(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品及びそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240328BHJP
A24C 5/01 20200101ALI20240328BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240328BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240328BHJP
【FI】
A24D1/20
A24C5/01
A24F40/465
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550690
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2022060584
(87)【国際公開番号】W WO2022223708
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピラトヴィチ, グジェゴジ アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4B045
4B144
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA41
4B045AA43
4B045AB04
4B045AB07
4B045AB08
4B144CB33
4B144CG01
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC14
4B162AC21
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル発生デバイス(102)と共に用いるためのエアロゾル発生物品(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)は、略平面のエアロゾル発生基材(14)と、略平面のエアロゾル発生基材(14)に沿って延在する少なくとも1つの気流チャネル(16)と、エアロゾル発生基材(14)内に位置決めされる誘導加熱可能サセプタ(40)とを備える。エアロゾル発生物品は、任意に、略平面のエアロゾル発生基材(14)及び少なくとも1つの気流チャネル(16)を囲むラッピング部材(22)を含むことができる。エアロゾル発生物品を製造する方法も記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生デバイス(102)と共に用いるためのエアロゾル発生物品(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)であって、
略平面のエアロゾル発生基材(14)と、
前記略平面のエアロゾル発生基材(14)に沿って延在する少なくとも1つの気流チャネル(16)と、
前記エアロゾル発生基材(14)内に位置決めされる誘導加熱可能サセプタ(40)と、
を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記エアロゾル発生物品は、遠位端(10)と、近位端(12)と、前記近位端(12)と前記遠位端(10)との間に延在する長手方向軸とを含み、前記少なくとも1つの気流チャネル(16)は、前記長手方向軸に略平行な第1の方向に延在する、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの気流チャネル(16)は、前記略平面のエアロゾル発生基材(14)の表面(14a)に形成される少なくとも1つの溝(18)を備える、請求項1又は請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記エアロゾル発生基材(14)は、溝付き表面(20)を形成するよう並んで配置される複数の前記溝(18)を含む、請求項3に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記少なくとも1つの気流チャネル(16)は、前記エアロゾル発生基材(14)の内部に形成される少なくとも1つの気流通路(30)を備える、請求項1又は請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記エアロゾル発生基材(14)は、第1の方向に延在し、前記第1の方向に垂直な第2の方向に断続的に配置される複数のエアロゾル発生ストリップ(32)を備え、
前記エアロゾル発生物品は、複数の前記気流チャネル(16)を備え、前記気流チャネル(16)のうちの1つは、断続的に配置されたエアロゾル発生ストリップ(32)の各対の間に形成される、
請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記略平面のエアロゾル発生基材(14)は、一対の主表面(14a、14b)を有する平坦な矩形形状を有し、前記誘導加熱可能サセプタ(40)は、略平面であり、前記主表面(14a、14b)に対して略平行に位置する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの気流チャネル(16)は、第1の主表面(14a)内に形成され、前記略平面の誘導加熱可能サセプタ(40)は、前記エアロゾル発生基材(14)内で、前記第1の主表面(14a)よりも第2の主表面(14b)の近くに位置決めされる、請求項7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記誘導加熱可能サセプタ(40)は、その中に不連続部又は孔(42)を備え、好ましくは、前記誘導加熱可能サセプタ(40)はメッシュ(43)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
