特表 2024-515053 吸収性インサートおよび再使用可能なシェルと吸収性インサートを備えた着用可能な吸収性物品

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-04-04

(54)【発明の名称】吸収性インサートおよび再使用可能なシェルと吸収性インサートを備えた着用可能な吸収性物品

(51)【国際特許分類】

   A61F 13/74 20060101AFI20240328BHJP

   A61F 13/505 20060101ALI20240328BHJP

   A61F 13/475 20060101ALI20240328BHJP

   A61F 13/62 20060101ALI20240328BHJP

【ＦＩ】

A61F13/74

A61F13/505 100

A61F13/475 110

A61F13/62 100

A61F13/475 120

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023561816

(86)(22)【出願日】2021-05-10

(85)【翻訳文提出日】2023-12-05

(86)【国際出願番号】 SE2021050439

(87)【国際公開番号】W WO2022216196

(87)【国際公開日】2022-10-13

(31)【優先権主張番号】PCT/SE2021/050313

(32)【優先日】2021-04-07

(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】506215320

【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ

(74)【代理人】

【識別番号】100108453

【弁理士】

【氏名又は名称】村山 靖彦

(74)【代理人】

【識別番号】100110364

【弁理士】

【氏名又は名称】実広 信哉

(74)【代理人】

【識別番号】100133400

【弁理士】

【氏名又は名称】阿部 達彦

(72)【発明者】

【氏名】ヘレーナ・コーネリウスソン

(72)【発明者】

【氏名】マティアス・ヨハンソン

(72)【発明者】

【氏名】ウッラ・ダニエルソン

(72)【発明者】

【氏名】ペーテル・アクスボルン

(72)【発明者】

【氏名】カロリーネ・レンフルト

【テーマコード（参考）】

3B200

【Ｆターム（参考）】

3B200AA01

3B200CA12

3B200CB01

3B200CB15

3B200DA02

3B200DE11

3B200DE16

(57)【要約】

再使用可能な外側シェル用の使い捨て吸収性インサートは、長手方向および横方向の延長部、長手および横側縁部を有し、ならびに前部分、後部分および前部分と後部分の間に置かれた股部分を有する。インサートは、長手および横側縁部を有し、液体透過性のユーザに面している上面シートおよび液体不透過性の衣類に面している裏面シートの間に挟まれた吸収性コアを備え、吸収性コアは、上側部および下側部を備えたコアカバーによって囲まれた吸収性構成部品を備えている。インサートはさらに、インサートの第１の長手側縁部に沿った第１の長手方向に延びる直立ギャザーと、インサートの第２の長手側縁部に沿った第２の長手方向に延びる直立ギャザーとを備えている。インサートは、インサートの前部分および後部分それぞれの横側縁部の近くで裏面シートの衣類に面している側に取り付けられたループ材料のストリップを有する。さらに、着用者によって着用される再使用可能シェル、および使い捨て吸収性インサートを備えた着用可能な吸収性物品が提供される。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

再使用可能な外側シェル（２）用の使い捨て吸収性インサート（１）であって、長手方向（Ｌ）および横方向（Ｔ）の延長部、長手側縁部（３、３’）および横側縁部（４、４’）を有し、前部分（５）、後部分（６）および前記前部分（５）と前記後部分（６）の間に配置された股部分（７）を有し、
長手側縁部（９、９’）および横側縁部（１０、１０’）を有し、液体透過性のユーザに面している上面シート（１１）と液体不透過性の衣類に面している裏面シート（１２）の間に挟まれている吸収性コア（８）であって、上側部（１４）および下側部（１４’）を備えたコアカバーによって囲まれた吸収性構成部品（１３）を備えた吸収性コア（８）を備え、
前記インサート（１）の第１の長手側縁部（３）に沿った第１の長手方向に延びる直立ギャザー（１５）および前記インサート（１）の第２の長手側縁部（３’）に沿った第２の長手方向に延びる直立ギャザー（１５’）を備えた、吸収性インサート（１）であって、
ループ材料（１９、１９’）のストリップは、前記インサート（１）の前記前部分（５）および前記後部分（６）それぞれの前記横側縁部（４、４’）の近くで前記裏面シート（１２）の衣類に面している側に取り付けられていることを特徴とする、使い捨て吸収性インサート（１）。

【請求項2】

ループ材料（１９、１９’）の各ストリップは、前記インサート（１）の前記横側部（４、４’）の５０～１００％にわたって延びている、請求項１に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項3】

ループ材料（１９、１９’）の各ストリップの前記長手方向の延長部は、１０から６０ｍｍである、請求項１または２に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項4】

ループ材料（１９、１９’）の前記ストリップの前記長手方向の延長部は、前記インサート（１）の前記前部分（５）より前記後部分（６）で大きい、請求項１から３のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項5】

ループ材料（１９、１９’）の前記ストリップの前記長手方向の延長部は、前記インサート（１）の前記後部分（６）より前記前部分（５）で大きい、請求項１から４のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項6】

ループ材料（１９、１９’）の前記ストリップは、前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）の材料と同じ自由横側縁部（４、４’）を有する、請求項１から５のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項7】

ループ材料（１９、１９’）の前記ストリップは、前記吸収性インサート（１）と同じ自由横側縁部（４、４’）を有する、請求項１から６のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項8】

前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）は、前記インサート（１）の前記前部分（５）および前記後部分（６）それぞれで前記コア（８）の前記横側縁部（１０、１０’）の外側で長手方向に延びている、請求項１から７のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項9】

前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）の前記長手方向の延長部は、前記インサート（１）の前記前部分（５）より前記インサート（１）の前記後部分（６）で大きい、請求項８に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項10】

前記後部分（６）での前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）の前記延長部は、前記インサート（１）の前記前部分（５）より２から６倍大きい、請求項８または９に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項11】

前記インサート（１）は、前記第１の長手方向に延びる直立ギャザー（１５）の外側で横方向に延びる第１の側部漏れフラップ（１７）、および前記第２の長手方向に延びる直立ギャザー（１５’）の外側で横方向に延びる第２の漏れフラップ（１７’）を有する、請求項１から１０のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項12】

前記第１の側部漏れフラップ（１７）は、前記インサート（１）の前記第１の長手側縁部（３）の長手方向長さ全体に沿って延び、前記第２の側部漏れフラップ（１７’）は、前記インサート（１）の前記第２の長手側縁部（３’）の長手方向長さ全体に沿って延びている、請求項１１に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項13】

前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）は、前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）の延長部である、請求項１１または１２に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項14】

前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）内の前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）は、互いに取り付けられている、請求項１３に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項15】

