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特表2024-514961レンチウイルスベクター産生のための安定な産生系
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】レンチウイルスベクター産生のための安定な産生系
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/867 20060101AFI20240327BHJP
   C12N 15/49 20060101ALI20240327BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240327BHJP
   C12N 7/01 20060101ALN20240327BHJP
【FI】
C12N15/867 Z ZNA
C12N15/49
C12N5/10
C12N7/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565304
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 US2022026004
(87)【国際公開番号】W WO2022226346
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/179,129
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521304863
【氏名又は名称】アシモフ,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】ASIMOV, INC.
【住所又は居所原語表記】1325 Boylston Street, Suite 500, Boston, MA 02215, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギャム,ジェレミー,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン,アレック,エー.,ケー.
【テーマコード(参考)】
4B065
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA97X
4B065AA97Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065CA44
(57)【要約】
本明細書では、レンチウイルスベクター産生系が説明される。本明細書ではまた、レンチウイルスベクター産生系を含む操作された細胞およびキット、ならびにレンチウイルスベクター産生のためにそれを使用する方法が説明される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Gagをコードする核酸配列;Polをコードする核酸配列;VSV-Gをコードする核酸配列;およびRevをコードする核酸をまとめて含み、そのうちの少なくとも1つが、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている、1つ以上の安定に組み込まれた異種ポリ核酸を含むレンチウイルスベクター産生のための操作された細胞。
【請求項2】
化学誘導性プロモーターが、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む、請求項1に記載の操作された細胞。
【請求項3】
操作された細胞が、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたGagをコードする核酸配列を含む、請求項1または請求項2に記載の操作された細胞。
【請求項4】
Gagが配列番号17のアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の操作された細胞。
【請求項5】
操作された細胞が、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたPolをコードする核酸配列を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項6】
Polが配列番号18のアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の操作された細胞。
【請求項7】
操作された細胞が、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたVSV-Gをコードする核酸配列を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項8】
VSV-Gが配列番号19のアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の操作された細胞。
【請求項9】
操作された細胞が、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたRevをコードする核酸配列を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項10】
Revが配列番号20のアミノ酸配列を含む、請求項9に記載の操作された細胞。
【請求項11】
操作された細胞が、
(a)Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;
(b)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;および
(c)Revをコードする核酸配列を含む第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸
を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項12】
第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、(i)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAが、Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む、請求項11に記載の操作された細胞。
【請求項13】
第1の化学誘導性プロモーターが、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む、請求項12に記載の操作された細胞。
【請求項14】
第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項15】
第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、(i)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第2の発現カセットを含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項16】
第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列をさらに含み、転写活性化因子が、小分子誘導因子の存在下で発現されると、第2の発現カセットの第2の化学誘導性プロモーターに結合する、請求項15に記載の操作された細胞。
【請求項17】
第2の化学誘導性プロモーターが、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む、請求項15または請求項16に記載の操作された細胞。
【請求項18】
第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む、請求項11~17のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項19】
第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、(i)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Revをコードする核酸配列を含む第3の発現カセットを含む、請求項11~18のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項20】
第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列をさらに含み、転写活性化因子が、小分子誘導因子の存在下で発現されると、第3の発現カセットの第3の化学誘導性プロモーターに結合する、請求項19に記載の操作された細胞。
【請求項21】
第3の化学誘導性プロモーターが、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む、請求項19または請求項20に記載の操作された細胞。
【請求項22】
第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む、請求項11~21のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項23】
操作された細胞が、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む異種ポリ核酸をさらに含み、転写活性化因子が、小分子誘導因子の存在下で発現されると、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合する、請求項11~22のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項24】
転写活性化因子が、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項23に記載の操作された細胞。
【請求項25】
操作された細胞が、
(a)Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;および
(b)VSV-Gをコードする核酸配列およびRevをコードする核酸配列を含む第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸
を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項26】
第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、(i)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAが、Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む、請求項25に記載の操作された細胞。
【請求項27】
第1の化学誘導性プロモーターが、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む、請求項26に記載の操作された細胞。
【請求項28】
第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項29】
第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、
(i)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第2の発現カセット;ならびに
(i)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Revをコードする核酸配列を含む第3の発現カセット
を含む、請求項22~28のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項30】
第2のプロモーターが、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含み、第3のプロモーターが、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列;またはそれらの組み合わせを含む、請求項29に記載の操作された細胞。
【請求項31】
第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸が、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む、請求項24~30のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項32】
操作された細胞が、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む異種ポリ核酸をさらに含み、転写活性化因子が、小分子誘導因子の存在下で発現されると、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合する、請求項24~30のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項33】
転写活性化因子が、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の操作された細胞。
【請求項34】
安定なランディングパッドをさらに含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項35】
操作された細胞が、HEK293細胞、HeLa細胞、BHK細胞またはSf9細胞に由来する、請求項1~34のいずれか一項に記載の操作された細胞。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載の操作された細胞を含むキット。
【請求項37】
5'から3'に、(i)5'レンチウイルス長タンデム反復(LTR)の核酸配列;(ii)マルチクローニングサイト;および(iii)3'レンチウイルス長タンデム反復(LTR)の核酸配列を含む移入ポリ核酸分子をさらに含む、請求項36に記載のキット。
【請求項38】
移入ポリ核酸がプラスミドまたはベクターである、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
キットが、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに対応する小分子誘導因子をさらに含む、請求項36~38のいずれか一項に記載のキット。
【請求項40】
操作された細胞が、Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列、Revをコードする核酸配列、またはそれらの組み合わせに作動可能に連結された配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターを含む、請求項36~39のいずれか一項に記載のキット。
【請求項41】
Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列およびRevをコードする核酸配列はそれぞれ、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている、請求項36~40のいずれか一項に記載のキット。
【請求項42】
操作された細胞が、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含む、請求項41に記載のキット。
【請求項43】
少なくとも2つの化学誘導性プロモーターのうちの2つ以上が異なる、請求項42に記載のキット。
【請求項44】
キットが、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含み、転写活性化因子が、小分子誘導因子の存在下で発現されると、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合し、任意選択で、操作された細胞が、転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含む、請求項36~43のいずれか一項に記載のキット。
【請求項45】
転写活性化因子が、配列番号10~12のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項44に記載のキット。
【請求項46】
キットが、小分子誘導因子ドキシサイクリンまたはテトラサイクリンを含む、請求項44または請求項45に記載のキット。
【請求項47】
レンチウイルスベクターを製造する方法であって、
(a)請求項1~35のいずれか一項に記載の操作された細胞に移入ポリ核酸を導入すること;および
(b)操作された細胞を、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに対応する小分子誘導因子と接触させ、それにより、Gag、Pol、VSV-GおよびRevの発現を誘導すること
を含み;
操作された細胞は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む異種ポリ核酸を含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合し;
(b)を、(a)の前に、(a)と同時に、または(a)の後に行う、
方法。
【請求項48】
