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特表2024-514929高い形成性を有する5XXXアルミニウムシート
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  • 特表-高い形成性を有する5XXXアルミニウムシート 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】高い形成性を有する5XXXアルミニウムシート
(51)【国際特許分類】
   C22C 21/06 20060101AFI20240327BHJP
   C22F 1/047 20060101ALI20240327BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20240327BHJP
【FI】
C22C21/06
C22F1/047
C22F1/00 623
C22F1/00 630K
C22F1/00 606
C22F1/00 691B
C22F1/00 683
C22F1/00 682
C22F1/00 694B
C22F1/00 685Z
C22F1/00 686A
C22F1/00 694A
C22F1/00 694Z
C22F1/00 684B
C22F1/00 691A
C22F1/00 602
C22F1/00 691C
C22F1/00 630A
C22F1/00 630B
C22F1/00 613
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564393
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 EP2022060442
(87)【国際公開番号】W WO2022223634
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】2104165
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517422951
【氏名又は名称】コンステリウム ヌフ-ブリザック
【氏名又は名称原語表記】CONSTELLIUM NEUF-BRISACH
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】マッセ,ジャン-フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン,アラン
(72)【発明者】
【氏名】リブ,エルヴェ
(57)【要約】
本発明は、重量%でMg:1.7~2.1、Mn:0.1~0.5、Fe:0.10~0.22、Si:0.05~0.25、Cu 0.01~0.20、Cr 最大0.1、Zn 最大0.15、Zr 最大0.1、Ti 最大0.05重量%、残余はアルミニウムおよび各々最大0.05で合計最大0.15の不可避不純物を含む5xxx系アルミニウムシート製のモノリシックのアルミニウムシートに関する。本発明によるモノリシックの5xxx系アルミニウムシートの製造方法は、鋳造ステップ、予熱ステップ、440℃超の熱間粗圧延入口温度を用いて可逆式圧延機で熱間粗圧延するステップ、少なくとも280℃の熱間圧延出口温度を用いてインゴットを熱間仕上圧延するステップ、冷間圧延するステップを含む。本発明は、自動車製造のために有用である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で、1.7~2.1のMg、0.1~0.5のMn、0.10~0.22のFe、0.05~0.25のSi、0.01~0.20のCu、最大0.1のCr、最大0.15のZn、最大0.1のZr、最大0.05重量%のTi、残余はアルミニウム、および、各々最大0.05で合計最大0.15の不可避不純物、を含む合金製の、モノリシックの5xxx系アルミニウムシート。
【請求項2】
Fe含有量が、0.12重量%~0.20重量%である、請求項1に記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項3】
Cr含有量が、0.01重量%~0.03重量%である、請求項1または2に記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項4】
Ti含有量が、0.005重量%~0.04重量%である、請求項1から3のいずれか一つに記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項5】
Mn含有量が、最大0.45%である、請求項1から4のいずれか一つに記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項6】
シートが、完全に再結晶化したO質別である、請求項1から5のいずれか一つに記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項7】
