(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】食品立体パン粉コーティング機
(51)【国際特許分類】
A23P 20/12 20160101AFI20240327BHJP
A23L 7/157 20160101ALN20240327BHJP
【FI】
A23P20/12
A23L7/157
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563184
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2022005680
(87)【国際公開番号】W WO2022231207
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0056116
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523388397
【氏名又は名称】イ グンヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】イ グンヨン
【テーマコード(参考)】
4B025
4B048
【Fターム(参考)】
4B025LB08
4B025LT09
4B048PE09
4B048PN07
4B048PN20
(57)【要約】
本発明は食品立体パン粉コーティング機に関し、より詳細には、パン粉をコーティングするためにパン粉の付いた食品を加圧する際に食品の上面と両側面を同時に加圧することで、食品が押圧により特定方向に形状が変形することを防ぎ、食品の四方に均等に加圧力が加わるようにして食品の表面に相対的に付着しにくい湿式パン粉のような粉をより強固にコーティングさせることができるとともに、様々な種類の食品をコーティングすることができる食品立体パン粉コーティング機に関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を一列に搬送する搬送コンベアと、上記搬送コンベアの上部において一列に搬送する食品にパン粉をかけるパン粉供給部と、上記搬送コンベアの経路上に設けられ、パン粉の付いた食品の上面と側面を加圧して食品にパン粉を密着させる加圧部と、を含むことを特徴とする食品立体パン粉コーティング機。
【請求項2】
上記加圧部は、上記搬送コンベアを挟んで対向して設けられて搬送コンベアで搬送中の食品の両側面を加圧する一対の側面加圧ユニットと、上記一対の側面加圧ユニットを通過している食品の上面を加圧する上面加圧ユニットと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の食品立体パン粉コーティング機。
【請求項3】
上記一対の側面加圧ユニット、上面加圧ユニット及び搬送コンベアの間には加圧空間が形成され、上記加圧空間において食品の両側面と上面にパン粉が密着されることを特徴とする請求項2に記載の食品立体パン粉コーティング機。
【請求項4】
上記加圧空間の左右の幅は後端に向かうほど、広くなるかまたは狭くなるように調整されることを特徴とする請求項3に記載の食品立体パン粉コーティング機。
【請求項5】
上記加圧空間の上下の高さは後端に向かうほど、高くなるかまたは低くなるように調整されることを特徴とする請求項3に記載の食品立体パン粉コーティング機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品立体パン粉コーティング機に関し、より詳細には、パン粉をコーティングするためにパン粉の付いた食品を加圧する際に食品の上面と両側面を同時に加圧することで、食品が押圧により特定方向に形状が変形することを防ぎ、食品の四方に均等に加圧力が加わるようにして食品の表面に相対的に付着しにくい湿式パン粉のようなパン粉を形状の変形なしにより強固にコーティングさせることができるとともに、様々な種類の食品をコーティングすることができる食品立体パン粉コーティング機に関する。
【背景技術】
【0002】
クロケット、とんかつなど衣をつけて油で揚げる殆どの種類の食べ物は子供と大人を問わず、あらゆる年齢で好む食べ物として定着している。
【0003】
例えば、とんかつは豚肉を所定の大きさに切断した切片を広く伸ばすとともに柔らかく軟化させておき、この豚肉を小麦粉の生地、パン粉及び調味料に付けてから油で揚げて様々なソースと一緒に食べる料理であり、また、クロケットは挽き肉と野菜を混ぜて練った主材料にパン粉を付けてから揚げて食べる料理である。
【0004】
このような油揚げ処理の食品は一般の家庭内で手作りして食べること以外は、殆ど自動化されたシステムで生産されて流通される食品を一般の家庭で消費し、これを直接油湯げ処理をして火を通して食べるのが一般的である。
【0005】
しかも、通常の食堂でさえ、油揚げ処理の食品を直接仕入れて油揚げ処理及び後処理して販売しており、その需要も徐々に増加している傾向にある。
