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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】磁気分離機
(51)【国際特許分類】
   B03C 1/28 20060101AFI20240328BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20240328BHJP
   B03C 1/01 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
B03C1/28 105
B03C1/00 A
B03C1/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562280
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2022023985
(87)【国際公開番号】W WO2022217034
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】17/225,304
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523382362
【氏名又は名称】ゼロ・グラビティ・フィルターズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ZERO GRAVITY FILTERS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルン,ジェームズ・トリバー
(72)【発明者】
【氏名】バーデン,ロバート・ジェイ
(57)【要約】
空気圧操作磁気分離機は、プロセス流体から磁性混入物質を捕獲する。プロセス流体は、様々な目的のために多くの産業上の作業において使用される。空気圧操作磁気分離機は、ハウジング壁と、第1フランジ板アセンブリと、第2フランジ板アセンブリと、主流体通路と、管と、シャトルとを含み得る。第1および第2フランジ板アセンブリは、各々一対のフランジ板を含み得る。管は、第1および第2フランジ板アセンブリの間において延びており、且つシャトルは、管内に置かれる。シャトルの各々は、1以上の磁石を含む。一例ごとに、使用中、シャトルは、空気圧の作動および作動解除に反応して管内において長さ方向に動く。溶接物は、管と第1および第2フランジ板アセンブリとを一緒に取り付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧操作磁気分離機であって、
ハウジング壁と、
前記ハウジング壁の端に隣接して位置している第1フランジ板アセンブリとを備え、前記第1フランジ板アセンブリは、第1フランジ板と第2フランジ板とを含み、前記第2フランジ板において複数の第1開口が位置しており、
前記ハウジング壁のもう一つの端に隣接して位置している第2フランジ板アセンブリをさらに備え、前記第2フランジ板アセンブリは、第3フランジ板と第4フランジ板とを含み、前記第4フランジ板において複数の第2開口が位置しており、
前記ハウジング壁によって、前記第1フランジ板アセンブリによって、および前記第2フランジ板アセンブリによって部分的に確立されている主流体通路と、
前記第1フランジ板アセンブリと前記第2フランジ板アセンブリとの間に延びている複数の管とをさらに備え、前記複数の管は、前記第2フランジ板の前記複数の第1開口において、および前記第4フランジ板の前記複数の第2開口において受けられ、前記複数の管の各々は穴を有し、
前記複数の管の前記穴に置かれている複数のシャトルをさらに備え、前記複数のシャトルの各々は、少なくとも1つの磁石を含み、前記複数のシャトルは前記穴内において長さ方向に移動可能であり、
前記複数の管と前記第1フランジ板アセンブリとを一緒に取り付ける複数の第1溶接物と、前記複数の管と前記第2フランジ板アセンブリとを一緒に取り付ける複数の第2溶接物とをさらに備える、空気圧操作磁気分離機。
【請求項2】
前記複数の管と前記第1フランジ板アセンブリとの間の取り付けの第1近接部は、その場所にOリングシールを欠き、且つ前記複数の管と前記第2フランジ板アセンブリとの間の取り付けの第2近接部は、その場所にOリングシールを欠く、請求項1に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項3】
前記複数の管と前記複数の第1開口との間の受けの第1長さ方向範囲においてOリングシールは不在であり、前記複数の管と前記複数の第2開口との間の受けの第2長さ方向範囲においてOリングシールは不在である、請求項1に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項4】
前記複数の第1溶接物は、前記複数の管と前記第2フランジ板との間に確立されており、且つ前記複数の第2溶接物は、前記複数の管と前記第4フランジ板との間に確立されている、請求項1に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項5】
前記第2フランジ板は、前記第1フランジ板と向かい合っている第1表面を有し、前記複数の管の各々は、第1末端を有し、且つ前記複数の第1溶接物は、前記第1表面および前記第1末端において確立されている、請求項1に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項6】
前記第4フランジ板は、前記第3フランジ板と向かい合っている第2表面を有し、前記複数の管の各々は、第2末端を有し、且つ前記複数の第2溶接物は、前記第2表面および前記第2末端において確立されている、請求項5に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項7】
前記複数の第1開口の各々は、第1開端縁を有し、前記複数の管の各々は、第1末端縁を有し、且つ前記複数の第1溶接物は、前記第1開端縁および前記第1末端縁において確立されている、請求項1に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項8】
前記複数の第2開口の各々は、第2開端縁を有し、前記複数の管の各々は、第2末端縁を有し、且つ前記複数の第2溶接物は、前記第2開端縁および前記第2末端縁において確立されている、請求項7に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項9】
前記複数の第1溶接物の各々は、それぞれの第1開端縁とそれぞれの第1末端縁との間の第1境界面の全範囲にわたって確立されている連続した溶接物である、請求項8に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項10】
前記複数の第2溶接物の各々は、それぞれの第2開端縁とそれぞれの第2末端縁との間の第2境界面の全範囲にわたって確立されている連続した溶接物である、請求項9に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項11】
前記複数の第1溶接物は、複数の第1タングステン不活性ガス(TIG)溶接物であり、且つ前記複数の第2溶接物は、複数の第2タングステン不活性ガス(TIG)溶接物である、請求項1に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項12】
