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特表2024-514878組み合わされた光学部品におけるナノパターン封入機能、方法およびプロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】組み合わされた光学部品におけるナノパターン封入機能、方法およびプロセス
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20240327BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G09F9/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562902
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 US2022071696
(87)【国際公開番号】W WO2022221846
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/176,077
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シン, ビクラムジト
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, マイケル ネビン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン, ティー ジー
(72)【発明者】
【氏名】シュー, フランク ワイ.
【テーマコード(参考)】
2H199
5C094
【Fターム(参考)】
2H199CA02
2H199CA12
2H199CA13
2H199CA24
2H199CA25
2H199CA27
2H199CA32
2H199CA42
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA95
2H199CA97
5C094AA15
5C094AA31
5C094BA25
5C094DA07
5C094DA13
5C094ED20
5C094FA04
5C094HA07
5C094JA08
(57)【要約】
本明細書では、ヘッドウェアラブルデバイスなどのディスプレイ用のシステムおよび方法が開示される。例示的なディスプレイは、赤外線照明層を含むことができ、赤外線照明層は、基材と、基材の第1の表面上に配置された1つ以上のLEDと、基材の第1の表面上に配置された第1の封入層とを含むことができ、封入層は、ナノパターン化表面を含むことができる。いくつかの例では、ナノパターン化表面は、照明層の可視光透過率を改善するように構成されることができる。1つ以上の例では、本明細書に開示される実施形態は、照明層に関連付けられた曇りを低減することができる堅牢な照明層を提供し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線照明層を含むディスプレイであって、前記赤外線照明層は、
基材と、
前記基材の第1の表面に配置された1つ以上のLEDと、
前記基材の前記第1の表面上に配置された第1の封入層であって、前記第1の封入層は、前記照明層の可視光透過率を改善するように構成されたナノパターン化表面を含む、第1の封入層と
を備える、ディスプレイ。
【請求項2】
前記1つ以上のLEDは、前記第1の封入層によって覆われる、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記第1の封入層は、有限の曲率半径を有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記第1の封入層の曲率半径は、前記照明層の屈折力を増加させるように構成される、請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記第1の封入層は、実質的に平面である、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記基材の第2の表面上に配置された第2の封入層をさらに備え、前記第2の封入層は、前記第1の封入層の第1の幾何学的形状とは異なる第2の幾何学的形状を有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記基材は、キャリアプレートを備え、前記キャリアプレートの第1の表面上に配置されたポリマー層をさらに備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記ナノパターン化表面は、ラインアンドスペースパターン、ピラーパターン、および孔パターンから選択される少なくとも1つのナノパターンを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記ナノパターンは、100~150nmの範囲のピッチを有する、請求項8に記載のディスプレイ。
【請求項10】
ディスプレイであって、
照明層であって、
基材と、
前記基材の第1の表面に配置された1つ以上のLEDと、
前記基材の前記第1の表面上に配置された第1の封入層であって、前記第1の封入層は、パターン化表面が前記照明層の可視光透過率を改善するように構成されるように、パターン化表面を含む、第1の封入層と
を備える、照明層
を備える、ディスプレイ。
【請求項11】
前記照明層は、前記基材の第2の表面上に第2の封入層をさらに備え、前記第2の封入層は、前記第1の封入層の第1の幾何学的形状とは異なる第2の幾何学的形状を有する、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項12】
アイピースをさらに備え、前記アイピースは、デジタルコンテンツを提示するように構成される、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記第1の封入層は、有限の曲率半径を有する、請求項12に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記曲率半径は、前記アイピースの屈折力を増加させるように構成される、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記1つ以上のLEDは、前記第1の封入層によって覆われる、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項16】
光センサをさらに備え、前記光センサは、ユーザの眼から反射された光を検出するように構成され、前記光は、前記1つ以上のLEDによって放射される、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項17】
方法であって、
基材の第1の表面上に樹脂を堆積させることであって、前記基材は、1つ以上の縁部を有する外周を含む、ことと、
型の第1の表面を前記樹脂に接触させることと、
第1の体積の樹脂を用いて、前記基材の前記第1の表面上にパターン化表面を有する封入層を形成することと、
第2の体積の樹脂を前記基材の前記外周に導くことであって、前記型の前記第1の表面は、複数のナノ特徴を含むように構成され、前記型の前記第1の表面は、
前記基材と重なるように構成された第1の部分と、
前記基材の前記外周を越えて延在するように構成された第2の部分であって、前記複数のナノ特徴のうちの少なくとも1つのナノ特徴は、前記第2の部分上に配置される、第2の部分と
を含む、ことと、
前記型の前記第1の表面の前記第2の部分に配置された前記少なくとも1つのナノ特徴を前記第2の体積の樹脂によって充填することと、
前記樹脂を硬化させて前記封入層を前記基材に接着させることと、
前記基材から前記型を取り外すことであって、前記第2の体積の樹脂は、前記型とともに取り外される、ことと
を含む、方法。
【請求項18】
前記型は、軟質型を備え、前記型の前記第1の表面は、有限の曲率半径を有し、前記封入層は、前記封入層が屈折力を有するように、前記曲率半径を有して形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記基材は、前記第1の表面上に配置された1つ以上のLEDを備え、前記封入層は、前記1つ以上のLEDを覆う、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記基材の第2の表面上に第2の樹脂を堆積させることと、
前記型の前記第1の表面を前記第2の樹脂に接触させることと、
第3の体積の樹脂を用いて、前記基材の前記第2の表面上に第2のパターン化表面を有する第2の封入層を形成することと、
第4の体積の樹脂を前記基材の前記外周に導くことと、
前記型の前記第1の表面の前記第2の部分上に配置された前記少なくとも1つのナノ特徴を前記第4の体積の樹脂によって充填することと、
前記第2の樹脂を硬化させて、前記第2の封入層を前記基材に結合させることと、
前記基材から前記型を取り外すことであって、前記第4の体積の樹脂は、前記型とともに取り外される、ことと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/176,077号の優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、一般に、視覚情報を表示するためのシステムに関し、特に、拡張現実または複合現実環境において視覚情報を表示し、および/または視線追跡を実行するためのアイピースに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
仮想環境は、コンピューティング環境においてユビキタスであり、ビデオゲーム(仮想環境がゲーム世界を表し得る);マップ(仮想環境がナビゲートされる地形を表し得る);シミュレーション(仮想環境が現実環境をシミュレートし得る);デジタルストーリーテリング(仮想キャラクタが仮想環境において互いに相互作用し得る);および多くの他の用途において使用されている。現代のコンピュータユーザは、一般に、仮想環境を快適に知覚し、仮想環境と相互作用する。しかしながら、仮想環境に関するユーザの体験は、仮想環境を提示するための技術によって制限される可能性がある。例えば、従来のディスプレイ(例えば、2D表示画面)および音声システム(例えば、固定スピーカ)は、魅力的で現実的で没入感のある体験を生み出す方法で仮想環境を実現することができないことがある。
【0004】
仮想現実(「VR」)、拡張現実(「AR」)、複合現実(「MR」)、および関連技術(まとめて「XR」)は、XRシステムのユーザに、コンピュータシステム内のデータによって表される仮想環境に対応する感覚情報を提示する能力を共有する。本開示は、VRシステム、ARシステム、およびMRシステムの間の区別を想定している(ただし、いくつかのシステムは、1つの態様(例えば、視覚的態様)ではVRとして分類され、別の態様(例えば、音声態様)ではARまたはMRとして同時に分類され得る)。本明細書で使用される場合、VRシステムは、少なくとも1つの態様においてユーザの現実環境を置き換える仮想環境を提示する。例えば、VRシステムは、遮光ヘッドマウントディスプレイなどを用いて、現実環境の視界を同時に見えにくくしながら、仮想環境の視界をユーザに提示することができる。同様に、VRシステムは、現実環境からの音声を同時にブロック(減衰)しながら、仮想環境に対応する音声をユーザに提示することができる。
【0005】
VRシステムは、ユーザの現実環境を仮想環境に置き換えることから生じる様々な欠点を体験することがある。1つの欠点は、仮想環境におけるユーザの視野が、現実環境(仮想環境ではない)におけるユーザのバランスおよび向きを検出する自分の内耳の状態にもはや対応しないときに生じる可能性がある酔いの感覚である。同様に、ユーザは、自身の身体および手足(ユーザが現実環境において「接地している」と感じるために依拠するビュー)が直接見えないVR環境において見当識障害を体験することがある。別の欠点は、特に仮想環境にユーザを没入させようとするリアルタイムアプリケーションにおいて、完全な3D仮想環境を提示しなければならない、VRシステムに課される計算負荷(例えば、ストレージ、処理能力)である。同様に、ユーザは、仮想環境の僅かな不完全性にも敏感である傾向があり、そのいずれも仮想環境への没入感を損なう可能性があるため、そのような環境は、没入型と見なされるために非常に高い臨場感基準に達する必要があることがある。さらに、VRシステムの別の欠点は、システムのそのようなアプリケーションが、現実世界において体験する様々な光景および音などの現実環境における広範囲の感覚データを利用することができないことである。関連する欠点は、現実環境において物理的空間を共有するユーザが仮想環境において互いに直接見たり相互作用したりすることができないことがあるため、VRシステムが複数のユーザが相互作用することが可能な共有環境を作成するのに苦労する場合があることである。
【0006】
本明細書で使用されるように、ARシステムは、少なくとも1つの態様において現実環境に重複する、または現実環境にオーバーレイする仮想環境を提示する。例えば、ARシステムは、光がディスプレイを通過してユーザの眼に入ることを可能にしながら表示画像を提示する透過型ヘッドマウントディスプレイなど、現実環境のユーザのビューにオーバーレイされた仮想環境のビューをユーザに提示することができる。同様に、ARシステムは、現実環境からの音声を同時にミキシングしながら、仮想環境に対応する音声をユーザに提示することができる。同様に、本明細書で使用されるように、MRシステムは、ARシステムと同様に、少なくとも1つの態様において現実環境に重複するかまたはオーバーレイする仮想環境を提示し、さらに、MRシステム内の仮想環境が少なくとも1つの態様において現実環境と相互作用することを可能にし得る。例えば、仮想環境内の仮想キャラクタは、現実環境内のライトスイッチを切り替え、現実環境内の対応する電球をオンまたはオフにし得る。別の例として、仮想キャラクタは、現実環境の音声信号に(表情などで)反応し得る。現実環境の提示を維持することによって、ARおよびMRシステムは、VRシステムの前述の欠点のいくつかを回避し得る。例えば、現実環境(ユーザ自身の身体を含む)からの視覚的合図が視認可能なままとすることができ、そのようなシステムは没入するために完全に実現された3D環境をユーザに提示する必要がないため、ユーザの酔いが低減される。さらに、ARおよびMRシステムは、現実世界の感覚入力(例えば、風景、オブジェクト、および他のユーザのビューおよび音)を利用して、その入力を増強する新たなアプリケーションを作成することができる。
