IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローエ アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2024-515042混合弁のための操作要素を備えた衛生器具
<>
  • 特表-混合弁のための操作要素を備えた衛生器具 図1
  • 特表-混合弁のための操作要素を備えた衛生器具 図2
  • 特表-混合弁のための操作要素を備えた衛生器具 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】混合弁のための操作要素を備えた衛生器具
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/076 20060101AFI20240328BHJP
   F16K 31/53 20060101ALI20240328BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
F16K11/076 B
F16K31/53
E03C1/042 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560782
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2022056980
(87)【国際公開番号】W WO2022207339
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021108029.0
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング ブラント
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン クックラ
(72)【発明者】
【氏名】ヨナス キック
【テーマコード(参考)】
2D060
3H063
3H067
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BA03
2D060BA05
2D060BB01
2D060BC01
2D060BC11
2D060BD05
2D060BE12
2D060BE16
3H063AA05
3H063BB32
3H063DA05
3H063DB33
3H063GG06
3H067AA13
3H067CC32
3H067DD09
3H067DD13
3H067DD23
3H067DD24
3H067DD45
3H067EA02
3H067FF02
3H067GG13
(57)【要約】
衛生器具(1)は、少なくとも、冷水および温水を混合して所望の混合水温度を有する混合水を形成するための混合弁(2)であって、混合水温度が、第1の回転軸線(4)を中心とした混合弁の制御ディスク(3)の回転によって調節可能である、混合弁(2)と、第1の操作要素(5)であって、制御ディスク(3)を操作するために第1の操作要素(5)が第2の回転軸線(6)を中心として回転可能であり、第2の回転軸線が第1の回転軸線(4)に対して平行に延びている、第1の操作要素(5)と、を有している、衛生器具(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生器具(1)であって、少なくとも、
冷水および温水を混合して所望の混合水温度を有する混合水を形成するための混合弁(2)であって、前記混合水温度が、第1の回転軸線(4)を中心とした前記混合弁の制御ディスク(3)の回転によって調節可能である、混合弁(2)と、および
第1の操作要素(5)であって、前記制御ディスク(3)を操作するために前記第1の操作要素(5)が第2の回転軸線(6)を中心として回転可能であり、該第2の回転軸線が前記第1の回転軸線(4)に対して平行に延びていない、第1の操作要素(5)と、
を有している、衛生器具(1)。
【請求項2】
前記第1の操作要素(5)が、第1の伝動装置(7)を介して前記制御ディスク(3)に結合されている、請求項1記載の衛生器具(1)。
【請求項3】
前記第1の伝動装置(7)が、傘歯車伝動装置である、請求項2記載の衛生器具(1)。
【請求項4】
前記第1の操作要素(5)が、カルダンジョイント、可撓性の軸、ボーデンケーブルおよび/またはベローズを介して前記制御ディスク(3)に結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の衛生器具(1)。
【請求項5】
