(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】レーザーレーダー
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20240327BHJP
G01S 17/87 20200101ALI20240327BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/87
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561898
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 CN2021138323
(87)【国際公開番号】W WO2022227609
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110446511.6
(32)【優先日】2021-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519434972
【氏名又は名称】上海禾賽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hesai Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.2 Building,No.468 XinLai Road,Jiading District,Shanghai,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】梁峰
(72)【発明者】
【氏名】陳杰
(72)【発明者】
【氏名】向少卿
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
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5J084AA05
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5J084EA31
(57)【要約】
本発明は、目標物を探知するためにそれぞれ第1探知レーザービーム(L1)及び第2探知レーザービーム(L2)を送信するように構成される第1送信ユニット(101)及び第2送信ユニット(102)と、それぞれ送信レンズ(103)及び受信レンズ(107)を含む送信端光学アセンブリ及び受信端光学アセンブリと、それぞれ第1探知レーザービーム(L1)及び第2探知レーザービーム(L2)の目標物によって反射された第1エコー(L1’)及び第2エコー(L2’)を受信して電気信号に変換するように構成される第1受信ユニット(105)及び第2受信ユニット(106)と、を備え、第1探知レーザービーム(L1)と第2探知レーザービーム(L2)はそれぞれ第1送信ユニット(101)及び第2送信ユニット(102)から出射された後、異なる光路を経て送信レンズ(103)に到達し、第1エコー(L1’)及び第2エコー(L2’)は受信レンズ(107)からそれぞれ異なる光路を経て第1受信ユニット(105)及び第2受信ユニット(106)に到達する、レーザーレーダー(100)を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標物を探知するためにそれぞれ第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームを送信するように構成される第1送信ユニット及び第2送信ユニットと、
それぞれ送信レンズ及び受信レンズを含む送信端光学アセンブリ及び受信端光学アセンブリと、
それぞれ前記第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームの目標物によって反射された第1エコー及び第2エコーを受信して電気信号に変換するように構成される第1受信ユニット及び第2受信ユニットと、を備え、
前記第1探知レーザービームと第2探知レーザービームはそれぞれ第1送信ユニット及び第2送信ユニットから出射された後、異なる光路を経て前記送信レンズに到達し、前記第1エコー及び第2エコーは前記受信レンズからそれぞれ異なる光路を経て前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットに到達する、レーザーレーダー。
【請求項2】
前記第1送信ユニット及び第2送信ユニットはそれぞれ前記送信レンズから異なる位置に設けられ、前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットはそれぞれ前記受信レンズから異なる位置に設けられる、請求項1に記載のレーザーレーダー。
【請求項3】
前記第1送信ユニットは、前記送信レンズの焦平面に設けられる第1レーザーアレイを含み、前記第2送信ユニットは、前記送信レンズとの距離が前記送信レンズの焦点距離よりも小さい第2レーザーアレイを含み、前記第1受信ユニットは、前記受信レンズの焦平面に設けられる第1探知器アレイを含み、前記第2受信ユニットは、前記受信レンズとの距離が前記受信レンズの焦点距離よりも小さい第2探知器アレイを含む、請求項1又は2に記載のレーザーレーダー。
【請求項4】
前記第2送信ユニットは、前記第2レーザーアレイと前記送信レンズとの間に設けられる送信端ズームレンズを含み、前記第2探知レーザービームは前記送信端ズームレンズ及び前記送信レンズを経てレーザーレーダーの外部に出射され、前記第2受信ユニットは、前記第2探知器アレイと前記受信レンズとの間に設けられる受信端ズームレンズを含み、前記第2エコーは前記受信レンズ及び前記受信端ズームレンズを経て前記第2探知器アレイに入射される、請求項1又は2に記載のレーザーレーダー。
【請求項5】
1つ又は複数の送信端リフレクター及び1つ又は複数の受信端リフレクターを更に備え、前記第1探知レーザービームは前記送信端リフレクターによって反射された後、前記送信レンズを経て出射され、前記第1エコーは前記送信端リフレクターによって反射された後、前記第1探知器アレイに入射される、請求項4に記載のレーザーレーダー。
【請求項6】
前記送信端リフレクターは開孔を有する送信端リフレクターを含み、前記第1探知レーザービームは前記開孔を有する送信端リフレクターによって反射された後、前記送信レンズを経て出射され、前記第2探知レーザービームは前記開孔を通過し、前記送信レンズを経て出射され、
前記受信端リフレクターは開孔を有する受信端リフレクターを含み、前記第1エコーは前記開孔を有する受信端リフレクターによって反射された後、前記第1探知器アレイに入射され、前記第2エコーは前記開孔を通過し、前記第2探知器アレイに入射される、請求項5に記載のレーザーレーダー。
【請求項7】
回転軸と、前記回転軸周りに回転可能な光学器械ロータであって、前記の第1送信ユニット及び第2送信ユニットと、送信端光学アセンブリ及び受信端光学アセンブリと、第1受信ユニット及び第2受信ユニットとを含む光学器械ロータと、を備え、前記光学器械ロータは前記回転軸の上方に設けられ、又は前記回転軸は前記光学器械ロータを貫通する、請求項1又は2に記載のレーザーレーダー。
【請求項8】
前記送信端光学アセンブリは第1送信レンズ及び第2送信レンズを含み、前記受信端光学アセンブリは第1受信レンズ及び第2受信レンズを含み、前記第1探知レーザービームは前記第1送信レンズによって出射され、前記第2探知レーザービームは前記第2送信レンズによって出射され、前記第1エコーは前記第1受信レンズによって前記第1探知ユニットに集束され、前記第2エコーは前記第2受信レンズによって前記第2探知ユニットに集束される、請求項1に記載のレーザーレーダー。
