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特表2024-515019消耗性金属部材を含むエッチング用プラズマ処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】消耗性金属部材を含むエッチング用プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240328BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/302 101B
H01L21/302 101C
H01L21/302 101D
H01L21/302 105A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556958
(86)(22)【出願日】2023-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 KR2023003858
(87)【国際公開番号】W WO2023182827
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0036416
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508224890
【氏名又は名称】リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション ソンギュングァン ユニバーシティ
【住所又は居所原語表記】2066, Seobu-ro, Jangan-gu Suwon-si Gyeonggi-do 16419 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ヨム、グン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】タク、ヒョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヘ ジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ウ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BA03
5F004BA04
5F004BA20
5F004BB14
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB28
5F004BB29
5F004CA06
5F004DA00
5F004EB01
5F004EB04
5F004EB05
(57)【要約】
【課題】消耗性金属部材を含むエッチング用プラズマ処理処置が開示される。
【解決手段】前記エッチング用プラズマ処理処置は、真空チャンバと、前記チャンバの内部に配置される基板支持部材と、前記チャンバの内部にガスを注入するガス供給部材と、前記チャンバの内部に配置され、前記チャンバの内部でプラズマが発生するときに第1金属のイオン又はラジカルを含む金属副産物を発生する消耗品部と、前記チャンバの内部にプラズマを発生させるために電力が印加される第1電極と、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1及び第2電極に電力を供給する電源と、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバと、
前記チャンバの内部に配置される基板支持部材と、
前記チャンバの内部にガスを注入するガス供給部材と、
前記チャンバの内部に配置され、前記チャンバの内部でプラズマが発生するときに第1金属のイオン又はラジカルを含む金属副産物を発生する消耗品部と、
前記チャンバの内部にプラズマを発生させるために電力が印加される第1電極と、
前記第1電極と対向する第2電極と、
前記第1及び第2電極に電力を供給する電源と、を含む、
エッチング用プラズマ処理処置。
【請求項2】
前記第1金属のイオン又はラジカルは、前記基板にプラズマ蒸着される高分子物質と結合して前記基板に蒸着される、
請求項1に記載のエッチング用プラズマ処理処置。
【請求項3】
前記消耗品部は、前記チャンバの上部に位置し、ガス吐出孔が1つ以上形成されるシャワーヘッドに設けられた、
請求項1に記載のエッチング用プラズマ処理処置。
【請求項4】
前記消耗品部は、前記基板支持部材に配置される基板の縁部を取り囲むように前記チャンバの下部に配置されるエッジリングに設けられた、
請求項1に記載のエッチング用プラズマ処理処置。
【請求項5】
前記消耗品部は、前記チャンバの内壁に設けられた、
請求項1に記載のエッチング用プラズマ処理処置。
【請求項6】
前記消耗品部は、前記第1金属を含有するケイ素(Si)化合物又は混合物を含む、
請求項1に記載のエッチング用プラズマ処理処置。
【請求項7】