シートが、少なくとも0.605、好ましくは少なくとも0.610のランクフォード係数を有する、請求項6に記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項8】
少なくとも13%、好ましくは少なくとも14%また好ましくは少なくとも15%の立方体集合組織の体積分率を有する、請求項6または7に記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項9】
最大11.0%、好ましくは最大10.0%のR集合組織の体積分率を有する、請求項6から8のいずれか一つに記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項10】
TYS(LT)と称される、LT方向におけるTYSが、50MPa~100MPaまた好ましくは65MPa~95MPaである、請求項6から9のいずれか一つに記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項11】
Fe最大含有量が0.20重量%であり、ランクフォード係数が少なくとも0.615である、請求項6から10のいずれか一つに記載の5xxx系アルミニウムシート。
【請求項12】
- 請求項1から5のいずれか一つに記載の組成を有するインゴットを鋳造するステップ、
- 典型的には440℃~520℃の温度で、インゴットを予熱するステップ、
- 440℃超の熱間粗圧延入口温度を用いて、可逆式圧延機で熱間粗圧延するステップ、
- 少なくとも280℃の熱間圧延出口温度を用いて、インゴットを熱間仕上圧延するステップ、
- 冷間圧延シートを得るために冷間圧延するステップ、
を含む、請求項1から11のいずれか一つに記載のモノリシックの5xxx系アルミニウムシートの製造方法。
【請求項13】
熱間圧延後または冷間圧延中の焼鈍が実行されない、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
冷間圧延シートがさらに、少なくとも320℃、好ましくは少なくとも340℃また最高500℃好ましくは最高440℃、最も好ましくは360℃~400℃の温度にシートが達するように操作される連続焼鈍ラインを好ましくは用いて、完全に再結晶化した微細構造を持つO質別を得るために焼鈍される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
自動車製造用の、好ましくは自動車のインナーおよび/または補強材としての、請求項1から11のいずれか一つに記載の5xxx系アルミニウムシートの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車産業のために有用な、5XXX系合金アルミニウムシートおよびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、車のフードといった自動車部品は、主に2つの部分、つまり外側部分および内側部分で作られている。外側部分は、車の外側から見える部分であり、また内側部分は、例えばフードを開ける場合などを除いて見えない部分である。
【0003】
部品は、多くの要件を網羅する必要があり、その中には、歩行者の安全性および、塗装性能のための表面の品質がある。したがって、外側部分は通常、高い塗装外観品質を有するように開発される。内側部分または自動車のフードインナーは通常、塗装外観品質に関して同じ要件が適用されない。内側部分は通常、衝突の場合に備えて歩行者の安全性を考慮して開発され、それは詳細には使用時の低強度を意味する。これらの部分は通常エンジンの近くにあり、よって熱的安定性が必要である。内側部分はまた、表面処理を受けやすくすることも必要である。
【0004】
さまざまなアルミニウム合金が、自動車用途のために、シートまたはブランク材の形態で使用される。これらの合金の中で、AA6016-T4などの、AA6XXXアルミニウム合金系は、硬度、強度、形成およびさらには耐食性などの興味深い化学的特性および機械的特性を組み合わせることで知られている。
【0005】
歩行者の安全性向上のために、通常は表面品質の要件のない内側部分用である特定製品もまた開発されてきた。
【0006】
国際公開第2006/056481号は、重量%で、0.80≦Si≦1.20、0.10≦Fe≦0.30、0.05≦Mn≦0.20、0.10≦Mg≦0.30、Cu≦0.30、Ti≦0.15、各々最大0.05で合計最大0.15の他の元素、残りはAlという化学的組成を有し、T4質別状態において、少なくとも50MPaの降伏強度(Rp)、少なくとも20%の一様伸び(Au)および少なくとも22%の全伸び(A80)を有する、歩行者の安全性向上のための自動車用途のアルミニウム合金シートを開示している。
【0007】
国際公開第2018/033537号は、適度な強度レベルを有する、車両用途のためのアルミニウム合金を開示しており、製造されたストリップは、歩行者衝突用に使用され得るT4状態からの低い硬化傾向しか示さない。アルミニウム合金は、(重量パーセント単位で)以下の合金成分を含む:0.4重量%≦Si≦0.55重量%、0.15重量%≦Fe≦0.25重量%、Cu≦0.06重量%、0.15重量%≦Mn≦0.4重量%、0.33重量%≦Mg≦0.4重量%、Cr≦0.03重量%、0.01重量%≦Ti≦0.10重量%、残りは、Alおよび個々に最大0.05重量%、合計で最大0.15重量%の不可避不純物。