【請求項9】
回転軸を備え、前記第1送信レンズ及び第2送信レンズは、前記回転軸を中心にほぼ180度対向し、前記第1受信レンズ及び第2受信レンズは、前記回転軸を中心にほぼ180度対向する、請求項8に記載のレーザーレーダー。
【請求項10】
前記第1送信レンズ及び第1受信レンズはテレセントリックレンズ群を含む、請求項8又は9に記載のレーザーレーダー。
【請求項11】
前記第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームはレーザーレーダーの異なる垂直視野範囲に対応する、請求項1、2、8又は9のいずれか1項に記載のレーザーレーダー。
【請求項12】
前記第1探知レーザービームのエネルギーは前記第2探知レーザービームよりも高い、請求項1、2、8又は9のいずれか1項に記載のレーザーレーダー。
【請求項13】
前記第1送信ユニット及び第2送信ユニットの両方とも、同一のPCB基板に設けられる複数のレーザー及びマルチチャネル駆動チップを含み、前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットの両方とも、同一のPCB基板に設けられる複数の探知器及びマルチチャネルフロントエンドチップを含む、請求項1、2、8又は9のいずれか1項に記載のレーザーレーダー。
【請求項14】
前記第1送信ユニット及び第2送信ユニットと、前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットとに結合され、且つ前記第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームの探知結果を融合して、点群を生成するデータ処理ユニットを更に備える、請求項1、2、8又は9のいずれか1項に記載のレーザーレーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光電探知技術分野に関し、特に遠距離探知性能と近距離探知性能を両立できるレーザーレーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーレーダーは、レーザービームを発して目標の位置、速度等の特徴量を探知するレーダーシステムであり、レーザー技術と光電探知技術を組み合わせた先進的な探知方式である。レーザーレーダーは分解能が高く、秘匿性が高く、アクティブ干渉防止能力が強く、低空探知性能に優れ、小型軽量である等のメリットがあるため、自動運転、高度道路交通、無人航空機、知能ロボット、資源探査等の分野に広く用いられている。
【0003】
現在、自動運転に用いられるレーザーレーダーは2つの典型的な応用シーンを有し、1つは小さな垂直視野角(FOV)での遠距離測定であり、通常、150m以外の物体を探知することが望まれ、垂直FOVが15°~40°であり、中遠距離の障害物の高精度探知のためのものである。もう1つは大きな垂直FOVでの近距離測定であり、通常、探知距離が15m~50mであり、垂直FOVが80°~105°であり、近距離の死角探知のためのものである。
図1に示すように、この2つの応用は、通常、2つのレーザーレーダーによって別々に実現されてから、自動運転車等のプラットフォームに共に実装され、遠近距離での死角なし探知を実現する。
【0004】
この2つの探知要件を1つのレーダーで実現できることは、非常に価値のあることである。しかし、この2つの探知要件は、レーダーに対する設計要求が全く異なる。できるだけ遠い探知距離を実現したい場合、探知器の光路を長焦点距離で設計する必要がある。一方、広い視野角度を実現したい場合、短焦点距離を採用しなければならない。
【0005】
遠距離探知レーダー(
図2aに示す長焦点距離光路によるもの)に垂直FOVを直接増加させようとした場合、
図3aに示すように、探知器の受光面の高さが大幅に増大することにより、レーザーレーダーの高さが大幅に増加し、レーダーの集積度向上に不利である。近距離探知レーダー(
図2bに示す短焦点距離光路によるもの)に中心領域のビームライン(遠距離探知の分解能を確保する)を増加させようとした場合、
図3bに示すように、単一探知器のサイズ上の制約により、中心領域のビームラインを増加させることが困難であり、また、短焦点距離の光路では、遠距離探知能力を向上させることが困難である。
【0006】
背景技術部分の内容は、知られている技術を開示するものに過ぎず、当然ながら、本分野の従来技術を代表するものではない。
【発明の概要】
【0007】
従来技術の少なくとも1つの欠点を鑑みて、本発明は、
目標物を探知するためにそれぞれ第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームを送信するように構成される第1送信ユニット及び第2送信ユニットと、
それぞれ送信レンズ及び受信レンズを含む送信端光学アセンブリ及び受信端光学アセンブリと、
それぞれ前記第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームの目標物によって反射された第1エコー及び第2エコーを受信して電気信号に変換するように構成される第1受信ユニット及び第2受信ユニットと、を備え、
前記第1探知レーザービームと第2探知レーザービームはそれぞれ前記第1送信ユニット及び第2送信ユニットから出射された後、異なる光路を経て前記送信レンズに到達し、前記第1エコー及び第2エコーは前記受信レンズからそれぞれ異なる光路を経て前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットに到達する、レーザーレーダーを提供する。
【0008】
本発明の1つの態様によれば、前記第1送信ユニット及び第2送信ユニットはそれぞれ前記送信レンズから異なる位置に設けられ、前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットは、それぞれ前記受信レンズから異なる位置に設けられる。
【0009】
本発明の1つの態様によれば、前記第1送信ユニットは、前記送信レンズの焦平面に設けられる第1レーザーアレイを含み、前記第2送信ユニットは、前記送信レンズとの間の距離が前記送信レンズの焦点距離よりも小さい第2レーザーアレイを含み、前記第1受信ユニットは、前記受信レンズの焦平面に設けられる第1探知器アレイを含み、前記第2受信ユニットは、前記受信レンズとの距離が前記受信レンズの焦点距離よりも小さい第2探知器アレイを含む。
【0010】
本発明の1つの態様によれば、前記第2送信ユニットは、前記第2レーザーアレイと前記送信レンズとの間に設けられる送信端ズームレンズを含み、前記第2探知レーザービームは前記送信端ズームレンズ及び前記送信レンズを経てレーザーレーダーの外部に出射され、前記第2受信ユニットは、前記第2探知器アレイと前記受信レンズとの間に設けられる受信端ズームレンズを含み、前記第2エコーは前記受信レンズ及び前記受信端ズームレンズを経て前記第2探知器アレイに入射される。
【0011】
本発明の1つの態様によれば、前記レーザーレーダーは1つ又は複数の送信端リフレクター及び1つ又は複数の受信端リフレクターを更に備え、前記第1探知レーザービームは前記送信端リフレクターによって反射された後、前記送信レンズを経て出射され、前記第1エコーは前記送信端リフレクターによって反射された後、前記第1探知器アレイに入射される。
【0012】
