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特表2024-514856車両用のハイブリッド駆動システム及び車両
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  • 特表-車両用のハイブリッド駆動システム及び車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】車両用のハイブリッド駆動システム及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/365 20071001AFI20240327BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20240327BHJP
   B60K 6/40 20071001ALI20240327BHJP
   B60K 6/547 20071001ALI20240327BHJP
   F16H 1/46 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
B60K6/365
B60K6/48 ZHV
B60K6/40
B60K6/547
F16H1/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562343
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2022058661
(87)【国際公開番号】W WO2022218724
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】102021001879.6
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】ギット,カーステン
(72)【発明者】
【氏名】ヘアター,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ハーン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】コルブ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】リードル,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】シルダー,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ツァイビッヒ,ヨナタン
【テーマコード(参考)】
3D202
3J027
【Fターム(参考)】
3D202AA08
3D202EE11
3D202EE23
3D202FF07
3D202FF13
3J027FA36
3J027FB01
3J027GA01
3J027GB02
3J027GB09
3J027GC13
3J027GC24
3J027GC26
3J027GD02
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD09
3J027GD12
3J027GE01
3J027GE11
3J027GE29
(57)【要約】
【課題】ハイブリッド駆動システムの構造空間及びコストに関して特に好適な構造を実現することができる自動車用のハイブリッド駆動システム並びに車両を提供する。
【解決手段】本発明は、第1の出力シャフト(24)を有する内燃機関(18)と、第2の出力シャフトとしてのロータシャフト(34)を備えたロータ(32)を有する電気機械(28)と、4軸式の第1の遊星機構(40)、第2の遊星機構(44)、第1のシフト部材(46a)、第2のシフト部材(46b)、第3のシフト部材(46c)、及び第3の出力シャフト(62)を有する伝動装置(38)とを備え、4軸式の第1の遊星機構(40)は、第1のシャフト(42a)と、第2のシャフト(42b)と、第3のシャフト(42c)と、第4のシャフト(42d)とを有し、第2の遊星機構(44)は、第1の部材(48)と、第2の部材(50)と、第3の部材(52)とを有し、第1のシャフト(42a)、第2のシャフト(42b)、第3のシャフト(42c)、及び第4のシャフト(42d)は、相互に相対回動可能であり、且つ第2のシフト部材(46b)を用いて、相互に相対回動不能に接続可能であり、第1の出力シャフト(24)は、相対回動不能に第1のシャフト(42a)に連結されているか、又は連結可能であり、ロータシャフト(34)は、ロータシャフト(34)から発するトルクを第2のシャフト(42b)を介して伝動装置(38)に導入可能であるように、第2のシャフトに連結されているか、又は連結可能であり、第3のシャフト(42c)は、第1のシフト部材(46a)を用いて、相対回動不能に第3の出力シャフト(62)に接続可能であり、第4のシャフト(42d)は、相対回動不能に第2の遊星機構(44)の第1の部材(48)に接続されているか、又は接続可能であり、第1のシャフト(42a)は、第1の遊星機構(40)の第1の太陽歯車(76)を含み、第3のシャフト(42c)は、第1の遊星機構(40)の第2の太陽歯車(78)を含む、車両用のハイブリッド駆動システム(16)に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の出力シャフト(24)を有する内燃機関(18)と、
第2の出力シャフトとしてのロータシャフト(34)を備えたロータ(32)を有する電気機械(28)と、
4軸式の第1の遊星機構(40)と、第2の遊星機構(44)と、第1のシフト部材(46a)と、第2のシフト部材(46b)と、第3のシフト部材(46c)と、第3の出力シャフト(62)とを有する伝動装置(38)と
を備え、
前記4軸式の第1の遊星機構(40)が、第1のシャフト(42a)と、第2のシャフト(42b)と、第3のシャフト(42c)と、第4のシャフト(42d)とを有し、
前記第2の遊星機構(44)が、第1の部材(48)と、第2の部材(50)と、第3の部材(52)とを有し、
前記第1のシャフト(42a)、前記第2のシャフト(42b)、前記第3のシャフト(42c)、及び前記第4のシャフト(42d)は、相互に相対回動可能であり、且つ前記第2のシフト部材(46b)を用いて、相互に相対回動不能に接続可能であり、
前記第1の出力シャフト(24)が、相対回動不能に前記第1のシャフト(42a)に連結されているか、又は連結可能であり、
前記ロータシャフト(34)が、前記ロータシャフト(34)から発するトルクを前記第2のシャフト(42b)を介して前記伝動装置(38)に導入可能であるように、前記第2のシャフトに連結されているか、又は連結可能であり、
前記第3のシャフト(42c)が、前記第1のシフト部材(46a)を用いて、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続可能であり、
前記第4のシャフト(42d)が、相対回動不能に前記第2の遊星機構(44)の前記第1の部材(48)に接続されているか、又は接続可能である、
車両用のハイブリッド駆動システム(16)において、
前記第1のシャフト(42a)は、前記第1の遊星機構(40)の第1の太陽歯車(76)を含み、
前記第3のシャフト(42c)は、前記第1の遊星機構(40)の第2の太陽歯車(78)を含む
ことを特徴とするハイブリッド駆動装置(16)。
【請求項2】
前記第2の遊星機構(44)は、丁度3つの部材(48、50、52)、即ち第1の部材(48)と、第2の部材(50)と、第3の部材(52)と、を有する
ことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項3】
前記4軸式の第1の遊星機構(40)は、丁度4つのシャフト(42a-42d)を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載ハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項4】
前記第2の部材(50)は、前記第3のシフト部材(46c)を用いて、相対回動不能に前記ハイブリッド駆動システム(16)のハウジング(56)に接続可能であり、
