(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】集気管及びそれを有する熱交換器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F25B 41/42 20210101AFI20240328BHJP
【FI】
F25B41/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556874
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 CN2022074845
(87)【国際公開番号】W WO2022227757
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202120939693.6
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
(72)【発明者】
【氏名】王 文杰
(72)【発明者】
【氏名】郎 壮
(72)【発明者】
【氏名】朱 方英
(57)【要約】
集気管(100)及びそれを有する熱交換器アセンブリ。集気管(100)は、メインヘッダ(10)及び湾曲パイプ(20)を含み、メインヘッダ(10)はステンレス管であり、且つメインヘッダ(10)の直径はRとし、湾曲パイプ(20)は、直線セグメント(21)及び曲げセグメント(22)を含み、曲げセグメント(21)の一端はメインヘッダ(10)に接続され、直線セグメント(22)は、曲げセグメント(21)のメインヘッダ(10)から離れた一端に接続され、且つ直線セグメント(22)の長さはLとし、ここで、L≧2Rであるとき、湾曲パイプ(20)はメインヘッダ(10)の一端を曲げることにより形成され、L<2Rであるとき、湾曲パイプ(20)とメインヘッダ(10)とは分離式に設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインヘッダ及び湾曲パイプを含み、前記メインヘッダはステンレス管であり、且つ前記メインヘッダの直径をRと定義し、
前記湾曲パイプは、曲げセグメント及び直線セグメントを含み、前記曲げセグメントの一端が前記メインヘッダに接続され、前記直線セグメントは、前記曲げセグメントの前記メインヘッダから離れた一端に接続され、且つ前記直線セグメントの長さをLと定義し、
ここで、L及びRが以下の関係式:L≧2Rを満たすとき、前記湾曲パイプは前記メインヘッダの一端を曲げることにより形成され、L及びRが以下の関係式:L<2Rを満たすとき、前記湾曲パイプと前記メインヘッダとは分離式に設けられる、集気管。
【請求項2】
前記湾曲パイプは銅管であり、且つ前記銅管と前記メインヘッダとが溶接によって接続される、請求項1に記載の集気管。
【請求項3】
前記メインヘッダと前記湾曲パイプとが接続された一端には第1拡径セグメントが設けられ、前記湾曲パイプが前記第1拡径セグメント内に挿入されて前記第1拡径セグメントに溶接され、
あるいは、前記湾曲パイプと前記メインヘッダとが接続された一端には前記第1拡径セグメントが設けられ、前記メインヘッダの一端が前記第1拡径セグメント内に挿入されて前記第1拡径セグメントに溶接される、請求項2に記載の集気管。
【請求項4】
前記第1拡径セグメントと前記湾曲パイプとが炉中ろう付けによって接続される、請求項3に記載の集気管。
【請求項5】
前記直線セグメントの前記曲げセグメントから離れた一端に第2拡径セグメントが設けられ、前記第2拡径セグメントは外部パイプラインに接続されるために用いられる、請求項2に記載の集気管。
【請求項6】
前記集気管は、アダプタ銅スリーブを更に含み、前記アダプタ銅スリーブと前記直線セグメントとが接続される、請求項1に記載の集気管。
【請求項7】
前記アダプタ銅スリーブと前記直線セグメントとが接続された一端には第3拡径セグメントが設けられ、前記直線セグメントの前記曲げセグメントから離れた一端が前記第3拡径セグメント内に挿入され、
且つ前記第3拡径セグメントに溶接され、
あるいは、前記直線セグメントと前記アダプタ銅スリーブとが接続された一端には前記第3拡径セグメントが設けられ、前記アダプタ銅スリーブの一端が前記第3拡径セグメント内に挿入されて前記第3拡径セグメントに溶接される、請求項6に記載の集気管。
【請求項8】
前記第3拡径セグメントと前記直線セグメントとが炉中ろう付けによって接続される、請求項7に記載の集気管。
【請求項9】
前記アダプタ銅スリーブの前記湾曲パイプから離れた一端に第4拡径セグメントが設けられ、前記第4拡径セグメントは外部パイプラインに接続されるために用いられる、請求項6に記載の集気管。