本発明の1つの態様によれば、前記送信端リフレクターは開孔を有する送信端リフレクターを含み、ここで前記第1探知レーザービームは前記開孔を有する送信端リフレクターによって反射された後、前記送信レンズを経て出射され、前記第2探知レーザービームは前記開孔を通過し、前記送信レンズを経て出射され、前記受信端リフレクターは開孔を有する受信端リフレクターを含み、ここで前記第1エコーは前記開孔を有する受信端リフレクターによって反射された後、前記第1探知器アレイに入射され、前記第2エコーは前記開孔を通過し、前記第2探知器アレイに入射される。
【0013】
本発明の1つの態様によれば、前記レーザーレーダーは、回転軸と、前記回転軸周りに回転可能な光学器械ロータであって、前記の第1送信ユニット及び第2送信ユニットと、送信端光学アセンブリ及び受信端光学アセンブリと、第1受信ユニット及び第2受信ユニットとを含む光学器械ロータと、を備え、ここで前記光学器械ロータは前記回転軸の上方に設けられ、又は前記回転軸は前記光学器械ロータを貫通する。
【0014】
本発明の1つの態様によれば、前記送信端光学アセンブリは第1送信レンズ及び第2送信レンズを含み、前記受信端光学アセンブリは第1受信レンズ及び第2受信レンズを含み、前記第1探知レーザービームは前記第1送信レンズによって出射され、前記第2探知レーザービームは前記第2送信レンズによって出射され、前記第1エコーは前記第1受信レンズによって前記第1探知ユニットに集束され、前記第2エコーは前記第2受信レンズによって前記第2探知ユニットに集束される。
【0015】
本発明の1つの態様によれば、前記レーザーレーダーは回転軸を備え、前記第1送信レンズ及び第2送信レンズは、前記回転軸を中心にほぼ180度対向し、前記第1受信レンズ及び第2受信レンズは、前記回転軸を中心にほぼ180度対向する。
【0016】
本発明の1つの態様によれば、前記第1送信レンズ及び第1受信レンズはテレセントリックレンズ群を含む。
【0017】
本発明の1つの態様によれば、前記第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームはレーザーレーダーの異なる垂直視野範囲に対応する。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、前記第1探知レーザービームのエネルギーは前記第2探知レーザービームよりも高い。
【0019】
本発明の1つの態様によれば、前記第1送信ユニット及び第2送信ユニットの両方とも、同一のPCB基板に設けられる複数のレーザー及びマルチチャネル駆動チップを含み、前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットの両方とも、同一のPCB基板に設けられる複数の探知器及びマルチチャネルフロントエンドチップを含む。
【0020】
本発明の1つの態様によれば、前記レーザーレーダーは、前記第1送信ユニット及び第2送信ユニットと、前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットとに結合され、且つ前記第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームの探知結果を融合して、点群を生成するデータ処理ユニットを更に備える。
【0021】
本発明の実施例は、小さなFOVでの遠距離探知及び大きなFOVでの近距離探知を融合できる解決手段を提案し、本発明の実施例のレーザーレーダーによれば、コンパクトな構造を保証するとともに、大きな垂直視野角での近距離探知及び小さな垂直視野角での遠距離探知を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示を構成する一部の図面は、本開示を更に理解させるためのものであり、本開示の例示的な実施例及びその説明は本開示を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面の説明を次に記載する。
【0023】
【
図1】従来の遠距離探知用のレーザーレーダー及び近距離探知用のレーザーレーダーを組み合わせた使用を示す模式図である。
【
図2a】小さな垂直FOVでの遠距離探知用のレーザーレーダーの長焦点距離光路を示す模式図である。
【
図2b】大きな垂直FOVでの近距離探知用のレーザーレーダーの短焦点距離光路を示す模式図である。
【
図3a】大きな垂直FOVでの遠距離探知と近距離探知を両立したレーザーレーダーの長焦点距離光路を示す模式図である。
【
図3b】大きな垂直FOVでの遠距離探知と近距離探知を両立したレーザーレーダーの短焦点距離光路を示す模式図である。
【
図4a】本発明の1つの実施例に係るレーザーレーダーの送信側の光路構造を示す模式図である。
【
図4b】本発明の1つの実施例に係るレーザーレーダーの送信側の光路構造を示す模式図である。
【
図4c】本発明の1つの実施例に係るレーザーレーダーの受信側の光路構造を示す模式図である。
【
図5】本発明の1つの実施例に係るデュアル焦点距離構造を有するレーザーレーダーの平面視模式図である。
【
図6】本発明の別の実施例に係る複数のリフレクターを有するレーザーレーダーを示す模式図である。
【
図7a】非貫通式レーザーレーダーを示す模式図である。
【
図7b】貫通式レーザーレーダーを示す模式図である。
【
図8】本発明の別の実施例に係るレーザーレーダーを示す模式図である。
【
図9】本発明の1つの実施例に係るレーザーレーダー用のテレセントリックレンズ群を示す。
【
図10a】本発明の1つの実施例に係る送信ユニットを示す。
【
図10b】本発明の1つの実施例に係る受信ユニットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下において、単にいくつかの例示的な実施例を簡単に説明する。本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、説明された実施例を様々な方式によって変更できることは、当業者に自明である。したがって、図面及び説明は実質的に限定的ではなく例示的なものとみなすべきである。
【0025】
本発明の説明では、理解すべきところとして、用語の「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」等で示す方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を容易に説明し記述を簡略化するためのものに過ぎず、記載される装置又は素子は必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成、操作されたりすることを明示又は暗示することがないため、本発明を限定するものと理解してはならないことである。また、用語の「第1」、「第2」は単に説明するためのものに過ぎず、相対的重要性を明示又は暗示するか又は明示された技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解すべきではない。したがって、「第1」、「第2」と限定される特徴は1つ又は複数の該特徴を含むことを明示又は暗示することが可能である。本発明の説明では、特に断らない限り、「複数」は2つ又は2つ以上を意味する。
【0026】
本発明の説明では、理解すべきところとして、明確に規定、限定しない限り、用語の「取り付ける」、「連結する」、「接続する」を広義的に理解すべきであり、例えば、固定的に接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は、一体的に接続してもよく、機械接続してもよく、電気的に接続してもよく、又は、互いに通信してもよく、直接接続してもよく、中間媒介を介して間接的に接続してもよく、2つの素子内部の連通、又は2つの素子の相互作用関係であってもよいことである。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明での具体的な意味を理解することができる。