操作された細胞が、Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列、Revをコードする核酸配列、またはそれらの組み合わせに作動可能に連結された配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列およびRevをコードする核酸配列はそれぞれ、配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている、請求項47または請求項48に記載の方法。
【請求項50】
操作された細胞が、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
少なくとも2つの化学誘導性プロモーターのうちの2つ以上が異なる、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
転写活性化因子が、配列番号10~12のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項47~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
小分子誘導因子がドキシサイクリンまたはテトラサイクリンである、請求項47~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
操作された細胞においてレンチウイルスベクターを製造する方法であって、操作された細胞が、Gagをコードする核酸配列;Polをコードする核酸配列;VSV-Gをコードする核酸配列;およびRevをコードする核酸をまとめて含み;そのうちの少なくとも1つが、小分子リプレッサーの非存在下で、外因性転写活性化因子によって結合されることが可能な外因性プロモーターに作動可能に連結されている、1つ以上の安定に組み込まれた異種ポリ核酸を含み:該方法が、
(a)操作された細胞に移入ポリ核酸を導入すること;および
(b)外因性転写活性化因子を操作された細胞に導入すること;および
(c)小分子リプレッサーの非存在下で細胞を培養し、それにより、Gag、Pol、VSV-GおよびRevの発現を誘導すること
を含み;
(b)を、(a)の前に、(a)と同時に、または(a)の後に行う、
方法。
【請求項55】
(b)の導入することが、小分子リプレッサーの存在下で行われる、請求項54の記載の方法。
【請求項56】
(b)の導入することが、異種ポリ核酸を細胞に導入すること、および、外因性転写活性化因子を発現することによって行われ、異種ポリ核酸が、プロモーターの核酸に作動可能に連結された外因性転写活性化因子の核酸配列を含む、請求項54または請求項55に記載の方法。
【請求項57】
外因性プロモーターが、配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む、請求項54~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列およびRevをコードする核酸配列はそれぞれ、配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む外因性プロモーターに作動可能に連結されている、請求項54~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
操作された細胞が少なくとも2つの外因性プロモーターを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
少なくとも2つの外因性プロモーターのうちの2つ以上が異なる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
転写活性化因子が、テトラサイクリン制御転写活性化因子(tTA)である、請求項54~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
tTAが、配列番号11および配列番号27~28のうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む、請求項61に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本明細書では、レンチウイルスベクター産生系が説明される。本明細書では、レンチウイルスベクター産生系を含む操作された細胞およびキット、ならびにレンチウイルスベクター産生のためにそれを使用する方法が説明される。
【0002】
関連出願
本出願は、2021年4月23日に出願された米国仮特許出願第63/179,129号の35 U.S.C.§119に基づく利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
EFS-WEBを介しテキストファイルとして提出された配列表への言及
本出願はEFS-WebからASCIIフォーマットで提出された配列表を含有し、その全体が参照によりここに組み込まれる。2022年4月22日に作成された該ASCIIコピーの名称はA121070003WO00-SEQであり、サイズは45,885バイトである。
【背景技術】
【0004】
背景
ウイルスベクターは、細胞療法および遺伝子療法のための有望な遺伝子送達様式である。ウイルスベクターは、対象内の細胞に治療用遺伝子ペイロードを運ぶように改変されることができる。ウイルスベクターの産生は、通常、ウイルスベクター産生に必要な遺伝子を含有するプラスミドの細胞培養物への一過性トランスフェクションを伴う。しかしながら、一過性トランスフェクションにはいくつかの欠点がある。トランスフェクションプロセスのために大量のDNAおよびトランスフェクション試薬を調達しなければならず、これは費用がかかる。また、トランスフェクション効率が低いと、「トランスフェクトされた」細胞の数が極めて少なくなり、トランスフェクション工程およびウイルス産生に関連する変動が増加する可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
概要
本明細書では、レンチウイルスベクター産生系が説明される。本明細書では、レンチウイルスベクター産生系を含むキットも説明される。最後に、レンチウイルスベクター産生系(またはその少なくとも一部)を含む操作された細胞、ならびにレンチウイルスベクター産生のために操作された細胞を使用する方法が説明される。
【0006】
いくつかの態様では、本開示は、Gagをコードする核酸配列;Polをコードする核酸配列;VSV-Gをコードする核酸配列;およびRevをコードする核酸をまとめて含み、そのうちの少なくとも1つが、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている、1つ以上の安定に組み込まれた異種ポリ核酸を含むレンチウイルスベクター産生のための操作された細胞に関する。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、配列番号1~9の1つ以上の核酸配列の化学誘導性プロモーターを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたGagをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Gagは配列番号17のアミノ酸配列を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたPolをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Polは配列番号18のアミノ酸配列を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたVSV-Gをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VSV-Gは配列番号19のアミノ酸配列を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたRevをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Revは配列番号20のアミノ酸配列を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、
(a)Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;
(b)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;および
(c)Revをコードする核酸配列を含む第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸
を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAが、Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第2の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列をさらに含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、第2の発現カセットの第2の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、第2の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Revをコードする核酸配列を含む第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列をさらに含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、第3の発現カセットの第3の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、第3の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む異種ポリ核酸をさらに含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、
(a)Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;および
(b)VSV-Gをコードする核酸配列およびRevをコードする核酸配列を含む第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸
を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAが、Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第2の発現カセット;ならびに(i)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Revをコードする核酸配列を含む第3の発現カセット、を含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列:および(ii)Revをコードする核酸配列を含む第2の発現カセット;ならびに(i)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第3の発現カセット、を含む。いくつかの実施形態では、第2のプロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含み、第3のプロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列;またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む異種ポリ核酸をさらに含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターに作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列をさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、安定なランディングパッドをさらに含む。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、HEK293細胞、HeLa細胞、BHK細胞またはSf9細胞に由来する。
【0021】
いくつかの態様では、本出願は、本明細書に記載の操作された細胞を含むキットを開示する。
【0022】
いくつかの実施形態では、本キットは、5'から3'に、(i)5'レンチウイルス長タンデム反復(LTR)の核酸配列;(ii)マルチクローニングサイト;および(iii)3'レンチウイルス長タンデム反復(LTR)の核酸配列を含む移入ポリ核酸分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、移入ポリ核酸は、プラスミドまたはベクターである。
【0023】
いくつかの実施形態では、本キットは、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに対応する小分子誘導因子をさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本キットは、Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列、Revをコードする核酸配列、またはそれらの組み合わせに作動可能に連結された配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターを含む操作された細胞をさらに含む。いくつかの実施形態では、Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列およびRevをコードする核酸配列はそれぞれ、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、本キットは、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含む操作された細胞を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含む操作された細胞を含み、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターのうちの2つ以上は異なる。
【0026】
いくつかの実施形態では、本キットは、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合し、任意選択で、操作された細胞は、転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、配列番号10~12のいずれか1つのアミノ酸配列を含む転写活性化因子を含む。いくつかの実施形態では、本キットは小分子誘導因子ドキシサイクリンまたはテトラサイクリンを含む。
【0027】
いくつかの態様では、本出願は、レンチウイルスベクターを製造する方法であって、
(a)本明細書に記載の操作された細胞に移入ポリ核酸を導入すること;および
(b)操作された細胞を、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに対応する小分子誘導因子と接触させ、それにより、Gag、Pol、VSV-GおよびRevの発現を誘導することを含み;操作された細胞は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む異種ポリ核酸を含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合し;(b)を、(a)の前に、(a)と同時に、または(a)の後に行う、
方法を開示する。
【0028】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列、Revをコードする核酸配列、またはそれらの組み合わせに作動可能に連結された配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列およびRevをコードする核酸配列を含み、それぞれが配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターに作動可能に連結される。
【0030】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含み、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターのうちの2つ以上は異なる。
【0031】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、配列番号10~12のいずれか1つのアミノ酸配列を含む転写活性化因子を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、小分子誘導因子はドキシサイクリンまたはテトラサイクリンである。
【0033】
いくつかの態様では、本出願は、レンチウイルスベクターを製造する方法であって、
(a)本明細書に記載の操作された細胞に移入ポリ核酸を導入すること;および
(b)操作された細胞を、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに対応する小分子誘導因子と接触させ、それにより、Gag、Pol、VSV-GおよびRevの発現を誘導すること
