(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】インプラント送達装置
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
A61F9/007 130D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562898
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 US2022023596
(87)【国際公開番号】W WO2022221107
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523169279
【氏名又は名称】エアリー ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】レオ アントニー トレビノ
(72)【発明者】
【氏名】チョン リー
(72)【発明者】
【氏名】タイラー ペゴラロ
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シェパード
(72)【発明者】
【氏名】ピーター アンドリュー スミス
(72)【発明者】
【氏名】マシュー チャールズ ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジョン コーソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ラルフ ブラックバーン ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイムズ コース
(57)【要約】
インプラント送達装置、装置組立方法、及びそれらの装置を使用する方法が提示される。送達装置は、針カニューレの近位端内に位置決めされた1つ以上のインプラント送達装置を有する針組立体と、ダンパ組立体と、シャトル組立体をコッキング状態又はプレテンション状態でシャトル組立体を保持する作動部材と共にハウジング内に位置するシャトル組立体とを提供することによって、プッシャワイヤの速度の変動性を排除する、自動インプラント送達機構を使用する。装置の早期の発射又はトリガを防止するためにロックを作動部材に係合させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント送達装置において、
前記インプラント送達装置は、
長手軸線を有する外側ハウジングと、
注入速度を制御するダンパ組立体であって、前記ダンパ組立体は、前記外側ハウジングに対して軸線方向に固定されたダンパハウジングを備え、前記ダンパハウジングは、予め定めた構成を有する通気口を有する、ダンパ組立体と、
作動状態及び発射状態を有するシャトル組立体であって、前記シャトル組立体が、前記外側ハウジング内に摺動可能に配置されかつ第1位置、第2位置及び第3位置を有するシャトルを備える、シャトル組立体と、
プッシャワイヤが遠位方向において、前記長手軸線に沿って前記シャトルから離れて突出するように、近位端で前記シャトルに軸線方向及び回転方向に固定されたプッシャワイヤと、
針組立体とを備え、
前記通気口の予め定めた構成は、埋め込み速度を直接的に制御する、インプラント送達装置。
【請求項2】
前記通気口は、作動送達装置の後で前記シャトルの予め定めた軸線方向速度を達成するように選択された予め定めた寸法を有する貫通孔開口部である、請求項1に記載の送達装置。
【請求項3】
前記ダンパハウジングは、近位端壁及び開放遠位端を更に備え、前記通気口は前記近位端壁内に位置する、請求項1に記載の送達装置。
【請求項4】
前記ダンパハウジングの内面は、潤滑剤を含有する、請求項1に記載の送達装置。
【請求項5】
前記ダンパ組立体は、第1付勢状態と第2付勢状態とを有する弾性部材を更に備え、前記第1付勢状態は、前記第2付勢状態にある場合よりも大きな軸線方向力を端壁に作用させる、請求項1に記載の送達装置。
【請求項6】
前記弾性部材は、圧縮バネ、ねじりバネ、時計バネ、又は、付勢レバー又はアームである、請求項5に記載の送達装置。
【請求項7】
前記弾性部材は、近位端及び遠位端を有し、前記近位端は、前記端壁に当接し、前記遠位端は、シャフトの近位端の近位面に当接する、請求項5に記載の送達装置。
【請求項8】
前記シャトルは、遠位端を有しかつ前記外側ハウジングに対し回転方向に固定されており、
前記シャトルは、
スロットを有するクランプホルダと、
第1ラッチ面とを備え、
前記シャトルは、外側ハウジング内に摺動可能に配置され、
前記シャトルの前記第1位置から前記第2位置への移動が近位方向であり、前記シャトルの前記第2位置から前記第3位置への移動が遠位方向であり、前記第3位置が前記第1位置の遠位に位置する、請求項1に記載の送達装置。
【請求項9】
前記シャトルは、ハウジングの内側に位置するポケットに摺動可能に係合される細長い側面を更に備える、請求項1に記載の送達装置。
【請求項10】
前記シャトル組立体は、前記シャトルから近位方向に延びる細長いシャフトを更に備え、前記シャフトは、前記シャトルに軸線方向かつ回転方向に固定される、請求項1に記載の送達装置。
【請求項11】
前記シャフトの近位端は、前記ダンパハウジングの内面と摺動可能に係合する摩擦面を支持する径方向に延びるプレートを備える、請求項10に記載の送達装置。
【請求項12】
摩擦スライダが、前記細長いシャフトの近位端に位置し、前記細長いシャフトが、長手軸線を画定する、請求項10に記載の送達装置。
【請求項13】
前記摩擦スライダは、半径方向に延びる2つのプレートを備え、摩擦面が前記2つのプレートの間に位置する、請求項12に記載の送達装置。
【請求項14】
前記摩擦面はOリングである、請求項12に記載の送達装置。
【請求項15】
前記プッシャワイヤが前記外側ハウジング及び前記針組立体の遠位端に対して軸線方向に変位可能であるように、前記プッシャワイヤが前記シャトルのスロット内に固定される、請求項1に記載の送達装置。