【0006】
そのため、油湯げ処理の食品を自動化で製造するためのシステム開発に対する研究が活発に行われており、本出願人が出願し登録された登録特許10-1981383号(パン粉コーティング機、以下、先行技術という)にも油湯げ処理の食品(とんかつ)の自動化製造のためのパン粉コーティング機の構造が提案されている。
【0007】
これを簡単に説明すると、上記先行技術は表面にパン粉が分散され、豚肉を投入ユニットから排出ユニットに移動させる移動体と、上記移動体の一側に取り付けられ、投入ユニットから排出ユニットへの豚肉の移動時に移動体を作動させる駆動源の作動により移動体に沿って移動しながらパン粉がコーティングされた豚肉の上面を押す豚肉加圧器と、を含み、このとき、豚肉加圧器はパン粉がコーティングされた豚肉を上部から押す加圧器を含むことを特徴とする。
【0008】
即ち、上記先行技術は加圧器が上下に動作して豚肉を上部でのみ加圧するため、豚肉の両側面に付いたパン粉は豚肉にきちんとコーティングできなかった。これにより、豚肉の側面にパン粉がないため、油湯げ処理後に衣が剥がれやすかったり、食品の形状が変形するなど商品性が著しく低下するという問題があった。
【0009】
また、湿式パン粉の場合、パン粉の粒子同士の凝集力が低下し、また、食品の表面にうまく付かないため、通常、食品にコーティングする際に過度に加圧して作業するようになるが、このとき、過度な圧力で食品に押されると、後の油揚げ処理後の食感や美感が低下するという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記従来技術の諸般の問題点を鑑み、それを解決すべく創出されたものであり、パン粉の付いた食品を加圧する際に食品の上面と両側面を同時に加圧することで、食品が押圧により特定方向に形状が変形することを防ぎ、食品の四方に均等に加圧力が加わるようにして食品の表面に相対的に付着しにくい湿式パン粉のようなパン粉をより強固にコーティングさせることができるとともに、様々な種類の食品に無理なく適用できるようにした食品立体パン粉コーティング機を提供することにその目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するための手段であって、食品を一列に搬送する搬送コンベアと、上記搬送コンベアの上部において一列に搬送する食品に粉をかけるパン粉供給部と、上記搬送コンベアの経路上に設けられ、粉の付いた食品の上面と側面を加圧して食品に粉を密着させる加圧部と、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上記加圧部は、上記搬送コンベアを挟んで対向して設けられて搬送コンベアで搬送中の食品の両側面を加圧する一対の側面加圧ユニットと、上記一対の側面加圧ユニットを通過している食品の上面を加圧する上面加圧ユニットと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、上記一対の側面加圧ユニット、上面加圧ユニット及び搬送コンベアの間には加圧空間が形成され、上記加圧空間において食品の両側面と上面に粉が密着されることを特徴とする。
【0015】
また、上記加圧空間の左右の幅は後端に向かうほど、広くなるかまたは狭くなるように調整されることを特徴とする。
【0016】
また、上記加圧空間の上下の高さは後端に向かうほど、高くなるかまたは低くなるように調整されることを特徴とする。
【0017】
また、上記一対の側面加圧ユニットのそれぞれは、前後端にそれぞれ原動ロール装着口と被動ロール装着口が形成されるガイド板と、上記原動ロール装着口に元の位置で回転できるように結合される側面原動ローラと、上記被動ロール装着口に元の位置で回転できるように結合される側面被動ローラと、上記側面原動ローラと結合されて側面原動ローラを回転駆動させる側面加圧モータと、上記側面原動ローラと側面被動ローラに無限軌道状に巻かれる側面加圧ベルトと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によるコーティング機は、食品の表面に粉が加圧されて密着する加圧空間を構成し、食品が該加圧空間を通過すると上面と両側面が同時に加圧されるようにして粉がコーティングされた食品の特定方向への形状変形を抑えることによって食品の形状を完全に保全することができ、食品に付いた粉が食品の上面と側面に均等に加圧されるため、食品の周りに粉が均一にコーティングされ、コーティングされた後も食品の形状変形が少なくて商品性が保障される。
【0019】
また、加圧空間に進入した食品には徐々に幅が狭くなる加圧空間の構造によって加圧力が段階的に加わるようになる。これにより、食品の変形を防ぐとともに、大量の粉を食品の表面により緻密に密着させることができるため、食品の表面に相対的に付着しにくい湿式パン粉のような粉をより強固にコーティングさせることができる。