を含み;
操作された細胞は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む異種ポリ核酸を含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合し;
(b)を、(a)の前に、(a)と同時に、または(a)の後に行う、
方法を開示する。
【0034】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列、Revをコードする核酸配列、またはそれらの組み合わせに作動可能に連結された配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列およびRevをコードする核酸配列はそれぞれ、配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターのうちの2つ以上が異なる。
【0038】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~12のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、小分子誘導因子はドキシサイクリンまたはテトラサイクリンである。
【0040】
いくつかの態様では、本出願は、操作された細胞においてレンチウイルスベクターを製造する方法であって、操作された細胞が、Gagをコードする核酸配列;Polをコードする核酸配列;VSV-Gをコードする核酸配列;およびRevをコードする核酸をまとめて含み;そのうちの少なくとも1つが、小分子リプレッサーの非存在下で、外因性転写活性化因子によって結合されることが可能な外因性プロモーターに作動可能に連結されている、1つ以上の安定に組み込まれた異種ポリ核酸を含み:該方法が、
(a)操作された細胞に移入ポリ核酸を導入すること;および
(b)外因性転写活性化因子を操作された細胞に導入すること;および
(c)小分子リプレッサーの非存在下で細胞を培養し、それにより、Gag、Pol、VSV-GおよびRevの発現を誘導すること
を含み;
(b)を、(a)の前に、(a)と同時に、または(a)の後に行う、
方法を開示する。
【0041】
いくつかの実施形態では、(b)の導入することは、小分子リプレッサーの存在下で行われる。
【0042】
いくつかの実施形態では、(b)の導入することは、異種ポリ核酸を細胞に導入すること、および、外因性転写活性化因子を発現することによって行われ、異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸に作動可能に連結された外因性転写活性化因子の核酸配列を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、外因性プロモーターは、配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、Gagをコードする核酸配列、Polをコードする核酸配列、VSV-Gをコードする核酸配列およびRevをコードする核酸配列はそれぞれ、配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む外因性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0045】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、少なくとも2つの外因性プロモーターを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの外因性プロモーターのうちの2つ以上が異なる。
【0047】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、テトラサイクリン制御トランス活性化因子(tTA)である。
【0048】
いくつかの実施形態では、tTAは、配列番号11および配列番号27~28のうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0049】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本明細書に提示される特定の側面の詳細な説明と組み合わせてこれらの図面の1つ以上を参照することによってよりよく理解され得る本開示の特定の態様をさらに実証するために包含される。図面に示されたデータは、いかなる形でも本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、一過性トランスフェクションフォーマットにおけるdox誘導性レンチウイルスベクター産生を試験するための例示的なプラスミド概略図を示す。「TetOn」はrtTAの変異体を示し、「GP」はレンチウイルスGag-Pol遺伝子を示し、「VSV-G」は水疱性口内炎ウイルスGタンパク質を示し、「Rev」はレンチウイルスRev遺伝子を示す。レンチウイルス遺伝子について、dox誘導性TREプロモーターまたは構成的CMVプロモーターのいずれかの異なる組み合わせが試験された。
図2図2は、準安定なレンチウイルスベクター産生系のための安定な組み込みプラスミドについての例示的なプラスミド概略図を示す。選択は、安定な成分を選択するために使用される抗生物質耐性遺伝子を示す。レンチウイルス移入プラスミド(図には示さず)は、レンチウイルス遺伝子の誘導の前またはそれと同時にトランスフェクトされなければならず、一方、他の遺伝子はゲノムに安定に組み込まれる。図示したプラスミドに加えて、代替プラスミドが設計され、CMVを使用して試験がなされてレンチウイルス遺伝子の発現も駆動された。
図3図3は、完全で安定なレンチウイルスベクター産生系のためのプラスミドの安定な組み込みのための例示的なプラスミドの概略図を示す。完全な安定系は、単一のプラスミド上でVSV-GおよびRev遺伝子を組み合わせ、安定に組み込まれるLTR含有移入プラスミドを包含する。
図4A-4B】図4A図4Bは、一過性トランスフェクション形式でレンチウイルス遺伝子を駆動するdox誘導性または構成的プロモーターの組み合わせを試験した結果を示す。図4Aは、試験された組み合わせを示す。図4Bは、試料1~16の結果を示す。ドキシサイクリンおよびTetOnをトランスフェクションミックスに添加すると、レンチウイルス力価の減少は極めて少なかった。Gag-Pol、RevまたはVSV-GをTREプロモーター下に配置すると、ドキシサイクリンの非存在下では力価が大幅に低下し、ドキシサイクリンの存在下では野生型力価に近くなった。完全誘導系は、ドキシサイクリンを添加した場合、野生型と比較して力価が約1/4.2倍に減少するが、この減少は下流の最適化工程によって補償され得る。
図5A-5B】図5A図5Bは、準安定な形式でレンチウイルス遺伝子を駆動するdox誘導性プロモーターまたは構成的プロモーターの組み合わせを試験した結果を示す。図5Aは、Doxの存在の有無にかかわらず試験された組み合わせを示す。図5Bは、各組み合わせ/条件の4つの反復(陰性対照については3つの反復)の結果を示す。構成的遺伝子またはdox誘導性遺伝子のすべての試験された組み合わせは、Doxの非存在下と比較して、Doxの存在下でレンチウイルスの産生を誘導することができた。3つの遺伝子のそれぞれを駆動するためにTREプロモーターを使用すると、中でも最高の誘導能が得られた。ゲノム的に組み込まれる代わりにGag-PolおよびRevがトランスフェクトされた場合、より大きな誘導能を得ることができたが、その設計には依然として増殖量の拡大に関連する問題が残る。
図6図6は、完全で安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の例示的なプラスミドの概略図を示す。完全な安定系のこの実施形態は、別個の核酸分子上のVSV-G、Gag-Pol(「GP」)およびRev遺伝子をコードし、安定に組み込まれるLTR含有移入プラスミドを包含する。VSV-Gは、TetOn成分と同じ核酸分子上にコードされる。
図7図7は、完全で安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の例示的なプラスミドの概略図を示す。完全な安定系のこの実施形態は、別個の核酸分子上のVSV-G、Gag-Pol(「GP」)およびRev遺伝子をコードし、安定に組み込まれるLTR含有移入プラスミドを包含する。Revは、TetOn成分と同じ核酸分子上にコードされる。
図8図8は、図3の安定に組み込まれた核酸分子を含むHEK293T細胞を用いたレンチウイルスの誘導産生を示す。Doxは、0nM~1000nMの範囲の濃度で加えられる。ドキシサイクリンの非存在下では、安定な産生細胞は最小の感染力価を生じさせるが、20nMを超えるドキシサイクリンの存在下では、一過性トランスフェクションで達成可能な力価に近い力価を生じさせる。安定な産生力価からの力価は、伝統的なトランスフェクション試料の力価の約86%である。
図9図9は、ドキシサイクリンの添加を必要としない安定なレンチウイルスベクターパッケージングシステムのためのプラスミドの安定な組み込みのための例示的なプラスミド概略図を示す。TREプロモーターからの遺伝子発現を活性化するためにドキシサイクリンを必要としないテトラサイクリン制御トランス活性化因子(tTA)は、ゲノムに組み込まれたTetOnを使用するのではなく、過渡的にトランスフェクトされた移入プラスミド上にもたらされる。
【発明を実施するための形態】
【0051】
詳細な説明
ウイルスベクターの産生は、通常、細胞培養物へのプラスミドの一過性トランスフェクションを伴う。しかしながら、治療用ウイルスベクターをゲノムに産生するために必要な遺伝子の安定な組み込みは、一過性トランスフェクションによる従来の産生と比較していくつかの利点を提供する。細胞は自身の細胞分裂中にウイルス遺伝子を増幅するので、トランスフェクションプロセスのために大量のDNAおよびトランスフェクション試薬を調達する必要がなくなり、コストが削減される。また、DNAは既に核内にあるので、ウイルス力価は、「トランスフェクトされていない」細胞の数が最小限であり、トランスフェクション工程に関連する変動が少ないため、より高く、より一貫し得る。より単純な製造プロセスはまた、時間を節約し、高いウイルス力価を達成するために必要な最適化工程の規模および数を減少させる。
【0052】
標準的な第3世代レンチウイルスパッケージングおよびエンベローププラスミドは、伝統的に構成的CMVプロモーターによって駆動される遺伝子を含有する。しかしながら、VSV-Gが細胞を一緒に融合し、増殖を停止させる能力は、レンチウイルスを産生する安定な細胞の作製を妨げる。Gag-PolおよびRevに関連する潜在的な毒性もまた、産生細胞の作製を複雑にする。
【0053】
本明細書では、レンチウイルスベクター産生系が説明される。本明細書では、レンチウイルスベクター産生系を含むキットも説明される。最後に、レンチウイルスベクター産生系(またはその少なくとも一部)を含む操作された細胞、ならびにレンチウイルスベクター産生のために操作された細胞を使用する方法が説明される。
【0054】
I.レンチウイルスベクター産生系
いくつかの態様では、本開示はレンチウイルスベクター産生系に関する。レンチウイルスベクター産生系は、本明細書に記載のように、組換え宿主細胞(または本明細書に記載の「操作された細胞」)におけるレンチウイルスベクターの生成に必要な遺伝子産物をまとめてコードする1つ以上のポリ核酸を含む。本明細書に記載のレンチウイルスベクター産生系は、レンチウイルス遺伝子産物Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)、およびRev(またはその機能的変異体)をまとめてコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は(すなわち、ウイルスベクターコンポーネントの遺伝子産物は)、単一のポリ核酸上にコードされる。他の実施形態では、複数のポリ核酸が全体としてレンチウイルスベクター産生系を含む(すなわち、ウイルスベクターコンポーネントの遺伝子産物の少なくとも2つは、異なるポリ核酸上にコードされている)。例えば、レンチウイルスベクター産生系は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つのポリ核酸を含み得る。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、2、3、4、または5つのポリ核酸を含む。例示的なレンチウイルス産生系のアーキテクチャを以下に示す(パートIC)。
【0056】
Gagは、マトリックス、カプシドおよびヌクレオカプシド成分を含有するレンチウイルス粒子の前駆体構造タンパク質である。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、Gagをコードするポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、Gagは配列番号17のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、Gagの機能的変異体をコードするポリ核酸を含む。Gagの機能的変異体は、配列番号17と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、Gagの機能(すなわち、その構造的機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0057】
2つの配列(例として、2つのアミノ酸配列または2つのポリ核酸)間の同一性の程度を求める方法は、当業者に公知である。1つの例示的な方法は、デフォルトパラメータを有するBasic Local Alignment Search Tool(BLAST(登録商標))ソフトウェアの使用である(blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)。
【0058】
Polは、逆転写酵素およびインテグラーゼ成分を含有する前駆体タンパク質である。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、Polをコードするポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、Polは配列番号18のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、Polの機能的変異体をコードするポリ核酸を含む。Polの機能的変異体は、配列番号18と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、Polの機能(すなわち、逆転写酵素およびインテグラーゼとしての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0059】
いくつかの実施形態では、レンチウイルス産生系は、Gag(またはその機能的変異体)およびPol(またはその機能的変異体)を含む融合タンパク質をコードするポリ核酸を含む。
【0060】
VSV-Gはエンベロープタンパク質である。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、VSV-Gをコードするポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、VSV-Gは配列番号19のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、VSV-Gの機能的変異体をコードするポリ核酸を含む。VSV-Gの機能的変異体は、配列番号19と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、VSV-Gの機能(すなわち、エンベロープタンパク質としてのその機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0061】
Revは、転写物内のRev応答エレメントに結合してそれらの核外輸送を促進する輸送タンパク質である。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、Revをコードするポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、Revは、配列番号20のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、Revの機能的変異体をコードするポリ核酸を含む。Revの機能的変異体は、配列番号20と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、Revの機能(すなわち、輸送タンパク質としての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0062】
本明細書に記載のレンチウイルス産生系は、少なくとも1つの発現カセットを含む。本明細書で使用される場合、「発現カセット」という用語は、産物(例として、RNA産物および/またはポリペプチド産物、Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)、Rev(またはその機能的変異体)、またはそれらの任意の組み合わせなど)をコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターの核酸配列をコードするポリ核酸配列を指す。いくつかの実施形態では、複数の産物が単一の発現カセット内にコードされる。例えば、いくつかの実施形態では、単一のプロモーターが、複数の産物(RNA産物および/またはポリペプチド産物)をコードするポリシストロニックRNAの発現を駆動する。ポリシストロニックRNAは、内部リボソーム侵入部位(IRES)の核酸配列および/またはウイルス2Aペプチド(V2A)の核酸配列を含み得る。