更に、前記略平面のエアロゾル発生基材(14)及び前記少なくとも1つの気流チャネル(16)を囲むラッピング部材(22)を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記略平面のエアロゾル発生基材(14)は、一対の主表面(14a、14b)を有する平坦な矩形形状を有し、前記ラッピング部材(22)は、前記一対の主表面(14a、14b)にそれぞれ取り付けられる一対の矩形シート(24、26)を備える、請求項10に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記ラッピング部材(22)は、凝結を吸収するために前記エアロゾル発生基材(14)に面する多孔質内面(22a)と、前記エアロゾル発生基材(14)から離れて面する付着防止外面(22b)とを有し、好ましくは、前記ラッピング部材(22)は、前記外面(22b)上に付着防止コーティングを備える、請求項10又は請求項11に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記エアロゾル発生物品は、前記物品の口側端部(34)を形成する支持部材(28)を備え、前記支持部材(28)は、前記エアロゾル発生基材(14)の下流端及び前記少なくとも1つの気流チャネル(16)を受けるよう管状形態を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品を製造する方法であって、
略平面のエアロゾル発生基材(14)を提供することと、
誘導加熱可能サセプタ(40)を前記略平面のエアロゾル発生基材(14)内に位置決めすることと、
少なくとも1つの気流チャネル(16)を前記略平面のエアロゾル発生基材(14)内に形成することと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品を製造する方法であって、
誘導加熱可能サセプタ(40)を提供することと、
前記誘導加熱可能サセプタ(20)の周囲に略平面のエアロゾル発生基材(14)を形成することと、
少なくとも1つの気流チャネル(16)を前記略平面のエアロゾル発生基材(14)内に形成することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、エアロゾル発生物品に関し、より詳細には、エアロゾル発生物品を加熱してユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生デバイスと共に用いるためのエアロゾル発生物品に関する。本開示の実施形態は、エアロゾル発生物品を製造する方法にも関する。本開示は、特に、携帯型(手持ち式)エアロゾル発生デバイスと共に用いるためのエアロゾル発生物品に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、(エアロゾル発生デバイス又は蒸気発生デバイスとしても公知の)リスク低減デバイス又はリスク修正デバイスの人気及び使用が、従来のたばこ製品の使用に代わるものとして、急速に成長してきた。エアロゾル発生基材を加熱又は加温して、ユーザが吸入するエアロゾルを発生させる様々なデバイス及びシステムが入手可能である。
【0003】
一般に入手可能なリスク低減又はリスク修正デバイスは、基材加熱式エアロゾル発生デバイス又はいわゆる加熱非燃焼式デバイスである。この種類のデバイスは、エアロゾル発生基材を、通常、150℃~300℃の範囲の温度に加熱することによって、エアロゾル又は蒸気を発生させる。エアロゾル発生基材を燃焼させることなく、この範囲内の温度までエアロゾル発生基材を加熱することにより、通常、冷却され凝縮してデバイスのユーザによる吸入のためのエアロゾルを形成する蒸気を発生させる。
【0004】
現在利用可能なエアロゾル発生デバイスは、幾つかの異なる手法のうちの1つを用いて、エアロゾル発生基材に熱を与えることができる。かかる手法の1つは、誘導加熱システムを採用するエアロゾル発生デバイスを提供することである。かかるデバイスでは、誘導コイルがデバイスに設けられ、誘導加熱可能サセプタがエアロゾル発生基材を加熱するよう設けられる。ユーザがデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、続いてこれにより交流電磁界が発生する。サセプタはこの電磁界と結合して熱を発生させ、この熱は、例えば、伝導、放射、及び慣習のうちの1つ以上によって、エアロゾル発生基材に伝達され、エアロゾル発生基材が加熱されるにつれて、エアロゾルが発生する。
【0005】
エアロゾル発生デバイスによって発生するエアロゾルの特性は、エアロゾル発生デバイスと共に用いられるエアロゾル発生物品の構造を含む、いくつかの要因に依存する。従って、物品の使用中に発生するエアロゾルの特性を最適化することを可能にし、同時にエアロゾル発生デバイスと組み合わせて用いるのが容易なエアロゾル発生物品を提供することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル発生デバイスと共に用いるためのエアロゾル発生物品であって、
略平面のエアロゾル発生基材と、
略平面のエアロゾル発生基材に沿って延在する少なくとも1つの気流チャネルと、
エアロゾル発生基材内に位置決めされる誘導加熱可能サセプタと、を備えるエアロゾル発生物品が提供される。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、第1の態様によるエアロゾル発生物品を製造する方法であって、
略平面のエアロゾル発生基材を提供することと、
誘導加熱可能サセプタを略平面のエアロゾル発生基材内に位置決めすることと、
少なくとも1つの気流チャネルを略平面のエアロゾル発生基材内に形成することと、を含む方法が提供される。
【0008】
本開示の第3の態様によれば、第1の態様によるエアロゾル発生物品を製造する方法であって、
誘導加熱可能サセプタを提供することと、
誘導加熱可能サセプタの周囲に略平面のエアロゾル発生基材を形成することと、
少なくとも1つの気流チャネルを略平面のエアロゾル発生基材内に形成することと、を含む方法が提供される。
【0009】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基材を燃焼させることなくエアロゾル発生基材を加熱して、エアロゾル発生基材の少なくとも1つの成分を揮発させ、それによって、冷却及び凝結してエアロゾル発生デバイスのユーザによる吸入のためのエアロゾルを形成する加熱蒸気を発生させるために、エアロゾル発生デバイスと共に用いるためのものである。エアロゾル発生デバイスは、手持ち式の携帯型デバイスである。
