(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】移植可能な医療デバイス
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240328BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561823
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022023621
(87)【国際公開番号】W WO2022216793
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シャフラム・ザマニ
(72)【発明者】
【氏名】ワイナ・ミシェル・チュウ
(72)【発明者】
【氏名】ジフ・ヨハナン
(72)【発明者】
【氏名】ディクラ・カーシュ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC12
4C097CC18
4C097FF12
4C097FF16
4C097SB02
(57)【要約】
本明細書には、第一の材料と、異なる伸縮性及び柔軟性を有する第二の材料と、を含む織物材料を含む移植可能な医療デバイスが開示され、第一及び第二の材料は少なくとも部分的に重ね合わされ、互いに結合される。本開示の医療デバイスは、移植可能な人工弁であり得る。本開示の弁は、圧着プロファイルの低減を提供し、PVLシールを改善する。さらに、本明細書には、移植可能な医療デバイスを作製する方法が開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植可能な医療デバイスであって、
流入端、流出端、及び長手方向軸を有し、複数の支柱を含む環状フレームと、
長手方向軸及び横断軸を有し、第一の表面及び反対側の第二の表面によって画定される織物であって、前記織物の前記長手方向軸が、前記環状フレームの前記長手方向軸と実質的に平行であり、前記織物が近位端及び遠位端を有し、前記環状フレームの第一の部分の周りに円周方向に取り付けられ、前記第一の部分が近位端及び遠位端を有し、前記第一の部分の前記近位端が、前記環状フレームの前記流入端にある、織物と、を備え、
前記織物の少なくとも一部分が、一緒に結合された第一の材料及び第二の材料を含む少なくとも一つの複合材料を、前記少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に前記移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、含み、
前記第一の材料が、前記第二の材料の柔軟性及び伸縮性よりも低い柔軟性及び伸縮性を示し、
前記第一の材料が、前記第二の材料の機械的強度よりも高い機械的強度を有し、
前記移植可能な医療デバイスが、前記圧着プロファイルから拡張された構成に半径方向に拡張するように構成される、移植可能な医療デバイス。
【請求項2】
前記織物の前記近位端が、前記環状フレームの前記第一の部分の前記近位端に結合され、前記織物の前記遠位端が、前記環状フレームの前記第一の部分の前記遠位端に結合される、請求項1に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項3】
前記第一の材料及び前記第二の材料が少なくとも部分的に重ね合わされている、請求項1又は2に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項4】
前記第一の材料が織られた材料であり、及び/又は前記第二の材料が編まれた材料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項5】
前記第二の材料が、前記第一の材料上に少なくとも部分的に重ねられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項6】
前記第一の材料が、第一の長さ及び第一の幅を有し、前記第一の長さが、前記第一の材料の近位端と遠位端との間で測定され、
前記第二の材料が、第二の長さ及び第二の幅を有し、前記第二の長さが、前記第一の材料の近位端と遠位端との間で測定され、
前記第二の長さが、前記第一の長さと同一であるか、又は異なり、
前記第二の幅が、前記第一の幅と同一であるか、又は異なる、請求項1~5のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項7】
前記第一の幅が前記環状フレームの周囲と実質的に同一であり、
a)前記第二の幅が前記環状フレームの周囲と実質的に同一であるか、又は、
b)前記第二の幅が前記環状フレームの周囲よりも小さい、請求項6に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項8】
前記第一の長さが、前記環状フレームの前記第一の部分の長さと実質的に同一であるか、又は前記第一の長さが、前記環状フレームの前記第一の部分の長さよりも短いか、又は前記第一の長さが、前記環状フレームの前記第一の部分の長さよりも長い、請求項6~7のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項9】
前記第二の長さが前記環状フレームの前記第一の部分の長さと実質的に同一であるか、又は前記第二の長さが前記環状フレームの前記第一の部分の長さよりも短いか、又は前記第二の長さが前記環状フレームの前記第一の部分の長さよりも長い、請求項6~8のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項10】
前記第一の材料及び前記第二の材料が、少なくとも一つの接合領域が形成されるように超音波溶接によって結合される、請求項6~9のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項11】
二つ以上の接合領域が無作為に配置されるか、又は二つ以上の接合領域が所定のパターンで配置される、請求項10に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項12】
接合領域のうちの前記少なくとも一つにおける前記織物の厚さが、前記接合領域の外側の前記織物の厚さとは異なる、請求項10~11のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項13】
前記二つ以上の接合領域が、前記複合材料の長さに沿って、かつ前記環状フレームの周囲に沿って、複数の島として配置される、請求項11~12のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項14】
前記二つ以上の接合領域が、前記少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に前記移植可能な医療デバイスの前記圧着プロファイルが低減されるように、配置される、請求項11~13のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項15】
前記少なくとも一つの接合領域が、前記環状フレームの前記第一の部分の前記近位端に沿っており、及び/又は前記少なくとも一つの接合領域が、前記環状フレームの前記第一の部分の前記遠位端に沿っている、請求項10~14のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項16】
前記織物が、前記複合材料の前記接合領域を通して前記環状フレームの前記第一の部分の前記近位端に結合され、及び/又は前記織物が、前記複合材料の前記接合領域を通して前記環状フレームの前記第一の部分の前記遠位端に結合される、請求項15に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項17】
前記織物が、前記第一の材料及び前記第二の材料が互いに重ならない少なくとも一部分をさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項18】
織られた材料が複数の縦糸及び横糸を含む、請求項4~17のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項19】
前記縦糸及び/又は横糸が、マルチフィラメント糸であり、完全延伸糸、スピンドロー糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、加工糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項18に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項20】
前記縦糸及び/又は横糸が、約5デニール~約200デニールのサイズ、及び約5~約200のフィラメント数を有する、請求項19に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項21】
織られた材料が、約20cN/tex~約500cN/texのテナシティを有する、請求項4~20のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項22】
織られた材料が、水銀柱120mmの圧力で0ml/分/cm
2~約15,000ml/分/cm
2の水の透過性を有する、請求項4~21のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項23】
織られた材料が、その静止した第一の長さにわたって0~約100線形パーセントの弾性的に長手方向の伸縮性を有する、請求項4~22のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項24】
編まれた材料が、水銀柱120mmの圧力で0ml/分/cm
2~約15,000ml/分/cm
2の水の透過性を有する、請求項4~23のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項25】
織られた材料が、その静止した第二の長さにわたって0超~約300線形パーセントの弾性的に長手方向の伸縮性を有する、請求項4~24のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項26】
縦糸及び/又は横糸が、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアリールエーテルケトン、芳香族ポリマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、ポリ尿素、それらのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項18~25のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項27】
縦糸及び/又は横糸が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、UHMWPE、PEEK、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項18~26のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項28】
編まれた材料が、クロッシェ編み及び/又は縦編みの布を含む、請求項18~27のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項29】
編まれた材料が、パイル糸を含む、請求項18~28のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項30】
前記パイル糸が、フラットヤーン、加工糸、又はそれらの組み合わせを含む、請求項29に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項31】
前記パイル糸が、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアリールエーテルケトン、芳香族ポリマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、ポリ尿素、それらのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項29又は30に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項32】
前記パイル糸が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、UHMWPE、PEEK、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項33】
前記環状フレームの表面が、前記織物を含まない第二の部分を有し、前記第二の部分が、前記環状フレームの前記流出端と前記環状フレームの前記第一の部分の前記遠位端との間に延在する、請求項1~32のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項34】
前記織物が、前記環状フレームの外表面上に配置され、外側スカートである、請求項1~33のいずれか一項に記載の移植可能な医療デバイス。
【請求項35】
移植可能な医療デバイスを形成する方法であって、
a)流入端、流出端、及び長手方向軸を有し、複数の支柱を含む環状フレームを提供するステップと、
b)長手方向軸及び横断軸を有し、第一の表面及び反対側の第二の表面によって画定される織物を円周方向に取り付けるステップであって、前記織物の前記長手方向軸が、前記環状フレームの前記長手方向軸と実質的に平行であり、前記織物が近位端及び遠位端を有し、前記環状フレームの第一の部分の周りに円周方向に取り付けられ、前記第一の部分が近位端及び遠位端を有し、前記第一の部分の前記近位端が、前記環状フレームの前記流入端にある、取り付けるステップと、を含み、
前記織物の少なくとも一部分が、一緒に結合された第一の材料及び第二の材料を含む少なくとも一つの複合材料を、前記少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に前記移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、含み、
前記第一の材料が、前記第二の材料の柔軟性及び伸縮性よりも低い柔軟性及び伸縮性を示し、
前記第一の材料が、前記第二の材料の機械的強度よりも高い機械的強度を有し、
前記移植可能な医療デバイスが、前記圧着プロファイルから拡張された構成に半径方向に拡張するように構成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、その内容が参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、2021年4月7日に出願された米国仮特許出願第63/171,746号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、移植可能な拡張可能な人工デバイス、並びにこうした人工デバイスのための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
心臓は、様々な弁膜症又は奇形を患う可能性があり、それらは、心臓の重大な機能不全という結果になり、最終的には自己心臓弁を人工のものに置き換えることを必要とする。ヒトの心臓弁は、大動脈弁、肺動脈弁、僧帽弁、及び三尖弁を含み、ポンプ輸送する心臓と同期して動作する一方向弁として本質的に機能する。弁は、血液が下流に流れることを可能にするが、血液が上流に流れるのを遮断する。罹患した心臓弁は、弁の血流制御能力を阻害する、弁の狭窄又は逆流などの障害を呈する。このような障害は、心臓の血液ポンピング効率を低減させるのであり、衰弱的で生命を脅かす条件となり得る。例えば、弁に機能不全があれば、心臓肥大及び心室の拡張などの状態につながり得る。そのため、障害のある心臓弁を修復又は置換するための方法及び装置を開発する尽力が、広範囲になされている。
【0004】
人工器官は、障害のある心臓弁と関連付けられた問題を是正するために存在する。例えば、機械的及び組織ベースの心臓弁人工器官は、障害のある自己心臓弁を置き換えるために、使用され得る。近年では、置換心臓弁、特に、開心術よりも患者への外傷が少ない状態で送達することができる組織ベースの置換心臓弁の開発に相当な努力がなされてきた。置換弁は、低侵襲性処置、さらには経皮的処置を通して送達されるように設計されている。このような置換弁は、多くの場合、その後に自己弁の弁輪に送達される拡張可能フレームに接続された組織ベースの弁本体を含む。
【0005】
従来の開心手術に関連する欠点のため、経皮的及び低侵襲的な外科的アプローチは、強い注目を集めている。一つの技術では、人工弁は、カテーテル挿入によってはるかに侵襲性の低い処置で移植されるように構成される。例えば、特許文献1~特許文献5(これらは参照により本明細書に組み込まれる)は、カテーテル上に圧縮状態で経皮的に導入可能であり、バルーン膨張によって、又は自己拡張フレーム若しくはステントの利用によって、所望位置に拡張可能である、圧潰可能な経カテーテル心臓弁(THV)が記載されている。さらに別の実施例では、特許文献6~特許文献10(これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、体腔内に配備され人工器官の外部の周りの流体の軸流を防止するために設計された複数のアンカー部材を有する自己拡張フレームを含む、自己僧帽弁を置き換えるための心臓弁人工器官を記載する。