【0063】
IRESは、配列番号21の核酸配列を含み得る。
CCCCTCTCCCTCCCCCCCCCCTAACGTTACTGGCCGAAGCCGCTTGGAATAAGGCCGGTGTGCGTTTGTCTATATGTTATTTTCCACCATATTGCCGTCTTTTGGCAATGTGAGGGCCCGGAAACCTGGCCCTGTCTTCTTGACGAGCATTCCTAGGGGTCTTTCCCCTCTCGCCAAAGGAATGCAAGGTCTGTTGAATGTCGTGAAGGAAGCAGTTCCTCTGGAAGCTTCTTGAAGACAAACAACGTCTGTAGCGACCCTTTGCAGGCAGCGGAACCCCCCACCTGGCGACAGGTGCCTCTGCGGCCAAAAGCCACGTGTATAAGATACACCTGCAAAGGCGGCACAACCCCAGTGCCACGTTGTGAGTTGGATAGTTGTGGAAAGAGTCAAATGGCTCTCCTCAAGCGTATTCAACAAGGGGCTGAAGGATGCCCAGAAGGTACCCCATTGTATGGGATCTGATCTGGGGCCTCGGTGCACATGCTTTACATGTGTTTAGTCGAGGTTAAAAAAACGTCTAGGCCCCCCGAACCACGGGGACGTGGTTTTCCTTTGAAAAACACGATGATAATATG
【0064】
IRESは、配列番号22の核酸配列を含み得る。
CCCCCCCCCCTAACGTTACTGGCCGAAGCCGCTTGGAATAAGGCCGGTGTGCGTTTGTCTATATGTTATTTTCCACCATATTGCCGTCTTTTGGCAATGTGAGGGCCCGGAAACCTGGCCCTGTCTTCTTGACGAGCATTCCTAGGGGTCTTTCCCCTCTCGCCAAAGGAATGCAAGGTCTGTTGAATGTCGTGAAGGAAGCAGTTCCTCTGGAAGCTTCTTGAAGACAAACAACGTCTGTAGCGACCCTTTGCAGGCAGCGGAACCCCCCACCTGGCGACAGGTGCCTCTGCGGCCAAAAGCCACGTGTATAAGATACACCTGCAAAGGCGGCACAACCCCAGTGCCACGTTGTGAGTTGGATAGTTGTGGAAAGAGTCAAATGGCTCTCCTCAAGCGTATTCAACAAGGGGCTGAAGGATGCCCAGAAGGTACCCCATTGTATGGGATCTGATCTGGGGCCTCGGTGCACATGCTTTACATGTGTTTAGTCGAGGTTAAAAAAACGTCTAGGCCCCCCGAACCACGGGGACGTGGTTTTCCTTTGAAAAACACGATGATAATAGTTATC
【0065】
ウイルス2Aペプチドは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号23)、EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号24)、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号25)、またはVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号26)のアミノ酸配列を含み得る。
【0066】
本明細書に記載されるように、核酸コード配列に対するプロモーターの位置が、プロモーターへの転写活性化因子の結合がコード配列の発現を誘導できるようなものである場合に、プロモーターは核酸コード配列に「作動可能に連結されている」。発現カセットのプロモーターは、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターであり得る。
【0067】
プロモーターは、構成的プロモーター(すなわち、連続的な転写を可能にする調節されていないプロモーター)であり得る。構成的プロモーターの例は当技術分野で公知であり、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、伸長因子1α(EF1α)プロモーター、サル空胞化ウイルス40(SV40)プロモーター、ユビキチン-C(UBC)プロモーター、U6プロモーター、およびホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。例として、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Ferreira et al.,Tuning gene expression with synthetic upstream open reading frames.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.2013 Jul,110(28):11284-89、米国特許出願公開第2014/377861号明細書、Qin et al.PloS One.2010 May;5(5):e10611を参照されたい。
【0068】
あるいは、プロモーターは、誘導性プロモーター(すなわち、特定の状況下でのみ転写を活性化する)であり得る。誘導性プロモーターは、例えば、化学誘導性プロモーター、温度誘導性プロモーター、または光誘導性プロモーターであり得る。化学誘導性プロモーターの例は当技術分野で公知であり、テトラサイクリン/ドキシサイクリン誘導性プロモーター、クメート誘導性プロモーター、ABA誘導性プロモーター、CRY2-CIB1誘導性プロモーター、DAPG誘導性プロモーター、ミフェプリストン誘導性プロモーター、ラクトース誘導性プロモーター、およびアラビノース誘導性プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。例として、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、ACS Synth.Biol.2014 Dec 19、3(12):880-91、Liang et al.,Sci.Signal.2011 Mar 15、4(164):rs2、Das et al.,Curr.Gene.Ther.2016;16(3):156-167、米国特許第7,745,592号明細書、米国特許第7,935,788号明細書を参照されたい。化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含み得る。
【0069】
A.選択マーカー
上記のように、レンチウイルスベクター産生系は、本明細書に記載のように、組換え宿主細胞(または本明細書に記載の「操作された細胞」)におけるレンチウイルスベクターの生成に必要な遺伝子産物をまとめてコードする1つ以上のポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系の1つ以上のポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列;および(ii)選択マーカーをコードする核酸配列を含む発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス産生系のポリ核酸のそれぞれは、選択マーカーを含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルス産生系の各ポリ核酸は、別個の選択マーカーの核酸配列を含む。
【0070】
本明細書で使用される場合、「選択マーカー」という用語は、細胞内に導入されるかまたは細胞内で発現されると、選択に適した形質を付与するタンパク質を指す。
【0071】
選択マーカーは、蛍光タンパク質であり得る。蛍光タンパク質の例は、当技術分野で公知である(例として、TagBFP、EBFP2、EGFP、EYFP、RFP、mKO2、またはSirius)。例として、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,874,304号明細書、欧州特許出願公開第0969284号明細書、米国特許出願公開第2010/167394号明細書を参照されたい。
【0072】
あるいは、またはさらに加えて、選択マーカーは、抗生物質耐性タンパク質であり得る。抗生物質耐性タンパク質の例は、当技術分野で公知である(例として、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、ネオマイシン、ゼオマイシン、ブラストサイジン、またはフレオマイシンの選択を促進する)。例として、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第1997/15668号、国際公開第1997/43900号を参照されたい。
【0073】
B.誘導性レンチウイルスベクター産生系
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のレンチウイルスベクター産生系は、レンチウイルス遺伝子産物Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)、およびRev(またはその機能的変異体)をまとめてコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含み、それらのうちの少なくとも1つは化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0074】
このセクションに記載される実施形態のいずれかにおいて、化学誘導性プロモーターは、テトラサイクリン/ドキシサイクリン誘導性プロモーター、クメート誘導性プロモーター、ABA誘導性プロモーター、CRY2-CIB1誘導性プロモーター、DAPG誘導性プロモーター、ミフェプリストン誘導性プロモーター、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9の1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号1の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号2の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号3の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号4の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号5の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号6の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号7の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号8の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号9の核酸配列を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、Gag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;任意選択で、Pol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;かつ/またはVSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;かつ/またはRev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0076】
いくつかの実施形態では、Pol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;任意選択で、Gag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;かつ/またはVSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;かつ/またはRev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0077】
いくつかの実施形態では、VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;任意選択で、Gag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;かつ/またはPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;かつ/またはRev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0078】
いくつかの実施形態では、Rev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;任意選択で、Gag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;かつ/またはPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結され;かつ/またはVSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列は、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0079】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のレンチウイルスベクター産生系は、レンチウイルス遺伝子産物Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)、およびRev(またはその機能的変異体)をまとめてコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含み、それぞれが、(本明細書に記載される)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のレンチウイルスベクター産生系は、単一の化学誘導性プロモーターを含む。かかる実施形態では、単一の化学誘導性プロモーターは、Gag(またはその機能的変異体)、および/またはPol(またはその機能的変異体)、および/またはVSV-G(またはその機能的変異体)、および/またはRev(またはその機能的変異体)に作動可能に連結され得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの化学誘導性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、2、3、4、または5つの化学誘導性プロモーターを含む。
【0082】
レンチウイルスベクター産生系が少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含むいくつかの実施形態では、2つ以上の化学誘導性プロモーターが同じ核酸配列を含む。レンチウイルスベクター産生系が少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含むいくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターのそれぞれが同じ核酸配列を含む。レンチウイルスベクター産生系が少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含むいくつかの実施形態では、1つ以上の化学誘導性プロモーターが異なる核酸配列を含む。レンチウイルスベクター産生系が少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含むいくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターのそれぞれが異なる核酸配列を含む。
【0083】
