(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】担体の直接ボンディング及び剥離
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240328BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H01L21/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560699
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 US2022022673
(87)【国際公開番号】W WO2022212594
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518065991
【氏名又は名称】アデイア セミコンダクター ボンディング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ギリアン
(72)【発明者】
【氏名】ファウンテン ガイウス ギルマン ジュニア
(57)【要約】
半導体素子を加工する方法を開示する。本方法は、第1の非導電材料を有する半導体素子を与える段階を含むことができる。第1の非導電材料は、半導体素子のデバイス部分上に配置される。本方法は、透明担体を与える段階を含むことができる。本方法は、第2の非導電材料、光分解層、及び不透明層を互いに積み重ねた介在構造を与える段階を含むことができる。本方法は、第2の非導電材料が第1の非導電材料に又は透明担体に直接結合されるような結合構造を形成する段階を含むことができる。介在構造は、半導体素子と透明担体の間に配置される。本方法は、光が光分解層を分解するように透明担体を通して光分解層を光に露出することにより、透明担体を半導体素子から分離する段階を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子を加工する方法であって、
前記半導体素子のデバイス部分上に配置された第1の非導電材料を有する該半導体素子を与える段階と、
透明担体を与える段階と、
第2の非導電材料、光分解層、及び不透明層を互いに積み重ねた介在構造を与える段階と、
前記第2の非導電材料が前記第1の非導電材料に又は前記透明担体に直接結合されるような結合構造を形成する段階であって、前記介在構造が前記半導体素子と該透明担体の間に配置される前記形成する段階と、
光が前記光分解層を分解するように前記透明担体を通して該光分解層を該光に露出することにより、該透明担体を前記半導体素子から分離する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記結合構造を形成した後にかつ前記透明担体を前記半導体素子から分離する前に該半導体素子を加工する段階を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加工する段階は、化学機械研磨によって前記半導体素子の一部分を研磨する段階を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記加工する段階は、非導電層を前記半導体素子の前記デバイス部分が前記第1の非導電材料と該非導電層の間に配置されるように形成する段階と、該非導電層に又はそれと共に導電性特徴部を形成する段階とを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記不透明層は、前記第2の非導電材料と前記光分解層の間に配置され、
方法が、
前記第2の非導電材料を前記第1の非導電材料に直接結合する段階、
を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記介在構造は、前記結合する段階の前に前記透明担体上に配置されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記光分解層は、前記第2の非導電材料と前記不透明層の間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記不透明層は、前記結合する段階の前に前記半導体素子の前記第1の非導電材料上に配置されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記介在構造は、前記第2の非導電材料と前記光分解層の間に接着層を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記光は、UV光を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記UV光は、UVレーザを備えることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光分解層は、光分解ポリマー層を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記不透明層は、金属層を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記透明層に面する前記金属層の面が、反射面を備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属層は、チタンを備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記金属層は、20nmから100nmの範囲の厚みを有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記透明層から離れるように向く前記半導体素子の側から該半導体素子の一部分を除去する段階を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記除去する段階は、研削、湿式化学エッチング、乾式エッチング、プラズマエッチング、又は研磨を備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記除去する段階は、前記半導体素子を100μm未満の厚みに薄くする段階を備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記除去する段階は、前記半導体素子を50μm未満の厚みに薄くする段階を備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記除去する段階は、前記半導体素子を10μm未満の厚みに薄くする段階を備えることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記除去する段階は、前記半導体素子を5μm又はそれ未満の全厚変動を有するように薄くする段階を備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記除去する段階は、前記半導体素子を2μm又はそれ未満の全厚変動を有するように薄くする段階を備えることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第2の半導体素子を前記半導体素子に該半導体素子が前記介在層と該第2の半導体素子の間に配置されるように直接結合する段階を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記直接結合する段階は、前記第1の非導電材料を前記第2の半導体素子の第3の非導電材料に直接結合する段階と、前記半導体素子の第1の導電性特徴部を該第2の半導体素子の第2の導電性特徴部に直接結合する段階とを備えることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第2の介在層を前記第2の半導体素子に直接結合する段階と、第2の透明層を前記介在層に該介在層が該第2の半導体素子と該第2の透明層の間に配置されるように結合する段階とを更に備えることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記分離する段階は、前記第2の半導体素子を前記半導体素子に前記直接結合する段階の後に実行されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記半導体素子をダイスカットフレームに該半導体素子が前記透明担体と該ダイスカットフレームの間に配置されるように結合する段階を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記半導体素子を複数の単体化集積デバイスダイに単体化する段階を更に備えることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記半導体素子は、半導体ウェーハを備えることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の非導電材料は、誘電体層を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の非導電材料は、酸化珪素層を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記透明層は、ガラス担体ウェーハを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記不透明層を除去する段階を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記光分解層は、100nmから1μmの範囲の厚みを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記光分解層は、100nmから500nmの範囲の前記厚みを有することを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記半導体素子をアダプタプレートに連結する段階と前記第2の非導電材料を除去する段階とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記半導体素子と前記アダプタプレートは、前記結合構造を形成した後に連結され、前記第2の非導電材料は、前記透明担体を該半導体素子から分離した後に除去されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第2の非導電材料を除去した後に、化学機械研磨を用いて直接ボンディングのための前記半導体素子を研磨する段階を更に備えることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
一時的ボンディングのための担体構造であって、
透明担体と、
前記透明担体にわたる光分解層と、
前記光分解層にわたる不透明層と、
前記不透明層上に配置された第1の側と半導体素子への直接ボンディングに対して調製された第2の側とを有する非導電層と、
を備えることを特徴とする担体構造。
【請求項41】
前記透明担体は、ガラス担体を備えることを特徴とする請求項40に記載の担体構造。
