること、
請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物を局所的に適用すること
を含むことにより、患者の発作性疾患を治療及び/又は予防及び/又は制御する方法。
【請求項16】
前記発作性疾患は、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記発作性疾患は、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作を含み、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための経皮パッチの局所適用は、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される一定期間にわたって、経皮パッチの活性成分の一定速度の送達をさらに提供する、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される一定期間にわたって、経皮パッチの活性成分の安定した吸収速度をさらに提供する、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される期間にわたって、経皮パッチの活性成分の一定の治療血清レベルをさらに達成する、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される期間にわたって、経皮パッチの活性成分の投与量の変動の減少をさらに達成する、請求項15~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される期間にわたって、治療範囲内の経皮パッチの活性成分の治療血漿濃度をさらに提供する、請求項15~21のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、例えば、治療抵抗性小児てんかんを含む「治療抵抗性てんかん」(TRE)、又は結節性硬化症複合体(TSC)、ドラベ症候群及びレノックス・ガストー症候群の治療における発作頻度を減少させるためのカンナビジオール(CBD)の経皮投与に関する。一実施形態では、TREに罹患している患者は、小児及び若年成人である。CBDは、TREがドラベ症候群;ミオクロニー欠神発作又は発熱性感染症関連てんかん症候群(FIRES)である場合に特に効果的であると考えられる。これらの適応症では、驚くべきことに、かなりの数の患者において総けいれん頻度が50%を超え、70%から90%を超えて減少することが示されている。実際、かなりの数の患者が3か月の治療終了時点で発作を起こさなくなっている。
【0002】
本明細書に開示される特定の実施形態では、使用されるCBDは、高純度大麻抽出物の形態であり、その結果、CBDは、例えば総抽出物(w/w)の98%を超えて存在し、抽出物のその他の成分が特徴づけられる。特に、テトラヒドロカンナビノール(THC)は、例えば0.15%(w/w)以下のレベルまで実質的に除去されている。本明細書に開示される特定の実施形態では、それは合成的に生成されたCBDである(特許文献1を参照)。
【0003】
CBDは、1つ以上の他の抗てんかん薬(anti-epileptic drug:AED)と同時に使用され得る。あるいは、CBDは、1つ以上のAEDと別々に、順番に、又は同時に投与するために製剤化されてもよく、又はその組み合わせが単一の剤形で提供されてもよい。CBDが個別に、順番に、又は同時に投与するために製剤化される場合、それはキットとして、又は1つ以上の成分をその方法で投与するための説明書と一緒に提供され得る。
【0004】
大麻(マリファナ)は、米国のスケジュールI薬物である。大麻は、400以上の植物栄養素(微量栄養素)を含む開花植物である。100種類以上のテルペノイド、精油、抗酸化物質、及びカンナビノディス(cannabinodis)が大麻から抽出されている。これらすべての植物化学物質のうち、テトリヒドロカンビノール(tetryhydrocannbinol)(THC)だけが顕著な精神活性効果を示した。THCには精神活性効果と治療効果があるために、THCに関する多くの研究論文が発表されている。THCとは別に、カンナビジオール(CBD)、カンビノール(CBN)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビゲロール(CBG)、テトラヒドロカンビバリン(THCV)、デルタ9-テトラヒドロカンビノール(デルタ9THC)など、精神活性作用を伴わずに何らかの治療効果を示すいくつかの他の成分も研究されている。大麻とその誘導体は、痛みの治療、抗菌薬、2型関連代謝障害、眼圧低下、ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、てんかん、吐き気、痛み、AIDS関連消耗性疾患、関節炎及びリウマチ、片頭痛、多発性硬化症及び麻痺に伴う筋肉のけいれん、アルコール及び麻薬の禁断症状、ストレス及びうつ病、喘息、線維筋痛症、炎症性疼痛、ならびに化学療法に伴う痛み及び/又は炎症の治療に使用できることが示されている。FDAが承認したマリノール及びシンドロスにはデルタ9-THCが含まれており、これらは現在、化学療法治療に伴う痛みや炎症に使用されている。さらに、2016年4月、FDAは結節性硬化症複合体(TSC)、ドラベ症候群、及びレノックス・ガストー症候群の治療薬としてカンナビジオールに希少疾病用医薬品指定を与えた。
【0005】
レノックス・ガストー症候群(LGS)は、通常、乳児期又は幼児期に明らかになる重度のてんかんである。LGSの発症は通常2~7年で、発症のピークは3~5年である。影響を受けた子供たちは、いくつかの異なる種類の発作を経験するが、最も一般的なのは脱力発作、強直発作、及び非定型欠神発作である。
【0006】
2018年、GWファーマシューティカルは、小児の2つの孤児疾患であるLGSとドラベ症候群(DS)を治療するためのファストトラック指定薬「エピディオレックス」(カンナビジオール)のFDA承認を取得した。
【0007】
エピディオレックスには、サティベックスプラントからの天然由来のカンナビジオールが経口溶液の形で含まれている(100mg/ml)。FDAラベルによると、エピディオレックスの推奨用量は表1に記載されている。
【0008】
【0009】
エピディオレックスには主に、1)肝細胞傷害、2)傾眠と鎮静、3)自殺行動と自殺念慮、4)過敏反応、及び5)抗てんかん薬の中止1、の5つの用量依存性副作用がある。
【0010】
エピディオレックスの中止率は、肝細胞傷害、傾眠及び鎮静の副作用により高くなる。臨床試験中、10mg/kg/日のエピディオレックスを服用した患者の1.3%、及び20mg/kg/日のエピディオレックスを服用した患者の5.9%が、肝細胞損傷により中止となった。さらに、10mg/kg/日の用量を服用した患者の0%、及び20mg/kg/日を服用した患者の3%が、傾眠と鎮静により脱落した。表2は、エピディオレックスによる用量依存性副作用を示す1。
【0011】
【0012】
【0013】
これらの副作用は用量に関連しているため、患者をモニタリングし、必要に応じて用量を減らす必要がある。
経口投与される薬物の多くは胃腸粘膜を刺激し、CBDを含む多くの薬物は肝臓による広範な「初回通過」不活化を受ける。本開示の組成物及び方法は、皮膚への適用を介して体循環に直接薬物送達することを目的とし、したがって、本開示の組成物及び方法は、活性薬剤が吸収後に肝臓で代謝されることを回避することで、ならびに経口投与されないため胃腸への刺激も回避することで、胃腸管の炎症及び肝臓の初回通過代謝の問題を克服する。
【0014】
しかしながら、TDDSシステムは、定義された投入速度で薬物分子を継続的に送達する。経口送達の場合のような血漿濃度の山と谷の代わりに、TDDSは、所定の一定の投入速度で平均血漿濃度を維持する。
【0015】
カンナビジオールに関して入手可能な特許文献は存在するが、これらの開示の欠点は、本明細書に開示される化合物及び方法によって克服される。例えば、特許文献2は、in vitro又はin vivoのデータを提供していない。特許文献3はリザーバーパッチ及び接着性マトリックスパッチを開示しているが、これらの例には、カンナビジオール単独ではなく、カンナビノイドの混合物(デルタ-8-THC、デルタ-9-THC、カンナビジオール、及びカンナビノールなど)が含まれている。THCは精神活性剤であり、依存性物質であるため、その有用性には問題がある。
【0016】
さらに、特許文献4は、ヒトの死体の皮膚を介して48時間で累積量60600ngを送達することを開示している。この量は、1925ng/平方cm/時の流動量を表す。パッチ面積は次の式を用いて計算することができる。
【0017】
In-Vitro流動量(μg/平方cm/時)=(Css(μg/l)×CL(L/時)/パッチ面積(平方cm)
パッチ面積(平方cm)=(Css(μg/l)×CL(L/時)/In-Vitro流動量(μg/平方cm/時)
=(10×74.4)/1.925
=386平方cm
5mg/kg/日のカンナビジオールを送達するには、患者は386平方cmの表面積に製剤を塗布する必要がある。これは、経皮薬物送達システム(Transdermal drug delivery system:TDDS)にとっては非現実的なパッチサイズである。さらに、’908特許は、受容媒体PBS:PEG-400(60:40)の使用を開示している。PEG-400が透過性増強剤であることはよく知られており、これを受容媒体に組み込むことにより、皮膚を真皮側から損傷し、生育不能な皮膚サンプルによる透過量を増加させることもできる。
【0018】
経口及びIV経路に伴う欠点を克服できる、カンナビジオールの改善された薬物送達システムが必要とされている。高純度カンナビジオールの経皮送達は、本明細書に記載されている経口及びIV薬物送達に関連する課題に対処することができる。本発明は、上記の欠点すべてに対処し、現実世界での有用性を提供する。さらに、本明細書で開示されているのは、カンナビジオールの植物源よりも制御された環境で製造される合成バージョンのカンナビジオールの使用である。カンナビジオールの合成バージョンは、不純物が含まれたバージョンと比較して、より高い透過性を提供する。さらに、本開示は、例えば、合成カンナビジオールを1日間、及び/又は2日間、及び/又は3日間、及び/又は4日間、及び/又は5日間、及び/又は6日間、及び/又は7日間、及び/又は最大15日間送達することができる経皮マトリックスパッチを対象とする。
【0019】
本明細書で引用するすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第10195159号明細書
【特許文献2】米国特許第9375417号明細書
【特許文献3】米国特許第6328992号明細書
【特許文献4】米国特許第8449908号明細書
【発明の概要】
【0021】
本開示は、経皮薬物送達を使用した、発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための組成物及び方法を提供する。経皮薬物送達では、経皮パッチ又は経皮組成物が皮膚表面に局所的に適用される。経皮パッチ又は経皮組成物の局所適用期間中、薬物は継続的に放出され、無傷の皮膚を通して(経細胞経路、細胞間経路及び経付属器官経路を介して)送達され、全身効果を達成する。したがって、経皮組成物又は経皮パッチは、一度適用されると、一日中、又は適用期間によっては1日を超えて、可能性としては最長1週間まで、体循環に薬物を送達することができる。
【0022】
経皮送達は、現在1日に数回投与されているCBDの投与頻度を減らすことができる。経皮送達により、高純度CBDの経皮組成物又は経皮製剤又は経皮パッチを皮膚に局所的に適用することができ、それによって局所適用期間中ずっと薬物を送達することができる。必要に応じて、局所塗布の期間は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、1週間に1回であり得る。したがって、経皮送達は、投与頻度を減らすことにより、経口送達の複数回投与計画を克服することができる。
【0023】
さらに、経皮薬物送達では、薬物は局所適用期間中、ゆっくりと継続的に送達されるため、1日の複数回投与に伴う薬物血漿濃度の山と谷がない。したがって、高純度CBDを経皮送達することにより、患者は薬物の血漿中濃度が大幅に変化することなく、薬物の治療効果を長期間得ることができる。
【0024】