前記第1の部材(48)は、相対回動不能に前記第4のシャフト(42d)に接続されており、
前記第3の部材(52)は、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続されている
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項5】
前記第2の部材(50)は、相対回動不能に前記ハイブリッド駆動システム(16)のハウジング(56)に接続されており、
前記第1の部材(48)は、前記第3のシフト部材(46c)を用いて、相対回動不能に前記第4のシャフト(42d)に接続可能であり、
前記第3の部材(52)は、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続されている
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項6】
第2の部材(50)は、相対回動不能に前記ハイブリッド駆動システム(16)のハウジング(56)に接続されており、
前記第1の部材(48)は、相対回動不能に前記第4のシャフト(42d)に接続されており、
前記第3の部材(52)は、前記第3のシフト部材(46c)を用いて、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続可能である
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項7】
前記第1のシフト部材(46a)、インターロックシフト部材(46b)として構成されている前記第2のシフト部材(46b)、及び前記第3のシフト部材(46c)という形で、合計で丁度3つのシフト部材(46a-46c)が設けられている
ことを特徴とする請求項4~請求項6のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項8】
前記電気機械(28)は、前記伝動装置(38)と、軸方向に重なるように、且つ半径方向では包囲するように、同軸に配置されている
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項9】
前記第2のシャフト(42b)は、前記第1の遊星機構(40)の第1の内歯車(82)と、相対回動不能に前記第1の内歯車(82)に接続されている、前記第1の遊星機構(40)の第2の内歯車(84)とを含む
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項10】
前記第4のシャフト(42d)は、前記第1の遊星機構(40)の第1の遊星キャリア(80)を含む
ことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項11】
前記内燃機関(18)と、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続されている出力ピニオン(64)と、前記第2の遊星機構(44)と、前記4軸式の第1の遊星機構(40)とが、前記伝動装置(38)の軸方向において、前記内燃機関(18)-前記出力ピニオン(64)-前記第2の遊星機構(44)-前記4軸式の第1の遊星機構(40)の順序で配置されている
ことを特徴とする請求項1~請求項10のいずれか一項記載のハイブリッド駆動装置(16)。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載の車両用のハイブリッド駆動システムに関する。更に、本発明は、その種のハイブリッド駆動システムを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1~3には、ハイブリッド駆動装置用の公知の伝動装置がそれぞれ開示されている。
【0003】
更に、下記特許文献4及び5には、4軸式の第1の遊星機構と、その4軸式の遊星機構とは別個に構成されている第2の遊星機構と、を有する伝動装置を備えるハイブリッド駆動システムがそれぞれ開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2019 208 556 A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2007 054 359 A1号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0 787 926 A2号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0 275 437 A1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公表第11 2006 001 124 T5号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、ハイブリッド駆動システムの構造空間及びコストに関して特に好適な構造を実現することができる、動力車用の、特に自動車用のハイブリッド駆動システム並びに車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を備えたハイブリッド駆動システム、並びに請求項13の特徴を備えた車両によって解決される。本発明の好適な発展形態を含む有利な実施形態は他の請求項に記載されている。
【0007】
本発明の第1の態様は、車両、特に、好適には乗用車として構成されている自動車用のハイブリッド駆動システムに関する。このことは、自動車が、完全に製造された状態においては、ハイブリッド駆動装置とも称される、又はハイブリッド駆動装置として構成されたハイブリッド駆動システムを含み、且つハイブリッド駆動システムを用いて駆動可能であることを意味する。ハイブリッド駆動システムは、第1の出力シャフトを有する、燃焼機関とも称される内燃機関を含む。好適には、内燃機関は、レシプロ内燃機関若しくはレシプロエンジンとして構成されているので、第1の出力シャフトは、好適にはクランクシャフトである。第1の出力シャフトを介して、内燃機関は、車両を駆動させるための、第1の駆動モーメント又は第1の駆動トルクとも称される第1のトルクを提供することができる。ハイブリッド駆動システムは、更に、ロータシャフトを備えたロータを有する電気機械を含む。ロータシャフトは、第2の出力シャフトであるか、又は第2の出力シャフトとも称される。ロータシャフトを介して、電気機械は、車両を駆動させるための、第2の駆動モーメント又は第2の駆動トルクとも称される第2のトルクを提供することができる。例えば、電気機械はステータを有し、このステータを用いて、ロータを駆動することができる。ロータは、機械回転軸を中心にして、ステータに対して相対的に回転可能である。ロータシャフトは、第2の出力シャフトであるか、又は、第2の出力シャフトとも称される。好適には、電気機械は高電圧コンポーネントであり、その電圧、特に電気的な動作電圧又は定格電圧は、好適には50ボルト超であり、特に60ボルト超であり、特に好適には数百ボルトである。これによって、特に自動車の純粋な電気駆動のために、非常に大きい電力を実現することができる。特に、電気機械は、モータモードにおいて駆動可能であり、従って車両を特に純粋に電気的に駆動することができる電気モータとして駆動可能である。従って、電気機械は、そのモータモードにおいて、車両を駆動させるための、各第2の駆動トルクを提供する。
【0008】
