(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】移動体の位置推定を決定および/または改善するための方法、移動体、システム、ならびにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/14 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
G01S5/14
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023562808
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2022059669
(87)【国際公開番号】W WO2022218945
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】102021203641.4
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523059648
【氏名又は名称】トップ セブン ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】TOP seven GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Schiffbauerweg 1,82319 Starnberg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ・セング
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062AA01
5J062AA04
5J062BB03
5J062CC11
5J062FF04
(57)【要約】
少なくとも3つの信号発生器(120)からの移動体(110)の少なくとも3つの距離(160)を決定するステップであって、それぞれの距離が移動体(110)と少なくとも3つの信号発生器各々のうちの1つとの間の距離である、ステップを含むステップ(a)(410)を含む、移動体(110)の位置推定を決定および/または改善するための方法(400)。ここで、少なくとも3つの信号発生器各々が、移動座標系(130)に関して予め規定された位置を備え、移動座標系は、移動しない対象物の位置が座標原点の移動に起因して変化し得る座標系である。さらに方法(400)は、少なくとも3つの信号発生器(120)からの移動体(110)の少なくとも3つの決定された距離(160)および移動座標系に関する少なくとも3つの信号発生器の予め規定された位置を使用することによって、移動体(110)の位置推定を決定および/または改善するステップを含むステップ(b)(420)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体(110)の位置推定を決定および/または改善するための方法(400)であって、
(a)少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の少なくとも3つの距離(160)を決定するステップであって、前記それぞれの距離が前記移動体(110)と前記少なくとも3つの信号発生器各々のうちの1つとの間の距離であり、
前記少なくとも3つの信号発生器(120)各々が、移動座標系(130)に関して予め規定された位置を備え、
前記移動座標系(130)が、静止した対象物の位置が座標原点(140)の移動に起因して変化し得る座標系である、ステップと、
(b)
前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の前記少なくとも3つの決定された距離(160)、および
前記移動座標系(130)に関する前記少なくとも3つの信号発生器(120)の前記予め規定された位置(620)
を使用することによって、前記移動体(110)の前記位置推定を決定および/または改善するステップと
を含む、方法(400)。
【請求項2】
ステップ(a)(410)が、
前記移動体(110)から前記少なくとも3つの信号発生器(120)に送信信号を放出するステップと、
前記移動体(110)によって前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの応答信号を受信するステップと
を含み、
前記受信した応答信号に基づいて、前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の前記少なくとも3つの距離(160)を決定するステップが実施され、
ステップ(a)(410)およびステップ(b)(420)が前記移動体(110)によって実施される、請求項1に記載の方法(400)。
【請求項3】
前記少なくとも3つの信号発生器(120)各々が、前記移動座標系(130)に関して予め規定された、不変の位置を備える、請求項1または2に記載の方法(400)。
【請求項4】
移動している対象物(210)が前記移動座標系(130)に関する予め規定された、不変の位置を備え、前記移動座標系の移動が前記対象物の物理的移動に対応する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項5】
ステップ(a)が、前記移動している対象物(210)の前記位置についてのGPS情報(630)を得るステップを追加で含み、ステップ(b)(420)が、前記GPS情報を使用することによって、前記移動体(110)の前記位置推定を決定および/または改善するステップを含む、請求項4に記載の方法(400)。
【請求項6】
前記位置推定が、
前記移動座標系に関する、または
絶対座標系に関する位置推定であり、
前記絶対座標系が少なくともほぼ慣性系である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項7】
前記方法が追加ステップ(c)を含み、ステップ(c)が、
前記移動体(110)の前記位置についてのGPS情報(640)を決定するステップと、
前記移動体の前記位置についての前記GPS情報を使用することによって、前記移動体(110)の前記位置推定を決定および/または改善するステップと
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項8】
ステップ(c)が、前記移動している対象物(210)に対して少なくとも第1の距離に前記移動体(110)があるときに実施され、
ステップ(a)(410)およびステップ(b)(420)が、前記移動している対象物(210)に対して前記第1の距離より短い距離に前記移動体(110)があるときに実施される、請求項7に記載の方法(400)。
【請求項9】
ステップ(c)が、前記移動している対象物(210)に対して少なくとも第1の距離に前記移動体(110)があるときに実施され、
ステップ(a)(410)、ステップ(b)(420)、およびステップ(c)が、前記移動している対象物(210)に対して前記第1の距離より短い距離に前記移動体(110)があるときに実施される、請求項7に記載の方法(400)。
【請求項10】
前記方法が追加ステップ(d)を含み、ステップ(d)が、
前記位置推定に基づいて前記移動体(110)をナビゲーションするステップ
を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項11】
ステップ(d)が、前記移動体(110)の移動軌道(310、330)についての中間点(320、340)を生成するステップを含み、
ステップ(d)が、前記移動座標系(130)の移動に基づいて前記中間点(320、340)を適合させるステップを含む、請求項10に記載の方法(400)。
【請求項12】
ステップ(d)が、前記移動座標系(130)の前記移動を予測するステップを含み、
ステップ(d)が、前記移動座標系(130)の前記予測された移動に基づいて前記中間点(320、340)を適合させるステップを含む、請求項11に記載の方法(400)。
【請求項13】
ステップ(d)が、前記移動している対象物(210)上の、完全に自動化された離陸および/または着陸を含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項14】
前記移動している対象物(210)が、船、飛行船、石油もしくはガスプラットフォーム、および洋上風力タービン、または超高層ビルである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項15】
