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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】縫合ベースの閉鎖デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20240327BHJP
   A61B 17/06 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A61B17/04
A61B17/06 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565523
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2022026357
(87)【国際公開番号】W WO2022232150
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/179,948
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デュエル、クリストファー アール.
(72)【発明者】
【氏名】バグリー、ケビン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート、スタン ロバート
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB01
4C160BB12
4C160BB15
4C160BB23
4C160MM43
4C160NN02
4C160NN03
4C160NN09
4C160NN11
(57)【要約】
医療デバイスは、内視鏡の遠位端に固定されるように適合された取付構造体を含む。第1の縫合アームは、取付構造体に枢動可能に固定されるとともに、縫合糸を収容しながら組織を穿刺するように適合された針を解放可能に固定するように適合されている。第2の縫合アームは、取付構造体に枢動可能に固定されるとともに、針を解放可能に固定するように適合されている。第1の縫合アームおよび第2の縫合アームは、それらの間で針を弓状の経路に沿って往復させるように協働する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
内視鏡の遠位端に固定されるように適合された取付構造体と、
第1の枢動点を介して前記取付構造体に枢動可能に固定された第1の縫合アームであって、
前記第1の枢動点に対向する前記第1の縫合アームの端部にある第1のラッチ部材と、
前記第1のラッチ部材に枢動可能に固定された第1のラッチ機構であって、針が前記第1のラッチ部材と前記第1のラッチ機構との間に固定されるラッチ位置と、解放位置との間で枢動可能である、第1のラッチ機構と
を含む、第1の縫合アームと、
第2の枢動点を介して前記取付構造体に枢動可能に固定された第2の縫合アームであって、
前記第2の枢動点に対向する前記第2の縫合アームの端部にある第2のラッチ部材と、
前記第2のラッチ部材に枢動可能に固定された第2のラッチ機構であって、針が前記第2のラッチ部材との間に固定されるラッチ位置と、解放位置との間で枢動可能である、第2のラッチ機構と
を含む、第2の縫合アームと
を備える、医療デバイス。
【請求項2】
前記第1の縫合アームに動作可能に結合された第1の制御要素をさらに備え、前記第1の制御要素を引っ張ることによって前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームに向かって動き、前記第1の制御要素を押すことによって前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームから離れるように動く、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記第2の縫合アームに動作可能に結合された第2の制御要素をさらに備え、前記第2の制御要素を引っ張ることによって前記第2の縫合アームが前記第1の縫合アームに向かって動き、前記第2の制御要素を押すことによって前記第2の縫合アームが前記第1の縫合アームから離れるように動く、請求項1または2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記第1のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、前記第1のラッチ機構と動作可能に結合された第3の制御要素と、
前記第2のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、前記第2のラッチ機構と動作可能に結合された第4の制御要素と
をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記第1のラッチ部材に固定された第1の丸みを帯びたピンであって、前記針が前記第1のラッチ部材と前記第1のラッチ機構との間に配置されたときに前記針のラッチ戻り止めに係合するように適合された第1の丸みを帯びたピンと、
前記第1のラッチ機構に固定された第2の丸みを帯びたピンであって、前記第1のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに前記針の前記ラッチ戻り止めに係合するように適合された第2の丸みを帯びたピンと
をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記第1のラッチ部材および前記第1のラッチ機構は、前記第1のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに前記針を受け入れるように適合された第1のルーメンを共に画定し、前記第1の丸みを帯びたピンおよび前記第2の丸みを帯びたピンは、前記第1のルーメン内に部分的に延在している、請求項1~5のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記第2のラッチ部材に固定された第3の丸みを帯びたピンであって、前記針が前記第2のラッチ部材と前記第2のラッチ機構との間に配置されたときに前記針のラッチ戻り止めに係合するように適合された第3の丸みを帯びたピンと、
前記第2のラッチ機構に固定された第4の丸みを帯びたピンであって、前記第2のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに前記針の前記ラッチ戻り止めに係合するように適合された第4の丸みを帯びたピンと
をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記第2のラッチ部材と前記第2のラッチ機構との組み合わせは、前記第2のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに前記針を受け入れるように適合された第2のルーメンを画定し、前記第3の丸みを帯びたピンおよび前記第4の丸みを帯びたピンは、前記第2のルーメン内に部分的に延在している、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記第2の縫合アームは、前記第1の縫合アームがその水平位置に近づくときに、前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームを通って枢動することを可能にするように適合されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項10】
