(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】電池実装システム
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240327BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240327BHJP
H01M 10/658 20140101ALI20240327BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240327BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20240327BHJP
H01M 50/51 20210101ALI20240327BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240327BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240327BHJP
H01M 50/516 20210101ALI20240327BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240327BHJP
H01M 10/625 20140101ALN20240327BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/249
H01M10/658
H01M10/613
H01M50/505
H01M50/51
H01M50/548 201
H01M50/291
H01M50/516
H01M50/342 101
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564529
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2022059877
(87)【国際公開番号】W WO2022223396
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】102021110418.1
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521275828
【氏名又は名称】リサ ドラクスルマイヤー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】LISA DRAXLMAIER GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ワグナー
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012BB02
5H031AA00
5H031AA09
5H031KK02
5H040AA28
5H040AA33
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT06
5H040AY04
5H040DD03
5H040NN03
5H043AA04
5H043AA08
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA21
5H043DA03
5H043FA04
5H043FA22
(57)【要約】
【課題】1つの電池の熱的に不安定な状態の発生時に隣接した電池を損傷から保護する電池実装システムを提供する。
【解決手段】本発明は、複数の電池セル(101, 101-1, 101-2)を電動車両内に保持するための電池実装システム(100)に関するものであり、この電池実装システムは、複数の電池セル(101, 101-1, 101-2)を保持するための実装ハウジング(103)と、実装ハウジング(103)内に収容された複数の電池セル(101, 101-1, 101-2)と、複数の電気接続素子(111, 111-1)と、少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)とを具え、複数の電池セル(101, 101-1, 101-2)は、互いに平行に配置された複数の電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内に配列され、電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内の電池セルは長手方向(121)に沿って延在し、複数の電気接続素子(111, 111-1)は、それぞれの電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で長手方向(121)に沿って隣接した2つの電池セル(101, 101-1, 101-2)を導電接続して、それぞれの電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)の電気的直列接続を提供し、少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)は、それぞれの電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で長手方向(121)に沿って隣接した2つの電池セル(101, 101-1, 101-2)間に配置され、それぞれの電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で隣接した2つの電池セル(101, 101-1, 101-2)間の遮熱壁を提供するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セル(101, 101-1, 101-2)を電動車両内に実装するための電池実装システム(100)であって、
前記複数の電池セル(101, 101-1, 101-2)を収容するための実装ハウジング(103)と、
前記実装ハウジング(103)内に収容された複数の電池セル(101, 101-
1, 101-2)と、
複数の電気接続素子(111, 111-1)と、
少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)とを具えた電池実装システム(100)において、
前記電池セル(101, 101-1, 101-2)は、互いに並列に配置された複数の電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内に配列され、前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内の前記電池セル(101, 101-1, 101-2)は、長手方向(121)に沿って延在し、
前記複数の電気接続素子(111, 111-1)の各々は、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って互いに隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)を導電接続して、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)の電気的直列接続を提供し、
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)は、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間に配置され、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の遮熱壁を提供するように形成されている電池実装システム(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、前記複数の電気接続素子(111, 111-1)におけるそれぞれの電気接続素子(111, 111-1)と、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の一方との間に配置されている、請求項1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項3】
それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間に配置された前記遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、前記長手方向(121)に直交する横断方向(123)に沿って延在する、請求項1または2に記載の電池実装システム(100)。
【請求項4】