【0010】
一般論として、蒸気は、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより蒸気を液体に凝縮することができることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中に微細な固体粒子又は液滴が浮遊しているものである。しかし、用語「エアロゾル」及び「蒸気」は、本明細書において、特にユーザが吸入するために生成される吸入可能媒体の形態に関して交換可能に用いてもよいことに注意されたい。
【0011】
エアロゾル発生基材は、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生物品の使用中に、誘導加熱可能サセプタによって迅速且つ効率的に加熱され、従って効果的且つ確実な蒸気発生を提供する。少なくとも1つの気流チャネルは、エアロゾル発生物品の使用中に発生する蒸気及び/又はエアロゾルが、ユーザによって吸入され得る位置に容易に向けられ得ることを確実にする。
【0012】
エアロゾル発生物品は、遠位端、近位端(又は口側端)、及び近位端と遠位端との間に延在してもよい長手方向軸を含んでもよい。近位端は、エアロゾル発生物品の遠位端とは反対の端部に位置する。特に、近位端は、例えば、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生物品の使用中に、エアロゾル発生物品を通る気流方向に対して遠位端の下流に位置する。少なくとも1つの空気流チャネルは、長手方向軸に対して略平行であってもよい第1の方向に延在してもよい。空気は、エアロゾル発生物品の使用中に、少なくとも1つの気流チャネルに沿って遠位端から近位端へと流れ、それによって、空気が気流チャネルに沿って流れる際に、最大量の揮発性成分が加熱されたエアロゾル発生基材から空気中に放出されることを確実にする。これはひいては、エアロゾル発生物品の使用中に、可能な限り最大量の蒸気及び/又はエアロゾルが発生し、ユーザに送出されることを確実にする。
【0013】
少なくとも1つの気流チャネルは、少なくとも1つの溝を備えてもよい。少なくとも1つの溝は、略平面のエアロゾル発生基材の表面に形成されてもよい。少なくとも1つの溝は、例えば、略平面のエアロゾル発生基材の表面をプレスすることによって、エアロゾル発生物品の製造中に容易に形成することができる。
【0014】
エアロゾル発生基材は、複数の前記溝を含んでもよい。溝は、例えば溝付き表面を形成するよう並んで配置されてもよい。複数の溝を設けることによって、増加した量の蒸気及び/又はエアロゾルが、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生物品の使用中に発生し、ユーザに送出されてもよい。
【0015】
少なくとも1つの気流チャネルは、エアロゾル発生基材の内部に形成される少なくとも1つの気流通路を備えてもよい。気流通路は、エアロゾル発生物品の製造中に容易に形成することができる。また、気流通路はエアロゾル発生基材によって完全に囲まれているため、空気が気流通路に沿って流れる際に、加熱されたエアロゾル発生基材から最大量の揮発性成分を空気中に放出することができ、従って、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生物品の使用中に、可能な限り最大量の蒸気及び/又はエアロゾルが発生し、ユーザに送出されることを確実にする。
【0016】
一実施例において、単一の気流通路は、エアロゾル発生基材の内部に、例えば、エアロゾル発生基材の断面内部の略中央位置に形成されてもよい。別の実施例において、複数の気流通路がエアロゾル発生基材の内部に形成されてもよく、気流通路は、例えば、第1の方向(長手方向)に対して垂直な第2の方向に並んで配置されてもよい。複数の気流通路を設けることによって、増加した量の蒸気及び/又はエアロゾルが、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生物品の使用中に発生し、ユーザに送出されてもよい。
【0017】
エアロゾル発生基材は、複数のエアロゾル発生ストリップを備えてもよい。エアロゾル発生ストリップは、例えば、長手方向軸に略平行な第1の方向に延在してもよく、第1の方向に略垂直であってもよい第2の方向に断続的に配置されてもよい。エアロゾル発生物品は、複数の前記気流チャネルを備えてもよく、前記気流チャネルのうちの1つは、断続的に配置されたエアロゾル発生ストリップの各対の間に形成されてもよい。この配置により、気流チャネルは、エアロゾル発生物品の製造中に、例えば、気流チャネルを形成するようエアロゾル発生ストリップを第2の方向に間隔をあけて配置することによって、容易に形成することができる。エアロゾル発生物品は、従って、効率的に製造され、比較的容易に大量生産することができる。
【0018】
略平面のエアロゾル発生基材は、平坦な矩形形状を有してもよく、一対の主表面を有してもよい。誘導加熱可能サセプタは、略平面であってもよく、主表面に対して略平行に位置してもよい。この配置により、熱は、誘導加熱可能サセプタからエアロゾル発生基材に効率的に伝達され得る。
【0019】
少なくとも1つの気流チャネルは、第1の主表面内に形成されてもよく、略平面の誘導加熱可能サセプタは、エアロゾル発生基材内で、第1の主表面よりも第2の主表面の近くに位置決めされてもよい。これは、特に、誘導加熱可能サセプタがエアロゾル発生基材のバルク内部に位置し、伝導によって加熱されることを可能にしているため、エアロゾル発生基材が効率的に加熱されることを可能にする。
【0020】
誘導加熱可能サセプタは、その中に不連続部又は孔を備えてもよい。誘導加熱可能サセプタは、例えば、メッシュを備えてもよい。不連続部は、蒸気及び/又はエアロゾルが誘導加熱可能サセプタを通って容易に流れ、少なくとも1つの気流チャネルに到達することを可能にし、従って、許容可能な量の蒸気及び/又はエアロゾルが発生し、少なくとも1つの気流チャネルを通ってユーザに送出されることを確実にしてもよい。
【0021】