医療デバイスであって、
内視鏡の遠位端に固定されるように適合された取付構造体と、
前記取付構造体に枢動可能に固定された第1の縫合アームであって、前記第1の縫合アームは、縫合糸を収容しながら組織を穿刺するように適合された針を解放可能に固定するように適合され、第1の幅を有している、第1の縫合アームと、
前記取付構造体に枢動可能に固定された第2の縫合アームであって、前記第2の縫合アームは、前記針を解放可能に固定するように適合され、前記第2の縫合アームは、前記第1の縫合アームが新たに送達された針を捕捉するために前記第2の縫合アームを通って枢動することができるように、前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有している、第2の縫合アームと
を備え、
前記第1の縫合アームおよび前記第2の縫合アームは共に、それらの間で前記針を弓状の経路に沿って往復させるように適合されている、医療デバイス。
【請求項11】
前記第1の縫合アームは、前記第2の縫合アームから離れる外向き方向に垂直から約45度の位置から、前記第2の縫合アームに向かう内向き方向に水平位置まで枢動するように適合されている、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記第2の縫合アームは、前記第1の縫合アームから離れる外向き方向に垂直から約45度の位置から、前記第2の縫合アームに向かう内向き方向に垂直から約45度の位置まで枢動するように適合されている、請求項10または11に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記第1の縫合アームに動作可能に結合された第1の制御要素をさらに備え、前記第1の制御要素を引っ張ることによって前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームに向かって動き、前記第1の制御要素を押すことによって前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームから離れるように動く、請求項10~12のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記第2の縫合アームに動作可能に結合された第2の制御要素をさらに備え、前記第2の制御要素を引っ張ることによって前記第2の縫合アームが前記第1の縫合アームに向かって動き、前記第2の制御要素を押すことによって前記第2の縫合アームが前記第1の縫合アームから離れるように動く、請求項10~13のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項15】
第1のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、前記第1のラッチ機構と動作可能に結合された第3の制御要素と、
第2のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、前記第2のラッチ機構と動作可能に結合された第4の制御要素と
をさらに備える、請求項10~14のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組織を縫合するためのデバイスに関し、より詳細には、組織を内視鏡的に縫合するための内視鏡または類似のデバイスと協働するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な内視鏡治療により、止血クリップが容易に架橋して損傷を閉鎖するのを助けるには大きすぎる損傷(または創傷)が生じる可能性がある。このような内視鏡処置の例は、大きな病変の除去、粘膜層の下のトンネリング、組織の全層除去、胃腸管の外側を通過させることによる他の器官の処置、ならびに手術後の漏出、失敗した手術ステープルラインおよび吻合漏出のような手術後の問題の修復を含む。内視鏡治療は、肥満修正処置も含む。大きな損傷を内視鏡的に閉鎖するための既知のデバイスおよび方法は、それぞれ特定の利点および欠点を有している。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、大きな損傷を内視鏡的に閉鎖するためのデバイスのいくつかの代替的な設計、材料、および方法に関する。一例では、医療デバイスは、内視鏡の遠位端に固定されるように適合された取付構造体を含む。第1の縫合アームは、第1の枢動点を介して取付構造体に枢動可能に固定されている。第1の縫合アームは、第1の枢動点に対向する第1の縫合アームの端部にある第1のラッチ部材と、第1のラッチ部材に枢動可能に固定された第1のラッチ機構とを含み、第1のラッチ機構は、針が第1のラッチ部材と第1のラッチ機構との間に固定されるラッチ位置と、解放位置との間で枢動可能である。第2の縫合アームは、第2の枢動点を介して取付構造体に枢動可能に固定されている。第2の縫合アームは、第2の枢動点に対向する第2の縫合アームの端部にある第2のラッチ部材と、第2のラッチ部材に枢動可能に固定された第2のラッチ機構とを含み、第2のラッチ機構は、針が第2のラッチ部材との間に固定されるラッチ位置と、解放位置との間で枢動可能である。
【0004】
代替的または追加的に、医療デバイスは、第1の縫合アームに動作可能に結合された第1の制御要素をさらに含んでいてよく、第1の制御要素を引っ張ることによって第1の縫合アームが第2の縫合アームに向かって動き、第1の制御要素を押すことによって第1の縫合アームが第2の縫合アームから離れるように動く。
【0005】
代替的または追加的に、医療デバイスは、第2の縫合アームに動作可能に結合された第2の制御要素をさらに含んでもよく、第2の制御要素を引っ張ることによって第2の縫合アームが第1の縫合アームに向かって動き、第2の制御要素を押すことによって第2の縫合アームが第1の縫合アームから離れるように動く。
【0006】
代替的または追加的に、医療デバイスは、第1のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、第1のラッチ機構と動作可能に結合された第3の制御要素と、第2のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、第2のラッチ機構と動作可能に結合された第4の制御要素とをさらに含んでいてよい。
【0007】
代替的にまたは追加的に、医療デバイスは、第1のラッチ部材に固定された第1の丸みを帯びたピンであって、針が第1のラッチ部材と第1のラッチ機構との間に配置されたときに針のラッチ戻り止めに係合するように適合された第1の丸みを帯びたピンと、第1のラッチ機構に固定された第2の丸みを帯びたピンであって、第1のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに針のラッチ戻り止めに係合するように適合された第2の丸みを帯びたピンとをさらに含んでいてよい。