【請求項42】
前記光分解層は、紫外線(UV)光分解ポリマー層を備えることを特徴とする請求項40に記載の担体構造。
【請求項43】
前記光分解層は、堆積層であることを特徴とする請求項40に記載の担体構造。
【請求項44】
前記光分解層は、100nmから1μmの範囲の厚みを有することを特徴とする請求項40に記載の担体構造。
【請求項45】
前記光分解層は、100nmから500nmの範囲の前記厚みを有することを特徴とする請求項44に記載の担体構造。
【請求項46】
前記不透明層は、金属層を備えることを特徴とする請求項40に記載の担体構造。
【請求項47】
前記透明層に面する前記金属層の面が、反射面を備えることを特徴とする請求項46に記載の担体構造。
【請求項48】
前記金属層は、チタンを備えることを特徴とする請求項46に記載の担体構造。
【請求項49】
前記金属層は、20nmから100nmの範囲の厚みを有することを特徴とする請求項46に記載の担体構造。
【請求項50】
前記不透明層は、堆積層であることを特徴とする請求項40に記載の担体構造。
【請求項51】
前記非導電層は、酸化珪素層を備えることを特徴とする請求項40に記載の担体構造。
【請求項52】
前記非導電層は、堆積層であることを特徴とする請求項40に記載の担体構造。
【請求項53】
電子構成要素を製造する方法であって、
デバイス部分を有する半導体素子と、該半導体素子に連結された透明担体と、該半導体素子と該透明担体の間の中間構造とを含む結合構造をダイスカットテープ上に与える段階であって、該中間構造が、光分解層を含み、該半導体素子が、該ダイスカットテープに面する第1の側と該透明担体に面する第2の側とを有する前記与える段階と、
前記透明担体を通して光を前記光分解層に該光が該光分解層を分解するように当てることにより、前記半導体素子から該透明担体を分離する段階と、
前記分離する段階の後に前記半導体素子を前記第2の側から研磨する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項54】
前記半導体素子は、該半導体素子が前記ダイスカットテープに結合されている間に前記第2の側から研磨されることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記半導体素子を研磨する段階は、接着残留物を除去する段階を含むことを特徴とする請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記ダイスカットテープ上に前記結合構造を与える段階の前に前記半導体素子を加工する段階を更に備え、
前記半導体素子を加工する段階は、
前記半導体素子と前記透明担体とを連結する段階と、
前記半導体素子を加工して該半導体素子の前記第1の側を定める段階と、
を備える、
ことを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記半導体素子を加工する段階は、該半導体素子と前記透明担体とが連結されている間に該半導体素子を薄くする段階と該半導体素子の前記第1の側で又はその近くで導電性構造を組み上げる段階とを備えることを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記半導体素子からダイを単体化する段階を更に備えることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記単体化する段階は、鋸引き、ステルスダイスカット、又はプラズマダイスカットを備えることを特徴とする請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記透明担体が除去された後にプラズマ灰化を用いて前記光分解層の残留物を除去する段階を更に備えることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項61】
前記中間構造は、前記半導体素子と前記光分解層の間に配置された不透明層を更に備え、
方法が、
前記透明担体が除去された後に選択的エッチングを用いて前記不透明層を除去する段階、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項62】
半導体素子のデバイス部分上に配置された第1の非導電材料を有する該半導体素子と、
前記第1の非導電材料にわたる不透明層と、
前記不透明層にわたる光分解層と、
前記光分解層にわたる第2の非導電層であって、該第2の非導電層が、該光分解層上に配置された第1の側と該第1の側に対向する第2の側とを有し、該第2の側が、別の素子への直接ボンディングに対して調製される前記第2の非導電層と、
を備えることを特徴とする結合構造。
【請求項63】
前記半導体素子は、シリコンデバイスウェーハを備えることを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項64】
前記半導体素子は、100μm未満、50μm未満、又は10μm未満の厚みを有することを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項65】
前記第2の非導電層の前記第2の側に結合されてガラス担体を備える透明担体を更に備えることを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項66】
前記光分解層は、紫外線(UV)光分解ポリマー層を備えることを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項67】
前記光分解層は、堆積層であることを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項68】
前記光分解層は、100nmから1μmの範囲の厚みを有することを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項69】
前記不透明層は、金属層を備えることを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項70】
前記透明層に面する前記金属層の面が、反射面を備えることを特徴とする請求項69に記載の結合構造。
【請求項71】
前記金属層は、チタンを備えることを特徴とする請求項69に記載の結合構造。
【請求項72】
前記金属層は、20nmから100nmの範囲の厚みを有することを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項73】
前記不透明層は、堆積層であることを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項74】
前記第2の非導電層は、酸化珪素層を備えることを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項75】
前記第2の非導電層は、堆積層であることを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項76】
前記光分解層と前記第2の非導電層の間の接着層を更に備えることを特徴とする請求項62に記載の結合構造。
【請求項77】
半導体素子と、透明担体と、該半導体素子と該透明担体の間の介在構造とを有し、該半導体素子が、該半導体素子のデバイス部分上に配置された第1の非導電材料を有し、該介在構造が、第2の非導電材料と、光分解層と、不透明層とを含む剥離可能構造を形成する方法であって、
前記第2の非導電材料が前記第1の非導電材料に又は前記透明担体に直接に結合され、前記介在構造が前記半導体素子と該透明担体の間に配置されるような結合構造を形成する段階、
を備え、
前記光分解層は、光への露出に応答して分解するように構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項78】
半導体素子を加工する方法であって、
第1の側と該第1の側に対向する第2の側とを有する担体構造を与える段階であって、該担体構造が、該第2の側よりも該第1の側の近くに位置決めされた透明担体と該透明担体と該第2の側の間に位置決めされた光分解層とを含む前記与える段階と、
前記担体構造の前記第2の側にデバイスダイを結合する段階と、
少なくとも部分的に前記デバイスダイにわたって成形材料を与える段階と、
前記透明担体を通して光を前記光分解層に該光が該光分解層を分解するように露出することによって該透明担体を除去する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項79】
前記担体構造は、前記第2の側を少なくとも部分的に定める非導電層を更に含み、
前記デバイスダイは、介在する接着剤なしに前記非導電層に直接に結合され、前記透明担体は、前記担体構造の前記第1の側を少なくとも部分的に定める、
ことを特徴とする請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記担体構造は、前記光分解層と前記非導電層の間の不透明層を更に含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記透明担体を除去する段階の後に、前記不透明層と前記非導電層とを除去し、それによって再構成ウェーハを形成する段階を更に備えることを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記再構成ウェーハ上に再配線層を形成する段階を更に備えることを特徴とする請求項81に記載の方法。
【請求項83】
半導体素子を加工する方法であって、
第1の担体構造上に第1の半導体素子を有する第1の結合構造を与える段階であって、該第1の半導体素子が、該第1の担体構造上の第1の側と該第1の側に対向する第2の側とを有する前記与える段階と、
前記第1の半導体素子が前記第1の担体構造上にある間に該第1の半導体素子の前記第2の側から該第1の半導体素子を薄くする段階と、
第2の担体構造上に第2の半導体素子を有する第2の結合構造を与える段階であって、該第2の半導体素子が、該第2の担体構造上の第1の側と該第1の側に対向する第2の側とを有する前記与える段階と、
前記第1の半導体素子が前記第1の担体構造上にあり、かつ前記第2の半導体素子が前記第2の担体構造上にある間に該第1の半導体素子の前記第2の側を該第2の半導体素子の前記第2の側に直接に結合して結合半導体構造を形成する段階と、
前記直接に結合する段階の後に、前記第1及び第2の担体構造のうちの少なくとも一方を前記結合構造から除去する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項84】
前記第2の半導体素子が前記第2の担体構造上にある間に前記半導体素子の前記第2の側から該第2の半導体素子を薄くする段階を更に備えることを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記第1及び第2の担体構造のうちの少なくとも一方を除去する段階は、光分解層を光に露出する段階を備えることを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記第1の半導体素子が前記第1の担体構造上にある間に該第1の半導体素子の前記第2の側を加工する段階を更に備えることを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項87】