前記第1金属は、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zr)、テクネチウム(Tc)、ルビジウム(Rb)、ロジウム(Rh)、ハフニウム(Hf)、オスミウム(Os)、及びイリジウム(Ir)のうち1つ又は複数を含む、
請求項1に記載のエッチング用プラズマ処理処置。
【請求項8】
前記消耗品部に電力を印加して前記第1金属のイオン又はラジカルの生成を促進する消耗品部接続電源をさらに含む、
請求項1に記載のエッチング用プラズマ処理処置。
【請求項9】
前記装置は、二重周波数容量結合プラズマ(CCP、Capacitively Coupled Plasma)装置、誘導結合プラズマ(ICP、inductively coupled plasma)装置、電磁波(microwave)プラズマ装置、ヘリコンプラズマ(Helicon plasma)装置、電子サイクロトロン共鳴(ECR、Electron Cyclotron Resonance)プラズマ装置、及びリモート(remote)プラズマ装置のうちいずれか1つである、
請求項1に記載のエッチング用プラズマ処理処置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊ガスに含まれる成分である耐火金属を含有する消耗性金属部材を含むエッチング用プラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体エッチング工程の1つである従来の高アスペクト比コンタクト(High Aspect Ratio Contact)工程において、側壁の不均一な高分子パッシベーション(Passivation)及び垂直なイオン入射を妨げるチャージング効果(charging effect)は、解決されるべき問題点として残っていた。このような不均一な高分子パッシベーション及びチャージング効果に対する問題を改善するために、特殊目的のガスをエッチング中に注入する工程が研究されており、最も代表的にWF(六フッ化タングステン)特殊ガスが主に研究開発されている。注入されたWF特殊ガス中のタングステンは、エッチング工程中に側壁の高分子と結合し、これは従来の炭素系高分子に比べてより薄く均一に金属添加高分子保護層を形成することができる。前記金属添加高分子保護層は、耐火金属の硬い特性によって、従来の炭素系高分子の単一成分層に比べて側壁の保護に優れた性能を示し、カチオンによって発生するチャージング効果を改善することによって、垂直形状のエッチング結果が得られるようにする。また、エッチング工程に注入される特殊ガス中に含まれた金属とACLとの結合は、ACLマスク層のエッチング選択比をさらに向上させることができる。
【0003】
しかし、このような特殊ガス添加工程の場合、特殊ガスの添加のために追加のガスラインの増設が必要であり、限定された種類の耐火金属結合物質をガスの形でチャンバに供給するさらなるステップも必要である。また、前記特殊ガスとして使用可能な物質はその種類が非常に少なく、従来技術として広く知られているWFガスの場合も、好ましい金属添加効果を示すために従来の工程を修正する必要があるか、又は特殊ガスを非常に極少量添加するしかないという短所が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本公開特許第2015-501538号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような問題を解決するための本発明の一目的は、エッチング品質を向上させるために投入される特殊ガスを代替できる、耐火金属を含有する消耗性金属部材を含むエッチング用プラズマ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面として、本発明は、真空チャンバと、前記チャンバの内部に配置される基板支持部材と、前記チャンバの内部にガスを注入するガス供給部材と、前記チャンバの内部に配置され、前記チャンバの内部でプラズマが発生するときに第1金属のイオン又はラジカルを含む金属副産物を発生する消耗品部と、前記チャンバの内部にプラズマを発生させるために電力が印加される第1電極と、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1及び第2電極に電力を供給する電源と、を含む、エッチング用プラズマ処理装置を提供する。
一具現例において、前記消耗品部は、前記チャンバの上部に位置し、ガス吐出孔が1つ以上形成されるシャワーヘッドに設けられたことを特徴とする。
【0007】
一具現例において、前記消耗品部は、前記基板支持部材に配置される基板の縁部を取り囲むように前記チャンバの下部に配置されるエッジリングに設けられたことを特徴とする。
一具現例において、前記消耗品部は、前記チャンバの内壁に設けられたことを特徴とする。
一具現例において、前記消耗品部は、前記第1金属を含有するケイ素(Si)化合物又は混合物を含むことを特徴とする。
【0008】
一具現例において、前記第1金属は、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zr)、テクネチウム(Tc)、ルビジウム(Rb)、ロジウム(Rh)、ハフニウム(Hf)、オスミウム(Os)、及びイリジウム(Ir)のうち1つ又は複数を含むことを特徴とする。