前記第1の操作要素(5)が、第2の伝動装置(8)を介して前記制御ディスク(3)に結合されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の衛生器具(1)。
【請求項6】
混合水通路(10)を開閉するための弁(9)を有しており、該弁(9)が、第2の操作要素(11)によって操作可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の衛生器具(1)。
【請求項7】
前記弁(9)が、前記第2の操作要素(11)を押圧することにより、開放位置と閉鎖位置(12)との間で位置調節可能である、請求項6記載の衛生器具(1)。
【請求項8】
前記混合水の体積流量は、前記第2の操作要素(11)の回転によって調節可能である、請求項6または7記載の衛生器具(1)。
【請求項9】
前記第2の操作要素(11)が、前記第2の回転軸線(6)を中心として回転可能である、請求項8記載の衛生器具(1)。
【請求項10】
前記第1の操作要素(5)と前記第2の操作要素(11)とが、互いに対して同軸に配置されている、請求項6から9までのいずれか1項記載の衛生器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生器具に関する。このような衛生器具は、特に洗面器、シンク、シャワーおよび/または浴槽に液体を必要に応じて供給するために使用される。
【背景技術】
【0002】
衛生器具は、冷水および温水を混合して所望の混合水温度を有する混合水を形成するための混合弁を有していてよい。このために、混合弁に、冷水供給ラインを介して冷水を、かつ温水供給ラインを介して温水を供給することができる。混合水温度の調節は、衛生器具の器具ケーシングに配置されている操作要素を介して行うことができる。混合水の放出量は、弁によって制御可能であってよい。弁は、例えば欧州特許出願公開第1903267号明細書から公知である。公知の衛生器具における欠点は、混合弁および操作要素のために大きな構成空間が必要となることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、従来技術に関して述べた問題を少なくとも部分的に解決し、特に比較的コンパクトに構成可能な衛生器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、独立請求項に記載された特徴を有する衛生器具によって解決される。弁の別の有利な構成は、従属請求項に記載されている。従属請求項に個別に記載された特徴は、技術的に意義のある任意の形式で互いに組み合わせることができ、本発明の別の構成を規定することができる。さらに、特許請求の範囲に記載された特徴を明細書において詳しく明示し、説明し、その場合に本発明の別の好適な構成が示される。
【0005】
このために、衛生器具であって、少なくとも、
-冷水および温水を混合して所望の混合水温度を有する混合水を形成するための混合弁であって、混合水温度が、第1の回転軸線を中心とした混合弁の制御ディスクの回転によって調節可能である、混合弁と、
-第1の操作要素であって、制御ディスクを操作するために第1の操作要素が第2の回転軸線を中心として回転可能であり、第2の回転軸線が第1の回転軸線に対して平行に延びていない、第1の操作要素と、
を有している、衛生器具が寄与する。
【0006】
衛生器具は、例えば、液体、特に水を、シンク、洗面器、シャワーおよび/または浴槽に提供する役割をする。衛生器具は、好適には少なくとも部分的に例えば真鍮のような(鋳造)金属および/またはプラスチックから成る器具ケーシングを有していてよい。器具ケーシングは流出部を有していてよく、この流出部は、固定的に、または運動可能に、特に旋回可能に、かつ/または少なくとも部分的に引出し可能に器具ケーシングに取り付けられている。器具ケーシングおよび/または流出部は、液体のための少なくとも1つの流出開口を有していてよい。この少なくとも1つの流出開口を介して、液体を、特に衛生器具の周囲に放出可能である。器具ケーシングは特に、例えば作業プレート、洗面台、シンクまたは洗面器のような支持体に取付け可能である。このために支持体が組付け開口を有していてよく、この組付け開口内に、組付け区分を備えた器具ケーシングを差込み可能であり、かつ/またはこの組付け開口において、例えばナットの形式の取付けエレメントによって器具ケーシングが取付け可能である。
【0007】