前記インサート（１）の前記第１の長手側縁部（３）に沿った前記第１の長手方向に延びる直立ギャザー（１５）は、材料（１８）の第１のシートおよび弾性糸（１６）を備え、前記インサート（１）の前記第２の長手側縁部（３’）に沿った前記第２の長手方向に延びる直立ギャザー（１５’）は、材料（１８’）の第２のシートおよび弾性糸（１６’）を備えている、請求項１から１４のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項16】

前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）は、前記裏面シート（１２）および第１の直立ギャザー（１５）および第２の直立ギャザー（１５’）それぞれの前記材料（１８、１８’）の延長部である、請求項１５に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項17】

前記第１の直立ギャザー（１５）および前記第２の直立ギャザー（１５’）それぞれの前記材料（１８、１８’）は、前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）内の前記裏面シート（１２）に取り付けられている、請求項１６に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項18】

前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）は、上面シート（１１）、裏面シート（１２）および前記第１の直立ギャザー（１５）および前記第２の直立ギャザー（１５’）それぞれの前記材料（１８、１８’）の延長部である、請求項１５から１７のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項19】

前記第１の直立ギャザー（１５）および前記第２の直立ギャザー（１５’）それぞれの前記材料（１８、１８’）は、２層の材料を備えている、請求項１５から１８のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項20】

前記第１の直立ギャザー（１５）および前記第２の直立ギャザー（１５’）の前記材料（１８、１８’）は、前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）それぞれの内の前記上面シート（１１）の前記材料に取り付けられている、請求項１５から１９のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項21】

前記第１の直立ギャザー（１５）の前記材料（１８）は、前記上面シート（１１）に取り付けられている部分（１８Ａ）、および前記弾性糸（１６）を備えた前記上面シートに取り付けられていない部分（１８Ｂ）を備え、前記第２の直立ギャザー（１５’）の前記材料（１８’）は、前記上面シート（１１）に取り付けられている部分（１８Ａ’）、および前記弾性糸（１６’）を備えた前記上面シートに取り付けられていない部分（１８Ｂ’）を備えている、請求項１５から２０のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項22】

前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）それぞれの横延長部は、前記上面シート（１１）に取り付けられている前記直立ギャザー（１５、１５’）の前記材料の部分（１８Ａ、１８Ａ’）と前記上面シート（１１）に取り付けられていない前記直立ギャザーの前記材料の部分（１８Ｂ、１８Ｂ’）の間の交差点（２７、２７’）から測定されるとき、少なくとも１０ｍｍおよび７０ｍｍ未満である、請求項２１に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項23】

前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）それぞれの横延長部は、前記上面シート（１１）に取り付けられている前記直立ギャザー（１５、１５’）の前記材料の部分（１８Ａ、１８Ａ’）と前記上面シート（１１）に取り付けられていない前記直立ギャザーの前記材料の部分（１８Ｂ、１８Ｂ’）の間の交差点（２７、２７’）から測定されるとき、少なくとも１５ｍｍおよび６０ｍｍ未満である、請求項２１または２２に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項24】

前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）それぞれの横延長部は、前記上面シート（１１）に取り付けられている前記直立ギャザー（１５、１５’）の前記材料の部分（１８Ａ、１８Ａ’）と前記上面シート（１１）に取り付けられていない前記直立ギャザーの前記材料の部分（１８Ｂ、１８Ｂ’）の間の交差点（２７、２７’）から測定されるとき、少なくとも２５ｍｍおよび５０ｍｍ未満である、請求項２１から２３のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項25】

前記インサート（１）は外部脚部ギャザーを欠いている、請求項１から２４のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項26】

前記第１の直立ギャザー（１５）および前記第２の直立ギャザー（１５’）それぞれの前記弾性糸（１６、１６’）は、前記上面シート（１１）の前記ユーザに面している表面の上で持ち上げられている、請求項１５から２５のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項27】

前記第１の直立ギャザー（１５）および前記第２の直立ギャザー（１５’）それぞれの前記弾性糸（１６、１６’）は、前記上面シート（１１）の前記ユーザに面している表面の上で少なくとも２０ｍｍおよび７０ｍｍ未満で持ち上げられている、請求項１５から２６のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項28】

前記第１の側部漏れフラップ（１７）および前記第２の側部漏れフラップ（１７’）それぞれは、前記インサート（１）の第１の自由外側長手側縁部（３）および第２の自由外側長手側縁部（３’）で弾性を欠いている、請求項１から２７のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項29】

前記コア（８）は矩形を有する、請求項１から２８のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項30】

前記インサート（１）は矩形を有する、請求項１から２９のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項31】

着用者によって着用される再使用可能シェル（２）、および請求項１から３０のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性インサート（１）を備えた着用可能な吸収性物品（２１）。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、再使用可能な外側シェルとともに使用するための吸収性インサート、および再使用可能シェルと使い捨て吸収性インサートを備えた着用可能な吸収性物品に関する。

【背景技術】

【0002】

例えば、おむつ、失禁用衣類、女性用衣類、インサートなどの形の着用可能な使い捨て吸収性物品がよく知られている。吸収性物品は、使用中に着用者に高いレベルの快適性および乾燥感を提供しながら、様々なタイプの身体滲出液を吸収、分配および保存するために使用される。

【0003】

おむつの形の従来の使い捨て吸収性物品は通常、上面シートと裏面シートの間に挟まれた吸収性コアを伴って設計されている。物品は、長手軸に沿って、および長手軸に関して垂直方向に延びる横軸に沿って配置されている。さらに、物品は、前部分、後部分および股部分に分割することができる。おむつは、コアと一体的であり、物品からの縁部漏れを防ぐために内部脚部ギャザー、すなわち直立ギャザー、および外部脚部ギャザーをさらに備え得るウエスト部分を伴って設計されている。

【0004】

使い捨て吸収性インサートは通常、外部使い捨てまたは再使用可能な外側シェルまたはカバーとともに使用することを意図しており、使い捨ておむつより単純な設計であってもよい。

【0005】

米国特許出願公開第２００５０１３１３８２Ａ１号は、衣類状の外側シェルを有する吸収性衣類、およびその中での調節可能な位置決めに適合された吸収性アセンブリを開示している。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【特許文献1】米国特許出願公開第２００５０１３１３８２Ａ１号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

本開示は、再使用可能シェル内の改良された取付での使い捨てインサートの必要があるという洞察に基づく。

【課題を解決するための手段】

【0008】

本発明は、請求項１に記載の吸収性インサート、および上記問題を緩和する請求項３１に記載の再使用可能シェルおよび使い捨て吸収性インサートを備えた着用可能な吸収性物品を提供する。別の実施形態は、従属請求項および以下の説明に記載されている。