【0020】
また、本発明によるコーティング機は加圧空間の体積を適切に可変させることができるため、食品の種類、形状、大きさなどが様々であっても、無理なく食品に粉をコーティングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明による食品立体パン粉コーティング機の全体的な外観を示す図である。
【
図2】本発明による食品立体パン粉コーティング機の平面を示す図である。
【
図3】本発明による食品立体パン粉コーティング機の一側面を示す図である。
【
図4】本発明による食品立体パン粉コーティング機の要部の外観を示す図である。
【
図6】側面加圧ユニットの概略的な分解構成を示す図である。
【
図8】側面加圧ベルトの張力調整の過程を示す図である。
【
図9】上面加圧ユニットの概略的な分解構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を十分に理解するために、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0023】
添付の
図1は本発明による食品立体パン粉コーティング機の全体的な外観を示す図であり、
図2は本発明による食品立体パン粉コーティング機の平面を示す図であり、
図3は本発明による食品立体パン粉コーティング機の一側面を示す図であり、
図4は本発明による食品立体パン粉コーティング機の要部の外観を示す図であり、
図5は
図4の正面を示す図であり、
図6は側面加圧ユニットの概略的な分解構成を示す図であり、
図7は側面加圧ユニットの作用を示す図であり、
図8は側面加圧ベルトの張力調整の過程を示す図であり、
図9は上面加圧ユニットの概略的な分解構成を示す図であり、
図10は上面加圧ユニットの作用を示す図である。
【0024】
本発明の実施例は添付の図面に示す形状の他にも様々な形状に変形されてもよく、本発明の範囲は以下に詳細に説明する実施例に限定されると解釈されてはならない。本実施例は当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状などはより明確な説明を強調するために誇張して表現されてもよい。各図において同じ部材は同じ参照符号で示す場合があることに留意されたい。本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される公知の機能及び構成に対する詳細な記述は省略する。
【0025】
本発明による食品立体パン粉コーティング機(以下、コーティング機という)は大きく、搬送コンベア10、パン粉供給部20及び加圧部30を含むと定義することができる。
【0026】
このとき、搬送コンベア10、パン粉供給部20及び加圧部30はコーティング機の全体的な骨格を構成する支持構造物40上の適所に支持されてもよい。
【0027】
一方、本発明における食品fはとんかつの原料であり、豚の挽き肉、クロケット、ホットドッグ、各種の揚げ物の材料などの油揚げ処理されるあらゆる食品を含む概念と理解すべきである。
【0028】
まず、搬送コンベア10は食品fを一列に搬送する役割を担う。搬送コンベア10は通常のコンベア構造であり、例えば、回転動力の伝達を受けて回転する一対の搬送ローラ11と、上記一対の搬送ローラ11に無限軌道状に巻かれる搬送ベルト12と、上記搬送ローラ11を支持する搬送フレーム13と、を含むものを例示することができる。
【0029】
搬送ベルト12の前端に食品fが供給されると、食品fは一列に搬送されてパン粉供給部20、加圧部30などを通過する。その後、搬送ベルト12の後端に排出された食品fはパン粉がコーティングされた状態であり、別に設けられた包装装置に送られて包装されることができる。
【0030】
パン粉供給部20は上記搬送コンベア10の上部に設けられ、搬送コンベア10が一列に搬送する食品fにパン粉をかける役割を担う。
【0031】
パン粉供給部20から供給されるパン粉は粉、例えば、パン粉、小麦粉、天ぷら粉、チヂミ粉などの食品fに適用される様々な種類の粉を含む概念であってもよい。
【0032】
パン粉供給部20は食品fに向かってパン粉を供給することができるのであれば多様に実施でき、例えば、パン粉が貯蔵される粉貯蔵容器と、上記粉貯蔵容器に貯蔵されているパン粉を一定量ずつ連続排出するディスペンサと、を含む構造からなってもよく、以下で詳細な説明は省略する。
【0033】
本発明によるコーティング機は加圧部30にその主な特徴があるため、以下では添付の図面を参照して加圧部30の構造を具体的に説明する。
【0034】
加圧部30は上記搬送コンベア10の経路上に設けられ、パン粉の付いた食品fの上面と側面を加圧することで食品fにパン粉を密着させてコーティングする役割を担う。
【0035】
パン粉供給部20を通過して表面にパン粉が付いた食品fは、パン粉供給部20の後方に配置された加圧部30を通過し、上面と側面が同時に加圧されることができる。