前記遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が少なくとも1つの開口部(125, 125-1, 125-2)を有し、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の一方の前記電池セル(101, 101-1, 101-2)が、前記開口部(125, 125-1, 125-2)内に少なくとも複数部分の形で収容され、あるいは、前記複数の電気接続素子(111, 111-1)における1つの前記電気接続素子(111, 111-1)が、前記開口部(125, 125-1, 125-2)内に少なくとも複数部分の形で配置されて、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の導電接続を提供する、請求項1~3のいずれかに記載の電池実装システム(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が遮熱プレートを具えている、請求項1~4のいずれかに記載の電池実装システム(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、互いに平行に配置された前記複数の電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の各々に配置され、前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、特に、互いに平行に配置された全部の前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の各々に配置されている、請求項1~5のいずれかに記載の電池実装システム(100)。
【請求項7】
互いに平行に配置された前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)が同じ極性を有し、及び/または、前記互いに平行に配置された電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)における隣接して配置された2つの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)が、いずれも、互いに異なる極性を有する、請求項1~6のいずれかに記載の電池実装システム(100)。
【請求項8】
異なる前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)に属して互いに隣り合って配置された2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)が、いずれも、互いにオフセット(127)なしに配置され、及び/または、異なる前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)に属して互いに隣り合って配置された2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)が、いずれも、互いにオフセット(127)を有して配置され、前記オフセット(127)が、特に、前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)の前記長手方向(121)に沿って延びる、請求項1~7のいずれかに記載の電池実装システム(100)。
【請求項9】
異なる前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)に属して互いに隣り合って配置された2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)が、いずれも、互いにオフセット(127)を有して配置され、前記電池実装システム(100)が、少なくとも1つの第1遮熱素子(119, 119-1)及び少なくとも1つの第2遮熱素子(119, 119-2)を有し、前記第1遮熱素子(119, 119-1)と前記第2遮熱素子(119, 119-2)とは、互いにオフセットして、特に前記オフセット(127)分だけオフセットして、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の各々に配置されている、請求項8に記載の電池実装システム(100)。
【請求項10】
前記第1遮熱素子及び前記第2遮熱素子(119, 119-1, 119-2)の各々が、少なくとも1つの第1開口部(125, 125-1)を有し、該第1開口部(125, 125-1)内に、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(100, 100-1, 100-2)の一方の極(109, 109-1, 109-2)、特に正極(109-2)が、少なくとも複数部分の形で収容され、及び/または、前記第1遮熱素子及び前記第2遮熱素子(119, 119-1, 119-2)の各々が、少なくとも1つの第2開口部(125, 125-2)を有し、該第2開口部(125, 125-2)内に、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(100, 100-1, 100-2)の一方が、いずれも、少なくとも複数部分の形で収容されている、請求項9に記載の電池実装システム(100)。
【請求項11】
前記複数の電気接続素子(111, 111-1)のうちの1つの電気接続素子(111, 111-1)が、いずれも、接触領域(113)を有し、該接触領域(113)は、前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の一方の極(109, 109-1, 109-2)、特に正極(109-2)に導電接続され、かつ、前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の他方の極(109, 109-1, 109-2)、特に負極(109-1)に導電接続されている、請求項1~10のいずれかに記載の電池実装システム(100)。
【請求項12】
前記接触領域(113)が、少なくとも1つの前記極(109)、特に正極(109-2)に強固に結合され、特に溶接、ハンダ付け、及び/または接着され、特に、前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、前記複数の電気接続素子(111, 111-1)におけるそれぞれの電気接続素子(111, 111-1)と前記極(109, 109-1, 109-2)との間に配置されている、請求項11に記載の電池実装システム(100)。
【請求項13】
前記電池実装システム(100)が、互いに間隔をおいて、特に前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)の長軸(121)に沿った間隔をおいて配列された複数の遮熱素子(119, 119-1, 119-2)を前記実装ハウジング(103)内に具え、前記複数の遮熱素子(119, 119-1, 119-2)の各遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの異なる前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の間のそれぞれに配置されて、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した複数の前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の遮熱壁を保証する、請求項1~12のいずれかに記載の電池実装システム(100)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の少なくとも一方に、強固に結合された様式で、確動性の高い様式で、及び/または確動性の低い様式で接続されている、請求項1~13のいずれかに記載の電池実装システム(100)。
【請求項15】
前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の各々が、少なくとも1つの脱ガス弁(129)を有し、該脱ガス弁(129)は、それぞれの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)内の超過圧力の場合に、前記電池セル(101, 101-1, 101-2)からガスを放出するように設計され、前記少なくとも1つの脱ガス弁(129)は、それぞれの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の極(109)、特に正極(109-2)または負極(109-1)の空間的近傍に配置されている、請求項1~14のいずれかに記載の電池実装システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池セルを電動車両内に実装するための電池実装システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電池実装システムは、従来の電動車両内で、電動車両を駆動するために必要な電気エネルギーを供給する複数の電池セルを保持するために用いられる。一般にはリチウムイオン技術に基づく電池セルが用いられるが、これらは、過熱、過充電、及び/または機械的損傷のような特定の外的影響によって熱的に不安定な状態に変わり得る。
【0003】