一具現例において、前記消耗品部に電力を印加して前記第1金属のイオン又はラジカルの生成を促進する消耗品部接続電源をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
一具現例において、前記装置は、二重周波数容量結合プラズマ(CCP、Capacitively Coupled Plasma)装置、誘導結合プラズマ(ICP、inductively coupled plasma)装置、電磁波(microwave)プラズマ装置、ヘリコンプラズマ(Helicon plasma)装置、電子サイクロトロン共鳴(ECR、Electron Cyclotron Resonance)プラズマ装置、及びリモート(remote)プラズマ装置のいずれか1つであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、好ましい側壁のパッシベーションのために耐火金属を含んだ特殊ガスの代わりに、エッチング用プラズマ処理装置内に耐火金属成分を含む消耗性金属部品を用いることで、耐火金属成分を含む特殊ガスを注入したエッチング工程の改善効果を出すことができる。よって、前記特殊ガスを注入するためのさらなるガスラインの設置が必要でなく、消耗性金属部品の副産物を活用できる点でより経済的なエッチング工程を可能とする。また、特殊ガスを直接注入せず、スパッタリングによる蒸着をすぐ進行可能であるため、側壁のパッシベーション及び側壁保護に効果的であり、これは、すなわちHARCエッチング工程の微小パターンエッチングにおける限界を克服できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例による装置の回路図及び消耗品部の概略図である。
図2】消耗品部に1つの電源が接続された装置の回路図及び消耗品部の概略図である。
図3】消耗品部に2つの電源が接続された装置の回路図及び消耗品部の概略図である。
図4】本発明の二重周波数容量結合プラズマ(CCP,Capacitively Coupled Plasma)装置の構造図である。
図5】本発明の二重周波数容量結合プラズマ(CCP,Capacitively Coupled Plasma)装置の構造図である。
図6】本発明の誘導結合プラズマ(ICP、inductively coupled plasma)装置の構造図である。
図7】本発明の電磁波(microwave)プラズマ装置の構造図である。
図8】本発明のリモート(remote)プラズマ装置の構造図である。
図9】自己DCバイアス(self DC bias)を用いる本発明の一実施例の構造図である。
図10】自己DCバイアス(self DC bias)を用いる本発明の他の実施例の構造図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明による最も好ましい一実施例は、真空チャンバと、前記チャンバの内部に配置される基板支持部材と、前記チャンバの内部にガスを注入するガス供給部材と、前記チャンバの内部に配置され、前記チャンバの内部でプラズマが発生するときに第1金属のイオン又はラジカルを含む金属副産物を発生する消耗品部と、前記チャンバの内部にプラズマを発生させるために電力が印加される第1電極と、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1及び第2電極に電力を供給する電源と、を含むことを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例に対して詳しく説明する。本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするものでなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0014】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するために使用することができるが、上記構成要素は上記用語によって限定されてはならない。上記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0015】
明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」又は「含有する」とするとき、これは特に別の定義がない限り、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、本明細書で使用されている単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0016】
異なるように定義されない限り、技術的や科学的な用語を含んでここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が一般に理解するものと同じ意味を有しており、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味として解釈されない。
