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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】燃料電池の膜加湿器
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04119 20160101AFI20240327BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20240327BHJP
   B01D 63/02 20060101ALI20240327BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20240327BHJP
【FI】
H01M8/04119
H01M8/04 N
B01D63/02
H01M8/10 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564052
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 KR2022008144
(87)【国際公開番号】W WO2022265294
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078206
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】キム ドウ
(72)【発明者】
【氏名】キム キョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】アン ナヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム インホ
【テーマコード(参考)】
4D006
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
4D006GA35
4D006HA03
4D006HA91
4D006JA13Z
4D006JA17A
4D006JA23A
4D006JA23C
4D006JA25A
4D006JA25C
4D006JA27A
4D006JA27C
4D006JB05
4D006MC29
4D006MC39
4D006MC54
4D006MC58
4D006MC62
4D006MC63
4D006PC80
5H126BB06
5H127AA06
5H127AC15
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB34
5H127EE17
(57)【要約】
加湿モジュール内で生成される凝縮水の排出性能を向上させることができる燃料電池の膜加湿器に係り、該燃料電池の膜加湿器は、外部から供給される空気を、燃料電池スタックから排出される排ガス内の水分に加湿させる加湿モジュールと、加湿モジュールの両末端にそれぞれ結合されたキャップと、を含む。該加湿モジュールは、排ガスが流入される排ガス流入口と、排ガスが排出される排ガス排出口とが形成されたミッドケースを含む。該排ガス排出口は、ミッドケースの底面側に形成され、加湿モジュール内で生成される凝縮水を外部に排出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給される空気を、燃料電池スタックから排出される排ガス内の水分に加湿させる加湿モジュールと、
前記加湿モジュールの両末端にそれぞれ結合されたキャップと、を含むが、
前記加湿モジュールは、
前記排ガスが流入される排ガス流入口と、前記排ガスが排出される排ガス排出口とが形成されたミッドケースを含み、
前記排ガス排出口は、前記ミッドケースの底面側に形成され、前記加湿モジュール内で生成される凝縮水を外部に排出することを特徴とする燃料電池の膜加湿器。
【請求項2】
前記排ガス排出口の少なくとも一部が、前記ミッドケースの底面と接するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項3】
前記排ガス排出口の少なくとも一部が、前記ミッドケースの底面と接しながら、前記排ガス排出口の仮想中心軸が、前記ミッドケースの底面と平行になるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項4】
前記排ガス排出口の少なくとも一部が、前記ミッドケースの底面と接しながら、前記排ガス排出口の仮想中心軸が、前記ミッドケースの底面に対して重力方向に傾くように形成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項5】
前記ミッドケース内に配され、複数の中空糸膜を収容する複数個のカートリッジを含み、
前記複数個のカートリッジは、前記排ガス流入口と最も近く配される第1カートリッジと、前記排ガス流入口を基準に、前記第1カートリッジの少なくとも一側に、前記第1カートリッジより遠い位置に配される第2カートリッジと、を含み、
前記第2カートリッジは、前記排ガス流入口に流入される少なくとも一部の排ガスと、前記第1カートリッジによって分配された排ガスの少なくとも一部とを流入させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項6】
前記第1カートリッジは、
前記複数個のカートリッジのうち、最も大きい第1幅W1を有するように形成されることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項7】