【0027】
本発明では、特に明確に規定、限定しない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1と第2特徴が直接接触する場合を含んでもよいし、第1と第2特徴が直接接触せず、それらの間の別の特徴を介して接触する場合を含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上方にある場合を含み、又はただ第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを意味する。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「以下」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下方にある場合を含み、又はただ第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことを意味する。
【0028】
以下の開示では、本発明の異なる構造を実現するために様々な実施形態又は例を提供する。本発明の開示を簡略化するために、以下において特定例の部品及び設定を説明する。当然ながら、これらは例示的なものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。また、本発明は異なる例において参照数字及び/又は参照文字を重複使用することができるが、このような重複は簡略化及び明確化のためのものであり、それ自体は検討された各種の実施形態及び/又は設定間の関係を示すものではない。なお、本発明は各種の特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば他のプロセスの応用及び/又は他の材料の使用を想到し得る。
【0029】
従来の光電デバイス(レーザー、探知器)のもとに、レーザーレーダーが高さを著しく増加させることなく遠距離探知性能と近距離探知性能を両立できるよう、本発明の発明者は、レーザーレーダーにおいて、それぞれ複数の送信ユニット及び複数の受信ユニット、例えば2つの送信ユニット及び2つの受信ユニットを設けて、その1つの送信ユニット及び1つの受信ユニットが、小さなFOVで遠距離の目標物を探知するためのものであり、別の送信ユニット及び別の受信ユニットが、大きなFOVで近距離の目標物を探知するためのものであり、そして送信レンズ及び受信レンズを配備し、そのうち、複数の送信ユニットから出射された異なる探知レーザービームが異なる光路を経て送信レンズに到達し、送信レンズを通して周囲の環境に出射され、目標物上で生成されたエコーが前記受信レンズからそれぞれ異なる光路を経て異なる受信ユニットに到達し、即ち1つの送信ユニットと1つの受信ユニットからなる送受信ペアと、別の送信ユニットと別の受信ユニットからなる送受信ペアが、異なる焦点距離に対応することにより、本発明の実施例に係るレーザーレーダーに、大きなFOVでの近距離探知及び小さなFOVでの遠距離探知という機能を両方とも統合することができるという思想にたどり着いた。
【0030】
以下において図面を参照しながら本発明の好ましい実施例を説明する。本明細書に記載された好ましい実施例は本発明を説明及び解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【0031】
図4a、4b及び4cは本発明の1つの実施例に係るレーザーレーダー100を示す原理図であり、そのうち
図4a及び4bはレーザーレーダーの送信側の光路構造を示し、
図4cはレーザーレーダーの受信側の光路構造を示す。以下において図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図4aに示すように、レーザーレーダー100は送信側に第1送信ユニット101及び第2送信ユニット102を備え、そのうち第1送信ユニット101は、第1探知レーザービームL1を送信するための、回路基板に設けられた第1レーザーアレイを含み、第2送信ユニット102は同様に、第2探知レーザービームL2を送信するための、回路基板に設けられた第2レーザーアレイを含む。前記第1レーザーアレイ及び第2レーザーアレイにおけるレーザーは、垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)又は端面発光型レーザー(EEL)を含んでもよい。
【0033】
レーザーレーダー100は、第1探知レーザービームL1及び第2探知レーザービームL2を変調、例えばコリメートして、目標物を探知するためにレーザーレーダー周囲の環境に出射させるための送信端光学アセンブリを更に備える。
図4aに示すように、送信端光学アセンブリは送信レンズ103を含み、送信レンズ103は、第1探知レーザービームL1及び第2探知レーザービームL2をコリメートすることができるように構成される。
図4aに示すように、第1探知レーザービームL1及び第2探知レーザービームL2は、それぞれ前記第1送信ユニット101及び第2送信ユニット102から出射された後、異なる光路を経て送信レンズ103に到達し、ここで第1探知レーザービームL1が経た光路は、例えば第2探知レーザービームL2が経た光路よりも長い。
【0034】
第1探知レーザービームL1と第2探知レーザービームL2が異なる光路を有するよう、例えば、前記第1送信ユニット101及び第2送信ユニット102をそれぞれ前記送信レンズ103から異なる位置に設けてもよい。好ましくは、前記第1送信ユニット101の第1レーザーアレイが前記送信レンズ103の焦平面に設けられ、前記第2送信ユニット102の第2レーザーアレイと前記送信レンズ103との間の距離が前記送信レンズ103の焦点距離よりも小さい。
【0035】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、
図4aに示すように、前記レーザーレーダーは、前記第2送信ユニット102の第2レーザーアレイと前記送信レンズ103との間に設けられる送信端ズームレンズ104を更に備え、第2探知レーザービームL2は、前記送信端ズームレンズ104及び前記送信レンズ103を経てレーザーレーダーの外部に出射される。
図4aに示すように、第2探知レーザービームL2は送信端ズームレンズ104を経た後、その方向又は発散度に一定の変化が生じ、そして送信レンズ103に入射され、レーザーレーダーの外部に出射される。好ましくは、前記第2送信ユニット102の第2レーザーアレイが送信端ズームレンズ104と送信レンズ103からなるレンズ群の焦平面に位置し、送信端ズームレンズ104と送信レンズ103からなるレンズ群の相当焦点距離が送信レンズ103の焦点距離よりも小さい。
【0036】
また、
図4a、4b及び
図4cは本発明の1つの実施例に係るレーザーレーダー100の原理図だけでなく、
図4a及び4bは送信側の第1送信ユニット101と第2送信ユニット102の同軸配置を示す模式図でもあり、即ち第1送信ユニット101及び第2送信ユニット102はいずれも送信レンズ103の光軸OOに沿って配置される。異なる方式によって第1送信ユニット101と第2送信ユニット102の同軸配置を実現することができる。例えば、第1探知レーザービームL1を通過させるために、第2送信ユニット102の回路基板に開口を開け、送信端ズームレンズ104の中心に開口を開けてもよく、したがって、第1探知レーザービームL1は送信端ズームレンズ104によって変調されない。この場合、第1送信ユニット101の第1レーザーアレイは、回路基板のほぼ中間位置に位置して密に設けてもよい。第2送信ユニット102の第2レーザーアレイは、回路基板のほぼ縁位置に位置して疎に設けてもよい。また、又は代替的に、