【請求項16】
前記プッシャワイヤは、フック又はL字型である近位端を有しかつ前記スロットの内面と係合する、請求項15に記載の送達装置。
【請求項17】
前記インプラント送達装置は、クランプが前記シャトルに対して軸線方向及び回転方向に固定されるように、前記シャトル内のスロット内に位置決めされかつ前記プッシャワイヤに当接する、クランプを更に備える、請求項1に記載の送達装置。
【請求項18】
前記インプラント送達装置は、ハウジングの内面に回動可能に取り付けられた作動部材を更に備える、請求項1に記載の送達装置。
【請求項19】
前記送達装置は、前記作動部材の移動を防止するロックを更に備える、請求項18に記載の送達装置。
【請求項20】
前記作動部材は、押し面が前記送達装置の使用者にアクセス可能なように、前記外側ハウジングの切欠を貫通して突出する押し面を備える、請求項18に記載の送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インプラント送達装置、例えば、薬剤並びに薬剤を含む医薬組成物を患者の眼に送達するように設計された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
眼内注射の使用は、世界中で普及率が高まっており、ごく少数の名を挙げれば、黄斑変性、網膜静脈閉塞症及び糖尿病性網膜症などの網膜疾患又は網膜疾患に対する一般的な治療法となっている。これらの状態の患者は、中心視の永久的な喪失の危険性がある。可能な限り早期かつ徹底的に治療することは、視覚を守り、これらの状態でさらなる損失を防ぐために重要である。眼内注射は、眼球後部の網膜付近の硝子体液に投与するなど、局所投与では投与できない眼球の部分に、インプラントとして正確に送達される、高度に標的化された薬剤療法による治療効果を最大限に引き出す。眼の組織にインプラントを挿入するための送達装置が知られているが、このような装置は、使用者、例えば眼科医が、実際のインプラント挿入処理中に手動で装置を操作することを必要とする。残念ながら、この挿入手順の手動操作は、一貫性のないインプラント送達速度をもたらし、眼内の非標的組織に不注意な衝撃を与える(すなわち、硝子体内注入中に網膜に当たる)可能性がある。
【0003】
したがって、カニューレを通して薬剤溶出生体適合性ミクロンサイズのインプラントを眼の所望の標的位置に一貫して送達するインプラント送達装置及び使用方法を提供する必要性が存在する。インプラント送達装置は、インプラントの送達速度が、使用者によってトリガボタンが押される力に依存しないように設計されるべきである。
【発明の概要】
【0004】
したがって、使用者入力から注入速度を切り離すことによって、プッシャワイヤ速度の変動性を排除する、新規な自動送達装置を提供する。
【0005】
本開示は、インプラント送達装置、装置組立体の方法、及びそれらの装置を使用する方法を提供し、いずれも、インプラントが標的組織挿入部位に挿入されるインプラント送達速度を制限することによって、対象者に対する安全性の増大をもたらす。本開示の装置の自動で、使用者でない制御、送達速度は、眼の非標的組織とのインプラントの望ましくない衝撃の可能性を低減する。また、使用者独立したインプラント送達速度は、インプラントが、針が眼から引き出される前に、針カニューレの管腔を完全に出るのに充分な速度を有することを保証する。インプラントが送達装置から送達された時を示す視覚的表示も、一貫した安全なインプラント送達プロセスに貢献する。
【0006】
本開示に記載される実施形態は、概して、医療用インプラント送達装置及び方法に関する。本開示において、「近位方向(proximal direction)」という語が使用される場合、これは、薬剤送達装置の使用中に、投与部位から離れる方向を指す。「近位部分/近位端(proximal part/end)」という語が使用される場合、これは、薬剤送達装置の使用下で、投与部位から最も離れた位置に配置されている、送達装置の部分/端部、又はその部材の部分/端部を指す。これに対応して、「遠位方向(distal direction)」という語が使用される場合、これは、薬剤送達装置の使用中に、投与部位の方を指す方向を指す。「遠位部分/遠位端(distal part/end)」という語が使用される場合、これは、投与装置の部分/遠位端、又はその部材の部分/遠位端を指し、この部分/遠位端は、薬剤送達装置の使用下で、投与部位の最も近くに位置する。
【0007】
更に、「長手方向(longitudinal)」、「長手方向に(longitudinally)」、「軸線方向に(axially)」及び「軸線方向(axial)」という語は、近位端から遠位端まで、かつ、装置又はその構成要素に沿って、典型的には、装置及び/又は構成要素の最長延伸方向の方向に延びる方向を指す。同様に、「横断する(transverse)」、「横断する(transversal)」及び「横断方向に(transversally)」という語は、長手方向に概ね垂直な方向を指す。
【0008】
本開示の多数の実施形態は、装置使用者からの入力が所望の組織位置にインプラントを手動で押し込むことを必要とせずに、1つ以上のインプラントを組織に自動的に挿入するためのインプラント送達装置を含む、本明細書に提示される。同様に、本開示は、インプラント送達装置を製造及び/又は組み立てる方法、並びにインプラント送達装置を使用及び/又は動作させる方法を提供する。送達装置は、単回使用のために構成及び製造しうる。換言すれば、送達装置は、インプラントの埋め込みを行うために再利用することができない。このように構成された装置は、インプラント手順の完了時に、装置がシャープス容器又は同様のレセプタクル内に堆積されるという点で、使い捨て可能な装置と見なされる。本明細書に開示される装置の使用者は、典型的には、例えば眼科医などの医療従事者である。送達装置は、針組立体に取り付けられ、ダンパ組立体と相互作用するシャトル組立体に固定されたプッシャワイヤを含む、細長い、略球状又は長円形のハウジングを有する。取り外し可能なロック及び作動部材もまた、送達装置の一部とし得る。