前記第2カートリッジは、
前記第1幅W1より小さい第2幅W2を有するように形成されることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池の膜加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の膜加湿器に係り、さらに具体的には、加湿モジュール内で生成される凝縮水の排出性能を向上させることができる燃料電池の膜加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池とは、水素と酸素とを結合させて電気を生産する発電型電池である。該燃料電池は、乾電池や蓄電池のような一般化学電池と異なり、水素と酸素とが供給される限り、続けて電気を生産することができ、熱損失がなく、内燃機関より効率が2倍ほど高いという長所がある。
また、水素と酸素との結合によって生じる化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するために、公害物質排出が少ない。従って、燃料電池は、環境にやさしいだけではなく、エネルギー消費増大による資源枯渇に対する心配を減らすことができるという長所がある。
そのような燃料電池は、使用される電解質の種類により、大きく見て、高分子電解質型燃料電池(PEMFC:polymer electrolyte membrane fuel cell)、リン酸型燃料電池(PAFC:phosphoric acid fuel cell)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:molten carbonate fuel cell、固体酸化物型燃料電池(SOFC:solid oxide fuel cell)及びアルカリ型燃料電池(AFC:alkaline fuel cell)などに分類されうる。
それらそれぞれの燃料電池は、根本的に同一原理によって作動されるが、使用される燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。そのうち、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)は、他の燃料電池に比べ、低温で動作するという点、及び出力密度が高く、小型化が可能であるために、小規模据え置き型発電装備だけではなく、輸送システムにおいても、最も有望であると知られている。
高分子電解質型燃料電池(PEMFC)の性能を向上させるにおき、最も重要な要因のうち一つは、膜・電極組立体(MEA:membrane electrode assembly)の高分子電解質膜(PEM:polymer electrolyte membraneまたはproton exchange membrane)に一定量以上の水分を供給することにより、関数率を維持させることである。該高分子電解質膜が乾燥すれば、発電効率が急激に低下されるためである。
高分子電解質膜を加湿する方法として、1)耐圧容器に水をいっぱいにした後、対象気体をして、拡散器(diffuser)を通過させ、水分を供給するバブラ(bubbler)加湿方式、2)燃料電池反応に必要な供給水分量を計算し、ソレノイドバルブを介し、ガス流動管に直接水分を供給する直接噴射(direct injection)方式、及び3)高分子分離膜を利用し、ガス流動層に水分を供給する加湿膜方式などがある。
それらのうちにおいても、排ガス中に含まれる水蒸気だけを選択的に透過させる膜を利用し、水蒸気を、高分子電解質膜に供給される空気に提供することにより、高分子電解質膜を加湿する膜加湿方式が、膜加湿器を軽量化及び小型化させることができるという点において有利である。
膜加湿方式に使用される選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当たり透過面積が大きい中空糸膜が望ましい。すなわち、該中空糸膜を利用して膜加湿器を製造する場合、接触表面積が広い中空糸膜の高集積化が可能であり、小容量でも、燃料電池の加湿が十分になされ、低価素材の使用が可能であり、燃料電池から高温で排出される排ガス(off-gas)に含まれた水分と熱とを回収し、膜加湿器を介し、再使用することができるという利点を有する。
【0003】
図1は、従来技術による燃料電池の膜加湿器が図示された分解斜視図である。図1に図示されているように、従来技術の燃料電池の膜加湿器10は、外部から供給される空気と、燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの水分交換が起こる加湿モジュール11、及び加湿モジュール11の両端に結合されたキャップ12を含む。
キャップ12のうち一つは、外部から供給される空気を加湿モジュール11に供給し、他の一つは、加湿モジュール11によって加湿された空気を、燃料電池スタックに供給する。
加湿モジュール11は、排ガス流入口(off-gas inlet)11bと、排ガス排出口(off-gas outlet)11cと、を有するミッドケース(mid-case)(11a)、及びミッドケース11a内に配された多数のカートリッジ20を含む。多数のカートリッジ20それぞれは、インナーケース23を具備し、インナーケース23内部には、多数の中空糸膜21と、中空糸膜21束の両末端を固定するポッティング部22が形成される。ポッティング部22は、一般的に、キャスティング(casting)方式を介し、液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることによって形成される。