【0008】
代替的または追加的に、第1のラッチ部材および第1のラッチ機構は、第1のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに針を受け入れるように適合された第1のルーメンを共に画定してもよく、第1の丸みを帯びたピンおよび第2の丸みを帯びたピンは、第1のルーメン内に部分的に延在していてもよい。
【0009】
代替的または追加的に、医療デバイスは、第2のラッチ部材に対して固定された第3の丸みを帯びたピンであって、針が第2のラッチ部材と第2のラッチ機構との間に配置されたときに針のラッチ戻り止めに係合するように適合された第3の丸みを帯びたピンと、第2のラッチ機構に対して固定された第4の丸みを帯びたピンであって、第2のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに針のラッチ戻り止めに係合するように適合された第4の丸みを帯びたピンとをさらに含んでいてよい。
【0010】
代替的または追加的に、第2のラッチ部材と第2のラッチ機構との組み合わせは、第2のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに針を受け入れるように適合された第2のルーメンを画定してもよく、第3の丸みを帯びたピンおよび第4の丸みを帯びたピンは、第2のルーメン内に部分的に延在していてよい。
【0011】
代替的または追加的に、第1の縫合アームは、第2の縫合アームから離れる外向き方向に垂直から約45度の位置から、第2の縫合アームに向かう内向き方向に水平位置まで枢動するように適合されていてよい。
【0012】
代替的または追加的に、第2の縫合アームは、第1の縫合アームがその水平位置に近づくときに、第1の縫合アームが第2の縫合アームを通って枢動することを可能にするように適合されていてよい。
【0013】
代替的または追加的に、第2の縫合アームは、第1の縫合アームから離れる外向き方向に垂直から約45度の位置から、第1の縫合アームに向かう内向き方向に垂直から約45度の位置まで枢動するように適合されていてよい。
【0014】
別の例では、医療デバイスは、内視鏡の遠位端に固定されるように適合された取付構造体を含む。第1の縫合アームは、取付構造体に枢動可能に固定され、第1の縫合アームは、縫合糸を収容しながら組織を穿刺するように適合された針を解放可能に固定するように適合され、第1の縫合アームは、第1の幅を有している。第2の縫合アームは、取付構造体に枢動可能に固定され、第2の縫合アームは、針を解放可能に固定するように適合され、第2の縫合アームは、第1の縫合アームが新たに送達された針を捕捉するために第2の縫合アームを通って枢動することができるように、第1の幅よりも大きい第2の幅を有している。第1の縫合アームおよび第2の縫合アームは共に、それらの間で針を弓状の経路に沿って往復させるように適合されている。
【0015】
代替的または追加的に、第1の縫合アームは、第2の縫合アームから離れる外向き方向に垂直から約45度の位置から、第2の縫合アームに向かう内向き方向に水平位置まで枢動するように適合されていてよい。
【0016】
代替的または追加的に、第2の縫合アームは、第1の縫合アームから離れる外向き方向に垂直から約45度の位置から、第2の縫合アームに向かう内向き方向に垂直から約45度の位置まで枢動するように適合されていてよい。
【0017】
代替的または追加的に、医療デバイスは、第1の縫合アームに動作可能に結合された第1の制御要素をさらに含んでいてよく、第1の制御要素を引っ張ることによって第1の縫合アームが第2の縫合アームに向かって動き、第1の制御要素を押すことによって第1の縫合アームが第2の縫合アームから離れるように動く。
【0018】
代替的または追加的に、医療デバイスは、第2の縫合アームに動作可能に結合された第2の制御要素をさらに含んでもよく、第2の制御要素を引っ張ることによって第2の縫合アームが第1の縫合アームに向かって動き、第2の制御要素を押すことによって第2の縫合アームが第1の縫合アームから離れるように動く。
【0019】
代替的または追加的に、医療デバイスは、第1のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、第1のラッチ機構と動作可能に結合された第3の制御要素と、第2のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、第2のラッチ機構と動作可能に結合された第4の制御要素とをさらに含んでいてよい。
【0020】
別の例では、医療デバイスは、内視鏡の遠位端に固定されるように適合された取付構造体を含む。第1の縫合アームは、取付構造体に枢動可能に固定され、第1の縫合アームは、縫合糸を収容しながら組織を穿刺するように適合された針を解放可能に固定するように適合されている。第2の縫合アームは、取付構造体に枢動可能に固定され、第2の縫合アームは、縫合糸を収容しながら組織を穿刺するように適合された針を解放可能に固定するように適合されている。第1の縫合アームおよび第2の縫合アームは、各々、それらの間で針を弓状の経路に沿って往復させるために、互いに向かって動くように、かつ互いから離れるように作動させられる。
【0021】
代替的または追加的に、第1の縫合アームは、第1のラッチ部材と、第1のラッチ部材に枢動可能に固定された第1のラッチ機構とを含んでいてよく、第1のラッチ機構は、針が第1のラッチ部材と第1のラッチ機構との間に固定されるラッチ位置と、解放位置との間で枢動可能である。
【0022】
代替的または追加的に、第2の縫合アームは、第2のラッチ部材と、第2のラッチ部材に枢動可能に固定された第2のラッチ機構とを含んでいてよく、第2のラッチ機構は、針が第2のラッチ部材と第2のラッチ機構との間に固定されるラッチ位置と、解放位置との間で枢動可能である。
【0023】
いくつかの実施形態の上記概要は、本開示の各開示された実施形態またはすべての実装形態を説明することを意図していない。以下の図面および詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示は、添付の図面に関連して以下の説明を考慮することにより、より完全に理解され得る。
図1図1は、内視鏡の遠位端に固定された例示的な縫合デバイスを含む、例示的なアセンブリの側面図である。
図2図2は、図1の例示的なアセンブリの端面図である。
図3図3は、針または縫合糸を再装填するように構成された、図1の例示的なアセンブリの斜視図である。
図4図4は、図1の例示的なアセンブリの一部を形成する複数の縫合アームのうちの1つに形成された枢動ストップ部を示す図である。
図5A図5Aおよび図5Bは、図1の例示的なアセンブリの一部を形成する複数の縫合アームのうちの他方に形成された枢動ストップ部を示す図である。
図5B図5Aおよび図5Bは、図1の例示的なアセンブリの一部を形成する複数の縫合アームのうちの他方に形成された枢動ストップ部を示す図である。
図6図6は、図1の例示的なアセンブリの一部を形成する例示的な縫合アームの部分切断図である。
図7A図7A図7Dは、縫合糸を配置するための一連の事象を示す、図1の例示的なアセンブリの側面図である。