前記少なくとも3つの信号発生器(120)が、ラジオビーコン、光ビーコン、および/または音響ビーコンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項16】
前記移動体(110)が、ドローン、潜水艦、ヘリコプタ、飛行機、飛行船、または船である、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項17】
少なくとも3つの信号発生器(120)からの移動体(110)の少なくとも3つの距離(160)を決定することであって、前記それぞれの距離が、前記移動体(110)と前記少なくとも3つの信号発生器(120)各々のうちの1つとの間の距離であり、前記少なくとも3つの信号発生器各々が、移動座標系(130)に関して予め規定された位置を有し、
前記移動座標系(130)が、静止した対象物の位置が座標原点(140)の変位に起因して変化し得る座標系である、決定することと、
前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の前記少なくとも3つの決定された距離(160)、および
前記移動座標系(130)に関する前記少なくとも3つの信号発生器(120)の前記予め規定された位置
を使用することによって、前記移動体(110)の位置推定を決定および/または改善することと
をするように構成される、移動体(110)または移動体(110)のためのモジュール。
【請求項18】
移動体(110)の位置推定を決定および/または改善するためのシステム(220)であって、
請求項17に記載の移動体(110)と、
前記少なくとも3つの信号発生器であって、前記少なくとも3つの信号発生器各々が、前記移動座標系(130)に関して予め規定された位置を備える、前記少なくとも3つの信号発生器と
を備える、システム(220)。
【請求項19】
移動している対象物(210)を備え、前記移動している対象物が前記移動座標系(130)に関する予め規定された、不変の位置を備え、前記移動座標系の移動が前記対象物(210)の物理的移動に対応する、請求項18に記載のシステム(220)。
【請求項20】
プログラムがコンピュータ上で走るときに請求項1から16のいずれか一項に記載の方法(400)を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明による実施形態は、移動体の位置推定を決定および/または改善するための方法、移動体、システム、ならびにコンピュータプログラムに関する。さらなる実施形態は、分散型ラジオビーコンにわたる電波を使用する、センチメートル精度の距離測定による位置決めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、移動体の位置を決定することができる、移動体のナビゲーションに関する複数の方法が知られている。たとえば、GPSを使用すると、複数の衛星からの移動体の距離を決定することによって、位置を数メートル以内に決定することができる。しかし、多くの場合、そのような方法での問題は、正確なナビゲーションタスク用の精度を欠いていることである。この問題は、移動体が、移動している対象物に対してナビゲートされるべきである場合に、さらに複雑になる。たとえば、移動している船、または浮いている石油プラットフォームもしくはガスプラットフォームを自律型ドローンによって検査する場合、対象物、すなわち船またはプラットフォームに対するドローンの相対的な位置の非常に正確な知識が必要である。以前の手法における対象物および移動体の両方の位置推定における不確実性は、検査対象の移動している対象物に沿った移動軌道を正確な検査用の十分な精度で実現することができないことを意味する。したがって、移動している対象物に対する移動体の位置推定を決定および/または改善するための、改善された概念が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
移動座標系に関する移動体の正確な位置推定を実現するための概念を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、独立請求項によって解決される。従属請求項において、発明性のある、さらなる展開が規定される。
【0005】
本発明による実施形態は、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの距離を決定するステップであって、それぞれの距離が移動体と少なくとも3つの信号発生器各々のうちの1つとの間の距離である、ステップを含むステップ(a)を含む、移動体の位置推定を決定および/または改善するための方法を含む。この点について、少なくとも3つの信号発生器各々が移動座標系に関する予め規定された位置を備え、移動座標系は、静止した対象物の位置が座標原点の移動に起因して変化し得る座標系である。さらに方法は、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの決定された距離および移動座標系に関する少なくとも3つの信号発生器の予め規定された位置を使用することによって、移動体の位置推定を決定および/または改善するステップを含むステップ(b)を含む。
【0006】
本発明によるさらなる実施形態は、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの距離を決定するように構成される移動体または移動体のためのモジュールを含み、それぞれの距離は、移動体と少なくとも3つの信号発生器各々のうちの1つとの間の距離である。ここで、少なくとも3つの信号発生器各々が、移動座標系に関して予め規定された位置を有し、移動座標系は、静止した対象物の位置が座標原点の変位に起因して変化し得る座標系である。さらに、移動体またはモジュールは、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの決定された距離および移動座標系に関する少なくとも3つの信号発生器の予め規定された位置を使用することによって、移動体の位置推定を決定および/または改善するように構成される。
【0007】
本発明によるさらなる実施形態は、移動体の位置推定を決定および/または改善するためのシステムを含み、システムは、以前に記載された移動体と、少なくとも3つの信号発生器とを含み、少なくとも3つの信号発生器各々が、移動座標系に関して予め規定された位置を有する。
【0008】
本発明によるさらなる実施形態は、プログラムがコンピュータ上で走るときに本発明による方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムを含む。
【0009】
本発明による実施形態は、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの距離を決定することによって、移動体の位置推定を決定および/または改善するという核となるアイデアに基づく。少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの距離に起因して、たとえば三角測量によって、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の相対的な位置の決定が可能である。ここで、少なくとも3つの信号発生器各々は、移動座標系に関して予め規定された位置を有する。したがって、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの決定された距離によって、移動座標系に関する移動体の相対的な位置がやはりわかる。したがって、移動座標系に関する移動体のナビゲーションを実施することができる。この文脈では、座標系に関して移動することは、移動座標系に関して静止した対象物の位置が、座標系の座標原点の移動に起因して変化する場合があることを含む。具体的には、移動座標系を、たとえば移動している船に関連付けることができ、その結果、移動座標系は、GPS座標などといったグローバル座標に関して船の移動とともに移動する。したがって、移動座標系は、非慣性系であってよい。
【0010】
信号発生器は、座標系に関して、予め規定されるが可変な位置を有する場合もある。信号発生器が、知られている、たとえば座標原点に対する測定可能な相対移動を実施すると、信号発生器への移動体の距離決定は、信号発生器の可変だが知られている相対的な位置によって、移動座標系に関する位置へと変換することができる。船団の場合、信号発生器は、たとえば、異なる船に配置される場合があるが、異なる船は互いに対して知られている位置を有する。
【0011】