【請求項10】
熱交換器及び集気管を含み、前記集気管が前記熱交換器上の熱交換管に接続され、且つ前記集気管は請求項1から9のいずれか一項に記載の集気管を採用する、熱交換器アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年4月30日に出願された、出願番号が202120939693.6であり、発明の名称が「集気管及びそれを有する熱交換器アセンブリ」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は冷却の技術分野に関し、特に、集気管及びそれを有する熱交換器アセンブリに関する。
背景技術
【0003】
集気管は、空調システムに適用して、十分な熱交換という目的を達成するために冷媒の流れをガイドし、流路構造を最適化するために用いられる。
【0004】
集気管の加工過程において、集気管は、湾曲パイプ及びメインヘッダを含み、湾曲パイプの一端がと空調システムの銅管群に接続されるが、湾曲パイプの設置が不適切であると銅管群との接続に影響を与え、接続が堅牢でない又は銅管群に接続できないといった状況が発生し、空調システムにおける熱交換効率が低下する。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑みて、上記の技術課題に対し、低コストで、加工しやすく、接続が安定し且つ熱交換効率が高い、集気管及びそれを有する熱交換器アセンブリを提供する必要がある。
【0006】
本出願で提供される集気管は、メインヘッダ及び湾曲パイプを含み、メインヘッダはステンレス管であり、且つメインヘッダの直径をRと定義し、湾曲パイプは曲げセグメント及び直線セグメントを含み、曲げセグメントの一端がメインヘッダに接続され、直線セグメントは、曲げセグメントのメインヘッダから離れた一端に接続され、且つ直線セグメントの長さをLと定義し、
ここで、L及びRが以下の関係式:L≧2Rを満たすとき、湾曲パイプはメインヘッダの一端を曲げることにより形成され、L及びRが以下の関係式:L<2Rを満たすとき、湾曲パイプとメインヘッダとは分離式に設けられる。
【0007】
本出願において、直線セグメントの長さがメインヘッダの直径の2倍以上であるとき、湾曲パイプの設置については、メインヘッダの一端を引っ張り曲げることにより形成され、直線セグメントの長さが十分に長いため、空調システムの銅管群に容易に接続でき、接続が堅牢でない又は銅管群に接続できないといった状況が発生せず、直線セグメントの長さがメインヘッダの直径の2倍未満であるとき、湾曲パイプの設置については、メインヘッダに分離式に設けられ、直線セグメントの長さが適切な湾曲パイプを採用してメインヘッダに接続させて直線セグメントが銅管群に安定的に接続できるように確保するが、直線セグメントの長さがメインヘッダの直径の2倍未満であるとき、直線セグメントに斜め口になる問題が発生し、また、直線セグメントが短すぎるとメインヘッダを直接引っ張り曲げることにより湾曲パイプを形成するため、滑りやすくなるとともに直線セグメントに接続された銅管群も加工できないといった問題が発生し、空調システムにおける熱交換効率が低下する。
【0008】
一実施例において、湾曲パイプは銅管であり、且つ銅管とメインヘッダとが溶接によって接続される。
【0009】
このように設計すると、分離式に設けられた湾曲パイプを銅材質を採用して加工することで銅管を形成すると、湾曲パイプの一端にアダプタ銅スリーブを更に嵌合して空調システムの銅管群に接続する必要がなくなり、加工しやすく且つコストも低減され、冷却の技術分野では、通常、空調用の銅管群を接続管として2つの部品を接続することに用いられるため、即ち、本出願においては、銅管群が本出願における湾曲パイプに溶接されるところ、湾曲パイプが銅材質でないと、銅管群と湾曲パイプとの溶接特性の差が大きくなって溶接のプロセス難易度が高くなり、また、アダプタ銅スリーブを採用して湾曲パイプ上に嵌合して銅管群に溶接する必要がありコストが高くなりすぎ、従って、湾曲パイプを銅材質として直接加工することで銅管を形成し、銅管の一端が銅管群に直接溶接されることができると、プロセス難易度が低減され、且つアダプタ銅スリーブを別途に合致させて空調システムの銅管群に溶接する必要がなくなり、コストが低減される。
【0010】
一実施例において、メインヘッダと湾曲パイプとが接続された一端には第1拡径セグメントが設けられ、湾曲パイプが第1拡径セグメント内に挿入されて第1拡径セグメントに溶接され、
あるいは、湾曲パイプとメインヘッダとが接続された一端には第1拡径セグメントが設けられ、メインヘッダの一端が第1拡径セグメント内に挿入されて第1拡径セグメントに溶接される。
