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  • 特表-螺旋コンベア 図1
  • 特表-螺旋コンベア 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】螺旋コンベア
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/18 20060101AFI20240327BHJP
   B65G 15/02 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
B65G21/18
B65G15/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565144
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2022060214
(87)【国際公開番号】W WO2022223501
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】21170047.1
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523397355
【氏名又は名称】アンバフレックス・インターナショナル・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァウテル・バルク
(72)【発明者】
【氏名】エミエル・マルテイン・スハウテン
【テーマコード(参考)】
3F023
【Fターム(参考)】
3F023BA02
3F023BC03
3F023DA03
(57)【要約】
重力によって製品を下方向に搬送するための螺旋コンベア(1)は、フレーム(2)と、直立中心線回りに延在する螺旋軌道(6)とを備える。螺旋軌道(6)は、前記フレーム(2)によって支持され、製品を支持するための底部(7)を備える。底部(7)は、螺旋軌道(6)に沿った方向(X)に傾斜角を有する。底部(7)の少なくとも一部は、駆動可能な搬送システム(10)の搬送面(7a)によって形成され、搬送面(7a)は螺旋軌道(6)に沿って下方向(X)に所定の速度を有する。搬送システムの搬送面(7a)の内側湾曲部の傾斜角は20°より大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力によって下方向に製品を搬送するための螺旋コンベア(1)であって、
フレーム(2)と、直立中心線(CL)回りに延在する螺旋軌道(6)とを備え、
前記螺旋軌道(6)は、前記フレーム(2)によって支持され、製品を支持するための底部(7)を備え、
前記底部(7)は、前記螺旋軌道(6)に沿った方向(X)に傾斜角を有し、
前記底部(7)の少なくとも一部は、駆動可能な搬送システム(10)の搬送面(7a)によって形成され、それにより、前記搬送面(7a)は、前記螺旋軌道(6)に沿った下方向(X)に所定の速度を有し、
前記搬送システム(10)の前記搬送面(7a)の内側湾曲部における前記傾斜角は20°よりも大きいことを特徴とする、螺旋コンベア(1)。
【請求項2】
前記内側湾曲部における前記傾斜角が25°よりも大きく、好ましくは30°よりも大きい、請求項1に記載の螺旋コンベア(1)。
【請求項3】
前記駆動可能な搬送システムは、前記フレーム(2)によって案内される駆動可能な無端コンベアベルト(10)を備え、
前記コンベアベルト(10)は、搬送部と帰還部とを有し、
前記搬送面(7a)は、前記搬送部の上面によって形成されている、請求項1又は2に記載の螺旋コンベア(1)。
【請求項4】
前記帰還部は、前記搬送部の下方に延在し、それにより、前記帰還部も螺旋経路をたどる、請求項3に記載の螺旋コンベア(1)。
【請求項5】
前記コンベアベルト(10)は、互いに対して移動可能であり、前記螺旋軌道(6)に沿った前記方向(X)に対して垂直に延在する長手方向を有する細長いスラット(15)を備え、
好ましくは、前記搬送面(7a)において、各スラット(15)は、その下流に位置して隣接するスラット(15)の上側に重なっている、請求項3又は4に記載の螺旋コンベア(1)。
【請求項6】