薬剤が経口投与される場合、そのバイオアベイラビリティは通常、不完全な吸収と初回通過代謝により低下するが、これは患者によって異なる場合がある。本開示の組成物は、経皮送達において、活性薬剤が皮膚を介して体循環に直接送達され、初回通過肝代謝を回避することで、所望の治療活性を達成するために必要な薬剤が少なくなり、結果として悪影響や副作用が少なくなるため、これらの問題を克服する。カンナビノールは脂溶性が高く、経口投与後は肝臓で初回通過代謝を受けるため、投与量のうち体循環に到達するのはわずか10%~20%であるため、経口投与と比較して、経皮送達ではより低用量のカンナビジオールで望ましい治療効果が得られる。
【0025】
さらに、経皮送達は簡単かつ非侵襲的で好都合である。経皮パッチや経皮組成物の投与には医師の監督は必要ないため、患者自身が経皮パッチ又は経皮組成物を局所的に適用することができる。したがって、注射の欠点である、しばしば痛みを伴い、医師の監督を必要とする点を、経皮送達は克服することができる。
【0026】
カンナビジオールに関しては、経皮組成物又は経皮パッチからの薬物送達速度を制御することによって薬物血漿濃度を制御できるため、経皮送達では患者間の薬理学的応答のばらつきが少なくなると予想される。経皮送達では、少量のカンナビジオールを経口投与よりも長期間送達できる。カンナビジオールの経皮製剤は、即時放出剤形よりも乱用抑止力も高くなる。
【0027】
さらに、何らかの悪影響、副作用又は緊急事態が生じた場合、経皮送達では、経皮パッチ又は経皮組成物を皮膚から剥がすことにより、いつでも治療を終了する自由が与えられる。
【0028】
発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御に関する上記の理由のように、経皮送達は、従来の送達システムに比べて、患者に優しく、簡素化され、便利な治療計画を提供することができる。経皮送達により、高純度CBDの投与頻度を減らすことができる。必要に応じて、投与頻度は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、週に1回であり得る。
【0029】
薬物の組み合わせを経皮投与することにより、2つ以上の薬物を同時に送達することができる。必要に応じて、薬物の組み合わせを含む経皮パッチ又は経皮組成物の投与頻度は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回であり得る。それは患者のコンプライアンスにとって大きな利点となる。
【0030】
本開示は、経皮送達のための剤形中に少なくとも約90%(w/w)のカンナビジオール(CBD)を含む医薬組成物を提供する。本開示は、少なくとも約95%のCBDを含む医薬組成物を提供する。本開示は、少なくとも約98%のCBDを含む医薬組成物を提供する。本開示は、少なくとも約99%のCBDを含む医薬組成物を提供する。本開示は、経皮液体製剤、経皮半固体製剤、又は経皮ポリマーマトリックス製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体又は成分をさらに含む医薬組成物を提供する。本開示は、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体又は成分を0.01%~95%w/w又はw/vの範囲でさらに含む医薬組成物を提供する。本開示は、担体が0.01%~99.8%w/w又はw/vの範囲で存在する医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化される医薬組成物を提供し、この経皮パッチは、リザーバーパッチ、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバーシステム、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、粘膜接着パッチ、及びそれらの組み合わせなどの群から選択される。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御に適応される医薬組成物を提供し、ここで発作性疾患には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれる。本開示は、1日1回、1日2回、1日3回、1~8時間に1回、1~24時間に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、8~約13日に1回、2週間に1回、15日~約30日に1回からなる群から選択される投与計画で投与できる経皮製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、マイクロニードルとして製剤化され得る医薬組成物を提供する。本開示は、前記CBD又はその誘導体が合成経路によって生成される医薬組成物を提供する。本開示は、クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤と同時投与される医薬組成物を提供する。本開示は、クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤をさらに含む医薬組成物を提供する。
【0031】
本開示は、発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御を必要とする患者を選択すること;本明細書に開示される医薬組成物を局所的に適用することを含む、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法を提供する。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法を提供し、発作性疾患には、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれる。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法を提供し、発作性疾患には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれ、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための経皮パッチの局所適用は、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、10日に1回からなる群から選択される。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法であって、さらに、経皮パッチの活性成分の一定速度の送達を一定期間にわたって提供する方法を提供する。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法であって、さらに経皮パッチの活性成分の一定期間にわたる安定した吸収速度を提供する方法を提供する。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法であって、さらに経皮パッチの活性成分の一定の血清レベルを一定期間にわたって達成する方法を提供する。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法であって、さらに一定期間にわたる経皮パッチの活性成分の投与量の変動の低減を達成する方法を提供する。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法であって、さらに、治療範囲内の経皮パッチの活性成分の血漿濃度を一定期間にわたって提供する方法を提供する。
【0032】
本開示は、経皮送達のための剤形中に少なくとも約90%(w/w)のカンナビジオール(CBD)を含む高純度大麻抽出物を含む医薬組成物を提供する。本開示は、高純度大麻抽出物が少なくとも約95%のCBDを含む医薬組成物を提供する。本開示は、高純度大麻抽出物が少なくとも約98%のCBDを含む医薬組成物を提供する。本開示は、高純度大麻抽出物が少なくとも約99%のCBDを含む医薬組成物を提供する。本開示は、経皮液体製剤、経皮半固体製剤、又は経皮ポリマーマトリックス製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体又は成分をさらに含む医薬組成物を提供する。本開示は、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体又は成分を0.01%~95%w/w又はw/vの範囲内でさらに含む医薬組成物を提供する。本開示は、担体が0.01%~99.8%w/w又はw/vの範囲で存在する医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化される医薬組成物を提供し、この経皮パッチは、リザーバーパッチ、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバーシステム、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、粘膜接着パッチ、及びそれらの組み合わせなどの群から選択される。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御に適応される医薬組成物を提供し、発作性疾患障害には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれる。本開示は、1日1回、1日2回、1日3回、1~8時間に1回、1~24時間に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、8~約13日に1回、2週間に1回、15日~約30日に1回からなる群から選択される投与計画で投与できる経皮製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、マイクロニードルとして製剤化され得る医薬組成物を提供する。本開示は、前記CBD又はその誘導体が合成経路によって生成される医薬組成物を提供する。本開示は、クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤と同時投与される医薬組成物を提供する。本開示は、クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤をさらに含む医薬組成物を提供する。
【0033】
本開示は、少なくとも約90%(w/w)のカンナビジオール(CBD)を含む高純度大麻抽出物を経皮送達用の剤形で含む医薬組成物を提供し、この医薬組成物は、約9%~約12%w/wの高純度CBD;任意選択で、約30%~約99%の溶媒;任意選択で、約1%~約20%の浸透促進剤を含み、この組成物のpHは約4.0~8.0に維持される。本開示は、経皮液体製剤、経皮半固体製剤、又は経皮ポリマーマトリックス製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、ゲル化剤、ポリマー、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体又は成分をさらに含む医薬組成物を提供する。本開示は、ゲル化剤、ポリマー、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の担体又は成分を0.01%~95%w/w又はw/vの範囲でさらに含む医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化された医薬組成物を提供し、この経皮パッチは、リザーバーパッチ、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバーシステム、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、粘膜接着パッチ、及びそれらの組み合わせなどの群から選択される。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御に適応される医薬組成物を提供し、発作性疾患には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれる。本開示は、1日1回、1日2回、1日3回、1~8時間に1回、1~24時間に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、8~約13日に1回、2週間に1回、15日~約30日に1回からなる群から選択される投与計画で投与できる経皮製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本開示は、マイクロニードルとして製剤化され得る医薬組成物を提供する。本開示は、前記CBD又はその誘導体が合成経路によって生成される医薬組成物を提供する。本開示は、クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤と同時投与される医薬組成物を提供する。本開示は、クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤をさらに含む医薬組成物を提供する。