カートリッジ20とミッドケース11aとの間には、樹脂層11dが形成され、樹脂層11dは、カートリッジ20をミッドケース11aに固定させ、キャップ12の内部空間と、ミッドケース11aの内部空間とを遮断する。
外部から供給される空気は、中空糸膜21の中空に沿って流れる。排ガス流入口11bを介し、ミッドケース11a内に流入された排ガスは、インナーケース23に形成された一側メッシュホールを介し、インナーケース23内部に流入され、中空糸膜21の外表面と接触した後、他側メッシュホールを介し、インナーケース23外部に流出された後、排ガス排出口11cを介し、ミッドケース11aから排出される。排ガスが中空糸膜21の外表面と接触するとき、排ガス内に含有されていた水分が中空糸膜21を透過することにより、中空糸膜21の中空に沿って流れた空気を加湿する。
【0004】
なお、一部の排ガスに含有された水分は、中空糸膜21を透過せず、凝縮されてミッドケース11aの底面に集まることにもなる。底面に集まる凝縮水は、加湿効率を低下させるために、該凝縮水を排出するための別途の配管とバルブとをミッドケース11aに設けなければならない。従って、全体として部品が増加し、製造コストが上昇し、追加された部品が設けられた空間が必要になり、コンパクトなシステム具現を阻害するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、加湿モジュール内で生成される凝縮水の排出性能を向上させることができる燃料電池の膜加湿器を提供することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器は、
外部から供給される空気を、燃料電池スタックから排出される排ガス内の水分に加湿させる加湿モジュールと、前記加湿モジュールの両末端にそれぞれ結合されたキャップと、を含む。前記加湿モジュールは、前記排ガスが流入される排ガス流入口と、前記排ガスが排出される排ガス排出口とが形成されたミッドケースを含む。前記排ガス排出口は、前記ミッドケースの底面側に形成され、前記加湿モジュール内で生成される凝縮水を外部に排出する。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記排ガス排出口の少なくとも一部が、前記ミッドケースの底面と接するようにも形成される。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記排ガス排出口の少なくとも一部が、前記ミッドケースの底面と接しながら、前記排ガス排出口の仮想中心軸が、前記ミッドケースの底面と平行になるようにも形成される。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記排ガス排出口の少なくとも一部が、前記ミッドケースの底面と接しながら、前記排ガス排出口の仮想中心軸が、前記ミッドケースの底面に対して重力方向に傾くようにも形成される。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記ミッドケース内に配され、複数の中空糸膜を収容する複数個のカートリッジを含むものでもある。前記複数個のカートリッジは、前記排ガス流入口と最も近く配される第1カートリッジと、前記排ガス流入口を基準に、前記第1カートリッジの少なくとも一側に、前記第1カートリッジより遠い位置に配される第2カートリッジと、を含むものでもある。前記第2カートリッジは、前記排ガス流入口に流入される少なくとも一部の排ガスと、前記第1カートリッジによって分配された排ガスの少なくとも一部とを流入させることができる。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記第1カートリッジは、前記複数個のカートリッジのうち、最も大きい第1幅W1を有するようにも形成される。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記第2カートリッジは、前記第1幅W1より小さい第2幅W2を有するようにも形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、加湿モジュール内で生成される凝縮水の排出性能を向上させることができる。また、該凝縮水排出のための別途の追加部品を省略可能になり、製造コストを節減することができ、追加部品の設けられた空間が不要になり、コンパクトな燃料電池システム具現することができる。また、燃料電池スタックから流入される排ガスの分配効率を向上させ、加湿効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来技術による燃料電池の膜加湿器が図示された分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器が図示された分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器が図示された断面図である。
図4図2のA-A’ラインにおいて、左側から見た断面図である。
図5】本発明の他の実施形態による燃料電池の膜加湿器が図示された分解斜視図である。
図6図5のB-B’ラインにおいて、右側に見た断面図である。
図7】本発明の他の実施形態による燃料電池の膜加湿器の加湿モジュール内における動作状態について説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。しかし、それらは、本発明を、特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むと理解されなければならない。