【0007】
仮想環境を現実的な方法で提示して、堅牢で費用効果の高い方法でユーザの没入体験を作成することは困難である可能性がある。例えば、ヘッドマウントディスプレイは、1つ以上の多層アイピースを有する光学系を含むことができる。アイピースは、異なる機能を果たす複数の層を含む高価で壊れやすい部品とすることができる。例えば、1つ以上の層が使用されて仮想コンテンツをユーザに表示し得て、1つ以上の層が視線追跡用の赤外線(IR)照明層として使用され得る。複数の層は、MRシステムに重量を加える大きなアイピースをもたらし得る。さらに、層の表面上の反射および曇りによる光透過損失は、仮想コンテンツの品質に影響を及ぼす可能性がある。さらに、LEDおよび金属相互接続部などの電子部品を含む層、例えば、IR照明層は、腐食および/または酸化を受けやすいことがある。そのため、アイピースの透過率を向上させ、電子部品やリードの腐食を防止し、軽量且つコンパクトなフォームファクタで行うことが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本明細書では、ヘッドウェアラブルデバイスなどのディスプレイ用のシステムおよび方法が開示される。例示的なディスプレイは、赤外線照明層を含むことができ、赤外線照明層は、基材と、基材の第1の表面上に配置された1つ以上のLEDと、基材の第1の表面上に配置された第1の封入層とを含むことができ、封入層は、ナノパターン化表面を含むことができる。いくつかの例では、ナノパターン化表面は、照明層の可視光透過率を改善するように構成されることができる。本明細書に開示される実施形態は、照明層に関連付けられた曇りを低減することができる堅牢な照明層を提供し得る。さらに、本明細書に開示される実施形態は、電子部品および/またはリード線の腐食を防止することができる。さらに、本明細書に開示される実施形態は、ユーザに提示される光学画像品質を改善することができる、低減された数の光学部品および光学インターフェースを有するより小さいディスプレイを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1A図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実環境を示している。
図1B図1A図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実環境を示している。
図1C図1A図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実環境を示している。
【0010】
図2A図2A図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。
図2B図2A図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。
図2C図2A図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。
図2D図2A図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。
【0011】
図3A図3Aは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境に入力を提供するために使用されることができる例示的な複合現実ハンドヘルドコントローラを示している。
【0012】
図3B図3Bは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムとともに使用されることができる例示的な補助ユニットを示している。
【0013】
図4図4は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての例示的な機能ブロック図を示している。
【0014】
図5図5は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての例示的な光学系を示している。
【0015】
図6A図6A図6Bは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図6B図6A図6Bは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0016】
図7A図7A図7Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図7B図7A図7Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図7C図7A図7Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図7D図7A図7Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0017】
図8A図8A図8Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図8B図8A図8Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図8C図8A図8Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図8D図8A図8Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0018】
図9図9は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についての例示的な透過率のグラフを示している。
【0019】
図10図10は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0020】
図11図11は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0021】
図12図12は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0022】
図13図13は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0023】
図14図14は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0024】
図15図15は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0025】
図16図16は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0026】
図17A図17A図17Eは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についてのナノパターンの例を示している。
図17B図17A図17Eは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についてのナノパターンの例を示している。
図17C図17A図17Eは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についてのナノパターンの例を示している。
図17D図17A図17Eは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についてのナノパターンの例を示している。
図17E図17A図17Eは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についてのナノパターンの例を示している。
【0027】
図17F図17Fは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についての例示的な透過率を示すグラフである。
【0028】
図18図18は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層を製造するためのプロセスを示している。
【0029】
図19図19は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層を製造するためのプロセスのブロック図を示している。
【0030】
図20A図20A図20Bは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図20B図20A図20Bは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
以下の例の説明では、本明細書の一部を形成し、実施されることができる特定の例を例示として示す添付の図面を参照する。開示された例の範囲から逸脱することなく、他の例が使用されることができ、構造的変更が行われることができることを理解されたい。
【0032】
複合現実環境
全ての人と同様に、複合現実システムのユーザは、現実環境、すなわち、ユーザによって知覚可能な「現実世界」の3次元部分およびそのコンテンツの全てに存在する。例えば、ユーザは、人間の通常の感覚(視覚、音、触覚、味覚、嗅覚)を使用して現実環境を知覚し、現実環境内で自分の身体を動かすことによって現実環境と相互作用する。現実環境における位置は、座標空間における座標として記述されることができる。例えば、座標は、海面に対する緯度、経度、および高度;基準点からの3つの直交寸法における距離;または他の適切な値を含むことができる。同様に、ベクトルは、座標空間内の方向および大きさを有する量を記述することができる。
【0033】
コンピューティングデバイスは、例えば、デバイスに関連付けられたメモリに、仮想環境の表現を維持することができる。本明細書で使用される場合、仮想環境は、3次元空間の計算表現である。仮想環境は、任意のオブジェクト、アクション、信号、パラメータ、座標、ベクトル、またはその空間に関連付けられた他の特性の表現を含むことができる。いくつかの例では、コンピューティングデバイスの回路(例えば、プロセッサ)は、仮想環境の状態を維持および更新することができる。すなわち、プロセッサは、第1の時間t0において、仮想環境に関連付けられたデータおよび/またはユーザによって提供された入力に基づいて、第2の時間t1における仮想環境の状態を決定することができる。例えば、仮想環境内のオブジェクトが時間t0において第1の座標に位置し、特定のプログラムされた物理的パラメータ(例えば、質量、摩擦係数)を有する場合、ユーザから受信した入力は、方向ベクトルにおいてオブジェクトに力が加えられるべきであることを指示する。プロセッサは、基本力学を使用して時間t1におけるオブジェクトの位置を決定するために運動学の法則を適用することができる。プロセッサは、仮想環境について知られている任意の適切な情報および/または任意の適切な入力を使用して、時間t1における仮想環境の状態を決定することができる。仮想環境の状態を維持および更新する際に、プロセッサは、仮想環境における仮想オブジェクトの作成および削除に関連するソフトウェア;仮想環境における仮想オブジェクトまたはキャラクタの挙動を定義するためのソフトウェア(例えば、スクリプト);仮想環境における信号(例えば、音声信号)の挙動を定義するためのソフトウェア;仮想環境に関連付けパラメータを作成および更新するためのソフトウェア;仮想環境において音声信号を生成するためのソフトウェア;入出力を扱うソフトウェア;ネットワーク動作を実装するためのソフトウェア;アセットデータを適用するソフトウェア(例えば、仮想オブジェクトを経時的に移動させるためのアニメーションデータ);または他の多くの可能性を含む任意の適切なソフトウェアを実行することができる。
【0034】
ディスプレイまたはスピーカなどの出力デバイスは、仮想環境の任意のまたは全ての態様をユーザに提示することができる。例えば、仮想環境は、ユーザに提示されることができる仮想オブジェクト(これは、無生物;人々;動物;ライトなどのオブジェクトの表現を含み得る)を含み得る。プロセッサは、仮想環境のビューを決定することができ(例えば、原点座標、ビュー軸、および錐台を有する「カメラ」に対応する)、ディスプレイに、そのビューに対応する仮想環境の視聴可能なシーンをレンダリングすることができる。この目的のために、任意の適切なレンダリング技術が使用され得る。いくつかの例では、視聴可能なシーンは、仮想環境内のいくつかの仮想オブジェクトのみを含み、特定の他の仮想オブジェクトを除外し得る。同様に、仮想環境は、1つ以上の音声信号としてユーザに提示され得る音声態様を含み得る。例えば、仮想環境内の仮想オブジェクトは、オブジェクトの位置座標から生じる音を生成し得る(例えば、仮想キャラクタは、発話するか、または効果音を発生させ得る)。あるいは、仮想環境は、特定の位置に関連付けられてもよく、または関連付けられなくてもよい音楽キューまたは周囲音に関連付けられてもよい。プロセッサは、「聴取者」座標に対応する音声信号、例えば、仮想環境内の音の合成に対応し、聴取者座標において聴取者が聞く音声信号をシミュレートするために混合および処理された音声信号を決定し、1つ以上のスピーカを介して音声信号をユーザに提示することができる。
【0035】
