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特表2024-514908ペットの健康状態を検出するシステム、その方法、および、その装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ペットの健康状態を検出するシステム、その方法、および、その装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20240327BHJP
【FI】
G16H40/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563858
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 US2022025368
(87)【国際公開番号】W WO2022225945
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/176,812
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウインドウズ
2.MAC OS
3.BLUETOOTH
4.FREEBSD
(71)【出願人】
【識別番号】390037914
【氏名又は名称】マース インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】カーソン,アリーサ
(72)【発明者】
【氏名】チェンバーズ,ロバート ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ヨーダー,ナサニエル クリスチャン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
一実施形態では、方法は、複数のセンサによって取り込まれたセンサ・データにアクセスする工程を含んでおり、該センサ・データは第1のペットに関連付けられている。該方法は、該センサ・データに基づいて指定された期間内の第1のペットの活動を検出する工程と、1種類以上の活動に基づいて第1のペットの健康指標を判定する工程とを更に含んでおり、該健康指標は該1つ以上の活動に関連付けられた計量に基づいている。該方法は、該健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成する工程を更に含んでおり、該健康査定は1つ以上の健康点数、或る考えられ得る病状に対する1つ以上の警告、または、その各種組合せのうちの1種類以上を含んでおり、該方法は、ユーザ装置に各種命令を送信することで第1のペットの健康査定をユーザに提示する工程を更に含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の電算システムにより、
1つ以上のセンサによって取り込まれたセンサ・データにアクセスする工程であって、該センサ・データが第1のペットに関連付けられている工程、
該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出する工程、
該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する工程において、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいている工程、
該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成する工程であって、該健康査定は、1つ以上の健康点数、および、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する1つ以上の通知のうち1種類以上を含んでいる工程、および、
第1のペットの該健康査定をユーザに提出するための各種命令をユーザ装置に送信する工程を含んでいる、方法。
【請求項2】
前記1つ以上のセンサは、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサなどのうち1種類以上を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記方法は更に、
該ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出する工程、および、
該望ましくない回転を矯正する目的で、1回以上のデータ変形を前記センサ・データに加える工程を含んでいる、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記方法は更に、
該ウェアラブル装置の配向を判定する工程、および、
該ウェアラブル装置の該配向に基づいて、前記センサ・データを加工処理する工程を含んでいる、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
第1のペットの健康査定を生成する前記工程は更に、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうち1種類以上に基づいている、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標をこれらに対応する保存されていた健康指標と比較する工程、および、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の閾値差を検出する工程を更に含んでおり、
前記健康査定は更に、判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の、検出結果の該閾値差を含んでいる、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記方法は更に、
前記1つ以上の健康点数を算定する工程であって、
第1のペットが或る活動を実施している時間量、
第1のペットが該活動を実施している強度到達点、
第1のペットが該活動を実施している該時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標時間と比較した割合、および、
第1のペットが該活動を実施している該強度到達点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標強度到達点と比較した割合のうちの1つ以上に基づいて算定する工程を含んでいる、請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記方法は更に、
前記1つ以上の計量を所定の範囲に規模変更する工程、および、
規模変更結果の該計量に基づいて該1つ以上の健康点数を生成する工程を含んでいる、請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の健康指標はそれぞれ1つ以上の重量と関連付けられており、前記方法は更に、
該1つ以上の重量に基づいて前記1つ以上の健康点数を生成する工程を含んでいる、請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の活動は、
伏せる、座る、立ち上がる、歩行する、精力的に動くなどのうち1種類以上からなる姿勢、および、
飲む、食べる、物を舐める、自らの身体を舐める、戯れの接触をする、身体を擦り付ける、自らの身体を引掻く、身震いする、臭いを嗅ぐなどのうち1種類以上からなる振舞いのうち、1種類以上を含んでいる、請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の方法
【請求項11】
前記複数の医学的状態は、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、消化管系疾患、倦怠感、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症などのうちの1種類以上を含んでいる、請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記方法は更に、
前記1つ以上の健康指標に基づいてペット製品の有効性を判定する工程を含んでおり、該ペット製品は、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師が処方した治療法などのうちの1種以上を含んでいる、請求項1から請求項11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記方法は更に、
ペット製品の判定結果の前記有効性を、獣医師または該ペット製品の製造業者に送信する工程を含んでいる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は更に、
前記健康査定に基づいて第1のペットの健康提言を決める工程を含んでいる、請求項1から請求項13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
前記健康提言は、ペット製品を勧める提言や獣医師の診察を勧める提言などのうち1種以上を含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1のペットの1つ以上の活動を検出する前記工程、または、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する前記工程は、1つ以上の機械学習モデルに基づいており、該1つ以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成される、請求項1から請求項15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
前記方法は更に、
第1のペットの前記健康査定に対応している調査またはアンケートを提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信する工程を含んでいる、請求項1から請求項16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
前記方法は更に、
前記調査またはアンケートに応じたユーザからのフィードバックを前記ユーザ装置から受信する工程を含んでいる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は更に、
ユーザからの前記フィードバックに基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを更新する工程を含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記方法は更に、
ユーザへの該1つ以上の通知の感度または特異性を特注誂えする工程を含んでいる、請求項1から請求項19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記方法は更に、
該考えられ得る病状についてのちょっとした説明を生成する工程、および、
該ちょっとした説明を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信する工程を含んでいる、請求項1から請求項20のいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記方法は更に、
該考えられ得る病状についての大まかな時系列表示を生成する工程、および、
該大まかな時系列表示を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信する工程を含んでいる、請求項1から請求項21のいずれか1つに記載の方法。
【請求項23】
ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる1つ以上の持続的記憶媒体であって、該ソフトウェアは実行時には、
1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能であり、該センサ・データは第1のペットに関連付けられており、
該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能であり、
該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能であり、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいており、
該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能であり、該健康査定は、1つ以上の健康点数、および、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する1つ以上の通知のうち1種類以上を含んでおり、また、
第1のペットの該健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である、媒体。
【請求項24】
前記1つ以上のセンサは、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサなどのうち1種類以上を備えている、請求項23に記載の媒体。
【請求項25】
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出するように動作可能であり、また、
該望ましくない回転を矯正する目的で、1回以上のデータ変形を前記センサ・データに加えるように動作可能である、請求項23または請求項24に記載の媒体。
【請求項26】
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該ウェアラブル装置の配向を判定するように動作可能であり、また、
該ウェアラブル装置の該配向に基づいて、前記センサ・データを加工処理するように動作可能である、請求項23から請求項25のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項27】
第1のペットの健康査定を生成する前記動作は更に、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうち1種類以上に基づいている、請求項23から請求項26のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項28】
前記ソフトウェアは実行時には更に、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標をこれらに対応する保存されていた健康指標と比較するように動作可能であり、また、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の閾値差を検出するように動作可能であり、
前記健康査定は更に、判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の、検出結果の該閾値差を含んでいる、請求項23から請求項27のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項29】
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
第1のペットが或る活動を実施している時間量、
第1のペットが該活動を実施している強度到達点、
第1のペットが該活動を実施している該時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標時間と比較した割合、および、
第1のペットが該活動を実施している該強度到達点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標強度到達点と比較した割合のうちの1つ以上に基づいて、前記1つ以上の健康点数を算定するように動作可能である、請求項23から請求項28のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項30】
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
前記1つ以上の計量を所定の範囲に規模変更するように動作可能であり、また、
規模変更結果の該計量に基づいて該1つ以上の健康点数を生成するように動作可能である、請求項23から請求項29のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項31】
前記1つ以上の健康指標はそれぞれ1つ以上の重量と関連付けられており、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該1つ以上の重量に基づいて前記1つ以上の健康点数を生成するように動作可能である、請求項23から請求項30のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項32】
前記1つ以上の活動は、
伏せる、座る、立ち上がる、歩行する、精力的に動くなどのうち1種類以上からなる姿勢、および、
飲む、食べる、物を舐める、自らの身体を舐める、戯れの接触をする、身体を擦り付ける、自らの身体を引掻く、身震いする、臭いを嗅ぐなどのうち1種類以上からなる振舞いのうち、1種類以上を含んでいる、請求項23から請求項31のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項33】
前記複数の医学的状態は、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、消化管系疾患、倦怠感、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症などのうちの1種類以上を含んでいる、請請求項23から請求項32のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項34】
前記ソフトウェアは実行時には更に、
前記1つ以上の健康指標に基づいてペット製品の有効性を判定するように動作可能であり、該ペット製品は、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師が処方した治療法などのうちの1種以上を含んでいる、請求項23から請求項33のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項35】
前記ソフトウェアは実行時には更に、
ペット製品の判定結果の前記有効性を、獣医師または該ペット製品の製造業者に送信するように動作可能である、請求項34に記載の媒体。
【請求項36】
前記ソフトウェアは実行時には更に、
前記健康査定に基づいて第1のペットの健康提言を決めるように動作可能である、請求項23から請求項35のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項37】
前記健康提言は、ペット製品を勧める提言や獣医師の診察を勧める提言などのうち1種以上を含んでいる、請求項36に記載の媒体。
【請求項38】
第1のペットの1つ以上の活動を検出する前記動作、または、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する前記動作は、1つ以上の機械学習モデルに基づいており、該1つ以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成される、請求項23から請求項37のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項39】
前記ソフトウェアは実行時には更に、
第1のペットの前記健康査定に対応している調査またはアンケートを提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、請求項23から請求項38のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項40】
前記ソフトウェアは実行時には更に、
前記調査またはアンケートに応じたユーザからのフィードバックを前記ユーザ装置から受信するように動作可能である、請求項39に記載の媒体。
【請求項41】
前記ソフトウェアは実行時には更に、
ユーザからの前記フィードバックに基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを更新するように動作可能である、請求項40に記載の媒体。
【請求項42】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
ユーザへの該1つ以上の通知の感度または特異性を特注誂えするように動作可能である、請求項23から請求項41のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項43】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該考えられ得る病状についてのちょっとした説明を生成するように動作可能であり、また、
該ちょっとした説明を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、請求項23から請求項42のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項44】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該考えられ得る病状についての大まかな時系列表示を生成するように動作可能であり、また、
該大まかな時系列表示を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、請求項23から請求項43のいずれか1つに記載の媒体。
【請求項45】
1つ以上の演算処理装置と、該演算処理装置に接続されて、該演算処理装置が実行することのできる各種命令を有している持続的記憶装置とを構成要素の一部に含んでいるシステムであって、該演算処理装置は該命令の実行時には、
1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能であり、該センサ・データは第1のペットに関連付けられており、
該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能であり、
該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能であり、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいており、
該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能であり、該健康査定は、1つ以上の健康点数、および、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する1つ以上の通知のうち1種類以上を含んでおり、また、
第1のペットの該健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である、システム。
【請求項46】
前記1つ以上のセンサは、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサなどのうち1種類以上を備えている、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出するように動作可能であり、また、
該望ましくない回転を矯正する目的で、1回以上のデータ変形を前記センサ・データに加えるように動作可能である、請求項45または請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該ウェアラブル装置の配向を判定するように動作可能であり、また、
該ウェアラブル装置の該配向に基づいて、前記センサ・データを加工処理するように動作可能である、請求項45から請求項47のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項49】
第1のペットの健康査定を生成する前記動作は更に、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうち1種類以上に基づいている、請求項45から請求項48のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項50】
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標をこれらに対応する保存されていた健康指標と比較するように動作可能であり、また、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の閾値差を検出するように動作可能であり、
前記健康査定は更に、判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の、検出結果の該閾値差を含んでいる、請求項45から請求項49のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項51】
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
第1のペットが或る活動を実施している時間量、
第1のペットが該活動を実施している強度到達点、
第1のペットが該活動を実施している該時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標時間と比較した割合、および、
第1のペットが該活動を実施している該強度到達点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標強度到達点と比較した割合のうちの1つ以上に基づいて、前記1つ以上の健康点数を算定するように動作可能である、請求項45から請求項50のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項52】
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
前記1つ以上の計量を所定の範囲に規模変更するように動作可能であり、また、
規模変更結果の該計量に基づいて該1つ以上の健康点数を生成するように動作可能である、請求項45から請求項51のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項53】
前記1つ以上の健康指標はそれぞれ1つ以上の重量と関連付けられており、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該1つ以上の重量に基づいて前記1つ以上の健康点数を生成するように動作可能である、請求項45から請求項52のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項54】
前記1つ以上の活動は、
伏せる、座る、立ち上がる、歩行する、精力的に動くなどのうち1種類以上からなる姿勢、および、
飲む、食べる、物を舐める、自らの身体を舐める、戯れの接触をする、身体を擦り付ける、自らの身体を引掻く、身震いする、臭いを嗅ぐなどのうち1種類以上からなる振舞いのうち、1種類以上を含んでいる、請求項45から請求項53のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項55】
前記複数の医学的状態は、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、消化管系疾患、倦怠感、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症などのうちの1種類以上を含んでいる、請求項45から請求項54のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項56】
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
前記1つ以上の健康指標に基づいてペット製品の有効性を判定するように動作可能であり、該ペット製品は、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師が処方した治療法などのうちの1種以上を含んでいる、請求項45から請求項55のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項57】
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
ペット製品の判定結果の前記有効性を、獣医師または該ペット製品の製造業者に送信するように動作可能である、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
前記健康査定に基づいて第1のペットの健康提言を決めるように動作可能である、請求項45から請求項57のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項59】
前記健康提言は、ペット製品を勧める提言や獣医師の診察を勧める提言などのうち1種以上を含んでいる、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
第1のペットの1つ以上の活動を検出する前記動作、または、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する前記動作は、1つ以上の機械学習モデルに基づいており、該1つ以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成される、請求項45から請求項59のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項61】
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
第1のペットの前記健康査定に対応している調査またはアンケートを提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、請求項45から請求項60のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項62】
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
前記調査またはアンケートに応じたユーザからのフィードバックを前記ユーザ装置から受信するように動作可能である、請求項45から請求項61のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項63】
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
ユーザからの前記フィードバックに基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを更新するように動作可能である、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
ユーザへの該1つ以上の通知の感度または特異性を特注誂えするように動作可能である、請求項45から請求項63のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項65】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該考えられ得る病状についてのちょっとした説明を生成するように動作可能であり、また、
該ちょっとした説明を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、請求項45から請求項64のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項66】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該考えられ得る病状についての大まかな時系列表示を生成するように動作可能であり、また、
該大まかな時系列表示を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、請求項45から請求項65のいずれか1つに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本願は、合衆国法典第35巻第119条(e)に基づき、2021年4月19日出願の米国特許仮出願第63/176,812号の優先権の利益を主張するものであり、斯かる出願はここに引例に挙げることにより本明細書の一部を構成しているものとする。
【技術分野】
【0002】
本件開示に記載の各実施形態は、ペットの活動を監視することに関連している。例えば、実施形態によってはペットの活動を監視することでペットの健康状態を検出するのに役立てることに関連するものもあるが、これに限らない。
【背景技術】
【0003】
携帯装置、ウェアラブル(着用可能な)装置、または、その両方に、人間の活動を追跡または監視するのに役立てることのできる多様なハードウェア・コンポーネントおよびソフトウェア・コンポーネントが装備されてきた。監視している活動から得られたデータは、収集し、解析し、そして表示することができる。例えば、携帯装置、ウェアラブル装置、または、その両方を利用して、所与の期間のヒトの歩数や心拍数を追跡することができる。そして、この歩数や心拍数は携帯装置やウェアラブル装置のユーザ・グラフィック・インターフェイスに表示することができる。ヒトへの監視を凌駕して、ペットの安全と健康に対する重要性が高まる一方であることから、ペットの行動を監視する必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、ペット製品業界では、ペットの活動を監視するシステム、そのような方法、または、その両方に対する持続的需要がある。
【0005】
本件開示の主題の目的と利点は、後段以降の詳細な説明に明示してあり、そこから明白となるのは元より、本件開示の手段を実施することによっても知れる。開示されている主題のさらなる利点は、本明細書の文章説明と特許請求の範囲に特に指摘されている方法とシステムによっても、また、添付の図面からも、理解して達成されるであろう。
【0006】
上記とそれ以外の各種の利点を達成する目的で、また、具体化され遍く説明されている本件開示の主題の目的に従って、本件開示の主題は、データを収集し、受信し、解析し、または、その各種組合せを実施するのに利用することができるシステム、その方法、および、その装置を提示している。例えば、特定の各実施形態は、ペットの活動を監視および追跡する目的で使用することができるが、これに限らない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
或る実施形態では、以下に限らないが、本件開示はペットの活動を監視して、それに応じてペットの様子を判定する方法を説明している。この方法は、収集し、受信し、解析し、または、その各種組合せを実施したデータに基づいて、ペットの1つ以上の健康指標を判定することを含んでいる。この方法はまた、ペットの1つ以上の健康指標に基づいてペットの様子の査定を実施することを含んでいる。これに加えて、この方法は、ペットの様子の査定に基づいて、ペット飼育者に1つ以上の告知を携帯装置で表示することを含んでいる
特定の実施形態では、以下に限らないが、1つ以上の電算システムが、1つ以上のセンサによって取り込まれたセンサ・データにアクセスすることができる。該センサ・データは第1のペットに関連付けられているとよい。次に、電算システムは、該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出することができる。次いで、電算システムは、1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定することができる。或る実施形態では、以下に限らないが、該1つ以上の健康指標は、1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいているとよい。電算システムは更に、該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成することができる。該健康査定は、1つ以上の健康点数、および、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する1つ以上の通知のうち1種類以上を含んでいるとよい。或る実施形態では、以下に限らないが、電算システムが続いて、第1のペットの健康査定をユーザに提出するための各種命令をユーザ装置に送信することができる。
【0008】
或る種の或る実施形態では、以下に限らないが、コンピュータが読取れる、1つ以上の持続的記憶媒体は、ソフトウェアを具現化するが、実行時には1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能である。該センサ・データは第1のペットに関連付けられているとよい。ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体は更に、実行時には該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能である。ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体は更に、実行時には1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能である。実施形態によっては、該1つ以上の健康指標は、1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいているものもある。ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体は更に、実行時には1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能である。実施形態によっては、該健康査定は、1つ以上の健康点数、および、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する1つ以上の通知のうち1種類以上を含んでいるとよい。ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体は更に、実行時には、第1のペットの健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である。
【0009】
或る実施形態では、以下に限らないが、システムは、1つ以上の演算処理装置と、該演算処理装置に接続されており該演算処理装置により実行可能な各種命令を含んでいる持続的記憶装置とを、構成要素の一部に含んでいるとよい。該演算処理装置は、命令の実行時には1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能である。実施形態によっては、該センサ・データは第1のペットに関連付けることができるものもある。該演算処理装置は更に、命令の実行時には該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能である。該演算処理装置は更に、命令の実行時には該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能である。実施形態によっては、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいているものもある。該演算処理装置は更に、命令の実行時には、該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能である。実施形態によっては、該健康査定が、1つ以上の健康点数、および、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する1つ以上の通知のうち1種類以上を含んでいるものもある。該演算処理装置は更に、命令の実行時には、第1のペットの該健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である
更に、上記の各種の方法、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体、および、システムの本件開示の各実施形態は、以下に説明するような更なる各種特徴を有していることがあるが、それらに限らない。
【0010】
或る実施形態では、以下に限らないが、上記1つ以上のセンサは、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサなどのうち1種類以上を構成部材の一部に含んでいるとよい。上記1つ以上のセンサは、第1のペットに装着または取付けされたウェアラブル装置に付随させることができる。実施形態によっては、上記各電算システムが該ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出することができるようにしたものもある。次いで、この望ましくない回転を矯正する目的で、上記各電算システムは1回以上のデータ変形を上記センサ・データに加えることができる。これに代わる各実施形態では、上記各電算システムは該ウェアラブル装置の配向を判定することができる。上記各電算システムは更に、該ウェアラブル装置のこの配向に基づいて、上記センサ・データを加工処理することができる。
【0011】
或る実施形態では、以下に限らないが、第1のペットの健康査定を生成する上記工程は更に、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうち1種類以上に基づいているとよい。実施形態によっては、上記健康査定が1つ以上の健康点数を含んでいるものもある。上記各電算システムは、第1のペットが或る活動を実施している時間量、第1のペットが該活動を実施している強度到達点、第1のペットが該活動を実施している時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標時間と比較した割合(%)、第1のペットが該活動を実施している該強度到達点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標強度到達点と比較した割合(%)などのうちの1種類以上に基づいて、上記1つ以上の健康点数を算定するとよい。これに代わる各実施形態では、上記各電算システムは1つ以上の計量を所定の範囲に規模変更するものもある。次に、上記各電算システムは、規模変更済みの各計量に基づいて上記1つ以上の健康点数を生成することができる。
【0012】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記各電算システムは、判定結果の該少なくとも1つの健康指標をこれらに対応する保存されていた健康指標と比較することができる。上記電算システムは更に、判定結果の該少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の閾値差を検出するとよい。従って、上記健康査定は更に、判定結果の該少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の、この検出結果の閾値差を含んでいることになる。実施形態によっては、上記1つ以上の健康指標がそれぞれに1つ以上の重量値と関連付けられるものもある。次に、上記電算システムは、該1つ以上の重量値に基づいて、上記1つ以上の健康点数を生成することができる。
【0013】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記1つ以上の活動は、伏せる、座る、立ち上がる、歩行する、精力的に動くなどのうち1種類以上からなる姿勢や、飲む、食べる、物を舐める、自らの身体を舐める、戯れの接触をする、身体を擦り付ける、引掻く、身震いする、臭いを嗅ぐなどのうち1種類以上からなる振舞いを構成要素の一部に含んでいるとよい。上記複数の医学的状態は、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、消化管系疾患、倦怠感、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症などのうちの1種類以上を含んでいるとよい。
【0014】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記各電算システムは上記1つ以上の健康指標に基づいてペット製品の有効性を判定することができ、その際、ペット製品は、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師が処方した治療法などのうちの1種以上を構成要素の一部に含んでいる。上記各電算システムは更に、ペット製品の判定結果の有効性を獣医師またはペット製品の製造業者に送信することができる。
【0015】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記各電算システムは、上記健康査定に基づいて第1のペットの健康提言を決定することができる。この健康提言は、ペット製品を勧める提言や獣医師の診察を勧める提言などのうち1種以上を構成要素の一部に含んでいるとよい。
【0016】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、第1のペットの上記1つ以上の活動を検出する工程、または、第1のペットの上記1つ以上の健康指標を判定する工程は、1つ以上の機械学習モデルに基づいているとよい。これら1つ以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成することができる。実施形態によっては、上記各電算システムが、第1のペットの上記健康査定に対応している調査またはアンケートを提示するための各種命令をユーザ装置に送信するようにしたものもある。次に、上記各電算システムは、調査またはアンケートに応じたユーザからのフィードバックをユーザ装置から受信することができる。上記各電算システムは更に、ユーザからのフィードバックに基づいて、該1つ以上の機械学習モデルを更新することができる。
【0017】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記健康査定は考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでいてもよい。これに対応して、上記各電算システムは、ユーザへの1つ以上の通知の感度または特異性を特注誂えすることができる。実施形態によっては、上記各電算システムが、考えられ得る病状についてのちょっとした説明を生成するようにしたものもある。上記各電算システムは更に、このちょっとした説明を提示するための各種命令をユーザ装置に送信することができる。これに代わる実施形態では、上記各電算システムは、考えられ得る病状についての大まかな時系列表示を生成することができる。上記各電算システムは更に、この大まかな時系列表示を提示するための各種命令をユーザ装置に送信することができる。
【0018】
前述の概説と後述の詳細な説明の両方が具体例であって、特許請求の範囲に記載された本件開示の主題の更なる説明を提供することを意図しているものと理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本件開示の前述した目的、特徴、および、利点と、それ以外の目的、特徴、および、利点は、添付の図面に例示されているような各実施形態の後段以降の説明から明らかとなるだろうが、図面では、参照番号は多様な図の全体で同一部分を指している。図面は必ずしも等尺になってはおらず、その代わりに、本件開示の原理を図説することに重点が置かれている。
図1】或る限定的ではない実施形態による、ペット監視を目的として利用されるシステムを例示した図。
図2】或る限定的ではない実施形態による、ペット監視を目的として利用される装置を例示した図。
図3】或る限定的ではない実施形態による、ペット監視を目的として利用される装置を例示した図。
図4】或る限定的ではない実施形態による、健康査定を実施する方法または処理過程のフロー図。
図5A】或る限定的ではない実施形態による、「無効」アルゴリズムを例示した具体歴グラフ。
図5B】或る限定的ではない実施形態による、「無効」アルゴリズムを例示した具体歴グラフ。