衛生器具は、冷水および温水を混合して所望の混合水温度を有する混合水を形成するための混合弁を含む。混合弁は、特に、器具ケーシング内または器具ケーシングの下側部分内に配置されている。冷水は、特に冷水管路を介して混合弁に供給可能であり、温水は温水管路を介して混合弁に供給可能である。冷水は、とりわけ最大25℃(摂氏)、好適には1℃~25℃、特に好適には5℃~20℃である冷水温度を有していてよい。温水は、特に最大90℃、好適には25℃~90℃、特に好適には55℃~65℃である温水温度を有していてよい。混合水温度は、第1の回転軸線を中心とした混合弁の制御ディスクの回転によって調節可能である。第1の回転軸線は、例えば、器具ケーシングの長手方向軸線に対して平行にかつ/または同軸に延びていてよい。制御ディスクは、例えば動的な制御ディスクの形式で形成されていてよく、この動的な制御ディスクは、静的な制御ディスクに対して位置調節可能である。さらに、制御ディスクは弁ディスクの形式で形成されていてよく、かつ/または少なくとも部分的にセラミックスから成っていてよい。静的な制御ディスクは、特に混合弁の混合弁ケーシング内に(固定的に)配置されている。さらに、静的な制御ディスクは、冷水のための冷水通流開口および/または温水のための温水通流開口を有していてよい。冷水通流開口および/または温水通流開口は、特に、第1の回転軸線に対して平行に、静的な制御ディスクを通って延びている。制御ディスクは特に、静的な制御ディスク上に平坦に載置されており、かつ/または特に、静的な制御ディスクの冷水通流開口の開口横断面および/または温水通流開口の開口横断面が変更可能であるように、第1の回転軸線を中心として回転可能である。このために、動的な制御ディスクは少なくとも1つの制御開口を有していてよく、この制御開口は、特に第1の回転軸線に対して平行に制御ディスクを通って延びている。静的な制御ディスク上で制御ディスクを回転させることによって、特に、混合弁の混合室内における冷水と温水との混合比を調節可能である。冷水および温水は、例えば混合弁の第1の長手方向側の端部を介して混合弁に供給可能であり、混合水は、混合弁の第2の長手方向側の端部を介して混合弁から放出可能であってよい。第1の長手方向側の端部と第2の長手方向側の端部とは、特に混合弁の(軸方向で)反対に位置する側に位置している。これは、換言すると、混合弁が軸方向に、つまり例えば器具ケーシングの長手方向軸線に対して平行に通流可能であることを意味していてよい。
【0008】
さらに、衛生器具は第1の操作要素を有しており、この第1の操作要素は、制御ディスクを操作するために、第2の回転軸線を中心として回転可能である。第1の操作要素は、例えばレバー、回転グリップまたは回転つまみの形式で形成されていてよい。さらに、第1の操作要素は、少なくとも部分的にスリーブ状に、かつ/または管状に形成されていてよい。第1の操作要素は、例えば器具ケーシングに、または器具ケーシングの外面に配置されていてよい。さらに、第1の操作要素は、第2の回転軸線を中心として、特に衛生器具のユーザによって回転可能であってよい。第2の回転軸線は、第1の回転軸線に対して平行に延びていない。これは、換言すると、第2の回転軸線が第1の回転軸線に対して斜めに延びていることを意味していてよい。第1の回転軸線と第2の回転軸線とは、交差していてよい。さらに、第1の回転軸線と第2の回転軸線とは、特に互いに30°~150°、好適には70°~110°の角度、特に好適には(実質的に)90°の角度で延びていてよい。これによって、衛生器具のコンパクトな構造が可能になる。
【0009】
第1の操作要素が、第1の伝動装置を介して制御ディスクに結合されていてよい。第1の伝動装置は、例えばアングル伝動装置であってよい。
【0010】
第1の伝動装置は、傘歯車伝動装置であってよい。傘歯車伝動装置は、第1の傘歯車および第2の傘歯車を含んでいてよい。第1の傘歯車は、特に第1の操作要素に結合されていてよい。さらに、第2の傘歯車は、特に制御ディスクまたは制御ディスクの連行要素に結合されていてよい。
【0011】
第1の操作要素は、カルダンジョイント、可撓性の軸、ボーデンケーブルおよび/またはベローズを介して制御ディスクに結合されていてよい。
【0012】
第1の操作要素は、第2の伝動装置を介して制御ディスクに結合されていてよい。第2の伝動装置は、例えば第1の伝動装置の伝動装置前段の形式で形成されていてよい。さらに、第2の伝動装置は、第1の操作要素と第1の伝動装置との間の力伝達方向で配置されていてよい。第2の伝動装置の伝達比は、特に1よりも大きくてよく、これにより制御ディスクを、第1の操作要素を介して、特に繊細にかつ/または容易に操作可能である。
【0013】