ハイブリッド駆動システムは、4軸式の第1の遊星機構を有する伝動装置を含む。第1の遊星歯車機構とも称される第1の遊星機構が、4軸式の遊星機構であるという特徴は、特に、第1の遊星機構が、各トルクを第1の遊星機構に導入可能にする且つ/又は第1の遊星機構から導出可能にする、少なくとも4つ又は好適には丁度4つのシャフトを有することを意味する。伝動装置は、更に、特に第1の遊星機構に付加的に設けられた、第2の遊星歯車機構とも称される第2の遊星機構を含む。更に、伝動装置は、第1のシフト部材と、第2のシフト部材と、第3のシフト部材と、を含む。伝動装置は、更に、第3の出力シャフトを含み、この第3の出力シャフトを介して、出力モーメント又は出力トルクと称されるトルクを伝動装置から導出することができる。換言すれば、伝動装置は、自身の第3の出力シャフトを介して、車両を駆動させるための出力トルクを提供することができる。例えば、各出力トルクは、各第1の駆動トルク及び/又は各第2の駆動トルクから生じる。4軸式の第1の遊星機構のシャフトは、第1のシャフト、第2のシャフト、第3のシャフト、及び第4のシャフトとも称される。この場合、第2の遊星機構は、第1の部材、第2の部材、及び第3の部材を有する。第2の遊星機構の部材は、例えば伝動装置部材とも称される。特に、第2の遊星機構の部材は、第2の遊星機構の太陽歯車、キャリアとも称される遊星キャリア、及び内歯車であってもよい。第1のシャフト、第2のシャフト、第3のシャフト、及び第4のシャフトは、特に遊星機構回転軸を中心に、相互に相対的に、また例えばハイブリッド駆動システムのハウジングに対して相対的に回転可能である。この場合、第1の遊星機構及び/又は第2の遊星機構が、それぞれ少なくとも部分的にハウジング内に配置されていることが考えられる。第1のシャフト、第2のシャフト、第3のシャフト、及び第4のシャフトは、ハイブリッド駆動システムのインターロックシフト部材を用いて、相互に相対回動不能に接続可能である。この場合、インターロックシフト部材は、前述のシフト部材に付加的に設けられており、従って第4のシフト部材であるか、又は、前述のシフト部材の内の1つによって構成されることが考えられる。遊星機構回転軸は、単に回転軸とも称される。
【0009】
第1の出力シャフトは、相対回動不能に第1のシャフトに連結されているか、又は連結可能である。このことは、特に、第1の出力シャフトが永続的に、相対回動不能に第1のシャフトに接続されているか、又は第1の出力シャフトが相対回動不能に第1のシャフトに接続可能であると解される。
【0010】
本開示の枠内では、2つの構成部材が相互に相対回動不能に接続されているという特徴は、それらの構成部材が相互に同軸に配置されており、且つそれらの構成部材が、それらの構成部材に共通する構成部材回転軸を中心に、同じ角速度でもって一緒に回転することと解される。
【0011】
前述の構成部材若しくは2つの構成部材が永続的に相互に相対回動不能に接続されているという特徴は、例えば、構成部材を相互に相対回動不能に接続している連結状態と、特に構成部材回転軸を中心に行われる回転のために構成部材を相互に解放する連結解除状態と、を切替可能にする切替部材が設けられていることではなく、構成部材が常に若しくは永続的に相互に相対回動不能に接続されていることと解される。
【0012】
前述の構成部材若しくは2つの構成部材が相互に相対回動不能に接続可能であるという特徴は、それらの構成部材には、少なくとも1つの連結状態と少なくとも1つの連結解除状態と、を切替可能にする切替部材が割り当てられていることと解される。連結状態では、構成部材が切替部材を用いて相互に固く接続されている。連結解除状態では、構成部材が相互に分離されているので、この連結解除状態においては、構成部材が相互に相対的に、特に構成部材回転軸を中心に回転可能である。
【0013】
ハイブリッド駆動システムにおいては、更に、ロータシャフトから発する、若しくはロータシャフトから提供されるトルク、例えば第2の駆動トルクが、第2のシャフトを介して伝動装置に導入可能であるように、若しくは導入されるように、ロータシャフトが、第2のシャフトに特に相対回動不能に連結されているか、又は連結可能である。更に、第3のシャフトは、第1のシフト部材を用いて、相対回動不能に第3の出力シャフトに接続可能である。このことは、特に以下であると解される。すなわち、第1のシフト部材は、第1の連結状態と第1の連結解除状態との間で切り替え可能である。第1の連結状態においては、第3のシャフトが、第1のシフト部材を用いて、相対回動不能に第3の出力シャフトに接続されている。第1の連結解除状態では、第1のシフト部材が、第1の連結解除状態において第3のシャフトが第3の出力シャフトに対して相対的に回転可能であるように、又は、第3の出力シャフトが第3のシャフトに対して相対的に回転可能であるように、第3のシャフト及び第3の出力シャフトを解放する。この場合、例えば、第1のシフト部材は、特にハウジングに対して相対的に、且つ/又は並進的に、少なくとも1つの第1の連結位置と少なくとも1つの第1の連結解除位置との間で移動可能である。第1の連結位置は、第1の連結状態をもたらし、第1の連結解除位置は、第1の連結解除状態をもたらす。
【0014】
ハイブリッド駆動システムの構造空間及びコストに関して特に好適な構造を実現できるようにするために、第4のシャフトが、公知の手法で相対回動不能に第2の遊星機構の第1の部材に接続若しくは連結されているか、又は接続可能若しくは連結可能である。これによって、特に伝動装置の軸方向、ひいてはハイブリッド駆動システムの軸方向において、特に小型の構造を実現することができる。本開示の枠内では、「軸」という用語は、遊星機構回転軸を参照するので、特に、遊星機構回転軸に沿って見ると、ハイブリッド駆動システムの非常に小型の、つまり短い構造をもたらすことができる。改めて換言すると、伝動装置の軸方向に沿って延びるハイブリッド駆動システムの非常に短い長さを実現することができる。更に、各コンポーネントを、伝動装置の軸方向において、内燃機関の非常に近傍に配置することができるので、ハイブリッド駆動システムの所要構造空間を非常に小さくすることができる。更に、本発明によるハイブリッド駆動システムのコストは、非常に低く抑えることができる。その結果、伝動装置は、特にハイブリッド多段伝動装置として、有利に自動車に組み込むことができる。シフト部材を使用することによって、伝動装置は、多段伝動装置として構成することができる。このことは、伝動装置のシフト可能な、従って入れる(係合する)ことができる、また外す(係合を解除する)ことができる複数のギアを創出することができ、それら複数のギアは、例えば変速比が相互に異なっていてもよい。更に、伝動装置のギアの内の少なくとも1つのギア、複数のギア、又は全てのギアを負荷切換可能に構成することが可能である。
【0015】
この場合、特に有利には、第4のシャフトは、第1のシフト部材を迂回して、相対回動不能に第2の遊星機構の第1の部材に接続されているか、又は接続可能である。
【0016】
本開示の枠内では、相互に同軸に配置されている回転可能な構成部材とは、特にハウジングに対して相対的に、各構成部材回転軸を中心に回転可能である構成部品又は構成部材であると解され、この場合、構成部材回転軸は相互に同軸に延びるか、若しくは相互に一致する。
【0017】
本発明によれば、第1のシャフトは、第1の遊星機構の第1の太陽歯車を含み、第3のシャフトは、第1の遊星機構の第2の太陽歯車を含む。これによって、構造空間、重量、及びコストに関して好適なやり方で、車両の非常に効率的な駆動を実現することができる。
【0018】
ハイブリッド駆動システムの所要構造空間、重量、及びコストを非常に低く抑えることができるようにするために、本発明の有利な実施形態では、第2の遊星機構が、前述の部材の形において丁度3つの部材を有する。
【0019】
別の実施形態は、4軸式の第1遊星機構が、前述のシャフトの形において丁度4つのシャフトを有することを特徴とする。これによって、ハイブリッド駆動システムの構造空間、重量、及びコストに関して非常に好適な構造をもたらすことができる。好適には、第1の遊星機構は、第1の遊星機構の6つの伝動装置部材、即ち好適には2つの太陽歯車、2つの遊星キャリア、及び2つの内歯車を有する。当業者であれば、第1の遊星機構のそれら6つの伝動装置部材に、差し当たり、第1の遊星機構のシャフトを1つずつ割り当て、従って全部で6つのシャフトを割り当てる。好適には、第1の遊星機構の6つの部材の内の2つが相対回動不能に相互に接続されている。また好適には、第1の遊星機構の6つの部材の内の別の2つの部材が相対回動不能に相互に接続されている。好適には、このようにして、第1の遊星機構が、相互に相対的に回転可能に配置されている4つのシャフトを有する。
【0020】