【0009】

再使用可能な外側シェル用の使い捨て吸収性インサートは、長手方向および横方向の延長部、長手および横側縁部、前部分、後部分および前部分と後部分の間に置かれた股部分を有する。インサートは、長手および横側縁部を有し、液体透過性のユーザに面している上面シートおよび液体不透過性の衣類に面している裏面シートの間に挟まれた吸収性コアを備え、吸収性コアは、上側部および下側部を備えたコアカバーによって囲まれた吸収性構成部品を備えている。インサートはさらに、インサートの第１の長手側縁部に沿った第１の長手方向に延びる直立ギャザーと、インサートの第２の長手側縁部に沿った第２の長手方向に延びる直立ギャザーとを備えている。インサートは、前部分の横側縁部の近くで裏面シートの衣類に面している側に取り付けられたループ材料のストリップ、およびインサートの後部分の横側縁部の近くで裏面シートの衣類に面している側に取り付けられたループ材料のストリップを有する。

【0010】

インサートの前部分および後部分それぞれの横側縁部の近くの裏面シートの衣類に面している側のループ材料のストリップは、フックパッチを備えた再使用可能シェル内へのインサートの改良した取付を行い、その変位を防ぐ。インサートの前部分および後部分の取付点のみで、再使用可能シェル内への適切な取付に十分であることが示されている。ユーザ視点から、フック材料は取り扱う場合に他の材料にくっつく傾向があるので、インサート上にループ材料を有することが望ましいことがある。

【0011】

インサートの製造は、通常のおむつ上の着接区間として通常使用されるループ材料が、上に開示したようにインサート用ループ材料のストリップとして切断および使用されてもよい点において容易にされる。

【0012】

ループ材料のストリップは、インサートの横側部の５０～１００％上に延びていてもよい。ループ材料の各ストリップの長手方向延長部は、１０から４０ｍｍなどの１０から６０ｍｍであってもよい。ループ材料のストリップは、インサートと同じ自由横側縁部を有してもよい。ループ材料のストリップの長手方向延長部は、インサートの後部分より前部分で大きくてもよく、コアの前部分がより高い負荷の液体を受け、したがって、インサートの前部分でシェルに向けてより大きい取付表面の必要があるので有利であり得る。ループ材料のストリップの長手方向延長部は逆に、インサートの前部分より後部分で大きくてもよく、インサートをインサートの後部分から始まるシェル内に位置決めする場合に有利であり得る。インサートの前部分および後部分のみでのループ材料のストリップは、再使用可能シェル内に十分な取付をもたらし得る。したがって、いくつかの実施形態では、インサートの股領域内の追加のループ材料の必要がない。

【0013】

上面シートおよび裏面シートは、インサートの前部分および後部分内のコアの横側縁部それぞれの外側で長手方向に延びていてもよい。上面シートおよび裏面シートの長手方向延長部は、インサートの前部分よりインサートの後部分で大きくてもよい。後部分での上面シートおよび裏面シートの延長部は、インサートの前部分より２から６倍、任意選択では３～５倍大きくてもよく、ユーザに関連するコアの正しい相対的位置決めを保証および誘導する。コアの吸収容量のより多くがそこで必要であるので、インサートの後部分よりインサートの前部分でさらに延長部を有するようにコアを位置決めすることが有利であり得る。ループ材料のストリップは、上面シートおよび裏面シートの材料と同じ自由横側縁部を有していてもよい。

【0014】

インサート上のループ材料の取付は、連続した上面シートおよび裏面シート材料によってさらに接続される２つの近くのインサートの輪郭にかかるようにループ材料を追加することによって製造中に連続して行われてもよい。インサートはその後、１つの切断動作でループ材料ならびに上面シートおよび裏面シート材料を通した切断によって分離されて、それにより、接続されたインサートを分離する。インサートの前部分および後部分それぞれでのループ材料のストリップはそれにより、上面シートおよび裏面シートの材料と、すなわち、インサート自体と同じ自由横側縁部を有する。インサート自体と同じ自由横側縁部を備えたその前部分および後部分でのループ材料のストリップを有するインサートの利点は、取付をさらに改良し、再使用可能シェル内で、使用の際にインサートの側縁部の密接な取付を提供する点である。

【0015】

再使用可能な外側シェル用の使い捨て吸収性インサートを製造する方法は、長手方向および横方向に延長部を有する吸収性インサートの連続前駆体を運ぶステップであって、前駆体は連続液体透過性上面シート材料および連続液体不透過性裏面シート材料を有し、上面シートおよび裏面シート材料の間に規則的に分配される多数の吸収性コアを有し、各コアは上側部および下側部を備えたコアカバーによって囲まれた吸収性構成部品を備えている、ステップと、それぞれ吸収性コアを備えた２つの近くの相互接続されたインサートの輪郭にかかるように、裏面シート材料の外側に面する側にループ材料のストリップを規則的に提供するステップと、接続されたインサートを分離するように１つの切断動作でストリップループ材料ならびに上面シートおよび裏面シート材料を切断し、それによりインサートの前部分および後部分それぞれの横側縁部の近くにループ材料のストリップを有する単一のインサートを得るステップとを含んでいてもよい。インサートはさらに、インサートの第１の長手側縁部に沿った第１の長手方向に延びる直立ギャザー、およびインサートの第２の長手側縁部に沿った第２の長手方向に延びる直立ギャザーを備えていてもよい。

【0016】

着用者によって着用される再使用可能シェルを備えた着用可能な吸収性物品は、上に開示したように、インサートの前部分および後部分それぞれの横側縁部の近くで裏面シートの衣類に面している側に取り付けられたループ材料のストリップを備えた使い捨てインサートを備えていてもよい。

【0017】

第１の側部漏れフラップは、第１の長手方向に延びる直立ギャザーの外側で横方向に延びてもよく、第２の漏れフラップは、第２の長手方向に延びる直立ギャザーの外側で横方向に延びてもよい。

【0018】

インサートの側部漏れフラップは、インサートの吸収性コアによる吸収を逃れた体液が使い捨てインサートと組み合わせて使用される再使用可能シェルの脚部周囲部を汚すことを防ぐことが可能である。これは、インサートの自由外側長手側縁部で弾性を欠いている、すなわち、外部脚部ギャザーを欠いている吸収性インサートに対する利点である。