図5C】或る限定的ではない実施形態による、「無効」アルゴリズムを例示した具体歴グラフ。
図6A】或る限定的ではない実施形態による、「睡眠」アルゴリズムを利用することで残余の各領域を見つける工程を例示した具体的グラフ。
図6B】或る限定的ではない実施形態による、「睡眠」アルゴリズムを利用することで残余の各領域を見つける工程を例示した具体的グラフ。
図6C】或る限定的ではない実施形態による、「睡眠」アルゴリズムを利用することで残余の各領域を見つける工程を例示した具体的グラフ。
図7A】目覚め時の半時間について例示した具体的グラフ。
図7B】目覚め時の半時間について例示した具体的グラフ。
図7C】目覚め時の半時間について例示した具体的グラフ。
図8A】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスが多様な健康指標を表示している各具体例を例示した図。
図8B】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスが多様な健康指標を表示している各具体例を例示した図。
図9-1】或る限定的ではない実施形態による、各種の活動に基づいて健康点数を算定する方法または処理過程の各工程を例示した図。
図9-2】図9-1の続きの図。
図10】体調が優れないので獣医師の診察を受けた犬について各種計量を組み合わせた一具体例を例示した図。
図11】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスが各種の健康知見を表示している一具体例を例示した図。
図12A】或る限定的ではない実施形態による、ホーム画面の一具体例を示した図。
図12B】或る限定的ではない実施形態による、ホーム画面の一具体例を示した図。
図13】或る限定的ではない実施形態による、早期検出の具体的解析例を示した図。
図14】或る限定的ではない実施形態による、ペットの健康査定を実施する方法、処理過程、または、その両方を例示したフロー図。
図15】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図16】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図17】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図18】或る限定的ではない実施形態による、ちょっとした説明を提示するユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図19】或る限定的ではない実施形態による、ちょっとした説明を提示するユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図20】或る限定的ではない実施形態による、或る種の方法または処理過程を例示したフロー図。
図21】ペットの健康査定の具体的な方法を例示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、添付の図面を参照しながら、後段以降で本件開示をより十分に説明してゆくが、図面は本明細書の一部を形成しているとともに、図説により、或る具体例の実施形態を示している。しかし、主題は多様な相互に異なる形式で具体化することができ、よって、ここで扱われ、または、特許請求の範囲に記載されている主題は、本明細書に明示されているどの具体的実施形態であれ、それらに限ると解釈されることを意図してはおらず、すなわち、具体的な各実施形態は例示するために提示しているにすぎない。同様に、特許請求の範囲に記載された、または、ここで扱われている主題についての合理的に広い範囲を意図している。とりわけ、例えば、主題は、各種の方法、装置、コンポーネント、システム、または、これらの各種組合せとして具体化することができる。従って、各実施形態は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、何であれこれらの任意の組合せ(ソフトウェアそれ自体は除く)の形態をとることもある。よって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されることを意図したものではない。
【0021】
本件開示は、ペットの活動を監視し、解析し、追跡し、または、その各種組合せを実施することができる各種のシステム、方法、装置、または、その各種組合せを提示している。本件開示の主題は、ペットの健全健康を査定し、監視し、または、その両方を実施することに関連しているニーズに取組んでいる。具体的には、ペットの追跡結果の活動または監視結果の活動に関連するデータを収集して利用することで、ペットに関する1つ以上の潜在的健康リスク、現実の健康リスク、または、その両方のリスク (総称して「健康リスク」または「各種健康リスク」) を検出し、評価し、または、その両方を実施することができる。特定された健康リスクは元よりありとあらゆる収集データの概要が次いで、ペット飼育者、ペット世話人、研究者、獣医師、動物看護士、または、それ以外の関係者に対して、または、それら各自により送信、表示、または、その両方を実施させることができる。
【0022】
PCT出願第PCT/US20/39909号はここに引例に挙げることにより本件の一部を構成しているものとする。この引例に挙げた出願の、明細書、特許請求の範囲、および、図面に開示されている全主題が本明細書に組入れられている。
【0023】
本明細書の詳細な説明においては、「実施形態」、「一実施形態」、「限定的ではない実施形態」、「多様な実施形態において」などと言及することで、説明されている実施形態(単数または複数)が特定の特性、構造、または、特徴を含んでいる場合があっても、全ての実施形態が必ずしもそのような特定の特性、構造、または、特徴を含んでいるわけではないこと示唆している。更に、上記のような語句は必ずしも同一実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、または、特性が或る1つの実施形態に関連して説明されている場合、それ以外の各実施形態に関連してそのような特性、構造、または、特徴に影響を与えることが、明確に記載されているといないに関わらず、当業者の知識の範囲内であることを提起している。詳細な説明を読んだ後では、代替の各実施形態において本件開示をどのように実施するかが当業者には明らかになるであろう。
【0024】
一般に、用語は少なくとも一部は文脈中の使用から理解することができる。例えば、本明細書で使用されるような場合の「および(and)」、「または(оr)」、または、「および/または(and/оr)」などのような語句は少なくとも一部は、そのような語句が使用されている文脈で決めることができるさまざまな意味を含んでいる可能性がある。通常、「または」という語は、「A、B、または、C」などのような列挙と結び付けて使用される場合、「Aも、Bも、それに、Cも」という包摂的な感じに使用される意味があるのは元より、「Aか、Bか、それとも、Cのどれか」という1つを除いて排除する感じに使用される意味があることを意図している。これに加えて、本明細書で使用されるような「1つ以上の」という用語は、少なくとも石部は文脈次第で、どのような特性、構造、または、特徴であれ単数の意味で説明するのに使うことができるし、或いは、2つ以上の特性、構造、または、特徴の組合せを複数の意味で説明するために使用することができる。複数の意味での特徴。同様に、「或る、或る種の(a)」、「或る、或る種の(an)」、または、「その・該(the)」などのような用語もまた、少なくとも一部は文脈次第で、単数用法であると告げていると理解してもよいし、或いは、複数用法であると告げているとも理解できる。加えて、「~に基づいて(based оn)」という用語は、必ずしも排他的なひと組の要因があると告げることを意図したものではなく、その代わりに、ここでもまた少なくとも一部は文脈次第で、必ずしもそうと分かるように明言していない何か別な要因が存在することを許容している可能性がある。
【0025】
本明細書で使用されているような場合、「含む・備える・~から成る(cоmprises)」、「含んでいる・備えている・~から成る(cоmprising)」、または、これらの何か他の変形例は、処理過程、方法、物品、または、装置が、列挙された構成要素を含んではいるが、各々が列挙されたもののみならず、それ以外の、そうと分かるように列挙されてはいない構成要素、または、そのような処理過程、方法、物品、または、装置に固有の構成要素も排除せずに包摂して扱うことを意図している。
【0026】
本件開示に従って使用されているような「動物(animal)」または「ペット(pet)」なる用語は、飼い犬、飼い猫、馬、牛、フェレット、ウサギ、豚、ラット、マウス、スナネズミ、ハムスター、山羊などを含む家畜を指しているとよい。飼い犬および飼い猫はペットの具体例であるが、これらに特に限らない。本件開示に従って使用されるような「動物」または「ペット」という用語は、バイソン、ヘラジカ、鹿、食用になる鹿、鴨、鳥類、魚などを含む野生動物を指すこともある。
【0027】
「ペット製品」なる用語は、例えば、どのようなタイプであれ、ペットが使用する目的でデザインされ、製造され、対象とされ、または、その各種組合せの行為に付された製品、サービス、または、機器を含むことがあるが、これらに限らない。例えば、ペット製品は、玩具、チュアブル錠、食品、衣料品、首輪、医薬品、製剤、健康追跡装置、所在地追跡装置、または、それらのあらゆる組合せであるとよい。もう1つ別の例では、ペット製品がペット用の遺伝子検査サービスまたはDNA検査サービスを含んでいてもよい。
【0028】
「ペット飼育者」という用語は、ペットを所有する、ペットの世話のあらゆる局面に責任を負う、または、その両方に該当するあらゆる個人、組織、個人の集合、または、これらの各種組合せを含んでいるとよい。例えば、「ペット飼育者」は、ペット世話人、ペット介護人、研究者、獣医師、動物看護士、それ以外の関係者、または、それらの各種重複した役割を果たす者を含んでいるとよい。
【0029】
本明細書に使用される場合、「養成データセット」は、機械学習モデルを養成するための1つ以上の画像またはビデオおよび関連データを含んでいるとよい。各養成データセットは、1つ以上の製品、データ、および、これらに対応する、画像に関連付けられた出力の養成画像を含んでいるとよい。養成データセットは、糞便の1つ以上の画像またはビデオを含んでいるとよい。養成データセットは、1つ以上のクライアント装置(例えば、クラウドソーシングの)により収集することができるようにしてもよいし、それ以外のソース (データベースなど) から収集することができるようにしてもよい。或る限定的ではない実施形態では、ペットの健康査定のための養成データセットは、治療群と対照群の両方から得られたデータを含んでいるとよい。
【0030】
或る限定的ではない実施形態を、各種の方法、処理過程、装置、および、機器類のブロック図および動作図説を参照しながら以下に説明してゆく。ブロック図または動作図説の各ブロックと、ブロック図または動作図説の複数ブロックの各種組合せとは、アナログまたはデジタルのハードウェアおよびコンピュータ・プログラム命令により実現することができることが分かる。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータの演算処理装置に供与されることで本明細書に詳述するようなコンピュータ機能を変更することができるとともに、専用コンピュータ、ASIC、または、それら以外のプログラム可能なデータ処理装置の演算処理装置にも供与されることで、コンピュータの演算処理装置やそれ以外のプログラム可能なデータ処理装置を介して実行される各種命令によりブロック図または動作図説もしくは各ブロックに特定されている諸機能、諸動作、または、その両方を実現することができる。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、ほぼ同時に実行されてもかまわないし、各ブロックは、関与する機能性、動作、または、その両方に応じて、逆順に実行されてもよい場合がある。
【0031】
これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータの演算処理装置に供与されることで当該コンピュ―タの機能を専用目的に変えることができるとともに、専用コンピュータの演算処理装置にも供与され、ASICの演算処理装置にも供与され、または、それら以外のプログラム可能なデータ処理装置の演算処理装置にも供与されることで、コンピュータの演算処理装置やそれ以外のプログラム可能なデータ処理装置の演算処理装置を介して実行される各種命令によりブロック図または動作図説もしくは各ブロックに特定されている諸機能、諸動作、または、その両方を実現することができるようにすることにより、それぞれの機能性を本発明の各実施形態に従って変形させる。
【0032】
限定的ではない実施形態のなかには、コンピュータが読取れる媒体(または、コンピュータが読取れる1つ以上の記憶媒体)がコンピュータ・データを保存するようにしたものもあるが、そのようなデータとしては、コンピュータにより実行可能な、機械可読形式のコンピュータ・プログラム・コード(または、コンピュータが実行できる命令)が挙げられる。具体的には、但し、以下に限らないが、コンピュータが読取れる媒体としては、有形のデータ記憶域または固定式データ記憶域を得るための、コンピュータが読取れる記憶媒体か、または、コードを含む信号を一時的解釈に付すため通信媒体などが挙げられる。本明細書で使用されるような場合、コンピュータが読取れる記憶媒体なる表現は、(信号とは対照的に)物理的記憶域または有形の記憶域を指しており、また、コンピュータが読取れる命令、データ構造、プログラム・モジュール、または、それら以外のデータなどのような情報の有形の記憶域を得るための何らかの方法または技術で実現された、揮発性媒体、不揮発性媒体、取外し可能媒体、取外し不可能媒体、それらの各種組合せが挙げられるが、これらに限らない。コンピュータが読取れる記憶媒体としては、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリかそれ以外の固体メモリ技術製品、CD‐ROM、DVD、または、それ以外の光記憶域、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶域、または、それら以外の磁気記憶装置、もしくは、何であれそれら以外の物理的媒体または機械的媒体であって、所望の情報または所望のデータ、もしくは、各種命令を有形で保存するのに使うことができるもの、および、コンピュータまたは演算処理装置がアクセスできるものが挙げられる。
【0033】
或る限定的ではない実施形態では、「サーバー」という用語は、図1に示されているサーバー106などのように、演算処理設備、データベース設備、および、通信設備を提供する「サービス・ポイント」を指しているものと理解するべきである。具体的には、但し、以下に限らないが、「サーバー」という用語は、単一の物理的演算処理装置とそれに付随する通信設備、データ記憶域設備、および、データベース設備を指すこともあれば、伸縮自在のコンピュータ・クラスタなどのようなネットワークで繋がった演算処理装置の複合設備またはクラスタ化された演算処理装置の複合設備と、それに付随するネットワーク装置や記憶装置は元より、演算処理用ソフトウェアや1つ以上のデータベース・システム、更には、サーバーが提供する各種サービスを支援するアプリケーション・ソフトウェアを指す場合もある。サーバーは、例えば、クラウドベースのサーバーでもよいし、クラウドコンピューティング・プラットフォームでもよいし、或いは、仮想マシンであっても構わない。サーバーは構成および性能が多岐にわたるが、一般に、サーバーには1つ以上の中央処理装置とメモリが構成要素の一部に含まれている。サーバーはまた、1つ以上の大容量記憶装置、1つ以上の電源、1つ以上の有線ネットワーク・インターフェイスまたは無線ネットワーク・インターフェイス、1つ以上の入出力インターフェイス、または、Windоws Server(ウインドウズ・サーバー)、Mac OS X(マック・オーエス・テン)、Linux(登録商標)(リナックス(登録商標))、FreeBSD(フリー・ビー・エス・ディー)などのような1つ以上のオペレーティング・システムを構成要素の一部に含んでいるとよい。
【0034】
限定的ではない実施形態のなかには、図1に示されているネットワーク108などのような「ネットワーク」なる語が、各種装置を連結することでサーバーとクライアント装置の間の通信またはサーバーとそれ以外のタイプの装置との間の通信などのような通信を切替えることができるようにしたネットワークを指していると理解するべきものもある。ネットワークは、ネットワーク接続記憶域(NAS)、記憶域領域ネットワーク(SAN)、または、これら以外の各種形式のコンピュータが読取れる媒体または機械可読媒体などのような大容量記憶域を含んでいる場合もある。ネットワークとしては、インターネット、1つ以上のローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、1つ以上のワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、有線タイプの接続、無線タイプの接続、セルラー方式無線接続、または、それらの何らかの組合せが挙げられる。同様に、多様な構成を採用することができ、或いは、多様なプロトコルに準拠しまたは互換性を持たせることができるサブネットワークを、より大規模なネットワーク内で相互運用することができる。例えば、多様な構成または多様なプロトコルに対する相互運用能力を提供する目的で、さまざまなタイプの装置を利用できるようにすることができる。具体的な一例として、ルータは、それが無ければ分離独立しているLAN相互の間にリンクを設けることができる。
【0035】
通信リンクまたはチャネルとしては、例えば、ツイストペア線などのようなアナログ電話回線、同軸ケーブル、T1規格型回線、T2規格型回線、T3規格型回線、または、T4規格型回線などのようなフル・デジタル信号回線またはフラクショナル・デジタル信号回線、統合デジタル通信網(ISDN)、デジタル加入者回線(DSL)、衛星リンクなどのような各種の無線リンク、もしくは、上記以外の、当業者には周知と思われる通信リンクまたはチャネルが挙げられる。更に、電算装置またはそれ以外の関連電子式装置を、例えば有線回線または有線リンクもしくは無線回線または無線リンクにより、ネットワークに遠隔接続することもできる。
【0036】
或る限定的ではない実施形態においては、「無線ネットワーク」とはクライアント装置をネットワークに接続することと理解するべきである。無線ネットワークは、独立型アドホック・ネットワーク、メッシュ・ネットワーク、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、セルラー方式無線ネットワークなどを採用することができる。無線ネットワークは更に、無線リンクなどにより接続された複数端末、複数ゲートウェイ、複数ルータなどのような、自由に移動し、ランダムに動き、または、それぞれを任意に編成し直すことができるものから成るシステムを構成の一部に含んでいることで、ネットワーク・トポロジーを折々変更し、時には急速に変えるようにしてもよい。
【0037】
無線ネットワークは更に、ワイ・ファイ(Wi‐Fi)技術、ロング・ターム・エボリューション(LTE)技術、無線LAN技術、無線メッシュ・ルーター(WR)技術、第2世代(2G)セルラー方式技術、第3世代(3G)セルラー方式技術、第4世代(4G)セルラー方式技術、第5世代(5G)セルラー方式技術などから成る、複数のネットワーク・アクセス技術を採用するようにしてもよい。ネットワーク・アクセス技術により、多様な度合いの機動性を持つクライアント装置などのようなデバイスに対し、広域的に通信圏内に入れることができる。
【0038】
例えば、ネットワークは、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張データGMS環境(エッジまたはEDGE)、第3世代移動体通信提携プロジェクト規格のLTE(3GPP(登録商標) LTE)、LTE高度化通信方式(LTE‐Advanced)、広帯域符号分割多重接続(WCDMA(登録商標))、ブルートゥース(登録商標)(Bluetооth)、IEEE無線LAN規格802.11b/g/nなどのような、1つ以上のネットワーク・アクセス技術により、高周波数(RF)通信すなわち無線式通信を提供することができる。無線ネットワークは、クライアント装置や電算装置などのような各種の装置相互間、ネットワーク相互間、ネットワーク内などで信号を通信させることができるのであれば、事実上はどんなタイプの無線通信機構を備えていてもかまわない。
【0039】
電算装置は、有線ネットワークまたは無線ネットワークなどにより信号を送受信してもよいし、各種の物理メモリ状態にあるような記憶装置内で行われるように、信号を処理または保存してもよい。例えば、電算装置はサーバーとして動作することができ、例として、専用のラックマウント型サーバー、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、セットトップボックス型通信端末、上記の各種装置の2つ以上の機能などのような多様な機能を組み合わせた統合型装置などが含まれる。サーバーの構成や性能は広範囲にわたることがあるが、一般に、サーバーは1つ以上の中央処理装置と記憶装置を構成部材の一部に含んでいるとよい。サーバーはまた、1つ以上の大容量記憶装置、1つ以上の電源、1つ以上の有線ネットワーク・インターフェイスまたは無線ネットワーク・インターフェイス、1つ以上の入出力インターフェイス、1つ以上のオペレーティング・システムなどを含んでいることもある。
【0040】
或る限定的ではない実施形態においては、ウェアラブル装置または追跡装置は、図1に示されている追跡装置102などのように、1つ以上のセンサを含んでいるとよい。「センサ」という用語はペットの活動や移動が原因で生じる物理量の変化を検出するために使用されるハードウェアまたはソフトウェアを指しているとよいが、例えば、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサ、または、何であれそれら以外の、物体の変位量を検出する目的で使用することができる装置などが挙げられる。或る限定的ではない具体例では、センサは3軸加速度計であればよい。1つ以上のセンサまたはアクチュエータは、微小電気機械システム(MEMS)の構成部材のうちの1つとして備わっていてもよい。MEMSはMEMS装置とも呼称されるが、センサ、アクチュエータ、または、その両方として機能して位置の変化、移動、加速、または、それらの各種組合せを検出するのに役立てられる、1つ以上の小型機械素子、小型電気機械素子、または、その両方を備えているとよい。それ以外の各実施形態では、何であれ上記以外のセンサまたはアクチュエータを使用することで、任意の物理的な特性、変化、または、量を検出することができる。ウェアラブル装置は、首まわり装着式(カラー)装置とも呼称されるが、1つ以上のトランスデューサを構成部材の一部に含んでいるとよい。トランスデューサは、センサ、アクチュエータ、または、その両方により検出された物理的な特性、変化、または、量を電気信号に変換する目的で使用されるが、電気信号を1つ以上のウェアラブル装置からネットワークを経由してサーバーに送信することができる。
【0041】
図1は、或る限定的ではない実施形態による、ペットを追跡、監視、または、その両方を実施する目的で使用されるシステムを例示した図である。特に、図1に示すように、システム100は、追跡装置102、携帯装置104、サーバー106、ネットワーク108、または、その各種組合せを構成部材の一部に含んでいるとよい。追跡装置102は、ペットが着用するまたはペットに取り付けられるウェアラブル装置であるとよい。例えば、ウェアラブル装置はペットの首輪に設置することができ、1つ以上のセンサを使用してペットの活動を追跡、監視、検出、または、この各種組合せを実施するために利用される。或る限定的ではない実施形態では、1つ以上のセンサを使用することで、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いする、これら以外の、ペットが実施する行動に付随している身体の動き、または、これらの各種組合せなどのような、ペットの多様な身体の動きを検知することができる。痒い素振りをするとは、例えば、引掻く、咥える、舐める、噛む、かじる、擦り付ける、または、これらの各種組合せを実施するなどを含んでいる或る範疇のペットの動きであると推測される。或る具体例では、1つ以上のセンサで、医療処置の前後、医薬品投与または製剤投与の前後、もしくは、去勢の診察または卵巣子宮摘出避妊術の診察などのような獣医師の診察の前後のいずれかでペットの活動を検出することができる。
【0042】
図1に示されているように、追跡装置102としては、ユーザか、または、それ以外の、ペットもしくは動物などのような実体が着用するように、或いは、別途身に付けるように設計された電算装置が挙げられる。
【0043】
或る限定的ではない実施形態では、追跡装置102は、図2に示されたハードウェアを構成部材の一部に含んでいるとよい。追跡装置102は、例えば、追跡装置102内に存在する一般にセンサと呼ばれる多様なハードウェア・コンポーネントやソフトウェア・コンポーネントによって生成されたデータを収集することができる。具体例を挙げると、GPS受信機か、または、加速度計、ジャイロスコープ、もしくは、何であれそれ以外の、動きまたは活動に関する追跡装置102のデータを記録、収集、または、受信する目的で使用される装置またはコンポーネントなどのような、1つ以上のセンサがある。限定的ではない実施形態のなかには、追跡装置102の活動が、該追跡装置が取り付けられているペットの動きを模倣することができるものもある。追跡装置102はペットの首輪に取り付けることができるが、他の実施形態では、追跡装置102は、ペットが着用している何か他の物に取り付けられてもかまわない。限定的ではない実施形態のなかには、追跡装置102が、例えば、ペット体内に移植されたマイクロチップなどのように、ペット自体の体表または体内に配置することができるものもある。
【0044】
本明細書でより詳細に論じているが、追跡装置102は、追跡装置102の1つ以上のセンサから収集された1つ以上のデータを処理するための演算処理装置を更に含んでいるとよい。この演算処理装置はどのような電算装置またはデータ処理装置で具体化されても構わないが、例えば、中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理装置(PLDs)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGAs)、デジタル拡張回路、これらと同等の装置、または、これらの各種組合せがある。演算処理装置は、単一の制御装置として実装されてもよいし、複数の制御装置または複数の演算処理装置として実装されてもかまわない。限定的ではない実施形態のなかには、追跡装置102が、データを収集し、検知し、または、受信し、送信前にデータを前処理し、もしくは、その両方を実施するように特に構成するとよいものもある。データを検知し、記録し、処理し、または、その各種組合せを実施することに加えて、追跡装置102は更に、位置およびそれ以外の監視対象または追跡対象のデータなどのようなデータを、ネットワーク108を介して他の装置またはサーバーに送信するよう構成されていてもかまわない。或る限定的ではない実施形態においては、追跡装置102は、追跡対象または監視対象であるどのデータであれ、ネットワークに連続送信することができる。それ以外の限定的ではない実施形態では、追跡装置102は、追跡対象または監視対象であるどのデータであれ、不連続送信することができる。不連続送信とは、或る有限期間の後にデータを送信することであると考えてよい。例えば、追跡装置102が1時間に1回の割でデータを送信するようにしてもよい。これは、追跡装置102が消費するバッテリ電力を削減しながら、帯域幅などのようなネットワーク資源の節約にも役立つ。各種の追跡装置に関する詳細は、2019年6月26日出願の米国特許出願第29/696311号および2019年6月26日出願の米国特許出願第29/696315号に記載されており、各々の出願はここに引例に挙げることにより本件の一部を構成しているものとする。
【0045】
図1に示すように、追跡装置102はネットワーク108と通信することができる。単一のネットワークとして図示されているが、ネットワーク108は、各種装置相互の間の通信を容易にする多重ネットワークまたは複数のネットワークから構成されていてもよい。ネットワーク108は、利用可能な任意の無線アクセス技術を使用するラジオ無線ベースの通信ネットワークであってもよい。利用可能なラジオ無線アクセス技術には、例えば、Bluetооth、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張データGMS環境(エッジまたはEDGE)、何らかの第3世代移動体通信提携プロジェクト(「3GPP」)技術があり、「3GPP」技術にはロング・ターム・エボリューション(LTE)、LTE高度化通信方式(LTE‐Advanced)技術、第3世代(3G)技術、第5世代(5G)・新無線(NR)技術などが含まれる。ネットワーク108は、上述の各種ラジオ無線アクセス技術のいずれか、または、何であれそれ以外の利用可能なラジオ無線アクセス技術を利用することで、追跡装置102、サーバー106、携帯装置104、または、それらの各種組合せと通信することができる。
【0046】
或る種の限定的ではない実施形態においては、ネットワーク108としては、IEEE無線LAN規格802.11標準規格または同等の各標準規格により規定されるワイヤレス・フィディリティー(Wi‐Fi)・ネットワークなどのような無線LANが挙げられる。この実施形態では、ネットワーク108は、位置データ、何であれ追跡対象のデータまたは監視対象のデータ、もしくは、その両方のデータを追跡装置102からサーバー106へ転送できるようにする。これに加えて、ネットワーク108は、追跡装置102と携帯装置104の間でのデータの転送を容易にすることができる。これに代わる実施形態では、ネットワーク108は、セルラー方式ネットワークなどのような移動体通信ネットワークを含んでいてもよい。この実施形態では、ネットワーク108が無線LANである実施形態と同様の態様で、図示されている装置相互間でデータを転送することができる。或る限定的ではない実施形態では、追跡装置102はウェアラブル装置とも呼ばれ、ネットワーク帯域幅を削減してバッテリ寿命を延ばすことができるようにする手段として、当該装置が無線LANネットワークに接続されている場合にのみ、または、主としてその条件の場合に、データをサーバー106に送信する。無線LANに接続されていないとき、追跡装置102は省電力モードに入り、その際には、データの監視、追跡、または、その両方を依然として実施できるが、収集されたどのデータもサーバー106に送信することは全く無い。これは、追跡装置102のバッテリ寿命を延ばすのにも役立つ。
【0047】
或る種の限定的ではない実施形態では、追跡装置102および携帯装置104は、装置相互の間でデータを直接転送することができる。このような直接転送は、デバイス・ツー・デバイス通信またはモバイル・ツー・モバイル通信と呼ばれることがある。単独であると記載されているが、ネットワーク108は多重ネットワークから構成されていてもよい。例えば、ネットワーク108は、追跡装置102と携帯装置104との間のデータ転送を容易にするのに役立つBluetoothネットワーク、無線LAN、および、移動体通信ネットワークを構成要素の一部に含んでいることもある。
【0048】
システム100は、携帯装置104を更に含んでいてもよい。携帯装置104は何であれ利用できるユーザ機器または移動局であればよく、具体例を挙げると、携帯電話、スマートフォンすなわちマルチメディア装置、タブレット装置などがある。これに代わる各実施形態では、携帯装置104は、例えばラップトップ型コンピュータのような、無線通信機能が設けられた電算装置、無線通信機能が設けられた個人用データ補助装置または個人用デジタル補助装置(PDA)、ポータブル・メディア・プレイヤー、デジタルカメラ、ポケット・ビデオカメラ、無線通信機能が設けられたナビゲーション・ユニット、もしくは、これらの何らかの組合せである場合もある。先に論じたように、携帯装置104は追跡装置102と通信することができる。これらの実施形態では、携帯装置104は、位置、ペットに関連するデータ、健康査定、健康提言、または、これらの各種組合せを追跡装置102、サーバー106、ネットワーク108、または、これらの各種組合せから受信することができる。これに加えて、追跡装置102はデータを携帯装置104、サーバー106、ネットワーク108、または、これらの各種組合せから受信することができる。或る種の限定的ではない実施形態では、追跡装置102は、携帯装置104が追跡装置に空間的に近接していることに関してデータを受信することができたり、或いは、携帯装置104に関連付けられたユーザの識別に関するデータを受信することができたりもする。携帯装置104に関連付けられたユーザとは、具体的には、ペットの飼育者の場合もある。
【0049】
携帯装置104(または非移動体式装置)は、上記に加えて、サーバー106と通信することでサーバー106からデータを受信することができる。例えば、サーバー106が1つ以上のアプリケーション・サーバーを構成要素の一部に備えており、ネットワーク化されたアプリケーションまたはアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)を提供することができる。或る限定的ではない実施形態においては、携帯装置104は1つ以上の携帯通信機用アプリケーションまたはインターネット基盤のアプリケーションを装備しており、これがAPIを介してサーバー106と通信することで、アプリケーション内のデータを取得して提示することができる。或る限定的ではない実施形態においては、サーバー106は、追跡装置102から受信した位置またはデータの視覚化または表示を提供することができる。例えば、視覚化データとしては、追跡装置102から受信したデータのグラフ、チャート、または、それら以外の表示を含んでいることがある。
【0050】
図2は、或る限定的ではない実施形態による、ペットを追跡して監視する目的に使用できる装置を例示している。装置200は、例えば、追跡装置102、サーバー106、または、携帯装置104であるとよい。装置200は、CPU202、記憶装置204、不揮発性記憶装置206、センサ208、GPS受信機210、セルラー方式送受信機212、Bluetооth送受信機、および、受洗送受信機214を構成部材の一部に含んでいる。該装置は、何であれ上記以外のハードウェア、ソフトウェア、演算処理装置、記憶装置、送受信機、グラフィカル・ユーザ・インターフェイス、または、これらの各種組合せを備えていてもよい。
【0051】
図2に関連して述べたように、装置200は、ペットが着用するまたは別途身に付けられるように設計されたウェアラブル装置であるとよい。装置200は、3軸加速度計などのような、1つ以上のセンサ208を構成要素の一部に含んでいる。1つ以上のセンサ208を利用することで、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いする、何であれ上記以外の、ペットが実施する行為に付随する身体運動、または、これらの各種組合せを検出することができる。限定的ではない実施形態のなかには、1つ以上のセンサ208が、医療処置、医薬品または製剤の投与、獣医師の診察、または、これらの各種組合せ事象の前または後のペットの活動を検出することができるようにするものもある。
【0052】
1つ以上のセンサは、例えば、GPS受信機210と組み合わせて使用することができる。GPS受信機210はセンサ208と併用することができるが、このセンサが装置200を監視することで、例えば、(GPS受信機210により)その位置を同定し、また、(センサ208により)その加速度を同定するようにしている。センサ208およびGPS受信機210はそれぞれ単一のコンポーネントとして図示されているが、その代替例として、各々が同じような機能を提供する複数のコンポーネントから構成されていてもよい。或る限定的ではない実施形態では、GPS受信機210が代わりに全地球航法衛星システム(GLONASS)受信機であってもよい。
【0053】
センサ208およびGPS受信機210は、本明細書でより詳細に説明されるようにデータを生成し、また、そのデータを中央処理装置(CPU)202を介して他の各種コンポーネントに送信する。これに代わる例として、または、上記と併せて、センサ208およびGPS受信機210は、短期保存を目的としてデータを記憶装置204に送信するようにしてもよい。或る限定的ではない実施形態においては、記憶装置204としては、ランダム・アクセス・メモリ装置やこれに類似した揮発性記憶装置などが挙げられる。記憶装置204は、例えば、コンピュータが読取れる持続的媒体などのような、任意の好適な記憶装置であってもよい。ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、フラッシュ・メモリ、または、それら以外の好適なメモリであってもかまわない。
【0054】
これに代わる例として、または、上記と併せて、センサ208およびGPS受信機210は、データを不揮発性記憶装置206に直接送信することができる。この実施形態では、CPU202は、メモリ204からのデータ(例えば、位置データ、事象データ、または、その両方)にアクセスすることができる。限定的ではない実施形態のなかには、不揮発性記憶装置206が、固体記憶装置(例えば、「フラッシュ」記憶装置)または従来の記憶装置(例えば、ハードディスク)から成るものもある。具体的には、GPS受信機210は、位置データ(例えば、緯度、経度など)をCPU202、記憶装置204、または、不揮発性記憶装置206に同様の態様で送信することができる。限定的ではない実施形態のなかには、CPU202がフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイまたは特注誂えの特定用途向け集積回路から成るものもある。
【0055】
図2に例示されているように、装置200は、セルラー方式送受信機212、無線送受信機214、Bluetооth送受信機216などから構成されている多重ネットワーク・インターフェイスを含んでいる。セルラー方式送受信機212により装置200は、CPU202により処理されたデータを、任意の無線アクセス・ネットワークを介してサーバーに送信することができる。これに加えて、CPU202は、セルラー方式送受信機212、無線送受信機214、および、Bluetooth送受信機216を利用して転送されるデータのフォーマットおよび内容を、検出されたネットワーク状態に基づいて判定することができる。セルラー方式送受信機212、無線送受信機214、および、Bluetooth送受信機216は各々が独立して送信機であり、受信機であり、または、送信機と受信機の両方である場合もあれば、送信と受信の両方に備えて構成することができるユニットまたは装置である場合もある。送信機、受信機、または、その両方は (ラジオ無線部品に関する限り) 遠隔ラジオ無線ヘッドとして実装されていてもよいが、それの場合、装置それ自体には設置されてはおらず、例えば、アンテナ塔に設置される。
【0056】
図3は、或る限定的ではない実施形態による、ペットを追跡または監視する目的で使用される装置または機器を例示している。図3に例示されているように、図1に示された追跡装置102などのような装置300は、ウェアラブル装置と呼ばれるか、または、図1に示された携帯装置104とも呼ばれるが、GPS受信機302、ジオフェンス検出器304、センサ306、記憶装置308、中央処理装置(CPU)310、ネットワーク・インターフェイス312などから構成されているとよい。ジオフェンスについては、地理位置情報フェンスとして以下の説明に委ねる。GPS受信機302、センサ306、記憶装置308、および、CPU310はそれぞれGPS受信機202、センサ208、記憶装置204またな不揮発性記憶装置206、および、CPU202と同じであってもよい。ネットワーク・インターフェイス312は、セルラー方式送受信機212、無線送受信機214、および、Bluetooth送受信機216のうちの1つまたは複数に一致していてもよい。装置300はまた、バッテリなどのような1つ以上の電源を備えているとよい。装置300はまた、バッテリを充電するために使用することができる充電ポートを備えていてもよい。充電ポートは、例えば、タイプAのユニバーサル・シリアル・バス(USB)・ポート、タイプBのUSBポート、ミニUSBポート、マイクロUSBポート、または、何であれこれら以外のタイプのポートであるとよい。限定的ではない実施形態のなかには、装置300のバッテリを無線で充電することのできるものもある。
【0057】
或る限定的ではない実施形態においては、GPS受信機302は、装置300に関連付けられた位置データを記録することができる。位置データとしては、例えば、装置300の位置を時間の関数として表す多数のデータ・ポイントが挙げられる。
【0058】
限定的ではない実施形態のなかには、ジオフェンス検出器304が既知のジオフェンス区域に関する詳細を保存しているものもある。例えば、ジオフェンス検出器304は、複数の多角形ジオフェンスごとに複数の緯度点および経度点を保存しているとよい。緯度、経度、または、その両方の点または座標は、ユーザが手動で入力してもよいし、ウェアラブル装置が自動検出してもよいし、または、その両方が実施されてもかまわない。これに代わる限定的ではない実施形態では、ジオフェンス検出器304は、既知の無線LANネットワーク・サービス・セット識別子(SSID)それぞれの名前を保存し、各SSIDをジオフェンスに関連付けることができる。或る限定的ではない実施形態では、ジオフェンス検出器304は、SSIDに加えて、装置300がいつジオフェンス区域から出るかを判定するための1つ以上の閾値を保存しているとよい。別個のコンポーネントとして示されているが、限定的ではない実施形態のなかには、ジオフェンス検出器304を、例えばソフトウェア・モジュールとしてCPU310内に実装することのできるものもある。
【0059】
GPS受信機302は、例えば、緯度データと経度データを記憶装置308を介してジオフェンス検出器304に送信するようにしてもよいし、或いはその代替例として、CPU310を介して間接的に記憶装置308に送信するようにしてもよい。
【0060】
図3に例示されているように、装置300は更に記憶装置308を含んでいる。或る限定的ではない実施形態では、記憶装置308は、装置300により検知または受信された過去すなわち以前のデータを保存することができる。例えば、記憶装置308は過去の位置データを記憶することができる。これ以外の限定的ではない実施形態では、以前の検知データ、以前の受信データ、または、その両方を記憶する代わりに、装置300は、図1に示されたサーバー106などのようなサーバーにデータを送信することができる。次に、この検知データを利用することで健康指標を判定することができるが、この健康指標はサーバーに保存することができる。次いで、サーバー106は、自ら受信した最近のデータに基づいて自ら決定した健康指標を、以前に保存していたデータに基づく保存済みの健康指標と比較することができる。例えば、ペットの検知された動きデータは、ペットが行った引掻きまたは痒い素振りといったような健康指標を示しているとよい。この健康指標に基づいて健康査定を決定することができる。健康査定は、例えば、ペットが掻痒症に罹っていることを示唆することができる。或る限定的ではない実施形態では、装置308は、それ自体のコンピュータ性能またはハードウェアを利用することで、健康指標、それに対応する健康査定、または、その両方を決定することができる。
【0061】
上述のように、或る限定的ではない各実施形態は、1つ以上のセンサ208を使用して、ペットの身体の動きを検知することを含んでいるとよい。ペットの身体の動きは、例えば、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いをする、何であれこれら以外の、ペットが実施する行為に付随する動き、または、上記動きの各種組合せと関連付けることができる。ペットの身体の動きに基づいて健康指標を判定し、そこから健康査定を決定することができる。健康査定とは、例えば、ペットが掻痒症などのような皮膚病または疾患に罹っている、というような場合もある。次に、サーバー106または装置308を利用して、健康提言を行うことができる。健康提言には、例えば、1種類以上のペット製品についての提言や、ペットを獣医師のところへ連れて行く提言が挙げられる。或る限定的ではない実施形態では、皮膚疾患に罹っているペットは毎日、皮膚疾患に罹っていないペットの3倍程度引掻く目に遭う。ペットの引掻きは血統が違ったり季節によって異なったりすることがあり、引掻きのような健康指標を追跡することは、1種類以上の皮膚疾患などのような健康査定を決定するのに役立つ。
【0062】
中央処理装置(CPU)310は、記憶装置308へのアクセスを制御しながら、記憶装置308からデータを取得し、ネットワーク・インターフェイス312を介してネットワーク接続された装置にデータを送信することができる。CPU310は、ジオフェンス検出器304からジオフェンス区域から出るようにとの指令を受信することができるとともに、ネットワーク・インターフェイス312を利用して携帯装置と通信することができる。或る限定的ではない実施形態においては、CPU310はGPS受信機302から位置データを受信することができ、また、その位置データを記憶装置308に保存することができる。或る限定的ではない実施形態では、位置データを保存することにより、タイムスタンプをそのデータと関連付けることができる。限定的ではない実施形態のなかには、CPU310が所定の間隔に従ってGPS受信機302から位置データを取得することができるものもある。例えば、上記所定の間隔は3分に1度であるとよい。限定的ではない実施形態のなかには、この間隔が、推定歩行長さに基づいて、または、装置300の残りのバッテリ寿命に基づいて動的に変更させることができるものもある。CPU310は、ネットワーク・インターフェイス312を介して、位置データを遠隔装置または遠隔位置に送信することができる。
【0063】
図4は、或る限定的ではない実施形態による、ペットの健康査定を実行する方法またはその処理過程のフロー図を例示している。工程410は、データを入力することを含んでいるとよい。例えば、入力データには、以下に限らないが、名前、生年月日、血統などのようなペット識別子、装置起動率、維持率、連動などのような装置102のデータ、分単位の活動持続時間、舐める頻度、引掻き頻度、睡眠、食事、飲水などのようなペットの活動データ、健康データ、または、その両方などがある。入力データは、追跡装置102またはウェアラブル装置102の1つ以上のセンサ208から収集することができる。例えば、入力データは加速度計421から収集することができ、これには高周波データと低周波データの両方が含まれているとよい。高周波データは50Hz加速度計データとしてもよい。高周波データの具体的な使用事例としては、健康指標の計算が挙げられる。低周波データはエネルギー消費量を表すものとしてもよい。これは、装置102上の高周波データから算定することができる。低周波データの具体的な使用事例としては、活動タブなどのような携帯アプリ機能をほぼ実時間で計算することが挙げられる。或る限定的ではない実施形態では、入力データは上記以外のソースから収集することができる。例えば、健康状態データ422を入力することができる。健康状態データ422としては、例えば、ペットの1つ以上の健康記録、外来診療所記録、または、入院病院記録から抽出された電子医療記録が挙げられる。もう1つ別の例では、健康状態データ422は、飼育者が報告した健康事象であってもよい。例えば、健康事象は、前回の掻痒症発症である場合もある。
【0064】