【0008】
米国特許出願公開第2012/0234437号明細書は、第一のアルミニウム合金のシートメタルの少なくとも1つの第一の部品および第二のアルミニウム合金のシートメタルの少なくとも1つの第二の部品を有する車部品を開示しており、第一および第二のアルミニウム合金は、AlMgSiタイプの合金であり、また第二のアルミニウム合金のシートメタルにおいて、固溶体における人工時効を成し遂げるために必要であるMgおよびSiの元素の本質的な部分は、人工時効を回避するためにMg2Siおよび/またはSiの別の粒子の形態で存在している。
【0009】
歩行者の安全性を向上させるための他のアプローチは、クラッドシートまたは他のタイプの複合製品を提供することであった。
【0010】
欧州特許出願公開第2328748号明細書は、コア層および少なくとも1つのクラッド層を有する自動車用クラッドシート製品に関しており、コアは、重量%で以下の組成:Mg 0.45~0.8、Si 0.45~0.7、Cu 0.05~0.25、Mn 0.05~0.2、Fe 最大0.35、他の元素(または不純物)はそれぞれが0.05未満かつ合計が0.15未満、残部はアルミニウム、の合金を含み、また少なくとも1つのクラッド層は重量%で以下の組成:Mg 0.3~0.7、Si 0.3~0.7、Mn 最大0.15、Fe 最大0.35、他の元素(不純物)は各々0.05未満かつ合計が0.15未満、残部はアルミニウム、の合金を含む。しかしながら、クラッド製品は通常費用がかかり、モノリシック製品(クラッド材ではない)が好ましい。
【0011】
欧州特許出願公開第2121419号明細書は、フードシェルの外側パネルおよび内側パネルの間に配置され、外側パネルおよび/または内側パネルに接合された発泡体コアを組み込むことによって、車両フードの厚さおよび自動車との衝突時における歩行者頭部への衝撃の影響を実質的に低減する車両の薄い閉鎖パネル設計を提供するものである。
【0012】
国際公開第2020/120267号は、重量%でSi:0.4~0.7、Mg:0.2~0.4、Mn:0.05~0.30、Fe:0.03~0.4、Cu最大0.3、Cr最大0.05、Zn最大0.15、Ti最大0.1重量%、残りがアルミニウム、および各々最大0.05かつ合計最大0.15の不可避不純物を含む6XXX系アルミニウム合金製インゴットを均質化するステップと、420℃未満の熱間粗圧延出口温度を用いて熱間粗圧延出口厚みまで可逆式圧延機で熱間粗圧延するステップと、インゴットを、300℃未満の熱間圧延出口温度を用いてタンデム圧延機を用いて熱間圧延最終厚みになるまで熱間仕上圧延して熱間圧延最終厚みでコイリングするステップと、冷間圧延シートを得るために冷間圧延するステップとを含む、6XXX系アルミニウムシートを製造するための方法を対象にしている。発明の方法にしたがって得られる製品は、それらが歩行者の安全性および表面品質のために求められる機械的特性を有するので、自動車フードインナー用に特に有用である。
【0013】
T4質別などの溶体化処理を必要としないAA5xxx合金は、興味深い代替案となり得る。
【0014】
欧州特許出願公開第0593034号明細書は、およそ3~10重量%のMgおよび総量でおよそ0.3~2.0重量%のFeおよびSiで本質的に構成される、高強度レベルを有しかつ成形性に優れているアルミニウム合金シートを開示しており、アルミニウム合金シートは、潤滑性表面被覆を備え、かつ最大およそ0.11の摺動抵抗を有する。それはまた、Cu、Mn、Cr、ZrおよびTiなどの、強化元素を含有し得る。
【0015】
国際公開第2011/011744号は、およそ2.5重量%~およそ7重量%のMg;およそ0.05重量%~およそ2重量%のCu;およそ0.3重量%~およそ1.5重量%のMn;任意では最大2.0重量%のZn;任意では合計最大1.0重量%の添加剤、ここで添加剤はZr、Cr、V、Sc、Hf、Ti、B、C、Ca、Sr、Be、Bi、Cd、Ge、In、Mo、Nb、Ni、Sn、Yから成るグループから選択される;そして残りはアルミニウムおよび不可避不純物、で本質的に構成される5xxxアルミニウム合金を開示している。
【0016】
国際公開第2016/077044号は、1.5重量%以上のMg、0.8重量%以下のCu、0.5重量%以下のFe、0.4重量%以下のMn、0.2~0.4重量%のSi、0.5重量%以下のZn、および0.25重量%以下のCrを含み、残りはAlおよび不可避不純物であるアルミニウム合金を開示しており、該アルミニウム合金は、最終的な厚さまでの冷間圧延および480℃超の温度での溶体化を含むプロセスによって製造され、プロセスは特にT4質別を含む。
【0017】