図7B図7A図7Dは、縫合糸を配置するための一連の事象を示す、図1の例示的なアセンブリの側面図である。
図7C図7A図7Dは、縫合糸を配置するための一連の事象を示す、図1の例示的なアセンブリの側面図である。
図7D図7A図7Dは、縫合糸を配置するための一連の事象を示す、図1の例示的なアセンブリの側面図である。
図8図8は、内視鏡の遠位端に固定された例示的な縫合デバイスを含む例示的なアセンブリの斜視図である。
図9図9は、内視鏡の遠位端に固定された例示的な縫合デバイスを含む例示的なアセンブリの斜視図である。
図10図10は、図8および図9の例示的なアセンブリとともに使用可能な針の斜視図である。
図11図11は、内視鏡の遠位端に固定された例示的な縫合デバイスを含む例示的なアセンブリの斜視図である。
図12図12は、図11の例示的アセンブリの部分切断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、様々な修正形態および代替形態に従うが、その詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明される。しかしながら、その意図は、記載される特定の実施形態に本発明を限定することではないことを理解されたい。逆に、本発明は、本開示の技術思想および範囲内に入るすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含するものである。
【0026】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲または本明細書の他の箇所において異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
特定の用語の定義が以下に提供され、異なる定義が特許請求の範囲または本明細書の他の箇所で与えられない限り、適用されるものとする。
【0027】
全ての数値は、本明細書において、明示的に示されているか否かにかかわらず、用語「約」によって修飾されると想定される。「約」という用語は、一般に、記載された値と同等である(すなわち、同じ機能または結果を有する)と当業者が考えるであろう数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数を含むものとして示すことができる。
【0028】
端点による数値範囲の記載は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
様々な構成要素、特徴および/または仕様に関するいくつかの適切な寸法、範囲および/または値が開示されているが、本開示によって触発された当業者は、所望の寸法、範囲および/または値が明示的に開示されたものから逸脱し得ることを理解するであろう。
【0029】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、その内容が明らかにそうでないことを示さない限り、単数および複数の指示対象を含むか、またはそれらを指す。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「または」という用語は、内容が明らかにそうでないことを示さない限り、「および/または」を含むように一般に使用される。
【0030】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面における同様の要素には同じ番号が付されている。詳細な説明および必ずしも縮尺通りではない図面は、例示的な実施形態を示しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。図示された例示的な実施形態は、例示としてのみ意図されている。任意の例示的な実施形態の選択された特徴は、明確に反対の記載がない限り、追加の実施形態に組み込まれてもよい。
【0031】
本開示は、体内の創傷を閉鎖するために内視鏡または同様の送達デバイスと組み合わせて使用されるように構成されたデバイスに関する。いくつかの例では、本明細書に説明される縫合デバイスは、内視鏡の単一作業チャネルまたは利用可能チャネル内で、単一作業チャネル内視鏡または二重作業チャネル内視鏡と組み合わせて使用され得るように構成されていてよく、いくつかの場合には、単一の個人によって操作され得るが、いくつかの場合には、第2の個人が関与してもよい。
【0032】
図1は、内視鏡14の遠位端に固定された例示的な縫合デバイス12を含む例示的なアセンブリ10の斜視図であり、一方、図2は、例示的なアセンブリ10の端面図である。縫合デバイス12は、直径2.8ミリメートル(mm)、直径3.2mm、または直径3.7mmの主作業チャネルを有する内視鏡14を含むがこれらに限定されない、様々な異なる内視鏡14と組み合わせて使用されてよい。また、縫合デバイス10は、内視鏡、結腸鏡、胃鏡、十二指腸鏡、気管支鏡、尿管鏡、カテーテル、医療デバイスなどのうちの任意のものと共に使用され得ることが理解される。
【0033】
図示のように、例示的な縫合デバイス12は、内視鏡14に対して縫合デバイス12を固定するように構成されたエンドキャップ16を含む。一般に、第2のデバイスに対して固定されるように適合されている第1のデバイスは、第2のデバイスに直接固定されている第1のデバイスを含み、1つまたは複数の介在構造を用いて第2のデバイスに固定されている第1のデバイスも含む。例えば、エンドキャップ16は、任意のオーバーザスコープコネクタであってよい。いくつかの例において、縫合デバイス12は、代わりに、内視鏡14に対して縫合デバイス12を固定するように適合された他の構造または機構(図示せず)を含んでいてもよい。いくつかの場合において、示されるように、アセンブリ10は、縫合デバイス12を使用して1つまたは複数のステッチを組織に配置することができるように、組織を把持するとともに、組織を作業空間20に引き込むために使用され得る組織把持デバイス18を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、組織把持デバイス18は、螺旋状のデバイスであってもよい。螺旋状の組織把持デバイス18が示されているが、いくつかの場合、把持具が内視鏡14の主作業チャネルを通りぬけることができる限り、他のタイプの把持具が使用されてもよい。
【0034】
縫合デバイス12は、第1の縫合アーム22および第2の縫合アーム24を含み、第1の縫合アーム22および第2の縫合アーム24は、針26を第1の縫合アーム22と第2の縫合アーム24との間で往復させることができるように構成されている。図7A図7Dに示されるように、第1の縫合アーム22および第2の縫合アーム24の動きにより、針26は、弓状の経路に沿って移動すると考えられ得ることが理解されるであろう。針26が組織を通過するとき、針26は、針26と共に縫合糸28を引っ張り、それによって縫合糸28が組織を通して引っ張られる。
【0035】
第1の縫合アーム22は、第1のラッチ部材30および第1のラッチ機構32を含む。第2の縫合アーム24は、第2のラッチ部材34および第2のラッチ機構36を含む。後述するように、第1のラッチ部材30および第1のラッチ機構32は、協働して、針26を第1の縫合アーム22に解放可能に固定する。同様に、第2のラッチ部材34および第2のラッチ機構36は、協働して、針26を第2の縫合アーム24に解放可能に固定する。