本明細書中で用いられるように、用語「メッシュ」は、それらの間に空間を有するサセプタ要素、例えばフィラメントのグリッド及びアレイを含む。メッシュは、均一なサセプタメッシュであってもよいか、又は不均一なサセプタメッシュであってもよい。本明細書中で用いるような用語「均一なサセプタメッシュ」とは、サセプタ要素がメッシュ全体にわたって均一な厚さ及び均一な間隔を有するサセプタメッシュを指す。本明細書中で用いるような用語「不均一なサセプタメッシュ」とは、サセプタ要素がメッシュ全体にわたって不均一な(即ち、可変の)厚さ及び/又は不均一な(即ち、可変の)間隔若しくはピッチを有するサセプタメッシュを指す。不均一なサセプタメッシュの使用は、エアロゾル発生デバイスにおける使用中にエアロゾル発生基材の加熱を制御することを可能にしてもよい。
【0022】
不均一なサセプタメッシュは、第1の厚さを有する第1のサセプタ要素を備えてもよく、第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する第2のサセプタ要素を備えてもよい。不均一なサセプタメッシュの使用は、特に、第1のサセプタ要素のより低い熱質量に起因して、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生物品の使用中に、第1のサセプタ要素が第2のサセプタ要素よりも迅速に加熱される可能性があるため、エアロゾル発生基材の加熱が制御されることを可能にし得る。
【0023】
不均一なサセプタメッシュは、第1の間隔を有する第1のサセプタ要素を備えてもよく、第1の間隔よりも大きい第2の間隔を有する第2のサセプタ要素を備えてもよい。不均一なサセプタメッシュの使用は、特に、第1のサセプタ要素間の間隔がより小さいことに起因して、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生物品の使用中に、第2のサセプタ要素よりも第1のサセプタ要素によってより多くの熱が発生する可能性があるため、エアロゾル発生基材の加熱が制御されることを可能にしてもよく、ひいては、第2のサセプタ要素よりも多数の第1のサセプタ要素をエアロゾル発生基材の所定の体積内に設けることを可能にする。
【0024】
第1の実施例において、不均一なサセプタメッシュは、第1のサセプタ要素が溝に隣接した状態でエアロゾル発生基材内に位置決めされてもよい。溝に隣接するエアロゾル発生基材の表面へのより短い経路、及び第1のサセプタ要素の近傍における溝に隣接するエアロゾル発生基材のより低い密度(又はバルク)が存在するため、ユーザによる吸入のために十分な量の蒸気を発生させ、溝に送出するのに必要な時間はより短い。言い換えれば、予熱時間、即ち最初のパフまでの時間が短縮される。
【0025】
第2の実施例において、不均一なサセプタメッシュは、第2のサセプタ要素が溝に隣接し、第1のサセプタ要素が溝の間にある状態でエアロゾル発生基材内に位置決めされてもよい。溝の間の位置においてエアロゾル発生基材の表面へのより長い経路、及び第1のサセプタ要素の近傍におけるエアロゾル発生基材のより高い密度(又はバルク)が存在するため、エアロゾル発生基材のより均一な加熱が達成されてもよく、従って、所定の期間(例えば、総セッション時間)の間のエアロゾル発生物品の使用中に発生する蒸気の総体積が増加する。
【0026】
エアロゾル発生物品は、更に、略平面のエアロゾル発生基材及び少なくとも1つの気流チャネルを囲んでもよいラッピング部材を備えてもよい。少なくとも1つの気流チャネルをラッピング部材で囲むことによって、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生物品の使用中に発生する蒸気及び/又はエアロゾルは、ユーザによって吸入される前に、少なくとも1つの気流チャネルに沿って物品の内部を流れる。エアロゾル発生デバイスの内面上の凝結物質の形成は、それによって実質的に排除されるか、又は少なくとも最小化され、これは多くの利点を提供する可能性がある。例えば、それは、エアロゾル発生デバイス内部の残留物の蓄積を低減し、デバイスのユーザが実行しなければならない洗浄及び保守作業の回数を低減するのに役立つ可能性がある。それはまた、可能な限り最大量の蒸気及び/又はエアロゾルがユーザに送出され、送出された蒸気及び/又はエアロゾルが最適な特性を有することを確実にするのに役立つ可能性がある。
【0027】
略平面のエアロゾル発生基材は、平坦な矩形形状を有してもよく、一対の主表面を有してもよい。ラッピング部材は、一対の主表面にそれぞれ取り付けられてもよい一対の矩形シートを備えてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基材の平坦な矩形形状に起因して、魅力的な美的外観を有する可能性がある。エアロゾル発生基材及び誘導加熱可能サセプタは、ラッピング部材によって容易に覆われてもよく、それによってエアロゾル発生物品の取り扱い中にユーザがエアロゾル発生基材に直接接触しないことを確実にする。平坦な矩形形状はまた、複数のエアロゾル発生物品の包装及び貯蔵を容易にし得る。
【0028】
ラッピング部材は、実質的に非導電性且つ非透磁性の材料を含んでもよく、例えば紙製ラッパーを含んでもよい。紙製ラッパーの使用により、エアロゾル発生物品の製造及び取り扱いが容易になる可能性があり、エアロゾルの発生が強化される可能性がある。
【0029】
ラッピング部材は、凝結を吸収するためにエアロゾル発生基材に面する多孔質内面を有してもよい。多孔質内面は、更に、エアロゾル発生デバイスの内面上の凝結物質の形成が実質的に排除されるか、又は少なくとも最小限に抑えられることを確実にするのに役立つ可能性がある。ラッピング部材は、エアロゾル発生基材から離れて面してもよい付着防止外面を有してもよい。例えば、ラッピング部材は、外面上に付着防止コーティングを備えてもよい。付着防止外面は、ラッピング部材が加熱された場合にエアロゾル発生デバイスの表面に付着しないことを確実にするのに役立つ可能性がある。併せて、多孔質内面及び付着防止外面は、エアロゾル発生デバイス内部の残留物の蓄積を減少させるのに役立つ可能性があり、従って、デバイスのユーザが実施しなければならない可能性がある洗浄及び保守作業の数を減少させる。
【0030】