本発明の別の特に有利な実施形態では、第2の遊星機構の第2の部材が、第3のシフト部材を用いて、ハウジングに相対回動不能に接続可能である。従って、例えば、第3のシフト部材は、第2の連結状態と、第2の連結解除状態との間で切り替え可能である。第2の連結状態では、第2の部材が、第3のシフト部材を用いて、相対回動不能にハウジングに接続されているので、ハウジングと第2の部材との間の相対的な回転が防止される。第2の連結解除状態では、第3のシフト部材が、ハウジングを中心にして行われる回転のために第2の部材を解放するので、第2の部材が、ハウジングに対して相対的に、特に第2の遊星機構の回転軸である部材回転軸を中心に回転可能である。この場合、特に好適には、遊星機構が相互に同軸に配置されているので、特にハウジングに対して相対的に且つ/又は相互に相対的にシャフトを回転可能にする遊星機構回転軸が、第2の遊星機構の部材回転軸と一致する。この場合、例えば、第3のシフト部材は、特にハウジングに対して相対的に、且つ/又は並進的に、第2の連結状態をもたらす少なくとも1つの第2の連結位置、及び/又は第2の連結解除状態をもたらす少なくとも1つの第2の連結解除位置との間で移動可能である。
【0021】
この場合、更に好適には、第1の部材が、特に永続的に、相対回動不能に第4のシャフトに接続若しくは連結されている。更に、この実施形態では、好適には、第3の部材が、特に永続的に、相対回動不能に第3の出力シャフトに接続若しくは連結されている。これによって、ハイブリッド駆動システムの非常に小型の構造を実現することができる。
【0022】
代替的に、特に伝動装置の軸方向における、ハイブリッド駆動システムの非常に小型の構造を実現できるようにするために、本発明の別の実施形態では、第2の部材が、特に永続的に、相対回動不能にハウジングに接続されている。ここで、第1の部材が、第3のシフト部材を用いて、相対回動不能に接続可能である場合には、特に有利であることが示されている。従って、この実施形態では、第2の連結状態において、第1の部材が、第3のシフト部材を用いて、相対回動不能に第4のシャフトに接続されており、第2の連結解除状態において、第3のシフト部材が、第1の部材及び第4のシャフトが特に遊星機構回転軸を中心に若しくは部材回転軸を中心に相互に相対的に回転可能であるように、第1の部材及び第4のシャフトを解放する。更に、これらの実施形態は、第3の部材が、特に永続的に、相対回動不能に第3の出力シャフトに接続されていることを特徴とする。
【0023】
本発明の代替の特に有利な別の実施形態では、第2の部材が、特に永続的に、相対回動不能にハウジングに接続されている。この場合、第1の部材は、特に永続的に、相対回動不能に第4のシャフトに接続されており、また第3の部材は、第3のシフト部材を用いて、相対回動不能に第3の出力シャフトに接続可能である。従って、この実施形態では、好適には、第2の連結状態において、第3の部材が、第3のシフト部材を用いて、相対回動不能に第3の出力シャフトに接続されており、第2の連結解除状態において、第3のシフト部材が、第3の部材及び第3の出力シャフトが特に遊星機構回転軸を中心に若しくは部材回転軸を中心に相互に相対的に回転可能であるように、第3のシフト部材及び第3の出力シャフトを解放する。これによって、特に伝動装置の軸方向から見て、ハイブリッド駆動システムの非常に短い長さを実現することができる。
【0024】
ハイブリッド駆動システムの部品数、ひいてはコスト、重量、及び所要構造空間を非常に低く抑えることができるようにするために、本発明の別の形態では、第1のシフト部材、インターロックシフト部材として構成されている第2のシフト部材、及び第3のシフト部材という形で、全部で丁度3つのシフト部材が設けられている。換言すれば、ハイブリッド駆動システムは、前述のシフト部材の形において丁度3つのシフト部材を含み、この場合、第1のシフト部材は、インターロックシフト部材として構成されている。更に、これによって、例えば特に有利には、前述のギア、特に負荷切換可能なギアを実現することができるので、伝動装置は、構造空間、重量、及びコストに関して非常に好適な多段伝動装置として構成することができる。
【0025】
別の実施形態は、電気機械が、伝動装置と軸方向に重なるように、また半径方向では伝動装置を包囲するように、同軸に配置されていることを特徴とする。ことのことは、特に以下であると解される。すなわち、電気機械が伝動装置と同軸に配置されているという特徴は、ロータをステータに対して相対的に回転可能にする機械回転軸が、第1の遊星機構の遊星機構回転軸と一致し、従って好適には第2の遊星機構の部材回転軸とも一致することと解される。電気機械が伝動装置と軸方向に重なるよう配置されているという特徴は、特に、伝動装置の少なくとも第1の長手方向領域、特に第1の遊星機構の少なくとも第1の長手方向領域及び/又は第2の遊星機構の少なくとも第1の長手方向領域が、伝動装置の半径方向において、即ち遊星機構回転軸に対して垂直方向に延びる方向に沿って、外側に向かって少なくとも電気機械の第2の長手方向領域と重なっている、若しくは第2の長手方向領域によって覆われていることと解される。更に、電気機械が半径方向では伝動装置を包囲するように配置されているという特徴は、電気機械の少なくとも第2の長手方向領域が、遊星機構回転軸周りに延びる伝動装置の周方向において、伝動装置の少なくとも第1の長手方向領域を完全に取り囲むように延びることから、第1の長手方向領域が第2の長手方向領域内に配置されていることと解される。これによって、ハイブリッド駆動システムの非常に小型の構造を実現することができる。
【0026】
本発明の特に有利な別の実施形態では、第2のシャフトが、第1の遊星機構の第1の内歯車と、特に永続的に相対回動不能に第1の内歯車に接続されている、第1の遊星機構の第2の内歯車とを含むか、若しくは、第1の内歯車及び第2の内歯車である。これによって、ハイブリッド駆動システムの部品数を少なく、ひいてはコスト、所要構造空間、及び重量を非常に小さくすることができる。
【0027】
本発明の特に有利な別の実施形態では、第4のシャフトが、第1遊星機構の第1の遊星キャリアを含み、その第1の遊星キャリアは、例えば、第2の遊星機構の第2の遊星キャリアに、特に永続的に相対回動不能に接続することができる。これによって、自動車の非常に有利な駆動を、特に非常に小さい構造空間で実現することができる。
【0028】
最後に、内燃機関と、特に永続的に、相対回動不能に第3の出力シャフトに接続されている出力ピニオンと、第2の遊星機構と、4軸式の第1の遊星機構とが、伝動装置の軸方向において、従って遊星機構回転軸に沿って見て、以下の順序で配置されている場合には、特に有利であることが示される。すなわち、内燃機関-出力ピニオン-第2の遊星機構-4軸式の第1の遊星機構である。換言すれば、好適には、伝動装置の軸方向において、従って遊星機構回転軸に沿って見て、出力ピニオンは、内燃機関に続き、第2の遊星機構は、出力ピニオンに続き、4軸式の第1の遊星機構は、第2の遊星機構に続く。これによって、ハイブリッド駆動システムの軸方向の長さを非常に小さい範囲に収めることができる。
【0029】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係るハイブリッド駆動システムを有し、且つハイブリッド駆動システムを用いて駆動可能である、好適には動力車として、特に乗用車として構成されている自動車に関する。したがって、この自動車は、ハイブリッド車両として構成されている。本発明の第1の様態の利点及び有利な構成は、本発明の第2の様態の利点及び有利な構成と見なすことができ、またそれとは逆に、本発明の第2の様態の利点及び有利な構成は、本発明の第1の様態の利点及び有利な構成と見なすことができる。伝動装置の軸線方向に延びる、ハイブリッド駆動システムの長さを、非常に短く抑えることができるので、ハイブリッド駆動システムは、特に有利に横断方向において組み付けることができる。つまり、横断方向の組み付け構造として使用することができる。このことは、自動車が完全に製造された状態では、伝動装置の軸方向が、従ってハイブリッド駆動システムの軸方向が、全体として、車両長手方向(y方向)に対して横断方向若しくは垂直方向に延びることであると解される。
【0030】