仮想環境は、計算構造としてのみ存在するため、ユーザは、通常の感覚を使用して仮想環境を直接知覚することはできない。代わりに、ユーザは、例えばディスプレイ、スピーカ、触覚出力デバイスなどによってユーザに提示されるように、仮想環境を間接的にのみ知覚することができる。同様に、ユーザは、仮想環境に直接触れたり、仮想環境を直接操作したり、仮想環境と直接相互作用したりすることはできないが、仮想環境を更新するためにデバイスまたはセンサデータを使用することができるプロセッサに、入力デバイスまたはセンサを介して入力データを提供することができる。例えば、カメラセンサは、ユーザが仮想環境内でオブジェクトを移動させようとしていることを示す光学データを提供することができ、プロセッサは、そのデータを使用して、仮想環境内でオブジェクトにそれに応じて応答させることができる。
【0036】
複合現実システムは、例えば、透過型ディスプレイおよび/または1つ以上のスピーカ(これは、例えば、ウェアラブルヘッドデバイスに組み込まれてもよい)を使用して、現実環境と仮想環境との態様を組み合わせた複合現実環境(「MRE」)をユーザに提示することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のスピーカは、ヘッドマウントウェアラブルユニットの外部にあってもよい。本明細書で使用される場合、MREは、現実環境と対応する仮想環境との同時表現である。いくつかの例では、対応する現実環境および仮想環境は、単一の座標空間を共有する。いくつかの例では、実座標空間および対応する仮想座標空間は、変換行列(または他の適切な表現)によって互いに関連付けられる。したがって、単一の座標(いくつかの例では、変換行列とともに)は、現実環境内の第1の位置、および仮想環境内の第2の対応する位置を定義することができ、逆もまた同様である。
【0037】
MREでは、仮想オブジェクト(例えば、MREに関連付けられた仮想環境における)は、現実オブジェクト(例えば、MREに関連する現実環境における)に対応することができる。例えば、MREの現実環境が位置座標に現実のランプポスト(現実オブジェクト)を含む場合、MREの仮想環境は、対応する位置座標に仮想ランプポスト(仮想オブジェクト)を含み得る。本明細書で使用される場合、現実オブジェクトは、対応する仮想オブジェクトと組み合わせて、「複合現実オブジェクト」を構成する。仮想オブジェクトは、対応する現実オブジェクトと完全に一致または位置合わせされる必要はない。いくつかの例では、仮想オブジェクトは、対応する現実オブジェクトの単純化版とすることができる。例えば、現実環境が現実のランプポストを含む場合、対応する仮想オブジェクトは、現実のランプポストとほぼ同じ高さおよび半径の円筒を含み得る(ランプポストがほぼ円筒形の形状であり得ることを反映している)。このように仮想オブジェクトを単純化することは、計算効率を高めることができ、そのような仮想オブジェクトに対して実行される計算を単純化することができる。さらに、MREのいくつかの例では、現実環境内の全ての現実オブジェクトが対応する仮想オブジェクトに関連付けられるとは限らない。同様に、MREのいくつかの例では、仮想環境内の全ての仮想オブジェクトが対応する現実オブジェクトに関連付けられるとは限らない。すなわち、いくつかの仮想オブジェクトは、現実世界の対応物なしで、MREの仮想環境のみであってもよい。
【0038】
いくつかの例では、仮想オブジェクトは、対応する現実オブジェクトの特性とは時々大幅に異なる特性を有し得る。例えば、MRE内の現実環境は、緑色の2本腕のサボテン(とげのある無生物のオブジェクト)を含み得るが、MRE内の対応する仮想オブジェクトは、人間の顔の特徴および無表情を有する緑色の2本腕の仮想キャラクタの特性を有し得る。この例では、仮想オブジェクトは、特定の特性(色、腕の数)においてその対応する現実オブジェクトに似ているが、他の特性(顔の特徴、性格)は、現実オブジェクトとは異なる。このようにして、仮想オブジェクトは、創造的、抽象的、誇張的、または想像的な方法で現実オブジェクトを表す、または、そうでなければ無生物の現実オブジェクトに挙動(例えば、人間の性格)を与える可能性を有する。いくつかの例では、仮想オブジェクトは、現実世界の対応物のない純粋に想像力のある作成物(例えば、場合によっては現実環境内の空きスペースに対応する位置にいる仮想環境内の仮想モンスター)であり得る。
【0039】
現実環境を不明瞭にしながらユーザに仮想環境を提示するVRシステムと比較して、MREを提示する複合現実システムは、仮想環境が提示されている間に現実環境が知覚可能なままであるという利点を提供する。したがって、複合現実システムのユーザは、現実環境に関連付けられた視覚的および音声的キューを使用して、対応する仮想環境を体験し、相互作用することができる。例として、上述したように、ユーザは、仮想環境を直接知覚または相互作用することができないため、VRシステムのユーザは、仮想環境に表示された仮想オブジェクトを知覚または相互作用するのに苦労することがあるが、MRシステムのユーザは、自分自身の現実環境内の対応する現実オブジェクトを見て、聞いて、触れることによって仮想オブジェクトと相互作用することが直感的且つ自然であると見出し得る。このレベルの相互作用性は、ユーザの仮想環境との没入感、接続感、および関与感を高めることができる。同様に、現実環境と仮想環境とを同時に提示することによって、複合現実システムは、VRシステムに関連付けられた否定的な心理的感情(例えば、認知的不協和)および否定的な身体的感情(例えば、酔い)を低減することができる。複合現実システムは、現実世界の体験を増強または変更し得るアプリケーションの多くの可能性をさらに提供する。
【0040】
図1Aは、ユーザ110が複合現実システム112を使用する例示的な現実環境100を示している。複合現実システム112は、例えば以下に説明するように、ディスプレイ(例えば、透過型ディスプレイ)および1つ以上のスピーカ、ならびに1つ以上のセンサ(例えば、カメラ)を備え得る。図示の現実環境100は、ユーザ110が立っている長方形部屋104Aと、現実オブジェクト122A(ランプ)、現実オブジェクト124A(テーブル)、現実オブジェクト126A(ソファー)、および現実オブジェクト128A(絵画)とを含む。部屋104Aは、現実環境100の原点とみなし得る位置座標106をさらに含む。図1Aに示すように、その原点106(世界座標)を有する環境/世界座標系108(x軸108X、y軸108Y、およびz軸108Zを含む)は、現実環境100の座標空間を定義することができる。いくつかの実施形態では、環境/世界座標系108の原点106は、複合現実システム112の電源がオンにされた場所に対応し得る。いくつかの実施形態では、環境/世界座標系108の原点106は、動作中にリセットされてもよい。いくつかの例では、ユーザ110は、現実環境100内の現実オブジェクトとみなし得る。同様に、ユーザ110の身体部分(例えば、手、足)は、現実環境100における現実オブジェクトとみなし得る。いくつかの例では、点115(例えば、ユーザ/聴取者/頭部座標)を原点とするユーザ/聴取者/頭部座標系114(x軸114X、y軸114Y、およびz軸114Zを含む)は、複合現実システム112が配置されているユーザ/聴取者/頭部についての座標空間を定義することができる。ユーザ/聴取者/頭部座標系114の原点115は、複合現実システム112の1つ以上の構成要素に対して定義され得る。例えば、ユーザ/聴取者/頭部座標系114の原点115は、複合現実システム112の初期較正中などに、複合現実システム112のディスプレイに対して定義され得る。行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、ユーザ/聴取者/頭部座標系114空間と環境/世界座標系108空間との間の変換を特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、左耳座標116および右耳座標117は、ユーザ/聴取者/頭部座標系114の原点115に対して定義され得る。行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、左耳座標116および右耳座標117とユーザ/聴取者/頭部座標系114空間との間の変換を特徴付けることができる。ユーザ/聴取者/頭部座標系114は、ユーザの頭部、または例えば環境/世界座標系108に対する頭部装着型デバイスに対する位置の表現を単純化することができる。同時位置推定およびマッピング(SLAM)、ビジュアルオドメトリ、または他の技術を使用して、ユーザ座標系114と環境座標系108との間の変換がリアルタイムで決定および更新されることができる。
【0041】
図1Bは、現実環境100に対応する例示的な仮想環境130を示している。図示の仮想環境130は、現実の長方形部屋104Aに対応する仮想の長方形部屋104Bと、現実オブジェクト122Aに対応する仮想オブジェクト122B;現実オブジェクト124Aに対応する仮想オブジェクト124B;現実オブジェクト126Aに対応する仮想オブジェクト126Bとを含む。仮想オブジェクト122B、124B、126Bに関連付けられたメタデータは、対応する現実オブジェクト122A、124A、および126Aから導出された情報を含むことができる。仮想環境130は、現実環境100内のいかなる現実オブジェクトにも対応しない仮想モンスター132をさらに備える。現実環境100における現実オブジェクト128Aは、仮想環境130におけるいずれの仮想オブジェクトにも対応しない。点134をその原点とする持続座標系133(x軸133X、y軸133Y、およびz軸133Zを含む)(持続座標)は、仮想コンテンツの座標空間を定義することができる。持続座標系133の原点134は、現実オブジェクト126Aなどの1つ以上の現実オブジェクトに対して/相対的に定義され得る。行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、持続座標系133空間と環境/世界座標系108空間との間の変換を特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクト122B、124B、126B、および132のそれぞれは、持続座標系133の原点134に対して独自の持続座標点を有し得る。いくつかの実施形態では、複数の持続座標系が存在してもよく、仮想オブジェクト122B、124B、126B、および132のそれぞれは、1つ以上の持続座標系に対して独自の持続座標点を有してもよい。
【0042】
持続座標データは、物理的環境に対して持続的な座標データであり得る。持続座標データは、持続的仮想コンテンツを配置するためにMRシステム(例えば、MRシステム112、200)によって使用されてもよく、持続的仮想コンテンツは、仮想オブジェクトが表示されているディスプレイの動きに結び付けられなくてもよい。例えば、2次元スクリーンは、スクリーン上の位置に対する仮想オブジェクトのみを表示し得る。2次元スクリーンの移動に伴って、仮想コンテンツがスクリーンとともに移動してもよい。いくつかの実施形態では、持続的仮想コンテンツは、部屋の隅に表示され得る。MRユーザは、隅を見て、仮想コンテンツを見て、隅から外を見てもよく(ユーザの頭部の動きにより、仮想コンテンツがユーザの視野内からユーザの視野外の位置に移動した可能性があるため、仮想コンテンツはもはや見えなくなり得る)、後ろを見て隅内の仮想コンテンツを見てもよい(現実オブジェクトが挙動し得る方法と同様)。
【0043】
いくつかの実施形態では、持続座標データ(例えば、持続座標系および/または持続座標フレーム)は、原点および3つの軸を含むことができる。例えば、持続座標系は、MRシステムによって部屋の中心に割り当てられ得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、部屋の中を動き回ったり、部屋の外に出たり、部屋に再び入ったりしてもよく、持続座標系は、(例えば、物理的環境に対して持続することから)部屋の中心に留まってもよい。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトは、持続的仮想コンテンツの表示を可能にし得る持続座標データへの変換を使用して表示され得る。いくつかの実施形態では、MRシステムは、持続座標データを生成するために同時位置特定およびマッピングを使用し得る(例えば、MRシステムは、持続座標系を空間内の点に割り当て得る)。いくつかの実施形態では、MRシステムは、一定の間隔で持続座標データを生成することによって環境をマッピングし得る(例えば、MRシステムは、グリッド内に持続座標系を割り当て得て、持続座標系は、別の持続座標系から少なくとも5フィート以内にあり得る)。
【0044】
いくつかの実施形態では、持続座標データは、MRシステムによって生成され、リモートサーバに送信され得る。いくつかの実施形態では、リモートサーバは、持続座標データを受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、リモートサーバは、複数の観測インスタンスからの持続座標データを同期させるように構成され得る。例えば、複数のMRシステムは、同じ部屋を持続座標データによってマッピングし、そのデータをリモートサーバに送信し得る。いくつかの実施形態では、リモートサーバは、この観測データを使用して、1つ以上の観測に基づき得る標準的な持続座標データを生成し得る。いくつかの実施形態では、標準的な持続座標データは、持続座標データの単一の観測よりも正確および/または信頼性が高くてもよい。いくつかの実施形態では、標準的な持続座標データは、1つ以上のMRシステムに送信され得る。例えば、MRシステムは、画像認識および/または位置データを使用して、対応する標準的な持続座標データを有する部屋に位置することを認識し得る(例えば、他のMRシステムが以前に部屋をマッピングしていることから)。いくつかの実施形態では、MRシステムは、その位置に対応する標準的な持続座標データをリモートサーバから受信し得る。
【0045】