【0034】
本開示は、発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御を必要とする患者を選択すること;本明細書に開示される医薬組成物を局所的に適用することを含む、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法を提供する。本開示は、発作性疾患が複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作を含む方法を提供する。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のために経皮パッチを局所適用する方法を提供し、発作性疾患には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれ、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、10日に1回からなる群から選択される。本開示は、経皮パッチの活性成分の一定速度の送達を一定期間にわたってさらに提供する方法を提供する。本開示は、経皮パッチの活性成分の一定期間にわたる安定した吸収速度をさらに提供する方法を提供する。本開示は、経皮パッチの活性成分の一定の血清レベルを一定期間にわたってさらに達成する方法を提供する。本開示は、一定期間にわたる経皮パッチの活性成分の投与量の変動の低減をさらに達成する方法を提供する。本開示は、治療範囲内の経皮パッチの活性成分の血漿濃度を一定期間にわたってさらに提供する方法を提供する。
【0035】
本開示は、合成カンナビジオール、天然カンナビジオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される約0.1%~約20%の活性薬剤;約35%~約99%の少なくとも1つの接着剤及び/又はポリマー;任意選択で、約0.1%~約30%の少なくとも1つの浸透促進剤;任意選択で、約0.1%~約40%のゲル化剤を含む経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、前記CBD又はその誘導体が合成経路によって生成される経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、活性薬剤が少なくとも約90%(w/w)のカンナビジオール(CBD)を含む高純度合成物である経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、接着剤及び/又はポリマーが、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、合成ポリマー及びその誘導体、カルボキシビニルポリマー又はカルボマー、carbopol(登録商標)940、carbopol(登録商標)934、carbopol(登録商標)971pNF、ポリエチレン、及びそのコポリマー、粘土、ケイ酸塩、ベントナイト、二酸化ケイ素、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー、オイドラギット、アクリル酸エステル、ポリアクリラートコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンホモポリマー及びポリビニルピロリドンコポリマー、PVP、Kollidon(登録商標)30、ポロキサマー、イソブチレン、酢酸エチルビニルコポリマー、天然ゴム、合成ゴム、感圧接着剤、bio psa(登録商標)4302、bio-psa(登録商標)4501、4202、アクリル系感圧接着剤、duro-tak(登録商標)87-2156、duro-tak(登録商標)387-2287、ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレン、中分子量ポリイソブチレン、35000mwのポリイソブチレン、アクリルコポリマー、ゴム系接着剤、ホットメルト接着剤、スチレン-ブタジエンコポリマー、ベントナイト、すべての水及び/又は有機溶媒で膨潤可能なポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、少なくとも1つの浸透促進剤が存在し、それがジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、デシメチルスルホキシド、ジメチルイソソルビド、1,3-ブタンジオール、アゾン、ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、エステル、脂肪酸エステル、モノラウリン酸プロピレングリコール、エタン酸ブチル、エタン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、エタン酸メチル、オレイン酸デシル、モノオレイン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ラウリル、脂肪酸、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、アルコール、脂肪族アルコール及びグリコール、オレイルアルコール、ナタノール、ドデカノール、プロピレングリコール、グリセロール、エーテルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、尿素、トリグリセリド、トリアセチン、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪族アルコールのエステル、精油、界面活性剤型促進剤、brij(登録商標)、ラウリル硫酸ナトリウム、Tween(登録商標)、ポリソルベート、テルペン、テルペノイド及びそれらの組み合わせからなる群から選択される経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、少なくとも1つのゲル化剤が存在し、それが天然ポリマー、多糖類及びその誘導体、寒天、アルギン酸及び誘導体、カッシアトラ、コラーゲン、ゼラチン、ジェラム(gellum)ガム、グアーガム、ペクチン、カラギーナンカリウム又はナトリウム、トラガカント、キサンタンガム、コーパル、デンプン、キトサン、樹脂、合成ポリマー及びその誘導体、カルボキシビニルポリマー又はカルボマー、carbopol(登録商標)940、carbopol(登録商標)934、carbopol(登録商標)971、ポリエチレン及びそのコポリマー、粘土、ケイ酸塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンホモポリマー及びポリビニルピロリドンコポリマー、PVP、ポロキサマー、アクリル酸そのエステル、ポリアクリラートコポリマー、イソブチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、天然ゴム、スチレン-ジエンコポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、イソプレンブロックコポリマー、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム又はネオプレンゴムなどの合成ゴム、シリコーン系の感圧接着剤、ホットメルト接着剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、溶媒、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される担体又は成分を有効量でさらに含む経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化される経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化される経皮及び/又は局所医薬組成物を提供し、経皮パッチは、リザーバーパッチ、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバーシステム、マイクロリザーバーパッチ、マトリックスパッチ、感圧接着パッチ、粘膜接着パッチ、ポリマー接着性マトリックスパッチ、及びそれらの組み合わせなどの群から選択される。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御に適応される経皮及び/又は局所医薬組成物を提供し、発作性疾患には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれる。本開示は、1日1回、1日2回、1日3回、1~8時間に1回、1~24時間に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、8~約13日に1回、2週間に1回、15日~約30日に1回からなる群から選択される投与計画で投与可能な経皮製剤として製剤化される経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、マイクロニードルとして製剤化され得る経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤と同時投与される経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。本開示は、クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される少なくとも1つの追加の抗てんかん剤をさらに含む経皮及び/又は局所医薬組成物を提供する。
【0036】
本開示は、発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御を必要とする患者を選択すること;本明細書に開示される医薬組成物を局所的に適用することにより、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御することを含む、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のための方法を提供する。
【0037】
本開示は、発作性疾患が複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作を含む方法を提供する。本開示は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のために経皮パッチを局所適用する方法を提供し、発作性疾患には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれ、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される。本開示は、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される期間にわたって、経皮パッチの活性成分の一定速度の送達をさらに提供する方法を提供する。本開示は、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される期間にわたって、経皮パッチの活性成分の安定した吸収速度をさらに提供する方法を提供する。本開示は、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される期間にわたって、経皮パッチの活性成分の一定の治療血清レベルをさらに達成する方法を提供する。本開示は、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される期間にわたって、経皮パッチの活性成分の投与量の変動の減少をさらに達成する方法を提供する。本開示は、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、及び10日から最大30日に1回からなる群から選択される期間にわたって、治療範囲内の経皮パッチの活性成分の治療血漿濃度をさらに提供する方法を提供する。
【0038】
本開示は、本明細書に記載の適応症を治療するための薬剤を製造するための本開示の組成物の使用を提供する。