本発明の更なる利点、特徴及び詳細は、好適な実施形態並びに図面に基づく以下の説明より明らかになる。上記の説明において挙げた特徴及び特徴の組み合わせ、並びに以下の各図に関する説明において挙げられる特徴及び特徴の組み合わせ、並びに/又は各図においてのみ示される特徴及び特徴の組み合わせは、それぞれ提示した組み合わせにおいてのみ使用されるのではなく、本発明の範囲から逸脱することなく他の組み合わせで使用することもできるし、単独で使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明に係るハイブリッド駆動システムを備えた、車両用のパワートレインの概略図を示す。
図2】第1の実施形態に係るハイブリッド駆動システムの概略図を示す。
図3】第2の実施形態に係るハイブリッド駆動システムの概略図を示す。
図4】ハイブリッド駆動システムの種々の動作状態を説明するためのシフトテーブルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
各図において、同一の要素又は機能が同一の要素には同じ参照符号を付されている。
【0033】
図1は、好適には動力車として、特に乗用車として構成されている自動車用のパワートレイン10の概略図を示す。この自動車が完全に製造された状態において、自動車は、車両長手方向(x方向)において相前後して配置されており、また車両軸とも称される、少なくとも2つ又は丁度2つの軸を有し、この場合、パワートレイン10は、それらの軸の内の1つを含む。パワートレイン10の軸は、図1において12により表されている。軸12は、駆動可能な又は駆動される車輪であって、車両車輪とも称される、車両横断方向(Y方向)において互いに対向する少なくとも2つ又は丁度2つの車輪14を有する。車輪14の駆動によって、自動車全体が駆動される。パワートレイン10は、ハイブリッド駆動システム16を含み、このハイブリッド駆動システム16を用いて、車輪14、ひいては自動車を駆動可能である。ハイブリッド駆動システム16は、燃焼機械又は燃焼機関とも称される内燃機関18を有する。図1から見てとれるように、内燃機関18は、複数のシリンダ22を形成する、若しくは直接的に画定する、エンジンブロック20を有する。各シリンダ22は、内燃機関18の燃焼運転中に燃焼過程が行われる各燃焼室を部分的に画定する。内燃機関18は、ここではクランクシャフトとして構成されている第1の出力シャフト24を有する。内燃機関18は、レシプロエンジンとして構成されている。クランクシャフト(第1の出力シャフト24)は、エンジンブロック20に対して相対的に、クランクシャフト回転軸26を中心に回転可能である。クランクシャフトを介して、内燃機関18は、自動車を駆動させるための第1の駆動トルクを提供することができる。
【0034】
ハイブリッド駆動システム16は、図1において非常に概略的に表された、電気機械28を更に含む。ハイブリッド駆動システム16の第1の実施形態を示す図2から見て取れるように、電気機械28は、ステータ30と、ロータシャフト34を含むロータ32と、を有する。ロータ32、ひいてはロータシャフト34は、ステータ30に対して相対的に、またエンジンブロック20に対しても相対的に、機械回転軸36を中心に回転可能である。図2から見て取れるように、電気機械28は、内燃機関18と同軸に配置されているので、機械回転軸36がクランクシャフト回転軸26と一致する。ロータ32若しくはロータシャフト34は、特にモータモードにおいて、電気機械28に自動車若しくは車輪14を駆動させるための第2の駆動トルクを提供することができる第2の出力シャフトである。
【0035】
ハイブリッド駆動システム16は、伝動装置38を更に含む。伝動装置38は、4軸式の第1の遊星機構40を有し、この第1の遊星機構40は、少なくとも4つ、ここでは丁度4つのシャフト42a-42dを有する。伝動装置38は、第2の遊星機構44と、特に丁度3つのシフト部材46a-46c、即ち第1のシフト部材46a、第2のシフト部材46b及び第3のシフト部材46cと、を更に含む。第1のシフト部材46aは、SBとも表され、第2のシフト部材46bは、SKとも表され、また第3のシフト部材46cは、SAとも表される。シャフト42aは、第1のシャフト42aとも称され、シャフト42bは、第2のシャフト42bとも称され、シャフト42cは、第3のシャフト42cとも称され、シャフト42dは、第4のシャフト42dとも称される。第2の遊星機構44は、特に丁度3つの部材を有する。図2に示した第1の実施形態では、第2の遊星機構44の複数の部材の内の第1の部材が、第2の遊星機構44の第3の太陽歯車48であり、第2の遊星機構44の複数の部材の内の第2の部材は、第2の遊星機構44の第3の内歯車50であり、また第2の遊星機構44の第3の部材は、第2の遊星機構44の第2の遊星キャリア52である。第2の遊星キャリア52は、第2のキャリアとも称される。この場合、第2の遊星機構44は、第2の遊星キャリア52に回転可能に支承されている、第2の遊星機構44の第2の遊星歯車54を含む。第2の遊星歯車54はそれぞれ、一方では太陽歯車48と直接的に噛合し、他方では第2の遊星機構44の内歯車50と直接的に噛合する。シャフト42a-42dは、図2では非常に概略的に示した、伝動装置38、ひいてはハイブリッド駆動システム16のハウジング56を中心に相互に相対的に回転可能であり、しかも、単に回転軸とも称される遊星機構回転軸58を中心に相互に相対的に回転可能である。図2から見て取れるように、遊星機構40は、電気機械28と同軸に配置されており、且つ内燃機関18と同軸に配置されているので、遊星機構回転軸58(回転軸)は、エンジン回転軸36及びクランクシャフト回転軸26と一致する。更に、遊星機構44の複数の部材の内の少なくとも1つの部材は、ハウジング56に対して相対的に、且つ/又は、遊星機構44の複数の部材の内の少なくとも1つの別の部材に対して相対的に、部材回転軸60を中心に回転可能である。図2から見て取れるように、遊星機構40及び44は、相互に同軸に配置されているので、遊星機構回転軸58は、部材回転軸60と一致する。更に、部材回転軸60は、エンジン回転軸36及びクランクシャフト回転軸26と一致する。更に、シャフト42a-42dは、インターロック部材を用いて、相互に相対回動不能に接続可能である。図2に図示した第1の実施形態では、インターロックシフト部材が、第2のシフト部材46bによって形成されているので、シャフト42a-42dは、第2のシフト部材46bを用いて相互に相対回動不能に接続可能である。
【0036】
伝動装置38は、第3の出力シャフト62を含み、この第3の出力シャフト62を介して、出力トルクを伝動装置38から導出可能である。各出力トルクは、例えば、各第1の駆動トルク及び/又は各第2の駆動トルクから生じる。この場合、第3のシャフト42cは、第1のシフト部材46aを用いて、第3の出力シャフト62に相対回動不能に接続可能である。図2から見て取れるように、伝動装置38は、出力ピニオン64の形において歯車を有し、この歯車は、特に永続的に、相対回動不能に出力シャフト62に接続されている。図1から見て取れるように、ハイブリッド駆動システム16は、単段であってもよいし多段であってもよい、ファイナルドライブ又はファイナルドライブトランスミッションとも称される最終減速機66を有することができる。ファイナルドライブ66は、出力ピニオン64を含む。この場合、軸12は、単にディファレンシャルとも称される差動装置68を含んでおり、特にその機能は、車両がカーブを走行する際に、特に車輪14が差動装置68を介して内燃機関18及び/又は電気機械28によって駆動される間に、特にカーブの外側に位置する車輪が、カーブの内側に位置する車輪よりも高い回転数で回転するように、又は回転することができるように、車輪14の異なる回転数を許容することを含む。この場合、最終減速機66は、伝動装置38から第3の出力シャフト62を介して提供される各出力トルクを、出力シャフト62から差動装置68に伝達可能にする又は伝達させるトルクの流れに関して、そのトルクの流れの内に配置されており、且つ出力シャフト62と差動装置68との間に、即ち出力シャフト62の下流側且つ差動装置68の上流側に配置されている。この場合、最終減速機66は、出力シャフト62から差動装置68へと流れるトルクの流れに沿って、差動装置68の手前の最後の変速機である。
【0037】