本発明で使用された用語は、単に特定実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に取り立てての意味ではない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。以下、図面を参照し、本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器が図示された分解斜視図であり、図3は、本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器が図示された断面図であり、図4は、図2のA-A’ラインにおいて、左側から見た断面図である。
図2ないし図4に図示されているように、本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器は、加湿モジュール110とキャップ120とを含む。
加湿モジュール110は、外部から供給される空気と、燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの水分交換を行う。キャップ120は、加湿モジュール110の両端に結合される。キャップ120のうち一つは、外部から供給される空気を加湿モジュール110に供給し、他の一つは、加湿モジュール110によって加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
加湿モジュール110は、排ガス流入口112と排ガス排出口113とを有するミッドケース111、及びミッドケース111内に配された少なくとも1つのカートリッジ20を含む。
【0010】
ここで、設計により、キャップ120のうち一つは、排ガスを加湿モジュール110に供給し、中空糸膜内部を流れるようにし、他の一つは、水分交換が行われた排ガスを外部に排出させることができるということは、言うまでもない。また、その場合、排ガス流入口112または排ガス排出口113のうちいずれか一つを介し、外部空気が流入され、残り一つを介し、加湿モジュール110によって加湿された空気が燃料電池スタックに供給されるようにもする。外部空気の流動方向と、排ガスの流動方向は、同じ方向でもあり、互いに反対方向でもある。
ミッドケース111とキャップ120は、それぞれ独立して、硬質プラスチックや金属によっても形成され、円形または多角形の幅方向断面を有しうる。円形は、楕円形を含み、多角形は、丸コーナー(rounded corner)を有する多角形を含む。例えば、硬質プラスチックは、ポリカーボネート、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)などでもある。ミッドケース111の内部空間は、隔壁114により、第1空間S1と第2空間S2とにも区画される。
カートリッジ20は、多数の中空糸膜21、ポッティング部22、インナーケース23を含む。
中空糸膜21は、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、またはそれらのうち少なくとも2以上の混合物によって形成された高分子膜を含むものでもある。
ポッティング部22は、中空糸膜21の末端を固定する。ポッティング部22は、ディップポッティング、遠心ポッティングのようなキャスティング方式を介し、液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることによっても形成される。
インナーケース23は、各末端に開口(opening)を有し、内部に多数の中空糸膜21を収容する。中空糸膜21の端部がポッティングされているポッティング部22は、インナーケース23の開口を閉鎖させる。インナーケース23は、第1空間S1との流体連通のために、メッシュ形態に配列された第1メッシュホール部MH1、及び第2空間S2との流体連通のために、メッシュ形態に配列された第2メッシュホール部MH2を具備する。
排ガス流入口112を介し、ミッドケース111の第1空間S1に流入された排ガスは、第1メッシュホール部MH1を介し、インナーケース23内に流れ込み、中空糸膜21の外表面と接触する。続けて、水分を奪われた排ガスは、第2メッシュホール部MH2を介し、第2空間S2に抜けた後、排ガス排出口113を介し、ミッドケース111から排出される。
【0011】
ミッドケース111とカートリッジ20との間には、ガスケット130が設けられる。ガスケット130は、機械的組み立てを介し、加湿モジュール110に装着される。従って、加湿モジュール110の特定部分(例えば、カートリッジ20)に異常が生じる場合、ミッドケース111とガスケット130とを、加湿モジュール110から機械的に簡単に分離させた後、当該部分のみを修理したり交換したりすることが可能である。
前述のような加湿モジュール110において排ガス排出口113は、ミッドケース111の底面側に形成され、凝縮水は、自重により、自然に外部に排出されるようにする。
望ましくは、排ガス排出口113の少なくとも一部が、ミッドケース111の底面と接するようにも形成される。
排ガス排出口113の少なくとも一部が、ミッドケース111の底面と接しながら、排ガス排出口113の仮想中心軸が、ミッドケース111の底面と平行になるようにも形成される。
または、排ガス排出口113の少なくとも一部が、ミッドケース111の底面と接しながら、排ガス排出口113の仮想中心軸が、ミッドケース111の底面に対して重力方向に傾くようにも形成される。