【0019】

第１の側部漏れフラップは、インサートの第１の長手側縁部の長手方向長さ全体に沿って延びてもよく、第２の漏れフラップは、インサートの第２の長手側縁部の長手方向長さ全体に沿って延びてもよい。

【0020】

第１および第２の側部漏れフラップは、上面シートおよび裏面シートの延長部であってもよい。第１および第２の側部漏れフラップは、上面シート、裏面シートならびに第１および第２のそれぞれの直立ギャザー材料の延長部であってもよい。第１および第２の側部漏れフラップ内の上面シートおよび裏面シートは、接着剤などによって、互いに取り付けられてもよい。第１および第２の側部漏れフラップ内の上面シートおよび直立ギャザー材料は、長手方向溶接線および／または接着剤の線などによって、互いに取り付けられてもよい。第１および第２の側部漏れフラップ内の直立ギャザー材料および裏面シートはそれぞれ、互いに取り付けられてもよい。側部漏れフラップ内の材料の間の積層強度は、約２Ｎ／２５ｍｍより大きくてもよい。

【0021】

インサートの第１の長手側縁部に沿って延びる第１の長手方向直立ギャザーは、材料の第１のシートおよび弾性糸を備えていてもよく、インサートの第２の長手側縁部に沿って延びる第２の長手方向直立ギャザーは、材料の第２のシートおよび弾性糸を備えていてもよい。第１および第２の直立ギャザーはそれぞれ、２から５つの弾性糸などの２つ以上の弾性糸を備えていてもよい。第１および第２の直立ギャザーの材料はそれぞれ、２層の材料を備えていてもよい。第１および第２の直立ギャザーの材料は、それぞれ第１および第２の側部漏れフラップ内の上面シート材料に取り付けられていてもよい。取付は、長手方向溶接線および／または接着剤の線であってもよい。第１の直立ギャザーの材料は、上面シートに取り付けられている部分、および弾性糸を備えた上面シートに取り付けられていない部分を備えていてもよい。第２の直立ギャザーの材料は、上面シートに取り付けられている部分、および弾性糸を備えた上面シートに取り付けられていない部分を備えていてもよい。第１および第２の直立ギャザーの弾性糸はそれぞれ、上面シートのユーザに面している表面の上で持ち上げられてもよい。第１および第２の直立ギャザーの弾性糸はそれぞれ、上面シートのユーザに面している表面の上で少なくとも３０ｍｍおよび５０ｍｍ未満などの、少なくとも２０ｍｍおよび７０ｍｍ未満で持ち上げられてもよい。

【0022】

第１および第２の側部漏れフラップそれぞれの横延長部は、上面シートに取り付けられている直立ギャザーの材料の部分と弾性糸を備えた上面シート、およびインサートの最も近い長手側縁部に取り付けられていない直立ギャザーの材料の部分の間の交差点から測定されるような、少なくとも１５ｍｍおよび６０ｍｍ未満、少なくとも２５ｍｍおよび５０ｍｍ未満、１０～４０ｍｍなどの少なくとも１０ｍｍおよび７０ｍｍ未満であってもよい。

【0023】

コアは矩形を有してもよい。インサートは矩形を有してもよい。

【0024】

本明細書に開示されたような、インサート、ならびに再使用可能シェルおよび使い捨てインサートを備えた着用可能な吸収性物品は、産業用製造を意図している。

【0025】

開示の別の利点および有利な特性は、以下の説明および従属請求項に開示されている。

【0026】

開示は、添付の図面に示された図を参照して以下により詳細に記載されている。

【図面の簡単な説明】

【0027】

【図1】本開示による吸収性インサートの上からの平面図である。

【図2】図１のインサートの断面図である。

【図3】本開示によるインサートの層の展開図である。

【図4】本開示による吸収性インサートを示す図である。

【図5】再使用可能シェルおよび使い捨てインサートを備えた着用可能な吸収性物品を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0028】

本開示の異なる態様は、添付の図面を参照してこれ以下により完全に記載される。しかし、本明細書に開示されたインサートの実施形態は、異なるサイズおよび吸収レベルなどの多くの異なる形で実現することができ、本明細書に記載された態様に限るものと解釈されるべきではない。

【0029】

図１は、長手方向Ｌおよび横方向Ｔに延びる再使用可能な外側シェルまたはカバー２で使用される使い捨て吸収性インサート１を開示している。インサート１は、長手側縁部３、３’および横側縁部４、４’を有し、ならびに前部分５、後部分６および前部分５と後部分６の間に置かれた股部分７を有する。インサート１は、長手側縁部９、９’および横側縁部１０、１０’を有し、液体透過性のユーザに面している上面シート１１および液体不透過性の衣類に面している裏面シート１２の間に挟まれた吸収性コア８を備えている。吸収性コア８は、上側部１４および下側部１４’を備えたコアカバーによって囲まれた吸収性構成部品１３を備えている。その側縁部（図示せず）で上コアカバー側部１４および下コアカバー側部１４’は密封されている。捕捉層２０は上面シート１１と吸収性コア８の間に配置されていてもよい。インサート１はさらに、インサートの第１の長手側縁部３に沿った第１の長手方向に延びる直立ギャザー１５と、インサート１の第２の長手側縁部３’に沿った第２の長手方向に延びる直立ギャザー１５’とを備えている。インサート１は、第１の長手方向に延びる直立ギャザー１５の外側で横に延びる第１の側部漏れフラップ１７、および第２の長手方向に延びる直立ギャザー１５’の外側で横に延びる第２の漏れフラップ１７’を有する。第１の側部漏れフラップ１７および第２の側部漏れフラップ１７’はそれぞれ、インサートの第１の長手側縁部３および第２の長手側縁部３’それぞれの長手方向長さ全体に沿って延びるが、別の方法では、より短い延長部を有していてもよい。

【0030】

第１の側部漏れフラップ１７および第２の側部漏れフラップ１７’は、上面シート１１および裏面シート１２の延長部であるが、第１の直立ギャザー１５および第２の直立ギャザー１５’それぞれの材料１８、１８’の延長部も含んでいる、または裏面シート１２および第１の直立ギャザー１５および第２の直立ギャザー１５’それぞれの材料１８、１８’の延長部であってもよい。第１の側部漏れフラップ１７および第２の側部漏れフラップ１７’内の上面シート１１および裏面シート１２は、接着剤などによって、互いに取り付けられている。第１の側部漏れフラップ１７および第２の側部漏れフラップ１７’の上面シート１１および直立ギャザー材料１８、１８’は、長手方向溶接線および／または接着剤の線などによって、互いに取り付けられている。第１の側部漏れフラップ１７および第２の側部漏れフラップ１７’内の直立ギャザー材料１８、１８’および裏面シート１２は、直立ギャザーの材料１８、１８’より上面シート１１のより短い横延長部の場合に、互いに取り付けられてもよい。側部漏れフラップ１７、１７’内の異なる材料の間の積層強度は、約２Ｎ／２５ｍｍより大きくてもよい。