以下、本発明が開示するエッチング用プラズマ処理処置を、本発明の図面を参照してより詳細に説明する。
【0017】
本発明は、真空チャンバと、前記チャンバの内部に配置される基板支持部材と、前記チャンバの内部にガスを注入するガス供給部材と、前記チャンバの内部に配置され、前記チャンバの内部でプラズマが発生するときに第1金属のイオン又はラジカルを含む金属副産物を発生する消耗品部と、前記チャンバの内部にプラズマを発生させるために電力が印加される第1電極と、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1及び第2電極に電力を供給する電源と、を含む、エッチング用プラズマ処理装置を提供する。
【0018】
前記エッチング用プラズマ処理装置は、半導体のエッチング工程、好ましくは、半導体の高アスペクト比コンタクト(High Aspect Ratio Contact)エッチング工程で用いることができる。また、前記エッチング用プラズマ処理処置は、二重周波数容量結合プラズマ(CCP、Capacitively Coupled Plasma)装置、誘導結合プラズマ(ICP、inductively coupled plasma)装置、電磁波(microwave)プラズマ装置、ヘリコンプラズマ(Helicon plasma)装置、電子サイクロトロン共鳴(ECR、Electron Cyclotron Resonance)プラズマ装置、又はリモート(remote)プラズマ装置であってもよい。前記エッチング用プラズマ処理処置は、内部の真空を維持できる真空チャンバを含むことができ、前記チャンバの内部にガスを注入することができ、電力を印加して前記チャンバの内部にプラズマを発生させることができる。このとき、前記電源はRF電源であってもよい。また、本発明では、エッチングガスを直接注入する直接注入方式よりは、間接注入方式としてスパッタリング又は反応する消耗性金属部品を用いることによって、エッチング工程のパッシベーション効率及び垂直エッチング効率を改善することができる。
以下、本発明が開示するエッチング用プラズマ処理処置を、本発明の図面を参照してより詳細に説明する。
【0019】
本発明は、真空チャンバと、前記チャンバの内部に配置される基板支持部材と、前記チャンバの内部にガスを注入するガス供給部材と、前記チャンバの内部に配置され、前記チャンバの内部でプラズマが発生するときに第1金属のイオン又はラジカルを含む金属副産物を発生する消耗品部と、前記チャンバの内部にプラズマを発生させるために電力が印加される第1電極と、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1及び第2電極に電力を供給する電源と、を含んでもよい。
【0020】
前記高アスペクト比コンタクトエッチング工程は、積層された誘電体膜の高い段数により高アスペクト比を有するNAND型フラッシュの垂直方向のエッチングを含む高アスペクト比エッチングのための工程である。前記高アスペクト比コンタクトエッチング工程は、多くの誘電体が積層されているため、エッチングされたパターン上にボーイング(Bowing)、ツイスティング(Twisting)、ローディング効果(Loading effect)、チャージング効果、及び側壁の不均一なパッシベーションなどの問題が発生し得る。よって、これを解決するために、エッチングガス以外にも、さらに金属を含む特殊ガスの注入が必要である。しかし、これはさらなる特殊ガス注入設備の増設を要する。
【0021】
本発明では、金属を含む特殊ガスの注入の代わりに、従来のエッチング用プラズマ処理処置内の消耗性金属部品に耐火金属、好ましくは、金属が含まれたケイ素(Si)化合物又は混合物、さらに好ましくは、金属が含まれたシリサイドを含めることができる。このとき、前記消耗性金属部品は消耗品部と言われてもよく、前記消耗品部は、前記エッチング用プラズマ処理処置のチャンバ内に位置してもよく、好ましくは、前記チャンバ内に位置する脱着及び交換が可能な部品に設けられてもよく、前記消耗品部は、前記チャンバ内で表面が露出して前記表面がエッチング工程中にプラズマに露出してもよい。
【0022】
前記消耗品部が前記チャンバ内に表面が露出してプラズマエッチングが発生するようになり、前記消耗品部のエッチングによる反応副産物であるモリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、及びタングステン(W)など金属のハロゲン化合物を用いることによって、従来技術で使用されていた金属を含む特殊ガス(TaF、WF、WFCl、Wbr、W(CO)、WCl、及びBiFなど)を注入して得られた添加剤の効果に代えることができる。このとき、前記金属のイオン又はラジカルは、前記基板にプラズマ蒸着される高分子物質と結合して前記基板に蒸着されることを特徴とする。
【0023】