前記所定の速度が、30メートル/分未満、好ましくは20メートル/分未満、より好ましくは10メートル/分未満である、請求項1から5のいずれか一項に記載の螺旋コンベア(1)。
【請求項7】
前記搬送システム(10)の前記搬送面(7a)は、その外側湾曲部からその内側湾曲部への方向に向かって下方に傾斜している、請求項1から6のいずれか一項に記載の螺旋コンベア(1)。
【請求項8】
前記底部(7)の一部は、前記搬送システム(10)の前記搬送面(7a)によって形成され、前記底部(7)には、前記フレーム(2)に固定された静止内側湾曲部(7b)も設けられ、
前記静止内側湾曲部(7b)は、前記搬送システム(10)の前記搬送面(7a)に沿って延在し、その前記内側湾曲部に隣接し、
任意選択的に、前記静止内側湾曲部(7b)は、前記中心線(CL)から半径方向に延在する平面内で見て実質的に水平に延在する上面を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の螺旋コンベア(1)。
【請求項9】
前記搬送システム(10)の前記搬送面(7a)が位置する前記底部の摩擦係数は、前記中心線(CL)から半径方向外向きに増加する、請求項1から8のいずれか一項に記載の螺旋コンベア(1)。
【請求項10】
前記搬送面(7a)の摩擦係数が、前記静止内側湾曲部(7b)の摩擦係数よりも高い、請求項8及び9に記載の螺旋コンベア(1)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の螺旋コンベア(1)を使用して製品を搬送する方法であって、
第1の製品及び第2の製品を前記螺旋軌道(6)に沿って下方に移動し、
前記搬送システム(10)の前記搬送面(7a)の前記所定の速度よりも速い速度で重力によって前記第1の製品を移動し、前記第2の製品が前記搬送面(7a)上に残っている場合に前記第2の製品を下方に搬送するように、前記搬送システム(10)の前記搬送面(7a)の前記所定の速度で前記搬送システム(10)の前記搬送面(7a)によって前記第2の製品を移動する、方法。
【請求項12】
前記所定の速度が、30メートル/分未満、好ましくは20メートル/分未満、より好ましくは10メートル/分未満である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記搬送面(7a)が下方向(X)にのみ移動する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記搬送システム(10)の前記搬送面(7a)の前記内側湾曲部における前記傾斜角が、搬送される前記製品の50%超が前記底部(7)で下方に摺動及び/又は転動するように選択される、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記製品の各々が、前記底部(7)で下方に移動する間に安定した速度に到達する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重力によって製品を下方向に搬送するための螺旋コンベアに関し、螺旋コンベアは、フレームと、直立中心線回りに延在する螺旋軌道とを備え、螺旋軌道は、フレームによって支持され、製品を支持するための底部を備え、底部は、螺旋軌道に沿った方向に傾斜角を有する。
【背景技術】
【0002】
このような螺旋コンベアは、特許文献1で知られている。既知の螺旋コンベアは、螺旋シュートとも呼ばれ、上昇した高さレベルから重力によって下方に製品を搬送するのに適している。言い換えれば、製品は、螺旋軌道に沿って底部で下方向に自動的に摺動又は転動する。底部の外側湾曲部の側壁は、製品が遠心力に起因して外側方向に螺旋軌道を意図せずに離れることを防止する。実際には、比較的小さい傾斜角に起因して製品が螺旋軌道内に詰まるのを防止することと、比較的大きい傾斜角に起因して製品が過度に高速に到達するのを防止することとの間で、傾斜角の大きさの選択に折り合いがつけられる。重量、形状、大きさ、可撓性及び外面状態等の多種多様な製品特性を有する製品を搬送する場合、適切な妥協点を見出すことは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,565,226号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、多種多様な製品特性を有する製品が螺旋軌道内に詰まる危険性なしに、製品が望ましくない高速に到達するのを防止する螺旋コンベアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明による螺旋コンベアで達成され、底部の少なくとも一部は、駆動可能な搬送システムの搬送面によって形成され、搬送面が螺旋軌道に沿って下方向に所定の速度を有し、搬送システムの搬送面の内側湾曲部における傾斜角が20°よりも大きい。