【0031】

上面シート１１および裏面シート１２は、インサート１の前部分５および後部分６内のコア８の横側縁部１０、１０’それぞれの外側で長手方向に延びている。上面シート１１および裏面シート１２の長手方向延長部は、インサート１の前部分５よりインサート１の後部分６で大きい。後部分６内の上面シート１１および裏面シート１２の延長部は、インサート１の前部分５より２から６倍大きくてもよい。

【0032】

ループ材料１９、１９’のストリップは、インサート１の前部分５および後部分６の横側縁部４、４’それぞれの近くで裏面シート１２の衣類に面した側に取り付けられている。ループ材料１９、１９’のストリップは、インサート１の横側部の５０～１００％上に延びている。ループ材料の各ストリップの長手方向延長部は、１０から５０ｍｍである。ループ材料１９、１９’のストリップの長手方向延長部は、インサート１の前部分５より後部分６で大きくてもよい。ループ材料１９、１９’のストリップは、上面シート１１および裏面シート１２の材料と同じ自由横側縁部４、４’を有している。

【0033】

コア８は、図示した例示的実施形態では、矩形を有する。インサート１も、その例示的実施形態では矩形を有する。別の方法では、他の形状がコア８および／またはインサート１の一方または両方に考えられる。

【0034】

図２は、ほぼ図１の線Ａ－Ａに沿ったインサート１の断面図を示している。裏面シート１２である最下層から始まり、下側コアカバー層１４’、吸収性構成部品１３、最上コアカバー層１４、捕捉層２０および上面シート１１が続く。直立ギャザー１５、１５’は、インサート１のそれぞれの長手側縁部３、３’に配置されている。それぞれの直立ギャザー１５、１５’は、材料１８、１８’および少なくとも１つの弾性糸１６、１６’を備え、２つの弾性糸１６、１６’は図２では各直立ギャザー１５、１５’に対して示されている。直立ギャザー１５、１５’の材料１８、１８’は、水不透過性不織材料などの材料を備えており、材料の一部１８Ａ、１８Ａ’は、長手方向溶接線および／または接着剤の線などによって上面シート１１に取り付けられ、材料の一部１８Ｂ、１８Ｂ’は上面シート１１に取り付けられず、弾性糸を備えている。第１の側部漏れフラップ１７および第２の側部漏れフラップ１７’それぞれの横延長部は、上面シート１１に取り付けられている直立ギャザーの材料の一部１８Ａ、１８Ａ’と上面シート１１およびインサートの最も近い長手側縁部３、３’に取り付けられていない直立ギャザーの材料の一部１８Ｂ、１８Ｂ’の間で交差点２７、２７’から測定されるような、少なくとも１０ｍｍおよび７０ｍｍ未満であってもよい。

【0035】

第１の直立ギャザー１５および第２の直立ギャザー１５’の弾性糸１６、１６’はそれぞれ、上面シート１１のユーザに面する表面の上で少なくとも２０ｍｍおよび７０ｍｍ未満などの、上面シート１１のユーザに面する表面の上で持ち上げられている。

【0036】

図３は、使い捨てインサート１の材料の展開図を開示している。図３は、直立ギャザー１５、１５’の材料１８、１８’および弾性糸１６、１６’を上から示している。図３はさらに、上面シート１１、捕捉層２０、上側コアカバー層１４、吸収性構成部品１３、下側コアカバー層１４’、裏面シート１２およびループ材料１９、１９’のストリップを示している。

【0037】

吸収性物品の連続製造は当分野でよく知られている。再使用可能な外側シェル２とともに使用するための使い捨て吸収性インサート１を製造する方法は、長手方向および横方向に延長部を有する吸収性インサート１の連続前駆体を運ぶステップであって、前駆体は連続上面シート材料１１および連続液体不透過性裏面シート材料１２を有し、上面シート材料１１および裏面シート材料１２の間に規則的に分配される多数の吸収性コア８を有し、各コア８は上側部１４および下側部１４’を備えたコアカバーによって囲まれた吸収性構成部品１３を備えている、ステップを備えていてもよい。次いで、本明細書に開示される方法はさらに、それぞれ吸収性コア８を備えた２つの近くの相互接続されたインサート１の輪郭にかかるように、裏面シート材料１２の外側に面する側にループ材料１９、１９’のストリップを規則的に提供し、接続されたインサート１を分離するように１つの切断動作でループ材料１９、１９’のストリップおよび上面シート材料１１および裏面シート材料１２を切断し、それによりインサート１の前部分５および後部分６それぞれの横側縁部４、４’の近くにループ材料１９、１９’のストリップを有する単一のインサート１を得る。

【0038】

様々なタイプの材料が吸収性インサートに使用されてもよい。

【0039】

裏面シート上のループ材料のストリップは、ここでは、フックおよびループ締付システムのフック材料が取付可能である表面構造を囲むと理解される、あらゆるタイプのループ表面構造を有していてもよい。したがって、ループ表面構造は、本物のループを画定するために表面からおよび表面内に再び延びている繊維または糸と、表面から延び、緩い端部を有する繊維または糸を含む表面構造を含んでもよく、繊維または糸は互いに絡まっている。それぞれのフック部材の取付の際、フック表面構造はループ表面構造に係合して、要素間に解放可能な取付を提供する。ループ材料はまた、不織材料、または弾性フィルムの裏当てを備えた不織材料であってもよい。ループ材料の坪量は、３０～６０ｇｓｍなどの１５～７０ｇｓｍであってもよい。

【0040】

上面シートは、着用される場合に吸収性インサートの着用者に面するように配置されている。上面シートは、熱可塑性合成繊維で作られた液体透過性不織布またはフィルムによって形成されていてもよい。上面シートは、排出された体液が上面シートの厚さを通して貫通することを可能にするのに十分液体透過性であってもよい。また、上面シートは、着用者の皮膚に対して適合し柔らかい感触である材料から適切に製造されていてもよい。上面シートは、単層からなっていてもよく、または、複数の層、例えば、２層以上を備えた積層構造を有していてもよい。層は、同じ材料で作られていてもよい、または層のいくつかまたは全ては異なる材料で作られていてもよい。