複数の電池セルのうちの1つの電池セルが熱的に不安定な状態に変われば、大量の高温ガスが高圧下で電池セルの圧力逃し弁を通して短時間内に環境内へ放出される。電池実装システム内の電池セルのパッキング(詰め込み)が通常は高密度であることにより、熱的に不安定な電池セルによって放出される高温ガスは、隣接した電池セルも熱的に不安定な状態に転換し得る。特定の状況下では、このことが、多数の電池セルを激しく損傷させ、更には破壊し得る連鎖反応を生じさせ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電動車両の電池実装システムを提供することにあり、この電池実装システムは、1つの電池の熱的に不安定な状態が発生した場合に、電池実装システムの隣接した電池を損傷から保護する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電池実装システムの遮熱壁が、熱的に不安定な電池セルによって放出される高温ガスが隣接した電池セルを熱的に刺激し得ないことを保証する、という理解に基づく。
【0006】
この場合、電池実装システム内に保持されている電池セルが、互いに平行に配置された複数の電池セル行の形に配列され、それぞれの電池セル行の電池セルは、複数の電気接続素子によって直列に電気接続されている。
【0007】
遮熱壁は少なくとも1つの遮熱素子によって提供され、この遮熱素子は、それぞれの電池セル行内で隣接した2つの電池セル間に配置され、これら2つの隣接した電池セル間の熱障壁を提供する。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、上記目的は、電動車両内で複数の電池セルを保持するための電池実装システムによって解決され、この電池実装システムは、複数の電池セルを保持するための実装ハウジングと、実装ハウジング内に保持された上記複数の電池セルと、複数の電気接続素子と、少なくとも1つの遮熱素子とを具え、上記複数の電池セルは、互いに平行に配置された複数の電池セル行内に配列され、電池セル行内の電池セルは長手方向に沿って延在し、上記複数の電気接続素子の各々は、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って互いに隣接した2つの電池セルを導電接続して、それぞれの電池セル行の電気的直列接続を提供し、上記少なくとも1つの遮熱素子は、それぞれの電池セル行内で長手方向に隣接した2つの電池セル間に配置されて、それぞれの電池セル行内で隣接した2つの電池セル間の遮熱壁を提供する。
【0009】
これにより、少なくとも1つの遮熱素子が、それぞれの電池セル行内で隣接した2つの電池セル間の効果的な遮熱壁を提供し、これにより、隣接した2つの電池セルの一方が熱的に不安定な状態に変わった場合に、隣接した2つの電池セルの他方も熱的に不安定な状態に変わることが防止される、という技術的利点が実現される。
【0010】
上記遮熱素子は、高い熱抵抗及び圧力に対する高い耐性を有する材料を用いて形成される。特に、遮熱素子の材料は、少なくとも1つの金属、特に鋼鉄、鉄、及び/またはアルミニウムを含む。特に、遮熱素子は遮熱プレートとして形成される。特に、この遮熱プレートは、少なくとも1つの凸部及び/または少なくとも1つの凹部を有する。
【0011】
特に、上記少なくとも1つの遮熱素子は複数の遮熱素子を含むことができ、これら複数の遮熱素子のうちの1つの遮熱素子は、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セルの各々の間に配置され、それぞれの電池セル行内で隣接した2つの電池セル間の遮熱壁を提供する。従って、上記複数の遮熱素子は、1つの電池セル行内で、あるいは互いに平行に配置された複数の電池セル行内で長手方向に隣接した複数の電池セル間の複数の効果的な遮熱壁を保証することができる。
【0012】
特に、上記少なくとも1つの遮熱素子は、それぞれの電池セル行を超えて延在することができ、互いに平行に配置された複数の電池セル行内で長手方向に沿って互いに隣接した電池セル間に配置されている。
【0013】
特に、上記少なくとも1つの遮熱素子は、実装ハウジング内で長手方向に直交して延びる横断方向に沿って少なくとも複数部分の形で延在し、特に全体に延在することができ、及び/または、上記少なくとも1つの遮熱素子は、実装ハウジング内で長手方向に直交しかつ横断方向に直交して延びる上下方向に沿って少なくとも複数部分の形で延在し、特に全体に延在することができる。
【0014】
従って、上記少なくとも1つの遮熱素子は、特に、実装俳人具の内部の表面全体にわたって延在する効果的な遮熱壁を提供する。
【0015】
特に、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セル間に配置された少なくとも1つの遮熱素子は、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セル間の、それぞれの電気接続素子による電気接続を可能にするための少なくとも1つの開口部を有する。
【0016】
本開示の文脈では、長手方向に沿って「隣接した」電池セルとは、単一の電池セル行内で隣接した電池セルを参照する。
【0017】
本発明による電池セルの各々は、逆極性の極、特に正極及び負極を具えている。ここでは、特に、一方の極、特にそれぞれの電池セル行内で長手方向に隣接した2つの電池セルの一方の正極または負極が、それぞれの電気接続素子によって、長手方向に隣接した2つの電池セルの他方の逆極性の極、特に負極または正極に電気接続されている。
【0018】
それぞれの電池セル行内で長手方向に隣接した電池セルを電気接続する複数の電気接続素子により、それぞれの電池セル行内の効果的な電気的直列接続を実現することができる。実装ハウジング内で互いに平行に配置された、それぞれが直列に電気接続された複数の電池セル行は、電池実装システム全体の効果的なエネルギー密度を可能にする。
【0019】
本開示の文脈では、「並んだ」電池セルとは、互いに平行に配置された異なる電池セル行内の電池セルを参照する。
【0020】
特に、実装ハウジング内で互いに平行に配置された電池セルの行は互いに間隔をおき、あるいは、実装ハウジング内で互いに平行に配置された電池セルの行は互いに隣接する。
【0021】
特に、互いに平行に配置された異なる行に属し、かつ互いに隣り合って配置された電池セルは、長手方向に沿ったオフセットなしに配置されている。特に、互いに平行に配置された異なる電池セル行に属し、かつ互いに隣り合って配置された電池セルは、長手方向に沿ったオフセットを有して配置されている。
【0022】
特に、本発明による電池セルは丸形セルを含む。
【0023】
従って、本発明による少なくとも1つの遮熱素子は、電池実装システム内の複数の電池セルの熱的に不安定な状態の伝播を効果的に防止し、これにより、特に高いエネルギー密度を有するリチウムイオン技術に基づく電池セルでも使用することができる。
【0024】
本発明による少なくとも1つの遮熱素子によれば、互いに平行に配置された複数の電池セル行によって、熱的に不安定な状態が近隣の電池セルへ拡散する恐れなしに、電池セルを電池実装システム内に特に高密度にパッキングする(詰め込む)ことを更に保証することができる。こうして、設置空間を最適化した電池実装システムを提供することができる。
【0025】
1つの好適例では、上記少なくとも1つの遮熱素子が、上記複数の電気接続素子におけるそれぞれの電気接続素子と、それぞれの電池セル行内で隣接した2つの電池セルの一方との間に配置されている。
【0026】
このことは、電池実装システムの特に有利な生産を保証するという技術的利点を実現する。
【0027】
特に、それぞれの電気接続素子は、それぞれの電池セル行内で隣接した2つの電池セルの一方には、強固に結合された様式で接続され、それぞれの電気接続素子は、それぞれの電池セル行内で隣接した2つの電池セルの他方には、確動性の低い様式で、及び/または確動性の高い様式で接続され、特に、上記少なくとも1つの遮熱素子は、それぞれの電気接続素子と、それぞれの電池セル行内で強固に結合された方の電池セルとの間に配置されている。
【0028】
このことは、遮熱素子をまず有利に配置することができ、次に接続素子を隣接した2つの電池セルの他方に確動性の低い様式で、及び/または確動性の高い様式で接続し、次に接続素子を隣接した2つの電池セルの一方に強固に結合される様式で接続する有利な組立順序を保証することができる、という技術的利点を実現する。
【0029】
1つの好適例では、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セル間に配置された遮熱素子が、長手方向に直交する横断方向に沿って延在する。
【0030】
このことは、少なくとも1つの遮熱素子が実装ハウジング内に特に効果的に配置された配列を保証することができる、という利点を実現する。
【0031】
1つの好適例では、遮熱素子が少なくとも1つの開口部を有し、それぞれの電池セル行内に互いに隣接して配置された2つの電池セルのうちの1つの電池セル、特にこの電池セルの1つの極が、開口部内に少なくとも複数部分の形で収容され、あるいは、上記複数の電気接続素子のうちの1つの電気接続素子が、開口部内に少なくとも複数部分の形で配置されて、それぞれの電池セル行内で隣接した2つの電池セル間の導電接続を提供する。
【0032】
このことは、少なくとも1つの遮熱素子の開口部が、隣接した2つの電池セル間に導電接続がまだ存在することを保証する、という利点を実現する。