エアロゾル発生物品は、物品の口側端部を形成してもよい支持部材を備えてもよい。支持部材は、エアロゾル発生基材の下流端及び少なくとも1つの気流チャネルを受けるよう、管状形態、例えば、矩形管状形態を有してもよい。支持部材は、自己支持型であってもよく、例えば、ボール紙又はプラスチック材料を含んでもよい。支持部材は、有利には、物品の使用中に発生する蒸気及び/又はエアロゾルをユーザの口に直接送出してもよい。支持部材は、エアロゾル発生物品の使用中に発生する加熱された蒸気を冷却及び凝結させて、ユーザによる吸入に最適な特性を持つエアロゾルを形成することを可能にしてもよい。
【0031】
エアロゾル発生基材は、非液体エアロゾル発生材料、例えば任意の種類の固体又は半固体材料を備えてもよい。エアロゾル発生固体の例示的な種類は、粉末、顆粒、ペレット、シュレッド、ストランド、粒子、ゲル、ストリップ、ルーズリーフ、カットリーフ、カットフィラー、多孔質材料、発泡材料、又はシートを含む。エアロゾル発生基材は、植物由来の材料を含んでもよく、特にたばこを含んでもよい。それは、例えば、たばこと、セルロース繊維、たばこ茎繊維、及びCaCO3等の無機充填剤のうちの任意の1つ以上とを含む再構成たばこを備えてもよい。
【0032】
従って、エアロゾル発生物品が共に用いられることを意図したエアロゾル発生デバイスを、「加熱式たばこデバイス」、「加熱非燃焼式たばこデバイス」、「たばこ製品気化用デバイス」等と称してもよく、これらの効果を実現するのに適したデバイスとして解釈される。本明細書中に開示する特徴は、任意のエアロゾル発生基材を蒸発させるよう設計されるデバイスに等しく適用可能である。
【0033】
エアロゾル発生基材は、エアロゾルフォーマを備えてもよい。エアロゾルフォーマの例には、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が含まれる。典型的には、エアロゾル発生基材は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有量を含んでもよい。幾つかの実施形態において、エアロゾル発生基材は、乾燥重量ベースで約10%~約20%、場合により乾燥重量ベースで約15%のエアロゾルフォーマ含有量を含んでもよい。
【0034】
誘導加熱可能サセプタは、金属を含んでもよい。金属は、典型的には、ステンレス鋼及び炭素鋼からなる群から選択される。しかしながら、誘導加熱可能サセプタは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、炭素鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅の1種以上を含むが、これらに限定されない任意の好適な材料を含むことができる。エアロゾル発生デバイス内でのエアロゾル発生物品の使用中にその近傍に電磁界が印加されると、誘導加熱可能サセプタは、渦電流及び磁気ヒステリシス損失に起因して発熱する可能性がある。
【0035】
誘導加熱可能サセプタによって加熱されると、エアロゾル発生基材は揮発性化合物を放出する可能性がある。揮発性化合物は、ニコチン、又はたばこ香味料等の香味化合物を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】エアロゾル発生物品の第1の実施例の縦断面略図である。
【
図3】
図2と同様の、エアロゾル発生物品の第2の実施例の断面略図である。
【
図4】
図3と同様の、エアロゾル発生物品の第3の実施例の断面略図である。
【
図5a】エアロゾル発生物品の第4の実施例の縦断面略図である。
【
図5b】
図5aの線B-Bに沿った断面略図である。
【
図6】エアロゾル発生物品の第5の実施例の縦断面略図である。
【
図7】エアロゾル発生物品の第6の実施例の縦断面略図である。
【
図9】
図2と同様の、エアロゾル発生物品の第7の実施例の断面略図である。
【
図10】
図2と同様の、エアロゾル発生物品の第8の実施例の断面略図である。
【
図11】
図2と同様の、エアロゾル発生物品の第9の実施例の断面略図である。
【
図12】
図2と同様の、エアロゾル発生物品の第10の実施例の断面略図である。
【
図13】本開示による、エアロゾル発生デバイスとエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ここで、本開示の実施形態について、単なる例として添付の図面を参照して説明する。
【0038】
まず始めに
図1及び2を参照すると、電動式エアロゾル発生デバイス102と共に用いるためのエアロゾル発生物品1の第1の実施例を示しており、その実施例については、
図13を参照して本明細書中で後に説明する。エアロゾル発生物品1は、略平面であり、エアロゾル発生物品1の反対側に遠位端10及び近位端12(又は口側端)を有する。近位端12は、3つの矢印によって
図1に表すように、エアロゾル発生物品1を通る気流方向に対して遠位端10の下流にある。長手方向軸は、遠位端10と近位端12との間に延在して、エアロゾル発生物品1の長手方向を画成する。
【0039】
エアロゾル発生物品1は、略平面のエアロゾル発生基材14を備える。エアロゾル発生基材14は、エアロゾル発生材料のバルク又は塊を備え、一対の対向して配設された第1及び第2の主表面14a、14bを有する平坦な矩形形状を有する。エアロゾル発生物品1は、エアロゾル発生基材14がたばこ又はたばこ材料を備えていてもよい消耗品又は使い捨て物品である。
【0040】
エアロゾル発生物品1は、複数の気流チャネル16を備え、これは、図示の実施例において、エアロゾル発生基材14の第1の主表面14aに形成される複数の溝18を備える。溝18は、並んで、互いに平行に配置され、溝18は、遠位端10と近位端12との間で長手方向に、長手方向軸に対して略平行に延在する。溝18は、共に溝付き表面20を形成する。溝18は、任意の適切な方法で、例えば、エアロゾル発生基材14の第1の主表面14aを適切な形状のプレス工具でプレスすることによって形成されてもよい。3つの溝18が
図1及び2の実施例に示されているが、例えばエアロゾル発生物品1の所望の引き出し抵抗に応じて、任意の適切な数の溝18を設けることができることは言うまでもない。また、溝18は、
図2に示すような正方形、長方形、台形、又は半円形を含むがこれらに限定されない任意の適切な断面形状を有してもよいことにも留意されたい。