【0041】

上面シートの層、または、積層構造の場合、上面シートの１つ、いくつかもしくは全ての層は、不織材料、穿孔プラスチックフィルム、プラスチックまたは織物メッシュ、または液体透過性発泡層であってもよい。

【0042】

上面シートの層、または、積層構造の場合、上面シートの層の１つ、いくつかまたは全ては、例えば、天然繊維、例えば、綿もしくはパルプ繊維、合成繊維、例えば、ポリエステルもしくはポリプロピレン繊維、またはこれらの繊維の組合せなどの繊維の親水性非穿孔不織ウェブであってもよい。

【0043】

上面シートは、８～４０ｇ／ｍ^２の範囲の坪量を有していてもよい。しかし、開示はその範囲の坪量を有する上面シートに限るものではない。

【0044】

直立ギャザーの材料は、液体不透過性不織材料であってもよい。不織層は、熱可塑性ポリマー材料繊維またはフィラメントで作られていてもよい。不織層は、スパンボンド、エアレイイング、メルトブロー、またはボンドカードウェブ形成プロセスなどの様々な異なるプロセスによって形成されていてもよい。不織層は、ポリプロピレン繊維、またはポリプロピレンおよびポリエチレンからなるバイコンポーネント繊維からなるＳＭＳ（スパンボンド／メルトブロー／スパンボンド）またはＳＳ（スパンボンド／スパンボンド）不織材料、またはこのような材料の組合せで作られていてもよい。不織層は、１０～２５ｇｓｍの範囲の坪量を有していてもよい。直立ギャザー用の弾性糸は、５００～８５０ｄｔｅｘの商標ＬＹＣＲＡおよびＳＰＡＮＤＥＸで販売されるような、ＰＰまたはＰＰ／ＰＥ弾性糸であってもよい。

【0045】

裏面シートは、ポリマーフィルム、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンのフィルムなどの液体不透過性および通気性層によって構成されていてもよい。異なる実施形態では、裏面シートに使用されてもよい材料としては、薄い可撓性流体不透過性プラスチックフィルム、または流体不透過性不織材料、流体不透過性発泡体および流体不透過性積層体が挙げられる。

【0046】

裏面シートは単層によって形成されていてもよいが、別の方法では、多層構造、すなわち積層体によって形成されていてもよく、少なくとも１つの層は流体不透過性である。さらに、裏面シートはあらゆる方向に弾性を持ってもよい。

【0047】

さらに、裏面シートは、互いの上部に配置された液体バリアシートおよび不織層を備えた積層構造（図面には詳細には図示せず）を有していてもよく、不織層は着用される場合に吸収性インサートの着用者から離れて外側に配置されている。不織層は、熱可塑性ポリマー材料繊維またはフィラメントで作られていてもよい。不織層は、スパンボンド、エアレイイング、メルトブロー、またはボンドカードウェブ形成プロセスなどの様々な異なるプロセスによって形成されていてもよい。不織層は、ポリプロピレン繊維、またはポリプロピレンおよびポリエチレンからなるバイコンポーネント繊維からなるＳＭＳ（スパンボンド／メルトブロー／スパンボンド）またはＳＳ（スパンボンド／スパンボンド）不織材料、またはこのような材料の組合せで作られていてもよい。不織層は、５～４０ｇ／ｍ^２の範囲の坪量を有していてもよい。

【0048】

液体バリアシートは、プラスチック材料、例えば、熱可塑性フィルム材料、および／または不織材料で作られていてもよい。例えば、液体バリアシートは、プラスチック層、例えば、熱可塑性層、またはプラスチックフィルム、例えば、熱可塑性フィルムとして形成されていてもよい。熱可塑性フィルム材料などのプラスチック材料の液体バリアシートを形成することにより、液体バリアシートの特定の優れた印刷性を可能にする。液体バリアシートはまた、紙繊維を含んでいてもよい。液体バリアシートは、液体不透過性、通気性または非通気性層であってもよい。液体バリアシートは、単層からなってもよく、または複数の層、例えば、２層以上、３層以上、または４層以上を備えた積層構造を有していてもよい。液体バリアシートの層は、例えば、熱密封などの熱および／または機械結合、超音波溶接などの超音波結合、１つまたは複数の接着剤、縫い目などによって互いに積層される、結合される、または取り付けられていてもよい。液体バリアシートは、通気性微小孔性フィルムであってもよい。微小孔性フィルムは、少なくとも２つの基本成分、すなわち、熱可塑性エラストマーポリオレフィンポリマーおよび充填剤を備えた材料で作られていてもよい。これらの成分、およびいくつかの実施形態では、追加の他の成分を共に混合し、加熱し、その後、鋳造エンボス加工、チルおよびフラット鋳造、ならびにブローフィルムプロセスなどの様々なフィルム製造プロセスのいずれか１つを使用してモノ層またはマルチ層フィルムに押出成形されてもよい。液体バリアシートは、８～３０ｇｓｍの坪量を有していてもよい。

【0049】

吸収性インサート内の様々な層に対する材料の選択に関して、材料は継ぎ目を形成するために結合プロセスに対して選択されてもよい。例えば、超音波溶接が上および下コアカバー側部を結合するために選択される場合、コアカバーに対して選択された材料は、超音波溶接中に安全な結合を形成するように適合されてもよい。

【0050】

吸収性コアは、上面シートを通過した尿または他の体液などの液体を吸収するように、上面シートと裏面シートの間に提供される。吸収性コアは、セルロース綿毛パルプ、発泡体、繊維詰め物などの１つまたは複数の層などの、あらゆる適切な吸収性または液体摂取材料で作られた、１層のみで作られていてもよい。

【0051】

吸収性コアは、コアカバーによって囲まれた吸収性構成部品を備えている。吸収性構成部品は、上および下コアカバー側部の間に挟まれている。開示は、２つのコアカバー層を備えたコアラップに限るものではない。コアカバーは、１つの単一材料層のものであってもよい。吸収性構成部品は、２つに畳まれた１つのコアカバー層によって囲まれる、または連続コアカバーシートによって囲まれていてもよく、それにより、吸収性構成部品を包むために上および下コアカバー側部を提供する。

【0052】

上コアカバー側部および下コアカバー側部は、様々な利用可能な技術のひとつ、例えば、熱密封などの熱および／または機械結合、超音波結合、ならびに１つまたは複数の接着剤、縫い目などの組合せによって互いに取り付けられていてもよい。