さらなる実施形態によれば、本開示は、医薬において使用するのに有効な量、そして最も好ましくは、例えば本明細書に開示される対象の疾患又は障害を治療するための医薬として使用するのに有効な量での、上記の医薬組成物の使用を提供する。
【0039】
さらに別の実施形態によれば、本開示は、医薬において使用するのに有効な量、そして最も好ましくは、例えば本明細書に開示される対象の疾患に関連する疾患又は障害を治療するための医薬として使用するのに有効な量での、上記の医薬組成物及び少なくとも1つの追加の治療薬の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
詳細な説明
カンナビノイドは、大麻種によって生成される21個の炭素を含むテルペノフェノール化合物のグループである。カンナビノイドは合成的に生成されることもある。以下、「カンナビノイド」という用語は、脳内の神経伝達物質放出を抑制する細胞上のカンナビノイド受容体に作用する、多様な化合物のクラスを指す。これらの受容体タンパク質には、エンドカンナビノイド(ヒト及び動物によって体内で自然に生成される)、フィトカンナビノイド(大麻やその他の植物に見いだされる)、及び合成カンナビノイドが含まれる。親油性カンナビノイドは、通常、エンドカンナビノイド(最も典型的には哺乳類エンドカンナビノイド);植物由来のフィトカンナビノイド;及び合成カンナビノイドとして分類される。このようなカンナビノイドは、次のサブクラスにも分類されることがよくある:カンナビゲロール(CBG);カンナビクロメン(CBC);カンナビジオール(CBD);テトラヒドロカンナビノール(THC);カンナビノール(CBN);カンナビジオール(CBDL);カンナビシクロール(CBL);カンナビエルソイン(CBE);及びカンナビトリオール(CBT)。
【0041】
カンナビジオール IUPAC名 2-[(1R,6R)-6-イソプロペニル-3-メチルシクロヘキス-2-エン-1-イル]-5-ペンチルベンゼン-1,3-ジオール 化学式:C21H30O2 分子量:314.46ダルトン 化学構造を式Iとして下に示す。
【0042】
【0043】
テトラヒドロカンビノール(THC) IUPAC名 (-)-(6aR,10aR)-6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメン-1-オール 化学式:C21H30O2 分子量:314.47ダルトン。化学構造を式IIとして下に示す。
【0044】
【0045】
本明細書で使用される場合、大麻という用語は、大麻及びその誘導体の単独又はその組み合わせのすべての薬学的に許容される形態を指し、例えば、限定するものではないが以下の形態にあるもの:例えば、遊離塩基又は塩又は異性体又は非晶質又は結晶又は共結晶又は固溶体又はプロドラッグ又はアナログ又は誘導体又は代謝物を指す。例えば、カンナビジオールの遊離塩基又はその塩又はその異性体又はその非晶質形態又はその結晶形態又はその共結晶形態又はその固溶体又はそのプロドラッグ又はそのアナログ又はその誘導体又は合成形態。化合物は、例えば、酸付加塩もしくは塩基塩などの薬学的に許容される塩、又は水和物を含む溶媒和物の形態であり得る。適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から形成され、例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩である。適切な塩基性塩は、非毒性の塩を形成する塩基から形成され、例は、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びジエタノールアミンの塩である。
【0046】
本明細書で使用される場合、「カンナビジオール」という用語は、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形態、その結晶形態、その共結晶形態、そのプロドラッグ、そのアナログ、その誘導体、及びその合成形態を、単独で、あるいはそれらの組み合わせで含む。特定の実施形態では、CBDは高度に精製されている。特定の実施形態では、CBDは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は99.75%(w/w)のCBDを含む高純度大麻抽出物として存在する。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、本明細書に開示されるCBDを、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、約9.5%、約9.6%、約9.7%、約9.8%、約9.9%、約9.25%、約9.5%、約9.75%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度で含み得る。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.1%~約20%、約1~25%、約3%~約6%、約5%~約20%、約8%~約15%、又は約9%~約14%、約9%~約13%、約9%~約12%(w/w)の濃度でCBDを含み得る。
【0047】
特定の実施形態では、CBDの用量は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、又は45mg/kg/日よりも多い。特定の実施形態では、CBDの用量は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、又は275mg/k日よりも多い。
【0048】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」には、酸付加塩又は遊離塩基の付加塩が含まれる。カンナビジオールの「薬学的に許容される塩」という用語は、その範囲内で、考えられるすべての異性体及びそれらの混合物、ならびに任意の薬学的に許容される代謝産物、生体前駆体及び/又はプロドラッグ、例えば、本開示の化合物の1つとは異なる構造式を有するが、それでも哺乳動物、特にヒトなどの対象に投与すると、in vivoで直接的又は間接的に本開示の化合物に変換される化合物を含む。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「対象」及び「患者」は互換的に使用される。本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、動物、好ましくは非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)及び霊長類(例えば、サル及びヒト)などの哺乳動物を指し、最も好ましくはヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、家畜(例えば、ウマ、ブタ、又はウシ)又はペット(例えば、イヌ又はネコ)などの非ヒト動物である。特定の実施形態では、対象はヒトである。本明細書で使用される「薬剤」という用語は、疾患又は状態の予防、治療、管理及び/又は診断に使用するための任意の分子、化合物、方法論及び/又は物質を指す。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、疾患又は状態の発症(development)、再発、又は発症(onset)、及びその1つ以上の症状を予防することで、別の治療法の予防効果を強化又は改善し、疾患又は状態の重症度、期間を軽減し、疾患又は状態の1つ以上の症状を改善し、疾患又は状態の進行の予防し、疾患又は状態の退行をもたらし、及び/又は別の治療法の治療効果を強化又は改善するのに十分な治療の量を指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という語句は、連邦政府又は州政府の規制当局によって承認されているか、米国薬局方、欧州薬局方、又は動物、より具体的にはヒトで使用するための他の一般に認められた薬局方に収載されていることを意味する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「治療薬」という用語は、疾患又は障害を治療及び/又は管理するために使用される任意の分子、化合物、及び/又は物質を指す。
本明細書で使用される場合、「療法」という用語は、疾患又は状態、又はその1つ以上の症状の予防、治療及び/又は管理に使用できる任意の方法、組成物、及び/又は薬剤を指し得る。特定の実施形態では、「療法」という用語は、小分子療法を指す。
【0052】
本明細書で使用される「誘導体」又は「誘導体化された」という用語には、例えば、本開示の化合物、又は植物源から抽出された化合物、又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの混合物の化学修飾が含まれる。すなわち、「誘導体」は、所与の対象において改善された薬理学的機能活性を誘導することができる、本開示の化合物の機能的等価物であり得る。
【0053】
本明細書で使用される場合、「組成物」及び「製剤」という用語は互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、「経皮送達」という用語は、皮膚を通した体循環への薬物の送達を意味する。
【0054】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載の経皮組成物は、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御のためのものであり、発作性疾患には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれる。
【0055】
てんかん
てんかんは、長期間にわたって繰り返される発作を特徴とする脳疾患である。てんかんの種類には、限定するものではないが、全般てんかん、例えば、小児欠神てんかん、若年性ミオクロニーてんかん、起床時に大発作を伴うてんかん、ウェスト症候群、レノックス・ガストー症候群、ドラベ症候群、結節性硬化症複合体(TSC)、治療抵抗性てんかん、治療抵抗性小児てんかん、部分てんかん、例えば、側頭葉てんかん、前頭葉てんかん、小児期の良性限局性てんかんが含まれる。
【0056】
てんかん重積状態(SE)には、例えば、けいれん性てんかん重積状態、例えば、初期てんかん重積状態、確定したてんかん重積状態、難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態、非けいれん性てんかん重積状態、例えば、全般てんかん重積状態、複雑部分てんかん重積状態、全般性周期性てんかん様放電(generalized periodic epileptiform discharges)、及び周期性側方性てんかん様放電が含まれ得る。けいれん性てんかん重積状態は、けいれん性てんかん重積発作の存在によって特徴づけられ、初期てんかん重積状態、確立したてんかん重積状態、難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態を含み得る。初期てんかん重積状態は第一選択療法で治療される。確立したてんかん重積状態は、第一選択療法による治療にもかかわらず持続するてんかん重積発作によって特徴づけられ、第二選択療法が実施される。難治性てんかん重積状態は、第一選択療法及び第二選択療法による治療にもかかわらず持続するてんかん重積発作によって特徴づけられ、一般に全身麻酔薬が投与される。超難治性てんかん重積状態は、第一選択療法、第二選択療法、及び24時間以上の全身麻酔による治療にもかかわらず持続するてんかん重積発作によって特徴づけられる。
【0057】
非けいれん性てんかん重積状態には、例えば、局所非けいれん性てんかん重積状態、例えば、複雑部分非けいれん性てんかん重積状態、単純部分非けいれん性てんかん重積状態、微細な非けいれん性てんかん重積状態、全般性非けいれん性てんかん重積状態、例えば、遅発性欠神非けいれん性てんかん重積状態、非定型欠神非けいれん性てんかん重積状態、又は定型欠神非けいれん性てんかん重積状態が含まれ得る。
【0058】
本明細書に記載の組成物は、CNS障害、例えば、外傷性脳損傷、てんかん重積状態、例えば、けいれん性てんかん重積状態、例えば、初期てんかん重積状態、確立したてんかん重積状態、難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態、非けいれん性てんかん重積状態、例えば、全般性てんかん重積状態、複雑部分てんかん重積状態、全般性周期性てんかん様放電、及び周期性側方性てんかん様放電を有する対象に、発作が始まる前に予防薬として投与することもできる。