【0036】
即ち、食品fに付いたパン粉が食品fの上面と側面に均等に加圧されるため、食品fの周りにパン粉が均一にコーティングされ、コーティングされた後も食品fの形状変形が少なくて商品性が保障される。
【0037】
より具体的には、加圧部30は大きく、側面加圧ユニット100及び上面加圧ユニット200を含むものを例示することができる。
【0038】
側面加圧ユニット100は搬送コンベア10を挟んで一対が互いに左右に対向するように設けられるため、搬送コンベア10で搬送中の食品fの両側面を加圧することができる。
【0039】
このとき、搬送フレーム13の左右側には上記一対の側面加圧ユニット100がそれぞれ設置されるための設置台14が設けられてもよい。
【0040】
次に、上面加圧ユニット200は側面加圧ユニット100の直上方に形成されて一対の側面加圧ユニット100を通過中の食品fの上面を加圧する。
【0041】
これにより、
図5に示すように一対の側面加圧ユニット100、上面加圧ユニット200及び搬送コンベア10の間には略四角形の加圧空間Sが形成され、上記加圧空間Sにおいて食品fの両側面と上面にパン粉が密着されることができる。
【0042】
即ち、食品fが上記加圧空間Sを通過すると、食品fに側面加圧ユニット100と上面加圧ユニット200が同時に作用し、食品fが同じ速度で前後方向を除く四方から加圧され、その効果で前後方向まで圧力が発生する。そのため、表面に付いていたパン粉が食品fの表面に均一に密着されてコーティングされることができる。
【0043】
このような構造は、食品fを上面と側面を個別に加圧する構造に比べて食品fの外形を保持する側面においてより効果的であることができる。例えば、食品fの上面をまず加圧し、続いて側面を加圧する構造の場合、食品fを最後に側面から加圧することにより軟性材質の食品fが上部に変形する問題が発生するが、本発明の場合、加圧空間Sを構成し、食品fが該加圧空間Sを通過すると上面と両側面が同時に加圧されるようにしてパン粉がコーティングされた食品fの特定方向への形状変形を抑えることで食品fの形状を完全に保全することができる。
【0044】
一方、本発明によるコーティング機は食品fの種類、形状、大きさなどに応じて上記加圧空間Sの体積を適宜可変させることができる。
【0045】
例えば、とんかつの場合、豚肉の軟化工程で平たく圧着された状態でコーティング機に投入されるため、相対的に薄くて広い板状でパン粉がコーティングされる。そのため、加圧空間Sが豚肉の板状に対応するように高低と左右の幅が調整されなければならず、クロケット、ホットドッグなどの食品fの場合、大体楕円形からなるため、側面加圧ユニット100と上面加圧ユニット200によって加圧空間Sの体積を適切に構成しなければならない。
【0046】
従って、上記加圧空間Sの左右の幅は後端に向かうほど、広くなるかまたは狭くなるように調整されることができる。
【0047】
そのため、
図6に示すように上記一対の側面加圧ユニット100のそれぞれは大きく、ガイド板110、側面原動ローラ120、側面被動ローラ130、側面加圧モータ140、及び側面加圧ベルト150を含むものを例示することができる。
【0048】
まず、ガイド板110は設置台14の上面から上部に一定距離離隔配置される板状の部材であり、図示していないが、前端には原動ロール装着口が、後端には被動ロール装着口がそれぞれ形成されてもよい。上記原動ロール装着口には側面原動ローラ120が、被動ロール装着口には側面被動ローラ130がそれぞれ元の位置で回転できるように結合されてもよい。
【0049】
ガイド板110には側面原動ローラ120と側面被動ローラ130との間に異なる長さからなる弧状の複数個のガイド口111が貫通形成されてもよく、設置台14には上記ガイド口111に挿入される離隔棒15が形成されてもよい。
【0050】
上記離隔棒15は、ガイド板110を設置台14の上面から上部に離隔支持した状態で側面加圧ユニット100の回動をガイドすることができる。
【0051】
上記離隔棒15の外周面には離隔溝17が陥没形成されてもよく、上記離隔溝17にガイド板110が挿入されてもよい。これにより、ガイド板110が離隔棒15に支持された状態での上下への位置移動が制限されることができる。
【0052】
次に、側面加圧モータ140は上記設置台14に内蔵された状態でガイド板110に結合された側面原動ローラ120に結合されて側面原動ローラ120を回転駆動させる。
【0053】
このとき、設置台14の上面には側面加圧モータ140の動力出力軸141が通過する軸通過ホール16が貫通されてもよい。
【0054】
次に、側面加圧ベルト150は食品fの側面に付いたパン粉に直接接する部分であり、上記側面原動ローラ120と側面被動ローラ130に無限軌道状に巻かれて側面加圧モータ140によって側面原動ローラ120が回転すると、側面原動ローラ120と側面被動ローラ130との間を無限軌道状に循環する。