【0053】

吸収性構成部品は、適切な量の超吸収性粒子を備えていてもよい。このような超吸収性材料は、ヒドロゲルの形成の際に大量の流体を吸収することが可能な水膨潤性および非水溶性材料によって構成された吸収性物品の分野でよく知られている。吸収性構成部品は、吸収性ポリマー材料の繊維または粒子の形で超吸収性材料を含んでいてもよい。例えば、超吸収性材料は、表面架橋され、部分的に中和されたポリアクリレートであってもよい。超吸収性材料、例えば、超吸収性繊維または粒子は、セルロース綿毛パルプなどの他の１つまたは複数の吸収性または液体摂取材料と混合されてもよく、および／または吸収性コア内のポケットまたは層に配置されてもよい。吸収性コア内の超吸収性材料およびパルプの量は、０～５０重量％のパルプ繊維、および５０～１００重量％の超吸収性材料であってもよい。

【0054】

上に記載したようなコアカバーは、５～２０ｇ／ｍ^２の坪量を備えた不織材料で作られていてもよい。不織材料は、熱可塑性ポリマー繊維またはフィラメントであってもよい。不織材料は、スパンボンド、エアレイイング、メルトブロー、またはボンドカードウェブ形成プロセスなどの様々な異なるプロセスによって形成されていてもよい。コアカバーは、ＳＭＳ（スパンボンド／メルトブロー／スパンボンド）またはＳＳ（スパンボンド／スパンボンド）不織材料からなるものであってもよく、ポリプロピレン繊維、ポリプロピレンおよびポリエチレンからなるバイコンポーネント繊維、またはその組合せからなるものであってもよい。

【0055】

吸収性コアはさらに、吸収性コアの性状を改良するための構成部品を備えていてもよい。例えば、吸収性コアは、バインダ繊維などの１つまたは複数のバインダを備えていてもよい。

【0056】

さらに、当業者に知られているように、吸収性インサートの様々な層は、接着材料により取り付けられていてもよい。このような接着剤は、図面には示されていない。

【0057】

１つまたは複数の追加の層が吸収性インサート内に提供されてもよい。例えば、捕捉層は、吸収性コアと上面シートの間に配置されてもよい。このような追加の層は、例えば、液体捕捉および吸収層として働くように、吸収性インサート内で使用されてもよいエアレイド層、スパンレース層、高ロフト、発泡体またはあらゆる他のタイプの材料層の形であってもよい。捕捉層は、吸収性コアによって吸収される前に、排出された液体を迅速に受け、一時的に保存するようになっている。このような捕捉層は、例えば、エアレイド不織、スパンレース不織、高ロフト不織または発泡材料から構成されていてもよい。エアレイド不織は、綿毛、木材パルプで製造されてもよく、ここでは、綿毛繊維は急速移動空気流内に分散され、圧力および真空により移動スクリーンの上に凝縮される。捕捉層は、１５～１００ｇｓｍの坪量を有していてもよい。

【0058】

図４は、長手側縁部３、３’および横側縁部４、４’を有する吸収性インサート１の上面シート１１側からの図を開示している。第１の直立ギャザー１５および第２の直立ギャザー１５’は、インサート１の長手側縁部３、３’に沿って延びている。第１の側部漏れフラップ１７および第２の側部漏れフラップ１７’は、それぞれ第１の直立ギャザー１５および第２の直立ギャザー１５’の外側で横に延びている。第１の側部漏れフラップ１７および第２の側部漏れフラップ１７’はそれぞれ、自由外側長手側縁部３、３’で弾性を欠いている。

【0059】

図５は、再使用可能シェル２内の図４の吸収性インサート１を開示している。再使用可能シェル２は、長手側縁部２５、２５’および横側縁部２６、２６’、内側表面、および外側表面を有する。図５は、着用される場合にユーザに面する内側表面から見た、再使用可能シェル２の図である。

【0060】

再使用可能外側シェル２は、多数回再使用することが可能な外側シェルである。再使用可能外側シェルは、基本的な収縮または他の損傷なしで、多数回洗浄することが可能な洗浄可能な外側シェルであってもよい。外側シェルは、洗浄可能織物などの洗浄可能材料から作られていてもよい。外側シェルは、以下の材料、ポリエステル、ビスコース、ポリアミドおよび／または綿の１つまたは複数で作られていてもよい。外側シェルは、伸縮自在の外側シェルであってもよく、すなわち、伸縮可能材料で作られていてもよい。外側シェルは、外側シェルの長手方向Ｌおよび／または横方向Ｔに弾性がある、弾性シェルであってもよい。

【0061】

外側シェル２は、前領域、股領域および後領域を備えている。前フック部材２８、２８’は、外側シェル２の内側表面の前部分に配置され、後フック部材２２、２２’は外側シェル２の内側表面の後部分に配置されている。後フック部材２２、２２’は、第１の後フック部材部２２および第２の後フック部材部２２’を備えている。前フック部材２８、２８’は、第１の前フック部材部２８および第２の前フック部材部２８’を備えている。第１の前フック部材部２８および第２の前フック部材部２８’は、互いに間隔を置いて配置され、外側シェルの長手方向中心線のそれぞれの側に配置されている。第１の後フック部材部２２および第２の後フック部材部２２’は、互いに間隔を置いて配置されてもよく、外側シェルの長手方向中心線のそれぞれの側に配置されている。前フック部材２８、２８’は長さを有し、後フック部材２２、２２’は長さを有し、それぞれの長さは長手方向Ｌにそれぞれ延びている。後フック部材２２、２２’の長さは、前フック部材２８、２８’の長さより大きくてもよい。

【0062】

前フック部材２８、２８’および後フック部材２２、２２’は、フック表面構造を有するあらゆるフックタイプの材料を備えていてもよく、フック部材という用語は、フックおよびループ締付システムの、例えば、商品名ＶＥＬＣＲＯ（登録商標）で知られるシステムのフック部を包含するものとして解釈されたい。「フック」は、フックおよびループ締付システムのループ部と係合するようになっている多くの異なる形状を有していてもよい。フックは、単に例として、Ｊ字形、キノコ形、および／またはヤシの木形を有していてもよい。

【0063】

外側シェル２は、シェル２の第１の後横コーナ領域に提供された後領域内の第１のフック部材２３、およびシェル２の第２の後横コーナ領域に提供された第２のフック部材２３’を備えている。外側シェル２は、外側シェルの前領域内の外側表面上にフック取付区間（図示せず）を備えている。フック取付区間はループ材料を備えていてもよい。第１のフック部材２３および第２のフック部材２３’は、シェル２が着用される場合に、ウエスト開口を形成するようにフック取付区間に取り付けられるようになっている。