前記第1の半導体素子の前記第2の側を加工する段階は、該第1の半導体素子を薄くする段階の後に該第1の半導体素子の該第2の側にボンディング層を形成する段階を備えることを特徴とする請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記ボンディング層を形成する段階は、非導電性ボンディング領域と該非導電性ボンディング領域に少なくとも部分的に埋め込まれた複数の接触パッドとを形成する段階を備えることを特徴とする請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記第1の担体構造は、透明担体と該透明担体にわたる中間構造とを備え、該中間構造は、非導電層と、光分解層と、不透明層とを備えることを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項90】
電子構成要素を製造する方法であって、
ダイスカットテープ上に半導体素子を与える段階であって、該半導体素子が、デバイス部分と該半導体素子から担体構造を分離する段階からの接着残留物とを有し、該半導体素子が、該ダイスカットテープに面する第1の側と該残留物を有する第2の側とを有する前記与える段階と、
前記半導体素子が前記ダイスカットテープ上に配置されている間に前記残留物を除去するために前記第2の側から該半導体素子を研磨する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項91】
前記半導体素子を前記担体構造に結合する段階を更に備え、
前記担体構造は、透明担体と、前記半導体素子と該透明担体の間の中間構造とを含み、該中間構造は、光分解層を含む、
ことを特徴とする請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記中間構造は、不透明層と誘電体層とを更に含むことを特徴とする請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記接着残留物は、前記担体構造の光分解層の残留物を備えることを特徴とする請求項90に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、これにより本明細書に引用によってその各々の内容全体が組み込まれる2021年3月31日出願の「担体の直接ボンディング及び剥離」という名称の米国仮特許出願第63/169、029号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の分野は、担体への半導体素子の直接ボンディング及び直接ボンディング後の担体の除去に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウェーハのような半導体素子は、積み重ねて接着剤なしで互いに直接に結合することができる。例えば、一部の直接結合構造では、素子の非導電性フィールド領域を互いに直接結合することができる。一部の構造では、対応する導電性接触構造も互いに直接結合することができる。一部の用途では、薄くしたダイ及びウェーハを形成すること及び/又は裏面加工を行うことが困難である可能性がある。従って、直接ボンディングのための改善された方法及び構造に対する必要性が依然として残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9、564、414号明細書
【特許文献2】米国特許第9、391、143号明細書
【特許文献3】米国特許第10、434、749号明細書
【特許文献4】米国特許第11、056、390号明細書
【特許文献5】米国特許第9、716、033号明細書
【特許文献6】米国特許第9、852、988号明細書
【特許文献7】米国特許第11、195、748号明細書
【特許文献8】米国特許出願第17/206、725号明細書
【0005】
ここで、具体的な実施を限定ではなく一例として与える以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】ボンディング前の2つの素子の概略断面側面図である。
【
図1B】ボンディング後の
図1Aに示す2つの素子の概略断面側面図である。
【
図2】実施形態による担体構造に結合された半導体素子の概略断面図である。
【
図3A】実施形態による結合構造を製造する製造工程の様々な段階を示す図である。
【
図3B】実施形態による結合構造を製造する製造工程の様々な段階を示す図である。
【
図3C】実施形態による結合構造を製造する製造工程の様々な段階を示す図である。
【
図3D】実施形態による結合構造を製造する製造工程の様々な段階を示す図である。
【
図3E】実施形態による結合構造を製造する製造工程の様々な段階を示す図である。
【
図3F】実施形態による結合構造を製造する製造工程の様々な段階を示す図である。
【
図3G】実施形態による結合構造を製造する製造工程の様々な段階を示す図である。
【
図3H】実施形態による結合構造を製造する製造工程の様々な段階を示す図である。
【
図4A】実施形態による複数のデバイスを結合する一般的工程を示す図である。
【
図4B】実施形態による複数のデバイスを結合する一般的工程を示す図である。
【
図4C】実施形態による複数のデバイスを結合する一般的工程を示す図である。
【
図4D】実施形態による複数のデバイスを結合する一般的工程を示す図である。
【
図4E】実施形態による複数のデバイスを結合する一般的工程を示す図である。
【
図4F】実施形態による複数のデバイスを結合する一般的工程を示す図である。
【
図5A】実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図5B】実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図5C】実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図5D】実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図6A】実施形態による再構成ウェーハを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図6B】実施形態による再構成ウェーハを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図6C】実施形態による再構成ウェーハを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図6D】実施形態による再構成ウェーハを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図7A】別の実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図7B】別の実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図7C】別の実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図7D】別の実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図7E】別の実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図7F】別の実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図7G】別の実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【
図7H】別の実施形態による単体化ダイを製造する製造工程での様々な段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
様々なマイクロ電子デバイスでは、2又は3以上の素子2、3を接着剤なしで互いに直接結合して結合構造を形成することができる。
図1A及び
図1Bの素子2、3は、一部の実施形態では半導体素子を備えることができる。例えば、様々な実施形態では、第1及び第2の素子2、3は、半導体ウェーハを備えることができる。一部の実施形態では、第1及び第2の素子2、3は、半導体デバイスダイを備えることができる。一部の実施形態では、第1及び第2の素子の一方は、半導体ウェーハを備えることができ、第1及び第2の素子の他方は、半導体デバイスダイを備えることができる。本明細書に開示する様々な実施形態では、第2の素子3は、第1の素子2に一時的に直接結合されてその後に(例えば、薄化及び/又は他の処理の後で)除去することができる担体を備えることができる。例えば、一部の実施形態では、第1の素子2は、デバイス部分5とデバイス部分5上の第1の非導電性ボンディング材料4aとを有する半導体素子(例えば、単体化集積デバイスダイ又は非単体化ウェーハ)を備えることができる。デバイス部分5は、能動回路がそこに形成された半導体材料を備えることができる。第2の素子3は、基板6と基板6上の第2の非導電性ボンディング材料4bとを備えることができる。一部の実施形態では、基板6は、ガラス又は半導体(シリコンなど)を備えることができる。
【0008】
様々な実施形態では、
図1Aから1Bに示すように、第1の素子2の非導電性(例えば、半導体又は無機誘電体)ボンディング材料4aは、接着剤なしで第2の素子3の対応する非導電性(例えば、半導体又は無機誘電体)ボンディング材料4bに直接結合することができる。一部の実施形態では(図示せず)、第1の素子2の導電性領域(例えば、金属パッド又は接触構造)は、接着剤なしで第2の素子3の対応する導電性領域(例えば、金属パッド又は接触構造)に直接結合することができる。一部の実施形態では、第1の素子2の非導電材料4aは、少なくとも米国特許第9、564、414号明細書、第9、391、143号明細書、及び第10、434、749号明細書に開示されている直接ボンディング技術を使用する接着剤なしのボンディング技術を用いて第2の素子3の対応する非導電材料4bに直接結合することができ、これら特許の各々の内容は、その全体があらゆる目的で引用によって本明細書に組み込まれている。ハイブリッドボンディングの追加の例は、米国特許第11、056、390号明細書の全体を通して見出すことができ、その内容は、その全体があらゆる目的で引用によって本明細書に組み込まれている。他の用途において、結合構造1では、第1の素子2の非導電材料は、第2の素子3の導電材料に直接結合することができるので、第1の素子2の導電材料は、第2の素子3の非導電材料と密接に嵌合している。直接ボンディングに適する誘電体ボンディング面又は材料は、酸化珪素、窒化珪素、又は酸窒化珪素のような無機誘電体を非限定的に含み、又は炭化珪素、酸炭窒化珪素、低K誘電体、SICOH、炭窒化珪素又はダイヤモンド状炭素、又はダイヤモンド面を備える材料を含むことができる。そのような炭素含有セラミック材料は、炭素が含まれているにも関わらず、無機であると見なすことができる。