図4bに示すように、第2送信ユニット102は上下2部分に分割され、互いに隔てられてもよく、送信端ズームレンズ104は2部分に分割され、互いに隔てられてもよく、第2送信ユニット102の中間間隔領域、及び送信端ズームレンズ104の中間間隔領域は、第1探知レーザービームL1を通過させるために用いることができる。また、上記実施例を組み合わせて、例えば、第2送信ユニット102の回路基板の中間に穴を開け、送信端ズームレンズ104を2部分に分割してもよく、又はその逆であってもよい。
【0037】
また、当業者であれば、マイクロレンズアレイMLAによって前記送信端ズームレンズ104を実現することも考慮に入れることができ、例えば、前記第2送信ユニット102の第2レーザーアレイにおける各レーザーの光路の下流にマイクロレンズを設けると、第2探知レーザービームL2はマイクロレンズによって変調されてから送信レンズ103に投射される。これに加えて、他の設置方式を考えることもでき、以下の実施例において詳細に説明する。
【0038】
図4a及び4bの構造において、送信レンズ103は通常の遠距離探知用のレーザーレーダーの設計を採用してもよく、焦点距離が大きく、第1送信ユニット101の第1レーザーアレイは送信レンズ103の焦平面に直接設けられ、小さなFOV範囲内で高ビームライン高分解能を容易に実現することができる。第2送信ユニット102に1つの送信ズームレンズ104が増設され、送信ズームレンズ104と送信レンズ103からなるレンズ群の焦点距離が小さく、送信レンズ103の焦点距離よりも小さいため、大きなFOVでの近距離探知走査を実現することができ、同時に、レーザーの発光面の高さも高くないため、コンパクトな構造を実現することができる。第1探知レーザービームL1(遠距離探知光線)と第2探知レーザービームL2(近距離探知光線)は垂直視野において重ならず、近距離探知用と遠距離探知用のレーザーの出射光は異なるエネルギーを有することが好ましい。本発明の1つの好ましい実施例によれば、遠距離探知用の第1探知レーザービームL1のエネルギーは、近距離探知用の第2探知レーザービームL2のエネルギーよりも高い。
【0039】
図4cに示すように、レーザーレーダー100は、受信側に第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106を備え、前記第1受信ユニット105は第1探知器アレイを含み、前記第2受信ユニット106は第2探知器アレイを含み、前記第1探知器アレイと第2探知器アレイには、各種のタイプの光電探知器、例えばアバランシェフォトダイオードAPD、単一光子アバランシェダイオードSPAD又はシリコン光電子増倍管SiPMが含まれてもよい。第1探知レーザービームL1及び第2探知レーザービームL2は、目標物上で拡散反射された後、それぞれ第1エコーL1’及び第2エコーL2’を生成してレーザーレーダーに返し、受信レンズ107によって第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106に集束させ、第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106は、後続の回路が信号処理及び分析を行えるよう、それぞれ第1エコーL1’及び第2エコーL2’を受信して電気信号に変換するように構成される。ここで、第1エコーL1’及び第2エコーL2’は前記受信レンズ107からそれぞれ異なる光路を経て前記第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106に到達し、そのうち第1エコーL1’が経た光路は、例えば第2エコーL2’が経た光路よりも長い。
【0040】
第1エコーL1’と第2エコーL2’がそれぞれ異なる光路を経て前記第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106に到達するよう、前記第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106をそれぞれ前記受信レンズ107から異なる位置に設けてもよい。例えば、前記第1受信ユニット105の第1探知器アレイを前記受信レンズ107の焦平面に設け、前記第2受信ユニット106の第2探知器アレイと前記受信レンズ107との間の距離を前記受信レンズ107の焦点距離よりも小さくすることができる。
【0041】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、
図4cに示すように、前記レーザーレーダー100は受信側に受信端ズームレンズ108を更に備え、前記受信端ズームレンズ108は前記第2受信ユニット106の第2探知器アレイと前記受信レンズ107との間に設けられ、第2エコーL2’は前記受信レンズ107及び前記受信端ズームレンズ108を経て前記第2探知器アレイに入射される。
図4cに示すように、第2エコーL2’は受信端ズームレンズ108を経た後、その方向又は発散度に一定の変化が生じ、そして前記第2探知器アレイに入射される。前記第2受信ユニット106の第2探知器アレイは受信端ズームレンズ108と受信レンズ107からなるレンズ群の焦平面に位置し、受信端ズームレンズ108と受信レンズ107からなるレンズ群の相当焦点距離は受信レンズ107の焦点距離よりも小さいことが好ましい。
【0042】
また、当業者であれば、マイクロレンズアレイMLAによって前記受信端ズームレンズ108を実現することも考慮に入れることができ、例えば、前記第2エコーL2’を変調するために、第2受信ユニット106の第2探知器アレイにおける各探知器の光路の上流にマイクロレンズを設けることができる。
【0043】
また、
図4a、4b及び
図4cは本発明の1つの実施例に係るレーザーレーダー100の原理図だけでなく、
図4cは受信側の第1受信ユニット105と第2受信ユニット106の同軸配置を示す模式図でもあり、即ち第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106はいずれも受信レンズ107の光軸O’O’に沿って配置される。同様に、異なる方式によって第1受信ユニット105と第2受信ユニット106の同軸配置を実現することができる。例えば、第1エコーL1’を通過させるために、第2受信ユニット106の回路基板に開口を開け、受信端ズームレンズ108の中心に開口を開けてもよく、したがって、第1エコーL1’は受信端ズームレンズ108によって変調されない。この場合、第1受信ユニット105の第1探知器アレイは、回路基板のほぼ中間位置に位置して密に設けてもよい。第2受信ユニット106の第2探知器アレイは、回路基板のほぼ縁位置に位置して疎に設けてもよい。
【0044】
また、又は代替的に、第2受信ユニット106は上下2部分に分割され、互いに隔てられてもよく、受信端ズームレンズ108は2部分に分割され、互いに隔てられてもよく、第2受信ユニット106の中間間隔領域、及び受信端ズームレンズ108の中間間隔領域は、第1探知レーザービームL1を通過させるために用いることができる。また、上記実施例を組み合わせて、例えば、第2受信ユニット106の回路基板の中間に穴を開け、送信端ズームレンズ104を2部分に分割してもよく、又はその逆であってもよい。
【0045】
また、当業者であれば、マイクロレンズアレイMLAによって前記受信端ズームレンズ108を実現することも考慮に入れることができ、例えば、第2受信ユニット106の第2探知器アレイにおける各探知器の光路の上流にマイクロレンズを設けると、受信レンズ107を通過した第2エコーL2’はマイクロレンズによって変調されてから探知器に入射される。これに加えて、他の方式で設けることもでき、以下の実施例において詳細に説明する。
