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特表2024-514975APMV HNタンパク質およびFタンパク質を発現するキメラニューカッスル病ウイルス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】APMV HNタンパク質およびFタンパク質を発現するキメラニューカッスル病ウイルス
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/45 20060101AFI20240327BHJP
   C12N 15/50 20060101ALI20240327BHJP
   C12N 15/40 20060101ALI20240327BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240327BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20240327BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20240327BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240327BHJP
   C12N 7/02 20060101ALI20240327BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240327BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20240327BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240327BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240327BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240327BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20240327BHJP
   A61K 39/02 20060101ALI20240327BHJP
   A61K 39/12 20060101ALI20240327BHJP
   A61K 39/002 20060101ALI20240327BHJP
   A61K 39/215 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
C12N15/45 ZNA
C12N15/50
C12N15/40
C12N15/12
C12N7/01
C12N15/113 Z
C12N5/10
C12N7/02
A61P37/04
A61P31/00
A61P35/00
A61K48/00
A61K35/76
A61K39/00 G
A61K39/02
A61K39/12
A61K39/00 K
A61K39/002
A61K39/215
A61K39/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565511
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 US2022026185
(87)【国際公開番号】W WO2022232052
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/179,994
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/302,434
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513321467
【氏名又は名称】アイカーン スクール オブ メディシン アット マウント サイナイ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】アドルフォ ガルシア‐サストレ
(72)【発明者】
【氏名】イグナチオ メナ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター パレセ
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン クラムメル
(72)【発明者】
【氏名】ウェイナ サン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C085
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA95X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065CA24
4B065CA45
4C084AA13
4C084MA59
4C084NA14
4C084ZB091
4C084ZB092
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB311
4C084ZB312
4C085AA03
4C085BA01
4C085BA02
4C085BA07
4C085BA49
4C085BA51
4C085BA71
4C085BA74
4C085BB01
4C085EE01
4C085GG10
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087CA09
4C087CA12
4C087MA59
4C087NA14
4C087ZB09
4C087ZB26
4C087ZB31
(57)【要約】
一つの態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(「NDV」)が記載され、該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中のNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外の鳥パラミクソウイルス(APMV)のHNタンパク質または非NDV-APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外のAPMVのFタンパク質または非NDV-APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。一部の実施形態では、パッケージ化ゲノムは、抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子をさらに含む。また本明細書において、当該組み換えNDVを含む組成物、および対象において免疫応答を誘導するための当該組み換えNDVの使用も記載される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、(1)NDV HNタンパク質をコードする該ヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、該非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに(2)NDV Fタンパク質をコードする該ヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、該非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに該非NDV APMV HNタンパク質および非NDV APMV Fタンパク質はそれぞれ、NDVのHNタンパク質およびFタンパク質ではない、前記核酸配列。
【請求項2】
前記非NDV APMV Fタンパク質および非NDV APMV HNタンパク質はそれぞれ、NDF Fタンパク質およびNDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる、請求項1に記載の核酸配列。
【請求項3】
前記非NDV APMV HNは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のHNタンパク質である、請求項1に記載の核酸配列。
【請求項4】
前記非NDV APMV Fは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のFタンパク質である、請求項1または3に記載の核酸配列。
【請求項5】
前記非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科およびオルトアブラウイルス属、メタアブラウイルス属またはパラアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である、請求項1に記載の核酸配列。
【請求項6】
前記非NDV APMV Fタンパク質は、アブラウイルス亜科およびオルトアブラウイルス属、メタアブラウイルス属またはパラアブラウイルス属に由来するFタンパク質である、請求項1または5に記載の核酸配列。
【請求項7】
前記NDVゲノムは、NDV LaSota株のNP遺伝子、P遺伝子、M遺伝子、およびL遺伝子を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の核酸配列。
【請求項8】
(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、および(5)配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列、または配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列、を含む核酸配列。
【請求項9】
前記NDVヌクレオカプシドタンパク質、NDVホスホタンパク質、NDVマトリクスタンパク質、およびNDV大型ポリメラーゼは、該NDV LaSota株のものである、請求項8に記載の核酸配列。
【請求項10】
配列番号44のヌクレオチド配列を含む、またはGFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列を含む核酸配列。
【請求項11】
配列番号44のヌクレオチド配列、またはGFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列、を含む核酸配列。
【請求項12】
配列番号45のヌクレオチド配列を含む、またはGFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列を含む核酸配列。
【請求項13】
配列番号45のヌクレオチド配列、またはGFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列、を含む核酸配列。
【請求項14】
導入遺伝子をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の核酸配列。
【請求項15】
抗原をコードする導入遺伝子をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の核酸配列。
【請求項16】
前記抗原が、ウイルス、細菌、真菌、または原虫の抗原である、請求項14に記載の核酸配列。
【請求項17】
前記抗原が、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片を含む、請求項14に記載の核酸配列。
【請求項18】
前記断片が、前記SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインを含む、請求項17に記載の核酸配列。
【請求項19】
前記断片が、前記SARS-CoV-2スパイクタンパク質の細胞外ドメインを含む、請求項17に記載の核酸配列。
【請求項20】
前記抗原が、MERS-CoV抗原、呼吸器合胞体ウイルス抗原、ヒトメタニューモウイルス抗原、ラッサウイルス抗原、エボラウイルス抗原、またはニパウイルス抗原である、請求項15に記載の核酸配列。
【請求項21】
前記抗原が、がんまたは腫瘍の抗原である、請求項15に記載の核酸配列。
【請求項22】
パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(NDV)であって、該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、(1)NDV HNタンパク質をコードする該ヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、該非NDV AMPV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに(2)NDV Fタンパク質をコードする該ヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、該非NDV AMPV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに該非NDV APMV HNタンパク質および非NDV APMV Fタンパク質はそれぞれ、NDVのHNタンパク質およびFタンパク質ではない、前記組み換えNDV。
【請求項23】
前記非NDV APMV Fタンパク質および非NDV APMV HNタンパク質はそれぞれ、NDF Fタンパク質およびNDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる、請求項22に記載の組み換えNDV。
【請求項24】
前記非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科およびオルトアブラウイルス属、メタアブラウイルス属またはパラアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である、請求項22に記載の組み換えNDV。
【請求項25】
前記非NDV APMV Fタンパク質は、アブラウイルス亜科およびオルトアブラウイルス属、メタアブラウイルス属またはパラアブラウイルス属に由来するFタンパク質である、請求項22または23に記載の組み換えNDV。
【請求項26】
前記非NDV APMV HNは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のHNタンパク質である、請求項22に記載の組み換えNDV。
【請求項27】
前記非NDV APMV Fは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のFタンパク質である、請求項22または26に記載の組み換えNDV。
【請求項28】
パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(NDV)であって、該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードする該ヌクレオチド配列は、配列番号1~14のいずれか一つに記載されるcDNA配列から転写されるネガティブセンスRNA配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている、前記組み換えNDV。
【請求項29】
パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(NDV)であって、該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードする該ヌクレオチド配列は、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列から転写されるネガティブセンスRNA配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている、前記組み換えNDV。
【請求項30】
前記NDVゲノムは、NDV LaSotaのNP遺伝子、P遺伝子、M遺伝子、およびL遺伝子を含む、請求項22~29のいずれか一項に記載の組み換えNDV。
【請求項31】
前記パッケージ化ゲノムが導入遺伝子をさらに含む、請求項22~30のいずれか一項に記載の組み換えNDV。
【請求項32】
前記導入遺伝子が、ウイルス、細菌、真菌、または原虫の抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項31に記載の組み換えNDV。
【請求項33】
前記導入遺伝子が、SARS-CoV-2抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項31に記載の組み換えNDV。
【請求項34】
前記SARS-CoV-2抗原は、前記SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片を含む、請求項33に記載の組み換えNDV。
【請求項35】
前記断片が、前記SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインを含む、請求項34に記載の組み換えNDV。
【請求項36】
前記導入遺伝子が、MERS-CoV抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項31に記載の組み換えNDV。
【請求項37】
前記導入遺伝子が、呼吸器合胞体ウイルス抗原またはヒトメタニューモウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項31に記載の組み換えNDV。
【請求項38】
前記導入遺伝子が、ラッサウイルス抗原、エボラウイルス抗原、またはニパウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項31に記載の組み換えNDV。
【請求項39】
前記導入遺伝子が、がんまたは腫瘍の抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項31に記載の組み換えNDV。
【請求項40】
請求項22~31のいずれか一項に記載の組み換えNDVである第一の組み換えNDVを含む、免疫原性組成物。
【請求項41】
請求項32~38のいずれか一項に記載の組み換えNDVである第一の組み換えNDVを含む、免疫原性組成物。
【請求項42】
請求項39に記載の組み換えNDVである第一の組み換えNDVを含む、免疫原性組成物。
【請求項43】
抗原に対する免疫応答を誘導する方法であって、請求項40、41、または42に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項44】
感染性疾患を予防する方法であって、請求項40または41に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項45】
感染性疾患に対して対象に免疫を付与する方法であって、請求項40または41に記載の免疫原性組成物を該対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項46】
がんを治療する方法であって、請求項40または42に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項47】
前記組成物が、前記対象に鼻腔内投与される、請求項43~46のいずれか一つに記載の、前記方法。
【請求項48】
前記方法はさらに、パッケージ化ゲノムを含む第二の組み換えNDVを投与することをさらに含み、該第二の組み換えNDVの該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、(1)NDV HNタンパク質をコードする該ヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、該非NDV AMPV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに(2)NDV Fタンパク質をコードする該ヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、該非NDV AMPV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに該第二の組み換えNDVは、該第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる、請求項43~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記対象が、ヒトである、請求項43~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
請求項22~39のいずれか一項に記載の組み換えNDVを含む、キット。
【請求項51】
請求項1~21のいずれか一項に記載の核酸配列を含む、キット。
【請求項52】
請求項22~39のいずれか一項に記載の組み換えNDVを含む、インビトロまたはエクスビボの細胞。
【請求項53】
請求項22~39のいずれか一項に記載の組み換えNDVを含む、細胞株またはニワトリ発育卵。
【請求項54】
請求項22~39のいずれか一項に記載の組み換えNDVを増殖させる方法であって、請求項52または53に記載の細胞または発育卵を培養することを含む、前記方法。
【請求項55】
前記方法が、前記細胞または発育卵から前記組み換えNDVを単離することをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年1月24日に出願された米国仮特許出願第63/302,434号、および2021年4月26日に出願された米国仮特許出願第63/179,994号の利益を主張するものであり、これらの出願の各開示内容は、その全体で本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府が支援する研究に関する声明
本発明は、国立衛生研究所によって与えられたAI097092の下、政府の支援によって行われた。政府は本発明に特定の権利を有する。
【0003】
配列表
本出願は、2022年4月22日に作成され、サイズは147,499バイトである、06923-382-228_SEQ_LISTING.txtというタイトルのテキストとして本出願とともに提出された配列表を参照により援用する。
【0004】
1.イントロダクション
一つの態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(「NDV」)が記載され、パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中のNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外の鳥パラミクソウイルス(APMV)のHNタンパク質または非NDV-APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外のAPMVのFタンパク質または非NDV-APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。一部の実施形態では、パッケージ化ゲノムは、抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子をさらに含む。また本明細書において、当該組み換えNDVを含む組成物、および対象において免疫応答を誘導するための当該組み換えNDVの使用も記載される。
【背景技術】
【0005】
2.背景技術
ニューカッスル病ウイルス(NDV)は、パラミクソウイルス科のアブラウイルス亜科の一種であり、多くの鳥類に感染することが示されている(Alexander,DJ(1988).Newcastle disease,Newcastle disease virus--an avian paramyxovirus.Kluwer Academic Publishers:Dordrecht,The Netherlands.pp 1-22)。NDVは、ネガティブセンスの一本鎖RNAゲノムを保有しており、宿主ゲノムとの組み換えを受けず、他のウイルスとの組み換えも受けない(Alexander,DJ(1988).Newcastle disease,Newcastle disease virus--an avian paramyxovirus.Kluwer Academic Publishers:Dordrecht,The Netherlands.pp 1-22)。ゲノムRNAは、3’-NP-P-M-F-HN-L-5’の順で遺伝子を含有しており、以下に詳細に記載する。RNA編集によって生成される別のmRNAによって、NDVは、VおよびWの二つの追加タンパク質をP遺伝子から産生する。ゲノムRNAは、3’末端にリーダー配列も含有している。
【0006】
ビリオンの構造的要素には、細胞膜に由来する脂質二重層であるウイルスエンベロープが含まれる。糖タンパク質であるヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)がエンベロープから突出しており、それによって、ウイルスはヘマグルチニン活性(例えば、受容体の結合/融合)とノイラミニダーゼ活性の両方を備えることが可能となる。ウイルス膜とも相互作用する融合糖タンパク質(F)は、最初は不活性前駆体として産生され、次いで翻訳後に切断されて、二つのジスルフィド結合型ポリペプチドが生成される。活性Fタンパク質は、宿主細胞へのNDVの侵入に関与しており、ウイルスエンベロープと宿主細胞膜との融合を促進する。マトリクスタンパク質(M)は、ウイルスアセンブリに関与しており、ウイルス膜ならびにヌクレオカプシドタンパク質の両方と相互作用する。
【0007】
ヌクレオカプシドの主要なタンパク質サブユニットは、ヌクレオカプシドタンパク質(NP)であり、カプシドにらせん状の対称性を与えている。Pタンパク質およびLタンパク質が、ヌクレオカプシドと関連付けられている。リン酸化を受けるホスホタンパク質(P)は、転写制御の役割を果たしていると考えられており、メチル化、リン酸化およびポリアデニル化にも関与している可能性がある。RNA依存性RNAポリメラーゼをコードするL遺伝子は、Pタンパク質と協働して、ウイルスRNAの合成に必要とされる。ウイルスゲノムのコードキャパシティのほぼ半分を占めるLタンパク質が最大のウイルスタンパク質であり、転写および複製の両方において重要な役割を果たしている。Vタンパク質は、インターフェロンアルファを阻害し、NDVの毒性に寄与することが示されている(Huang et al.(2003).Newcastle disease virus V protein is associated with viral pathogenesis and functions as an Alpha Interferon Antagonist.Journal of Virology 77:8676-8685)。
【発明の概要】
【0008】
3.発明の概要
一つの態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、当該配列では、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、「非NDV APMV」という用語は、NDV以外のAPMVを指すために使用される。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非NDV APMV HNタンパク質はそれぞれ、NDF Fタンパク質およびNDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非NDV APMV HNタンパク質は、NDVとは異なる属に由来する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非APMV HNタンパク質は、NDVではないアブラウイルス亜科の一種に由来するFタンパク質およびHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびメタアブラウイルス属(genus metaavulavirus)に由来するFタンパク質およびHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびパラアブラウイルス属(genus paraavulavirus)に由来するFタンパク質およびHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非APMV HNタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種およびオルトアブラウイルス属(genus orthoavulavirus)に由来するFタンパク質およびHNタンパク質である。一部の実施形態では、NDVゲノムは、NDV LaSota株のNP遺伝子、P遺伝子、M遺伝子、およびL遺伝子を含む。
【0009】
一部の実施形態では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、および(5)配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列、または配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列、を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、および(5)配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列、または配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列、を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、NDVヌクレオカプシドタンパク質、NDVホスホタンパク質、NDVマトリクスタンパク質、およびNDV大型ポリメラーゼは、NDV LaSota株のものである。
【0010】
一部の実施形態では、本明細書において、配列番号44のヌクレオチド配列を含む、またはGFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、配列番号44のヌクレオチド配列、またはGFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、配列番号45のヌクレオチド配列を含む、またはGFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、配列番号45のヌクレオチド配列、またはGFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供される。
【0011】
一部の実施形態では、本明細書において、配列番号44のヌクレオチド配列に対応する、またはGFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、配列番号44のヌクレオチド配列に対応する、またはGFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、配列番号45のヌクレオチド配列に対応する、またはGFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、配列番号45のヌクレオチド配列に対応する、またはGFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む核酸配列が提供される。
【0012】
一部の実施形態では、核酸配列は導入遺伝子をさらに含む。一部の実施形態では、核酸配列は、抗原をコードする導入遺伝子をさらに含む。一部の実施形態では、抗原は、ウイルス、細菌、真菌、または原虫の抗原である。一部の実施形態では、抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片を含む。一部の実施形態では、断片は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインを含む。一部の実施形態では、断片は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の細胞外ドメインを含む。一部の実施形態では、抗原は、MERS-CoV抗原、呼吸器合胞体ウイルス抗原、ヒトメタニューモウイルス抗原、ラッサウイルス抗原、エボラウイルス抗原、またはニパウイルス抗原を含む。一部の実施形態では、抗原は、がん抗原または腫瘍抗原である。
【0013】
一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非NDV APMV HNタンパク質はそれぞれ、NDF Fタンパク質およびNDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、非NDV APMV HNは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のFタンパク質である。
【0014】
一部の実施形態では、核酸配列は、cDNA配列である。一部の実施形態では、核酸配列は、ネガティブセンス鎖RNA配列である。
【0015】
一部の実施形態では、本明細書に記載の核酸配列を含む組み換えNDVが本明細書に提供される。一部の実施形態では、本明細書に記載の非APMV Fタンパク質、本明細書に記載の非APMV-HNタンパク質、または本明細書に記載の非APMV Fタンパク質、および本明細書に記載の非APMV-HNタンパク質を含む組み換えNDVが本明細書に提供される。一部の実施形態では、非APMV Fタンパク質は、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列によってコードされる。一部の実施形態では、非APMV Fタンパク質は、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によってコードされる。一部の実施形態では、非APMV HNタンパク質は、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列によってコードされる。一部の実施形態では、非APMV HNタンパク質は、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によってコードされる。
【0016】
別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(NDV)が提供され、当該ウイルスにおいて、NDV Fタンパク質のコード配列は、NDV以外の鳥パラミクソウイルス(APMV)のFタンパク質(非NDV APMV Fタンパク質)またはそのバリアントのコード配列と置き換えられており、および/またはNDV HNタンパク質のコード配列は、NDV以外のAPMVのHNタンパク質(非NDV APMV HNタンパク質)またはそのバリアントのコード配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV AMPV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV AMPV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非NDV APMV HNタンパク質はそれぞれ、NDF Fタンパク質およびNDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非NDV APMV HNタンパク質は、NDVとは異なる属に由来する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非APMV HNタンパク質は、NDVではないアブラウイルス亜科の一種に由来するFタンパク質およびHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびメタアブラウイルス属に由来するFタンパク質およびHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびパラアブラウイルス属(genus paraavulavirus)に由来するFタンパク質およびHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非APMV HNタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種およびオルトアブラウイルス属(genus orthoavulavirus)に由来するFタンパク質およびHNタンパク質である。特定の実施形態では、NDVゲノムは、NDV LaSotaのNP遺伝子、P遺伝子、M遺伝子、およびL遺伝子を含む。特定の実施形態では、パッケージ化ゲノムは、導入遺伝子をさらに含む。一部の実施形態では、導入遺伝子は、ウイルス、細菌、真菌、または原虫の抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、導入遺伝子は、SARS-CoV-2抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、SARS-CoV-2抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片である。特定の実施形態では、SARS-CoV-2抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片を含む。特定の実施形態では、断片は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインを含む。一部の実施形態では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の断片は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の細胞外ドメインである。特定の実施形態では、導入遺伝子は、MERS-CoV抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、導入遺伝子は、呼吸器合胞体ウイルス抗原またはヒトメタニューモウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、導入遺伝子は、ラッサウイルス抗原、エボラウイルス抗原、またはニパウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、導入遺伝子は、がん抗原または腫瘍抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0017】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、NDV Fタンパク質に対する抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントと交差反応しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントに2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントに0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV F抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV F抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。
【0018】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV HNタンパク質に対する抗体が、当該非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントと交差反応しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、NDV HNタンパク質よりも、非NDV APMV NHタンパク質またはそのバリアントに2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV NHタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、NDV HNタンパク質よりも、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントに0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV HN抗体が、当該非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV HN抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。
【0019】
一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDVとは異なる属由来のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびメタアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびパラアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種およびオルトアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である。
【0020】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非NDV AMPV HNタンパク質は、同じAPMV株に由来する、または同じAPMV株から誘導される。他の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質および非NDV AMPV HNタンパク質は、異なるAPMV株に由来する、または異なるAPMV株から誘導される。
【0021】
特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(NDV)が提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1~14のいずれか一つに記載されるcDNA配列から転写されるネガティブセンスRNA配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(NDV)が提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1~14のいずれか一つに記載されるcDNA配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるcDNA配列から転写されるネガティブセンスRNA配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、NDVゲノムは、NDV LaSotaのNP遺伝子、P遺伝子、M遺伝子、およびL遺伝子を含む。特定の実施形態では、パッケージ化ゲノムは、導入遺伝子をさらに含む。一部の実施形態では、導入遺伝子は、ウイルス、細菌、真菌、または原虫の抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、導入遺伝子は、SARS-CoV-2抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、SARS-CoV-2抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片である。特定の実施形態では、SARS-CoV-2抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片を含む。特定の実施形態では、断片は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインを含む。一部の実施形態では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の断片は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の細胞外ドメインである。特定の実施形態では、導入遺伝子は、MERS-CoV抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、導入遺伝子は、呼吸器合胞体ウイルス抗原またはヒトメタニューモウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、導入遺伝子は、ラッサウイルス抗原、エボラウイルス抗原、またはニパウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、導入遺伝子は、がん抗原または腫瘍抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0022】
別の態様では、本明細書に記載の組み換えNDVを含む免疫原性組成物が本明細書において提供される。免疫原性組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含んでもよい。組成物は、10~1012PFUの本明細書に記載の組み換えNDVを含んでもよい。
【0023】
別の態様では、抗原に対する免疫応答を誘導するための方法が本明細書に提供され、当該方法は、本明細書に記載の組み換えNDVまたは本明細書に記載の免疫原性組成物を対象(例えば、ヒト対象)に投与することを含む。別の態様では、感染病を予防するための方法が本明細書に提供され、当該方法は、本明細書に記載の組み換えNDVまたは本明細書に記載の免疫原性組成物を対象(例えば、ヒト対象)に投与することを含む。別の態様では、感染性疾患に対して対象を免疫付与するための方法が本明細書に提供され、当該方法は、本明細書に記載の組み換えNDVまたは本明細書に記載の免疫原性組成物を対象(例えば、ヒト対象)に投与することを含む。別の態様では、がんを治療するための方法が本明細書に提供され、当該方法は、本明細書に記載の組み換えNDVまたは本明細書に記載の免疫原性組成物を対象(例えば、ヒト対象)に投与することを含む。一部の実施形態では、組み換えNDVまたは組成物は、対象に鼻腔内投与される。特定の実施形態では、方法はさらに、パッケージ化ゲノムを含む第二の組み換えNDVを投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVのパッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV AMPV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV AMPV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、およびこの場合において当該第二の組み換えNDVは、対象に投与された第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物は、過去にワクチン接種された、またはNDV組成物(例えば、ワクチン)を投与された対象に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物は、過去にワクチン接種された、またはAPMVをベースにした組成物(例えば、ワクチン)を投与された対象に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物は、過去にワクチン接種された、またはNDV組成物(例えば、ワクチン)およびAPMVをベースにした組成物(例えば、ワクチン)を投与された対象に投与される。