【0006】
経カテーテル心臓弁の重要な設計パラメータは、折り畳まれた又は圧着プロファイルでの直径である。圧着プロファイルでの直径は、医師が大腿動脈又は大腿静脈を通して経カテーテル心臓弁を前進させる能力に対して直接的に影響することのために、重要である。より具体的には、より小さなプロファイルは、安全性を向上させつつ、より多くの患者の処置を可能とする。しかしながら、圧着プロファイルの減少は、追加の課題をもたらし得る。例えば、圧着プロファイルの減少は、弁が周囲の心臓組織と適切にシールし、それ故に弁傍の漏出を防止する能力に影響を与え得る。
【0007】
追加の課題は、例えば、非外傷的な手法で、任意の体の管腔又は体腔内の組織などの管腔内組織に対してこのような人工器官を固設する能力に関する。
【0008】
これらのニーズ及び他のニーズは、本開示によって少なくとも部分的に満たされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,411,522号明細書
【特許文献2】米国特許第6,730,118号明細書
【特許文献3】米国特許第7,393,360号明細書
【特許文献4】米国特許第7,510,575号明細書
【特許文献5】米国特許第7,993,394号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2014/0277390号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2014/0277422号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2014/0277427号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2015/0328000号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2019/0328515号明細書
【発明の概要】
【0010】
本開示の一部の態様は、移植可能な医療デバイスに関する。一部の態様では、本明細書には、移植可能な人工デバイスであって、流入端、流出端、及び長手方向軸を有し、複数の支柱を含む環状フレームと、長手方向軸及び横断軸を有し、第一の表面及び反対側の第二の表面によって画定される織物であって、織物の長手方向軸が、環状フレームの長手方向軸と実質的に平行であり、織物が近位端及び遠位端を有し、環状フレームの第一の部分の周りに円周方向に取り付けられ、第一の部分が近位端及び遠位端を有し、第一の部分の近位端が、環状フレームの流入端にある、織物と、を備え、織物の少なくとも一部分が、一緒に結合された第一の材料及び第二の材料を含む少なくとも一つの複合材料を、少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、含み、第一の材料が、第二の材料の柔軟性及び伸縮性よりも低い柔軟性及び伸縮性を示し、第一の材料が、第二の材料の機械的強度よりも高い機械的強度を有し、移植可能な医療デバイスが、圧着プロファイルから拡張された構成に半径方向に拡張するように構成される、移植可能な人工デバイスが開示されている。
【0011】
また、第一の材料及び第二の材料が少なくとも部分的に重ね合わされる態様も開示される。一部の態様では、第一の材料は織られた材料であり得る。一方、他の態様では、第二の材料は、編まれた材料であり得る。
【0012】
なおもさらなる態様では、第一の材料及び第二の材料は、少なくとも一つの接合領域が形成されるように超音波溶接によって結合され得る。
【0013】
本明細書にはまた、移植可能な医療デバイスを形成する方法であって、a)流入端、流出端、及び長手方向軸を有し、複数の支柱を含む環状フレームを提供するステップと、b)長手方向軸及び横断軸を有し、第一の表面及び反対側の第二の表面によって画定される織物を円周方向に取り付けるステップであって、前記織物の前記長手方向軸が、前記環状フレームの前記長手方向軸と実質的に平行であり、前記織物が近位端及び遠位端を有し、前記環状フレームの第一の部分の周りに円周方向に取り付けられ、前記第一の部分が近位端及び遠位端を有し、前記第一の部分の前記近位端が、前記環状フレームの前記流入端にある、取り付けるステップと、を含み、前記織物の少なくとも一部分が、一緒に結合された第一の材料及び第二の材料を含む少なくとも一つの複合材料を、前記少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に前記移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、含み、前記第一の材料が、前記第二の材料の柔軟性及び伸縮性よりも低い柔軟性及び伸縮性を示し、前記第一の材料が、前記第二の材料の機械的強度よりも高い機械的強度を有し、前記移植可能な医療デバイスが、前記圧着プロファイルから拡張された構成に半径方向に拡張するように構成される、方法が開示されている。
【0014】
本開示の追加の態様は、部分的には、以下の詳細な説明、図、及び特許請求の範囲に記載され、部分的には、詳細な説明から導出されるのであり又は本発明の実施によって学習され得る。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示的及び説明的であり、開示される本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、一態様における例示的な弁の斜視図である。
【
図2】
図2は、一態様における例示的な織物の斜視図である。
【
図3】
図3は、一態様における例示的な織物の斜視図である。
【
図4】
図4は、一態様における例示的な織物の斜視図である。
【
図5】
図5は、人工心臓弁の例示的なフレームを示す。
【
図6】
図6は、人工心臓弁の例示的なフレームを示す。
【
図7】
図7は、人工心臓弁の例示的なフレームを示す。
【
図8】
図8は、人工心臓弁の例示的なフレームを示す。
【
図9】
図9は、人工心臓弁の例示的なフレームを示す。
【
図12】
図12は、一態様における例示的な内側スカートを示す。
【
図13】
図13は、一態様における例示的な人工心臓弁を示す。
【
図14B】14Bは、
図13の例示的な人工心臓弁で使用され得る例示的な外側スカートを示す。
【
図15】
図15は、フレームへの外側スカートの例示的な取り付けを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、以下の詳細な説明、実施例、図面、及び特許請求の範囲、並びにそれらの以前及び以下の説明を参照することによって、より容易に理解することができる。しかしながら、本物品、システム、及び/又は方法が開示及び記載される前に、本発明は、別段の指定がない限り、開示される物品、システム、及び/又は方法の具体的又は例示的態様に限定されず、したがって、当然ながら変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様のみを記載する目的のためのものであり、限定的であることを意図していないことも理解されたい。
【0017】
本発明の以下の説明は、その最良の現在知られている態様における本発明の実現可能にする教示として提供される。この目的のために、関連分野の当業者は、依然として本発明の有益な結果を取得しながら、多くの変更が本明細書に記載される本発明の様々な態様に行われ得ることを認識及び理解するであろう。また、他の特徴を利用することなく、本発明の特徴のうちのいくつかを選択することによって、本発明の所望の利益のうちのいくつかが取得され得ることも明らかであろう。したがって、関連分野の当業者は、本発明に対する多くの修正及び適合が可能であり、特定の状況では望ましくさえもあり得、本発明の一部であることを認識するであろう。したがって、以下の説明は、本発明の原理の限定ではなく、その例示としてさらに提供される。
【0018】
[定義]
本出願及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形を含む。したがって、例えば、文脈が別途明確に示さない限り、「繊維」への言及は、二つ以上のそのような繊維を有する態様を含む。
【0019】
本明細書で使用される場合、「備える」という用語及びその変形は、「含む」という用語及びその変形と同義に使用され、開かれた非限定的な用語である。「備える」及び「含む」という用語は、様々な実施例を説明するために本明細書で使用されているが、「本質的に~からなる」及び「~からなる」という用語は、本発明のより具体的な実施例を提供するために、「備える」及び「含む」の代わりに使用することができ、また開示される。実施例にあるもの以外、又は別途記載される場合、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分、反応条件などの量を表すすべての数は、特許請求の範囲に均等論の適用を制限する試みとしてではなく、少なくとも理解されるべきであり、有効桁数及び通常の丸め方を考慮して解釈される。
【0020】
「例えば」、「例示的」及び「など」という用語、並びにそれらの文法的等価物については、明示的に別段記述されない限り、「限定されるものではないが」という語句が後に続くと理解される。
【0021】
範囲は、本明細書では、「約」一つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表され得る。そのような範囲が表されるとき、別の態様は、一方の特定の値から、及び/又は他方の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表されるとき、「約」という先行詞の使用によって、特定の値が別の態様を形成することが理解されるであろう。各範囲の端点が、他の端点に対して、及び他の端点とは独立しての両方において重要であることが、さらに理解されるべきである。
【0022】
同様に、値が近似値として表現される場合、「約」という先行詞の使用によって、特定の値が別の態様を形成することが理解されるであろう。各範囲の端点が、他の端点に対して、及び他の端点とは独立しての両方において重要であることが、さらに理解されるであろう。別段記述されない限り、「約」という用語は、「約」という用語によって修飾された特定の値の5%以内(例えば、2%又は1%以内)を意味する。
【0023】
本開示の全体を通して、本発明の様々な態様を、範囲形式で提示することができる。範囲形式の説明は、便宜性及び簡潔性のためにすぎず、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内の全ての可能な部分範囲並びに個々の数値を具体的に開示しているとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、6、並びにそれらの間の任意の全体的及び部分的増分を具体的に開示しているとみなされるべきである。これは、範囲の幅にかかわらず適用される。
【0024】
本明細書で使用される場合、「任意選択的な」又は「任意選択的に」という用語は、後に記載される事象又は状況が、生じてもよく又は生じなくてもよく、説明が、当該事象又は状況が生じる事例及び生じない事例を含むことを、意味する。
【0025】
さらに、「結合される」及び「関連付けられる」という用語は、概して、電気的、電磁的、及び/又は物理的に(例えば、機械的若しくは化学的に)結合又は連結されることを意味し、結合された又は関連付けられた事項間の中間要素の存在を除外しない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「有効」、「有効量」、又は「に有効な条件」という用語又は語句は、有効量又は条件が表される機能又は性質を実施することが可能であるような量又は条件を指す。以下に指摘されるように、必要とされる正確な量又は特定の条件は、採用される材料及び観察される処理条件などの認識された変数に応じて、態様によって変化するであろう。したがって、正確な「有効量」又は「に有効な条件」を指定することは、必ずしも可能とは限らない。しかしながら、適切な有効量は、日常的な実験のみを使用して、当業者によって容易に決定されることを理解されたい。開示される方法の例示的態様の動作は、便宜的な提示のために、特定の連続的な順序で記載され得るが、開示される態様は、開示される特定の連続的な順序以外の動作順序を包含し得ることを理解されたい。例えば、連続的に記載される動作は、場合によっては、再配列されるか、又は同時に実施され得る。さらに、一つの特定の態様に関連して提供される説明及び開示は、その態様に限定されないのであり、開示される任意の態様に適用され得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「繊維」という用語は、極度又は不定の長さの繊維(すなわち、フィラメント)及び短い長さの繊維(すなわち、短繊維)を含む。
【0028】
当然のことながら、要素が別の要素に「接続」又は「結合」されていると称される場合、他の要素に直接接続若しくは結合されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素に「直接接続」又は「直接結合」されていると称される場合、介在する要素が存在しない。要素又は層間の関係を説明するために使用される他の語は、同様の様式で解釈されるべきである(例えば、「間に」対「直接的に間に」、「隣接」対「直接的に隣接」、「上に」対「直接上に」)。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列記された事項のうちの一つ以上のあらゆる組み合わせを含む。
【0029】
しかし、「第一の」、「第二の」などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクション、及び/又は工程を説明するために本明細書で使用され得ることが理解されるであろう。これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクション、及び/又は工程は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、構成要素、領域、層、又はセクションを、別の要素、構成要素、領域、層、セクション、又は工程と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で論じられる第一の要素、構成要素、領域、層、セクション、又は工程は、例示的態様の教示から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、セクション、又は工程と称され得る。
【0030】
「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」、及び同等物などの空間的に相対的な用語は、図に図示される一つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係を記載する説明を容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描写される配向に加えて、使用又は動作時のデバイスの異なる配向を包含することを意図していることが理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転される場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」として記載される要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向されるであろう。したがって、「下方」という用語は、上方及び下方の配向の両方を包含することができる。本デバイスは、(90度回転されて、又は他の配向で)別様に配向されてもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0031】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、後に記載される事象若しくは状況が完全に生じるか、又は後に記載される事象若しくは状況が、概して、典型的には、若しくは近似的に生じることを意味する。
【0032】
なおもさらに、一部の態様では、「実質的に」という用語は、実質的にが使用されてある量を特徴付けるか、又は他の方法で定量化する、記載された特性、構成要素、組成物、又は他の状態の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%を指し得る。
【0033】