或る限定的ではない実施形態では、1つ以上のセンサが、第1のペットが着用するか、または、第1のペットに取り付けられるウェアラブル装置に付随しているとよい。例えば、入力データは、首輪に搭載された追跡装置102から収集することができる。サーバー106は、ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出することができる。限定的ではない実施形態のなかには、装置102の配向が常に前向きであるわけではないものもある。例えば、装置は、首輪の最下点における従来の腹側(底部)位置から離れる方向に回転する可能性があり、事実そうなることが多い。限定的ではない実施形態のなかには、サーバー106がセンサ・データに1つ以上の変換を付与することで、望ましくない回転を修正することができるようにしたものもある。例えば、首輪に搭載された追跡装置102から収集されたデータが前向きの追跡装置120から収集されたデータと同じになるように回転を排除する目的で、変換技術を利用することができる。これらの変換には、重力が原因でおこる加速を利用することでペットの首周囲の装置の位置の判定支援する工程を含んでいるとよい。上記以外のセンサ類、例えば、ジャイロスコープまたは磁力計などをカルマン・フィルタなどのようなフィルタ技術と組み合わせて使用することが、装置の正確な位置を確保するのに役立つ。この位置が判定された後で変換行列または四元数を利用することで、センサからの測定値を数学的に変換してペットの首輪の底部の座標系を一貫したものにするとよい。限定的ではない実施形態のなかには、首輪に搭載された追跡装置が、複数の配向で首輪に取り付けられるようにすることができるものもある。サーバー106は、ウェアラブル装置の配向を判定することができる。この配向の説明をするべく、首輪上の装置の向きを決定する機械学習モデルを開発することができる。このモデルは、装置がペットの首輪上で既知の配向にあったときに収集されたデータを利用して養成することができ、また、首輪上の配向を予測するように養成することができる。或る限定的ではない実施形態では、この機械学習モデルは畳み込みニューラル・ネットワークとすることができ、時を越えて測定値の情報集約することで、その期間中の装置の単一配向を判定することができる。サーバー106は、ウェアラブル装置の配向に基づいてセンサ・データを更に処理するとよい。その結果、健康指標を判定してから健康査定を決めるなどといったような後続のタスクで、首輪の配向や位置に対して良好な感度 (不変性) を得ることができるようになる。
【0065】
限定的ではない実施形態のなかには、入力データのペット活動データが、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルに基づいて生成することができるものもある。活動には姿勢と振舞いの両方が含まれているとよい。姿勢はペットのおおよその位置とエネルギー消費レベルを反映し、振舞いは所与の瞬間におけるペットの主な振舞いすなわち活動を特徴付ける。例えば、姿勢には「伏せる」、「座る」、「立ち上がる」、「歩く」、「精力的に動く」、「いろいろやる」などがある。活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルを利用することで、ペットに付随している追跡装置102またはウェアラブル装置102のセンサ208から収集されたセンサ・データ(例えば、ペットの動き)に基づいて、多様なペットの姿勢、振舞い、その両方を分類することができる。限定的ではない実施形態のなかには、センサ208が首輪に搭載された3軸加速度計であるとよいものがあり、これにより、ウェアラブル装置102がペットの多様な身体の動きを検出することができるようになる。限定的ではない実施形態のなかには、センサ208がジャイロスコープであればよいものもある。多様な体の動きとしては、例えば、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いする、何であれこれら以外の、ペットが行う行為に付随している身体運動、または、これらの各種組合せが挙げられる。或る具体例では、センサ・データは、ペットが飛び跳ねたり、食べ物に興奮したり、貪欲に食べたり、壁に掛けられた水椀から飲んだり、室内を歩き回ったり、または、これらの各種組合せの行為をすることに関連するデータを含んでいるとよい。センサ・データには、医療処置の後、すなわち、去勢の診察または卵巣子宮摘出避妊術の診察などのような獣医師の診察の後のペットの活動に関連するデータが含まれていてもよい。活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルは、各種のフィード・フォワード・ネットワーク、ディープ・フォワード・フィードネットワーク、畳み込みディープ・ネットワーク、長・短期記憶ネットワーク、または、これらの各種組合せなどのような機械学習技術に基づいて生成することができる。限定的ではない実施形態のなかには、ディープ・ラーニング活動認識モデルが畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)成分を含んでいるとよいものもある。具体例によっては、ニューラル・ネットワークが入出力ペアごとに学習した重みを養成することができるようにしながら、各種のCNNは養成可能な固定長カーネルまたはフィルタをそれぞれの入力に沿って畳み込むことができるようにしたものもある。言い換えると、CNNでは、小さくて原始的な特徴 (低レベル) を認識してからそれらを複雑な方法 (高レベル) で組み合わせることを習得していける。
【0066】
或る具体的だが限定的ではない実施形態では、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルは、50Hz加速度計データ(毎秒50データ・ポイント)を取り込んでから、3Hz(毎秒3つの活動予測)を出力することができる。但し、そのような低い粒度で予測を保存して解析する価値が無い場合もある。代わりに、複数の予測を結合させて、1分毎、1時間毎、および、1日毎の集計にしてもよい。集計を容易にする確率集計の特別な機能の1つは、確率をそれぞれの時間単位に正規化していることである。例えば、1分毎に60を合計することで、1時間毎の確率集計と等しくすることができる。この場合、各集計は確率で重み付けされた時間集計であるため、集計された期間内で各活動が発生した時間量のモデル最良推定値を近似的に表していることになる。しかし、このことで確率はもはや0と1の間に制限されなくなり、代わりに、時間に依存した解釈となることを意味している。集計済みの確率に基づいて、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルは更にペットの姿勢や振舞いを分類することができる。表1は、実験データセットを分類した結果の具体例を示している。
【0067】
【表1】
【0068】
或る限定的ではない実施形態においては、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルは、睡眠中および首輪なしの検出中に使用できる1つ以上のアルゴリズムを含んでいる。或る限定的ではない実施形態では、入力データ410を色分け地図として構成することで、1日毎のパターンを示すことができるようになるが、これに基づいて発見的アルゴリズムを睡眠中および首輪なしの検出中に適用することができる。具体的な処理過程の例は次のとおりである。最初の工程では、高解像度(例えば、3Hz)データを集約して1分毎の集計にすることができる。高解像度データは、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルから得られた姿勢推定出力および振舞い推定出力から構成されているとよい。この工程は通常どおり実施されて、1日毎の集計表に保存できる。例えば、表の各行は深夜12時を起点に分単位で、また、各列は約15個の出力階級、すなわち、「伏せる」、「座る」、「立つ」、「歩く」、「精力的に動く」、「いろいろやる」、「食べる」、「飲む」、「物を舐める」、「自らの身体を舐める」、「戯れの接触をする」、「身体を擦り付ける」、「引掻く」、「身震いをする」、「臭いを嗅ぐ」から成り、各階級が9つのビンに分かれている(1ビン毎に[0,1]確率空間の10分の1を占めており、最低確率空間は無視される)。これらの集計内の全てのデータは潜在的に有効である可能性がある。
【0069】
第2工程では、週毎の局所集計エントリの更新を開始できる。計算したい週毎の集計の各々について、その集計の1週間の一次区間と二次区間とを算定することができるが、後者は両端点で前者より12時間長い。次に、二次区間全体の集計を取得する。表2は、1週間毎の局所集計エントリの具体的な更新例を示している。
【0070】
【表2】
【0071】
第3工程では、集計確率から進めることができる。集約データ・フレームを次のように整理することができる。1行毎の各振舞いでヒストグラムのビンの数を加算することによりし、各ビンの区間の中心点で重み付けされた準確率を取得することができる。その後、1つの振舞いにつきデータ・フレームにして1列分だけとなる。次に、データが無くなるといつでも、データ・フレームをゼロで埋めることができる (そのため、索引には二次区間が1分も欠かさず含まれている)。更に、ペットの全体的な活動レベルを測定する「活動指数」を算定することができる (活動指数は、多様な姿勢の加重和であり、この場合、活動的な姿勢ほど重みが大きくなる)。
【0072】
第4工程では、「無効」アルゴリズムが無効領域(例えば、追跡装置102が首輪から外れた位置にある)を見つけることができる。図5Aから図5Cは、或る限定的ではない実施形態による、「無効」アルゴリズムの具体的なグラフ例を示している。図5Aに示すように、各姿勢の時間比率を取得することで、ペットの目視できる活動・動作レベルに対応している活動指数を作成する。次に、図5Bに示すように、活動が無いときはいつでも信号が無効である確率を蓄積するとともに、活動を認識している間はその確率を除外するアルゴリズムを実行する。約3時間の完全な活動において確率=1に達するようにこのアルゴリズムを調整する。このアルゴリズムを左から右と右から左の双方向で実行する。2つの推定値 (左から右および右から左) を加算してから合計の上限を確率=1にすることにより、2つの推定値を結合させる。これにより、左側と右側に鋭い端縁が得られる。この信号を有効にする閾値をp=0.75に定め、何らかの形態学的操作を行うことで長さ が20分未満の短い間隙を取り除くとともに、データが無効である期間が60分未満である誤差を除去する。図5Cに示すように、これらの無効領域を見つけて、それらを記述するデータ・フレームを作成する。データ・フレームには、隠れて目立たない領域の双方向確率推定値である信頼度を含めることができる(例えば、「無効」アルゴリズムの場合、信頼度は1に極めて近づく傾向がある)。データ・フレーム内の理由を活動していないとして標識を付けることができる。或る限定的ではない実施形態では、装置102が充電中のせいで、または、可能性としてあるそれ以外の理由により、無効領域が存在することがある。
【0073】
図6Aから図6Cは、或る限定的ではない実施形態による、「睡眠」アルゴリズムを利用することで休憩領域を見つける具体的なグラフ例を示している。「睡眠」アルゴリズムは「無効」アルゴリズムと類似していることがあるが、次のような特別な配慮がある。まず第1に、「無効」領域には事実上、加速度計信号が皆無である。ただし、睡眠は小さな動きによって中断されることが多いため、アルゴリズムを慎重に調整する必要がある。第2に、ペットは1日を通して頻繁に休息する可能性があるため、長時間の睡眠事象は元より短時間の昼寝も取り込む必要がある。それゆえ、アルゴリズムはより積極的で、より短い時間尺度で作用する必要があります。第3に、アルゴリズムは、持続期間全体に亘り確率=1.0に寄りかかるだけではなく、睡眠の質をより適切に捕捉する必要がある。図6Aから図6Cが示しているように、まず、活動指数と、ペットが夜間睡眠している可能性を大まかにモデル化する日周偏向の両方を考慮する。次に、前述の「無効」信号を算定したのと同じやり方で「逆方向」信号を算定するが、調整は異なるやり方で実施する (そのため、3時間ではなく約1時間かけてスピンアップし、動きへの感度は鈍る)。「無効」アルゴリズムとは異なり、「睡眠」アルゴリズムは、動作の中断に対する感度に影響を与える「偏向」引数に対応することができる。偏向が大きい場合、小さな動きが原因で確率がそれほど下落することはなく、1.0に近いままに留まると推測される。偏向が小さい場合、感度が高くなるせいで、確率をより迅速に0に向けて低下させると思われる。この場合、日周偏向により、夜間にペットが少し動いたときに推定値が睡眠を予測し続ける可能性が高くなり、日中にペットが動いたときに目を覚ますと予測する可能性が高くなる。基本的にこれは、睡眠に関する本件出願人の知識を利用することで、アルゴリズムが合理的な結論に達するのに役立てている。これに代わる実施形態では、日周偏向を、当該ペットおよびその睡眠パターンに特有の確率推定値に置き換えるとよい。次に、同じ方法で「順方向」信号を算定するが、このときは、約2/3×(眠気逆信号)+1/3(日周偏向)である強力な「偏向」信号を利用するとよい。この強い偏向は、特に夜間、長時間の非活動状態の最中に動きが突発する限りにおいては眠気信号が動きに反応しないよう促す。最後に、2段階の処理過程によりこれら2種類の信号を結合させる。第1工程では、2種類の信号を一緒に加算することで、両側に急峻な端縁が生じるようにする。第2工程では、シフトされた「最小」フィルタを適用することで、「睡眠」領域が「活動」領域と交わらないようにする。この部分により、ペットが午前9時に目覚めた場合、睡眠信号が、例えば「眠気」の確率が調節される午前9時3分まで待つこと無く、午前9時丁度に終端できるのを確実に行えるようにすることができる。
【0074】
図7Aから図7Cは、朝の起床時間の約30分間の具体的なグラフ例を示している。「逆方向」睡眠確率が低い(スピンアップする時間がこれまで無かった) ことが分かる。しかし、「順方向」確率は正しく、すなわち、約1.0である。ただし、「順方向」確率は、ペットがはっきりと目覚めてから約10分ないし15分経過するまで延長される。結合された「眠気」確率 (最下位面) は両方の信号を考慮して、(a)ペットが 13時45分まで完全に眠っていることを認識し、(b)ペットが動き始めるやほぼ瞬時に反応する(それ以外の夜間の細かい動きには過剰反応しないが)ことができるようにしている。或る限定的ではない実施形態では、「睡眠」アルゴリズムに対してペット固有の調整を実現できるようにしている。
【0075】
或る限定的ではない実施形態では、「眠気」確率時系列を取得し、それを一連の「昼寝」事象に変えることができる。例えば、これを実施できるように、閾値をp=0.5に設定してから更に、間隙(<6分)を形態学的に除去したうえで、短すぎる(<20分の)昼寝を除去するという手段を取る。その結果は「昼寝」データ・フレームとなるとよい。データ・フレームには、現地時間のタイムスタンプや、昼寝ごとの「眠気」確率値の平均と標準偏差などを含んでいるとよい。次に、次のようなアルゴリズムを利用して夜間の睡眠を同定することができる。対象地域の日付ごとに、当日の午後7時から翌日の午後12時までの全ての昼寝事象を取得するとよい。ここで、対象地域の日付ごとに、連続する昼寝事象のあらゆる可能な組合せを作成することができる。例えば、7時から8時まで、9時から10時まで、更に、11時から12時までに昼寝事象があった場合、7時から10時まで、7時から12時まで、更に、9時から12時までの合成昼寝事象を作成することができる。ここで、対象地域の日付ごとに、1回の昼寝の全件と合成昼寝に点数を付けることで、それが夜間の睡眠にどの程度似ているかを確認することができるようになる。利用できる幾つかのガイドラインを挙げると、睡眠は現地時間の午後7時から午前2時までの間、できれば午後10時頃に開始する必要があること、睡眠は現地時間の午前4時から翌日の正午までの間、できれば午前7時頃に終了する必要があること、睡眠は5時間から11時間、できれば8時間ほど継続する必要があること、などがある。次に、対象地域の日付ごとに、夜間の睡眠事象として最も可能性の高いものを選択し、それが本件で設定した最小しきい値を超えている場合は、その日付の睡眠事象として標識を付け、当該事象の作成に使用した昼寝を(それが合成昼寝であった場合は)全て削除する。
【0076】
その後、作成された全ての事象 (睡眠、昼寝、無効など) をデータベースに保存するとよい。ただし、どの事象であれ、また特に「睡眠」は、或る集計期間から次の集計期間内にまで続く可能性があるせいで、重複領域に対処する課題が残る。或る限定的ではない実施形態では、この課題には次のように対処することができる。本件で設定した一次区間の日付に対応している「睡眠」事象ごとに、それをデータベースに追加し、それと交わる全ての「睡眠」事象および「昼寝」事象 (データベース内のものを含む) を削除するとよい。「昼寝」事象ごとに、それが一次区間で始まっている場合は、それをデータベースに追加し、それと交わっている全ての「昼寝」事象を削除するとよい。「昼寝」事象の各々が二次区間で始まっている場合は、それが他の「昼寝」事象または「睡眠」事象と交わっていない場合にのみデータベースに追加することができる。各「無効」事象については、本件で設定した一次区間まで(必要に応じて)切り揃えてから、データベースに追加するとよい。
【0077】
或る限定的ではない実施形態では、入力データの上記以外のソースは、図4の参照番号423のブロックに示すように、統計上の属性データ、所在地データ、および、遺伝子データのうちの1つまたは複数を含んでいるとよい。所在地は、例えば、GPS受信機302を使用して検出することができる。犬の統計上の属性情報は、例えば、年齢、犬種血統、動物種、および、性別のうち1つまたは複数を含んでいるとよい。実施形態によっては、犬の統計上の属性情報が、何であれ上記以外のペットの情報を含んでいる場合がある。遺伝子データは、例えば、ペットの1つ以上の遺伝子マーカー、動物種、1つ以上の犬種血統、または、これらの各種組合せを含んでいるとよい。これ以外の実施形態のなかには、入力データが、外部データベースまたはサーバー424から収集することができるものもある。例えば、外部データベースまたはサーバーから収集された入力データとしては、現地の天候、何であれそれ以外の、ペットの健康査定に使える花粉計数や平均湿度などのような環境データ、または、その両方が挙げられる。限定的ではない実施形態のなかには、第1のペットの健康査定の生成が、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうちの1つ以上に更に基づいている場合もある。
【0078】
図4を参照し直すと、入力データ410は前処理430に付すことができる。或る限定的ではない実施形態では、前処理430は、追跡装置102またはウェアラブル装置102の1つ以上のセンサ208から収集したデータに基づいて、ペットの行為、ペットの振舞い、ペットの身体の動き、または、これらの各種組合せの予測を集計し、時間で束縛し、または、その両方を実施することを含んでいるとよい。例えば、前処理には、標識を付された事象までの1秒だけ、1分だけ、1時間だけ、1日だけ、1月だけ、1年だけ、または、これらの各種組合せの期間だけ、引掻く、痒い素振りをする、身体を舐める、または、これらの各種組合せの行為の集計が含まれているとよい。限定的ではない実施形態のなかには、入力データに、個体数(個体群数)、事象(単数または複数)、時間(1種または複数種の時間単位)、または、これらの各種組合せのうち1つ以上に応じて標識が付すことができるものもある。例えば、個体数は追跡装置102を着用しているペットである場合がある。時間は、例えば、ペットが獣医師の診察を受ける日付、時間、または、その両方の場合もあれば、ペット飼育者またはそれ以外のユーザがデータを入力した日付、時間、または、その両方の場合もある。同様に、事象は、獣医師の診察を受けることであるかもしれないし、或いは、ペット飼育者またはそれ以外ユーザがデータを入力することである場合もある。
【0079】
或る限定的ではない実施形態では、予測モデル440を利用することで、前処理済みのデータ430を処理するようにしてもよい。予測モデル440は、ペットの健康指標、ペットの健康査定、または、その両方を決定するために使用することができる。実施形態によっては、健康指標が、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いするなどの行為の計量を含んでいる場合もある。このような計量は、例えば、ペットが歩いた距離、眠った時間、痒い素振りをした量、または、それらの各種組合せであってもよい。限定的ではない実施形態のなかには、健康指標ごとに、その指標の計量に基づいて各種の範疇を生成することができるものもある。例えば、引掻くという行為の範疇としては、滅多にない、時々、前より頻繁、深刻なほど頻繁、などが挙げられる。限定的ではない実施形態のなかには、予測モデル440が、以下の前処理済みのデータのうちの1つ以上に基づいているとよいものもある。すなわち、予想基準値と比較した、事象当日の引掻き行為の秒数、予想基準値と比較した、事象当日の自らの身体を舐める行為の秒数、現地環境の平均花粉計数(例えば、3日通しで)、現地環境の平均湿度(例えば、3日通しで)、現地の最高気温、現地の最低気温、ペットの年齢、品種血統の表示、皮膚疾患関連の遺伝子マーカーの有無、ペットの品種血統、ペットの動物種(例えば、猫や犬など)などである。
【0080】
図8Aおよび図8Bは、或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスが多様な健康指標を表示している具体例を例示している。図8Aに示されている健康指標としては、引掻く820、身体を舐める830、および、眠る840がある。ユーザ・インターフェイス810は、直近7日間の平均に基づいて、このペットの範疇・引掻くが前より頻繁になったが、範疇・身体を舐めるが滅多になかったことを示している。ユーザ・インターフェイス810は、月曜の夜は範疇・眠るが安眠であったことも示している。或る限定的ではない実施形態では、範疇・眠る(例えば、安眠、少し途切れた、途切れがち)は、睡眠点数から決定されるとよい。或る限定的ではない実施形態では、睡眠点数は、睡眠の質を簡単にまとめるためのヒューリスティックな消費者対応数値であるとよい。睡眠点数は個体数全体の睡眠データを使用して策定することができるが、ペットの健康との厳密に定量的な結び付きが全く無い場合がある。例えば、犬の睡眠点数を算定する目的で6つの異なる変数を追跡してみるとよい。睡眠の持続時間、夜間の睡眠途絶回数、睡眠途した合計時間、そして、前週に対するこれら3つの変数の個々の変化、である。ユーザが、装置表示画面上の健康指標・眠る840を軽く叩くと、図8Bに例示されているように、ユーザは、より詳しい事柄を示したユーザ・インターフェイス850に誘導される。例えば、ユーザ・インターフェイス850は、ペットが火曜の夜は全く睡眠途絶せずに9.9時間眠ったことを示している。ユーザ・インターフェイス850は、一週間全体の睡眠期間も示す。
【0081】
或る限定的ではない実施形態では、予測モデル440は更に、健康指標に基づいてペットの健康査定を決定することができる。健康査定は、例えば、健康指標によって決定され、提案され、または、その両方を行われた1つ以上の疾患、1つ以上の健康状態、または、それらの各種組合せの指標を含んでいるとよい。健康状態としては、例えば、以下のもののうち1つ以上を含んでいる場合がある。すなわち、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症、または、これらの各種組合せである。これ以外の限定的ではない実施形態では、健康査定の結果は、獣医師またはペットの介護人などのような第三者により提供される。例えば、健康査定では、ペットが体重超過であることや、ペットが病気を患っている可能性があることを特定することができる。或る限定的ではない実施形態では、健康指標は1つ以上の予め保存されていた複数の健康指標と比較することができるが、これらは以前に受信したデータに基づいているとよい。健康指標を保存されていた健康指標と比較することにより閾値差が検出された場合は、健康査定はそのような検出を反映しているとよい。例えば、予測モデル440は、ペットが所与の閾値分だけ睡眠が減り、所与の閾値分だけ痒い素振りが増し、または、所与の閾値分だけ食べなくなったと判定することになるかもしれない。これら所与の閾値または予め設定されていた閾値に基づいて、健康査定を実施することができる。健康指標および健康査定を決定することに関するこれ以上の情報は、2020年6月26日出願のPCT特許出願第PCT/US2020/039909号に記載されており、斯かる出願はここに引例に挙げることにより本件の一部を構成しているものとする。
【0082】
或る限定的ではない実施形態では、ペットの健康査定を決めるために、予測モデル440を利用して多様な健康点数を出力することができる。例えば、健康点数はペットのエネルギー消費量を反映しているようにしてもよく、これは、第1のペットが活動を行っている時間量(例えば、分単位)、第1のペットが活動を行っている強度得点、第1のペットが活動を行っている時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決定された目標時間と比較した割合(%)、第1のペットが活動を行っている強度得点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決定された目標強度得点と比較した割合(%)などのうちの1つ以上に基づいて算定することができる。図9は、或る限定的ではない実施形態による、各種活動に基づいて健康点数を算定する方法またはその処理過程の各工程を例示している。図9のx軸は或る健康事象にまつわる日数を示している。例えば、ゼロ日目が、ペットが病気と診断された際の獣医師の診察日という意味だとすれば、-20日目は従って獣医師の3週間前ということになる。工程1で、予測モデル440は、例えば入力されたデータに基づいて、実際の毎日の、ペットが活動している生の時間数(分)を判定することができる。日々ペットが活動していることについての基準値は、活動に影響を及ぼすと分かっている各種要因によって区分けされた、同類のペットたち (例えば、同じような品種血統、同年齢、同じ体重など) の毎日の活動の観察と解析に基づいて事前に判定することができる。予測モデル440は、例えば入力されたデータに基づいて、実際の毎日の生の強度得点を決定することもできる。強度得点の基準値も予め決めることができる。予測モデル440は更に、毎日の活動達成の割合を判定することができるが、その際、100%到達目標も、過去90日の範囲におけるペットの毎日の活動の観察と解析に基づいて予め決めることができる。活動到達目標はペットが1日あたりに活動するべき推奨時間数(分)であるとよいが、これはペットに関する知識に基づいて決定される。100%達成とは、ペットが設定された時間数(分)に到達したことを意味する。工程2で、予測モデル440は、工程1で説明した毎日の実際の値と基準値との比較に基づいて、成分ごとに点数を付けることができるが、すなわち、時間数(分)活動点数、強度点数、および、達成率(%)点数を付ける。工程3では、予測モデル440は更に、これらの成分を組み合わせることで1つの「活動」点数を生成することができる。活動点数は、各種の活動計量(例えば、生の時間数(分)の活動、生の強度得点、および、生の活動達成率(%))のみを考慮した成分点数であるとよい。或る限定的ではない実施形態では、活動点数は健康点数の1成分として利用することができる。
【0083】
或る限定的ではない実施形態では、健康点数は、健康指標の多様な計量の尺度を変更して0から100の範囲にすることによって算定することができる。例えば、計量は、ペットが引掻いたり自らの身体を舐めたりした時間(例えば、秒単位で測定)とすることができる。引掻くという行為に関して、健康点数を生成するための具体的な尺度変更例は、7日間の移動平均に基づいて次のように決定することができる。0秒ないし52秒は90点ないし100点に尺度変更し、滅多に引掻くことがないことを示すとよい。52秒ないし119秒は80点ないし90点に尺度変更し、時々引掻くことがあることを示すとよい。119秒ないし299秒は60点ないし80点に尺度変換し、前より頻繁に引掻くようになったことを示すとよい。300秒ないし600秒は0点ないし60点に尺度変更し、深刻なほど頻繁に引掻いていることを示すとよい。600秒超えは0点に尺度変更するとよい。引掻く行為の健康点数を生成するもう1つ別の具体的な尺度変更例では、0秒ないし75秒が「滅多にない」、75秒ないし170秒が「時々する」、170秒ないし360秒が「前より頻繁」、360秒超えは「深刻なほど頻繁」とするとよい。自らの身体を舐める行為に関して、健康点数を生成するための具体的な尺度変更例は次のとおりである。0秒ないし420秒は90点ないし100点に尺度変更し、滅多に舐めることがないことを示すとよい。420秒ないし1140秒は80点ないし90点に尺度変更し、時々舐めることがあることを示すとよい。1140秒ないし2580秒は60点ないし80点に尺度変換し、前より頻繁に舐めるようになったことを示すとよい。2580秒ないし6160秒は0点ないし60点に尺度変更し、深刻なほど頻繁に舐めていることを示すとよい。6160秒超えは0点に尺度変更するとよい。舐める行為の健康点数を生成するもう1つ別の具体的な尺度変更例では、0分ないし15分が「滅多にない」、15分ないし26分が「時々する」、26分ないし45分が「前より頻繁」、45分超えは「深刻なほど頻繁」とするとよい。サーバー106は更に、これら尺度変更後の計量に基づいて、1つ以上の健康点数を生成することができる。
【0084】
或る限定的ではない実施形態では、1つ以上の健康指標それぞれに1つ以上の重みを付随させるようにしてもよい。重みは、それと対応している健康指標の重要性を示すことができる。予測モデル440は、上記に加えて、1つ以上の健康指標の1つ以上の計量を結合させて1つの健康点数にすることができるが、その際に重みと移動平均を利用する。例えば、引掻く行為の重みは0.25で、移動平均は7日分であるとよい。舐める行為の重みは0.15で、移動平均は7日分である。眠る行為の重みは0.2で、移動平均は7日分である。活発な動きの重みは0.4で、移動平均は3日分である。ここで重みと 3 日間のローリング平均を含めることができます。ここで、「活発な動き」とは、主に歩く、走るなどの活動によるペットの一般的なエネルギー消費を示すことに留意すべきである。既に図9で説明したように、活動計量は、生の時間数(分)の活動、生の強度得点、および、生の活動達成率(%)から成る。これら4つの計量、すなわち、引掻く、身体を舐める、眠る、活発に動くという各行為を、幾何平均を使用して組み合わせることで、1つの健康点数を生成することができる。図10Aおよび図10Bは、体調が優れないため獣医師の診察に訪れた犬について、組合せ計量の一例を示している。図10Aは、2019年3月以前から2019年8月以降までの、引掻く、身体を舐める、眠る、および、活発に動くという各行為に関連する健康点数を例示している。犬は5月に倦怠感との診断を受けた。図10Bは、組合せの健康点数を例示している。見てのとおり、組合せの健康点数は倦怠感と診断された時点の辺りで最も低くなっている。
【0085】
図11は、或る限定的ではない実施形態に従ってユーザ・インターフェイス1110が健康知見を表示している一例を示している。ユーザ・インターフェイス1110は、ペットの健康点数1120が100であり、これは以前に判定された健康点数より47点上昇したことを示している。ユーザ・インターフェイス1110はまた、直近7日間の平均に基づいて、範疇・引掻く1130が滅多にないこと、また、範疇・自らの身体を舐める1140が時々あることも示している。
【0086】
図12Aおよび図12Bは、或る限定的ではない実施形態によるホーム画面1210の一例を示している。図12Aでは、ホーム画面1210がペットの健康点数1220、活発な動き1230、所在地1240、および、健康指標1250を表示している。ユーザが健康点数1220の部分を軽く叩くと、ユーザは健康点数1220と過去数日間の健康スコア1260に関する更なる詳細を見ることができるが、これらは図12に示されている。例えば、ユーザは、範疇・健康点数1220(例えば、「順調」など)と過去1週間の日毎の健康点数1260を見ることができる。多様な範疇の健康点数の説明1270もユーザ・インターフェイスの最下部に表示されている。
【0087】
或る限定的ではない実施形態では、健康スコアはペットの医療記録と対照して調整することができる。例えば、活発な動きの点数は病気の犬の医療記録に照らして調整されるとよい。実施形態によっては、医療記録に照らして調整する目的で、ペットたちを、無気力、倦怠感、または、飼育者の報告した低活動性を書き留めた医療記録と一緒に利用して、病状の周辺で予想される低活動性のパターンがどのようなものであったかを、日々の活発な動きに正常な揺らぎはあっても健康であったペットたちと対比してどう見えるかを基準に評価することができる。もう1つ別の具体例として、引掻き予測と身体を舐める予測を、既知の掻痒性皮膚炎の諸症状を有する犬に照らして調整し、業界標準の掻痒症視覚的アナログ尺度(PVAS)に照らして検証し、報告し、または、その両方を実施することができる。一実施形態では、引掻き回数と身体を舐める回数について、既知の皮膚疾患に罹ったペットたちおよび既知の健康な皮膚を有するペット達を対象に比較してもよい。これにより、「滅多にない」、「時々ある」、「前より頻繁になった」、および、「深刻なほど頻繁」というバケツ方式にグループ化した点数を生じることができる。滅多にないと評価されているのなら、そのペットたちは掻痒性の皮膚疾患を患ってる可能性は低いかもしれない。時々あると評価されているのならば、そのペットたちは異常なしであるか、進行中かまたは軽度の掻痒皮膚状態にある可能性があるかもしれない。獣医師が評価した折に前より頻度が高くなったレベルまたは深刻なほど頻繁なレベルであったペットらは、一般的に掻痒性皮膚疾患に罹っていることが明らかであるかもしれない。健康点数は、皮膚疾患、関節炎、消化管系疾患、耳感染症、心臓発作、歯牙破、十字靱帯断裂、膵臓病発症、倦怠感などのような広範な病状にわたって比較して調整することができる。これらのペットは、それぞれの医療記録を見ればそこに上述のように元気のなさや無気力状態が記されているし、或いは、診察を受ければ上述のように診断されることが予想される。上記調整を行えば、ペットは、非特異的に「気分が優れないので」元気がないというバケツ方式ではなく、実際の病状に踏み込んで更に診断を受けられる。
【0088】
或る限定的ではない実施形態では、第1のペットの1つ以上の活動を検出すること、または、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定することは、1種類以上の機械学習モデル、例えば活動認識モデルおよび予測モデル440に基づいている。1種類以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成することができる。限定的ではない実施形態のなかには、予測モデル440を養成することで、健康指標、健康査定、または、その両方を判定することができるようにしたものもある。予測とは、例えば、所与の時点に、所与の期間に、または、所与の期間の所与の時点に、または、そのような時点や期間に亘り、ペットの疾患の確率を表すまたはそれを象徴した0と1の間の相対点数を与えるといったような、柔軟な分類のことであればよい。予測モデル440を養成する目的で、例えば、サーバーは、複数のウェアラブル装置102からのデータを集計することができる。複数のウェアラブル装置102からのデータの集計は、クラウド・ソーシング・データと呼ばれることがある。1匹以上のペットから収集されたデータは、データ内に存在する1つ以上の傾向または関係を学習するために集計され、分類され、または、その両方を実施される。学習した傾向または関係をサーバーが利用することで、受信したデータから健康指標を判定し、予測し、推定し、または、その各種組合せを実施することができる。健康指標はペットがやって見せるあらゆる振舞いを判定するために使用することができるが、振舞いはペットのウェルネスと健康に潜在に影響を及ぼす可能性があるからである。機械学習を利用することで、健康指標とペットの健康やウェルネスに対する潜在的な影響との間の関係をモデル化することもできる。例えば、ペットが皮膚疾患などのような病気または一連の病気に罹患している可能性は、健康指標に基づいて予測することができる。予測モデル440は自動化することも、半自動化することも、または、その両方を施すこともできる。半自動モデルでは、予測モデル440は、自動化プロセスに介入して機械学習プロセス中に処理されるデータの1つ以上の傾向またはモデルを特定または検証するのを手助けする人間のプログラマによって支援される。
【0089】
上述したように、予測モデル440は、データの力を利用することによって養成することができる。予測モデル440を養成する目的で数十億という時間(分)のデータを収集することにより、毎日24時間・週休無しでペットに何が起こっているかを理解するための基盤を構築できます。従って、予測モデル440により、ペットたちのそれぞれの家庭環境における振舞いを客観的に理解することができるようになる。日常の振舞いをより良く理解することで、病気の潜在的な兆候をこれまでよりも早く特定し、早期の治療介入を促進することができるようになる。大量のデータにより、異常な状況における予測モデル440の精度を向上させることができるようになる。予測モデル440がより多くを経験させられるほど、より良いものになる可能性がある。本明細書に開示されている各実施形態は、ペット飼育者にとっての世話の負担を軽減することによりペット飼育者により早期認識を与え、ペットの二次感染を防止し、専門家が抗菌薬の使用を減らすとともに薬剤耐性菌を減らすのを手助けできる。図13のx軸は、獣医師の診察 (ゼロ日目に起きている) の前後の日数を示している。換言すると、点線1310は獣医師の診察の当日を示している。「引掻き上位者1320」の場合、線1330は皮膚疾患に罹っているグループの平均引掻き計量であり、線1340は対照グループに対応している。「身体舐め上位者1350」の場合、線1360は皮膚疾患に罹っているグループの平均身体舐め計量であり、線1370は対照グループに対応している。解析の結果、本件で設定した引掻き閾値と身体舐め閾値の両方により、約30%のペットたちが獣医師のところで受診するより早くも90日前に問題を特定できることが分かっている。
【0090】
或る限定的ではない実施形態では、予測モデル440は、ペットの健康指標、健康査定、または、その両方を予測または判定する目的で、多様な機械学習技術を利用して養成することができる。例えば、適切な時系列を取得するとよいのであるが、これは受信したデータをフレーム化するために利用することができる。次に、手動で作成された統計上の特徴ベクトル、スペクトル特徴ベクトル、または、その両方を、1つ以上の有限時間帯に亘って算定するとよい。特徴とは、ウェアラブル装置または何であれそれ以外の入力データソースを介して観察される、個別の測定可能な特性または特徴のことである。特徴ベクトルは、1つ以上の特徴を1セット含んでいるとよい。「手作り」とは、予め定められたアルゴリズムを手動で使用して導出されたそれら特徴ベクトルを指している。k近傍法(KNN)、ナイーブベイズ(NB)、決定木またはランダム・フォレスト、ブースト・ツリー、サポート・ベクター・マシン(SVM)、または、何であれそれら以外の周知の各種アルゴリズムなどのような学習アルゴリズムを更に利用することで予測モデル440を養成し、予測モデル440が計算結果の特徴ベクトルを健康指標予測または健康査定予測にマッピングすることができるよう図っている。予測モデル440は、新しい時系列データまたはホールドアウト法で検証済みの時系列データに基づいて評価することができる。
【0091】
或る限定的ではない実施形態では、1つ以上の学習アルゴリズムを使用または統合することで、予測結果を改善することができる。例えば、アンサンブル学習ベースの方法は、予測モデル440を養成するときに、1つ以上の学習アルゴリズムを統合するのに使用することができる。一例として、但しこれに限らず、変換ベースの集合体の総体(COTE)と変換ベースの集合体の総体の階層的投票バリアント型(HIVE‐COTE)とがアンサンブル学習ベースの方法の具体例である。
【0092】
KNN、NB、または、SVMなどのような前述の各アルゴリズムまたは各技術を使用するよりはむしろ、上記以外の実施形態によっては、1つ以上の深層学習モデルやニューラル・ネットワーク・モデルを利用することができるものもある。深層学習モデルやニューラル・ネットワーク・モデルは、手作りの特徴ベクトルに依存しない。その代わりに、深層学習モデルやニューラル・ネットワーク・モデルは、学習手順から得られた学習結果の特徴ベクトルを使用する。或る限定的ではない実施形態では、ニューラル・ネットワークは、多数の粗野な基礎的要素で構成されている計算グラフを含んでいるとよいが、各要素がその入力の加重合計を実行して、非線形性を導入している。限定的ではない実施形態のなかには、深層学習予測モデル440が畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)成分を含んでいるとよいものもある。具体例によっては、ニューラル・ネットワークが入出力ペアごとに学習結果の重みを養成することができるものもあるが、CNNは学習可能な固定長のカーネルまたはフィルタをそれぞれの入力に沿って畳み込むことができる。言い換えれば、CNNは、小さくて粗野な特徴 (低レベル) を認識してから、それらを複雑なやり方 (高レベル) で組み合わせることを学習することができる。
【0093】
或る限定的ではない実施形態では、プーリング、パディング、ストライディング、または、これらの各種組合せを使用することで、畳み込みが実行される次元でのCNNの出力のサイズを縮小することができるが、それにより、計算コストを低減し、学習過多となる恐れを少なくしている。ストライディングは、フィルタ・ウィンドウがスライドする際のサイズまたは工程数のことを表しており、パディングは、データの一部の領域にゼロを充当することでストライディングの前後にデータを一時保存する工程を含んでいる。例えば、プーリングは、畳み込み層または何であれそれ以外の層により収集された情報を単純化する工程と、層内に含まれている情報の圧縮版を作成する工程を含んでいる。限定的ではない実施形態のなかには、一次元(1D)CNNを使用することで、スライドするウィンドウで生成された固定長の時系列区分を処理することができるようにしたものもある。このような1次元CNNは、プーリングとストライディングを活用することで最終CNN層の出力を連結するようにした、多対1構成で実行することができる。次に、完全に接続された層を使用することで、1段階以上の時間手順で階級予測を生成することができる。
【0094】
入力信号に沿って固定長のカーネルを畳み込む1次元CNNとは対照的に、再帰型ニューラル・ネットワーク(RNN)は各時間手順を順番に処理するため、RNN層の最終出力は先行するすべての時間手順の関数になる。或る限定的ではない実施形態では、長短期記憶(LSTM)モデルとして周知のRNNバリアント型を使用することができる。LSTMはメモリ・セル、1つ以上の制御ゲート、または、その両方を構成要素の一部に含んでいることで、時間依存性を長いシーケンスでモデル化することができる。例えば、LSTMモデルは単方向であってもよいが、これは、当該モデルが各時系列を処理する際の順番が、それら時系列を記録または受信した順で実施することを意味している。もう1つ別の例では、入力シーケンス全体が利用可能な場合は、2つの並列LSTMモデルを評価するのに互いに反対方向で実施し、すなわち、時間的に順方向と逆方向の両方で評価することができる。2つの並列LSTMモデルの結果を連結して、時間依存関係を順逆両方にモデル化することができる双方向LSTM(bi‐LSTMすなわちバイ・エル・エス・ティー・エム)を形成することができる。
【0095】
限定的ではない実施形態のなかには、1つ以上のCNNモデルと1つ以上のLSTMモデルとを組み合わせることができるものもある。この組合せモデルは、ストライドされていない4つのCNN層の積載体を含んでいるとよいが、その後には2つのLSTM層とソフトマックス分類層を追従させることができる。ソフトマックス分類層は、入力の指数関数に比例する多数の確率を含む確率分布を正規化することができる。例えば、CNNへの入力信号はパディングされないため、各層がストライドされていない場合ですら、CNN層の各々が時系列を数サンプル分だけ短縮する。LSTM層は単方向であるため、最終的なLSTM出力に対応しているソフトマックス分類層を学習と評価で利用できるのは元より、スライドするウィンドウ区分からの出力時系列を再構築するのにも利用することができる。ただし、この組合せモデルは多対1構成で運用するとよい。
【0096】
限定的ではない実施形態のなかには、上記1つ以上のモデルを使用して、複数の独立した出力を同時に算定することができるものもある。例えば、同じネットワークを利用することで、迅速に変化する振舞いとゆっくりと変化する姿勢の両方を同時に予測することができる。複数の出力の損失関数はまとめて単純に加算することができ、ネットワークは両方で同時に養成することができる。これにより、2組の標識相互の間で或る程度の自動転移学習が行えるようになる。或る限定的ではない実施形態では、転移学習により、第1のタイプの装置200に基づいて養成された予測モデル440を、フォーム・ファクタが第1のタイプの装置200とは異なっている第2のタイプの装置200(例えば、新しい装置)に転送することができるようになる。その結果、健康点数を、マルチモデルかつマルチデバイスの基本設計概念に基づいて生成することができる。
【0097】
或る限定的ではない実施形態では、時系列の加速度計読取り値などのようなデータを予測健康指標にマッピングするために使用される予測モデル440は、小さな時間窓の振舞いを予測するウィンドウ法を使用することができる。このような実施形態は、1ウィンドウにつき1つの予測を生成することができる。他方で、これ以外の限定的ではない実施形態では、小さな時間窓およびそこに含まれるデータを使用するのではなくむしろ、予測モデル440は集計結果の量のデータで実行可能となる。ウェアラブル装置102から受信したデータは、予測モデル440に送ることができるようになる前に集計することができ、それにより、多数のデータ・ポイントの分析を行える。例えば、データの集計は、3Hzの周波数窓で最初に受信したデータ・ポイントを、時間を分に、日を時間に、週を日に、年を月に、または、何であれそれ以外の、当該処理を容易にすることができて機械学習ツールのモデル化に役立つ周期性に分割することができる。データが複数回集約される場合には、データ集計に階層が確立されることがある。階層は、集計結果のデータが置かれるデータ・ビンの周期性に基づいているとよいが、その場合、データが再集計されるたび毎に、データを置くことのできるビンの個数が減少してゆく。
【0098】
例えば、720個のデータ・ポイントは、限定的ではない実施形態によっては小さな時間窓を使用して個別に処理されることになる場合もあるが、集計されることで10個のデータ・ポイントまで減ったところで、予測モデル440による処理に付すことができる。更なる具体例では、集約されたデータを再集計してビンの個数を少なくすることで、予測モデル440により処理されるべきデータ・ポイントの数を更に減らすのに役立つ。集計された量のデータで実行できるようにすることで、多数のマッチング、予測、または、その両方を生成するのに役立つ。これ以外の限定的ではない実施形態は、より効率的な方法で傾向を学習してモデル化するせいで、処理に必要な時間量を短縮し、精度を向上させることもできる。先に説明した集計階層は、ストレージ量の削減にも役立つ。生データや集計階層の下位のデータを格納するのではなくむしろ、或る限定的ではない実施形態は、データを高い集計階層フォーマットで格納することができる。
【0099】
上記以外の実施形態のなかには、予測モデル440の後にニューラル・ネットワークを利用して集計を行えるようにしたものもあり、その場合、データは予測モデル440によって処理される前に再標本化され、フィルタ処理され、変換され、または、その各種組合せを実施されるだけである。フィルタ処理は、ブラウンノイズやホワイトノイズなどのような干渉を除去する工程を含んでいるとよい。再標本化は、データ伸張工程やデータ圧縮工程を含んでいる場合があり、変換は受信データの軸を反転させる工程を含む場合がある。このような変換では、左右の対称性や多様な首輪位置などのように、データ信号の自然な対称性を利用することもできる。限定的ではない実施形態のなかには、データ拡大が、ブラウンノイズ、ピンクノイズ、または、ホワイトノイズなどのようなノイズを信号に添加する工程を含んでいるとよいものもある。