【0024】
特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771に記載されるものなどのウイルス中和アッセイにより評価されたときに、一方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVは、免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771に記載されるなどのウイルス中和アッセイにおいて、互いの複製を、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで阻害する抗体を誘導する場合、第一の組み換えNDVは、第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なるとみなされる。
【0025】
別の態様では、本明細書に記載の組み換えNDVを含むキットが本明細書に提供される。別の態様では、組み換えNDVを含むインビトロ細胞またはエクスビボ細胞が本明細書に提供される。別の態様では、本明細書に記載の組み換えNDVを含む細胞株またはニワトリ発育卵が本明細書に提供される。
【0026】
別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列を含むキットが提供され、当該配列では、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。一部の実施形態では、NDVゲノムは、NDV LaSota株のNP遺伝子、P遺伝子、M遺伝子、およびL遺伝子を含む。
【0027】
一部の実施形態では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、および(5)配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列、または配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列、を含む核酸配列を含むキットが提供される。一部の実施形態では、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、および(5)配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列、または配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列、を含む核酸配列を含むキットである。一部の実施形態では、NDVヌクレオカプシドタンパク質、NDVホスホタンパク質、NDVマトリクスタンパク質、およびNDV大型ポリメラーゼは、NDV LaSota株のものである。
【0028】
別の態様では、本明細書に記載される組み換えNDVを増殖させるための方法が本明細書に提供され、当該方法は、本明細書に記載の組み換えNDVを含む細胞または発育卵を培養することを含む。一部の実施形態では、方法は、卵または発育卵から組み換えNDVを単離することをさらに含む。
【0029】
3.1 用語
本明細書で使用される場合、数値と併せて使用されるときの「約」または「およそ」という用語は、参照される数値の1、5または10%以内の任意の数値を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、例えば免疫グロブリンなど、抗原結合部位を含有する分子を指す。抗体としては限定されないが、モノクローナル抗体、二特異性抗体、多特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、合成抗体、キメラ抗体、ポリクローナル抗体、単一ドメイン抗体、ラクダ科抗体、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド連結二特異性Fv(sdFv)、イントラボディおよび抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗体に対する抗Idおよび抗Id抗体を含む)、ならびに前述のいずれかのエピトープ結合断片が挙げられる。特に抗体としては、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫活性断片が挙げられる。免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)、またはサブクラスであってもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、NDVに関連した「異種」という用語は、自然界では天然型NDVと関連して(例えば、天然型NDVにコードされ、そのゲノムにより発現され、またはその両方)存在しない実体を指す。特定の実施形態では、異種配列は、天然型NDVと関連して存在しないタンパク質をコードする。
【0032】
本明細書で使用される場合、核酸配列もしくはヌクレオチド配列、またはアミノ酸配列に関連した「異種」という用語は、自然界では第一の核酸配列もしくはヌクレオチド配列、または第一のアミノ酸配列と関連して存在しない、第二の核酸配列もしくはヌクレオチド配列、または第二のアミノ酸配列を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「IFN欠損系」または「IFN欠損基質」という文言は、一種、二種もしくはそれ以上のタイプのインターフェロン(IFN)を産生しない、または任意のタイプのIFNを産生しない、または低レベルの一種、二種もしくはそれ以上のタイプのインターフェロン(IFN)を産生する、または低レベルの任意のIFNを産生する(すなわち、IFN能を有する系と比較して、同条件下で5~10%、10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、またはそれ以上の任意のIFN発現の低下)、または一種、二種もしくはそれ以上のタイプのIFNに反応しない、もしくは低効率に反応する、または任意のタイプのIFNに反応しない、一種、二種もしくはそれ以上のタイプのIFNに対する反応が遅延している、一種、二種もしくはそれ以上のタイプのIFNにより誘導される抗ウイルス遺伝子の活性が欠損している、または任意のタイプのIFNにより誘導される抗ウイルス遺伝子の活性が欠損している、またはそれらの任意の組み合わせである、例えば細胞、細胞株および動物、例えば、マウス、ニワトリ、七面鳥、ウサギ、ラット、ウマなどの系を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、「対象」または「患者」という用語は相互交換可能に使用される。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、動物を指す。一部の実施形態では、対象は、非霊長類(例えば、ラクダ、ロバ、シマウマ、ウシ、ウマ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット、およびマウス)および霊長類(例えば、サル、チンパンジー、およびヒト)を含む哺乳動物である。一部の実施形態では、対象は、非ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、対象は、ペット(例えば、イヌまたはネコ)または家畜(例えば、ウマ、ブタまたはウシ)である。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。他の特定の実施形態では、対象は、ウシである。特定の実施形態では、哺乳動物(例えば、ヒト)は、4~6ヶ月齢、6~12ヶ月齢、1~5歳、5~10歳、10~15歳、15~20歳、20~25歳、25~30歳、30~35歳、35~40歳、40~45歳、45~50歳、50~55歳、55~60歳、60~65歳、65~70歳、70~75歳、75~80歳、80~85歳、85~90歳、90~95歳、または95~100歳である。特定の実施形態では、対象は、鳥類ではない動物である。
【0035】
本明細書で使用される場合、(a)対象への治療法の投与の文脈における「組み合わせて」という用語は、複数の治療法の使用を指す。「組み合わせて」という用語の使用は、治療法が対象に投与される順序を制限しない。第一の治療法は、対象への第二の治療法の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週、または12週前)、同時、またはその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週、または12週後)に投与されてもよい。例えば、本明細書に記載される組み換えNDVは、別の治療法の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週、または12週前)、同時、またはその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週、または12週後)に投与されてもよい。
【0036】
本明細書で使用される場合、ウイルスのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の文脈において「野生型」という用語は、自然界に存在するウイルス株のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を指す。特に、本明細書において野生型として記載される配列は、天然型ウイルス単離株に由来する配列として公開データベースで報告されている配列である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
4.図面の簡単な説明
図1図1。組み換えキメラNDV-APMVベクターの構築戦略。ニューカッスル病ウイルス(NDVまたはAPMV-1)に相当する配列は、白色のボックスで示し、抗原的に異なる鳥パラミクソウイルス(例えば、APMV-4)に相当する配列は灰色のボックスで示す。
【0038】
図2図2A~2C。アクセプタープラスミドpNDV-F-HNlessの作製。レスキュープラスミドのpNDV-LaSotaのF遺伝子およびHN遺伝子(図2A)を、2つの固有の制限酵素部位のPmelおよびNruIを含有するショート配列によって置換して、アクセプタープラスミドのpNDV-F-HNlessを作製した(図2B)。図2Cは、機能性レスキュープラスミドを示しており、その中でNDVに由来するF遺伝子およびHN遺伝子は、図2Bのアクセプタープラスミドに再挿入され、機能性レスキュープラスミドのpNDV-LaSotaが作製された。図2A~2Cは縮尺通りには描かれていない。
【0039】
図3A-1】図3A~3B。最尤系統樹 全ゲノム配列が利用可能なすべての鳥パラミクソウイルス(NDVを除く)のFアミノ酸配列およびHNアミノ酸配列の系統樹を、それぞれ図3Aおよび3Bに示す。配列合成のために選択された14個のウイルスのFタンパク質およびHNタンパク質は太字である。
図3A-2】同上。
図3A-3】同上。
図3B-1】同上。
図3B-2】同上。
図3B-3】同上。
【0040】
図4図4A~4C。レスキュープラスミドキメラNDV-APMVの構築。 異なるAPMVに由来するFコード配列およびHNコード配列、ならびにNDV非コード隣接領域を含有する合成インサートをPCRにより増幅させた。当該PCRのプライマーは、当該FおよびHNのオープンリーディングフレームに隣接するNDV配列のシームレスな再構築を目的として設計されたプライマーを用いた。図4Aの白色のボックスは、NDV非コード隣接領域を表し、灰色のボックスは、異なるAPMVに由来するFおよびHNのコード配列を表す(正確な縮尺ではない)。図4Bは、アクセプタープラスミドpNDV-F-HNlessを示し、図4Cは、レセプタープラスミドのキメラNDV-APMVを示している。その中で合成インサートは、アクセプタープラスミドpNDV-F-HNlessのM遺伝子とL遺伝子の間に挿入された。
【0041】
図5A図5A~5H。qPCRによるウイルス複製と炎症促進性遺伝子の転写解析。がん細胞を、1MOIで感染させ、またはモック感染させ、感染後8時間および16時間でRNA抽出を行った。図5A~5Dは、Nタンパク質のmRNA発現として測定されたウイルス複製のレベルである。バーは、三つの独立した生物サンプルの平均±SDを表し、LS-L289A、APMV-4、およびrAPMV-4の順で示されている。図5E~5Hは、図5A~5Dに対応する独立した各生物サンプル(1、2、3)のIFN-b、ISG(STAT1、ISG15、MX、OAS-1)および炎症促進性サイトカイン(IL-6およびIL-1B)の誘導レベルを示すヒートマップである。個々の各遺伝子の発現レベルを、モック感染細胞に対する誘導倍率のLog10として計算した。二元配置分散分析:*p<0.05;***p<0.001;****p<0.0001;ns:有意ではない。
図5B】同上。
図5C】同上。
図5D】同上。
図5E-F】同上。
図5G-H】同上。
【0042】
図6A図6A~6B。図6Aは、鳥パラミクソウイルスのアブラウイルス亜科の系統樹を示す。この図は、Rima et al.,2019,J.Gen.Virol.100(12):1593-1594から適用された。図6Bは、NDVゲノム配列からNDV Fタンパク質およびNDV HNタンパク質をコードする配列が除去されたこと、異なる鳥パラミクソウイルスのFタンパク質およびHNタンパク質のコード配列が、NDV Fタンパク質およびNDV HNタンパク質のコード配列が除去されたNDVゲノムに挿入されたこと、および例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする導入遺伝子などの導入遺伝子がNDVゲノムに挿入されたことを示す図である。
図6B】同上。
【0043】
図7-1】図7は、系統樹中のAPMV-2およびAPMV-3の位置を示し、そしてGFPをコードする導入遺伝子を含み、APMV-2のFタンパク質およびHNタンパク質をコードする配列(キメラNDV-APMV-2-GFP)、またはAPMV-3のFタンパク質およびHNタンパク質をコードする配列(キメラNDV-APMV-3-GFP)のいずれかとNDV Fタンパク質およびNDV HNタンパク質をコードする配列が置き換えられたNDVゲノムの概略図を示す。また、GFPをコードする導入遺伝子を含むNDVゲノム(NDV-GFP)の概略図も示される。
図7-2】同上。
【0044】
図8A図8A~8B。図8Aは、キメラNDV-APMV2-GFP、およびキメラNDV-APMV3-GFPに感染したニワトリ胚線維芽細胞(CEF)細胞によるGFPの発現を示す。図8Bは、野生型(WT)NDVウイルスに対して産生されたウサギ血清を使用した血球凝集抑制(HI)試験の結果を示す。ウサギ血清のHI活性は、NDV-GFPと比較して、キメラNDV-APMV-2-GFPおよびキメラNDV-APMV-3-GFPの両方に対し、有意に低下した。
図8B】同上。
【発明を実施するための形態】
【0045】
5.発明を実施するための形態
5.1 組み換えニューカッスル病ウイルス
一つの態様では、本明細書において、組み換えNDVのパッケージ化ゲノムが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、セクション5.1.1に記載される核酸配列を含む。特定の実施形態では、セクション5.1.1に記載される核酸配列を含む組み換えNDVが本明細書に提供される。
【0046】
別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中のNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外の鳥パラミクソウイルス(APMV)のHNタンパク質または非NDV-APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、またはNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外のAPMVのFタンパク質または非NDV-APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。本明細書の特定の例では、「非NDV APMV」という用語は、NDV以外のAPMVを指すために使用される。一つの実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV HNタンパク質コード配列またはバリアントHNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、または(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV AMPV Fタンパク質コード配列またはバリアントFタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、または(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。NDVゲノムは、典型的には、N遺伝子、P遺伝子、L遺伝子、M遺伝子、HN遺伝子、およびF遺伝子を含む。
【0047】
別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、または(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、または(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0048】
別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該バリアントのHNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、または(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該バリアントのFタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントのコード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントのコード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、または(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV Fタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV HNタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0049】
別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中のNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外の鳥パラミクソウイルス(APMV)のHNタンパク質または非NDV-APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外のAPMVのFタンパク質または非NDV-APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。一つの実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMVのHNタンパク質コード配列とFタンパク質コード配列、またはバリアントのHNタンパク質コード配列とFタンパク質コード配列の前、間、および後にNDV遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV Fタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV HNタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0050】
別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMVのHNタンパク質コード配列とFタンパク質コード配列の前、間、および後にNDV遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は、自然界において同じ株のAPMVに存在する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は両方とも、自然界において同じAPMV-15株に存在する。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は、自然界において異なる株のAPMVに存在する。特定の実施形態では、非NDV Fタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV HNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0051】
別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合においてバリアントのHNタンパク質コード配列とFタンパク質コード配列の前、間、および後にNDV遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、バリアントのHNタンパク質およびFタンパク質は、同じ株のAPMVに由来する。例えば、バリアントのHNタンパク質およびFタンパク質は両方とも、同じAPMV-15株に由来してもよい。他の実施形態では、バリアントのHNタンパク質およびFタンパク質は、異なる株のAPMVに由来する。特定の実施形態では、非NDV Fタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV HNタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0052】
別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中のNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、またはNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。例えば、キメラFタンパク質およびキメラHNタンパク質の作製方法については、Park et al.,2006,PNAS May 23,2006 103(21)8203-8208、国際特許出願公開WO 2007/064802、および米国特許第9,387,242 B2号を参照のこと。一つの実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該キメラHNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、または(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該キメラFタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、または(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、非NDV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントの細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNの機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、非NDV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントの細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0053】
別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中のNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。一つの実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該キメラHNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該キメラFタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術または本明細書に記載される技術を使用して決定されてもよい。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントの細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNの機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術または本明細書に記載される技術を使用して決定されてもよい。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントの細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは、自然界において同じ株のAPMVに存在する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは両方とも、自然界において同じAPMV-15株に存在する。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは、自然界において異なる株のAPMVに存在する。
【0054】
別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは:(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)非NDV APMV ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)またはそのバリアントをコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは:(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)非NDV APMV融合(F)タンパク質またはそのバリアントをコードする転写単位、(5)NDVヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。特定の実施形態では、非NDV Fタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV HNタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0055】
別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは:(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)非NDV APMV融合(F)タンパク質またはそのバリアントをコードする転写単位、(5)非NDV APMVヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)またはそのバリアントをコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。特定の実施形態では、非NDV Fタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV HNタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0056】
一つの態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは:(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)非NDV APMV融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)非NDV APMV ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。特定の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は、自然界において同じ株のAPMVに存在する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は両方とも、自然界において同じAPMV-15株に存在する。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は、自然界において異なる株のAPMVに存在する。特定の実施形態では、非NDV Fタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV HNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0057】
別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは:(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)非NDV APMV融合(F)タンパク質のバリアントをコードする転写単位、(5)非NDV APMV ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)のバリアントをコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質およびFタンパク質のバリアントは、同じ株のAPMVに由来する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質のバリアントは両方とも、同じAPMV-15株に由来してもよい。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質のバリアントは、異なる株のAPMVに由来する。特定の実施形態では、非NDV Fタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV HNタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0058】
別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは:(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)キメラヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは:(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)キメラ融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)NDVヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。別の態様では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは:(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)キメラ融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)キメラヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、非NDV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNの機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、非NDV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは、自然界において同じ株のAPMVに存在する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは両方とも、自然界において同じAPMV-15株に存在する。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは、自然界において異なる株のAPMVに存在する。
【0059】
特定の実施形態では、非NDV APMVは、免疫学的にNDVとは異なる。特定の実施形態では、非NDV APMVとNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、他方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、当該非NDV APMVは、NDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMVとNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導する場合、非NDV APMVは、NDVと免疫学的に異なるとみなされる。特定の実施形態では、例えば以下に記載される(例えば、実施例3に記載される)アッセイなどのHIアッセイにおいて、NDV抗血清HI活性が、非NDV APMVに対して有意に低下した場合、非NDV APMVは、NDVと免疫学的に異なるとみなされる。特定の実施形態では、例えば以下に記載される(例えば、実施例3に記載される)アッセイなどのHIアッセイにおいて、NDVに対するNDV抗血清HI活性と比較して、非NDV APMVに対するNDV抗血清HI活性が、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれ以上まで低下した場合、非NDV APMVは、NDVと免疫学的に異なるとみなされる。特定の実施形態では、非NDV APMVは、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21である。
【0060】
特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)である。別の特定の実施形態では、非NDVは、APMV7/ dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV11/common_snipe/France/100212/10(アクセッション番号JQ886184)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12(アクセッション番号NC_034968)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV8/Goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV10/penguin/Falkland Islands/324/07(アクセッション番号NC_025349)である。
【0061】
一部の実施形態では、非NDV APMVは、NDVとは異なる属に由来するアブラウイルス亜科の一種である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、アブラウイルス亜科の一種に由来するが、NDVではない。一部の実施形態では、非NDV APMVは、アブラウイルス亜科の一種、およびメタアブラウイルス属である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、アブラウイルス亜科の一種、およびパラアブラウイルス属である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、アブラウイルス亜科の一種、およびオルトアブラウイルス属であるが、NDVではない。
【0062】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、NDV Fタンパク質に対する抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントと交差反応しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントに2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントに0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV F抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV F抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDVとは異なる属由来のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDVとは異なる属に由来するアブラウイルス亜科の一種に由来するFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDVではないアブラウイルス亜科の一種に由来するFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびメタアブラウイルス属に由来するFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびパラアブラウイルス属に由来するFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種およびオルトアブラウイルス属に由来するFタンパク質である。
【0063】
特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、NDV Fタンパク質に対する抗体が、当該キメラFタンパク質と交差反応しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、キメラFタンパク質に2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、キメラFタンパク質は、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、キメラFタンパク質に0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、キメラFタンパク質は、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV F抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV F抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該キメラFタンパク質を発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。
【0064】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、多塩基切断部位を含有しない。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば一つ以上のアミノ酸置換によって改変され、その結果、当該非NDV APMV Fタンパク質はもはや多塩基切断部位を含有しない。一部の実施形態では、非NDVAPMV Fタンパク質の切断部位の元の配列は、例えば、一つ以上のアミノ酸置換によって改変される。例えば、NDV Fタンパク質の289位のアミノ酸に相当する、非NDV APMV Fタンパク質のアミノ酸位置のロイシン(LaSota株Fタンパク質によりカウントされた場合)は、アラニンと置換されて、多塩基性切断部位が除去されてもよい。
【0065】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、多塩基切断部位を含有しない。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、一つ以上のアミノ酸置換を含み、その結果、当該非NDV APMV Fタンパク質はもはや多塩基切断部位を含有しない。一部の実施形態では、非NDVAPMV Fタンパク質のバリアントの切断部位の元の配列は、例えば、一つ以上のアミノ酸置換によって改変される。例えば、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、NDV Fタンパク質の289位のアミノ酸に相当する、非NDV APMV Fタンパク質のアミノ酸位置で、アラニンとロイシンのアミノ酸置換を含む(LaSota株Fタンパク質によりカウントされた場合)。
【0066】
特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、多塩基切断部位を含有しない。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、アミノ酸置換を含み、その結果、当該非NDV APMV Fタンパク質の細胞外ドメインはもはや多塩基切断部位を含有しない。一部の実施形態では、非NDVAPMV Fタンパク質の細胞外ドメインの切断部位の元の配列は、例えば、一つ以上のアミノ酸置換によって改変される。例えば、キメラタンパク質は、NDV Fタンパク質の289位のアミノ酸に相当する、非NDV APMV Fタンパク質の細胞外ドメインのアミノ酸位置で、アラニンとロイシンのアミノ酸置換を含む(LaSota株Fタンパク質によりカウントされた場合)。
【0067】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質の一つ以上の機能を保持している。
【0068】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV AMPV Fタンパク質に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、または少なくとも85%同一である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質に対し、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV AMPV Fタンパク質に対し、75%~90%、80%~95%、または90%~99.5%同一である。
【0069】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上、または2~5、2~10、5~10、5~15、5~20、10~15、または15~20個のアミノ酸変異(すなわち、付加、欠失、置換、またはそれらの任意の組み合わせ)を含有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質の20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のアミノ酸残基が他のアミノ酸で置換された(例えば、保存的置換された)非NDV APMV Fタンパク質のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、最大で約20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個の保存的置換アミノ酸残基を含む、非NDV APMV Fタンパク質のアミノ酸配列を含む。保存的アミノ酸置換の例としては、例えば、あるクラスのアミノ酸を、同じクラスの別のアミノ酸と置換することが挙げられる。特定の実施形態では、保存的置換は、ポリペプチドの構造もしくは機能、またはその両方を変化させない。アミノ酸のクラスとしては、疎水性(Met、Ala、Val、Leu、Ile)、中性親水性(Cys、Ser、Thr)、酸性(Asp、Glu)、塩基性(Asn、Gln、His、Lys、Arg)、立体構造攪乱因子(Gly、Pro)、および芳香族(Trp、Tyr、Phe)が挙げられる。
【0070】
一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質をコードする核酸配列に、高ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または典型的なストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によってコードされるポリペプチドである。ハイブリダイゼーション条件は、当業者に公知である(例えば、米国特許出願2005/0048549の例えば72段落と73段落を参照のこと)。
【0071】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質と免疫学的に異なる任意の非NDV AMPV Fタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、図3Aに示されるAPMVのFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、図3Aおよび図6Aに示される属の一種のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、APMV-2 YucaipaのFタンパク質である。他の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、APMV-2 YucaipaのFタンパク質ではない。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、aAPMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21のFタンパク質である。