【0009】
1つの可能な組立方法は、針組立体の構造的構成要素の各々を提供することと、これらの構成要素を配置及び接続して針組立体を形成することとを有する。針組立体の完成は、1つ以上のインプラントを針カニューレの近位端に配置し挿入することを有する。別々に、ダンパ組立体及びシャトル組立体は、組み立てられ、次いで、コッキング状態又はプレテンション状態にあるシャトル組立体を保持する作動部材と共に、ハウジングの一セクションと共に配置される。ロックは、作動部材に挿入されて係合され、装置の早期の発射又はトリガを防止する。その後、針組立体は、ハウジングに取り付けられる。
【0010】
本開示のインプラント送達装置を使用する1つの可能な方法は、ハウジング及び保護キャップを針組立体から取り外し、針カニューレを標的組織インプラント送達部位に位置決めし、送達装置を手動で押して、針カニューレの遠位端を生体膜、硝子体液又は組織内に挿入し、送達装置のハウジングに対して作動部材を押して、シャトル組立体が作動部材から解放されると生じる自動インプラント挿入処置を開始することを有する。ダンパ組立体と組み合わされたプレテンションされたシャトル組立体からの軸線方向の付勢力によって、ハウジングに対する針カニューレ内のプッシャワイヤの自動的な軸線方向の移動を引き起こす。プッシャワイヤの軸線方向の移動によって、針カニューレを介してインプラントが押し出され、先端部から組織内に押し出される。ハウジング内に位置する送達窓の変化を監視することは、組織内へのインプラントの設置が完了したときに使用者に通知し、組織から針カニューレを除去するための時間を信号送信する。
【0011】
ここで、発明概念の特定の実施形態を、添付図面を参照しながら例を挙げて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示のインプラント送達装置の1つの可能な設計の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の送達装置を図示し、保護キャップが取り外され、ハウジングの半分のセクションが取り外されて、シャトル組立体、作動部材、ロック及びダンパ組立体が示されている。
【
図5】
図5は、シャトルとの作動部材の係合及びロックとの係合を図示する、
図1の送達装置の部分断面図である。
【
図6】
図6は、
図1における送達装置の針組立体の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1の送達装置の針組立体の別の斜視図である。
【
図8】
図8は、クランプ及びシャトルとのプッシャワイヤの係合を図示する、
図1の送達装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、
図1~
図8を参照しながら、本開示の特定の実施形態のインプラント送達装置を開示する。
図1に示されるように、送達装置100は、長手方向流路又は長手軸線105を画定する細長い実質的に筒状の本体又は外側ハウジング1を有し、送達装置は、遠位端110及び近位端120を有する。ハウジング1は、装置の組立中に互いに永久的に接続されるいくつかのセクション、例えば2つの半分部1a及び1cから形成しうる。本開示で使用されるように、「永久的(permanent)」という語又は「永久的に(permanently)」という語は、取り外し可能又は再使用可能でなく、かつ、いくつかの部品又は
部品同士を保持するいくつかのコネクタの内の1つ以上を強制的に破損又は破壊することなく、接続される部品が互いに分離できない場合の接続又は取付を記載することを意味する。例えば、ねじ山付きコネクタは、典型的には、ある部品が別の部品からネジを外すことができるように再利用可能である。しかし、対照的に、部品同士の間の接着された又は溶接された接続は、損傷を引き起こすことなく、部品同士を互いに分離することが可能ではない。場合によっては、特定のタイプのコネクタは、取り外し可能又は永久のいずれかとして設計しうる。例えば、スナップ嵌め接続は、永久コネクタとしうるし、部品同士の間の解放可能な接続を提供しうる。
【0014】
組み立てられると、ハウジング1は、組織内にインプラントを送達するために、装置を保持及び使用するときに、人間工学的利益をもたらす略テーパ状の端部8を有しうる。また、このテーパ状の近位端により、ハウジング上のどこで送達装置を把持/保持するかの使用者に都合のよい促進を提供しうる。使用中に使用者が送達装置を把持又は保持すべき位置を更に示すために、ハウジング1の遠位端の外面は、把持面6を有しうる。この把持面は、隆起面又は隆起面又はリブ、刻み目付き表面又は粗面、触覚/ソフトタッチ材のインレー又はオーバーレイ、スティッピング特徴、ディンプル、又は、使用中に装置を把持又は保持する場所を使用者に示す任意の他の特徴の形態の複数の表面で構成しうる。把持面6の別の特徴は、所望のインプラント挿入位置部位に針を挿入する間、使用者が装置を遠位方向に軸線方向に展開するために使用しうる押し面又は支承面を提供しうることである。使用者が針を標的組織位置に移動又は押すのを補助しうる別の装置特徴は、作動部材5の隆起面である。ある場合では、インプラント送達装置100の動作中に、使用者に触覚及び/又はてこ作用機能を提供する押し面9を備えることが望ましい。
【0015】
ハウジングは、また、送達装置の使用者が、装置の動作を監視し、インプラントの挿入が完了したときに視覚的に通知又は別の方法で示すことを可能にする、例えば、切欠又は窓などのビューポート4を含みうる。視覚的通知を提供する1つの可能な方法は、例えば、インプラントが完全に送達される前に、シャッタ又はブロッキング構造が窓4に現れ又は充填され、インプラント送達の完了時に、シャッタ又はブロッキング構造が移動して窓を開くことにより何も現れないようにする、シャッタ効果又は機構を使用することである。このシャッタは、送達装置の内部構成要素の一部又は一セクション、例えば、シャトル18又はシャフト30(