【0011】
このように設計すると、メインヘッダの一端に第1拡径セグメントが設けられると、湾曲パイプがメインヘッダに入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、湾曲パイプの入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、湾曲パイプの入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、またメインヘッダ上に第1拡径セグメントが設けられると、加工しやすく且つ湾曲パイプの挿入が容易になるとともに湾曲パイプとメインヘッダとの溶接が容易になり、溶接の安定性が向上し、湾曲パイプの一端に第1拡径セグメントが設けられると、メインヘッダが湾曲パイプに入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、メインヘッダの入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、メインヘッダの入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また湾曲パイプ上に第1拡径セグメントが設けられると、加工しやすく且つメインヘッダの挿入が容易になるとともにメインヘッダと湾曲パイプとの溶接が容易になり、溶接の安定性が向上し、空調システムにおける熱交換効率が向上する。
【0012】
一実施例において、第1拡径セグメントと湾曲パイプとが炉中ろう付けによって接続される。
【0013】
このように設計すると、炉中ろう付けに使用されるろう材の保護雰囲気が安価となり、コストを低減することができる。
【0014】
一実施例において、直線セグメントの曲げセグメントから離れた一端に第2拡径セグメントが設けられ、第2拡径セグメントは外部パイプラインに接続されるために用いられる。
【0015】
このように設計すると、直線セグメントの一端に第2拡径セグメントが設けられると、外部パイプラインが直線セグメントに入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、外部パイプラインの入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、外部パイプラインの入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、直線セグメントの一端に第2拡径セグメントが設けられると、加工しやすく且つ外部パイプラインの挿入が容易になるとともに外部パイプラインと直線セグメントとの溶接が容易になり、溶接の安定性が向上する。
【0016】
一実施例において、集気管はアダプタ銅スリーブを更に含み、アダプタ銅スリーブは直線セグメントに接続される。
【0017】
このように設計すると、湾曲パイプがステンレス材を採用したメインヘッダの一端を引っ張り曲げることにより形成されるとき、アダプタ銅スリーブが接続されている必要があり、空調システムの銅管群との溶接が容易になり、冷却の技術分野では、通常、空調用の銅管群を接続管として2つの部品を接続することに用いられるため、即ち、本出願においては、銅管群が本出願における湾曲パイプに溶接されるところ、湾曲パイプがステンレス材でないと、銅管群とステンレス材の湾曲パイプとの溶接特性の差が大きくなって溶接のプロセス難易度が高くなり、故にアダプタ銅スリーブを採用して溶接を行って溶接のプロセス難易度を低減する必要がある。
【0018】
一実施例において、アダプタ銅スリーブと直線セグメントとが接続された一端には第3拡径セグメントが設けられ、直線セグメントの曲げセグメントから離れた一端が第3拡径セグメント内に挿入され、且つ第3拡径セグメントに溶接され、
あるいは、直線セグメントとアダプタ銅スリーブとが接続された一端には第3拡径セグメントが設けられ、アダプタ銅スリーブの一端が第3拡径セグメント内に挿入されて第3拡径セグメントに溶接される。
【0019】