衛生器具は、混合水通路を開閉するための弁を有していてよく、弁は、第2の操作要素によって操作可能である。混合水通路は、特に、混合水を、特に衛生器具の少なくとも1つの流出開口に供給することができる液体管路である。弁は、混合水の流れ方向で見て、特に混合弁の下流側に配置されていてよい。さらに、弁は、例えばダイヤフラム弁の形式で形成されていてよい。このために、弁が特にダイヤフラムを有しており、このダイヤフラムが、例えば少なくとも部分的に弾性的な材料、例えばゴムから成っていてよい。ダイヤフラムは特に円形に形成されていてよく、かつ/または弁ケーシングに取り付けられていてよい。ダイヤフラムは、特にその半径方向外側の領域で弁ケーシングに取り付けられている。弁の閉鎖位置において、ダイヤフラムは、特に(環状の)弁座に当接している。弁座は、特に混合水通路の長手方向側の端部に形成されている。さらに、弁座は、スピンドルの周囲に延びていてよい。閉鎖位置において、ダイヤフラムは混合水通路を閉鎖しており、これによって、混合水は、混合水通路または少なくとも1つの流出開口を介して流出することはできない。弁を操作するために、ダイヤフラムは、第2の操作要素に結合されているスピンドルを介してガイド可能であってよい。これは特に、ダイヤフラムがスピンドルによって第2の回転軸線に対して平行に位置調節可能であることを意味していてよい。ダイヤフラムはダイヤフラムホルダに取り付けられていてよく、このダイヤフラムホルダを貫通してスピンドルが延びている。ダイヤフラムホルダは、特に(硬い)プラスチック部分である。ダイヤフラムホルダは、例えば係止結合部を介してダイヤフラムに結合されていてよい。第2の操作要素は、特に押圧ボタンの形式で形成されていてよい。さらに、第2の操作要素は、(弁のユーザによって)特に第2の回転軸線を中心として回転可能に、かつ/または第2の回転軸線に対して平行に位置調節可能であってよい。スピンドルは特に第2の操作要素に固定的に結合されており、これにより、スピンドルは第2の操作要素と一緒に運動可能である。スピンドルは、特に第2の回転軸線に対して平行にかつ/または同軸に延びている。
【0014】
弁は、第2の操作要素を押圧することにより、開放位置と閉鎖位置との間で位置調節可能であってよい。このために、第2の操作要素は、特に係止装置に結合されている。この係止装置は、第2の操作要素を開放位置および/または閉鎖位置においてロックする。このような係止装置は、当業者に公知である。第2の操作要素を押圧することにより、第2の操作要素はスピンドルと一緒に、特に弁ケーシング内へと位置調節可能であり、これにより、弁のダイヤフラムが弁座に向かってガイドされ、弁は閉鎖位置に位置する。この位置において、第2の操作要素が新たに押圧されるまで、第2の操作要素は係止装置によって保持される。第2の操作要素を押圧することにより、第2の操作要素は、係止装置によって解放され、特にばね力により、弁またはダイヤフラムが開放位置に位置するようになるまで、弁ケーシングから離れるように運動させられる。開放位置においてダイヤフラムはダイヤフラム座から持ち上げられており、これによって混合水は、混合水通路または少なくとも1つの流出開口を介して流出することができる。弁は、いわゆる「プッシュ・バルブ」の形式で形成されていてよい。さらに、特に衛生器具が支持体に取り付けられている場合に、弁は混合弁の上側に配置されていてよい。
【0015】
混合水の体積流量は、第2の操作要素の回転によって調節可能であってよい。このために、第2の操作要素および/またはスピンドルは、第2の操作要素の回転により、弁ケーシングに対して、第2の回転軸線に対して平行に位置調節可能である。第2の操作要素の回転により、特に弁またはダイヤフラムの開放行程が調節可能であってよい。開放行程とは、特に、ダイヤフラムが弁の開放位置において弁座から持ち上げられている作動距離、または弁開放位置におけるダイヤフラムと弁座との間の間隔である。作動距離または間隔は、特に第2の回転軸線に対して平行に測定される。第2の操作要素の回転により作動距離または間隔が大きく調節されるほど、混合水の体積流量は大きくなる。第2の操作要素の回転によって作動距離または間隔が小さく調節されるほど、混合水の体積流量は相応して小さくなる。
【0016】
第2の操作要素は、第2の回転軸線を中心として回転可能であってよい。特に、混合水の体積流量は、第2の回転軸線を中心とした第2の操作要素の回転によって調節可能である。
【0017】
第1の操作要素と第2の操作要素とが、互いに対して同軸に配置されていてよい。さらに、第1の操作要素と第2の操作要素とは、器具ケーシングの一方の側で同軸に配置されていてよい。第2の操作要素は、第1の操作要素を、特に少なくとも部分的に取り囲んでいてよい。さらに、第1の操作要素と第2の操作要素とは、器具ケーシングの反対に位置する側で互いに対して同軸に配置されていてよい。