図3参照)としうる。シャトルは、視認性を助けるために、特徴的な色又は他のデザインを有しうる。
【0016】
ハウジング1は、また、アンビル停止面3aと、ロック位置からの早期又は意図しない離脱を防止するためにハウジング1の一部と係合するように構成しうる保持戻り止め3bとを有するロック3を摺動可能に受け入れることになる遠位端に位置する切欠1i(
図3参照)を有しうる。ロック3は、ロック位置とロック解除位置の2つの位置を有するように構成されている。
図1及び
図2は、アンビル停止面が作動部材5に当接して作動部材5の移動を防止し、次にインプラント送達装置の作動を防止する、第1位置又はロック位置にあるロック3を示す。第2位置又はロック解除位置は、使用者が、例えば、ロックを長手軸線105に対して横断方向に引いて可逆的保持戻り止め3bに打ち勝つことによって、ハウジング1から取り外しかつ物理的に分離した位置である。一旦、ロック3が送達装置100から取り外されると、作動部材5は、以下に更に詳しく説明するように、ハウジングと、シャトル組立体14、より具体的にはシャトル18の両方に対して移動するのを阻止されなくなる。ロック3は、第1位置又はロック位置にあるとき、ロック3は、転がり防止機能として機能しうる。すなわち、ロックの突出構造は、送達装置が、テーブルトップを誤って転がしてしまうような、平坦な表面上で制御不能に転がることを防止する。ハウジングの外面を越えてロックから半径方向に延び、ロック3を使用者が把持してハウジング1から取り外すことができるように形作られた、把持タブ3cを設けることができる。
【0017】
ハウジング1は、また、針組立体200(
図6参照)と係合するように構成されたハブコネクタ26(
図3参照)を有しうる。針組立体は、保護キャップ2と外側針ハブ12と内側針ハブ43と針カニューレ10(
図3参照)とを備えうる。針カニューレ10は、遠位端10aと開放近位端10b(
図6参照)とを有する。遠位端10aは、針カニューレの尖った/鋭い終端を終端する又は画定する1つ以上のベベル11を備えて構成される。開放近位端10bは、針カニューレ10を標的インプラント挿入部位に挿入し、送達装置100を作動させた後、プッシャワイヤ24によって遠位端10aから押し出されるように構成されている1つ以上のインプラントを受け入れるように構成されている。
図6及び
図7は、要素36、37、38を備える可逆的スナップ嵌合によって外側針ハブ12に取り外し可能に接続される保護キャップ2を有しうる針組立体200の1つの可能な構成を詳細に示す。保護キャップ2は、ハウジング1への直接的な接続とは対照的に、外側針ハブ12に直接的に接続される。これにより、針カニューレ10の遠位端10aの一体性が、送達装置の最終的な組立前に維持され、保護される、針組立体200の別個で独立した製作が可能になる。キャップ2の保護性質は、1)1つ又は複数のインプラントが針カニューレの近位端10bに挿入されるインプラント挿入処置と、2)送達装置の最終組み立て中の近位端10bへのプッシャワイヤ24の遠位端のその後の挿入の間とにおいて、特に有益である。
【0018】
保護キャップ2は、切頭の又は平坦な終端7を有することができ、すなわち、キャップ2の遠位端は、楕円形でない又は丸くない形状の遠位端を有する。透き通った、透明又は半透明の材料を用いてキャップ2を製作する場合、この切頭の端部7によって、使用者は、1つ又は複数のインプラント、又はインプラントの断片が、誤って針カニューレ10の遠位端10aから脱落したかどうかをより容易に観察しうる。針カニューレ10は、内側針ハブ43又は任意にカニューレホルダ25に、圧入によって又は接着剤を使用して、軸線方向及び回転方向に固定しうる。カニューレホルダ25は、内側針ハブ43上の配向突起44、45に対してベベル11の予め定めた配向を達成するために、内側針ハブ43内の対応するスロット43aに嵌合する位置合わせペグ25aを有しうる。1つの可能な構成では、配向突起は、ベベル11が使用者の視線で上方に向くようにかつ作動部材5の押し面9と概ね位置合わせするように、外側針ハブ12上のスロット12aと協働するように設計される。
【0019】
ハウジング1の遠位端のハブコネクタ26は、例えば
図6に示す外側針ハブ12の切欠39などの、針組立体上の協働コネクタと係合する永久的な非可逆的コネクタとしうる。この可能なハブコネクタ構成では、遠位端のハウジング1の首部38上に位置する2つ以上のハブコネクタ26とすることができ、それぞれのハブコネクタ26は、外側針ハブ12上の2つ以上の切欠39と不可逆的にスナップ嵌めを形成する可撓性フィンガーとしうる。ハウジング1の内面は、シャトル組立体14、特にシャトル18の外側縁部18bのための摺動経路を提供する長手方向のポケット1e(
図3参照)を備えるよう構成することができ、これにより、一旦、送達装置が使用者によって作動させられると、シャトル組立体14がハウジング1及びダンパ組立体13の両方に対して円滑かつ途切れることなく摺動しうる。
【0020】
ハウジング1の内側には、作動部材5の遠位端がハウジング1に対して半径方向に移動することを可能にする回動点1dが存在しうる(
図3及び
図5参照)。1つの可能な構成において、作動部材5は、回転可能に係合されるが軸線方向に固定された、カップ状の回動点1dを備えたピン21を有する。作動部材5は、押し面がハウジング1の切欠1hを通って外方に延びる、押し面9(
図3参照)を有する押しボタンの形態をとることができる。
図5は、作動部材5の可能な設計と、装置がロック(予備作動)構成にあるときのシャトル18及びロック3との関係をと図示している。この押し面9は、インプラント挿入部位での組織内への針の挿入中に使用者が送達装置及び針カニューレを軸線方向に移動するのを補助するために押圧しうる近位対向面9aを画定するように、固定された距離だけハウジングの外面を越えて延びるように構成することができる。同様に、把持面6(