【0072】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21のFタンパク質のバリアントである。
【0073】
一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して65%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して60%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して50%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して55%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して50%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して45%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して40%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して35%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して少なくとも20%または少なくとも25%の同一性を有するが、その同一性は65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、または45%未満である。一部の実施形態では、NDV Fタンパク質は、NDV LaSota Fタンパク質である。
【0074】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV HNタンパク質に対する抗体が、当該非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントと交差反応しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントよりも、当該バリアントに2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、NDV HNタンパク質よりも、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントに0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV HN抗体が、当該非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV HN抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDVとは異なる属に由来するアブラウイルス亜科の一種に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびメタアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびパラアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種およびオルトアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である。
【0075】
特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対する抗体が、当該キメラHNタンパク質と交差反応しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、NDV HNタンパク質よりも、キメラHNタンパク質に2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、キメラHNタンパク質は、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、NDV HNタンパク質よりも、キメラHNタンパク質に0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、キメラHNタンパク質は、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV HN抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV HN抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該キメラHNタンパク質を発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。
【0076】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質の一つ以上の機能を保持している。
【0077】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV AMPV HNタンパク質に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、または少なくとも85%同一である。一部の実施形態では、非NDV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質に対し、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV AMPV HNタンパク質に対し、75%~90%、80%~95%、または90%~99.5%同一である。
【0078】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上、または2~5、2~10、5~10、5~15、5~20、10~15、または15~20個のアミノ酸変異(すなわち、付加、欠失、置換、またはそれらの任意の組み合わせ)を含有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質の20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のアミノ酸残基が他のアミノ酸で置換された(例えば、保存的置換された)非NDV APMV HNタンパク質のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、最大で約20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個の保存的置換アミノ酸残基を含む、非NDV APMV HNタンパク質のアミノ酸配列を含む。保存的アミノ酸置換の例としては、例えば、あるクラスのアミノ酸を、同じクラスの別のアミノ酸と置換することが挙げられる。特定の実施形態では、保存的置換は、ポリペプチドの構造もしくは機能、またはその両方を変化させない。アミノ酸のクラスとしては、疎水性(Met、Ala、Val、Leu、Ile)、中性親水性(Cys、Ser、Thr)、酸性(Asp、Glu)、塩基性(Asn、Gln、His、Lys、Arg)、立体構造攪乱因子(Gly、Pro)、および芳香族(Trp、Tyr、Phe)が挙げられる。
【0079】
一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質をコードする核酸配列に、高ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または典型的なストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によってコードされるポリペプチドである。ハイブリダイゼーション条件は、当業者に公知である(例えば、米国特許出願2005/0048549の例えば72段落と73段落を参照のこと)。
【0080】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質と免疫学的に異なる任意の非NDV AMPV HNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、図3Bに示されるAPMVのHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、図3Bおよび図6Aに示される属の一種のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、APMV-2 YucaipaのHNタンパク質である。他の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、APMV-2 YucaipaのHNタンパク質ではない。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、aAPMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21のHNタンパク質である。
【0081】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21のHNタンパク質のバリアントである。
【0082】
一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して65%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して60%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して50%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して55%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して50%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して45%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して40%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して35%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して少なくとも20%または少なくとも25%の同一性を有するが、その同一性は65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、または45%未満である。一部の実施形態では、NDV HNタンパク質は、NDV LaSota HNタンパク質である。
【0083】
特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号1に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号2に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号3に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号4に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号5に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号6に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号7に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号8に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号9に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号10に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号11に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号12に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号13に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号14に記載されるcDNA配列のコード配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、NDVゲノムは、置換されたNDVのHNタンパク質およびFタンパク質をコードする配列、ならびに(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、および(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。
【0084】
特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号1に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号2に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号3に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号4に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号5に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号6に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号7に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号8に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号9に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号10に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号11に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号12に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号13に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号14に記載されるcDNA配列のコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列のヌクレオチド配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、NDVゲノムは、置換されたNDVのHNタンパク質およびFタンパク質をコードする配列、ならびに(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、および(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。
【0085】
当業者に公知の技術を使用して、二つのアミノ酸配列の間の同一性割合パーセント、または二つのヌクレオチド配列の間の同一性割合パーセントを決定することができる。一般的に、二つのアミノ酸配列または二つの核酸配列の同一性割合パーセントを決定するためには、最適な比較目的に対して配列が整列される(例えば、第二のアミノ酸配列または核酸配列との最適アライメントを目的として、第一のアミノ酸配列または核酸配列の配列中に、ギャップが導入され得る)。次いで、対応するアミノ酸の位置またはヌクレオチドの位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。第一の配列の位置が、第二の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占有される場合、当該分子は、その位置で同一である。二つの配列間の同一性割合パーセントは、配列によって共有される同一である位置の数の関数である(すなわち、同一性割合%=同一である重複位置の数/位置の合計数×100%)。一つの実施形態では、二つの配列は同じ長さである。特定の実施形態では、同一性割合パーセントは、アミノ酸配列またはヌクレオチド配列の全長にわたって決定される。一部の実施形態では、配列同一性の比較の長さは、比較される二つの配列の全長にわたるものであってもよい(例えば、遺伝子コード配列、またはその断片の全長)。一部の実施形態では、ヌクレオチド配列の断片は、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、または少なくとも100ヌクレオチドである。同様に、タンパク質またはその断片の全長にわたるアミノ酸配列の「配列同一性割合パーセント」も容易に決定することができる。一部の実施形態では、タンパク質の断片は、タンパク質の少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、またはそれ以上の連続アミノ酸を含む。特定の実施形態では、タンパク質の断片は、タンパク質の少なくとも75個、少なくとも100個、少なくとも125個、少なくとも150個、またはそれ以上の連続アミノ酸を含む。
【0086】
二つの配列(例えば、アミノ酸配列または核酸配列)の間の同一性割合パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して行うことができる。二つの配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの好ましい非限定的な例は、Karlin and Altschul,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87:2264 2268の、Karlin and Altschul,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:5873 5877での改変版のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215:403のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれている。例えば、スコアは100、ワード長は12などのNBLASTヌクレオチドプログラムのパラメータセットを用いてBLASTヌクレオチド検索を実施し、本明細書に記載される核酸分子に相同なヌクレオチド配列を取得することができる。例えば、スコアは50、ワード長は3などのXBLASTプログラムのパラメータセットを用いてBLASTタンパク質検索を実施し、本明細書に記載されるタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を取得することができる。Altschul et al.,1997,Nucleic Acids Res.25:3389 3402に記載されるようにGapped BLASTを利用して、ギャップ化アライメントを取得し、比較を行うことができる。あるいは、PSI BLASTを使用して、分子間の距離関係を検出する反復検索を行うことができる(同上)。BLAST、Gapped BLAST、およびPSI Blastプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる(例えば、ワールドワイドウェブ上のNational Center for Biotechnology Information(NCBI)、ncbi.nlm.nih.govを参照のこと)。配列の比較に利用される数学的アルゴリズムに関するもう一つの好ましい非限定的な例は、Myers and Miller,1988,CABIOS 4:11 17のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、GCG配列アライメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。アミノ酸配列の比較のためにALIGNプログラムを利用する場合、PAM120重量残基表、ギャップ長ペナルティ12、およびギャップペナルティ4を使用することができる。
【0087】
二つの配列間の同一性割合パーセントは、ギャップを許容の有無にかかわらず、上述と類似した技術を使用して決定することができる。同一性割合パーセントの計算において、典型的には、正確な一致のみがカウントされる。
【0088】
別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号2に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号3に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号4に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号5に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号6に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号8に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号9に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号10に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号11に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号12に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号13に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号14に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列と置き換えられている。特定の実施形態では、NDVゲノムは、置換されたNDVのHNタンパク質およびFタンパク質をコードする配列、ならびに(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、および(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。
【0089】
当業者であれば、NDVゲノムのRNA配列が、NDVゲノムをコードするcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列であることを理解するであろう。したがって、ヌクレオチド配列をその逆相補配列へと転換する任意のプログラムを利用して、NDVゲノムをコードするcDNA配列をゲノムRNA配列へと転換してもよい(例えば、www.bioinformatics.org/sms/rev_comp.html,www.fr33.net/seqedit.php、およびDNAStarを参照のこと)。よって、以下の表1および表3に提供されるヌクレオチド配列は、当業者によって、NDVゲノムのネガティブセンスRNA配列へと容易に変換され得る。
【0090】
一部の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、当業者に公知の任意のNDV株の配列である。例示的な株については、セクション5.1.2を参照のこと。特定の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、LaSota株のヌクレオチド配列である。一部の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、配列番号15に記載されるcDNA配列に対応するRNA配列を含む。特定の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、長期潜伏性株のヌクレオチド配列である。一部の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、亜病原性株のヌクレオチド配列である。特定の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、短期潜伏性株のヌクレオチド配列である。NDVゲノムのヌクレオチド配列は、cDNA配列またはRNA配列(例えば、ネガティブセンスRNAまたはポジティブセンスRNA)であってもよい。
【0091】
一部の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、配列番号44のcDNA配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む。一部の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、GFPコード配列を含まない配列番号44のcDNA配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む。一部の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、配列番号44のcDNA配列に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む。一部の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、GFPコード配列を含まない配列番号44のcDNA配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む。
【0092】
一部の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、配列番号45のcDNA配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む。一部の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、GFPコード配列を含まない配列番号45のcDNA配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む。一部の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、配列番号45のcDNA配列に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む。一部の実施形態では、本明細書において、パッケージ化ゲノムを含む組み換えNDVが提供され、当該パッケージ化ゲノムは、GFPコード配列を含まない配列番号45のcDNA配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列に対応するネガティブセンスRNA配列を含む。
【0093】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるヌクレオチド配列は、コドン最適化される。コドン最適化の情報および技術の説明については、セクション5.1.4を参照のこと。
【0094】
特定の実施形態では、組み換えNDVは、セクション6に記載されるものである。
【0095】
特定の実施形態では、本明細書に記載のパッケージ化ゲノムは、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアント以外の異種タンパク質をコードする異種配列を含まない。特定の実施形態では、本明細書に記載のパッケージ化ゲノムは、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアント以外の異種タンパク質をコードする異種配列を含まない。特定の実施形態では、本明細書に記載のパッケージ化ゲノムは、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントおよび非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアント以外の異種タンパク質をコードする異種配列を含まない。
【0096】
特定の実施形態では、本明細書に記載のパッケージ化ゲノムは、異種配列をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子をさらに含む。特定の実施形態では、本明細書に記載のパッケージ化ゲノムは、抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子をさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に記載のパッケージ化ゲノムは、二つ以上の導入遺伝子をさらに含み、各導入遺伝子は、抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。本明細書に記載のパッケージ化ゲノムに組み込まれ得る導入遺伝子の説明については、セクション5.1.3を参照のこと。一部の実施形態では、抗原は、例えば以下のセクション5.1.3に記載されるものなどのキメラタンパク質である。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVのビリオンは、本明細書に記載の導入遺伝子によってコードされる抗原を含む。
【0097】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVのビリオンは、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVのビリオンは、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVのビリオンは、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアント、および非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVのビリオンは、本明細書に記載のキメラFタンパク質を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVのビリオンは、本明細書に記載のキメラHNタンパク質を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVのビリオンは、本明細書に記載のキメラFタンパク質および本明細書に記載のキメラHNタンパク質を含む。
【0098】
一部の実施形態では、組み換えNDVのビリオン中に非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアント(例えば、APMV-4 Fタンパク質)および/または非NDV APMV HNタンパク質(例えば、APMV-4 HNタンパク質)が存在することによって、例えば非NDV APMV Fタンパク質もしくはそのバリアントおよび/または非NDV APMV HNタンパク質を含まないNDV(例えば、以下のセクション6に記載されるNDV株)と比較して、ウイルス感染細胞におけるインターフェロン(1型インターフェロン)の誘導が増加するなどの機能的な利益が得られる。一部の実施形態では、組み換えNDVのビリオン中にAPMV-4 Fタンパク質およびAPMV-4 HNタンパク質が存在することによって、例えばAPMV-4 Fタンパク質および/またはAPMV-4 HNタンパク質を含まないNDV(例えば、以下のセクション6に記載されるNDV株)と比較して、ウイルス感染細胞におけるインターフェロン(1型インターフェロン)の誘導が増加するなどの機能的な利益が得られる。特定の実施形態では、インターフェロンの誘導は、本明細書(例えば、以下のセクション6に記載)に記載されるアッセイまたは当業者に公知のアッセイにおいて、インビトロで評価される。
【0099】
5.1.1 組み換え核酸配列
一つの態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外の鳥パラミクソウイルス(APMV)のHNタンパク質または非NDV-APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、またはNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外のAPMVのFタンパク質または非NDV-APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。本明細書の特定の例では、「非NDV APMV」という用語は、NDV以外のAPMVを指すために使用される。一つの実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV HNタンパク質コード配列またはバリアントHNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、または(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV Fタンパク質コード配列またはバリアントFタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質コード配列またはバリアント非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質コード配列またはバリアント非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、または(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。NDVゲノムは、典型的には、N遺伝子、P遺伝子、L遺伝子、M遺伝子、HN遺伝子、およびF遺伝子を含む。
【0100】
別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、当該配列では、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、または(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、または(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0101】
別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、当該配列では、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合においてバリアントHNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、または(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合においてバリアントFタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントのコード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントのコード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、または(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0102】
別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外の鳥パラミクソウイルス(APMV)のHNタンパク質または非NDV-APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、NDV以外のAPMVのFタンパク質または非NDV-APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。一つの実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMVのHNタンパク質コード配列とFタンパク質コード配列、またはバリアントのHNタンパク質コード配列とFタンパク質コード配列の前、間、および後にNDV遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質コード配列またはバリアント非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質コード配列またはバリアント非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0103】
別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV APMVのHNタンパク質コード配列とFタンパク質コード配列の前、間、および後にNDV遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は、自然界において同じ株のAPMVに存在する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は両方とも、自然界において同じAPMV-15株に存在する。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は、自然界において異なる株のAPMVに存在する。特定の実施形態では、非NDV AMPV Fタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV AMPV HNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0104】
別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合においてバリアントのHNタンパク質コード配列とFタンパク質コード配列の前、間、および後にNDV遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、バリアントのHNタンパク質およびFタンパク質は、同じ株のAPMVに由来する。例えば、バリアントのHNタンパク質およびFタンパク質は両方とも、同じAPMV-15株に由来してもよい。他の実施形態では、バリアントのHNタンパク質およびFタンパク質は、異なる株のAPMVに由来する。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0105】
別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中のNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、またはNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。一つの実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該キメラHNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、または(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該キメラFタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、または(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、非NDV APMV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントの細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNの機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、非NDV APMV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントの細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0106】
別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中のNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。一つの実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該キメラHNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、および(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において当該キメラFタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域がある。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV HN遺伝子間領域である。特定の実施形態では、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の前後のNDV遺伝子間領域は、NDV F遺伝子間領域である。別の態様では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、(1)NDV HNタンパク質をコードする転写単位は、キメラHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられ、および(2)NDV Fタンパク質をコードする転写単位は、キメラFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む転写単位と置き換えられている。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術または本明細書に記載される技術を使用して決定されてもよい。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNの機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントの細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術または本明細書に記載される技術を使用して決定されてもよい。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントの細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは、自然界において同じ株のAPMVに存在する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは両方とも、自然界において同じAPMV-15株に存在する。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは、自然界において異なる株のAPMVに存在する。
【0107】
別の態様では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)非NDV APMV ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)またはそのバリアントをコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む核酸配列が提供される。別の態様では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)非NDV APMV融合(F)タンパク質またはそのバリアントをコードする転写単位、(5)NDVヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む核酸配列が提供される。特定の実施形態では、非NDV AMPV Fタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0108】
別の態様では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)非NDV APMV融合(F)タンパク質またはそのバリアントをコードする転写単位、(5)非NDV APMVヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)またはそのバリアントをコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む核酸配列が提供される。特定の実施形態では、非NDV AMPV Fタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0109】
一つの態様では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)非NDV APMV融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)非NDV APMV ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む核酸配列が提供される。特定の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は、自然界において同じ株のAPMVに存在する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は両方とも、自然界において同じAPMV-15株に存在する。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質は、自然界において異なる株のAPMVに存在する。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0110】