本明細書に記載の誘導性レンチウイルスベクター産生系は、(i)(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列;および(ii)転写活性化因子をコードする核酸配列であって、転写活性化因子が、小分子誘導因子の存在下で発現された場合、操作された細胞の化学誘導性プロモーターに結合する核酸配列を含む発現カセットを含むポリ核酸をさらに含み得る。レンチウイルスベクター産生系が2つ以上の異なる化学誘導性プロモーターを含む実施形態では、その系は、2つ以上の対応する転写活性化因子の核酸配列を含み得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子はTet-On 3Gである。いくつかの実施形態では、Tet-On 3Gは配列番号10のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、転写活性化因子はTet-On 3Gの機能的変異体である。Tet-On 3Gの機能的変異体は、配列番号10と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、Tet-On 3Gの機能(すなわち、転写活性化因子としての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0085】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、TetOff-Advancedである。いくつかの実施形態では、TetOff-Advancedは配列番号11のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、TetOff-Advancedの機能的変異体である。TetOff-Advancedの機能的変異体は、配列番号11と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、TetOff-Advancedの機能(すなわち、転写活性化因子としての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0086】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子はVanR-VP16である。いくつかの実施形態では、VanR-VP16は配列番号12のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、VanR-VP16の機能的変異体である。VanR-VP16の機能的変異体は、配列番号12と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、VanR-VP16の機能(すなわち、転写活性化因子としての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0087】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子はTtgR-VP16である。いくつかの実施形態では、TtgR-VP16は配列番号13のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、転写活性化因子はTtgR-VP16の機能的変異体である。TtgR-VP16の機能的変異体は、配列番号13と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、TtgR-VP16の機能(すなわち、転写活性化因子としての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0088】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子はPhlF-VP16である。いくつかの実施形態では、PhlF-VP16は配列番号14のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、PhlF-VP16の機能的変異体である。PhlF-VP16の機能的変異体は、配列番号14と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、PhlF-VP16の機能(すなわち、転写活性化因子としての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0089】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子はcTAである。いくつかの実施形態では、cTAは配列番号15のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、転写活性化因子はcTAの機能的変異体である。cTAの機能的変異体は、配列番号15と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、cTAの機能(すなわち、転写活性化因子としての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0090】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子はrcTAである。いくつかの実施形態では、rcTAは配列番号16のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、転写活性化因子はrcTAの機能的変異体である。rcTAの機能的変異体は、配列番号16と少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、rcTAの機能(すなわち、転写活性化因子としての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。
【0091】
C.例示的なレンチウイルスベクター産生系のアーキテクチャ
例示的な目的のために、選択されたレンチウイルスベクター産生系アーキテクチャを以下に記載する。
【0092】
1.第1の例示的なアーキテクチャ
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、(a)Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)およびPolをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)を含む第1のポリ核酸;(b)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2のポリ核酸;および(c)Rev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第3のポリ核酸を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、第1のポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;ならびに(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAがGag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列;およびPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、第2のポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第2の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2のポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、第3のポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Rev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第3の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第3のポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーター、第2の化学誘導性プロモーター、および第3の化学誘導性プロモーターは、同じ核酸配列を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む追加のポリ核酸をさらに含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、レンチウイルスベクター産生系の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、第1のポリ核酸、第2のポリ核酸、または第3のポリ核酸は、追加のポリ核酸を含む。他の実施形態では、追加のポリ核酸は、レンチウイルスベクター産生系の第4のポリ核酸である。
【0099】
2.第2の例示的なアーキテクチャ
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、(a)Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)およびPolをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)を含む第1のポリ核酸;ならびに(b)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列およびRev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2のポリ核酸を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、第1のポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;ならびに(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAがGag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列およびPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、第2のポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2の発現カセット;ならびに(i)(本明細書に記載される)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Rev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第2のプロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含み、第3のプロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列;またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第2のポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む追加のポリ核酸をさらに含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、レンチウイルスベクター産生系の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、第1のポリ核酸または第2のポリ核酸は、追加のポリ核酸を含む。他の実施形態では、追加のポリ核酸は、レンチウイルスベクター産生系の第3のポリ核酸である。
【0104】
3.第3の例示的なアーキテクチャ
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のアーキテクチャは、図1に示す通りである。
【0105】
4.第4の例示的なアーキテクチャ
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のアーキテクチャは、図2に示す通りである。
【0106】
5.第5の例示的なアーキテクチャ
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のアーキテクチャは、図3に示す通りである。
【0107】
6.第6の例示的なアーキテクチャ
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のアーキテクチャは、図6に示す通りである。
【0108】
7.第7の例示的なアーキテクチャ
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のアーキテクチャは、図7に示す通りである。
【0109】
8.第8の例示的なアーキテクチャ
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のアーキテクチャは、図9に示す通りである。
【0110】
II.操作された細胞
いくつかの態様では、本開示は、パートIに記載のレンチウイルスベクター産生系の1つ以上のポリ核酸を含む操作された細胞に関する。操作された細胞の文脈では、そのようなポリ核酸は異種ポリ核酸(すなわち、細胞に天然には見られないポリ核酸配列)と見なされる。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、パートIに記載のレンチウイルス産生系のポリ核酸のそれぞれを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のポリ核酸は、操作された細胞中に過渡的に存在する。
【0112】
他の実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のポリ核酸は、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、操作された細胞のゲノム内の異なる位置に安定に組み込まれる。
【0113】
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のポリ核酸は、少なくとも5(例として、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも200)コピーのコピー数で操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のポリ核酸は、10~20、10~50、25~50、25~75、25~100、25~150、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175または100~200コピーのコピー数で操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のポリ核酸は、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175、または100~200コピーのコピー数で操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれる。
【0114】
いくつかの実施形態では、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、少なくとも5(例として、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも200)コピーのコピー数で安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれるレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、10~20、10~50、25~50、25~75、25~100、25~150、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175または100~200コピーのコピー数で安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175、または100~200コピーのコピー数で安定に組み込まれる。
【0115】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、HEK293細胞に由来する。
【0116】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、HeLa細胞に由来する。
【0117】
いくつかの実施形態では、操作された細胞はBHK細胞に由来する。
【0118】
いくつかの実施形態では、操作された細胞はSf9細胞に由来する。
【0119】
A.ランディングパッド
本明細書に記載の操作された細胞は、ランディングパッドをさらに含み得る。本明細書で使用される場合、「ランディングパッド」という用語は、細胞のゲノムの特定の遺伝子座(または複数の遺伝子座)への「ペイロード」配列の標的挿入を容易にする異種ポリ核酸配列を指す。したがって、ランディングパッドは細胞のゲノムに組み込まれる。組み込み部位を固定することは、位置的エピジェネティック効果または近位調節エレメントによって引き起こされ得る実験間のばらつきを低減するために望ましい。ペイロードコピー数を制御する能力はまた、遺伝的構成要素を変化させることなくペイロードの発現レベルを調節するために望ましい。
【0120】