【0009】
様々な実施形態では、接着剤を介在させずに直接ボンディングを形成することができる。例えば、半導体又は誘電体ボンディング面は、高い平滑度で研磨することができる。ボンディング面を洗浄し、プラズマ及び/又はエッチャントに露出してボンディング面を活性化することができる。一部の実施形態では、活性化後又は活性化中に(例えば、プラズマ及び/又はエッチング工程中に)、ボンディング面を化学種で終端させることができる。理論に限定されることなく、一部の実施形態では、活性化工程を実行してボンディング面の化学結合を切断することができ、終端工程は、直接ボンディング中の結合エネルギを改善する追加の化学種をボンディング面に提供することができる。一部の実施形態では、活性化と終端処理は、例えば、ボンディング面を活性化して終端させるプラズマ又は湿式エッチャントなどの同じ段階で与えられる。他の実施形態では、ボンディング面を別々の処理で終端させて直接ボンディングのために追加の化学種を与えることができる。様々な実施形態では、終端化学種は、窒素を備えることができる。例えば、一部の実施形態では、ボンディング面を窒素含有プラズマに露出することができる。更に、一部の実施形態では、ボンディング面をフッ素に露出することができる。例えば、層及び/又はボンド界面、特に誘電体ボンド界面の近くに1又は複数のフッ素ピークが存在する場合がある。従って、直接結合構造では、2つの非導電材料間のボンド界面は、より高い窒素含有量及び/又はフッ素ピークをボンド界面に有する非常に平滑な界面を備えることができる。活性化及び/又は終端処理の追加の例は、米国特許第9、564、414号明細書、第9、391、143号明細書、及び第10、434、749号明細書の全体を通して見出すことができ、これらの各々の内容は、その全体があらゆる目的で引用によって本明細書に組み込まれている。
【0010】
様々な実施形態では、第1の素子の導電性接触パッドは、第2の素子の対応する導電性接触パッドに直接結合することができる(例えば、両方の素子が接触パッドを有する構成で)。例えば、上述のように調製された共有結合的に直接結合された誘電体-誘電体間面を備えるボンド界面に沿って導体-導体間直接ボンディングを与えるために、直接ハイブリッドボンディング技術を使用することができる。様々な実施形態では、導体-導体間(例えば、接触パッド-接触パッド間)の直接ボンディング及び誘電体-誘電体間のハイブリッドボンディングは、少なくとも米国特許第9、716、033号及び第9、852、988号明細書に開示されている直接ボンディング技術を使用して形成することができ、これらの各々の内容は、その全体があらゆる目的で引用によって本明細書に組み込まれている。本明細書に説明する結合構造は、非導電性領域のボンディングを伴わない直接金属ボンディング又は他のボンディング技術にも役立つ可能性がある。
【0011】
一部の実施形態では、無機誘電体ボンディング面を調製し、上述のように接着剤を介在させずに互いに直接結合することができる。接触パッドを有する直接結合構造では、導電性接触パッド(非導電性誘電体フィールド領域に囲まれる場合がある)も接着剤を介在させずに互いに直接結合することができる。一部の実施形態では、それぞれの接触パッドは、誘電体フィールド領域又は非導電性ボンディング領域の外面(例えば、上面)の下方に例えば30nm未満、20nm未満、15nm未満、又は10nm未満だけ凹ませることができ、例えば、2nmから20nmの範囲又は4nmから10nmの範囲で凹ませることができる。誘電体の熱膨張係数(CTE)は、例えば、0.1ppm/℃から5ppm/℃の範囲にあるとすることができ、導電材料のCTEは、6ppm/℃から40ppm/℃又は8ppm/℃から30ppm/℃の範囲にあるとすることができる。誘電体のCTEと導電材料のCTEとの違いにより、その後の熱処理作動時に導電材料の横方向膨張が抑制される。非導電性ボンディング領域は、一部の実施形態では、室温で接着剤なしで互いに直接結合することができ、その後に、結合された構造をアニールすることができる。アニールした状態で、接触パッドが非導電性ボンディング領域に対して膨張し、互いに接触して金属-金属間の直接ボンディングを形成することができる。有利なことに、カリフォルニア州サンノゼのXperi社から市販されているDirect Bond Interconnect、すなわち、DBI(登録商標)のようなハイブリッドボンディング技術を使用すると、直接ボンド界面にわたって接続した高密度のパッド(例えば、規則的な配列に関する小ピッチ又は微細ピッチ)が可能である。様々な実施形態では、接触パッドは、銅を備えることができるが、他の金属も適する可能性がある。第1及び第2の素子2、3がボンディング面に接触パッドを持たない配置では、非導電材料を室温で直接結合し、その後のアニールなしで金属接点を達成することができる。
【0012】
従って、直接ボンディング工程では、接着剤を介在させることなく第1の素子を第2の素子に直接結合することができる。一部の配置では、第1の素子は、単体化された集積デバイスダイのような単体化素子を備えることができる。他の配置では、第1の素子は、単体化された場合に複数の集積デバイスダイを形成する複数の(例えば、数十の数百の又はそれを超える)デバイス領域を備える担体又は基板(例えば、ウェーハ)を備えることができる。同様に、第2の素子も、単体化された集積デバイスダイのような単体化素子を備えることができる。他の配置では、第2の素子は、担体又は基板(例えば、ウェーハ)を備えることができる。一部の実施形態では、異なるCTEを有する複数のダイを同じ担体上に結合することができる。一部の実施形態では、結合されるダイの基板のCTEは、担体の基板のCTEと類似する場合がある。他の実施形態では、結合されるダイの基板のCTEは、担体の基板のCTEとは異なっている場合がある。結合されるダイの間又は結合されるダイと担体の間でのCTEの差は、1ppm/℃から70ppm/℃の範囲にあり、30ppm/℃よりも低い、例えば、12ppm/℃よりも低い場合がある。
【0013】
本明細書に説明するように、第1の素子と第2の素子は、接着剤なしで互いに直接結合することができ、これは、堆積工程とは異なる。従って、第1及び第2の素子は、非堆積型素子を備えることができる。更に、直接結合構造は、堆積した層とは異なり、ボンド界面に沿ってナノ空隙が存在する欠陥領域を備える可能性がある。ナノ空隙は、ボンディング面の活性化(例えば、プラズマへの露出)が原因で形成される場合がある。上述のように、ボンド界面は、活性化及び/又は最終化学処理工程に由来する物質の集中を含む可能性がある。例えば、活性化のために窒素プラズマを利用する実施形態では、ボンド界面に窒素ピークが形成される可能性がある。活性化に酸素プラズマを利用する実施形態では、ボンド界面に酸素ピーク又は酸素富化層が形成される可能性がある。一部の実施形態では、ボンド界面は、窒素終端珪素、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、炭化珪素、酸炭化珪素、酸炭窒化珪素、又は炭窒化珪素のような無機非導電材料を備えることができ、ボンド界面に存在する窒素のレベルは、直接ボンディング前の素子の少なくとも一方に関する窒素終端を表す。窒素含有誘電体を除いて、非導電材料の窒素含有量は、通常、面又は面の近くでピークに達する勾配を有する。一部の実施形態では、窒素及び窒素関連部分は、ボンド界面に存在しない場合がある。本明細書に説明するように、直接ボンディングは、ファンデルワールス結合よりも強い共有結合を備えることができる。ボンディング層はまた、高い平滑度に平坦化された研磨面を備えることができる。
【0014】
素子2、3が直接結合された金属製接触パッドを有する様々な実施形態では、接触パッド間の金属-金属間ボンドは、金属粒子(例えば、銅粒子)がボンド界面にわたって互いの中に成長するように結合することができる。一部の実施形態では、銅は、ボンド界面にわたる銅の拡散を改善するために(111)結晶面に沿って垂直に向けられた粒子を有することができる。しかし、一部の実施形態では、銅の他の結晶面を接触パッド面に対して垂直に向けることができる。非導電性ボンド界面は、結合された接触パッドの少なくとも一部分まで実質的に完全に延びることができるので、結合された接触パッド又はその近くにある非導電性ボンディング領域間には実質的に間隙が存在しない。一部の実施形態では、接触パッド(例えば、銅を備えることができる)の下に障壁層を与えることができる。しかし、他の実施形態では、例えば、引用によってその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれている米国特許第11、195、748号明細書に説明されているように、接触パッドの下に障壁層がない場合がある。
【0015】
一部の用途では、例えば、メモリデバイスのような多素子デバイススタックでは、薄くした半導体素子を利用することが望ましい場合がある。例えば、熱硬化性又はUV硬化性接着剤(例えば、有機接着剤)のような接着剤を通して半導体素子(半導体素子ウェーハなど)を担体(例えば、ガラス又はシリコン担体ウェーハ)に一時的に結合することができる。半導体素子の裏側は、例えば、研削及び/又は化学機械研磨(CMP)により、薄くすることができる。更に、半導体素子を担体に接着させた状態で、半導体素子の裏面に追加の裏面加工を行うことができる。例えば、薄くした半導体素子にわたって金属化又は配線工程(BEOL)層又は薄膜を堆積させるか又は別の方法で与えることができる。
【0016】
しかし、一時的なボンディングに接着剤を使用することは、多くの点で困難を伴う可能性がある。例えば、デバイスウェーハが薄くなる時に、BEOL薄膜からの残留応力によってダイサイズが横方向に増大する場合があり、その理由は、有機接着剤がデバイスウェーハの横方向の増大を抑制するのに十分なボンディング強度を提供することができない可能性があるからである。更に、薄化工程(例えば、研削工程)中でのデバイスウェーハと担体ウェーハとの接着剤ボンディングの機械的安定性は、薄化中に加わる力のために低下する又は信頼することができなくなる可能性がある。一部の事例では、薄化工程によってデバイスウェーハの厚みが大幅に変動し、望ましい全厚変動(TTV)を超える場合もある。例えば、デバイスウェーハと担体ウェーハの間に介在する一時的な接着剤には不均一性があり、その結果、薄化の時に過度の厚み変動をもたらす可能性がある。更に、一時的な接着剤ボンディングは、異なる工程に露出される場合に、十分な熱的及び/又は化学的な安定性を持たない可能性がある。例えば、一時的な接着剤は、ウェーハ洗浄、電気化学的堆積(ECD)、及び/又はCMPに使用される化学物質に露出されると劣化する可能性がある。これに代えて又はこれに加えて、接着剤は、堆積及び/又はエッチング工程(化学気相蒸着(CVD)、プラズマ強化CVD、物理蒸着など)中に分解する可能性がある。これに加えて、担体及び接着剤をデバイスウェーハから除去した場合に、デバイスウェーハは、接着剤からの残留物を含む場合があり、このために追加の洗浄段階が必要になる可能性がある。従って、半導体素子を薄くするための改善された方法及び構造に対する必要性が依然として残っている。