特に、少なくとも3つの信号発生器によって座標系を広げることができることに留意されたい。たとえば、信号発生器が座標系中の予め規定された位置を有することができる。したがって、第1の信号発生器が座標系の第1の軸上の第1の固定位置に配置され、第2の信号発生器が、第1の軸に垂直な、座標系の第2の軸上の第2の固定位置に配置され、第3の信号発生器が、座標系の第1および第2の軸に垂直な、座標系の第3の軸上に配置されるように、座標系を形成することができる。しかし、信号発生器の各々を移動座標系中の任意の位置に割り当てることもでき、座標系を、信号発生器の決められた位置に基づいて広げることができる。
【0012】
しかし、たとえば、移動座標系は、信号発生器の移動によって、歪められる、または曲げられる場合がある。たとえば、1組の信号発生器を対象物に沿って配置することができ、この組の信号発生器が座標系の第1の軸を広げ、これらの信号発生器の各々は、広げられた軸上の固定位置を有する。さらに、信号発生器は、たとえば、3次元座標系の2つのさらなる軸を広げることができる。対象物が曲げられると、たとえばGPS座標といった大域座標中の信号発生器の相対的な位置が互いに対して変化する可能性があり、移動座標系の第1の軸上のそれらの固定位置に従って、移動座標系は、対象物の曲げと一緒に曲がる可能性がある。たとえば、この座標系に関してナビゲーションする移動体は、移動体が曲げられた対象物に平行に移動すべきだった場合、移動座標系の第1の曲げられた軸に平行にだけ移動する。このことによって、移動体が、移動座標系に対して特に効果的に移動することが可能になる。
【0013】
しかし、たとえば移動座標系の座標原点が関連付けられる対象物の形状の変化は、対象物のモデルを適合させることによって考慮に入れることもできる。たとえば、軌道計画は、移動座標系中の対象物のCADモデルなどといったモデルに基づくことができる。たとえば測定によってわかる対象物の形状の変化を、ここでモデル中にマッピングすることができ、それに基づいて、軌道計画を実施することができる。
【0014】
本発明の概念の別の利点は、移動体が、それ自体の位置の情報を非常に迅速に決定できるということである。それぞれの信号発生器に対する距離の決定は、たとえば、GPSによる位置決定よりも速く行うことができる。速度とは、位置情報の更新速度のことを呼ぶ。多くの用途では、たとえばGPSを介した位置情報の更新速度は、十分な精度で、移動座標系に関する軌道を追跡するのに十分ではない。移動している船に着陸するドローンの場合には、特に、波に起因する上下動に関する、船の急速に時間変化する位置を考慮に入れる、船に対する位置決定が有利である。したがって、自動着陸の期間に、ドローンに知られていない波による船の上への移動に起因して、ドローンが高すぎる加速度でデッキに着地して損傷するまたは破壊するのを回避することができる。
【0015】
本発明によるさらなる実施形態では、ステップ(a)は、移動体から少なくとも3つの信号発生器に送信信号を送信するステップと、移動体によって少なくとも3つの信号発生器からの応答信号を受信するステップとを含む。さらに、受信した応答信号に基づいて、少なくとも3つの信号発生器から移動体の少なくとも3つの距離を決定するステップが実施される。さらに、ステップ(a)およびステップ(b)が移動体によって実施される。
【0016】
たとえば、各個別の信号発生器が個別信号で送信信号に応答するように、応答信号は複数の個別信号を含むことができる。信号発生器からの応答信号から、移動体が、たとえば時間測定に基づいて、対応する信号発生器への距離を次いで決定することができる。簡単に言うと、実施形態によれば、移動体は、少なくとも3つの信号発生器に入射する送信信号を送信することができる。受信した送信信号に応答して、信号発生器の各々が応答信号を送信することができ、これを次いで移動体が検出する。移動体はそれ自体の知能を有することができるが、たとえば、信号を評価して、移動時間を計算し、次いで、それぞれの信号発生器への距離を計算することができる。さらに、信号発生器は、応答信号を送る前に、ドローンからの信号を分析することもできる。たとえば、ドローンは、信号発生器との通信を介して、状態情報またはそれ自体の位置についての情報を送信することができる。
【0017】
本発明による実施形態では、少なくとも3つの信号発生器各々が、移動座標系に関して、予め規定された、不変の位置を有する。移動座標系に関した信号発生器の不変の位置によって、信号発生器と移動座標系との間の相対移動を考慮に入れる必要がないという利点がもたらされる。たとえば、移動座標系自体を信号発生器によって広げることができ、信号発生器が今度は互いに対して予め規定された、不変の位置を有し、信号発生器は全体としてのみ移動すること、すなわち互いに対するそれらの予め規定された、不変の位置を維持しながら移動することができる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、移動している対象物が、移動座標系に関して、予め規定された、不変の位置を有することができ、移動座標系の移動は、対象物の物理的移動に対応する。具体的には、対象物は、たとえば移動している船であってよい。移動座標系の座標原点は、ここで、たとえば船の表面上の点であってよい。したがって、船が移動すると、移動座標系も慣性系、たとえば大域座標またはGPS座標に関して移動する。ここで、たとえば、信号発生器を対象物にしっかりと接続することができ、その結果、信号発生器が、座標系に関して、以前に言明された、予め規定された、不変の位置を有する。しかし、船のような対象物の場合、信号発生器は、移動座標系の座標原点がその表面上に固定された、移動している船に対する相対的な位置が知られている、1つまたは複数の護衛船上に配置することもできる。対象物の移動と移動座標系の移動との間で結合することによって、移動している対象物に関する移動体のナビゲーションは、移動座標系に対するその位置を決定することによって実施できる。
【0019】
本発明による実施形態では、ステップ(a)は、移動している対象物の位置についてのGPS情報を得るステップを追加で含み、ステップ(b)は、GPS情報を使用することによって、移動体の位置推定を決定および/または改善するステップを含む。GPS情報を使用することによって、たとえば、移動している対象物の位置に関して、信号発生器からの移動体の3つの距離によって決定された対象物からの移動体の相対的な位置を、GPS座標へと変換することができる。大域座標中の移動体の位置を決定するというこのオプションは、たとえば、GPS座標中の移動している対象物の位置が、GPS座標中の移動体の位置より高い精度で利用可能である場合に、特に有利となることができる。たとえば、移動している対象物としての船は、移動体を形成できるたとえばドローンよりも、それ自体の位置を決定するためのより正確な位置決定システムを有する場合がある。対照的に、信号発生器による距離決定は、高い精度で可能である。したがってたとえば、ドローンの場合に、正確な位置決定を、低コストおよび少ない努力で行うことができる。たとえば、信号発生器を備える対象物の周りの近い範囲内でだけドローンが使用される場合、たとえばドローンのGPSシステムを完全に省略することができ、このことによって、費用的な利点をもたらすことができる。
【0020】
本発明の実施形態によれば、位置推定は、移動座標系に関する位置推定または絶対座標系に関する位置推定である。それによって、絶対座標系は、少なくともほぼ慣性系であってよい。たとえば絶対座標系は、たとえばGPS座標を使用する大域座標中の座標系であってよい。しかし、位置推定は、特に移動座標系に関して、および絶対座標系に関して実施することもできる。このことによって、移動体に、一方では、たとえば、環境中の知られているたとえばマッピングされた障害物との衝突を回避するために絶対的位置情報を、他方では、たとえば、移動している対象物を短距離で検査することを可能にするために相対的位置情報を提供する。
【0021】
本発明の実施形態によれば、方法は、追加ステップ(c)を含むことができる。この場合、ステップ(c)は、移動体の位置についてのGPS情報を決定するステップと、移動体の位置についてのGPS情報を使用することによって、移動体の位置推定を決定および/または改善するステップとを含む。こうして、たとえば、一方では移動体の位置について決定されたGPS情報が、他方では移動座標系に関する移動体の相対的な位置が融合される、データ融合を実施することができる。さらに、移動座標系の座標原点のGPS座標が知られている場合、移動座標系に関する移動体の相対的な位置についての情報を、GPS座標情報へと変換することができる。たとえばこの情報を、次に今度は、移動体の位置についてのGPS情報と融合して、移動体の位置推定の改善を実現することもできる。ここで、GPSシステムを、たとえば移動体自体の中に収容することができる。
【0022】