ハイブリッド駆動システム16は更に、K0によっても表される断接クラッチ70を含む。断接クラッチ70は、好適には摩擦クラッチである。特に、断接クラッチ70は、多板クラッチであってもよい。断接クラッチ70を用いて、クランクシャフト(出力シャフト24)を、第1のシャフト42aに相対回動不能に接続することができる。
【0038】
ハイブリッド駆動システム16の構造空間及びコストに関して特に好適な構造を実現できるようにするために、第4のシャフト42dは、第2の遊星機構44の第1の部材に相対回動不能に接続されているか、又は接続可能である。従って、図2に図示した第1の実施形態では、第4のシャフト42dが、特に永続的に、相対回動不能に遊星機構44の太陽歯車48に接続されている。
【0039】
図1及び図2から見て取れるように、ハイブリッド駆動システム16は、少なくとも内燃機関18、電気機械28、及び少なくとも4軸式又は丁度4軸式の遊星機構40を有する車両駆動部である。更に、ハイブリッド駆動システム16は、機械式の第1の区間72及び機械式の第2の区間74を有する。更に、ハイブリッド駆動システム16は、ノードKを含み、このノードKにおいて、又はこのノードK内において、区間72及び74が特に相対回動不能に接続されているか、又は接続可能である。この場合、ノードKは、駆動可能又は駆動される軸12に、ひいては車輪14に接続されているか、又は接続可能である。第1の実施形態では、シャフト42aは、特に断接クラッチ70を用いて、クランクシャフトに相対回動不能に連結されているか、又は連結可能である。例えば、シャフト42dは、機械式の区間72の一部であり、従って、この機械式の区間72はシャフト42dと、特に別のシャフトとしての第2の遊星キャリア52と、を含む。更に、機械式の区間72は、ここでは第2の遊星機構44として構成されている副伝動装置を含む。副伝動装置は、この場合、シャフト42d及び別のシャフト(遊星キャリア52)に直接的又は間接的に接続されている。例えば、シャフト42cは機械式の区間74の構成部品であり、従って、この機械式の区間74は、シャフト42c及びシフト部材46a、並びに別のシャフトとしての出力シャフト62を含む。ここでは、例えば、ノードKは出力ピニオン64を含むので、ここではシャフト42cがシフト部材46aを用いて、相対回動不能に出力シャフト62に接続可能、ひいてはノードK(出力ピニオン64)に接続可能である。ロータシャフト34は、別個のシャフトである必要はないので、ロータ32がシャフト42bに直接的に接続可能であるか、又は接続できることも考えられる。つまり、換言すれば、ロータシャフト34は、シャフト42bであってもよいし、シャフト42bは、ロータシャフト34であってもよい。更に換言すれば、ロータシャフト34は、シャフト42bと一体的に形成されていてもよいし、シャフト42bは、ロータシャフト34と一体的に形成されていてもよい。
【0040】
好適には、副伝動装置、即ち遊星機構44は、1:1ではない変速比を有するか、又は変速比が1:1ではない変速段を有する。更に、機械式の区間72は、SAとも表される第3のシフト部材46cを含み、この第3のシフト部材46cを用いて、例えば、第2の実施形態では、遊星機構44の内歯車50が、相対回動不能にハウジング56に接続可能である。従ってシフト部材SA(第3のシフト部材46c)が閉じられると、4軸式の第1の遊星機構40のシャフト42a-42dの内の1つとノードKとの間に、特に機械式の区間72を介して、機械式の接続が生じる。この場合、シフト部材SAは、副伝動装置の内部に配置されていてもよいし、外部に配置されていてもよい。
【0041】
第1の実施形態では、第2の遊星機構44が、太陽歯車48、内歯車50、及び遊星キャリア52という形で、丁度3つの部材を有することが見て取れる。更に、4軸式の第1遊星機構40は、丁度4つのシャフト42a-42dを有する。図2に図示した第1の実施形態では、遊星機構44のある部材若しくは第2の部材である内歯車50が、第3のシフト部材46cを用いて、相対回動不能にハウジング56に接続可能であり、また遊星機構44のある部材又は第1の部材である太陽歯車48は、特に永続的に、相対回動不能に第4のシャフト42dに接続されており、また遊星機構44のある部材若しくは第3の部材である遊星キャリア52は、特に永続的に、相対回動不能に出力シャフト62(第3の出力シャフト)に接続されている。
【0042】
図3は、ハイブリッド駆動システム16の第2の実施形態を示す。第2の実施形態では、内歯車50(第2の部材)は、特に永続的に、相対回動不能にハウジング56に接続されており、太陽歯車48(第1の部材)は、特に永続的に、相対回動不能に第4のシャフト42dに接続されており、また遊星キャリア52(第3の部材)は、第3のシフト部材46cを用いて、第3の出力シャフト62、ひいては出力ピニオン64及びノードKに相対回動不能に接続可能である。
【0043】
図面には図示していない第3の実施形態では、第2の部材(内歯車50)は、特に永続的に、相対回動不能にハウジング56に接続されており、第1の部材(太陽歯車48)は、第3のシフト部材46cを用いて、相対回動不能に第4のシャフト42dに接続可能であり、また第3の部材(遊星キャリア52)は、特に永続的に、相対回動不能に第3の出力シャフト62に接続されている。
【0044】
別の実施形態では、第2の部材(内歯車50)は、シフト部材46cを用いて、相対回動不能にハウジング56に接続可能であり、第1の部材(内歯車48)は、特に永続的に、相対回動不能に第4のシャフト42dに接続されており、また第3の部材(遊星キャリア52)は、第2のシフト部材46bを用いて、相対回動不能に第3のシャフト42cに接続可能であることが考えられる。
【0045】
基本的に、出力ピニオン64が差動装置68に、即ち、例えばリングギヤとして構成されている、差動装置66の入力歯車と直接的に噛合するか、又は出力ピニオン64が、中間歯車と直接的に噛合する入力歯車と直接的に噛合することなく、中間歯車と直接的に噛合するように中間歯車を設けることも考えられる。
【0046】
好適には、特に、副伝動装置におけるギア段が能動的にシフトされており、シフト部材SB(第1のシフト部材46a)が閉じられており、且つ電気機械28が顕著なトルクを提供しないときには即座に、第1のシャフト42aが第4のシャフト42d及び第3の出力シャフト62に関して、それぞれ、和シャフトまたは1つの和シャフトとなるように、4軸式の第1の遊星機構40は形成されている。また、4軸式の第1の遊星機構40は、副伝動装置におけるギア段が能動的にシフトされており、シフト部材SBが開かれており、且つ電気機械28が顕著なトルクを提供するときには即座に、第4のシャフト42dがロータシャフト34及び第1のシャフト42aに関して、それぞれ、和シャフトまたは1つの和シャフトとなるように、形成されている。各図に図示した実施形態では、副伝動装置は、遊星型の構造で構成されており、従って第2の遊星機構44として構成されている。この場合、遊星機構44は、好適には、特に正確に3軸式の遊星機構として構成されている。シフト部材SA(第3のシフト部材46c)の少なくとも1つのシフト状態では、4軸式の第1の遊星機構40とノードKとの間に、特に副伝動装置を介して、好適には1ではない変速比、即ち1:1ではない変速比を有する機械式の接続が生じる。代替的又は付加的に、好適には、遊星機構40とノードKとの間の機械式の区間74は、歯車対毎のような別個の変速段、遊星機構等を含まなくてもよいので、好適には、4軸式の第1の遊星機構40とノードKとの間の機械式の区間74では、直接的な変速が行われるか、又は1(1:1)の変速比でもって変速が行われる。
【0047】
4軸式の第1の遊星機構40は、好適には、SKとも表されるインターロックシフト部材を介してインターロックすることができる。各図に図示した実施形態では、インターロックシフト部材SKとして、第2のシフト部材46bが使用される。4軸式の第1の遊星機構40をインターロックすることによって、この4軸式の第1の遊星機構40の4つのシャフト42a-42dはブロックとして回転し、従って、特に遊星機構回転軸58を中心に、且つハウジング56に対して相対的に同一の回転数でもって回転する。この場合、好適には、シフト部材SK(インターロックシフト部材若しくは第2のシフト部材46b)は、その閉じられた状態又はシフトされた状態において、4軸式の第1の遊星機構40のシャフト42a-42dの内の少なくとも2つの任意のシャフトを相互に相対回動不能に連結若しくは接続させる。