【0046】
受信レンズ107は通常の遠距離探知用のレーザーレーダーの設計を採用してもよく、焦点距離が大きく、第1受信ユニット105の第1探知器アレイは受信レンズ107の焦平面に直接設けられ、小さなFOV範囲内で高ビームライン高分解能を容易に実現することができる。第2受信ユニット106の付近に受信ズームレンズ108が増設され、受信ズームレンズ108と受信レンズ107からなるレンズ群の焦点距離が小さく、受信レンズ107の焦点距離よりも小さいため、大きなFOVを実現することができ、同時に、探知器の受光面の高さも高くないため、コンパクトな構造を実現することができる。本発明の1つの好ましい実施例によれば、遠距離探知用の第1受信ユニット105の第1探知器アレイの感度は近距離探知用の第2受信ユニット106の第2探知器アレイの感度よりも高い。
【0047】
本発明の
図4a、4b及び
図4cに示すレーザーレーダーはデュアル焦点距離構造のレーザーレーダーであるため、レーザーレーダー100は、高さを著しく増加させることなく大きな垂直FOVでの近距離探知及び小さな垂直FOVでの遠距離探知の機能を両方とも実現することができる。具体的には、レーザーレーダーの送信側にそれぞれ第1探知レーザービーム(遠距離探知用)及び第2探知レーザービーム(近距離探知用)を送信するための2つの送信ユニットが設けられ、受信側にそれぞれ第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームによって生成されたエコーを受信する、即ちそれぞれ遠距離探知と近距離探知を行うための2つの受信ユニットが設けられ、1つの送信ユニットと1つの受信ユニットからなる送受信ペア(遠距離探知用)と、別の送信ユニットと別の受信ユニットからなる送受信ペア(近距離探知用)は異なる焦点距離に対応し、これによってコンパクトな構造でレーザーレーダーの遠距離探知性能と近距離探知性能が両立する。
【0048】
図5は、同様にデュアル焦点距離構造を有する本発明の1つの実施例に係るレーザーレーダー100の平面視模式図を示す。
図4a、4b及び
図4cとは異なり、
図5における第1送信ユニット101及び第2送信ユニット102は同軸に配置されておらず、即ち送信レンズ103の光軸OOに沿って配置されておらず、及び第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106は同軸に配置されておらず、即ち受信レンズ107の光軸O’O’に沿って配置されていない。
図5に示すように、レーザーレーダー100は送信側に第1送信ユニット101、第2送信ユニット102、送信レンズ103及び送信ズームレンズ104以外に、第1送信ユニット101と送信レンズ103との間に位置し、第1探知レーザービームL1を受信するための送信端リフレクター109を更に備え、第1探知レーザービームL1は前記送信端リフレクター109によって反射された後、前記送信レンズ103を経て出射される。第2送信ユニット102によって送信された第2探知レーザービームL2は前記送信ズームレンズ104によって変調された後、前記送信レンズ103を経て出射される。好ましくは、
図5に示すように、第2送信ユニット102及び送信ズームレンズ104の位置は前記第1探知レーザービームL1の伝播経路を避けるように設定され、第1探知ビームL1及び第2探知レーザービームL2はいずれもレンズの中心に向かって出射され、第1探知ビームL1及び第2探知レーザービームL2は水平方向(
図5において、図面の方向は水平方向であり、図面に垂直な方向は垂直方向である)に小さな角度差(
図4a、4b及び
図4cにおける該角度差は0である)があり、
図4a、4b及び
図4cにおける実施例と比べて、
図5における実施例はリフレクター109を設けることによって、レーザーレーダー送信側の構造をよりコンパクトにすることができる(高さがより低い)。
【0049】
同様に、受信側において、レーザーレーダー100は第1受信ユニット105、第2受信ユニット106、受信レンズ107及び受信ズームレンズ108以外に、第1受信ユニット105と受信レンズ107との間に位置し、第1エコーL1’を受信するための受信端リフレクター110を更に備え、第1エコーL1’は前記受信端リフレクター110によって反射された後、前記第1受信ユニット105に入射される。第2エコーL2’は前記受信レンズ107及び前記受信ズームレンズ108を経て第2受信ユニット106に入射される。好ましくは、
図5に示すように、第2受信ユニット106及び受信ズームレンズ108の位置は前記第1エコーL1’の伝播経路を避けるように設定される。リフレクター110を設けることによって、レーザーレーダー受信側の構造をよりコンパクトにすることができる。第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106は信号処理ユニットを共有することができる。
【0050】
図5に示す実施例において、それぞれレーザーレーダーの送信側及び受信側にリフレクターを設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のリフレクターを設けてもよく、またそれぞれ第2探知レーザービームL2及び第2エコーL2’の方向を変更するためのリフレクターを設けてもよく、これらは本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【0051】
図5に示す実施例において、第1送信ユニット101のレーザーアレイから出射される遠距離探知光線は、送信端リフレクター109によって1回反射されて折り返された後、送信レンズ103(メイン送信レンズ)を経て出射され、遠距離探知光線の障害物によって反射されたエコーは受信レンズ107(メイン受信レンズ)によって受信された後、受信端リフレクター110によって1回反射されて折り返された後、第1受信ユニット105の探知器アレイによって探知され、その後、後続の処理ユニットによって処理され、距離測定データが得られる。上記探知過程は小さなFOVでの遠距離探知に対応する。
【0052】
第2送信ユニット102のレーザーアレイから出射される近距離探知光線は、送信端ズームレンズ104を経て送信レンズ103によって出射され、近距離探知光線の障害物によって反射されたエコーは受信レンズ107によって受信された後、受信端ズームレンズ108を経て第2受信ユニット106の探知器アレイによって探知され、その後、後続の処理ユニットによって処理され、距離測定データが得られる。上記探知過程は大きなFOVでの近距離探知に対応する。第1受信ユニット105の探知器アレイ及び第2受信ユニット106の探知器アレイの読み出し信号は信号処理ユニットを共有することができる。
【0053】
図6は本発明の別の実施例に係るレーザーレーダーを示す。
図6における第1送信ユニット101及び第2送信ユニット102は同様に、同軸に配置されておらず、即ち送信レンズ103の光軸OOに沿って配置されておらず、及び第1受信ユニット105及び第2受信ユニット106も非同軸に配置されておらず、即ち受信レンズ107の光軸O’O’に沿って配置されていない。
図5における実施例とは異なり、
図6における実施例のレーザーレーダーは複数のリフレクターを有する。