他の態様では、本明細書で使用される場合、実質的に存在しない組成物又は組成物の成分の文脈で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、記載された成分が意図的にバッチ処理されて組成物に添加されていないが、組成物に添加される他の成分と共に不純物として存在し得ることを示すことが意図される。こうした態様では、「実質的に含まない」という用語は、バッチ処理された成分内に存在し得るわずかな量を指すことが意図され、例えば、組成物の総重量に基づいて、記載された材料の約1重量%未満の量、例えば、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、約0.05重量%未満、又は約0.01重量%未満で存在し得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、例えば「実質的に同一」又は「実質的に類似」という文脈における、「実質的に」という用語は、比較される方法、システム、又は成分と類似することによって、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%である方法若しくはシステム、又は成分を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「実質的に同一の参照組成物」又は「実質的に同一の参照物品」という用語は、本発明の構成要素の非存在下で実質的に同一の構成要素を含む参照組成物又は物品を指す。別の例示的な態様では、例えば「実質的に同一の参照組成物」という文脈における、「実質的に」という用語は、実質的に同一の構成要素を含み、発明の構成要素が当技術分野で一般的な構成要素で置換された、参照組成物を指す。例えば、実質的に同一の参照シースは、実質的に同一の構成要素を含むが、説明される通りの少なくとも一つの複合材料が存在しない、シースを含み得る。
【0036】
さらに、簡単にするために、添付図は、開示されるシステム、方法、及び装置を、他のシステム、方法、及び装置と組み合わせて使用することができる、様々な方法(本開示に基づいて、当業者によって容易に認識できる)を示さない場合がある。加えて、本説明は、時として、開示される方法を説明するために、「生産する」及び「提供する」などの用語を使用する。これらの用語は、実施され得る実際の動作の高レベル抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装に応じて変化し得、本開示に基づいて、当業者によって容易に認識できる。
【0037】
[移植可能な医療デバイス]
本開示の態様は、移植可能な医療デバイスを指す。当技術分野で既知の任意の医療デバイスは、本明細書に開示される特徴を有し得る。しかしながら、一部の態様では、本明細書に開示される移植可能な人工デバイスは、心臓弁を指す。
【0038】
特定の態様では、本明細書には、移植可能な医療デバイスであって、流入端、流出端、及び長手方向軸を有し、複数の支柱を含む環状フレームと、長手方向軸及び横断軸を有し、第一の表面及び反対側の第二の表面によって画定される織物であって、織物の長手方向軸が、環状フレームの長手方向軸と実質的に平行であり、織物が近位端及び遠位端を有し、環状フレームの第一の部分の周りに円周方向に取り付けられ、第一の部分が近位端及び遠位端を有し、第一の部分の近位端が、環状フレームの流入端にある、織物と、を備え、織物の少なくとも一部分が、一緒に結合された第一の材料及び第二の材料を含む少なくとも一つの複合材料を、少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、含み、第一の材料が、第二の材料の柔軟性及び伸縮性よりも低い柔軟性及び伸縮性を示し、第一の材料が、第二の材料の機械的強度よりも高い機械的強度を有し、移植可能な医療デバイスが、圧着プロファイルから拡張された構成に半径方向に拡張するように構成される、移植可能な医療デバイスが開示されている。
【0039】
なおもさらなる態様では、移植可能な医療デバイスは、移植可能な人工弁である。その上なおもさらなる態様では、移植可能な人工弁は、以下に開示される心臓弁のいずれかである。
【0040】
図1は、一態様による、例示的な人工心臓弁10を示す。図示される人工弁は、自己大動脈弁輪に移植されるように適合されているが、他の態様では、心臓の他の自己弁輪(例えば、肺動脈弁、僧帽弁、及び三尖弁)に移植されるように適合され得る。人工弁はまた、体内の他の管状器官又は通路に移植されるように適合され得る。人工弁10は、四つの主要な構成要素:環状ステント又はフレーム12、弁構造14、内側スカート16、及び例示的な弁周囲外側シール部材又は外側スカート18を有することができる。例示的な人工弁10は、流入端部分15、中間部分17、及び流出端部分19を有する。
【0041】
一部の態様では、以下で詳細に開示されるように、織物は、内側スカートとして、外側スカートとして、又はその両方として使用されることができる。
【0042】
一部の態様では、内側スカート16は、環状フレーム12の内表面上に取り付けられる。なおも、他の態様では、外側スカート18は、環状フレーム12の外表面上に取り付けられ得る。
【0043】
なおもさらなる態様では、外側シール部材18は、近位端1802及び遠位端1804を有し、環状フレーム12の外表面の第一の部分の周りに円周方向に取り付けられ、外表面の第一の部分1806は、近位端及び遠位端を有し、第一の部分の近位端は、環状フレーム12の流入端15にある。本明細書に開示される態様では、例えば、環状フレームの第一の部分1806は、環状フレームの流入端15とフレームの中間部分17の開始との間にあり得る。第一の部分1806はまた、近位端1806a及び遠位端1806bによって画定される。
【0044】
なおもさらなる態様では、環状フレームはまた、外側シール部材を含まず、環状フレームの流出端19と第一の部分1806bの遠位端との間に延在する、第二の部分1820を有する。
【0045】
弁構造14は、三尖配設で圧潰するように配設され得る、弁尖構造を集合的に形成する三つの弁尖を備えることができる。弁尖構造14の下縁は、起伏のある湾曲したホタテガイ形状を有することが望ましい(図示せず)。このホタテガイの幾何学形状で弁尖を形成することにより、弁尖にかかる応力が低減され、これにより、人工弁の耐久性が向上する。さらに、ホタテガイ形状により、それらの領域で早期の石灰化を生じ得る各弁尖の腹部(各弁尖の中心領域)でのひだ及びしわを、除去又は少なくとも最小限にし得る。ホタテガイの幾何学形状はまた、弁尖構造を形成するために使用される組織材料の量を減少させ、それによって、人工弁の流入端におけるより小さく、より均等な圧着プロファイルを可能にする。弁尖14は、心膜組織(例えば、ウシ心膜組織)、生体適合性合成材料、又は当技術分野で既知であり、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2に記載されている、様々な他の好適な天然若しくは合成材料から形成され得る。
【0046】
医療用の移植可能なデバイスの当技術分野で既知の任意の環状フレームを使用することができる。むき出しの、例示的な、及び非限定的なフレーム12を
図5に示す。フレーム12は、弁構造14の交連をフレームに装着するように適合された、複数の円周方向に離隔したスロット又は交連窓20(図示された非限定的な態様では三つ)を伴って形成され得る。フレーム12は、当技術分野で既知である、様々な好適な塑性的拡張可能材料(例えば、ステンレス鋼など)又は自己拡張式材料(例えば、ニチノールなどのニッケルチタン合金(NiTi))のいずれかから作製され得る。塑性的拡張可能材料から構築される場合、フレーム12(したがって、人工弁10)は、送達カテーテル上で半径方向に圧潰した構成に圧着され、次いで、膨張可能バルーン又は同等の拡張機構によって患者の内側で拡張され得る。自己拡張可能材料から構築される場合、フレーム12(したがって、人工弁10)は、半径方向に圧潰した構成に圧着され、送達カテーテルのシース又は同等の機構内への挿入によって圧潰した構成で拘束され得る。いったん身体の内側に入ると、人工弁を送達シースから前進させることができ、これは、人工弁がその機能的サイズに拡張することを可能にする。
【0047】
フレーム12を形成するために使用され得る好適な塑性的拡張可能材料としては、ステンレス鋼、生体適合性高強度合金(例えば、コバルト-クロム若しくはニッケル-コバルト-クロム合金)、ポリマー、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の態様では、フレーム12は、UNS R30035合金(ASTM F562-02によって被覆される)と同等である、MP35N(登録商標)合金(SPS Technologies、Jenkintown,Pennsylvania)などのニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金で作製される。MP35N(登録商標)合金/UNS R30035合金は、重量で35%のニッケル、35%のコバルト、20%のクロム、及び10%のモリブデンを含む。フレーム12を形成するためにMP35N(登録商標)合金を使用することで、ステンレス鋼よりも優れた構造結果が提供されることが見出された。特に、MP35N(登録商標)合金がフレーム材料として使用される場合、半径方向破砕力抵抗、耐疲労性、及び耐腐食性において、同じ又はより良好な性能を達成するために必要な材料がより少ない。さらに、より少ない材料が必要とされるため、フレームの圧着プロファイルが削減され得、それによって、身体内の治療場所に経皮的に送達するためのより小さいプロファイルの人工弁アセンブリを提供する。
【0048】
なおもさらなる態様では、本明細書に開示されるように、環状フレームは、複数の支柱をさらに含む。
図5及び
図6を参照すると、例示的なフレーム12は、フレームの流入端で端と端を接して配置され、円周方向に延在する角度付き支柱22の第一の下側の列Iと、円周方向に延在する角度付き支柱24の第二の列IIと、円周方向に延在する角度付き支柱26の第三の列IIIと、円周方向に延在する角度付き支柱28の第四の列IVと、フレームの流出端で円周方向に延在する角度付き支柱32の第五の列Vと、を含み得る。複数の実質的に直線の軸方向に延在する支柱34を使用して、第一の列Iの支柱22を第二の列IIの支柱24と相互接続することができる。角度付き支柱32の第五の列Vは、複数の軸方向に延在する窓フレーム部分30(これは、交連窓20を画定する)及び複数の軸方向に延在する支柱31によって、角度付き支柱28の第四の列IVに接続される。各軸方向支柱31及び各フレーム部分30は、二つの角度付き支柱32の下端の収束によって画定される位置から、二つの角度付き支柱28の上端の収束によって画定される別の位置まで延在する。
図7、8、9、10、及び11は、
図6のA、B、C、D、及びEという文字によってそれぞれ識別されるフレーム12の部分の拡大図である。
【0049】
各交連窓フレーム部分30は、弁尖構造14のそれぞれの交連を取り付ける。見ることができるように、各フレーム部分30は、その上端及び下端で、支柱の隣接する列に固定され、弁尖構造の交連を支持するための既知の片持ち支柱と比較して、人工弁の周期的負荷下での耐疲労性を強化する堅牢な構成を提供する。この構成により、フレーム壁厚さの減少が可能になり、人工弁のより小さな圧着直径が達成される。特定の態様では、内径と外径との間で測定されるフレーム12(
図5)の厚さTは約0.48mm以下である。
【0050】
フレームの支柱及びフレーム部分は、フレームの複数のオープンセルを集合的に画定する。フレーム12の流入端で、支柱22、支柱24、及び支柱34は、開口部36を画定するセルの、下側の列を画定する。第二の列の支柱24、第三の列の支柱26、及び第四の列の支柱28は、開口部38を画定するセルの、二つの中間列を画定する。第四の列の支柱28及び第五の列の支柱32は、フレーム部分30及び支柱31と共に、開口部40を画定するセルの、上側の列を画定する。開口部41は比較的大きく、圧着プロファイルを最小化するためにフレーム12が圧着された時に、弁尖構造14の部分が開口部40内へ、及び/又は開口部40を通って突出又は膨らむことを可能にするサイズである。
【0051】
図8に最もよく示されるように、支柱31の下端は、ノード又は接合部44で二つの支柱28に接続され、支柱31の上端は、ノード又は接合部46で二つの支柱32に接続される。支柱31は、接合部44、46の厚さS
2よりも小さい厚さS
1を有し得る。接合部44、46は、接合部64と共に、開口部40の完全な閉鎖を妨げる。支柱31、及び接合部44、46、及び64の幾何学形状は、圧潰した構成の開口部41に十分な空間を作り出して、人工弁尖の部分が開口部を通して外向きに突出又は膨らむことを可能にすることを助ける。これにより、人工弁を、全ての弁尖材料が圧着されたフレーム内に拘束される場合よりも比較的より小さい直径に圧着することができる。
【0052】
フレーム12は、特に、弁尖構造14を支持するフレームの流出端部分において、所定のバルーン圧力での人工弁の可能性のある過度の拡張を低減、防止、又は最小化するように構成される。一態様では、フレームは、
図6に示すように、支柱の間に比較的より大きな角度42a、42b、42c、42d、42eを有するように構成される。角度がより大きいほど、フレームを開く(拡張する)ために、より大きな力を必要とする。そのため、フレームの支柱の間の角度は、所与の開く圧力(例えば、バルーンの膨張圧力)におけるフレームの半径方向の拡張を制限するように選択することができる。特定の態様では、これらの角度は、フレームがその機能的サイズに拡張された時、少なくとも110度以上であり、さらに具体的には、これらの角度は、フレームがその機能的サイズに拡張された時、最大で約120度である。
【0053】
さらに、環状フレームの流入端15及び流出端19は、一般に、人工弁を拡張するために使用されるバルーンの「ドッグボーニング(dog-boning)」効果のために、フレームの中央部分よりも過剰に拡張する傾向がある。弁尖構造14の過度の拡張から保護するため、弁尖構造は、
図1に最もよく示すように、上側の列の支柱32の下方で、フレーム12に固定されることが望ましい。したがって、フレームの流出端が過度に拡張する場合、弁尖構造は、過度の拡張が起こる可能性の高い箇所の下方のレベルに位置付けられ、それにより、過度の拡張から弁尖構造を保護する。
【0054】
既知の人工弁構造では、弁尖がフレームの遠位端に近すぎるように取り付けられる場合、人工弁が圧着されるとき、弁尖の部分はフレームの流出端を越えて長手方向に突出し得る。圧着した人工弁が取り付けられる送達カテーテルが、(例えば、送達カテーテル上の圧着した人工弁の位置を維持するために)人工弁の流出端に押し付けるか又は当接する押し付け機構又は停止部材を含む場合、押し付け部材又は停止部材は、フレームの流出端を越えて延在する露出した弁尖の部分を損傷し得る。フレームの流出端から離れた位置に弁尖を取り付けることの別の利点は、人工弁が送達カテーテル上に圧着される時、弁尖ではなくフレーム12の流出端が、人工弁10の最も近位の構成要素であることである。このように、送達カテーテルが、人工弁の流出端に押し付けるか又は当接する押し付け機構又は停止部材を含む場合、押し付け機構又は停止部材は、弁尖への損傷を避けるように、弁尖ではなく、フレームの流出端に接触する。
【0055】
また、
図6に見ることができるように、フレーム内の開口部の最下列の開口部36は、開口部の二つの中間列の開口部38よりも比較的より大きい。これにより、フレームは、圧着されたときに、人工弁の流出端における最大直径から人工弁の流入端における最小直径まで先細りする全体的な先細り形状をとることができる。圧着された時、フレーム12は、外側スカート18によって覆われるフレームの領域に一般的に対応するフレームの流入端に隣接するフレームの一部分に沿って延在する、直径が減少した領域を有する。繰り返しになるが、本明細書に示すフレーム12は例示的かつ非限定的であることが理解される。
【0056】
内側スカート16の主な機能は、弁構造14をフレーム12に固定することを助けること、及び、弁尖の下縁の下方にあるフレーム12のオープンセルを通る血流を遮断することによって、人工弁と自己弁輪との間に良好なシールを形成することを助けることである。内側スカート16は、望ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの強靭な耐裂性材料を含むが、他の様々な合成材料又は天然材料(例えば、心膜組織)を使用することができる。スカートの厚さは望ましくは、約0.15mm(約6mil)未満、望ましくは、約0.1mm(約4mil)未満、さらにより望ましくは、約0.05mm(約2mil)である。特定の態様では、内側スカート16は、可変厚さを有し得、例えば、スカートは、その中心よりもその縁の少なくとも一つでより厚くなり得る。一つの実装では、内側スカート16は、その縁で約0.07mm、その中心で約0.06mmの厚さを有するPETスカートを備え得る。スカートがより薄ければ、より良好な圧着性能が提供される一方、良好な弁周囲シールを依然提供することができる。
【0057】
一部の態様では、直径が減少した領域は、外側スカート18が人工弁の全体的な圧着プロファイルを増加させないように、フレームの上側部分(外側スカートによって覆われていない)の直径と比較して、低減される。人工弁が展開されると、フレームは、
図5に示す概して円筒の形状に拡張され得る。一実施例では、26mmの人工弁のフレームは、圧着された時、人工弁の流出端で14フレンチの第一の直径、及び人工弁の流入端で12フレンチの第二の直径を有する。
【0058】