【0006】
20°を超える搬送面の内側湾曲部における比較的大きな傾斜角のために、特定の製品、おそらく取扱製品内の製品の大部分は、底部で下方向に自動的に摺動又は転動する。特定の製品、例えば比較的重く大型の製品は、動作条件下で底部に対する移動を停止する傾向があるが、これらの製品は、駆動可能な搬送システムの搬送面によって下方に移動させられる。したがって、本発明による螺旋コンベアは、重力と駆動可能な搬送システムの搬送面とによって製品を下方に搬送する組み合わせを提供する。このような駆動可能な搬送システムの搬送面を含む底部を有する螺旋コンベア、例えば、無端コンベアベルトを含む螺旋コンベアが従来技術で知られているが、詳細には、製品がコンベアベルトに対して下方に移動するのを防止するために、底部は比較的小さな傾斜角を有する。螺旋軌道のため、底部の傾斜角は、内側湾曲部から中心線に対して半径方向外向きに減少する。したがって、高速であるため、底部に対して外向きに移動する製品が自動的に減速することができる。本発明による螺旋コンベアは、様々な個別製品、すなわち電子商取引倉庫内の物品等の非大型材を搬送するためのものであることに留意されたい。中心線は垂直に延在してもよく、螺旋軌道は複数回巻いていてもよい。
【0007】
製品が重力によって下方向に移動するのを容易にするために、底部の上側は好ましくは滑らかであり、下方向に障害物がない。
【0008】
内側湾曲部における傾斜角は、25°より大きくてもよく、30°より大きくてもよい。
【0009】
特定の実施形態では、駆動可能な搬送システムは、フレームによって案内される駆動可能な無端コンベアベルトを備え、コンベアベルトは、搬送部と帰還部とを有し、搬送面は、搬送部の上面によって形成されている。製品が重力によってさらに下方に摺動又は転動することなく搬送面上に付着する傾向がある場合、搬送面は製品を下方に運ぶ。
【0010】
帰還部は、搬送部の下に延在してもよく、それにより、帰還部も螺旋経路をたどる。この場合、コンベアベルトは、搬送部の上端及び下端でそれぞれ反転される。帰還部のこの構成は、より高価であり、より多くの駆動力を必要とする比較的長いコンベアベルトを必要とするので、この実施形態は、限られた数の螺旋巻きの場合に特に有利である。しかしながら、搬送面の傾斜角が比較的大きいため、本発明による螺旋コンベアは、限られた巻き数、例えば単一の巻きのみを有していてもよい。
【0011】
実際の実施形態では、コンベアベルトは、互いに対して移動可能であり、螺旋軌道に沿った方向に対して垂直に延在する長手方向を有する細長いスラットを備える。スラットは、螺旋軌道に沿って駆動されるチェーン等の無端部材に取り付けられてもよい。
【0012】
好ましくは、搬送面において、各スラットは、その下流に位置して隣接するスラットの上側に重なるが、これが、製品がスラットの後方又は隣接するスラットの間で詰まる危険性を最小限にするためである。
【0013】
所定の搬送速度は、30メートル/分未満、好ましくは20メートル/分未満、より好ましくは10メートル/分未満であってもよい。実際には、大部分の製品が重力によって搬送される場合、搬送速度は比較的低くてもよい。
【0014】
好ましい実施形態では、搬送システムの搬送面は、その外側湾曲部からその内側湾曲部の方向に向かって下方に傾斜している。この傾斜は、横傾斜と呼ばれる。この実施形態の利点は、製品が搬送面に対して下方に比較的高速で移動するとき、製品はその速度のために外側方向に強制されるが、螺旋軌道に沿った方向の傾斜角が外側方向に減少するため、製品は減速して内側に戻り、それゆえに自己安定化効果を生み出せることである。さらに、前述したように細長いスラットを含むコンベアベルトを適用する場合、横傾斜は、螺旋軌道に沿った方向に比較的大きい傾斜角の場合に、螺旋軌道内の搬送面の捩れに起因して生じ得る隣接するスラット間の高さ方向の段差効果を最小化するようである。