【0100】
或る限定的ではない実施形態を利用することで、例えば最終活性化関数をソフトマックスからシグモイドまたは線形に変更する、損失関数をクロス・エントロピーからバイナリクロス・エントロピーまたは平均平方誤差に変更する、または、その両方の変更を実施するなどといったように出力タイプを変更することにより、マルチラベル分類問題および回帰問題を判定することができる。具体例によっては、同一モデル内の独立した出力を結合させることができるものもある。更に、或る限定的ではない実施形態では、それ以外の1つ以上の層を追加するようにしてもよい。上記以外の或る実施形態は、スキップ接続の利用により、或いは、ヘテロ・インセプション(非同次開始)のような基本設計概念までも利用することによって層モジュールを改善するのに役立てられる。更に、限定的ではない実施形態のなかには、例えばCNNのみを使用することによって、または、双方向LSTMを一方向LSTMに置き換えることによって、実時間アプリケーションまたはストリーミング・アプリケーションに拡張することができる。
【0101】
再度、図4を参照し直すと、アプリケーション450を利用することで、予測モデル440に基づく健康査定の結果をペット飼育者に示すことができる。アプリケーション450は、例えば、モバイル・アプリケーションであるとよい。モバイル・アプリケーションは、携帯装置104上で動作することができる。携帯装置104は、例えば、1つ以上の演算処理装置、1つ以上の記憶装置、グラフィカル・ユーザ・インターフェイス、または、これらの各種組合せを構成部材の一部に含んでいるとよい。限定的ではない実施形態のなかには、健康査定を、携帯装置104のグラフィカル・ユーザ・インターフェイス上に通知または告知として表示することができるものもある。例えば、健康査定の通知または告知は、ショート・メッセージ・サービス(SMS)の文字伝言、電子メール、モバイル・ アプリケーションからの告知、モバイル・アプリケーション内での告知などの形態をとることができるが、このようなモバイル・アプリケーション1つ以上の現在の告知状況、過去の告知状況、または、その両方の告知状況を示し、健康査定はペット飼育者または第三者が使用する別個のオンライン・ポータル上の告知の形態、或いは、上記の各形態の各種組合せであってもよい。このような通知または告知は健康追跡ダッシュボードとして挿絵入りにすることができる。限定的ではない実施形態のなかには、ペットの振舞いにより範疇が変わってしまったときに通知を生成することができるようにしたものもある。より具体的には、自らの身体を引掻く、舐める、などといったような多様な健康指標の日々の値の7日間の移動平均に基づいて通知を生成することができる。ペットが所定の閾値を超えたときはいつでも、言い換えれば、範疇を変えてしまったときはいつでも、通知を生成することができる。例えば、犬が自らの身体を舐めることが滅多にない状態から、時々やる、前より頻繁にやるようになる、または、深刻なほど頻繁にやる状態に変化した場合、もしくは、自らの身体を舐めることが時々しかない状態から、前より頻繁にやるようになる、または、深刻なほど頻繁にやる状態に変化した場合に、通知を生成することができる。もう1つ別の例として、犬が自らの身体を引掻くことが滅多にない状態から、時々やる、前より頻繁にやるようになる、または、深刻なほど頻繁にやる状態に変化した場合、もしくは、自らの身体を引掻くことが時々しかない状態から、前より頻繁にやるようになる、または、深刻なほど頻繁にやる状態に変化した場合に、通知を生成することができる。
【0102】
通知の影響を解析する目的で、本明細書に開示されている各実施形態は、6,617頭の犬の皮膚炎に関する研究を提示している。研究に関与した犬が諸活動を行ったのは、通知前の10か月間と通知後の10か月間であった。両方の期間で、通常の用途を反映して、諸活動が散発的な場合がある。皮膚炎の転帰に影響することになった通知期間前の予約に基づいて皮膚炎の各範疇を指定した。皮膚炎の範疇は、発見されていない掻痒症(通知前の10か月のうちに獣医師の診察とそれに伴う皮膚炎の転帰は全く無い)、急性(通知前の10か月のうちに獣医師の診察が1回とそれに伴う皮膚炎の転帰がある)、季節性(通知前の10か月のうちに獣医師の診察が2回ないし5回とそれに伴う皮膚炎の転帰がある)、および、慢性(通知前の10か月のうちに獣医師の診察が6回以上とそれに伴う皮膚炎の転帰がある)と定義されている。どの予約も皮膚炎の転帰ありと分類するために、診察の理由(例えば、検査、被毛と皮膚など) と病気の結果 (例えば、皮膚炎、掻痒症、ノミなど) を考慮した。獣医師の診察データには、特定の診察理由に関連する全ての診察は元より、各診察後の転帰が含まれている。診察は、その結果として本件で特定したリストで指定されている病気であるとされた場合には、皮膚炎の転帰ありと見なした。この研究の結果、通知前に身体を引掻いていた犬については、アプリケーション450でペット飼育者には目視で見つからなかったうえに、それ以前に通知が生成されたことが無かった場合ですら、予測モデル440ならば引掻きを看破することができたことが分かっている。身体を引掻くとか舐めるとかする状況が高いほど診察を受けようとの促しになり易いせいで、引掻き行為や舐める行為が増えていることがペット飼育者に知らされたような基準より高い全範疇で診察が増えたのを確認できている。来院数の変化が最も顕著だったのは、通知前の10か月間のうちに皮膚炎の診察を受けなかった犬たちであった。これらの犬は定期健診を受けただけで、何らかの皮膚疾患との診断はされていなかった。これらの犬は、予測モデル440により看破されたように身体を引掻いてはいたが、ペット飼育者が引掻き行為や舐める行為の増加について通知を受ける前は、掻痒症に関連する診断を受けていなかった。結果的に、ペット飼育者は自分の犬に何が起こっているのかについてより詳しい履歴と情報を備えるようになっている。獣医師と協力して、これらの犬はより良い治療を受けられるようになっている。
【0103】
健康査定の結果を表示することのほかにも、アプリケーション450はペット飼育者が次のようなタスクを行うのを支援することができる。アプリケーション450は、ペット飼育者が自分用に誂えた活動達成目標を設定できるようにすることで、そのペットが最高の体調を維持するように活発なライフスタイルを支援することができる。ペット飼育者はアプリケーション450を使用することで、例えば消費カロリーや休息時間などを確認するなど、ペットの毎日の状態を追跡することができる。アプリケーション450は、ペットのプロフィールおよびえさに基づいて正しい食事量を決定する栄養計算機を備えていてもよい。アプリケーション450は、ペット飼育者が実時間追跡を行えるようにすることで、迷子になったペットを素早く見つけることができる。ペット飼育者がアプリケーション450上で健康知見をチェックすると、ペット飼育者はペットの健康知見を獣医師に送信して、獣医師が重大な振舞いを見て解析できるようにすることができる。ペット飼育者は、アプリケーション450を介して獣医師とチャットし、通話し、ビデオ通話し、または、電子メールで連絡をとることができる。更に、ペット飼育者は、アプリケーション450を使用することで、リマインダーを簡単に設定して健康的なスケジュールをきちんと取り仕切るのに役立てることができる。
【0104】
或る限定的ではない実施形態では、サーバー106は、第1のペットの健康査定に対応する調査またはアンケートを提示するための命令をユーザ装置(例えば、携帯装置104)に送信することができる。通知または告知に応答して、ペット飼育者から、または、通知を受信した第三者から、フィードバック460を要求するようにしてもよい。限定的ではない実施形態のなかには、健康点数が所定の閾値よりも高いか、または、所定の閾値よりも低い場合には、フィードバック460を求めることができるものもある。要求されたフィードバック460は以下に移動することができるハイパーリンクであってもよく、例えば、SMSの文字伝言または電子メールによりユーザに送信されたインターネット・ベースの調査またはアンケートのサイト、電子メールによりペット飼育者に直接送信された調査サイト、ペット飼育者をインターネット・ベースの調査サイトに誘導するアプリケーション通知、モバイル・アプリケーション内に置かれた調査サイト、モバイル・アプリケーションの外部の別のポータルの調査サイト、または、これらの各種組合せサイトに移動する。ペット飼育者からのフィードバック460を前処理430の持続中に利用することで、予測モデル440を養成し、健康指標または健康査定を判定または予測し、或いは、その両方を実施することができる。限定的ではない実施形態のなかには、サーバー106がユーザからのフィードバックに基づいて1つ以上の機械学習モデルを更新することができるようにしたものもある。例えば、ペット飼育者からのフィードバックが、機械学習モデルの養成に使用するための正・誤の標識を与えるようにするとよいが、その場合、装置102のセンサ・データはモデルに入力されるような「特徴」を与え、ペット飼育者の応答はモデルを最適化するための「目標」値を与える。
【0105】
或る限定的ではない実施形態では、調査またはアンケートは、掻痒症視覚的アナログ尺度(PVAS)の形態をとるとよい。PVASは、犬などのようなペットの痒みレベルを 24時間測定する。尺度は0から10、または、0から100の範囲であり、0は痒みが無い、すなわち、身体を引掻き、噛み、擦り付け、または、舐めるのが観察されないことを意味し、10または100は極度に痒く、絶えず身体を引掻き、噛み、擦り付け、または、舐めることを意味する。極度の痒い素振りとは、限定的ではない実施形態によっては、ペットが眠り、食べ、遊び、運動し、または、これらの各種組合せを実施するのを中断させる恐れがある場合がある。PVASの調査またはアンケートの結果を利用することで、上記の1つ以上のモデルを使用して決定したペットの健康指標または健康査定を確認することができる。
【0106】
例えば、予測モデル440の精度は、ガウス分布またはベータ分布を用いたロジスティック回帰モデルまたは線形回帰モデルを使用して確認してもよいし、ロジット・リンクを使用して確認してもよいし、または、その両方で確認してもよい。このモデルは、擬似尤度推定とケンワード=ロジャー(Kenward‐Roger)法の自由度推定を利用することもできる。1つ以上の独立変数は、範疇・引掻く(四分位数または引掻く行為について「バケツ方式にグループ化した」点数でモデル化された、後者は別個の複数モデルでモデル化された)を含んでいるとよいが、1つ以上の従属変数は、連続比率としてモデル化されるPVASを含んでいるとよい。範疇・引掻くの相互間のペアごとの比較を調節することで、テューキー=クレーマー(Tukey‐Kramer)法を使用した多重比較を行うことができる。
【0107】
以下の表3から表5に示すように、追跡装置102、サーバー160、または、その両方により測定されるような身体を引掻く行為の深刻さが増すにつれて、PVAS点数が有意に(P<0.01)高くなった。平均して、身体を引掻く行為を滅多にしていなかった(0秒ないし52秒)犬は、PVASに基づいて軽度の痒い素振りがある(平均点=30.4、95%CI=26.1~35.1)と説明されたが、一方、追跡装置102の測定値、サーバー160の測定値、または、その両方の測定値により、引掻く行為を時々やっていた(53秒ないし119秒)犬、前より頻繁にやるようになっていた(120秒ないし299秒)犬、および、深刻なほど頻繁にやっていた(>300秒)犬は、ペット所有者が中程度のPVAS痒み点数を指定した(それぞれに、平均点=42.2(95%CI=38.3~46.3)、平均点=48.9(95%CI=44.5=53.3))、および、平均点=52.8(95%CI=43.4~62.0))。従って、予測モデル440を採用している追跡装置102、サーバー106、または、その両方は、掻痒症の重症度を評価するための実用的なツールを提供していることになると思われる。以下の表3は、ペット飼育者が入力したPVAS点数を追跡装置102の測定値、サーバー106の測定値、または、その両方の測定値と比較した結果を示している。
【0108】
【表3】
【0109】
或る限定的ではない実施形態において、表4および表5は、範疇・引掻く(四分位数の、または、別々にモデル化された「バケツ方式にグループ化した」点数に基づいた)相互の間で、それぞれ第1の調査またはアンケートおよび第2の調査またはアンケートから得られたPVASスコアとの無条件の関連性を示している。範疇・引掻くによるモデル調節済み平均PVAS点数は、ロジスティック回帰モデル(ベータ分布とロジット・リンクを使用)から得られた。赤池情報量規準とベイズ情報量規準は、モデル選択に使用される全てのモデルに含まれていた。規準の値が低いほど、より優れていると考えてよい (この考えに基づくと、第1のアンケートから得られた測定値については、四分位数の引掻きに関するモデルのほうが優れている)。第2のアンケートから得られた測定値については、赤池情報量規準(AIC)とベイズ情報量規準(BIC)には概ね差はない(<10)ため、両方のモデルが適切であると考えられる。
【0110】
【表4】
【0111】
【表5】
【0112】
図14は、或る限定的ではない実施形態による、ペットの健康査定を実施する方法、その処理過程、または、その両方のフロー図を例示している。特に、図14に示されている方法および/または処理過程は、図4に示されている方法および/または処理過程に組入れる、および/または、併用することができる。上述のように、モデルは、ペットの健康指標、健康査定、または、その両方を検出、判定、予測、または、その各種組合せするように養成することができる。例えば、モデルは以下のもののうち少なくとも1つを利用して養成することができる。すなわち、1つ以上の医療記録、1つ以上の振舞いの集計、または、これらの任意の組合わせである。医療記録を利用することで、モデル養成プロセスの標識を作成することができる。例えば、1つ以上の標識は、ペットが掻痒症などのような皮膚疾患に罹っているか否かを示すことができる。他方で、振舞いの集計は、モデルの候補特性になり得る。養成持続中は、入力されたデータを解析することで、1種類以上の皮膚疾患を特定するのに役立つ特性を決めることができる。決定された特性は、1種類以上の皮膚疾患と相関関係を持たせることができる。例えば、7日間にわたる身体の引掻き行為の平均レベルは、皮膚疾患を同定するのに役立つ特性であると特定することができる。或る限定的ではない実施形態では、皮膚病を査定する目的で、皮膚疾患と診断された治療群と皮膚疾患に罹っていない対照群の両方からの医療記録および振舞いデータに基づいて機械学習分類層を養成することができる。
【0113】
特性は、例えば、7日間の引掻き行為の移動平均1401、28日間と7日間の引掻き行為の移動平均の差分Δ1402(すなわち、7日間の監視期間の引掻き行為と28日間の監視期間の引掻き行為により生じるペットの動きの差)、7日間の自らの身体を舐める行為の移動平均1403、28日と7日間の舐める行為の移動平均の差分Δ1404(すなわち、7日間の監視期間の舐める行為と28日間の監視期間の舐める行為により生じるペットの動きの差)などであるとよい。そのような特性は、その時点で、機械学習モデル1410により産生に向けて利用することができる。或る限定的ではない実施形態では、構造化照会言語(SQL)クエリを使用することで、標準化スケーリング工程、ロジスティック回帰工程を利用して特性1401から特性1404を計算することができる。計算では0から1の間の値が産生され、閾値は0.630171に設定される。
【0114】
機械学習モデル1410は、皮膚疾患の確率1420を出力することができる。この確率に基づいて、1つ以上の通知、1つ以上の警報、1つ以上の告知間隔履歴、または、これらの任意の組合せ1430を更新することができる。次いで、皮膚疾患の確率1420が閾値を下回るか、閾値を上回るか、それとも、閾値に等しいかどうかの判定1440を行うことができる。例えば、閾値は、0.63017などのような、0と1の間の任意の値にするとよい。閾値は、偽陽性率と真陽性率との間のバランスを最適化または最大化するように決めるとよい。確率が閾値を下回る場合、皮膚疾患の確率が低すぎることを意味し、処理は終了する(1442)。
【0115】
他方で、確率が、例えば0.63017などのような閾値を上回っている場合、警報、通知、または、告知が直近の30日間のうちに先に送信されているか否か判定1460が行われるとよい。肯定YESの場合、それ以上の警報、通知、または、告知をペット飼育者に送信することなしに処理は終了する(1470)。それ以前の警報、通知、または、告知が直近の30日間のうちに先に送信されていない場合、警報、通知、または、告知を送信するか、または、表示させるとよい(1462)。このような警報、通知、または、告知はペット飼育者、または、警報、通知、または、告知を受信した第三者を誘導して皮膚疾患についてもっと学習するよう促すが、これは、携帯装置1464のユーザ・インターフェイスのリンクまたはボタンを選択することによって実施することができる。ペット飼育者または第三者がクリックして皮膚病警報についてもっと学ぶサイトにリンクした場合、ペット飼育者または第三者は情報提供ページに移動することができ、同ページが警報を見せ、ペット飼育者または第三者を誘導して発見プロセスに取組むよう促し、または、その両方を実施することで、当該疾患に影響している恐れのあるものを学習する支援を行う。
【0116】
限定的ではない実施形態のなかには、皮膚病に対する1つ以上の通知、1つ以上の警報または、これらの各種組合せが複数の因子に基づくようにすることができるものもある。例えば、ペットが身体を引掻く行為のレベルと舐める行為のレベルの両方を考慮するようにしてもよい。それ以外の、睡眠不足などのような要因は、或る時点で考慮するようにしてもよいし、もっと後の時点で、特定の間隔をあけて何度も、または、その両方を組み合わせて、追加して考慮するようにしてもよいし、或いは、その全てをいろいろ組合わせて考慮するようにしても構わない。ペットの履歴や、その品種血統の皮膚病に対する過敏を考慮してもよい。これ以外の限定的ではない各実施形態では、1つ以上の通知、1つ以上の警報、および/または、1つ以上の告知の感度、特異性、または、その両方は調整可能にしてもよいし、或いは、特注で誂えるようにしてもよい。具体例を挙げると、当該ペットやその品種血統の異常事象頻度の履歴記録をアルゴリズム出力の履歴記録と一緒に結合することで、例えば望ましい感度と特異性の折衷点や最大許容偽陽性率などを最適化する閾値パラメータを算定することができる。このような特注仕様は、1種類以上の慢性皮膚疾患などのような、1種類以上の皮膚疾患に対する繰返される、不必要な、または、その両方の1つ以上の通知、1つ以上の警報、および/または、1つ以上の告知を抑制し、そうではなく回避し、または、その両方を実施するのに役立つ。
【0117】
或る限定的ではない実施形態では、ペット飼育者、第三者、または、その両者に調査またはアンケートに記入するよう求める(1464)ようにしてもよい。それに応じて、ペット飼育者や第三者は情報を入力するとよい。例えば、図15および図16は、或る限定的ではない実施形態によるユーザ・インターフェイス1510の一例およびユーザ・インターフェイス1610の一例を示している。ユーザ・インターフェイス1510を使用することで、調査またはアンケート1520をペット飼育者に表示してみせることができる。図15に示すように、調査またはアンケート1520は、ユーザ・インターフェイス1510上に図示または表示できる1つ以上の発見変数を含んでいるとよい。発見変数は、ペットの健康指標または健康査定に潜在的な影響を及ぼし得る特性として最初に獣医師により定義されるとよい。例えば、皮膚疾患に関する1つ以上の発見変数には、最近ペットが使っているえさを変えたか、おやつを変えたか、ベッドを変えたか、サプリメントを変えたか、または、これらの各種組合せが含まれいるとよい。図15は、1つ以上の発見変数を含む調査またはアンケート1520を示しているが、図16は、図15の調査またはアンケート1520への回答に基づく、ペット飼育者からの情報1620への追加要求を示している。例えば、ペット飼育者がペットに新たに変えたえさを与えていることを示した場合、ペット飼育者は新たに変えたえさ製品に関連して、「えさを変えたのはいつ?」「何から何へ変えた?」「変えた理由は?」などのような追加情報の提供を求められるようにするとよい。
【0118】
図17は、或る限定的ではない実施形態によるユーザ・インターフェイス1710の一例を示している。特に、図17は、通知、警報、または、告知が携帯装置のユーザ・インターフェイス1710上に表示されているのを示している。通知、警報、または、告知は、例えば、監視対象のペットが身体を引掻く行為1720が増えてきており、これは潜在的な皮膚疾患を示唆している可能性があることをペット飼育者に知らせることができる。次いで、図15に示されている調査またはアンケート1520をペット飼育者に提示するとよい。ペット飼育者が要求された発見変数に対する回答を提供した後、或る限定的ではない実施形態では、皮膚疾患または何であれそれ以外の健康問題についてのちょっとした説明1730、大まかな時系列表示1740、または、その両方を提示することができる。この時、サーバー106が、ちょっとした説明および/または大まかな時系列表示を提示するための命令をユーザ装置(例えば、携帯装置104)に送信するとよい。具体的には、引掻き行為の量が増えた日の前日に、ペットが新たに変えたえさを摂取していた、といったような。限定的ではない実施形態のなかには、このちょっとした説明および/または大まかな時系列表示を判定する目的で、まず、考えられ得るペット飼育者との何げない関係を可視化して、獣医師に見せたときにペットの病歴の精度を高めておけるようにするものもある。より多くのペットに関するより良い履歴が揃っているほど、すべてのデータ入力から予測を行う能力が向上する。例えば、ある薬は特定のペット個体群にはあまり効果が無い。このような断片を遺伝データなどのような他のデータソースと比較することで、薬理ゲノム学上の発見の可能性を作り出すことができる。これはまた、エピジェネティックな要因の更なる評価をも可能にすると思われる。モバイル・アプリケーションは、ペット飼育者を促して獣医師に連絡を取らせることができる。これ以外の限定的ではない実施形態のなかには、ペット飼育者がモバイル・アプリケーションから直接獣医師に電話できるようにするためのボタンまたはプロンプトを提供することができるようにしたものもある。図18および図19は、或る限定的ではない実施形態に従って、ユーザ・インターフェイス1810、1910がちょっとした説明を提供している一例を示している。図18は、10月28日に前より頻繁になった引掻く行為1820が低アレルゲン・フードに変えたことが原因である可能性があることを示している。図19は、3月11日に深刻なほど頻繁に引掻く行為1920が耳感染症の治療によるものである可能性があることを示している。
【0119】
健康査定を提供するとともに、同定されたペットの疾患の潜在的な原因を判定することを超越して、或る限定的ではない実施形態は、ペットの健康に関わる1種類以上のペット製品の有効性の評価を行えるようにすることができる。ペット製品には、例えば、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師により処方された治療法などが含まれる。例えば、ペット製品は、皮膚病や皮膚疾患を治療するために使用される製品であってもよい。サーバー106は、ペット製品の有効性判定結果を獣医師またはペット製品の製造業者に送信するようにしてもよい。限定的ではない実施形態のなかには、図4および図14で説明した予測モデル440を利用する追跡装置102および/またはサーバー106を使用することで、ペット製品が皮膚病または皮膚疾患の治療に使われた後で、健康指標を継続的または定期的に追跡することができるようにしたものもある。例えば、範疇・引掻くは、ペット製品の使用後0日ないし90日間追跡することができる。それ以外の例では、範疇・引掻くは、1週間、4週間、8週間、10週間、1年、2年、または、これら以外の任意の期間に亘って検出することができる。治療後の範疇・引掻くは、その後、治療を処方した獣医師に報告することができる。それ以外の限定的ではない実施形態では、治療後の範疇・引掻くは、その後、ペット製品の製造業者に報告することができる。例えば、報告書は、ペットの治療後の範疇・引掻くだけではなく、ペットの治療前の範疇・引掻くも含んでいるとよい。
【0120】
上記の非限定的な実施形態は、ペットの健康に関わるペット製品の有効性を査定するのに役立つ。上記の各具体例は、概ね1頭のペットを対象としているが、或る限定的ではない実施形態では、複数のペットからの情報を集計することができる。このようなデータ集計により、複数のペット製品とそれぞれがペットの健康に及ぼす影響を比較することができるようになる。例えば、掻痒症を治療する目的で9つの異なるペット製品が広く処方されている場合、9つの異なるペット製品の有効性の比較は、追跡装置102、サーバー106、または、その両方を使用して監視される個々のペットの集計結果の測定値に基づいて行うことができる。
【0121】
或る限定的ではない実施形態においては、犬の掻痒症を治療するための薬剤の比較を行うことができる。例えば、薬剤は、第1の薬剤、第2の薬剤、または、「それら以外の薬剤」と呼ばれる8種の他の薬剤のうちのいずれか1つであるとよい。131頭の犬が第1の薬剤を用いて治療され、164頭の犬が第2の薬剤を用いて治療され、70頭の犬が「それら以外の薬剤」を用いて治療され、82頭の犬は何であれ薬剤を用いて治療されることは無かった。獣医師の診察を受ける前の週から診察後の週にかけて、全ての犬が平均して自らの身体を引掻く行為が減少した。しかし、薬剤を投与された犬は平均してより大幅に引掻く行為が減少した。投薬治療を受けなかった犬は、診察による変化はわずかしか見られず、受診後の最初の1週間は平均して、投薬を受けた犬より引掻く量が多かった。第1の薬剤を用いて治療された犬は受診後約5週間で受診前の範疇・引掻くに戻り、第2の薬剤を用いて治療された犬は受診後約6週間から約8週間で受診前の範疇・引掻くに戻った。
【0122】
図20は、或る限定的ではない実施形態による方法または処理過程のフロー図を示している。工程2010では、収集され、受信され、解析され、または、上記の各種組合せを実施されたデータに基づいて、ペットの1つ以上の健康指標を判定することができる。該データは、ペットに装着したウェアラブル装置の1つ以上のセンサから (または、1つ以上のセンサにより) 収集され、受信され、解析され、または、上記の各種組合せを実施される。該1つ以上のセンサは以下のもののうち少なくとも1つを含んでいるとよい。すなわち、1つ以上のアクチュエータ、1つ以上のジャイロスコープ、1つ以上の磁力計、1つ以上のマイクロフォン、1つ以上の圧力センサ、何であれこれらの各種組合せ。それ以外の実施形態では、収集され、受信され、分析され、または、これらの各種組合せを実施された該データとしては、ペットの1つ以上の健康記録、ペットの統計上の属性情報、ペットの所在地、ペットの所在地の気象情報、または、これらの各種組合せが挙げられる。工程2020では、ペットの1つ以上の健康指標に基づいて、ペットの健康査定を実施することができる。限定的ではない実施形態のなかには、ペットの健康査定が1つ以上の健康指標に基づいて実施されるものもある。健康査定には、例えば、掻痒症などのような皮膚の諸症候、皮膚病、皮膚疾患、または、皮膚の各疾病、耳または目の感染症、関節炎、心臓発作、心臓の諸症候、各種の心臓病、各種アレルギー、歯の諸症候、歯の病気、腎臓の諸症候、各種の腎臓病、癌、内分泌腺の諸症候、各種の内分泌性疾患、難聴、鬱病、膵臓発作、膵臓の諸症候、各種の膵臓病、肥満、代謝に関わる諸症候、各種の代謝性疾患、または、これらの各種組合せを評価し、発見し、または、その両方を実施することが含まれる。健康査定には、獣医学で現在知られている、何であれ上記以外の健康状態、診断、身体的な疾病や障害、精神的な疾病や障害なども含まれることがある。
【0123】
工程2030では、ペットの健康査定に基づいて、ペット飼育者への通知(1種以上)、警報(1種以上)、告知(1種以上)、または、これらの各種組合せを携帯装置に表示させることができる。これに加えて、または、これに代わるものとして、ペットの健康査定に基づいてペット飼育者の携帯装置に告知を送信することができる。限定的ではない実施形態のなかには、工程2040に示すように、ペットの健康査定に対応する調査またはアンケートを携帯装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェイスに表示させることができるものもある。工程2050では、1つ以上の健康指数に基づいて、ペット製品の有効性を判定することができる。工程2060では、ペット製品の有効性の測定結果を獣医師またはペット製品の製造業者に送信することができる。工程2070では、ペットの健康提言を健康査定に基づいて決めることができる。
【0124】
図21は、ペットの健康査定のための具体的な方法2100を例示している。この方法は、工程2110で開示され、その際、サーバー106が、1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするが、ここでは、センサ・データは第1のペットに関連付けられている。工程2120で、サーバー106は、センサ・データに基づいて、指定された期間内の第1のペットの1つ以上の活動を検出することができる。工程2130で、サーバー106は、1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定することができ、ここでは、1つ以上の健康指標は、1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいている。工程2140で、サーバー106は、1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成することができるが、ここでは、健康査定は、1つ以上の健康点数と、複数の医学的状態から考えられ得る病状の1つ以上の通知を含んでいる。工程2150で、サーバー106は、第1のペットの健康査定をユーザに提示するための命令をユーザ装置に送信することができる。特定の実施形態は、必要に応じて、図21の方法の1つ以上の工程を繰り返してもよい。本件開示は図21の方法の特定の工程を特定の順序で起こるものとして説明および図説しているが、本件開示は、図21の方法の各工程が好適であればどの工程であれ、どのような好適な順序で起こってもよいことを企図している。更に、本件開示は、ペットの健康査定のための具体的な方法が図21の方法の特定の工程を含んでいることを説明および図説しているが、本件開示は、何であれ好適な工程を含んでいる、ペットの健康査定のための任意の好適な方法を企図しており、必要に応じて、図21の方法の工程の全てまたは一部を含んでいる場合もあり、或いは、どれも全く含んでいないこともある。更にまた、本件開示は、特定のコンポーネント、装置、または、システムが図21の方法の特定の工程を実行することを説明および図説しているが、本件開示は、図21の方法の任意の好適な工程を実行する何であれ好適なコンポーネント、装置、または、システムの、どのような好適な組合せをも企図している。
【0125】
上述のデータの一部はペットの活動データを反映しているが、或る限定的ではない実施形態では、それ以外の、ペットの活動を反映していないデータを、活動認識時系列分類アルゴリズムを使用して収集し、処理し、分析し、または、その各種組合せを実施することで、所望の出力時系列を推測することができる。例えば、後者のデータとしては、金融データ、サイバー・セキュリティ・データ、電子医療記録(1つ以上)からのデータ、音響データ、画像データまたは映像データ、人間の活動データ、何であれこれら以外の当該技術分野で周知のデータ、もしくは、上記の各種組合せのデータが挙げられるが、これらに限定されない。このような実施形態では、時系列の入力(1つ以上)は、金融、サイバー・セキュリティ、電子健康記録分析、音響シーン分類、人間活動認識などの、広範囲の多様な領域に存在するものであってもよい。後者のデータは、例えば、時系列データであってもよい。これに加えて、または、これに代わるものとして、後者のデータは、ウェアラブル装置から取得されたデータなどのような第一当事者データであることもあれば、第三者データである場合もある。第三者データには、所与の企業または実体により直接収集されたデータではなく、他の収集実体または収集企業から購入したデータが含まれている場合がある。例えば、第三者データはデータ管理プラットフォームを使用してアクセスすることも、購入することもできる。他方で、第一当事者データには、所与の企業が直接所有するデータ、直接収集したデータ、または、その両方を満たすデータが含まれている場合がある。例えば、第一当事者データは、所与の企業が提供している、ウェアラブル装置などのような製品やサービスを利用している消費者から収集することができる。
【0126】
或る限定的ではない実施形態では、システム、方法、および/または、装置を使用して、ペットの健康状態を査定することができる。上述のように、ペットに関連するデータを、収集し、受信し、および/または、分析することができる。データは、次のデータソースのうち少なくとも1つから収集および/または受信することができる。すなわち、1つ以上のウェアラブルな(着用自在な)ペット追跡装置および/またはペット監視装置、1つ以上の遺伝子検査手順、1つ以上のペットの健康記録、1つ以上のペット保険記録、1つ以上のペット飼育者からの入力、または、これらの各種組合せ、などである。上記のデータソースのうち1つ以上は、別個のペットの健康記録や別個のペットの健康追跡装置などのような別個のソースを使用して収集することができる。データは、収集および/または受信された後で、1つ以上のデータベースに集約することができる。その処理過程または方法は、例えば本明細書に記載されているように、どのような装置、ハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズム、クラウドベースのサーバー、または、それらのどのような組合せによって実行されてもかまわない。
【0127】
収集および/または受信したデータに基づいて、ペットの1つ以上の健康指標を判定することができる。例えば、1つ以上の健康指標には次のうちの1つ以上のものについての計量が含まれているとよい。すなわち、ペットが自らの身体を舐める、引掻く、痒い素振りをする、歩く、眠る、および/または、これらの任意の組合わせ、である。例えば、軽量とは、ペットが睡眠に費やす1日当たりの分単位の時間数、および/または、ペットが散歩、ランニング、および/または、それら以外に活発に動くのに費やす1日当たりの分単位の時間数であるとよい。何であれ上記以外の、ペットの健康状態を示すことができる指標を判定することもできる。健康査定に基づいて、或る種の提言を決定し、ペット飼育者、獣医師、研究者、製造業者、および/または、それらの任意の組合せのうちの1人以上に送信することができる。このような提言には、例えば、病気、症候、疾病、および/または、それらの何らかの組合せのうちの1つ以上をペットが発症するのを防ぐための1つ以上の健康提言が含まれているとよい。このような提言には、例えば、次のようなもののうち1つ以上が含まれているとよい。すなわち、食品、ペットサービス、サプリメント、軟膏、ペットの健康または健全性を向上させるための薬剤、ペット製品、および/または、これらの何らかの組合せなどである。言い換えれば、提言とは、栄養に関する提言であってもよい。実施形態によっては、栄養上の提言が、チュアブル、サプリメント、食品、および/または、これらの任意の組合せのうちの1つ以上をペットに摂取させるための指示を含んでいるとよいものもある。実施形態によっては、提言は医学的提言である場合もある。例えば、医学的提言には、ペットに軟膏を塗布する、ペットに1種類以上の薬剤を投与する、および/または、ペットのためにまたはペットに直接1種類以上の薬剤を提供するようにとの指示が含まれているとよい。
【0128】
本明細書に開示されている各実施形態は、以下のようにペットケア産業に利益をもたらすことができる。特定の実施形態は、ペットの生活の中で何が起こっているかを客観的に理解することによってケアを民主化するための基盤を構築することができる。特定の実施形態は、通知が何のつもりであるのか、また、推奨される次の段階についてのコンテキストを作成することもできる。これに加えて、或る実施形態は、ペットを飼育する家庭と診療所との間にある周知のケア不毛域に踏み込むことによって、獣医学専門家を補完することができる。特に、本明細書に開示されている実施形態は、ペットの問題の早期発見できるようにし、それによって早期介入ができるようにする。早期介入は、ペット、ペット飼育者、そして、もどかしくも再発する症状に対処している獣医師にとっての勝利である。例えば、掻痒性皮膚疾患の場合、本明細書に開示されている各実施形態は、治療費を削減し、抗生物質の使用を控えるのを向上させるのに役立てられる。掻痒症を早期発見し、慢性アトピー症に早期介入することは、ペットが耐性感染症を発症する最も一般的な原因の 1つを防ぐのに役立つ。
【0129】
或る限定的ではない実施形態では、健康査定および/または健康提言は、複数のペットに関する情報を含んでいるデータに基づいているようにすることができる。換言すれば、所与のペットの健康指標を複数の他のペットの健康指標と比較することができる。この比較に基づいて、ペットの健康査定を実行し、適切な低減を提供することができる。限定的ではない実施形態のなかには、健康査定および健康提言が、1頭のペットの健康指標に基づいて特注に誂えることができる。例えば、他の複数のペットから収集されたデータに依存する代わりに、1頭のペットの振舞いに関連するデータまたは情報に全面的または部分的に基づいて調整または養成されたアルゴリズムまたはモジュールに基づいて判定することができる。ペット製品やペットサービスの提言を、1頭のペットの振舞いや特定の健康指標に照らして特注に誂えることができる。
【0130】
上述のように、健康指標(1つ以上)が、例えば、ペットによる自らの身体を舐める、引掻く、痒い素振りをする、歩く、眠る、および/または、それらの何らかの組合せのうちの1つ以上に関する計量を含んでいると良い。これらの健康指標(1つ以上)は、1つ以上のセンサおよび/または1つ以上の加速度計を有しているウェアラブル装置により収集され、同装置から受信され、同装置により解析され、または、それらの各種組合せを実施されたデータ、情報、または、計量に基づいて判定することができる。ウェアラブル装置から収集された該データを、次に、活動認識モジュールとも呼ばれる活動認識アルゴリズム、または、活動認識アルゴリズムとも呼ばれる活動認識モデルによって処理および/または解析することで、1つ以上の健康指標を判定または同定することができる。活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルには、上述の2つ以上の層モジュールが含まれているとよい。健康指標が同定された後、或る限定的ではない実施形態では、ペット飼育者に、健康指標の正しさを検証するよう求めるようにすることができる。例えば、ペット飼育者は、ショートメッセージ・サービス、プッシュ・アラートなどのような通知または告知、携帯装置上の電子メール伝言、或いは、それ以外のタイプの伝言または告知を受信することができる。伝言または告知で、ペット飼育者に、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルにより同定された健康指標を確認するように要求することができる。限定的ではない実施形態のなかには、伝言または告知が、データ、情報、または、計量が収集されている間の時間長を示すようにしたものもある。ペット飼育者が健康指標を確認することができない場合は、ペット飼育者に、指定された時間におけるペットの活動を入力するよう求めるようにしてもよい。
【0131】
或る限定的ではない実施形態では、ペット飼育者は、示された時間中に1つ以上の健康指標が発生するのを拒否することができるため、当該示された時間中にはペットの活動に関する情報を提供することはない。本件開示の目的では、モジュールとはソフトウェア・システム、ハードウェア・システム、ファームウェア・システム、それらの組合せシステム、処理過程または機能性、もしくは、これらのコンポーネントのことであり、本明細書に記載されている処理過程、特性、および/または、機能を(人間との相互作用またはヒューマン・オーグメンテーションを伴う場合も、また、そうでない場合も)実行し、または、促進する。モジュールにはサブモジュールを含めることができる。モジュールのソフトウェア・コンポーネントをコンピュータ読取り可能な媒体に保存することで、演算処理装置による実行に供することができる。モジュールは1つ以上のサーバーに統合されていてもよいし、或いは、1つ以上のサーバーがロードして実行するようにしてもよい。1つ以上のモジュールをエンジンまたはアプリケーションにグループ化することができる。
【0132】
本件開示の目的では、「ユーザ」、「加入者」、「消費者」、または、「カスタマー(顧客・注文者)」という用語は、本明細書に記載されている或る1つのアプリケーションまたは複数のアプリケーションのユーザおよび/またはデータ・プロバイダによって供給されているデータの消費者を指すものと理解するべきである。具体例として、但しこれに限らないが、「ユーザ」または「加入者」という用語は、ブラウザ・セッションでインターネットを介してデータ・プロバイダまたはサービス・プロバイダにより提供されるデータを受信する人を指す場合もあれば、データを受信してからそのデータを保存または処理する自動化されたソフトウェア・アプリケーションを指す場合もある。
【0133】
当業者であれば、本件開示の方法およびシステムが多くの態様で実装することができ、従って、前述の具体例の各実施形態および各種実例によって限定されるべきではないことを認識するであろう。言い換えれば、ハードウェアとソフトウェアまたはファームウェアの多様な組合せで単一または複数のコンポーネントによって実行される機能要素と個々の機能を、クライアント・レベルまたはサーバー・レベルのいずれかで、または、その両方を満たしてソフトウェア・アプリケーション間で分散させることができる。この点に関して、本明細書に記載されている多様な実施形態の任意の数の特徴を単一または複数の実施形態に組み合わせることができ、本明細書に記載されている特徴のすべてよりも少ない、または、多い特徴を有している代替の各実施形態も考えられ得る。
【0134】
機能性はその全体または一部を、目下周知の態様、または、今後知られるようになる態様で、複数のコンポーネント間で分散させることもできる。このように、本明細書に記載されている各種の機能、特徴、インターフェイス、および、設定を達成するには、無数のソフトウェア・ハードウェア・ファームウェアの組合せが考えられる。更に、本件開示の範囲は、当業者なら現在も今後も理解するだろうが、記載されている各種の特徴と機能とインターフェイスを実行するための従来周知の態様、ならびに、本明細書に記載されているハードウェア・コンポーネントとソフトウェア・コンポーネントとファームウェア・コンポーネントに対して行うことができるそれらの各種の変形および修正を網羅している。
【0135】
更にまた、本件開示においてフローチャートとして提示され説明されている各種の方法の各実施形態は、技術のより完全な理解を提供するために例として提示されている。開示されている方法は、ここで提示されている動作および論理の流れに限定されない。多様な動作の順序を変更した代替の実施形態、また、より大規模な動作の一部として説明されている各種の副次動作が独立して実行される代替の実施形態も思量される。
【0136】
本件開示の目的のために様々な実施形態を説明してきたが、そのような実施形態は、本件開示の教示がそれらの実施形態に限定されるとみなすべきではない。本件開示で説明されている各種のシステムおよびプロセスの範囲内にとどまる結果を得るために、上述の各種の要素および動作に対して多様な変更および修正を加えることができる。
【0137】
開示された主題は、特定の好ましい実施形態に関して本明細書で説明されているが、開示された主題に対して、その範囲から逸脱することなく、様々な修正および改良を加えることができることを当業者なら認識するであろう。更に、開示された主題の或る限定的ではない実施形態の個々の特徴を本明細書で論じ、斯かる限定的ではない実施形態の各図に示し、但し、それ以外の実施形態では説明も図示もなされていないこともあるが、或る限定的ではない実施形態の個々の特徴は、もう1つ別の実施形態の1つ以上の特徴、または、複数の実施形態に由来する特徴と組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0138】
100 システム
102 追跡装置
104 携帯装置
106 サーバー
108 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9-1】
図9-2】
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の電算システムにより、
1つ以上のセンサによって取り込まれたセンサ・データにアクセスする工程であって、該センサ・データが第1のペットに関連付けられている工程、
該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出する工程、
該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する工程において、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいている工程、
該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成する工程であって、該健康査定は、健康点数、または、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する通知のうち1種類以上を含んでいる工程、および、
第1のペットの該健康査定をユーザに提出するための各種命令をユーザ装置に送信する工程を含んでいる、方法。
【請求項2】
前記1つ以上のセンサは、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサのうち1種類以上を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記方法は更に、
該ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出する工程、および、
該望ましくない回転を矯正する目的で、1回以上のデータ変形を前記センサ・データに加える工程を含んでいる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記方法は更に、
該ウェアラブル装置の配向を判定する工程、および、
該ウェアラブル装置の該配向に基づいて、前記センサ・データを加工処理する工程を含んでいる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
第1のペットの健康査定を生成する前記工程は更に、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データのうち1種類以上に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標をこれらに対応する保存されていた健康指標と比較する工程、および、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の閾値差を検出する工程を更に含んでおり、
前記健康査定は更に、判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の、検出結果の該閾値差を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記方法は更に、
前記1つ以上の健康点数を算定する工程であって、
第1のペットが或る活動を実施している時間量、
第1のペットが該活動を実施している強度到達点、
第1のペットが該活動を実施している該時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標時間と比較した割合、および、