図1Aおよび図1Bに関連して、環境/世界座標系108は、現実環境100および仮想環境130の両方についての共有座標空間を定義する。図示の例では、座標空間は、点106にその原点を有する。さらに、座標空間は、同じ3つの直交軸(108X、108Y、108Z)によって定義される。したがって、現実環境100内の第1の位置、および仮想環境130内の第2の対応する位置は、同じ座標空間に関して記述されることができる。これは、同じ座標が使用されて両方の位置を識別することができるため、現実環境および仮想環境における対応する位置の識別および表示を単純化する。しかしながら、いくつかの例では、対応する現実環境および仮想環境は、共有座標空間を使用する必要はない。例えば、いくつかの例(図示せず)では、行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、現実環境座標空間と仮想環境座標空間との間の変換を特徴付けることができる。
【0046】
図1Cは、現実環境100および仮想環境130の態様を、複合現実システム112を介してユーザ110に同時に提示する例示的なMRE150を示している。図示の例では、MRE150は、現実環境100からの現実オブジェクト122A、124A、126A、および128A(例えば、複合現実システム112のディスプレイの透過部分を介して)、および仮想環境130からの仮想オブジェクト122B、124B、126B、および132(例えば、複合現実システム112のディスプレイのアクティブ表示部分を介して)をユーザ110に同時に提示する。上記のように、原点106は、MRE150に対応する座標空間の原点として機能し、座標系108は、座標空間のx軸、y軸、およびz軸を定義する。
【0047】
図示の例では、複合現実オブジェクトは、座標空間108内の対応する位置を占める現実オブジェクトと仮想オブジェクトの対応するペア(すなわち、122A/122B、124A/124B、および126A/126B)を含む。いくつかの例では、現実オブジェクトと仮想オブジェクトの両方がユーザ110に同時に見えることがある。これは、例えば、仮想オブジェクトが対応する現実オブジェクトのビューを拡張するように設計された情報を提示する場合(仮想オブジェクトが古い損傷した彫刻の欠落したピースを提示する美術館アプリケーションなど)に望ましいことがある。いくつかの例では、対応する現実オブジェクト(122A、124A、および/または126A)を遮るように、仮想オブジェクト(122B、124B、および/または126B)が表示され得る(例えば、画素化遮蔽シャッタを使用するアクティブ画素化遮蔽を介して)。これは、例えば、仮想オブジェクトが対応する現実オブジェクトの視覚的置換として機能する場合(無生物の現実オブジェクトが「生きている」キャラクタになる相互作用型ストーリーテリングアプリケーションなど)に望ましいことがある。
【0048】
いくつかの例では、現実オブジェクト(例えば、122A、124A、126A)は、必ずしも仮想オブジェクトを構成しなくてもよい仮想コンテンツまたはヘルパーデータに関連付けられてもよい。仮想コンテンツまたはヘルパーデータは、複合現実環境における仮想オブジェクトの処理または取り扱いを容易にすることができる。例えば、そのような仮想コンテンツは、対応する現実オブジェクトの2次元表現;対応する現実オブジェクトに関連付けられたカスタムアセットタイプ;または対応する現実オブジェクトに関連付けられた統計データを含むことができる。この情報は、不必要な計算オーバーヘッドを招くことなく、現実オブジェクトを含む計算を可能または容易にすることができる。
【0049】
いくつかの例では、上述した提示はまた、音声態様を組み込んでもよい。例えば、MRE150では、仮想モンスター132は、モンスターがMRE150の周りを歩くときに生成される足音効果などの1つ以上の音声信号に関連付けられることができる。以下にさらに説明するように、複合現実システム112のプロセッサは、MRE150内の全てのそのような音の混合および処理された合成に対応する音声信号を計算し、複合現実システム112に含まれる1つ以上のスピーカおよび/または1つ以上の外部スピーカを介してユーザ110に音声信号を提示することができる。
【0050】
例示的な複合現実システム
例示的な複合現実システム112は、(ニアアイディスプレイであってもよい左右の透過型ディスプレイと、ディスプレイからの光をユーザの眼に結合するための関連構成要素とを備え得る)ディスプレイ;左右スピーカ(例えば、ユーザの左右の耳にそれぞれ隣接して配置される);(例えば、ヘッドデバイスのテンプルアームに取り付けられる)慣性測定ユニット(IMU);(例えば、左側のテンプル片に取り付けられる)直交コイル型電磁受信機;ユーザから離れる方向に向けられた左右のカメラ(例えば、深度(飛行時間)カメラ);および(例えば、ユーザの眼球運動を検出するための)ユーザに向けられた左右の眼のカメラを備えるウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブル拡張現実または複合現実ヘッドデバイス)を含むことができる。しかしながら、複合現実システム112は、任意の適切なディスプレイ技術、および任意の適切なセンサ(例えば、光学、赤外線、音響、LIDAR、EOG、GPS、磁気)を組み込むことができる。さらに、複合現実システム112は、他の複合現実システムを含む他のデバイスおよびシステムと通信するためのネットワーキング機能(例えば、Wi-Fi機能)を組み込み得る。複合現実システム112は、バッテリ(ユーザの腰の周りに装着されるように設計されたベルトパックなどの補助ユニットに装着され得る)、プロセッサ、およびメモリをさらに含み得る。複合現実システム112のウェアラブルヘッドデバイスは、ユーザの環境に対するウェアラブルヘッドデバイスの座標のセットを出力するように構成された、IMUまたは他の適切なセンサなどの追跡構成要素を含み得る。いくつかの例では、追跡構成要素は、同時位置特定およびマッピング(SLAM)および/またはビジュアルオドメトリアルゴリズムを実行するプロセッサに入力を提供し得る。いくつかの例では、複合現実システム112はまた、以下にさらに説明するように、ウェアラブルベルトパックであってもよいハンドヘルドコントローラ300および/または補助ユニット320を含んでもよい。
【0051】
図2A図2Dは、MRE(MRE150に対応し得る)または他の仮想環境をユーザに提示するために使用され得る例示的な複合現実システム200(複合現実システム112に対応し得る)の構成要素を示している。図2Aは、例示的な複合現実システム200に含まれるウェアラブルヘッドデバイス2102の斜視図を示している。図2Bは、ユーザの頭部2202に装着されたウェアラブルヘッドデバイス2102の平面図を示している。図2Cは、ウェアラブルヘッドデバイス2102の正面図を示している。図2Dは、ウェアラブルヘッドデバイス2102の例示的なアイピース2110の端面図を示している。図2A図2Cに示すように、例示的なウェアラブルヘッドデバイス2102は、例示的な左アイピース(例えば、左透明導波路セットアイピース)2108および例示的な右アイピース(例えば、右透明導波路セットアイピース)2110を含む。各アイピース2108および2110は、現実環境が見られることができる透過要素、ならびに現実環境と重複するディスプレイ(例えば、イメージワイズ変調光を介して)を提示するためのディスプレイ要素を含むことができる。いくつかの例では、そのようなディスプレイ要素は、イメージワイズ変調光の流れを制御するための表面回折光学素子を含むことができる。例えば、左アイピース2108は、左内部結合格子セット2112、左直交瞳孔拡張(OPE)格子セット2120、および左射出(出力)瞳孔拡張(EPE)格子セット2122を含むことができる。本明細書で使用される場合、瞳は、格子セットまたは反射器などの光学素子からの光の出射を指し得る。同様に、右アイピース2110は、右内部結合格子セット2118、右OPE格子セット2114、および右EPE格子セット2116を含むことができる。イメージワイズ変調された光は、内部結合格子2112および2118、OPE2114および2120、ならびにEPE2116および2122を介してユーザの眼に伝達されることができる。各内部結合格子セット2112、2118は、光をその対応するOPE格子セット2120、2114に向けて偏向させるように構成されることができる。各OPE格子セット2120、2114は、光をその関連するEPE2122、2116に向かって徐々に下方に偏向させ、それによって形成される射出瞳を水平に延ばすように設計されることができる。各EPE2122、2116は、その対応するOPE格子セット2120、2114から受光した光の少なくとも一部を、アイピース2108、2110の背後に画定されたユーザのアイボックス位置(図示せず)に徐々に向け直すように構成されることができ、アイボックスに形成された射出瞳を垂直に延長する。あるいは、内部結合格子セット2112および2118、OPE格子セット2114および2120、ならびにEPE格子セット2116および2122の代わりに、アイピース2108および2110は、イメージワイズ変調された光のユーザの眼への結合を制御するための格子ならびに/または屈折および反射機構の他の配置を含むことができる。
【0052】
いくつかの例では、ウェアラブルヘッドデバイス2102は、左テンプルアーム2130および右テンプルアーム2132を含むことができ、左テンプルアーム2130は、左スピーカ2134を含み、右テンプルアーム2132は、右スピーカ2136を含む。直交コイル電磁受信機2138は、左テンプル片内、またはウェアラブルヘッドユニット2102内の別の適切な位置に配置されることができる。慣性測定ユニット(IMU)2140は、右テンプルアーム2132内に、またはウェアラブルヘッドデバイス2102内の別の適切な位置に配置されることができる。ウェアラブルヘッドデバイス2102はまた、左深度(例えば、飛行時間)カメラ2142および右深度カメラ2144を含むことができる。深度カメラ2142、2144は、より広い視野をともにカバーするように、異なる方向に適切に配向されることができる。
【0053】
図2A図2Dに示す例では、イメージワイズ変調光の左供給源2124は、左の内部結合格子セット2112を介して左アイピース2108に光学的に結合されることができ、イメージワイズ変調光の右供給源2126は、右内部結合格子セット2118を介して右アイピース2110に光学的に結合されることができる。イメージワイズ変調光の供給源2124、2126は、例えば、光ファイバスキャナ;デジタル光処理(DLP)チップまたは液晶オンシリコン(LCoS)変調器などの電子光変調器を含むプロジェクタ;または、側面ごとに1つ以上のレンズを使用して内部結合格子セット2112、2118に結合されたマイクロ発光ダイオード(μLED)またはマイクロ有機発光ダイオード(μOLED)パネルなどの発光ディスプレイを含むことができる。入力結合格子セット2112、2118は、イメージワイズ変調光の供給源2124、2126からの光を、アイピース2108、2110の全内部反射(TIR)の臨界角を超える角度に偏向させることができる。OPE格子セット2114、2120は、TIRによって伝播する光をEPE格子セット2116、2122に向かって徐々に下方に偏向させる。EPE格子セット2116、2122は、ユーザの眼の瞳孔を含むユーザの顔に向かって光を徐々に結合する。
【0054】
いくつかの例では、図2Dに示すように、左アイピース2108および右アイピース2110のそれぞれは、複数の導波路2402を含む。例えば、各アイピース2108、2110は、それぞれがそれぞれの色チャネル(例えば、赤色、青色および緑色)専用の複数の個々の導波路を含むことができる。いくつかの例では、各アイピース2108、2110は、そのような導波路の複数のセットを含むことができ、各セットは、放射された光に異なる波面曲率を付与するように構成される。波面曲率は、例えば、ユーザの前方にある距離(例えば、波面曲率の逆数に対応する距離だけ)に配置された仮想オブジェクトを提示するために、ユーザの眼に対して凸状であってもよい。いくつかの例では、EPE格子セット2116、2122は、各EPEを横切る出射光のポインティングベクトルを変更することによって凸波面曲率を達成する湾曲格子溝を含むことができる。
【0055】
いくつかの例では、表示されたコンテンツが3次元であるという知覚を作り出すために、立体的に調整された左右の眼の画像が、イメージワイズ光変調器2124、2126およびアイピース2108、2110を通してユーザに提示されることができる。立体的な左右の画像によって示される距離に近い距離に仮想オブジェクトが表示されるように導波路を選択する(したがって、波面曲率に対応する)ことによって、3次元仮想オブジェクトの提示の知覚される臨場感が高められることができる。この技術はまた、立体視左右眼画像によって提供される深度知覚キューと人間の眼の自律神経調節(例えば、オブジェクト距離に依存する焦点)との間の差によって引き起こされ得る、一部のユーザが体験する酔いを低減し得る。
【0056】
図2Dは、例示的なウェアラブルヘッドデバイス2102の右アイピース2110の上からの端面図を示している。図2Dに示すように、複数の導波路2402は、3つの導波路の第1のサブセット2404と、3つの導波路の第2のサブセット2406とを含むことができる。導波路の2つのサブセット2404、2406は、出射光に異なる波面曲率を付与するために異なる格子線曲率を特徴とする異なるEPE格子によって区別されることができる。導波路の各サブセット2404、2406内で、各導波路が使用されて、異なるスペクトルチャネル(例えば、赤色、緑色、および青色のスペクトルチャネルのうちの1つ)をユーザの右眼2206に結合することができる。(図2Dには示されていないが、左アイピース2108の構造は、右アイピース2110の構造と類似している。)
【0057】