【0015】
特定の実施形態では、底部の一部は搬送システムの搬送面によって形成され、底部にはフレームに固定された静止内側湾曲部も設けられ、静止内側湾曲部は搬送システムの搬送面に沿って延在し、その内側湾曲部に隣接する。静止内側湾曲部の位置は、螺旋軌道に沿った方向に比較的大きな傾斜をもたらす。したがって、製品は、静止内側湾曲部に到達するとき、ほぼ確実に重力によって下方に摺動又は転動する。製品は、静止内側湾曲部上で加速する場合、底部に対して外側に移動し、前述したように自動的に減速することができる。搬送面を横傾斜させる場合、自己安定化効果を高めることができる。
【0016】
静止内側湾曲部は、中心線から半径方向に延在する平面内で見て、実質的に水平に延在する上面を有していてもよい。静止内側湾曲部は、板であってもよい。
【0017】
搬送システムの搬送面が位置する底部の摩擦係数は、中心線から半径方向外向きに増加してもよい。この実施形態の利点は、低い摩擦係数を持つ底部を有し、中心線からの距離が比較的小さいときに比較的高速で螺旋軌道の底部に対して下方に移動する重い製品が、製品にかかる遠心力によって中心線から離れるように移動し得ることである。その結果、螺旋軌道に沿った方向の傾斜角が小さくなり、摩擦係数が大きくなるため、製品は減速し得る。したがって、重い製品の速度を自動的に制限することができる。一方、高い摩擦係数を持つ底部を有し、駆動可能な搬送システムの搬送面に対して下方に移動する軽い製品は、その高い摩擦係数のために減速し得るが、その場合、搬送面は製品を下方に移動させる。
【0018】
底部に静止内側湾曲部が設けられている場合、搬送面の摩擦係数は、静止内側湾曲部の摩擦係数よりも高くてもよい。その場合、静止内側湾曲部の摩擦係数は実質的に一定でもよいが、搬送面の係数は、例えば、中心線から半径方向外向きに徐々に増加してもよい。
【0019】
中心線から半径方向外向きの摩擦係数の増加は、駆動可能な搬送システムの搬送面がない螺旋コンベアでも考えられることに留意されたい。換言すると、本発明の一態様は、重力によって製品を下方向に搬送するための螺旋コンベアに関し、螺旋コンベアは、フレームと、直立中心線回りに延在する螺旋軌道とを備え、螺旋軌道は、フレームによって支持され、製品を支持するための底部を備え、搬送システムの搬送面が位置する底部の摩擦係数は、中心線から半径方向外向きに増加する。底部は、底部の内側湾曲部において20°よりも大きい、螺旋軌道に沿った方向の傾斜角を有してもよい。
【0020】
本発明はまた、上述した螺旋コンベアを使用することによって製品を搬送する方法に関し、第1の製品及び第2の製品は螺旋軌道に沿って下方に移動し、重力によって搬送システムの搬送面の所定の速度よりも速い速度で第1の製品を移動し、搬送システムの搬送面によって搬送システムの搬送面の所定の速度で第2の製品を移動して、第2の製品が搬送面上に残っている場合に第2の製品を下方に搬送する。
【0021】
所定の速度は、30メートル/分未満、好ましくは20メートル/分未満、より好ましくは10メートル/分未満であってもよい。
【0022】
螺旋コンベアは製品を上方に搬送することを意図していないため、搬送面は下方向にのみ移動することができる。
【0023】
搬送システムの搬送面の内側湾曲部における傾斜角は、搬送される製品の50%超が底部で下方に摺動及び/又は転動するように選択されてもよい。これらの製品は、移動する搬送面によってというより重力によって搬送される。
【0024】
これらの製品の各々は、下方への移動中に安定した速度に到達することができ、これは、製品が螺旋軌道を離れるときに許容可能な速度となるように、移動中に加速又は減速がゼロになるか、ゼロに近づくことを意味する。そのような状況を、例えば、搬送面を横傾斜させることによって実現することができる。
【0025】
本発明は、例として本発明の実施形態を示す非常に概略的な図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による螺旋コンベアの一実施形態の斜視図である。