いくつかの実施形態では、ランディングパッドは、操作された細胞のゲノム内のセーフハーバーサイトに位置する。本明細書で使用される場合、「セーフハーバーサイト」という用語は、隣接する遺伝子の発現または調節を妨害することなく遺伝子または遺伝子要素を導入することができ、かつ/または隣接するゲノム要素が導入された遺伝子または遺伝子要素の発現または調節を妨害しないゲノム内の場所を指す。セーフハーバーサイトの例は、当業者に公知であり、AAVS1、ROSA26、COSMIC、H11、CCR5、およびLiPS-A3Sが挙げられるが、これらに限定されない。例として、その全体が本明細書に組み込まれる、Gaidukov et al.,Nucleic Acids Res.2018 May 4;46(8):4072-4086、米国特許第8,980,579号明細書、米国特許第10,017,786号明細書、米国特許第9,932,607号明細書、米国特許出願公開第2013/280222号明細書、国際公開第2017/180669号を参照されたい。いくつかの実施形態では、セーフハーバーサイトは既知の部位である。他の実施形態では、セーフハーバーサイトは、以前に開示されていない部位である。本明細書の「高発現ゲノム遺伝子座を特定する方法およびその使用」を参照されたい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の操作された細胞は、AAVS1、ROSA26、COSMIC、H11、CCR5、およびLiPS-A3Sからなる群から選択されるセーフハーバー遺伝子座に組み込まれたランディングパッドを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、操作された細胞はHEK293細胞に由来する。いくつかの実施形態では、操作されたHEK293細胞は、AAVS1、ROSA26、CCR5、およびLiPS-A3Sからなる群から選択されるセーフハーバー遺伝子座に組み込まれたランディングパッドを含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、操作された細胞はCHO細胞に由来する。いくつかの実施形態では、操作されたCHO細胞は、ROSA26、COSMIC、およびH11からなる群から選択されるセーフハーバー遺伝子座に組み込まれたランディングパッドを含む。
【0123】
本明細書に記載のランディングパッドの各々は、少なくとも1つの組換え部位を含む。様々なインテグラーゼのための組換え部位が以前に特定されている。例えば、ランディングパッドは、Bxb1インテグラーゼ、ラムダ-インテグラーゼ、Creリコンビナーゼ、Flpリコンビナーゼ、ガンマデルタリゾルベース、Tn3リゾルベース、φC31インテグラーゼ、またはR4インテグラーゼに対応する組換え部位を含み得る。例示的な組換え部位配列は、当技術分野で公知である(例として、attP、attB、attR、attL、Lox、およびFrt)。
【0124】
本明細書に記載のランディングパッドは、1つ以上の発現カセットを含み得る。
【0125】
B.例示的な操作された細胞
例示的な目的のために、選択された操作された細胞を以下に記載する。
【0126】
1.第1の例示的な操作された細胞
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、Gag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列;Pol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列;VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列;およびRev(またはその機能的変異体)をコードする核酸をまとめて含む1つ以上の安定に組み込まれた異種ポリ核酸を含み;そのうちの少なくとも1つは、(例えば、パートIに記載の)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、化学誘導性プロモーター(例えば、パートIに記載されているような)に作動可能に連結されたGag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Gagは配列番号17のアミノ酸配列を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(例えば、パートIに記載の)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Pol(またはその機能的変異体)は、配列番号18のアミノ酸配列を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(例えば、パートIに記載の)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたVSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VSV-Gは配列番号19のアミノ酸配列を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(例えば、パートIに記載の)化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されたRev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Revは配列番号20のアミノ酸配列を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、10~25、25~50、25~100、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175、または100~200コピーのコピー数で安定に組み込まれる。
【0132】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(本明細書に記載される)安定なランディングパッドをさらに含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、HEK293細胞、HeLa細胞、BHK細胞またはSf9細胞に由来する。
【0134】
2.第2の例示的な操作された細胞
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(a)Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;(b)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;および(c)Revをコードする核酸配列を含む第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;ならびに(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAがGag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列;およびPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第2の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Rev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第3の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーター、第2の化学誘導性プロモーター、および第3の化学誘導性プロモーターは、同じ核酸配列を含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む追加のポリ核酸をさらに含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、レンチウイルスベクター産生系の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれたポリ核酸、第2の安定に組み込まれたポリ核酸または第3の安定に組み込まれたポリ核酸は、追加のポリ核酸を含む。他の実施形態では、追加のポリ核酸は、操作された細胞の第4の安定に組み込まれた異種ポリ核酸である。
【0141】
いくつかの実施形態では、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、10~25、25~50、25~100、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175、または100~200コピーのコピー数で安定に組み込まれる。
【0142】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(本明細書に記載される)安定なランディングパッドをさらに含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、HEK293細胞、HeLa細胞、BHK細胞またはSf9細胞に由来する。
【0144】
3.第3の例示的な操作された細胞
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(a)Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)およびPolをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)を含む第1の安定に組み込まれたポリ核酸;ならびに(b)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列およびRev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2の安定に組み込まれたポリ核酸を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれたポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;ならびに(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAがGag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列;およびPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれたポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれたポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2の発現カセット;ならびに(i)(本明細書に記載される)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Rev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第2のプロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含み、第3のプロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列;またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれたポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含む追加のポリ核酸をさらに含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、レンチウイルスベクター産生系の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれたポリ核酸または第2の安定に組み込まれたポリ核酸は、追加のポリ核酸を含む。他の実施形態では、追加のポリ核酸は、レンチウイルスベクター産生系の第3の安定に組み込まれたポリ核酸である。
【0149】
いくつかの実施形態では、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、10~25、25~50、25~100、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175、または100~200コピーのコピー数で安定に組み込まれる。
【0150】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(本明細書に記載される)安定なランディングパッドをさらに含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、HEK293細胞、HeLa細胞、BHK細胞またはSf9細胞に由来する。
【0152】
4.第4の例示的な操作された細胞
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(a)Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;(b)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;および(c)Revをコードする核酸配列を含む第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸を含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;ならびに(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAがGag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列;およびPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第2の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、レンチウイルスベクター産生系の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Rev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第3の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーター、第2の化学誘導性プロモーター、および第3の化学誘導性プロモーターは、同じ核酸配列を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれたポリ核酸、第2の安定に組み込まれたポリ核酸または第3の安定に組み込まれたポリ核酸は、追加のポリ核酸を含む。他の実施形態では、追加のポリ核酸は、操作された細胞の第4の安定に組み込まれた異種ポリ核酸である。
【0158】
いくつかの実施形態では、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、10~25、25~50、25~100、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175、または100~200コピーのコピー数で安定に組み込まれる。
【0159】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(本明細書に記載される)安定なランディングパッドをさらに含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、HEK293細胞、HeLa細胞、BHK細胞またはSf9細胞に由来する。
【0161】
5.第5の例示的な操作された細胞
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(a)Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;(b)Revをコードする核酸配列を含む第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;および(c)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸を含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第1の化学誘導性プロモーターの核酸配列;ならびに(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAがGag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列;およびPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第2の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)Rev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第2の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、レンチウイルスベクター産生系の化学誘導性プロモーターに結合する。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第3の化学誘導性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第3の化学誘導性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、第1の化学誘導性プロモーター、第2の化学誘導性プロモーター、および第3の化学誘導性プロモーターは、同じ核酸配列を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれたポリ核酸、第2の安定に組み込まれたポリ核酸または第3の安定に組み込まれたポリ核酸は、追加のポリ核酸を含む。他の実施形態では、追加のポリ核酸は、操作された細胞の第4の安定に組み込まれた異種ポリ核酸である。