図3Aは、複合現実システム200の例示的なハンドヘルドコントローラ構成要素300を示している。いくつかの例では、ハンドヘルドコントローラ300は、グリップ部346と、上面348に沿って配置された1つ以上のボタン350とを含む。いくつかの例では、ボタン350は、カメラまたは他の光学センサ(これは、複合現実システム200のヘッドユニット(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス2102)に装着されることができる)とともに、例えば、ハンドヘルドコントローラ300の6自由度(6DOF)動きを追跡するための光学追跡ターゲットとして使用するように構成され得る。いくつかの例では、ハンドヘルドコントローラ300は、ウェアラブルヘッドデバイス2102に対する位置または向きなどの位置または向きを検出するための追跡構成要素(例えば、IMUまたは他の適切なセンサ)を含む。いくつかの例では、そのような追跡構成要素は、ハンドヘルドコントローラ300のハンドル内に配置されてもよく、および/またはハンドヘルドコントローラに機械的に結合されてもよい。ハンドヘルドコントローラ300は、ボタンの押下状態;またはハンドヘルドコントローラ300の位置、向き、および/または動き(例えば、IMUを介して)のうちの1つ以上に対応する1つ以上の出力信号を提供するように構成されることができる。そのような出力信号は、複合現実システム200のプロセッサへの入力として使用され得る。そのような入力は、ハンドヘルドコントローラの位置、向き、および/または動き(および、延長により、コントローラを保持するユーザの手の位置、向き、および/または動きに)に対応し得る。そのような入力は、ユーザがボタン350を押すことにも対応し得る。
【0058】
図3Bは、複合現実システム200の例示的な補助ユニット320を示している。補助ユニット320は、システム200を動作させるためのエネルギーを供給するためのバッテリを含むことができ、システム200を動作させるためのプログラムを実行するためのプロセッサを含むことができる。図示のように、例示的な補助ユニット320は、補助ユニット320をユーザのベルトに取り付けるなどのためのクリップ2128を含む。ユニットをユーザのベルトに取り付けることを伴わないフォームファクタを含む、他のフォームファクタが補助ユニット320に適しており、明らかであろう。いくつかの例では、補助ユニット320は、例えば、電線および光ファイバを含むことができる多導管ケーブルを介してウェアラブルヘッドデバイス2102に結合される。補助ユニット320とウェアラブルヘッドデバイス2102との間の無線接続も使用されることができる。
【0059】
いくつかの例では、複合現実システム200は、音を検出し、対応する信号を複合現実システムに提供するための1つ以上のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの例では、マイクロフォンは、ウェアラブルヘッドデバイス2102に取り付けられるか、または一体化されてもよく、ユーザの音声を検出するように構成されてもよい。いくつかの例では、マイクロフォンは、ハンドヘルドコントローラ300および/または補助ユニット320に取り付けられるか、または一体化されてもよい。そのようなマイクロフォンは、環境音、周囲の雑音、ユーザもしくは第三者の音声、または他の音を検出するように構成されてもよい。
【0060】
図4は、上述した複合現実システム200(これは、図1に関する複合現実システム112に対応し得る)などの例示的な複合現実システムに対応し得る例示的な機能ブロック図を示している。図4に示すように、例示的なハンドヘルドコントローラ400B(ハンドヘルドコントローラ300(「トーテム」)に対応し得る)は、トーテム・ツー・ウェアラブルヘッドデバイス6自由度(6DOF)トーテムサブシステム404Aを含み、例示的なウェアラブルヘッドデバイス400A(ウェアラブルヘッドデバイス2102に対応し得る)は、トーテム・ツー・ウェアラブルヘッドデバイス6DOFサブシステム404Bを含む。この例では、6DOFトーテムサブシステム404Aおよび6DOFサブシステム404Bは、協働して、ウェアラブルヘッドデバイス400Aに対するハンドヘルドコントローラ400Bの6つの座標(例えば、3つの並進方向のオフセットおよび3つの軸に沿った回転)を決定する。6自由度は、ウェアラブルヘッドデバイス400Aの座標系を基準として表され得る。3つの並進オフセットは、そのような座標系におけるX、Y、およびZオフセットとして、並進行列として、または他の何らかの表現として表され得る。回転自由度は、ヨー、ピッチ、およびロール回転のシーケンスとして、回転行列として、四元数として、または他の何らかの表現として表され得る。いくつかの例では、ウェアラブルヘッドデバイス400A;ウェアラブルヘッドデバイス400Aに含まれる1つ以上の深度カメラ444(および/または1つ以上の非深度カメラ);および/または1つ以上の光学ターゲット(例えば、上述したハンドヘルドコントローラ400Bのボタン350、またはハンドヘルドコントローラ400Bに含まれる専用の光学ターゲット)が6DOF追跡に使用されることができる。いくつかの例では、ハンドヘルドコントローラ400Bは、上述したように、カメラを含むことができ、ウェアラブルヘッドデバイス400Aは、カメラと連動して光学追跡のための光学ターゲットを含むことができる。いくつかの例では、ウェアラブルヘッドデバイス400Aおよびハンドヘルドコントローラ400Bは、それぞれ、3つの識別可能な信号を無線で送受信するために使用される3つの直交して配向されたソレノイドのセットを含む。受信に使用されるコイルのそれぞれにおいて受信された3つの識別可能な信号の相対的な大きさを測定することにより、ハンドヘルドコントローラ400Bに対するウェアラブルヘッドデバイス400Aの6DOFが決定され得る。さらに、6DOFトーテムサブシステム404Aは、ハンドヘルドコントローラ400Bの迅速な動きに関する改善された精度および/またはよりタイムリーな情報を提供するのに有用な慣性測定ユニット(IMU)を含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルシステム400は、ヘッドギアデバイス400A上に配置された1つ以上のマイクロフォンを含むことができるマイクロフォンアレイ407を含むことができる。いくつかの実施形態では、マイクロフォンアレイ407は、4つのマイクロフォンを含むことができる。ヘッドギア400Aの前面に2つのマイクロフォンが配置されることができ、ヘッドヘッドギア400Aの背面に2つのマイクロフォンが配置されることができる(例えば、左後方に1つ、右後方に1つ)。いくつかの実施形態では、マイクロフォンアレイ407によって受信された信号は、DSP408に送信されることができる。DSP408は、マイクロフォンアレイ407から受信された信号に対して信号処理を実行するように構成されることができる。例えば、DSP408は、マイクロフォンアレイ407から受信した信号に対してノイズ低減、音響エコー除去、および/またはビームフォーミングを実行するように構成されることができる。DSP408は、信号をプロセッサ416に送信するように構成されることができる。
【0062】
いくつかの例では、例えば、座標系108に対するウェアラブルヘッドデバイス400Aの動きを補償するために、座標をローカル座標空間(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス400Aに対して固定された座標空間)から慣性座標空間(例えば、現実環境に対して固定された座標空間)に変換することが必要になることがある。例えば、そのような変換は、現実環境に仮想オブジェクト(例えば、現実の椅子に座っており、ウェアラブルヘッドデバイスの位置および向きに関係なく、前方を向いている仮想人物)が存在するという錯覚を維持するために、ウェアラブルヘッドデバイス400Aのディスプレイが、ディスプレイ上の固定された位置および向きではなく、現実環境に対して予想される位置(例えば、ディスプレイの右下隅の同じ位置)および向きで仮想オブジェクトを提示するために必要であり得る(そして、例えば、ウェアラブルヘッドデバイス400Aが移動および回転するときに現実環境に不自然に配置されているようには見えない)。いくつかの例では、座標空間間の補償変換は、座標系108に対するウェアラブルヘッドデバイス400Aの変換を決定するために、SLAMおよび/またはビジュアルオドメトリ手順を使用して深度カメラ444からの画像を処理することによって決定されることができる。図4に示す例では、深度カメラ444は、SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406に結合され、画像をブロック406に提供することができる。SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406の実装は、この画像を処理し、ユーザの頭部の位置および向きを決定するように構成されたプロセッサを含むことができ、頭部座標空間と別の座標空間(例えば、慣性座標空間)との間の変換を識別するために使用されることができる。同様に、いくつかの例では、ユーザの頭部姿勢および位置に関する追加の情報源は、IMU409から取得される。IMU409からの情報は、SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406からの情報と統合されて、ユーザの頭部姿勢および位置の迅速な調整に関する改善された精度および/またはよりタイムリーな情報を提供することができる。
【0063】
いくつかの例では、深度カメラ444は、ウェアラブルヘッドデバイス400Aのプロセッサに実装され得るハンドジェスチャトラッカ411に3D画像を供給することができる。ハンドジェスチャトラッカ411は、例えば、深度カメラ444から受信した3D画像をハンドジェスチャを表す記憶されたパターンと照合することによって、ユーザのハンドジェスチャを識別することができる。ユーザのハンドジェスチャを識別する他の適切な技術が明らかであろう。
【0064】
いくつかの例では、1つ以上のプロセッサ416は、ウェアラブルヘッドデバイスの6DOFヘッドギアサブシステム404B、IMU409、SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406、深度カメラ444、および/またはハンドジェスチャトラッカ411からデータを受信するように構成され得る。プロセッサ416はまた、6DOFトーテムシステム404Aから制御信号を送受信することもできる。プロセッサ416は、ハンドヘルドコントローラ400Bが接続されていない例のように、6DOFトーテムシステム404Aに無線で結合されてもよい。プロセッサ416は、さらに、視聴覚コンテンツメモリ418、グラフィカル処理ユニット(GPU)420、および/またはデジタル信号プロセッサ(DSP)音声スペーシャライザ422などの追加の構成要素と通信してもよい。DSP音声スペーシャライザ422は、頭部伝達関数(HRTF)メモリ425に結合されてもよい。GPU420は、イメージワイズ変調光424の左供給源に結合された左チャネル出力と、イメージワイズ変調光426の右供給源に結合された右チャネル出力とを含むことができる。GPU420は、例えば、図2A図2Dを参照して上述したように、立体画像データをイメージワイズ変調光424、426の供給源に出力することができる。DSP音声スペーシャライザ422は、左スピーカ412および/または右スピーカ414に音声を出力することができる。DSP音声スペーシャライザ422は、ユーザから仮想音源(これは、例えば、ハンドヘルドコントローラ320を介して、ユーザによって移動され得る)への方向ベクトルを示す入力をプロセッサ419から受信することができる。方向ベクトルに基づいて、DSP音声スペーシャライザ422は、(例えば、HRTFにアクセスすることによって、または複数のHRTFを補間することによって)対応するHRTFを決定することができる。次いで、DSP音声スペーシャライザ422は、決定されたHRTFを、仮想オブジェクトによって生成された仮想音に対応する音声信号などの音声信号に適用することができる。これは、複合現実環境における仮想音に対するユーザの相対的な位置および向きを組み込むことによって、すなわち、仮想音が現実環境の現実音である場合にその仮想音がどのように聞こえるかというユーザの期待に一致する仮想音を提示することによって、仮想音の真実味および臨場感を高めることができる。
【0065】
図4に示すようないくつかの例では、プロセッサ416、GPU420、DSP音声スペーシャライザ422、HRTFメモリ425、および視聴覚コンテンツメモリ418のうちの1つ以上は、補助ユニット400C(上述した補助ユニット320に対応し得る)に含まれ得る。補助ユニット400Cは、その構成要素に電力を供給するため、および/またはウェアラブルヘッドデバイス400Aまたはハンドヘルドコントローラ400Bに電力を供給するためのバッテリ427を含み得る。ユーザの腰に装着されることができる補助ユニットにこのような構成要素を含めることは、ウェアラブルヘッドデバイス400Aのサイズおよび重量を制限することができ、ひいてはユーザの頭と首の疲労を軽減することができる。
【0066】
図4は、例示的な複合現実システムの様々な構成要素に対応する要素を示しているが、これらの構成要素の様々な他の適切な配置が当業者には明らかになるであろう。例えば、補助ユニット400Cに関連付けられているものとして図4に示されている要素は、代わりに、ウェアラブルヘッドデバイス400Aまたはハンドヘルドコントローラ400Bに関連付けられることができる。さらにまた、いくつかの複合現実システムは、ハンドヘルドコントローラ400Bまたは補助ユニット400Cを完全に取り止めてもよい。そのような変形および変更は、開示された例の範囲内に含まれると理解されるべきである。
【0067】
照明層についての封入層
例示的な複合現実システム(例えば、複合現実システム200)のウェアラブルヘッドデバイスまたはヘッドマウントディスプレイは、ディスプレイを介してユーザに画像を提示するための光学系を含み得る。例示的な光学系は、視線追跡機能をさらに含み得る。例えば、図5および図6A図6Bは、本開示の実施形態にかかるウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス2102)において使用されることができる光学系および/または照明層の例を示している。