【0033】
互いに隣接して配置された2つの電池セルのうちの1つの電池セル、特にこの電池セルの1つの極、または上記電気接続素子のいずれかを、開口部内に配置することができる。
【0034】
特に、開口部を規定する開口エッジは、開口部内に少なくとも複数部分の形で収容されたバッテリセルに隣接して、遮熱素子と電池セルとの間に、高温ガスが通り抜けることができるギャップが存在しないことを保証することができる。
【0035】
特に、開口部を規定する開口エッジは、開口部内に少なくとも複数部分の形で配置された電気接続素子に隣接して、遮熱素子と電気接続素子との間に、高温ガスが通り抜けることができるギャップが存在しないことを保証することができる。
【0036】
1つの実施形態では、上記少なくとも1つの遮熱素子が遮熱プレートを具えることができる。
【0037】
このことは、効果的な遮熱壁を提供することができるという技術的利点を実現する。特に、上記遮熱プレートは、少なくとも1つの凸部及び/または少なくとも1つの凹部を有することができる。
【0038】
1つの好適例では、上記少なくとも1つの遮熱素子が、互いに平行に配置された複数の電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セルのそれぞれの間に配置され、上記少なくとも1つの遮熱素子は、特に、互いに平行に配置された全部の電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セルのそれぞれの間に配置されている。
【0039】
このことは、上記少なくとも1つの遮熱素子が同時に、単一の電池セル行を超えて延在し、上記少なくとも1つの遮熱素子が、この電池セル行に隣接して配置された対応する電池セル行内へ延在する、という技術的利点を実現する。特に、上記少なくとも1つの遮熱素子は、長手方向に直交して延びる横断方向に沿って、及び/または長手方向に直交し、かつ横断方向に直交して延びる上下方向に沿って延在する。
【0040】
従って、上記少なくとも1つの遮熱素子は、それぞれの電池セル行内に長手方向に沿って互いに隣接して配置された複数の電池セルのそれぞれの間に配置することができ、これにより、複数の電池セル行用の効果的な遮熱壁を、単一の遮熱素子によって可能にすることができる。
【0041】
1つの好適例では、互いに平行に配置された電池セル表が異なる極性を有する。
【0042】
このことは、上記電池実装システムのフレキシブルな適合を可能にするという技術的利点を実現する。
【0043】
互いに平行に配置された電池セル行が同じ極性を有する場合には、異なる電池セル行に属し、かつ互いに隣り合って配置された電池セルの極どうしは同極であり、即ち、同じ極性を有する対応する電池セル行内では、正極と負極の配列が対称である。
【0044】
一方、互いに平行に配置された電池セル行が異なる極性を有する場合には、即ち、異なる極性を有する対応する電池セル行内では、異なる電池セル行内に隣り合って配置された電池セルにおいて、ある電池セルの正極の傍に、隣り合う電池セルの負極が存在し、その逆も成り立つ。
【0045】
特に、互いに平行に配置された電池セル行は同じ極性を有する。
【0046】
特に、互いに平行に配置された全部の電池セル行において、互いに隣り合って配置された2つの電池セル行は異なる極性を有する。
【0047】
特に、互いに平行に配置された電池セル行の少なくとも一部は同じ極性を有し、互いに平行に配置された電池セル行の少なくとも一部では、互いに隣り合って配置された2つの電池セル行が、いずれの場合にも異なる極性を有する。
【0048】
1つの好適例では、異なる電池セル行に属し、かつ互いに隣り合って配置された2つの電池セルが互いにオフセットなしに配置され、及び/または、異なる電池セル行に属し、かつ互いに隣り合って配置された2つの電池セルが、互いにオフセットを有して配置され、このオフセットは、特に、電池セル行の長手方向に沿ったオフセットである。
【0049】
このことは、異なる電池セル行に属し、かつ互いに隣り合って配置された電池セルどうしが、互いにオフセットされて配置されているか、互いにオフセットなしに配置されているかに応じて、特に、それぞれの電池セル行の端部に配置された電池実装システムの接点への、電池実装システムのフレキシブルな適合を可能にする、という技術的利点を実現する。
【0050】
1つの好適例では、異なる電池セル行に属し、かつ互いに隣り合って配置された2つの電池セルが、互いにオフセットして配置され、上記電池実装システムが、少なくとも1つの第1遮熱素子及び少なくとも1つの第2遮熱素子を有し、これらの遮熱素子は、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セル間の各々に、互いにオフセットして、特に上記オフセット分だけオフセットして配置されている。
【0051】
このことは、異なる電池セル行に属し、かつ隣り合って配置された2つの電池セルが互いにオフセットして配置されている場合に、長手方向に沿ったオフセットにもかかわらず、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接したそれぞれの電池セル間に効果的な遮熱を提供することができることを保証するためには、2つの異なる遮熱素子が必要になる、という技術的利点を実現する。
【0052】
1つの好適例では、上記第1及び第2遮熱素子の各々が、少なくとも1つの第1開口部を有し、この開口部内に、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セルの一方の極、特に正極が、少なくとも複数部分の形で収容され、及び/または、上記第1及び第2遮熱素子の各々が、少なくとも1つの第2開口部を有し、この開口部内に、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セルの一方が、少なくとも複数部分の形で収容されている。
【0053】
このことは、第1及び第2遮熱素子の2つの異なる開口部が、電池セルの極を収容するための明確な形状にされ、あるいは、電池セルを収容するための明確な形状にされ、これにより、隣接した2つの電池セル行間にオフセットがあるにもかかわらず、隣接した電池セル間の効果的な遮熱壁を保証することができる、という技術的利点を実現する。
【0054】
特に、第1開口部は、極、特に正極に接続された電気接続素子を、少なくとも複数部分の形で収容するように設計されている。
【0055】
特に、極、特に正極、または電気接続素子を収容するための第1開口部は、電池セルを収容するための第2開口部よりも小さい直径を有する。
【0056】
1つの好適例では、上記複数の電気接続素子における各電気接続素子が接触領域を有し、この接触領域は、長手方向に沿って隣接した2つの電池セルの一方の電池セルの極、特に正極に導電接続され、かつ、長手方向に沿って隣接した2つの電池セルの他方の電池セルの他の極、特に負極に導電接続されている。
【0057】
このことは、上記接触領域が、長手方向に沿って隣接した2つの電池セルの異なる極どうしの間の効果的な導電接続を可能にする、という技術的利点を実現する。
【0058】
1つの好適例では、上記接触領域が、少なくとも1つの極、特に正極に強固に結合され、特に溶接、ハンダ付け、及び/または接着され、特に、上記少なくとも1つの遮熱素子は、上記複数の電気接続素子のそれぞれの電気接続素子と極との間に配置されている。
【0059】
このことは、接点領域により、上記2つの電池セルの少なくとも一方の少なくとも1つの極に対する電気接続素子の特に安定した取り付けを可能にする、という技術的利点を実現する。
【0060】
特に、上記接触領域は、長手方向に沿って隣接した2つの電池セルの一方の1つの極、特に正極のみに強固に結合されている。その代わりに、上記接触領域は、長手方向に沿って隣接した電池セルの両方の各々の1つの極、特に正極及び負極に強固に結合されている。
【0061】
1つの好適例では、複数の実装素子、特に実装ティース(歯)が上記接触領域上に配列され、これらの実装素子は、長手方向に沿って隣接した2つの電池セルの少なくとも一方のセル端部を収容する。
【0062】
このことは、上記実装素子が、それぞれのセル端部の効果的な、特に確動性の低い実装を可能にし、これにより、効果的な締めを保証するために、対応する電池セルを実装素子間に挿入するだけでよい、という技術的利点を実現する。
【0063】
1つの好適例では、上記電池実装システムが、実装ハウジング内に互いに間隔をおいて、特に電池セル行の長手方向に沿って互いに間隔をおいて配列された複数の遮熱素子を具え、これら複数の遮熱素子の各遮熱素子は、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの異なる電池セル間のそれぞれに配置されて、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した複数の電池セル間の遮熱壁を保証する。
【0064】
このことは、上記複数の遮熱素子が、効果的な遮熱壁を、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した異なる電池セルに提供することを保証する、という技術的利点を実現する。
【0065】