本発明による実施形態では、ステップ(c)は、移動体が、移動している対象物に対して少なくとも第1の距離にあるときに実施され、ステップ(a)およびステップ(b)は、移動体が、第1の距離より短い、移動している対象物からのある距離にあるときに実施される。たとえば第1の距離は、移動体と信号発生器との間の信号送信のための範囲であってよい。たとえば、第1の距離は10kmであってよい。簡単に言うとたとえば、信号発生器の範囲の外側では、移動体のナビゲーションは、移動体の位置について決定されたGPS情報のみに基づいて行うことができ、範囲内では、たとえば、少なくとも3つの信号発生器からの正確に決定された移動体の距離および移動座標系に関する信号発生器の位置についての情報のみに基づいて行うことができる。たとえば、船の周りのドローンによるグリッドサーチの場合、船の周りの広い範囲のGPSによるドローンの位置決定が十分である可能性があり、たとえば、自動着陸では、より正確な位置決定、および距離決定による船に関する相対的な位置の決定を使用する必要がある。
【0023】
本発明の実施形態によれば、ステップ(c)は、移動体が、移動している対象物から少なくとも第1の距離にあるときに実施され、ステップ(a)、ステップ(b)、およびステップ(c)は、移動体が、第1の距離より短い、移動している対象物からのある距離にあるときに実施される。したがって、移動体の位置についてのGPS情報の決定は、信号発生器の範囲内でさらに継続して、たとえば上で説明したデータ融合によって、移動体の改善された位置推定を実現することができる。したがって、移動体の位置推定を、正確に決定または改善することができる。
【0024】
本発明のさらなる実施形態によれば、方法が追加ステップ(d)を含み、ステップ(d)が、位置推定に基づいて移動体をナビゲーションするステップを含む。改善された位置推定は、衝突の可能性を減らすことができ、たとえば検査作業に関して、検査するべき対象または対象物に対してより短い距離をとって検査精度を改善することができる。したがって、本発明による実施形態は、信号発生器の座標に基づいて、たとえば設置されたラジオビーコンの座標に基づいて、三角測量によってGPSと無関係な位置決めシステムを確立するための概念を含む。これによって、センチメートル精度のナビゲーションを可能にすることができる。実施形態によれば、ナビゲーションは、信号発生器への決定された距離に基づき得、GPS座標を置き換えることができ、または、距離情報をGPSデータと組み合わせることができ、たとえば、GPS座標をそれによって補正することができる。さらに、GPSまたはGPSナビゲーションと、信号発生器からの距離情報または信号発生器情報に基づいたナビゲーションとの間で、行ったり来たり切り換えることも可能である。これらのナビゲーションオプションは、たとえば、移動体の自律的制御、たとえば、たとえばドローンの自律型飛行、といった任意の組合せで使用することができる。
【0025】
本発明の実施形態によれば、ステップ(d)が、移動体の移動軌道についての中間点を生成するステップと、移動座標系の移動に基づいて中間点を適合させるステップとを含む。たとえば、船へのドローンの着陸進入では、着陸進入の移動軌道を、船の移動に関して適合することができる。このことによって、移動体を、安全性を高めて、特に移動している対象物のごく近傍でナビゲーションすることが可能になる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、ステップ(d)は、移動座標系の移動を予測するステップと、移動座標系の予測された移動に基づいて中間点を適合させるステップとを含む。たとえば移動予測のために、信号発生器および/または対象物がセンサ素子を装備し、移動座標系の移動を検出することができる。具体的には、たとえば信号発生器は、移動座標系が広げられる対象物上に固定式に取り付けることがやはりできる。たとえば信号発生器の中または対象物自体の中にジャイロスコープおよび加速度計を使用することによって、対象物の、したがって移動座標系の移動は、検出および予測の両方を行うことができる。したがって、移動体の軌道を、座標系の予測された移動または対象物に従って適合させることができる。たとえば、再び船の場合に、波に起因する上下動をこうして予測することができ、その結果、たとえば、移動体としてのドローンの自動着陸進入を計画することができ、その結果、ドローンは自動化された方法で船の下向きの移動中に着陸する。このことによって、たとえば、波に起因する船の予見できない上向きの移動が、ドローンを船のデッキに強く着陸させて損傷または破壊されるのを防ぐことができる。
【0027】
本発明の実施形態によれば、ステップ(d)は、移動している対象物上の、完全に自動化された離陸および/または着陸を含む。このため、たとえば、以前に説明した移動体の移動軌道の適合を使用することができる。対象物の移動を予測することによって、移動体の衝突もしくは過剰な加速の危険なしで、またはたとえばその危険がほとんどなしで、完全に自動化された離陸および/もしくは着陸を行うことがこうしてできる。しかし、移動している対象物上の離陸および/または着陸について、移動体または対象物の位置および移動情報に加えて、たとえば風、湿度、温度についての環境情報をやはり考慮に入れることができる。
【0028】
したがって、実施形態によれば、移動している対象物の/移動している対象物上の、完全に自動化された離陸および/または完全に自動化された着陸は、対象物の移動を追跡することによって実施することができる。対象物としての移動している船の場合、たとえば、波の移動の補償を行うことができ、または実行することができる。また、たとえば、うねりの中で洋上風力タービンを補給船で検査するとき、波の移動の補償を行うことができ、たとえば少なくとも3つのラジオビーコンの形での少なくとも3つの信号発生器を着陸場所に設置することができる。離陸および/または着陸期間に、移動体たとえばドローンは、その位置決めまたはナビゲーションを、たとえば少なくとも3つのビーコンを備える本発明の概念またはシステムに切り換えること、および/または、たとえば、局所的知能によって、たとえば移動体の一部である処理ユニットによって変換することにより補正したGPSデータを使用することができる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、移動している対象物は、船、飛行船、石油もしくはガスプラットフォーム、洋上風力タービン、または超高層ビルである。しかし、対象物のタイプにかかわらず、対象物全体の曲がりも考慮することができる。たとえば、超高層ビルは強い風に起因して曲がりが生じる可能性があり、その結果、超高層ビルの頂部が数メートル揺り動かされる場合がある。たとえば、そのような使用例に関して、対象物は、対象物の曲がりを検出することができる複数のセンサを有することができる。たとえば、センサは、対象物の表面に沿って特定の間隔で配置することができ、対象物の曲がりを決定することができる。対象物の曲がりは、次いで、たとえば移動座標系における対象物のモデルを適合させることによってマッピングすることができ、または、たとえば座標系自体を曲げ得る。したがって、移動座標系の座標軸は、曲がった対象物の表面と位置合わせされるなど、曲がった対象物の表面に関連付けることができる。簡単な言葉で言えば、座標系は、その関連する対象物の曲がりに従うことができる。対照的に、浮いている石油プラットフォームまたはガスプラットフォームは、たとえば、波の作用に起因して曲がることなく横方向に移動する場合がある。さらに、対象物の移動の予測は、対象物の曲がりの予測をやはり含むことができることに留意されたい。たとえば、強い風の中の超高層ビルの頂部の曲がりは、たとえば、着陸軌道を適合させることによって、自律型ヘリコプタの着陸用に予測することができる。
【0030】
本発明のさらなる実施形態によれば、少なくとも3つの信号発生器は、ラジオビーコン、光ビーコン、および/または音響ビーコンのうちの少なくとも1つを備える。実施形態によれば、複数の信号が可能であり、これらは移動体と信号発生器との間で交換される。したがって、用途に応じて、技術的に好都合な信号伝達を使用することができる。ラジオビーコンは、たとえば5GHzもしくはたとえば4GHzの周波数を有する、または、2.4GHzから9.5GHzの範囲、たとえば2.4GHzの範囲、もしくはたとえば4GHzの範囲、もしくはたとえば5GHzの範囲の周波数もしくは周波数範囲を有する電波で動作することができる。移動体は、対応する周波数範囲で動作することができる。より一般的には、移動体および信号発生器は、信号の交換が可能なように、対応する周波数範囲に調整することができる。
【0031】