別の態様では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)非NDV APMV融合(F)タンパク質のバリアントをコードする転写単位、(5)非NDV APMV ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)のバリアントをコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む核酸配列が提供される。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質およびFタンパク質のバリアントは、同じ株のAPMVに由来する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質のバリアントは両方とも、同じAPMV-15株に由来してもよい。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質のバリアントは、異なる株のAPMVに由来する。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。
【0111】
別の態様では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)キメラヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む核酸配列が提供される。別の態様では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)キメラ融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)NDVヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む核酸配列が提供される。別の態様では、本明細書において、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)キメラ融合(F)タンパク質をコードする転写単位、(5)キメラヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)をコードする転写単位、および(6)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む核酸配列が提供される。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラHNタンパク質は、非NDV APMV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、非NDV APMV HNタンパク質およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV HNの機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラFタンパク質は、非NDV APMV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。非NDV APMV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、非NDV APMV Fタンパク質およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、インビトロ、インビボまたはその両方でNDVが複製するために必要とされるNDV Fタンパク質の機能のうちの一つ以上、またはすべてを有している。特定の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは、自然界において同じ株のAPMVに存在する。例えば、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは両方とも、自然界において同じAPMV-15株に存在する。他の実施形態では、非NDV APMVのHNタンパク質およびFタンパク質の細胞外ドメインは、自然界において異なる株のAPMVに存在する。
【0112】
特定の実施形態では、非NDV APMVは、免疫学的にNDVとは異なる。特定の実施形態では、非NDV APMVとNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、他方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、当該非NDV APMVは、NDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMVとNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導する場合、非NDV APMVは、NDVと免疫学的に異なるとみなされる。特定の実施形態では、例えば以下に記載される(例えば、実施例3に記載される)アッセイなどのHIアッセイにおいて、NDV抗血清HI活性が、非NDV APMVに対して有意に低下した場合、非NDV APMVは、NDVと免疫学的に異なるとみなされる。特定の実施形態では、例えば以下に記載される(例えば、実施例3に記載される)アッセイなどのHIアッセイにおいて、NDVに対するNDV抗血清HI活性と比較して、非NDV APMVに対するNDV抗血清HI活性が、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれ以上まで低下した場合、非NDV APMVは、NDVと免疫学的に異なるとみなされる。特定の実施形態では、非NDV APMVは、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20である。特定の実施形態では、非NDV APMVは、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21である。
【0113】
特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)である。別の特定の実施形態では、非NDVは、APMV7/ dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV11/common_snipe/France/100212/10(アクセッション番号JQ886184)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12(アクセッション番号NC_034968)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV8/Goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)である。別の特定の実施形態では、非NDV APMVは、APMV10/penguin/Falkland Islands/324/07(アクセッション番号NC_025349)である。
【0114】
一部の実施形態では、非NDV APMVは、NDVとは異なる属に由来するアブラウイルス亜科の一種である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、アブラウイルス亜科の一種に由来するが、NDVではない。一部の実施形態では、非NDV APMVは、アブラウイルス亜科の一種、およびメタアブラウイルス属である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、アブラウイルス亜科の一種、およびパラアブラウイルス属である。一部の実施形態では、非NDV APMVは、アブラウイルス亜科の一種、およびオルトアブラウイルス属であるが、NDVではない。
【0115】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、NDV Fタンパク質に対する抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントと交差反応しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントに2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントに0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV F抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV F抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。
【0116】
一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDVではないアブラウイルス亜科の一種に由来するFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびメタアブラウイルス属に由来するFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびパラアブラウイルス属に由来するFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種およびオルトアブラウイルス属に由来するFタンパク質である。
【0117】
特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、NDV Fタンパク質に対する抗体が、当該キメラFタンパク質と交差反応しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、キメラFタンパク質に2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、キメラFタンパク質は、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV Fタンパク質に対する抗体が、NDV Fタンパク質よりも、キメラFタンパク質に0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、キメラFタンパク質は、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV F抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV F抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該キメラFタンパク質を発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV Fタンパク質とは免疫学的に異なる。
【0118】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、多塩基切断部位を含有しない。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば一つ以上のアミノ酸置換によって改変され、その結果、当該非NDV APMV Fタンパク質はもはや多塩基切断部位を含有しない。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質の切断部位の元の配列は、例えば、一つ以上のアミノ酸置換によって改変される。例えば、NDV Fタンパク質の289位のアミノ酸に相当する、非NDV APMV Fタンパク質のアミノ酸位置のロイシン(LaSota株Fタンパク質によりカウントされた場合)は、アラニンと置換されて、多塩基性切断部位が除去されてもよい。
【0119】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、多塩基切断部位を含有しない。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、一つ以上のアミノ酸置換を含み、その結果、当該非NDV APMV Fタンパク質はもはや多塩基切断部位を含有しない。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントの切断部位の元の配列は、例えば、一つ以上のアミノ酸置換によって改変される。例えば、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、NDV Fタンパク質の289位のアミノ酸に相当する、非NDV APMV Fタンパク質のアミノ酸位置で、アラニンとロイシンのアミノ酸置換を含む(LaSota株Fタンパク質によりカウントされた場合)。
【0120】
特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、多塩基切断部位を含有しない。特定の実施形態では、キメラFタンパク質は、一つ以上のアミノ酸置換を含み、その結果、当該非NDV APMV Fタンパク質の細胞外ドメインはもはや多塩基切断部位を含有しない。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質の細胞外ドメインの切断部位の元の配列は、例えば、一つ以上のアミノ酸置換によって改変される。例えば、キメラタンパク質は、NDV Fタンパク質の289位のアミノ酸に相当する、非NDV APMV Fタンパク質の細胞外ドメインのアミノ酸位置で、アラニンとロイシンのアミノ酸置換を含む(LaSota株Fタンパク質によりカウントされた場合)。
【0121】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質の一つ以上の機能を保持している。
【0122】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV AMPV Fタンパク質に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、または少なくとも85%同一である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質に対し、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV AMPV Fタンパク質に対し、75%~90%、80%~95%、または90%~99.5%同一である。
【0123】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上、または2~5、2~10、5~10、5~15、5~20、10~15、または15~20個のアミノ酸変異(すなわち、付加、欠失、置換、またはそれらの任意の組み合わせ)を含有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質の20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のアミノ酸残基が他のアミノ酸で置換された(例えば、保存的置換された)非NDV APMV Fタンパク質のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、最大で約20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個の保存的置換アミノ酸残基を含む、非NDV APMV Fタンパク質のアミノ酸配列を含む。保存的アミノ酸置換の例としては、例えば、あるクラスのアミノ酸を、同じクラスの別のアミノ酸と置換することが挙げられる。特定の実施形態では、保存的置換は、ポリペプチドの構造もしくは機能、またはその両方を変化させない。アミノ酸のクラスとしては、疎水性(Met、Ala、Val、Leu、Ile)、中性親水性(Cys、Ser、Thr)、酸性(Asp、Glu)、塩基性(Asn、Gln、His、Lys、Arg)、立体構造攪乱因子(Gly、Pro)、および芳香族(Trp、Tyr、Phe)が挙げられる。
【0124】
一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、非NDV APMV Fタンパク質をコードする核酸配列に、高ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または典型的なストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によってコードされるポリペプチドである。ハイブリダイゼーション条件は、当業者に公知である(例えば、米国特許出願2005/0048549の例えば72段落と73段落を参照のこと)。
【0125】
一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、図3Aに示されるAPMVのFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、図3Aおよび図6Aに示される属の一種のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、APMV-2 YucaipaのFタンパク質である。他の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、APMV-2 YucaipaのFタンパク質ではない。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17のFタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21のFタンパク質である。
【0126】
特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17のFタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20のFタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質のバリアントは、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21のFタンパク質のバリアントである。
【0127】
一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して65%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して60%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して50%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して55%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して50%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して45%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して40%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して35%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質は、NDV Fタンパク質に対して少なくとも20%または少なくとも25%の同一性を有するが、その同一性は65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、または45%未満である。一部の実施形態では、NDV Fタンパク質は、NDV LaSota HNタンパク質である。
【0128】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV HNタンパク質に対する抗体が、当該非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントと交差反応しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントよりも、当該バリアントに2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、NDV HNタンパク質よりも、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントに0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV HN抗体が、当該非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントは、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV HN抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。
【0129】
一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびメタアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科の一種およびパラアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDVではない、アブラウイルス亜科の一種およびオルトアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である。
【0130】
特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対する抗体が、当該キメラHNタンパク質と交差反応しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。一部の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、NDV HNタンパク質よりも、キメラHNタンパク質に2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、キメラHNタンパク質は、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、当業者に公知のアッセイまたは本明細書に記載されるアッセイにおいて、NDV HNタンパク質に対する抗体が、NDV HNタンパク質よりも、キメラHNタンパク質に0.5log、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、またはそれより低いアフィニティで結合する場合、キメラHNタンパク質は、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、抗NDV HN抗体が、当該非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントを発現するNDVの複製を実質的に阻害しない場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、キメラHNタンパク質は、例えばChumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232、およびReynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、抗NDV HN抗体が、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、当該キメラHNタンパク質を発現するNDVの複製を阻害した場合、NDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる。
【0131】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質の一つ以上の機能を保持している。
【0132】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV AMPV HNタンパク質に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、または少なくとも85%同一である。一部の実施形態では、非NDV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質に対し、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV AMPV HNタンパク質に対し、75%~90%、80%~95%、または90%~99.5%同一である。
【0133】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上、または2~5、2~10、5~10、5~15、5~20、10~15、または15~20個のアミノ酸変異(すなわち、付加、欠失、置換、またはそれらの任意の組み合わせ)を含有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質の20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のアミノ酸残基が他のアミノ酸で置換された(例えば、保存的置換された)非NDV APMV HNタンパク質のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、最大で約20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個の保存的置換アミノ酸残基を含む、非NDV APMV HNタンパク質のアミノ酸配列を含む。保存的アミノ酸置換の例としては、例えば、あるクラスのアミノ酸を、同じクラスの別のアミノ酸と置換することが挙げられる。特定の実施形態では、保存的置換は、ポリペプチドの構造もしくは機能、またはその両方を変化させない。アミノ酸のクラスとしては、疎水性(Met、Ala、Val、Leu、Ile)、中性親水性(Cys、Ser、Thr)、酸性(Asp、Glu)、塩基性(Asn、Gln、His、Lys、Arg)、立体構造攪乱因子(Gly、Pro)、および芳香族(Trp、Tyr、Phe)が挙げられる。
【0134】
一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、非NDV APMV HNタンパク質をコードする核酸配列に、高ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または典型的なストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によってコードされるポリペプチドである。ハイブリダイゼーション条件は、当業者に公知である(例えば、米国特許出願2005/0048549の例えば72段落と73段落を参照のこと)。
【0135】
一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、図3Bに示されるAPMVのHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、図3Bおよび図6Aに示される属の一種のFタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、APMV-2 YucaipaのHNタンパク質である。他の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、APMV-2 YucaipaのHNタンパク質ではない。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17のHNタンパク質である。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20のHNタンパク質である。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21のHNタンパク質である。
【0136】
特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、AMPV-2、AMPV-3、AMPV-4、AMPV-5、AMPV-6、AMPV-7、AMPV-8、AMPV-9、AMPV-10、AMPV-11、AMPV-12、AMPV-13、AMPV-14、AMPV-15、AMPV-16、AMPV-17、AMPV-18、AMPV-19、AMPV-20、またはAMPV-21のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、Chicken/California/Yucaipa/56(アクセッション番号EU338414)などのAPMV-2のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV3/Turkey/Wisconsin/68(アクセッション番号EU782025)などのAPMV-3のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV4/duck/Hongkong/D3/75(アクセッション番号FJ177514)、)、APMV4/Duck/China/G302/2012(GenBank番号KC439346.1)、APMV4/mallard/Belgium/15129/07(GenBank番号JN571485)、APMV4/Uriah_aalge/Russia/Tyuleniy_Island/115/2015(GenBank番号KU601399.1)APMV-4/Egyptian goose/South Africa/N1468/2010(GenBank番号JX133079.1)、またはAPMV4/duck/Delaware/549227/2010(GenBank番号JX987283.1)などのAPMV-4のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-5 budgerigar/Kunitachi/74(アクセッション番号GU206351)またはAPMV5/budgerigar/Japan/TI/75(アクセッション番号LC168750)などのAPMV-5のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-6 Goose/FarEast/4440/2003(アクセッション番号EF569970)またはAPMV6/duck/HongKong/18/199/77(アクセッション番号EU622637)などのAPMV-6のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-7 dove/Tennessee/4/75(アクセッション番号FJ231524)などのAPMV-7のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-8 goose/Delaware/1053/76(アクセッション番号FJ215863)などのAPMV-8のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV9/duck/New York/22/78(アクセッション番号EU910942)などのAPMV-9のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-10 penguin/Falkland Islands/324/2007(アクセッション番号HM147142またはNC_025349)などのAPMV-10のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-11 common_snipe/France/100212/2010(アクセッション番号JQ886184)などのAPMV-11のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05(アクセッション番号KC333050)などのAPMV-12のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-14 duck/Japan/11OG0352/2011(アクセッション番号KX258200)などのAPMV-14のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-15 calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/2012(アクセッション番号KX932454)などのAPMV-15のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV17/Antarctica/107/13(アクセッション番号MK167211)などのAPMV-17のHNタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV-20 Gull/Kazakhstan/2014(アクセッション番号MF033136)などのAPMV-20のHNタンパク質のバリアントである。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質のバリアントは、例えば、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17(アクセッション番号MK67743)などのAPMV-21のHNタンパク質のバリアントである。
【0137】
一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して65%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して60%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して50%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して55%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して50%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して45%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して40%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して35%未満の同一性を有する。一部の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質は、NDV HNタンパク質に対して少なくとも20%または少なくとも25%の同一性を有するが、その同一性は65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、または45%未満である。一部の実施形態では、NDV HNタンパク質は、NDV LaSota HNタンパク質である。
【0138】
特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号1に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号2に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号3に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号4に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号5に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号6に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号7に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号8に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号9に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号10に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号11に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号12に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号13に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号14に記載されるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、NDVゲノムは、置換されたNDVのHNタンパク質およびFタンパク質をコードする配列、ならびに(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、および(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。
【0139】
特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号1に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号2に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号3に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号4に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号5に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号6に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号7に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号8に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号9に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号10に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号11に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号12に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号13に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中で、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質のコード配列は、配列番号14に記載されるコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるコード配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、NDVゲノムは、置換されたNDVのHNタンパク質およびFタンパク質をコードする配列、ならびに(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、および(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。
【0140】
別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号2に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号3に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号4に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号5に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号6に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号8に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号9に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号10に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号11に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号12に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号13に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施形態では、本明細書において、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供され、その中でNDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号14に記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている。特定の実施形態では、NDVゲノムは、置換されたNDVのHNタンパク質およびFタンパク質をコードする配列、ならびに(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、および(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む。
【0141】
当業者であれば、NDVゲノムのRNA配列が、NDVゲノムをコードするcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列であることを理解するであろう。したがって、ヌクレオチド配列をその逆相補配列へと転換する任意のプログラムを利用して、NDVゲノムをコードするcDNA配列をゲノムRNA配列へと転換してもよい(例えば、www.bioinformatics.org/sms/rev_comp.html,www.fr33.net/seqedit.php、およびDNAStarを参照のこと)。よって、以下の表1および3に提供されるヌクレオチド配列は、当業者によって、NDVゲノムのネガティブセンスRNA配列へと容易に変換され得る。一部の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、当業者に公知の任意のNDV株の配列である。例示的な株については、セクション5.1.2を参照のこと。特定の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、LaSota株のヌクレオチド配列である。特定の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、長期潜伏性株のヌクレオチド配列である。一部の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、亜病原性株のヌクレオチド配列である。特定の実施形態では、NDVゲノムのヌクレオチド配列は、短期潜伏性株のヌクレオチド配列である。NDVゲノムのヌクレオチド配列は、cDNA配列またはRNA配列(例えば、ネガティブセンスRNAまたはポジティブセンスRNA)であってもよい。
【0142】
一部の実施形態では、配列番号44のヌクレオチド配列を含む核酸配列が本明細書に提供される。一部の実施形態では、GFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列を含む核酸配列が本明細書に提供される。一部の実施形態では、本明細書において、配列番号44のヌクレオチド配列に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、GFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、GFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列、および例えば抗原などの異種配列をコードする導入遺伝子、を含む核酸配列が提供される。
【0143】
一部の実施形態では、配列番号45のヌクレオチド配列を含む核酸配列が本明細書に提供される。一部の実施形態では、GFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列を含む核酸配列が本明細書に提供される。一部の実施形態では、本明細書において、配列番号45のヌクレオチド配列に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、GFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸配列が提供される。一部の実施形態では、本明細書において、GFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列、および例えば抗原などの異種配列をコードする導入遺伝子、を含む核酸配列が提供される。
【0144】
一部の実施形態では、本明細書に記載される核酸配列またはヌクレオチド配列は、コドン最適化される。コドン最適化の情報および技術の説明については、セクション5.1.4を参照のこと。
【0145】
特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアント以外の異種タンパク質をコードする異種配列を含まない。特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアント以外の異種タンパク質をコードする異種配列を含まない。特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントおよび非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアント以外の異種タンパク質をコードする異種配列を含まない。
【0146】