対応して間隔をおいた遮熱素子間の距離は、特に、1つの電池セルの長さに相当する。
【0066】
1つの好適例では、上記少なくとも1つの遮熱素子が、それぞれの電池セル行内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セルの少なくとも一方に、強固に結合された様式で、確動性の低い様式で、及び/または確動性の高い様式で接続されている。
【0067】
このことは、上記少なくとも1つの遮熱素子の、上記2つの電池セルの少なくとも一方への、また特に両方の電池セルへの効果的な取り付けを可能にする、という技術的利点を実現する。
【0068】
特に、上記少なくとも1つの遮熱素子は、上記複数の電気接続素子のうちの少なくとも1つの電気接続素子に、強固に結合された様式で、確動性の低い様式で、及び/または確動性の高い様式で接続されている。
【0069】
1つの好適例では、電池セルの各々が少なくとも1つの脱ガス弁(ガス抜き弁、デガッシングバルブ)を有し、この脱ガス弁は、それぞれの電池セル内の超過圧力(過剰圧力、課題圧力)の場合に、電池セルからガスを排出するように設計され、この少なくとも1つの脱ガス弁は、それぞれの電池セルの極、特に正極または負極の空間的近傍に配置されている。
【0070】
このことは、電池セルの熱的に不安定な状態の場合に、脱ガス弁を通してガスを電池セルの環境内へ有利に放出して、電池セルの燃焼を防止することができる、という技術的利点を実現する。
【0071】
特に、上記脱ガス弁は、それぞれの電池セルの極、特に正極または負極に空間的に近接して配置され、これにより、脱ガス弁は少なくとも1つの遮熱素子に空間的に近接して配置され、この遮熱素子は、長手方向に沿って隣接した2つ電池セル間に、あるいはこれらの隣接した電池セルの対応する極どうしの間に配置され、これにより、脱ガス弁を通して放出されるガスを、上記少なくとも1つの遮熱素子によって効果的に放出することができる。
【0072】
本発明を、実施形態の例及び図面を参照しながら、以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】比較例による電池実装システムの概略表現を示す図である。
【
図2】一実施形態による電池実装システムの概略表現を水平断面図で示す図である。
【
図3】上記実施形態による電池実装システムの概略表現を垂直断面図で示す図である。
【
図4】上記実施形態による電池実装システムの2つの電池セル間の接続領域の概略表現を示す図である。
【
図5】上記実施形態による電池実装システムの概略表現を透視図で示す図である。
【
図6】上記実施形態による電池実装システムの概略表現を別な透視図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下の詳細な説明では、添付した図面を参照し、これらの図面は本明細書の一部であり、本発明を実施することができる具体的な実施形態を例示として示す。他の実施形態を用いることもでき、本発明の概念から逸脱することなしに、構造的または論理的な変更を加えることができることは明らかである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で理解するべきでない。更に、本明細書中に記載する種々の実施形態の特徴は、特に具体的断りのない限り、互いに組み合わせることができることは明らかである。
【0075】
本発明の態様及び実施形態を、図面を参照しながら説明し、同じ参照符号は一般に同じ要素を参照する。以下の説明では、本発明の態様の徹底した理解をもたらすために、多数の具体的細部を説明目的で明確に述べる。
【0076】
図1に、比較例による電池実装システムの概略表現を示す。
【0077】
図1に単に概略的に示す電池実装システム100は、複数の電池セル101の電動車両内への実装を可能にする。電池実装システム100は実装ハウジング103を有し、
図1では、実装ハウジング103は、複数の電池セルを実装するために示すに過ぎない。
【0078】
従来の電動車両では、車両を駆動するのに十分な電気エネルギーを供給するために、多数の電池セル101を必要とする。通常は、リチウムイオン技術に基づく電池セル101をこの目的に用いるが、こうした電池セルは特定の動作条件下では熱的に不安定な状態に変わり得る。
【0079】
例えば、電池セル101が過充電された場合、電池セル101が過熱した場合、及び/または電池セル101が機械的に損傷した場合には、電池セルの内部短絡が発生し得る。こうした内部短絡は、大量の熱エネルギーを電池セル101の内部に放出し得る。このことは電池セル101の内部の圧力を大きく増加させ得る。
【0080】
この場合、
図1中の矢印記号によって概略的に示すように、電池セル101内に配置することができる圧力逃がし弁が開いて、大量の高温ガスを電池セル101の直近に放出することができる。通常使用される実装ハウジング103内に電池セル101が非常に高密度にパッキングされる(詰め込まれる)ことが多いことにより、相応に放出される高温ガスが、隣り合う他の電池セル101を熱的に刺激し、これにより、隣り合う他の電池セル101も特定の環境下で熱的に不安定な状態に至り得る。
【0081】
特定の環境下では、このことが特定の反応を、多数の電池セル101が熱的に不安定な状態(熱伝播)に至り得る程度まで生じさせ得る。その結果、電動車両の電池ユニット全体が、大きく損傷するか更には破壊され得る。
【0082】
この理由で、従来の電池構成を発端として、課題の作業は、隣り合う電池セル101間の効果的な遮熱を保証して、単一の電池セル101の損傷、及び結果的に単一の電池セル101から熱エネルギーが放出された場合に、隣り合う電池セル101も熱的に不安定な状態に変わることを防止することにある。
【0083】
図2に、一実施形態による電池実装システムの概略表現を水平断面図で示す。
【0084】
電池実装システム100は実装ハウジング103を有し、
図2では、実装ハウジング103を、複数の電池セル101を保持するために概略的に示すに過ぎない。
【0085】
図2からわかるように、電池セル101は、実装ハウジング103内に、互いに平行に配置された複数の電池セル行105内に配列されている。
【0086】
図2中に示す電池セル行105は単一の水平電池セル面107-1内に配列されていても、実装ハウジング103は、特に、上下に配列された複数の水平電池セル面107-1を具え、互いに平行に配置された電池セル行105は、
図2に示すように、複数の水平電池セル面107-1の各水平電池セル面107-1内に配列されている。
【0087】
対応する三次元電池実装システム100の垂直断面図については、
図3を参照されたい。
【0088】
図2からわかるように、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内の電池セル101は、直列電気回路の形に配列されている。このことは、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で隣接した2つの電池セル101が、長手方向121に沿って互いに導電接続されていることを意味する。
【0089】
図2には、第1電池セル101-1、及びそれぞれの電池セル行105-1内で長手方向121に沿って第1電池セル101-1に隣接した第2電池セル101-2を例として示す。
【0090】
例えば、第1電池セル101-1の電極109、特に負極109-1は、第2電池セル101-2の逆極性の電極109、特に正極109-2に導電接続されている。
【0091】
図2には示していないが、その代わりに、第1電池セル101-1の電極109、特に正極109-2は、第2電池セル101-2の逆極性の電極109、特に負極109-1に導電接続することができる。
【0092】
それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2間の効果的な導電接続を可能にするために、電池実装システム100は複数の電気接続素子111を具えている。複数の電気接続素子111のうちの1つの電気接続素子111は、いずれも、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2を導電接続する。
【0093】
図2では、第1電気接続素子111を強調し、第1電気接続素子111は、第1電池セル101-1を、第1電池セル行105-1内で長手方向に沿って第1電池セル101-1に隣接した第2電池セル101-2に導電接続する。
【0094】
図2ではこのことを概略的に示すに過ぎないが、電気接続素子111の各々は接触領域113を有し、接触領域113は、隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2の一方の電池セル101、101-1、101-2の極109、特に正極109-2に導電接続され、かつ隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2の他方の電池セル101、101-1、101-2の逆極性の極、特に負極に電気接続されている。
【0095】
図2中で選択される例示では、第1電気接続素子111の接触領域113を単に概略的に示し、接触領域113は、第1電池セル101-1の負極109-1、及び第2電池セル101-2の正極109-2に導電接続されている。