【0048】
シフト部材SK(第2のシフト部材46b)は、摩擦結合式に構成してもよい。シフト部材SKは、形状結合式に構成してもよい。シフト部材SKは、形状結合式に構成してもよいが、同期式に構成する必要はない。
【0049】
シフト部材SB(第1のシフト部材46a)は、特に機械式の区間74内において形状結合式に構成してもよい。特に機械式の区間74内のシフト部材SBは、形状結合式に構成してもよいが、同期式に構成する必要はない。特に機械式の区間74内のシフト部材SBは、摩擦結合式であってもよい。
【0050】
燃焼機関(内燃機関18)若しくはそのクランクシャフトは、断接クラッチ70を用いて、ドライブトレインとも称される、残りのパワートレイン10から切り離すことができる。K0によっても表される断接クラッチは、摩擦係合式であってもよい。断接クラッチK0は、形状結合式であってもよい。断接クラッチK0は、形状結合式であってもよいが、同期式である必要はない。
【0051】
副伝動装置及び4軸式の第1の遊星機構40は、1つのシャフトを介して、ここでは例えば第4のシャフト42dを介して、特に相対回動不能に相互に接続することができる。代替的又は付加的に、副伝動装置はシフト可能であってもよい。
【0052】
特に機械式の区間72内のシフト部材SA(第3のシフト部材46c)は、形状結合式であってもよい。特に機械式の区間72内のシフト部材SAは、形状結合式であってもよいが、同期式である必要はない。特に機械式の区間72内のシフト部材SAは、摩擦結合式であってもよい。シフト部材SAは、自身のシフトされた状態若しくは閉じられた状態において、遊星機構44のシャフト42a-42dの内の1つを相対回動不能にハウジング56に接続する。
【0053】
電気機械28及び4軸式の第1の遊星機構40は、好適には相互に同軸に配置されている。更に、各図に図示した実施形態では、電気機械28は、伝動装置38と軸方向に重なるように、また半径方向では伝動装置38を包囲するように、同軸に配置されており、特に、4軸式の第1の遊星機構40及び/又は第2の遊星機構44と軸方向に重なるように、また半径方向では4軸式の第1の遊星機構40及び/又は第2の遊星機構44を包囲するように、同軸に配置されている。代替的又は付加的に、電気機械28及び第2の遊星機構40は、相互に同軸に配置されている。従って、好適には、副伝動装置、即ち第2の遊星機構44は、伝動装置38の軸方向において、従って遊星機構回転軸58に沿って見ると、4軸式の第1の遊星機構40と内燃機関18との間に配置されている。代替的又は付加的に、副伝動装置、即ち第2の遊星機構44は、伝動装置38の軸方向において、4軸式の第1遊星機構40と内燃機関18との間に配置することができる。代替的又は付加的に、好適には、最終減速機ピニオン又はファイナルドライブピニオンとも称される出力ピニオン64は、伝動装置38の軸方向において、副伝動装置若しくは第2の遊星機構44と内燃機関18との間に配置されている。
【0054】
シフト部材SBは、伝動装置38の軸方向において、少なくとも実質的に、4軸式の第1遊星機構40と副伝動装置若しくは第2の遊星機構44との間に配置することができる。更に、シフト部材SBが、伝動装置38の軸方向において、出力ピニオン64と内燃機関18との間の配置されていることも考えられる。更に、シフト部材SBが中空シャフトによって包囲されていることも考えられる。このことは、図3に図示した第2の実施形態において企図されている。前述の中空シャフトは、特に遊星キャリア52であるので、好適には、シフト部材SB(第1のシフト部材46a)が中空シャフト内に配置されている。
【0055】
最後に、図4は、ハイブリッド駆動システム16の種々の状態EVT1、ギア1、ギア2、ギア3、EVT2、E1、E2及びE3が表されたシフトテーブルを示す。上記の状態は、シフトテーブルの列SP1に記入されている。シフトテーブルの行Z1には、断接クラッチK0及びシフト部材SK、SA及びSBが記入されている。図4に図示したシフトテーブルにおいて、記入されている丸は、その丸が記入されている断接クラッチK0若しくは各シフト部材SK、SA及びSBが閉じられている、若しくはシフトされていることを意味する。断接クラッチK0若しくはシフト部材SK、SB又はSAの列において、丸が記入されていなければ、断接クラッチK0又は各シフト部材SK、SB若しくはSAが開かれている。従って、状態EVT1は、断接クラッチK0とシフト部材SAとが同時に閉じられており、その一方でシフト部材SK及びSBが開かれている場合に、アクティブとなる。状態ギア1は、断接クラッチK0とシフト部材SK及びSAとが同時に閉じられており、その一方でシフト部材SBが開かれている場合に、アクティブとなる。相応に、状態ギア2は、断接クラッチK0とシフト部材SA及びSBとが同時に閉じられており、その一方でシフト部材SKが開かれている場合に、アクティブとなる。状態ギア3は、断接クラッチK0とシフト部材SK及びSBとが同時に閉じられており、その一方でシフト部材SAが開かれている場合に、アクティブとなる。状態EVT2は、断接クラッチK0とシフト部材SBとが同時に閉じられており、その一方でシフト部材SK及びSAが開かれている場合に、アクティブとなる。状態E1は、シフト部材SA及びシフト部材SBが同時に閉じられており、その一方で断接クラッチK0及びシフト部材SKが開かれている場合に、アクティブとなる。状態E2は、シフト部材SK及びシフト部材SAが同時に閉じられており、その一方で断接クラッチK0及びシフト部材SBが開かれている場合に、アクティブとなる。状態E3は、シフト部材SKとシフト部材SBが同時に閉じられており、その一方で断接クラッチK0及びシフト部材SAが開かれている場合に、アクティブとなる。
【0056】
換言すれば、駆動ユニットとも称されるハイブリッド駆動システム16は、状態EVT1では、第1のEVTモードとして駆動させることができる。ここでは、内燃機関18及び電気機械28の回転数及びトルクが、4軸式の第1の遊星機構40において重畳される。第1のEVTモードは、特に、内燃機関18及び電気機械28の両方が関与する、ハイブリッドモードでの車両の始動に用いられる。第1のEVTモードは、特に、ギア1からギア2への切替時に、特にシフト部材SB内での、能動的な変速比調整並びに回転数同期に用いることができる。電気機械28は、第1のEVTモードにおいて、発電機により駆動することができる。電気機械28は、第1のEVTモードにおいて、モータにより駆動することができる。電気機械28は、第1のEVTモードにおいて、発電機及びモータにより駆動することができる。
【0057】
駆動ユニットは、状態EVT2である第2のEVTモードにおいて駆動することができる。ここでは、内燃機関18及び電気機械28の回転数及びトルクが、遊星機構40において重畳される。第2のEVTモードは、特に長い変速比を有するオーバードライブモードとして用いられる。第2のEVTモードは、特に、ギア2からギア3への切替時に、特にシフト部材SK内での、能動的な変速比調整並びに回転数同期に用いることができる。第2のEVTモードは、特に、ギア3からギア2への切替時に、特にシフト部材SA内での、能動的な変速比調整並びに回転数同期に用いることができる。電気機械28は、第2のEVTモードにおいて、発電機により駆動することができる。電気機械28は、第2のEVTモードにおいて、モータにより駆動することができる。電気機械28は、第2のEVTモードにおいて、発電機及びモータにより駆動することができる。
【0058】