第1のペットが該活動を実施している該強度到達点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標強度到達点と比較した割合のうちの1つ以上に基づいて算定する工程を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記方法は更に、
前記1つ以上の計量を所定の範囲に規模変更する工程、および、
規模変更結果の該計量に基づいて該1つ以上の健康点数を生成する工程を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の健康指標はそれぞれ1つ以上の重量と関連付けられており、前記方法は更に、
該1つ以上の重量に基づいて前記1つ以上の健康点数を生成する工程を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の活動は、
伏せる、座る、立ち上がる、歩行する、精力的に動くのうち1種類以上からなる姿勢、および、
飲む、食べる、物を舐める、自らの身体を舐める、戯れの接触をする、身体を擦り付ける、自らの身体を引掻く、身震いする、臭いを嗅ぐのうち1種類以上からなる振舞いのうち、1種類以上を含んでいる、請求項1に記載の方法
【請求項11】
前記複数の医学的状態は、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、消化管系疾患、倦怠感、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症のうちの1種類以上を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は更に、
前記1つ以上の健康指標に基づいてペット製品の有効性を判定する工程を含んでおり、該ペット製品は、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師が処方した治療法のうちの1種以上を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は更に、
前記健康査定に基づいて第1のペットの健康提言を決める工程を含み、該健康提言は、ペット製品を勧める提言、または、獣医師の診察を勧める提言のうち1種以上を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1のペットの1つ以上の活動を検出する前記工程、または、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する前記工程は、1つ以上の機械学習モデルに基づいており、該1つ以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は更に、
第1のペットの前記健康査定に対応している調査またはアンケートを提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信する工程
前記調査またはアンケートに応じたユーザからのフィードバックを前記ユーザ装置から受信する工程、および、
ーザからの前記フィードバックに基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを更新する工程を含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、更に、
ユーザへの該1つ以上の通知の感度または特異性を特注誂えする工程を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記方法は更に、
該考えられ得る病状についての原因説明を生成する工程、および、
原因説明を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信する工程を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記方法は更に、
該考えられ得る病状についての大まかな時系列表示を生成する工程、および、
該大まかな時系列表示を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信する工程を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる1つ以上の持続的記憶媒体であって、該ソフトウェアは実行時には、
1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能であり、該センサ・データは第1のペットに関連付けられており、
該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能であり、
該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能であり、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいており、
該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能であり、該健康査定は、健康点数、または、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する通知のうち1種類以上を含んでおり、また、
第1のペットの該健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である、媒体。
【請求項20】
1つ以上の演算処理装置と、該演算処理装置に接続されて、該演算処理装置が実行することのできる各種命令を有している持続的記憶装置とを含んでいるシステムであって、該演算処理装置は該命令の実行時には、
1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能であり、該センサ・データは第1のペットに関連付けられており、
該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能であり、
該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能であり、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいており、
該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能であり、該健康査定は、健康点数、または、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する通知のうち1種類以上を含んでおり、また、
第1のペットの該健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である、システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本願は、合衆国法典第35巻第119条(e)に基づき、2021年4月19日出願の米国特許仮出願第63/176,812号の優先権の利益を主張するものであり、斯かる出願はここに引例に挙げることにより本明細書の一部を構成しているものとする。
【技術分野】
【0002】
本件開示に記載の各実施形態は、ペットの活動を監視することに関連している。例えば、実施形態によってはペットの活動を監視することでペットの健康状態を検出するのに役立てることに関連するものもあるが、これに限らない。
【背景技術】
【0003】
携帯装置、ウェアラブル(着用可能な)装置、または、その両方に、人間の活動を追跡または監視するのに役立てることのできる多様なハードウェア・コンポーネントおよびソフトウェア・コンポーネントが装備されてきた。監視している活動から得られたデータは、収集し、解析し、そして表示することができる。例えば、携帯装置、ウェアラブル装置、または、その両方を利用して、所与の期間のヒトの歩数や心拍数を追跡することができる。そして、この歩数や心拍数は携帯装置やウェアラブル装置のユーザ・グラフィック・インターフェイスに表示することができる。ヒトへの監視を凌駕して、ペットの安全と健康に対する重要性が高まる一方であることから、ペットの行動を監視する必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、ペット製品業界では、ペットの活動を監視するシステム、そのような方法、または、その両方に対する持続的需要がある。
【0005】
本件開示の主題の目的と利点は、後段以降の詳細な説明に明示してあり、そこから明白となるのは元より、本件開示の手段を実施することによっても知れる。開示されている主題のさらなる利点は、本明細書の文章説明と特許請求の範囲に特に指摘されている方法とシステムによっても、また、添付の図面からも、理解して達成されるであろう。
【0006】
上記とそれ以外の各種の利点を達成する目的で、また、具体化され遍く説明されている本件開示の主題の目的に従って、本件開示の主題は、データを収集し、受信し、解析し、または、その各種組合せを実施するのに利用することができるシステム、その方法、および、その装置を提示している。例えば、特定の各実施形態は、ペットの活動を監視および追跡する目的で使用することができるが、これに限らない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
或る実施形態では、以下に限らないが、本件開示はペットの活動を監視して、それに応じてペットの様子を判定する方法を説明している。この方法は、収集し、受信し、解析し、または、その各種組合せを実施したデータに基づいて、ペットの1つ以上の健康指標を判定することを含んでいる。この方法はまた、ペットの1つ以上の健康指標に基づいてペットの様子の査定を実施することを含んでいる。これに加えて、この方法は、ペットの様子の査定に基づいて、ペット飼育者に1つ以上の告知を携帯装置で表示することを含んでいる
【0008】
特定の実施形態では、以下に限らないが、1つ以上の電算システムが、1つ以上のセンサによって取り込まれたセンサ・データにアクセスすることができる。該センサ・データは第1のペットに関連付けられているとよい。次に、電算システムは、該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出することができる。次いで、電算システムは、1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定することができる。或る実施形態では、以下に限らないが、該1つ以上の健康指標は、1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいているとよい。電算システムは更に、該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成することができる。該健康査定は、健康点数、または、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する通知のうち1種類以上を含んでいるとよい。或る実施形態では、以下に限らないが、電算システムが続いて、第1のペットの健康査定をユーザに提出するための各種命令をユーザ装置に送信することができる。
【0009】
或る種の或る実施形態では、以下に限らないが、コンピュータが読取れる、1つ以上の持続的記憶媒体は、ソフトウェアを具現化するが、実行時には1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能である。該センサ・データは第1のペットに関連付けられているとよい。ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体は更に、実行時には該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能である。ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体は更に、実行時には1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能である。実施形態によっては、該1つ以上の健康指標は、1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいているものもある。ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体は更に、実行時には1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能である。実施形態によっては、該健康査定は、健康点数、または、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する通知のうち1種類以上を含んでいるとよい。ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体は更に、実行時には、第1のペットの健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である。
【0010】
或る実施形態では、以下に限らないが、システムは、1つ以上の演算処理装置と、該演算処理装置に接続されており該演算処理装置により実行可能な各種命令を含んでいる持続的記憶装置とを、構成要素の一部に含んでいるとよい。該演算処理装置は、命令の実行時には1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能である。実施形態によっては、該センサ・データは第1のペットに関連付けることができるものもある。該演算処理装置は更に、命令の実行時には該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能である。該演算処理装置は更に、命令の実行時には該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能である。実施形態によっては、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいているものもある。該演算処理装置は更に、命令の実行時には、該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能である。実施形態によっては、該健康査定が、健康点数、または、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する通知のうち1種類以上を含んでいるものもある。該演算処理装置は更に、命令の実行時には、第1のペットの該健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である
更に、上記の各種の方法、コンピュータが読取れる持続的記憶媒体、および、システムの本件開示の各実施形態は、以下に説明するような更なる各種特徴を有していることがあるが、それらに限らない。
【0011】
或る実施形態では、以下に限らないが、上記1つ以上のセンサは、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサなどのうち1種類以上を構成部材の一部に含んでいるとよい。上記1つ以上のセンサは、第1のペットに装着または取付けされたウェアラブル装置に付随させることができる。実施形態によっては、上記各電算システムが該ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出することができるようにしたものもある。次いで、この望ましくない回転を矯正する目的で、上記各電算システムは1回以上のデータ変形を上記センサ・データに加えることができる。これに代わる各実施形態では、上記各電算システムは該ウェアラブル装置の配向を判定することができる。上記各電算システムは更に、該ウェアラブル装置のこの配向に基づいて、上記センサ・データを加工処理することができる。
【0012】
或る実施形態では、以下に限らないが、第1のペットの健康査定を生成する上記工程は更に、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうち1種類以上に基づいているとよい。実施形態によっては、上記健康査定が1つ以上の健康点数を含んでいるものもある。上記各電算システムは、第1のペットが或る活動を実施している時間量、第1のペットが該活動を実施している強度到達点、第1のペットが該活動を実施している時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標時間と比較した割合(%)、第1のペットが該活動を実施している該強度到達点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標強度到達点と比較した割合(%)などのうちの1種類以上に基づいて、上記1つ以上の健康点数を算定するとよい。これに代わる各実施形態では、上記各電算システムは1つ以上の計量を所定の範囲に規模変更するものもある。次に、上記各電算システムは、規模変更済みの各計量に基づいて上記1つ以上の健康点数を生成することができる。
【0013】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記各電算システムは、判定結果の該少なくとも1つの健康指標をこれらに対応する保存されていた健康指標と比較することができる。上記電算システムは更に、判定結果の該少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の閾値差を検出するとよい。従って、上記健康査定は更に、判定結果の該少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の、この検出結果の閾値差を含んでいることになる。実施形態によっては、上記1つ以上の健康指標がそれぞれに1つ以上の重量値と関連付けられるものもある。次に、上記電算システムは、該1つ以上の重量値に基づいて、上記1つ以上の健康点数を生成することができる。
【0014】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記1つ以上の活動は、伏せる、座る、立ち上がる、歩行する、精力的に動くなどのうち1種類以上からなる姿勢や、飲む、食べる、物を舐める、自らの身体を舐める、戯れの接触をする、身体を擦り付ける、引掻く、身震いする、臭いを嗅ぐなどのうち1種類以上からなる振舞いを構成要素の一部に含んでいるとよい。上記複数の医学的状態は、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、消化管系疾患、倦怠感、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症などのうちの1種類以上を含んでいるとよい。
【0015】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記各電算システムは上記1つ以上の健康指標に基づいてペット製品の有効性を判定することができ、その際、ペット製品は、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師が処方した治療法などのうちの1種以上を構成要素の一部に含んでいる。上記各電算システムは更に、ペット製品の判定結果の有効性を獣医師またはペット製品の製造業者に送信することができる。
【0016】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記各電算システムは、上記健康査定に基づいて第1のペットの健康提言を決定することができる。この健康提言は、ペット製品を勧める提言や獣医師の診察を勧める提言などのうち1種以上を構成要素の一部に含んでいるとよい。
【0017】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、第1のペットの上記1つ以上の活動を検出する工程、または、第1のペットの上記1つ以上の健康指標を判定する工程は、1つ以上の機械学習モデルに基づいているとよい。これら1つ以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成することができる。実施形態によっては、上記各電算システムが、第1のペットの上記健康査定に対応している調査またはアンケートを提示するための各種命令をユーザ装置に送信するようにしたものもある。次に、上記各電算システムは、調査またはアンケートに応じたユーザからのフィードバックをユーザ装置から受信することができる。上記各電算システムは更に、ユーザからのフィードバックに基づいて、該1つ以上の機械学習モデルを更新することができる。
【0018】
或る種の実施形態においては、以下に限らないが、上記健康査定は考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでいてもよい。これに対応して、上記各電算システムは、ユーザへの1つ以上の通知の感度または特異性を特注誂えすることができる。実施形態によっては、上記各電算システムが、考えられ得る病状についての原因説明を生成するようにしたものもある。上記各電算システムは更に、この原因説明を提示するための各種命令をユーザ装置に送信することができる。これに代わる実施形態では、上記各電算システムは、考えられ得る病状についての大まかな時系列表示を生成することができる。上記各電算システムは更に、この大まかな時系列表示を提示するための各種命令をユーザ装置に送信することができる。
【0019】
前述の概説と後述の詳細な説明の両方が具体例であって、特許請求の範囲に記載された本件開示の主題の更なる説明を提供することを意図しているものと理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本件開示の前述した目的、特徴、および、利点と、それ以外の目的、特徴、および、利点は、添付の図面に例示されているような各実施形態の後段以降の説明から明らかとなるだろうが、図面では、参照番号は多様な図の全体で同一部分を指している。図面は必ずしも等尺になってはおらず、その代わりに、本件開示の原理を図説することに重点が置かれている。
図1】或る限定的ではない実施形態による、ペット監視を目的として利用されるシステムを例示した図。
図2】或る限定的ではない実施形態による、ペット監視を目的として利用される装置を例示した図。
図3】或る限定的ではない実施形態による、ペット監視を目的として利用される装置を例示した図。
図4】或る限定的ではない実施形態による、健康査定を実施する方法または処理過程のフロー図。
図5A】或る限定的ではない実施形態による、「無効」アルゴリズムを例示した具体歴グラフ。
図5B】或る限定的ではない実施形態による、「無効」アルゴリズムを例示した具体歴グラフ。
図5C】或る限定的ではない実施形態による、「無効」アルゴリズムを例示した具体歴グラフ。
図6A】或る限定的ではない実施形態による、「睡眠」アルゴリズムを利用することで残余の各領域を見つける工程を例示した具体的グラフ。
図6B】或る限定的ではない実施形態による、「睡眠」アルゴリズムを利用することで残余の各領域を見つける工程を例示した具体的グラフ。
図6C】或る限定的ではない実施形態による、「睡眠」アルゴリズムを利用することで残余の各領域を見つける工程を例示した具体的グラフ。
図7A】目覚め時の半時間について例示した具体的グラフ。
図7B】目覚め時の半時間について例示した具体的グラフ。
図7C】目覚め時の半時間について例示した具体的グラフ。
図8A】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスが多様な健康指標を表示している各具体例を例示した図。
図8B】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスが多様な健康指標を表示している各具体例を例示した図。
図9-1】或る限定的ではない実施形態による、各種の活動に基づいて健康点数を算定する方法または処理過程の各工程を例示した図。
図9-2】図9-1の続きの図。
図10】体調が優れないので獣医師の診察を受けた犬について各種計量を組み合わせた一具体例を例示した図。
図11】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスが各種の健康知見を表示している一具体例を例示した図。
図12A】或る限定的ではない実施形態による、ホーム画面の一具体例を示した図。
図12B】或る限定的ではない実施形態による、ホーム画面の一具体例を示した図。
図13】或る限定的ではない実施形態による、早期検出の具体的解析例を示した図。
図14】或る限定的ではない実施形態による、ペットの健康査定を実施する方法、処理過程、または、その両方を例示したフロー図。
図15】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図16】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図17】或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図18】或る限定的ではない実施形態による、原因説明を提示するユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図19】或る限定的ではない実施形態による、原因説明を提示するユーザ・インターフェイスの一具体例を示した図。
図20】或る限定的ではない実施形態による、或る種の方法または処理過程を例示したフロー図。
図21】ペットの健康査定の具体的な方法を例示した図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、添付の図面を参照しながら、後段以降で本件開示をより十分に説明してゆくが、図面は本明細書の一部を形成しているとともに、図説により、或る具体例の実施形態を示している。しかし、主題は多様な相互に異なる形式で具体化することができ、よって、ここで扱われ、または、特許請求の範囲に記載されている主題は、本明細書に明示されているどの具体的実施形態であれ、それらに限ると解釈されることを意図してはおらず、すなわち、具体的な各実施形態は例示するために提示しているにすぎない。同様に、特許請求の範囲に記載された、または、ここで扱われている主題についての合理的に広い範囲を意図している。とりわけ、例えば、主題は、各種の方法、装置、コンポーネント、システム、または、これらの各種組合せとして具体化することができる。従って、各実施形態は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、何であれこれらの任意の組合せ(ソフトウェアそれ自体は除く)の形態をとることもある。よって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されることを意図したものではない。
【0022】
本件開示は、ペットの活動を監視し、解析し、追跡し、または、その各種組合せを実施することができる各種のシステム、方法、装置、または、その各種組合せを提示している。本件開示の主題は、ペットの健全健康を査定し、監視し、または、その両方を実施することに関連しているニーズに取組んでいる。具体的には、ペットの追跡結果の活動または監視結果の活動に関連するデータを収集して利用することで、ペットに関する1つ以上の潜在的健康リスク、現実の健康リスク、または、その両方のリスク (総称して「健康リスク」または「各種健康リスク」) を検出し、評価し、または、その両方を実施することができる。特定された健康リスクは元よりありとあらゆる収集データの概要が次いで、ペット飼育者、ペット世話人、研究者、獣医師、動物看護士、または、それ以外の関係者に対して、または、それら各自により送信、表示、または、その両方を実施させることができる。
【0023】
PCT出願第PCT/US20/39909号はここに引例に挙げることにより本件の一部を構成しているものとする。この引例に挙げた出願の、明細書、特許請求の範囲、および、図面に開示されている全主題が本明細書に組入れられている。
【0024】
本明細書の詳細な説明においては、「実施形態」、「一実施形態」、「限定的ではない実施形態」、「多様な実施形態において」などと言及することで、説明されている実施形態(単数または複数)が特定の特性、構造、または、特徴を含んでいる場合があっても、全ての実施形態が必ずしもそのような特定の特性、構造、または、特徴を含んでいるわけではないこと示唆している。更に、上記のような語句は必ずしも同一実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、または、特性が或る1つの実施形態に関連して説明されている場合、それ以外の各実施形態に関連してそのような特性、構造、または、特徴に影響を与えることが、明確に記載されているといないに関わらず、当業者の知識の範囲内であることを提起している。詳細な説明を読んだ後では、代替の各実施形態において本件開示をどのように実施するかが当業者には明らかになるであろう。
【0025】
一般に、用語は少なくとも一部は文脈中の使用から理解することができる。例えば、本明細書で使用されるような場合の「および(and)」、「または(оr)」、または、「および/または(and/оr)」などのような語句は少なくとも一部は、そのような語句が使用されている文脈で決めることができるさまざまな意味を含んでいる可能性がある。通常、「または」という語は、「A、B、または、C」などのような列挙と結び付けて使用される場合、「Aも、Bも、それに、Cも」という包摂的な感じに使用される意味があるのは元より、「Aか、Bか、それとも、Cのどれか」という1つを除いて排除する感じに使用される意味があることを意図している。これに加えて、本明細書で使用されるような「1つ以上の」という用語は、少なくとも石部は文脈次第で、どのような特性、構造、または、特徴であれ単数の意味で説明するのに使うことができるし、或いは、2つ以上の特性、構造、または、特徴の組合せを複数の意味で説明するために使用することができる。複数の意味での特徴。同様に、「或る、或る種の(a)」、「或る、或る種の(an)」、または、「その・該(the)」などのような用語もまた、少なくとも一部は文脈次第で、単数用法であると告げていると理解してもよいし、或いは、複数用法であると告げているとも理解できる。加えて、「~に基づいて(based оn)」という用語は、必ずしも排他的なひと組の要因があると告げることを意図したものではなく、その代わりに、ここでもまた少なくとも一部は文脈次第で、必ずしもそうと分かるように明言していない何か別な要因が存在することを許容している可能性がある。
【0026】
本明細書で使用されているような場合、「含む・備える・~から成る(cоmprises)」、「含んでいる・備えている・~から成る(cоmprising)」、または、これらの何か他の変形例は、処理過程、方法、物品、または、装置が、列挙された構成要素を含んではいるが、各々が列挙されたもののみならず、それ以外の、そうと分かるように列挙されてはいない構成要素、または、そのような処理過程、方法、物品、または、装置に固有の構成要素も排除せずに包摂して扱うことを意図している。
【0027】
本件開示に従って使用されているような「動物(animal)」または「ペット(pet)」なる用語は、飼い犬、飼い猫、馬、牛、フェレット、ウサギ、豚、ラット、マウス、スナネズミ、ハムスター、山羊などを含む家畜を指しているとよい。飼い犬および飼い猫はペットの具体例であるが、これらに特に限らない。本件開示に従って使用されるような「動物」または「ペット」という用語は、バイソン、ヘラジカ、鹿、食用になる鹿、鴨、鳥類、魚などを含む野生動物を指すこともある。
【0028】
「ペット製品」なる用語は、例えば、どのようなタイプであれ、ペットが使用する目的でデザインされ、製造され、対象とされ、または、その各種組合せの行為に付された製品、サービス、または、機器を含むことがあるが、これらに限らない。例えば、ペット製品は、玩具、チュアブル錠、食品、衣料品、首輪、医薬品、製剤、健康追跡装置、所在地追跡装置、または、それらのあらゆる組合せであるとよい。もう1つ別の例では、ペット製品がペット用の遺伝子検査サービスまたはDNA検査サービスを含んでいてもよい。
【0029】
「ペット飼育者」という用語は、ペットを所有する、ペットの世話のあらゆる局面に責任を負う、または、その両方に該当するあらゆる個人、組織、個人の集合、または、これらの各種組合せを含んでいるとよい。例えば、「ペット飼育者」は、ペット世話人、ペット介護人、研究者、獣医師、動物看護士、それ以外の関係者、または、それらの各種重複した役割を果たす者を含んでいるとよい。
【0030】
本明細書に使用される場合、「養成データセット」は、機械学習モデルを養成するための1つ以上の画像またはビデオおよび関連データを含んでいるとよい。各養成データセットは、1つ以上の製品、データ、および、これらに対応する、画像に関連付けられた出力の養成画像を含んでいるとよい。養成データセットは、糞便の1つ以上の画像またはビデオを含んでいるとよい。養成データセットは、1つ以上のクライアント装置(例えば、クラウドソーシングの)により収集することができるようにしてもよいし、それ以外のソース (データベースなど) から収集することができるようにしてもよい。或る限定的ではない実施形態では、ペットの健康査定のための養成データセットは、治療群と対照群の両方から得られたデータを含んでいるとよい。
【0031】
或る限定的ではない実施形態を、各種の方法、処理過程、装置、および、機器類のブロック図および動作図説を参照しながら以下に説明してゆく。ブロック図または動作図説の各ブロックと、ブロック図または動作図説の複数ブロックの各種組合せとは、アナログまたはデジタルのハードウェアおよびコンピュータ・プログラム命令により実現することができることが分かる。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータの演算処理装置に供与されることで本明細書に詳述するようなコンピュータ機能を変更することができるとともに、専用コンピュータ、ASIC、または、それら以外のプログラム可能なデータ処理装置の演算処理装置にも供与されることで、コンピュータの演算処理装置やそれ以外のプログラム可能なデータ処理装置を介して実行される各種命令によりブロック図または動作図説もしくは各ブロックに特定されている諸機能、諸動作、または、その両方を実現することができる。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、ほぼ同時に実行されてもかまわないし、各ブロックは、関与する機能性、動作、または、その両方に応じて、逆順に実行されてもよい場合がある。
【0032】
これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータの演算処理装置に供与されることで当該コンピュ―タの機能を専用目的に変えることができるとともに、専用コンピュータの演算処理装置にも供与され、ASICの演算処理装置にも供与され、または、それら以外のプログラム可能なデータ処理装置の演算処理装置にも供与されることで、コンピュータの演算処理装置やそれ以外のプログラム可能なデータ処理装置の演算処理装置を介して実行される各種命令によりブロック図または動作図説もしくは各ブロックに特定されている諸機能、諸動作、または、その両方を実現することができるようにすることにより、それぞれの機能性を本発明の各実施形態に従って変形させる。
【0033】
限定的ではない実施形態のなかには、コンピュータが読取れる媒体(または、コンピュータが読取れる1つ以上の記憶媒体)がコンピュータ・データを保存するようにしたものもあるが、そのようなデータとしては、コンピュータにより実行可能な、機械可読形式のコンピュータ・プログラム・コード(または、コンピュータが実行できる命令)が挙げられる。具体的には、但し、以下に限らないが、コンピュータが読取れる媒体としては、有形のデータ記憶域または固定式データ記憶域を得るための、コンピュータが読取れる記憶媒体か、または、コードを含む信号を一時的解釈に付すため通信媒体などが挙げられる。本明細書で使用されるような場合、コンピュータが読取れる記憶媒体なる表現は、(信号とは対照的に)物理的記憶域または有形の記憶域を指しており、また、コンピュータが読取れる命令、データ構造、プログラム・モジュール、または、それら以外のデータなどのような情報の有形の記憶域を得るための何らかの方法または技術で実現された、揮発性媒体、不揮発性媒体、取外し可能媒体、取外し不可能媒体、それらの各種組合せが挙げられるが、これらに限らない。コンピュータが読取れる記憶媒体としては、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリかそれ以外の固体メモリ技術製品、CD‐ROM、DVD、または、それ以外の光記憶域、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶域、または、それら以外の磁気記憶装置、もしくは、何であれそれら以外の物理的媒体または機械的媒体であって、所望の情報または所望のデータ、もしくは、各種命令を有形で保存するのに使うことができるもの、および、コンピュータまたは演算処理装置がアクセスできるものが挙げられる。
【0034】
或る限定的ではない実施形態では、「サーバー」という用語は、図1に示されているサーバー106などのように、演算処理設備、データベース設備、および、通信設備を提供する「サービス・ポイント」を指しているものと理解するべきである。具体的には、但し、以下に限らないが、「サーバー」という用語は、単一の物理的演算処理装置とそれに付随する通信設備、データ記憶域設備、および、データベース設備を指すこともあれば、伸縮自在のコンピュータ・クラスタなどのようなネットワークで繋がった演算処理装置の複合設備またはクラスタ化された演算処理装置の複合設備と、それに付随するネットワーク装置や記憶装置は元より、演算処理用ソフトウェアや1つ以上のデータベース・システム、更には、サーバーが提供する各種サービスを支援するアプリケーション・ソフトウェアを指す場合もある。サーバーは、例えば、クラウドベースのサーバーでもよいし、クラウドコンピューティング・プラットフォームでもよいし、或いは、仮想マシンであっても構わない。サーバーは構成および性能が多岐にわたるが、一般に、サーバーには1つ以上の中央処理装置とメモリが構成要素の一部に含まれている。サーバーはまた、1つ以上の大容量記憶装置、1つ以上の電源、1つ以上の有線ネットワーク・インターフェイスまたは無線ネットワーク・インターフェイス、1つ以上の入出力インターフェイス、または、Windоws Server(ウインドウズ・サーバー)、Mac OS X(マック・オーエス・テン)、Linux(登録商標)(リナックス(登録商標))、FreeBSD(フリー・ビー・エス・ディー)などのような1つ以上のオペレーティング・システムを構成要素の一部に含んでいるとよい。
【0035】
限定的ではない実施形態のなかには、図1に示されているネットワーク108などのような「ネットワーク」なる語が、各種装置を連結することでサーバーとクライアント装置の間の通信またはサーバーとそれ以外のタイプの装置との間の通信などのような通信を切替えることができるようにしたネットワークを指していると理解するべきものもある。ネットワークは、ネットワーク接続記憶域(NAS)、記憶域領域ネットワーク(SAN)、または、これら以外の各種形式のコンピュータが読取れる媒体または機械可読媒体などのような大容量記憶域を含んでいる場合もある。ネットワークとしては、インターネット、1つ以上のローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、1つ以上のワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、有線タイプの接続、無線タイプの接続、セルラー方式無線接続、または、それらの何らかの組合せが挙げられる。同様に、多様な構成を採用することができ、或いは、多様なプロトコルに準拠しまたは互換性を持たせることができるサブネットワークを、より大規模なネットワーク内で相互運用することができる。例えば、多様な構成または多様なプロトコルに対する相互運用能力を提供する目的で、さまざまなタイプの装置を利用できるようにすることができる。具体的な一例として、ルータは、それが無ければ分離独立しているLAN相互の間にリンクを設けることができる。
【0036】
通信リンクまたはチャネルとしては、例えば、ツイストペア線などのようなアナログ電話回線、同軸ケーブル、T1規格型回線、T2規格型回線、T3規格型回線、または、T4規格型回線などのようなフル・デジタル信号回線またはフラクショナル・デジタル信号回線、統合デジタル通信網(ISDN)、デジタル加入者回線(DSL)、衛星リンクなどのような各種の無線リンク、もしくは、上記以外の、当業者には周知と思われる通信リンクまたはチャネルが挙げられる。更に、電算装置またはそれ以外の関連電子式装置を、例えば有線回線または有線リンクもしくは無線回線または無線リンクにより、ネットワークに遠隔接続することもできる。
【0037】
或る限定的ではない実施形態においては、「無線ネットワーク」とはクライアント装置をネットワークに接続することと理解するべきである。無線ネットワークは、独立型アドホック・ネットワーク、メッシュ・ネットワーク、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、セルラー方式無線ネットワークなどを採用することができる。無線ネットワークは更に、無線リンクなどにより接続された複数端末、複数ゲートウェイ、複数ルータなどのような、自由に移動し、ランダムに動き、または、それぞれを任意に編成し直すことができるものから成るシステムを構成の一部に含んでいることで、ネットワーク・トポロジーを折々変更し、時には急速に変えるようにしてもよい。
【0038】
無線ネットワークは更に、ワイ・ファイ(Wi‐Fi)技術、ロング・ターム・エボリューション(LTE)技術、無線LAN技術、無線メッシュ・ルーター(WR)技術、第2世代(2G)セルラー方式技術、第3世代(3G)セルラー方式技術、第4世代(4G)セルラー方式技術、第5世代(5G)セルラー方式技術などから成る、複数のネットワーク・アクセス技術を採用するようにしてもよい。ネットワーク・アクセス技術により、多様な度合いの機動性を持つクライアント装置などのようなデバイスに対し、広域的に通信圏内に入れることができる。
【0039】
例えば、ネットワークは、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張データGMS環境(エッジまたはEDGE)、第3世代移動体通信提携プロジェクト規格のLTE(3GPP(登録商標) LTE)、LTE高度化通信方式(LTE‐Advanced)、広帯域符号分割多重接続(WCDMA(登録商標))、ブルートゥース(登録商標)(Bluetооth)、IEEE無線LAN規格802.11b/g/nなどのような、1つ以上のネットワーク・アクセス技術により、高周波数(RF)通信すなわち無線式通信を提供することができる。無線ネットワークは、クライアント装置や電算装置などのような各種の装置相互間、ネットワーク相互間、ネットワーク内などで信号を通信させることができるのであれば、事実上はどんなタイプの無線通信機構を備えていてもかまわない。
【0040】
電算装置は、有線ネットワークまたは無線ネットワークなどにより信号を送受信してもよいし、各種の物理メモリ状態にあるような記憶装置内で行われるように、信号を処理または保存してもよい。例えば、電算装置はサーバーとして動作することができ、例として、専用のラックマウント型サーバー、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、セットトップボックス型通信端末、上記の各種装置の2つ以上の機能などのような多様な機能を組み合わせた統合型装置などが含まれる。サーバーの構成や性能は広範囲にわたることがあるが、一般に、サーバーは1つ以上の中央処理装置と記憶装置を構成部材の一部に含んでいるとよい。サーバーはまた、1つ以上の大容量記憶装置、1つ以上の電源、1つ以上の有線ネットワーク・インターフェイスまたは無線ネットワーク・インターフェイス、1つ以上の入出力インターフェイス、1つ以上のオペレーティング・システムなどを含んでいることもある。
【0041】
或る限定的ではない実施形態においては、ウェアラブル装置または追跡装置は、図1に示されている追跡装置102などのように、1つ以上のセンサを含んでいるとよい。「センサ」という用語はペットの活動や移動が原因で生じる物理量の変化を検出するために使用されるハードウェアまたはソフトウェアを指しているとよいが、例えば、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサ、または、何であれそれら以外の、物体の変位量を検出する目的で使用することができる装置などが挙げられる。或る限定的ではない具体例では、センサは3軸加速度計であればよい。1つ以上のセンサまたはアクチュエータは、微小電気機械システム(MEMS)の構成部材のうちの1つとして備わっていてもよい。MEMSはMEMS装置とも呼称されるが、センサ、アクチュエータ、または、その両方として機能して位置の変化、移動、加速、または、それらの各種組合せを検出するのに役立てられる、1つ以上の小型機械素子、小型電気機械素子、または、その両方を備えているとよい。それ以外の各実施形態では、何であれ上記以外のセンサまたはアクチュエータを使用することで、任意の物理的な特性、変化、または、量を検出することができる。ウェアラブル装置は、首まわり装着式(カラー)装置とも呼称されるが、1つ以上のトランスデューサを構成部材の一部に含んでいるとよい。トランスデューサは、センサ、アクチュエータ、または、その両方により検出された物理的な特性、変化、または、量を電気信号に変換する目的で使用されるが、電気信号を1つ以上のウェアラブル装置からネットワークを経由してサーバーに送信することができる。
【0042】
図1は、或る限定的ではない実施形態による、ペットを追跡、監視、または、その両方を実施する目的で使用されるシステムを例示した図である。特に、図1に示すように、システム100は、追跡装置102、携帯装置104、サーバー106、ネットワーク108、または、その各種組合せを構成部材の一部に含んでいるとよい。追跡装置102は、ペットが着用するまたはペットに取り付けられるウェアラブル装置であるとよい。例えば、ウェアラブル装置はペットの首輪に設置することができ、1つ以上のセンサを使用してペットの活動を追跡、監視、検出、または、この各種組合せを実施するために利用される。或る限定的ではない実施形態では、1つ以上のセンサを使用することで、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いする、これら以外の、ペットが実施する行動に付随している身体の動き、または、これらの各種組合せなどのような、ペットの多様な身体の動きを検知することができる。痒い素振りをするとは、例えば、引掻く、咥える、舐める、噛む、かじる、擦り付ける、または、これらの各種組合せを実施するなどを含んでいる或る範疇のペットの動きであると推測される。或る具体例では、1つ以上のセンサで、医療処置の前後、医薬品投与または製剤投与の前後、もしくは、去勢の診察または卵巣子宮摘出避妊術の診察などのような獣医師の診察の前後のいずれかでペットの活動を検出することができる。
【0043】
図1に示されているように、追跡装置102としては、ユーザか、または、それ以外の、ペットもしくは動物などのような実体が着用するように、或いは、別途身に付けるように設計された電算装置が挙げられる。
【0044】
或る限定的ではない実施形態では、追跡装置102は、図2に示されたハードウェアを構成部材の一部に含んでいるとよい。追跡装置102は、例えば、追跡装置102内に存在する一般にセンサと呼ばれる多様なハードウェア・コンポーネントやソフトウェア・コンポーネントによって生成されたデータを収集することができる。具体例を挙げると、GPS受信機か、または、加速度計、ジャイロスコープ、もしくは、何であれそれ以外の、動きまたは活動に関する追跡装置102のデータを記録、収集、または、受信する目的で使用される装置またはコンポーネントなどのような、1つ以上のセンサがある。限定的ではない実施形態のなかには、追跡装置102の活動が、該追跡装置が取り付けられているペットの動きを模倣することができるものもある。追跡装置102はペットの首輪に取り付けることができるが、他の実施形態では、追跡装置102は、ペットが着用している何か他の物に取り付けられてもかまわない。限定的ではない実施形態のなかには、追跡装置102が、例えば、ペット体内に移植されたマイクロチップなどのように、ペット自体の体表または体内に配置することができるものもある。