【0017】
図2は、実施形態による担体構造12に結合された半導体素子10の概略断面図である。担体構造12は、薄化、裏面金属化、及び/又は他の加工のような異なる加工段階中に半導体素子10の一時的な支持体として機能することができる。担体構造12は、透明な担体14(例えば、ガラス)、非導電層16、光分解層18、及び不透明な遮断層20(例えば、一部の実施形態では、金属)を備えることができる。非導電層16、光分解層18、及び不透明層20は、一緒になって介在構造又は中間構造21を定めることができる。透明担体14と非導電層16は、ボンディング界面22に沿って結合することができる。不透明層20は、例えば、チタン及び/又はタングステンを備えることができる。一部の実施形態では、担体構造12の非導電層16と光分解層18の間に接着層(
図7Aを参照)を与えることができる。例えば、窒化物接着層を非導電層16と光分解層18の間に配置することができる。図示の実施形態では、半導体素子10は、シリコンデバイスウェーハ24を備える。しかし、半導体素子10は、ウェーハ形態の又は単体化された集積デバイスダイとしての半導体デバイス素子を備えることができる。半導体素子10は、非導電性フィールド領域26と導電性特徴部28とを備えることができる。
【0018】
図示の実施形態では、透明担体14は、ガラス担体を備える。透明担体14は、透明担体14に入射する光の波長範囲に対して透明ないずれかの適切な材料を備えることができる。例えば、透明担体14は、紫外線(UV)透明担体を備えることができる。一部の実施形態では、透明担体14を非導電層16に直接結合することができる。透明担体14と非導電層16を結合するために直接ボンディング技術を使用すると、全厚変動(TTV)を最小にしながら信頼性の高いボンディングが可能になる。図示の実施形態では、非導電層16は、酸化珪素のような無機誘電体層、例えば、低温酸化物(LTO)層を備える。一部の実施形態では、担体構造14の非導電層16は、酸化珪素、酸窒化珪素、窒化珪素、酸炭窒化珪素のような誘電体ボンディング層を備えることができる。非導電層16は、例えば、300nm未満のように比較的薄くすることができる。
【0019】
図示の実施形態では、光分解層18は、光分解ポリマー層を備え、不透明層は、金属層を備える。光分解層18は、100nmから1μmの範囲、又は100nmから500nmの範囲の厚みを有することができる。金属層は、20nmから100nmの範囲の厚みを有することができる。一部の実施形態では、光分解層18は、いずれかの適切な光分解材料を備えることができる。
図2に示すように、光分解層18は、透明担体14を通してUV光(例えば、UVレーザ)に露出することができる。光分解層18は、UV光と反応して担体構造12の非導電層16を不透明層20から分離することができる。光分解材料は、光子によって壊れるか又は分解することができる化合物を含む材料である。十分な光子エネルギを供給して光分解材料を分解することができる。可視光のエネルギよりも高いエネルギを有する光は、可視光以下の波長を有する光よりも十分な光子エネルギを供給するのに適する可能性がある。本明細書に開示する様々な実施形態では、UV光、X線、及びガンマ線を使用して光分解材料を分解することができる。光分解材料を使用する不透明層20からの非導電層の分離は、外部から圧力又は熱を加えることなく行うことができる。
【0020】
半導体素子10を加工した後に透明担体14を除去することにより、半導体素子10は、自由に横方向に延びることができる。非常に微細なボンディングピッチへの適用を伴う比較的大きいダイの場合に、適切な寸法補正を適用して異なる厚みを有する他の半導体素子に半導体素子10を正確に位置合せすることが可能である。例えば、その全体があらゆる目的で引用によって本明細書に組み込まれる2021年3月19日出願の米国特許出願第17/206、725号明細書の全体を通して開示されている寸法補正技術を使用して位置合わせを改善することができる。
【0021】
図3Aから3Hは、実施形態による結合構造を製造する製造工程を示している。特に断りのない限り、
図3Aから3Hの構成要素は、
図2に示すような本明細書に開示する類似の構成要素と同じか又はほぼ同様である場合がある。様々なボンディング段階では、上述の非導電性-非導電性間の直接ボンディング技術を利用することができる。例えば、そのような直接ボンディングは、厚みの変動を最低限に抑制すること、比較的高い結合装置スループットのために室温で自発的に結合すること、機械式研削及びCMPのようなボンディングウェーハの加工に望ましいボンディング強度を達成するために比較的低温でアニールすることを可能にすることができる。結合構造は、比較的高い工程温度(例えば、PECVD酸化物堆積の場合は、350℃)に耐えることができる。室温ボンディングと低温アニールは、例えば、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)のような温度に敏感な構成要素に対して有利である。より高い温度耐性を有する製品の場合に、高い工程温度機能により、裏面組み上げ工程で比較的高品質の誘電体の堆積が可能になる。後述するように、製造工程は、光分解層を使用する剥離を備えることができ、それにより、損傷のリスクを最小にしながら敏感な部分を剥離することが可能になる。
【0022】
図3Aでは、光分解層18(例えば、光分解ポリマー層)、不透明層20(例えば、金属層)、及び非導電層16(例えば、誘電体層)を有する構造を与えることができる。
図3Aの構造を介在構造又は中間構造21’と呼ぶことができる。
図3Aの構造は、
図3Bに示すように、透明担体14(例えば、ガラス担体ウェーハ)上に配置することができる。一部の実施形態では、この構造は、ガラス担体ウェーハ上に形成することができる。一部の実施形態では、この構造を層毎に形成することができる。例えば、光分解層18(例えば、光分解ポリマー層)を透明担体14(例えば、ガラス担体ウェーハ)の面に堆積させることができる。光分解層18を堆積させる前に、透明担体14を例えば化学機械研磨(CMP)によって研磨することができる。光分解層18は、堆積工程後に硬化させることができる。不透明層20(例えば、金属層)は、光分解ポリマー層18にわたって堆積させることができる。非導電層16(例えば、酸化物層)を金属層にわたって堆積させることができる。
【0023】
光分解層18は、光への露出に反応して分解することができるいずれかの適切な分解層を備えることができる。例えば、分解層は、紫外線(UV)光に反応して分解することができる。透明担体14は、分解層を分解することができるある一定の範囲の波長に対して透明なあらゆる透明支持構造を備えることができる。不透明層20は、光の少なくとも一部を遮断することができるいずれかの適切な遮断層を備えることができる。例えば、遮断層は、金属の不透明層を備えることができる。一部の実施形態では、非導電層16は、いずれかの適切な非導電層又はボンディング層を備えることができる。例えば、非導電層16は、酸化珪素のような有機誘電体層、例えば、低温酸化物(LTO)層を備えることができる。
【0024】
図3Bに示すように、
図3Aに示す構造と透明担体14は、一緒になって担体構造12’を定めることができる。非導電層16の面16aは、ボンディングのために調製することができる。例えば、非導電層16の面16aを直接ボンディングのために調製することができる。一部の実施形態では、面16aは、15Å(rms)未満、10Å(rms)未満、又は5Å(rms)未満の面粗度を有することができる。
【0025】
図3Cでは、半導体素子10を調製することができる。半導体素子10は、デバイス部分24と、デバイス部分上に配置された非導電材料26とを備えることができる。半導体素子10はまた、導電性特徴部28を備えることができ、これは、表側24aからデバイス部分24の少なくとも一部を貫通してかつ非導電材料26の少なくとも一部を貫通して延びるシリコン貫通ビア(TSV)32と、非導電材料内の経路指定層34と、非導電材料内のビア36と、非導電材料内の接触パッド38とを備えることができる。TSV32、経路指定層34、ビア36、及び接触パッド38は、互いに電気接続することができる。デバイス部分24の表側24aに対向する裏側24bにわたって追加のTSV(図示せず)が存在することができる。
【0026】
導電性特徴部28は、いずれかの適切な方法によって形成することができる。一部の実施形態では、導電性特徴部28は、複数のダマシン工程によって形成することができる。例えば、経路指定層34は、シングルダマシン工程によって形成することができ、ビア36及び接触パッド38は、デュアルダマシン工程によって形成することができる。導電性特徴部28は、一部の実施形態では、銅を備えることができる。一部の実施形態では、非導電材料26は、標準的な配線工程(BEOL)誘電体を備えることができる。例えば、非導電材料26は、400℃のTEOSのようなテトラエトキシシラン(TEOS)を備えることができる。一部の実施形態では、半導体素子10は、2μmから800μmの範囲の厚みを有することができる。
【0027】
図3Dでは、透明担体14(例えば、ガラス担体ウェーハ)と中間構造(光分解層18(例えば、光分解ポリマー層)、不透明層20(例えば、金属層)、及び非導電層16(例えば、酸化物層))とを備える担体構造12’と、半導体素子10とを互いに結合することができる。一部の実施形態では、中間層の酸化物層と半導体素子10の非導電材料26とを接着剤を介在させずに直接結合することができる。担体構造12’と半導体素子10は、室温で直接結合することができる。結合された担体構造12’と半導体素子10は、例えば、50℃から150℃、100℃から200℃、125℃から200℃、100℃から175℃、又は125℃から175℃の温度のような低温でアニールすることができる。担体構造12’と半導体素子10を互いに結合した後に、シリコンウェーハの少なくとも一部を除去する(例えば、薄くする)ことができる。例えば、シリコンウェーハを研削、CMP、及び/又はプラズマエッチングで薄くしてTSV32を露出させることができる。一部の実施形態では、シリコンウェーハを薄くした後の半導体素子10は、100μm未満、50μm未満、10μm未満、5μm以下、又は2μm以下の厚みを有することができる。一部の実施形態では、シリコンウェーハを薄くして5μm以下の全厚変動(TTV)を有するようにすることができる。一部の実施形態では、シリコンウェーハを薄くして2μm以下の全厚変動変動(TTV)を有するようにすることができる。半導体素子10と非導電層16とのボンディング面は、ボンディング前にサブnmの粗さを有し、ボンディング界面の厚みがゼロに近いので裏面加工時の厚み変動を最小にすることができる。この場合のTTVは、一時的なボンディング工程ではなく、研削工程によって主として影響を受ける。
【0028】