国際公開第2018/005442号は、0.10~0.30重量%のFe、0.10~0.30重量%のSi、0~0.25重量%のCr、2.0~3.0重量%のMg、0.05~0.10重量%のMn、0.02~0.06重量%のCu、各不純物に関しては最大0.05重量%、全不純物に関しては最大0.15%の不可避不純物、および残余のアルミニウムを含む、アルミニウム合金を開示している。
【0018】
国際公開第98/24940号は、Si 0.10~0.25%;Fe 0.18~0.30%;Cu 最大0.5%;Mn 0.4~0.7%;Mg 3.0~3.5%;Cr 最大0.2%;およびTi 最大0.1%という組成を有するAA5XXX系のアルミニウム合金を開示している。
【0019】
国際公開第2008/010352号は、Mg:2.0~3.3質量%、Mn:0.1~0.5質量%、およびFe:0.2~1.0質量%を含有し、残部が不可避不純物およびAlである化学組成を有する高強度アルミニウム合金シートを開示している。
【0020】
米国特許出願公開第2007/0217943号明細書は、2.0~8.0重量%のMg、0.06~0.2重量%のSi、0.1~0.5重量%のFe、0.1~0.5重量%のMn、そしてAlおよび不可避不純物の残部から成るアルミニウム合金シートを開示している。
【0021】
国際公開第2004/090184号は、以下の重量百分率での合金比率:2≦Mg≦5、Mn≦0.5、Cr≦0.35、Si≦0.4、Fe≦0.4、Cu≦0.3、Zn≦0.3、Ti≦0.15、その他の元素は合計で0.15以下および単独で0.05を超えない、を有し、残余はAlである、アルミニウム合金を開示している。
【0022】
自動車部品としてのアルミニウム合金の使用の中に、補強材があり、それらは特定の位置に位置し、機械的特性の局部的向上を可能にする。インナーは、特定のケースでは、補強材とみなされる得る。電気自動車において、これらの補強材は、バッテリの周りに位置することもあり得る。
【0023】
特開平9-279281号公報は、耐蝕性に優れた缶蓋材用Al合金焼付塗装板を、その強度およびリベット等の成形性を損なうことなく製造するという、解決すべき課題を開示している。
【0024】
解決手段:このAl合金焼付塗装板は、Mg2.0~3.0重量%未満、Mn0.20~0.70重量%、Cu0.01~0.15重量%、Fe0.35重量%以下、Si0.20重量%以下を含み、かつMn/Si≧2.0を満たし、更にCr0.10重量%以下及びTi0.05重量%以下のうち1種又は2種を含み、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有する。次に、圧延方向と平行な断面の金属組織において、平均粒径1μm以上のMgSi化合物の面積分率が1.2%以下に調整され、Cuを含む析出物のうち平均粒径0.1μm以上の析出物量がCu換算量で0.40%以下に調整される。
【0025】
特開平7-197176号公報は、開缶性に優れた食缶フルオープンエンド用Al合金板の製造を開示している。
【0026】
構成:この食缶フルオープンエンド用Al合金板は、Mg1.70~2.70%、Mn0.30~0.60%、Fe0.10~0.30%を必須成分として含み、必要に応じて更にSi0.30%以下、Ti0.20%以下およびCu0.20%以下のうち1種又は2種以上を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる化学成分を有し、製品板表面から見た際、3~20μmのAl-Fe-Mn系金属間化合物が面積占有率で0.3~1.0%であり、また開缶性に優れている。この化学成分を有するAl合金鋳塊を470~530℃で均熱化処理した後、熱間圧延を施し、更に30%以上の冷間圧延を施し、360~540℃の温度範囲で中間焼鈍を施した後、30~80%の冷間圧延を施して、焼鈍を施さずに強度を調整できる、対象のAl合金板を製造する。
【0027】
特開2002-212661号公報は、サイディング材などの建材に使用されるエンボスロール成形加工用アルミニウム合金板および同塗装板として、薄肉化の要求に応えるべく、エンボスロール成形時に割れが発生しにくくかつ腰が強いものを提供するという、解決すべき課題を開示している。
【0028】
解決手段:エンボスロール成形加工用アルミニウム合金板は、Mg1.3~2.3%を含有し、かつSiが0.3%以下、Feが0.3%以下に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、圧延方向に直角方向の伸びは27%以上で引張強さは140N/mm以上の軟質材からなる。前記各成分のほか、エンボスロール成形加工用アルミニウム合金板は、Cu0.06~0.3%、Mn0.06~0.3%、およびCr0.06~0.3%のうちの1種以上を含む。エンボスロール成形加工用アルミニウム合金塗装板は、さらに前記アルミニウム合金板の表面に塗装を施すことによって得られる。
【0029】
国際公開第2020/185920号は、新規アルミニウム合金製造物およびこれらの合金を作製する方法を開示している。アルミニウム合金製造物は時効硬化性であり、高い強度および成形性を示し、リサイクルスクラップの使用を可能とする。アルミニウム合金は、クラッドアルミニウム合金製造物中のコアとして機能し得る。合金製造物は、自動車、輸送、および電子機器用途を含む多様な用途において使用され得る。