【0167】
いくつかの実施形態では、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、10~25、25~50、25~100、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175、または100~200コピーのコピー数で安定に組み込まれる。
【0168】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(本明細書に記載される)安定なランディングパッドをさらに含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、HEK293細胞、HeLa細胞、BHK細胞またはSf9細胞に由来する。
【0170】
6.第6の例示的な操作された細胞
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(a)Gagをコードする核酸配列およびPolをコードする核酸配列を含む第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;(b)Revをコードする核酸配列を含む第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸;および(c)VSV-Gをコードする核酸配列を含む第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)第1の外因性プロモーターの核酸配列;ならびに(ii)ポリシストロニックRNAをコードする核酸配列であって、ポリシストロニックRNAがGag(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列;およびPol(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む、核酸配列を含む第1の発現カセットを含む。当業者は、上記の化学誘導性プロモーターおよび外因性プロモーターが同じ配列を有し得ることを理解するであろう。例えば、tet制御トランス活性化因子(tTA)は、小分子誘導因子の非存在下でプロモーター(例として、外因性プロモーターまたは化学誘導性プロモーター)に結合し得る。小分子リプレッサーの導入は、プロモーターへのtTAの結合を減少させ得る。
【0172】
いくつかの実施形態では、第1の外因性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第2の外因性プロモーターの核酸配列;および(ii)Rev(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第2の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第2の外因性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(i)(本明細書に記載される)第3の外因性プロモーターの核酸配列;および(ii)VSV-G(またはその機能的変異体)をコードする核酸配列を含む第3の発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、第3の外因性プロモーターは、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の安定に組み込まれた異種ポリ核酸は、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載される)選択マーカーの核酸配列をさらに含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、第1の外因性プロモーター、第2の外因性プロモーター、および第3の化学的に外因性のプロモーターは、同じ核酸配列を含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、追加のポリ核酸は操作された細胞に過渡的にトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、追加のポリ核酸は、操作された細胞に安定に組み込まれない。いくつかの実施形態では、追加のポリ核酸は、操作された細胞内のプラスミドまたはベクター上にコードされる。いくつかの実施形態では、追加のポリ核酸は、例として、その全体が参照により組み込まれる、Gossen et al.Proceedings of the National Academy of Sciences 89.12(1992):5547-5551に記載されているように、外因性プロモーターに結合するために小分子結合を必要としないテトラサイクリン制御トランス活性化因子(tTA)をコードする配列決定を含む。いくつかの実施形態では、追加のポリ核酸は、テトラサイクリン制御トランス活性化因子(tTA)またはその機能的変異体をコードする配列決定を含む。tTAの機能的変異体は、配列番号11および配列番号27~28のいずれか1つと少なくとも80%の同一性(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性)を有し、tTAの機能(例として、tTA-1(すなわち、転写活性化因子としての機能)の少なくとも80%(少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)を維持する。いくつかの実施形態では、tTAは、配列番号11および配列番号27~28からなる群から選択される。
【0177】
いくつかの実施形態では、操作された細胞のゲノムに安定に組み込まれたレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、10~25、25~50、25~100、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175、または100~200コピーのコピー数で安定に組み込まれる。
【0178】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、(本明細書に記載される)安定なランディングパッドをさらに含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、HEK293細胞、HeLa細胞、BHK細胞またはSf9細胞に由来する。
【0180】
III.キット
いくつかの態様では、本開示は、本明細書のパートIに記載のレンチウイルスベクター産生系を含むキットに関する。
【0181】
いくつかの実施形態では、本キットは、レンチウイルスベクター産生系をまとめて含む1つ以上のポリ核酸を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、本キットは、パートIIに記載される操作された細胞を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、本キットは、移入ポリ核酸を含む。本明細書に記載の移入ポリ核酸は、レンチウイルス長タンデム反復(LTR)の核酸配列が5'末端および3'末端で隣接する中央核酸配列を含む。例示的なレンチウイルスLTRは、当業者に公知である。
【0184】
移入ポリ核酸の中心核酸は、マルチクローニングサイトの核酸配列を含み得る。例示的なマルチクローニングサイトは、当業者に公知である。マルチクローニングサイトは、宿主細胞においてウイルスベクターを生成する前に、ペイロード分子(または目的の遺伝子)-またはペイロード分子をコードする発現カセット-を移入ポリ核酸にクローニングするために使用されることができる。
【0185】
いくつかの実施形態では、本キットは、(セクションII(A)に記載される)操作された細胞に安定に組み込まれることが可能なランディングパッドをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ランディングパッドはベクター内に含まれる。いくつかの実施形態では、移入核酸はランディングパッドに組み込まれることができる。
【0186】
いくつかの実施形態では、本キットは、(本明細書に記載される構成的または誘導性)プロモーターに作動可能に連結されたインテグラーゼをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、インテグラーゼをコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、本キットはインテグラーゼタンパク質を含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、本キットは、レンチウイルスベクター産生の化学誘導性プロモーターに対応する小分子誘導因子をさらに含む。いくつかの実施形態では、小分子誘導因子は、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、クメート、ABA、CRY2-CIB1、DAPG、ミフェプリストン、ラクトース、またはアラビノースである。いくつかの実施形態では、本キットは、本明細書に記載されるテトラサイクリン制御トランス活性化因子(tTA)またはその変異体をコードする核酸配列を含むポリ核酸(例として、ベクターまたはプラスミド)を含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、キットは、操作された細胞を含み、操作された細胞は、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Revをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、またはそれらの組み合わせに作動可能に連結された配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)およびRevをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)はそれぞれ、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターのうちの2つ以上が異なる。
【0189】
いくつかの実施形態では、キットは、操作された細胞を含み、操作された細胞は、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Revをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、またはそれらの組み合わせに作動可能に連結された配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)およびRevをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)はそれぞれ、配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターのうちの2つ以上が異なる。
【0190】
いくつかの実施形態では、本キットは、(セクションII(A)に記載される)ランディングパッドを含む操作された細胞を含む。いくつかの実施形態では、移入核酸はランディングパッドに組み込まれることができる。
【0191】
いくつかの実施形態では、本キットは、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、レンチウイルスベクター産生系の化学誘導性プロモーターに結合し、任意選択で、操作された細胞は、転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、小分子誘導因子ドキシサイクリン、テトラサイクリン、DAPG、クマートラクトース、またはアラビノースを含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、本キットは、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含み、転写活性化因子は、小分子誘導因子の存在下で発現されると、レンチウイルスベクター産生系の化学誘導性プロモーターに結合し、任意選択で、操作された細胞は、転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~12のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本キットは小分子誘導因子ドキシサイクリンまたはテトラサイクリンを含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、キットは、プロモーターの核酸配列に作動可能に連結された転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含み、転写活性化因子は、レンチウイルスベクター産生系の外因性プロモーターに結合し、任意選択で、操作された細胞は、(例として、テトラサイクリン制御トランス活性化因子(tTA)をコードする)転写活性化因子の核酸配列を含むポリ核酸を含む。
【0194】
IV.方法
いくつかの態様では、本開示は、操作された細胞(例として、本明細書に記載された操作された細胞)においてレンチウイルスベクターを産生する方法に関する。いくつかの実施形態では、本方法は、操作された細胞において、Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)およびRev(またはその機能的変異体)を発現させることを含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、誘導性レンチウイルスベクター産生系(本明細書に記載される)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、操作された細胞は、Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)、Rev(またはその機能的変異体)、またはそれらの組み合わせをコードする核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載された)化学誘導性プロモーターの核酸配列を含む異種ポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、化学誘導性プロモーターに結合する転写活性化因子を発現させること、および、操作された細胞を化学誘導性プロモーターに対応する小分子誘導因子と接触させること、を含む。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、転写活性化因子の核酸配列を含む異種ポリ核酸を取り込むように誘導される。
【0196】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Revをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、またはそれらの組み合わせに作動可能に連結された配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターを含む。
【0197】
いくつかの実施形態では、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)およびRevをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)はそれぞれ、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0198】
いくつかの実施形態では、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)およびRevをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)はそれぞれ、配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む化学誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0199】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの化学誘導性プロモーターのうちの2つ以上が異なる。
【0200】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~16のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、小分子誘導因子は、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、DAPG、クメート、ラクトース、またはアラビノースである。
【0201】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、配列番号10~12のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、小分子誘導因子はドキシサイクリンまたはテトラサイクリンである。