【0041】
エアロゾル発生物品1は、エアロゾル発生基材14内に位置決めされ、第1の主表面14a及び第2の主表面14bに対して略平行に配置される略平面の誘導加熱可能サセプタ40を備える。誘導加熱可能サセプタ40は、空気及び/又は蒸気がそれを通過することを可能にする複数の孔又は不連続部42を含む。幾つかの実施形態において、誘導加熱可能サセプタ40は、略平面のメッシュ43を備えることができる。誘導加熱可能サセプタ40は、エアロゾル発生基材14内で、第1の主表面14aよりも第2の主表面14bの近くに位置決めされるが、他の位置も可能であり、完全に本開示の適用範囲内である。
【0042】
ここで
図3を参照すると、第2の実施例のエアロゾル発生物品2を示している。エアロゾル発生物品2は、
図1及び2を参照して上で説明したエアロゾル発生物品1に類似しており、対応する特徴は同じ参照番号を用いて識別される。
【0043】
エアロゾル発生物品2は、エアロゾル発生基材14の内部に形成される気流通路30の形態の複数の気流チャネル16を含む。溝18と同様に、気流通路30は、遠位端10と近位端12との間で、長手方向軸に略平行に、長手方向に延在する。気流通路30は、第2の主表面14bよりも第1の主表面14aに近い、エアロゾル発生基材14内部に並んで配置されるが、各気流通路30がエアロゾル発生基材14を形成するエアロゾル発生材料によって完全に囲まれることを条件として、異なる位置を採用することができる。気流通路30は、
図3に示すような正方形、長方形、円形、楕円形、又は三角形を含むがこれらに限定されない様々な断面形状を有してもよいことにも留意されたい。
【0044】
ここで
図4を参照すると、第3の実施例のエアロゾル発生物品3を示している。エアロゾル発生物品3は、
図3を参照して上で説明したエアロゾル発生物品2に類似しており、対応する特徴は同じ参照番号を用いて識別される。
【0045】
エアロゾル発生物品3は、エアロゾル発生基材14の内部に形成される単一の気流通路30の形態の気流チャネル16を含む。気流通路30は、遠位端10と近位端12との間で、長手方向軸に略平行に、長手方向に延在する。気流通路30は、エアロゾル発生基材14の第2の主表面14bよりも第1の主表面14aの近くに位置決めされ、エアロゾル発生基材14によって全ての側面で囲まれ、揮発性成分がエアロゾル発生基材14から放出され、エアロゾル発生デバイス102におけるエアロゾル発生物品3の使用中に気流通路30を通って流れる空気中に混入されうることを確実にしている。
【0046】
上で説明したエアロゾル発生物品1、2、3は、(i)略平面のエアロゾル発生基材14を提供すること、(ii)略平面のエアロゾル発生基材14内に誘導加熱可能サセプタ40を位置決めすること、及び(iii)略平面のエアロゾル発生基材14内に少なくとも1つの気流チャネル16(例えば、溝18又は気流通路30)を形成することによって製造することができる。単に例として、ステップ(i)及び(ii)は、第1及び第2のエアロゾル発生シートを、それらの間に位置決めされる誘導加熱可能サセプタ40と共に提供し、その後エアロゾル発生シートを一緒にプレスして略平面のエアロゾル発生基材14を形成することによって実行することができる。ステップ(ii)及び(iii)は、任意の順序で実行することができ、例えば、少なくとも1つの気流チャネル16は、誘導加熱可能サセプタ40がエアロゾル発生基材14内に位置決めされる前に、略平面のエアロゾル発生基材14内に形成することができる。ステップ(ii)及び(iii)は、幾つかの実施形態において同時に実行することができる。
【0047】
代替として、上で説明したエアロゾル発生物品1、2、3は、(i)誘導加熱可能サセプタ40を提供すること、及び(ii)誘導加熱可能サセプタ40の周囲に略平面のエアロゾル発生基材14を形成することによって製造することができる。例えば、エアロゾル発生基材14は、その中に位置決めされる誘導加熱可能サセプタ40と共に略平面のエアロゾル発生基材14を形成するよう硬化される前に、誘導加熱可能サセプタ40(例えば、サセプタメッシュ43)にペーストとして塗布することができる。最終ステップとして、本方法は、(iii)略平面のエアロゾル発生基材14内に少なくとも1つの気流チャネル16(例えば、溝18又は気流通路30)を形成することを含んでもよい。
【0048】
ここで
図5a及び5bを参照すると、第4の実施例のエアロゾル発生物品4を示している。エアロゾル発生物品4は、
図1及び2を参照して上で説明したエアロゾル発生物品1に類似しており、対応する特徴は同じ参照番号を用いて識別される。
【0049】
エアロゾル発生物品4は、エアロゾル発生物品1と同じ構成を有し、加えて、エアロゾル発生基材14、誘導加熱可能サセプタ40、及び溝18を囲むラッピング部材22を備える。エアロゾル発生基材14、誘導加熱可能サセプタ40、及び溝18は、従って、例えば、シガレットペーパー又は同様の材料を備えてもよいラッピング部材22によって完全に囲まれる。ラッピング部材22は、エアロゾル発生基材14の第1及び第2の主表面14a、14bにそれぞれ取り付けられる一対の矩形シート24、26を備える。矩形シート24、26は、通常、エアロゾル発生基材14の周囲に巻装され、エアロゾル発生基材14及び溝18の周囲の所定位置にラッピング部材22を固定するよう互いに接着される重なり合う縁部を有してもよい単一の材料シートによって形成される。
【0050】
例示的且つ非限定的な実施例において、エアロゾル発生基材14は、約18.0mmの(エアロゾル発生物品4の長手方向における)長さを有してもよく、約11.8mmの幅を有してもよく、約1.2mmの厚さ(又は深さ)を有してもよい。エアロゾル発生基材14は、