図6示すように、レーザーレーダー100の送信側に、第1送信ユニット101、第2送信ユニット102、送信レンズ103及び送信ズームレンズ104以外に、第1送信ユニット101と送信レンズ103との間に順に位置し、第1探知レーザービームL1を反射するための第1送信端リフレクター109及び第2送信端リフレクター111を更に備え、第1探知レーザービームL1は順に前記第1送信端リフレクター109及び第2送信端リフレクター111によって反射された後、前記送信レンズ103を経て出射される。第2送信ユニット102から送信された第2探知レーザービームL2は前記送信ズームレンズ104によって変調された後、前記送信レンズ103を経て出射される。好ましくは、
図6示すように、第1送信端リフレクター109の位置は前記第2探知レーザービームL2の伝播経路を避けるように設定され、
図6示すように、第2送信端リフレクター111は前記第2探知レーザービームL2の伝播経路に設けられ、前記第2探知レーザービームL2が通過できるように、第2送信端リフレクター111に穴を開けてもよく、第2送信端リフレクター111の他の位置は第1探知レーザービームL1を反射するために用いられる。
【0054】
同様に、受信側に、レーザーレーダー100は第1受信ユニット105、第2受信ユニット106、受信レンズ107及び受信ズームレンズ108以外に、第1受信ユニット105と受信レンズ107との間に順に位置し、第1エコーL1’を反射するための第1受信端リフレクター110及び第2受信端リフレクター112を更に備え、第1エコーL1’は順に前記第2受信端リフレクター112及び第1受信端リフレクター110によって反射された後、前記第1受信ユニット105に入射される。第2エコーL2’は前記受信レンズ107及び前記受信ズームレンズ108を経て第2受信ユニット106に入射される。好ましくは、
図6示すように、第1受信端リフレクター110の位置は前記第2エコーL2’の伝播経路を避けるように設定され、
図6示すように、第2受信端リフレクター112は前記第2エコーL2’の伝播経路に設けられ、前記第2エコーL2’が通過できるように、第2受信端リフレクター112に穴を開けてもよく、第2受信端リフレクター112の他の位置は第1エコーL1’を反射するために用いられる。
【0055】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、
図7に示すように、レーザーレーダーは、回転軸と、前記回転軸周りに回転可能な光学器械ロータとを備え、
図4a、
図4b、
図4c、
図5及び
図6に示すレーザーレーダーの送信側及び受信側の光学部品及び電子部品はいずれも前記光学器械ロータに集積される。
図7aに示すように、光学器械ロータは前記回転軸の上方に設けられ、即ちレーザーレーダーの回転軸は光学器械ロータから突出されていない。このような非貫通構造によって、回転軸は前記光学器械ロータに伸びないため、光学器械ロータに光学部品及び電子部品を設けるためのより大きなスペースを提供することができ、又は部品が同じである場合、光学機器の体積及びレーザーレーダーの体積を減少させることができる。当然ながら、本発明は非貫通構造のレーザーレーダーに限定されるものではなく、
図7b示すように、レーザーレーダーの回転軸は前記光学器械ロータを貫通してもよく、貫通軸の構造は回転安定性にさらに有利であり、これらは本発明の保護範囲内に含まれるものとする。特に好ましくは、
図5における実施例のレーザーレーダーは非貫通軸構造を有し、
図6における実施例のレーザーレーダーは貫通軸構造を有する。
【0056】
図8は本発明の別の実施例に係るレーザーレーダー200を示す。
図8の実施例において、レーザーレーダーの第1送信ユニット及び第2送信ユニットから出射された第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームは、それぞれ異なる送信レンズを通過して出射され、これに応じて、第1エコー及び第2エコーはそれぞれ異なる受信レンズを通過して第1受信ユニット及び第2受信ユニットによって受信され、同様に第1送信ユニットと第1受信ユニットからなる送受信ペア(遠距離探知用)と、第2送信ユニットと第2受信ユニットからなる送受信ペア(近距離探知用)は異なる焦点距離に対応し、以下において
図8を参照しながら詳細に説明する。
【0057】
図8に示すように、レーザーレーダー200は送信側に、目標物を探知するためにそれぞれ第1探知レーザービームL1及び第2探知レーザービームL2を送信するように構成される第1送信ユニット201及び第2送信ユニット202を備える。送信端光学アセンブリは、それぞれ第1探知レーザービームL1及び第2探知レーザービームL2を変調してレーザーレーダー200の外部に出射させるための第1送信レンズ203-1及び第2送信レンズ203-2を含む。また、レーザーレーダー200は送信側に、第1送信ユニット201と第1送信レンズ203-1との間に順に設けられ、順に第1探知レーザービームL1を反射するための第1送信端リフレクター209及び第2送信端リフレクター211を更に備える。当業者であれば、第1送信端リフレクター209及び第2送信端リフレクター211は必ずしも必要なものではなく、送信端リフレクターを設けなくてもよく、又は他の数の送信端リフレクターを設けてもよく、光路の要件及び機械的構造のレイアウト要件を満たせば良いことを容易に理解できる。
図8において、第2送信ユニット202から出射された第2探知レーザービームL2は第2送信レンズ203-2に直接入射され、変調(例えばコリメート)されて出射される。第2送信ユニット202と第2送信レンズ203-2との間に1つ又は複数のリフレクターを設けてもよく、これらは本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
図8に示すように、前記第1送信レンズ203-1と第2送信レンズ203-2は、レーザーレーダーの回転軸(
図8における黒い円で示される通り)を中心にほぼ180度対向する。
図8の構造によって、近距離探知用の光路構造及び遠距離探知用の光路構造は互いに独立するようになり、上記実施例の構造に比べて、
図8の構造の取付・調整はより便利である。また180度対向することで、設計及び後続の信号処理は容易になり、近距離探知及び遠距離探知のデータは水平方向に180度の角度差を有するようになる。第1送信ユニット201は、例えば、第1送信レンズ203-1の焦平面に設けられ、第2送信ユニット202は、例えば、第2送信レンズ203-2の焦平面に設けられる。
【0058】
図8に示すように、レーザーレーダー200は受信側に、それぞれ前記第1探知レーザービームL1及び第2探知レーザービームL2の目標物によって反射された第1エコーL1’及び第2エコーL2’を受信して電気信号に変換するように構成される第1受信ユニット205及び第2受信ユニット206を備える。受信端光学アセンブリは、それぞれ第1エコーL1’及び第2エコーL2’を受信するための第1受信レンズ207-1及び第2受信レンズ207-2を含む。
図8に示すように、第1受信レンズ207-1は第1送信レンズ203-1の横に設けてもよく、第2受信レンズ207-2は第2送信レンズ203-2の横に設けてもよい。また、レーザーレーダー200は受信側に、第1受信ユニット205と第1受信レンズ207-1との間に順に設けられ、順に第1エコーL1’を反射するための第1受信端リフレクター210及び第2受信端リフレクター212を更に備える。当業者であれば、第1受信端リフレクター210と第2受信端リフレクター212は必ずしも必要なものではなく、受信端リフレクターを設けなくてもよく、又は他の数の受信端リフレクターを設けてもよく、光路の要件及び機械構造のレイアウト要件を満たせば良いことを容易に理解できる。