本発明の実施形態によれば、移動体は、ドローン、潜水艦、ヘリコプタ、飛行機、飛行船、または船である。したがって、移動座標系に関するナビゲーションは、様々な用途で使用することができる。
【0032】
本発明の実施形態によれば、本発明のシステムは、たとえば上で記載の移動している対象物といった、移動している対象物を含み、移動している対象物が移動座標系に関する予め規定された、不変の位置を有し、移動座標系の移動が対象物の物理的移動に対応する。移動体、信号発生器、および移動している対象物を含む本発明のシステムは、対象物に対する移動体の効果的で正確なナビゲーションを可能にする。
【0033】
本発明による実施形態の例が、添付図面を参照して下でより詳細に説明される。図示される概略図に関し、図示される機能ブロックが、本発明の装置の要素または特徴として、および、本発明の方法の対応する方法ステップとしての両方と考えられるべきであって、本発明の方法の対応する方法ステップをそれから導出することがやはりできることを留意されたい。図は、以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の実施形態による方法で使用するための移動体、3つの信号発生器、および移動座標系の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態による、移動体および3つの信号発生器を含むシステムならびに移動座標系および移動している対象物の概略図である。
【
図3】本発明の実施形態による、移動体のナビゲーションシステムの概略図である。
【
図4】本発明の実施形態によるプロセスの流れ図である。
【
図5】対象物としての超高層ビルの概略図であって、本発明の実施形態による、対象物の曲がりが移動座標系でマッピングされた図である。
【
図6】本発明の実施形態による、移動体の位置推定を決定および/または改善するための情報処理の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施形態が図面を参照して下で詳細に説明される前に、同一、機能的に等しいもしくは等しい要素、オブジェクト、および/または構造物は、異なる図面において同じまたは同様の参照番号を備え、その結果、異なる実施形態において説明されるこれらの要素の記載が交換可能または相互適用可能であることに留意されたい。
【0036】
図1は、本発明の実施形態による方法で使用するための移動体、3つの信号発生器、および移動座標系の概略図を示す。
図1は、ドローンの形での例としての移動体110、信号発生器120a~c、および座標原点140を有する移動座標系130を示す。
【0037】
任意選択で、移動体の位置についてのGPS情報を決定することができる。移動体110の位置推定は、たとえば慣性系もしくは非慣性系に関して、たとえばGPS座標といったたとえば大域座標に関して、または移動座標系に関して、相対座標または絶対座標で行うことができる。移動体の位置について知られているGPS情報の場合に、移動体110の位置推定の不確実性が
図1に図示される。
【0038】
信号発生器120からの移動体110の距離160a~cを決定することによって、移動体110の位置を決定することができる、または移動体110の位置推定を改善することができる。決定された距離160a~cを考慮に入れた、改善された位置推定170の不確実性が、やはり
図1にプロットされる。そのような不確実性は、たとえば距離決定における不確実性を考慮に入れ、それによって任意選択で、決定することができる。しかし、実施形態によれば、移動体の位置は、不確実性または信頼区間を決定することなく決定することもできる。
【0039】
信号発生器120a~c各々が、移動座標系に関して、予め規定された位置(x1/y1)~(x3/y3)を有する。したがって、決定された距離160a~cを使用して、移動座標系130に関して移動体110の位置を決定することができる。さらに、信号発生器の位置は、たとえば大域座標といった絶対座標系に関する位置であってもよく、その結果、大域座標または絶対座標における移動体110の位置をそれらに基づいて決定することもできる。
【0040】
本発明による方法は、移動体の位置についてのGPS情報を決定するステップをさらに任意選択で含むことができる。位置推定は、たとえば慣性系または非慣性系に関して、たとえば相対座標または絶対座標で行うことができる。
【0041】
任意選択で、距離160a~cを決定するために、移動体110は、信号発生器120a~cによって検出される送信信号を放出することができる。次いで信号発生器120a~cは、移動体110によって受信される応答信号を送信する。距離160a~cの決定は、次いでその後に、たとえば信号発生器120a~c各々のうちの1つからの部分的信号の組を含むことができる応答信号に基づいて行うことができる。距離決定は、たとえば時間測定によって行うことができる。たとえば、距離は、送信信号を送信することと、応答信号を受信することとの間の時間期間によって決定することができる。
【0042】
座標系130に関する信号発生器の予め規定された位置には、位置(x1/y1)~(x3/y3)が知られているという事実が含まれる。しかし、これらの位置は、必ずしも不変である必要はない。信号発生器120a~cは、移動座標系130に関して、予め規定された、不変の位置(x1/y1)~(x3/y3)を有することもできる。
【0043】
図2は、本発明の実施形態による、移動体および3つの信号発生器を含むシステムならびに移動座標系および移動している対象物の概略図を示す。
図2は、
図1に既に記載された要素ならびに追加で対象物210を示す。システム220は、移動体110および信号発生器120を含む。
【0044】
任意選択で、システムは、対象物210を追加で含むことができる。対象物は、たとえば船であってよい。
図2に示されるように、信号発生器120は、対象物上に取り付けることができる。さらに、座標系130は、対象物210の表面に基づいて広げられる。こうして、移動座標系130の移動が、対象物210の物理的移動に対応する。信号発生器120各々が、座標系130に関して、予め規定された、不変の位置を有する。距離160を決定することによって、移動体110は、対象物210に非常に接近してナビゲーションされ得、またはたとえば、自動的に離陸または着陸することができる。というのは、本発明の、座標系、したがって対象物に対する位置の決定によって、対象物210との衝突の危険を低く保つことができるためである。
【0045】
さらに、対象物210の位置についてのGPS情報を、任意選択で得ることまたは決定することができる。この情報は、次いで、移動体110の位置推定を改善するために使用することができる。
図3に示されるように、移動座標系130が対象物表面に基づいて広げられる場合、対象物210のGPS位置を使用して、移動体110から信号発生器120への距離を評価することによって、移動体のGPS位置を推測することもできる。
【0046】
さらに、移動体110の位置についてのGPS情報を任意選択で決定することができる。たとえば、
図1に円150で示されるような推定の不確実性を有するGPS座標といったこのGPS情報を使用して、移動体110の位置推定の決定および/または改善を実施することができる。
【0047】
この点に関し、移動体110の位置についてのGPS情報は、たとえば、信号発生器と移動体との間の通信範囲の外側で単独で使用して、移動体110をナビゲーションすることができる。通信範囲内では、GPS情報は、位置決定/改善のための信号発生器120への移動体110の決定された距離160とともにデータ融合のための追加情報として使用することができ、またはGPS情報を、決定された距離160だけを使用するナビゲーションに切り換えることができる。
【0048】
図3は、本発明の実施形態による移動体のナビゲーションの概略図を示す。
図3は、対象物210への移動体110の着陸進入を示す。一例として、移動体110はドローンとして示され、対象物210は船として示される。移動体110の位置推定に基づいて、たとえば着陸用の、中間点320を含む移動軌道310を計画することができる。たとえば
図3に示されるように、移動している波W上で対象物210が移動しているとき、中間点は、移動座標系の移動または移動している対象物210に基づいて適合させることができる。特に、
図3に示されるように、たとえばそれ自体の飛行時間を考慮に入れた移動体110が、軌道310を中間点340を含む軌道330に適合し、対象物210の移動を考慮に入れて対象物に着陸するように、この適合は移動座標系の移動の予測に基づいて実施することができる。結果として、そのような着陸またはたとえば離陸を完全に自動化することができる。
【0049】