そのように、排ガス排出口113が、ミッドケース111の底面に形成されることにより、加湿モジュール110内で生成される凝縮水の排出性能を向上させることができる。また、凝縮水排出のための別途の追加部品を省略することができることになり、製造コストを節減することができ、追加部品の設けられた空間が不要になり、コンパクトな燃料電池システム具現することができる。
次に、図5ないし図7を参照し、本発明の他の実施形態による燃料電池の膜加湿器について説明する。図5は、本発明の他の実施形態による燃料電池の膜加湿器が図示された分解斜視図であり、図6は、図5のB-B’ラインにおいて、右側に見た断面図であり、図7は、本発明の他の実施形態による燃料電池の膜加湿器の加湿モジュール内における動作状態について説明するための斜視図である。
【0012】
本実施形態において、カートリッジ20は、ミッドケース111内に複数個に配される。例えば、図5ないし図7に図示されているように、3個のカートリッジ20-1,20-2,20-3が配されうる。ここで、それは、説明のための例示であるのみ、それに限定されるものではないということは、言うまでもない。複数個のカートリッジにおいて、排ガス流入口112と最も近く配されたカートリッジ20-1を第1カートリッジとし、残りカートリッジ20-2,20-3を第2カートリッジとする。
排ガス流入口112と最も近く配された第1カートリッジ20-1は、カートリッジ20-1,20-2,20-3のうち、最も大きい第1幅W1を有するように形成され、残り第2カートリッジ20-2,20-3は、第1幅W1より小さい第2幅W2を有するように形成される。図面において、中央に配されたカートリッジ20-1が第1幅W1に形成されているように例示されているが、それは、排ガス流入口112の位置によっても異なる。すなわち、排ガス流入口112の位置が上側に形成される場合、カートリッジ20-2が第1幅W1にも形成される。
第1カートリッジ20-1は、最大の第1幅W1に形成されながら、その一側は、排ガス流入口112と最も近く配される。このとき、カートリッジ20-1,20-2,20-3の他側は、図6のように、一列にも配列される。ここで、カートリッジ20-1,20-2,20-3の他側は、必ずしも一列に配列されるものではないということは、言うまでもない。その場合にも、第1カートリッジ20-1の一側が、排ガス流入口112と最も近く配されるようにする。
【0013】
前述のところのように構成される、本発明の他の実施形態による燃料電池の膜加湿器100-1の動作につき、図6及び図7を参照して説明する。
外部から供給される空気は、中空糸膜21の中空に沿って流れる。排ガス流入口112を介し、ミッドケース111内に流入された排ガスは、インナーケース23に形成された第1メッシュホールMH1を介し、インナーケース23内部に流入され、中空糸膜21の外表面と接触した後、第2メッシュホールMH2を介し、インナーケース23外部に流出された後、排ガス排出口113を介し、ミッドケース111から排出される。排ガスが、中空糸膜21の外表面と接触するとき、排ガス内に含有されていた水分が、中空糸膜21を透過することにより、中空糸膜21の中空に沿って流れた空気を加湿させる。
このとき、排ガス流入口112を介し、ミッドケース111内に流入された排ガスの一部は、最大の第1幅W1を有する第1カートリッジ20-1の一側にぶつかりながら、側面にガイドされる。なお、第2カートリッジ20-2,20-3は、第1カートリッジ20-1の幅より狭幅になりながら、第1カートリッジ20-1の側面に、排ガス流入口112と遠く離隔された位置に配されるので、第2カートリッジ20-2,20-3は、第1カートリッジ20-1によってガイドされた少なくとも一部の排ガスを流入される。ここで、第2カートリッジ20-2,20-3が、必ずしも第1カートリッジ20-1によってガイドされた排ガスのみを流入されるものではないということは、言うまでもない。
一方、それとは異なり、カートリッジ20が同一幅を有しながら、排ガス流入口112の位置に関係なく配される場合、排ガス流入口112と遠く離れて配されたカートリッジは、排ガスを十分に供給されることができず、排ガス流入口112と近く配されたカートリッジに過度な排ガスを供給されることになり、カートリッジ別に加湿効率が異なってしまう。
【0014】
なお、図5ないし図7のように、カートリッジ20が異なる幅を有しながら、排ガス流入口112の位置を考慮し、最大の第1幅W1を有する第1カートリッジ20-1が、排ガス流入口112と最も近いように配される場合、それぞれのカートリッジ20-1,20-2,20-3は、等しく分配された排ガスを供給されうることになる。
併せて、排ガス排出口113は、ミッドケース111の底面側に形成され、凝縮水は、自重により、自然に外部に排出されうる。排ガス排出口113に係わる説明は、前述の一実施形態と実質的に同一である。
以上、本発明の一実施形態について説明されたが、当該技術分野で通常の知識を有する者であるならば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から外れない範囲内において、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより、本発明を、多様に修正して変更させることができ、それも、本発明の権利範囲内に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】