【0064】

第１のフック部材２３および第２のフック部材２３’は、フック表面構造を有するあらゆるフックタイプの材料を備えていてもよく、フック取付区間はあらゆるループ表面構造を備えていてもよく、フック部材という用語は、例えば、商標名ＶＥＬＣＲＯ（登録商標）として知られるシステム、フックおよびループ締付システムのフック部を包含するものと解釈されたい。「フック」は、フックおよびループ締付システムのループ部と係合するようになっている多くの異なる形状を有していてもよい。フックは、単に例として、Ｊ字形、キノコ形、および／またはヤシの木形を有していてもよい。フック取付区間は、ここでは、フックおよびループ締付システムのフック材料が取付可能である表面構造を包含すると理解される、あらゆるタイプのループ表面構造を備えていてもよい。したがって、ループ表面構造は、本物のループを画定するために表面からおよび表面内に再び延びている繊維または糸と、表面から延び、緩い端部を有する繊維または糸を含む表面構造を含んでもよく、繊維または糸は互いに絡まっている。それぞれのフック部材の取付の際、フック表面構造はループ表面構造に係合して、要素間に解放可能な取付を提供する。

【0065】

外側シェルは、股領域内の外側シェルのそれぞれの長手側縁部に沿って配置された脚部弾性材（図示せず）、および外側シェル２の後領域内の後横縁部２６’に沿って配置されたウエスト弾性材２４を備えていてもよい。

【0066】

吸収性インサート１を外側シェル２に解放可能に取り付けるために、外側シェル２は、外側シェル２の内側表面上に配置され、インサート１の裏面シート１２の衣類に面している側に取り付けられたループ材料１９、１９’の前および後ループ部材またはストリップに取り付けられる、前フック部材２８、２８’および後フック部材２２、２２’を備えている。

【0067】

開示は、添付の特許請求の範囲内で変更されてもよい。例えば、吸収性インサートを形成する異なる層に使用される材料および寸法は、上に示すように、変更してもよい。

【符号の説明】

【0068】

１ 吸収性インサート、インサート
２ 再使用可能外側シェル、再使用可能シェル
３ 長手側縁部
３’ 長手側縁部
４ 横側縁部
４’ 横側縁部
５ 前部分
６ 後部分
７ 股部分
８ 吸収性コア
９ 長手側縁部
９’ 長手側縁部
１０ 横側縁部
１０’ 横側縁部
１１ 上面シート
１２ 裏面シート
１３ 吸収性構成部品
１４ 上側部、上コアカバー側部、上側コアカバー層
１４’ 下側部、下コアカバー側部、下側コアカバー層
１５ 第１の長手方向に延びる直立ギャザー
１５’ 第２の長手方向に延びる直立ギャザー
１６ 弾性糸
１６’ 弾性糸
１７ 第１の側部漏れフラップ
１７’ 第２の側部漏れフラップ
１８ 材料
１８’ 材料
１９ ループ材料
１９’ ループ材料
２０ 捕捉層
２２ 後フック部材
２２’ 後フック部材
２３ 第１のフック部材
２３’ 第２のフック部材
２８ 前フック部材
２８’ 前フック部材

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【手続補正書】

【提出日】2023-12-05

【手続補正1】

【補正対象書類名】特許請求の範囲

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【請求項1】

再使用可能な外側シェル（２）用の使い捨て吸収性インサート（１）であって、
長手方向（Ｌ）および横方向（Ｔ）の延長部、長手側縁部（３、３’）および横側縁部（４、４’）を有し、前部分（５）、後部分（６）および前記前部分（５）と前記後部分（６）の間に配置された股部分（７）を有し、
長手側縁部（９、９’）および横側縁部（１０、１０’）を有し、液体透過性のユーザに面している上面シート（１１）と液体不透過性の衣類に面している裏面シート（１２）の間に挟まれている吸収性コア（８）であって、上側部（１４）および下側部（１４’）を備えたコアカバーによって囲まれた吸収性構成部品（１３）を備えた吸収性コア（８）を備え、
前記インサート（１）の第１の長手側縁部（３）に沿った第１の長手方向に延びる直立ギャザー（１５）および前記インサート（１）の第２の長手側縁部（３’）に沿った第２の長手方向に延びる直立ギャザー（１５’）を備えた、吸収性インサート（１）であって、
ループ材料（１９、１９’）のストリップは、前記インサート（１）の前記前部分（５）および前記後部分（６）それぞれの前記横側縁部（４、４’）の近くで前記裏面シート（１２）の衣類に面している側に取り付けられていることを特徴とする、使い捨て吸収性インサート（１）。

【請求項2】

ループ材料（１９、１９’）の各ストリップは、前記インサート（１）の前記横側部（４、４’）の５０～１００％にわたって延びている、請求項１に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項3】

ループ材料（１９、１９’）の各ストリップの前記長手方向の延長部は、１０から６０ｍｍである、請求項１または２に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項4】

ループ材料（１９、１９’）の前記ストリップの前記長手方向の延長部は、前記インサート（１）の前記前部分（５）より前記後部分（６）で大きい、請求項１から３のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項5】

ループ材料（１９、１９’）の前記ストリップの前記長手方向の延長部は、前記インサート（１）の前記後部分（６）より前記前部分（５）で大きい、請求項１から４のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項6】

ループ材料（１９、１９’）の前記ストリップは、前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）の材料と同じ自由横側縁部（４、４’）を有する、請求項１から５のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項7】

ループ材料（１９、１９’）の前記ストリップは、前記吸収性インサート（１）と同じ自由横側縁部（４、４’）を有する、請求項１から６のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項8】

前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）は、前記インサート（１）の前記前部分（５）および前記後部分（６）それぞれで前記コア（８）の前記横側縁部（１０、１０’）の外側で長手方向に延びている、請求項１から７のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項9】

前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）の前記長手方向の延長部は、前記インサート（１）の前記前部分（５）より前記インサート（１）の前記後部分（６）で大きい、請求項８に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項10】

前記後部分（６）での前記上面シート（１１）および前記裏面シート（１２）の前記延長部は、前記インサート（１）の前記前部分（５）より２から６倍大きい、請求項８または９に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項11】

前記インサート（１）は外部脚部ギャザーを欠いている、請求項１から１０のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項12】

前記コア（８）は矩形を有する、請求項１から１１のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項13】

前記インサート（１）は矩形を有する、請求項１から１２のいずれか一項に記載の吸収性インサート（１）。

【請求項14】

着用者によって着用される再使用可能シェル（２）、および請求項１から１３のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性インサート（１）を備えた着用可能な吸収性物品（２１）。

【国際調査報告】