図1参照)を使用して、針の挿入時にてこを提供することもできる。ハウジング半分部1a及び1cの各々は、作動部材5の押し面9が軸線105に対して横断方向に下方に僅かに半径方向に押されたとき、作動部材5の近位端に位置するピン21が回動点1dを中心に揺動又は回動するように、回動点1dを有しうる(
図3参照)。
【0021】
ハウジングの各半分は、また、一方のハウジング半分を他方の半分に位置合わせさせて固定するように構成されたコネクタ1b及び27を有しうる。ハウジングの内面に配置された、2つの支持壁1f及び1gは、ダンパハウジング15及び弾性部材17を備える、ダンパ組立体13の固定軸線方向支持体を提供することができる、(
図3参照)。ダンパハウジング15は、ハウジング1に対するダンパハウジング15の軸線方向の移動を防止するために、装置の組み立て時に支持壁1fと支持壁1gとの間に配置しうる。ダンパハウジングは、内面20と、弾性部材17の近位端を支持する遠位対向面を有する近位端壁39(
図4参照)とを有しうる。
【0022】
弾性部材17は、シャトル組立体14に遠位方向の力を及ぼすように、圧縮されるか、あるいは、送達装置が予備作動状態にあるときの予備付勢状態にある。弾性部材17は、圧縮バネ、ねじりバネ、時計バネ、又は、1つ以上の付勢レバーの形態をとることができる。ダンパハウジング15の内面20は、シャトル組立体14(
図2参照)の一部である摩擦スライダ16の所望の摺動、例えば速度を提供するように選択された潤滑剤(湿式又は乾式)を含みうる。ハウジング1及びダンパ組立体13に対するシャトル組立体の摺動は、ダンパハウジング15内にオリフィス又は通気口40を組み込むことによって更に制御しうる。
図4は、近位端壁39の貫通孔として構成される通気口40の可能な位置を示す。摩擦スライダ16がダンパハウジング15の内面20と気密シールを形成できるので、シャトル組立体14の軸線方向の移動は、摩擦スライダ16の近位側に真空圧を生じさせる役割があり、これがシャトル組立体の軸線方向の移動を遅らせたり止めたりすることになる。通気口40を設けることにより、摩擦スライダ16が遠位側に移動する際に、ダンパハウジング内に空気が進入することが可能になる。通気口40のオリフィス寸法は、シャトル組立体の所望の又は予め定めた摺動速度を達成するように選択される。通気口40の寸法を変えることに加えて、弾性部材17の強度を選択して、所望の自動摺動速度、すなわちインプラント挿入速度を達成することもできる。加えて、内面20に添加される特定の滑剤の選択もまた、インプラントの挿入速度に影響を及ぼし得る。特定の材料の組み合わせで優れた機能を実証した滑剤の例は、EPDM製のOリング及びABS製のダンパのNyemed(登録商標)7471である。
【0023】
弾性部材17の遠位端は、シャトル組立体14の近位端分に位置する支持体31と支持係合を形成するように構成されている。この支持体31は、1つ又はそれ以上の隆起した近位方向に延びる突起を有することによって弾性部材17の変形を防止するように構成しうる。
図4は、複数の放射状突起を有する筒状突起は、弾性部材17の遠位端内に当接して嵌合するように構成されている、支持体31の1つの可能な設計を示している。上述のように、弾性部材17は、送達装置が予備作動状態にあるときに、予荷重を与えられる。例えば、弾性部材が圧縮バネである場合には、送達装置の作動又はトリガ前にシャトル組立体14に遠位付勢力が作用されるように、送達装置の組立中に予荷重が生じ得る。
【0024】
図2は、ハウジング1と作動部材5とダンパ組立体13と作動可能に係合したシャトル組立体14の一設計の例を示している。シャトル組立体は、一般に、予備作動状態及び作動状態又は発射状態を有しうる。シャトル組立体14の1つの可能な構成は、シャトル18(
図3参照)と、シャトル18の近位端に接続された細長いシャフト30と、摩擦スライダ16と、クランプ19と、プッシャワイヤ24とを有している。シャトル18は、ハウジングに対して回転方向に固定されており、また、プッシャワイヤがシャトル18に対して軸線方向に固定されるように、プッシャワイヤ24の一部を受け入れるように構成されたスロット18aを備える遠位端を有する。また、スロット18aは、一旦プッシャワイヤがスロット18aに挿入されると、クランプ19を受け入れるように構成されている。
図8に示されるように、クランプ19は、シャトル18及びプッシャワイヤ24と、圧入又はスナップ嵌合係合を通して係合しうる。この圧入係合によって、シャトル18に対するプッシャワイヤ24の近位端の軸線方向及び回転運動を防止する。プッシャワイヤ24は、プッシャワイヤの遠位部分が、長手軸線105と位置合わせして遠位方向において軸線方向外向きに延びるように、スロット18a内に位置決めされる。プッシャワイヤ24とシャトル18との係合によって、送達装置の作動後に、プッシャワイヤの遠位端が、シャトル18と同時に遠位側及び軸線方向に移動することが可能となる。送達装置の組立中、プッシャワイヤの遠位端は、針カニューレ10の開放近位端10bに摺動関係で挿入される。プッシャワイヤの遠位端は、針カニューレの近位端内での挿入及び摺動係合を補助するように成形されうる。プッシャワイヤの近位端は、シャトル18内のスロット18aの内面によるプッシャワイヤの固定を助けるために、フック形状又はL字形状24aのように、形成され、曲げられ、又は他の形にしうる。
【0025】
シャトル18は、ハウジング1内に摺動可能に配置され、第1位置と第2位置と第3位置とを有することができ、第1位置から第2位置への移動は、軸線105に沿った近位方向である。第2位置から第3位置への移動は、シャトルが第3位置にあるとき、シャトルが位置決めされ、第1位置に対して遠位にある点に位置するように、遠位方向にある。