図5aに示すように、エアロゾル発生物品4の遠位端10から内側に短い距離、例えば、約3.0mmだけ離間してもよい。エアロゾル発生物品4は、エアロゾル発生基材14及び誘導加熱可能サセプタ40をラッピング部材22の内側に収容するよう、約12.0mmの幅及び約1.4mmの厚さ(又は深さ)を有してもよい。エアロゾル発生物品4は、エアロゾル発生基材14の下流端と近位端12との間に延在するラッピング部材22の一部の長さを変化させることによって、遠位端10と近位端12との間に任意の適切な長さを有してもよい。エアロゾル発生デバイス102内のエアロゾル発生物品4の使用中に蒸気がラッピング部材22のこの部分を通って流れると、蒸気は冷却され、凝結して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを形成してもよい。従って、エアロゾル発生基材14の下流端とエアロゾル発生物品4の近位端12との間に延在するラッピング部材22の一部の長さは、所望の特性を有するエアロゾルを提供するよう製造時に選択されてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態において、ラッピング部材22は、エアロゾル発生基材14に面し、加熱プロセス中に形成される可能性がある凝結を吸収することが可能な多孔質内面22aを備える。代替として又は追加として、ラッピング部材22は、加熱された場合にエアロゾル発生デバイス102の表面にラッピング部材22が付着するリスクを低減するよう、エアロゾル発生基材14から離れて面する付着防止外面22bを備えることができる。付着防止外面22bは、ラッピング部材22の外面22b上に付着防止コーティングを備えてもよい。
【0052】
エアロゾル発生物品4は、上で説明した方法によって製造されてもよく、略平面のエアロゾル発生基材14をラッピング部材22で巻装して、略平面のエアロゾル発生物品4を形成する更なるステップを含む。
【0053】
ここで
図6を参照すると、第5の実施例のエアロゾル発生物品5を示している。エアロゾル発生物品5は、
図5a及び5bを参照して上で説明したエアロゾル発生物品4に類似しており、対応する特徴は同じ参照番号を用いて識別される。
【0054】
エアロゾル発生物品5は、エアロゾル発生デバイス102におけるエアロゾル発生物品5の使用中にユーザの唇によって係合され得る口側端部34を形成するよう、エアロゾル発生物品5の近位端12に位置決めされる支持部材28を含む。支持部材28は、通常、ボール紙又はプラスチック材料等の自己支持型材料を備え、エアロゾル発生基材14の下流端及び第1の主表面14aに形成される溝18を受けるよう、断面で見た場合に矩形の管状形態を有する。ラッピング部材22はまた、支持部材28を囲む。
【0055】
ここで
図7及び8を参照すると、第6の実施例のエアロゾル発生物品6を示している。エアロゾル発生物品6は、
図5a及び5bを参照して上で説明したエアロゾル発生物品4に類似しており、対応する特徴は同じ参照番号を用いて識別される。
【0056】
エアロゾル発生物品6において、エアロゾル発生基材14は、遠位端10と近位端12との間でエアロゾル発生物品6の長手方向と略平行な第1の方向に延在する複数のエアロゾル発生ストリップ32を備える。エアロゾル発生ストリップ32は、横方向に間隔をあけて配置され、言い換えれば、それらは断続的に配置され、第1の方向に垂直な第2の方向に間隔をあけて配置される。エアロゾル発生ストリップ32のこの断続的な配置(又は間隔)は、気流チャネル16を形成し、気流チャネル16は、エアロゾル発生ストリップ32の隣接する各対の間に形成される。
【0057】
エアロゾル発生物品6は、近位端12において支持部材28を欠いて示されている。しかし、支持部材28は、
図6のエアロゾル発生物品5に関連して上で説明したように、エアロゾル発生物品6の近位端12に設けることができる。
【0058】
ここで
図9及び10を参照すると、第7及び第8の実施例のエアロゾル発生物品7、8を示している。エアロゾル発生物品7、8は、
図1及び2を参照して上で説明したエアロゾル発生物品1に類似しており、対応する特徴は同じ参照番号を用いて識別される。
【0059】
エアロゾル発生物品7、8において、誘導加熱可能サセプタ40は、不均一なサセプタメッシュ43を備える。不均一なサセプタメッシュ43は、第1の厚さを有する複数の第1のサセプタ要素44と、第1のサセプタ要素44の第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する複数の第2のサセプタ要素46とを備える。
【0060】
エアロゾル発生物品7において、不均一なサセプタメッシュ43は、より薄い第1のサセプタ要素44が、エアロゾル発生基材14の表面へのより短い経路及びエアロゾル発生基材14のより低い密度(又はバルク)が存在する溝18に隣接して(具体的にはその下に)位置するように、エアロゾル発生基材14内に位置決めされる。この構成により、最初のパフまでの時間を短縮してもよい。
【0061】
エアロゾル発生物品8において、不均一なサセプタメッシュ43は、より厚い第2のサセプタ要素46が溝18に隣接して(具体的にはその下に)位置し、より薄い第1のサセプタ要素44が、エアロゾル発生基材14の表面へのより長い経路及びエアロゾル発生基材14のより高い密度(又はバルク)が存在する溝18の間に位置するように、エアロゾル発生基材14内に位置決めされる。この構成により、エアロゾル発生基材14のより均一な加熱を達成してもよく、所定の期間(例えば、総セッション時間)の間に増加した体積の蒸気を提供する。
【0062】
ここで
図11及び12を参照すると、第9及び第10の実施例のエアロゾル発生物品9、10を示している。エアロゾル発生物品9、10は、
図1及び2を参照して上で説明したエアロゾル発生物品1に類似しており、対応する特徴は同じ参照番号を用いて識別される。
【0063】
エアロゾル発生物品9、10において、誘導加熱可能サセプタ40は、不均一なサセプタメッシュ43を備える。不均一なサセプタメッシュ43は、第1の間隔(又はピッチ)を有する複数の第1のサセプタ要素44と、第1のサセプタ要素44の第1の間隔(又はピッチ)よりも大きい第2の間隔(又はピッチ)を有する複数の第2のサセプタ要素46とを備える。
【0064】
エアロゾル発生物品9において、不均一なサセプタメッシュ43は、第1のサセプタ要素44(より小さい間隔又はピッチを有する)が、エアロゾル発生基材14の表面へのより短い経路及びエアロゾル発生基材14のより低い密度(又はバルク)が存在する溝18に隣接して位置するように、エアロゾル発生基材14内に位置決めされる。この構成は、
図9を参照して説明したものと同じ効果を提供する。
【0065】