【0045】
本明細書でより詳細に論じているが、追跡装置102は、追跡装置102の1つ以上のセンサから収集された1つ以上のデータを処理するための演算処理装置を更に含んでいるとよい。この演算処理装置はどのような電算装置またはデータ処理装置で具体化されても構わないが、例えば、中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理装置(PLDs)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGAs)、デジタル拡張回路、これらと同等の装置、または、これらの各種組合せがある。演算処理装置は、単一の制御装置として実装されてもよいし、複数の制御装置または複数の演算処理装置として実装されてもかまわない。限定的ではない実施形態のなかには、追跡装置102が、データを収集し、検知し、または、受信し、送信前にデータを前処理し、もしくは、その両方を実施するように特に構成するとよいものもある。データを検知し、記録し、処理し、または、その各種組合せを実施することに加えて、追跡装置102は更に、位置およびそれ以外の監視対象または追跡対象のデータなどのようなデータを、ネットワーク108を介して他の装置またはサーバーに送信するよう構成されていてもかまわない。或る限定的ではない実施形態においては、追跡装置102は、追跡対象または監視対象であるどのデータであれ、ネットワークに連続送信することができる。それ以外の限定的ではない実施形態では、追跡装置102は、追跡対象または監視対象であるどのデータであれ、不連続送信することができる。不連続送信とは、或る有限期間の後にデータを送信することであると考えてよい。例えば、追跡装置102が1時間に1回の割でデータを送信するようにしてもよい。これは、追跡装置102が消費するバッテリ電力を削減しながら、帯域幅などのようなネットワーク資源の節約にも役立つ。各種の追跡装置に関する詳細は、2019年6月26日出願の米国特許出願第29/696311号および2019年6月26日出願の米国特許出願第29/696315号に記載されており、各々の出願はここに引例に挙げることにより本件の一部を構成しているものとする。
【0046】
図1に示すように、追跡装置102はネットワーク108と通信することができる。単一のネットワークとして図示されているが、ネットワーク108は、各種装置相互の間の通信を容易にする多重ネットワークまたは複数のネットワークから構成されていてもよい。ネットワーク108は、利用可能な任意の無線アクセス技術を使用するラジオ無線ベースの通信ネットワークであってもよい。利用可能なラジオ無線アクセス技術には、例えば、Bluetооth、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張データGMS環境(エッジまたはEDGE)、何らかの第3世代移動体通信提携プロジェクト(「3GPP」)技術があり、「3GPP」技術にはロング・ターム・エボリューション(LTE)、LTE高度化通信方式(LTE‐Advanced)技術、第3世代(3G)技術、第5世代(5G)・新無線(NR)技術などが含まれる。ネットワーク108は、上述の各種ラジオ無線アクセス技術のいずれか、または、何であれそれ以外の利用可能なラジオ無線アクセス技術を利用することで、追跡装置102、サーバー106、携帯装置104、または、それらの各種組合せと通信することができる。
【0047】
或る種の限定的ではない実施形態においては、ネットワーク108としては、IEEE無線LAN規格802.11標準規格または同等の各標準規格により規定されるワイヤレス・フィディリティー(Wi‐Fi)・ネットワークなどのような無線LANが挙げられる。この実施形態では、ネットワーク108は、位置データ、何であれ追跡対象のデータまたは監視対象のデータ、もしくは、その両方のデータを追跡装置102からサーバー106へ転送できるようにする。これに加えて、ネットワーク108は、追跡装置102と携帯装置104の間でのデータの転送を容易にすることができる。これに代わる実施形態では、ネットワーク108は、セルラー方式ネットワークなどのような移動体通信ネットワークを含んでいてもよい。この実施形態では、ネットワーク108が無線LANである実施形態と同様の態様で、図示されている装置相互間でデータを転送することができる。或る限定的ではない実施形態では、追跡装置102はウェアラブル装置とも呼ばれ、ネットワーク帯域幅を削減してバッテリ寿命を延ばすことができるようにする手段として、当該装置が無線LANネットワークに接続されている場合にのみ、または、主としてその条件の場合に、データをサーバー106に送信する。無線LANに接続されていないとき、追跡装置102は省電力モードに入り、その際には、データの監視、追跡、または、その両方を依然として実施できるが、収集されたどのデータもサーバー106に送信することは全く無い。これは、追跡装置102のバッテリ寿命を延ばすのにも役立つ。
【0048】
或る種の限定的ではない実施形態では、追跡装置102および携帯装置104は、装置相互の間でデータを直接転送することができる。このような直接転送は、デバイス・ツー・デバイス通信またはモバイル・ツー・モバイル通信と呼ばれることがある。単独であると記載されているが、ネットワーク108は多重ネットワークから構成されていてもよい。例えば、ネットワーク108は、追跡装置102と携帯装置104との間のデータ転送を容易にするのに役立つBluetoothネットワーク、無線LAN、および、移動体通信ネットワークを構成要素の一部に含んでいることもある。
【0049】
システム100は、携帯装置104を更に含んでいてもよい。携帯装置104は何であれ利用できるユーザ機器または移動局であればよく、具体例を挙げると、携帯電話、スマートフォンすなわちマルチメディア装置、タブレット装置などがある。これに代わる各実施形態では、携帯装置104は、例えばラップトップ型コンピュータのような、無線通信機能が設けられた電算装置、無線通信機能が設けられた個人用データ補助装置または個人用デジタル補助装置(PDA)、ポータブル・メディア・プレイヤー、デジタルカメラ、ポケット・ビデオカメラ、無線通信機能が設けられたナビゲーション・ユニット、もしくは、これらの何らかの組合せである場合もある。先に論じたように、携帯装置104は追跡装置102と通信することができる。これらの実施形態では、携帯装置104は、位置、ペットに関連するデータ、健康査定、健康提言、または、これらの各種組合せを追跡装置102、サーバー106、ネットワーク108、または、これらの各種組合せから受信することができる。これに加えて、追跡装置102はデータを携帯装置104、サーバー106、ネットワーク108、または、これらの各種組合せから受信することができる。或る種の限定的ではない実施形態では、追跡装置102は、携帯装置104が追跡装置に空間的に近接していることに関してデータを受信することができたり、或いは、携帯装置104に関連付けられたユーザの識別に関するデータを受信することができたりもする。携帯装置104に関連付けられたユーザとは、具体的には、ペットの飼育者の場合もある。
【0050】
携帯装置104(または非移動体式装置)は、上記に加えて、サーバー106と通信することでサーバー106からデータを受信することができる。例えば、サーバー106が1つ以上のアプリケーション・サーバーを構成要素の一部に備えており、ネットワーク化されたアプリケーションまたはアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)を提供することができる。或る限定的ではない実施形態においては、携帯装置104は1つ以上の携帯通信機用アプリケーションまたはインターネット基盤のアプリケーションを装備しており、これがAPIを介してサーバー106と通信することで、アプリケーション内のデータを取得して提示することができる。或る限定的ではない実施形態においては、サーバー106は、追跡装置102から受信した位置またはデータの視覚化または表示を提供することができる。例えば、視覚化データとしては、追跡装置102から受信したデータのグラフ、チャート、または、それら以外の表示を含んでいることがある。
【0051】
図2は、或る限定的ではない実施形態による、ペットを追跡して監視する目的に使用できる装置を例示している。装置200は、例えば、追跡装置102、サーバー106、または、携帯装置104であるとよい。装置200は、CPU202、記憶装置204、不揮発性記憶装置206、センサ208、GPS受信機210、セルラー方式送受信機212、Bluetооth送受信機、および、受洗送受信機214を構成部材の一部に含んでいる。該装置は、何であれ上記以外のハードウェア、ソフトウェア、演算処理装置、記憶装置、送受信機、グラフィカル・ユーザ・インターフェイス、または、これらの各種組合せを備えていてもよい。
【0052】
図2に関連して述べたように、装置200は、ペットが着用するまたは別途身に付けられるように設計されたウェアラブル装置であるとよい。装置200は、3軸加速度計などのような、1つ以上のセンサ208を構成要素の一部に含んでいる。1つ以上のセンサ208を利用することで、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いする、何であれ上記以外の、ペットが実施する行為に付随する身体運動、または、これらの各種組合せを検出することができる。限定的ではない実施形態のなかには、1つ以上のセンサ208が、医療処置、医薬品または製剤の投与、獣医師の診察、または、これらの各種組合せ事象の前または後のペットの活動を検出することができるようにするものもある。
【0053】
1つ以上のセンサは、例えば、GPS受信機210と組み合わせて使用することができる。GPS受信機210はセンサ208と併用することができるが、このセンサが装置200を監視することで、例えば、(GPS受信機210により)その位置を同定し、また、(センサ208により)その加速度を同定するようにしている。センサ208およびGPS受信機210はそれぞれ単一のコンポーネントとして図示されているが、その代替例として、各々が同じような機能を提供する複数のコンポーネントから構成されていてもよい。或る限定的ではない実施形態では、GPS受信機210が代わりに全地球航法衛星システム(GLONASS)受信機であってもよい。
【0054】
センサ208およびGPS受信機210は、本明細書でより詳細に説明されるようにデータを生成し、また、そのデータを中央処理装置(CPU)202を介して他の各種コンポーネントに送信する。これに代わる例として、または、上記と併せて、センサ208およびGPS受信機210は、短期保存を目的としてデータを記憶装置204に送信するようにしてもよい。或る限定的ではない実施形態においては、記憶装置204としては、ランダム・アクセス・メモリ装置やこれに類似した揮発性記憶装置などが挙げられる。記憶装置204は、例えば、コンピュータが読取れる持続的媒体などのような、任意の好適な記憶装置であってもよい。ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、フラッシュ・メモリ、または、それら以外の好適なメモリであってもかまわない。
【0055】
これに代わる例として、または、上記と併せて、センサ208およびGPS受信機210は、データを不揮発性記憶装置206に直接送信することができる。この実施形態では、CPU202は、メモリ204からのデータ(例えば、位置データ、事象データ、または、その両方)にアクセスすることができる。限定的ではない実施形態のなかには、不揮発性記憶装置206が、固体記憶装置(例えば、「フラッシュ」記憶装置)または従来の記憶装置(例えば、ハードディスク)から成るものもある。具体的には、GPS受信機210は、位置データ(例えば、緯度、経度など)をCPU202、記憶装置204、または、不揮発性記憶装置206に同様の態様で送信することができる。限定的ではない実施形態のなかには、CPU202がフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイまたは特注誂えの特定用途向け集積回路から成るものもある。
【0056】
図2に例示されているように、装置200は、セルラー方式送受信機212、無線送受信機214、Bluetооth送受信機216などから構成されている多重ネットワーク・インターフェイスを含んでいる。セルラー方式送受信機212により装置200は、CPU202により処理されたデータを、任意の無線アクセス・ネットワークを介してサーバーに送信することができる。これに加えて、CPU202は、セルラー方式送受信機212、無線送受信機214、および、Bluetooth送受信機216を利用して転送されるデータのフォーマットおよび内容を、検出されたネットワーク状態に基づいて判定することができる。セルラー方式送受信機212、無線送受信機214、および、Bluetooth送受信機216は各々が独立して送信機であり、受信機であり、または、送信機と受信機の両方である場合もあれば、送信と受信の両方に備えて構成することができるユニットまたは装置である場合もある。送信機、受信機、または、その両方は (ラジオ無線部品に関する限り) 遠隔ラジオ無線ヘッドとして実装されていてもよいが、それの場合、装置それ自体には設置されてはおらず、例えば、アンテナ塔に設置される。
【0057】
図3は、或る限定的ではない実施形態による、ペットを追跡または監視する目的で使用される装置または機器を例示している。図3に例示されているように、図1に示された追跡装置102などのような装置300は、ウェアラブル装置と呼ばれるか、または、図1に示された携帯装置104とも呼ばれるが、GPS受信機302、ジオフェンス検出器304、センサ306、記憶装置308、中央処理装置(CPU)310、ネットワーク・インターフェイス312などから構成されているとよい。ジオフェンスについては、地理位置情報フェンスとして以下の説明に委ねる。GPS受信機302、センサ306、記憶装置308、および、CPU310はそれぞれGPS受信機202、センサ208、記憶装置204またな不揮発性記憶装置206、および、CPU202と同じであってもよい。ネットワーク・インターフェイス312は、セルラー方式送受信機212、無線送受信機214、および、Bluetooth送受信機216のうちの1つまたは複数に一致していてもよい。装置300はまた、バッテリなどのような1つ以上の電源を備えているとよい。装置300はまた、バッテリを充電するために使用することができる充電ポートを備えていてもよい。充電ポートは、例えば、タイプAのユニバーサル・シリアル・バス(USB)・ポート、タイプBのUSBポート、ミニUSBポート、マイクロUSBポート、または、何であれこれら以外のタイプのポートであるとよい。限定的ではない実施形態のなかには、装置300のバッテリを無線で充電することのできるものもある。
【0058】
或る限定的ではない実施形態においては、GPS受信機302は、装置300に関連付けられた位置データを記録することができる。位置データとしては、例えば、装置300の位置を時間の関数として表す多数のデータ・ポイントが挙げられる。
【0059】
限定的ではない実施形態のなかには、ジオフェンス検出器304が既知のジオフェンス区域に関する詳細を保存しているものもある。例えば、ジオフェンス検出器304は、複数の多角形ジオフェンスごとに複数の緯度点および経度点を保存しているとよい。緯度、経度、または、その両方の点または座標は、ユーザが手動で入力してもよいし、ウェアラブル装置が自動検出してもよいし、または、その両方が実施されてもかまわない。これに代わる限定的ではない実施形態では、ジオフェンス検出器304は、既知の無線LANネットワーク・サービス・セット識別子(SSID)それぞれの名前を保存し、各SSIDをジオフェンスに関連付けることができる。或る限定的ではない実施形態では、ジオフェンス検出器304は、SSIDに加えて、装置300がいつジオフェンス区域から出るかを判定するための1つ以上の閾値を保存しているとよい。別個のコンポーネントとして示されているが、限定的ではない実施形態のなかには、ジオフェンス検出器304を、例えばソフトウェア・モジュールとしてCPU310内に実装することのできるものもある。
【0060】
GPS受信機302は、例えば、緯度データと経度データを記憶装置308を介してジオフェンス検出器304に送信するようにしてもよいし、或いはその代替例として、CPU310を介して間接的に記憶装置308に送信するようにしてもよい。
【0061】
図3に例示されているように、装置300は更に記憶装置308を含んでいる。或る限定的ではない実施形態では、記憶装置308は、装置300により検知または受信された過去すなわち以前のデータを保存することができる。例えば、記憶装置308は過去の位置データを記憶することができる。これ以外の限定的ではない実施形態では、以前の検知データ、以前の受信データ、または、その両方を記憶する代わりに、装置300は、図1に示されたサーバー106などのようなサーバーにデータを送信することができる。次に、この検知データを利用することで健康指標を判定することができるが、この健康指標はサーバーに保存することができる。次いで、サーバー106は、自ら受信した最近のデータに基づいて自ら決定した健康指標を、以前に保存していたデータに基づく保存済みの健康指標と比較することができる。例えば、ペットの検知された動きデータは、ペットが行った引掻きまたは痒い素振りといったような健康指標を示しているとよい。この健康指標に基づいて健康査定を決定することができる。健康査定は、例えば、ペットが掻痒症に罹っていることを示唆することができる。或る限定的ではない実施形態では、装置308は、それ自体のコンピュータ性能またはハードウェアを利用することで、健康指標、それに対応する健康査定、または、その両方を決定することができる。
【0062】
上述のように、或る限定的ではない各実施形態は、1つ以上のセンサ208を使用して、ペットの身体の動きを検知することを含んでいるとよい。ペットの身体の動きは、例えば、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いをする、何であれこれら以外の、ペットが実施する行為に付随する動き、または、上記動きの各種組合せと関連付けることができる。ペットの身体の動きに基づいて健康指標を判定し、そこから健康査定を決定することができる。健康査定とは、例えば、ペットが掻痒症などのような皮膚病または疾患に罹っている、というような場合もある。次に、サーバー106または装置308を利用して、健康提言を行うことができる。健康提言には、例えば、1種類以上のペット製品についての提言や、ペットを獣医師のところへ連れて行く提言が挙げられる。或る限定的ではない実施形態では、皮膚疾患に罹っているペットは毎日、皮膚疾患に罹っていないペットの3倍程度引掻く目に遭う。ペットの引掻きは血統が違ったり季節によって異なったりすることがあり、引掻きのような健康指標を追跡することは、1種類以上の皮膚疾患などのような健康査定を決定するのに役立つ。
【0063】
中央処理装置(CPU)310は、記憶装置308へのアクセスを制御しながら、記憶装置308からデータを取得し、ネットワーク・インターフェイス312を介してネットワーク接続された装置にデータを送信することができる。CPU310は、ジオフェンス検出器304からジオフェンス区域から出るようにとの指令を受信することができるとともに、ネットワーク・インターフェイス312を利用して携帯装置と通信することができる。或る限定的ではない実施形態においては、CPU310はGPS受信機302から位置データを受信することができ、また、その位置データを記憶装置308に保存することができる。或る限定的ではない実施形態では、位置データを保存することにより、タイムスタンプをそのデータと関連付けることができる。限定的ではない実施形態のなかには、CPU310が所定の間隔に従ってGPS受信機302から位置データを取得することができるものもある。例えば、上記所定の間隔は3分に1度であるとよい。限定的ではない実施形態のなかには、この間隔が、推定歩行長さに基づいて、または、装置300の残りのバッテリ寿命に基づいて動的に変更させることができるものもある。CPU310は、ネットワーク・インターフェイス312を介して、位置データを遠隔装置または遠隔位置に送信することができる。
【0064】
図4は、或る限定的ではない実施形態による、ペットの健康査定を実行する方法またはその処理過程のフロー図を例示している。工程410は、データを入力することを含んでいるとよい。例えば、入力データには、以下に限らないが、名前、生年月日、血統などのようなペット識別子、装置起動率、維持率、連動などのような装置102のデータ、分単位の活動持続時間、舐める頻度、引掻き頻度、睡眠、食事、飲水などのようなペットの活動データ、健康データ、または、その両方などがある。入力データは、追跡装置102またはウェアラブル装置102の1つ以上のセンサ208から収集することができる。例えば、入力データは加速度計421から収集することができ、これには高周波データと低周波データの両方が含まれているとよい。高周波データは50Hz加速度計データとしてもよい。高周波データの具体的な使用事例としては、健康指標の計算が挙げられる。低周波データはエネルギー消費量を表すものとしてもよい。これは、装置102上の高周波データから算定することができる。低周波データの具体的な使用事例としては、活動タブなどのような携帯アプリ機能をほぼ実時間で計算することが挙げられる。或る限定的ではない実施形態では、入力データは上記以外のソースから収集することができる。例えば、健康状態データ422を入力することができる。健康状態データ422としては、例えば、ペットの1つ以上の健康記録、外来診療所記録、または、入院病院記録から抽出された電子医療記録が挙げられる。もう1つ別の例では、健康状態データ422は、飼育者が報告した健康事象であってもよい。例えば、健康事象は、前回の掻痒症発症である場合もある。
【0065】
或る限定的ではない実施形態では、1つ以上のセンサが、第1のペットが着用するか、または、第1のペットに取り付けられるウェアラブル装置に付随しているとよい。例えば、入力データは、首輪に搭載された追跡装置102から収集することができる。サーバー106は、ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出することができる。限定的ではない実施形態のなかには、装置102の配向が常に前向きであるわけではないものもある。例えば、装置は、首輪の最下点における従来の腹側(底部)位置から離れる方向に回転する可能性があり、事実そうなることが多い。限定的ではない実施形態のなかには、サーバー106がセンサ・データに1つ以上の変換を付与することで、望ましくない回転を修正することができるようにしたものもある。例えば、首輪に搭載された追跡装置102から収集されたデータが前向きの追跡装置120から収集されたデータと同じになるように回転を排除する目的で、変換技術を利用することができる。これらの変換には、重力が原因でおこる加速を利用することでペットの首周囲の装置の位置の判定支援する工程を含んでいるとよい。上記以外のセンサ類、例えば、ジャイロスコープまたは磁力計などをカルマン・フィルタなどのようなフィルタ技術と組み合わせて使用することが、装置の正確な位置を確保するのに役立つ。この位置が判定された後で変換行列または四元数を利用することで、センサからの測定値を数学的に変換してペットの首輪の底部の座標系を一貫したものにするとよい。限定的ではない実施形態のなかには、首輪に搭載された追跡装置が、複数の配向で首輪に取り付けられるようにすることができるものもある。サーバー106は、ウェアラブル装置の配向を判定することができる。この配向の説明をするべく、首輪上の装置の向きを決定する機械学習モデルを開発することができる。このモデルは、装置がペットの首輪上で既知の配向にあったときに収集されたデータを利用して養成することができ、また、首輪上の配向を予測するように養成することができる。或る限定的ではない実施形態では、この機械学習モデルは畳み込みニューラル・ネットワークとすることができ、時を越えて測定値の情報集約することで、その期間中の装置の単一配向を判定することができる。サーバー106は、ウェアラブル装置の配向に基づいてセンサ・データを更に処理するとよい。その結果、健康指標を判定してから健康査定を決めるなどといったような後続のタスクで、首輪の配向や位置に対して良好な感度 (不変性) を得ることができるようになる。
【0066】
限定的ではない実施形態のなかには、入力データのペット活動データが、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルに基づいて生成することができるものもある。活動には姿勢と振舞いの両方が含まれているとよい。姿勢はペットのおおよその位置とエネルギー消費レベルを反映し、振舞いは所与の瞬間におけるペットの主な振舞いすなわち活動を特徴付ける。例えば、姿勢には「伏せる」、「座る」、「立ち上がる」、「歩く」、「精力的に動く」、「いろいろやる」などがある。活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルを利用することで、ペットに付随している追跡装置102またはウェアラブル装置102のセンサ208から収集されたセンサ・データ(例えば、ペットの動き)に基づいて、多様なペットの姿勢、振舞い、その両方を分類することができる。限定的ではない実施形態のなかには、センサ208が首輪に搭載された3軸加速度計であるとよいものがあり、これにより、ウェアラブル装置102がペットの多様な身体の動きを検出することができるようになる。限定的ではない実施形態のなかには、センサ208がジャイロスコープであればよいものもある。多様な体の動きとしては、例えば、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いする、何であれこれら以外の、ペットが行う行為に付随している身体運動、または、これらの各種組合せが挙げられる。或る具体例では、センサ・データは、ペットが飛び跳ねたり、食べ物に興奮したり、貪欲に食べたり、壁に掛けられた水椀から飲んだり、室内を歩き回ったり、または、これらの各種組合せの行為をすることに関連するデータを含んでいるとよい。センサ・データには、医療処置の後、すなわち、去勢の診察または卵巣子宮摘出避妊術の診察などのような獣医師の診察の後のペットの活動に関連するデータが含まれていてもよい。活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルは、各種のフィード・フォワード・ネットワーク、ディープ・フォワード・フィードネットワーク、畳み込みディープ・ネットワーク、長・短期記憶ネットワーク、または、これらの各種組合せなどのような機械学習技術に基づいて生成することができる。限定的ではない実施形態のなかには、ディープ・ラーニング活動認識モデルが畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)成分を含んでいるとよいものもある。具体例によっては、ニューラル・ネットワークが入出力ペアごとに学習した重みを養成することができるようにしながら、各種のCNNは養成可能な固定長カーネルまたはフィルタをそれぞれの入力に沿って畳み込むことができるようにしたものもある。言い換えると、CNNでは、小さくて原始的な特徴 (低レベル) を認識してからそれらを複雑な方法 (高レベル) で組み合わせることを習得していける。
【0067】
或る具体的だが限定的ではない実施形態では、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルは、50Hz加速度計データ(毎秒50データ・ポイント)を取り込んでから、3Hz(毎秒3つの活動予測)を出力することができる。但し、そのような低い粒度で予測を保存して解析する価値が無い場合もある。代わりに、複数の予測を結合させて、1分毎、1時間毎、および、1日毎の集計にしてもよい。集計を容易にする確率集計の特別な機能の1つは、確率をそれぞれの時間単位に正規化していることである。例えば、1分毎に60を合計することで、1時間毎の確率集計と等しくすることができる。この場合、各集計は確率で重み付けされた時間集計であるため、集計された期間内で各活動が発生した時間量のモデル最良推定値を近似的に表していることになる。しかし、このことで確率はもはや0と1の間に制限されなくなり、代わりに、時間に依存した解釈となることを意味している。集計済みの確率に基づいて、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルは更にペットの姿勢や振舞いを分類することができる。表1は、実験データセットを分類した結果の具体例を示している。
【0068】
【表1】
【0069】
或る限定的ではない実施形態においては、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルは、睡眠中および首輪なしの検出中に使用できる1つ以上のアルゴリズムを含んでいる。或る限定的ではない実施形態では、入力データ410を色分け地図として構成することで、1日毎のパターンを示すことができるようになるが、これに基づいて発見的アルゴリズムを睡眠中および首輪なしの検出中に適用することができる。具体的な処理過程の例は次のとおりである。最初の工程では、高解像度(例えば、3Hz)データを集約して1分毎の集計にすることができる。高解像度データは、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルから得られた姿勢推定出力および振舞い推定出力から構成されているとよい。この工程は通常どおり実施されて、1日毎の集計表に保存できる。例えば、表の各行は深夜12時を起点に分単位で、また、各列は約15個の出力階級、すなわち、「伏せる」、「座る」、「立つ」、「歩く」、「精力的に動く」、「いろいろやる」、「食べる」、「飲む」、「物を舐める」、「自らの身体を舐める」、「戯れの接触をする」、「身体を擦り付ける」、「引掻く」、「身震いをする」、「臭いを嗅ぐ」から成り、各階級が9つのビンに分かれている(1ビン毎に[0,1]確率空間の10分の1を占めており、最低確率空間は無視される)。これらの集計内の全てのデータは潜在的に有効である可能性がある。
【0070】
第2工程では、週毎の局所集計エントリの更新を開始できる。計算したい週毎の集計の各々について、その集計の1週間の一次区間と二次区間とを算定することができるが、後者は両端点で前者より12時間長い。次に、二次区間全体の集計を取得する。表2は、1週間毎の局所集計エントリの具体的な更新例を示している。
【0071】
【表2】
【0072】
第3工程では、集計確率から進めることができる。集約データ・フレームを次のように整理することができる。1行毎の各振舞いでヒストグラムのビンの数を加算することによりし、各ビンの区間の中心点で重み付けされた準確率を取得することができる。その後、1つの振舞いにつきデータ・フレームにして1列分だけとなる。次に、データが無くなるといつでも、データ・フレームをゼロで埋めることができる (そのため、索引には二次区間が1分も欠かさず含まれている)。更に、ペットの全体的な活動レベルを測定する「活動指数」を算定することができる (活動指数は、多様な姿勢の加重和であり、この場合、活動的な姿勢ほど重みが大きくなる)。
【0073】
第4工程では、「無効」アルゴリズムが無効領域(例えば、追跡装置102が首輪から外れた位置にある)を見つけることができる。図5Aから図5Cは、或る限定的ではない実施形態による、「無効」アルゴリズムの具体的なグラフ例を示している。図5Aに示すように、各姿勢の時間比率を取得することで、ペットの目視できる活動・動作レベルに対応している活動指数を作成する。次に、図5Bに示すように、活動が無いときはいつでも信号が無効である確率を蓄積するとともに、活動を認識している間はその確率を除外するアルゴリズムを実行する。約3時間の完全な活動において確率=1に達するようにこのアルゴリズムを調整する。このアルゴリズムを左から右と右から左の双方向で実行する。2つの推定値 (左から右および右から左) を加算してから合計の上限を確率=1にすることにより、2つの推定値を結合させる。これにより、左側と右側に鋭い端縁が得られる。この信号を有効にする閾値をp=0.75に定め、何らかの形態学的操作を行うことで長さ が20分未満の短い間隙を取り除くとともに、データが無効である期間が60分未満である誤差を除去する。図5Cに示すように、これらの無効領域を見つけて、それらを記述するデータ・フレームを作成する。データ・フレームには、隠れて目立たない領域の双方向確率推定値である信頼度を含めることができる(例えば、「無効」アルゴリズムの場合、信頼度は1に極めて近づく傾向がある)。データ・フレーム内の理由を活動していないとして標識を付けることができる。或る限定的ではない実施形態では、装置102が充電中のせいで、または、可能性としてあるそれ以外の理由により、無効領域が存在することがある。
【0074】
図6Aから図6Cは、或る限定的ではない実施形態による、「睡眠」アルゴリズムを利用することで休憩領域を見つける具体的なグラフ例を示している。「睡眠」アルゴリズムは「無効」アルゴリズムと類似していることがあるが、次のような特別な配慮がある。まず第1に、「無効」領域には事実上、加速度計信号が皆無である。ただし、睡眠は小さな動きによって中断されることが多いため、アルゴリズムを慎重に調整する必要がある。第2に、ペットは1日を通して頻繁に休息する可能性があるため、長時間の睡眠事象は元より短時間の昼寝も取り込む必要がある。それゆえ、アルゴリズムはより積極的で、より短い時間尺度で作用する必要があります。第3に、アルゴリズムは、持続期間全体に亘り確率=1.0に寄りかかるだけではなく、睡眠の質をより適切に捕捉する必要がある。図6Aから図6Cが示しているように、まず、活動指数と、ペットが夜間睡眠している可能性を大まかにモデル化する日周偏向の両方を考慮する。次に、前述の「無効」信号を算定したのと同じやり方で「逆方向」信号を算定するが、調整は異なるやり方で実施する (そのため、3時間ではなく約1時間かけてスピンアップし、動きへの感度は鈍る)。「無効」アルゴリズムとは異なり、「睡眠」アルゴリズムは、動作の中断に対する感度に影響を与える「偏向」引数に対応することができる。偏向が大きい場合、小さな動きが原因で確率がそれほど下落することはなく、1.0に近いままに留まると推測される。偏向が小さい場合、感度が高くなるせいで、確率をより迅速に0に向けて低下させると思われる。この場合、日周偏向により、夜間にペットが少し動いたときに推定値が睡眠を予測し続ける可能性が高くなり、日中にペットが動いたときに目を覚ますと予測する可能性が高くなる。基本的にこれは、睡眠に関する本件出願人の知識を利用することで、アルゴリズムが合理的な結論に達するのに役立てている。これに代わる実施形態では、日周偏向を、当該ペットおよびその睡眠パターンに特有の確率推定値に置き換えるとよい。次に、同じ方法で「順方向」信号を算定するが、このときは、約2/3×(眠気逆信号)+1/3(日周偏向)である強力な「偏向」信号を利用するとよい。この強い偏向は、特に夜間、長時間の非活動状態の最中に動きが突発する限りにおいては眠気信号が動きに反応しないよう促す。最後に、2段階の処理過程によりこれら2種類の信号を結合させる。第1工程では、2種類の信号を一緒に加算することで、両側に急峻な端縁が生じるようにする。第2工程では、シフトされた「最小」フィルタを適用することで、「睡眠」領域が「活動」領域と交わらないようにする。この部分により、ペットが午前9時に目覚めた場合、睡眠信号が、例えば「眠気」の確率が調節される午前9時3分まで待つこと無く、午前9時丁度に終端できるのを確実に行えるようにすることができる。
【0075】
図7Aから図7Cは、朝の起床時間の約30分間の具体的なグラフ例を示している。「逆方向」睡眠確率が低い(スピンアップする時間がこれまで無かった) ことが分かる。しかし、「順方向」確率は正しく、すなわち、約1.0である。ただし、「順方向」確率は、ペットがはっきりと目覚めてから約10分ないし15分経過するまで延長される。結合された「眠気」確率 (最下位面) は両方の信号を考慮して、(a)ペットが 13時45分まで完全に眠っていることを認識し、(b)ペットが動き始めるやほぼ瞬時に反応する(それ以外の夜間の細かい動きには過剰反応しないが)ことができるようにしている。或る限定的ではない実施形態では、「睡眠」アルゴリズムに対してペット固有の調整を実現できるようにしている。
【0076】
或る限定的ではない実施形態では、「眠気」確率時系列を取得し、それを一連の「昼寝」事象に変えることができる。例えば、これを実施できるように、閾値をp=0.5に設定してから更に、間隙(<6分)を形態学的に除去したうえで、短すぎる(<20分の)昼寝を除去するという手段を取る。その結果は「昼寝」データ・フレームとなるとよい。データ・フレームには、現地時間のタイムスタンプや、昼寝ごとの「眠気」確率値の平均と標準偏差などを含んでいるとよい。次に、次のようなアルゴリズムを利用して夜間の睡眠を同定することができる。対象地域の日付ごとに、当日の午後7時から翌日の午後12時までの全ての昼寝事象を取得するとよい。ここで、対象地域の日付ごとに、連続する昼寝事象のあらゆる可能な組合せを作成することができる。例えば、7時から8時まで、9時から10時まで、更に、11時から12時までに昼寝事象があった場合、7時から10時まで、7時から12時まで、更に、9時から12時までの合成昼寝事象を作成することができる。ここで、対象地域の日付ごとに、1回の昼寝の全件と合成昼寝に点数を付けることで、それが夜間の睡眠にどの程度似ているかを確認することができるようになる。利用できる幾つかのガイドラインを挙げると、睡眠は現地時間の午後7時から午前2時までの間、できれば午後10時頃に開始する必要があること、睡眠は現地時間の午前4時から翌日の正午までの間、できれば午前7時頃に終了する必要があること、睡眠は5時間から11時間、できれば8時間ほど継続する必要があること、などがある。次に、対象地域の日付ごとに、夜間の睡眠事象として最も可能性の高いものを選択し、それが本件で設定した最小しきい値を超えている場合は、その日付の睡眠事象として標識を付け、当該事象の作成に使用した昼寝を(それが合成昼寝であった場合は)全て削除する。
【0077】
その後、作成された全ての事象 (睡眠、昼寝、無効など) をデータベースに保存するとよい。ただし、どの事象であれ、また特に「睡眠」は、或る集計期間から次の集計期間内にまで続く可能性があるせいで、重複領域に対処する課題が残る。或る限定的ではない実施形態では、この課題には次のように対処することができる。本件で設定した一次区間の日付に対応している「睡眠」事象ごとに、それをデータベースに追加し、それと交わる全ての「睡眠」事象および「昼寝」事象 (データベース内のものを含む) を削除するとよい。「昼寝」事象ごとに、それが一次区間で始まっている場合は、それをデータベースに追加し、それと交わっている全ての「昼寝」事象を削除するとよい。「昼寝」事象の各々が二次区間で始まっている場合は、それが他の「昼寝」事象または「睡眠」事象と交わっていない場合にのみデータベースに追加することができる。各「無効」事象については、本件で設定した一次区間まで(必要に応じて)切り揃えてから、データベースに追加するとよい。
【0078】
或る限定的ではない実施形態では、入力データの上記以外のソースは、図4の参照番号423のブロックに示すように、統計上の属性データ、所在地データ、および、遺伝子データのうちの1つまたは複数を含んでいるとよい。所在地は、例えば、GPS受信機302を使用して検出することができる。犬の統計上の属性情報は、例えば、年齢、犬種血統、動物種、および、性別のうち1つまたは複数を含んでいるとよい。実施形態によっては、犬の統計上の属性情報が、何であれ上記以外のペットの情報を含んでいる場合がある。遺伝子データは、例えば、ペットの1つ以上の遺伝子マーカー、動物種、1つ以上の犬種血統、または、これらの各種組合せを含んでいるとよい。これ以外の実施形態のなかには、入力データが、外部データベースまたはサーバー424から収集することができるものもある。例えば、外部データベースまたはサーバーから収集された入力データとしては、現地の天候、何であれそれ以外の、ペットの健康査定に使える花粉計数や平均湿度などのような環境データ、または、その両方が挙げられる。限定的ではない実施形態のなかには、第1のペットの健康査定の生成が、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうちの1つ以上に更に基づいている場合もある。
【0079】
図4を参照し直すと、入力データ410は前処理430に付すことができる。或る限定的ではない実施形態では、前処理430は、追跡装置102またはウェアラブル装置102の1つ以上のセンサ208から収集したデータに基づいて、ペットの行為、ペットの振舞い、ペットの身体の動き、または、これらの各種組合せの予測を集計し、時間で束縛し、または、その両方を実施することを含んでいるとよい。例えば、前処理には、標識を付された事象までの1秒だけ、1分だけ、1時間だけ、1日だけ、1月だけ、1年だけ、または、これらの各種組合せの期間だけ、引掻く、痒い素振りをする、身体を舐める、または、これらの各種組合せの行為の集計が含まれているとよい。限定的ではない実施形態のなかには、入力データに、個体数(個体群数)、事象(単数または複数)、時間(1種または複数種の時間単位)、または、これらの各種組合せのうち1つ以上に応じて標識が付すことができるものもある。例えば、個体数は追跡装置102を着用しているペットである場合がある。時間は、例えば、ペットが獣医師の診察を受ける日付、時間、または、その両方の場合もあれば、ペット飼育者またはそれ以外のユーザがデータを入力した日付、時間、または、その両方の場合もある。同様に、事象は、獣医師の診察を受けることであるかもしれないし、或いは、ペット飼育者またはそれ以外ユーザがデータを入力することである場合もある。
【0080】
或る限定的ではない実施形態では、予測モデル440を利用することで、前処理済みのデータ430を処理するようにしてもよい。予測モデル440は、ペットの健康指標、ペットの健康査定、または、その両方を決定するために使用することができる。実施形態によっては、健康指標が、痒い素振りをする、引掻く、舐める、歩く、飲む、食べる、眠る、身震いするなどの行為の計量を含んでいる場合もある。このような計量は、例えば、ペットが歩いた距離、眠った時間、痒い素振りをした量、または、それらの各種組合せであってもよい。限定的ではない実施形態のなかには、健康指標ごとに、その指標の計量に基づいて各種の範疇を生成することができるものもある。例えば、引掻くという行為の範疇としては、滅多にない、時々、前より頻繁、深刻なほど頻繁、などが挙げられる。限定的ではない実施形態のなかには、予測モデル440が、以下の前処理済みのデータのうちの1つ以上に基づいているとよいものもある。すなわち、予想基準値と比較した、事象当日の引掻き行為の秒数、予想基準値と比較した、事象当日の自らの身体を舐める行為の秒数、現地環境の平均花粉計数(例えば、3日通しで)、現地環境の平均湿度(例えば、3日通しで)、現地の最高気温、現地の最低気温、ペットの年齢、品種血統の表示、皮膚疾患関連の遺伝子マーカーの有無、ペットの品種血統、ペットの動物種(例えば、猫や犬など)などである。
【0081】
図8Aおよび図8Bは、或る限定的ではない実施形態による、ユーザ・インターフェイスが多様な健康指標を表示している具体例を例示している。図8Aに示されている健康指標としては、引掻く820、身体を舐める830、および、眠る840がある。ユーザ・インターフェイス810は、直近7日間の平均に基づいて、このペットの範疇・引掻くが前より頻繁になったが、範疇・身体を舐めるが滅多になかったことを示している。ユーザ・インターフェイス810は、月曜の夜は範疇・眠るが安眠であったことも示している。或る限定的ではない実施形態では、範疇・眠る(例えば、安眠、少し途切れた、途切れがち)は、睡眠点数から決定されるとよい。或る限定的ではない実施形態では、睡眠点数は、睡眠の質を簡単にまとめるためのヒューリスティックな消費者対応数値であるとよい。睡眠点数は個体数全体の睡眠データを使用して策定することができるが、ペットの健康との厳密に定量的な結び付きが全く無い場合がある。例えば、犬の睡眠点数を算定する目的で6つの異なる変数を追跡してみるとよい。睡眠の持続時間、夜間の睡眠途絶回数、睡眠途した合計時間、そして、前週に対するこれら3つの変数の個々の変化、である。ユーザが、装置表示画面上の健康指標・眠る840を軽く叩くと、図8Bに例示されているように、ユーザは、より詳しい事柄を示したユーザ・インターフェイス850に誘導される。例えば、ユーザ・インターフェイス850は、ペットが火曜の夜は全く睡眠途絶せずに9.9時間眠ったことを示している。ユーザ・インターフェイス850は、一週間全体の睡眠期間も示す。
【0082】
或る限定的ではない実施形態では、予測モデル440は更に、健康指標に基づいてペットの健康査定を決定することができる。健康査定は、例えば、健康指標によって決定され、提案され、または、その両方を行われた1つ以上の疾患、1つ以上の健康状態、または、それらの各種組合せの指標を含んでいるとよい。健康状態としては、例えば、以下のもののうち1つ以上を含んでいる場合がある。すなわち、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症、または、これらの各種組合せである。これ以外の限定的ではない実施形態では、健康査定の結果は、獣医師またはペットの介護人などのような第三者により提供される。例えば、健康査定では、ペットが体重超過であることや、ペットが病気を患っている可能性があることを特定することができる。或る限定的ではない実施形態では、健康指標は1つ以上の予め保存されていた複数の健康指標と比較することができるが、これらは以前に受信したデータに基づいているとよい。健康指標を保存されていた健康指標と比較することにより閾値差が検出された場合は、健康査定はそのような検出を反映しているとよい。例えば、予測モデル440は、ペットが所与の閾値分だけ睡眠が減り、所与の閾値分だけ痒い素振りが増し、または、所与の閾値分だけ食べなくなったと判定することになるかもしれない。これら所与の閾値または予め設定されていた閾値に基づいて、健康査定を実施することができる。健康指標および健康査定を決定することに関するこれ以上の情報は、2020年6月26日出願のPCT特許出願第PCT/US2020/039909号に記載されており、斯かる出願はここに引例に挙げることにより本件の一部を構成しているものとする。
【0083】
或る限定的ではない実施形態では、ペットの健康査定を決めるために、予測モデル440を利用して多様な健康点数を出力することができる。例えば、健康点数はペットのエネルギー消費量を反映しているようにしてもよく、これは、第1のペットが活動を行っている時間量(例えば、分単位)、第1のペットが活動を行っている強度得点、第1のペットが活動を行っている時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決定された目標時間と比較した割合(%)、第1のペットが活動を行っている強度得点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決定された目標強度得点と比較した割合(%)などのうちの1つ以上に基づいて算定することができる。図9は、或る限定的ではない実施形態による、各種活動に基づいて健康点数を算定する方法またはその処理過程の各工程を例示している。図9のx軸は或る健康事象にまつわる日数を示している。例えば、ゼロ日目が、ペットが病気と診断された際の獣医師の診察日という意味だとすれば、-20日目は従って獣医師の3週間前ということになる。工程1で、予測モデル440は、例えば入力されたデータに基づいて、実際の毎日の、ペットが活動している生の時間数(分)を判定することができる。日々ペットが活動していることについての基準値は、活動に影響を及ぼすと分かっている各種要因によって区分けされた、同類のペットたち (例えば、同じような品種血統、同年齢、同じ体重など) の毎日の活動の観察と解析に基づいて事前に判定することができる。予測モデル440は、例えば入力されたデータに基づいて、実際の毎日の生の強度得点を決定することもできる。強度得点の基準値も予め決めることができる。予測モデル440は更に、毎日の活動達成の割合を判定することができるが、その際、100%到達目標も、過去90日の範囲におけるペットの毎日の活動の観察と解析に基づいて予め決めることができる。活動到達目標はペットが1日あたりに活動するべき推奨時間数(分)であるとよいが、これはペットに関する知識に基づいて決定される。100%達成とは、ペットが設定された時間数(分)に到達したことを意味する。工程2で、予測モデル440は、工程1で説明した毎日の実際の値と基準値との比較に基づいて、成分ごとに点数を付けることができるが、すなわち、時間数(分)活動点数、強度点数、および、達成率(%)点数を付ける。工程3では、予測モデル440は更に、これらの成分を組み合わせることで1つの「活動」点数を生成することができる。活動点数は、各種の活動計量(例えば、生の時間数(分)の活動、生の強度得点、および、生の活動達成率(%))のみを考慮した成分点数であるとよい。或る限定的ではない実施形態では、活動点数は健康点数の1成分として利用することができる。