図3Eでは、シリコンウェーハの薄くなった部分(デバイス部分24の裏側24b)にわたって追加の非導電材料(非導電層46)を形成することができる。一部の実施形態では、デバイス部分24の裏側24bは、非導電層46を形成する前に裏面研削、エッチング、及び/又は研磨を行うことができる。電気相互接続構造のような導電性特徴部48を非導電層46内に形成することができる。導電性特徴部48は、経路指定層54、ビア56を備えることができ、接触パッド58は、非導電層46内に形成することができる。導電性特徴部48は、導電性特徴部28と同じか又は類似の方法によって形成することができる。一部の実施形態では、TSV32は、導電性特徴部28、48を結合することができる。
【0029】
図3Fでは、
図3Eに示す半導体素子10及び担体構造12’を備える構造と、半導体素子60及び担体構造62を備える構造とを互いに結合して結合構造を形成している。特に断りのない限り、半導体素子60及び担体構造62の構成要素は、本明細書に開示する類似の構成要素と同じか又はほぼ同様とすることができる。結合された半導体素子10、60は、結合半導体構造を定めることができる。半導体素子60は、表側74a及び裏側74bを有するデバイス部分74と、デバイス部分74の表側74a上の非導電層76と、非導電層76内に形成された導電性特徴部78と、デバイス部分74の裏側74b上の非導電層96と、非導電層96内に形成された導電性特徴部98と、導電性特徴部78、98を電気的に結合することができるTSV82とを含む。導電性特徴部78は、経路指定層84、ビア86、及び接触パッド88を含むことができる。導電性特徴部98は、経路指定層104、ビア106、及び接触パッド108を含むことができる。担体構造62は、透明担体64、非導電層66、光分解層68、及び不透明層70を含むことができる。
【0030】
一部の実施形態では、半導体素子10と半導体素子60は、接着剤を介在させることなく互いに直接結合することができる。例えば、非導電層46と非導電層96の対応する部分とは、接着剤を介在させずに互いに直接結合することができ、接触パッド58は、接着剤を介在させずに対応する接触パッド108に直接結合することができる。
【0031】
光分解層18と同様に、光分解層68は、光への露出に反応して分解することができるいずれかの適切な分解層を備えることができる。例えば、分解層は、紫外線(UV)光に反応して分解することができる。透明担体64は、分解層を分解することができるある一定の範囲の波長に対して透明なあらゆる透明支持構造を備えることができる。不透明層70は、光の少なくとも一部を遮断することができるいずれかの適切な遮断層を備えることができる。
【0032】
図3G及び3Hでは、光分解層を光に露出することにより、ガラス担体ウェーハの1つを除去することができる。例えば、
図3Gに示すように、光分解層68は、透明担体64を通して光(例えば、UV光)に露出することができる。
図3Hに示すように、透明担体64を除去することができる。非導電層66及び不透明層70は、除去することができる。例えば、非導電層66及び不透明層70は、CMPによって除去することができる。一部の実施形態では、半導体素子60の表側60aを直接ボンディングのために調製することができる。例えば、半導体素子60の表側60aは、CMPによって15Å(rms)未満、10Å(rms)未満、又は5Å(rms)未満の面粗度まで研磨することができる。一部の実施形態では、透明担体14を半導体素子10から除去することができる。工程段階3Fから3Hを繰り返すことにより、結合半導体素子10及び60に追加の層を追加することができる。これに加えて、図示しないが、光分解層18を光(例えば、UV光)に露出することにより、担体14を除去することができる。
【0033】
図4Aから4Fは、実施形態による複数のデバイス(例えば、第1のデバイス110と第2のデバイス114)を結合する一般的工程を示している。本明細書に開示する工程の様々な実施形態は、例えば、ウェーハの薄化及び裏面組み上げのような並列加工を可能にすることができる。言い換えれば、ウェーハ又はダイを別のウェーハ又はダイに結合した後にウェーハ薄化及び裏面組み上げ工程を備える順次的な工程とは対照的に、本明細書に開示する工程では、ウェーハに対してウェーハ薄化と裏面組み上げ工程を別々に実行した後でウェーハ又はダイを結合することができる。従って、ダイ-ウェーハ間又はダイ-ダイ間のボンディングの場合に、本明細書に開示する工程では、ダイを結合する前に品質保証済みウェーハ又は品質保証済みダイを選択することができる。本明細書に開示するウェーハ薄化工程は、スタック内のウェーハが損傷した場合にウェーハのスタック全体が廃棄される順次的なウェーハスタック工程を使用する従来の工程とは対照的に、本明細書に開示するウェーハ薄化工程中にウェーハが損傷した場合に、損傷したウェーハだけが廃棄されるので収率を改善することができる。
【0034】
例えば、
図4Aに示すように、第1のデバイス110は、担体構造112に結合することができる。
図4Bでは、第1のデバイス110を加工して(例えば、薄くして)第1の加工済みデバイス110’を定めることができる。一部の実施形態では、第1のデバイス110を加工する段階は、薄くしたデバイス上にボンディング層(又は他の配線工程(BEOL)層)を形成する段階を備えることができる。例えば、
図4Bでボンディング層を研磨して直接ハイブリッドボンディングのためにデバイス110’の露出面を調製することができる。
図4Cに示すように、並行して又は逐次的に、第2のデバイス114を担体構造116に結合することができる。
図4Dでは、第2のデバイス114を加工して(例えば、薄くして及び/又はボンディング層又は他のBEOL層を設けて)第2の加工済みデバイス114’を定めることができる。
図4Eでは、第1の加工済みデバイス110’と第2の加工済みデバイス114’を互いに直接結合することができる。
図4Fでは、担体構造112、116を除去することができる。例えば、剥離のための光分解層の使用、CMPを使用する薄化工程、及びボンディングのための直接ボンディング技術のような本明細書に開示するいずれの原理及び利点も、
図4Aから4Fに使用される1又は2以上の工程に実施することができる。
図3Fから3Hに示す工程を繰り返すことにより、追加の層を追加することができる。
【0035】
図5Aから5Dは、実施形態による単体化ダイを製造する製造工程を示している。一部の場合に、
図5Aから5Dに示す製造工程は、ダイ-ウェーハ間の用途で利用することができる。
【0036】
図5Aでは、
図3Eに示す構造と同じか又は類似の構造120がアダプタプレート122に結合している。この構造とアダプタプレート122の間にダイスカットテープ124を与えることができる。ダイスカットテープ124にわたってダイスカットフレーム126を配置することができる。一部の実施形態では、アダプタプレート122、ダイスカットテープ124、及びダイスカットフレーム126をクランプ(図示せず)で一緒に結合することができる。
図5Bでは、透明担体14(例えば、ガラス担体ウェーハ)は、本明細書に開示するようないずれかの適切な方法で除去することができる。
図5Cでは、不透明層20(例えば、金属層)及び非導電層16(例えば、酸化物層)を除去することができる。一部の実施形態では、光分解層18(例えば、光分解ポリマー層)の残留物は、プラズマ灰化によって除去することができる。一部の実施形態では、不透明層20は、湿式エッチングによって除去することができる。一部の実施形態では、不透明層20及び非導電層16を化学機械研磨(CMP)によって除去することができる。半導体素子10の表側10aに又はその近くに存在する接着剤残留物のような他の物質を除去することができる。例えば、一時的ボンディングのための接着剤から残ったポリマー残留物は、例えば、CMPによって清浄にすることができる。非導電材料26の一部及び/又は導電性特徴部28の一部は、直接ボンディングのためにCMPによって研磨することができる。アダプタプレート122は、研磨工程のための支持体として機能することができる。CMPの後に、アダプタプレート122を除去することができる。
図5Dでは、半導体素子10を単体化して複数のデバイスダイ130にすることができる。一部の実施形態では、半導体素子10は、機械的鋸引き、レーザステルスダイスカット、又はプラズマダイスカットによって複数のデバイスダイ130に単体化することができる。一部の実施形態では、非導電層26及び接触パッド38の上面に保護コーティングを付加して単体化中の面汚染を防止することができる。一部の実施形態では、半導体素子10は、担体構造12’と共に単体化することができる。そのような実施形態では、単体化工程は、
図5Dより前に例えば
図5Aで行うことができる。
【0037】
図6Aから6Cは、実施形態による再構成ウェーハを製造する製造工程を示している。一部の場合に、
図6Aから6Dに示す製造工程は、再構成ウェーハの用途に利用することができる。
【0038】
図6Aは、透明層14(例えば、ガラス担体ウェーハ)、光分解層18(例えば、光分解ポリマー層)、不透明層20(例えば、金属層)、及び非導電層16(例えば、酸化物層)を備える担体構造12’と、この担体構造の酸化物層上に装着されたデバイスダイ132とを示している。例えば、
図6Aに示すように、第1のダイ132a、第2のダイ132b、及び第3のダイ132cを非導電層16上に装着することができる。第1から第3のダイ132aから132cは、接着剤を介在させずに非導電層16に直接結合することができる。酸化物層にわたってデバイスダイ132aから132cの周囲に成形材料134を与えることができる。デバイスダイ132aから132cを酸化物層に結合して成形工程中にデバイスダイ132aから132cが移動することを防止又は軽減することができる。デバイスダイ132aから132cは、デバイス部分上に配置された非導電材料を備える半導体素子を備えることができる。
図6Bでは、透明担体14(例えば、ガラス担体ウェーハ)は、本明細書に開示するいずれかの適切な方法で除去することができる。
図6Cでは、非導電層16(酸化物層)、不透明層20(金属層)、及び光分解層18(光分解ポリマー層)の残留物を本明細書に開示するいずれかの適切な方法で除去することができる。
図6Cに示す構造は、再構成されたウェーハ131を備えることができる。
図6Dに示すように、再配線層(RDL)136及び電気接触パッド(例えば、半田ボール138に接続することができる)を再構成ウェーハ131に与えることができる。RDL136は、電気経路指定構造(図示せず)を有する複数の層を備えることができる。RDL136は、ダイ132aから132cのいずれか又は全ての間の電気通信を提供するために及び/又はダイ132aから132cと半田ボール138の間の電気通信を提供するために横方向トレースを有することができる。再構成ウェーハ131は、RDL136及び半田ボール138を通して外部のデバイス、システム、又は基板(図示せず)に電気接続させることができる。一部の実施形態では、再構成ウェーハ131は、ダイスカットすることができる。担体構造12、12’’のような本明細書に開示するいずれの担体構造も、担体構造12’に代えて使用することができる。