内側スカート16は、縫合により、フレーム12の内側に固定され得る。弁構造14は、例えば、しっかりした縫合を可能にし、かつ弁尖構造の心膜組織を裂傷から保護する、以下で論じる薄いPET補強ストリップなどの一つ以上の補強ストリップ(集合的にスリーブを形成することができる)を介してスカートに取り付けられてもよい。弁構造14は、スカート16とこれらの補強ストリップとの間に挟まれ得る。追加的な縫合糸を使用して、PETストリップ及び弁尖構造14をスカート16に固定することができ、Ethibond Excel(登録商標)PET縫合糸(Johnson&Johnson、ニュージャージー州ニューブランズウィック)などの任意の適切な縫合糸とすることができる。
【0059】
既知の布の内側スカートは、互いに垂直に延在し、スカートの上縁と下縁との間に長手方向に延在する繊維の一つのセットを有する、縦糸及び横糸の繊維の織りを含み得る。内側スカートの布が固定される金属フレームが半径方向に圧縮されると、フレームの全体的な軸方向長さが増加する。残念なことに、弾性が限定された内側スカートは、フレームに沿って伸張することができず、したがって、フレームの支柱を変形させ、均一な圧着を妨げる傾向がある。
【0060】
本明細書に開示される目的に適した当技術分野で既知の任意の布は、内側スカートとして使用され得る。例示的かつ非限定的な内側スカート16を
図12に示す。本明細書に開示される例示的な内側スカート16は、第一のセットの繊維、又は糸若しくはストランド78、及び第二のセットの繊維、又は糸若しくはストランド80から織られてもよく、その両方は、スカートの上縁82及び下縁84に対して非垂直である。特定の態様では、第一のセットの繊維78及び第二のセットの繊維80は、上縁及び下縁82、84に対して約45度の角度で延在する。別の方法として、第一のセットの繊維78及び第二のセットの繊維80は、上縁82及び下縁84に対して約45度以外の角度で、例えば、上縁82及び下縁84に対してそれぞれ15度及び75度の角度で、又はそれぞれ30度及び60度の角度で延在する。例えば、内側スカート16は、繊維を布の上縁及び下縁に対して45度の角度で織ることによって形成され得る。別の方法として、内側スカート16は、繊維がスカートの切断された上縁及び下縁に対して45度の角度で延びるように、垂直に織られた布(繊維が材料の縁に対して垂直に延びる場合)から斜めに切断(バイアスで切断)され得る。
図12にさらに示すように、内側スカートの対向する短い縁86、88は、例えば、上縁82及び下縁84に対して非垂直であり得る。別の実施例では、短い縁86及び/又は88は、上縁及び下縁に対して約45度の角度で延在してもよく、したがって、第一のセットの繊維78と整列される。したがって、内側スカートの全体的な一般的な形状は、菱形又は平行四辺形である。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、内側スカートが圧着及び拡張中に寸法変化を見る際に、45度の角度配向は、剛直な織布に対する寸法コンプライアンスを提供することができることが注目される。
【0061】
上縁及び下縁に対する繊維の角度付き配向に起因して、内側スカートは、軸方向(すなわち、上縁82から下縁84への方向)により大きい伸長を受けることができる。したがって、金属フレーム12が圧着される時、内側スカート16は、フレームに沿って軸方向で伸長することができ、そのため、より均一で予測可能な圧着プロファイルを提供することができる。図示した態様の金属フレームの各セルは、圧着時に軸方向に向かって回転する少なくとも四つの角度付き支柱を含む(例えば、角度付き支柱はフレームの長さとより整列するようになる)。各セルの角度付き支柱は、スカートの繊維を支柱と同じ方向に回転させるための機構として機能し、支柱の長さに沿ってスカートを伸長することを可能にする。これにより、スカートの伸長がより大きくなることが可能になり、人工弁が圧着された時の、支柱の望ましくない変形が回避される。
【0062】
さらに、織られた繊維又は糸の間の間隔を増大させて、軸方向へのスカートの伸長を促進することができる。例えば、20デニールの糸から形成されるPET内側スカート16については、糸密度は、典型的なPETスカートよりも約15%~約30%低くなり得る。一部の実施例では、内側スカート16の糸間隔は、1cmあたり約60本(1インチあたり約155本)~1cmあたり約70本(1インチあたり約180本)、例えば、1cmあたり約63本(1インチあたり約160本)であり得、一方、典型的なPETスカートでの糸間隔は、1cmあたり約85本(1インチあたり約217本)~1cmあたり約97本(1インチあたり約247本)であり得る。傾斜した縁86、88は、布の束ねを低減又は最小化して、最小限の直径への均一な圧着を容易にするように、圧着中にフレームの内周に沿って布材料の均一かつ均等な分布を促進する。さらに、斜めの縫合を垂直に切断することで、切断された縁に沿って緩いフリンジを残す場合がある。傾斜した縁86、88は、これの発生を最小限にするのに役立つ。典型的なスカート(スカートの上縁及び下縁に対して垂直に走る繊維)の構造と比較して、内側スカート16の構造は、フレーム支柱の望ましくない変形を回避し、フレームのより均一な圧着を提供する。
【0063】
代替的な態様では、内側スカートは、人工弁を圧着する間に軸方向に伸張することができる、織られた弾性繊維から形成され得る。縦糸及び横糸の繊維は、垂直に、かつスカートの上縁及び下縁に対して平行に走り得、又は別の方法として、それらは、上述したように、スカートの上縁及び下縁に対して0度~90度の角度で延在し得る。
【0064】
特定の態様では、本明細書に開示される複合材料を含む織物はまた、内側スカートとして使用され得る。こうした態様では、織物は環状フレームの内表面上に配置され得る。なおもさらなる態様では、本明細書に開示される複合材料を含む本明細書に開示される織物は、内側スカート及び外側スカートとして同時に使用されるように構成され得る。こうした例示的及び非限定的な態様では、複合材料は、第一の材料が環状フレームの内表面上に配置され、第二の材料が環状フレームの外表面上に配置されるように構成され得る。こうした態様では、環状フレームは、第一の材料と第二の材料との間に挟まれ得る。なおもさらなる態様では、第一及び第二の材料は、以下に開示する任意の手段によって互いに結合され得る。こうした例示的な態様では、第一及び第二の材料は、フレーム上への取り付け後に結合され得ることが理解される。なおもさらなる態様では、本明細書に開示される複合材料を含む織物は、環状フレームの外表面上に配置されてもよく、外側スカートである。その上なおもさらなる態様では、外側スカートは、弁傍の漏れを防止するように構成されたシール部材である。
【0065】
本明細書に開示される織物が外側スカートである態様では、織物の近位端は、環状フレームの第一の部分の近位端1806aに結合され得る。さらに他の態様では、織物の遠位端は、環状フレームの第一の部分の遠位端1806bに結合され得る(例えば、
図13に示すように)。
【0066】
特定の態様では、第一及び第二の材料は、少なくとも部分的に重ね合わせることができる。複合材料の一部の例示的な構成を
図2~
図4に示す。
【0067】
特定の態様では、第二の材料は第一の材料上に重ねられる。さらに他の態様(図示せず)では、第一の材料を第二の材料上に重ねることができることが理解される。また、当然のことながら、二つの材料は、任意のパターン又は構成で互いに重ね合わせることができる。当然のことながら、第一の材料及び第二の材料は、第一の材料の伸縮性及び柔軟性が第二の材料の伸縮性及び柔軟性よりも低く、かつ/又は第一の材料の機械的強度が第二の材料の機械的強度よりも大きい限り、考察された目的に好適な、かつ当技術分野で既知の任意の材料を含むことができる。
【0068】
一部の例示的及び非限定的な態様では、第一の材料は織られた材料であり得る。一方、他の態様では、第二の材料は、編まれた材料であり得る。
【0069】
有用な織りパターンには、単純な織り、バスケット織り、斜文織り、朱子織り、ベロア織り、二重ベロア織り、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。なおもさらなる例示的な態様では、織られた材料はベロアである。有用な編みパターンには、ロックニットパターン、リバースロックニットパターン、ベロアパターン、二重ベロアパターン、1本の針のオーバーラップを有する少なくとも2本針のアンダーラップを有する高伸縮性の編みパターン、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。なおもさらなる態様では、編まれた材料は、クロッシェ編み又は縦編みの布である。
【0070】
一部の態様では、織られた材料及び/又は編まれた材料は単層である。一方、他の態様では、織られた材料及び/又は編まれた材料は多層である。
【0071】
なおもさらなる態様では、織られた材料は、複数の縦糸及び横糸を含み得る。こうした態様では、縦糸及び/又は横糸は、完全延伸糸、スピンドロー糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、加工糸、又はそれらの任意の組み合わせとすることができる。さらに他の態様では、本明細書に開示される又はその他の既知の糸の任意の組み合わせを利用することができる。特定の態様では、織られた材料は、内側スカート16で使用するための上記に開示された材料とすることができる。
【0072】
なおもさらなる態様では、横糸及び/又は縦糸は、所望の用途に適した任意のサイズを有し得る。例えば、及び限定されるものではないが、縦糸は、約5デニール~約200デニールのサイズを有することができ、約7デニール、約10デニール、約12デニール、約15デニール、約18デニール、約20デニール、約22デニール、約25デニール、約28デニール、約30デニール、約32デニール、約35デニール、約38デニール、約40デニール、約42デニール、約45デニール、約48デニール、約50デニール、約52デニール、約55デニール、約58デニール、約60デニール、約65デニール、約70デニール、約75デニール、約80デニール、約85デニール、約90デニール、約95デニール、約100デニール、約120デニール、約130デニール、約140デニール、約150デニール、及び約180デニールの例示的な値を含む。当然のことながら、糸は、任意の二つの前述の値の間に含まれる任意のデニール値を有し得る。
【0073】
なおもさらなる態様では、横糸及び/又は縦糸は、任意のフィラメント数を有し得る。例えば、及び限定されるものではないが、本明細書で使用される横糸及び/又は縦糸は、約5~約200のフィラメント数を有することができ、約6、約7、約8、約9、約10、約12、約15、約18、約20、約22、約25、約28、約30、約32、約35、約38、約40、約42、約45、約48、約55、約52、約55、約58、約60、約62、約65、約68、約70、約72、約75、約78、約80、約82、約85、約88、約90、約92、約95、及び約98、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、及び約190の例示的な値を含む。当然のことながら、糸は、任意の二つの前述の値の間に含まれる任意のフィラメント数を有し得る。なおもさらなる態様では、横糸及び/又は縦糸は、200を超えるフィラメント数を有することができ、例えば、これは、220、250、280、300、又は350を超える数であり得る。この場合も、特定のフィラメント数は、所望の圧着プロファイル及びPVLシールに基づいて決定され得ることが理解される。
【0074】
なおもさらなる態様では、横糸及び/又は縦糸は、約5デニール~約200デニールのサイズとすることができ、約7デニール、約10デニール、約12デニール、約15デニール、約18デニール、約20デニール、約22デニール、約25デニール、約28デニール、約30デニール、約32デニール、約35デニール、約38デニール、約40デニール、約42デニール、約45デニール、約48デニール、約50デニール、約52デニール、約55デニール、約58デニール、約60デニール、約65デニール、約70デニール、約75デニール、約80デニール、約85デニール、約90デニール、約95デニール、約100デニール、約120デニール、約130デニール、約140デニール、約150デニール、及び約180デニールの例示的な値を含み、並びに、約5~約200のフィラメント数とすることができ、約6、約7、約8、約9、約10、約12、約15、約18、約20、約22、約25、約28、約30、約32、約35、約38、約40、約42、約45、約48、約55、約52、約55、約58、約60、約62、約65、約68、約70、約72、約75、約78、約80、約82、約85、約88、約90、約92、約95、及び約98、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、及び約190の例示的な値を含む。
【0075】
一部の例示的及び非限定的な態様では、縦糸及び/又は横糸は、撚糸及び/又はフラットヤーンと、加工糸との組み合わせによって形成されることができ、撚糸及び/又はフラットヤーンは、約5デニール~約60デニールのサイズを有することができ、約7デニール、約10デニール、12デニール、約15デニール、約18デニール、約20デニール、約22デニール、約25デニール、約28デニール、約30デニール、約32デニール、約35デニール、約38デニール、約40デニール、約45デニール、約50デニール、約55デニール、及び約58デニールの例示的な値を含み、加工糸は、約20デニール~約160デニールのサイズを有し、約30デニール、約40デニール、約50デニール、約60デニール、約70デニール、約80デニール、約90デニール、約100デニール、約120デニール、約130デニール、約140デニール、及び約150デニールの例示的な値を含む。
【0076】
なおもさらなる態様では、織られた材料は、約20cN/tex~約500cN/texのテナシティを有することができ、約22cN/tex、約25cN/tex、約28cN/tex、約30cN/tex、約32cN/tex、約35cN/tex、約38cN/tex、約40cN/tex、約42cN/tex、約45cN/tex、約48cN/tex、約50cN/tex、約52cN/tex、約55cN/tex、約58cN/tex、約60cN/tex、約62cN/tex、約65cN/tex、約68cN/tex、約70cN/tex、約72cN/tex、約75cN/tex、約80cN/tex、d約82cN/tex、約85cN/tex、約90cN/tex、約95cN/tex、約100cN/tex、約110cN/tex、約150cN/tex、約180cN/tex、約200cN/tex、約220cN/tex、約250cN/tex、約280cN/tex、約300cN/tex、約320cN/tex、約350cN/tex、約380cN/tex、約400cN/tex、約420cN/tex、約450cN/tex、及び約480cN/texの例示的な値を含む。当然のことながら、糸は、前述の任意の二つの値の間の任意のテナシティ値を有し得る。
【0077】
なおもさらなる態様では、織られた材料は、水銀柱120mmの圧力で0ml/分/cm2~約15000ml/分/cm2の水の透過性を有することができ、約5ml/分/cm2、約10ml/分/cm2、約20ml/分/cm2、約30ml/分/cm2、約40ml/分/cm2、約50ml/分/cm2、約70ml/分/cm2、約100ml/分/cm2、約120ml/分/cm2、約150ml/分/cm2、約170ml/分/cm2、約200ml/分/cm2、約220ml/分/cm2、約250ml/分/cm2、約270ml/分/cm2、約300ml/分/cm2、約320ml/分/cm2、約350ml/分/cm2、約370ml/分/cm2、約400ml/分/cm2、約420ml/分/cm2、約450ml/分/cm2、約470ml/分/cm2、約500ml/分/cm2、約600ml/分/cm2、約700ml/分/cm2、約800ml/分/cm2、約900ml/分/cm2、約1,000ml/分/cm2、約1,500ml/分/cm2、約2,000ml/分/cm2、約3,000ml/分/cm2、約4,000ml/分/cm2、約5,000ml/分/cm2、約6,000ml/分/cm2、約7,000ml/分/cm2、約8,000ml/分/cm2、約9,000ml/分/cm2、約10,000ml/分/cm2、約11,000ml/分/cm2、約12,000ml/分/cm2、約13,000ml/分/cm2、及び約14,000ml/分/cm2の例示的な値を含む。
【0078】
なおもさらなる態様では、織られた材料は、その静止した第一の長さにわたって0~約100線形パーセントの弾性的に長手方向の伸縮性を有することができ、その静止した第一の長さにわたって、約1、約2、約5、約8、約10、約12、約15、約18、約20、約22、約25、約28、約30、約32、約35、約38、約40、約42、約45、約48、約50、約52、約55、約58、約60、約62、約65、約68、約70、約72、約75、約78、約80、約82、約85、約88、約90、約92、約95、約98線形パーセントの例示的な値を含む。さらに他の態様では、織られた材料は、その静止した第一の長さにわたって約100線形パーセント未満の弾性的に長手方向の伸縮性を有することができ、その静止した第一の長さにわたって、約90、約80、約70、約60、約50、約40、約30、約20、及び約10線形パーセント未満の例示的な値を含む。