図2図1による螺旋コンベアの一部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1及び図2は、製品を螺旋経路に沿って下方向に搬送するのに適した螺旋コンベア1の実施形態を示す。螺旋コンベア1を、例えば、電子商取引倉庫において個品を搬送するために使用することができる。螺旋コンベア1の上側には入力Iがあり、螺旋コンベア1の下側には出力Oがある。製品は、例えば高い高さレベルの仕分けコンベア(図示せず)から入力Iに供給され、入力I、螺旋コンベア1、及び出力Oを介して下流送出コンベア、回収容器等(図示せず)に向かって低い高さレベルまで下方に搬送され得る。
【0028】
螺旋コンベア1は、この場合には脚部4を有する垂直円筒柱3と、柱3の垂直中心線CL回りに延在する螺旋軌道6を支持する放射状棒5とを含むフレーム2を備える。螺旋軌道6は、製品を支持するための底部7と、底部7の内側湾曲部に沿って延在する内側側壁8と、底部7の外側湾曲部に沿って延在する外側側壁9とを含む。内側側壁8及び外側側壁9は、フレーム2に固定されている。この場合、底部7の内側湾曲部に沿った内側側壁8は、柱3の外面によって形成されるが、柱3から離れた別個の内側側壁も考えられる。この場合、螺旋コンベア1の巻き数は約1だが、代替実施形態では異なっていてもよい。
【0029】
入力Iは、フレーム2に固定された捩り板によって形成され、出力Oも、フレーム2に固定された板によって形成されている。実際には、製品が出力Oの板上で停止する可能性は低いが、これが発生した場合、その位置は低い高さレベルであるので、オペレータが容易にアクセスできる。
【0030】
螺旋軌道6の底部7の一部は、駆動可能な無端コンベアベルト10の形態の駆動可能な搬送システムの搬送面7aによって形成される。コンベアベルト10は、フレーム2のベルト支持部によって案内され、動作条件下で搬送面7aが螺旋軌道6に沿って下方向Xに所定の速度を有するように、電気モータ11によってフレーム2に対して駆動可能である。コンベアベルト10は、搬送部と、帰還部とを有する。搬送面7aは、搬送部の上面によって形成されている。
【0031】
コンベアベルト10の搬送部は、外側側壁9に隣接する外側湾曲部と、外側湾曲部とは反対側の内側湾曲部とを有する。螺旋形状のために、搬送面7aは、螺旋軌道6に沿った方向Xに傾斜角を有し、この傾斜角は、搬送面7aの外側湾曲部から搬送面7aの内側湾曲部に向かう方向に増加する。したがって、最大傾斜角は、搬送部の内側湾曲部に位置し、この場合、20°より大きい。これはかなりの急角度であり、実際に多くの製品を搬送面7a上で螺旋軌道6に沿って下方向Xに自動的に摺動又は転動させる。
【0032】
ベルト支持部には、螺旋軌道6の上端に位置する上プーリ12と、螺旋軌道6の下端に位置する下プーリ13とが設けられている。コンベアベルト10の搬送部は、螺旋軌道6に沿って上プーリ12から下プーリ13まで延在している。搬送面7aに寄与しないコンベアベルト10の帰還部は、帰還ベルト支持部14を通って搬送部の下方に案内され、下プーリ13から上プーリ12まで延在する。帰還部も螺旋経路をたどるが、逆向きである。
【0033】
代替実施形態(図示せず)では、帰還部は、非螺旋経路を介して案内されて戻されてもよい。一般に、後者の構成は、コンベアベルトの長さを短くすることができ、搬送部及び帰還部の両方が螺旋経路をたどる場合よりも摩擦が少なくなるため、効率の点で有利であるが、この場合、螺旋軌道6に沿った方向Xの傾斜角は比較的急であり、限られた巻き数しか必要とされない。これは、無端コンベアベルト10の長さが比較的短いことを意味する。したがって、帰還部が搬送部の下に延在するのが有利である。
【0034】
図1に示す実施形態では、コンベアベルト10は、互いに対して移動可能であり、螺旋軌道6に沿った方向Xに対して垂直に延在する長手方向を有する細長いスラット15を備える。スラット15は、チェーン(図示せず)等の無端接続部材を介して互いに結合されている。コンベアベルト10の搬送部内で、各スラット15は、その下流に位置して隣接するスラット15の上側に重なっていてもよい。これにより、製品が隣接するスラット15の間に詰まるリスクが最小限に抑えられる。好ましくは、スラット15の上面と、入力I及び出力Oの上面とは、適切な摺動特性を作り出すために滑らかである。