【0059】
発作
発作は、脳内の異常な電気活動のエピソードの後に起こる身体的所見又は行動の変化である。「発作」という用語は、しばしば「けいれん」と同じ意味で使用される。けいれんとは、人の体が急速かつ制御不能に震えることである。けいれん中、人の筋肉は収縮と弛緩を繰り返す。
【0060】
脳活動及び行動の種類に基づいて、発作は、全般発作と部分発作(局所発作又は焦点発作とも呼ばれる)の2つの大きなカテゴリに分類される。発作の種類を分類することは、医師が患者がてんかんであるかどうかを診断するのに役立つ。
【0061】
全般発作は脳全体からの電気インパルスによって引き起こされるのに対し、部分発作は(少なくとも最初は)脳の比較的小さい部分の電気インパルスによって引き起こされる。発作を引き起こす脳の部分は、焦点(focus)と呼ばれることもある。
【0062】
全般発作には6つの種類がある。最も一般的かつ劇的であり、したがって最もよく知られているのは、大発作とも呼ばれる全身けいれんである。このタイプの発作では、患者は意識を失い、通常は倒れる。意識喪失に続いて、30~60秒間全身が硬直し(発作の「強直」相と呼ばれる)、次に30~60秒間激しいけいれん(「間代」相)が続き、その後患者は深い睡眠状態に陥る(「発作後(postictal)」又は発作後の相)。大発作中に、舌を噛んだり、尿失禁などの怪我や事故が起こることがある。
【0063】
欠神発作は、症状をほとんど又はまったく伴わずに、短時間(わずか数秒)の意識喪失を引き起こす。患者(ほとんどの場合小児)は、典型的には、活動を中断し、ぼんやりと見つめる。これらの発作は突然始まって突然終わり、1日に数回発生することがある。患者は通常、「時間を失っている」ということ以外は、自分が発作を起こしていることに気づいていない。
【0064】
ミオクロニー発作は、通常は体の両側で起こる散発的なけいれんからなる。患者は時々、そのけいれんを短時間の電気ショックだと表現する。これらの発作が激しくなると、物を落としたり、無意識に投げたりすることがある。
【0065】
間代発作は、体の両側で同時に起こるリズミカルなけいれんが繰り返される発作である。
強直発作は筋肉の硬直によって特徴づけられる。
【0066】
脱力発作は、特に腕や脚の突然の全体的な筋肉の緊張の喪失からなり、多くの場合、転倒を引き起こす。
本明細書に記載の発作には、てんかん発作;急性反復性発作;群発発作;継続的な発作;絶え間ない発作;長期にわたる発作;再発性発作;てんかん重積発作、例えば、難治性けいれん性てんかん重積発作、非けいれん性てんかん重積発作;難治性発作;ミオクロニー発作;強直発作;強直間代発作;単純部分発作;複雑部分発作;二次性全般化発作;非定型欠神発作;欠神発作;脱力発作;良性ローランド発作;熱性けいれん;情動発作;焦点発作;笑い発作;全般起始発作;乳児けいれん;ジャクソン発作;重度の両側性ミオクローヌス発作;多焦点発作;新生児発症発作;夜間発作;後頭葉発作;外傷後発作;微細発作;シルバン(Sylvan)発作;視覚反射発作;又は離脱発作が含まれ得る。
【0067】
精製CBD
本開示は、CBDが、併用抗てんかん薬(AED)で達成される発作頻度に対して総発作頻度を70%を超えて減少させる量で存在することを規定する。より好ましくは、CBDは、併用抗てんかん薬(AED)で達成される発作頻度に対して総発作頻度を90%を超えて減少させる量で存在する。さらにより好ましくは、CBDは、併用抗てんかん薬(AED)で達成される発作頻度に対して総発作頻度を100%減少させる量で存在する。
【0068】
一実施形態では、CBDは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は99.75%(w/w)のCBDを含む高純度大麻抽出物として存在する。
【0069】
1つ以上のAEDは、好ましくは、クロバザム;レベチラセタム;トピラマート;スチリペントール;フェノバルビタール;ラコサミド;バルプロ酸;ゾニサミド;ペランパネル;及びホスフェニトインからなる群から選択される。特定の実施形態では、CBDはクロバザムと組み合わせて使用される。好ましくは、CBDと組み合わせて使用される異なる抗てんかん薬の数又はAEDの用量は低減される。より好ましくは、用量が低減されるAEDはクロバザムである。
【0070】
特定の実施形態では、CBDの用量は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、又は45mg/kg/日を超える。例えば、15kgの患者の場合、1日当たり75mgを超える用量のCBDが提供され得る。5mg/kg/日を超える、例えば10mg/kg/日を超える、15mg/kg/日を超える、20mg/kg/日を超える、及び25mg/kg/日を超える用量も効果的であることが想定される。特定の実施形態では、CBDの用量は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、又は275mg/日を超える。
【0071】
本開示は、対象にカンナビジオール(CBD)を投与することを含む、治療抵抗性てんかんを治療する方法を提供し、ここで、てんかんは、発熱性感染症関連てんかん症候群(FIRES)である。
【0072】
本開示は、1つ以上の併用抗てんかん薬(AED)で達成される発作頻度に対して50%を超えて総発作頻度を減少させるのに十分な量のカンナビジオール(CBD)を対象に投与することを含む、治療抵抗性てんかんを治療する方法を提供する。
【0073】
医薬組成物
本明細書に記載の特定の実施形態によれば、医薬組成物又は経皮製剤は、高純度CBDを含有する。より好ましくは、経皮製剤は高純度CBDを含み得る。
【0074】
本開示の一実施形態は、経皮製剤、経皮パッチ、局所製剤、マイクロニードル、イオン導入法、定量経皮スプレーを含むがこれらに限定されない経皮薬物送達システムであり得る。
【0075】
経皮製剤には、例えば、溶液、懸濁液、分散液、乳濁液などの液体が含まれるが、これらに限定されるものではない。経皮製剤には、例えば、ゲル、軟膏、乳濁液、クリーム、懸濁液、ペースト、ローション、バームなどの半固体が含まれるが、これらに限定されるものではない。経皮パッチに組み込まれる液体製剤及び/又はゲル製剤が好ましい。粘着性マトリックス、非粘着性マトリックスなどのポリマーマトリックスを制限なく含む経皮製剤。
【0076】
いかなる制限もなく、経皮パッチには、限定するものではないが、好ましくは、リザーバーパッチ、マトリックスパッチ、二層マトリックスパッチ、多層マトリックスパッチ、マイクロリザーバーパッチ、接着システム、経皮的に適用可能なテープ及びその他の、当技術分野で述べられているすべての経皮薬物送達システムが含まれ得る。
【0077】
本開示の特定の実施形態では、経皮パッチは、リザーバー又はマトリックス中に含まれる高純度CBDを含有する経皮製剤と、経皮パッチが皮膚に接着することを可能にし、高純度CBDが経皮パッチから患者の皮膚を通って通過することを可能にする接着剤とを含む。経皮送達システムは、閉塞性、半閉塞性、又は非閉塞性であってもよく、粘着性又は非粘着性であってもよい。
【0078】
高純度CBDを含む経皮製剤をパッチ内に組み込むことができ、パッチを皮膚表面に局所的に適用することができる。パッチは、任意の適切な期間、対象に貼り付けられたままにすることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、経皮パッチは、所定の期間にわたって経皮パッチの活性成分の一定速度の送達を提供する。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、又は15日である。
【0080】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載の経皮パッチは、所定の時間にわたって患者による経皮パッチの活性成分の安定した吸収速度を提供する。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、又は15日である。
【0081】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載の経皮パッチは、所定の時間にわたって患者における経皮パッチの活性成分の一定の血清レベルを提供する。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、又は15日である。
【0082】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載の経皮パッチは、所定の期間にわたって患者の治療範囲内の経皮パッチの活性成分の血漿濃度を提供する。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、又は15日である。
【0083】
さらなる実施形態では、本明細書に記載の経皮パッチは、所定の期間にわたる患者における活性成分の投与量の変動を低減することを可能にする。いくつかの実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、又は15日である。
【0084】
当技術分野で記載されている局所製剤としては、例えば、軟膏、クリーム、エマルション、マイクロエマルション、ナノエマルション、ペースト、バーム、ゲル、ローション、ムースなどの半固体が挙げられるが、これらに限定されない。溶液、懸濁液(suspension)、マイクロサスペンション、ナノサスペンション、分散液、ナノ分散液などの液体。スプレー、エアロゾル、懸濁液(magma)など。高純度CBDを含む局所製剤は、カンナビジオールの経皮送達のために皮膚表面に局所的に適用することができる。
【0085】
本開示のいくつかの実施形態の経皮製剤及び/又は局所製剤は、有効量の担体又は成分を、以下の担体又は成分に限定されることなく、単独又はそれらの組み合わせで含み得る:例えば、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、生分解性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着付与剤、界面活性剤、揮発性化学物質、酸化防止剤、酸化剤、キレート剤、錯化剤、希釈剤、賦形剤、パッチ作製用材料、マトリックスパッチ作製用材料、リザーバーパッチ作製用材料など。
【0086】
カンナビジオールは、上記の単一担体、担体の混合物、及び担体の組み合わせに溶解、懸濁、分散、又は均一に混合することができる。カンナビジオールなどの2つ以上の薬物の任意の組み合わせは、上記の単一担体、担体の混合物、及び担体の組み合わせに溶解、懸濁、分散又は均一に混合することができる。
【0087】
カンナビジオール単独又はそれらの組み合わせの所望の最適な経皮及び/又は局所製剤は、以下の実施例1~実施例11に記載の担体を単独で又はそれらの組み合わせで、ただしこれらに限定されることなく含むことができる。
【0088】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではないことが理解されるべきである。
実施例
実施例1
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に知られている溶媒を、以下のものに限定されることなく、単独で又はそれらの組み合わせで含み得る:アルコールC1~C20、例えば、限定するものではないが、(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノールなど)、多価アルコール、グリコール、例えば、限定するものではないが、(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、グリセロールなど)、グリコールの誘導体、ピロリドン、例えば、限定するものではないが、(Nメチル2-ピロリドン、2-ピロリドンなど)、スルホキシド、例えば、限定するものではないが、(ジメチルスルホキシド、デシメチルスルホキシドなど)、ジメチルイソソルビド、鉱物油、植物油、水、極性溶媒、半極性溶媒、非極性溶媒、マトリックスパッチの作製に使用できる揮発性化学物質、例えば、限定するものではないが、(エタノール、プロパノール、酢酸エチル、アセトン、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、IPA)、酸、例えば、限定するものではないが、酢酸、乳酸、レブリン酸、塩基及びその他。より好ましくは、0.01%~95%w/w又はw/vの範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度で溶媒を含み得る。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約30~99%、約35%~95%、約40%~約90%w/wの濃度で溶媒を含み得る。本開示の例示的な製剤において、溶媒は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%で存在する。