センサデータを予測のために使用することができる。たとえば、信号発生器が加速度計またはジャイロスコープなどといったセンサを備えることができ、またはセンサを対象物上に配置することができる。さらに、予測は対象物のCADモデルに基づいて計算することもできる。対象物のねじれ、または曲がりを考慮に入れるためにモデルを使用することもできる。たとえば、対象物の移動および/または変形をマッピングするために、対象物上の力センサを使用することもでき、次いでこれを使用して、高い精度で対象物に関して移動体をナビゲーションすることができる。これは、非常に大きい対象物にとって特に有利となる場合がある。というのは、対象物の寸法に起因して、たとえば超高層ビルの高さまたは貨物船の長さに関する小さい変形でさえ、対象物の要素の位置におけるかなりの変化をもたらす可能性があるためである。
【0050】
図4は、本発明の実施形態による方法の流れ図を示す。移動体の位置推定を決定および/または改善するための方法400は、ステップ410を含み、ステップ410は、少なくとも3つの信号発生器から移動体の少なくとも3つの距離を決定するステップを含み、それぞれの距離は、移動体と少なくとも3つの信号発生器各々のうちの1つとの間の距離であり、少なくとも3つの信号発生器各々が、移動座標系に関して予め規定された位置を有し、移動座標系は、静止した対象物の位置が座標原点の移動に起因して変化し得る座標系である。さらに、方法400は、ステップ420を含み、ステップ420は、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの決定された距離および移動座標系に関する少なくとも3つの信号発生器の予め規定された位置を使用した、移動体の位置推定を決定および/または改善するステップを含む。この点に関し、ステップ410および420は、以前に説明したステップ(a)およびステップ(b)に対応することができる。
【0051】
図5は、対象物としての超高層ビルの概略図を示し、本発明の実施形態によれば、対象物の曲がりが移動座標系でマッピングされる。
図5は、超高層ビルの形での例としての対象物210を示す。風に起因して、超高層ビルの頂部は数メートル揺り動かされる場合がある。この効果は、
図5では強く誇張されている。信号発生器120は対象物210上に配置される。移動座標系130は対象物の表面により広げられる。対象物はセンサ510をさらに備え、センサ510は、対象物210の表面上に配置される。一例として、センサ510はここで移動座標系130の軸上に配置されるが、センサ510は、移動座標系130に対して任意の場所に配置することもできる。センサ510は対象物210の曲がりを検出するように構成される。測定された曲がりに基づいて、移動座標系130は、対象物210の表面に従う。たとえば検査のために、ドローンはここで、曲がった対象物210と衝突することなく、曲がった軸からの距離に関してナビゲーションされ得る。そのような曲がりは、対象物210の対応するモデルで考慮することもできる。対象物の変形のそのような考察を使用して、たとえば、移動体110を風力タービンのロータブレードに対してナビゲーションすることができる。それらの長さに起因して、ロータブレードは、検査するドローンとの衝突を回避するために考慮に入れることができるたわみを有する場合がある。
【0052】
図6は、本発明の実施形態による、移動体の位置推定を決定および/または改善するための情報処理の概略図を示す。
図6は、
図4のステップ420を示し、ステップ420は、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの決定された距離160、および、たとえば、
図1の位置(x
1/y
1)~(x
3/y
3)といった、移動座標系に関する少なくとも3つの信号発生器の予め規定された位置620を使用する、移動体の位置推定を決定および/または改善するステップを含む。ステップ420で処理することができる、さらなるオプションの情報としては、対象物の位置についてのGPS情報630、移動体の位置についてのGPS情報640、ならびに、対象物および/または信号発生器のセンサからのセンサ情報650が挙げられる。たとえば、対象物の位置についてのGPS情報630および移動体の位置についてのGPS情報640は、各々がそれぞれ対象物および移動体のGPS座標を含むことができる。
【0053】
たとえば対象物としての船、移動体としてのドローンの場合、船は、それ自体のGPS位置630をドローンに送ることができ、ドローンは、少なくとも3つの信号発生器からのドローンの少なくとも3つの決定された距離160および移動座標系に関する少なくとも3つの信号発生器の予め規定された位置620、ならびにGPSモジュールを使用して決定されたそれ自体の位置640に基づいて、ステップ420を実施することができる。
【0054】
たとえば対象物および/または信号発生器のセンサからのセンサ情報650は、たとえば加速度またはジャイロセンサからのセンサ情報といった加速度情報を含むことができる。移動座標系中の予め規定された位置がセンサに位置合わせされる場合、たとえば
図5に説明されるように、対象物の曲がりを考慮に入れることができる。対象物の位置についてのGPS情報630、移動体の位置についてのGPS情報640、ならびに対象物および/または信号発生器のセンサからのセンサ情報650は、各々が別個にまたは任意の組合せで、ステップ420で使用することができることに留意されたい。
【0055】
より一般的には、本発明による実施形態はこうして対象物を追跡および/またはトレースするための概念を実現する。対象物は、走行、駆動、または移動する対象物であってよい。たとえば、GPS座標を補正することによって、そのような対象物の検査は、たとえば補給船から、帰還機能を使用することによって、本発明によって実施することができる。帰還機能は、たとえば、少なくとも3つの信号発生器からの移動体の少なくとも3つの決定された距離を使用して移動体をナビゲーションすることによって、実施することができる。機能は、たとえば対象物への自動ナビゲーションまたは帰還、ならびにたとえば追加または代替で、たとえば移動体としてのドローンに関する自動着陸機能を含むことができる。こうして検査は、たとえば、特に移動している船または他の移動している対象物から、移動している間に実行することができる。
【0056】
さらに、本発明によれば、移動している対象物に対して平行に、移動体によって任意のサーチパターンを実施することができる。たとえばドローンは、たとえば移動している船の近傍で、船たとえば海上救難船の移動に対して平行に、決定された距離または距離値を変換することによって、任意のサーチパターンを実施して、たとえばGPS座標といった位置推定を補正することができる。追加または代替で、移動している対象物たとえば移動している船のたとえばGPS座標の形での位置推定は、移動体たとえば移動しているドローン位置の補正または位置推定のために、送信することもできる。この場合、たとえば、移動体の着陸または帰還だけを、信号発生器からの移動体の距離を決定することによって制御することができる。
【0057】
より一般的には、本発明による実施形態は、移動している対象物を検査するための概念を提供する。移動している対象物は、たとえば、錨で固定されて浮いている石油プラットフォームまたはガスプラットフォームであってよい。たとえば、移動可能または移動している対象物上のたとえばラジオビーコンの形での少なくとも3つの信号発生器を使用して、三角測量システムをセットアップすることができる。移動座標系のセットアップまたは計算は、設置された信号発生器またはラジオビーコンの座標の三角測量に基づいてよい。さらに、対象物の移動への座標の動的な適合または変換を行うことができる。たとえば、位置もしくは距離データの変化または位置の変化は、信号発生器またはラジオビーコンの距離データの変化によって検出することができる。移動体たとえばドローンは、ここで、対象物の移動に従うこと、または、移動している対象物に対して予め規定された移動軌道に従うことができる。さらに、移動体たとえばドローンの動的な中間点(中間点)生成のための、たとえば対象物のCADデータの移動座標系への変換は、たとえば局所的知能を使用して実施することができる。
【0058】
加えて、本発明の概念の別の利点または応用分野は、センチメートル精度の移動体制御、たとえば橋の下、工場(精製所など)、またはたとえば屋内といった対象物もしくは建造物の内側のGPSの影の区域におけるセンチメートル精度のドローン飛行である。たとえばGHz範囲内といった、好適な周波数範囲を使用することにより、移動体と信号発生器との間の信号が、壁などの障害物を貫通することができる。
【0059】
本明細書で言及した材料のすべてのリスト、環境の影響、電気的特性、および光学的特性は、例として見なされるべきであり、網羅的であると見なされるべきでない。