【0036】
第1の縫合アーム22および第2の縫合アーム24を所望のように動かすために、縫合デバイス12は、第1の枢動点42に近接して第1の縫合アーム22に固定された第1のクレビス40に取り付けられた第1の制御要素38を含む。第1の制御要素38は、例えば、ワイヤ、または第1の制御要素38を押したり引いたりすることができる十分な引張強度を有する他の細長い構造体であってよい。第1の制御要素38が、適切なハンドル機構(図示せず)などによって遠位に押されると、第1の縫合アーム22は、作業空間20から離れるように、かつ第2の縫合アーム24から離れるように枢動させられる。第1の制御要素38が、適切なハンドル機構(図示せず)などによって近位に引っ張られると、第1の縫合アーム22は、作業空間20内へ、かつ第2の縫合アーム24に向かって枢動させられる。
【0037】
縫合デバイス12は、第2の枢動点48に近接して第2の縫合アーム24に固定された第2のクレビス46に取り付けられた第2の制御要素44を含む。第2の制御要素44は、例えば、ワイヤ、または第2の制御要素38を押したり引いたりすることができる十分な引張強度を有する他の細長い構造体であってよい。第2の制御要素44が、適切なハンドル機構(図示せず)などによって遠位に押されると、第2の縫合アーム22は、作業空間20から離れるように、かつ第1の縫合アーム22から離れるように枢動させられる。第2の制御要素44が、適切なハンドル機構(図示せず)などによって近位に引っ張られると、第2の縫合アーム24は、作業空間20内へ、かつ第2の縫合アーム22に向かって枢動させられる。いくつかの場合、ハンドル機構内の1つまたは複数の歯車の使用など、他の作動機構が企図される。これは単なる一例である。
【0038】
第1のラッチ機構32は、枢動点50で第1のラッチ部材30に枢動可能に固定されている。図6に関して説明されるように、第3の制御要素を使用して、第1のラッチ機構32を第1のラッチ部材30に対して開閉することができる。第2のラッチ機構36は、枢動点56で第2のラッチ部材34に枢動可能に固定されている。図6に関して説明されるように、第4の制御要素を使用して、第2のラッチ機構36を第2のラッチ部材34に対して開閉することができる。
【0039】
特に図2に関して、第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22が、同一ではないことが分かる。むしろ、第1の縫合アーム20は、幅のより広い第2の縫合アーム22に対して相対的に幅が狭いものとして見ることができる。このサイズの不一致は、第1の縫合アーム20が第2の縫合アーム22に向かって傾斜し、実際に第2の縫合アーム22を通り抜けることを可能にする。
【0040】
図3は、第1の縫合アーム20が第2の縫合アーム22を通って延在する水平位置または実質的に水平位置にある第1の縫合アーム20を示す。第1の縫合アーム20は、針26が外部チューブ62を通して提供されるときに針26を捕捉することができる位置にある。これは、例えば、針26を交換する必要がある場合に起こり得る。いくつかの場合、針26は、縫合糸を終端させるために使用されてもよく、これは、針26が、縫合されている組織の近くの患者の体内に残されてもよいことを意味する。これは、配置される別の縫合糸がある場合、別の針26が必要とされ得ることを意味し得る。いくつかの場合において、アセンブリ10は、針26が第1の縫合アーム20と第2の縫合アーム22との間にしっかりと固定された状態で縫合部位に向かって前進させられるが、いくつかの場合において、代わりに針26なしでアセンブリ10を前進させ、アセンブリ10が縫合部位に到達してから初めて針26を提供することが所望され得る。
【0041】
理解されるように、第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22は、任意の位置へと自由に枢動することが可能ではないが、移動に制限を提供するように構成されている。いくつかの場合、例えば、第1の縫合アーム20は、第2の縫合アーム22から離れる外向き方向に垂直から約45度の位置(おおよそ図1に示される第1の縫合アーム20の位置)から、第2の縫合アーム22に向かう内向き方向に水平位置(おおよそ図3に示される第1の縫合アーム20の位置)まで枢動することが可能とされていてよい。第2の縫合アーム22は、垂直から外向き方向に約45度の位置(おおよそ図1の第2の縫合アーム22の位置)から、垂直から第1の縫合アーム20に向かう内向き方向に約45度の位置まで枢動することが可能とされていてよい。
【0042】
第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22は、これらの移動制限を達成するための物理的機構を含む。図4は、エンドキャップ16に対する第1の縫合アーム20の一部分を示す。第1の縫合アーム20は、エンドキャップ16上に形成された対応する表面68と相互作用する枢動ピン66を含むことが分かる。表面68の部分70は、第1の縫合アーム20が外向き方向にどれだけ枢動することができるかを制限するように構成されていることが分かり、一方、表面68の部分72は、枢動ピン66が部分68を横切って動くことを可能にするように構成されており、第1の縫合アーム20が内向き方向に水平な向きまで枢動することを可能にする。
【0043】
図5Aおよび図5Bは、エンドキャップ16に対する第2の縫合アーム22の一部分を示す。第2の縫合アーム22は、エンドキャップ16上に形成された対応する表面76と相互作用する枢動ピン74を含むことが分かる。表面76の部分78は、第2の縫合アーム22が外向き方向にどれだけ枢動することができるかを制限するように構成されていることが分かり、一方、表面76の部分80は、第2の縫合アーム22が内向き方向にどれだけ枢動することができるかを制限するように構成されている。特に図5Bに見られるように、第2の縫合アーム22は、第1の縫合アーム20が水平位置を過ぎて枢動することを妨げる枢動ストップ部82および84を含む。
【0044】
図6は、第1の縫合アーム20または第2の縫合アーム22のいずれかを表すと考えられる縫合アーム90の一部の部分切断図である。縫合アーム90は、ラッチ部材92およびラッチ機構94を含む。ラッチ機構94は、枢動点96を介してラッチ部材92に取り付けられている。ラッチ部材92は、第1のラッチ部材30または第2のラッチ部材34のいずれかを表すものとみなすことができ、ラッチ機構94は、第1のラッチ機構32または第2のラッチ機構36のいずれかを表すものとみなすことができることが理解されるであろう。
【0045】
制御要素101は、縫合アーム90を通って上方に延在し、開口部106を通過して開口部108に入る。制御要素101は、縫合アーム90が第1の縫合アーム20を表すかまたは第2の縫合アーム22を表すかに応じて、第3の制御要素または第4の要素のいずれかを表すものと考えることができる。制御要素101は、例えばワイヤであってよく、制御要素101を開口部108内に固定するプラグ部分105を含む。プラグ部分105は、例えば、はんだボール、または単に開口部108内に摩擦固定される制御要素101の幅広部分を表すことができる。制御素子101を押すことにより、ラッチ機構94をラッチ部材94に対して開かせることができ、制御素子101を引くことにより、ラッチ機構94をラッチ部材94に対して閉じさせることができる。