【0089】
実施例2
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に知られているゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁化剤を、以下のものに限定されることなく、単独で又はそれらの組み合わせで含み得る:天然ポリマー、多糖類及びその誘導体、例えば、限定するものではないが、(寒天、アルギン酸及び誘導体、エビスグサ(cassia tora)、コラーゲン、ゼラチン、ジェラム(gellum)ガム、グアーガム、ペクチン、カラギーナンカリウム又はナトリウム、トラガカント、キサンタン、ガムコーパル、キトサン、樹脂など)、半合成ポリマー及びその誘導体、例えば、限定するものではないが、セルロース及びその誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、合成ポリマー及びその誘導体、例えば、限定するものではないが、カルボキシビニルポリマー又はカルボマー(carbopol(登録商標)940、carbopol(登録商標)934、carbopol(登録商標)971pNF)、ポリエチレン、及びそのコポリマーなど、粘土、例えば、限定するものではないが、(ケイ酸塩、ベントナイト)、二酸化ケイ素、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー(オイドラギット)、アクリル酸エステル、ポリアクリラートコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンホモポリマー及びポリビニルピロリドンコポリマー、例えば、限定するものではないが、(PVP、Kollidon(登録商標)30、ポロキサマー)、イソブチレン、酢酸エチルビニルコポリマー、天然ゴム、合成ゴム、感圧接着剤、例えばシリコーンポリマー、例えば、限定するものではないが、(bio psa(登録商標)4302、bio-psa(登録商標)4501、4202など)、アクリル系感圧接着剤、例えば、限定するものではないが、(duro-tak(登録商標)87-2156、duro-tak(登録商標)387-2287など)、ポリイソブチレン、例えば、限定するものではないが、(低分子量ポリイソブチレン、中分子量ポリイソブチレン、35000mwのポリイソブチレンなど)、アクリルコポリマー、ゴム系接着剤、ホットメルト接着剤、スチレン-ブタジエンコポリマー、ベントナイト、すべての水及び/又は有機溶媒で膨潤可能なポリマーなど。より好ましくは、0.1%~70%w/w又はw/vの範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度でゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁化剤を含み得る。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度でゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁化剤を含み得る。本開示の例示的な製剤において、ゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁化剤は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%を占め得る。
【0090】
実施例3
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に知られている浸透促進剤又は透過促進剤を、以下のものに限定されることなく、単独で又はそれらの組み合わせで含み得る:例えば、スルホキシド、及び類似の化学物質、例えば、限定するものではないが、(ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、デシメチルスルホキシド、ジメチルイソソルビドなど)、1,3-ブタンジオール、アゾン、ピロリドン、例えば、限定するものではないが、(N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドンなど)、エステル、脂肪酸エステル、例えば、限定するものではないが、(モノラウリン酸プロピレングリコール、エタン酸ブチル、エタン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、エタン酸メチル、オレイン酸デシル、モノオレイン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ラウリルなど)、脂肪酸、例えば、限定するものではないが、(カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸など)、アルコール、脂肪族アルコール及びグリコール、例えば、限定するものではないが、(オレイルアルコール、ナタノール、ドデカノール、プロピレングリコール、グリセロールなど)、エーテルアルコール、例えば、限定するものではないが、(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、尿素、トリグリセリド、例えば、限定するものではないが、トリアセチン、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪族アルコールのエステル、精油、界面活性剤型促進剤、例えば、限定するものではないが、(brij(登録商標)、ラウリル硫酸ナトリウム、Tween(登録商標)、ポリソルベート)、テルペン、テルペノイド、及び書籍“Percutaneous Penetration Enhancers”(Eric W.Smith,Howard I.Maibach,2005,Nov,CRC press)で参照されているすべての浸透促進剤又は透過促進剤。より好ましくは、0.01%~95%w/w又はw/vの範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度で透過促進剤を含み得る。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度で浸透促進剤又は透過促進剤を含み得る。本開示の例示的な製剤において、透過促進剤は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%を占め得る。
【0091】
実施例4
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に知られている可塑剤を、以下のものに限定されることなく、単独で又はそれらの組み合わせで含み得る:グリセロール及びそのエステル、リン酸エステル、グリコール誘導体、糖アルコール、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、酒石酸エステル、アジペート、フタル酸エステル、トリアセチン、オレイン酸エステル、及び書籍“Handbook of Plasticizers”(George Wypych,2004,Chem Tec Publishing)で参照されている経皮薬物送達システムで使用できるすべての可塑剤。より好ましくは、0.01%~95%w/w又はw/vの範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度で可塑剤を含み得る。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度で可塑剤を含み得る。本開示の例示的な製剤において、可塑剤は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%を占め得る。
【0092】
実施例5
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に知られている皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤、及び同様の化合物又は化学物質を、以下のものに限定されることなく、単独で又はそれらの組み合わせで含み得る:ワセリン、ラノリン、鉱物油、ジメチコン、酸化亜鉛、グリセロール、プロピレングリコールなど。より好ましくは、0.01%~95%w/w又はw/vの範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤、及び類似の化合物又は化学物質を、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度で含み得る。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤、及び同様の化合物又は化学物質を、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度で含み得る。本開示の例示的な製剤において、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤及び同様の化合物又は化学物質は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%を占め得る。
【0093】
実施例6
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に知られている可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、及び同様の化合物又は化学物質を、以下のものに限定されることなく、単独で又はそれらの組み合わせで含み得る:ポリソルベート(例えば、TWEEN(登録商標))、例えば、限定するものではないが、(ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80など)、スパン、例えば、限定するものではないが、(スパン80、スパン20など)、界面活性剤、例えば(アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性)、モノカプリル酸プロピレングリコールI型、モノカプリル酸プロピレングリコールII型、ジカプリル酸プロピレングリコール、中鎖トリグリセリド、モノラウリン酸プロピレングリコールII型、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、オレオイル-ポリオキシル-6-グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6-グリセリド、オレイン酸エチル、ポリグリセリル-3-ジオレアート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノラウリン酸プロピレングリコールI型、ポリグリセリル-3-ジオレアート、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドなど、シクロデキストリン、LABRASOL(登録商標)(カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリドEP、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドNF)など。より好ましくは、0.01%~95%w/w又はw/vの範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、及び類似の化合物又は化学物質を、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度で含み得る。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、及び類似の化合物又は化学物質を、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度で含み得る。本開示の例示的な製剤において、可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤及び類似の化合物又は化学物質は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%を占め得る。