【0039】
図7Aから7Hは、実施形態による単体化ダイを製造する製造工程を示している。
図7Aから7Hの製造工程は、
図3Aから3Hの製造工程とほぼ同様である場合がある。特に断りのない限り、
図7Aから7Hの構成要素は、
図3Aから3Hに示すような本明細書に開示する類似の構成要素と同じか又はほぼ同様である場合がある。
【0040】
図7Aでは、半導体素子10と、半導体素子10上の介在構造又は中間構造140とを与えることができる。
図7Aの半導体素子10は、
図3Cに示す半導体素子10と同一又は同様である場合がある。
図7Aの中間構造140は、非導電層16、光分解層18、不透明遮断層20、及び接着層142を備えることができる。不透明層20は、金属層(例えば、チタン層又はタングステン層)を備えることができ、光分解層18は、光分解ポリマー層を備えることができ、非導電層16は、誘電体層(例えば、低温酸化物(LTO)層、プラズマ強化化学気相蒸着(PECVD)酸化物層のような酸化珪素層)を備えることができる。非導電層16にLTO層を使用することは、半導体素子10が動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)のような温度に敏感な素子を備える場合に有利である可能性がある。LTO層の形成は、200℃よりも低い温度で実行される場合がある。
図7Aの中間構造140は、本明細書に開示する介在構造又は中間構造と類似の構造及び/又は材料を有することができる。
【0041】
一部の実施形態では、中間構造140は、半導体素子10にわたって形成することができる。例えば、金属層は、半導体素子10にわたって堆積させることができる。光分解ポリマー層は、金属層にわたって堆積させることができる。接着層142(例えば、窒化物層)は、光分解ポリマー層にわたって堆積させることができる。LTO層は、接着層142にわたって堆積させることができる。
【0042】
図7Bでは、透明担体14(例えば、ガラス担体ウェーハ)を非導電層16(例えば、LTO層)に結合することができる。中間構造140と透明担体14は、一緒になって担体構造12’を定めることができる。一部の実施形態では、ガラス担体ウェーハは、接着剤を介在させずにLTO層に直接結合することができる。例えば、透明担体14と非導電層16は、室温で互いに直接結合することができる。結合された透明担体14と非導電層16は、例えば、50℃から150℃、100℃から200℃、125℃から200℃、100℃から175℃、又は125℃から175℃の温度のような低温でアニールすることができる。
図7Cでは、半導体素子10を加工してTSV32を露出させることができる。一部の実施形態では、半導体素子10のデバイス部分24の裏側24bにわたって非導電層46を形成することができる。非導電層46は、直接ボンディングのために調製することができる。
図7Dでは、半導体素子10を加工して経路指定層54、ビア56、及び接触パッド58を形成することができる。
図7C及び7Dに示す工程は、例えば、
図3Eに対して説明した工程と同様である場合がある。
【0043】
図7Eでは、半導体素子10をダイスカットテープ124上に装着することができる。
図7Fでは、透明担体14(例えば、ガラス担体ウェーハ)を除去することができる。ガラス担体ウェーハは、本明細書に開示するいずれかの適切な方法で除去することができる。
図7Gでは、光分解層18(例えば、光分解ポリマー層)の残留物と不透明層20(例えば、金属層)とを除去することができる。一部の実施形態では、光分解ポリマー層の残留物は、プラズマ灰化によって除去することができる。一部の実施形態では、金属層は、湿式エッチングによって除去することができる。
図7Hでは、半導体素子10を単体化して複数のデバイスダイ150にすることができる。一部の実施形態では、半導体素子10は、機械的鋸引き、レーザステルスダイスカット、又はプラズマダイスカットによって複数のデバイスダイ150に単体化することができる。一部の実施形態では、非導電層26及び接触パッド38の上面に保護コーティングを付加して単体化中の面汚染を防止することができる。
【0044】
一態様では、半導体素子を加工する方法を開示している。本方法は、半導体素子を与える段階を含むことができる。半導体素子は、第1の非導電材料を有する。第1の非導電材料は、半導体素子のデバイス部分上に配置される。本方法は、透明担体を与える段階を含むことができる。本方法は、第2の非導電材料、光分解層、及び不透明層を互いに積み重ねた介在構造を与える段階を含むことができる。本方法は、第2の非導電材料が第1の非導電材料又は透明担体に直接結合されるような結合構造を形成する段階を含むことができる。介在構造は、半導体素子と透明担体の間に配置される。本方法は、光が光分解層を分解するように透明担体を通して光分解層を光に露出することにより、透明担体を半導体素子から分離する段階を含むことができる。
【0045】
一実施形態では、本方法は、結合構造を形成した後にかつ透明担体を半導体素子から分離する前に半導体素子を加工する段階を更に含む。加工する段階は、化学機械研磨によって半導体素子の一部分を研磨する段階を含むことができる。加工する段階は、半導体素子のデバイス部分が第1の非導電材料と非導電層の間に配置されるように非導電層を形成する段階と、非導電層内に又は非導電層と共に導電性特徴部を形成する段階とを含むことができる。
【0046】
一実施形態では、不透明層は、第2の非導電材料と光分解層の間に配置され、本方法は、第2の非導電材料を第1の非導電材料に直接結合する段階を備える。介在構造は、ボンディング前に透明担体上に配置することができる。
【0047】
一実施形態では、光分解層は、第2の非導電材料と不透明層の間に配置される。不透明層は、ボンディング前に半導体素子の第1の非導電材料上に堆積させることができる。介在構造は、第2の非導電材料と光分解層の間に接着層を更に備えることができる。
【0048】
一実施形態では、光は、UV光を含む。UV光は、UVレーザを含むことができる。
【0049】
一実施形態では、光分解層は、光分解ポリマー層を含む。
【0050】
一実施形態では、不透明層は、金属層を含む。透明層に面する金属層の面は、反射面を含むことができる。金属層は、チタンを含むことができる。金属層は、20nmから100nmの範囲の厚みを有することができる。
【0051】
一実施形態では、本方法は、透明層から離れるように向く半導体素子の側から半導体素子の一部分を除去する段階を更に含む。除去する段階は、研削、湿式化学エッチング、乾式エッチング、プラズマエッチング、又は研磨を含むことができる。除去する段階は、半導体素子を100μm未満の厚みに薄くする段階を含むことができる。除去する段階は、半導体素子を50μm未満の厚みに薄くする段階を含むことができる。除去する段階は、半導体素子を10μm未満の厚みに薄くする段階を含むことができる。除去する段階は、5μm又はそれ未満の全厚変動を有するように半導体素子を薄くする段階を含むことができる。除去する段階は、2μm又はそれ未満の全厚変動を有するように半導体素子を薄くする段階を含むことができる。
【0052】
一実施形態では、本方法は、半導体素子が中間層と第2の半導体素子の間に配置されるように第2の半導体素子を半導体素子に直接結合する段階を更に含む。直接結合する段階は、第1の非導電材料を第2の半導体素子の第3の非導電材料に直接結合する段階と、半導体素子の第1の導電性特徴部を第2の半導体素子の第2の導電性特徴部に直接結合する段階とを含むことができる。本方法は、更に、第2の中間層を第2の半導体素子に直接結合する段階と、中間層が第2の半導体素子と第2の透明層の間に配置されるように第2の透明層を中間層に結合する段階とを含むことができる。分離する段階は、第2の半導体素子を半導体素子に直接結合した後に行うことができる。
【0053】
一実施形態では、本方法は、半導体素子が透明担体とダイスカットフレームの間に配置されるように半導体素子をダイスカットフレームに結合する段階を更に含む。本方法は、半導体素子を単体化して複数の単体化集積デバイスダイにする段階を更に含むことができる。半導体素子は、半導体ウェーハを含むことができる。
【0054】
一実施形態では、第1の非導電材料は、誘電体層を含む。第2の非導電材料は、酸化珪素層を含むことができる。
【0055】
一実施形態では、透明層は、ガラス担体ウェーハを含む。
【0056】
一実施形態では、本方法は、不透明層を除去する段階を更に含む。
【0057】
一実施形態では、光分解層は、100nmから1μmの範囲の厚みを有する。光分解層は、100nmから500nmの範囲の厚みを有することができる。
【0058】
一実施形態では、本方法は、半導体素子をアダプタプレートに連結する段階と、第2の非導電材料を除去する段階とを更に含む。半導体素子とアダプタプレートは、結合構造を形成した後に結合することができ、第2の非導電材料は、透明担体を半導体素子から分離した後に除去することができる。本方法は、第2の非導電材料を除去する段階の後に、直接ボンディングのために化学機械研磨によって半導体素子を研磨する段階を更に含むことができる。
【0059】
一態様では、一時的ボンディングのための担体構造を開示している。この担体は、透明担体と、透明担体にわたる光分解層と、光分解層にわたる不透明層と、第1の側及び第2の側を有する非導電層とを含むことができる。第1の側は、不透明層にわたって配置され、第2の側は、半導体素子への直接ボンディングに対して調製される。
【0060】
一実施形態では、透明担体は、ガラス担体を含む。
【0061】
一実施形態では、光分解層は、紫外線(UV)光分解ポリマー層を含む。
【0062】
一実施形態では、光分解層は、堆積層である。
【0063】
一実施形態では、光分解層は、100nmから1μmの範囲の厚みを有する。光分解層は、100nmから500nmの範囲の厚みを有する。
【0064】
一実施形態では、不透明層は、金属層を含む。透明層に面する金属層の面は、反射面を含むことができる。金属層は、チタンを含むことができる。金属層は、20nmから100nmの範囲の厚みを有することができる。
【0065】
一実施形態では、不透明層は、堆積層である。
【0066】
一実施形態では、非導電層は、酸化珪素層を含む。
【0067】
一実施形態では、非導電層は、堆積層である。
【0068】
一態様では、電子構成要素の製造方法を開示している。本方法は、ダイスカットテープ上に結合構造を与える段階を含むことができる。結合構造は、デバイス部分を有する半導体素子と、半導体素子に結合された透明担体と、半導体素子と透明担体の間の中間構造とを含む。中間構造は、光分解層を含む。半導体素子は、ダイスカットテープに面する第1の側と、透明担体に面する第2の側とを有する。本方法は、光が光分解層を分解するように透明担体を通して光分解層を光に当てることにより、透明担体を半導体素子から分離する段階を含むことができる。本方法は、分離する段階の後に半導体素子を第2の側から研磨する段階を含むことができる。
【0069】
一実施形態では、半導体素子がダイスカットテープに接着している間に、半導体素子は、第2の側から研磨される。
【0070】