【0018】
以下に、本発明ならびに周辺技術を図面に基づき詳しく説明する。なお、付言しておくと、図面は本発明の特に好適な実施バリエーションを示すものであり、本発明は図示の実施バリエーションに制限されるものではない。図中、同一の構成部材には同一の符号を付した。図面は例示的かつ概略的である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】衛生器具の第1の実施バリエーションを示す縦断面図である。
図2】衛生器具の第2の実施バリエーションを示す縦断面図である。
図3】衛生器具の第2の実施バリエーションの一部を示す斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、衛生器具1の第1の実施バリエーションを縦断面図で示しており、衛生器具1は単に部分図で示されている。衛生器具1は、器具ケーシング13を有している。この器具ケーシング13は支持体(図示せず)に取付け可能であり、長手方向軸線14に沿って延びている。器具ケーシング13内には混合弁2が配置されており、混合弁2は、冷水供給部16および温水供給部17を備えた混合弁ケーシング15を有している。冷水供給部16には、冷水管路18を介して冷水を供給可能であり、温水管路19を介して温水を供給可能である。混合弁ケーシング15内には制御ディスク3が配置されている。この制御ディスク3は動的な制御ディスクとして形成されており、第1の操作要素5によって、第1の回転軸線4を中心として静的な制御ディスク20に対して回転可能である。制御ディスク3の第1の回転軸線4は、本実施バリエーションでは、器具ケーシング13の長手方向軸線14に対して同軸に延びている。第1の操作要素5は、スリーブ状に、かつ回転グリップの形式で形成されている。さらに、第1の操作要素5は、第1の回転軸線4に対して90°の角度23で延びる第2の回転軸線6を中心として回転可能である。さらに、第1の操作要素5は、第1の伝動装置7を介して制御ディスク3に結合されている。第1の伝動装置7は傘歯車伝動装置の形式で形成されており、第1の傘歯車24および第2の傘歯車25を有している。第1の傘歯車24は、第1の操作要素5に相対回動不能に結合されており、第1の操作要素5によって第2の回転軸線6を中心として回転可能である。さらに、第1の傘歯車24は第2の傘歯車25に係合しており、これにより、第2の傘歯車25は、第1の傘歯車24によって第1の回転軸線4を中心として回転可能である。第2の傘歯車25は、制御ディスク3の連行部材26に結合されており、これにより、第2の傘歯車25の回転運動は、第1の回転軸線4を中心とした制御ディスク3の回転運動につながる。静的な制御ディスク20は、混合弁ケーシング15に対して相対回動不能に形成されており、冷水のための、図面では見えない冷水通流開口と、温水のための、図面では同様に見えない温水通流開口とを有している。第1の回転軸線4を中心とした制御ディスク3の回転によって、静的な制御ディスク20の冷水通流開口と温水通流開口との開口横断面が変更可能であり、これによって、混合弁2の混合室21内における冷水と温水との混合比を調節可能である。このために、制御ディスク3は、図面では見えない制御開口を有している。第1の操作要素5の回転によって、混合室21内に形成される混合水の混合水温度を調節可能である。
【0021】
混合水は、次いで液体通路22を介して、混合水通路10を開閉するための弁9に供給可能である。弁9はダイヤフラム弁の形式で形成されており、ダイヤフラム28を含んでいる。このダイヤフラム28は、半径方向外側で弁ケーシング29に取り付けられており、図面に示した弁9の閉鎖位置12では、環状の弁座30に座着している。環状の弁座30は、混合水通路10の長手方向の一方の端部に形成されている。ダイヤフラム28はダイヤフラムホルダ31に取り付けられており、このダイヤフラムホルダ31を貫通してスピンドル32が延びている。スピンドル32は、第2の操作要素11に結合されている。第2の操作要素11は、回転可能な押圧ボタンの形式で形成されており、この押圧ボタンは、第2の回転軸線6を中心として回転可能であり、かつ第2の回転軸線6に対して平行に位置調節可能である。弁9の、図面に示した閉鎖位置12では、第2の操作要素11が、押圧された、または弁ケーシング29の方向に位置調節された位置にあり、この位置において第2の操作要素11は係止装置33によって保持される。これによりダイヤフラム28は、スピンドル32を介して弁座30へとガイドされ、これにより、混合水通路10は閉鎖されている。第2の操作要素11が新たに押圧されることによって、第2の操作要素11は、第2の回転軸線6に対して平行に、右に向かってまたは弁ケーシング29から離れるように運動可能であり、これによって、ダイヤフラム28がスピンドル32によって弁座30から持ち上げられるので、弁9が開放位置に位置している。したがって、弁9の開放位置では、混合水が液体通路22から混合水通路10内に流入し、次いで、衛生器具1の図面には示されていない混合水出口から衛生器具1の周囲27に流出することができる。