シャトル18は、また、シャトル組立体14がハウジング1に対して軸線方向に移動できるようにするために、ポケット1eと作動的に係合する摺動面18bを有しうる。シャトル18の遠位端分は、作動部材5上に位置する対応する第2ラッチ面22(
図5参照)と係合してこれと協働する第1ラッチ面23を有しうる。第1ラッチ面23と第2ラッチ面22の係合によって、協働して摺動式ラッチ又はトリガを形成する。これらの2つのラッチ面は、送達装置のトリガが生じる破断点に到達するまで、互いに対して摺動するように構成されている。破断点における2つのラッチ面の相対的な移動によって、インプラント送達処理が開始されたという使用者への触覚的又は可聴通知を生成し得る。ラッチ面の相対的傾斜は、破断点に到達することになる作動力を確立するために製造前に変化させうる。この相対的傾斜の一例が
図5に示されており、第1ラッチ面23と第2ラッチ面22との接触は、平面102の近位側から測定されたとき、長手軸線105に対して90度未満の角度103である平面102を画定する。
【0026】
ラッチ面の相対的傾斜の1つの利点は、作動部材5が使用者によって押圧されるときに、作動処理の開始時に生じる。作動部材がハウジング内に下向きに押されると、固定された第1ラッチ面23に対する第2ラッチ面22の半径方向の移動によって、シャトル組立体14は、上述の第1位置から第2位置へ近位方向に移動する。シャトル組立体の軸線方向の移動は比較的小さいが、摩擦スライダ16とダンパハウジング15の内面20との間に形成されうる破断力を最小化又は排除するために十分である。破断力を最小化又は排除することにより、シャトル組立体14の遠位方向への円滑かつ中断しない軸線方向の移動が結果的に可能となり、これは、使用者に行われ、一旦、針カニューレが標的埋込組織部位に位置すると、円滑かつ自動的な埋込挿入処理が行われる。作動部材とシャトルとの係合の別の利点は、作動部材がハウジング内に内側に押されたときに使用者が抵抗を感知又は感じることができることである。相対的なラッチ面同士の間の摩擦関係は、送達装置の開始又はトリガ(作動)に所望の「感覚(feel)」を提供するように予め決められることができる。場合によっては、シャトルと作動部材との間に脆弱な関係を有し、それによって、作動部材をトリガすると、インプラント送達処理を作動させるために、送達装置の構成要素の内の1つ以上の片の破断が生じることが望ましい。
【0027】
シャトル組立体14は、また、シャトル18に軸線方向及び回転方向において固定されかつシャトル18の近位端から近位側に延びる、細長いシャフト30を有しうる。このシャフト30は、キーパ32、33及び支持体31を備えうる近位端を有することができ、この近位端は、先に述べたように、弾性部材のための支承面として構成できるだけでなく、作動後のシャトル組立体14の摺動中の弾性部材17の歪みを防止するように構成しうる。キーパ32、33は、
図3に図示するようにOリングの形態をとることができる摩擦スライダ16を保持するように設計された、対向する一対の放射状プレートとして構成することができる。摩擦スライダ16の設計及び製作材料は、ダンパハウジング15の内面20との所望の摩擦係合を達成し、かつシャトル組立体の遠位移動速度と、結果的に一旦送達装置が作動させられるとインプラントの挿入速度を達成又は設定することに寄与するように選択される。
【0028】
次に、インプラント送達装置100の組立の1つの可能な方法について説明する。送達装置の最終組立前に、別個に、針組立体200は、以下のように作製される。針カニューレ10は、予め定めたベベル11の向きが針ホルダ上の位置合わせペグ25aに対して達成されるように、針ホルダ25に固定される。針カニューレ及び針ホルダは、位置合わせペグ25aが内側針ハブ43内の対応するスロット43aと協働するように、内側針ハブ43に固定される。所望のベベル配向が維持されるように、内側針ハブの配向突起44、45を、外側針ハブ内の協働しかつキー止めされた複数のスロット12aと位置合わせすることによって、内側針ハブ43は外側針ハブ12と接合されている。保護キャップ2を外側針ハブ12上に解放可能に接続し、針カニューレの遠位端が完全に覆われ、損傷から保護されるようにする。
【0029】
シャトル組立体14は、さらに、送達装置の最終組立前に別々に組み立てられ、以下のように組み立てることができる。摩擦スライダ16は、シャフト30の近位端に固定される。プッシャワイヤ24の近位端は、シャトル18のスロット18aと共に配置され、圧入を形成するようにスロット内にクランプ19を挿入することによって予め定めた位置にしっかりと保持される。
【0030】
ダンパ組立体13は、弾性部材17をダンパハウジング15内に挿入することによって作製されるが、これは弾性部材の挿入以前に潤滑させうる。シャトル組立体14のシャフト30の近位端は、ダンパハウジングの開放端内に挿入され、ダンパ組立体及びシャトル組立体は、次に、ハウジング1の半分セクション内に配置される。そして、作動部材5は、ハウジングの半分セクション内に配置される。次に、シャトル組立体は、シャトル組立体上に遠位方向への付勢力を達成するように弾性部材が荷重を受けるか又は事前に圧縮されるように、近位側に摺動される。シャトル組立体は、作動部材がシャトルの遠位端と係合し、作動部材が、コッキング位置すなわち予備作動状態を達成するまで、近位側に移動され、これにより、シャトル組立体は、遠位側に移動することが防止される。次いで、ハウジングの他の半分セクションは、ハウジングの第1半分セクションに取り付けられ、永久的に固定される。次に、このロック3は、作動部材の移動及び送達装置の早期の作動を防ぐ急停止を提供するために、切欠1iを介してハウジング内に挿入しうる。
【0031】
その後、針組立体は装填装置内に位置決めされ、1つ以上のインプラントが、針カニューレの開放近位端を介して押し込まれる。その後、ハウジングから外側に延びる、プッシャワイヤの露出した遠位端は、外側ハブが、永久取り付け部を形成する、ハウジングの遠位端と係合して接続するまで、針カニューレの開放近位端内に案内される。