【0068】
図5は、ウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス2102)に使用され得る例示的な光学系500を示している。図に示されるように、光学系500は、層状に配置された複数の光学部品を含むことができる。例えば、光学系500は、外側レンズ501、調光器503、アイピース505、内側レンズ507、IR照明層510、および矯正処方インサート509のうちの1つ以上を含み得る。光学系500は、ユーザの眼520にデジタル画像を提示し、ユーザの環境のビューを提示し、および/またはユーザの眼球運動を追跡するように構成され得る。外側レンズおよび内側レンズは、焦点が合っているユーザの環境および/またはデジタル画像のビューを提供し得る。調光器503は、ユーザの環境から光学系に入る光の量を調整するために設けられることができる。アイピース505は、デジタルコンテンツをユーザに提示するために設けられることができる。IR照明層510(本明細書では照明層とも呼ばれる)は、視線追跡能力を促進するために設けられることができる。矯正処方インサート509は、光学系を特定のユーザの視力に合わせるために設けられることができる。図面は、例示を目的として含まれており、必ずしも縮尺通りでなくてもよく、層の相対的な厚さ、および/または層の実際の寸法を示してもよい。
【0069】
図6Aは、本開示の実施形態にかかる例示的な照明層610Aを示している。照明層610Aは、光学系、例えば光学系500に含まれ得る。図に示すように、照明層610Aは、基材612および1つ以上のLED614Aを含み得る。いくつかの実施形態では、照明層は、1つ以上のLED614Aに接続された1つ以上の金属トレース(図示せず)を含み得る。LED614Aは、IR範囲の波長に対応するIR LEDであり得る。図に示されるように、1つ以上のLED614Aは、基材612の裏面618に配置され得る。LED614Aは、IR照明光616をユーザの眼620に提供し得る。IR照明光は、眼620の表面から反射されて、IR眼反射光622を形成し得る。IR反射光622の一部は、光センサ624において受光され得る。いくつかの実施形態では、光センサ624は、照明層610Aの外縁付近、例えば、光学系スタック500の縁部付近に配置され得る。いくつかの例では、光センサ624は、光学系の一部であってもよいが、照明層上に物理的に配置されなくてもよい。IR反射光622の受光した部分は、眼620の眼球運動を追跡するためにMRシステムによって処理されることができる。
【0070】
図6Bは、本開示の実施形態にかかる例示的な照明層610Bを示している。照明層610Bは、光学系、例えば光学系500に含まれ得る。図に示すように、照明層610Bは、基材612および1つ以上のLED614Bを含み得る。図に示すように、1つ以上のLED614Bは、基材612の前面626に配置され得る。いくつかの実施形態では、照明層は、1つ以上のLED614Bに接続された1つ以上の金属トレース(図示せず)を含み得る。LED614Bは、図6Aに関して説明したように、IR照明光616をユーザの眼に提供し得る。LED614Bは、IR範囲の波長に対応するIR LEDであり得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、基材612は、キャリアプレート、例えばガラスキャリアプレート上に積層されたポリマー層から形成された可撓性または剛性基材であり得る。例えば、基材は、ガラスキャリアプレート上に積層されたポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および/またはトリアセテートセルロース(TAC)を含み得る。基材612を形成するポリマー材料は、比較的安価で機械的に信頼性があり得るが、基材612は、反射および/または曇りに起因する光透過損失、ならびに材料間の界面、例えばポリマー/ガラス界面での光透過損失を受けやすいことがある。さらに、ポリマー材料は、表面化学的攻撃、膨潤などの加工上の問題を起こしやすい可能性があり、耐擦傷性が低いことがあり、これは、光透過性の低下および曇りの増加に寄与する可能性がある。光透過の損失および曇りは、光学系、例えば光学系500を通過する環境光の量に影響を及ぼし、ユーザに提示されるデジタル画像の品質に影響を及ぼす可能性がある。
【0072】
図7Aおよび図7Bは、透過率に影響を及ぼし得るポリマー層の表面上の曇りを示すポリマー層、例えばポリマー照明層の一部の写真である。例えば、ポリマー層710Aは、ポリマー層710Bの拡大図に対応し得る。図に示すように、ポリマー層710A、710Bの表面は、粗いおよび/または不均一であってもよく、これはその曇った外観に寄与し得る。例えば、表面は、不均一な表面テクスチャに寄与する多数の不規則な起伏を含むことができる。いくつかの例では、ポリマー層、例えば710Aおよび710Bは、約1.00~1.65%の測定された曇り値を有することができる。比較すると、ガラス照明層は、約0.24%の測定された曇り値を有し得る。
【0073】
図7Cは、本開示の実施形態にかかる照明層のプロファイルを示している。図に示すように、照明層710Cは、粗いまたは不均一な上面718Cを有し得る基材712Cを含むことができる。例えば、表面は、不均一な表面テクスチャに寄与する多数の不規則な起伏を含み得る。不均一な表面は、眼に見える曇った外観に寄与し(例えば、図7Aおよび図7Bを参照)、透過率の低下に寄与し得る。図7Dは、本開示の実施形態にかかる照明層を示している。図に示すように、照明層710Dは、表面718Cに関して上述したように、粗いまたは不均一な上面718Dおよび底面720Dを有し得る基材712Dを含むことができる。
【0074】
図8Aおよび図8Bは、本開示の実施形態にかかる、ポリマー層810、例えば、封入層を含むポリマー照明層の一部の写真である。いくつかの例では、ポリマー層810Aは、ポリマー層810Bの拡大図に対応し得る。図に示すように、ポリマー層810A、810Bの表面テクスチャは、ポリマー層710Aおよび710Bの表面テクスチャと比較して比較的滑らかであり得る。例えば、封入層、例えば810Aおよび700Bを含むポリマー層は、約0.11%の測定された曇り値を有することができる。
【0075】
図8Cは、本開示の実施形態にかかる照明層810Cのプロファイルを示している。例えば、図8Cに示すように、照明層810Cは、照明層810Cの基材812Cの上面818Cおよび/または底面820Cに配置された封入層830Cを含むことができる。封入層は、上面および底面の両方に示されているが、当業者は、本開示の実施形態によれば、封入層が上面または底面のいずれかに配置されることができることを理解するであろう。
【0076】
図8Dは、本開示の実施形態にかかる、照明層810Cの詳細図に対応することができる。例えば、この図に示されるように、封入層830Dは、基材812Dの表面818Dを平坦化するために設けられ得る。本明細書で使用される場合、平坦化という用語は、不均一な表面テクスチャの平滑化、充填、および/または平板化を指し得る。いくつかの実施形態では、封入層、例えば、830C、830Dは、基材、例えば、812C、812Dの表面818を平坦化する反射防止ナノパターン832Dを含み得る。封入層は、表面の不規則な起伏を平坦化することによって透過率を改善し、曇りを低減し得る。さらに、封入層は、照明層810の基材(例えば、812C、812D)上の保護のスクラッチ防止層として機能し得る。
【0077】
図9は、上述したような封入層が1つ以上のLEDを埋め込む場合の照明層の透過率の例示的な改善を示すグラフである。線910は、封入層を含まない照明層、例えば照明層610A、610Bの様々な波長にわたる透過率を示している。線920は、封入層を含む照明層、例えば照明層810の様々な波長にわたる透過率を示している。図10は、照明層1010の平坦化部分1030と非平坦化部分1018との図式的な相違を示している。図示のように、平坦化部分1030は、非平坦化部分1018と比較して相対的に透過性とすることができる。例えば、非平坦化部分1018の透過率は、図9の線910に対応し得るとともに、平坦化部分1010は、線920に対応することができる。
【0078】
図11図16は、本開示の実施形態にかかるMRシステムについての例示的な照明層を示している。照明層は、基材、1つ以上のLED、および封入層を含み得る。いくつかの実施形態では、基材は、基材上に配置された反射防止コーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、照明層は、第2の封入層を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の封入層は、曲率半径を有することができる。
【0079】
図11は、本開示の実施形態にかかるMRシステムについての例示的な照明層を示している。図に示すように、照明層1110は、基材1112、1つ以上のLED1114、および封入層1130を含むことができる。1つ以上の例では、1つ以上のLED1114は、基材1112の裏面に実装され得る。1つ以上のLEDは、光1116を基材1112を通してユーザの眼(図示せず)に向けて投射するように構成され得る。照明層1110は、バックライト付き照明層として特徴付けられ得る。
【0080】
図に示すように、照明層1110の基材1112は、キャリアプレート(CP)1136上に配置されたポリマー層1134を含み得る。ポリマー層1134は、例えば、PET、PC、およびTACから形成され得る。いくつかの実施形態では、キャリアプレート1136は、ガラスプレートから形成され得る。キャリアプレート1136は、基材1112に追加の剛性を提供し得る。いくつかの実施形態では、屈折率整合層1138は、ポリマー層1134とキャリアプレート1136との間に配置され得る。屈折率整合層1138は、ポリマー層1134とキャリアプレート1136との間の界面における望ましくない反射および/または屈折を低減するために設けられ得る。いくつかの実施形態では、照明層1110は、基材の前面、例えば封入層1130の反対側に配置された反射防止コーティング1140を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の屈折率整合層1142は、キャリアプレート1136と反射防止コーティング1140との間に配置され得る。
【0081】
封入層1130は、ナノパターン化表面1132を含み得る。図に示すように、ナノパターン化表面1132は、封入層1130の裏面に配置され得る。上述したように、封入層1130のナノパターン化表面1132は、基材1112、例えば基材1112のポリマー層1134の表面不完全性および起伏に関連付けられた透過損失を平坦化および低減し得る。例えば、ナノパターン化表面1132は、可視光反射を低減することができ、例えば、曇りを低減し、透過率を改善することができる。様々なパターンタイプについては、以下により詳細に説明する。しかしながら、当業者は、反射防止特性を有する任意の適切なナノパターン化表面が、本開示の範囲から逸脱することなく使用され得ることを理解するであろう。さらに、封入層1130は、照明層1110にさらなる剛性を加えることによって、基材1112Aの機械的安定性を改善し得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、封入層1130は、封入層1130が1つ以上のLED1114の上に配置されるように、すなわち、1つ以上のLED1114が封入層1130によって覆われるように、基材1112の裏面に配置され得る。いくつかの実施形態では、照明層1110は、1つ以上のリード(図示せず)を含むことができる。1つ以上のリード線は、1つ以上のLED1114を他の回路、例えば、照明層1110上に配置されていない電源に接続し得る。1つ以上のリード線は、銅、銀、および/または当該技術分野において公知の他の適切な材料から形成され得る。
【0083】
図に示すように、封入層1130は、1つ以上のLED1114および/またはリード線を覆うことができる。このようにして、封入層1130は、さらに、1つ以上のLED1114および/またはリード線を不動態化するように機能し得る。照明層610Aおよび610Bを簡単に参照すると、基材612上に配置された1つ以上のLED614A、614Bおよびリード線(図示せず)は、空気ならびに周囲条件および湿度に曝され、腐食を引き起こす可能性がある。周囲条件への曝露による腐食は、構成要素の性能の低下をもたらすことがあるため、望ましくない可能性がある。比較すると、本開示の実施形態にかかる照明層は、1つ以上のLED1114およびリード線(図示せず)を覆うことができ、それによってこれらの構成要素を周囲条件への曝露から密封することができる封入層1130を含むことができる。例えば、1つ以上のLEDが約250μmの高さを有する場合、封入層1130は、約300μmの高さを有し得る。したがって、封入層1130は、1つ以上のLED1114および/またはリード線を埋め込み、不動態化することができる。
【0084】
したがって、封入層1130は、照明層1110の透過率を改善し、曇りを低減し得る。さらに、封入層1130は、基材1112の機械的安定性を改善し得る。さらに、封入層1130は、1つ以上のLED1114および/またはリード線を埋め込み、不動態化することができる。
【0085】