特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、異種配列(例えば、異種タンパク質)をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子をさらに含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子をさらに含む。本明細書に記載の核酸配列に組み込まれ得る導入遺伝子の説明については、セクション5.1.3を参照のこと。
【0147】
特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、本明細書に記載の組み換えNDVの作製に使用される。特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、本明細書に記載の組み換えNDVの一部である。
【0148】
特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸配列またはヌクレオチド配列は、組み換え核酸配列または組み換えヌクレオチド配列である。特定の実施形態では、本明細書に記載のヌクレオチド配列または核酸配列は、DNA分子(例えば、cDNA)、RNA分子、またはDNA分子とRNA分子の組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載のヌクレオチド配列または核酸配列は、DNA分子またはRNA分子のアナログを含んでもよい。かかるアナログは、例えば、限定されないが、イノシン、メチルシトシン、シュードウリジン、またはトリチル化塩基をはじめとするヌクレオチドアナログを使用して作製することができる。かかるアナログは、例えば、ヌクレアーゼ抵抗性、または細胞膜を横断する能力の向上など、分子に有益な属性を与える修飾骨格を含むDNA分子またはRNA分子を含むこともできる。核酸配列またはヌクレオチド配列は、一本鎖、二本鎖であってもよく、一本鎖部分と二本鎖部分の両方を含んでもよく、三本鎖部分を含んでもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載のヌクレオチド配列または核酸配列は、ネガティブセンスの一本鎖RNAである。別の実施形態では、本明細書に記載のヌクレオチド配列または核酸配列は、ポジティブセンスの一本鎖RNAである。別の実施形態では、本明細書に記載のヌクレオチド配列または核酸配列は、cDNAである。
【0149】
特定の実施形態では、核酸配列は、単離される。特定の実施形態では、「単離された」核酸配列とは、当該核酸の天然の供給源中に存在する他の核酸分子から分離されている核酸分子を指す。言い換えると、単離された核酸配列は、自然界では関連しない異種核酸を含み得る。他の実施形態では、例えば、cDNA配列またはRNA配列などの「単離された」核酸配列は、組み換え技術によって作製されたとき、他の細胞性物質または培養培地を実質的に含み得ず、または化学合成されたとき、化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含み得ない。「細胞性物質を実質的に含まない」という用語は、単離され、または組み換え作製された細胞の細胞性構成要素から単離されている核酸配列の調製物を含む。したがって、細胞性物質を実質的に含まない核酸配列は、他の核酸が約30%未満、20%未満、10%未満、または5%未満(乾燥重量による)である核酸配列の調製物を含む。「培養培地を実質的に含まない」という用語は、培養培地が調製物の体積の約50%未満、20%未満、10%未満、または5%未満である核酸配列の調製物を含む。「化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」という用語は、核酸配列が、核酸配列の合成に関与する化学的前駆体または他の化学物質から分離されている調製物を含む。特定の実施形態では、核酸配列のかかる調製物は、対象の核酸配列以外の化学的前駆体または化合物が約50%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満(乾燥重量による)未満である。
【0150】
5.1.2 NDVの骨格
任意のNDVのタイプまたは株は、NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列がそれぞれ、非NDV APMV Fタンパク質コード配列もしくはそのバリアント、および/または非NDV HNコード配列もしくはそのバリアントと置き換えられる「骨格」としての機能を果たし得る。さらに任意のNDVのタイプまたは株は、NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはNDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列がそれぞれ、キメラFタンパク質コード配列および/またはキメラHNコード配列と置き換えられる「骨格」としての機能を果たし得る。例えば、NDVは、天然株、バリアント、変異体、突然変異させたウイルス、および/または遺伝子操作されたウイルスであってもよい。特定の実施形態では、NDVの骨格は、長期潜伏性NDVである。別の特定の実施形態では、NDV骨格は、LaSota株である。NDVの骨格として使用され得るNDV株の他の例としては、NDV Fuller、NDV Ulster株またはNDV Hitchner B1株が挙げられる。一部の実施形態では、NDV Hitchner B1株以外の長期潜伏性株が、骨格として使用される。特定の実施形態では、NDV骨格は、天然株である。特定の実施形態では、NDV骨格は、溶解性(lytic)株である。他の実施形態では、NDV骨格は、非溶解性株である。特定の実施形態では、NDV骨格は、長期潜伏性株である。一部の実施形態では、NDV骨格は、亜病原性株である。他の実施形態では、NDV骨格は、短期潜伏性株である。NDV株の具体的な例としては限定されないが、73-T株、NDV HUJ株、Ulster株(例えば、GenBank番号U25837を参照のこと)、Fuller株、MTH-68株、Italien株(例えば、GenBank番号EU293914を参照のこと)、Hickman株(例えば、Genbank番号AF309418を参照のこと)、PV701株、Hitchner B1株(例えば、GenBank番号AF309418またはNC_002617を参照のこと)、La Sota株(例えば、GenBank番号AY845400、AF07761.1、およびJF950510.1、ならびにGI番号56799463を参照のこと)、YG97株(例えば、GenBank番号AY351959またはAY390310を参照のこと)、MET95株(例えば、GenBank番号AY143159を参照のこと)、Roakin株(例えば、GenBank番号AF124443を参照のこと)、およびF48E9株(例えば、GenBank番号AF163440およびU25837)が挙げられる。特定の実施形態では、NDV骨格は、Hitchner B1株である。別の実施形態では、NDV骨格は、GenBank番号AF309418またはNC_002617により識別されるB1株である。別の特定の実施形態では、NDV骨格は、La Sota株である。特定の実施形態では、La Sotaゲノムのヌクレオチド配列は、配列番号15に記載されるcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列を含む。別の実施形態では、NDV骨格は、GenBank番号AY845400、AF07761.1またはJF950510.1により識別されるLaSota株である。
【0151】
当業者であれば、NDVゲノムのRNA配列が、NDVゲノムをコードするcDNA配列のネガティブセンスに対応するRNA配列であることを理解するであろう。したがって、ヌクレオチド配列をその逆相補配列へと転換する任意のプログラムを利用して、NDVゲノムをコードするcDNA配列をゲノムRNA配列へと転換してもよい(例えば、www.bioinformatics.org/sms/rev_comp.html,www.fr33.net/seqedit.php、およびDNAStarを参照のこと)。
【0152】
特定の実施形態では、NDV骨格は、当業者に公知の技術により評価されたとき、鳥類において病原性ではない。ある特定の実施形態では、NDV骨格は、1日齢のひよこへのウイルスの頭蓋内注射、ならびに8日間のスコア評価としての発症および死亡により評価されたときに、病原性ではない。一部の実施形態では、NDV骨格は、頭蓋内病原性指数が、0.7未満、0.6未満、0.5未満、0.4未満、0.3未満、0.2未満、または0.1未満である。特定の実施形態では、NDV骨格は、頭蓋内病原性指数がゼロである。例えば、当該アッセイの説明については、OIE Terrestrial Manual 2012,Chapter 2.3.14,entitled “Newcastle Disease(Infection With Newcastle Disease Virus)を参照のこと。これは以下のウェブサイトに見出すことができ、その全体で参照により本明細書に援用される(www.oie.int/fileadmin/Home/eng/Health_standards/tahm/2.03.14_NEWCASTLE_DIS.pdf)。
【0153】
特定の実施形態では、NDV骨格は、当業者に公知の技術により評価されたときに、鳥類において病原性であるとみなされないよう遺伝子操作された亜病原性株である。特定の実施形態では、NDV骨格は、当業者に公知の技術により評価されたときに、鳥類において病原性であるとみなされないよう遺伝子操作された短期潜伏性株である。
【0154】
好ましい実施形態では、NDV骨格は、ヒトまたはウシにおいて非病原性である。好ましい実施形態では、NDV骨格は、ヒト、ウシ、および鳥類において非病原性である。特定の実施形態では、NDVは少なくとも部分的には感染性を保持し、インビボで複製することができるが、生じる力価は低く、非病原性の無症候性レベルの感染を引き起こすように、NDV骨格が弱毒化される(例えば、Khattar et al.,2009,J.Virol.83:7779-7782を参照のこと)。そのような弱毒化NDVは、例えば生ワクチンなど、対象にウイルスが投与されて免疫原としての機能を果たすような実施形態に特に適し得る。ウイルスは当分野に公知の任意の方法で弱毒化され得る。特定の実施形態では、NDVゲノムは、子孫が産生され、感染レベルが無症候性であるように弱毒化されたウイルスの感染と複製に必要な配列を含む。
【0155】
5.1.3 導入遺伝子
特定の実施形態では、抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子が、本明細書(例えば、セクション5.1.1またはセクション6)に記載の核酸配列に組み込まれ、当該配列は、NDV Fタンパク質コード配列および/またはNDV HNタンパク質コード配列が本明細書に記載されるように置き換えられているNDVゲノムのヌクレオチド配列を含む。導入遺伝子は、NDV Fタンパク質コード配列および/またはNDV HNタンパク質コード配列が本明細書に記載されるように置き換えられている任意のNDVのタイプまたは株(例えば、NDV LaSota株)のNDVゲノムのヌクレオチド配列に挿入され得る。当業者であれば、抗原の配列情報を使用して、NDV Fタンパク質コード配列および/またはNDV HNタンパク質コード配列が本明細書に記載されるように置き換えられている任意のNDVのタイプまたは株のNDVゲノムのヌクレオチド配列に組み込むための導入遺伝子を作製することができるであろう。核酸コードの縮重を考慮すると、同じ抗原をコードし得る多数の異なる核酸配列が存在する。特定の実施形態では、抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子は、コドン最適化される。特定の実施形態では、抗原のコード配列は、コドン最適化される。コドン最適化に関する検討については、例えば以下のセクション5.1.4を参照のこと。抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子は、任意の二つのNDV転写単位の間(例えば、NDV のP転写単位とM転写単位の間、またはHN転写単位とL転写単位の間)に組み込まれ得る。NDVゲノムに組み込まれる本明細書に記載の導入遺伝子は、本明細書に記載の組み換えNDVに感染した細胞によって、当該導入遺伝子によりコードされる抗原を発現させる。
【0156】
別の実施形態では、キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子が本明細書に記載され、当該キメラ抗原は、抗原の細胞外ドメインならびにNDV Fタンパク質膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV Fタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、抗原の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラタンパク質は、抗原の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。特定の実施形態では、抗原の膜貫通ドメインの一個、二個、またはそれ以上のアミノ酸残基、ただし、抗原の膜貫通ドメインの10個未満のアミノ酸残基が、キメラ抗原の一部である。抗原およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、抗原およびNDV Fタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。例えば、キメラ抗原の作製方法については、Park et al.,2006,PNAS May 23,2006 103(21)8203-8208、国際特許出願公開WO2007/064802、およびU.S.9,387,242 B2を参照のこと。特定の実施形態では、キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子が本明細書に記載され、当該キメラ抗原は、クラスIタンパク質抗原の細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。
【0157】
別の実施形態では、キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子が本明細書に記載され、当該キメラ抗原は、抗原の細胞外ドメインならびにNDV HNタンパク質膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。言い換えると、NDV HNタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメインは、抗原の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを置き換えており、そのため、キメラタンパク質は、抗原の膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含まない。特定の実施形態では、抗原の膜貫通ドメインの一個、二個、またはそれ以上のアミノ酸残基、ただし、抗原の膜貫通ドメインの10個未満のアミノ酸残基が、キメラ抗原の一部である。抗原およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインは、当業者に公知の技術を使用して決定されてもよい。例えば、公開されている情報、GenBank、または例えばVIPR virus pathogen website(www.viprbrc.org)などのウェブサイト、DTU Bioinformatics domain website(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、または膜貫通ドメインの決定に利用可能なプログラムを使用して、抗原およびNDV HNタンパク質の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインならびに細胞質ドメインを決定してもよい。例えば、キメラ抗原の作製方法については、Park et al.,2006,PNAS May 23,2006 103(21)8203-8208、国際特許出願公開WO2007/064802、およびU.S.9,387,242 B2を参照のこと。特定の実施形態では、キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子が本明細書に記載され、当該キメラ抗原は、クラスIIタンパク質抗原の細胞外ドメイン、ならびにNDV HNタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。
【0158】
特定の実施形態では、導入遺伝子は、キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含み、当該キメラ抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質細胞外ドメインまたはその断片(例えば、受容体結合ドメインを含む断片)、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。一部の実施形態では、導入遺伝子は、キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含み、当該キメラ抗原は、hMPV Fタンパク質細胞外ドメインまたはその断片、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、導入遺伝子は、キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含み、当該キメラ抗原は、RSV Fタンパク質細胞外ドメインまたはその断片、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。
【0159】
導入遺伝子は、NDV Fタンパク質コード配列および/またはNDV HNタンパク質コード配列が本明細書に記載されるように置き換えられている任意のNDVのタイプまたは株(例えば、NDV LaSota株)のNDVゲノムのヌクレオチド配列に挿入され得る。当業者であれば、キメラ抗原の配列情報を使用して、NDV Fタンパク質コード配列および/またはNDV HNタンパク質コード配列が本明細書に記載されるように置き換えられている任意のNDVのタイプまたは株のNDVゲノムのヌクレオチド配列に組み込むための導入遺伝子を作製することができるであろう。核酸コードの縮重を考慮すると、同じキメラ抗原をコードし得る多数の異なる核酸配列が存在する。特定の実施形態では、キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子は、コドン最適化される。特定の実施形態では、キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子が本明細書に記載され、当該キメラ抗原は、抗原細胞外ドメイン、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含み、当該抗原の細胞外ドメインは、コドン最適化された核酸配列によってコードされる。コドン最適化に関する検討については、例えば以下のセクション5.1.4を参照のこと。キメラ抗原をコードするヌクレオチド配列をコードする導入遺伝子は、任意の二つのNDV転写単位の間(例えば、NDVのP転写単位とM転写単位の間、またはHN転写単位とL転写単位の間)に組み込まれ得る。
【0160】
特定の実施形態では、抗原またはキメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子は、NDV制御シグナル(例えば、遺伝子末端配列、遺伝子間配列および遺伝子開始配列)およびKozak配列を含む。一部の実施形態では、抗原またはキメラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子は、NDV制御シグナル(例えば、遺伝子末端配列、遺伝子間配列および遺伝子開始配列)、Kozak配列、およびクローニングを容易にするための制限酵素部位を含む。特定の実施形態では、抗原またはキメラ抗原をコードする導入遺伝子は、NDV制御シグナル(遺伝子末端配列、遺伝子間配列および遺伝子開始配列)、Kozak配列、クローニングを容易にするための制限酵素部位、およびルールオブシックス(rule of six)との適合を確保するための非コード領域中の追加ヌクレオチドを含む。好ましい実施形態では、導入遺伝子は、ルールオブシックスに適合する。
【0161】
特定の実施形態では、抗原は、感染性疾患の抗原である。感染性疾患には、ウイルス、細菌、真菌、および原虫によって引き起こされる疾患が含まれる。一部の実施形態では、抗原は、病原体の抗原である。特定の実施形態では、抗原は、ウイルス、細菌、真菌、または原虫の抗原である。抗原は、ウイルス、細菌、真菌、原虫、または他の病原体によって発現されるタンパク質の断片であってもよい。特定の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原である。ウイルス抗原は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)抗原、ヒトメタニューモウイルス抗原、呼吸器合胞体ウイルス抗原、エボラ抗原、ラッサウイルス抗原、ニパウイルス抗原、または中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)抗原であってもよい。一部の実施形態では、ウイルス抗原は、表面糖タンパク質である。ウイルス抗原は、表面糖タンパク質またはエンベロープタンパク質の断片であってもよい。一部の実施形態では、本明細書で使用される抗原は、自然界に存在する抗原に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の同一性を有する。例えば、抗原は、天然型のウイルス抗原(例えば、SARS-CoV-2抗原、RSV抗原、エボラウイルス抗原、MERS-CoV抗原、hMPV抗原、ラッサウイルス抗原、またはニパウイルス抗原)に対し、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の同一性を有してもよい。特定の実施形態では、抗原は、パンデミックまたはエピデミックを引き起こす病原体(例えば、ウイルス、細菌など)に由来する、またはそれから誘導される抗原である。
【0162】
一つの実施形態では、ウイルス抗原は、SARS-CoV-2抗原である。別の実施形態では、ウイルス抗原は、SARS-CoV-2のヌクレオカプシドタンパク質またはその断片である。本明細書で使用される場合、「SARS-CoV-2のヌクレオカプシド」という用語は、当業者に公知のSARS-CoV-2のヌクレオカプシドを指す。特定の実施形態では、ヌクレオカプシドタンパク質は、GenBankアクセッション番号MT081068.1、MT081066.1またはMN908947.3に見いだされるアミノ酸配列または核酸配列を含む。SARS-CoV-2のヌクレオカプシドタンパク質のアミノ酸配列およびSARS-CoV-2ヌクレオカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列の例に関して、例えば、GenBankアクセッション番号MN908947.3、MT447160、MT44636、MT446360、MT444593、MT444529、MT370887、およびMT334558を参照のこと。
【0163】
別の実施形態では、ウイルス抗原は、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質またはその断片である。一部の実施形態では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の断片は、当該タンパク質の受容体結合ドメインを含む(またはそれからなる)。特定の実施形態では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の断片は、当該タンパク質のS1ドメインまたはS2ドメインを含む(またはそれからなる)。一部の実施形態では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の断片は、当該タンパク質の細胞外ドメインを含む(またはそれからなる)。本明細書で使用される場合、「SARS-CoV-2スパイクタンパク質」および「SARS-CoV-2のスパイクタンパク質」という用語は、当業者に公知のSARS-CoV-2スパイクタンパク質を指す。SARS-CoV-2のスパイクタンパク質のアミノ酸配列およびSARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードするヌクレオチド配列の例に関して、例えば、GenBankアクセッション番号MN908947.3、MT447160、MT44636、MT446360、MT444593、MT444529、MT370887、およびMT334558を参照のこと。特定の実施形態では、スパイクタンパク質は、GenBankアクセッション番号MN908947.3に見いだされるアミノ酸配列または核酸配列を含む。特定の実施形態では、スパイクタンパク質は、SARS-CoV-2のバリアントのアミノ酸配列または核酸配列を含む。一部の実施形態では、スパイクタンパク質は、B.1.1.7のアミノ酸配列または核酸配列を含む。特定の実施形態では、スパイクタンパク質は、20I/501Y.V1(BEI参照単離株NR-54000)のアミノ酸配列または核酸配列を含む。一部の実施形態では、スパイクタンパク質は、P.1のアミノ酸配列または核酸配列を含む。特定の実施形態では、スパイクタンパク質は、20J/501Y.V3(BEI参照単離株NR-54982)のアミノ酸配列または核酸配列を含む。一部の実施形態では、スパイクタンパク質は、B.1.351のアミノ酸配列または核酸配列を含む。特定の実施形態では、スパイクタンパク質は、20H/501.V2(BEI参照単離株NR-54009)のアミノ酸配列または核酸配列を含む。一部の実施形態では、スパイクタンパク質は、B.1.4271のアミノ酸配列または核酸配列を含む。特定の実施形態では、スパイクタンパク質は、20C/S:452Rのアミノ酸配列または核酸配列を含む。一部の実施形態では、スパイクタンパク質は、B.1.429のアミノ酸配列または核酸配列を含む。特定の実施形態では、スパイクタンパク質は、20C/S:452Rのアミノ酸配列または核酸配列を含む。典型的なスパイクタンパク質は、S1ドメイン、受容体結合ドメイン、S2ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質ドメインを含む、当業者に公知のドメインを含む。例えば、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(特に、かかるタンパク質の構造)の説明については、Wrapp et al.,2020,Science 367:1260-1263を参照のこと。スパイクタンパク質は、シグナルペプチド(GenBankアクセッション番号MN908947.3のアミノ酸配列の1~14アミノ酸残基のシグナルペプチド)、受容体結合ドメイン(例えば、GenBankアクセッション番号MN908947.3の319~541アミノ酸残基の受容体結合ドメイン)、細胞外ドメイン(例えば、GenBankアクセッション番号MN908947.3の15~1213アミノ酸残基の細胞外ドメイン)、並びに膜貫通ドメインおよび細胞質ドメイン(例えば、GenBankアクセッション番号MN908947.3の1214~1273アミノ酸残基)を有することを特徴とし得る。特定の実施形態では、ウイルス抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の断片である。断片は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインを含んでもよい。断片は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のS1ドメイン、S2ドメイン、または細胞外ドメインを含んでもよい。「SARS-CoV-2スパイクタンパク質」という用語は、例えばシグナルペプチド切断、ジスルフィド結合形成、グリコシル化(例えば、N結合型グリコシル化)、プロテアーゼ切断、および脂質修飾(例えば、S-パルミトイル化)などの翻訳後プロセッシングにより改変されるSARS-CoV-2スパイクポリペプチドを包含する。一部の実施形態では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質は、シグナル配列を含む。他の実施形態では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質は、シグナル配列を含まない。シグナル配列は、天然シグナルペプチド配列またはそのバリアントであってもよい。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のシグナルペプチドである。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のシグナルペプチドに対して異種であるである。
【0164】
一部の実施形態では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質細胞外ドメインの誘導体、ならびにNDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含むSARS-CoV-2抗原が本明細書に提供され、当該誘導体は、(1)GenBankアクセッション番号MN908947.3に見いだされるSARS-CoV-2スパイクタンパク質のアミノ酸残基817、892、899、942、986、および987に対応するアミノ酸残基が、プロリンに置換されている、および(2)多塩基性切断部位が不活化されるようにアミノ酸残基682~685に対応するアミノ酸残基が置換されている、SARS-CoV-2スパイクタンパク質細胞外ドメインを含む。特定の実施形態では、多塩基性切断部位は、例えば、フーリン(furin)などにより当該部位が切断され得ない場合、不活化されている。特定の実施形態では、GenBankアクセッション番号MN908947.3に見いだされるSARS-CoV-2スパイクタンパク質のアミノ酸残基682~685の多塩基性切断部位に対応するアミノ酸残基は、単一のアラニンで置換される。特定の実施形態では、NDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインは、リンカー配列(例えば、GGGGS(配列番号46))を介してSARS-CoV-2スパイクタンパク質細胞外ドメインの誘導体に融合される。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン(G)リンカーまたはグリシンとセリンの(GS)リンカーである。例えば、リンカーは、(GGGGS)の配列を含んでもよく、式中、nは、1、2、3、4、5またはそれ以上である(配列番号47)。別の例では、リンカーは、(G)を含んでもよく、式中、nは、2、3、4、5、6、7、8またはそれ以上である。特定の実施形態では、リンカーは、配列GGGGS(配列番号46)を含む。一部の実施形態では、NDV Fタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質細胞外ドメインの誘導体に直接融合される。特定の実施形態では、NDV Fタンパク質およびキメラFタンパク質は、NDVビリオンに組み込まれる。
【0165】
一つの実施形態では、ウイルス抗原は、ヒトメタニューモウイルス抗原である。別の実施形態では、ウイルス抗原は、ヒトメタニューモウイルスのGタンパク質またはその断片である。「ヒトメタニューモウイルスGタンパク質」および「hMPV Gタンパク質」とは、当業者に公知の任意のヒトメタニューモウイルスのGタンパク質を指す。別の実施形態では、ウイルス抗原は、ヒトメタニューモウイルスのFタンパク質またはその断片である。「ヒトメタニューモウイルスFタンパク質」および「hMPV Fタンパク質」とは、当業者に公知の任意のヒトメタニューモウイルスのFタンパク質を指す。hMPV Fタンパク質は、F0不活性前駆体として合成される。F0不活性前駆体は、細胞内成熟中に切断を必要とする。hMPV Fが切断されて、F1およびF2が形成される。hMPV Fタンパク質は、融合前および融合後で二種の立体構造で存在する。GenBank(商標)アクセッション番号AY145301.1およびKJ627437.1は、hMPV Fタンパク質をコードする核酸配列の例を提供する。GenBank(商標)アクセッション番号AAN52915.1、AHV79975.1、AGJ74035.1、およびAGZ48845.1は、hMPV Fタンパク質のアミノ酸配列の例を提供する。「hMPV Fタンパク質」および「ヒトメタニューモウイルスFタンパク質」という用語は、例えばシグナルペプチド切断、ジスルフィド結合形成、グリコシル化(例えば、N結合型グリコシル化)、プロテアーゼ切断、および脂質修飾(例えば、S-パルミトイル化)などの翻訳後プロセッシングにより改変されるhMPV Fポリペプチドを包含する。一部の実施形態では、hMPV Fタンパク質は、シグナル配列を含む。他の実施形態では、hMPV Fタンパク質は、シグナル配列を含まない。シグナル配列は、天然シグナルペプチド配列またはそのバリアントであってもよい。hMPV Fタンパク質のシグナル配列は、典型的には、18アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、hMPV Fタンパク質のシグナルペプチドである。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、hMPV Fタンパク質のシグナルペプチドに対して異種である。
【0166】
一つの実施形態では、ウイルス抗原は、RSV Gタンパク質またはその断片である。「RSV Gタンパク質」および「呼吸器合胞体ウイルスGタンパク質」とは、当業者に公知の任意の呼吸器合胞体Gタンパク質を指す。一つの実施形態では、ウイルス抗原は、RSV Fタンパク質またはその断片である。「RSV Fタンパク質」および「呼吸器合胞体ウイルスFタンパク質」とは、当業者に公知の任意の呼吸器合胞体Fタンパク質を指す。RSV Fタンパク質は、典型的にはホモ三量体として存在する。RSV Fタンパク質は、多重にN-グリコシル化されているF0不活性前駆体として合成される。F0不活性前駆体は、フーリン様プロテアーゼによる細胞内成熟中の切断を必要とする。RSV Fは、二つのフーリン部位を含有しており、フーリン様プロテアーゼにより切断されると、以下の三種のポリペプチドが生じる:F2、p27およびF1。後者はそのN末端に疎水性融合ペプチドを含有する。RSV Fタンパク質は、融合前および融合後に、二つの立体構造で存在する。RSV Fタンパク質は、ヒトRSV Fタンパク質またはウシFタンパク質であってもよい。GenBank(商標)アクセッション番号KJ155694.1、KU950686.1、KJ672481.1、KP119747、およびAF035006.1は、ヒトRSV Fタンパク質をコードする核酸配列の例を提供する。GenBank(商標)アクセッション番号AHL84194.1、AMT79817.1、AHX57603.1、AIY70220.1、およびAAC14902.1は、ヒトRSV Fタンパク質アミノ酸配列の例を提供する。GenBank(商標)アクセッション番号AF295543.1、AF092942.1、およびY17970.1は、ウシRSV Fタンパク質をコードする核酸配列の例を提供する。GenBank(商標)アクセッション番号AAL49399.1、NP_048055.1、AAC96308.1、およびCAA76980.1は、ウシRSV Fタンパク質アミノ酸配列の例を提供する。「RSV Fタンパク質」および「呼吸器合胞体ウイルスFタンパク質」という用語は、例えばシグナルペプチド切断、ジスルフィド結合形成、グリコシル化(例えば、N結合型グリコシル化)、プロテアーゼ切断、および脂質修飾(例えば、S-パルミトイル化)などの翻訳後プロセッシングにより改変されるRSV Fポリペプチドを包含する。一部の実施形態では、RSV Fタンパク質は、シグナル配列を含む。他の実施形態では、RSV Fタンパク質は、シグナル配列を含まない。シグナル配列は、天然シグナルペプチド配列またはそのバリアントであってもよい。RSV Fタンパク質のシグナル配列は、典型的には、25アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、RSV Fタンパク質のシグナルペプチドである。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、RSV Fタンパク質のシグナルペプチドに対して異種である。
【0167】
一つの実施形態では、抗原は、エボラウイルス抗原(例えば、エボラウイルス糖タンパク質GPもしくはその断片、またはエボラウイルスヌクレオカプシドもしくはその断片)である。別の実施形態では、抗原は、ラッサウイルス抗原(例えば、ラッサウイルスエンベロープ糖タンパク質GP1もしくはその断片、またはラッサウイルスエンベロープ糖タンパク質GP2もしくはその断片)である。別の実施形態では、抗原は、ニパウイルス抗原(例えば、ニパウイルスFもしくはその断片、またはニパウイルスGタンパク質もしくはその断片)である。別の実施形態では、抗原は、MERS-CoV抗原(例えば、MERS-CoVスパイクタンパク質もしくはその断片、またはヌクレオカプシドタンパク質もしくはその断片)である。
【0168】
特定の実施形態では、タンパク質の断片は、タンパク質の少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも15個、またはそれ以上の連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、タンパク質の断片は、タンパク質の少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、またはそれ以上の連続アミノ酸を含む。特定の実施形態では、タンパク質の断片は、タンパク質の少なくとも75個、少なくとも100個、少なくとも125個、少なくとも150個、またはそれ以上の連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、タンパク質の断片は、タンパク質の少なくとも175個、少なくとも200個、少なくとも250個、少なくとも300個、少なくとも350個、またはそれ以上の連続アミノ酸を含む。
【0169】
一部の実施形態では、抗原は、がん、または腫瘍抗原または腫瘍抗原(例えば、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原)である。腫瘍抗原に特徴的である抗原は、腫瘍組織の細胞の細胞表面、細胞質、核、小器官などから誘導され得る。例としては、変異したがん遺伝子によってコードされるタンパク質、腫瘍に関連するウイルスタンパク質、および糖タンパク質をはじめとする腫瘍タンパク質に特徴的な抗原が挙げられる。腫瘍としては限定されないが、唇のがん、鼻咽頭がん、咽頭がんおよび口腔がん、食道がん、胃がん、結腸がん、直腸がん、肝臓がん、胆嚢がん、膵臓がん、喉頭がん、肺がんおよび気管支がん、皮膚の黒色腫、乳がん、子宮頸がん、子宮(uterine)がん、卵巣がん、膀胱がん、腎臓がん、子宮(uterus)がん、脳および神経系の他の部分のがん、甲状腺がん、前立腺がん、精巣がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫および白血病などのタイプのがんに由来するものが挙げられる。一部の実施形態では、が抗原または腫瘍抗原は、HER2、EGFR、VEGF、CD33、CD20、ErbB2、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、APO-1、またはMUC-1である。
【0170】
5.1.4 コドン最適化
当業者に公知の任意のコドン最適化技術を使用して、本明細書に記載される核酸配列またはヌクレオチド配列をコドン最適化してもよい。コドン最適化の方法は、当分野で公知であり、例えば、OptimumGene(商標)(GenScript(登録商標)プロトコルおよびGenewiz(登録商標)プロトコルがあり、それらはその全体で参照により本明細書に組み込まれる。コドン最適化の方法については、米国特許第8,326,547号も参照されたい。当該特許は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる。
【0171】
コドン最適化の方法の例として、本明細書に記載される核酸配列またはヌクレオチド配列のオープンフレーム中の各コドンを、哺乳動物タンパク質において最も高い頻度で使用されるコドンに置き換えるものが挙げられる。日本、かずさのDepartment of Plant Gene Researchにより維持されているCodon Usage Databaseを使用する、ウェブベースのプログラム(www.encorbio.com/protocols/Codon.htm)を使用してコドン最適化を行ってもよい。哺乳動物発現に最適化された核酸配列またはヌクレオチド配列は、以下に関して調べられてもよい:(1)転写終結因子として作用する可能性がある5xA以上のストレッチの存在、(2)サブクローニングに干渉する可能性がある制限酵素部位の存在、(3)ルールオブシックスとの適合。調査後、(1)転写終結因子として作用する可能性がある5xA以上のストレッチは、同義変異と置き換えてもよい、(2)サブクローニングに干渉する可能性がある制限酵素部位は、同義変異と置き換えてもよい、(3)最適なタンパク質発現のために、NDV制御シグナル(遺伝子末端配列、遺伝子間配列、および遺伝子開始配列)およびKozak配列を付加してもよい、および(4)ルールオブシックスとの適合を確保するために、非コード領域中にヌクレオチドを付加してもよい。同義変異は、典型的には、コードされるアミノ酸を変化させないヌクレオチドの変化である。例えば、6A(AAAAAA)のストレッチの場合、当該配列はLys-Lysをコードしている。同義配列は、AAGAAGとなり、当該配列もLys-Lysをコードしている。
【0172】
5.2 NDVの構築
本明細書(例えば、セクション5.1および6を参照)に記載の組み換えNDVは、リバースジェネティクス技術を使用して作製することができる。リバースジェネティクス法には、ネガティブ鎖の非コード領域を含有する合成組み換えウイルスRNA、ウイルスポリメラーゼによる認識に必須なウイルスRNA、および成熟ビリオンを形成するために必要なパッケージングシグナルに必須なウイルスRNAを作製することが含まれる。組み換えRNAは、組み換えDNA鋳型から合成され、精製ウイルスポリメラーゼ複合体を用いてインビトロで再構築され、組み換えリボ核タンパク質(RNP)を形成し、これをトランスフェクト細胞中で使用することができる。インビトロまたはインビボのいずれかでの合成RNAの転写中にウイルスポリメラーゼタンパク質が存在している場合、より効率的なトランスフェクションが実現される。合成組み換えRNPは、感染性ウイルス粒子内にレスキューされ得る。前述の技術は、1992年11月24日に発行された米国特許第5,166,057号、1998年12月29日に発行された米国特許第5,854,037号、2000年11月14日に発行された米国特許第6,146,642号、1996年2月20日に公表された欧州特許公開EP0702085A1、米国特許出願09/152,845、1997年4月3日に公開された国際特許出願公開WO97/12032、1996年11月7日に公開されたWO96/34625、欧州特許公開EPA780475、1999年1月21日に公開されたWO99/02657、1998年11月26日に公開されたWO98/53078、1998年1月22日に公開されたWO98/02530、1999年4月1日に公開されたWO99/15672、1998年4月2日に公開されたWO98/13501、1997年2月20日に公開されたWO97/06270、および1997年6月25日に公開されたEPO780475A1に記載されている。各文献は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる。
【0173】
ヘルパーを含まないプラスミド技術を利用して、本明細書に記載されるNDVを操作することもできる。簡潔に述べると、NDV(例えば、Hitchner B1株またはLaSota株)のcDNAが構築され、プラスミドベクターに挿入され、操作されて、二つの転写単位(例えば、NDV P遺伝子とM遺伝子、またはNDV HN遺伝子とL遺伝子)の間の固有制限酵素部位を含有する。異種アミノ酸配列(例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードするヌクレオチド配列、RSV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列、キメラFタンパク質、hMPV Fタンパク質などの本明細書に記載される導入遺伝子または他の配列)をコードするヌクレオチド配列を、固有制限酵素部位でウイルスゲノム内に挿入してもよい。あるいは異種アミノ酸配列(例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードするヌクレオチド配列、RSV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列、キメラFタンパク質、hMPV Fタンパク質などの本明細書に記載される導入遺伝子または他の配列)をコードするヌクレオチド配列を、NDV転写単位内に操作挿入してもよいが、ただし当該挿入が、ウイルスの感染および複製の能力に影響を及ぼさないものとする。単一セグメントは、T7プロモーターとデルタ型肝炎ウイルスリボザイムとの間に配置されて、T7ポリメラーゼから精密にネガティブまたはポジティブの転写物が生成される。必要なウイルスタンパク質を含むプラスミドベクターおよび発現ベクターが細胞にトランスフェクトされ、組み換えウイルス粒子が生成される(例えば、国際特許出願公開01/04333、米国特許第7,442,379号、第6,146,642号、第6,649,372号、第6,544,785号、および第7,384,774号、Swayne et al.(2003).Avian Dis.47:1047-1050、ならびにSwayne et al.(2001).J.Virol.11868-11873を参照のこと。当該文献はそれぞれ、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる)。