【0032】
次に、インプラント送達装置100を使用する一方法について説明する。最初に、使用者は、ハウジング1からロック3を取り外すか又は外側針ハブ12から保護キャップ2を取り外して針カニューレ10の遠位端10aを露出させることができる。一旦、係止部及び保護キャップが取り外されると、使用者は、次に、針カニューレを標的の埋め込み部位に移動させ、少なくとも針のベベル部によって組織の貫通が達成されるまで、針カニューレを遠位側に移動し続ける。次いで、使用者は、作動部材とシャトル18との間の破断点に到達するまで、作動部材5をハウジング内に下方に押圧する。破断点に到達して通過することにより、送達装置のトリガが発生し、使用者からの更なる入力なく、ハウジングに対して、シャトル組立体14が前方/遠位方向に、かつ自動的に移動する。シャトル組立体の自動移動は、同様に、プッシャワイヤ24の遠位への軸線方向の移動を引き起こし、これにより、プッシャワイヤ24を針カニューレの内側で更に遠位側に摺動し、1つ又は複数のインプラントに接触し、インプラントが針カニューレの遠位端から出て貫通組織内に収まるまで、針カニューレ内でインプラントを押す。シャトル組立体の自動移動、ひいては、インプラントの自動送達は、弾性部材17によってシャトル組立体に加えられる、予め装填された付勢力の解放によって生じる。また、定常の中断されない送達速度は、通気口40の使用から生じるダンパハウジング内の定常的で意図的な均圧化と相まった、摩擦スライダ16とダンパハウジング15の内側との相互作用の結果である。インプラント挿入の完了と同時に、使用者によって観察される窓4内で視覚的変化がある。この視覚的変化は、例えば、シャッタメカニズム又はシャッタ効果を介して起こり得、シャトル18は、窓開口部4を横切って移動し、これにより、使用者は、窓が「満たされた(filled)」状態から「空の(empty)」状態に変化したことを視覚的に知覚しうる。視覚的通知に加えて、送達装置は、インプラントの送達の完了時に、可聴又は触覚による表示を提供しうる。
【0033】
ここでは、種々の発明の実施形態を説明し図示したが、当業者は、機能を実施するための種々の他の手段及び/又は構造及び/又はここで説明する1つ又は複数の利点を得るための種々の他の手段及び/又は構造を容易に想定し、このような変形及び/又は変更の各々はここで説明する発明の実施形態の技術的範囲内にあると見なされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書中で記載された全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示的であることを意図し、及び現実のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、具体的な適用、又は発明の教示が用いられる適用に依存するであろうことは容易に認識するであろう。当業者であれば、通常の実験を超えないものを用いて、本明細書中で記載された具体的な発明の実施形態に対する多くの均等物を認識し、又はそれを確認することができよう。したがって、前述の実施形態は、例としてのみ提示され、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で、発明の実施形態は、特に記載され、特許請求される以外に実施され得ることを理解されたい。本開示の発明の実施形態は、本明細書中で記載された各個々の特徴、システム、製品、材料、キット及び/又は方法に向けられる。加えて、2以上のそのような特徴、システム、製品、材料、キット、及び/又は方法のいずれの組合せも、もしそのような特徴、システム、製品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しないならば、本開示の発明的範囲内に含まれる。
【0034】
上述の実施形態は、任意の多数の方法で実施しうる。例えば、実施形態(例えば、開示される針を設計及び/又は利用すること)は、種々の材料及び方法を使用して実施されうる。更に、本発明の針及び針の作製及び操作方法は、コンピュータと併用することができ、これは、多数の形態のいずれかで具現化されうることを理解されたい。
【0035】
また、様々な発明概念を1つ以上の方法として具体化することができ、そのうちの例が提供されている。本方法の一部として実施される作用は、任意の適切な方法で順序付けられうる。したがって、実施形態は、例示の実施形態では順次動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを有しうる、図示とは異なる順序で動作が実行されるように構成しうる。
【0036】
全ての定義は、本明細書中で定義されかつ用いられるように、辞書的定義、引用により援用された書類中の定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。
【0037】
フローチャートの使用は、実行される操作の順序に関して制限するものではない。本明細書に記載する主題は、異なる他の構成要素の内部に含まれるか、又は異なる他の構成要素と接続された異なる構成要素を時々示す。そのように描かれたアーキテクチャは単なる例示に過ぎず、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャを実施できることを理解されたい。概念的な意味では、同一の機能性を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように、効果的に「関連する(associated)」。従って、特定の機能性を達成するために組み合わされたここでの任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は中間構成要素とは無関係に、所望の機能性が達成されるように、互いに「関連する」と見なすことができる。同様に、そのように関連する任意の2つの構成要素は、所望の機能性を達成するために、互いに「動作可能に接続(operably connected)」又は「動作可能に結合(operably coupled)」されると見なすこともでき、そのように関連することが可能な任意の2つの構成要素は、互いに「動作可能に結合でき(operably couplable)」、所望の機能性を達成すると見なすこともできる。作動可能な具体例としては、物理的に物質的及び/又は物理的に相互作用する構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