このように設計すると、アダプタ銅スリーブの一端に第3拡径セグメントが設けられると、直線セグメントがアダプタ銅スリーブに入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、直線セグメントの入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、直線セグメントの入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、アダプタ銅スリーブ上に第3拡径セグメントが設けられると、加工しやすく且つ直線セグメントの挿入が容易になるとともに直線セグメントとアダプタ銅スリーブとの溶接が容易になり、溶接の安定性が向上し、直線セグメントの一端に第3拡径セグメントが設けられると、アダプタ銅スリーブが直線セグメントに入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、アダプタ銅スリーブの入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、アダプタ銅スリーブの入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、直線セグメント上に第3拡径セグメントが設けられると、加工しやすく且つアダプタ銅スリーブの挿入が容易になるとともにアダプタ銅スリーブと直線セグメントとの溶接が容易になり、溶接の安定性が向上する。
【0020】
一実施例において、第3拡径セグメントと直線セグメントとが炉中ろう付けによって接続される。
【0021】
このように設計すると、炉中ろう付けに使用されるろう材の保護雰囲気が安価となり、コストを低減することができる。
【0022】
一実施例において、アダプタ銅スリーブの湾曲パイプから離れた一端に第4拡径セグメントが設けられ、第4拡径セグメントは外部パイプラインに接続されるために用いられる。
【0023】
このように設計すると、アダプタ銅スリーブの一端に第4拡径セグメントが設けられると、外部パイプラインがアダプタ銅スリーブに入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、外部パイプラインの入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、外部パイプラインの入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、アダプタ銅スリーブの一端に第4拡径セグメントが設けられると、加工しやすく且つ外部パイプラインの挿入が容易になるとともに外部パイプラインとアダプタ銅スリーブとの溶接が容易になり、溶接の安定性が向上する。
【0024】
本出願では、熱交換器及び集気管を含む熱交換器アセンブリを更に提供し、集気管が熱交換器における熱交換管に接続され、且つ集気管は上記の集気管を採用する。
【0025】
従来の技術に比べて、本出願で提供される集気管は、直線セグメントの長さがメインヘッダの直径の2倍以上であるとき、湾曲パイプの設置については、メインヘッダの一端を引っ張り曲げることにより形成され、直線セグメントの長さが十分に長いため、空調システムの銅管群に容易に接続でき、接続が堅牢でない又は銅管群に接続できないといった状況が発生せず、直線セグメントの長さがメインヘッダの直径の2倍未満であるとき、湾曲パイプの設置については、メインヘッダに分離式に設けられ、直線セグメントの長さが適切な湾曲パイプを採用してメインヘッダに接続させて直線セグメントが銅管群に安定的に接続できるように確保するが、直線セグメントの長さがメインヘッダの直径の2倍未満であるとき、直線セグメントに斜め口になる問題が発生し、また、直線セグメントが短すぎるとメインヘッダを直接引っ張り曲げることにより湾曲パイプを形成するため、滑りやすくなるとともに直線セグメントに接続された銅管群も加工できないといった問題が発生し、空調システムにおける熱交換効率が低下する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本出願で提供される一実施例における集気管の構造模式図である。
【
図3】本出願で提供される他の実施例における集気管の構造模式図である。
【0027】
100 集気管、10 メインヘッダ、11 第1拡径セグメント、20 湾曲パイプ、21 曲げセグメント、22 直線セグメント、221 第2拡径セグメント、30 アダプタ銅スリーブ、31 第3拡径セグメント、32 第4拡径セグメント。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本出願の実施形態における図面を参照して、本出願の実施形態における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明される実施形態は、単に本出願の一部の実施形態にすぎず、全ての実施形態ではないことは言うまでもない。本出願における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施形態は、いずれも本出願の保護の範囲に属する。
【0029】