図12は、本開示の実施形態にかかる例示的なMRシステムについての例示的な照明層1210を示している。照明層1210は、基材1212、1つ以上のLED1214、および封入層1230を含むことができる。いくつかの実施形態では、基材1212は、ポリマー層1234から形成されることができる。例えば、照明層1110と比較して、照明1210は、キャリアプレート、例えばキャリアプレート1136を含む必要はない。このようにして、照明層1210は、照明層1110と比較してより大きな可撓性を有し得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、(例えば、基材1112は別として)照明層1210の1つ以上の特徴は、照明層1110と同様であってもよい。例えば、図に示すように、封入層1230は、封入層1230が1つ以上のLED1214の上に配置されるように、すなわち、1つ以上のLED1214が封入層1230によって覆われるように、基材1212の裏面に配置され得る。封入層1230は、後部パターン化表面1232を含み得る。パターン化表面1232は、上述したパターン化表面832、1132と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、照明層1210は、1つ以上のリード(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、照明層1210は、基材の前面、例えば封入層1230の反対側に配置された反射防止コーティング1240を含むことができる。したがって、照明層1210は、例えば照明層610A、610Bと比較して、改善された透過率および低減された曇りを提供し得る。さらに、照明層1210の封入層1230は、追加の結合された材料層によって、基材1212の機械的安定性を改善し得る。さらに、照明層1210の封入層1230は、1つ以上のLED1214および/またはリード線を埋め込み、不動態化することができる。
【0087】
図13は、本開示の実施形態にかかる例示的なMRシステムについての例示的な照明層1310を示している。照明層1310は、基材1312、1つ以上のLED1314、第1の封入層1330および第2の封入層1350を含むことができる。照明層1310は、前面照射照明層であり得る。いくつかの実施形態では、基材1312は、基材1212と同様に、ポリマー層1334から形成されることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、照明層1310の特徴は、照明層1310および1210に類似していてもよい。例えば、図に示すように、第1の封入層1330は、第1の封入層1330が1つ以上のLED1314の上に配置されることができるように、すなわち、1つ以上のLED1314が第1の封入層1330によって覆われることができるように、基材1312の裏面に配置され得る。第1の封入層1330は、第1のパターン化表面1332を含み得る。パターン化表面は、上述したパターン化表面832と同様であってもよく、例えば、パターン化表面1332は、反射防止特性を有してもよい。いくつかの実施形態では、照明層1310は、1つ以上のリード線(図示せず)を含むことができる。したがって、照明層1310は、例えば照明層610A、610Bと比較して、改善された透過率および低減された曇りを提供し得る。さらに、照明層1310の第1の封入層1330は、照明層1310の厚さを増加させることによって、照明層1310の機械的安定性を改善し得る。さらに、照明層1310Bの封入層1330は、1つ以上のLED1314および/またはリード線を埋め込み、不動態化することができる。
【0089】
照明層1310は、第2の封入層1350を含み得る。例えば、第2の封入層1350は、基材1312の前面、例えば封入層1330の反対側の面に配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の封入層1350は、曲率半径を有し得る。例えば、曲率半径は、屈折性レンズパワーを提供するように選択され得る。照明層1310は、基材1312の前面に配置された第2の封入層1350を有するものとして示されているが、当業者は、曲率半径を有する封入層が基材1312の後面に配置され得ることを理解するであろう。第2の封入層1350の曲率半径に起因して、別個の屈折光学部品は冗長であり得る。例えば、内側レンズ507によって屈折力が提供されることができる光学系500を参照すると、第2の封入層1350によって提供される屈折力は、内側レンズ507を冗長にし得る。したがって、曲率半径を有する第2の封入層1350を含む実施形態は、光学系500のスタックから内側レンズ507(および/または光パワーを提供する同様の構成要素)を排除し得る。これは、光学部品の総数および光学インターフェースの数を削減することができ、ユーザに提示される光学画像品質を向上させることができる。
【0090】
図に示すように、第2の封入層1350は、第2のパターン化表面1352を含み得る。第2のパターン化表面1352は、第2の封入層1350の曲率半径に沿って配置され得る。第2のパターン化表面1352は、曲面上に追加の反射防止コーティングを施すことに関連付けられた製造時間およびコストを削減することができる。いくつかの実施形態では、第2のパターン化表面1352は、第1のパターン化表面1332と同じパターンを含み得る。いくつかの実施形態では、第2のパターン化表面1352は、第1のパターン化表面1332とは異なるパターンを含み得る。当業者は、第1および第2のパターン化表面の特定のパターンが本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解するであろう。
【0091】
したがって、封入層1330、1350は、照明層1310の透過率を向上させ、曇りを低減することができる。さらに、封入層1330、1350は、基材1312に追加の剛性を提供することによって、照明層1310の機械的安定性を改善し得る。さらに、第1の封入層1330は、1つ以上のLED1314および/またはリード線を埋め込み、不動態化することができる。最後に、第2の封入層1350は、光パワーを提供する別個の光学部品を含む必要性を排除することによって、光学系、例えば光学系500のサイズを縮小することができる。
【0092】
図14は、本開示の実施形態にかかる例示的なMRシステムについての例示的な照明層1410を示している。図に示すように、照明層1410は、基材1412、1つ以上のLED1414、第1の封入層1430、および第2の封入層1450を含むことができる。照明層1310と比較して、1つ以上のLED1414は、基材1412の表面上に実装され得る。図示のように、1つ以上のLED1414は、光1416を基材1412から離れてユーザ(図示せず)の眼に向けて投射するように構成され得る。したがって、照明層1410は、前面照射照明層として特徴付けられ得る。
【0093】
図に示すように、第1の封入層1430は、照明層1410の後面に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の封入層1430は、パターン化表面1432を含むことができる。例えば、図に示すように、第1のパターン化表面1432は、封入層1430および/または照明層1410の裏面に配置され得る。上述したように、封入層1430のパターン化表面1432は、基材1412、例えば基材1412のポリマー層1434の表面欠陥および起伏に関連付けられた透過損失を平坦化および低減し得る。例えば、封入層1430は、可視光反射を低減することができ、例えば、曇りを低減し、透過率を改善することができるパターン化表面1432を含み得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、照明層1410は、基材1412の前面に配置された第2の封入層1450を含むことができる。照明層1410は、基材1412の前面に取り付けられた1つ以上のLED1414を含むことから、第2の封入層1450は、1つ以上のLED1414の上に配置されることができ、すなわち、1つ以上のLED1414および/またはリード線(図示せず)は、封入層1130によって覆われる。いくつかの実施形態では、照明層1410は、1つ以上のリード(図示せず)を含むことができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、第2の封入層1450は、曲率半径を有し得る。照明層1410に関して上述したように、曲率半径は、屈折レンズパワーを提供するように選択され得る。したがって、曲率半径を有する第2の封入層1450を含む実施形態では、内側レンズ507が光学系500の積層から排除されることができ、これは、光学部品の総数ならびに光学系の光学インターフェースの数を削減することができる。さらに、1つ以上の例では、第2の封入層1452の曲率半径は、約200~300ミクロンの高さに関連付けられることができる。したがって、曲率半径を有する第2の封入層1452が1つ以上のLED1414の上に配置される場合、照明層1410は、1つ以上のLED、例えば照明層1310を覆うために実質的に平坦な封入層が使用される実施形態よりも薄くてもよい。これは、照明層1310および照明層1410の厚さを比較することによって確認され得る。
【0096】
したがって、封入層1430、1450は、照明層1310の透過率を向上させ、曇りを低減することができる。さらに、封入層1430、1450は、基材1412に追加の剛性を提供することによって、照明層1410の機械的安定性を改善し得る。さらに、第1の封入層1430は、1つ以上のLED1414および/またはリード線を埋め込み、不動態化することができる。最後に、第2の封入層1450は、光パワーを提供する別個の光学部品を含む必要性を排除することによって、光学系、例えば光学系500のサイズを縮小することができる。
【0097】
図15は、本開示の実施形態にかかる例示的なMRシステムについての例示的な照明層1510を示している。図に示すように、照明層1510は、基材1512、1つ以上のLED1514、第1の封入層1530、および屈折レンズ1558を含むことができる。図に示すように、照明層1510は、バックライト付き照明層であり得る。1つ以上の実施形態では、封入層1530は、例えば、封入層1130および1230と同様であってもよい。
【0098】
図に示すように、照明層1510の基材1512は、キャリアプレート1536上に配置されたポリマー層1534を含み得る。ポリマー層1534は、例えば、PET、PC、およびTACから形成され得る。いくつかの実施形態では、キャリアプレート1136は、ガラスプレートから形成され得る。いくつかの実施形態では、屈折率整合層1538は、ポリマー層1534とキャリアプレート1536との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、照明層1510は、基材1512の前面、例えば封入層1530の反対側に配置された屈折レンズ1558を含むことができる。いくつかの実施形態では、屈折レンズ1558は、反射防止面1556によってコーティングされ得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、第2の屈折率整合層1542は、キャリアプレート1536と屈折レンズ1558との間に配置され得る。照明層は、基材1512の前面に取り付けられた屈折レンズを含み得ることから、別個の屈折光学部品は冗長であり得る。例えば、内側レンズ507によって屈折力が提供されることができる光学系500を参照すると、第2の封入層1550によって提供される屈折力は、内側レンズ507を形成し得る。
【0100】
したがって、封入層1530は、照明層1510の透過率を改善し、曇りを低減し得る。さらに、封入層1530は、1510の剛性を改善することによって、基材1512の機械的安定性を改善し得る。さらに、封入層1530は、1つ以上のLED1514および/またはリード線を埋め込み、不動態化することができる。最後に、屈折レンズ1558は、光パワーを提供する別個の光学部品を含む必要性を排除することによって、光学系、例えば光学系500のサイズを縮小することができる。
【0101】
図16は、本開示の実施形態にかかる例示的なMRシステムについての例示的な照明層1610を示している。図に示すように、照明層1610は、基材1612、1つ以上のLED1614、第1の封入層1630、および屈折レンズ1658を含むことができる。いくつかの実施形態では、基材1612は、ポリマー層1634から形成されることができる。例えば、照明層1610とは異なり、照明1510は、キャリアプレート、例えばキャリアプレート1536を含む必要はない。
【0102】
いくつかの実施形態では、(例えば、基材1612は別として)照明層1610の特徴は、照明層1510に類似していてもよい。例えば、図に示すように、封入層1630は、封入層1630が1つ以上のLED1614の上に配置されるように、すなわち、1つ以上のLED1614が封入層1630によって覆われるように、基材1612の裏面に配置され得る。封入層1630は、後部パターン化表面1632を含み得る。パターン化表面1632は、上述したパターン化表面と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、照明層1610は、1つ以上のリード(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、照明層1610は、基材の前面、例えば封入層6230の反対側に配置された反射防止コーティング1640を含むことができる。したがって、照明層1610は、例えば照明層610A、610Bと比較して、改善された透過率および低減された曇りを提供し得る。さらに、照明層1610の封入層1630は、追加の材料、例えば封入層1630の追加によって、基材1612の機械的安定性を改善し得る。さらに、照明層1610の封入層1630は、1つ以上のLED1614および/またはリード線を埋め込み、不動態化することができる。さらに、屈折レンズ1658は、光パワーを提供するために別個の光学部品を含む必要性を排除することによって、光学系、例えば光学系500のサイズを縮小することができる。
【0103】