図2及び図3から見て取れるように、第1のシャフト42aは、遊星機構40の第1の太陽歯車76を含む。第3のシャフト42cは、遊星機構40の第2の太陽歯車78を含む。第4のシャフト42dは、遊星機構40の第1の遊星キャリア80を含み、その第1の遊星キャリア80は、特に永続的に、相対回動不能に内歯車48に接続することができる。第2のシャフト42bは、遊星機構40の第1の内歯車82及び第2の内歯車84を含み、この場合、内歯車82及び84は、特に永続的に、相対回動不能に相互に接続されている。内歯車82と84とは歯数が異なる。換言すれば、内歯車82は第1の歯数を有し、内歯車84は第1の歯数とは異なる第2の歯数を有する。内歯車82には、遊星歯車セット40の第1の遊星歯車86が割り当てられており、内歯車84には、遊星歯車セット44の第2の遊星歯車88が割り当てられている。各遊星歯車86は、一方では内歯車82に直接的に噛合し、他方では太陽歯車76に直接的に噛合し、また各遊星歯車88は、一方では太陽歯車78に直接的に噛合し、他方では内歯車84に直接的に噛合する。この場合、遊星歯車86も遊星歯車88も、遊星歯車86及び遊星歯車88に共通する遊星機構40の遊星キャリア80(シャフト42d)に回転可能に支承されている。遊星キャリア80は、第1のキャリアとも称される。
【符号の説明】
【0059】
10 パワートレイン
12 軸
14 車輪
16 ハイブリッド駆動システム
18 内燃機関
20 エンジンブロック
22 シリンダ
24 第1の出力シャフト
26 クランクシャフト回転軸
28 電気機械
30 ステータ
32 ロータ
34 ロータシャフト
36 機械回転軸
38 伝動装置
40 4軸式の第1の遊星機構
42a-42d シャフト
44 第2の遊星機構
46a-46c シフト部材
48 太陽歯車
50 内歯車
52 遊星キャリア
54 遊星歯車
56 ハウジング
58 遊星機構回転軸
60 部材回転軸
62 第3の出力シャフト
64 出力ピニオン
66 最終減速機
68 差動装置
70 断接クラッチ
72 機械式の区間
74 機械式の区間
76 太陽歯車
78 太陽歯車
80 遊星キャリア
82 内歯車
84 内歯車
86 遊星歯車
88 遊星歯車
K ノード
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の出力シャフト(24)を有する内燃機関(18)と、
第2の出力シャフトとしてのロータシャフト(34)を備えたロータ(32)を有する電気機械(28)と、
4軸式の第1の遊星機構(40)と、第2の遊星機構(44)と、第1のシフト部材(46a)と、第2のシフト部材(46b)と、第3のシフト部材(46c)と、第3の出力シャフト(62)とを有する伝動装置(38)と
を備え、
前記4軸式の第1の遊星機構(40)が、第1のシャフト(42a)と、第2のシャフト(42b)と、第3のシャフト(42c)と、第4のシャフト(42d)とを有し、
前記第2の遊星機構(44)が、第1の部材(48)と、第2の部材(50)と、第3の部材(52)とを有し、
前記第1のシャフト(42a)、前記第2のシャフト(42b)、前記第3のシャフト(42c)、及び前記第4のシャフト(42d)は、相互に相対回動可能であり、且つ前記第2のシフト部材(46b)を用いて、相互に相対回動不能に接続可能であり、
前記第1の出力シャフト(24)が、相対回動不能に前記第1のシャフト(42a)に連結されているか、又は連結可能であり、
前記ロータシャフト(34)が、前記ロータシャフト(34)から発するトルクを前記第2のシャフト(42b)を介して前記伝動装置(38)に導入可能であるように、前記第2のシャフトに連結されているか、又は連結可能であり、
前記第3のシャフト(42c)が、前記第1のシフト部材(46a)を用いて、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続可能であり、
前記第4のシャフト(42d)が、相対回動不能に前記第2の遊星機構(44)の前記第1の部材(48)に接続されているか、又は接続可能である、
車両用のハイブリッド駆動システム(16)において、
前記第1のシャフト(42a)は、前記第1の遊星機構(40)の第1の太陽歯車(76)を含み、
前記第3のシャフト(42c)は、前記第1の遊星機構(40)の第2の太陽歯車(78)を含む
ことを特徴とするハイブリッド駆動装置(16)。
【請求項2】
前記第2の遊星機構(44)は、丁度3つの部材(48、50、52)、即ち第1の部材(48)と、第2の部材(50)と、第3の部材(52)と、を有する
ことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項3】
前記4軸式の第1の遊星機構(40)は、丁度4つのシャフト(42a-42d)を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載ハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項4】
前記第2の部材(50)は、前記第3のシフト部材(46c)を用いて、相対回動不能に前記ハイブリッド駆動システム(16)のハウジング(56)に接続可能であり、
前記第1の部材(48)は、相対回動不能に前記第4のシャフト(42d)に接続されており、
前記第3の部材(52)は、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続されている
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項5】
前記第2の部材(50)は、相対回動不能に前記ハイブリッド駆動システム(16)のハウジング(56)に接続されており、
前記第1の部材(48)は、前記第3のシフト部材(46c)を用いて、相対回動不能に前記第4のシャフト(42d)に接続可能であり、
前記第3の部材(52)は、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続されている
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項6】
前記第2の部材(50)は、相対回動不能に前記ハイブリッド駆動システム(16)のハウジング(56)に接続されており、
前記第1の部材(48)は、相対回動不能に前記第4のシャフト(42d)に接続されており、
前記第3の部材(52)は、前記第3のシフト部材(46c)を用いて、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続可能である
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項7】
前記第1のシフト部材(46a)、インターロックシフト部材(46b)として構成されている前記第2のシフト部材(46b)、及び前記第3のシフト部材(46c)という形で、合計で丁度3つのシフト部材(46a-46c)が設けられている
ことを特徴とする請求項4~請求項6のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項8】
前記電気機械(28)は、前記伝動装置(38)と、軸方向に重なるように、且つ半径方向では包囲するように、同軸に配置されている
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項9】
前記第2のシャフト(42b)は、前記第1の遊星機構(40)の第1の内歯車(82)と、相対回動不能に前記第1の内歯車(82)に接続されている、前記第1の遊星機構(40)の第2の内歯車(84)とを含む
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項10】
前記第4のシャフト(42d)は、前記第1の遊星機構(40)の第1の遊星キャリア(80)を含む
ことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)。
【請求項11】
前記内燃機関(18)と、相対回動不能に前記第3の出力シャフト(62)に接続されている出力ピニオン(64)と、前記第2の遊星機構(44)と、前記4軸式の第1の遊星機構(40)とが、前記伝動装置(38)の軸方向において、前記内燃機関(18)-前記出力ピニオン(64)-前記第2の遊星機構(44)-前記4軸式の第1の遊星機構(40)の順序で配置されている
ことを特徴とする請求項1~請求項10のいずれか一項記載のハイブリッド駆動装置(16)。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれか一項記載のハイブリッド駆動システム(16)を備える車両。
【国際調査報告】