なお、アセンブリが別のアセンブリに「組み込まれる」とされる場合、別のアセンブリに直接組み込まれてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、他のアセンブリに直接設けられてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接固定されてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。
【0030】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語や科学用語は、本出願の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。本文において、本出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施形態を説明することを目的とするものにすぎず本出願を制限する意図のものではない。本明細書に使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0031】
図1から
図4を参照すると、本出願では、冷媒が十分な熱交換を行うことができるように、冷媒の流路構造を最適化するための空調冷却システムに適用される集気管100を提供する。
【0032】
従来、集気管の加工過程において、集気管は、湾曲パイプ及びメインヘッダを含み、湾曲パイプの一端が空調システムの銅管群に接続されるが、湾曲パイプの設置が不適切であると銅管群との接続に影響を与え、接続が堅牢でない又は銅管群に接続できないといった状況が発生し、空調システムにおける熱交換効率が低下する。
【0033】
本出願で提供される集気管100は、メインヘッダ10及び湾曲パイプ20を含み、メインヘッダ10はステンレス管であり、且つメインヘッダ10の直径をRと定義し、湾曲パイプ20は、曲げセグメント21及び直線セグメント22を含み、曲げセグメント21の一端はメインヘッダ10に接続され、直線セグメント22は、曲げセグメント21のメインヘッダ10から離れた一端に接続され、且つ直線セグメント22の長さをLと定義し、ここで、L及びRが以下の関係式:L≧2Rを満たすとき、湾曲パイプ20はメインヘッダ10の一端を曲げることにより形成され、L及びRが以下の関係式:L<2Rを満たすとき、湾曲パイプ20とメインヘッダ10とは分離式に設けられ、直線セグメント22の長さがメインヘッダ10の直径の2倍以上であるとき、湾曲パイプ20に関する設置はメインヘッダ10の一端を引っ張り曲げることにより形成され、直線セグメント22の長さが十分に長いため、空調システムの銅管群に容易に接続でき、接続が堅牢でない又は銅管群に接続できないといった状況が発生せず、直線セグメント22の長さがメインヘッダ10の直径の2倍未満であるとき、湾曲パイプ20の設置については、メインヘッダ10に分離式に設けられ、直線セグメント22の長さが適切な湾曲パイプ20を採用してメインヘッダ10に接続させて直線セグメント22が銅管群に安定的に接続できるように確保するが、直線セグメント22の長さがメインヘッダ10の直径の2倍未満であるとき、直線セグメント22に斜め口になる問題が発生し、また、直線セグメント22が短すぎるとメインヘッダ10を直接引っ張り曲げることにより湾曲パイプ20を形成するため、滑りやすくなるとともに直線セグメント22に接続された銅管群も加工できないといった問題が発生し、空調システムにおける熱交換効率が低下する。
【0034】
説明すべきこととして、本出願では、従来の銅材質の集気管におけるメインヘッダ10をステンレス材に置き換え、また、直線セグメント22の長さがメインヘッダ10の直径の2倍以上であると、直接ステンレス材のメインヘッダ10を引き伸ばして湾曲パイプ20を形成し、直線セグメント22の長さがメインヘッダ10の直径の2倍未満であると、湾曲パイプ20を追加して、湾曲パイプ20とメインヘッダ10とが分離式に設けられ、適切な直線セグメント22の長さを有する湾曲パイプ20をメインヘッダ10に溶接する。
【0035】
更に説明すべきこととして、直線セグメント22の長さLとは、湾曲パイプ20の曲げセグメント21の円弧の終端位置から湾曲パイプ20の管口までの距離を意味する。
【0036】
本出願において、銅材質のメインヘッダをステンレス材に置き換えることで、メインヘッダ10の一体式の曲げ成形が容易になり、集気管100の硬度を向上させることができ、同時に、冷却の技術分野では、通常、空調の銅管群を接続管として使用して2つの部品を接続し、銅管群との接続を容易にするために、部品も銅材料、即ち従来の銅材料の集気管を採用して製造するが、銅材料の価格が高いため、生産コストを低減するために、本出願では銅材料の代わりにステンレス材を採用してメインヘッダ10に対して加工を行って、本出願におけるステンレス材のメインヘッダ10を形成する。