【0079】
なおもさらなる態様では、織られた材料の縦糸及び/又は横糸は、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアリールエーテルケトン、芳香族ポリマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、ポリ尿素、それらのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含み得る。さらに他の態様では、織られた材料の縦糸及び/又は横糸は、生体適合性熱可塑性ポリマーを含むことができる。なおも、他の態様では、織られた材料の縦糸及び/又は横糸は、生体適合性非再吸収性ポリマーを含むことができる。なおも、一部の他の実施例では、縦糸及び/又は横糸は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、UHMWPE、PEEK、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを含み得る。なおもさらに、任意の他の好適な天然繊維若しくは合成繊維、又はそれらの任意の組み合わせを使用することができる。なおもさらなる態様では、織られた材料は、例示的な内側スカート16の使用のために上記に開示した材料であり得る。
【0080】
なおもさらなる態様では、及び上記で開示したように、第二の材料は編まれた材料である。編まれた材料は、一部の態様では、横編み材料とすることができ、一方で、他の態様では、縦編み材料とすることができる。その上なおもさらなる態様では、編まれた材料は、クロッシェ編み及び/又は縦編みの布を含み得る。
【0081】
特定の態様では、編まれた材料は、パイル糸を含み得る。こうした態様では、パイル糸は、ループ状のパイルを形成するように配置され得る。一部の態様では、パイル糸はまた、切断されたパイルを形成するために切断され得る。一部の態様では、パイル糸は、フラットヤーン又は加工糸を含み得る。なおもさらなる態様では、パイル糸は、フラットヤーンと加工糸との組み合わせを含むことができる。
【0082】
一部の態様では、パイル糸は、約5デニール~約200デニールのサイズを有することができ、約7デニール、約10デニール、約12デニール、約15デニール、約20デニール、約22デニール、約25デニール、約30デニール、約35デニール、約40デニール、約45デニール、約50デニール、約55デニール、約60デニール、約65デニール、約70デニール、約75デニール、約80デニール、約85デニール、約90デニール、約95デニール、約100デニール、約110デニール、約120デニール、約130デニール、約140デニール、約150デニール、約160デニール、約170デニール、約180デニール、及び約190デニールの例示的な値を含む。当然のことながら、パイル糸は、任意の二つの前述の値の間に含まれる任意のデニール値を有し得る。
【0083】
さらに他の態様では、パイル糸は、約5~約200のフィラメント数を有することができ、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、及び約195の例示的な値を含む。さらに他の態様では、パイル糸は、200より多い、250より多い、又はさらに300より多いフィラメント数を有し得る。パイル糸は、任意の二つの前述の値の間のフィラメント数の値を有し得ることが理解される。
【0084】
なおもさらなる態様では、パイル糸は生体適合性熱可塑性ポリマーを含み得る。なおも、他の態様では、パイル糸は生体適合性非再吸収性ポリマーを含み得る。なおもさらなる態様では、編まれた材料の糸は、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアリールエーテルケトン、芳香族ポリマー、ポリウレタン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。なおも、一部の他の実施例では、縦糸及び/又は横糸は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、UHMWPE、PEEK、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを含み得る。なおもさらに、任意の他の好適な天然繊維若しくは合成繊維、又はそれらの任意の組み合わせを使用することができる。
【0085】
なおもさらなる態様では、編まれた材料は、ベロア、ビロード、ベルベティーン、コールテン、テリークロス、フリースなどを含み得る。例えば、パイル糸を有する編まれた材料は、平坦な材料又は織られた材料から形成される同様のサイズのスカートよりもはるかに大きい表面積を有し、したがって、既知のスカートと比較して組織内成長を強化することができる。編まれた材料の中への組織成長の促進は、弁周囲の漏れを減少させ、インプラント部位での弁の保持を増加させ、弁の長期安定性に寄与し得る。いくつかの構成では、編まれた材料の表面積は、例えば、波状又は起伏のある構造によって表面積が増加した加工糸を使用することによってさらに増加させることができる。編まれた糸と織られた糸の組み合わせは、PVLを減少させ、及び圧着プロファイルを減少させる、両方であることが理解される。
【0086】
なおもさらなる態様では、編まれた材料は、水銀柱120mmの圧力で0ml/分/cm2~約15,000ml/分/cm2の水の透過性を有し得、約5ml/分/cm2、約10ml/分/cm2、約20ml/分/cm2、約30ml/分/cm2、約40ml/分/cm2、約50ml/分/cm2、約70ml/分/cm2、約100ml/分/cm2、約150ml/分/cm2、約200ml/分/cm2、約300ml/分/cm2、約400ml/分/cm2、約500ml/分/cm2、約600ml/分/cm2、約700ml/分/cm2、約800ml/分/cm2、約900ml/分/cm2、約1,000ml/分/cm2、約1,500ml/分/cm2、約2,000ml/分/cm2、約3,000ml/分/cm2、約4,000ml/分/cm2、約5,000ml/分/cm2、約6,000ml/分/cm2、約7,000ml/分/cm2、約8,000ml/分/cm2、約9,000ml/分/cm2、約10,000ml/分/cm2、約11,000ml/分/cm2、約12,000ml/分/cm2、約13,000ml/分/cm2、及び約14,000ml/分/cm2の例示的な値を含む。
【0087】
なおもさらなる態様では、編まれた材料は、その静止した第一の長さにわたって0超~約300線形パーセントの弾性的に長手方向の伸縮性を有することができ、その静止した第一の長さにわたって、約1、約2、約5、約8、約10、約12、約15、約18、約20、約22、約25、約28、約30、約32、約35、約38、約40、約42、約45、約48、約50、約52、約55、約58、約60、約62、約65、約68、約70、約72、約75、約78、約80、約82、約85、約88、約90、約92、約95、約98、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190、約195、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、及び約280線形パーセントの例示的な値を含む。さらに他の態様では、編まれた材料は、その静止した第一の長さにわたって少なくとも約5線形パーセントの弾性的に長手方向の伸縮性を有することができ、その静止した第二の長さにわたって、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、少なくとも約150、少なくとも約160、少なくとも約170、少なくとも約180、少なくとも約190、少なくとも約200、少なくとも約210、少なくとも約220、少なくとも約230、少なくとも約240、少なくとも約250、少なくとも約260、少なくとも約270、少なくとも約280、及び少なくとも約290線形パーセントの例示的な値を含む。
【0088】
一部の態様では、第一の材料は、第一の長さ及び第一の幅を有してもよく、第一の長さは、第一の材料の近位端と遠位端との間で測定される。さらに他の態様では、第二の材料は、第二の長さ及び第二の幅によって画定することができ、第二の長さは、第二の材料の近位端と遠位端との間で測定される。第二の長さは、第一の長さと同じであるか、又は異なり得ることが理解される。同様に、第二及び第一の幅が同じであるか又は異なる態様もある。
【0089】
特定の態様では、第一及び/又は第二の幅は、環状フレームの周囲と実質的に同一である。なおも、他の態様では、織物が環状フレームの周りに取り付けられる時、第一の材料及び/又は第二の材料が、織物材料自体に張力を全く加えることなく、環状フレームの所望の部分の完全な被覆を形成することができるように、第一の幅及び/又は第二の幅は、環状フレームの周囲よりも大きい。一部の態様では織物は環状フレーム上に取り付ける前に予め形成することができ又はその幅はデバイスの所望の構成を収容するために環状フレーム上に取り付ける間に決定することができることも、理解される。織物材料の幅、特に第一及び/又は第二の材料の第一及び/又は第二の幅は、移植可能な医療デバイスの圧着プロファイル及び拡張プロファイルの両方に適合されるように構成され得ることも、理解される。当然のことながら、第一の材料及び第二の材料の幅は、デバイスの移植又は使用中に不要な張力が生成されないように、織物が環状フレームに寄り添うことを可能にするように構成されている。
【0090】
例えば、第二の材料が第一の材料に重なる態様では、第二の材料の幅は環状フレームの周囲よりも小さくてもよい。こうした例示的及び非限定的な態様では、第一の材料の幅は、環状フレームの周囲と実質的に同一であってもよい。
【0091】
一部の態様では、第一の材料の第一の長さは、環状フレームの第一の部分の長さと実質的に同一であり得る。その上、なおもさらなる態様では、第一の材料の第一の長さは、環状フレームの第一の部分の長さよりも短くてもよい。なおもさらなる態様では、第一の材料の第一の長さはまた、環状フレームの第一の部分の長さよりも長くてもよい。こうした例示的な態様では、必要に応じて、第一の材料の近位部分は、環状フレームの近位部分の周りにぴったり嵌まり、フレームの近位端を完全に覆うことができる。
【0092】
なおも、他の態様では、第二の長さは、環状フレームの第一の部分の長さと実質的に同一であり得る。その上、なおもさらなる態様では、第二の材料の第二の長さは、環状フレームの第一の部分の長さよりも短くてもよい。なおもさらなる態様では、第二の材料の第二の長さはまた、環状フレームの第一の部分の長さよりも長くてもよい。こうした例示的な態様では、必要に応じて、第二の材料の近位部分は、環状フレームの近位部分の周りにぴったり嵌まり、フレームの近位端を完全に覆うことができる。
【0093】
なおもさらなる態様では、第一の材料の第一の長さは、第二の材料の第二の長さよりも長い。なおもさらなる態様では、第一の材料の第一の長さは、環状フレームの第一の部分の長さよりも長くてもよく、一方で第二の材料の第二の長さは、第一の材料の第一の長さよりも短い。他の態様では、第二の材料の第二の長さは、環状フレームの第一の部分の長さと実質的に同一であるか、若しくは環状フレームの第一の部分の長さよりも短くてもよく、又はさらには、第一の材料の第一の長さよりも短い限り、環状フレームの第一の部分の長さよりも大きくてもよい。
【0094】
第一の材料及び/又は第二の材料は、任意の所望の形状を有し得ることがさらに理解される。例えば、一部の態様では、第一の材料の第一の長さは、第一の幅に沿って実質的に同一であり得る。こうした態様では、第一の材料の近位端及び遠位端は、第一の材料の幅に沿って実質的に直線であり得る。同様の態様を第二の材料に適用することができる。こうした例示的及び非限定的な態様では、第二の材料の第二の長さは、第二の幅に沿って実質的に同一であってもよい。
【0095】
一部の例示的な態様では、第一の材料の近位端及び/又は遠位端は、第一の長さが環状フレームの周囲に沿って実質的に同一であるように、互いに実質的に平行である。一方、他の態様では、第二の材料の近位端及び/又は遠位端は、第二の長さが環状フレームの周囲に沿って実質的に同一であるように、互いに実質的に平行である。
【0096】
なおもさらなる態様では、第一の材料の近位端及び/又は遠位端は、第一の長さが環状フレームの周囲に沿って変化するような形状を有し得る。一方、なおもさらなる態様では、第二の材料の近位端及び/又は遠位端は、第二の長さが環状フレームの周囲に沿って変化するような形状を有する。
【0097】
こうした例示的な態様では、第一及び第二の材料の形状は、同一であっても異なっていてもよい。さらに他の態様では、第一及び/又は第二の材料の近位端及び/又は遠位端の形状は、無作為又は反復的であり得る。その上なおもさらなる態様では、第一及び/又は第二の材料の近位端及び/又は遠位端の形状は、複数の支柱の少なくとも一部分のパターンに従い得る。
【0098】
なおも、他の態様では、第一及び/又は第二の材料は、任意の所望の形状を有し得る。例えば、第一の材料は実質的に直線の縁を有することができ、一方で第二の材料は幾何学形状を形成することができる。こうした態様では、第二の材料の幾何学形状は、望ましい用途によって画定され得る。PVLシール特性を維持しながら、デバイスの圧着プロファイルを減少させることを可能にするであろう任意の幾何学形状を考慮することができることが理解される。
【0099】
特定の態様では、及び
図2に示すように、第一の材料及び/又は第二の材料の遠位端及び近位端の両方は、実質的に直線とすることができる。なおもさらなる例示的な態様では、及び
図3及び
図4に示すように、第一の材料18bの遠位端及び近位端は実質的に直線とすることができ、一方で第二の材料18aの遠位端及び近位端は谷及び頂点を形成することができる。さらに他の例示的及び非限定的な態様では、及び
図13に概略的に示されるように、織物の近位端160は、実質的に直線であってもよく、一方、織物の遠位端162は、フレームの支柱の列の形状に概して追従する、複数の交互の突出部、又は城郭(castellations)を画定し得る。なおもさらに他の例示的な態様では、近位端160及び遠位端162は、他の形状を有し得る。例えば、一つの実施では、遠位端は、フレームの支柱の列の形状に概して適合する複数の突出部で形成されてもよく、一方で近位端は直線であってもよい(図示せず)。
【0100】
当然のことながら、第一及び第二の材料は、互いに結合して、少なくとも一つの接合領域を形成することができる。結合は、当技術分野で既知の任意の方法によって実施され得ることがさらに理解される。一部の態様では、第一及び第二の材料は、例えば、締結具で結合され得る。こうした例示的及び非限定的な態様では、締結具は、ステープル、縫合糸、接着剤などを含み得る。さらに他の態様では、結合は、二つの材料の熱定着結合によって行うことができる。さらに他の態様では、結合は超音波溶接によって行うことができる。
【0101】
なおもさらなる態様では、本開示は、上記に開示した移植可能なデバイスのいずれかを指し、ここで第一の材料及び第二の材料は超音波溶接によって結合されて、少なくとも一つの接合領域を形成する。なおもさらなる態様では、二つ以上の接合領域が存在し得る。
【0102】
ここで再び、
図2~
図4に示す第一及び第二の材料を含む複合材料の例示的な結合構成を参照する。ここでも、図に示す構成は例示に過ぎず、必要に応じて任意の他の追加の構成を構築することができることが理解される。
【0103】
図2は、第一の材料の少なくとも一部分が第二の材料を含まないように、第二の材料18a、例えば、編まれた材料が第一の材料18b、例えば、織られた材料上に重ねられ、接合領域18cが超音波溶接によって形成される、構成を示す。この例示的及び非限定的な態様では、接合領域は、互いに結合された第二の材料及び第一の材料の幅(周囲)に沿って延在し得る。他の態様(図示せず)では、複合材料は、複合材料の長さ及び/又は幅に沿った任意の場所に追加的な接合領域を有し得る。例えば、追加の接合領域は、第一及び第二の材料が完全に重ね合わされる縁に沿って、位置付けられ得る。二つ以上の接合領域が存在する場合、一部の態様では、こうした領域は、複合材料に無作為に配置され得る。しかしながら、さらに他の態様では、二つ以上の接合領域は、所定のパターンで配置され得る。
【0104】
図3は、第二の材料18aが所定のパターンを有し、第一の材料18b上に配置される、例示的な態様を示す。接合領域18cは、第二の材料の縁に沿って形成されて、それを第一の材料に結合する。こうした例示的な態様では、接合領域の所定のパターンは、環状フレームの複数の支柱の少なくとも一部分のパターンに従い得る。
【0105】
異なる例示的な構成を、
図4に示す。この構成では、接合領域18cは、第二の材料の第二の長さ及び第二の幅に沿ったパターンで形成される。例えば、こうした例示的及び非限定的な態様では、二つ以上の接合領域は、複合材料の長さに沿って、かつ環状フレームの周囲に沿って、複数の島として配置され得る(
図4)。こうした例示的及び非限定的な態様では、複数の島の各島は、同一又は異なる形状を有することが理解される。形状及び形状のサイズは、結果として得られる織物材料が様々な特性のバランスを取ることができるように選択することができ、より具体的には、従来の弁と比較した場合にPVLに対して実質的なシールを依然として提供しながら、実質的に低減された圧着プロファイルを提供することができることがさらに理解される。