【0030】
国際公開第2005/080619号は、連続的インラインプロセスでアルミニウム合金シートを製造する方法の提供を開示している。連続鋳造されたアルミニウム合金ストリップを、任意にはクエンチングし、熱間または温間で圧延し、焼鈍または熱処理をインラインで行い、任意にはクエンチングし、好ましくはコイリングし、所望のゲージに達するまで、必要に応じて追加の熱間、温間または冷間の圧延工程を有する。該プロセスは、所望の特性を有するT質別またはO質別のアルミニウム合金シートを、はるかにより短い時間で製造するために使用することができる。
【0031】
国際公開第2006/026330号は、例えば合金をスラブに鋳造するために連続鋳造機を使用した溶融アルミニウム合金から、アルミニウム車両用構造部品または部材を製造するための方法を開示している。該方法は、本質的に、2.7~3.6重量%のMg、0.1~0.4重量%のMn、0.02~0.2重量%のSi、0.05~0.30重量%のFe、最大0.1重量%のCu、最大0.25重量%のCr、最大0.2重量%のZn、最大0.15重量%のTiを含有し、残余がアルミニウム、不要成分、および不純物から成る溶融アルミニウム合金を提供することと、溶融アルミニウム合金を連続的に鋳造するためのベルト鋳造機、ブロック鋳造機またはロール鋳造機のような連続鋳造機を提供することとを含む。溶融アルミニウム合金は、スラブに鋳造され、スラブはシート製品に圧延され、次に、焼きなまされる。シートは、金属間粒子(Al-Fe、Al-Fe-Mn、またはMg2Si)の改良された分布および改善された成形性を有する。然る後、シート製品は、自動車業界によって求められる十分な強度および成形性を備える車両用構造部品または部材に成形される。
【0032】
仏国特許出願公開第2878255号明細書は、重量%で、0.80~1.20のSi、0.10~0.30のFe、0.05~0.20のMn、0.10~0.30のMg、最大0.30のCu、最大0.15のTi、各々最大0.05で合計最大0.15の他の元素、残余はAlという化学的組成を有し、T4質別状態におけるものであり、少なくとも50MPaの降伏強度(Rp)、少なくとも20%の一様伸び(Au)および少なくとも22%の全伸び(A80)を有する、歩行者の安全性向上のための自動車用途のアルミニウム合金シートを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】国際公開第2006/056481号
【特許文献2】国際公開第2018/033537号
【特許文献3】米国特許出願公開第2012/0234437号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第2328748号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第2121419号明細書
【特許文献6】国際公開第2020/120267号
【特許文献7】欧州特許出願公開第0593034号明細書
【特許文献8】国際公開第2011/011744号
【特許文献9】国際公開第2016/077044号
【特許文献10】国際公開第2018/005442号
【特許文献11】国際公開第98/24940号
【特許文献12】国際公開第2008/010352号
【特許文献13】米国特許出願公開第2007/0217943号明細書
【特許文献14】国際公開第2004/090184号
【特許文献15】特開平9-279281号公報
【特許文献16】特開平7-197176号公報
【特許文献17】特開2002-212661号公報
【特許文献18】国際公開第2020/185920号
【特許文献19】国際公開第2005/080619号
【特許文献20】国際公開第2006/026330号
【特許文献21】仏国特許出願公開第2878255号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
さまざまな基準、つまり、車の機械的特性のための制御された強度および、使用時の低強度に関連している歩行者の安全性、ならびに、形成性および熱的安定性の間の慎重なバランスを兼ね備える、改善されたモノリシックのアルミニウムシート製品が、自動車産業において必要である。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明の第1の対象は、重量%で、
Mg:1.7~2.1、
Mn:0.1~0.5、
Fe:0.10~0.22、
Si:0.05~0.25、
Cu 0.01~0.20、
Cr 最大0.1、
Zn 最大0.15、
Zr 最大0.1、
Ti 最大0.05重量%、
残余はアルミニウム、および、各々最大0.05で合計最大0.15の不可避不純物、
を含む、5xxx系アルミニウムシート製のモノリシックのアルミニウムシートである。
【0036】
本発明の別の対象は、