【0037】
図1を参照すると、更に、湾曲パイプ20は銅管であり、且つ銅管とメインヘッダ10とが溶接によって接続され、分離式に設けられた湾曲パイプ20を銅材質を採用して加工することで銅管を形成し、湾曲パイプ20の一端にアダプタ銅スリーブ30を更に嵌合して空調システムの銅管群に接続される必要がなくなり、加工しやすく且つコストも低減され、冷却の技術分野では、通常、空調用の銅管群を接続管として2つの部品を接続することに用いられるため、即ち、本出願においては、銅管群が本出願における湾曲パイプ20に溶接されるところ、湾曲パイプ20が銅材質でないと、銅管群と湾曲パイプ20との溶接特性の差が大きくなって溶接のプロセス難易度が高くなり、また、アダプタ銅スリーブ30を湾曲パイプ20に嵌合して銅管群に溶接する必要がありコストが高くなりすぎ、従って、湾曲パイプ20を銅材質として直接加工することで銅管を形成すると、銅管の一端が銅管群に直接溶接することができるところ、プロセス難易度が低減され、且つアダプタ銅スリーブ30を別途に合致させて空調システムの銅管群に溶接する必要がなくなり、コストが低減される。
【0038】
図2を参照すると、一実施例において、メインヘッダ10と湾曲パイプ20とが接続された一端には第1拡径セグメント11が設けられ、湾曲パイプ20が第1拡径セグメント11内に挿入されて第1拡径セグメント11に溶接され、湾曲パイプ20がメインヘッダ10に入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、湾曲パイプ20の入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、湾曲パイプ20の入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、メインヘッダ10上に第1拡径セグメント11が設けられると、加工しやすく且つ湾曲パイプ20の挿入が容易になるとともに湾曲パイプ20とメインヘッダ10との溶接が容易になり、溶接の安定性が向上する。
【0039】
他の実施例において、湾曲パイプ20とメインヘッダ10とが接続された一端には第1拡径セグメント11が設けられ、メインヘッダ10の一端が第1拡径セグメント11内に挿入されて第1拡径セグメント11に溶接され、メインヘッダ10が湾曲パイプ20に入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、メインヘッダ10の入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、メインヘッダ10の入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、湾曲パイプ20上に第1拡径セグメント11が設けられると、加工しやすく且つメインヘッダ10の挿入が容易になるとともにメインヘッダ10と湾曲パイプ20との溶接が容易になり、溶接の安定性が向上し、空調システムにおける熱交換効率が向上する。
【0040】
本出願において、第1拡径セグメント11と湾曲パイプ20とが炉中ろう付けによって接続され、炉中ろう付けに使用されるろう材の保護雰囲気が安価となり、コストを低減することができる。
【0041】
図2を参照すると、直線セグメント22の曲げセグメント21から離れた一端に第2拡径セグメント221が設けられ、第2拡径セグメント221は外部パイプラインに接続されるために用いられ、外部パイプラインが直線セグメント22に入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、外部パイプラインの入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、外部パイプラインの入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、直線セグメント22の一端に第2拡径セグメント221が設けられると、加工しやすく且つ外部パイプラインの挿入が容易になるとともに外部パイプラインと直線セグメント22との溶接が容易になり、溶接の安定性が向上する。
【0042】