【0106】
当然のことながら、接合領域のうちの少なくとも一つにおける織物の厚さは、接合領域の外側の織物の厚さとは異なる。超音波溶接が第一の材料及び第二の材料を接合するために使用される態様では、形成された接合領域は、第一の材料及び第二の材料の両方を有する織物の他の場所の厚さよりも小さい厚さを有する。
【0107】
例えば、及び限定されるものではないが、第一の材料の厚さは、50ミクロン~約100ミクロンの任意の値であることができ、約60ミクロン、約65ミクロン、約70ミクロン、約75ミクロン、約80ミクロン、約85ミクロン、約90ミクロン、及び約95ミクロンの例示的な値を含む。さらに他の態様では、第二の材料の厚さは、約0.05mm~約2.5mmであり、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1.0mm、約1.1mm、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、約2.0mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、及び約2.4mmの例示的な値を含む。
【0108】
なおもさらなる態様では、第一の材料及び第二の材料の両方を含む織物の材料の非圧縮厚さは、約6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1.0mm、約1.1mm、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、約2.0mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、及び約2.4mmの例示的な値を含む、約0.5mm~約2.5mmの任意の値とすることができる。織物材料は、上記に開示された任意の二つの値の間の任意の非圧縮厚さ値を有し得ることが理解される。
【0109】
なおもさらなる態様では、織物材料の圧縮厚さ(弁が圧着された時)は、約0.1mm~約1mmの任意の値とすることができ、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、及び約0.9mmの例示的な値を含む。
【0110】
しかしながら、接合領域の厚さは、第一の材料及び第二の材料の少なくとも部分的な溶融及び接合の形成に起因して、織物の全厚さよりも小さいことが理解される。しかしながら、一部の態様では、接合領域の厚さは、第二の材料の厚さよりも小さくてもよいが、他の態様では、接合領域の厚さは、第一の材料の厚さよりも大きくてもよいことが、さらに理解される。接合領域の正確な厚さは、超音波溶接機の動作パラメータを制御することによって、所望に応じて制御することができる。同様に、接合領域の幅及び長さは、所望に応じて画定され得る。
【0111】
なおもさらなる態様では、少なくとも一つの接合領域は、環状フレームの第一の部分の近位端に沿ってもよい。一方、他の態様では、少なくとも一つの接合領域は、第一の部分の遠位端に沿ってもよい。フレーム及び内側スカート16への外側スカート18の例示的な結合が、
図15に示されている。
図15は、環状フレームの第一の部分の近位端に沿って配置され、縫合糸186でフレームに接続される一つの接合領域を示す。なおも、スカートの遠位端は、所定のパターンを有する、フレーム及び内側スカート16に結合された追加の接合領域を有する。
【0112】
特定の態様では、少なくとも一つの接合領域が織物材料の近位端に沿って配置される場合、織物は、複合材料の接合領域を通して環状フレームの近位端に結合され得る(例えば、
図15に示すように)。こうした態様では、織物は、一つ以上の締結具で環状フレームに結合され得る。当技術分野で既知の任意の締結具を使用することができる。特定の態様では、一つ以上の締結具は、少なくとも一つの縫合糸を含む。こうした態様では、当技術分野で既知の任意の縫合糸を使用することができ、例えば、限定されるものではないが、Ethibond Excel(登録商標)PET縫合糸(Johnson&Johnson、ニュージャージー州ニューブランズウィック)、又はPTFE縫合糸を利用することができる。
【0113】
なおもさらなる態様では、織物は、接合領域を有しない複合材料の部分を通して環状フレームの近位端に結合され得る。こうした態様でもまた、織物は、一つ以上の締結具で環状フレームに結合されてもよく、一つ以上の締結具は、Ethibond Excel(登録商標)PET縫合糸(Johnson&Johnson、ニュージャージー州ニューブランズウィック)などの少なくとも一つの縫合糸を備え得る。
【0114】
なおもさらなる例示的及び非限定的な態様では、織物は、第一の材料を含む少なくとも一部分を、それが第二の材料と重ならないか又は第二の材料によって重なられないように、さらに含むことができる。こうした例示的な態様は、
図14A~
図14Bに示され、第一の材料18bの少なくとも一部分は、第二の材料18aで重なられていない。
図16は、織物の一部が、第二の材料18aで重なられていない第一の材料18bを有する、圧着された構成の弁を示す。
【0115】
同様に、織物が、第二の材料を含む少なくとも一部分を、それが第一の材料と重ならないか又は第一の材料によって重なられないように、含む態様がある(図示せず)。
【0116】
第一の材料が第二の材料で重なられるか又はそれに重なる、織物の少なくとも一部分が存在する、態様では、そうした少なくとも一部分は、織物の近位端及び/又は遠位端に沿って配置され得る(
図14A~
図14B)。
【0117】
なおもさらなる態様では、及び
図1又は
図13に示すように、環状フレームの表面は、織物を含まない第二の部分1820を有し、第二の部分は、環状フレームの流出端と環状フレームの第一の部分の遠位端との間に延在する。
【0118】
一部の態様では、及び上記に開示されるように、本明細書に開示される織物材料は、外側スカートとして使用され、シール機能を有して、PVLを防止し、弁を定位置に固定する。一部の態様では、外側スカートは、フレームの長さがより長くなる(半径方向に圧縮される)につれて拡張されたフレーム上に組み立てられ得るため、外側シール部材の長さに沿って特定の張力が導入され得る。しかしながら、こうした張力は、外側部材が第一の部分の長さよりも短い長さを有する任意の他の基準デバイスにおけるよりも低いことがさらに理解される。
【0119】
様々な構成で環状フレーム上に組み立てられた外側シール部材の例示的な概略図も、拡張状態で
図13に、又は圧着状態で
図16に示されている。
【0120】
環状フレームが圧縮された構成から拡張された構成に変化する時に、外側シール部材及び環状フレームの第一の部分の長さの変化を観察することができる。
【0121】
なおもさらなる態様では、外側スカートは、予め作製された織物材料からレーザー切断若しくは超音波切断することができ、又はフレーム上に組み立てることができる。
【0122】
本明細書に記載の複合材料を含む外側スカートはまた、既知の弁カバー及びスカートよりも外側スカートの圧縮性及び形状記憶特性の改善に寄与し得る。例えば、編まれた材料は、荷重下(例えば、組織、他のインプラントなどと接触したとき)に圧縮され、荷重が軽減されたときに元のサイズ及び/又は形状に戻るように適合することができる。これは、外側スカートと、自己弁輪又は人工弁が展開される周囲の支持構造の組織との間のシールを改善するのに役立ち得る。人工弁を受け、それを自己僧帽弁内に保持するように適合された移植可能な支持構造の態様は、2017年1月23日に出願された同時係属中の出願第62/449,320号、及び2018年1月19日に出願された出願第15/876,053号に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。外側スカート18の編まれた材料18aによって提供される圧縮性はまた、弁の圧着プロファイルを低減するのに有益である。さらに、外側スカート18は、人工弁が圧着される際に、弁尖14又はその一部分がフレーム12の支柱間の空間を通って延在するのを防止し、それによって、支柱間の弁尖の挟み込みによる弁尖への損傷から保護することができる。
【0123】
上述したように、様々な技術及び構成を使用して、外側スカート18をフレーム12及び/又は内側スカート16に固定することができる。特定の態様では、外側シール部材18は、例えば
図15に示すように、第一の部分の近位端1806a及び遠位端1806bに締結具によって結合され得る。なおもさらなる態様では、締結具を使用して、外側スカート18を内側スカート16に結合することができる。締結具は、当技術分野で既知の任意の締結具を含み得ることが理解される。例えば、及び限定されるものではないが、締結具は、縫合糸、ピン、リベット、超音波溶接、レーザー溶接、接着剤接合、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0124】
一部の態様では、外側スカート18は、フレームが半径方向に圧縮された構成にある時にフレーム12に取り付けることができ、外側スカート18は圧縮環状フレームの第一の部分の外表面に沿って直線化される(
図16)。
【0125】
こうした例示的な態様では、内側スカート16の下縁部分は、フレーム12の流入端15の周りに巻かれてもよく、外側スカート18の下縁部分は、一つ以上の縫合糸又はステッチ182(
図15に最もよく示されるように)及び/又は接着剤を含む締結具を用いてなど、内側スカート16及び/又はフレーム12の下縁部分180に取り付けられてもよい。一部の態様では、取り付けは、第一の材料と第二の材料との間の接合領域18cを通して行うことができる。縫合の代わりに、又は縫合に加えて、外側スカート18は、例えば、超音波溶接によって、内側スカート16に取り付けることができる。他の態様では、内側スカート16の下縁部分180は、環状フレームの流入端15の周りに巻かれ、フレームの外表面と外側スカート18との間に延在し得る(すなわち、外側スカート18は、内側スカート16の下縁部分180の半径方向外向きである)。
【0126】
外側スカートは、以下に説明するように、環状フレームの支柱の列に、第一の部分の遠位端において、取り付けられ得る。例えば、
図1に示すように、外側スカート18の各突出部164は、フレーム12の支柱26(
図5)の第三の列IIIに取り付けられ得る。突出部164は、例えば、列IIIのそれぞれの支柱26の上から巻かれ、縫合糸184で固定され得る。外側スカート18は、外側スカートの中間部分(近位端と遠位端との間の部分)を、支柱の第二の列IIの支柱24などのフレームの支柱に縫合することによって、フレーム12にさらに固定され得る。
【0127】
人工弁10は、対象内に移植するための好適な送達装置のために構成され、及びそれ上に装着され得る。いくつかのカテーテルベースの送達装置が知られており、適切なカテーテルベースの送達装置の非限定的な例は、米国特許出願公開第2013/0030519号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、及び米国特許出願公開第2012/0123529号に開示されているものを含む。
【0128】
患者内に可塑的に拡張可能な人工弁10を移植するために、外側スカート18を含む人工弁10を送達装置の細長いシャフト上に圧着し得る。圧着された(圧縮された構成)場合、外側スカート18は、外側スカート布内に実質的な張力を生成することなく、環状フレームの周囲にぴったりと嵌合することが理解される。しかしながら、一部の態様では、外側スカートは、フレームの長さがより長くなる(半径方向に圧縮される)につれて、拡張されたフレーム上に組み立てられ得ることが理解される。
【0129】
人工弁は、送達装置と共に、患者の体内に人工弁10を移植するための送達アセンブリを形成することができる。シャフトは、体内で人工弁を拡張するための膨張可能バルーンを備え得る。バルーンが収縮した状態で、次いで、人工弁10を所望の移植場所(例えば、自己大動脈弁領域)に経皮的に送達することができる。人工弁10が体内の移植部位(例えば、自己大動脈弁)に送達されると、人工弁10は、バルーン又は同等の拡張機構を膨張させることによって、その機能状態に半径方向に拡張され得る。
【0130】
別の方法として、自己拡張式人工弁10は、半径方向に圧潰した構成に圧着され、人工弁10(外側スカート18を含む)を送達カテーテルのシース又は同等の機構内に挿入することによって圧潰した構成で拘束され得る。次いで、人工弁10は、所望の移植場所に経皮的に送達され得る。いったん身体の内側に入ると、人工弁10が送達シースから前進させられ得、これにより、人工弁がその機能状態に拡張することを可能にする。
【0131】
[方法]
本開示はまた、移植可能な医療デバイスを形成する方法であって、a)流入端、流出端、及び長手方向軸を有し、複数の支柱を含む環状フレームを提供するステップと、b)長手方向軸及び横断軸を有し、第一の表面及び反対側の第二の表面によって画定される織物を円周方向に取り付けるステップであって、前記織物の前記長手方向軸が、前記環状フレームの前記長手方向軸と実質的に平行であり、前記織物が近位端及び遠位端を有し、前記環状フレームの第一の部分の周りに円周方向に取り付けられ、前記第一の部分が近位端及び遠位端を有し、前記第一の部分の前記近位端が、前記環状フレームの前記流入端にある、取り付けるステップと、を含み、前記織物の少なくとも一部分が、一緒に結合された第一の材料及び第二の材料を含む少なくとも一つの複合材料を、前記少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に前記移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、含み、前記第一の材料が、前記第二の材料の柔軟性及び伸縮性よりも低い柔軟性及び伸縮性を示し、前記第一の材料が、前記第二の材料の機械的強度よりも高い機械的強度を有し、前記移植可能な医療デバイスが、前記圧着プロファイルから拡張された構成に半径方向に拡張するように構成される、方法を提供する。
【0132】
なおもさらなる態様では、織物材料の近位端は、環状フレームの第一の部分の近位端に結合される。さらなる態様では、織物の遠位端は、環状フレームの第一の部分の遠位端に結合される。
【0133】
上記に開示された織物材料のいずれかは、開示された方法で利用され得る。一部の方法では、第一の材料は織られた材料であり、第二の材料は編まれた材料である。再び、上記に開示した織られた材料及び編まれた材料のいずれかを使用することができる。
【0134】
特定の態様では、織物は内側スカートとして使用することができる。一方、他の態様では、織物は外側スカートとして使用することができる。その上なおもさらなる態様では、織物は、内側スカート及び外側スカートとして同時に使用することができる。こうした態様では、まずフレームは、第一の材料と第二の材料との間に配置されるのであり、次いで第一の材料及び第二の材料は、本明細書に開示される方法のいずれかによって互いに結合され得る。
【0135】
なおもさらなる態様では、第一及び第二の材料が一緒に結合される時、少なくとも一つの接合領域が形成され得る。上記に開示されるように、任意の結合方法を利用することができる。例えば、結合方法は、接着剤、縫合糸、熱定着、又は超音波溶接の使用を含むことができる。超音波溶接が使用される態様では、超音波溶接は、所定の厚さを有する少なくとも一つの接合領域を形成するのに有効な条件下で実施される。さらに他の態様では、超音波溶接は、所定の幅を有する少なくとも一つの接合領域を形成するのに有効な条件下で実施される。
【0136】
当然のことながら、所定の厚さ及び/又は幅を有する少なくとも一つの接合領域を形成するのに有効な条件は、所定の周波数、所定の溶接時間、織物材料に印加される所定の圧力、保持時間などの使用を含むことができる。
【0137】
特定の好ましい実施形態では、本明細書に記載の織物は、弁を形成するための外側スカートとして使用され得る。同様に、環状フレームへの外側スカートの取り付けの上記に開示された方法のいずれかを利用することができる。
【0138】
なおもさらなる態様では、本明細書に開示される方法は、所望の用途に応じて、本明細書に開示される織物材料のいずれかを医薬的に活性な薬剤で含浸させる工程を含み得る。なおもさらなる態様では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示される織物材料のいずれかを、任意の追加の所望の特性を提供し得る当技術分野で既知の任意の材料でコーティングする工程を含み得る。
【0139】
[例示的な態様]
記載されるプロセス及び組成物の観点から、本明細書では、本開示の特定のより詳細に記載された態様を以下に説明する。しかしながら、これらの特に記載された態様は、本明細書に記載された異なる又はより一般的な教示を含む何らかの異なる請求項に対して何らかの限定する効果を有すると解釈されるべきではなく、又は「特定の」態様が、そこで文字通りに使用される言語及び式の固有の意味以外の何らかの方法でどうにかして制限されると解釈されるべきではない。
【0140】