【0035】
図1及び図2は、コンベアベルト10の搬送面7aが、その外側湾曲部からその内側湾曲部への方向に向かって下方に傾斜していることを示している。この向きは、横傾斜と呼ばれ、搬送面7aの速度よりも速い速度で下方に移動する製品のバランス効果を生み出す。その上昇した速度のために、そのような製品は、搬送面7aの外側湾曲部に向かって外側に移動する傾向がある。螺旋軌道6に沿った方向Xの傾斜角は外方向に減少するため、製品は減速しやすく、搬送面7aの外側湾曲部から内側湾曲部に向かう方向に戻る。横傾斜により、内側湾曲部に向かう製品への戻り力が強化される。横傾斜角は、例えば15°であってもよい。実際に、底部7上を摺動又は転動する製品の大部分が底部7上を下方に移動する間に安定した速度に到達するように、すなわち、出力Oに到達する前にそれらの加速度又は減速度がゼロになるか、ゼロに近づくように、傾斜角及び/又は横傾斜角が選択されてもよい。
【0036】
図1及び図2に示す実施形態では、底部7には、フレーム2に固定された静止内側湾曲部7bも設けられている。静止内側湾曲部7bは、搬送面7aに沿って延在し、その内側湾曲部に隣接している。静止内側湾曲部7bはまた、前述したように、柱3が底部7の内側湾曲部で内側側壁8を形成するように、柱3に隣接している。この場合、静止内側湾曲部7bは、板状であり、滑らかな上面を有する。静止内側湾曲部7bの位置のため、螺旋軌道6に沿った方向Xにおけるその傾斜角は、搬送面7aにおける傾斜角よりも急である。例えば、底部7の内側湾曲部、搬送面7aの内側湾曲部、及び搬送面7aの外側湾曲部での螺旋軌道6に沿った方向Xにおける傾斜角は、それぞれ55°、25°、及び15°であってもよい。図2は、静止内側湾曲部7bが、柱3の中心線CLから延在する半径方向平面に見て水平に延在する上面を有することを示している。
【0037】
好ましくは、入力I及び出力Oの板材は、それらの上面が上部ローラ12及び下部ローラ13において底部7の傾斜した上面に嵌合するように成形される。
【0038】
動作条件下では、コンベアベルト10は、比較的低速、例えば10メートル/分未満で駆動され得る。実際には、入力Iを介して搬送面7aに供給される一連の製品の一部、好ましくは大部分は、螺旋軌道6の比較的急な傾斜のため、重力によってコンベアベルト10上を下方向に摺動又は転動する可能性があり、コンベアベルト10の速度よりも速い速度を有する。コンベアベルト10上に留まり、コンベアベルト10によって下方向に搬送される製品は、出力Oに到達し、搬送面7aの速度に等しい速度を有する。実際には、このような製品は重力によってさらに下方に搬送される。そうでない場合、作業者は出力Oから製品を取り出すことができる。したがって、搬送面7aの下端、この場合はコンベアベルト10の下プーリ13が、地上2メートル未満、さらには1.5メートル未満に位置するときに有利であり得る。
【0039】
より一般的に言えば、螺旋コンベア1を使用することによって製品を搬送する方法では、第1の製品及び第2の製品は螺旋軌道6に沿って下方に移動するが、重力によって搬送面7aの所定の速度よりも速い速度で第1の製品を移動し、コンベアベルト10によって搬送面7aの速度で第2の製品を移動して、第2の製品が搬送面7a上に残っている場合に第2の製品を下方に搬送する。
【0040】
本発明は、図面に示され、本明細書で上述された実施形態に限定されず、特許請求の範囲及びそれらの技術的等価物の範囲内で様々な方法で変更されてもよい。例えば、無端コンベアベルトを適用する代わりに、螺旋軌道は、搬送面をフレームに対して下方向に移動させるための代替手段、例えば駆動可能なローラを備えていてもよい。同様に、入力及び/又は出力には、代替的な案内手段、例えば自由に回転するローラ等が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 螺旋コンベア、2 フレーム、3 柱、4 脚部、5 放射状棒、6 螺旋軌道、7 底部、7a 搬送面、7b 静止内側湾曲部、8 内側側壁、9 外側側壁、10 コンベアベルト、11 電気モータ、12 上プーリ、13 下プーリ、14 帰還ベルト支持部、15 スラット
図1
図2
【国際調査報告】