図3を参照すると、集気管100は、アダプタ銅スリーブ30を更に含み、アダプタ銅スリーブ30は直線セグメント22に接続され、湾曲パイプ20がステンレス材を採用したメインヘッダ10の一端を引っ張り曲げることにより形成されるとき、アダプタ銅スリーブ30を接続する必要があり、空調システムの銅管群との溶接が容易になり、冷却の技術分野では、通常、空調用の銅管群を接続管として2つの部品を接続することに用いられるため、即ち、本出願においては、銅管群が本出願における湾曲パイプ20に溶接されるところ、湾曲パイプ20がステンレス材でないと、銅管群とステンレス材の湾曲パイプ20との溶接特性の差が大きくなって溶接のプロセス難易度が高くなり、故にアダプタ銅スリーブ30を採用して溶接を行って溶接のプロセス難易度を低減する必要がある。
【0043】
一実施例において、アダプタ銅スリーブ30と直線セグメント22とが接続された一端には第3拡径セグメント31が設けられ、直線セグメント22の曲げセグメント21から離れた一端が第3拡径セグメント31内に挿入され、且つ第3拡径セグメント31に溶接され、直線セグメント22がアダプタ銅スリーブ30に入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、直線セグメント22の入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、直線セグメント22の入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、アダプタ銅スリーブ30上に第3拡径セグメント31が設けられると、加工しやすく且つ直線セグメント22の挿入が容易になるとともに直線セグメント22とアダプタ銅スリーブ30との溶接が容易になり、溶接の安定性が向上する。
【0044】
他の実施例において、直線セグメント22とアダプタ銅スリーブ30とが接続された一端には第3拡径セグメント31が設けられ、アダプタ銅スリーブ30の一端が第3拡径セグメント31内に挿入されて第3拡径セグメント31に溶接され、アダプタ銅スリーブ30が直線セグメント22に入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、アダプタ銅スリーブ30の入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、アダプタ銅スリーブ30の入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、直線セグメント22上に第3拡径セグメント31が設けられると、加工しやすく且つアダプタ銅スリーブ30の挿入が容易になるとともにアダプタ銅スリーブ30と直線セグメント22との溶接が容易になり、溶接の安定性が向上する。
【0045】
本出願において、第3拡径セグメント31と直線セグメント22とが炉中ろう付けによって接続され、炉中ろう付けに使用されるろう材の保護雰囲気が安価となり、コストを低減することができる。
【0046】
図4を参照すると、アダプタ銅スリーブ30の湾曲パイプ20から離れた一端に第4拡径セグメント32が設けられ、第4拡径セグメント32は外部パイプラインに接続されるために用いられ、外部パイプラインがアダプタ銅スリーブ30に入れ込まれる距離に対して位置を制限する役割を果たすことができるところ、外部パイプラインの入れ込みが長すぎると溶接が不便になり、外部パイプラインの入れ込みが短すぎると溶接が堅牢でない問題が発生し、また、アダプタ銅スリーブ30の一端に第4拡径セグメント32が設けられると、加工しやすく且つ外部パイプラインの挿入が容易になるとともに外部パイプラインとアダプタ銅スリーブ30との溶接が容易になり、溶接の安定性が向上する。
【0047】
本出願では、熱交換器及び集気管100を含む熱交換器アセンブリ(図示せず)を提供し、集気管100が熱交換器上の熱交換管に接続され、且つ集気管100は上記の集気管100を採用する。
【0048】
更に、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の単語を使用して部品を限定するのは単に対応する部品を容易に区別するためのものであり、別途の記載がない限り、上記の単語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解してはならない。
【0049】
以上の実施形態の各技術特徴は任意に組み合わせてもよく、説明を簡潔にするために上記の実施形態における各技術特徴の可能な組み合わせについて全て説明していないが、これらの技術特徴の組み合わせが矛盾しない限り、いずれも本明細書に記載されている範囲とみなすべきである。
【0050】
当業者は、以上の実施態様は、本出願を説明するためのものにすぎず、本出願に対する限定として用いられるものではなく、本出願の実質的な精神の範囲内で、以上の実施態様についてなされた適度な変更及び変化は、いずれも本出願が保護を求めている範囲内に入ることを認識すべきである。
【国際調査報告】