図17A図17Cは、本開示の実施形態にかかる、上述したような封入層の例示的なパターンを示している。いくつかの実施形態では、パターンは、ラインおよびスペース、ピラー、および孔から選択される少なくとも1つを含み得る。図17A図17Cは、例示的なラインアンドスペースパターンの断面図を示している。いくつかの実施形態では、ラインアンドスペースパターンのピッチは、約100~150nmとすることができる。図に示すように、ラインは、異なる形状を有し得る。例えば、図17Aに示すように、例示的なラインアンドスペースパターンは、ほぼ長方形の断面を有するラインを含むことができる。図17Bは、比較的、例えば1700Aと比較して、切頭三角形断面を有するテーパ形状を有する例示的なラインアンドスペースパターンを示している。図17Cは、比較的、例えば1700Aおよび1700Bと比較して、三角形の断面を有する先細の例示的なラインアンドスペースパターンを示している。
【0104】
図17Dは、例示的なピラーパターンを示している。いくつかの実施形態では、ピラーパターンのピッチは、約100~150nmとすることができる。図に示すように、ピラーは、円筒形状を有することができるが、本開示の範囲から逸脱することなく他の形状が使用され得る。いくつかの実施形態では、ピラーは、約10~140nmの直径を有することができる。図17Eは、例示的な孔パターンを示している。いくつかの実施形態では、孔パターンのピッチは、約100~150nmとすることができる。
【0105】
図17Fは、パターン化表面または他の反射防止コーティング1701を有しない照明層、反射防止表面1703を有する照明層、パターン化表面1705を有しない封入層を有する照明層、ピラータイプのパターン化表面1707を有する封入層を有する照明層、第2のピラータイプのパターン化表面1709を有する封入層を有する照明層、および孔タイプのパターン化表面1711を有する封入層を有する照明層を含む、様々なパターンタイプの例示的な透過率を示すグラフである。図に示すように、パターン化表面を有する照明層は、可視光の約5~7%向上した透過率を有し得る。
【0106】
照明層についての封入層の製造
図18は、本開示の実施形態にかかる例示的なMRシステムについての例示的な照明層を製造するためのプロセス1800を示している。図に示すように、照明層、例えば上述した1100、1200、1300、1400、1500、および1600などの照明層は、ジェットおよびフラッシュインプリントリソグラフィ(J-FIL)プロセスを使用して製造されることができる。プロセス1800の以下の説明はまた、本開示の実施形態にかかるMRシステムについての例示的な照明層を製造するための例示的なプロセスを示すフロー図1900である、図19を参照して説明される。例えば、フロー図1900は、プロセス1800に示されるステップを記述することができる。
【0107】
本開示の1つ以上の例では、図18に示すプロセス1800は、ステップ1901において開始することができ、樹脂1862が基材1812の上面1818に堆積されることができる。いくつかの実施形態では、樹脂1862は、紫外線硬化性樹脂とすることができる。いくつかの実施形態では、樹脂1862は、基材1812の上面1818上にプリントヘッドによって堆積されることができる。いくつかの実施形態では、樹脂は、単一の液滴として堆積されることができる。いくつかの実施形態では、樹脂1862は、複数の液滴として堆積されることができ、各液滴は、別々に堆積される。
【0108】
1つ以上の例では、樹脂1862が堆積された後、型1860が移動されて樹脂1862と接触し得る(ステップ1903)。樹脂1862は、1800Bに示すように、型1860が樹脂1862と接触するように移動されると、型1860の形状に適合し得る。いくつかの実施形態では、型は、コード化されたレジストテンプレート(CRT)とすることができる。いくつかの実施形態では、コード化されたレジストテンプレートは、複数のナノ特徴1868を含み得る。複数のナノ特徴は、ナノパターンを付与して、封入層上にパターン化表面、例えばパターン化表面832および1132-1632を生成するように構成され得る。パターン化表面は、図17A図17xxに関して説明した様々なパターンに対応し得る。当業者であれば、本開示の範囲は、図17A図17xxに示されるパターンによって限定されることを意図していないことを理解するであろう。
【0109】
1つ以上の例では、1800Bに示すように、過剰な樹脂1864は、型のナノ特徴1868を充填し得る(ステップ1905)。例えば、ナノ特徴1868は、過剰な樹脂1864がナノ特徴1868間の狭い空間に流入することを可能にする毛細管作用を促進し得る。このようにして、本開示の実施形態にしたがって製造された照明層は、すなわち、過剰な樹脂1864は、照明層の側面を流れ落ちないことがあるため、清浄な縁部を有し得る。これは、封入層を堆積する前に、照明層がサイズに合わせて切断されることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、封入層を堆積した後、1つ以上の照明層がサイズに合わせて切断され得る。
【0110】
1つ以上の例では、型1860が樹脂1860と接触するように移動されると(ステップ1903)、樹脂1860が硬化されることができる(ステップ1907)。いくつかの実施形態では、樹脂をUV光に曝露することによって樹脂が硬化されることができる。1つ以上の例では、樹脂は、熱および/または熱とUV光との組み合わせに曝露されることができる。例えば、樹脂は、予熱されることができ、例えば、UV光に曝露する前に熱に曝露されることができる。そのような例では、熱暴露は、樹脂の架橋密度を向上させることができる。いくつかの例では、樹脂は、予熱の有無にかかわらず、UV光に曝露された後に熱に曝露されることができる。1つ以上の例では、型1860は、照明層から取り外されることができる(ステップ1909)。いくつかの実施形態では、型1860は、樹脂が硬化した後に取り外され得る。いくつかの実施形態では、過剰な樹脂1864は、型1860によって取り外され得る。いくつかの実施形態では、型1860が再使用され得るように、過剰な樹脂1864が犠牲面上に堆積されることができる。いくつかの実施形態では、型1860が取り外されると、過剰な樹脂が型から蒸発し得る。
【0111】
プロセス1800は、実質的に平坦な型1860を示しているが、いくつかの実施形態では、型1860は、軟質および/または湾曲型を含み得る。例えば、型は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Nanoimprint Lithography Methods on Curved Substratesに記載されているような軟質型であり得る。Nanoimprint Lithography Methods on Curved Substrateに記載されているような湾曲型は、当業者が、図18および図19に関して上述したように、有限の曲率半径を有する封入層、例えば、封入層1550、1650を形成することを可能にし得る。
【0112】
図20A図20Bは、プロセス1800および1900にしたがって製造された照明層2010を示している。図20Aは、照明層2010の平面図を示し、これは、上記の開示にかかる改善された透過率を有する実質的に透明な構成要素であり得る。いくつかの実施形態では、照明層2010は、1つ以上のLED2014および1つ以上の金属トレース2016を含むことができる。図20Bは、照明層2010の例示的な断面図を示している。図に示すように、照明層2010は、照明層1310と同様であり得る。例えば、図に示すように、照明層2010は、基材2012、1つ以上のLED2014、1つ以上のリード線2016、第1の封入層2030、および第2の封入層2050を含むことができる。図に示すように、第2の封入層2050は、光パワーを有することができる。
【0113】
したがって、本開示の実施形態にしたがって製造された照明層2010は、改善された透過率および低減された曇りを提供し得る。さらに、封入層2030、2050は、基材2012に追加の剛性を提供することによって、照明層2010の機械的安定性を改善し得る。さらに、第1の封入層2030は、1つ以上のLED2014および/またはリード線2016を埋め込み、不動態化することができる。最後に、第2の封入層2050は、光パワーを有する照明層を提供することができる。
【0114】
本開示にかかる実施形態は、赤外線照明層を含むディスプレイであって、赤外線照明層が、基材と、基材の第1の表面上に配置された1つ以上のLEDと、基材の第1の表面上に配置された第1の封入層とを含み、第1の封入層が、ナノパターン化表面を含むことができる、ディスプレイを提供することができる。いくつかの例では、ナノパターン化表面は、照明層の可視光透過率を改善するように構成されることができる。
【0115】
いくつかの例では、1つ以上のLEDは、第1の封入層によって覆われることができる。いくつかの例では、第1の封入層は、有限の曲率半径を有することができる。いくつかの例では、曲率半径は、照明層の屈折力を増加させるように構成されることができる。いくつかの例では、第1の封入層は、実質的に平面とすることができる。いくつかの例では、ディスプレイは、第2の封入層を含むことができ、第2の封入層は、第1の封入層の第1の幾何学的形状とは異なる第2の幾何学的形状を有することができる。いくつかの例では、基材は、キャリアプレートと、キャリアプレートの第1の表面上に配置されたポリマー層とを含むことができる。いくつかの例では、ナノパターン化表面は、ラインアンドスペースパターン、ピラーパターン、および孔パターンから選択される少なくとも1つのナノパターンを含むことができる。いくつかの例では、選択されたナノパターンは、約100~150nmの範囲のピッチを有することができる。
【0116】
本開示にかかる実施形態は、照明層を含むディスプレイを提供することができる。1つ以上の例では、照明層は、基材と、基材の第1の表面上に配置された1つ以上のLEDと、基材の第1の表面上に配置された第1の封入層とを含むことができ、第1の封入層は、パターン化表面を含み、パターン化表面は、照明層の可視光透過率を改善するように構成されることができる。いくつかの例では、照明層は、第2の封入層をさらに含み、第2の封入層は、第1の封入層の第1の幾何学的形状とは異なる第2の幾何学的形状を有する。いくつかの例では、ディスプレイは、デジタルコンテンツを提示するように構成されたアイピースを含むことができる。いくつかの例では、第1の封入層は、有限の曲率半径を有する。いくつかの例では、曲率半径は、アイピースの屈折力を増加させるように構成されることができる。いくつかの例では、1つ以上のLEDは、第1の封入層によって覆われることができる。いくつかの例では、ディスプレイは、光センサを含むことができ、光センサは、ユーザの眼から反射された光を検出するように構成されることができ、光は、1つ以上のLEDによって放射されることができる。
【0117】
本開示にかかる実施形態は、基材の第1の表面上に樹脂を堆積させることを含む方法であって、基材が、1つ以上の縁部を有する外周を含むことができる、方法を提供することができる。本方法は、型の第1の表面を樹脂と接触させることを含むことができる。本方法は、第1の体積の樹脂を用いて、基材の第1の表面上にパターン化表面を有する封入層を形成することを含むことができる。本方法は、第2の体積の樹脂を第1の基材の外周に導くことを含むことができ、複数のナノ特徴のうちの少なくとも1つのナノ特徴は、第2の部分に配置されることができる。本方法は、型の第1の表面の第2の部分に配置される少なくとも1つのナノ特徴を第2の体積の樹脂によって充填することを含むことができる。本方法は、樹脂を硬化させて封入層を基材に結合することを含むことができる。本方法は、基材から型を取り外すことを含むことができ、第2の体積の樹脂は、型とともに取り外される。いくつかの例では、型の第1の表面は、複数のナノ特徴を含むように構成されることができる。いくつかの例では、型の第1の表面は、基材と重なるように構成された第1の部分と、基材の外周を越えて延在するように構成された第2の部分とを含むことができる。いくつかの例では、型は、軟質型を含むことができ、型の第1の表面は、有限の曲率半径を有することができ、封入層は、封入層が屈折力を有することができるように曲率半径で形成されることができる。いくつかの例では、基材は、第1の表面上に配置された1つ以上のLEDを含むことができ、封入層は、1つ以上のLEDを覆うことができる。
【0118】
いくつかの例では、本方法は、基材の第2の表面上に樹脂を堆積させることをさらに含むことができる。いくつかの例では、本方法は、型の第1の表面を第2の樹脂と接触させることをさらに含むことができる。いくつかの例では、本方法は、第3の体積の樹脂を用いて、基材の第2の表面上に第2のパターン化表面を有する第2の封入層を形成することをさらに含むことができる。いくつかの例では、本方法は、第4の体積の樹脂を基材の外周に導くことをさらに含むことができる。いくつかの例では、本方法は、型の第1の表面の第2の部分に位置する少なくとも1つのナノ特徴を第4の体積の樹脂によって充填することをさらに含むことができる。いくつかの例では、本方法は、第2の樹脂を硬化させて第2の封入層を基材に結合することをさらに含むことができる。いくつかの例では、本方法は、基材から型を取り外すことをさらに含むことができ、第4の体積の樹脂は、型とともに取り外される。
【0119】
開示された例は、添付の図面を参照して十分に説明されているが、様々な変形および変更が当業者には明らかになることに留意されたい。例えば、図面に示される要素および/または構成要素は、縮尺通りでなくてもよく、および/または説明目的のために強調されてもよい。別の例として、1つ以上の実装の要素が組み合わせられ、削除され、変更され、または補足されて、さらなる実装を形成してもよい。他の組み合わせおよび変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示された例の範囲内に含まれると理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図18
図19
図20A
図20B
【国際調査報告】