【0174】
単一のmRNAから複数のタンパク質を生成するためのバイシストロニック技術は、当業者に公知である。バイシストロニック技術は、IRES配列を使用することにより、単一のRNAに、複数のタンパク質のコード配列を操作挿入することを可能にする。IRES配列は、RNA分子へのリボソームの内部リクルートを指示し、キャップ非依存性の下流翻訳を可能にする。簡潔に述べると、一つのタンパク質のコード領域が、第二のタンパク質のORFの下流に挿入される。挿入は、IRESと、適切な発現および/または機能に必要な任意の非翻訳シグナル配列に隣接される。挿入は、第二のタンパク質のオープンリーディングフレーム、ポリアデニル化、または転写プロモーターを妨げてはならない(例えば、Garcia-Sastre et al.,1994,J.Virol.68:6254-6261およびGarcia-Sastre et al.,1994 Dev.Biol.Stand.82:237-246を参照のこと。各文献は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる)。
【0175】
導入遺伝子をコードし、当該導入遺伝子(例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質、RSV Fタンパク質、キメラFタンパク質、hMPV Fタンパク質をコードする導入遺伝子)によりコードされた異種タンパク質を発現する組み換えNDVをクローニングする方法は、当業者に公知であり、例えば、NDVゲノム内に挿入操作された制限酵素部位に導入遺伝子を挿入すること、NDV RNA-依存性-RNAポリメラーゼにより認識させるために、導入遺伝子中に適切なシグナル(例えば、NDVポリメラーゼに前の遺伝子の末端と導入遺伝子の開始部位を認識させることを可能にする、導入遺伝子のオープンリーディングフレームの上流配列であって、これは、例えば、一ヌクレオチド遺伝子間配列により間隔を空けられてもよい)を含有させること、(例えば、真核細胞リボソーム翻訳を改善するために)有効なKozak配列を含有させること、「NDVクローニング」のルールオブシックスを満たす導入遺伝子を組み込むこと、およびサイレンと変異を含有させて、無関係な遺伝子末端を除去し、および/または導入遺伝子内の遺伝子開始配列を除去すること、がある。ルールオブシックスに関し、当業者であれば、NDV(および通常は、パラミクソウイルス科のほとんどの種)の効率的な複製は、ゲノム長が六の倍数であることに依存しており、これが「ルールオブシックス」として知られていることを理解するであろう(例えば、Calain,P.& Roux,L.The rule of six,a basic feature of efficient replication of Sendai virus defective interfering RNA.J.Virol.67,4822-4830(1993)を参照のこと)。したがって、本明細書に記載の組み換えNDVを構築する場合、NDVクローニングに関して「ルールオブシックス」を満たすよう注意しなければならない。NDVクローニングに関するルールオブシックスを満たすための当業者に公知の方法を使用してもよく、例えば、導入遺伝子の下流にヌクレオチドを付加することがある。例えば、Ayllon et al.,Rescue of Recombinant Newcastle Disease Virus from cDNA.J.Vis.Exp.(80),e50830,doi:10.3791/50830(2013)をNDV(例えば、組み換えNDV)のクローニングとレスキューに関する方法の検討について参照のこと。当該文献は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる。
【0176】
特定の実施形態では、本明細書(例えば、セクション5.1および6を参照)に記載のNDVは、以下のセクション6に記載される方法に従い作製されてもよい。
【0177】
5.3 NDVの増殖
本明細書(例えば、セクション5.1および6)に記載される組み換えNDVは、本明細書に記載されるウイルスの用途を許容する力価にまでウイルスを生育させる任意の基質中で増殖させることができる。一つの実施形態では、基質は、本明細書に記載の組み換えNDVが、対応する野生型ウイルスについて判定される力価と同等の力価にまで生育することを可能にする。
【0178】
本明細書(例えば、セクション5.1および6)に記載される組み換えNDVは、ウイルスの感染に感受性のある細胞、発育卵(例えば、ニワトリ卵またはウズラ卵)、または動物(例えば、トリ)において生育してもよい。かかる方法は、当業者に公知である。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVは、がん細胞、例えば、癌腫細胞(例えば、乳がん細胞および前立腺がん細胞)、肉腫細胞、白血病細胞、リンパ腫細胞、および胚細胞主要細胞(例えば、精巣がん細胞および卵巣がん細胞)において増殖してもよい。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVは、細胞株、例えば、HeLa細胞、MCF7細胞、THP-1細胞、U87細胞、DU145細胞、Lncap細胞、およびT47D細胞などのがん細胞株で増殖してもよい。特定の実施形態では、細胞または細胞株(例えば、がん細胞またはがん細胞株)は、ヒトから取得され、ヒトから誘導され、またはヒトから取得および誘導される。別の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVは、インターフェロン欠損系またはインターフェロン(IFN)欠損基質、例えば、IFN欠損細胞(例えば、IFN欠損細胞株)またはIFN欠損発育卵において増殖する。別の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVは、ニワトリ細胞またはニワトリ発育卵において増殖する。代表的なニワトリ細胞としては、限定されないが、ニワトリ胚線維芽細胞およびニワトリ胚腎細胞が挙げられる。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVは、Vero細胞で増殖する。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVは、ニワトリ卵またはウズラ卵において増殖する。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVウイルスは、まず発育卵で増殖し、次いで細胞(例えば、細胞株)において増殖する。
【0179】
本明細書に記載の組み換えNDVは、例えば、6~14日齢、6~12日齢、6~10日齢、6~9日齢、6~8日齢、8~10日齢、または10~12日齢などの発育卵で増殖してもよい。特定の実施形態では、10日齢のニワトリ発育卵を使用して、本明細書に記載の組み換えNDVを増殖させる。若い、または未熟な発育卵を使用して、本明細書に記載の組み換えNDVを増殖させることができる。未熟な発育卵には、10日齢未満の卵、例えば、IFN欠損した、6~9日齢の卵、または6~8日齢の卵が包含される。未熟な発育卵には、インキュベーション温度の変更、薬物処理、または卵に発育遅延を生じさせる任意の他の変更などの生育条件を変更した結果、10~12日齢の卵と比較してIFN系が充分に発育していない10日齢未満の未熟な卵を人工的に模倣した発育卵も包含される。本明細書に記載の組み換えNDVは発育卵の様々な位置、例えば尿膜腔で増殖することができる。ウイルスの生育および増殖に関する詳細な検討については、例えば、米国特許第6,852,522号および米国特許第7,494,808号を参照のこと。両特許は、その全体で参照により本明細書に組み込まれる。
【0180】
ウイルス単離について、本明細書に記載の組み換えNDVは、発育卵または細胞培養物から取り出され、および典型的には公知の清浄化手順、例えば遠心分離、深層濾過、およびマイクロ濾過などによって細胞成分から分離することができ、さらに、望ましい場合には、例えば接線流濾過(TFF)、密度勾配遠心分離、差動(differential)抽出またはクロマトグラフィーなどの当業者に公知の手順を使用して精製されてもよい。
【0181】
特定の実施形態では、感染卵(例えば、ニワトリ卵)の尿膜腔液からのウイルス単離は、尿膜腔液を回収することから始まり、濾過系を使用してこれを清浄化させ、宿主細胞DNAが測定可能なほどに低下するように、細胞や他の大きな残渣、特に正味正電荷を有する膜を含む残渣を除去する。浄化されたバルクはその後、接線流濾過により処理される。次いで、濃縮された浄化バルクを、4透析体積の高塩緩衝液で透析濾過し、続いて4透析体積の低塩製剤緩衝液で透析濾過して、その後、およそ10倍に濃縮する。したがって、残留卵タンパク質、例えば主にはオボアルブミンと残留DNAは、受容可能なレベルにまで低下し、緩衝液は、組み換えNDV製剤と適合性のある緩衝液と交換され、対象へ投与される組成物となる。次いで、得られた生成物を例えば0.2μmフィルターなどのフィルターを通して滅菌濾過し、適切な滅菌保管容器に分注して凍結し、-70℃で保存する。
【0182】
特定の実施形態では、本明細書(例えば、セクション5.1および6を参照)に記載の組み換えNDVは、セクション6に記載される方法に従い増殖し、単離され、および/または精製される。特定の実施形態では、本明細書(例えば、セクション5.1および6を参照)に記載の組み換えNDVは、増殖し、単離され、もしくは精製され、または前述のいずれか二つまたはすべてが行われる。
【0183】
特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVを含む細胞(例えば、細胞株)または発育卵(例えば、ニワトリ発育卵)が本明細書に提供される。一部の実施形態では、細胞は、インビトロまたはエクスビボである。細胞は、初代細胞または細胞株であってもよい。細胞は、哺乳動物(例えば、ヒト)の細胞または細胞株であってもよい。一部の実施形態では、細胞は、本明細書に列挙される細胞または細胞株である。一部の実施形態では、発育卵は、IFNが欠損した基質である。一部の実施形態では、発育卵は、本明細書に記載される発育卵である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVを増殖させる方法が本明細書に提供され、当該方法は、組み換えNDVに感染した細胞(例えば、細胞株)または発育卵(例えば、ニワトリ発育卵)を培養することを含む。一部の実施形態では、当該方法は、細胞または発育卵から組み換えNDVを単離または精製することをさらに含んでもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVを増殖させる方法が本明細書に提供され、当該方法は、(a)本明細書に記載の組み換えNDVに感染した細胞(例えば、細胞株)または発育卵を培養すること、および(b)当該細胞または発育卵から組み換えNDVを単離することを含む。細胞または発育卵は、本明細書に記載されるもの、または当業者に公知のものであってもよい。一部の実施形態では、細胞または発育卵は、IFNを欠損している。
【0184】
特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVを含む医薬組成物(例えば、免疫原性組成物)を作製する方法が本明細書において提供され、当該方法は、(a)本明細書に記載の組み換えNDVを細胞(例えば、細胞株)または発育卵で増殖させること、および(b)当該細胞または発育卵から組み換えNDVを単離することを含む。当該方法は、組み換えNDVを、薬学的に許容可能な担体とともに容器に添加することをさらに含んでもよい。
【0185】
5.4 組成物および投与経路
本明細書(例えば、セクション5.1または6)に記載の組み換えNDVを含む組成物が本明細書において提供される。特定の実施形態では、組成物は、例えば免疫原性組成物(例えば、ワクチン組成物)などの医薬組成物である。特定の実施形態では、本明細書(例えば、セクション5.1または6)に記載の組み換えNDVを含む免疫原性組成物が本明細書において提供される。組成物は、例えば本明細書(例えば、セクション5.1.3)に記載される抗原に対する免疫応答を誘導する方法において使用されてもよい。組成物は、抗原(例えば、本明細書(例えば、セクション5.1.3)に記載される抗原)に対して免疫付与する方法において使用されてもよい。組成物は、抗原(例えば、本明細書(例えば、セクション5.1.3)に記載される抗原)に関連した疾患に対して免疫付与する方法において使用されてもよい。組成物は、例えば本明細書に記載される抗原などの抗原が関連している疾患を予防するための方法において使用されてもよい。
【0186】
一つの実施形態では、医薬組成物(例えば、免疫原性組成物)は、本明細書(例えば、セクション5.1または6)に記載の組み換えNDVを、薬学的に許容可能な担体と混合させた状態で含む。組成物は、10~1012PFUの本明細書に記載の組み換えNDVを含んでもよい。一部の実施形態では、医薬組成物は、以下のセクション5.5.2に記載されるものなどの追加の予剤または治療剤を一つ以上さらに含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、本明細書(例えば、セクション5.1または6)に記載の組み換えNDVの有効量、および任意選択的に一つ以上の追加の予防剤または治療剤を、薬学的に許容可能な担体中に含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、本明細書に記載の二つの組み換えNDVを含み、当該本明細書に記載の二つの組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なる。一部の実施形態では、組み換えNDV(例えば、セクション5.1または6)は、医薬組成物に含まれる唯一の有効成分である。特定の実施形態では、二つ以上の組み換えNDVが、医薬組成物中に含有される。特定の実施形態では、医薬組成物は、免疫原性組成物である。
【0187】
特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物中に含有される組み換えNDVは、生きたウイルスである。特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物中に含有される組み換えNDVは、弱毒化された生きたウイルスである。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物中に含有される組み換えNDVは、不活化されている。当業者に公知の技術を使用して、組み換えNDVを不活化してもよい。
【0188】
本明細書に提供される医薬組成物は、組成物が対象に投与されることを可能にする任意の形態であってもよい。特定の実施形態では、医薬組成物は、獣医学的投与、ヒトへの投与、またはその両方に適している。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な」という用語は、連邦政府もしくは州政府の規制当局による承認を意味するか、または米国薬局方、もしくは動物、より具体的にはヒトでの使用に関し、一般的に認識されている他の薬局方に列挙されていることを意味する。「担体」という用語 は、希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指し、それらとともに医薬組成物は投与される。生理食塩水ならびにデキストロース水溶液およびグリセロール水溶液も、特に注射溶液に関し、液性担体として採用され得る。適切な賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、滑石、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。適切な医薬担体の例は、“Remington’s Pharmaceutical Sciences” by E.W.Martinに記載されている。製剤は、投与様式に適合していなくてはならない。
【0189】
特定の実施形態では、医薬組成物は、対象への意図される投与経路に適するように製剤化される。例えば、医薬組成物は、非経口、静脈内、動脈内、胸膜内、吸入、鼻腔内、腹腔内、経口、皮内、結腸直腸、腹腔内、頭蓋内、および腫瘍内への投与に適するように製剤化され得る。一つの実施形態では、医薬組成物は、静脈内、動脈内、経口、腹腔内、鼻腔内、気管内、胸膜内、頭蓋内、皮下、筋肉内、局所、肺、または腫瘍内への投与のために製剤化され得る。特定の実施形態では、医薬組成物は、鼻腔内投与のために製剤化され得る。
【0190】
特定の実施形態では、本明細書(例えば、セクション5.1または6を参照)に記載の組み換えNDVを含む医薬組成物は、対象(例えば、ヒト対象)への鼻腔内投与に適するように製剤化される。
【0191】
5.5 組み換えNDVの使用
別の態様では、対象(例えば、ヒト対象)において免疫応答を誘導するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を対象(例えば、ヒト対象)に投与することを含む。一つの実施形態では、対象(例えば、ヒト対象)において免疫応答を誘導する方法が本明細書において提供され、当該方法は、本明細書に記載の組み換えNDVの有効量を対象(例えば、ヒト対象)に投与することを含む。組み換えNDVについては、例えば、セクション5.1および6を参照のこと。特定の実施形態では、誘導される免疫応答は、抗原(例えば、感染性疾患の抗原またはがんもしくは腫瘍の抗原)に対する免疫応答である。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。
【0192】
一部の実施形態では、対象において抗体を誘導する方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、対象に抗体を誘導する方法が本明細書において提供され、当該方法は、本明細書に記載の組み換えNDVまたは本明細書に記載の組成物を対象に投与することを含む。特定の実施形態では、対象は、非ヒト対象(例えば、マウス、モルモット、イヌ、ネコ、ウサギ、サル、チンパンジーなど)である。他の実施形態では、対象は、ヒトである。産生される抗体は、単離され、クローニングされ、ならびに例えば当該抗体の性能の一つ以上を改善するために組み換え操作されてもよい。一部の実施形態では、誘導される抗体は、組み換えNDVによって発現される抗原に結合する。
【0193】
別の態様では、抗原(例えば、感染性疾患の抗原、またはがんもしくは腫瘍の抗原)に関連する疾患に対して免疫付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、疾患に関連する抗原(例えば、感染性疾患の抗原、またはがんもしくは腫瘍の抗原)をコードするヌクレオチド配列を含む。一つの実施形態では、対象(例えば、ヒト対象)において、抗原(例えば、感染性疾患の抗原、またはがんもしくは腫瘍の抗原)に関連する疾患に対し、免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVの有効量を投与することを含み、当該組み換えNDVは、疾患に関連する抗原(例えば、感染性疾患の抗原、またはがんもしくは腫瘍の抗原)をコードする導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含む。組み換えNDVについては、例えば、セクション5.1および6を参照のこと。特定の実施形態では、抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。
【0194】
特定の実施形態では、SARS-CoV-2疾患(例えば、COVID-19)に対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、SARS-CoV-2抗原(例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片、例えば、受容体結合ドメインを含む断片)をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、SARS-CoV-2抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。
【0195】
特定の実施形態では、エボラウイルス疾患に対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、エボラウイルス疾患抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、エボラウイルス抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。
【0196】
特定の実施形態では、ニパウイルス疾患に対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、ニパウイルス疾患抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ニパウイルス抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。
【0197】
特定の実施形態では、MERS-CoV疾患に対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、MERS-CoV疾患抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、MERS-CoV抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。
【0198】
特定の実施形態では、ラッサウイルス疾患に対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、ラッサウイルス疾患抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ラッサウイルス抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。
【0199】
別の態様では、対象(例えば、ヒト対象)に、感染性疾患に対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象に、第一の組み換えNDVまたはその組成物を投与すること、および対象に、第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、この場合において第一および第二の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっている。一つの実施形態では、対象(例えば、ヒト対象)に、連続して感染性疾患に対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象に、第一の組み換えNDVまたはその組成物を投与すること、および対象に、第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、この場合において第一および第二の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっている。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2週間、3週間、4週間、6週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または1年の間隔で投与されてもよい。一部の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2~4週間、4~6週間、1~3か月、3~6か月、3~9か月、6か月~1年、または1~2年の間隔で投与されてもよい。第一および第二の組み換えNDVまたはその組成物は、同じ投与経路または異なる投与経路によって投与されてもよい。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、NDV Fタンパク質および/またはHNタンパク質が、互いに異なる非NDV APMV Fタンパク質および/または互いに異なる非NDV APMV HNタンパク質で置き換えられているために、互いに免疫学的に異なっている。例えば、第一の組み換えNDVは、APMV-15のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよく、第二の組み換えNDVは、APMV-21のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよい。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、他方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、第一の組み換えNDVは第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導した場合、第一の組み換えNDVは、第二の組み換えNDVと免疫学的に異なるとみなされる。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物、および第四の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVおよび第四の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっており、ならびに第三および第四の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。特定の実施形態では、組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、別の組み換えNDVの複製を阻害する抗体を誘導した場合、組み換えNDVは、別の組み換えNDVと免疫学的に異なるとみなされる。
【0200】
一つの実施形態では、対象(例えば、ヒト対象)に、連続して感染性疾患に対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象に、第一の組み換えNDVを投与すること、対象に、第二の組み換えNDVを投与すること、および対象に、第三の組み換えNDVを投与することを含み、この場合において当該第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDVおよび第三の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっている。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2週間、3週間、4週間、6週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または1年の間隔で投与されてもよい。一部の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2~4週間、4~6週間、1~3か月、3~6か月、3~9か月、6か月~1年、または1~2年の間隔で投与されてもよい。特定の実施形態では、第一、第二および第三の組み換えNDVは、NDV Fタンパク質および/またはHNタンパク質が、互いに異なる非NDV APMV Fタンパク質および/または互いに異なる非NDV APMV HNタンパク質で置き換えられているために、互いに免疫学的に異なっている。例えば、第一の組み換えNDVは、APMV-15のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよく、第二の組み換えNDVは、APMV-21のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよく、第三の組み換えNDVは、APMV-10のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよい。
【0201】
特定の実施形態では、互いに免疫学的に異なる本明細書に記載の二つ以上の組み換えNDVを使用して、対象(例えば、ヒト)に、感染性疾患に対する免疫を付与してもよい。別の特定の実施形態では、互いに免疫学的に異なる本明細書に記載の二つ以上の組み換えNDVを使用して、対象(例えば、ヒト)に、がんに対する免疫を付与してもよい。特定の実施形態では、NDV Fタンパク質および/またはNDV HNタンパク質が、互いに異なる非NDV APMV Fタンパク質もしくはそのバリアントおよび/または互いに異なる非NDV APMV HNタンパク質もしくはそのバリアントと置き換えられている組み換えNDVを二つ以上使用することで、対象(例えば、ヒト)に抗原を複数投与して、抗原に対する安定的な免疫応答を誘導することが可能となる。
【0202】
別の態様では、対象(例えば、ヒト対象)に、感染性疾患の抗原に対する免疫応答を誘導する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象に、第一の組み換えNDVまたはその組成物を投与すること、および対象に、第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、この場合において第一および第二の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっている。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2週間、3週間、4週間、6週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または1年の間隔で投与されてもよい。一部の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2~4週間、4~6週間、1~3か月、3~6か月、3~9か月、6か月~1年、または1~2年の間隔で投与されてもよい。第一および第二の組み換えNDVまたはその組成物は、同じ投与経路または異なる投与経路によって投与されてもよい。一部の実施形態では、第一の組み換えNDVにより発現される抗原、および第二の組み換えNDVにより発現される抗原は、異なる病原体に由来する、または異なる病原体から誘導される。他の実施形態では、第一の組み換えNDVにより発現される抗原、および第二の組み換えNDVにより発現される抗原は、同じ病原体に由来する、または同じ病原体から誘導される。第一および第二の組み換えNDVにより発現される抗原は、同一であってもよく、または第二の組み換えNDVにより発現される抗原は、そのバリアントであってもよい。例えば、第一の組み換えNDVにより発現される抗原は、ある株に由来するSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片(例えば、受容体結合ドメインを含む断片)であってもよく、第二の組み換えNDVにより発現される抗原は、SARS-CoV-2のバリアント株に由来するSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片(例えば、受容体結合ドメインを含む断片)であってもよい。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、NDV Fタンパク質および/またはHNタンパク質が、互いに異なる非NDV APMV Fタンパク質および/または互いに異なる非NDV APMV HNタンパク質で置き換えられているために、互いに免疫学的に異なっている。例えば、第一の組み換えNDVは、APMV-15のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよく、第二の組み換えNDVは、APMV-21のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよい。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、他方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、第一の組み換えNDVは第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導する場合、第一の組み換えNDVは第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なるとみなされる。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物、および第四の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVおよび第四の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっており、ならびに第三および第四の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。
【0203】
別の態様では、対象(例えば、ヒト対象)に、がんに対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象に、第一の組み換えNDVまたはその組成物を投与すること、および対象に、第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、この場合において第一および第二の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっている。一つの実施形態では、対象(例えば、ヒト対象)に、連続してがんに対する免疫を付与する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象に、第一の組み換えNDVまたはその組成物を投与すること、および対象に、第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、この場合において第一および第二の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっている。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2週間、3週間、4週間、6週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または1年の間隔で投与されてもよい。一部の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2~4週間、4~6週間、1~3か月、3~6か月、3~9か月、6か月~1年、または1~2年の間隔で投与されてもよい。第一および第二の組み換えNDVまたはその組成物は、同じ投与経路または異なる投与経路によって投与されてもよい。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、NDV Fタンパク質および/またはHNタンパク質が、互いに異なる非NDV APMV Fタンパク質および/または互いに異なる非NDV APMV HNタンパク質で置き換えられているために、互いに免疫学的に異なっている。例えば、第一の組み換えNDVは、APMV-15のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよく、第二の組み換えNDVは、APMV-21のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよい。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、他方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、第一の組み換えNDVは、第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導する場合、第一の組み換えNDVは第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なるとみなされる。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物、および第四の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVおよび第四の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっており、ならびに第三および第四の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。
【0204】
別の態様では、対象(例えば、ヒト対象)に、がんまたは腫瘍の抗原に対する免疫応答を誘導する方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象に、第一の組み換えNDVまたはその組成物を投与すること、および対象に、第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、この場合において第一および第二の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっている。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2週間、3週間、4週間、6週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または1年の間隔で投与されてもよい。一部の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2~4週間、4~6週間、1~3か月、3~6か月、3~9か月、6か月~1年、または1~2年の間隔で投与されてもよい。一部の実施形態では、第一の組み換えNDVにより発現されるがんまたは腫瘍の抗原、および第二の組み換えNDVにより発現されるがんまたは腫瘍の抗原は、異なっている。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVにより発現されるがんまたは腫瘍の抗原、および第二の組み換えNDVにより発現されるがんまたは腫瘍の抗原は、同じタイプのがんもしくは腫瘍に由来する、またはそれらから誘導される。第一および第二の組み換えNDVにより発現されるがんまたは腫瘍の抗原は、同一であってもよく、または第二の組み換えNDVにより発現されるがんまたは腫瘍の抗原は、そのバリアントであってもよい。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、NDV Fタンパク質および/またはHNタンパク質が、互いに異なる非NDV APMV Fタンパク質および/または互いに異なる非NDV APMV HNタンパク質で置き換えられているために、互いに免疫学的に異なっている。例えば、第一の組み換えNDVは、APMV-15のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよく、第二の組み換えNDVは、APMV-21のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよい。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、他方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、第一の組み換えNDVは、第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導する場合、第一の組み換えNDVは第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なるとみなされる。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物、および第四の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVおよび第四の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっており、ならびに第三および第四の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。
【0205】
別の態様では、感染性疾患を予防するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、感染性疾患に関連する抗原をコードする導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含む。一つの実施形態では、感染性疾患を予防するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVの有効量を投与することを含み、当該組み換えNDVは、感染性疾患に関連する抗原をコードする導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含む。組み換えNDVについては、例えば、セクション5.1および6を参照のこと。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2週間、3週間、4週間、6週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または1年の間隔で投与されてもよい。一部の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2~4週間、4~6週間、1~3か月、3~6か月、3~9か月、6か月~1年、または1~2年の間隔で投与されてもよい。第一および第二の組み換えNDVまたはその組成物は、同じ投与経路または異なる投与経路によって投与されてもよい。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、NDV Fタンパク質および/またはHNタンパク質が、互いに異なる非NDV APMV Fタンパク質および/または互いに異なる非NDV APMV HNタンパク質で置き換えられているために、互いに免疫学的に異なっている。例えば、第一の組み換えNDVは、APMV-15のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよく、第二の組み換えNDVは、APMV-21のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよい。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、他方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、第一の組み換えNDVは、第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導する場合、第一の組み換えNDVは第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なるとみなされる。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物、および第四の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVおよび第四の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっており、ならびに第三および第四の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。
【0206】
特定の実施形態では、RSV疾患を予防するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、RSV抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、RSV抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。第二の組み換えNDVは、同じRSV抗原または異なるRSV抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子を含んでもよい。
【0207】
特定の実施形態では、ヒトメタニューモウイルス疾患を予防するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、ヒトメタニューモウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ヒトメタニューモウイルス抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。第二の組み換えNDVは、同じhMPV抗原または異なるhMPV抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子を含んでもよい。
【0208】
特定の実施形態では、COVID-19を予防するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、SARS-CoV-2抗原(例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片、例えば、受容体結合ドメインを含む断片)をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、SARS-CoV-2抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。第二の組み換えNDVは、同じSARS-CoV-2抗原または異なるSARS-CoV-2抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子を含んでもよい。
【0209】
特定の実施形態では、エボラウイルス疾患を予防するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、エボラウイルス疾患抗原を含む。特定の実施形態では、エボラウイルス抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。第二の組み換えNDVは、同じエボラウイルス抗原または異なるエボラ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子を含んでもよい。
【0210】