このとき、前記消耗品部は、前記チャンバの上部に位置し、ガス吐出孔が1つ以上形成されるシャワーヘッドに設けられてもよく、又は前記消耗品部は、前記基板支持部材に配置される基板の縁部を取り囲むように前記チャンバの下部に配置されるエッジリングに設けられてもよく、又は前記消耗品部は、前記チャンバの内壁に設けられてもよい。このとき、前記消耗品部が前記チャンバの内壁に設けられる場合、前記消耗品部が前記チャンバ内壁を一部代替するか、又は前記チャンバ内壁上に配置される形態で存在してもよい。前記消耗品部は、前記チャンバの内部に位置し、プラズマに前記消耗品部の表面が露出してエッチングが発生し得る形態であれば、上記に記載されたものに限定されず多様な形態及び構造で存在することができる。
【0024】
前記消耗品部は、前記第1金属を含有するケイ素(Si)化合物又は混合物を含んでもよく、前記第1金属は、好ましくは、耐火金属の形態でニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zr)、テクネチウム(Tc)、ルビジウム(Rb)、ロジウム(Rh)、ハフニウム(Hf)、オスミウム(Os)、及びイリジウム(Ir)のうち1つ又は複数を含んでもよく、好ましくは、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、及びレニウム(Re)のうち1つ又は複数を含んでもよく、最も好ましくは、前記第1金属は、金属が含まれたケイ素(Si)化合物又は混合物の形態でタングステン(W)を含んでもよい。
【0025】
本発明のエッチング用プラズマ処理装置は、前記消耗品部に電力を印加して前記第1金属のイオン又はラジカルの生成を促進する消耗品部接続電源をさらに含んでもよい。
【0026】
前記エッチング用プラズマ処理装置のチャンバの内部にプラズマを発生させると、前記プラズマに露出した前記消耗品部の表面は、ラジカルによって又はスパッタリングによって消耗して副産物が発生し得る。このとき、前記副産物の発生を制御できるように、さらに前記消耗品部に電源を接続して電力を印加してもよく、前記消耗品部に接続される電源は、DC電源、AC電源又はRF電源(パルス電源を含む)であってもよい。
【0027】
さらに、前記装置は、二重周波数容量結合プラズマ(CCP、Capacitively Coupled Plasma)装置、誘導結合プラズマ(ICP、inductively coupled plasma)装置、電磁波(microwave)プラズマ装置、ヘリコンプラズマ(Helicon plasma)装置、電子サイクロトロン共鳴(ECR、Electron Cyclotron Resonance)プラズマ装置、及びリモート(remote)プラズマ装置のうちいずれか1つであることを特徴とする。前記装置による本発明の実施例は、図面と共に下記に説明される。
【0028】
以下、本発明の多様な実施例及び平価例について詳しく説明する。但し、下記の実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、本発明が下記実施例に限定されると解釈されてはならない。
実施例
図1は、本発明の一実施例による装置の回路図及び消耗品部の概略図である。
【0029】
図1を参照すると、チャンバの上部に位置して消耗品部が含まれるA領域、及びチャンバの下部に位置した基板支持部材、好ましくは静電チャック(ESC)が含まれるB領域が含まれたエッチング用プラズマ処理装置を示す。このとき、前記A領域に消耗品部が含まれることは、前記A領域のガス供給装置、好ましくはガス噴射プレート(DGDP、Distribution Gas Distributed Plate)に又は上部電極上に消耗品部が設けられることを意味する。また、前記装置は、プラズマを発生させるためにエネルギーを供給する下部電極を含み、前記下部電極と上下に対向して接地される上部電極をさらに含む。前記上部電極は、本実施例において、ガスを噴射するプレートであってもよく、好ましくはDGDP(Distribution Gas Distributed Plate)であってもよい。前記下部電極及び前記上部電極には、電力を印加するための電源が接続され、前記電源は、DC電源、AC電源又はRF電源(パルス電源を含む)であってもよい。
【0030】
前記エッチング用プラズマ処理装置は、ウェハがB領域内の静電チャック上に配置されると、A領域のガス噴射プレート(DGDP)又は上部電極を介して真空のチャンバ内にガスが流入することができる。その後、B領域の下部電極に電力が印加され、チャンバ内にプラズマが発生するようになり、前記プラズマとB領域のウェハとが化学反応を起こし、ウェハ上にエッチング工程が進行される。このとき、プラズマは、チャンバのA領域に設けられて前記チャンバの内部に露出した金属性消耗品部とも反応を起こし、前記金属性消耗品部とプラズマとが反応して形成された副産物が、従来の特殊ガス添加剤のような役割をして、B領域のエッチング時にエッチングされてはならない側面を添加剤でコーティングするようになり、これは、エッチング工程が垂直方向に形成され、高アスペクト比エッチング工程の品質を向上させることに寄与することができる。