【0055】
このとき、ガイド板110には側面原動ローラ120と側面被動ローラ130との間に一列に複数個の側面アイドルローラ112が元の位置で回転できるように設けられてもよい。このとき、複数個の側面アイドルローラ112は側面原動ローラ120と側面被動ローラ130との間に巻かれた側面加圧ベルト150の食品fに向かう側の内面を支持して側面加圧ベルト150の直進性を付与する。
【0056】
これにより、側面加圧ベルト150は搬送コンベア10によって搬送中の食品fの搬送方向と同期方向(
図7に示す矢印方向)に作動し、食品fを広い面積で加圧するため、食品fを特定の地点に停止させずに連続して食品fの側面を加圧することができる構造が備えられる。これにより、生産性が大幅に向上する利点がある。
【0057】
また、側面加圧ユニット100は特定部分で停止した状態で食品fを加圧するものではないため、食品fに加わる摩擦抵抗を最小化することができる構造となり、却って食品fに付いたパン粉が食品fから脱落する現象を防止することができる。
【0058】
一方、側面加圧ユニット100の側面原動ローラ120は設置台14に固定された側面加圧モータ140上に軸結合され、側面被動ローラ130は設置台14に固定されない構造に設けられているため、側面加圧ユニット100そのものを側面原動ローラ120を回動基準として一定角度回動させることができるようになる。
【0059】
これにより、側面加圧ユニット100の回動に応じて加圧空間Sの左右の幅が後端に向かうほど徐々に広くなるかまたは狭くなるように調整される。
【0060】
例えば、食品fの左右の幅の大きさが相対的に小さい場合、
図7に示すように一対の側面加圧ユニット100の後端が互いに近づくように回動すると、加圧空間Sの左右の幅が後端に向かうほど徐々に狭くなり、大きさが相対的に小さい食品fの側面を無理なく加圧することができる構造が備えられるようになる。
【0061】
このとき、加圧空間Sに進入した食品fには徐々に幅が狭くなる加圧空間Sの構造により側面加圧力が段階的に加わるようになる。このような構造は食品fに一度に大きな圧力が瞬間的に加わる構造に比べて、食品fの変形を防ぐことができ、また、大量のパン粉を食品fの表面により緻密に密着させることができる構造であるため、食品fの表面に相対的に付着しにくい湿式パン粉のようなパン粉をより強固にコーティングさせることができる。
【0062】
また、パン粉の側面コーティングが不要な食品fの場合、側面加圧ユニット100を搬送コンベア10の外側方向に回動させて食品fに側面加圧ユニット100が接しないように構成することもできる。
【0063】
一方、側面加圧ユニット100はガイド口111の弧長の範囲内に回動範囲が制限されることができるが、このとき、複数個のガイド口111のそれぞれの弧長が異なるように構成されているため、複数個のガイド口111の何れか1つを基準として側面加圧ユニット100を回動させることにより、食品fの種類に合わせて選択されたガイド口111の範囲内で定められた角度で側面加圧ユニット100を回動させて作業上の便宜を確保することもできる。
【0064】
一方、側面加圧ベルト150の張力調整のために、ガイド板110には上記側面アイドルローラ112が結合されている反対側の周面から内側に一定深さだけ張力調整口113が切開されて形成され、張力調整口113上に張力調整ローラ114が元の位置で回転できるように結合されるが、張力調整口113でスライドできるように結合される構造を有する。
【0065】
張力調整ローラ114は側面加圧ベルト150の内面に転がり接触することができ、食品fの種類に応じて張力調整口113内で位置移動して側面加圧ベルト150に強く接触するか、または緩く接触して側面加圧ベルト150そのものに加わる張力を調整することができる。
【0066】
また、上記加圧空間Sの左右の幅が調整されたのと同様に、上記加圧空間Sの上下の高さは後端に向かうほど、高くなるかまたは低くなるように調整されてもよい。
【0067】
加圧空間Sの左右の幅が側面加圧ユニット100によって調整されたのであれば、加圧空間Sの上下の高さは上面加圧ユニット200によって調整されることができる。
【0068】
そのため、上面加圧ユニット200は
図9に示すように大きく、上部コンベア部材210、支持部材220、及び昇降部材230を含むよものを例示することができる。
【0069】
まず、上部コンベア部材210は側面加圧ユニット100と類似する構造からなり、例えば、支持板211と、上記支持板211の前端に元の位置で回転できるように結合される上面原動ローラ212と、上記支持板211の後端に元の位置で回転できるように結合される上面被動ローラ213と、上記上面原動ローラ212に結合されて上面原動ローラ212を回転駆動させる上面加圧モータ215と、上記上面原動ローラ212と上面被動ローラ213に無限軌道状に巻かれる上面加圧ベルト214と、を含むものを例示することができる。