【0060】
装置の文脈でいくつかの態様が記載されているが、これらの態様は、対応する方法の説明をやはり表しており、その結果、装置のブロックまたはデバイスは、それぞれの方法ステップまたは方法ステップの特徴にやはり対応することが明らかである。類似して、方法ステップの文脈で記載される態様は、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または特徴の説明をやはり表す。方法ステップの一部または全部は、マイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ、または電子回路などといったハードウェア装置によって(またはハードウェア装置を使用して)実施することができる。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップの一部またはいくつかは、そのような装置によって実施することができる。
【0061】
ある種の実装要件に依存して、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。本実装形態は、たとえば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、またはフラッシュメモリといったデジタル記憶媒体、ハードドライブまたはその上に電気的に可読な制御信号を記憶した他の磁気もしくは光学式メモリを使用して実施することができ、これらはプログラム可能なコンピュータシステムと協力し、または協力することが可能であり、その結果、それぞれの方法が実施される。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読であってよい。
【0062】
本発明によるいくつかの実施形態は、プログラム可能なコンピュータシステムと協力することが可能な、電気的に可読な制御信号を含むデータキャリアを含み、その結果、本明細書に記載される方法うちの1つが実施される。
【0063】
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で走ると、方法のうちの1つを実施するために動作可能である。
【0064】
たとえば、プログラムコードは、機械可読キャリア上に記憶することができる。
【0065】
他の実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを実施するためのコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは、機械可読キャリア上に記憶される。
【0066】
したがって、言い換えると、本発明の方法の一実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で走ると、本明細書に記載された方法のうちの1つを実施するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムである。
【0067】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを実施するためのコンピュータプログラムがその上に記録されており、それを含む、データキャリア(またはデジタル記憶媒体またはコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体は、典型的には有形または不揮発性である。
【0068】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。たとえばデータストリームまたは信号のシーケンスは、たとえばインターネットを介するといった、データ通信接続を介して転送されるように構成することができる。
【0069】
さらなる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを実施するように構成または適合される、たとえばコンピュータまたはプログラム可能な論理デバイスといった処理手段を備える。
【0070】
さらなる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを実施するためのコンピュータプログラムをその上にインストールしているコンピュータを備える。
【0071】
本発明によるさらなる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの少なくとも1つを実施するためのコンピュータプログラムを受信器に送信するように構成される装置またはシステムを含む。送信は、たとえば電気的または光学的であってよい。受信器は、たとえばコンピュータ、モバイルデバイス、メモリデバイス、または同様のデバイスであってよい。装置またはシステムは、たとえば、コンピュータプログラムを受信器に送信するためのファイルサーバを含むことができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、プログラム可能な論理デバイス(たとえば、フィールドプログラム可能なゲートアレイ、FPGA)を使用して、本明細書に記載される方法の機能性の一部または全部を実施することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のうちの1つを実施するために、フィールドプログラム可能なゲートアレイがマイクロプロセッサと協力することができる。一般的に、方法は、好ましくは任意のハードウェア装置によって実施される。これは、コンピュータプロセッサ(CPU)などの一般的に適用可能なハードウェアまたはASICなどの方法に専用のハードウェアであってよい。
【0073】
本明細書に記載される装置は、たとえば、ハードウェア装置を使用すること、またはコンピュータを使用すること、またはハードウェア装置とコンピュータとの組合せを使用することによって実施することができる。
【0074】
本明細書に記載される装置または本明細書に記載される装置の何らかの構成要素は、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェア(コンピュータプログラム)で実装することができる。
【0075】
本明細書に記載される方法は、たとえば、ハードウェア装置を使用すること、またはコンピュータを使用すること、またはハードウェア装置とコンピュータとの組合せを使用することによって実施することができる。
【0076】
本明細書に記載される方法または本明細書に記載される方法の何らかの構成要素は、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェア(コンピュータプログラム)によって実施することができる。
【0077】
上で記載した実施形態は、本発明の原理を単に説明するためである。配置構成の修正形態および変形形態ならびに本明細書に記載される詳細が、当業者には明らかとなることが理解される。したがって、本発明は添付される特許請求の範囲の範囲によってのみ限定され、本明細書の実施形態の記載および説明によって提示される具体的な詳細によっては限定されないことが意図される。
【符号の説明】
【0078】
110 移動体
120 信号発生器
120a 信号発生器
120b 信号発生器
120c 信号発生器
130 移動座標系
140 座標原点
150 円
160 距離
160a 距離
160b 距離
160c 距離
210 対象物
220 システム
310 軌道、移動軌道
320 中間点
330 軌道、移動軌道
340 中間点
400 方法
410 ステップ(a)
420 ステップ(b)
510 センサ
620 位置
630 GPS情報
640 GPS情報、位置
650 センサ情報
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体(110)の位置推定を決定および/または改善するための方法(400)であって、
(a)少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の少なくとも3つの距離(160)を決定するステップであって、前記それぞれの距離が前記移動体(110)と前記少なくとも3つの信号発生器各々のうちの1つとの間の距離であり、
前記少なくとも3つの信号発生器(120)各々が、移動座標系(130)に関して予め規定された位置を備え、
前記移動座標系(130)が、静止した対象物の位置が座標原点(140)の移動に起因して変化し得る座標系である、ステップと、
(b)
前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の前記少なくとも3つの決定された距離(160)、および