図2は、消耗品部に1つの電源が接続された装置の回路図及び消耗品部の概略図である。
【0031】
図2は、チャンバの側壁を含むA領域の他にも、基板周囲のエッジリングを含むB領域に消耗品部が設けられたエッチング用プラズマ処理装置を示し、上部電極に接続された電源及び下部電極に接続された電源の他にも、前記A領域の消耗品部にさらに電源が接続されている。前記電源は、DC電源、AC電源又はRF電源(パルス電源を含む)であってもよく、前記電源によってA領域の消耗品部のエッチングによる副産物の発生量を制御することができる。また、前記A領域の消耗品部は、消耗品部単独でA領域に存在するか、又は側壁と消耗品部との間に誘電体をさらに含んでもよい。
図3は、消耗品部に2つの電源が接続された装置の回路図及び消耗品部の概略図である。
【0032】
図3は、チャンバの側壁を含むA領域の他にも、基板周囲のエッジリングを含むB領域に消耗品部が設けられたエッチング用プラズマ処理装置を示し、上部電極に接続された電源及び下部電極に接続された電源の他にも、前記A領域及びB領域の消耗品部の両方にさらに電源が接続されている。前記電源は、DC電源、AC電源又はRF電源(パルス電源を含む)であってもよく、前記電源によって消耗品部のエッチングによる副産物の発生量を制御することができる。また、前記A領域及びB領域の消耗品部は、消耗品部単独でA領域に存在するか、又は側壁と消耗品部との間に誘電体をさらに含んでもよい。
【0033】
図4ないし図9は、本発明の消耗品部の構成が様々な種類のエッチング用プラズマ処理処置に適用された様子を示す。下記の装置には、プラズマソース電源、バイアース電源、追加電源、及び消耗品部接続電源が含まれる。
図4は、本発明の二重周波数容量結合プラズマ(CCP,Capacitively Coupled Plasma)装置の構造図である。
【0034】
図4を参照すると、前記二重周波数容量結合プラズマ装置のシャワーヘッドは、消耗品部を含んでもよく、前記シャワーヘッドは、脱着及び交換が可能である。図4に示されてはいないが、さらに、前記装置のエッジリング及び側壁も脱着及び交換が可能な消耗品部を含んでもよい。前記シャワーヘッドのエッチングを制御するために、前記装置にさらに消耗品部接続電源(Power M)を含んでもよく、前記消耗品部接続電源はシャワーヘッドに接続され、シャワーヘッドに設けられた消耗品部に電力を印加してもよい。前記消耗品部接続電源の他にも、前記装置の上部電極にソース電源が接続され、下部にバイアス及び追加電源が接続される。また、前記側壁上に又は静電チャック(ESC)の下部に誘電体を含んでもよい。
図5は、本発明の二重周波数容量結合プラズマ(CCP,Capacitively Coupled Plasma)装置の構造図である。
【0035】
図5を参照すると、前記二重周波数容量結合プラズマ装置のシャワーヘッドは、消耗品部を含んでもよく、前記シャワーヘッドは、脱着及び交換が可能である。図5に示されてはいないが、さらに、前記装置のエッジリング及び側壁も脱着及び交換が可能な消耗品部を含んでもよい。前記シャワーヘッドのエッチングを制御するために、前記装置にさらに消耗品部接続電源(Power M)を含んでもよく、前記消耗品部接続電源は、シャワーヘッドが付着している上部電極に接続され、シャワーヘッドに設けられた消耗品部に電力を印加してもよい。前記消耗品部接続電源の他にも、前記装置の下部にソース及びバイアス電源が同時に接続され、これに加えて追加電源まで総3つの電源が接続される。また、前記側壁上に又は静電チャック(ESC)の下部に誘電体を含んでもよい。
図6は、本発明の誘導結合プラズマ(ICP、inductively coupled plasma)装置の構造図である。
【0036】
図6を参照すると、前記誘導結合プラズマ装置のシャワーヘッドは、消耗品部を含んでもよく、前記シャワーヘッドは、脱着及び交換が可能である。図6に示されてはいないが、さらに、前記装置のエッジリング及び側壁も脱着及び交換が可能な消耗品部を含んでもよい。前記シャワーヘッドのエッチングを制御するために、前記装置にさらに消耗品部接続電源(Power M)を含んでもよく、前記消耗品部接続電源はシャワーヘッドに接続され、シャワーヘッドに設けられた消耗品部に電力を印加してもよい。前記消耗品部接続電源の他にも、前記装置の上部誘電体プレート(ICP Window)にソース電源が接続され、下部にバイアス及び追加電源が接続される。また、前記静電チャック(ESC)の下部に誘電体を含んでもよい。
図7は、本発明の電磁波(microwave)プラズマ装置の構造図である。
【0037】
図7を参照すると、前記電磁波プラズマ装置の側壁は、消耗品部を含んでもよく、前記側壁に設けられた消耗品部は、脱着及び交換が可能である。図7に示されてはいないが、さらに、前記装置のエッジリングも脱着及び交換が可能な消耗品部を含んでもよい。前記側壁内の消耗品部のエッチングを制御するために、前記装置にさらに消耗品部接続電源(Power M)を含んでもよく、前記消耗品部接続電源は、側壁内の消耗品部に接続されて側壁内の消耗品部に電力を印加してもよい。前記消耗品部接続電源の他にも、前記装置の下部にバイアス及び追加電源が接続される。前記装置は、ソース電源がない代わりに、前記装置の上部から電磁波を介してプラズマソースを供給されてもよい。また、前記消耗品部及び前記側壁の接触面上に又は前記静電チャック(ESC)の下部に誘電体を含んでもよい。