【0046】
ラッチ部材92は、ラッチ部材92内に形成された開口部100内に固定された丸みを帯びたピン98を含む。ラッチ機構94は、ラッチ機構94内に形成された開口部103内に固定された丸みを帯びたピン102を含む。丸みを帯びたピン98および丸みを帯びたピン102は、針26の両端の近くに形成された戻り止め(detent)104に解放可能に係合するように構成されていることが理解されるであろう。ラッチ機構94が閉位置またはラッチ位置(図1または図2に示されるラッチ機構32、26など)にあるとき、丸みを帯びたピン98および102は、戻り止め104のうちの1つに係合して、縫合アーム90に対して針26を固定する。ラッチ機構94が(図6に示すように)開位置または解放位置にあるとき、針26は、所定の位置に保持されず、したがって解放される。いくつかの場合、ラッチ部材92およびラッチ機構94内にそれぞれ形成された開口部106および108は、制御要素がラッチ機構94まで通り、ラッチ機構94に対して固定されることを可能にする。しかしながら、これは全ての場合に必要とされるわけではない。針26は、縫合糸28などの縫合糸が固定され得る縫合糸開口部110を含むことが理解されるであろう。
【0047】
図6図1と比較すると、縫合デバイス12は、第1のラッチ部材30に対して固定された第1の丸みを帯びたピンであって、針26が第1のラッチ部材30と第1のラッチ機構32との間に配置されたときに針26のラッチ戻り止め104に係合するように適合された第1の丸みを帯びたピンと、第1のラッチ機構32に対して固定された第2の丸みを帯びたピンであって、第1のラッチ機構32がそのラッチ位置にあるときに針26のラッチ戻り止め104に係合するように適合された第2の丸みを帯びたピンとを含んでもよいことが理解されるであろう。第1のラッチ部材30および第1のラッチ機構32は、第1のラッチ機構32がそのラッチ位置にあるときに針26を受け入れるように適合された第1のルーメン(図6に示すルーメン112など)を共に画定するものとみなすことができ、第1の丸みを帯びたピンおよび第2の丸みを帯びたピンは、各々、第1のルーメン内に部分的に延在している。
【0048】
縫合デバイス12は、第2のラッチ部材34に対して固定された第3の丸みを帯びたピンであって、針26が第2のラッチ部材34と第2のラッチ機構36との間に配置されたときに針26のラッチ戻り止め104に係合するように適合された第3の丸みを帯びたピンと、第2のラッチ機構36に対して固定された第4の丸みを帯びたピンであって、第2のラッチ機構36がそのラッチ位置にあるときに針26のラッチ戻り止め104に係合するように適合された第4の丸みを帯びたピンとを含んでいてよい。第2のラッチ部材34および第2のラッチ機構36は、第2のラッチ機構36がそのラッチ位置にあるときに針26を受け入れるように適合された第2のルーメン(図6に示すルーメン112など)を共に画定するものとみなすことができ、第3の丸みを帯びたピンおよび第4の丸みを帯びたピンは、各々第2のルーメン内に部分的に延在している。
【0049】
一例として、縫合デバイス12は、内視鏡14の端部に固定されていてよい。針26および縫合糸28は、縫合デバイス12に装填されてよく、針26は、第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22の両方の中にロックされる。縫合糸28は、外部チューブ62を通って延在し、縫合デバイス12(および内視鏡140は、例えば、胃または食道などの関心領域に通される。いくつかの場合、患者の食道を保護するためにオーバーチューブ(図示せず)が挿管中に使用されてもよい。縫合デバイス12が適切に配置されると、螺旋状の組織把持デバイス18などであるがこれに限定されない組織把持デバイスが、内視鏡14の作業チャネルを前進させられてよい。第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22は、組織把持デバイスのための隙間(clearance)を確保するために、第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22の両方が作業空間24から離れるように傾斜する開位置に動かされ得る。この時点で、針26は、第1の縫合アーム20または第2の縫合アーム22のいずれかにロックされたままである。組織把持デバイスは、遠位に前進させられ、組織と係合することができる。次いで、組織把持デバイスは、組織を作業空間24の中に引き込むために、近位に引かれ得る。第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22は、針26が第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22の両方に係合することができる閉位置へと互いに向かって回転され、それによって針26および縫合糸28に組織を通過させる。針を備えた縫合アームをロック解除し、針を受け入れるアームをロックすることによって、針26を一方の縫合アームから他方の縫合アームに移すことができる。
【0050】
これは、例えば、図7Aから図7Dに示されている。図7Aでは、針26は、第1の縫合アーム20内にロックされており、第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22は、第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22が互いから離れるように傾斜する開位置に枢動されている。図示しない組織把持デバイスは、組織を把持するとともに作業空間24で組織を引っ張るための隙間を有している。図7Bでは、第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22は、互いに向かって傾斜しており、第2のラッチ機構36は、針26が入ることを可能にするために開かれている。
【0051】
図7Cでは、第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22は、第1の縫合アーム20および第2の縫合アーム22が互いに略平行である閉位置にある。第1のラッチ機構32は開いており、第2のラッチ機構36は閉じている。その結果、針26は、第2の縫合アーム22に対して固定されており、第2の縫合アーム22によって解放されている。図7Dでは、第2の縫合アーム22は、第1の縫合アーム20から離れて傾斜しており、針26は、第2の縫合アーム22に固定されている。
【0052】