【0096】
図2には、接触領域113に配列された実装素子115、特に実装ティースを示し、実装素子115は、2つの電池セル101、101-1、101-2の少なくとも一方のセル端部117を包囲する。
【0097】
図2中で選択される表現では、実装素子115が第1電池セル101-1のセル端部117を包囲して、第1電池セル101-1の効果的な実装を保証する。
図2には示していないが、電気接続素子111の接触領域113は、第2電池セル101-2の極109、特に正極109-2に強固に結合され、特に溶接されている。
【0098】
従って、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内に長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2間の各々に配置された電気接続素子111、111-1は、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で隣接した全ての電池セル101、101-1、101-2間の効果的な導電接続を保証する。
【0099】
図2より、互いに平行に配置された電池セル行105、105-1、105-2、105-3、特に互いに平行に配置された全部の電池セル行が同じ極性を有し、これにより、互いに平行に配置された電池セル行105内の極109、109-1、109-2、109-3が同じ向きに配列されていることがわかる。特に、異なる電池セル行105に属し、かつ互いに隣り合って配置された2つの電池セル101は、長手方向121に沿って互いにオフセットしていない。
【0100】
図2に更に示すように、電池実装システム100は、少なくとも1つの遮熱素子119、特に遮熱プレートを具え、遮熱素子119は、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2内で長手方向に沿って隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2間に配置され、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で隣接した電池セル101、101-1、101-2間の遮熱壁を提供するように構成されている。
【0101】
図2に単に概略的に示すように、遮熱素子119は、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2間の物理的分離を保証し、これにより、熱的過負荷の場合に、1つの電池セル101、101-1、101-2から抜け出る高温ガスを、遮熱素子119によって留めて、他の電池セル101、101-1、101-2に行かせないことができる。このことは、隣り合う電池セル101、101-1、101-2も熱的に不安定な状態に変わることを効果的に防止することができる。
【0102】
この場合、遮熱素子119は、抜け出る高温ガスに耐えることができるために、特に高温高圧に対する耐性を有する材料製であり、特に鋼鉄、鉄、及び/またはアルミニウムを含む。
【0103】
図2に示すように、電池セル行105、105-1、105-2、105-3内の電池セル101、101-1、101-2は、長手方向に沿って延在し、遮熱素子119は、長手方向121に直交する横断方向123に沿って延在する。
【0104】
従って、遮熱素子119は、単一の電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2間の各々に配置されるだけでなく、遮熱素子119は、特に、互いに平行に配置された複数の電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2間の各々に配置されている。
【0105】
図2には、単一の水平電池セル面107-1だけを示していても、遮熱素子119は、特に、実装ハウジング103内で長手方向121に直交して延びる横断方向123に沿って少なくとも複数部分の形で延在し、特に全体に延在し、及び/または、遮熱素子119は、特に、実装ハウジング103内で、長手方向121に直交し、かつ横断方向123に直交する垂直方向に沿って、少なくとも複数部分の形で延在し、特に全体に延在し、垂直方向は
図2中に図示していない。
【0106】
従って、特に、遮熱素子119は、互いに平行に配置された全部の電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2間の各々に配置することができる。
【0107】
図2に示す遮熱素子119は、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2間の遮熱壁を提供することができる。
【0108】
図2には図示していないが、電池セル行105、105-1、105-2、105-3は、長手方向121に沿って配列された複数の電池セル101、101-1、101-2を具え、これにより、電池実装システム100は、特に、複数の追加的な遮熱素子119を具えることができ、これらの追加的な遮熱素子119は、
図2には図示しておらず、実装ハウジング103内で互いに間隔をおいて、特に長手方向121に沿って互いに間隔をおいて配列されている。
【0109】
追加的な遮熱素子119の各々は、ここでは、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で長手方向121に沿って隣接した2つの異なる電池セル101、101-1、101-2間に配置され、これにより、長手方向121に沿って隣接した、特に複数の、特に全部の電池セル101、101-1、101-2を、遮熱壁によって効果的に互いに熱的に分離することができる。
【0110】
少なくとも1つの遮熱素子119が、それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2間に配置されているので、少なくとも1つの遮熱素子119は、いずれも、少なくとも1つの開口部、特に複数の開口部125を有し、開口部125は
図2には図示していない。
【0111】
それぞれの電池セル行105、105-1、105-2、105-3内で長手方向121に沿って互いに隣接した2つの電池セル101、101-1、101-2の各電池セル101、101-1、101-2を、それぞれの遮熱素子119の開口部125を通して、少なくとも複数部分の形で収容して、互いに隣接して配置されたこれら2つの電池セル101、101-1、101-2間の導電接続を、遮熱素子119を通して可能にすることができる。
【0112】
複数の電気接続素子111の各電気接続素子111を、それぞれの遮熱素子119の開口部125内に、少なくとも複数部分の形で配置して長手方向121に沿って互いに隣接した2つの電池セル101、101―1、101-2間の導電接続を、遮熱素子119を通して可能にすることができる。
【0113】
従って、少なくとも1つの遮熱素子119は、それぞれの電池セル行105内に隣接して配置された電池セル101間の効果的な遮熱壁を保証することができる。
【0114】
更なる詳細については、以下の説明を参照されたい。
【0115】
図3に、上記実施形態による電池実装システムの概略表現を垂直断面図で示す。
【0116】
図3に示す電池実装システム100は、
図2に示す電池実装システム100に相当し、
図3には垂直断面図を示す。
【0117】
従って、
図3に示す描画面は、垂直電池セル面107-2に相当し、垂直電池セル面107-2は、
図3には単に概略的に示す複数の水平電池セル面107-1と交差する。
【0118】
図3は、互いに平行に配置された電池セル行105、105-1、105-2、105-3のうち隣接して配置された2つの電池セル行105、105-1、105-2、105-3の各々が、異なる極性を有する様子を示し、そして、異なる電池セル行105、105-1、105-2に属し、かつ互いに隣り合って配置された2つの電池セル101、101-1、101-2の各々が、特に互いにオフセット127を有して配置されている。オフセット127は、電池セル行105、105-1、105-2、105-3の長手方向121に沿って延在する。
【0119】
図3より、第1電池セル行105、105-1と第3電池セル行105、105-3とが同じ極性を有し、互いにオフセット127なしに配列され、第2電池セル行105、105-2は、隣接する第1電池セル行105、105-1及び隣接する第3電池セル行105、105-3とは異なる極性を有することがわかる。
【0120】
第2電池セル行105、105-2は、第1及び第3電池セル行105、105-1、105-3とは逆に、電池セル行105、105-1、105-2の長手方向121に沿ったオフセット127を有して配列されている。
【0121】
図3に示す配列内の電池セル101の全部の極を効果的に覆うためには、特に第1遮熱素子119-1及び第2遮熱素子119-2が必要であり、これらは、それぞれの電池セル行105内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101間の各々に、互いにオフセットして、特にオフセット127だけオフセットして配列されている。