実施例1:移植可能な医療デバイスであって、流入端、流出端、及び長手方向軸を有し、複数の支柱を含む環状フレームと、長手方向軸及び横断軸を有し、第一の表面及び反対側の第二の表面によって画定される織物であって、前記織物の前記長手方向軸が、前記環状フレームの前記長手方向軸と実質的に平行であり、前記織物が近位端及び遠位端を有し、前記環状フレームの第一の部分の周りに円周方向に取り付けられ、前記第一の部分が近位端及び遠位端を有し、前記第一の部分の前記近位端が、前記環状フレームの前記流入端にある、織物と、を備え、前記織物の少なくとも一部分が、一緒に結合された第一の材料及び第二の材料を含む少なくとも一つの複合材料を、前記少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に前記移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、含み、前記第一の材料が、前記第二の材料の柔軟性及び伸縮性よりも低い柔軟性及び伸縮性を示し、前記第一の材料が、前記第二の材料の機械的強度よりも高い機械的強度を有し、前記移植可能な医療デバイスが、前記圧着プロファイルから拡張された構成に半径方向に拡張するように構成される、移植可能な医療デバイス。
【0141】
実施例2:織物の近位端が環状フレームの第一の部分の近位端に結合され、織物の遠位端が環状フレームの第一の部分の遠位端に結合されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例1に記載の移植可能な医療デバイス。
【0142】
実施例3:第一の材料及び第二の材料が少なくとも部分的に重ね合わされている、本明細書の任意の実施例、特に実施例1又は2に記載の移植可能な医療デバイス。
【0143】
実施例4:第一の材料が織られた材料である、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~3に記載の移植可能な医療デバイス。
【0144】
実施例5:第二の材料が編まれた材料である、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~4に記載の移植可能な医療デバイス。
【0145】
実施例6:第二の材料が第一の材料上に少なくとも部分的に重ねられている、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~5に記載の移植可能な医療デバイス。
【0146】
実施例7:第一の材料が、第一の長さ及び第一の幅を有し、第一の長さが、第一の材料の近位端と遠位端との間で測定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~6に記載の移植可能な医療デバイス。
【0147】
実施例8:第二の材料が第二の長さ及び第二の幅を有し、第二の長さが第二の材料の近位端と遠位端との間で測定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~7に記載の移植可能な医療デバイス。
【0148】
実施例9:第二の長さが、第一の長さと同一であるか、又は異なる、本明細書の任意の実施例、特に実施例8に記載の移植可能な医療デバイス。
【0149】
実施例10:第二の幅が、第一の幅と同一であるか、又は異なる、本明細書の任意の実施例、特に実施例8又は9に記載の移植可能な医療デバイス。
【0150】
実施例11:第一の幅が環状フレームの周囲と実質的に同一である、本明細書の任意の実施例、特に実施例7~11に記載の移植可能な医療デバイス。
【0151】
実施例12:第二の幅が環状フレームの周囲と実質的に同一である、本明細書の任意の実施例、特に実施例8~11に記載の移植可能な医療デバイス。
【0152】
実施例13:第二の幅が環状フレームの周囲よりも小さい、本明細書の任意の実施例、特に実施例8~11に記載の移植可能な医療デバイス。
【0153】
実施例14:第一の長さが、環状フレームの第一の部分の長さと実質的に同一である、本明細書の任意の実施例、特に実施例7~13に記載の移植可能な医療デバイス。
【0154】
実施例15:第二の長さが、環状フレームの第一の部分の長さと実質的に同一である、本明細書の任意の実施例、特に実施例8~14に記載の移植可能な医療デバイス。
【0155】
実施例16:第一の長さが、環状フレームの第一の部分の長さよりも短い、本明細書の任意の実施例、特に実施例7~13又は15に記載の移植可能な医療デバイス。
【0156】
実施例17:第二の長さが、環状フレームの第一の部分の長さよりも短い、本明細書の任意の実施例、特に実施例8~14又は16に記載の移植可能な医療デバイス。
【0157】
実施例18:第一の長さが環状フレームの第一の部分の長さよりも長い、本明細書の任意の実施例、特に実施例7~13又は15又は17に記載の移植可能な医療デバイス。
【0158】
実施例19:第二の長さが環状フレームの第一の部分の長さよりも長い、本明細書の任意の実施例、特に実施例8~14又は16又は18に記載の移植可能な医療デバイス。
【0159】
実施例20:第一の材料及び第二の材料が、少なくとも一つの接合領域が形成されるように、超音波溶接によって結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~19に記載の移植可能な医療デバイス。
【0160】
実施例21:二つ以上の接合領域が存在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例20に記載の移植可能な医療デバイス。
【0161】
実施例22:二つ以上の接合領域が無作為に配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例21に記載の移植可能な医療デバイス。
【0162】
実施例23:二つ以上の接合領域が所定のパターンで配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例22に記載の移植可能な医療デバイス。
【0163】
実施例24:接合領域のうちの少なくとも一つにおける織物の厚さが、接合領域の外側の織物の厚さとは異なる、本明細書の任意の実施例、特に実施例20~23に記載の移植可能な医療デバイス。
【0164】
実施例25:所定のパターンが、複数の支柱の少なくとも一部分のパターンに従う、本明細書の任意の実施例、特に実施例23~24に記載の移植可能な医療デバイス。
【0165】
実施例26:二つ以上の接合領域が、複合材料の長さに沿って、かつ環状フレームの周囲に沿って複数の島として配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~25に記載の移植可能な医療デバイス。
【0166】
実施例27:複数の島の各島が、同一又は異なる形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例26に記載の移植可能な医療デバイス。
【0167】
実施例28:二つ以上の接合領域が、少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~26に記載の移植可能な医療デバイス。
【0168】
実施例29:少なくとも一つの接合領域が、環状フレームの第一の部分の近位端に沿って位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例20~28に記載の移植可能な医療デバイス。
【0169】
実施例30:少なくとも一つの接合領域が、環状フレームの第一の部分の遠位端に沿って位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例20~29に記載の移植可能な医療デバイス。
【0170】
実施例31:織物が、複合材料の接合領域を通して環状フレームの第一の部分の近位端に結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例29~30に記載の移植可能な医療デバイス。
【0171】
実施例32:織物が、一つ以上の締結具を用いて環状フレームに結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例31に記載の移植可能な医療デバイス。
【0172】
実施例33:一つ以上の締結具が少なくとも一つの縫合糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例32に記載の移植可能な医療デバイス。
【0173】
実施例34:織物が、複合材料の接合領域を通して環状フレームの第一の部分の遠位端に結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例30~33に記載の移植可能な医療デバイス。
【0174】
実施例35:織物が一つ以上の締結具で環状フレームに結合されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例34に記載の移植可能な医療デバイス。
【0175】
実施例36:一つ以上の締結具が少なくとも一つの縫合糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例35に記載の移植可能な医療デバイス。
【0176】
実施例37:織物が、第一及び第二の材料が互いに重ならない少なくとも一部分をさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~36に記載の移植可能な医療デバイス。
【0177】
実施例38:第一及び第二の材料が互いに重ならない織物の少なくとも部分が、織物の近位端及び/又は遠位端に沿って配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例37に記載の移植可能な医療デバイス。
【0178】
実施例39:第一の材料の近位端及び遠位端が、第一の長さが環状フレームの周囲に沿って実質的に同一であるように、互いに実質的に平行である、本明細書の任意の実施例、特に実施例6~38に記載の移植可能な医療デバイス。
【0179】
実施例40:第二の材料の近位端及び遠位端が、第二の長さが環状フレームの周囲に沿って実質的に同一であるように、互いに実質的に平行である、本明細書の任意の実施例、特に実施例8~39に記載の移植可能な医療デバイス。
【0180】
実施例41:第一の材料の近位端及び/又は遠位端が、第一の長さが環状フレームの周囲に沿って変化するような形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例7~40の移植可能な医療デバイス。
【0181】
実施例42:第二の材料の近位端及び/又は遠位端が、第二の長さが環状フレームの周囲に沿って変化するような形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例8~41に記載の移植可能な医療デバイス。
【0182】
実施例43:第一及び/又は第二の材料の近位端及び/又は遠位端の形状が無作為又は反復的である、本明細書の任意の実施例、特に実施例41又は42に記載の移植可能な医療デバイス。
【0183】
実施例44:第一及び/又は第二の材料の近位端及び/又は遠位端の形状が、複数の支柱の少なくとも一部分のパターンに従う、本明細書の任意の実施例、特に実施例41~43に記載の移植可能な医療デバイス。
【0184】
実施例45:織られた材料が複数の縦糸及び横糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例4~44に記載の移植可能な医療デバイス。
【0185】
実施例46:縦糸及び/又は横糸が、マルチフィラメント糸であり、完全延伸糸、スピンドロー糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、加工糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例45に記載の移植可能な医療デバイス。
【0186】
実施例47:縦糸及び/又は横糸が、約5デニール~約200デニールのサイズ、及び約5~約200のフィラメント数を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例46に記載の移植可能な医療デバイス。
【0187】
実施例48:織られた材料が約20cN/tex~約500cN/texのテナシティを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例4~47に記載の移植可能な医療デバイス。
【0188】
実施例49:織られた材料が、水銀柱120mmの圧力で0ml/分/cm2~約15,000ml/分/cm2の水の透過性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例4~48に記載の移植可能な医療デバイス。
【0189】
実施例50:織られた材料が、その静止した第一の長さにわたって0~約100線形パーセントの弾性的に長手方向の伸縮性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例4~49に記載の移植可能な医療デバイス。
【0190】
実施例51:編まれた材料が、水銀柱120mmの圧力で約0ml/分/cm2~約15,000ml/分/cm2の水の透過性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例5~50に記載の移植可能な医療デバイス。
【0191】
実施例52:織られた材料が、その静止した第二の長さにわたって0超~約300線形パーセントの弾性的に長手方向の伸縮性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例5~51に記載の移植可能な医療デバイス。
【0192】
実施例53:縦糸及び/又は横糸が、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアリールエーテルケトン、芳香族ポリマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、ポリ尿素、それらのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例45~52に記載の移植可能な医療デバイス。
【0193】
実施例54:縦糸及び/又は横糸が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、UHMWPE、PEEK、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例45~53に記載の移植可能な医療デバイス。
【0194】
実施例55:編まれた材料が、クロッシェ編み及び/又は縦編みの布を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例5~54に記載の移植可能な医療デバイス。
【0195】
実施例56:編まれた材料がパイル糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例5~55に記載の移植可能な医療デバイス。
【0196】
実施例57:パイル糸が、フラットヤーン、加工糸、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例56に記載の移植可能な医療デバイス。
【0197】
実施例58:パイル糸が、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアリールエーテルケトン、芳香族ポリマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、ポリ尿素、それらのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例56又は57に記載の移植可能な医療デバイス。
【0198】
実施例59:パイル糸がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、UHMWPE、PEEK、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例56~58に記載の移植可能な医療デバイス。
【0199】
実施例60:環状フレームの表面が、織物を含まない第二の部分を有し、第二の部分が、環状フレームの流出端と環状フレームの第一の部分の遠位端との間に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~59に記載の移植可能な医療デバイス。
【0200】
実施例61:織物が環状フレームの外表面上に配置され、外側スカートである、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~60に記載の移植可能な医療デバイス。
【0201】
実施例62:外側スカートが、弁傍の漏れを防止するように構成されたシール部材である、本明細書の任意の実施例、特に実施例61に記載の移植可能な医療デバイス。
【0202】
実施例63:移植可能な医療デバイスが心臓弁である、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~62に記載の移植可能な医療デバイス。
【0203】