図8は、本発明のリモート(remote)プラズマ装置の構造図である。
【0038】
図8を参照すると、前記リモートプラズマ装置のプラズマソース注入路の入口と隣接した上部内壁上に配置された金属部材(図面中のMetal)は、消耗品部を含んでもよく、前記金属部材(図面中のMetal)は、脱着及び交換が可能である。図8内に示されてはいないが、さらに、前記装置のプラズマソース注入路に位置するグリッド、前記装置のエッジリング及び側壁も脱着及び交換が可能な消耗品部を含んでもよい。前記金属部材(図面中のMetal)のエッチングを制御するために、前記装置にさらに消耗品部接続電源(Power M)を含んでもよく、前記消耗品部接続電源は、金属部材(図面中のMetal)に接続され、金属部材(図面中のMetal)に設けられた消耗品部に電力を印加してもよい。前記リモートプラズマ装置は、外部プラズマソース供給源によってプラズマソースを供給されるため、前記装置内の消耗品部接続電源を除いたさらなる電源(ソース電源、バイアース電源及び追加電源)を含んでいない。また、前記装置の注入路のグリッドを覆う形態で又は前記静電チャック(ESC)の下部に誘電体を含んでもよい。
【0039】
図9は、自己DCバイアス(self DC bias)を用いる本発明の一実施例の構造図であり、図10は、自己DCバイアス(self DC bias)を用いる本発明の他の実施例の構造図である。
【0040】
図9を参照すると、前記装置は、上部にガス供給装置及び下部にガス排気装置を含んでおり、他の実施例の装置と同様に、基板支持部材、好ましくは、静電チャック(ESC)上でウェハのプラズマエッチング工程が行われてもよい。前記装置は、自己DCバイアスの使用によってプラズマエッチング工程が行われ、他の実施例の装置と同様に、前記装置のチャンバ内のプラズマに露出する消耗品部に電力を印加することによって、前記消耗品部のエッチング量及び副産物の発生量を制御することができる。図9において、前記消耗品部は、真空シールOリング(O-ring)により分離された側壁の上部及び下部を連結する金属(Metal 1及びMetal 1’)の形態で存在してもよく、また上部ガス供給装置に取り付けられたシャワーヘッドの形態で存在してもよい。前記側壁及びシャワーヘッドの消耗品部のエッチングを制御するために、前記装置にさらに消耗品部接続電源(Power M)を含んでもよく、前記消耗品部接続電源は、側壁の消耗品部及びシャワーヘッドに接続されて消耗品部に電力を印加してもよい。前記消耗品部接続電源の他にも、前記装置の上部誘電体プレートにソース電源が、前記装置の下部、好ましくは静電チャック(ESC)にバイアス及び追加電源が接続される。また、前記装置の上部ガス供給装置は、全体が誘電体プレート(ICP Window)の形態であってもよい。
図10は、図9とほぼ同じ構造でなっているが、誘電体がプレートの形態で上部に存在しない代わりに、側壁に位置する点で異なる。
【0041】
図10を参照すると、前記装置は、上部にガス供給装置及び下部にガス排気装置を含んでおり、他の実施例の装置と同様に、基板支持部材、好ましくは、静電チャック(ESC)上でウェハのプラズマエッチング工程が行われてもよい。前記装置は、自己DCバイアスの使用によってプラズマエッチング工程が行われ、他の実施例の装置と同様に、前記装置のチャンバ内のプラズマに露出する消耗品部に電力を印加することによって、前記消耗品部のエッチング量及び副産物の発生量を制御することができる。図10において、前記消耗品部は、真空シールOリング(O-ring)により分離された側壁の上部及び下部を連結する金属(Metal 1及びMetal 1’)の形態で存在してもよく、また上部ガス供給装置に取り付けられたシャワーヘッドの形態で存在してもよい。前記側壁及びシャワーヘッドの消耗品部のエッチングを制御するために、前記装置にさらに消耗品部接続電源(Power M)を含んでもよく、前記消耗品部接続電源は、側壁の消耗品部及びシャワーヘッドに接続されて消耗品部に電力を印加してもよい。前記消耗品部接続電源の他にも、前記装置の上部にソース電源が、前記装置の下部、好ましくは静電チャック(ESC)にバイアス及び追加電源が接続される。また、前記装置の上端側壁に誘電体を含んでもよい。
【0042】
上記で本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当の技術分野の熟練した当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能であることを理解することができるであろう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】