【0084】
或る限定的ではない実施形態では、健康点数は、健康指標の多様な計量の尺度を変更して0から100の範囲にすることによって算定することができる。例えば、計量は、ペットが引掻いたり自らの身体を舐めたりした時間(例えば、秒単位で測定)とすることができる。引掻くという行為に関して、健康点数を生成するための具体的な尺度変更例は、7日間の移動平均に基づいて次のように決定することができる。0秒ないし52秒は90点ないし100点に尺度変更し、滅多に引掻くことがないことを示すとよい。52秒ないし119秒は80点ないし90点に尺度変更し、時々引掻くことがあることを示すとよい。119秒ないし299秒は60点ないし80点に尺度変換し、前より頻繁に引掻くようになったことを示すとよい。300秒ないし600秒は0点ないし60点に尺度変更し、深刻なほど頻繁に引掻いていることを示すとよい。600秒超えは0点に尺度変更するとよい。引掻く行為の健康点数を生成するもう1つ別の具体的な尺度変更例では、0秒ないし75秒が「滅多にない」、75秒ないし170秒が「時々する」、170秒ないし360秒が「前より頻繁」、360秒超えは「深刻なほど頻繁」とするとよい。自らの身体を舐める行為に関して、健康点数を生成するための具体的な尺度変更例は次のとおりである。0秒ないし420秒は90点ないし100点に尺度変更し、滅多に舐めることがないことを示すとよい。420秒ないし1140秒は80点ないし90点に尺度変更し、時々舐めることがあることを示すとよい。1140秒ないし2580秒は60点ないし80点に尺度変換し、前より頻繁に舐めるようになったことを示すとよい。2580秒ないし6160秒は0点ないし60点に尺度変更し、深刻なほど頻繁に舐めていることを示すとよい。6160秒超えは0点に尺度変更するとよい。舐める行為の健康点数を生成するもう1つ別の具体的な尺度変更例では、0分ないし15分が「滅多にない」、15分ないし26分が「時々する」、26分ないし45分が「前より頻繁」、45分超えは「深刻なほど頻繁」とするとよい。サーバー106は更に、これら尺度変更後の計量に基づいて、1つ以上の健康点数を生成することができる。
【0085】
或る限定的ではない実施形態では、1つ以上の健康指標それぞれに1つ以上の重みを付随させるようにしてもよい。重みは、それと対応している健康指標の重要性を示すことができる。予測モデル440は、上記に加えて、1つ以上の健康指標の1つ以上の計量を結合させて1つの健康点数にすることができるが、その際に重みと移動平均を利用する。例えば、引掻く行為の重みは0.25で、移動平均は7日分であるとよい。舐める行為の重みは0.15で、移動平均は7日分である。眠る行為の重みは0.2で、移動平均は7日分である。活発な動きの重みは0.4で、移動平均は3日分である。ここで重みと 3 日間のローリング平均を含めることができます。ここで、「活発な動き」とは、主に歩く、走るなどの活動によるペットの一般的なエネルギー消費を示すことに留意すべきである。既に図9で説明したように、活動計量は、生の時間数(分)の活動、生の強度得点、および、生の活動達成率(%)から成る。これら4つの計量、すなわち、引掻く、身体を舐める、眠る、活発に動くという各行為を、幾何平均を使用して組み合わせることで、1つの健康点数を生成することができる。図10Aおよび図10Bは、体調が優れないため獣医師の診察に訪れた犬について、組合せ計量の一例を示している。図10Aは、2019年3月以前から2019年8月以降までの、引掻く、身体を舐める、眠る、および、活発に動くという各行為に関連する健康点数を例示している。犬は5月に倦怠感との診断を受けた。図10Bは、組合せの健康点数を例示している。見てのとおり、組合せの健康点数は倦怠感と診断された時点の辺りで最も低くなっている。
【0086】
図11は、或る限定的ではない実施形態に従ってユーザ・インターフェイス1110が健康知見を表示している一例を示している。ユーザ・インターフェイス1110は、ペットの健康点数1120が100であり、これは以前に判定された健康点数より47点上昇したことを示している。ユーザ・インターフェイス1110はまた、直近7日間の平均に基づいて、範疇・引掻く1130が滅多にないこと、また、範疇・自らの身体を舐める1140が時々あることも示している。
【0087】
図12Aおよび図12Bは、或る限定的ではない実施形態によるホーム画面1210の一例を示している。図12Aでは、ホーム画面1210がペットの健康点数1220、活発な動き1230、所在地1240、および、健康指標1250を表示している。ユーザが健康点数1220の部分を軽く叩くと、ユーザは健康点数1220と過去数日間の健康スコア1260に関する更なる詳細を見ることができるが、これらは図12に示されている。例えば、ユーザは、範疇・健康点数1220(例えば、「順調」など)と過去1週間の日毎の健康点数1260を見ることができる。多様な範疇の健康点数の説明1270もユーザ・インターフェイスの最下部に表示されている。
【0088】
或る限定的ではない実施形態では、健康スコアはペットの医療記録と対照して調整することができる。例えば、活発な動きの点数は病気の犬の医療記録に照らして調整されるとよい。実施形態によっては、医療記録に照らして調整する目的で、ペットたちを、無気力、倦怠感、または、飼育者の報告した低活動性を書き留めた医療記録と一緒に利用して、病状の周辺で予想される低活動性のパターンがどのようなものであったかを、日々の活発な動きに正常な揺らぎはあっても健康であったペットたちと対比してどう見えるかを基準に評価することができる。もう1つ別の具体例として、引掻き予測と身体を舐める予測を、既知の掻痒性皮膚炎の諸症状を有する犬に照らして調整し、業界標準の掻痒症視覚的アナログ尺度(PVAS)に照らして検証し、報告し、または、その両方を実施することができる。一実施形態では、引掻き回数と身体を舐める回数について、既知の皮膚疾患に罹ったペットたちおよび既知の健康な皮膚を有するペット達を対象に比較してもよい。これにより、「滅多にない」、「時々ある」、「前より頻繁になった」、および、「深刻なほど頻繁」というバケツ方式にグループ化した点数を生じることができる。滅多にないと評価されているのなら、そのペットたちは掻痒性の皮膚疾患を患ってる可能性は低いかもしれない。時々あると評価されているのならば、そのペットたちは異常なしであるか、進行中かまたは軽度の掻痒皮膚状態にある可能性があるかもしれない。獣医師が評価した折に前より頻度が高くなったレベルまたは深刻なほど頻繁なレベルであったペットらは、一般的に掻痒性皮膚疾患に罹っていることが明らかであるかもしれない。健康点数は、皮膚疾患、関節炎、消化管系疾患、耳感染症、心臓発作、歯牙破、十字靱帯断裂、膵臓病発症、倦怠感などのような広範な病状にわたって比較して調整することができる。これらのペットは、それぞれの医療記録を見ればそこに上述のように元気のなさや無気力状態が記されているし、或いは、診察を受ければ上述のように診断されることが予想される。上記調整を行えば、ペットは、非特異的に「気分が優れないので」元気がないというバケツ方式ではなく、実際の病状に踏み込んで更に診断を受けられる。
【0089】
或る限定的ではない実施形態では、第1のペットの1つ以上の活動を検出すること、または、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定することは、1種類以上の機械学習モデル、例えば活動認識モデルおよび予測モデル440に基づいている。1種類以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成することができる。限定的ではない実施形態のなかには、予測モデル440を養成することで、健康指標、健康査定、または、その両方を判定することができるようにしたものもある。予測とは、例えば、所与の時点に、所与の期間に、または、所与の期間の所与の時点に、または、そのような時点や期間に亘り、ペットの疾患の確率を表すまたはそれを象徴した0と1の間の相対点数を与えるといったような、柔軟な分類のことであればよい。予測モデル440を養成する目的で、例えば、サーバーは、複数のウェアラブル装置102からのデータを集計することができる。複数のウェアラブル装置102からのデータの集計は、クラウド・ソーシング・データと呼ばれることがある。1匹以上のペットから収集されたデータは、データ内に存在する1つ以上の傾向または関係を学習するために集計され、分類され、または、その両方を実施される。学習した傾向または関係をサーバーが利用することで、受信したデータから健康指標を判定し、予測し、推定し、または、その各種組合せを実施することができる。健康指標はペットがやって見せるあらゆる振舞いを判定するために使用することができるが、振舞いはペットのウェルネスと健康に潜在に影響を及ぼす可能性があるからである。機械学習を利用することで、健康指標とペットの健康やウェルネスに対する潜在的な影響との間の関係をモデル化することもできる。例えば、ペットが皮膚疾患などのような病気または一連の病気に罹患している可能性は、健康指標に基づいて予測することができる。予測モデル440は自動化することも、半自動化することも、または、その両方を施すこともできる。半自動モデルでは、予測モデル440は、自動化プロセスに介入して機械学習プロセス中に処理されるデータの1つ以上の傾向またはモデルを特定または検証するのを手助けする人間のプログラマによって支援される。
【0090】
上述したように、予測モデル440は、データの力を利用することによって養成することができる。予測モデル440を養成する目的で数十億という時間(分)のデータを収集することにより、毎日24時間・週休無しでペットに何が起こっているかを理解するための基盤を構築できます。従って、予測モデル440により、ペットたちのそれぞれの家庭環境における振舞いを客観的に理解することができるようになる。日常の振舞いをより良く理解することで、病気の潜在的な兆候をこれまでよりも早く特定し、早期の治療介入を促進することができるようになる。大量のデータにより、異常な状況における予測モデル440の精度を向上させることができるようになる。予測モデル440がより多くを経験させられるほど、より良いものになる可能性がある。本明細書に開示されている各実施形態は、ペット飼育者にとっての世話の負担を軽減することによりペット飼育者により早期認識を与え、ペットの二次感染を防止し、専門家が抗菌薬の使用を減らすとともに薬剤耐性菌を減らすのを手助けできる。図13のx軸は、獣医師の診察 (ゼロ日目に起きている) の前後の日数を示している。換言すると、点線1310は獣医師の診察の当日を示している。「引掻き上位者1320」の場合、線1330は皮膚疾患に罹っているグループの平均引掻き計量であり、線1340は対照グループに対応している。「身体舐め上位者1350」の場合、線1360は皮膚疾患に罹っているグループの平均身体舐め計量であり、線1370は対照グループに対応している。解析の結果、本件で設定した引掻き閾値と身体舐め閾値の両方により、約30%のペットたちが獣医師のところで受診するより早くも90日前に問題を特定できることが分かっている。
【0091】
或る限定的ではない実施形態では、予測モデル440は、ペットの健康指標、健康査定、または、その両方を予測または判定する目的で、多様な機械学習技術を利用して養成することができる。例えば、適切な時系列を取得するとよいのであるが、これは受信したデータをフレーム化するために利用することができる。次に、手動で作成された統計上の特徴ベクトル、スペクトル特徴ベクトル、または、その両方を、1つ以上の有限時間帯に亘って算定するとよい。特徴とは、ウェアラブル装置または何であれそれ以外の入力データソースを介して観察される、個別の測定可能な特性または特徴のことである。特徴ベクトルは、1つ以上の特徴を1セット含んでいるとよい。「手作り」とは、予め定められたアルゴリズムを手動で使用して導出されたそれら特徴ベクトルを指している。k近傍法(KNN)、ナイーブベイズ(NB)、決定木またはランダム・フォレスト、ブースト・ツリー、サポート・ベクター・マシン(SVM)、または、何であれそれら以外の周知の各種アルゴリズムなどのような学習アルゴリズムを更に利用することで予測モデル440を養成し、予測モデル440が計算結果の特徴ベクトルを健康指標予測または健康査定予測にマッピングすることができるよう図っている。予測モデル440は、新しい時系列データまたはホールドアウト法で検証済みの時系列データに基づいて評価することができる。
【0092】
或る限定的ではない実施形態では、1つ以上の学習アルゴリズムを使用または統合することで、予測結果を改善することができる。例えば、アンサンブル学習ベースの方法は、予測モデル440を養成するときに、1つ以上の学習アルゴリズムを統合するのに使用することができる。一例として、但しこれに限らず、変換ベースの集合体の総体(COTE)と変換ベースの集合体の総体の階層的投票バリアント型(HIVE‐COTE)とがアンサンブル学習ベースの方法の具体例である。
【0093】
KNN、NB、または、SVMなどのような前述の各アルゴリズムまたは各技術を使用するよりはむしろ、上記以外の実施形態によっては、1つ以上の深層学習モデルやニューラル・ネットワーク・モデルを利用することができるものもある。深層学習モデルやニューラル・ネットワーク・モデルは、手作りの特徴ベクトルに依存しない。その代わりに、深層学習モデルやニューラル・ネットワーク・モデルは、学習手順から得られた学習結果の特徴ベクトルを使用する。或る限定的ではない実施形態では、ニューラル・ネットワークは、多数の粗野な基礎的要素で構成されている計算グラフを含んでいるとよいが、各要素がその入力の加重合計を実行して、非線形性を導入している。限定的ではない実施形態のなかには、深層学習予測モデル440が畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)成分を含んでいるとよいものもある。具体例によっては、ニューラル・ネットワークが入出力ペアごとに学習結果の重みを養成することができるものもあるが、CNNは学習可能な固定長のカーネルまたはフィルタをそれぞれの入力に沿って畳み込むことができる。言い換えれば、CNNは、小さくて粗野な特徴 (低レベル) を認識してから、それらを複雑なやり方 (高レベル) で組み合わせることを学習することができる。
【0094】
或る限定的ではない実施形態では、プーリング、パディング、ストライディング、または、これらの各種組合せを使用することで、畳み込みが実行される次元でのCNNの出力のサイズを縮小することができるが、それにより、計算コストを低減し、学習過多となる恐れを少なくしている。ストライディングは、フィルタ・ウィンドウがスライドする際のサイズまたは工程数のことを表しており、パディングは、データの一部の領域にゼロを充当することでストライディングの前後にデータを一時保存する工程を含んでいる。例えば、プーリングは、畳み込み層または何であれそれ以外の層により収集された情報を単純化する工程と、層内に含まれている情報の圧縮版を作成する工程を含んでいる。限定的ではない実施形態のなかには、一次元(1D)CNNを使用することで、スライドするウィンドウで生成された固定長の時系列区分を処理することができるようにしたものもある。このような1次元CNNは、プーリングとストライディングを活用することで最終CNN層の出力を連結するようにした、多対1構成で実行することができる。次に、完全に接続された層を使用することで、1段階以上の時間手順で階級予測を生成することができる。
【0095】
入力信号に沿って固定長のカーネルを畳み込む1次元CNNとは対照的に、再帰型ニューラル・ネットワーク(RNN)は各時間手順を順番に処理するため、RNN層の最終出力は先行するすべての時間手順の関数になる。或る限定的ではない実施形態では、長短期記憶(LSTM)モデルとして周知のRNNバリアント型を使用することができる。LSTMはメモリ・セル、1つ以上の制御ゲート、または、その両方を構成要素の一部に含んでいることで、時間依存性を長いシーケンスでモデル化することができる。例えば、LSTMモデルは単方向であってもよいが、これは、当該モデルが各時系列を処理する際の順番が、それら時系列を記録または受信した順で実施することを意味している。もう1つ別の例では、入力シーケンス全体が利用可能な場合は、2つの並列LSTMモデルを評価するのに互いに反対方向で実施し、すなわち、時間的に順方向と逆方向の両方で評価することができる。2つの並列LSTMモデルの結果を連結して、時間依存関係を順逆両方にモデル化することができる双方向LSTM(bi‐LSTMすなわちバイ・エル・エス・ティー・エム)を形成することができる。
【0096】
限定的ではない実施形態のなかには、1つ以上のCNNモデルと1つ以上のLSTMモデルとを組み合わせることができるものもある。この組合せモデルは、ストライドされていない4つのCNN層の積載体を含んでいるとよいが、その後には2つのLSTM層とソフトマックス分類層を追従させることができる。ソフトマックス分類層は、入力の指数関数に比例する多数の確率を含む確率分布を正規化することができる。例えば、CNNへの入力信号はパディングされないため、各層がストライドされていない場合ですら、CNN層の各々が時系列を数サンプル分だけ短縮する。LSTM層は単方向であるため、最終的なLSTM出力に対応しているソフトマックス分類層を学習と評価で利用できるのは元より、スライドするウィンドウ区分からの出力時系列を再構築するのにも利用することができる。ただし、この組合せモデルは多対1構成で運用するとよい。
【0097】
限定的ではない実施形態のなかには、上記1つ以上のモデルを使用して、複数の独立した出力を同時に算定することができるものもある。例えば、同じネットワークを利用することで、迅速に変化する振舞いとゆっくりと変化する姿勢の両方を同時に予測することができる。複数の出力の損失関数はまとめて単純に加算することができ、ネットワークは両方で同時に養成することができる。これにより、2組の標識相互の間で或る程度の自動転移学習が行えるようになる。或る限定的ではない実施形態では、転移学習により、第1のタイプの装置200に基づいて養成された予測モデル440を、フォーム・ファクタが第1のタイプの装置200とは異なっている第2のタイプの装置200(例えば、新しい装置)に転送することができるようになる。その結果、健康点数を、マルチモデルかつマルチデバイスの基本設計概念に基づいて生成することができる。
【0098】
或る限定的ではない実施形態では、時系列の加速度計読取り値などのようなデータを予測健康指標にマッピングするために使用される予測モデル440は、小さな時間窓の振舞いを予測するウィンドウ法を使用することができる。このような実施形態は、1ウィンドウにつき1つの予測を生成することができる。他方で、これ以外の限定的ではない実施形態では、小さな時間窓およびそこに含まれるデータを使用するのではなくむしろ、予測モデル440は集計結果の量のデータで実行可能となる。ウェアラブル装置102から受信したデータは、予測モデル440に送ることができるようになる前に集計することができ、それにより、多数のデータ・ポイントの分析を行える。例えば、データの集計は、3Hzの周波数窓で最初に受信したデータ・ポイントを、時間を分に、日を時間に、週を日に、年を月に、または、何であれそれ以外の、当該処理を容易にすることができて機械学習ツールのモデル化に役立つ周期性に分割することができる。データが複数回集約される場合には、データ集計に階層が確立されることがある。階層は、集計結果のデータが置かれるデータ・ビンの周期性に基づいているとよいが、その場合、データが再集計されるたび毎に、データを置くことのできるビンの個数が減少してゆく。
【0099】
例えば、720個のデータ・ポイントは、限定的ではない実施形態によっては小さな時間窓を使用して個別に処理されることになる場合もあるが、集計されることで10個のデータ・ポイントまで減ったところで、予測モデル440による処理に付すことができる。更なる具体例では、集約されたデータを再集計してビンの個数を少なくすることで、予測モデル440により処理されるべきデータ・ポイントの数を更に減らすのに役立つ。集計された量のデータで実行できるようにすることで、多数のマッチング、予測、または、その両方を生成するのに役立つ。これ以外の限定的ではない実施形態は、より効率的な方法で傾向を学習してモデル化するせいで、処理に必要な時間量を短縮し、精度を向上させることもできる。先に説明した集計階層は、ストレージ量の削減にも役立つ。生データや集計階層の下位のデータを格納するのではなくむしろ、或る限定的ではない実施形態は、データを高い集計階層フォーマットで格納することができる。
【0100】
上記以外の実施形態のなかには、予測モデル440の後にニューラル・ネットワークを利用して集計を行えるようにしたものもあり、その場合、データは予測モデル440によって処理される前に再標本化され、フィルタ処理され、変換され、または、その各種組合せを実施されるだけである。フィルタ処理は、ブラウンノイズやホワイトノイズなどのような干渉を除去する工程を含んでいるとよい。再標本化は、データ伸張工程やデータ圧縮工程を含んでいる場合があり、変換は受信データの軸を反転させる工程を含む場合がある。このような変換では、左右の対称性や多様な首輪位置などのように、データ信号の自然な対称性を利用することもできる。限定的ではない実施形態のなかには、データ拡大が、ブラウンノイズ、ピンクノイズ、または、ホワイトノイズなどのようなノイズを信号に添加する工程を含んでいるとよいものもある。
【0101】
或る限定的ではない実施形態を利用することで、例えば最終活性化関数をソフトマックスからシグモイドまたは線形に変更する、損失関数をクロス・エントロピーからバイナリクロス・エントロピーまたは平均平方誤差に変更する、または、その両方の変更を実施するなどといったように出力タイプを変更することにより、マルチラベル分類問題および回帰問題を判定することができる。具体例によっては、同一モデル内の独立した出力を結合させることができるものもある。更に、或る限定的ではない実施形態では、それ以外の1つ以上の層を追加するようにしてもよい。上記以外の或る実施形態は、スキップ接続の利用により、或いは、ヘテロ・インセプション(非同次開始)のような基本設計概念までも利用することによって層モジュールを改善するのに役立てられる。更に、限定的ではない実施形態のなかには、例えばCNNのみを使用することによって、または、双方向LSTMを一方向LSTMに置き換えることによって、実時間アプリケーションまたはストリーミング・アプリケーションに拡張することができる。
【0102】
再度、図4を参照し直すと、アプリケーション450を利用することで、予測モデル440に基づく健康査定の結果をペット飼育者に示すことができる。アプリケーション450は、例えば、モバイル・アプリケーションであるとよい。モバイル・アプリケーションは、携帯装置104上で動作することができる。携帯装置104は、例えば、1つ以上の演算処理装置、1つ以上の記憶装置、グラフィカル・ユーザ・インターフェイス、または、これらの各種組合せを構成部材の一部に含んでいるとよい。限定的ではない実施形態のなかには、健康査定を、携帯装置104のグラフィカル・ユーザ・インターフェイス上に通知または告知として表示することができるものもある。例えば、健康査定の通知または告知は、ショート・メッセージ・サービス(SMS)の文字伝言、電子メール、モバイル・ アプリケーションからの告知、モバイル・アプリケーション内での告知などの形態をとることができるが、このようなモバイル・アプリケーション1つ以上の現在の告知状況、過去の告知状況、または、その両方の告知状況を示し、健康査定はペット飼育者または第三者が使用する別個のオンライン・ポータル上の告知の形態、或いは、上記の各形態の各種組合せであってもよい。このような通知または告知は健康追跡ダッシュボードとして挿絵入りにすることができる。限定的ではない実施形態のなかには、ペットの振舞いにより範疇が変わってしまったときに通知を生成することができるようにしたものもある。より具体的には、自らの身体を引掻く、舐める、などといったような多様な健康指標の日々の値の7日間の移動平均に基づいて通知を生成することができる。ペットが所定の閾値を超えたときはいつでも、言い換えれば、範疇を変えてしまったときはいつでも、通知を生成することができる。例えば、犬が自らの身体を舐めることが滅多にない状態から、時々やる、前より頻繁にやるようになる、または、深刻なほど頻繁にやる状態に変化した場合、もしくは、自らの身体を舐めることが時々しかない状態から、前より頻繁にやるようになる、または、深刻なほど頻繁にやる状態に変化した場合に、通知を生成することができる。もう1つ別の例として、犬が自らの身体を引掻くことが滅多にない状態から、時々やる、前より頻繁にやるようになる、または、深刻なほど頻繁にやる状態に変化した場合、もしくは、自らの身体を引掻くことが時々しかない状態から、前より頻繁にやるようになる、または、深刻なほど頻繁にやる状態に変化した場合に、通知を生成することができる。
【0103】
通知の影響を解析する目的で、本明細書に開示されている各実施形態は、6,617頭の犬の皮膚炎に関する研究を提示している。研究に関与した犬が諸活動を行ったのは、通知前の10か月間と通知後の10か月間であった。両方の期間で、通常の用途を反映して、諸活動が散発的な場合がある。皮膚炎の転帰に影響することになった通知期間前の予約に基づいて皮膚炎の各範疇を指定した。皮膚炎の範疇は、発見されていない掻痒症(通知前の10か月のうちに獣医師の診察とそれに伴う皮膚炎の転帰は全く無い)、急性(通知前の10か月のうちに獣医師の診察が1回とそれに伴う皮膚炎の転帰がある)、季節性(通知前の10か月のうちに獣医師の診察が2回ないし5回とそれに伴う皮膚炎の転帰がある)、および、慢性(通知前の10か月のうちに獣医師の診察が6回以上とそれに伴う皮膚炎の転帰がある)と定義されている。どの予約も皮膚炎の転帰ありと分類するために、診察の理由(例えば、検査、被毛と皮膚など) と病気の結果 (例えば、皮膚炎、掻痒症、ノミなど) を考慮した。獣医師の診察データには、特定の診察理由に関連する全ての診察は元より、各診察後の転帰が含まれている。診察は、その結果として本件で特定したリストで指定されている病気であるとされた場合には、皮膚炎の転帰ありと見なした。この研究の結果、通知前に身体を引掻いていた犬については、アプリケーション450でペット飼育者には目視で見つからなかったうえに、それ以前に通知が生成されたことが無かった場合ですら、予測モデル440ならば引掻きを看破することができたことが分かっている。身体を引掻くとか舐めるとかする状況が高いほど診察を受けようとの促しになり易いせいで、引掻き行為や舐める行為が増えていることがペット飼育者に知らされたような基準より高い全範疇で診察が増えたのを確認できている。来院数の変化が最も顕著だったのは、通知前の10か月間のうちに皮膚炎の診察を受けなかった犬たちであった。これらの犬は定期健診を受けただけで、何らかの皮膚疾患との診断はされていなかった。これらの犬は、予測モデル440により看破されたように身体を引掻いてはいたが、ペット飼育者が引掻き行為や舐める行為の増加について通知を受ける前は、掻痒症に関連する診断を受けていなかった。結果的に、ペット飼育者は自分の犬に何が起こっているのかについてより詳しい履歴と情報を備えるようになっている。獣医師と協力して、これらの犬はより良い治療を受けられるようになっている。
【0104】
健康査定の結果を表示することのほかにも、アプリケーション450はペット飼育者が次のようなタスクを行うのを支援することができる。アプリケーション450は、ペット飼育者が自分用に誂えた活動達成目標を設定できるようにすることで、そのペットが最高の体調を維持するように活発なライフスタイルを支援することができる。ペット飼育者はアプリケーション450を使用することで、例えば消費カロリーや休息時間などを確認するなど、ペットの毎日の状態を追跡することができる。アプリケーション450は、ペットのプロフィールおよびえさに基づいて正しい食事量を決定する栄養計算機を備えていてもよい。アプリケーション450は、ペット飼育者が実時間追跡を行えるようにすることで、迷子になったペットを素早く見つけることができる。ペット飼育者がアプリケーション450上で健康知見をチェックすると、ペット飼育者はペットの健康知見を獣医師に送信して、獣医師が重大な振舞いを見て解析できるようにすることができる。ペット飼育者は、アプリケーション450を介して獣医師とチャットし、通話し、ビデオ通話し、または、電子メールで連絡をとることができる。更に、ペット飼育者は、アプリケーション450を使用することで、リマインダーを簡単に設定して健康的なスケジュールをきちんと取り仕切るのに役立てることができる。
【0105】
或る限定的ではない実施形態では、サーバー106は、第1のペットの健康査定に対応する調査またはアンケートを提示するための命令をユーザ装置(例えば、携帯装置104)に送信することができる。通知または告知に応答して、ペット飼育者から、または、通知を受信した第三者から、フィードバック460を要求するようにしてもよい。限定的ではない実施形態のなかには、健康点数が所定の閾値よりも高いか、または、所定の閾値よりも低い場合には、フィードバック460を求めることができるものもある。要求されたフィードバック460は以下に移動することができるハイパーリンクであってもよく、例えば、SMSの文字伝言または電子メールによりユーザに送信されたインターネット・ベースの調査またはアンケートのサイト、電子メールによりペット飼育者に直接送信された調査サイト、ペット飼育者をインターネット・ベースの調査サイトに誘導するアプリケーション通知、モバイル・アプリケーション内に置かれた調査サイト、モバイル・アプリケーションの外部の別のポータルの調査サイト、または、これらの各種組合せサイトに移動する。ペット飼育者からのフィードバック460を前処理430の持続中に利用することで、予測モデル440を養成し、健康指標または健康査定を判定または予測し、或いは、その両方を実施することができる。限定的ではない実施形態のなかには、サーバー106がユーザからのフィードバックに基づいて1つ以上の機械学習モデルを更新することができるようにしたものもある。例えば、ペット飼育者からのフィードバックが、機械学習モデルの養成に使用するための正・誤の標識を与えるようにするとよいが、その場合、装置102のセンサ・データはモデルに入力されるような「特徴」を与え、ペット飼育者の応答はモデルを最適化するための「目標」値を与える。
【0106】
或る限定的ではない実施形態では、調査またはアンケートは、掻痒症視覚的アナログ尺度(PVAS)の形態をとるとよい。PVASは、犬などのようなペットの痒みレベルを 24時間測定する。尺度は0から10、または、0から100の範囲であり、0は痒みが無い、すなわち、身体を引掻き、噛み、擦り付け、または、舐めるのが観察されないことを意味し、10または100は極度に痒く、絶えず身体を引掻き、噛み、擦り付け、または、舐めることを意味する。極度の痒い素振りとは、限定的ではない実施形態によっては、ペットが眠り、食べ、遊び、運動し、または、これらの各種組合せを実施するのを中断させる恐れがある場合がある。PVASの調査またはアンケートの結果を利用することで、上記の1つ以上のモデルを使用して決定したペットの健康指標または健康査定を確認することができる。
【0107】
例えば、予測モデル440の精度は、ガウス分布またはベータ分布を用いたロジスティック回帰モデルまたは線形回帰モデルを使用して確認してもよいし、ロジット・リンクを使用して確認してもよいし、または、その両方で確認してもよい。このモデルは、擬似尤度推定とケンワード=ロジャー(Kenward‐Roger)法の自由度推定を利用することもできる。1つ以上の独立変数は、範疇・引掻く(四分位数または引掻く行為について「バケツ方式にグループ化した」点数でモデル化された、後者は別個の複数モデルでモデル化された)を含んでいるとよいが、1つ以上の従属変数は、連続比率としてモデル化されるPVASを含んでいるとよい。範疇・引掻くの相互間のペアごとの比較を調節することで、テューキー=クレーマー(Tukey‐Kramer)法を使用した多重比較を行うことができる。
【0108】
以下の表3から表5に示すように、追跡装置102、サーバー160、または、その両方により測定されるような身体を引掻く行為の深刻さが増すにつれて、PVAS点数が有意に(P<0.01)高くなった。平均して、身体を引掻く行為を滅多にしていなかった(0秒ないし52秒)犬は、PVASに基づいて軽度の痒い素振りがある(平均点=30.4、95%CI=26.1~35.1)と説明されたが、一方、追跡装置102の測定値、サーバー160の測定値、または、その両方の測定値により、引掻く行為を時々やっていた(53秒ないし119秒)犬、前より頻繁にやるようになっていた(120秒ないし299秒)犬、および、深刻なほど頻繁にやっていた(>300秒)犬は、ペット所有者が中程度のPVAS痒み点数を指定した(それぞれに、平均点=42.2(95%CI=38.3~46.3)、平均点=48.9(95%CI=44.5=53.3))、および、平均点=52.8(95%CI=43.4~62.0))。従って、予測モデル440を採用している追跡装置102、サーバー106、または、その両方は、掻痒症の重症度を評価するための実用的なツールを提供していることになると思われる。以下の表3は、ペット飼育者が入力したPVAS点数を追跡装置102の測定値、サーバー106の測定値、または、その両方の測定値と比較した結果を示している。
【0109】
【表3】
【0110】
或る限定的ではない実施形態において、表4および表5は、範疇・引掻く(四分位数の、または、別々にモデル化された「バケツ方式にグループ化した」点数に基づいた)相互の間で、それぞれ第1の調査またはアンケートおよび第2の調査またはアンケートから得られたPVASスコアとの無条件の関連性を示している。範疇・引掻くによるモデル調節済み平均PVAS点数は、ロジスティック回帰モデル(ベータ分布とロジット・リンクを使用)から得られた。赤池情報量規準とベイズ情報量規準は、モデル選択に使用される全てのモデルに含まれていた。規準の値が低いほど、より優れていると考えてよい (この考えに基づくと、第1のアンケートから得られた測定値については、四分位数の引掻きに関するモデルのほうが優れている)。第2のアンケートから得られた測定値については、赤池情報量規準(AIC)とベイズ情報量規準(BIC)には概ね差はない(<10)ため、両方のモデルが適切であると考えられる。
【0111】
【表4】
【0112】
【表5】
【0113】
図14は、或る限定的ではない実施形態による、ペットの健康査定を実施する方法、その処理過程、または、その両方のフロー図を例示している。特に、図14に示されている方法および/または処理過程は、図4に示されている方法および/または処理過程に組入れる、および/または、併用することができる。上述のように、モデルは、ペットの健康指標、健康査定、または、その両方を検出、判定、予測、または、その各種組合せするように養成することができる。例えば、モデルは以下のもののうち少なくとも1つを利用して養成することができる。すなわち、1つ以上の医療記録、1つ以上の振舞いの集計、または、これらの任意の組合わせである。医療記録を利用することで、モデル養成プロセスの標識を作成することができる。例えば、1つ以上の標識は、ペットが掻痒症などのような皮膚疾患に罹っているか否かを示すことができる。他方で、振舞いの集計は、モデルの候補特性になり得る。養成持続中は、入力されたデータを解析することで、1種類以上の皮膚疾患を特定するのに役立つ特性を決めることができる。決定された特性は、1種類以上の皮膚疾患と相関関係を持たせることができる。例えば、7日間にわたる身体の引掻き行為の平均レベルは、皮膚疾患を同定するのに役立つ特性であると特定することができる。或る限定的ではない実施形態では、皮膚病を査定する目的で、皮膚疾患と診断された治療群と皮膚疾患に罹っていない対照群の両方からの医療記録および振舞いデータに基づいて機械学習分類層を養成することができる。
【0114】
特性は、例えば、7日間の引掻き行為の移動平均1401、28日間と7日間の引掻き行為の移動平均の差分Δ1402(すなわち、7日間の監視期間の引掻き行為と28日間の監視期間の引掻き行為により生じるペットの動きの差)、7日間の自らの身体を舐める行為の移動平均1403、28日と7日間の舐める行為の移動平均の差分Δ1404(すなわち、7日間の監視期間の舐める行為と28日間の監視期間の舐める行為により生じるペットの動きの差)などであるとよい。そのような特性は、その時点で、機械学習モデル1410により産生に向けて利用することができる。或る限定的ではない実施形態では、構造化照会言語(SQL)クエリを使用することで、標準化スケーリング工程、ロジスティック回帰工程を利用して特性1401から特性1404を計算することができる。計算では0から1の間の値が産生され、閾値は0.630171に設定される。
【0115】
機械学習モデル1410は、皮膚疾患の確率1420を出力することができる。この確率に基づいて、1つ以上の通知、1つ以上の警報、1つ以上の告知間隔履歴、または、これらの任意の組合せ1430を更新することができる。次いで、皮膚疾患の確率1420が閾値を下回るか、閾値を上回るか、それとも、閾値に等しいかどうかの判定1440を行うことができる。例えば、閾値は、0.63017などのような、0と1の間の任意の値にするとよい。閾値は、偽陽性率と真陽性率との間のバランスを最適化または最大化するように決めるとよい。確率が閾値を下回る場合、皮膚疾患の確率が低すぎることを意味し、処理は終了する(1442)。
【0116】
他方で、確率が、例えば0.63017などのような閾値を上回っている場合、警報、通知、または、告知が直近の30日間のうちに先に送信されているか否か判定1460が行われるとよい。肯定YESの場合、それ以上の警報、通知、または、告知をペット飼育者に送信することなしに処理は終了する(1470)。それ以前の警報、通知、または、告知が直近の30日間のうちに先に送信されていない場合、警報、通知、または、告知を送信するか、または、表示させるとよい(1462)。このような警報、通知、または、告知はペット飼育者、または、警報、通知、または、告知を受信した第三者を誘導して皮膚疾患についてもっと学習するよう促すが、これは、携帯装置1464のユーザ・インターフェイスのリンクまたはボタンを選択することによって実施することができる。ペット飼育者または第三者がクリックして皮膚病警報についてもっと学ぶサイトにリンクした場合、ペット飼育者または第三者は情報提供ページに移動することができ、同ページが警報を見せ、ペット飼育者または第三者を誘導して発見プロセスに取組むよう促し、または、その両方を実施することで、当該疾患に影響している恐れのあるものを学習する支援を行う。
【0117】
限定的ではない実施形態のなかには、皮膚病に対する1つ以上の通知、1つ以上の警報または、これらの各種組合せが複数の因子に基づくようにすることができるものもある。例えば、ペットが身体を引掻く行為のレベルと舐める行為のレベルの両方を考慮するようにしてもよい。それ以外の、睡眠不足などのような要因は、或る時点で考慮するようにしてもよいし、もっと後の時点で、特定の間隔をあけて何度も、または、その両方を組み合わせて、追加して考慮するようにしてもよいし、或いは、その全てをいろいろ組合わせて考慮するようにしても構わない。ペットの履歴や、その品種血統の皮膚病に対する過敏を考慮してもよい。これ以外の限定的ではない各実施形態では、1つ以上の通知、1つ以上の警報、および/または、1つ以上の告知の感度、特異性、または、その両方は調整可能にしてもよいし、或いは、特注で誂えるようにしてもよい。具体例を挙げると、当該ペットやその品種血統の異常事象頻度の履歴記録をアルゴリズム出力の履歴記録と一緒に結合することで、例えば望ましい感度と特異性の折衷点や最大許容偽陽性率などを最適化する閾値パラメータを算定することができる。このような特注仕様は、1種類以上の慢性皮膚疾患などのような、1種類以上の皮膚疾患に対する繰返される、不必要な、または、その両方の1つ以上の通知、1つ以上の警報、および/または、1つ以上の告知を抑制し、そうではなく回避し、または、その両方を実施するのに役立つ。
【0118】
或る限定的ではない実施形態では、ペット飼育者、第三者、または、その両者に調査またはアンケートに記入するよう求める(1464)ようにしてもよい。それに応じて、ペット飼育者や第三者は情報を入力するとよい。例えば、図15および図16は、或る限定的ではない実施形態によるユーザ・インターフェイス1510の一例およびユーザ・インターフェイス1610の一例を示している。ユーザ・インターフェイス1510を使用することで、調査またはアンケート1520をペット飼育者に表示してみせることができる。図15に示すように、調査またはアンケート1520は、ユーザ・インターフェイス1510上に図示または表示できる1つ以上の発見変数を含んでいるとよい。発見変数は、ペットの健康指標または健康査定に潜在的な影響を及ぼし得る特性として最初に獣医師により定義されるとよい。例えば、皮膚疾患に関する1つ以上の発見変数には、最近ペットが使っているえさを変えたか、おやつを変えたか、ベッドを変えたか、サプリメントを変えたか、または、これらの各種組合せが含まれいるとよい。図15は、1つ以上の発見変数を含む調査またはアンケート1520を示しているが、図16は、図15の調査またはアンケート1520への回答に基づく、ペット飼育者からの情報1620への追加要求を示している。例えば、ペット飼育者がペットに新たに変えたえさを与えていることを示した場合、ペット飼育者は新たに変えたえさ製品に関連して、「えさを変えたのはいつ?」「何から何へ変えた?」「変えた理由は?」などのような追加情報の提供を求められるようにするとよい。
【0119】
図17は、或る限定的ではない実施形態によるユーザ・インターフェイス1710の一例を示している。特に、図17は、通知、警報、または、告知が携帯装置のユーザ・インターフェイス1710上に表示されているのを示している。通知、警報、または、告知は、例えば、監視対象のペットが身体を引掻く行為1720が増えてきており、これは潜在的な皮膚疾患を示唆している可能性があることをペット飼育者に知らせることができる。次いで、図15に示されている調査またはアンケート1520をペット飼育者に提示するとよい。ペット飼育者が要求された発見変数に対する回答を提供した後、或る限定的ではない実施形態では、皮膚疾患または何であれそれ以外の健康問題についての原因説明1730、大まかな時系列表示1740、または、その両方を提示することができる。この時、サーバー106が、原因説明および/または大まかな時系列表示を提示するための命令をユーザ装置(例えば、携帯装置104)に送信するとよい。具体的には、引掻き行為の量が増えた日の前日に、ペットが新たに変えたえさを摂取していた、といったような。限定的ではない実施形態のなかには、この原因説明および/または大まかな時系列表示を判定する目的で、まず、考えられ得るペット飼育者との何げない関係を可視化して、獣医師に見せたときにペットの病歴の精度を高めておけるようにするものもある。より多くのペットに関するより良い履歴が揃っているほど、すべてのデータ入力から予測を行う能力が向上する。例えば、ある薬は特定のペット個体群にはあまり効果が無い。このような断片を遺伝データなどのような他のデータソースと比較することで、薬理ゲノム学上の発見の可能性を作り出すことができる。これはまた、エピジェネティックな要因の更なる評価をも可能にすると思われる。モバイル・アプリケーションは、ペット飼育者を促して獣医師に連絡を取らせることができる。これ以外の限定的ではない実施形態のなかには、ペット飼育者がモバイル・アプリケーションから直接獣医師に電話できるようにするためのボタンまたはプロンプトを提供することができるようにしたものもある。図18および図19は、或る限定的ではない実施形態に従って、ユーザ・インターフェイス1810、1910が原因説明を提供している一例を示している。図18は、10月28日に前より頻繁になった引掻く行為1820が低アレルゲン・フードに変えたことが原因である可能性があることを示している。図19は、3月11日に深刻なほど頻繁に引掻く行為1920が耳感染症の治療によるものである可能性があることを示している。
【0120】
健康査定を提供するとともに、同定されたペットの疾患の潜在的な原因を判定することを超越して、或る限定的ではない実施形態は、ペットの健康に関わる1種類以上のペット製品の有効性の評価を行えるようにすることができる。ペット製品には、例えば、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師により処方された治療法などが含まれる。例えば、ペット製品は、皮膚病や皮膚疾患を治療するために使用される製品であってもよい。サーバー106は、ペット製品の有効性判定結果を獣医師またはペット製品の製造業者に送信するようにしてもよい。限定的ではない実施形態のなかには、図4および図14で説明した予測モデル440を利用する追跡装置102および/またはサーバー106を使用することで、ペット製品が皮膚病または皮膚疾患の治療に使われた後で、健康指標を継続的または定期的に追跡することができるようにしたものもある。例えば、範疇・引掻くは、ペット製品の使用後0日ないし90日間追跡することができる。それ以外の例では、範疇・引掻くは、1週間、4週間、8週間、10週間、1年、2年、または、これら以外の任意の期間に亘って検出することができる。治療後の範疇・引掻くは、その後、治療を処方した獣医師に報告することができる。それ以外の限定的ではない実施形態では、治療後の範疇・引掻くは、その後、ペット製品の製造業者に報告することができる。例えば、報告書は、ペットの治療後の範疇・引掻くだけではなく、ペットの治療前の範疇・引掻くも含んでいるとよい。
【0121】
上記の非限定的な実施形態は、ペットの健康に関わるペット製品の有効性を査定するのに役立つ。上記の各具体例は、概ね1頭のペットを対象としているが、或る限定的ではない実施形態では、複数のペットからの情報を集計することができる。このようなデータ集計により、複数のペット製品とそれぞれがペットの健康に及ぼす影響を比較することができるようになる。例えば、掻痒症を治療する目的で9つの異なるペット製品が広く処方されている場合、9つの異なるペット製品の有効性の比較は、追跡装置102、サーバー106、または、その両方を使用して監視される個々のペットの集計結果の測定値に基づいて行うことができる。
【0122】
或る限定的ではない実施形態においては、犬の掻痒症を治療するための薬剤の比較を行うことができる。例えば、薬剤は、第1の薬剤、第2の薬剤、または、「それら以外の薬剤」と呼ばれる8種の他の薬剤のうちのいずれか1つであるとよい。131頭の犬が第1の薬剤を用いて治療され、164頭の犬が第2の薬剤を用いて治療され、70頭の犬が「それら以外の薬剤」を用いて治療され、82頭の犬は何であれ薬剤を用いて治療されることは無かった。獣医師の診察を受ける前の週から診察後の週にかけて、全ての犬が平均して自らの身体を引掻く行為が減少した。しかし、薬剤を投与された犬は平均してより大幅に引掻く行為が減少した。投薬治療を受けなかった犬は、診察による変化はわずかしか見られず、受診後の最初の1週間は平均して、投薬を受けた犬より引掻く量が多かった。第1の薬剤を用いて治療された犬は受診後約5週間で受診前の範疇・引掻くに戻り、第2の薬剤を用いて治療された犬は受診後約6週間から約8週間で受診前の範疇・引掻くに戻った。