実施例64:移植可能な医療デバイスを形成する方法であって、a)流入端、流出端、及び長手方向軸を有し、複数の支柱を含む環状フレームを提供するステップと、b)長手方向軸及び横断軸を有し、第一の表面及び反対側の第二の表面によって画定される織物を円周方向に取り付けるステップであって、前記織物の前記長手方向軸が、前記環状フレームの前記長手方向軸と実質的に平行であり、前記織物が近位端及び遠位端を有し、前記環状フレームの第一の部分の周りに円周方向に取り付けられ、前記第一の部分が近位端及び遠位端を有し、前記第一の部分の前記近位端が、前記環状フレームの前記流入端にある、取り付けるステップと、を含み、前記織物の少なくとも一部分が、一緒に結合された第一の材料及び第二の材料を含む少なくとも一つの複合材料を、前記少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に前記移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、含み、前記第一の材料が、前記第二の材料の柔軟性及び伸縮性よりも低い柔軟性及び伸縮性を示し、前記第一の材料が、前記第二の材料の機械的強度よりも高い機械的強度を有し、前記移植可能な医療デバイスが、前記圧着プロファイルから拡張された構成に半径方向に拡張するように構成される、方法。
【0204】
実施例65:織物の近位端を環状フレームの第一の部分の近位端に結合するステップと、織物の遠位端を環状フレームの第一の部分の遠位端に結合するステップとを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例64に記載の方法。
【0205】
実施例66:第一の材料及び第二の材料が少なくとも部分的に重ね合わされる、本明細書の任意の実施例、特に実施例64又は65に記載の方法。
【0206】
実施例67:第一の材料が織られた材料である、本明細書の任意の実施例、特に実施例64~66に記載の方法。
【0207】
実施例68:第二の材料が、編まれた材料である、本明細書の任意の実施例、特に実施例64~67に記載の方法。
【0208】
実施例69:第二の材料が第一の材料上に重ねられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例64~68に記載の方法。
【0209】
実施例70:第一の材料が、第一の長さ及び第一の幅を有し、第一の長さが、第一の材料の近位端と遠位端との間で測定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例64~69に記載の方法。
【0210】
実施例71:第二の材料が、第二の長さ及び第二の幅を有し、第二の長さが、第二の材料の近位端と遠位端との間で測定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例64~70に記載の方法。
【0211】
実施例72:第二の長さが、第一の長さと同一であるか、又は異なる、本明細書の任意の実施例、特に実施例71に記載の方法。
【0212】
実施例73:第二の幅が、第一の幅と同一であるか、又は異なる、本明細書の任意の実施例、特に実施例71又は72に記載の方法。
【0213】
実施例74:第一の幅は、環状フレームの周囲と実質的に同一である、本明細書の任意の実施例、特に実施例70~73に記載の方法。
【0214】
実施例75:第二の幅は、環状フレームの周囲と実質的に同一である、本明細書の任意の実施例、特に実施例71~74に記載の方法。
【0215】
実施例76:第二の幅は、環状フレームの周囲よりも小さい、本明細書の任意の実施例、特に実施例71~75に記載の方法。
【0216】
実施例77:第一の長さが、環状フレームの第一の部分の長さと実質的に同一である、本明細書の任意の実施例、特に実施例71~76に記載の方法。
【0217】
実施例78:第二の長さは、環状フレームの第一の部分の長さと実質的に同一である、本明細書の任意の実施例、特に実施例71~77に記載の方法。
【0218】
実施例79:第一の長さは、環状フレームの第一の部分の長さよりも短い、本明細書の任意の実施例、特に実施例70~76又は78に記載の方法。
【0219】
実施例80:第二の長さは、環状フレームの第一の部分の長さよりも短い、本明細書の任意の実施例、特に実施例72~78又は80に記載の方法。
【0220】
実施例81:第一の長さは、環状フレームの第一の部分の長さよりも長い、本明細書の任意の実施例、特に実施例71~76又は78又は80に記載の方法。
【0221】
実施例82:第二の長さは、環状フレームの第一の部分の長さよりも長い、本明細書の任意の実施例、特に実施例71~77又は79又は81に記載の方法。
【0222】
実施例83:第一の材料及び第二の材料が、少なくとも一つの接合領域が形成されるように超音波溶接によって結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~83に記載の方法。
【0223】
実施例84:超音波溶接が、所定の厚さを有する少なくとも一つの接合領域を形成するのに有効な条件下で実施される、本明細書の任意の実施例、特に実施例83に記載の方法。
【0224】
実施例85:超音波溶接が、所定の幅を有する少なくとも一つの接合領域を形成するのに有効な条件下で実施される、本明細書の任意の実施例、特に実施例83又は84に記載の方法。
【0225】
実施例86:超音波溶接が、所定のパターンを有する少なくとも一つの接合領域を形成するのに有効な条件下で実施される、本明細書の任意の実施例、特に実施例83~85に記載の方法。
【0226】
実施例87:二つ以上の接合領域が存在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例83~86に記載の方法。
【0227】
実施例88:二つ以上の接合領域が無作為に配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例87に記載の方法。
【0228】
実施例89:二つ以上の接合領域が所定のパターンで配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例88に記載の方法。
【0229】
実施例90:接合領域のうちの少なくとも一つにおける織物の厚さが、接合領域の外側の織物の厚さとは異なる、本明細書の任意の実施例、特に実施例83~89に記載の方法。
【0230】
実施例91:所定のパターンが、複数の支柱の少なくとも一部分のパターンに従う、本明細書の任意の実施例、特に実施例87~90に記載の方法。
【0231】
実施例92:二つ以上の接合領域が、複合材料の長さに沿って、かつ環状フレームの周囲に沿って複数の島として配置されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例87~91に記載の方法。
【0232】
実施例93:複数の島の各島が、同一又は異なる形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例92に記載の方法。
【0233】
実施例94:二つ以上の接合領域が、少なくとも一つの複合材料の非存在下で実質的に同一の参照移植可能な医療デバイスと比較した場合に移植可能な医療デバイスの圧着プロファイルが低減されるように、配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例87~93に記載の方法。
【0234】
実施例95:少なくとも一つの接合領域が、環状フレームの第一の部分の近位端に沿っている、本明細書の任意の実施例、特に実施例83~94に記載の方法。
【0235】
実施例96:少なくとも一つの接合領域が、環状フレームの第一の部分の遠位端に沿っている、本明細書の任意の実施例、特に実施例83~95に記載の方法。
【0236】
実施例97:織物が、複合材料の接合領域を通して環状フレームの近位端に結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例95~96に記載の方法。
【0237】
実施例98:織物が、一つ以上の締結具で環状フレームに結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例97に記載の方法。
【0238】
実施例99:一つ以上の締結具が少なくとも一つの縫合糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例98に記載の方法。
【0239】
実施例100:織物が、複合材料の接合領域を通して環状フレームの第一の部分の遠位端に結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例96~99に記載の方法。
【0240】
実施例101:織物が、一つ以上の締結具で環状フレームに結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例100に記載の方法。
【0241】
実施例102:一つ以上の締結具が少なくとも一つの縫合糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例101に記載の方法。
【0242】
実施例103:織物が、第一及び第二の材料が互いに重ならない少なくとも一部分をさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例65~102に記載の方法。
【0243】
実施例104:第一及び第二の材料が互いに重ならない織物の少なくとも部分が、織物の近位端及び/又は遠位端に沿って配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例103に記載の方法。
【0244】
実施例105:第一の材料の近位端及び遠位端が、第一の長さが環状フレームの周囲に沿って実質的に同一であるように、互いに実質的に平行である、本明細書の任意の実施例、特に実施例70~104に記載の方法。
【0245】
実施例106:第二の材料の近位端及び遠位端が、第二の長さが環状フレームの周囲に沿って実質的に同一であるように、互いに実質的に平行である、本明細書の任意の実施例、特に実施例71~105に記載の方法。
【0246】
実施例107:第一の材料の近位端及び/又は遠位端が、第一の長さが環状フレームの周囲に沿って変化するような形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例70~106に記載の方法。
【0247】
実施例108:第二の材料の近位端及び/又は遠位端が、第一の長さが環状フレームの周囲に沿って変化するような形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例71~107に記載の方法。
【0248】
実施例109:形状が、近位縁及び/又は遠位縁に沿って無作為又は反復的である、本明細書の任意の実施例、特に実施例107又は108に記載の方法。
【0249】
実施例110:近位縁及び/又は遠位縁の形状が、複数の支柱の少なくとも一部分のパターンに従う、本明細書の任意の実施例、特に実施例107~109に記載の方法。
【0250】
実施例111:織られた材料が、複数の縦糸及び横糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例67~110に記載の方法。
【0251】
実施例112:縦糸及び/又は横糸が、マルチフィラメント糸であり、完全延伸糸、スピンドロー糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、加工糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例113に記載の方法。
【0252】
実施例113:縦糸及び/又は横糸が、約5デニール~約200デニールのサイズ、及び約5~約200のフィラメント数を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例112に記載の方法。
【0253】
実施例114:織られた材料が約20cN/tex~約500cN/texのテナシティを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例67~113に記載の方法。
【0254】
実施例115:織られた材料が、水銀柱120mmの圧力で0ml/分/cm2~約15,000ml/分/cm2の水の透過性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例67~114に記載の方法。
【0255】
実施例116:織られた材料が、その静止した第一の長さにわたって0~約100線形パーセントの弾性的に長手方向の伸縮性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例67~115に記載の方法。
【0256】
実施例117:編まれた材料が、水銀柱120mmの圧力で0ml/分/cm2~約15,000ml/分/cm2の水の透過性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例68~116に記載の方法。
【0257】
実施例118:織られた材料が、その静止した第二の長さにわたって0超~約300線形パーセントの弾性的に長手方向の伸縮性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例68~117に記載の方法。
【0258】
実施例119:縦糸及び/又は横糸が、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアリールエーテルケトン、芳香族ポリマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、ポリ尿素、それらのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~118に記載の方法。
【0259】
実施例120:縦糸及び/又は横糸が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、UHMWPE、PEEK、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~119に記載の方法。
【0260】
実施例121:編まれた材料が、クロッシェ編み及び/又は縦編みの布を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例68~120に記載の方法。
【0261】
実施例122:編まれた材料が、パイル糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例68~121に記載の方法。
【0262】
実施例123:パイル糸が、フラットヤーン、加工糸、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例122に記載の方法。
【0263】
実施例124:パイル糸が、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアリールエーテルケトン、芳香族ポリマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、ポリ尿素、それらのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例122又は123に記載の方法。
【0264】
実施例125:パイル糸がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、UHMWPE、PEEK、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例122~124に記載の方法。
【0265】
実施例126:環状フレームの表面が、織物を含まない第二の部分を有し、第二の部分が、環状フレームの流出端と環状フレームの第一の部分の遠位端との間に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例64~125に記載の方法。
【0266】
実施例127:織物が環状フレームの外表面上に配置され、外側スカートである、本明細書の任意の実施例、特に実施例64~126に記載の方法。
【0267】
実施例128:外側スカートが、弁傍の漏れを防止するように構成されたシール部材である、本明細書の任意の実施例、特に実施例127に記載の方法。
【0268】
実施例129:移植可能な医療デバイスが、心臓弁である、本明細書の任意の実施例、特に実施例65~128に記載の方法。
【0269】
本発明のいくつかの態様が前述の明細書に開示されているが、前述の説明及び関連する図面で提示された教示の利益を有する、本発明が属する、本発明の多くの修正及び他の態様が想起されることが、当業者によって理解される。したがって、本発明が、上記に開示された特定の態様に限定されず、多くの修正及び他の態様が、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていることは、理解される。さらに、特定の用語が本明細書、並びに後続の特許請求の範囲において用いられるが、それらは一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、記載される発明及び後続の特許請求の範囲を限定する目的には使用されない。したがって、本発明者らは、その本発明者らの発明として、これらの請求項の範囲及び趣旨に含まれるすべてを、特許請求する。
【国際調査報告】