図8は、内視鏡14に対して固定された例示的な縫合デバイス122を含む例示的なアセンブリ120の斜視図である。縫合デバイス122は、直径2.8ミリメートル(mm)、直径3.2mm、または直径3.7mmの主作業チャネルを有する内視鏡14を含むがこれらに限定されない、様々な異なる内視鏡14と組み合わせて使用されてよい。図示のように、例示的な縫合デバイス122は、内視鏡14に対して縫合デバイス122を固定するように構成されたエンドキャップ124を含む。例えば、エンドキャップ124は、任意のオーバーザスコープコネクタであってよい。いくつかの例において、縫合デバイス122は、代わりに、内視鏡14に対して縫合デバイス122を固定するように適合された他の構造または機構(図示せず)を含んでいてもよい。
【0053】
縫合デバイス122は、第1の縫合アーム126および第2の縫合アーム128を含む。第1の縫合アーム126は、第1の針受け入れ機構130を含み、第2の縫合アーム128は、第2の針受け入れ機構132を含む。図示されていないが、縫合デバイス122は、第1の縫合アーム126から近位に延在する第1の制御ワイヤと、第2の縫合アーム128から近位に延在する第2の制御ワイヤとを含むことができ、それにより、ユーザは、第1の縫合アーム126および第2の縫合アーム128を所望に応じて作動させることができる。第1の縫合アーム126および第2の縫合アーム128は、縫合アーム126,128の各々の中心を通り、針134内に形成された対応する開口部に解放可能に係合する別個の制御ワイヤを介して針134にロックすることができる。針134は、第1の縫合アーム126を通って延在するワイヤを受け入れるように配置された第1の開口部と、第2の縫合アーム128を通って延在するワイヤを受け入れるように配置された第2の開口部とを含むことが理解されるであろう。これらの開口部は、図10に関して参照される。針の係合を制御するワイヤは、個々に可動であり、したがって、針134は、所望に応じて、第1の縫合アーム126にロックされるか、または第2の縫合アーム128にロックされるか、または第1の縫合アーム126もしくは第2の縫合アーム128のいずれかから解放されることが可能である。
【0054】
図9は、内視鏡14に対して固定された例示的な縫合デバイス142を含む例示的なアセンブリ140の斜視図である。縫合デバイス142は縫合デバイス122と類似しているが、第2の縫合アーム128が固定縫合アーム144に置き換えられている。
【0055】
図10は、針134の斜視図である。針134は、例えば、第1の縫合アーム126を通って延在するワイヤを収容するように構成された第1の開口部136を含む。針134は、例えば、第2の縫合アーム128を通って延在するワイヤを収容するように構成された第2の開口部138を含む。縫合糸開口部140は、縫合糸が針134に固定されることを可能にする。
【0056】
図11は、内視鏡14に対して固定された例示的な縫合デバイス152を含む例示的なアセンブリ150の斜視図である。図12は、例示的なアセンブリ150の部分断面図である。縫合デバイス152は、直径2.8ミリメートル(mm)、直径3.2mm、または直径3.7mmの主作業チャネルを有する内視鏡14を含むがこれらに限定されない、様々な異なる内視鏡14と組み合わせて使用されてよい。縫合デバイス152は、1つの静止アーム154と、1つの可動アーム156とを含み、可動アーム156は、可動アーム156から延びる制御ワイヤを使用して制御され得る。制御ワイヤは、針158を静止アーム154と可動アーム156との間で往復させるために、可動アーム156を枢動または揺動させることができる。針158は、近位端でユーザによって制御ワイヤを介して制御される作動ロック機構160を介して静止アーム154にロックされてよい。針158は、ばね力を介して受動的に可動アーム156にロックされてもよい。いくつかの場合、作動ロック機構160は、ばね力に打ち勝つのに十分な力を提供するように構成されていてよい。
【0057】
種々の異なる材料が、本明細書に説明されるデバイスを形成する際に使用され得ることを理解されたい。いくつかの場合、様々な異なる金属が使用され得る。適切な金属の例示的であるが非限定的な例は、チタン、ステンレス鋼、マグネシウム、コバルトクロムなどを含む。いくつかの場合、第1の制御要素46および第2の制御要素は、ニチノールで作られていてよい。いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に説明されるデバイスは、ポリウレタンまたはシリコーンなどの生体適合性材料を含む、任意の好適なポリマー材料を含んでいてよい。好適なポリマーは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)およびポリカーボネートを含む。他の好適なポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、DuPontから入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテルまたはエステル系コポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレートおよび/またはDuPontから入手可能なHYTREL(登録商標)などの他のポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDURETHAN(登録商標)またはElf Atochemから入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)の商品名で入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(例えば、EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBSおよび/またはSIBS 50A)、ポリカーボネート、アイオノマー、生体適合性ポリマー、他の好適な材料、またはそれらの混合物、組み合わせ、コポリマー、ポリマー/金属複合材などを含むが、これらに限定されない。
【0058】
当業者であれば、本開示が、本明細書に記載され、企図される特定の実施形態以外の様々な形態で現われ得ることを認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲および技術思想から逸脱することなく、形態および詳細が変更され得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
内視鏡の遠位端に固定されるように適合された取付構造体と、
第1の枢動点を介して前記取付構造体に枢動可能に固定された第1の縫合アームであって、
前記第1の枢動点に対向する前記第1の縫合アームの端部にある第1のラッチ部材と、
前記第1のラッチ部材に枢動可能に固定された第1のラッチ機構であって、針が前記第1のラッチ部材と前記第1のラッチ機構との間に固定されるラッチ位置と、解放位置との間で枢動可能である、第1のラッチ機構と
を含む、第1の縫合アームと、
第2の枢動点を介して前記取付構造体に枢動可能に固定された第2の縫合アームであって、
前記第2の枢動点に対向する前記第2の縫合アームの端部にある第2のラッチ部材と、
前記第2のラッチ部材に枢動可能に固定された第2のラッチ機構であって、針が前記第2のラッチ部材との間に固定されるラッチ位置と、解放位置との間で枢動可能である、第2のラッチ機構と
を含む、第2の縫合アームと
を備える、医療デバイス。