前記移動座標系(130)に関する前記少なくとも3つの信号発生器(120)の前記予め規定された位置(620)
を使用することによって、前記移動体(110)の前記位置推定を決定および/または改善するステップと
を
含み、
ステップ(a)(410)が、
前記移動体(110)から前記少なくとも3つの信号発生器(120)に送信信号を放出するステップと、
前記移動体(110)によって前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの応答信号を受信するステップと
を含み、
前記受信した応答信号に基づいて、前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の前記少なくとも3つの距離(160)を決定するステップが実施され、
ステップ(a)(410)およびステップ(b)(420)が前記移動体(110)によって実施される、方法(400)。
【請求項2】
前記少なくとも3つの信号発生器(120)各々が、前記移動座標系(130)に関して予め規定された、不変の位置を備える、請求項
1に記載の方法(400)。
【請求項3】
移動している対象物(210)が前記移動座標系(130)に関する予め規定された、不変の位置を備え、前記移動座標系の移動が前記対象物の物理的移動に対応する、請求項
1に記載の方法(400)。
【請求項4】
ステップ(a)が、前記移動している対象物(210)の前記位置についてのGPS情報(630)を得るステップを追加で含み、ステップ(b)(420)が、前記GPS情報を使用することによって、前記移動体(110)の前記位置推定を決定および/または改善するステップを含む、請求項
3に記載の方法(400)。
【請求項5】
前記位置推定が、
前記移動座標系に関する、または
絶対座標系に関する位置推定であり、
前記絶対座標系が少なくともほぼ慣性系である、請求項
1に記載の方法(400)。
【請求項6】
前記方法が追加ステップ(c)を含み、ステップ(c)が、
前記移動体(110)の前記位置についてのGPS情報(640)を決定するステップと、
前記移動体の前記位置についての前記GPS情報を使用することによって、前記移動体(110)の前記位置推定を決定および/または改善するステップと
を含む、請求項
1に記載の方法(400)。
【請求項7】
ステップ(c)が、前記移動している対象物(210)に対して少なくとも第1の距離に前記移動体(110)があるときに実施され、
ステップ(a)(410)およびステップ(b)(420)が、前記移動している対象物(210)に対して前記第1の距離より短い距離に前記移動体(110)があるときに実施される、請求項
6に記載の方法(400)。
【請求項8】
ステップ(c)が、前記移動している対象物(210)に対して少なくとも第1の距離に前記移動体(110)があるときに実施され、
ステップ(a)(410)、ステップ(b)(420)、およびステップ(c)が、前記移動している対象物(210)に対して前記第1の距離より短い距離に前記移動体(110)があるときに実施される、請求項
6に記載の方法(400)。
【請求項9】
前記方法が追加ステップ(d)を含み、ステップ(d)が、
前記位置推定に基づいて前記移動体(110)をナビゲーションするステップ
を含む、請求項
1に記載の方法(400)。
【請求項10】
ステップ(d)が、前記移動体(110)の移動軌道(310、330)についての中間点(320、340)を生成するステップを含み、
ステップ(d)が、前記移動座標系(130)の移動に基づいて前記中間点(320、340)を適合させるステップを含む、請求項
9に記載の方法(400)。
【請求項11】
ステップ(d)が、前記移動座標系(130)の前記移動を予測するステップを含み、
ステップ(d)が、前記移動座標系(130)の前記予測された移動に基づいて前記中間点(320、340)を適合させるステップを含む、請求項
10に記載の方法(400)。
【請求項12】
ステップ(d)が、前記移動している対象物(210)上の、完全に自動化された離陸および/または着陸を含む、請求項
9に記載の方法(400)。
【請求項13】
前記移動している対象物(210)が、船、飛行船、石油もしくはガスプラットフォーム、および洋上風力タービン、または超高層ビルである、請求項
1に記載の方法(400)。
【請求項14】
前記少なくとも3つの信号発生器(120)が、ラジオビーコン、光ビーコン、および/または音響ビーコンのうちの少なくとも1つを含む、請求項
1に記載の方法(400)。
【請求項15】
前記移動体(110)が、ドローン、潜水艦、ヘリコプタ、飛行機、飛行船、または船である、請求項
1に記載の方法(400)。
【請求項16】
少なくとも3つの信号発生器(120)に送信信号を放出することと、
前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの応答信号を受信することと、
前記受信した応答信号に基づいて前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの移動体(110)の少なくとも3つの距離(160)を決定することであって、前記それぞれの距離が、前記移動体(110)と前記少なくとも3つの信号発生器(120)各々のうちの1つとの間の距離であり、前記少なくとも3つの信号発生器各々が、移動座標系(130)に関して予め規定された位置を有し、
前記移動座標系(130)が、静止した対象物の位置が座標原点(140)の変位に起因して変化し得る座標系である、決定することと、
前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の前記少なくとも3つの決定された距離(160)、および
前記移動座標系(130)に関する前記少なくとも3つの信号発生器(120)の前記予め規定された位置
を使用することによって、前記移動体(110)の位置推定を決定および/または改善することと
をするように構成される、移動体(110)または移動体(110)のためのモジュール。
【請求項17】
移動体(110)の位置推定を決定および/または改善するためのシステム(220)であって、
請求項
16に記載の移動体(110)と、
前記少なくとも3つの信号発生器であって、前記少なくとも3つの信号発生器各々が、前記移動座標系(130)に関して予め規定された位置を備える、前記少なくとも3つの信号発生器と
を備える、システム(220)。
【請求項18】
移動している対象物(210)を備え、前記移動している対象物が前記移動座標系(130)に関する予め規定された、不変の位置を備え、前記移動座標系の移動が前記対象物(210)の物理的移動に対応する、請求項
17に記載のシステム(220)。
【請求項19】
プログラムがコンピュータ上で走るときに請求項
1に記載の方法(400)を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【請求項20】
移動体(110)の位置推定を決定および/または改善するための方法(400)であって、
(a)少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の少なくとも3つの距離(160)を決定するステップであって、前記それぞれの距離が前記移動体(110)と前記少なくとも3つの信号発生器各々のうちの1つとの間の距離であり、
前記少なくとも3つの信号発生器(120)各々が、移動座標系(130)に関して予め規定された位置を備え、
前記移動座標系(130)が、静止した対象物の位置が座標原点(140)の移動に起因して変化し得る座標系である、ステップと、
(b)前記少なくとも3つの信号発生器(120)からの前記移動体(110)の前記少なくとも3つの決定された距離(160)、および
前記移動座標系(130)に関する前記少なくとも3つの信号発生器(120)の前記予め規定された位置(620)
を使用することによって、前記移動体(110)の前記位置推定を決定および/または改善するステップと、
(d)前記位置推定に基づいて前記移動体(110)をナビゲーションするステップであって、
ステップ(d)が、前記移動体(110)の移動軌道(310、330)についての中間点(320、340)を生成するステップを含み、
ステップ(d)が、前記移動座標系(130)の移動に基づいて前記中間点(320、340)を適合させるステップを含み、
ステップ(d)が、前記移動座標系(130)の前記移動の予測を含み、
ステップ(d)が、前記移動座標系(130)の前記予測された移動に基づいて前記中間点(320、340)を適合させるステップを含む、ステップと
を含む、方法(400)。
【国際調査報告】