【0094】
実施例7
製剤中の高純度CBDの安定性及び/又は溶解性を高めるために、様々な技術及び成分、例えば、限定するものではないが、コーティング、カプセル化、マイクロカプセル化、ナノカプセル化、凍結乾燥、キレート剤、錯化剤などを使用することができる。
【0095】
実施例8
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、製剤の適切なpHを、好ましくは4.0~8.0の範囲に維持するのに役立つ、当業者に知られている補助的なpH緩衝剤及びpH安定剤及び同様の化合物を、以下のものに限定されることなく、単独で又はそれらの組み合わせで含み得る:リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液など、酸、例えば、限定するものではないが、(カルボン酸、無機酸、スルホン酸、ビニル系カルボン酸など)、塩基、例えば、限定するものではないが、(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム)など。より好ましくは、0.01%~30%w/w又はw/vの範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度で補助的なpH緩衝剤及びpH安定剤及び同様の化合物を含み得る。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、補助的なpH緩衝剤及びpH安定剤及び同様の化合物を、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度で含み得る。本開示の例示的な製剤において、補助的なpH緩衝剤及びpH安定剤及び同様の化合物は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%を占め得る。特定の実施形態では、製剤のpHは、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、又は約8.0に維持される。特定の実施形態では、製剤のpHは、約4.0~約8.0、約4.5~約7.5、又は約5.0~約7.0の範囲に維持される。
【0096】
実施例9
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、安定な製剤を得るのに役立つ、当業者に知られている酸化防止剤、例えば、限定するものではないが、(メタ重亜硫酸ナトリウム、クエン酸、アスコルビン酸、BHA、BHT)、酸化剤、安定剤、変色剤、防腐剤及び同様の化合物又は化学物質などを、限定されることなく、単独で又はそれらの組み合わせで含み得る。より好ましくは、0.01%~50%w/w又はw/vの範囲である。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度で酸化防止剤を含み得る。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度で酸化防止剤を含み得る。本開示の例示的な製剤において、酸化防止剤は、製剤の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%を占め得る。
【0097】
実施例10
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に知られている軟膏及び/又はクリーム基剤として製剤化され得る。
【0098】
実施例11
当業者に知られているパッチ形態の本開示の経皮送達システムを作製するための材料としては、例えば、限定するものではないが、リザーバーパッチ、マトリックスパッチ、接着剤中の薬物、経皮フィルムなどが挙げられ、例えば、限定するものではないが、ポリマー、コポリマー、誘導体、バッキングフィルム、剥離膜、剥離ライナーなどが単独で又はそれらの組み合わせで含まれ得る。感圧接着剤(例えば、限定するものではないが、シリコーンポリマー、ゴム系接着剤、アクリルポリマー、アクリルコポリマー、ポリイソブチレン、アクリル酸-アクリル酸イソオクチルコポリマー、ホットメルト接着剤、ポリブチレンなど)、バッキングフィルム(例えば、限定するものではないが、エチレン酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、金属箔、ポリエステル、アルミメッキフィルム、ポリエチレンなど)、剥離膜(例えば、限定するものではないが、ポリエチレン微多孔膜、ポリプロピレン微多孔膜、速度制御エチレン酢酸ビニルコポリマー膜など)、剥離ライナー(例えば、限定するものではないが、シリコン処理ポリエステルフィルム、フッ素樹脂コーティングポリエステルフィルム、ポリエステルフィルム、シリコン処理ポリエチレンテレフタラートフィルムなど)、テープなど。
【0099】
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤及び/又は経皮送達システムは、少なくとも治療有効量の高純度CBDを送達し得る。痛み及び/又は炎症の治療及び/又は予防に必要な、ヒト血漿中の治療上有効な高純度CBD、単独又はそれらの組み合わせ。治療上有効な高純度CBD用量とは、痛み及び/又は炎症を治療及び/又は予防するために必要なヒト血漿中の治療濃度を指す。さらに、経皮製剤又は局所製剤又は経皮送達システムにおける高純度CBDの正確な治療有効量は、例えば、限定するものではないが、患者の状態などの要因に基づいて当業者によって決定され得る。経皮製剤又は局所製剤又は経皮送達システムは、患者の要件に基づいて最適な治療結果を達成するために、様々な用量強度及びパッチサイズで利用可能になる。
【0100】
さらに別の実施形態では、本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤及び/又は経皮送達システムは、少なくとも治療有効量の高純度CBDを送達し得る。治療上有効な高純度CBDとは、患者の発作性疾患の治療及び/又は予防及び/又は制御に必要なヒト血漿中の高純度CBDの治療濃度を指し、発作性疾患には、例えば、複雑部分発作、単純部分発作、二次性全般化を伴う部分発作、全般発作(欠神、大発作(強直間代性)、てんかん重積状態、強直性、脱力性、ミオクロニー性を含む)、新生児及び乳児のけいれん、薬物性発作、外傷性発作、熱性けいれん、及びその他の特定のてんかん症候群、例えば、若年性ミオクロニーてんかん、レノックス・ガストー、ドラベ症候群、内側側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、進行性ミオクロニーてんかん、及びCNS腫瘤性病変に関連する発作が含まれる。
【0101】
高純度CBDの経皮製剤又は経皮パッチは、限定するものではないが、好ましくは以下のいずれかであるがこれらに限定されない投与計画で皮膚表面に適用することができる:例えば、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、8~約13日に1回、2週間に1回、15日に1回。
【0102】
実施例12
カンナビジオールの理論流動量計算:
CBDの経口バイオアベイラビリティはわずか13~19%である。我々の計算では、TRPLの平均バイオアベイラビリティは15%2とされた。したがって、経口投与時に患者に送達される実際の用量は表3に記載されている。
【0103】
【0104】
したがって、7.5μg/平方cm/時の流動量を有する50平方cmのパッチは、1日に9mgの薬物を送達する。また、100平方cmのパッチは、同じ流動量プロファイルで18mgの薬物を送達する。いくつかの研究論文では、CBDの経口バイオアベイラビリティは5~6%の範囲であることが示されている2、8。
【0105】
実施例13
経皮送達用の合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号001、002、003、004、及び005))を、表4に示す成分を混合することによって調製した。
【0106】
【0107】
CBDを除く表2のすべての成分を18時間撹拌しながら混合した。次に、CBDを賦形剤混合物に添加することで、最終的な経皮製剤を調製した。
次に、調製した経皮製剤について、以下の流動量測定試験を行った。-80℃で保存したヒトの死体の皮膚を、リン酸緩衝食塩水(PBS)中で室温で解凍し、研究に使用する前に欠陥がないか視覚的に検査した。次に、円筒形ドナーコンパートメントと、13mLの容量の別のウォータージャケット付き円筒形レセプターコンパートメントで構成される標準フランツ拡散セルを使用して、経皮流動量を測定した。ヒトの死体の皮膚を、真皮側をレセプターコンパートメントに向けて2つのコンパートメントの間にクランプした。ドナーコンパートメントには、上記のように調製した経皮CBD製剤を充填した。レセプターコンパートメントにはレセプター媒体を充填し、一定温度に保ち、皮膚を通ってレセプターコンパートメントに拡散するCBDを収集するために常に撹拌を行った。レセプター液が常に皮膚に接触していることを確認することが重要である。CBDのアッセイのためにレセプターコンパートメントを24時間間隔で空にし、新しいレセプター溶液と交換した。レセプターコンパートメントのシンク条件を維持するには、レセプターコンパートメント内のCBD濃度をその溶解度の10%未満に保つことが重要である。実験条件を表3に示す。
【0108】
【0109】
ヒトの死体の皮膚を通るCBDの流動量を最短期間である96時間(4日間)測定し、流動量測定の結果を表4に示す。
【0110】
【0111】
実施例14
経皮送達用の追加の合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号006~014)を、表7に示す成分を混合することによって調製した。
【0112】
【0113】
経皮送達用の合成カンナビジオール製剤(006~014)を、実施例2に記載したのと同じ手順によって調製した。実施例2に記載されているように、流動量測定も実施した。実験条件は実施例2の表5に示したものと同じである。
【0114】
ヒトの死体の皮膚を通るCBDの流動量を最短期間である48時間測定した。流動量測定実験の結果を表8に示す。
【0115】
【0116】
実施例15
経皮送達パッチ用の追加の合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号015~018)を、表9に示す成分を混合することによって調製した。
【0117】
【0118】
合成カンナビジオールを含む経皮パッチを調製するために、CBDを除く表9のすべての成分を18時間撹拌しながら混合した。次に、製剤を広げる30分前にCBDを添加した。市販のベンチトップスプレッダーを使用して製剤を広げた。具体的には、製剤マトリックスを、20×36cm(8×14インチ)の剥離ライナー(3M9744など)のシート上に0.5mmの厚さに均一に広げる。次いで、シートを38℃(100°F)のオーブンに1時間入れて、酢酸エチル及びエタノール接着剤溶媒を蒸発させる。次に、光劣化及び酸化劣化を抑制するため、酸素透過性が低い不透明な裏打ち膜(3M9730NRフィルムなど)を、気泡や空隙の形成を避けるために手作業で慎重にシートに貼り付ける。円形の型(直径4cm(1.5インチ))を使用して、その後の研究のためにパッチ(7cm2)を切り出した。
【0119】
上記の実施例における経皮製剤の流動量測定の全般的な手順は次のとおりである。-80℃で保存したヒトの死体の皮膚を、PBS中で室温で解凍し、使用前に欠陥がないか視覚的に検査した。経皮流動量を、円筒形ドナーコンパートメントと、13mLの容量の別のウォータージャケット付き円筒形レセプターコンパートメントで構成される標準フランツ拡散セルを使用して測定した。ヒトの死体の皮膚を、真皮側をレセプターコンパートメントに向けて2つのコンパートメントの間にクランプした。経皮接着パッチの流動量測定の全般的な手順は以下のとおりである。剥離ライナーをパッチから剥がし、接着面をヒトの死体の皮膚片に貼り付ける(実施例15、表9のみ)。経皮パッチを、パッチの皮膚側がドナーコンパートメントと接触するようにして皮膚に接着させた。レセプターコンパートメントをレセプター媒体で満たし、一定温度に保ち、接着したパッチから皮膚を通ってレセプターコンパートメントに拡散するCBDを収集するために常に撹拌を行った。レセプター液が常に皮膚に接触していることを確認した。CBDのアッセイのためにレセプターコンパートメントを24時間間隔で空にし、新しいレセプター溶液と交換した。レセプターコンパートメントのシンク条件を維持するために、レセプターコンパートメント内のCBD濃度をその溶解度の10%未満に維持した。実験条件は実施例13の表5に示したものと同じである。