【0202】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は誘導性レンチウイルスベクター産生系を含み、誘導は、転写活性化因子(例として、小分子リプレッサーの非存在下で外因性プロモーターに結合することが可能な転写活性化因子)を含むポリ核酸が操作された細胞に導入されたときに起こる。例えば、いくつかの実施形態では、操作された細胞は、Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)、Rev(またはその機能的変異体)、またはそれらの組み合わせをコードする核酸配列に作動可能に連結された(本明細書に記載された)外因性プロモーターの核酸配列を含む異種ポリ核酸を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、外因性プロモーターに結合する転写活性化因子を発現させることを含み、例として、操作された細胞は、転写活性化因子の核酸配列を含む異種ポリ核酸を取り込むように誘導される。
【0203】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Revをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、またはそれらの組み合わせに作動可能に連結された配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む外因性プロモーターを含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)およびRevをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)はそれぞれ、配列番号1~9のうちの1つ以上の核酸配列を含む外因性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0205】
いくつかの実施形態では、Gagをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、Polをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)、VSV-Gをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)およびRevをコードする核酸配列(またはその機能的変異体)はそれぞれ、配列番号1~3のうちの1つ以上の核酸配列を含む外因性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0206】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、少なくとも2つの外因性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの外因性プロモーターのうちの2つ以上が異なる。
【0207】
いくつかの実施形態では、転写活性化因子は、外因性プロモーターまたはその機能的変異体(先に記載された)に結合するために小分子誘導因子を必要としないtet制御トランス活性化因子(tTA)である。
【0208】
いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクター産生系のポリ核酸は、10~25、25~50、25~100、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175または100~200コピーのコピー数でゲノムに安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、ゲノムに安定に組み込まれるレンチウイルスベクター産生系の各ポリ核酸は、10~25、25~50、25~100、50~75、50~100、50~125、50~150、50~200、75~100、75~125、75~150、75~175、75~200、100~125、100~150、100~175または100~200コピーのコピー数で安定に組み込まれる。
【0209】
いくつかの実施形態では、本方法は、操作された細胞に移入ポリ核酸を導入することをさらに含む。いくつかの実施形態では、移入ポリ核酸は、Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)およびRev(またはその機能的変異体)の発現を誘導する前に導入される。いくつかの実施形態では、移入ポリ核酸は、Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)およびRev(またはその機能的変異体)の発現を誘導するのと同時に導入される。いくつかの実施形態では、移入ポリ核酸は、Gag(またはその機能的変異体)、Pol(またはその機能的変異体)、VSV-G(またはその機能的変異体)およびRev(またはその機能的変異体)の発現を誘導した後に導入される。
【0210】
実施例
実施例1.レンチウイルスベクター産生に対する誘導性制御
VSV-G、Gag-PolおよびRevの発現を駆動する構成的プロモーター(例として、CMV)を誘導性プロモーター(例として、テトラサイクリン応答配列(TRE))で置き換えることにより、小分子誘導因子(例として、ドキシサイクリンおよび逆テトラサイクリントランスアクチベーター(rtTA)変異体)の存在下でレンチウイルスの堅牢な誘導性発現が可能になり、同時に小分子誘導因子の非存在下でレンチウイルス産生および関連する毒性が最小限に抑えられると仮定した(図1図3図6図7)。例示的なシステムでは、各遺伝子は、TREによって駆動され、SB100XIR/DRに隣接する別個のプラスミド上に存在する(図2図3)。ウイルス遺伝子を別々のプラスミドに分離すると、ゲノムが別々の部分に組み込まれ、コンピテントなレンチウイルス粒子を形成する能力を低下させることによって安全性が高まる。SB100XIR/DRは、複数の組み込み/選択が同時に行われることができるので、ランダムな組み込みと比較してゲノムへのより効率的な組み込みを可能にし、必要とされる組み込みおよび選択工程の数を減らす。
【0211】
TetOn変異体は、Das et al.Curr.Gene Ther.2016;16(3):156-67.doi:10.2174/1566523216666160524144041に記載される変異を用いる。TREプロモーターを合成した。Sleeping beauty IR/DRおよびトランスポザーゼは、Mates et al.,Nat.Genet.2009 Jun;41(6):753-61.doi:10.1038/ng.343に記載されている通りである。
【0212】
プラスミドをHEK293FT細胞にトランスフェクション表に列挙した組み合わせで同時トランスフェクトし(図4A)、レンチウイルスをトランスフェクションの48時間および/または72時間後に回収し、レンチウイルスを、HEK293FT細胞への形質導入および形質導入の72時間後のEYFP発現細胞の割合を求めることによって滴定した(図4B)。
【0213】
ゲノムに組み込まれたレンチウイルス遺伝子を有するいくつかの安定な接着性HEK293T細胞株を、レンチウイルス遺伝子および抗生物質耐性遺伝子の両方をコードするプラスミドの同時トランスフェクションによって作製し、続いて抗生物質を使用して選択した。選択および回収の後、LTR含有レンチウイルス移入プラスミドのみを使用して細胞をトランスフェクトし、ドキシサイクリンを与えるか、または与えないでおいた(図5A図5B)。
【0214】
ゲノムに組み込まれたレンチウイルス遺伝子と共にゲノムに組み込まれたLTR含有移入配列を含有する完全に安定な接着性HEK293T細胞を、同時トランスフェクションおよび抗生物質選択によって作製した。これらの完全に安定な産生細胞は、レンチウイルスの産生前にさらなる外因性DNAの添加を必要とせず、ドキシサイクリンの添加は、レンチウイルスを産生するために必要なすべてのウイルス成分を産生する。約3週間の選択後、同じ密度で播種し、様々な濃度のドキシサイクリンを添加し、誘導の72時間後にレンチウイルスを回収し、HEK293FT細胞を形質導入することによって、細胞が試験された(図8)。形質導入効率を、フローサイトメトリーを使用して測定して、EYFP発現細胞の割合を求めた。力価を、HEK293FT細胞およびトランスフェクトされなかった陰性対照細胞を使用した伝統的なトランスフェクション生産方法と比較した。ドキシサイクリンの非存在下では、安定な産生細胞は極端に小さい感染力価を生じさせるが、100nMを超えるドキシサイクリンの存在下では、一過性トランスフェクションで達成可能な力価に近い力価が得られた。安定な産生力価からの力価は、伝統的なトランスフェクション試料の力価の約86%である。
【0215】
【表1】
【0216】
【表2】
【0217】
【表3】
【0218】
他の実施形態
本明細書に開示されたすべての特徴は、任意の組み合わせで組み合わせ得る。本明細書に開示された各特徴は、同一、等価、または類似の目的を果たす代替的な特徴によって置き換えられ得る。したがって、特に他のことが明記されない限り、開示された各特徴は、等価または類似の特徴の一般的な一連の例にすぎない。
【0219】
上記の説明から、当業者は、本開示の本質的な特徴を容易に確かめることができ、その精神および範囲から逸脱することなく、本開示を様々な用途および条件に適合させるために本発明の様々な変更および修正を行うことができる。したがって、他の実施形態も特許請求の範囲内である。
【0220】
均等物
いくつかの本発明の実施形態を本明細書において記載および例示してきたが、当業者は、本明細書において記載される機能を実行し、および/または結果および/または1つ以上の利点を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想像するものと思われ、そのような変形および/または修正の各々は、本明細書において記載される本発明の実施形態の範囲内にあると考えられる。より一般的には、当業者は、本明細書において記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本発明の教示が使用される1つ以上の特定の用途に依存するものであることを容易に理解されよう。当業者は、本明細書において記載される特定の発明の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または日常的な実験のみを使用して確かめることができるものと思われる。したがって、前述の実施形態は、単なる例として提示されており、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、本発明の実施形態は、具体的に記載および特許請求されたものとは別の方法で実施され得ることを理解されたい。本開示の本発明の実施形態は、本明細書において記載される個々の特徴、系、物品、材料、キット、および/または方法に関する。さらに、2つ以上のそのような特徴、系、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、系、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、本開示の発明の範囲内に包含される。
【0221】
本明細書において定義および使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書における定義、および/または定義された用語の通常の意味を制御すると理解されるべきである。
【0222】
本明細書において開示されるすべての参考文献、特許および特許出願は、それぞれが引用されている主題に関して参照により組み込まれ、場合によっては文書全体を網羅し得る。
【0223】
本明細書および特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」および「an」は、そうでないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0224】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素、すなわち、場合によっては結合的に存在し、他の場合には選言的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」で列挙された複数の要素は、同じように、すなわちそのように結合された要素の「1つ以上」と解釈されるべきである。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外に、具体的に特定される要素に関連するか否かにかかわらず、他の要素が任意選択的に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などのオープンエンド言語と組み合わせて使用される場合、一態様では、Aのみ(B以外の要素を任意選択的に包含する)、別の態様では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を包含する)、さらに別の態様では、AおよびBの両方に(任意選択的に他の要素を包含する)などを指し得る。
【0225】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は、包括的であると判断されるべきであり、すなわち、要素の数またはリストのうちの少なくとも1つを包含するが、2つ以上も包含し、任意選択的に、追加の列挙されていない項目も包含する。「~のうちの1つのみ(onlyoneof)」または「~のうちの正確に1つ(exactlyoneof)」、または特許請求の範囲で使用される場合、「~からなる(consistingof)」などの反対のことが明確に示された用語のみが、いくつかの要素または要素のリストのうちの正確に1つの要素の包含を指す。一般に、本明細書において使用される「または」という用語は、特許請求の範囲で使用される場合、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、または「~のうちの正確に1つ」、「~から本質的になる」などの排他性の用語が先行する場合、排他的な選択肢(すなわち、「一方または他方であるが両方ではない」)を示すものとしてのみ判断されるべきであり、特許法の分野で使用される通常の意味を有するべきである。
【0226】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素のリストに関連して「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の要素のいずれか1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的に列挙されたありとあらゆる要素の少なくとも1つを必ずしも包含せず、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しないことを理解されたい。この定義はまた、具体的に特定された要素に関連するか否かにかかわらず、「少なくとも1つ」という語句が指す要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が任意選択的に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つ、任意選択的に2つ以上を包含してAを指し、Bが存在しない(およびB以外の要素を任意選択的に包含する);別の実施形態では、少なくとも1つ、任意選択的に2つ以上を包含してBを指し、Aが存在しない(およびA以外の要素を任意選択的に包含する);さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、任意選択的に2つ以上を包含してA、および少なくとも1つ、任意選択的に2つ以上を包含してB(他の要素を任意選択的に包含する)などを指すことができる。
【0227】
また、そうでないことが明確に示されていない限り、2つ以上のステップまたは行為を包含する本明細書において特許請求される任意の方法において、方法のステップまたは行為の順序は、方法のステップまたは行為が列挙される順序に必ずしも限定されないことも理解すべきである。
【0228】
特許請求の範囲および上記の明細書において、「含む(comprising)」、「包含する(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」などのすべての移行句は、オープンエンドである、すなわち、それを包含するがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。米国特許庁特許審査便覧セクション2111.03に記載されているように、「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句のみが、それぞれ限定的または準限定的な移行句であるものとする。オープンエンドの移行句(例として、「含む(comprising)」)を使用して本明細書に記載された実施形態は、代替的な実施形態では、オープンエンドの移行句によって記載された特徴「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」としても企図されることを理解されたい。例えば、本開示が「AおよびBを含む組成物」を記載する場合、本開示はまた、代替実施形態「AおよびBからなる組成物」および「AおよびBから本質的になる組成物」を企図する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【配列表】
2024514961000001.app
【国際調査報告】