【0070】
上面加圧ベルト214は食品fの上面に付いたパン粉に直接接する部分であり、上記上面原動ローラ212が回転すると、上面原動ローラ212と上面被動ローラ213との間を無限軌道状に循環する。
【0071】
このとき、支持板211には側面原動ローラ120と側面被動ローラ130の間の区間に一列に複数個の上面アイドルローラ216が元の位置で回転できるように設けられてもよい。このとき、複数個の上面アイドルローラ216は上面原動ローラ212と上面被動ローラ213との間に巻かれた上面加圧ベルト214の食品fに向かう側の内面を支持して上面加圧ベルト214の直進性を付与する。
【0072】
これにより、上面加圧ベルト214は搬送コンベア10により搬送中の食品fの搬送方向と同期方向に作動し、食品fを広い面積で加圧するようになるため、食品fを特定の地点に停止させずに連続して食品fの上面を加圧することができる構造が備えられる。
【0073】
また、上面加圧ユニット200は上述した側面加圧ユニット100と同様に特定部分で停止した状態で食品fを加圧するものではないため、食品fに加わる摩擦抵抗を最小化することができる構造となり、却って食品fに付いたパン粉が食品fから脱落する現象を防止することができる。
【0074】
上部コンベア部材210の前端と後端は、それぞれ支持部材220と昇降部材230によって支持されて搬送コンベア10の上部に離隔配置されてもよい。
【0075】
このとき、支持部材220は上記上部コンベア部材210の前端を回転できるように支持することができ、例えば、支持部材220は搬送フレーム13から上部に延びて上面原動ローラ212を回転できるように支持する構造からなってもよい。
【0076】
昇降部材230の場合、上部コンベア部材210の後端を支持した状態で上部コンベア部材210の後端を昇降させる役割を担う。
【0077】
例えば、昇降部材230は搬送フレーム13と上部コンベア部材210の後端との間に結合されて上下に伸長または圧縮する昇降アクチュエータからなってもよい。
【0078】
このような構成により、昇降部材230が作動すると、上部コンベア部材210そのものを上面原動ローラ212を回動基準として上部コンベア部材210の後端側を一定角度回動させることができる。
【0079】
これにより、上部コンベア部材210の回動に応じて加圧空間Sの上下の幅が後端に向かうほど徐々に広くなるかまたは狭くなるように調整される。このような作用による効果は上述した側面加圧ユニット100による効果と同じであるため、具体的な説明は省略する。
【0080】
纏めると、本発明によるコーティング機は、食品fの表面にパン粉が加圧されて密着する加圧空間Sを構成し、食品fが該加圧空間Sを通過すると上面と両側面が同時に加圧されるようにしてパン粉がコーティングされた食品fの特定方向への形状変形を抑えることで食品fの形状を完全に保全することができ、食品fに付いた粉が食品fの上面と側面に均等に加圧されるため、食品fの周りにパン粉が均一にコーティングされ、コーティングされた後も食品fの形状変形が少なくて商品性が保障される。
【0081】
また、加圧空間Sに進入した食品fには徐々に幅が狭くなる加圧空間Sの構造により側面加圧力が段階的に加わるようになる。これにより、食品fの変形を防ぐことができ、また、大量のパン粉を食品fの表面により緻密に密着させることができるため、食品fの表面に相対的に付着しにくい湿式パン粉のようなパン粉をより強固にコーティングさせることができる。
【0082】
また、本発明によるコーティング機は加圧空間Sの体積を適宜可変させることができるため、食品fの種類、形状、大きさなどが様々であっても、無理なく食品fにパン粉をコーティングすることができる。
【0083】
以上で説明した本発明の実施例は例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることが分かるであろう。従って、本発明は上記の詳細な説明で言及した形状のみに限定されないことが理解できるであろう。よって、本発明の真の技術的な保護範囲は添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。また、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神とその範囲内にある全ての変形物と均等物及び代替物を含むと理解すべきである。
【符号の説明】
【0084】
10 搬送コンベア
20 パン粉供給部
30 加圧部
100 側面加圧ユニット
200 上面加圧ユニット
110 ガイド板
120 側面原動ローラ
130 側面被動ローラ
140 側面加圧モータ
150 側面加圧ベルト
210 上部コンベア部材
220 支持部材
230 昇降部材
40 支持構造物
f 食品
S 加圧空間
【国際調査報告】