- 本発明による組成を有するインゴットを鋳造するステップ、
- 典型的には440℃~520℃の温度で、インゴットを予熱するステップ、
- 440℃超の熱間粗圧延入口温度を用いて、可逆式圧延機で熱間粗圧延するステップ、
- 少なくとも280℃の熱間圧延出口温度を用いて、インゴットを熱間仕上圧延するステップ、
- 冷間圧延シートを得るために冷間圧延するステップ、
を含む、本発明による、モノリシックの5xxx系アルミニウムシートの製造方法である。
【0037】
本発明のさらに別の対象は、自動車製造用の、好ましくは自動車のインナーおよび/または補強材としての、本発明による5xxx系アルミニウムシートの使用である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下で称されている全てのアルミニウム合金は、相反する記載の無いかぎり、アルミニウム協会が定期的に刊行する登録記録シリーズ(Registration Record Series)内で定義している規則および呼称を用いて、表示されている。
【0039】
称されている冶金学的質別は、欧州規格EN-515を用いて呼称される。
【0040】
合金組成はすべて、重量%(wt.%)で提供される。
【0041】
特に指定がなければ、規格EN 12258(2012)の定義が適用される。
【0042】
引張り試験は、ISO/DIS 6892-1にしたがって行われた。
【0043】
ランクフォード係数、またの名をr値または異方性係数または垂直異方性または塑性ひずみ比は、DIN EN ISO 10113に準じて測定される。それは、単軸引張試験を受ける試料の一様伸び領域における、厚さ方向の真塑性ひずみεに対する幅方向の真塑性ひずみεの率である。
【0044】
結晶学的組織は、3次元数学関数によって記述され得る。この関数は、業界では、方位密度関数(ODF)として知られている。これは、g±dg方位を持つ材料の体積分率dV/Vとして定義される。
【0045】
【数1】
式中、(φ、Φ、φ)は、方位gを記述するオイラー角である。
【0046】
各シートのODFは、従来の組織ゴニオメーターでのX線回折によって測定される4つの極点図からの球面調和関数の方法を利用して測定された。本発明に関しては、極点図の測定は、考慮される試料の全厚さにおいて実行された。同様に、統計的に代表する測定値を得るために、試料サイズは、結晶粒サイズに適合された。
【0047】
ODFにおける情報を単純化するために、特定の方位を有する微結晶の体積分率が計算される。そうするために、基準となる方位と、この方位の周りの最大ずれ角とが任意に定義される。ODFは次に、そのように定義された領域に統合され、それにより、全体積との関係におけるこの領域内の方位の相対体積を推定することが可能となる。本発明者は、得られる組織を記述するために「cube」、「R」、「Q」および「CH」の方位の周りの15°の公差を使用した。「cube」、「brass」、「Q」および「CH」の結晶方位は、当業者に知られているものであり、以下の表1中に説明されている。
【0048】
【表1】
【0049】
本発明者らは、さまざまな基準、つまり車の機械的特性のための制御された強度および、歩行者の安全性、ならびに、十分な表面品質の間の慎重なバランスを兼ね備える、改善された5xxxアルミニウム合金シートを発見した。本発明の方法によって得られる製品は、モノリシックであり、すなわちクラッド材ではなく、高い歩行者安全性特性および優れた絞り性などの優れた形成特性を兼ね備えるものである。
【0050】
Mg含有量は、1.7重量%~2.1重量%また好ましくは1.8重量%~2.0重量%である。
【0051】
Mgは、当該合金の主な合金元素であり、強度改善に寄与する。Mg含有量が1.7%重量%未満であるとき、強度改善は不十分であり得る。一方、2.1重量%を超える含有量は、歩行者の安全性に有害な強度を結果的にもたらし得る。1.8重量%、または1.82重量%または1.85重量%のMg最小含有量は、有利であり得る。2.0重量%、または1.95重量%または1.93重量%のMg最大含有量は、有利であり得る。一実施形態において、Mg含有量は、1.8重量%~2.0重量%である。
【0052】
Mnもまた、強度改善、結晶粒微細化および構造安定化のために効果的な元素である。Mn含有量は、0.1重量%~0.5重量%また好ましくは0.2重量%~0.5重量%、またより好ましくは0.35重量%~0.45重量%である。
【0053】
Mn含有量が0.1重量%未満であるとき、前述の効果は不十分である。一方、0.5重量%を超えるMn含有量は、上述の効果の飽和を引き起こすだけでなく、形成性に悪影響をもたらし得る多数の金属間化合物の生成も引き起し得る。0.2重量%、または0.26重量%または0.30重量%または0.32重量%または0.35重量%のMn最小含有量は、有利であり得る。0.50重量%、または0.48重量%または0.45重量%のMn最大含有量は、有利であり得る。一実施形態において、Mn含有量は、0.2重量%~0.5重量%である。
【0054】