図8において、第2エコーL2’は受信レンズ207-2を経て第2受信ユニット206に直接集束され、電気信号に変換される。第2受信ユニット206と第2受信レンズ207-2との間に1つ又は複数のリフレクターを設けてもよく、これらは本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
図8に示すように、前記第1受信レンズ207-1と第2受信レンズ207-2は、レーザーレーダーの回転軸(
図8における中心の黒い円で示される通り)を中心にほぼ180度対向する。第1受信ユニット205は、例えば、第1受信レンズ207-1の焦平面に設けられ、第2受信ユニット206は、例えば、第2受信レンズ207-2の焦平面に設けられる。
図8に示すレーザーレーダー200は、貫通軸構造であってもよく、非貫通軸構造であってもよく、好ましくは非貫通軸構造である。
【0059】
図8に示すように、第1探知レーザービームL1と第2探知レーザービームL2はそれぞれ前記第1送信ユニット201及び第2送信ユニット202から出射された後、異なる光路を経て前記第1送信レンズ203-1及び第2送信レンズ203-2に到達し、前記第1エコー及び第2エコーは受信レンズからそれぞれ異なる光路を経て前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットに到達する。
【0060】
図8の実施例において、第1送信レンズ203-1は、例えば、大きな焦点距離を有し、第1受信レンズ207-1は、例えば、大きな焦点距離を有し、第1送信ユニット201及び第1受信ユニット205と組み合わせて、小さなFOVでの遠距離探知に用いられる。第2送信レンズ203-2は、例えば、小さい焦点距離を有し、第2受信レンズ207-2は、例えば、小さい焦点距離を有し、第2送信ユニット202及び第2受信ユニット206と組み合わせて、大きなFOVでの近距離探知に用いられる。
【0061】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記第1送信ユニット201及び第2送信ユニット202におけるレーザーは、PCB基板に対して垂直に送信するように構成される垂直共振器型面送信レーザー(VCSEL)を含み、第1受信ユニット205及び第2受信ユニット206の探知器(アレイ)は、例えば、単一光子探知器SiPM又はSPADアレイを含む。また、近距離探知用の光電デバイス及び遠距離探知用の光電デバイスは回転プラットフォームを共有することができ、無線の方式によって電力供給及び信号伝送を行う。好ましくは、
図8に示す実施例において、ロータの近距離探知モジュール及び遠距離探知モジュールを収容するスペースを増加させるために、レーザーレーダー200は非貫通軸構造(
図7aに示すような構造)であり、即ちレーザーレーダーの回転軸はロータから突出されていない。
【0062】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、第1送信レンズ203-1及び第1受信レンズ207-1は、例えば、テレセントリックレンズ群であることが好ましく、
図9に示すように、レンズ全体の高さを減少させ、構造をよりコンパクトにすることができる。第1送信ユニット201の光路の下流に、前記第1送信レンズ203-1の焦平面の付近に位置する第1視野レンズ213を設け、第1受信ユニット205の光路の上流に、前記第1受信レンズ207-1の焦平面の付近に位置する第2視野レンズ214を設けてもよい。第1視野レンズ213及び第2視野レンズ214を設けることによって、光路を光軸に引き戻すことができ、同時に、遠距離探知用の第1送信レンズ203-1及び第1受信レンズ207-1は焦点距離が長く、垂直視野が小さく、近距離探知用の第2送信レンズ203-2及び第2受信レンズ207-2は焦点距離が短く、垂直視野が大きいが、両者の焦平面の高さは比較的近くなり得る。したがって、遠距離探知と近距離探知の光路の高さの差がほとんどないため、レーザーレーダーの全体的な高さは非常にコンパクトで合理的である。
【0063】
また、好ましくは、第1送信ユニット101、201及び第2送信ユニット102、202のそれぞれのレーザーアレイの駆動回路を、それぞれチップ(マルチチャネル駆動チップ)に集積することができ、例えば、
図10aに示すように、レーザーアレイは8つのレーザーを含み、4つごとのレーザーの駆動回路は1つのマルチチャネル駆動チップに集積され、これにより、レーザーアレイは2つのマルチチャネル駆動チップに対応するようになり、複数のレーザー及び対応するマルチチャネル駆動チップは同一のPCB基板に設けられる。好ましくは、第1受信ユニット105、205及び第2受信ユニット106、206の探知器アレイの読み出し回路は同様にチップ(マルチチャネルアナログフロントエンドチップ)に集積され、例えば、
図10bに示すように、探知器アレイは32個の探知器を含み、16個ごとの探知器の読み出し回路は1つのマルチチャネルアナログフロントエンドチップに集積され、これにより、探知器アレイは2つのマルチチャネルアナログフロントエンドチップに対応するようになり、複数の探知器及びマルチチャネルアナログフロントエンドチップは同一のPCB基板に設けられる。このような方法によって、回路部分のロータにおける占有スペースをさらに減少させることができ、近距離探知及び遠距離探知モジュールの収容にさらに有利であり、レーザーレーダー構造がよりコンパクトになる。
【0064】
本発明のレーザーレーダーは、前記第1送信ユニット及び第2送信ユニットと、前記第1受信ユニット及び第2受信ユニットとに結合され、且つ前記第1探知レーザービーム及び第2探知レーザービームの探知結果を融合して、点群を生成するデータ処理ユニットを更に備えてもよい。
【0065】
上記実施例から分かるように、本発明はデュアル焦点距離による分離設計を採用し、高分解能小FOVでの遠距離探知と低分解能大FOVでの近距離探知が両立するとともに、レーザーと探知器の高さが著しく増加せず、構造がコンパクトであり、レーザーレーダーの車両での取り付けに有利である。
【0066】
本発明の実施例のレーザーレーダーには、大きなFOVでの近距離探知と小さなFOVでの遠距離探知が同時に統合されている。ズーム構造を採用することによって、大きなFOVでの近距離探知器は、遠距離探知器と同一の焦点距離になる必要がなく、探知器パネルの高さが大幅に減少する。メインレンズを共有する解決手段について、近距離探知と遠距離探知の2部分の光線は同一組の送受信メインレンズから送信され、したがって近距離探知と遠距離探知の水平角度の差は小さくなり、近距離探知と遠距離探知では同一物体を走査する時間の差は小さくなり、近距離探知と遠距離探知による点群はより容易に融合できる。
【0067】
本発明は、小さなFOVでの遠距離探知と大きなFOVでの近距離探知を両立できる解決手段を提案し、大きなFOVでの近距離探知器についてズーム構造を採用し、遠距離探知器と同一の焦点距離になる必要がなく、大きなFOVでの近距離探知器パネルの高さが大幅に減少し、これによってレーザーレーダーの高さは高くする必要がなく、構造全体のコンパクト性が向上する。
【0068】
最後に説明すべきことは、以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するためのものではなく、上記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として上記各実施例に記載された技術的解決手段を修正し、又はその一部の技術的特徴を同等物に置換することができる点である。本発明の精神及び原則内において行われる任意の修正、同等の置換、改良等は、全て本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【国際調査報告】