【0120】
実施例16
経皮送達用の合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号047~055)を、表10に示す成分を混合することによって調製した。
【0121】
【0122】
上記の成分(表10)を18時間撹拌してブレンドし、その後、市販のベンチトップスプレッダーを使用して、マトリックスを20×36cm(8×14インチ)の剥離ライナー(3M9744など)のシート上に0.5mmの厚さに均一に広げる。次いで、シートを30℃(86F)のオーブンに120分間入れて、酢酸エチル接着剤溶媒を蒸発させる。次に、光劣化及び酸化劣化を抑制するため、酸素透過性が低い不透明な裏打ち膜(3M9730NRフィルムなど)を、気泡や空隙の形成を避けるために手作業で慎重に貼り付ける。円形の型(直径4cm(1.5インチ))を使用して、その後の研究のためにパッチ(1.76平方cm)を切り出す。乾燥後の薬物接着性マトリックスは2~30mg/平方cmの表面密度を有し、CBDを5%w/w含む。
【0123】
次いで、調製した製剤を次のように放出試験に供した。パッチの重量を量った後(n=3)、剥離ライナーを取り除き、パッチを15mlの受容媒体とともに20mlのシンチレーションバイアルに入れた。受容媒体は、0.5%のBrij(登録商標)(O)20を含むpH7.4のPBS溶液であった。バイアルを20RPMで一晩ローラー上に置いた。試料を24時間ごと、最大48時間ごとに採取し、媒体を毎回完全に交換した。次いで、異なる製剤からのCBDの放出%を決定するために、試料をHPLCで分析した。
【0124】
調製した製剤を、薬物含有量の均一性についても分析する。パッチ(n=3)を各製剤ごとに秤量し、剥離ライナーを取り除き、パッチ(剥離ライナーを含む)を、15mlのIPA:エタノール(190プルーフ)(50:50)溶液とともに20mlのシンチレーションバイアルに入れた。次いで、バイアルを20RPMのローラー上に置き、一晩放置した。各製剤の薬物含有量を決定するために、試料を各バイアルから採取し、HPLCで分析した。
【0125】
【0126】
マトリックスシステムを介したCBDの放出%を最短期間である48時間(2日間)測定し、放出%の結果を表12に示す。
【0127】
【0128】
薬物含有量の調査により、抽出物におけるCBDの回収率は、製造されたすべての製剤で96~107%であることが示された。さらに、放出試験では、シリコーン接着剤4501が最初の24時間以内に90%以上の放出を示したことが示された。放出プロファイルに基づくと、CBD製剤に最適な接着剤は次のとおりである:BIOPSA(登録商標)-4501>2054=2194>2074>2516>2852=2287>9301。
【0129】
放出試験は、官能基と架橋剤がアクリル系接着剤からのCBD放出に影響を与えることを示している。現在の研究によると、架橋剤とともに-COOH官能基を含むアクリル系接着剤は、すべてのアクリル系接着剤パッチからCBDを最大限に放出することが示された。
【0130】
実施例17
経皮送達用の追加の合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号057~064)を、表13に示す成分を混合することによって調製した。
【0131】
【0132】
経皮送達用の合成カンナビジオール製剤(057~064)を、実施例16に記載したのと同じ手順により調製した。
次に、調製した経皮製剤について、以下の流動量測定試験を行った。-80℃で保存したヒトの死体の皮膚をリン酸緩衝食塩水(PBS)中で室温で解凍し、研究で使用する前に欠陥がないか視覚的に検査した。次に、円筒形ドナーコンパートメントと、13mLの容量の別のウォータージャケット付き円筒形レセプターコンパートメントで構成される標準フランツ拡散セルを使用して、経皮流動量を測定した。ヒトの死体の皮膚を、真皮側をレセプターコンパートメントに向けて2つのコンパートメントの間にクランプした。ドナーコンパートメントを上記のように調製された経皮CBD製剤で満たした。レセプターコンパートメントをレセプター媒体で満たし、一定温度に保ち、皮膚を通ってレセプターコンパートメントに拡散するCBDを収集するために常に撹拌を行った。レセプター液が常に皮膚に接触していることを確認することが重要である。CBDのアッセイのためにレセプターコンパートメントを24時間間隔で空にし、新しいレセプター溶液と交換した。レセプターコンパートメントのシンク条件を維持するには、レセプターコンパートメント内のCBD濃度をその溶解度の10%未満に保つことが重要である。実験条件を表14に示す:
【0133】
【0134】
ヒトの死体の皮膚を通るCBDの流動量を、最短期間である96時間(4日間)測定した。流動量測定の結果を表15に示す。
流動量試験が完了したら、使用済みパッチを慎重に取り外し、IPA:エタノール(50:50)を使用して使用済みパッチからCBDを抽出した。ヒトの死体の皮膚もIPA:エタノール(50:50)に浸して、そこからCBDを抽出した。試料をHPLCを使用して分析した。表6のデータは、皮膚及び残ったパッチに存在するCBDの量を示している。
【0135】
【0136】
実施例18
ヒトの死体の皮膚を通るCBDの透過に対するゲル化剤とその濃度の影響。CBDゲル製剤は、限定するものではないが、天然ポリマーなどの天然ポリマー、多糖類及びその誘導体、例えば、限定するものではないが、(寒天、アルギン酸及び誘導体、カッシアトラ、コラーゲン、ゼラチン、ジェラム(gellum)ガム、グアーガム、ペクチン、カラギーナンカリウム又はナトリウム、トラガカント、キサンタンガム、コーパル、デンプン、キトサン、樹脂など)、合成ポリマー及びその誘導体、例えば、限定するものではないが、カルボキシビニルポリマー又はカルボマー(carbopol(登録商標)940、carbopol(登録商標)934、carbopol(登録商標)971)、ポリエチレン及びそのコポリマーなど、ケイ酸塩等の粘土、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンホモポリマー及びポリビニルピロリドンコポリマー(PVP、ポロキサマー)、アクリル酸そのエステル、ポリアクリラートコポリマー、イソブチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、天然ゴム、合成ゴム、例えば、スチレン-ジエンコポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、イソプレンブロックコポリマー、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム又はネオプレンゴム、ならびにシリコーン系感圧接着剤、又は「ホットメルト接着剤」などのゲル化剤によってゲル化することができる。さらに、ヒトの死体の皮膚以外にも、セルロース膜、シリコーン膜(ポリジメチルシロキサン)、リポソームコーティング膜、固体支持液体膜、レシチンオルガノゲル膜などを含むがこれらに限定されない他の人工膜でもカンナビジオールを評価することができる。CBDのゲル製剤に加えて、軟膏、クリーム、エマルジョン、リポソームなどを含むがこれらに限定されない他の剤形も使用され得る。
【0137】
実施例19
ヒトの死体の皮膚を通るカンナビジオールの流動量に対する促進剤又は可溶化剤の効果を評価した。カンナビジオールゲル製剤の望ましい最適組成は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルイソソルビド(DMI)、乳酸、Tween(登録商標)-20、高純度ジエチレングリコールモノエチルエーテル(Transcutol P)、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-400、プロピレングリコール(PG)、ヘキシレングリコール(HG)、ラウログリコール-90を含んでいた。上述の促進剤及び/又は可溶化剤とは別に、カンナビジオールの経皮送達は、水、スルホキシド、及び同様の化学物質、例えば、限定するものではないが、(ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、デシルメチルスルホキシド、ジメチルイソソルビドなど)、アゾン、ピロリドン、例えば、限定するものではないが、(N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドンなど)、エステル、例えば、限定するものではないが、(モノラウリン酸プロピレングリコール、エタン酸ブチル、エタン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、エタン酸メチル、オレイン酸デシル、モノオレイン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ラウリル酸ラウリルなど)、脂肪酸、例えば、限定するものではないが、(カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸など)、アルコール、脂肪族アルコール及びグリコール、例えば、限定するものではないが、(オレイルアルコール、ナタノール、ドデカノール、プロピレングリコール、グリセロールなど)、エーテル、例えば、限定するものではないが、(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、尿素、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪族アルコールのエステル、長鎖脂肪酸とメチル、エチル又はイソプロピルアルコールとのエステル、脂肪族アルコールと酢酸、乳酸、及びオレイン酸ジエタノールアミンとのエステル、精油、テルペン及びテルペノイドなど、例えば、限定するものではないが、(テルピネオール、リモネン、チモール、シネオールなど)、界面活性剤型促進剤(ポリソルベート80、ポリソルベート20など)、リポソーム、ニオソーム、トランスフェローム、エタノソーム、ポリソルベート、例えば、限定するものではないが、(ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80など)、スパン、例えば、限定するものではないが、(スパン80、スパン20など)、界面活性剤、例えば、(アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性)、モノカプリル酸プロピレングリコールI型、モノカプリル酸プロピレングリコールII型、ジカプリル酸プロピレングリコール、中鎖トリグリセリド、モノラウリン酸プロピレングリコールII型、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、カプリル酸グリセリド、オレオイル-ポリオキシル-6-グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6-グリセリド、ポリグリセリル-3-ジオレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノラウリン酸プロピレングリコールI型など、シクロデキストリン、多価アルコール、特に1,2-プロパンジオール、ブタンジオール、グリセロール、ポリエチレングリコール(分子量100以上)、ジメチルスルホキシド、ジメチルイソソルビド、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチルトルミド(diethyl tolumide)、モノイソプロピリデングリセリンなどを含むがこれらに限定されない促進剤及び/又は可溶化剤によって影響を受ける可能性がある。当業者に知られている可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤及び類似の化合物又は化学物質を、単独で又はそれらの組み合わせで使用することができる。
【0138】
参考:
【0139】
【0140】
本開示は、その特定の例を参照して詳細に説明されているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を加えることができることが当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】