特定の実施形態では、ニパウイルス疾患を予防するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、ニパウイルス疾患抗原を含む。特定の実施形態では、ニパウイルス抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。第二の組み換えNDVは、同じニパ抗原または異なるニパ抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子を含んでもよい。
【0211】
特定の実施形態では、MERS-CoV疾患を予防するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、MERS-CoV疾患抗原を含む。特定の実施形態では、MERS-CoV抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。第二の組み換えNDVは、同じMERS-CoV抗原または異なるMERS-CoV抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子を含んでもよい。
【0212】
特定の実施形態では、ラッサウイルス疾患を予防するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、ラッサウイルス疾患抗原を含む。特定の実施形態では、ラッサウイルス抗原は、組み換えNDVに感染した細胞によって発現される。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。第二の組み換えNDVは、同じラッサウイルス抗原または異なるラッサウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子を含んでもよい。
【0213】
特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導する場合、第一の組み換えNDVは第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なるとみなされる。
【0214】
別の態様では、がんを治療するための方法が本明細書に提供され、当該方法は、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を対象(例えば、ヒト対象)に投与することを含む。組み換えNDVについては、例えば、セクション5.1および6を参照のこと。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2週間、3週間、4週間、6週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または1年の間隔で投与されてもよい。一部の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2~4週間、4~6週間、1~3か月、3~6か月、3~9か月、6か月~1年、または1~2年の間隔で投与されてもよい。第一および第二の組み換えNDVまたはその組成物は、同じ投与経路または異なる投与経路によって投与されてもよい。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、NDV Fタンパク質および/またはHNタンパク質が、互いに異なる非NDV APMV Fタンパク質および/または互いに異なる非NDV APMV HNタンパク質で置き換えられているために、互いに免疫学的に異なっている。例えば、第一の組み換えNDVは、APMV-15のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよく、第二の組み換えNDVは、APMV-21のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよい。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、他方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、第一の組み換えNDVは、第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導する場合、第一の組み換えNDVは第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なるとみなされる。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物、および第四の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVおよび第四の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっており、ならびに第三および第四の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。
【0215】
別の態様では、がんを治療するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、がんまたは腫瘍の抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。一つの実施形態では、がんを治療するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、対象(例えば、ヒト対象)に、本明細書に記載の組み換えNDVの有効量を投与することを含み、当該組み換えNDVは、導入遺伝子を含むパッケージ化ゲノムを含み、当該導入遺伝子は、がんに関連するがんまたは腫瘍の抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。組み換えNDVについては、例えば、セクション5.1および6を参照のこと。組み換えNDVは、任意の投与経路によって対象に投与されてもよい。別の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、組み換えNDVは、対象に筋肉内投与される。一部の実施形態では、方法は、対象に第二の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2週間、3週間、4週間、6週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または1年の間隔で投与されてもよい。一部の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、2~4週間、4~6週間、1~3か月、3~6か月、3~9か月、6か月~1年、または1~2年の間隔で投与されてもよい。第一の組み換えNDVにより発現されるがんまたは腫瘍の抗原は、第二の組み換えNDVにより発現されるがんまたは腫瘍の抗原と同じであっても、異なっていてもよい。第一および第二の組み換えNDVまたはその組成物は、同じ投与経路または異なる投与経路によって投与されてもよい。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、NDV Fタンパク質および/またはHNタンパク質が、互いに異なる非NDV APMV Fタンパク質および/または互いに異なる非NDV APMV HNタンパク質で置き換えられているために、互いに免疫学的に異なっている。例えば、第一の組み換えNDVは、APMV-15のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよく、第二の組み換えNDVは、APMV-21のFタンパク質およびHNタンパク質を含んでもよい。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020,EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイで評価されたときに、他方の複製を実質的に阻害する抗体を誘導しない場合、第一の組み換えNDVは、第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なる。特定の実施形態では、第一の組み換えNDVと第二の組み換えNDVが、例えば、Chumbe et al.,2017,Virology Journal 14:232 and Reynolds et al.,1999,Avian Dis.143:564-71、Sun et al.,2020、EBioMedicine 62:103132、またはSun et al.,2020,Vaccines 8:771、または本明細書に記載されるアッセイなどのウイルス中和アッセイにおいて、約0.5log未満、約1log未満、約1.5log未満、または約2log未満まで、互いの複製を阻害する抗体を誘導する場合、第一の組み換えNDVは第二の組み換えNDVとは免疫学的に異なるとみなされる。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、方法は、対象に第三の組み換えNDVまたはその組成物、および第四の組み換えNDVまたはその組成物を投与することをさらに含み、当該第三の組み換えNDVおよび第四の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっており、ならびに第三および第四の組み換えNDVは、第一の組み換えNDV、第二の組み換えNDV、または第一と第二の組み換えNDVの両方とは免疫学的に異なっている。
【0216】
本明細書に記載の組み換えNDVは、一つ以上の他の治療と組み合わせて対象に投与されてもよい。組み換えNDV、および一つ以上の他の治療は、同じ、または異なる投与経路で対象に投与されてもよい。特定の特定の実施形態では、組み換えNDVは、対象に鼻腔内投与される。例えば、組み換えNDVに関する情報については以下のセクション5.1および6を参照のこと。他の治療に関する情報についてはセクション5.5.2を参照のこと。組成物および投与経路に関する情報については以下のセクション5.4を参照のこと。
【0217】
組み換えNDVおよび一つ以上の追加の治療は、同時または連続的に対象に投与されてもよい。特定の実施形態では、組み換えNDVおよび一つ以上の追加の治療は、同じ組成物中で投与される。他の実施形態では、組み換えNDVおよび一つ以上の追加の治療は、異なる組成物中で投与される。組み換えNDV、および一つ以上の他の治療は、同じ、または異なる投与経路で対象に投与されてもよい。当業者に公知の任意の経路、または本明細書に記載の任意の経路を使用して、組み換えNDVおよび一つ以上の他の治療を投与してもよい。特定の実施形態では、組み換えNDVは、鼻腔内投与され、一つ以上の他の治療は静脈内投与される。
【0218】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、過去にワクチン接種された、またはNDV組成物(例えば、ワクチン)を投与された対象に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、過去にワクチン接種された、またはAPMVをベースにした組成物(例えば、ワクチン)を投与された対象に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、過去にワクチン接種された、またはNDV組成物(例えば、ワクチン)およびAPMVをベースにした組成物(例えば、ワクチン)を投与された対象に投与される。特定の実施形態では、APMVをベースにした組成物は、非NDV APMVである。
【0219】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、感染性疾患の一つ、二つ、またはそれ以上の症状の発生を予防するために患者に投与される(かかる患者は、感染症を発症するリスクがあり得る)。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、感染性疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、感染性疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させ、または感染性疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、および感染性疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させる。
【0220】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、RSV疾患の一つ、二つ、またはそれ以上の症状の発生を予防するために患者に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、RSV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、RSV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させ、またはRSV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、およびRSV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させる。RSV疾患の症状には、鼻のうっ血または鼻水、咳、発熱、咽頭通、頭痛、喘鳴、急速もしくは浅い呼吸または呼吸困難、酸素欠乏による皮膚の青み、食欲の欠如、嗜眠および過敏性が含まれる。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、RSV感染によって引き起こされる中耳炎が予防される。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、RSV感染によって引き起こされる細気管支炎が予防される。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、RSV感染によって引き起こされる肺炎が予防される。
【0221】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、エボラウイルス疾患の一つ、二つ、またはそれ以上の症状の発生を予防するために患者に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、エボラウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、エボラウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させ、またはエボラウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、およびエボラウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させる。エボラウイルス疾患の症状には、発熱、うずきおよび疼痛(例えば、重度の頭痛、筋肉と関節の痛み、および腹部(胃)の疼痛)、衰弱および疲労、消化管症状(例えば、下痢および嘔吐)、腹部(胃)の疼痛、ならびに原因不明の多量出血、出血またはあざが含まれる。
【0222】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、hMPV疾患の一つ、二つ、またはそれ以上の症状の発生を予防するために患者に投与される(かかる患者は、hMPV感染症を発症するリスクがある)。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、hMPV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、hMPV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させ、またはhMPV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、およびhMPV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させる。hMPV疾患の症状には、鼻閉、鼻水、発熱、咳、喉の痛み、喘鳴、呼吸困難、食欲不振、嗜眠、および過敏性が含まれる。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、hMPV感染によって引き起こされる細気管支炎が予防される。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、hMPV感染によって引き起こされる肺炎が予防される。
【0223】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、ラッサウイルス疾患の一つ、二つ、またはそれ以上の症状の発生を予防するために患者に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、ラッサウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、ラッサウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させ、またはラッサウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、およびラッサウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させる。ラッサウイルス疾患の症状には、微熱、全身の倦調および衰弱、頭痛、出血、呼吸困難、反復嘔吐、顔面腫脹、胸部、背部、および腹部の疼痛、ショック、難聴、振戦、および脳炎が含まれる。
【0224】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、MERS-CoV疾患の一つ、二つ、またはそれ以上の症状の発生を予防するために患者に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、MERS-CoV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、MERS-CoV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させ、またはMERS-CoV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、およびMERS-CoV疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させる。MERS-CoV疾患の症状には、発熱、咳、および息切れが含まれる。
【0225】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、ニパウイルス疾患の一つ、二つ、またはそれ以上の症状の発現を発生するために患者に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、ニパウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、ニパウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させ、またはニパウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、およびニパウイルス疾患の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させる。ニパウウイルス疾患の症状には、見当識障害、眠気、精神錯乱、発作、昏睡、および脳腫脹(脳炎)が含まれる。
【0226】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、COVID-19の一つ、二つ、またはそれ以上の症状の発生を予防するために患者に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、COVID-19の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、COVID-19の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させ、またはCOVID-19の一つ、二つまたはそれ以上の症状の発生または発症を予防し、およびCOVID-19の一つ、二つまたはそれ以上の症状の重症度を低下させる。COVID-19の症状には、鼻閉または鼻水、咳、発熱、喉の痛み、頭痛、喘鳴、急速もしくは浅い呼吸または呼吸困難、酸素欠乏による皮膚の青み、悪寒、筋肉の痛み、味覚喪失および/または臭覚喪失、吐き気、嘔吐、ならびに下痢が含まれる。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、SARS-CoV-2感染によって引き起こされる肺炎が予防される。
【0227】
特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、感染症の拡大が予防される。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、入院が予防される。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、感染の再発生が予防される。
【0228】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、感染性疾患に罹患する対象に投与される。他の実施形態では、本明細書に記載のNDV(例えば、組み換えNDV)もしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、感染性疾患に罹患し易い、または感受性がある対象に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、感染性疾患と診断された対象に投与される。一部の実施形態では、NDV(例えば、組み換えNDV)もしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、病原体に対する抗体(例えば、SARS-CoV-2抗原、RSV抗原、ヒトメタニューモウイルス抗原、ニパウイルス抗原、MERS-CoV抗原、ラッサウイルス抗原、またはエボラウイルス抗原に対する抗体)が血清反応陰性である対象に投与される。一部の実施形態では、NDV(例えば、組み換えNDV)もしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、病原体に対する抗体(例えば、SARS-CoV-2抗原、RSV抗原、ヒトメタニューモウイルス抗原、ニパウイルス抗原、MERS-CoV抗原、ラッサウイルス抗原、またはエボラウイルス抗原に対する抗体)が血清反応陽性である対象に投与される。特定の実施形態では、対象は、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を投与する前に、抗体について評価される。他の実施形態では、対象は、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を投与する前に、抗体について評価されない。
【0229】
特定の実施形態では、本明細書に記載されるがんの治療方法によって、例えば、がんもしくはその症状の発生または進行の低下、減少、減衰、縮小、安定化、軽減、抑制、阻害または停止など、対象に対して有益な効果を生じさせ得る。特定の実施形態では、本明細書に記載のがんの治療方法によって、以下の効果のうちの少なくとも一つ、二つまたはそれ以上が得られる:(i)がんおよび/もしくはがんに関連する症状の減少または改善、(ii)がんに関連する症状の持続期間の減少、(iii)がんに関連する症状の再発の防止、(iv)がんおよび/またはがんに関連した症状の軽減、(v)対象の入院頻度の短縮、(vi)入院期間の短縮、(vii)対象の生存率の増加、(viii)がんおよび/またはがんに関連する症状の進行の阻害、(ix)別の治療法の治療効果の向上または改善、(x)がん細胞集団の減少または消失、(xi)腫瘍または新生物の増殖低下、(xii)腫瘍サイズの減少、(xiii)腫瘍形成の減少、(xiv)原発がん、局所がんおよび/または転移がんの根絶、除去または制御、(xv)転移の数または大きさの減少、(xvi)死亡率の低下、(xvii)患者のがん消失生存率の上昇、(xviii)無再発生存期間の上昇、(xix)寛解状態の患者の数の増加、(xx)入院率の減少、(xxi)例えばMRI、X線、CTスキャン、およびPETスキャンなどの当業者が利用可能な標準的な方法により測定されたときに、治療投与後、腫瘍のサイズが維持され、および大きくならない、または5%未満もしくは10%未満まで腫瘍のサイズが大きくなる、(xxii)がんおよび/またはがんに関連する症状の発生または発症の防止、(xxiii)患者の寛解期間の増加、(xxiv)がんに関連する症状の数の減少、(xxv)がん患者の無症状生存期間の上昇、(xxvi)限定的な転移または転移の減少、(xxvii)全生存、(xxviii)無進行生存期間(例えば、RECIST v1.1により評価される)、(xxix)全奏効率、ならびに/または(xxx)奏功期間の上昇。一部の実施形態では、対象が受ける治療/療法は、がんを治癒しないが、疾患の進行または悪化を防止する。特定の実施形態では、本明細書に記載されるがんの治療方法は、がんの発生/発症を予防しないが、がんの症状の発生を予防し得る。当業者に公知の任意の方法を利用して、対象が受ける治療/療法を評価してもよい。特定の実施形態では、治療/療法の有効性は、Response Evaluation Criteria In Solid Tumors(RECIST)が公開した規則に従って評価される。特定の実施形態では、治療/療法の有効性は、2000年2月に公開されたRECISTの規則(RECIST 1とも呼称される)(例えば、Therasse et al.,2000,Journal of National Cancer Institute,92(3):205-216を参照のこと。当該文献は、その全体で参照により本明細書に組み込まれる)に従い評価される。特定の実施形態では、治療/療法の有効性は、2009年1月に公開されたRECISTの規則(RECIST 1.1とも呼称される)(例えば、Eisenhauer et al.,2009,European Journal of Cancer,45:228-247を参照のこと。当該文献は、その全体で参照により本明細書に組み込まれる)に従い評価される。特定の実施形態では、治療/療法の有効性は、評価時に当業者によって利用されているRECIST規則に従って評価される。特定の実施形態では、有効性は、免疫関連RECIST(irRECIST)の公開された規則(例えば、Bohnsack et al.,2014,ESMO Abstract 4958を参照のこと。当該文献は参照によりその全体で本明細書に組み込まれる)に従って評価される。
【0230】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、以下の細胞型のうちの一つ、二つ、またはすべての腫瘍内への浸潤が増加する:(i)T細胞、(ii)ナチュラルキラー(NK)細胞、および(iii)樹状細胞。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、腫瘍内へのリンパ球浸潤が増加する。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、腫瘍内へのT細胞浸潤(CD4+T細胞浸潤および/またはCD8+T細胞浸潤)が増加する。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または併用療法を対象に投与することによって、腫瘍におけるサイトカイン産生が増加する(例えば、INFγ、IL-2および/またはTNFの産生が増加する)。
【0231】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を投与することによって、抗原(例えば、感染性疾患の抗原、またはがんもしくは腫瘍の抗原)に対する抗体が誘導される。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を投与することによって、抗原(例えば、感染性疾患の抗原、またはがんもしくは腫瘍の抗原)に対する粘膜抗体および全身抗体(例えば、中和抗体)の両方が誘導される。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法を対象に投与することによって、抗原(例えば、感染性疾患の抗原、またはがんもしくは腫瘍の抗原)に対する中和抗体が誘導される。
【0232】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、がんに罹患する対象に投与される。他の実施形態では、本明細書に記載のNDV(例えば、組み換えNDV)もしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、がんに罹患し易い、または感受性がある対象に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、がんと診断された対象に投与される。
【0233】
特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、ヒトに投与される。
【0234】
5.5.1 用量および頻度
疾患の予防、病原体に対する免疫付与、またはがんの治療に有効な組み換えNDVまたはその組成物の量は、投与経路、対象の全般的な健康状態などに依存する。投与を目的とした組み換えNDVの適切な用量範囲は、一般的に約10~約1012であり、必要に応じて間隔を空けて、一回、二回、三回、四回、またはそれ以上の回数で対象に投与され得る。特定の実施形態では、NDVの臨床試験で現在使用されている用量と類似した用量が、対象に投与される。
【0235】
特定の実施形態では、組み換えNDVまたはその組成物は、単回投与として対象に投与され、その後、1~6週間後、1~5週間後、1~4週間後、1~3週間後、1~2週間後、6~12週間後、3~6か月後、6~9か月後、6~12か月後、または6~9か月後に、第二の用量が投与される。これらの実施形態によると、ブースター接種は、第二の接種後、3~6ヶ月または6~12ヶ月の間隔で対象に投与されてもよい。
【0236】
特定の実施形態では、同じ組み換えNDVまたはその組成物の投与が反復されてもよく、当該投与は、少なくとも1日、2日、3日、5日、6日、7日、10日、14日、15日、21日、28日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、または少なくとも6ヶ月、離されてもよい。他の実施形態では、同じ組み換えNDVまたはその組成物の投与が反復されてもよく、当該投与は、1~14日、1~7日、7~14日、1~30日、15~30日、15~45日、15~75日、15~90日、1~3ヶ月、3~6ヶ月、3~12ヶ月、または6~12ヶ月、離されてもよい。一部の実施形態では、第一の組み換えNDVまたはその組成物が対象に投与され、続いて第二の組み換えNDVまたはその組成物が投与される。一部の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、互いに異なっている。例えば、第一の組み換えNDVは、第一のタイプの非NDV APMV(例えば、APMV-12)のFタンパク質およびHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んでもよく、第二の組み換えNDVは、第二のタイプの非NDV APMV(例えば、APMV-10)のFタンパク質およびHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVは、互いに免疫学的に異なっている。特定の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVまたはその組成物は、少なくとも1日、2日、3日、5日、6日、7日、10日、14日、15日、21日、28日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、または少なくとも6ヶ月、離されてもよい。他の実施形態では、第一および第二の組み換えNDVまたはその組成物は、1~14日、1~7日、7~14日、1~30日、15~30日、15~45日、15~75日、15~90日、1~3ヶ月、3~6ヶ月、3~12ヶ月、または6~12ヶ月、離されてもよい。
【0237】
特定の実施形態では、組み換えNDVまたはその組成物は、例えば以下のセクション5.5.2に記載される治療法などの一つ以上の追加の治療法と組み合わされて対象に投与される。他の一つ以上の追加の治療法の用量は、例えば、治療法、投与経路、対象の全般的な健康状態などをはじめとする様々な因子に依存し、医師の判断に従い決定されなければならない。特定の実施形態では、他の治療法の投与量は、単剤としての使用する治療法に推奨される治療法の投与の投与量および/または頻度であり、本明細書に開示される方法に従い使用される。承認された治療法の推奨される投与量は、Physician’s Desk Referenceに見出すことができる。
【0238】
特定の実施形態では、組み換えNDVまたはその組成物は、一つ以上の追加の治療法の投与と同時に対象に投与される。特定の実施形態では、組み換えNDVおよび/またはその組成物、ならびに一つ以上の追加の治療法は、互いに1分、2分、5分、10分、15分、20分、30分、45分、60分、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間、または6時間以内に対象に投与される。特定の実施形態では、組み換えNDVおよび/またはその組成物、ならびに一つ以上の追加の治療法は、互いに12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、または12週間以内に対象に投与される。特定の実施形態では、組み換えNDVおよび/またはその組成物、ならびに一つ以上の追加の治療法は、互いに3~6ヶ月、6~9ヶ月、6~12ヶ月、または3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、もしくは12ヶ月以内に対象に投与される。
【0239】
特定の実施形態では、第一の医薬組成物は、プライミング用量として対象に投与され、特定の期間(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、または1~6ヶ月)の後、第二の医薬組成物のブースター用量が投与される。一部の実施形態では、第二の医薬組成物は、第一の医薬組成物と同じ組み換えNDVを含む。他の実施形態では、第二の医薬組成物は、第一の医薬組成物の組み換えNDVとは免疫学的に異なる組み換えNDVを含む。特定の実施形態では、第二の医薬組成物は、Fタンパク質および/またはHNタンパク質が、異なる非NDV APMV Fタンパク質もしくはそのバリアント、および/または異なる非NDV APMV HNタンパク質もしくはそのバリアントに由来することを除いて、第一の医薬組成物と同じ組み換えNDVを含む。
【0240】
5.5.2 追加の治療法
本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物と組み合わせて使用され得る追加の治療法としては限定されないが、アセトアミノフェン、化学療法剤、チェックポイント阻害剤、免疫療法、イブプロフェン、のど飴、鎮咳剤、吸入器、抗生物質および酸素が挙げられる。特定の実施形態では、追加の治療法は、本明細書に記載の第二の組み換えNDVである。
【0241】
5.6 生物学的アッセイ
特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDV、または抗原を特徴解析するための生物学的アッセイが陶業hさに公知である。特定の実施形態では、当業者に公知、または本明細書に記載されるマイクロ中和アッセイを使用して、本明細書に記載される組み換えNDVに結合する抗体が評価される。一部の実施形態では、非NDV APMV Fタンパク質またはそのバリアントに結合する抗NDV F抗体の能力は、当業者に公知の任意の方法(例えば、免疫アッセイ)により評価されてもよい。特定の実施形態では、非NDV APMV HNタンパク質またはそのバリアントに結合する抗NDV HN抗体の能力は、当業者に公知の任意の方法(例えば、免疫アッセイ)により評価されてもよい。一部の実施形態では、当業者に公知、または本明細書に記載されるヘマグルチニン阻害アッセイを使用してもよく、またこれを使用して、本明細書に記載される二つの組み換えNDV、またはNDVと非NDV APMVが免疫学的に異なるかどうかを評価してもよい。
【0242】
5.6.1 インビトロのウイルスアッセイ
ウイルスアッセイとしては、当業者に公知の方法を使用してインビトロで培養された細胞中のウイルスの複製(例えば、プラーク形成により判定される)またはウイルスタンパク質の産生(例えば、ウェスタンブロット解析により判定される)またはウイルスRNA(例えば、RT-PCRまたはノーザンブロット解析により判定される)を間接的に測定するアッセイが挙げられる。
【0243】
本明細書に記載の組み換えNDVの生育は、当分野に公知または本明細書に記載される任意の方法により評価することができる(例えば、細胞培養において(例えば、ニワトリ胚腎細胞の培養またはニワトリ胚線維芽細胞(CEF)の培養物))。ウイルス力価は、本明細書に記載の組み換えNDVの連続希釈を細胞培養物(例えば、CEF、MDCK、EFK-2細胞、Vero細胞、初代ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)、H292ヒト上皮細胞株またはHeLa細胞)、ニワトリ胚、または生きた動物(例えば、鳥類)に接種することにより判定されてもよい。特定の時間、ウイルスをインキュベーションした後、標準的な方法を使用してウイルスを単離する。ウイルス力価の物理的な定量は、ウイルス上清に適合されたPCR(Quinn & Trevor,1997; Morgan et al.,1990)、血球凝集アッセイ、組織培養感染量(TCID50)または卵感染量(EID50)を使用して実施することができる。
【0244】
本明細書に記載の組み換えNDVのゲノム内への異種のペプチドまたはタンパク質(例えば、導入遺伝子)をコードするヌクレオチド配列の組み込みは、当分野に公知または本明細書に記載される任意の方法(例えば、細胞培養、動物モデルまたは発育卵)により評価することができる。例えば、発育卵の尿膜腔液の細胞培養に由来するウイルス粒子は、スクロースクッションを通した遠心分離により精製することができ、続いて当分野に公知の方法を使用したウェスタンブロッティングによりタンパク質発現を分析することができる。ELISAなどの他の免疫アッセイを使用して、タンパク質発現を検出してもよい。
【0245】
免疫蛍光をベースにした方法を使用して、ウイルスを検出し、ウイルスの生育を評価してもよい。そのような方法は当業者に公知であり、例えば、蛍光顕微鏡およびフローサイトメトリーがある。蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)をはじめとするフローサイトメトリー法も利用可能である(例えば、Owens,et al.(1994)Flow Cytometry Principles for Clinical Laboratory Practice,John Wiley and Sons,Hoboken,NJ; Givan(2001)Flow Cytometry,2nd ed.; Wiley-Liss,Hoboken,NJ; Shapiro(2003)Practical Flow Cytometry,John Wiley and Sons,Hoboken,NJを参照のこと)。例えば、診断薬としての使用を目的とした、核酸プライマーおよびプローブ、ポリペプチドならびに抗体の改変に適した蛍光試薬も利用可能である(Molecular Probesy(2003)Catalogue,Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR; Sigma-Aldrich(2003)Catalogue,St.Louis,MO)。
【0246】
免疫系の組織学的な標準方法も記載されている(例えば、Muller-Harmelink(ed.)(1986)Human Thymus:Histopathology and Pathology,Springer Verlag,New York,NY; Hiatt,et al.(2000)Color Atlas of Histology,Lippincott,Williams,and Wilkins,Phila,PA; Louis,et al.(2002)Basic Histology:Text and Atlas,McGraw-Hill,New York,NYを参照のこと)。
【0247】
5.6.2 インターフェロンアッセイ
本明細書に記載の組み換えNDVによるIFNの誘導および放出は、当業者に公知の技術を使用して判定してもよい。例えば、本明細書に記載の組み換えNDVを用いた感染後の細胞において誘導されたIFNの量は、IFN発現を測定するための、またはIFNにより発現が誘導されるタンパク質の発現を測定するための免疫アッセイ(例えば、ELISAまたはウェスタンブロッティングアッセイ)を使用して判定してもよい。あるいは誘導されるIFNの量は、例えば、当業者に公知のノーザンブロットおよび定量的RT-PCRなどのアッセイにより、RNAレベルで測定されてもよい。特定の実施形態では、放出されるIFNの量は、ELISPOTアッセイを使用して測定されてもよい。さらに、サイトカインに刺激される、および/またはインターフェロンに刺激される遺伝子の誘導と放出は、例えばタンパク質レベルでの免疫アッセイもしくはELISPOT、および/またはRNAレベルでの定量的RT-PCRもしくはノーザンブロットなどにより判定されてもよい。
【0248】
5.6.3 活性化マーカーアッセイおよび免疫細胞浸潤アッセイ
免疫細胞によるT細胞マーカー、B細胞マーカー、活性化マーカー、共刺激分子、リガンド、または阻害性分子の発現を評価する技術は、当業者に公知である。例えば、免疫細胞によるT細胞マーカー、B細胞マーカー、活性化マーカー、共刺激分子、リガンド、または阻害性分子の発現は、フローサイトメトリーによって評価することができる。
【0249】
5.6.4 毒性試験
一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、哺乳動物、好ましくはヒト、細胞株における細胞毒性について検査される。ある特定の実施形態では、細胞傷害性は、以下の非限定的な例の細胞株のうちの一つ以上において評価される:U937、ヒト単球細胞株;初代末梢血単核細胞(PBMC);Huh7、ヒト肝芽腫細胞株;HL60細胞、HT1080、HEK 293Tおよび293H、MLPC細胞、ヒト胚腎細胞株;ヒトメラノーマ細胞株、例えば、SkMel2、SkMel-119およびSkMel-197;THP-1、単球細胞;HeLa細胞株;ならびに神経芽細胞腫細胞株、例えば、MC-IXC、SK-N-MC、SK-N-MC、SK-N-DZ、SH-SY5Y、およびBE(2)-C。一部の実施形態では、ToxLiteアッセイを使用して細胞毒性が評価される。
【0250】
当分野で公知の多くのアッセイを使用して、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を観戦させた後の細胞または細胞株の生存性を評価して、組み換えNDVまたはその組成物の細胞毒性を判定することができる。例えば、細胞増殖は、ブロモデオキシウリジン(BrdU)の取り込み、(H)チミジンの取り込みを測定することにより分析することができ、細胞を直接計数することにより分析することができ、または例えばがん原遺伝子(例えば、fos、myc)もしくは細胞サイクルマーカー(Rb、cdc2、サイクリンA、D1、D2、D3、Eなど)といった公知の遺伝子の転写、翻訳、または活性の変化を検出することにより分析することができる。そのようなタンパク質およびmRNAおよび活性のレベルは、当分野に公知の任意の方法により判定することができる。例えば、タンパク質は、市販抗体を含む抗体を使用したELISA、ウェスタンブロッティング、または免疫沈降などの公知の免疫診断方法によって定量化することができる。mRNAは、当分野で公知であり、日常的な方法を使用して定量化することができ、例えば、ノーザン解析、RNase保護、またはポリメラーゼ連鎖反応からの逆転写を使用して定量化することができる。細胞の生存性は、トリパンブルー染色、または当分野で公知の他の細胞死マーカーまたは生存性マーカーを使用して評価することができる。特定の実施形態では、細胞ATPのレベルを測定して、細胞の生存性を判定する。好ましい実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物は、健康な(すなわち、非がん性)細胞を殺傷しない。
【0251】
特定の実施形態では、細胞の生存性は、細胞内ATPのレベルを測定するCellTiter-Gloアッセイキット(Promega社)などの当分野の標準的なアッセイを使用して、三日間、および七日間で測定されてもよい。細胞ATPの減少は、細胞毒性の作用を示す。別の特定の実施形態では、細胞の生存性は、ニュートラルレッドの取り込みアッセイにおいて測定することができる。他の実施形態では、形態学的変化の視覚的観察には、拡張、粒度、端がほつれた細胞、フィルム状の外観、丸み、ウェル表面からの剥離、または他の変化が含まれる。
【0252】
本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または併用療法は、動物モデルにおいてインビボ毒性について検査することができる。例えば、RSV感染またはhMPV感染に対する化合物の効果を検査するための当分野で公知の動物モデルを使用して、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または併用療法のインビボ毒性を判定することもできる。例えば、ある範囲のpfuの本明細書に記載の組み換えNDVを動物に投与し、その後に当該動物を様々なパラメータ、例えば以下のうちの一つ、二つまたはそれ以上について経時的にモニタリングする:死亡率、体重減少または体重増加不全、および組織損傷の指標となり得る血清マーカーのレベル(例えば、全般的な組織損傷の指標としてのクレアチンホスホキナーゼのレベル、肝損傷の可能性を示すグルタミンシュウ酸トランスアミナーゼまたはピルビン酸トランスアミナーゼのレベル)。これらのインビボアッセイを適合させて、用量に加えて様々な投与様式とレジメンの毒性を検査してもよい。