【0122】
図3より、第1または第2遮熱素子119-1、119-2のそれぞれの開口部125の直径は、それぞれが電池セル101、特にその極109、または電池接続素子111のいずれかを収容するために、異なる形状にされていることがわかる。
【0123】
特に、電池セル101の正極109-2を具えたセル端部117は、第1または第2遮熱素子119-1、119-2の第1開口部125-1内に収容される。特に、電池セル101自体は、第1及び第2遮熱素子119-1、119-2の第2開口部125-2内に収容され、第2開口部125-2は、特に、第1開口部125-1よりも大きい直径を有する。
【0124】
図4に、上記実施形態による電池実装システムの2つの電池セル間の接続領域の概略表現を示す。
【0125】
図4に示す例示では、単一の電池セル行105内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル間の電気接続領域を、2つの電池セル101の一方が熱的に不安定な状態である期間中について示す。
【0126】
第1電池セル101-1は、電気接続素子111によって第2電池セル101-2に導電接続されている。電気接続素子111の接触領域113は、第1電池セル101-1の極109、特に負極109-1と、第2電池セル101-2の極109、特に正極109-2との接続を確立する。
【0127】
図4は遮熱素子119も示し、遮熱素子119は第1電池セル101-1と第2電池セル101-2との間に配置され、極109、特に正極109-2、または電気接続素子111は、少なくとも複数部分の形で、遮熱素子119の第1開口部125内に収容されている。
【0128】
図4に単に概略的に示す第2電池セル101-2の脱ガス弁129は、第2電池セル101-2の熱的に不安定な状態により開いて、高温ガスが第2電池セル101-2の内部から抜け出て、遮熱素子119を通って効果的に放出されることを可能にし、これにより、第1電池セル101-1の熱安定性の低下を防止することができる。
【0129】
図5に、上記実施形態による電池実装システムの概略表現を透視図で示す。
【0130】
図5は、電池実装システム100の透視図を示し、特に遮熱素子119の高さ及び幅の延長を示す。
図5には、
図2に示す水平電池セル面107-1及び
図3に示す垂直電池セル面107-2を概略的に示す。
【0131】
【0132】
遮熱素子119、119-2は、それぞれの電池セル行105内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101の間に配置され、開口部125を有し、開口部125を通して、隣接した電池セル101どうしが電気接続される。
【0133】
図3に示すオフセット127により、
図5に示す第1遮熱素子119-1は、より小さい直径を有する第1開口部125-1を有し、第1開口部125-1内に、極109、特に正極109-2、あるいはこの極109に接続された電気接続素子111が、少なくとも複数部分の形で収容される。電気接続素子111は、接触領域113、及び接触領域113上に配置された実装素子115を有し、実装素子115は第2電池セル101-2のセル端部117を収容する。
【0134】
図3に示すオフセット127により、
図5に示す第1遮熱素子119-1は、より大きい直径を有する第2開口部125-2を有し、第2開口部125-2の各々は、それぞれの電池セル行105内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101の一方を、少なくとも複数部分の形で収容する。
【0135】
図5には、第1電池セル101-1と第2電池セル101-2との間に配置された第1遮熱素子119-1のみを示し、このため、追加的な第2電池セル101-2は
図5中に選択した表現には示していない。特に、遮熱素子119は、確動性の低い様式で、確動性の高い様式で、及び/または強固に結合された様式で、互いに隣接して配置されたそれぞれの電池セル行105内で互いに隣接した電池セル101に、特に溶接によって接続されている。
【0136】
図6に、上記実施形態による電池実装システムの概略表現を別な透視図で示す。
【0137】
図6は、電池実装システム100の透視図を示し、特に遮熱素子119の高さ及び幅の延長を示す。
図6には、
図2に示す水平電池セル面107-1及び
図3に示す垂直電池セル面107-2を概略的に示す。
【0138】
【0139】
遮熱素子119、119-2は、それぞれの電池セル行105内で長手方向121に沿って隣接した2つの電池セル101間に配置され、
図6には図示していない開口部125を有し、開口部125を通して、隣接した電池セル101どうしが電気接続される。
【0140】
技術的理由で、
図6には、第2の水平電池セルレベル107-1の各々における電池セル101、特に第2電池セル101-2しか示しておらず、このため、水平電池セルレベル107-1には、第2電池セル101-2どうしの間に配列された電気接続素子111、特に接触領域113のみを、第2電池セル101-2なしに示す。
【0141】
図6に示す第2遮熱素子119-2は、いずれも、互いに平行に配置された複数の電池セル行105内の2つの電池セル101間に、長手方向121に沿って間隔をおいて配列されている。
【0142】
従って、実施形態中に示す遮熱素子119、特に第1及び第2遮熱素子119-1、119-2は、長手方向121に沿って隣接した電池セル101間の効果的な熱境界を保証する。
【符号の説明】
【0143】
100 電池実装システム
101 電池セル
101-1 第1電池セル
101-2 第2電池セル
103 実装ハウジング
105 電池セル行
105-1 第1電池セル行
105-2 第2電池セル行
105-3 第3電池セル行
107-1 水平電池セル面
107-2 垂直電池セル面
109 電極
109-1 負極
109-2 正極
111 電気接続素子
111-1 第1電気接続素子
113 接触領域
115 実装素子
117 セル端部
119 遮熱素子
119-1 第1遮熱素子
119-2 第2遮熱素子
121 長手方向
123 横断方向
125 開口部
125-1 第1開口部
125-2 第2開口部
127 オフセット
129 脱ガス弁
【手続補正書】
【提出日】2023-11-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セル(101, 101-1, 101-2)を電動車両内に実装するための電池実装システム(100)であって、
前記複数の電池セル(101, 101-1, 101-2)を収容するための実装ハウジング(103)と、
前記実装ハウジング(103)内に収容された複数の電池セル(101, 101-
1, 101-2)と、
複数の電気接続素子(111, 111-1)と、
少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)とを具えた電池実装システム(100)において、
前記電池セル(101, 101-1, 101-2)は、互いに並列に配置された複数の電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内に配列され、前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内の前記電池セル(101, 101-1, 101-2)は、長手方向(121)に沿って延在し、
前記複数の電気接続素子(111, 111-1)の各々は、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って互いに隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)を導電接続して、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)の電気的直列接続を提供し、
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)は、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間に配置され、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の遮熱壁を提供するように形成されている電池実装システム(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、前記複数の電気接続素子(111, 111-1)におけるそれぞれの電気接続素子(111, 111-1)と、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の一方との間に配置されている、請求項1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項3】
それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間に配置された前記遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、前記長手方向(121)に直交する横断方向(123)に沿って延在する、請求項1または2に記載の電池実装システム(100)。