エアロゾル発生物品10において、不均一なサセプタメッシュ43は、第2のサセプタ要素46(より大きい間隔又はピッチを有する)が溝18に隣接して位置し、第1のサセプタ要素44(より小さい間隔又はピッチを有する)が、エアロゾル発生基材14の表面へのより長い経路及びエアロゾル発生基材14のより高い密度(又はバルク)が存在する溝18の間に位置するように、エアロゾル発生基材14内に位置決めされる。この構成は、
図10を参照して説明したものと同じ効果を提供する。
【0066】
ここで
図13を参照すると、エアロゾル発生デバイス102と、
図5a及び5bを参照して上で説明したような第4の実施例のエアロゾル発生物品4とを備えるエアロゾル発生システム100を示している。エアロゾル発生デバイス102は、
図1~4及び6~12を参照して上で説明したエアロゾル発生物品1、2、3、5、6、7、8、9、10の実施例等の、本開示による代替のエアロゾル発生物品と組み合わせて用いることができることが正しく認識されよう。
【0067】
エアロゾル発生デバイス102は、デバイス本体108内に位置決めされる受入チャンバ106と電磁界発生器104とを備えている。電磁界発生器104は、第1の平面コイル122及び第2の平面コイル124を含んでもよいが、単一の平面コイル122、124が設けられるだけで十分であってもよい。
図13に示す実施例において、第1及び第2の平面コイル122、124は、受入チャンバ106の両側に位置決めされる平型の螺旋コイルである。
【0068】
使用時に、ユーザはエアロゾル発生物品4を受入チャンバ106内に挿入する。エアロゾル発生デバイス102は、カバー110と、カバー110を
図13に示す閉位置と開位置(図示せず)との間で移動させることができる枢動取付部112とを含んでもよい。当業者には理解されるように、ユーザは、カバー110を開位置に枢動させて、エアロゾル発生物品4を受入チャンバ106内に挿入することを可能にし、次いで、カバー110を
図13に示す閉位置に枢動させて戻し、エアロゾル発生物品4を受入チャンバ106内の所定位置に保持しなければならない。
【0069】
エアロゾル発生デバイス102は、電源114、例えば、充電式バッテリと、コントローラ116とを含む。第1及び第2の平面コイル122、124は、電源114及びコントローラ116によって、例えば、エアロゾル発生デバイス102上のボタン等のユーザインターフェースを介して手動で、又はユーザがエアロゾル発生デバイス102のマウスピース118を吸うことに応答して自動的に、通電させることができる。
【0070】
コントローラ116は、他の電子部品の中でもとりわけ、電源114からの直流を第1及び第2の平面コイル122、124のための交流高周波電流に変換するよう配置されるインバータを含んでもよい。第1及び第2の平面コイル122、124が交流高周波電流によって通電されると、受入チャンバ106及びその中に位置決めされるエアロゾル発生物品4を貫通する交流の時間的に変化する電磁界が生成される。電磁界は、誘導加熱可能サセプタ40と結合し、誘導加熱可能サセプタ40内に渦電流及び/又は磁気ヒステリシス損失を発生させ、サセプタを発熱させる。次いで、熱は、例えば、伝導、放射、及び対流により、誘導加熱可能サセプタ40からエアロゾル発生基材14に伝達される。
【0071】
誘導加熱可能サセプタ40からエアロゾル発生基材14に伝達された熱は、それを燃焼させることなく加熱し、それによって1つ以上の揮発性成分を放出させる。エアロゾル発生デバイス102は、空気がエアロゾル発生物品4に流入し、エアロゾル発生基材14の第1の主表面14aに形成される溝18を通って流れることを可能にする1つ以上の空気入口120を含む。気流方向は、
図13に矢印で示している。揮発性成分は、溝18を通って流れる空気に同伴され、それによって蒸気を形成する。蒸気は、溝18を通って流れる際に冷却され、凝結して、エアロゾル発生デバイス102のマウスピース118を通ってユーザによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0072】
エアロゾル発生基材14が枯渇し、許容可能な品質を有するエアロゾルを発生させるのに十分な揮発性成分を放出しなくなった場合に、エアロゾル発生物品4は、カバー110を開位置に枢動させた後に、受入チャンバ106から取り出すことができ、交換用エアロゾル発生物品4をその場所に挿入することができる。
【0073】
エアロゾル発生デバイス102が、支持部材28を有するエアロゾル発生物品、例えば、
図6を参照して上で説明した第5の実施例のエアロゾル発生物品5と組み合わせて用いられる場合、支持部材28は、受入チャンバ106の開放端106aから突出してもよく、それによって、ユーザの唇が、支持部材28によって形成されるエアロゾル発生物品5の口側端部34に係合することを可能にする。
【0074】
図13を参照して説明するエアロゾル発生デバイス102が、本開示によるエアロゾル発生物品の原理を例示するために用いられる概念的な設計例であることは、当業者によって正しく認識されるべきである。本開示によるエアロゾル発生物品は、適切な設計の任意の誘導加熱式エアロゾル発生デバイス102と共に用いられてもよい。
【0075】
これまでの段落では、例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な修正を加えることができることは言うまでもない。従って、特許請求の広さ及び適用範囲は、上で説明した例示的実施形態に限定されるべきではない。
【0076】
本明細書において別途記載のない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形形態における上で説明した特徴の任意の組み合わせは、本開示によって包含される。
【0077】
文脈上、明らかに他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、「含む」、「含んでいる」等の語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包括的に、すなわち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【国際調査報告】