Feの制御は、本発明のシートの所望の特性に達するために非常に重要である。Fe含有量は、0.10重量%~0.22重量%また好ましくは0.12重量%~0.20重量%である。
【0055】
本発明者らは、予想外に、0.22重量%を超えるまたさらには0.20重量%を超えるFe含有量が、ランクフォード係数の低下をもたらし、それにより形成能が低下することを発見した。特定の理論に結びついていないとはいえ、本発明者らは、この挙動が、Feの立方体集合組織発達への影響に関係している可能性があると考える。0.10重量%未満のFe含有量が十分な効果を生み出さない可能性がある一方で、0.22重量%を超えるFe含有量は、立方体集合組織を十分には促進しない可能性がある。それゆえに、Fe含有量は、0.10重量%~0.22重量%また好ましくは0.12重量%~0.20重量%の範囲内に設定される。0.13重量%、または0.14重量%または、0.15重量%のFe最小含有量は、有利であり得る。0.20重量%、または0.19重量%、または0.18重量%のFe最大含有量は、有利であり得る。
【0056】
Si含有量は、0.05重量%~0.25重量%、また好ましくは0.08重量%~0.20重量%である。Siの過度の添加は、形成性に悪影響をもたらし得る、より多くのMgSi相を生成する可能性がある。0.09重量%、または0.10重量%または0.12重量%のSi最小含有量は、有利であり得る。0.20重量%、または0.19重量%、または0.18重量%のSi最大含有量は、有利であり得る。
【0057】
Cu含有量は、0.01重量%~0.20重量%また好ましくは0.02重量%~0.15重量%である。固溶体状態のCuは形成性にとって有益であり得るので、0.02重量%、または0.03重量%、または0.04重量%のCu最小含有量は、有利であり得る。Cu含有相の形成は形成性に悪影響をもたらし得るので、0.15重量%、または0.10重量%または0.08重量%のCu最大含有量が、有利であり得る。一実施形態において、Cu含有量は、0.04重量%~0.08重量%である。
【0058】
Cr含有量は、最大0.1重量%、好ましくは最大0.05重量%またより好ましくは最大0.03重量%である。一実施形態において、いくらかのCrが、強度改善、結晶粒微細化および構造安定化のために、0.01重量%~0.04重量%、好ましくは0.03重量%の含有量で添加され得る。別の実施形態において、Cr含有量は、0.01重量%未満である。
【0059】
Znは、最大0.15重量%まで、また好ましくは最大0.10重量%まで、本発明の利点から逸脱することなく添加され得る。一実施形態において、Znは、不可避不純物の中に含まれる。
【0060】
Zrは、最大0.1重量%まで、また好ましくは最大0.05重量%まで、本発明の利点から逸脱することなく添加され得る。一実施形態において、Zrは不可避不純物の中に含まれる。
【0061】
Tiを含有する結晶粒微細化剤は、典型的には、最大0.05重量%、また好ましくは0.005~0.04重量%、またさらにより好ましくは0.01~0.03重量%のTi全含有量を用いて添加される。
【0062】
残余は、アルミニウムおよび各々最大0.05重量%で合計最大0.15重量%の不可避不純物である。
【0063】
本発明によると、インゴットは、本発明の5xxx系アルミニウム合金を使って、鋳造、典型的には直接チル鋳造によって調製される。インゴットの厚みは好ましくは、少なくとも250mm、または少なくとも350mmであり、また好ましくは、プロセスの生産性を向上させるために少なくとも400mm、またはさらには少なくとも500mm、または600mmの厚みを伴う非常に厚い寸法のインゴットである。好ましくはインゴットは、幅が1000~2000mm、また長さが2000~8000mmである。好ましくはインゴットは、スカルピングされる。
【0064】
インゴットは次に、典型的には440℃~520℃の温度で予熱され、そして、典型的には12~40mmの厚みに至るまでの粗圧延機としても知られている可逆式圧延機での第一の熱間圧延ステップおよび典型的には3~12mmの厚みに至るまでの仕上圧延機としても知られているタンデム圧延機での第二の熱間圧延ステップを用いた2つの連続するステップで熱間圧延されてシートが得られる。タンデム圧延機は、典型的には2、3、4または5つの、圧延機ロールを支持する、複数のケージが連続して(「タンデムで」)作動する圧延機である。本発明によると、可逆式圧延機での熱間粗圧延は、440℃超また好ましくは460℃超の熱間粗圧延入口温度を用いて行われる。可逆式圧延機での第一のステップは、1つのまたはさらには2つの連続して配置された可逆式圧延機で実行され得る。
【0065】
第二の熱間圧延ステップにおいて、熱間圧延出口温度である最終温度は、好ましくは、熱間仕上圧延後に得られる熱間圧延シートが少なくとも50%の再結晶率また好ましくは少なくとも80%の再結晶率を示すように、少なくとも280℃、好ましくは少なくとも300℃また最も好ましくは少なくとも335℃であるべきである。
【0066】