【0253】
本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法の毒性、有効性、またはその両方は、例えば、LD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%に治療有効な用量)を決定するための、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することができる。毒性と治療効果の間の用量比は治療指数であり、LD50/ED50の比率として表すことができる。大きな治療指標を呈する治療法が好ましい。
【0254】
細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、対象での使用を目的とした、治療法の用量範囲の策定に使用することができる。そのような剤の用量は、毒性がほとんどない、または毒性がないED50を含む循環濃度の範囲内であることが好ましい。用量は、採用される剤形、および利用される投与経路に応じて、当該範囲内で変化し得る。本明細書に記載される任意の治療法について、治療有効用量は、最初に細胞培養アッセイから推定されてもよい。
【0255】
5.6.5 生物学的活性のアッセイ
本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、動物モデルを使用して、感染性疾患またはがんの阻害、組み換えNDVに対する抗体応答について生物学的活性を検査してもよい。そのような動物モデルシステムとしては限定されないが、ラット、マウス、ハムスター、コットンラット、ニワトリ、ウシ、サル(例えば、アフリカミドリザル)、ブタ、イヌ、ウサギなどが挙げられる。
【0256】
特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載併用療法は、動物モデルを使用して、抗原に結合する抗体の特定の幾何平均力価を誘導する能力について検証されてもよい。別の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載併用療法は、動物モデルを使用して、マイクロ中和アッセイにおいて抗原に対し中和活性を有する抗体を誘導する能力について検証されてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、動物モデルを使用して、抗原(例えば、SARS-CoV-2抗原、エボラウイルス抗原、MERS-CoV抗原、ラッサウイルス抗原、RSV抗原、またはヒトメタニューモウイルス抗原)に結合する、およびマイクロ中和アッセイにて抗原と関連付けられるウイルスを中和する、抗体の特定の幾何平均力価を誘導する能力について検証されてもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載の組み換えNDVもしくはその組成物、または本明細書に記載の併用療法は、動物モデルを使用して、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を用いた免疫付与後の、抗原に結合する抗体のレベルにおける、免疫付与前の当該抗体のレベルと比較した特定の増加倍率を誘導する能力について検証されてもよい。例えば、本明細書に記載の組み換えNDVまたはその組成物を用いた免疫付与後の、抗原に結合する抗体のレベルは、免疫付与前の当該抗体のレベルと比較して3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、またはそれ以上増加する。
【0257】
5.6.6 導入遺伝子の発現
本明細書に記載の組み換えNDVに感染した細胞における非NDV APMV Fタンパク質、非NDV APMV HNタンパク質、キメラFタンパク質、キメラHNタンパク質、抗原(キメラ抗原を含む)の発現を検証するためのアッセイは、当分野に公知の任意のアッセイ、例えば、ウェスタンブロット、免疫蛍光法、ELISAまたは本明細書に記載の任意のアッセイを使用して実施されてもよい。
【0258】
特定の態様では、ELISAを利用して、本明細書に記載の組み換えNDVに感染した細胞における非NDV APMV Fタンパク質、非NDV APMV HNタンパク質、キメラFタンパク質、キメラHNタンパク質、抗原(キメラ抗原を含む)の発現を検出する。
【0259】
一つの実施形態では、当分野に公知の抗体-抗原の相互作用に関する任意のアッセイを使用して、抗体に特異的に結合する能力を検証することにより、本明細書に記載の組み換えNDVのパッケージ化ゲノムによりコードされる非NDV APMV Fタンパク質、非NDV APMV HNタンパク質、キメラFタンパク質、キメラHNタンパク質、抗原(キメラ抗原を含む)を、適切なフォールディングについて分析する。別の実施形態では、例えば、NMR、X線結晶解析法、または例えば円偏光二色法といった二次構造予測法などの当分野に公知の任意の方法を使用して、非NDV APMV Fタンパク質、非NDV APMV HNタンパク質、キメラFタンパク質、キメラHNタンパク質、抗原(キメラ抗原を含む)の構造または立体構造を決定することによって、本明細書に記載の組み換えNDVのパッケージ化ゲノムによりコードされるものを、適切なフォールディングについて解析する。非NDV APMV Fタンパク質、非NDV APMV HNタンパク質、キメラFタンパク質、キメラHNタンパク質、抗原(キメラ抗原を含む)の立体構造および抗原性を評価する追加的なアッセイには、例えば、免疫蛍光顕微鏡、フローサイトメトリー、ウェスタンブロットおよびELISAが含まれ、これを使用してもよい。例えばコットンラットまたはマウスなどの動物モデルにおけるインビボでの免疫付与を使用して、非NDV APMV Fタンパク質、非NDV APMV HNタンパク質、キメラFタンパク質、キメラHNタンパク質、抗原(キメラ抗原を含む)の抗原性を評価してもよい。
【0260】
本明細書に記載の組み換えNDVに感染した細胞における非NDV APMV Fタンパク質、非NDV APMV HNタンパク質、キメラFタンパク質、キメラHNタンパク質、抗原(キメラ抗原を含む)の機能を検証するためのアッセイは、当分野に公知の任意のアッセイを使用して実施されてもよい。例えば、HNタンパク質の受容体結合およびノイラミニダーゼ活性が評価されてもよい。ウイルスと宿主細胞の融合が評価されてもよい。
【0261】
5.7 キット
一つの態様では、本明細書に記載の組成物(例えば、医薬組成物)の成分のうちの一つ以上で満たされた容器を一つ以上備えた医薬パックまたはキットが本明細書において提供される。特定の実施形態では、容器を備えた医薬パックまたはキットが本明細書において提供され、当該容器は、本明細書に記載の組み換えNDV、または当該組み換えNDVを含む医薬組成物を含む。特定の実施形態では、医薬パックまたはキットは、第二の組み換えNDV、または当該第二の組み換えNDVを含む医薬組成物をさらに含む。特定の実施形態では、第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは互いに免疫学的に異なっている。一部の実施形態では、セクション6に記載されるpNDV-F-HNlessアクセプタープラスミドを含む医薬パックまたはキットが本明細書において提供される。特定の実施形態では、パックまたはキットは、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチドを含む核酸配列をさらに含む。特定の実施形態では、本明細書において、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列を含む、または配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列を含む、核酸配列を含む医薬パックまたはキットが提供される。医薬品または生物製品の製造、使用または販売を規制する政府当局により規定されるフォームの通知書が、任意選択的に当該容器に関連付けられてもよく、当該通知書は、ヒト投与を目的とした製造、使用または販売に関する当局による承認を反映させている。
【0262】
一部の実施形態では、本明細書において、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸配列を含む医薬パックまたはキットが提供される。一部の実施形態では、医薬パックまたはキットは、(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、および(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、を含む(またはそれらからなる)核酸配列をさらに含む。一部の実施形態では、NDVは、LaSota株のNDVである。
【0263】
一部の実施形態では、配列番号44または45を含む核酸配列を含む医薬パックまたはキットが本明細書において提供される。一部の実施形態では、GFPコード配列を含まない配列番号44または45を含む核酸配列を含む医薬パックまたはキットが本明細書において提供される。一部の実施形態では、パックまたはキットは、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含む。一部の実施形態では、パックまたはキットは、配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含む。医薬品または生物製品の製造、使用または販売を規制する政府当局により規定されるフォームの通知書が、任意選択的に当該容器に関連付けられてもよく、当該通知書は、ヒト投与を目的とした製造、使用または販売に関する当局による承認を反映させている。
【0264】
5.8 配列
本セクションに開示される配列は、本明細書に記載の組み換えNDVを生成するために使用され得る。
【0265】
【表1】
5.9 実施形態
例示的な実施形態を本明細書の以下に提供する。
1.ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、非NDV APMV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、非NDV APMV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに非NDV APMV HNタンパク質および非NDV APMV Fタンパク質はそれぞれ、NDVのHNタンパク質およびFタンパク質ではない、核酸配列。
2.非NDV APMV Fタンパク質および非NDV APMV HNタンパク質はそれぞれ、NDF Fタンパク質およびNDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる、実施形態1に記載の核酸配列。
3.非NDV APMV HNは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のHNタンパク質である、実施形態1に記載の核酸配列。
4.非NDV APMV Fは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のFタンパク質である、実施形態1または3に記載の核酸配列。
5.非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科およびオルトアブラウイルス属、メタアブラウイルス属またはパラアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である、実施形態1に記載の核酸配列。
6.非NDV APMV Fタンパク質は、アブラウイルス亜科およびオルトアブラウイルス属、メタアブラウイルス属またはパラアブラウイルス属に由来するFタンパク質である、実施形態1または5に記載の核酸配列。
7.NDVゲノムは、NDV LaSota株のNP遺伝子、P遺伝子、M遺伝子、およびL遺伝子を含む、実施形態1~6のいずれか一つに記載の核酸配列。
8.(1)NDVヌクレオカプシド(N)タンパク質をコードする転写単位、(2)NDVホスホタンパク質(P)をコードする転写単位、(3)NDVマトリクス(M)タンパク質をコードする転写単位、(4)NDV大型ポリメラーゼ(L)をコードする転写単位、および(5)配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列、または配列番号1~14のいずれか一つのヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列、を含む核酸配列。
9.NDVヌクレオカプシドタンパク質、NDVホスホタンパク質、NDVマトリクスタンパク質、およびNDV大型ポリメラーゼは、NDV LaSota株のものである、実施形態8に記載の核酸配列。
10.配列番号44のヌクレオチド配列を含む、またはGFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列を含む核酸配列。
11.配列番号44のヌクレオチド配列、またはGFPコード配列を含まない配列番号44のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列、を含む核酸配列。
12.配列番号45のヌクレオチド配列を含む、またはGFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列を含む核酸配列。
13.配列番号45のヌクレオチド配列、またはGFPコード配列を含まない配列番号45のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列、を含む核酸配列。
14.導入遺伝子をさらに含む、実施形態1~13のいずれか一つに記載の核酸配列。
15.抗原をコードする導入遺伝子をさらに含む、実施形態1~13のいずれか一つに記載の核酸配列。
16.抗原が、ウイルス、細菌、真菌、または原虫の抗原である、実施形態14に記載の核酸配列。
17.抗原が、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片を含む、実施形態14に記載の核酸配列。
18.断片が、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインを含む、実施形態17に記載の核酸配列。
19.断片が、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の細胞外ドメインを含む、実施形態17に記載の核酸配列。
20.抗原が、MERS-CoV抗原、呼吸器合胞体ウイルス抗原、ヒトメタニューモウイルス抗原、ラッサウイルス抗原、エボラウイルス抗原、またはニパウイルス抗原である、実施形態15に記載の核酸配列。
21.抗原が、がんまたは腫瘍の抗原である、実施形態15に記載の核酸配列。
22.パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(NDV)であって、パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、非NDV AMPV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、非NDV AMPV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに非NDV APMV HNタンパク質および非NDV APMV Fタンパク質はそれぞれ、NDVのHNタンパク質およびFタンパク質ではない、組み換えNDV。
23.非NDV APMV Fタンパク質および非NDV APMV HNタンパク質はそれぞれ、NDF Fタンパク質およびNDV HNタンパク質とは免疫学的に異なる、実施形態22に記載の組み換えNDV。
24.非NDV APMV HNタンパク質は、アブラウイルス亜科およびオルトアブラウイルス属、メタアブラウイルス属またはパラアブラウイルス属に由来するHNタンパク質である、実施形態22に記載の組み換えNDV。
25.非NDV APMV Fタンパク質は、アブラウイルス亜科およびオルトアブラウイルス属、メタアブラウイルス属またはパラアブラウイルス属に由来するFタンパク質である、実施形態22または23に記載の組み換えNDV。
26.非NDV APMV HNは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のHNタンパク質である、実施形態22に記載の組み換えNDV。
27.非NDV APMV Fは、APMV4/duck/Hongkong/D3/75、APMV17/Antarctica/107/13、APMV9/duck/New York/22/78、APMV7/Dove/Tennessee/4/75、APMV21/pigeon/Taiwan/AHRI128/17、APMV6/duck/HongKong/18/199/77、APMV11/common_snipe/France/100212/10、APMV15/calidris_fuscicollis/Brazil/RS-1177/12、APMV8/Goose/Delaware/1053/76、APMV2/Chicken/California/Yucaipa/56、APMV3/Turkey/Wisconsin/68、APMV12/Wigeon/Italy/3920_1/05、APMV5/budgerigar/Japan/TI/75、またはAPMV10/penguin/Falkland Islands/324/07のFタンパク質である、実施形態22または26に記載の組み換えNDV。
28.パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(NDV)であって、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1~14のいずれか一つに記載されるcDNA配列から転写されるネガティブセンスRNA配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている、組み換えNDV。
29.パッケージ化ゲノムを含む組み換えニューカッスル病ウイルス(NDV)であって、当該パッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、NDV HNタンパク質およびNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1~14のいずれか一つに記載されるヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるヌクレオチド配列から転写されるネガティブセンスRNA配列を含むヌクレオチド配列と置き換えられている、組み換えNDV。
30.当該NDVゲノムは、NDV LaSotaのNP遺伝子、P遺伝子、M遺伝子、およびL遺伝子を含む、実施形態22~29のいずれか一つに記載の組み換えNDV。
31.当該パッケージ化ゲノムが導入遺伝子をさらに含む、実施形態22~30のいずれか一つに記載の組み換えNDV。
32.当該導入遺伝子が、ウイルス、細菌、真菌、または原虫の抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態31に記載の組み換えNDV。
33.当該導入遺伝子が、SARS-CoV-2抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態31に記載の組み換えNDV。
34.当該SARS-CoV-2抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片を含む、実施形態33に記載の組み換えNDV。
35.当該断片が、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインを含む、実施形態34に記載の組み換えNDV。
36.当該導入遺伝子が、MERS-CoV抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態31に記載の組み換えNDV。
37.当該導入遺伝子は、呼吸器合胞体ウイルス抗原またはヒトメタニューモウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態31に記載の組み換えNDV。
38.当該導入遺伝子は、ラッサウイルス抗原、エボラウイルス抗原、またはニパウイルス抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態31に記載の組み換えNDV。
39.当該導入遺伝子が、がんまたは腫瘍の抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態31に記載の組み換えNDV。
40.実施形態22~31のいずれか一つに記載の組み換えNDVである第一の組み換えNDVを含む、免疫原性組成物。
41.実施形態32~38のいずれか一つに記載の組み換えNDVである第一の組み換えNDVを含む、免疫原性組成物。
42.実施形態39に記載の組み換えNDVである第一の組み換えNDVを含む、免疫原性組成物。
43.抗原に対する免疫応答を誘導する方法であって、実施形態40、41、または42に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、方法。
44.感染性疾患を予防する方法であって、実施形態40または41に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、方法。
45.感染性疾患に対して対象に免疫を付与する方法であって、実施形態40または41に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、方法。
46.がんを治療する方法であって、実施形態40または42に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、方法。
47.当該組成物が、対象に鼻腔内投与される、実施形態43~46のいずれか一つに記載の方法。
48.当該方法はさらに、パッケージ化ゲノムを含む第二の組み換えNDVを投与することをさらに含み、当該第二の組み換えNDVのパッケージ化ゲノムは、ニューカッスル病ウイルスゲノムのヌクレオチド配列を含み、その配列において、(1)NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV AMPV HNタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、ならびに(2)NDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、非NDV APMV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列と置き換えられ、この場合において非NDV AMPV Fタンパク質コード配列の前後にNDVの遺伝子間領域があり、およびこの場合において当該第二の組み換えNDVは、第一の組み換えNDVとは免疫学的に異なる、実施形態43~47のいずれか一つに記載の方法。
49.当該対象が、ヒトである、実施形態43~48のいずれか一つに記載の方法。
50.実施形態22~39のいずれか一つに記載の組み換えNDVを含むキット。
51.実施形態1~21のいずれか一つに記載の核酸配列を含むキット。
52.実施形態22~39のいずれか一つに記載の組み換えNDVを含むインビトロまたはエクスビボの細胞。
53.実施形態22~39のいずれか一つに記載の組み換えNDVを含む細胞株またはニワトリ発育卵。
54.実施形態22~39のいずれか一つに記載の組み換えNDVを増殖させる方法であって、実施形態52または53に記載の細胞または発育卵を培養することを含む、方法。
55.当該方法が、当該細胞または発育卵に由来する組み換えNDV単離することをさらに含む、実施形態54に記載の方法。
【実施例
【0266】
6.実施例
6.1 実施例1:キメラニューカッスル病ウイルス(NDV)-鳥パラミクソウイルス(APMV)の構築物
本実施例は、キメラNDV-APMV構築物の作製について記載する。本実施例において、NDV(鳥パラミクソウイルス1)のウイルス糖タンパク質のFおよびHNのコード領域は、組み換えキメラNDV-APMVベクターを作製するために他の鳥パラミクソウイルス(APMV)に由来する同種の糖タンパク質(すなわち、FおよびHN)のコード領域と置き換えられる(図1)。
【0267】
6.1.1 材料および方法
キメラNDV-APMVベクターは、Ayllon et al.Rescue of recombinant Newcastle disease virus from cDNA.J Vis Exp.2013 Oct 11;(80):50830.doi:10.3791/50830に記載されるプロトコルを使用したリバースジェネティクスにより作製される。
【0268】
6.1.1.1 アクセプタープラスミドpNDV-F-HNlessの作製
簡潔に述べると、T7 RNAポリメラーゼプロモーターの制御下にある、NDVゲノムの全長cDNAを含有するレスキュープラスミドのpNDV-LaSotaのFコード配列およびHNコード配列を含有する3.7Kbの領域を除去し、二つの新しい固有制限酵素部位(PmelおよびNrul)を含有する短い配列と置換して、アクセプタープラスミドのpNDV-F-HNlessを作製する(図2A~2B)。次いで、他のAPMVのFタンパク質およびHNタンパク質をコードする合成インサートを、アクセプタープラスミドpNDV-F-HNlessのM遺伝子とL遺伝子との間に挿入する。F配列およびHN配列をアクセプタープラスミド(pNDV-F-HNless)に挿入して、機能性プラスミドが得られることを示すために、NDVのFタンパク質およびHNタンパク質をコードする配列を、M遺伝子とL遺伝子の間で、アクセプタープラスミドpNDV-F-HNlessのcDNA中に挿入し、図2Cに示されるように、機能性レスキュープラスミドのpNDV-LaSotaを作製した。この機能性レスキュープラスミドpNDV-LaSotaは、生存可能なウイルスのレスキューに成功した(データは示さず)。
【0269】
6.1.1.2 APMV F配列およびHN配列のインサートの設計
GenBankで入手可能なすべてのAPMV全ゲノムのF配列およびHN配列を使用した系統樹を使用して、pNDV-F-HNlessアクセプタープラスミドにクローニングされるF配列およびHN配列を選択した(図3Aおよび3B)。系統樹全体の遺伝的多様性を表すために、14個の候補配列を系統樹から選択した。例えば、GenBankアクセッション番号FJ177514、MK167211、EU910942、FJ231524、MK677433、EU622637、JQ886184、NC_034968、FJ215863、EU338414、EU782025、KC333050、LC168750、およびNC_025349のAMPV全ゲノムに由来するF配列とHN配列を選択した。
【0270】
AMPV F-HN配列を合成するために、NDVの遺伝子間領域を、FおよびHNのオープンリーディングフレームの前、その間、および後に付加した。APMV F配列(病原性を示す)を、多塩基切断部位についてチェックし、必要に応じて、利用可能な最も近縁の非病原性の切断部位と置き換える。APMV-F-HN配列中のSacII制限酵素部位はすべてサイレントな点変異によって除去され、固有のSacII制限酵素部位は、追加遺伝子のクローニングに使用する。さらに任意のパラミクソウイルスゲノムの完全なヌクレオチドサイズは、六の倍数でなければならないため、APMV-F-HN配列を、ルールオブシックスとの適合についてチェックし、必要に応じて第二の停止コドンをFオープンリーディングフレームの後に付加し、この要件を満たした。
【0271】
AMPV F-HN配列は、Genewiz社(www.genewiz.com)によって合成され、例えば、配列番号 1~14のいずれか一つであり得る。表1を参照のこと。APMVのF配列およびHN配列のインサートはすべて両端に共通のNDV由来配列を有しているため、当該インサートは、同じプライマーで増幅させ、クローニングすることができる。簡潔に述べると、AMPV F-HN配列は、FおよびHNのオープンリーディングフレームに隣接するNDV配列の再構築のために設計されたPCRプライマーを使用して、PCRによって増幅される(図4A~4C)。次いで、各AMPV F-HN配列(またはPCR産物)を、pNDV-F-HNlessアクセプタープラスミドに、M遺伝子とL遺伝子の間にクローニングして、キメラNDV-APMVプラスミドを作製する。表1の配列のそれぞれを、pNDV-F-HNlessアクセプタープラスミドに、M遺伝子とL遺伝子の間にクローニングして、キメラNDV-APMVプラスミドを作製する。
【0272】
6.1.1.3 生存性の評価
レスキューされたキメラNDV-APMVの生存性は、例えば、プラークアッセイによって評価される。キメラNDV-APMVを検証して、マイクロ中和アッセイなどを使用し、既存のNDV特異的液性免疫により中和されないことを確認する。
【0273】
6.1.2 結果
本実施例は、キメラベクターの作製について記載する。FおよびHNは中和抗体応答の主な標的であり、異なるAPMVは抗原的にも異なっている。そのためキメラベクターも抗原的に異なっており、したがって既存のNDV特異的液性免疫によって中和されない。一方で、増殖性は、全てのウイルスタンパク質の複合的な機能によって決定され、そして全ての鳥パラミクソウイルスが複製戦略を共有しているため、キメラベクターは完全に生存性があり、親のNDVベクターと同様に複製する。
【0274】
6.2 実施例2:APMV-4
本実施例は、APMV-4が、NDVよりも強力な免疫刺激因子であることが判明したことを示すデータを提供する。
【0275】
6.2.1 材料および方法
細胞株、抗体、および他の試薬
【0276】
マウスがん細胞株B16-F10(マウス皮膚メラノーマ細胞;ATCCカタログ番号CRL-6475)およびCT26.WT(マウス結腸がん腫細胞;ATCCカタログ番号CRL-2638)を、10%FBS(ウシ胎児血清)ならびに2%ペニシリンおよびストレプトマイシンを補充したRPMI培地中で維持した。ヒトメラノーマSK-MEL-2(ATCCカタログ番号HTB-68(商標))および結腸がん腫RKO-E6細胞(ATCCカタログ番号CRL-2578(商標))を、ATCC製イーグル最小必須培地を使用して増殖させた。マスターがん細胞バンクは購入後に作製され、初期継代細胞は、実験工程ごとに解凍された。培養が始まれば8週間以内で細胞を維持し、遺伝子型の安定性を保証し、顕微鏡検査によって日常的にモニタリングした。本発明者らのインビボ実験に含まれるがん細胞について必要なIMPACT試験は、Center for Comparative Medicine and Surgery at Icahn School of Medicine at Mt.Sinai(Mount Sinai Hospital、ニューヨーク州ニューヨーク)により実施された。低血清培地Opti-MEM(商標)(Gibco(商標))を、インビトロのウイルス感染培地用に使用した。
【0277】
ウイルス
【0278】
改変ニューカッスル病ウイルスLaSota-L289Aは過去に報告されている(Vijayakumar G,Palese P,Goff PH.Oncolytic Newcastle disease virus expressing a checkpoint inhibitor as a radioenhancing agent for murine melanoma.EBioMedicine 2019;49:96-105)。APMV-4 Duck/Hong Kong/D3/1975(175ADV0601)単離株は、National Veterinary Services Laboratories,United States Department of Agriculture(USDA、Ames、アイオワ州)から取得した。ウイルスストックを9日齢のニワトリ発育卵において増殖させ、不連続スクロース密度勾配超遠心分離法によって尿膜腔液から清浄化し、PBS中に再懸濁させて保存した。ウイルス力価は、Vero細胞での間接免疫蛍光法によって計算された。
【0279】
RT-qPCRによる転写解析
【0280】
がん細胞をモック処理、または250μlのOptiMEM-I中、1PFU/細胞のMOIで特定のウイルスに感染させた。1時間ウイルスを吸着させ、細胞を追加の750μlの補充培地でインキュベートした。総RNAを、感染後の指定時にQiagen RNeasy Minikit(カタログ番号74106、Qiagen社)を使用して単離した。cDNA合成は、Maxima First Strand cDNA Synthesis Kit for RT-qPCR(カタログ番号K1671、Thermo Scientific社)を使用して実施された。三つの個別の生物サンプルからのcDNAの平均n倍の発現値を、18S rRNAに対して標準化し、2-ΔΔCT法(Livak KJ,Schmittgen TD.Analysis of relative gene expression data using real-time quantitative PCR and the 2(-Delta C(T))Method.Methods 2001;25:402-8)に従いモック処理サンプルに対して較正した。ヒートマップは、Morpheus、https://software.broadinstitute.org/morpheusを使用して生成した。ヒトプライマー配列およびマウスプライマー配列を表2にまとめた。
【表2】
【0281】
統計解析
【0282】
GraphPad Prism 9を使用してデータ解析を実施した。一元配置ANOVAまたは二元配置ANOVAを使用して、複数の群を、それぞれ一つまたは二つの独立した変数を用いて比較した。結果は、示されるように平均値±SEMまたは±SDとして表される。ログランク(マンテル-コックス)検定を使用して生存曲線の比較を実施した。p値>0.05を統計的に有意ではない(ns)とみなした。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
【0283】
6.2.2 結果
APMV-4(組み換えAPMV-4)の感染クローンは、NDVおよび他のパラミクソウイルスの既に確立されている系を原型としたプラスミドベースのレスキュー戦略を設計して作製した(Ayllon J,Garcia-Sastre A,Martinez-Sobrido L.Rescue of recombinant Newcastle disease virus from cDNA.J Vis Exp 2013)。
【0284】
APMV-4または組み換えAPMV-4(rAPMV-4)が感染したがんによって誘発された炎症促進性応答を、感染から8時間後および16時間後に評価した(図5E~5H)。qPCRによるmRNA発現解析は、感染から8時間後にLS-L289Aによって誘導された発現値と比較して、APMV-4感染細胞によるINF-β、STAT-1、ISG15、OAS1、およびMX1遺伝子の上方制御の増加を示した。この早期的で強力なI型インターフェロンの特徴は、その起源とは無関係にすべてのがん細胞株により呈され、この特徴は、rAPMV-4感染によって再現された。8時間または16時間のいずれかで、ISG-15およびMX-1の発現においてAPMV-4ウイルスとNDVとの間に有意差が見出された。IL-6はマウスがん細胞において特に上方制御されており、一方でOAS1は、ヒトがん細胞によって有意に上方制御されていた。ウイルス核タンパク質NのmRNA発現レベルの解析(図5A~5D)は、ウイルスの複製能力と早期的な免疫特徴との間に直接的な関連性を示さず、B16-F10(図5A、5E)およびSK-MEL-2メラノーマがん細胞(図5C、5G)は高レベルのLS-L289AウイルスのN mRNAを示したが、免疫刺激はAPMV-4およびrAPMV-4に応答したほうが強かった。
【0285】
6.2.3 考察
APMV-4 Duck/Hong Kong/D3/1975は、最初に同定されたAPMV-4ウイルスであり、鳥パラアブラウイルス種のプロトタイプ株とみなされている(Gogoi P,Ganar K,Kumar S.Avian Paramyxovirus:A Brief Review.Transbound Emerg Dis 2017;64:53-67; Shortridge KF,Alexander DJ.Incidence and preliminary characterisation of a hitherto unreported,serologically distinct,avian paramyxovirus isolated in Hong Kong.Res Vet Sci 1978;25:128-30)。この単離株は世界中の野生の水鳥から採取されることが多く、稀にアヒル、ガチョウ、およびニワトリからも採取されるが、これらに感染した動物において疾患の臨床兆候はこれまで報告されていない(Alexander DJ.Newcastle disease and other avian paramyxoviruses.Rev Sci Tech 2000;19:443-62; Warke A,Stallknecht D,Williams SM,Pritchard N,Mundt E.Comparative study on the pathogenicity and immunogenicity of wild bird isolates of avian paramyxovirus 2,4,and 6 in chickens.Avian Pathol 2008;37:429-34)。この非病原性の表現型は、鳥類および哺乳動物の実験的接種によって確認されている(Samuel AS,Subbiah M,Shive H,Collins PL,Samal SK.Experimental infection of hamsters with avian paramyxovirus serotypes 1 to 9.Vet Res 2011;42:38)。高用量のAPMV-4(10 PFU)を鼻腔内投与しても、接種マウスの健康は損なわれなかった(データは示さず)。Duck/Hong Kong/D3/1975株の完全ゲノム配列および分子的特徴解析は過去に報告されている(Nayak B,Kumar S,Collins PL,Samal SK.Molecular characterization and complete genome sequence of avian paramyxovirus type 4 prototype strain duck/Hong Kong/D3/75.Virol J 2008;5:124)。APMV-4のRBP HNタンパク質は、ヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼ活性を有しており、シアル酸を認識すると予測されている。非病原性の長期潜伏性NDV株と似て、そのFタンパク質は一塩基性切断部位(DIPQR↓F)を有するが、正当なフーリン切断部位を呈していないにも関わらず、インビトロで特定の細胞株においてAPMV-4に複数サイクルの複製能力を与えると示唆されている。本発明者らが行ったがん細胞における複製実験においては、感染培地に外来性のTPCK-トリプシンを添加した場合の複数サイクルの複製のみが進行可能であった。しかし、APMV-4は、LS-L289Aウイルスよりも高い力価に達することが観察された一方で、増殖動態は類似していた(データは示さず)。上記すべてを考慮すると、内因性プロテアーゼまたは分泌性プロテアーゼのいずれかによるタンパク質分解の活性化にAPMV4 Fタンパク質は明確に依存しており、これによってウイルス適応度における差異がサポートされ得る。
【0286】
さらに、APMV-4は、感染したがん細胞において炎症促進性および死滅的な応答を誘発する能力を示している(図5A~5Hを参照)。NDVと比較した場合、APMV-4は、より強力な免疫刺激因子であり、ホストとなり得ることが見出された(同上)。NDVと比較した場合、APMV-4は、より強力な免疫刺激因子であり、I型インターフェロン応答の早期的で、より安定的な上方制御をもたらすことも見出された。興味深いことに、この効果は、試験された様々ながん細胞で保存されており(図5E~5H)、ウイルス複製のレベルとは無関係であった(図5A~5D)。
【0287】
6.3 実施例3:キメラニューカッスル病ウイルス(NDV)-鳥パラミクソウイルス(APMV)の構築物NDV-APMV2およびNDV-APMV3
鳥パラミクソウイルス(APMV)は、アブラウイルス亜科に属している。APMVには、抗原的に異なる多様な種が存在する。APMVは、メタアブラウイルス属、オルトアブラウイルス属、およびパラアブラウイルス属にさらに分類される。ニューカッスル病ウイルス(NDV)は、オルトアブラウイルス属に属しており、AMPV血清型-1(APMV-1)としても知られている(図6A)。様々なウイルス病原体に対するワクチンベクターとしてのNDVの可能性を活用し、NDVベースのワクチンにより導かれる既存の免疫性能に克つために、本実施例はキメラのNDV-APMV2ウイルスおよびNDV-APMV3ウイルスの作製を報告し、これらのウイルスが野生型NDVとは抗原的に異なることを実証するデータを提供する。本実施例において、NDV(鳥パラミクソウイルス1)のウイルス糖タンパク質のFおよびHNのコード領域は、組み換えキメラNDV-APMVウイルスを作製するために他の鳥パラミクソウイルス(APMV)に由来する同種の糖タンパク質(すなわち、FおよびHN)のコード領域と置き換えられた(図6B)。
【0288】
6.3.1 材料および方法
ウイルス
【0289】
キメラNDV-APMVベクターを、実施例1に記載されるように作製した。簡潔に述べると、APMV2/Chicken/California/ Yucaipa/56のF配列およびHN配列を、pNDV-F-HNlessアクセプタープラスミドにクローニングし、キメラNDV-APMV2ベクターを作製した。APMV3/Turkey/Wisconsin/68のF配列およびHN配列をpNDV-F-HNlessアクセプタープラスミドにクローニングし、キメラNDV-APMV3を作製した。系統樹に示されるように(図6A)、APMV2は、メタアブラウイルス属に属し、AMPV3は、パラアブラウイルス属に属した。APMV2およびAPMV3は、NDV(オルトアブラウイルス)とは抗原的に異なるのみならず、互いも抗原的に異なる(図7)。
【0290】
バイオマーカーとして、および撮像目的のために、緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子をキメラNDV-APMV2のP遺伝子とM遺伝子との間に挿入して、キメラNDV-APMV2-GFP構築物を作製した。キメラNDV-APMV2-GFPのヌクレオチド配列については、配列番号44を参照のこと。同様に、GFP遺伝子をキメラNDV-APMV3のP遺伝子とM遺伝子の間に挿入して、キメラNDV-APMV3-GFP構築物を作製した(図7)。キメラNDV-APMV3のヌクレオチド配列については、配列番号45を参照のこと。組み換えウイルスのレスキューは、標準的な方法を使用して実施した(例えば、J.Ayllon,A.Garcia-Sastre,L.Martinez-Sobrido,Rescue of recombinant Newcastle disease virus from cDNA.J Vis Exp,(2013)を参照のこと)。
【0291】
導入遺伝子の発現および抗原性
【0292】
導入遺伝子の発現を実証するために、ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)細胞を、それぞれキメラNDV-APMV2-GFPウイルスおよびキメラNDV-APMV3-GFPウイルスに感染させた。導入遺伝子の発現は蛍光顕微鏡を使用して、感染後18時間でGFP発現を調べることによって検証された。キメラNDV-APMV2-GFPウイルスおよびキメラNDV-APMV3-GFPウイルスが、NDVとは抗原的に異なるかを調べるために、APMV HNタンパク質が赤血球を凝集させることを利用して、血球凝集阻害(HI)アッセイを使用した。HIアッセイは、野生型(WT)NDVウイルスに対して産生されたウサギ血清において実施された。
【0293】
6.3.2 結果
導入遺伝子の発現は、蛍光顕微鏡下で観察されたGFP発現によって実証された。図8Aに示されるように、GFP発現のシグナルは、感染後18時間で、キメラNDV-APMV2-GFPウイルスおよびキメラNDV-APMV3-GFPウイルスに感染したCEF細胞の両方において観察された。この結果から、キメラNDV-APMV2-GFPウイルスおよびキメラNDV-APMV3-GFPウイルスの両方が導入遺伝子を発現し得たことが示される。
【0294】
キメラNDV-APMVウイルスとWT NDVとの間の抗原性の差異を、HIアッセイによって評価した。図8Bの結果から、ウサギ血清のHI活性は、NDV-GFP構築物と比較して、キメラNDV-APMV-2-GFP構築物およびキメラNDV-APMV-3-GFP構築物の両方で有意に低下したことが示された。この結果から、両方のキメラNDV-APMVウイルスが野生型NDVとは抗原的に異なることが示される。
【0295】
【表3】
【0296】
本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲を限定されないものとする。実際に、記載される内容に加えて本発明の様々な改変が、前述の説明および添付の図面から当業者には明白であろう。そのような改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0297】
本明細書に引用されるすべての参考文献は、すべての目的に対し、各公表文献または特許または特許出願が具体的におよび個々にすべての目的に対しその全体で参照により本明細書に組み込まれると示される場合と同程度まで、その全体で参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3A-1】
図3A-2】
図3A-3】
図3B-1】
図3B-2】
図3B-3】
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E-F】
図5G-H】
図6A
図6B
図7-1】
図7-2】
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2024-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2024514975000001.app
【国際調査報告】