【0022】
第2の操作要素11は、押圧要素34に相対回動不能に結合されており、この押圧要素34内には、さらにねじ山付きスリーブ35が相対回動不能に配置されている。ねじ山付きスリーブ35は雌ねじ山36を有しており、雌ねじ山36は、結合スリーブ38の雄ねじ山37に係合している。結合スリーブ38は、スピンドル32に固く結合されている。第2の回転軸線6を中心とした第2の操作要素11の回転時に、押圧要素34とねじ山付きスリーブ35とは、第2の操作要素11によって第2の回転軸線6を中心として回転させられ、これにより、結合スリーブ38は、スピンドル32と一緒に第2の回転軸線6に対して平行に位置調節される。第2の回転軸線6に対して平行なスピンドル32の位置調節により、弁9またはダイヤフラム28の開放行程39を変更可能である。したがって、第2の回転軸線6を中心とした第2の操作要素11の回転により、混合水通路10を介して流出する混合水の体積流量を調節可能である。第1の操作要素5と第2の操作要素11とは、器具ケーシング13の一方の側に一緒に、かつ互いに対して同軸に配置されている。
【0023】
図2は、衛生器具1の第2の実施形態を縦断面図で示しており、衛生器具1は、図1と同様に単に部分図で示されている。衛生器具1の第2の実施バリエーションは、第1の操作要素5と第2の操作要素11とが互いに対して同軸に、器具ケーシング13の互いに反対に位置する側に配置されていることにより、衛生器具1の第1の実施バリエーションとは異なっている。さらに、第1の操作要素5は、第1の伝動装置7および第2の伝動装置8を介して、混合弁2の制御ディスク3に結合されている。第2の伝動装置8は、循環歯車伝動装置または遊星歯車伝動装置の形式で形成されている。第1の操作要素5は中央歯車40を有しており、この中央歯車40は、第1の操作要素5と一緒に第2の回転軸線6を中心として回転可能である。中央歯車40の外側歯列は、循環歯車41の外側歯列に係合し、循環歯車41の外側歯列は、軸42によってケーシング構成要素43に位置固定されて保持される。第1の伝動装置7の第1の傘歯車24は内歯歯車の形式で形成され、内側歯列を有しており、内側歯列は、循環歯車41の外側歯列に係合している。これにより、第2の回転軸線6を中心とする第1の操作要素5の回転運動が、中央歯車40および循環歯車41を介して、第1の伝動装置7の第1の傘歯車24に伝達され、これにより制御ディスク3は、第1の回転軸線4を中心として回転可能である。第2の伝動装置8の伝達比は1よりも大きく、これにより制御ディスク3を、第1の操作要素5を介して容易に操作可能である。
【0024】
図3は、衛生器具1の第2の実施形態を、斜視断面図で示している。図3には、特に第2の伝動装置8の、中央歯車40と第1の傘歯車24とに係合している循環歯車41を確認することができる。
【0025】
本発明によって、衛生器具を特にコンパクトに構成することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 衛生器具
2 混合弁
3 制御ディスク
4 第1の回転軸線
5 第1の操作要素
6 第2の回転軸線
7 第1の伝動装置
8 第2の伝動装置
9 弁
10 混合水通路
11 第2の操作要素
12 閉鎖位置
13 器具ケーシング
14 長手方向軸線
15 混合弁ケーシング
16 冷水供給部
17 温水供給部
18 冷水管路
19 温水管路
20 静的な制御ディスク
21 混合室
22 液体通路
23 角度
24 第1の傘歯車
25 第2の傘歯車
26 連行部材
27 周囲
28 ダイヤフラム
29 弁ケーシング
30 弁座
31 ダイヤフラムホルダ
32 スピンドル
33 係止装置
34 押圧要素
35 ねじ山付きスリーブ
36 雌ねじ山
37 雄ねじ山
38 結合スリーブ
39 開放行程
40 中央歯車
41 循環歯車
42 軸
43 ケーシング構成要素
図1
図2
図3
【国際調査報告】