【請求項4】
前記遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が少なくとも1つの開口部(125, 125-1, 125-2)を有し、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の一方の前記電池セル(101, 101-1, 101-2)が、前記開口部(125, 125-1, 125-2)内に少なくとも複数部分の形で収容され、あるいは、前記複数の電気接続素子(111, 111-1)における1つの前記電気接続素子(111, 111-1)が、前記開口部(125, 125-1, 125-2)内に少なくとも複数部分の形で配置されて、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の導電接続を提供する、請求項
1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が遮熱プレートを具えている、請求項
1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、互いに平行に配置された前記複数の電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の各々に配置され、前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、特に、互いに平行に配置された全部の前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の各々に配置されている、請求項
1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項7】
互いに平行に配置された前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)が同じ極性を有し、及び/または、前記互いに平行に配置された電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)における隣接して配置された2つの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)が、いずれも、互いに異なる極性を有する、請求項
1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項8】
異なる前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)に属して互いに隣り合って配置された2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)が、いずれも、互いにオフセット(127)なしに配置され、及び/または、異なる前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)に属して互いに隣り合って配置された2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)が、いずれも、互いにオフセット(127)を有して配置され、前記オフセット(127)が、特に、前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)の前記長手方向(121)に沿って延びる、請求項
1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項9】
異なる前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)に属して互いに隣り合って配置された2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)が、いずれも、互いにオフセット(127)を有して配置され、前記電池実装システム(100)が、少なくとも1つの第1遮熱素子(119, 119-1)及び少なくとも1つの第2遮熱素子(119, 119-2)を有し、前記第1遮熱素子(119, 119-1)と前記第2遮熱素子(119, 119-2)とは、互いにオフセットして、特に前記オフセット(127)分だけオフセットして、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の各々に配置されている、請求項8に記載の電池実装システム(100)。
【請求項10】
前記第1遮熱素子及び前記第2遮熱素子(119, 119-1, 119-2)の各々が、少なくとも1つの第1開口部(125, 125-1)を有し、該第1開口部(125, 125-1)内に、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(100, 100-1, 100-2)の一方の極(109, 109-1, 109-2)、特に正極(109-2)が、少なくとも複数部分の形で収容され、及び/または、前記第1遮熱素子及び前記第2遮熱素子(119, 119-1, 119-2)の各々が、少なくとも1つの第2開口部(125, 125-2)を有し、該第2開口部(125, 125-2)内に、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(100, 100-1, 100-2)の一方が、いずれも、少なくとも複数部分の形で収容されている、請求項9に記載の電池実装システム(100)。
【請求項11】
前記複数の電気接続素子(111, 111-1)のうちの1つの電気接続素子(111, 111-1)が、いずれも、接触領域(113)を有し、該接触領域(113)は、前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の一方の極(109, 109-1, 109-2)、特に正極(109-2)に導電接続され、かつ、前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の他方の極(109, 109-1, 109-2)、特に負極(109-1)に導電接続されている、請求項
1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項12】
前記接触領域(113)が、少なくとも1つの前記極(109)、特に正極(109-2)に強固に結合され、特に溶接、ハンダ付け、及び/または接着され、特に、前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、前記複数の電気接続素子(111, 111-1)におけるそれぞれの電気接続素子(111, 111-1)と前記極(109, 109-1, 109-2)との間に配置されている、請求項11に記載の電池実装システム(100)。
【請求項13】
前記電池実装システム(100)が、互いに間隔をおいて、特に前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)の長軸(121)に沿った間隔をおいて配列された複数の遮熱素子(119, 119-1, 119-2)を前記実装ハウジング(103)内に具え、前記複数の遮熱素子(119, 119-1, 119-2)の各遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの異なる前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の間のそれぞれに配置されて、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した複数の前記電池セル(101, 101-1, 101-2)間の遮熱壁を保証する、請求項
1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの遮熱素子(119, 119-1, 119-2)が、それぞれの前記電池セル行(105, 105-1, 105-2, 105-3)内で前記長手方向(121)に沿って隣接した2つの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の少なくとも一方に、強固に結合された様式で、確動性の高い様式で、及び/または確動性の低い様式で接続されている、請求項
1に記載の電池実装システム(100)。
【請求項15】
前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の各々が、少なくとも1つの脱ガス弁(129)を有し、該脱ガス弁(129)は、それぞれの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)内の超過圧力の場合に、前記電池セル(101, 101-1, 101-2)からガスを放出するように設計され、前記少なくとも1つの脱ガス弁(129)は、それぞれの前記電池セル(101, 101-1, 101-2)の極(109)、特に正極(109-2)または負極(109-1)の空間的近傍に配置されている、請求項
1に記載の電池実装システム(100)。
【国際調査報告】