一実施形態では、半導体素子を研磨する段階は、接着残留物を除去する段階を含む。
【0071】
一実施形態では、本方法は、ダイスカットテープ上に結合構造を与える前に半導体素子を加工する段階を更に含む。半導体素子を加工する段階は、半導体素子と透明担体を結合する段階と、半導体素子を加工して半導体素子の第1の側を定める段階とを含むことができる。半導体素子を加工する段階は、半導体素子を薄くする段階と、半導体素子と透明担体が結合している間に半導体素子の第1の側で又はその近くで導電性構造を組み上げる段階とを含むことができる。
【0072】
一実施形態では、本方法は、半導体素子からダイを単体化する段階を更に含む。単体化する段階は、鋸引き、ステルスダイスカット、又はプラズマダイスカットを含む。
【0073】
一実施形態では、本方法は、透明担体を除去する段階の後にプラズマ灰化によって光分解層の残留物を除去する段階を更に含む。
【0074】
一実施形態では、中間構造は、半導体素子と光分解層の間に配置された不透明層を更に含む。本方法は、透明担体を除去する段階の後に選択的エッチングによって不透明層を除去する段階を更に含むことができる。
【0075】
一態様では、結合構造を開示している。結合構造は、第1の非導電材料を有する半導体素子を含むことができる。第1の非導電材料は、半導体素子のデバイス部分上に配置される。結合構造は、第1の非導電材料にわたる不透明層と、不透明層にわたる光分解層と、光分解層にわたる第2の非導電層とを含むことができる。第2の非導電層は、光分解層にわたって配置された第1の側と、第1の側に対向する第2の側とを有する。第2の側は、別素子への直接ボンディングに対して調製される。
【0076】
一実施形態では、半導体素子は、シリコンデバイスウェーハを含む。
【0077】
一実施形態では、半導体素子は、100μm未満、50μm未満、又は10μm未満の厚みを有する。
【0078】
一実施形態では、結合構造は、第2の非導電層の第2の側に結合された透明担体を更に含む。透明担体は、ガラス担体を含む。
【0079】
一実施形態では、光分解層は、紫外線(UV)光分解ポリマー層を含む。
【0080】
一実施形態では、光分解層は、堆積層である。
【0081】
一実施形態では、光分解層は、100nmから1μmの範囲の厚みを有する。
【0082】
一実施形態では、不透明層は、金属層を含む。透明層に面する金属層の面は、反射面を含むことができる。金属層は、チタンを含むことができる。
【0083】
一実施形態では、金属層は、20nmから100nmの範囲の厚みを有する。
【0084】
一実施形態では、不透明層は、堆積層である。
【0085】
一実施形態では、第2の非導電層は、酸化珪素層を含む。
【0086】
一実施形態では、第2の非導電層は、堆積層である。
【0087】
一実施形態では、結合構造は、光分解層と第2の非導電層の間に接着層を更に含む。
【0088】
一態様では、半導体素子と、透明担体と、半導体素子と透明担体の間の介在構造とを有する剥離可能構造を形成する方法を開示している。半導体素子は、半導体素子のデバイス部分上に配置された第1の非導電材料を有する。介在構造は、第2の非導電材料、光分解層、及び不透明層を含む。本方法は、第2の非導電材料が第1の非導電材料又は透明担体に直接結合されるような結合構造を形成する段階を含むことができる。介在構造は、半導体素子と透明担体の間に配置される。光分解層は、光へ露出に反応して分解するように構成される。
【0089】
一態様では、半導体素子を加工する方法を開示している。本方法は、第1の側と、第1の側に対向する第2の側とを有する担体構造を与える段階を含むことができる。担体構造は、第2の側よりも第1の側の近くに位置決めされた透明担体を含む。光分解層は、透明担体と第2の側の間に位置決めされる。本方法は、デバイスダイを担体構造の第2の側に結合する段階と、デバイスダイにわたって少なくとも部分的に成形材料を与える段階と、光が光分解層を分解するように透明担体を通して光分解層を光に露出することにより、透明担体を除去する段階とを含むことができる。
【0090】
一実施形態では、担体構造は、第2の側を少なくとも部分的に定める非導電層を更に含む。デバイスダイは、接着剤を介在させずに非導電層に直接結合することができる。透明担体は、担体構造の第1の側を少なくとも部分的に定めることができる。担体構造は、光分解層と非導電層の間に不透明層を更に含む。本方法は、透明担体を除去する段階の後に不透明層及び非導電層を除去し、それによって再構成ウェーハを形成する段階を更に含むことができる。本方法は、再構成ウェーハ上に再配線層を形成する段階を更に含むことができる。
【0091】
一態様では、半導体素子を加工する方法を開示している。本方法は、第1の担体構造にわたって第1の半導体素子を有する第1の結合構造を与える段階を含むことができる。第1の半導体素子は、第1の担体構造上の第1の側と、第1の側に対向する第2の側とを有する。本方法は、第1の半導体素子が第1の担体構造上にある間に、第1の半導体素子の第2の側から第1の半導体素子を薄くする段階を含むことができる。本方法は、第2の担体構造にわたって第2の半導体素子を有する第2の結合構造を与える段階を含むことができる。第2の半導体素子は、第2の担体構造上の第1の側と、第1の側に対向する第2の側とを有する。本方法は、第1の半導体素子が第1の担体構造上にあり、かつ第2の半導体素子が第2の担体構造上にある間に、第1の半導体素子の第2の側を第2の半導体素子の第2の側に直接結合して結合半導体構造を形成する段階を含むことができる。本方法は、直接結合する段階の後に、第1及び第2の担体構造のうちの少なくとも一方を結合構造から除去する段階を含むことができる。
【0092】
一実施形態では、本方法は、第2の半導体素子が第2の担体構造上にある間に、第2の半導体素子の第2の側から第2の半導体素子を薄くする段階を更に含むことができる。
【0093】
一実施形態では、第1及び第2の担体構造のうちの少なくとも一方を除去する段階は、光分解層を光に露出する段階を含む。
【0094】
一実施形態では、本方法は、第1の半導体素子が第1の担体構造上にある間に、第1の半導体素子の第2の側を加工する段階を更に含むことができる。第1の半導体素子の第2の側を加工する段階は、第1の半導体素子を薄くした後に、第1の半導体素子の第2の側上にボンディング層を形成する段階を含むことができる。ボンディング層を形成する段階は、非導電性ボンディング領域と、非導電性ボンディング領域に少なくとも部分的に埋め込まれた複数の接触パッドとを形成する段階を含むことができる。
【0095】
一実施形態では、第1の担体構造は、透明担体と、透明担体にわたる中間構造とを含む。中間構造は、非導電層、光分解層、及び不透明層を含むことができる。
【0096】
一態様では、電子機器の製造方法を開示している。本方法は、半導体素子をダイスカットテープ上に与える段階を含むことができる。半導体素子は、デバイス部分と、半導体素子から担体構造を分離する段階に由来する接着残留物とを有する。半導体素子は、ダイスカットテープに面する第1の側と、接着残留物を有する第2の側とを有する。本方法は、半導体素子がダイスカットテープ上に配置されている間に、半導体素子を第2の側から研磨して接着残留物を除去する段階を含むことができる。
【0097】
一実施形態では、本方法は、半導体素子を担体構造に結合する段階を更に含む。担体構造は、透明担体と、半導体素子と透明担体の間の中間構造とを含むことができる。中間構造は、光分解層を含むことができる。中間構造は、不透明層及び誘電体層を更に含むことができる。
【0098】
一実施形態では、接着残留物は、担体構造の光分解層の残留物を含む。
【0099】
関連上明らかに他を意味しない限り、本明細書及び特許請求の範囲を通して単語「備える」、「備えている」、「含む」、及び「含んでいる」などは、限定的又は包括的な意味に対立するものとして包括的な意味、すなわち、「含むがこれに限定されない」という意味で解釈されるものとする。本明細書で一般的に使用する単語「結合された」は、直接に接続されるか又は1又は2以上の中間要素を通して接続されるかのいずれかである2又は3以上の要素を指す。同様に、本明細書で一般的に使用する単語「接続された」は、直接に接続されるか又は1又は2以上の中間要素を通して接続されるかのいずれかである2又は3以上の要素を指す。これに加えて、単語「本明細書で」、「上記に」、「下記に」、及び類似の主旨を有する単語は、この出願に使用する場合に全体としてこの出願を指し、この出願のいずれかを特定の部分に言及しないものである。更に、本明細書に使用するように、第1の要素が第2の要素「上に」又は「それにわたって」あると説明する場合に、第1の要素は、第1及び第2の要素が直接接触するように直接的に第2の要素上に又はそれにわたってあるとすることができ、又は第1の要素は、第1の要素と第2の要素の間に1又は2以上の要素が介在するように間接的に第2の要素上に又はそれにわたってあるとすることができる。状況が許す限り、上述の詳細説明で単数又は複数を使用する単語は、それぞれ複数又は単数も包含することができる。2又は3以上の項目のリストに関連付けられた単語「又は」は、その単語に対して以下の解釈、すなわち、リスト中の項目のいずれか、リスト中の項目の全て、及びリスト中の項目のあらゆる組合せの全てを網羅する。
【0100】
更に、取りわけ、「することができる」、「することができると考えられる」、「場合があると考えられる」、「場合がある」、「例えば」、「例えると」、及び「のような」などのような本明細書に使用する条件付き言語は、特に別段の記載がない限り、又は使用する関連内で別様に理解されない限り、ある一定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むのに対して、他の実施形態は含まないことを伝えるように一般的に意図している。従って、そのような条件付き用語は、一般的に、特徴、要素、及び/又は状態が1又は2以上の実施形態にいずれかの方法で必要であることと示唆するように意図していない。
【0101】
ある一定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、一例として提示したに過ぎず、開示の範囲を限定することは意図していない。実際に、本明細書に説明した新しい装置、方法、及びシステムは、異なる他の形態に具現化することができ、更に、本発明の開示の精神から逸脱することなく本明細書に説明した方法及びシステムの形態に様々な省略、置換、及び修正を行うことができる。例えば、ブロックを所与の配置で提示したが、代替実施形態では、異なる構成要素及び/又は回路トポロジーを使用して類似の機能を実行することができ、一部のブロックは、削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正が可能である。これらブロックの各々は、様々な異なる方法で実施することができる。上述の様々な実施形態の要素及び作動に対していずれかの適切な組合せを行って更に別の実施形態を提供することができる。特許請求の範囲及びその均等物は、本発明の開示の範囲及び精神に属するような形態又は修正を網羅するように意図している。
【国際調査報告】