「a」及び「an」の不定冠詞は、明細書及び特許請求の範囲において、ここに用いられるように、明瞭に反対のことが示されるのでなければ、「少なくとも1つ(at least one)」を意味すると理解されるべきである。
【0039】
「及び/又は(and/or)」という語句は、明細書及び特許請求の範囲において、ここに用いるように、そのように連結された要素、すなわち、いくつかの場合には同時に存在し、及び他の場合には同時でなく存在する要素の「いずれか又は両方(either or both)」を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」でリストされた多数の要素は同じように、すなわち、そのように連結された要素の「1つ以上(one or more)」と解釈されるべきである。他の要素は、所望により、具体的に特定されたそれらの要素に関連するか関連しないかを問わず「及び/又は」という節によって具体的に同定された要素以外で存在しうる。かくして、非限定的例として、「A及び/又はB(A and/or B)」の参照は、「備える(comprising)」などの無制限の言語と組合わせて用いた場合、1つの実施形態においては、(所望により、B以外の要素を含めた)Aのみをいうことができ;もう1つの実施形態においては、(所望により、A以外の要素を含めた)Bのみをいうことができ;なおもう1つの実施形態においては(所望においては、他の要素を含めた)A及びBの両方をいうことができる;等々である。
【0040】
本明細書で使用されるように、「又は(or)」は、上記で定義された「及び/又は」と同じ意味を有するものと理解されるべきである。例えば、リスト中で項目を分離する場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的である、すなわち、要素の数又はリスト及び、所望により、さらなるリストされていない項目の、少なくとも1、また1を超えたものを含めると解釈されるべきである。「の内の1つのみ(only one of)」又は「の内の正確に1つ(exactly one of)」といった反対に明確に示された用語のみ、又は「からなる」請求項で使用される場合、はっきりと数字又は要素のリストの1つの要素を含めることを指す。一般に、本明細書において使用される「又は(or)」という語は、当該クレームにおいて使用される場合、「いずれか(either)」、「の一方(one of)」、「の一方のみ(only one of)」又は「の内の正確に1つに(exactly one of)」などの、排他性の用語が先行する場合、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、両方ではない(one or the other but not both)」)を示すものとしてのみ解釈されるものとし、「本質的に・・・から成る(Consisting essentially of)」という用語は、特許法の分野において使用される通常の意味を有する。
【0041】
明細書及び特許請求の範囲においてここに用いられるように、「少なくとも1つ(at least one)」という語句は1つ以上の要素のリストへの参照において、要素のリスト中のいずれかの1つ以上の要素から選択される少なくとも1つを意味すると理解されるべきであるが、要素のリスト内に具体的にリストされた各及びあらゆる要素の少なくとも1つを必ずしも含まず、かつ要素のリスト中の要素のいずれかの組合せを排除しない。この定義は、具体的に確認された要素に関連するか又は関連しないかを問わず、「少なくとも1つ(at least one)」という語句が参照する要素のリスト内で具体的に確認される要素以外で、要素が所望により存在しうることを許容する。かくして、非限定的例として、「A及びBの内の少なくとも1つ(at least one of A and B")」(又は、同等に、「A又はBの内の少なくとも1つ(at least one of A or B)」、又は同等に、「A及び/又はBの少なくとも1つ(at least one of A and/or B)」)は、1つの実施形態において、所望により1超を含めた少なくとも1つのAをいい、Bは存在せず(所望により、B以外の要素を含みうる);もう1つの実施形態において、所望により1超を含めた少なくとも1つのBをいい、Aは存在せず(所望により、A以外の要素を含みうる);なおもう1つの実施形態において、所望により1超を含めた少なくとも1つのA、及び所望により1超えを含めた少なくとも1つのBをいう(所望により、他の要素を含みうる);等々である。「備える(comprising)」、「有する(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」等の全ての移行句は、開放端、すなわち、限定されるものではないがこれを含むことを意味するものと理解されるべきである。「から成る(consisting of)」及び「本質的にから成る(consisting essentially of)」の移行句のみが、それぞれ、米国特許審査手続マニュアル第2111.03条に記載されているように、閉鎖した又は半閉鎖した移行句でなければならない。
【国際調査報告】