【請求項2】
前記第1の縫合アームに動作可能に結合された第1の制御要素をさらに備え、前記第1の制御要素を引っ張ることによって前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームに向かって動き、前記第1の制御要素を押すことによって前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームから離れるように動く、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記第2の縫合アームに動作可能に結合された第2の制御要素をさらに備え、前記第2の制御要素を引っ張ることによって前記第2の縫合アームが前記第1の縫合アームに向かって動き、前記第2の制御要素を押すことによって前記第2の縫合アームが前記第1の縫合アームから離れるように動く、請求項1または2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記第1のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、前記第1のラッチ機構と動作可能に結合された第3の制御要素と、
前記第2のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、前記第2のラッチ機構と動作可能に結合された第4の制御要素と
をさらに備える、請求項1または2に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記第1のラッチ部材に固定された第1の丸みを帯びたピンであって、前記針が前記第1のラッチ部材と前記第1のラッチ機構との間に配置されたときに前記針のラッチ戻り止めに係合するように適合された第1の丸みを帯びたピンと、
前記第1のラッチ機構に固定された第2の丸みを帯びたピンであって、前記第1のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに前記針の前記ラッチ戻り止めに係合するように適合された第2の丸みを帯びたピンと
をさらに備える、請求項1または2に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記第1のラッチ部材および前記第1のラッチ機構は、前記第1のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに前記針を受け入れるように適合された第1のルーメンを共に画定し、前記第1の丸みを帯びたピンおよび前記第2の丸みを帯びたピンは、前記第1のルーメン内に部分的に延在している、請求項に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記第2のラッチ部材に固定された第3の丸みを帯びたピンであって、前記針が前記第2のラッチ部材と前記第2のラッチ機構との間に配置されたときに前記針のラッチ戻り止めに係合するように適合された第3の丸みを帯びたピンと、
前記第2のラッチ機構に固定された第4の丸みを帯びたピンであって、前記第2のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに前記針の前記ラッチ戻り止めに係合するように適合された第4の丸みを帯びたピンと
をさらに備える、請求項1または2に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記第2のラッチ部材と前記第2のラッチ機構との組み合わせは、前記第2のラッチ機構がそのラッチ位置にあるときに前記針を受け入れるように適合された第2のルーメンを画定し、前記第3の丸みを帯びたピンおよび前記第4の丸みを帯びたピンは、前記第2のルーメン内に部分的に延在している、請求項に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記第2の縫合アームは、前記第1の縫合アームがその水平位置に近づくときに、前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームを通って枢動することを可能にするように適合されている、請求項1または2に記載の医療デバイス。
【請求項10】
医療デバイスであって、
内視鏡の遠位端に固定されるように適合された取付構造体と、
前記取付構造体に枢動可能に固定された第1の縫合アームであって、前記第1の縫合アームは、縫合糸を収容しながら組織を穿刺するように適合された針を解放可能に固定するように適合され、第1の幅を有している、第1の縫合アームと、
前記取付構造体に枢動可能に固定された第2の縫合アームであって、前記第2の縫合アームは、前記針を解放可能に固定するように適合され、前記第2の縫合アームは、前記第1の縫合アームが新たに送達された針を捕捉するために前記第2の縫合アームを通って枢動することができるように、前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有している、第2の縫合アームと
を備え、
前記第1の縫合アームおよび前記第2の縫合アームは共に、それらの間で前記針を弓状の経路に沿って往復させるように適合されている、医療デバイス。
【請求項11】
前記第1の縫合アームは、前記第2の縫合アームから離れる外向き方向に垂直から約45度の位置から、前記第2の縫合アームに向かう内向き方向に水平位置まで枢動するように適合されている、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記第2の縫合アームは、前記第1の縫合アームから離れる外向き方向に垂直から約45度の位置から、前記第2の縫合アームに向かう内向き方向に垂直から約45度の位置まで枢動するように適合されている、請求項10または11に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記第1の縫合アームに動作可能に結合された第1の制御要素をさらに備え、前記第1の制御要素を引っ張ることによって前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームに向かって動き、前記第1の制御要素を押すことによって前記第1の縫合アームが前記第2の縫合アームから離れるように動く、請求項10または11に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記第2の縫合アームに動作可能に結合された第2の制御要素をさらに備え、前記第2の制御要素を引っ張ることによって前記第2の縫合アームが前記第1の縫合アームに向かって動き、前記第2の制御要素を押すことによって前記第2の縫合アームが前記第1の縫合アームから離れるように動く、請求項10または11に記載の医療デバイス。
【請求項15】
第1のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、前記第1のラッチ機構と動作可能に結合された第3の制御要素と、
第2のラッチ機構をそのラッチ位置とその解放位置との間で動かすために、前記第2のラッチ機構と動作可能に結合された第4の制御要素と
をさらに備える、請求項10または11に記載の医療デバイス。
【国際調査報告】