冷間圧延が、アルミニウムシートの厚みをさらに薄くするために熱間圧延ステップの直後に行われる。本発明の方法では、十分な強度、形成性、表面品質および耐食性を得るために、熱間圧延後または冷間圧延中の焼鈍は必要ではない。好ましくは、熱間圧延後または冷間圧延中の焼鈍は実行されない。冷間圧延後すぐに得られたシートは、冷間圧延シートと呼ばれる。冷間圧延シートの厚みは、典型的には0.5~2.5mmまた好ましくは0.7~2mmである。
【0067】
一実施形態において、冷間圧下率は、少なくとも40%、または少なくとも50%である。典型的には、冷間圧下率は最大70%である。
【0068】
冷間圧下率の有利な実施形態は、改善された機械的特性、詳細には有利なランクフォード係数を得ることを可能にし得る。
【0069】
冷間圧延後、冷間圧延シートは、好ましくは連続焼鈍ラインにおいて、完全に再結晶化した微細構造を持つO質別を得るために好ましくは焼鈍される。好ましくは連続焼鈍ラインは、シートが、少なくとも320℃、好ましくは少なくとも340℃また最高500℃または好ましくは最高440℃、最も好ましくは360℃~400℃の温度に達するように操作される。
【0070】
典型的には、連続焼鈍ラインは、シートの加熱速度が少なくとも10℃/秒であるように、また340℃を超える時間が5秒~25秒であるように操作される。焼鈍後のコイリング温度は、好ましくは最高85℃、好ましくは最高65℃、またより好ましくは40℃~60℃である。
【0071】
代替的には、焼鈍は、最高440℃の温度でのバッチ焼鈍によって実行され得る。
【0072】
焼鈍の後、シートは、カットされてその最終形状に形成され、塗装されて焼付硬化され得る。
【0073】
別の実施形態において、熱処理が、H2X質別、好ましくはH24質別を得るために行われる。
【0074】
O質別の本発明の5xxx系アルミニウムシートは、少なくとも0.605、好ましくは少なくとも0.610のランクフォード係数を有する。Fe最大含有量が0.20重量%の実施形態において、O質別の本発明のシートは、少なくとも0.615のランクフォード係数を有する。O質別の本発明の5xxx系アルミニウムシートは、少なくとも13%、好ましくは13.0%、好ましくは少なくとも14%、好ましくは14.0%、好ましくは少なくとも15%、また好ましくは少なくとも15.0%の立方体集合組織の体積分率を有する。O質別の本発明の5xxx系アルミニウムシートは、最大11.0%、好ましくは最大10.0%のR集合組織の体積分率を有する。Fe最大含有量が0.20重量%の実施形態において、O質別での本発明のシートは、少なくとも14%、好ましくは14.0%、好ましくは少なくとも15%また好ましくは15.0%の立方体集合組織の体積分率を有する。Fe最大含有量が0.20重量%の実施形態において、O質別の本発明のシートは、最大10.0%のR集合組織の体積分率を有する。O質別の本発明の製品は、50MPa~100MPa、有利には60MPa~98MPaまた好ましくは65MPa~95MPaである、TYS(LT)と称される、LT方向におけるTYSを好ましくは有する。
【0075】
O質別の本発明の製品は、焼付硬化(5%の伸張および185℃で20分)の後に、90MPa~150MPa、有利には95MPa~140MPaまた好ましくは100MPa~135MPaの、TYS(LT)BHと称される、LT方向におけるTYSを有する。
【0076】
自動車製造用の、本発明による5xxx系アルミニウムシートの使用は、とりわけ使用時の低強度を要求する用途について、有利である。詳細には、歩行者の安全性の必要条件を満たす必要がある自動車のインナーおよび/または補強材好ましくはフードインナーとしての、本発明によるシートの使用は有利である。
【0077】
[実施例]
この実施例において、表2中に示された組成を有する合金を用いた複数のインゴットが、DC鋳造技術によって鋳造された。
【0078】
【表2】
【0079】
インゴットは、490℃で予熱され、そして表3中で示されたような開始温度を用いて熱間圧延された。
【0080】
【表3】
【0081】
熱間圧延後の熱間圧延ストリップの再結晶率は、50%を超えていた。
【0082】
シートは、完全に再結晶化したO質別になるまで連続焼鈍ラインにおいて380℃で焼鈍されまた化成皮膜処理された。シートは、結晶粒が等軸であり、圧延された結晶粒に特有である細長い結晶粒がまったく残っていないので、図1中に示されたように完全に再結晶化している。
【0083】
機械的特性は、表4中に提供されている。
【0084】
O質別シートおよびそれらのO質別シートから焼付硬化(5%の伸張および185℃で20分)されたシートの0.2%引張降伏強度TYSおよび極限引張強度UTSが、当業者に知られている方法を用いて、横断方向において決定された。引張試験は、ISO/DIS 6892-1にしたがって行われた。結果は、表4中に提供されている。
【0085】
【表4】
【0086】
ISO 10113にしたがって測定されたランクフォード係数および予め特定された集合組織要素の体積分率が、入手可能なときは表5中に提供されている。
【0087】
【表5】
図1
【国際調査報告】