【0123】
図20は、或る限定的ではない実施形態による方法または処理過程のフロー図を示している。工程2010では、収集され、受信され、解析され、または、上記の各種組合せを実施されたデータに基づいて、ペットの1つ以上の健康指標を判定することができる。該データは、ペットに装着したウェアラブル装置の1つ以上のセンサから (または、1つ以上のセンサにより) 収集され、受信され、解析され、または、上記の各種組合せを実施される。該1つ以上のセンサは以下のもののうち少なくとも1つを含んでいるとよい。すなわち、1つ以上のアクチュエータ、1つ以上のジャイロスコープ、1つ以上の磁力計、1つ以上のマイクロフォン、1つ以上の圧力センサ、何であれこれらの各種組合せ。それ以外の実施形態では、収集され、受信され、分析され、または、これらの各種組合せを実施された該データとしては、ペットの1つ以上の健康記録、ペットの統計上の属性情報、ペットの所在地、ペットの所在地の気象情報、または、これらの各種組合せが挙げられる。工程2020では、ペットの1つ以上の健康指標に基づいて、ペットの健康査定を実施することができる。限定的ではない実施形態のなかには、ペットの健康査定が1つ以上の健康指標に基づいて実施されるものもある。健康査定には、例えば、掻痒症などのような皮膚の諸症候、皮膚病、皮膚疾患、または、皮膚の各疾病、耳または目の感染症、関節炎、心臓発作、心臓の諸症候、各種の心臓病、各種アレルギー、歯の諸症候、歯の病気、腎臓の諸症候、各種の腎臓病、癌、内分泌腺の諸症候、各種の内分泌性疾患、難聴、鬱病、膵臓発作、膵臓の諸症候、各種の膵臓病、肥満、代謝に関わる諸症候、各種の代謝性疾患、または、これらの各種組合せを評価し、発見し、または、その両方を実施することが含まれる。健康査定には、獣医学で現在知られている、何であれ上記以外の健康状態、診断、身体的な疾病や障害、精神的な疾病や障害なども含まれることがある。
【0124】
工程2030では、ペットの健康査定に基づいて、ペット飼育者への通知(1種以上)、警報(1種以上)、告知(1種以上)、または、これらの各種組合せを携帯装置に表示させることができる。これに加えて、または、これに代わるものとして、ペットの健康査定に基づいてペット飼育者の携帯装置に告知を送信することができる。限定的ではない実施形態のなかには、工程2040に示すように、ペットの健康査定に対応する調査またはアンケートを携帯装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェイスに表示させることができるものもある。工程2050では、1つ以上の健康指数に基づいて、ペット製品の有効性を判定することができる。工程2060では、ペット製品の有効性の測定結果を獣医師またはペット製品の製造業者に送信することができる。工程2070では、ペットの健康提言を健康査定に基づいて決めることができる。
【0125】
図21は、ペットの健康査定のための具体的な方法2100を例示している。この方法は、工程2110で開示され、その際、サーバー106が、1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするが、ここでは、センサ・データは第1のペットに関連付けられている。工程2120で、サーバー106は、センサ・データに基づいて、指定された期間内の第1のペットの1つ以上の活動を検出することができる。工程2130で、サーバー106は、1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定することができ、ここでは、1つ以上の健康指標は、1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいている。工程2140で、サーバー106は、1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成することができるが、ここでは、健康査定は、1つ以上の健康点数と、複数の医学的状態から考えられ得る病状の1つ以上の通知を含んでいる。工程2150で、サーバー106は、第1のペットの健康査定をユーザに提示するための命令をユーザ装置に送信することができる。特定の実施形態は、必要に応じて、図21の方法の1つ以上の工程を繰り返してもよい。本件開示は図21の方法の特定の工程を特定の順序で起こるものとして説明および図説しているが、本件開示は、図21の方法の各工程が好適であればどの工程であれ、どのような好適な順序で起こってもよいことを企図している。更に、本件開示は、ペットの健康査定のための具体的な方法が図21の方法の特定の工程を含んでいることを説明および図説しているが、本件開示は、何であれ好適な工程を含んでいる、ペットの健康査定のための任意の好適な方法を企図しており、必要に応じて、図21の方法の工程の全てまたは一部を含んでいる場合もあり、或いは、どれも全く含んでいないこともある。更にまた、本件開示は、特定のコンポーネント、装置、または、システムが図21の方法の特定の工程を実行することを説明および図説しているが、本件開示は、図21の方法の任意の好適な工程を実行する何であれ好適なコンポーネント、装置、または、システムの、どのような好適な組合せをも企図している。
【0126】
上述のデータの一部はペットの活動データを反映しているが、或る限定的ではない実施形態では、それ以外の、ペットの活動を反映していないデータを、活動認識時系列分類アルゴリズムを使用して収集し、処理し、分析し、または、その各種組合せを実施することで、所望の出力時系列を推測することができる。例えば、後者のデータとしては、金融データ、サイバー・セキュリティ・データ、電子医療記録(1つ以上)からのデータ、音響データ、画像データまたは映像データ、人間の活動データ、何であれこれら以外の当該技術分野で周知のデータ、もしくは、上記の各種組合せのデータが挙げられるが、これらに限定されない。このような実施形態では、時系列の入力(1つ以上)は、金融、サイバー・セキュリティ、電子健康記録分析、音響シーン分類、人間活動認識などの、広範囲の多様な領域に存在するものであってもよい。後者のデータは、例えば、時系列データであってもよい。これに加えて、または、これに代わるものとして、後者のデータは、ウェアラブル装置から取得されたデータなどのような第一当事者データであることもあれば、第三者データである場合もある。第三者データには、所与の企業または実体により直接収集されたデータではなく、他の収集実体または収集企業から購入したデータが含まれている場合がある。例えば、第三者データはデータ管理プラットフォームを使用してアクセスすることも、購入することもできる。他方で、第一当事者データには、所与の企業が直接所有するデータ、直接収集したデータ、または、その両方を満たすデータが含まれている場合がある。例えば、第一当事者データは、所与の企業が提供している、ウェアラブル装置などのような製品やサービスを利用している消費者から収集することができる。
【0127】
或る限定的ではない実施形態では、システム、方法、および/または、装置を使用して、ペットの健康状態を査定することができる。上述のように、ペットに関連するデータを、収集し、受信し、および/または、分析することができる。データは、次のデータソースのうち少なくとも1つから収集および/または受信することができる。すなわち、1つ以上のウェアラブルな(着用自在な)ペット追跡装置および/またはペット監視装置、1つ以上の遺伝子検査手順、1つ以上のペットの健康記録、1つ以上のペット保険記録、1つ以上のペット飼育者からの入力、または、これらの各種組合せ、などである。上記のデータソースのうち1つ以上は、別個のペットの健康記録や別個のペットの健康追跡装置などのような別個のソースを使用して収集することができる。データは、収集および/または受信された後で、1つ以上のデータベースに集約することができる。その処理過程または方法は、例えば本明細書に記載されているように、どのような装置、ハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズム、クラウドベースのサーバー、または、それらのどのような組合せによって実行されてもかまわない。
【0128】
収集および/または受信したデータに基づいて、ペットの1つ以上の健康指標を判定することができる。例えば、1つ以上の健康指標には次のうちの1つ以上のものについての計量が含まれているとよい。すなわち、ペットが自らの身体を舐める、引掻く、痒い素振りをする、歩く、眠る、および/または、これらの任意の組合わせ、である。例えば、軽量とは、ペットが睡眠に費やす1日当たりの分単位の時間数、および/または、ペットが散歩、ランニング、および/または、それら以外に活発に動くのに費やす1日当たりの分単位の時間数であるとよい。何であれ上記以外の、ペットの健康状態を示すことができる指標を判定することもできる。健康査定に基づいて、或る種の提言を決定し、ペット飼育者、獣医師、研究者、製造業者、および/または、それらの任意の組合せのうちの1人以上に送信することができる。このような提言には、例えば、病気、症候、疾病、および/または、それらの何らかの組合せのうちの1つ以上をペットが発症するのを防ぐための1つ以上の健康提言が含まれているとよい。このような提言には、例えば、次のようなもののうち1つ以上が含まれているとよい。すなわち、食品、ペットサービス、サプリメント、軟膏、ペットの健康または健全性を向上させるための薬剤、ペット製品、および/または、これらの何らかの組合せなどである。言い換えれば、提言とは、栄養に関する提言であってもよい。実施形態によっては、栄養上の提言が、チュアブル、サプリメント、食品、および/または、これらの任意の組合せのうちの1つ以上をペットに摂取させるための指示を含んでいるとよいものもある。実施形態によっては、提言は医学的提言である場合もある。例えば、医学的提言には、ペットに軟膏を塗布する、ペットに1種類以上の薬剤を投与する、および/または、ペットのためにまたはペットに直接1種類以上の薬剤を提供するようにとの指示が含まれているとよい。
【0129】
本明細書に開示されている各実施形態は、以下のようにペットケア産業に利益をもたらすことができる。特定の実施形態は、ペットの生活の中で何が起こっているかを客観的に理解することによってケアを民主化するための基盤を構築することができる。特定の実施形態は、通知が何のつもりであるのか、また、推奨される次の段階についてのコンテキストを作成することもできる。これに加えて、或る実施形態は、ペットを飼育する家庭と診療所との間にある周知のケア不毛域に踏み込むことによって、獣医学専門家を補完することができる。特に、本明細書に開示されている実施形態は、ペットの問題の早期発見できるようにし、それによって早期介入ができるようにする。早期介入は、ペット、ペット飼育者、そして、もどかしくも再発する症状に対処している獣医師にとっての勝利である。例えば、掻痒性皮膚疾患の場合、本明細書に開示されている各実施形態は、治療費を削減し、抗生物質の使用を控えるのを向上させるのに役立てられる。掻痒症を早期発見し、慢性アトピー症に早期介入することは、ペットが耐性感染症を発症する最も一般的な原因の 1つを防ぐのに役立つ。
【0130】
或る限定的ではない実施形態では、健康査定および/または健康提言は、複数のペットに関する情報を含んでいるデータに基づいているようにすることができる。換言すれば、所与のペットの健康指標を複数の他のペットの健康指標と比較することができる。この比較に基づいて、ペットの健康査定を実行し、適切な低減を提供することができる。限定的ではない実施形態のなかには、健康査定および健康提言が、1頭のペットの健康指標に基づいて特注に誂えることができる。例えば、他の複数のペットから収集されたデータに依存する代わりに、1頭のペットの振舞いに関連するデータまたは情報に全面的または部分的に基づいて調整または養成されたアルゴリズムまたはモジュールに基づいて判定することができる。ペット製品やペットサービスの提言を、1頭のペットの振舞いや特定の健康指標に照らして特注に誂えることができる。
【0131】
上述のように、健康指標(1つ以上)が、例えば、ペットによる自らの身体を舐める、引掻く、痒い素振りをする、歩く、眠る、および/または、それらの何らかの組合せのうちの1つ以上に関する計量を含んでいると良い。これらの健康指標(1つ以上)は、1つ以上のセンサおよび/または1つ以上の加速度計を有しているウェアラブル装置により収集され、同装置から受信され、同装置により解析され、または、それらの各種組合せを実施されたデータ、情報、または、計量に基づいて判定することができる。ウェアラブル装置から収集された該データを、次に、活動認識モジュールとも呼ばれる活動認識アルゴリズム、または、活動認識アルゴリズムとも呼ばれる活動認識モデルによって処理および/または解析することで、1つ以上の健康指標を判定または同定することができる。活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルには、上述の2つ以上の層モジュールが含まれているとよい。健康指標が同定された後、或る限定的ではない実施形態では、ペット飼育者に、健康指標の正しさを検証するよう求めるようにすることができる。例えば、ペット飼育者は、ショートメッセージ・サービス、プッシュ・アラートなどのような通知または告知、携帯装置上の電子メール伝言、或いは、それ以外のタイプの伝言または告知を受信することができる。伝言または告知で、ペット飼育者に、活動認識アルゴリズムまたは活動認識モデルにより同定された健康指標を確認するように要求することができる。限定的ではない実施形態のなかには、伝言または告知が、データ、情報、または、計量が収集されている間の時間長を示すようにしたものもある。ペット飼育者が健康指標を確認することができない場合は、ペット飼育者に、指定された時間におけるペットの活動を入力するよう求めるようにしてもよい。
【0132】
或る限定的ではない実施形態では、ペット飼育者は、示された時間中に1つ以上の健康指標が発生するのを拒否することができるため、当該示された時間中にはペットの活動に関する情報を提供することはない。本件開示の目的では、モジュールとはソフトウェア・システム、ハードウェア・システム、ファームウェア・システム、それらの組合せシステム、処理過程または機能性、もしくは、これらのコンポーネントのことであり、本明細書に記載されている処理過程、特性、および/または、機能を(人間との相互作用またはヒューマン・オーグメンテーションを伴う場合も、また、そうでない場合も)実行し、または、促進する。モジュールにはサブモジュールを含めることができる。モジュールのソフトウェア・コンポーネントをコンピュータ読取り可能な媒体に保存することで、演算処理装置による実行に供することができる。モジュールは1つ以上のサーバーに統合されていてもよいし、或いは、1つ以上のサーバーがロードして実行するようにしてもよい。1つ以上のモジュールをエンジンまたはアプリケーションにグループ化することができる。
【0133】
本件開示の目的では、「ユーザ」、「加入者」、「消費者」、または、「カスタマー(顧客・注文者)」という用語は、本明細書に記載されている或る1つのアプリケーションまたは複数のアプリケーションのユーザおよび/またはデータ・プロバイダによって供給されているデータの消費者を指すものと理解するべきである。具体例として、但しこれに限らないが、「ユーザ」または「加入者」という用語は、ブラウザ・セッションでインターネットを介してデータ・プロバイダまたはサービス・プロバイダにより提供されるデータを受信する人を指す場合もあれば、データを受信してからそのデータを保存または処理する自動化されたソフトウェア・アプリケーションを指す場合もある。
【0134】
当業者であれば、本件開示の方法およびシステムが多くの態様で実装することができ、従って、前述の具体例の各実施形態および各種実例によって限定されるべきではないことを認識するであろう。言い換えれば、ハードウェアとソフトウェアまたはファームウェアの多様な組合せで単一または複数のコンポーネントによって実行される機能要素と個々の機能を、クライアント・レベルまたはサーバー・レベルのいずれかで、または、その両方を満たしてソフトウェア・アプリケーション間で分散させることができる。この点に関して、本明細書に記載されている多様な実施形態の任意の数の特徴を単一または複数の実施形態に組み合わせることができ、本明細書に記載されている特徴のすべてよりも少ない、または、多い特徴を有している代替の各実施形態も考えられ得る。
【0135】
機能性はその全体または一部を、目下周知の態様、または、今後知られるようになる態様で、複数のコンポーネント間で分散させることもできる。このように、本明細書に記載されている各種の機能、特徴、インターフェイス、および、設定を達成するには、無数のソフトウェア・ハードウェア・ファームウェアの組合せが考えられる。更に、本件開示の範囲は、当業者なら現在も今後も理解するだろうが、記載されている各種の特徴と機能とインターフェイスを実行するための従来周知の態様、ならびに、本明細書に記載されているハードウェア・コンポーネントとソフトウェア・コンポーネントとファームウェア・コンポーネントに対して行うことができるそれらの各種の変形および修正を網羅している。
【0136】
更にまた、本件開示においてフローチャートとして提示され説明されている各種の方法の各実施形態は、技術のより完全な理解を提供するために例として提示されている。開示されている方法は、ここで提示されている動作および論理の流れに限定されない。多様な動作の順序を変更した代替の実施形態、また、より大規模な動作の一部として説明されている各種の副次動作が独立して実行される代替の実施形態も思量される。
【0137】
本件開示の目的のために様々な実施形態を説明してきたが、そのような実施形態は、本件開示の教示がそれらの実施形態に限定されるとみなすべきではない。本件開示で説明されている各種のシステムおよびプロセスの範囲内にとどまる結果を得るために、上述の各種の要素および動作に対して多様な変更および修正を加えることができる。
【0138】
開示された主題は、特定の好ましい実施形態に関して本明細書で説明されているが、開示された主題に対して、その範囲から逸脱することなく、様々な修正および改良を加えることができることを当業者なら認識するであろう。更に、開示された主題の或る限定的ではない実施形態の個々の特徴を本明細書で論じ、斯かる限定的ではない実施形態の各図に示し、但し、それ以外の実施形態では説明も図示もなされていないこともあるが、或る限定的ではない実施形態の個々の特徴は、もう1つ別の実施形態の1つ以上の特徴、または、複数の実施形態に由来する特徴と組み合わせることができる。
【0139】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
1つ以上の電算システムにより、
1つ以上のセンサによって取り込まれたセンサ・データにアクセスする工程であって、該センサ・データが第1のペットに関連付けられている工程、
該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出する工程、
該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する工程において、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいている工程、
該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成する工程であって、該健康査定は、1つ以上の健康点数、および、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する1つ以上の通知のうち1種類以上を含んでいる工程、および、
第1のペットの該健康査定をユーザに提出するための各種命令をユーザ装置に送信する工程を含んでいる、方法。
実施形態2
前記1つ以上のセンサは、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサなどのうち1種類以上を備えている、実施形態1に記載の方法。
実施形態3
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記方法は更に、
該ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出する工程、および、
該望ましくない回転を矯正する目的で、1回以上のデータ変形を前記センサ・データに加える工程を含んでいる、実施形態1または実施形態2に記載の方法。
実施形態4
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記方法は更に、
該ウェアラブル装置の配向を判定する工程、および、
該ウェアラブル装置の該配向に基づいて、前記センサ・データを加工処理する工程を含んでいる、実施形態1から実施形態3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5
第1のペットの健康査定を生成する前記工程は更に、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうち1種類以上に基づいている、実施形態1から実施形態4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標をこれらに対応する保存されていた健康指標と比較する工程、および、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の閾値差を検出する工程を更に含んでおり、
前記健康査定は更に、判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の、検出結果の該閾値差を含んでいる、実施形態1から実施形態5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記方法は更に、
前記1つ以上の健康点数を算定する工程であって、
第1のペットが或る活動を実施している時間量、
第1のペットが該活動を実施している強度到達点、
第1のペットが該活動を実施している該時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標時間と比較した割合、および、
第1のペットが該活動を実施している該強度到達点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標強度到達点と比較した割合のうちの1つ以上に基づいて算定する工程を含んでいる、実施形態1から実施形態6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記方法は更に、
前記1つ以上の計量を所定の範囲に規模変更する工程、および、
規模変更結果の該計量に基づいて該1つ以上の健康点数を生成する工程を含んでいる、実施形態1から実施形態7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9
前記1つ以上の健康指標はそれぞれ1つ以上の重量と関連付けられており、前記方法は更に、
該1つ以上の重量に基づいて前記1つ以上の健康点数を生成する工程を含んでいる、実施形態1から実施形態8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10
前記1つ以上の活動は、
伏せる、座る、立ち上がる、歩行する、精力的に動くなどのうち1種類以上からなる姿勢、および、
飲む、食べる、物を舐める、自らの身体を舐める、戯れの接触をする、身体を擦り付ける、自らの身体を引掻く、身震いする、臭いを嗅ぐなどのうち1種類以上からなる振舞いのうち、1種類以上を含んでいる、実施形態1から実施形態9のいずれか1つに記載の方法
実施形態11
前記複数の医学的状態は、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、消化管系疾患、倦怠感、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症などのうちの1種類以上を含んでいる、実施形態1から実施形態10のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12
前記方法は更に、
前記1つ以上の健康指標に基づいてペット製品の有効性を判定する工程を含んでおり、該ペット製品は、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師が処方した治療法などのうちの1種以上を含んでいる、実施形態1から実施形態11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13
前記方法は更に、
ペット製品の判定結果の前記有効性を、獣医師または該ペット製品の製造業者に送信する工程を含んでいる、実施形態12に記載の方法。
実施形態14
前記方法は更に、
前記健康査定に基づいて第1のペットの健康提言を決める工程を含んでいる、実施形態1から実施形態13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15
前記健康提言は、ペット製品を勧める提言や獣医師の診察を勧める提言などのうち1種以上を含んでいる、実施形態14に記載の方法。
実施形態16
第1のペットの1つ以上の活動を検出する前記工程、または、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する前記工程は、1つ以上の機械学習モデルに基づいており、該1つ以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成される、実施形態1から実施形態15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態17
前記方法は更に、
第1のペットの前記健康査定に対応している調査またはアンケートを提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信する工程を含んでいる、実施形態1から実施形態16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18
前記方法は更に、
前記調査またはアンケートに応じたユーザからのフィードバックを前記ユーザ装置から受信する工程を含んでいる、実施形態17に記載の方法。
実施形態19
前記方法は更に、
ユーザからの前記フィードバックに基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを更新する工程を含んでいる、実施形態18に記載の方法。
実施形態20
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記方法は更に、
ユーザへの該1つ以上の通知の感度または特異性を特注誂えする工程を含んでいる、実施形態1から実施形態19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記方法は更に、
該考えられ得る病状についてのちょっとした説明を生成する工程、および、
該ちょっとした説明を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信する工程を含んでいる、実施形態1から実施形態20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記方法は更に、
該考えられ得る病状についての大まかな時系列表示を生成する工程、および、
該大まかな時系列表示を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信する工程を含んでいる、実施形態1から実施形態21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態23
ソフトウェアを具現化する、コンピュータが読取れる1つ以上の持続的記憶媒体であって、該ソフトウェアは実行時には、
1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能であり、該センサ・データは第1のペットに関連付けられており、
該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能であり、
該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能であり、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいており、
該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能であり、該健康査定は、1つ以上の健康点数、および、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する1つ以上の通知のうち1種類以上を含んでおり、また、
第1のペットの該健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である、媒体。
実施形態24
前記1つ以上のセンサは、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサなどのうち1種類以上を備えている、実施形態23に記載の媒体。
実施形態25
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出するように動作可能であり、また、
該望ましくない回転を矯正する目的で、1回以上のデータ変形を前記センサ・データに加えるように動作可能である、実施形態23または実施形態24に記載の媒体。
実施形態26
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該ウェアラブル装置の配向を判定するように動作可能であり、また、
該ウェアラブル装置の該配向に基づいて、前記センサ・データを加工処理するように動作可能である、実施形態23から実施形態25のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態27
第1のペットの健康査定を生成する前記動作は更に、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうち1種類以上に基づいている、実施形態23から実施形態26のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態28
前記ソフトウェアは実行時には更に、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標をこれらに対応する保存されていた健康指標と比較するように動作可能であり、また、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の閾値差を検出するように動作可能であり、
前記健康査定は更に、判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の、検出結果の該閾値差を含んでいる、実施形態23から実施形態27のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態29
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
第1のペットが或る活動を実施している時間量、
第1のペットが該活動を実施している強度到達点、
第1のペットが該活動を実施している該時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標時間と比較した割合、および、
第1のペットが該活動を実施している該強度到達点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標強度到達点と比較した割合のうちの1つ以上に基づいて、前記1つ以上の健康点数を算定するように動作可能である、実施形態23から実施形態28のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態30
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
前記1つ以上の計量を所定の範囲に規模変更するように動作可能であり、また、
規模変更結果の該計量に基づいて該1つ以上の健康点数を生成するように動作可能である、実施形態23から実施形態29のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態31
前記1つ以上の健康指標はそれぞれ1つ以上の重量と関連付けられており、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該1つ以上の重量に基づいて前記1つ以上の健康点数を生成するように動作可能である、実施形態23から実施形態30のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態32
前記1つ以上の活動は、
伏せる、座る、立ち上がる、歩行する、精力的に動くなどのうち1種類以上からなる姿勢、および、
飲む、食べる、物を舐める、自らの身体を舐める、戯れの接触をする、身体を擦り付ける、自らの身体を引掻く、身震いする、臭いを嗅ぐなどのうち1種類以上からなる振舞いのうち、1種類以上を含んでいる、実施形態23から実施形態31のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態33
前記複数の医学的状態は、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、消化管系疾患、倦怠感、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症などのうちの1種類以上を含んでいる、請実施形態23から実施形態32のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態34
前記ソフトウェアは実行時には更に、
前記1つ以上の健康指標に基づいてペット製品の有効性を判定するように動作可能であり、該ペット製品は、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師が処方した治療法などのうちの1種以上を含んでいる、実施形態23から実施形態33のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態35
前記ソフトウェアは実行時には更に、
ペット製品の判定結果の前記有効性を、獣医師または該ペット製品の製造業者に送信するように動作可能である、実施形態34に記載の媒体。
実施形態36
前記ソフトウェアは実行時には更に、
前記健康査定に基づいて第1のペットの健康提言を決めるように動作可能である、実施形態23から実施形態35のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態37
前記健康提言は、ペット製品を勧める提言や獣医師の診察を勧める提言などのうち1種以上を含んでいる、実施形態36に記載の媒体。
実施形態38
第1のペットの1つ以上の活動を検出する前記動作、または、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する前記動作は、1つ以上の機械学習モデルに基づいており、該1つ以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成される、実施形態23から実施形態37のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態39
前記ソフトウェアは実行時には更に、
第1のペットの前記健康査定に対応している調査またはアンケートを提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、実施形態23から実施形態38のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態40
前記ソフトウェアは実行時には更に、
前記調査またはアンケートに応じたユーザからのフィードバックを前記ユーザ装置から受信するように動作可能である、実施形態39に記載の媒体。
実施形態41
前記ソフトウェアは実行時には更に、
ユーザからの前記フィードバックに基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを更新するように動作可能である、実施形態40に記載の媒体。
実施形態42
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
ユーザへの該1つ以上の通知の感度または特異性を特注誂えするように動作可能である、実施形態23から実施形態41のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態43
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該考えられ得る病状についてのちょっとした説明を生成するように動作可能であり、また、
該ちょっとした説明を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、実施形態23から実施形態42のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態44
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記ソフトウェアは実行時には更に、
該考えられ得る病状についての大まかな時系列表示を生成するように動作可能であり、また、
該大まかな時系列表示を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、実施形態23から実施形態43のいずれか1つに記載の媒体。
実施形態45
1つ以上の演算処理装置と、該演算処理装置に接続されて、該演算処理装置が実行することのできる各種命令を有している持続的記憶装置とを構成要素の一部に含んでいるシステムであって、該演算処理装置は該命令の実行時には、
1つ以上のセンサにより取り込まれたセンサ・データにアクセスするように動作可能であり、該センサ・データは第1のペットに関連付けられており、
該センサ・データに基づいて、指定された期間内に第1のペットの1つ以上の活動を検出するように動作可能であり、
該1つ以上の活動に基づいて、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定するように動作可能であり、該1つ以上の健康指標は、該1つ以上の活動に関連付けられた1つ以上の計量に基づいており、
該1つ以上の健康指標に基づいて第1のペットの健康査定を生成するように動作可能であり、該健康査定は、1つ以上の健康点数、および、複数の医学的状態から考えられ得る病状に対する1つ以上の通知のうち1種類以上を含んでおり、また、
第1のペットの該健康査定をユーザに提示するための各種命令をユーザ装置に送信するように動作可能である、システム。
実施形態46
前記1つ以上のセンサは、アクチュエータ、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロフォン、圧力センサなどのうち1種類以上を備えている、実施形態45に記載のシステム。
実施形態47
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該ウェアラブル装置の望ましくない回転を検出するように動作可能であり、また、
該望ましくない回転を矯正する目的で、1回以上のデータ変形を前記センサ・データに加えるように動作可能である、実施形態45または実施形態46に記載のシステム。
実施形態48
前記1つ以上のセンサは、第1のペットが着用している、または、第1のペットに取付けられたウェアラブル装置に付随させることができ、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該ウェアラブル装置の配向を判定するように動作可能であり、また、
該ウェアラブル装置の該配向に基づいて、前記センサ・データを加工処理するように動作可能である、実施形態45から実施形態47のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態49
第1のペットの健康査定を生成する前記動作は更に、第1のペットの健康状態データ、第1のペットの統計上の属性情報、第1のペットの遺伝子データ、第1のペットの所在地、第1のペットの所在地の天候情報、第1のペットの所在地の環境データなどのうち1種類以上に基づいている、実施形態45から実施形態48のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態50
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標をこれらに対応する保存されていた健康指標と比較するように動作可能であり、また、
判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の閾値差を検出するように動作可能であり、
前記健康査定は更に、判定結果の前記少なくとも1つの健康指標とこれに対応する保存されていた健康指標との間の、検出結果の該閾値差を含んでいる、実施形態45から実施形態49のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態51
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
第1のペットが或る活動を実施している時間量、
第1のペットが該活動を実施している強度到達点、
第1のペットが該活動を実施している該時間量を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標時間と比較した割合、および、
第1のペットが該活動を実施している該強度到達点を複数の第2のペットに関連付けられたデータに基づいて決められた目標強度到達点と比較した割合のうちの1つ以上に基づいて、前記1つ以上の健康点数を算定するように動作可能である、実施形態45から実施形態50のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態52
前記健康査定は1つ以上の健康点数を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
前記1つ以上の計量を所定の範囲に規模変更するように動作可能であり、また、
規模変更結果の該計量に基づいて該1つ以上の健康点数を生成するように動作可能である、実施形態45から実施形態51のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態53
前記1つ以上の健康指標はそれぞれ1つ以上の重量と関連付けられており、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該1つ以上の重量に基づいて前記1つ以上の健康点数を生成するように動作可能である、実施形態45から実施形態52のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態54
前記1つ以上の活動は、
伏せる、座る、立ち上がる、歩行する、精力的に動くなどのうち1種類以上からなる姿勢、および、
飲む、食べる、物を舐める、自らの身体を舐める、戯れの接触をする、身体を擦り付ける、自らの身体を引掻く、身震いする、臭いを嗅ぐなどのうち1種類以上からなる振舞いのうち、1種類以上を含んでいる、実施形態45から実施形態53のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態55
前記複数の医学的状態は、皮膚疾患、耳の感染症、関節炎、心臓発作、消化管系疾患、倦怠感、歯牙破折、十字靭帯断裂、膵臓病発症などのうちの1種類以上を含んでいる、実施形態45から実施形態54のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態56
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
前記1つ以上の健康指標に基づいてペット製品の有効性を判定するように動作可能であり、該ペット製品は、医薬品、製剤、ペットフード、獣医師が処方した治療法などのうちの1種以上を含んでいる、実施形態45から実施形態55のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態57
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
ペット製品の判定結果の前記有効性を、獣医師または該ペット製品の製造業者に送信するように動作可能である、実施形態56に記載のシステム。
実施形態58
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
前記健康査定に基づいて第1のペットの健康提言を決めるように動作可能である、実施形態45から実施形態57のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態59
前記健康提言は、ペット製品を勧める提言や獣医師の診察を勧める提言などのうち1種以上を含んでいる、実施形態58に記載のシステム。
実施形態60
第1のペットの1つ以上の活動を検出する前記動作、または、第1のペットの1つ以上の健康指標を判定する前記動作は、1つ以上の機械学習モデルに基づいており、該1つ以上の機械学習モデルは、複数の第2のペットに関連付けられた複数のデータに基づいて養成される、実施形態45から実施形態59のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態61
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
第1のペットの前記健康査定に対応している調査またはアンケートを提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、実施形態45から実施形態60のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態62
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
前記調査またはアンケートに応じたユーザからのフィードバックを前記ユーザ装置から受信するように動作可能である、実施形態45から実施形態61のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態63
前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
ユーザからの前記フィードバックに基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを更新するように動作可能である、実施形態62に記載のシステム。
実施形態64
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
ユーザへの該1つ以上の通知の感度または特異性を特注誂えするように動作可能である、実施形態45から実施形態63のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態65
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該考えられ得る病状についてのちょっとした説明を生成するように動作可能であり、また、
該ちょっとした説明を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、実施形態45から実施形態64のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態66
前記健康査定は或る種の考えられ得る病状に対する1つ以上の通知を含んでおり、前記演算処理装置は前記命令の実行時には更に、
該考えられ得る病状についての大まかな時系列表示を生成するように動作可能であり、また、
該大まかな時系列表示を提示するための各種命令を前記ユーザ装置に送信するように動作可能である、実施形態45から実施形態65のいずれか1つに記載のシステム。
【符号の説明】
【0140】
100 システム
102 追跡装置
104 携帯装置
106 サーバー
108 ネットワーク
【国際調査報告】