第1隙間は、前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との間にあり、第2隙間は、前記第3フランジ板と前記第4フランジ板との間にあり、前記第1および第2隙間は、前記複数の管の前記穴と通じている、請求項1に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項13】
前記複数の管の前記穴内における前記複数のシャトルの長さ方向の移動は、前記第1および第2隙間における加圧ガスの適用および非適用によってもたらされる、請求項12に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項14】
前記複数のシャトルの各々は、スピンドルと、第1エンドキャップと、第2エンドキャップとを含み、前記スピンドルは、前記少なくとも1つの磁石を支持し、前記第1エンドキャップは前記スピンドルに接続されており且つ第1閉端をその場所に確立しており、前記第2エンドキャップは前記スピンドルに接続されており且つ第2閉端をその場所に確立している、請求項1に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項15】
空気圧操作磁気分離機であって、
ハウジング壁と、
前記ハウジング壁に隣接して位置している第1フランジ板とを備え、前記第1フランジ板は複数の第1開口を有し、前記複数の第1開口は、前記第1フランジ板を通って全体にわたっており、前記複数の第1開口の各々は、前記第1フランジ板の第1表面において第1開端縁を有し、
前記第1フランジ板に対向して前記ハウジング壁に隣接して位置している第2フランジ板と、
前記ハウジング壁によって少なくとも部分的に確立され且つ前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との間にわたる主流体通路と、
前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との間に延びている複数の管とをさらに備え、前記複数の管は、前記複数の第1開口に挿入されており、前記複数の管の各々は管壁を有し、前記管壁は第1末端縁を有し、
前記複数の管に置かれている複数のシャトルをさらに備え、前記複数のシャトルの各々は、少なくとも1つの磁石を含み、
前記第1フランジ板と前記複数の管とを一緒に取り付ける複数の第1溶接物をさらに備え、前記複数の第1溶接物は前記第1開端縁および前記第1末端縁において確立されている、空気圧操作磁気分離機。
【請求項16】
前記第2フランジ板は、複数の第2開口を有し、前記複数の第2開口は、前記第2フランジ板を通って全体にわたっており、前記複数の第2開口の各々は、前記第2フランジ板の第2表面において第2開端縁を有し、前記複数の管は、前記複数の第2開口に挿入されており、前記管壁は、第2末端縁を有し、空気圧操作磁気分離機は、前記第2フランジ板と前記複数の管とを一緒に取り付ける複数の第2溶接物をさらに備え、前記複数の第2溶接物は、前記第2開端縁においておよび前記第2末端縁において確立されている、請求項15に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項17】
前記第1末端縁は、前記第1開端縁にあり、且つ前記第1フランジ板の前記第1表面によって確立されている平面と大体一直線上にある、請求項15に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項18】
前記複数の第1溶接物は、各々溶接物充填材を備えている、請求項15に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項19】
Oリングシールは、前記複数の管と前記複数の第1開口との間の受けの第1長さ方向範囲に沿って不在である、請求項15に記載の空気圧操作磁気分離機。
【請求項20】
空気圧操作磁気分離機であって、
ハウジング壁と、
前記ハウジング壁の端に隣接して位置している第1フランジ板アセンブリとを備え、前記第1フランジ板アセンブリは、第1フランジ板と第2フランジ板とを含み、前記第2フランジ板において複数の第1開口が位置しており、前記複数の第1開口は、前記第2フランジ板を通って全体にわたっており、前記複数の第1開口の各々は、第1開端縁を有し、
前記ハウジング壁のもう一つの端に隣接して位置している第2フランジ板アセンブリをさらに備え、前記第2フランジ板アセンブリは、第3フランジ板と第4フランジ板とを含み、前記第4フランジ板において複数の第2開口が位置しており、前記複数の第2開口は前記第4フランジ板を通って全体にわたっており、前記複数の第2開口の各々は、第2開端縁を有し、
前記ハウジング壁によって、前記第1フランジ板アセンブリによって、および前記第2フランジ板アセンブリによって部分的に確立されている主流体通路と、
前記第1フランジ板アセンブリと前記第2フランジ板アセンブリとの間に延びている複数の管とをさらに備え、前記複数の管は、前記第2フランジ板の前記複数の第1開口においておよび前記第4フランジ板の前記複数の第2開口において受けられ、前記複数の管の各々は管壁を有し、前記管壁は、第1末端縁と第2末端縁とを有し、
前記複数の管に置かれている複数のシャトルをさらに備え、前記複数のシャトルの各々は、少なくとも1つの磁石を含み、
前記第2フランジ板と前記複数の管とを一緒に取り付ける複数の第1溶接物をさらに備え、前記複数の第1溶接物は、前記第1開端縁においておよび前記第1末端縁において確立されており、前記複数の第1溶接物は、前記第1開端縁および前記第1末端縁の全範囲の周りに延びている連続した溶接物であり、
前記第4フランジ板と前記複数の管とを一緒に取り付ける複数の第2溶接物をさらに備え、前記複数の第2溶接物は、前記第2開端縁においておよび前記第2末端縁において確立されており、前記複数の第2溶接物は、前記第2開端縁と前記第2末端縁との全範囲の周りに延びている連続した溶接物である、空気圧操作磁気分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(導入)
本開示は、一般に産業用のアプリケーションにおけるプロセス流体からの磁性混入物質の分離に関し、より具体的には、プロセス流体から磁性混入物質を分離および除去するために採用される空気圧操作磁気分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス流体は、多くの産業上の作業において使用される。流体は、機械加工用冷却剤、洗浄溶液、脱脂溶液、および急冷液、その他多くを含む。自動車および大型トラック、鉄鋼、および産業用HVAC(heating, ventilation, and air conditioning)などの産業は、機械加工、ホーニング、研削、部品洗浄、高周波焼入れおよび急冷、塗装前処理、鉄鋼圧延、その他の用途のために、プロセス流体の使用を採用する。金属混入物質は、日常的に作業の最中にプロセス流体の中へ導入される。磁気濾過システムは、プロセス流体から金属混入物質を捕獲および除去するために下流に取り付けられ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(概要)
一実施形態において、空気圧操作磁気分離機は、ハウジング壁と、第1フランジ板アセンブリと、第2フランジ板アセンブリと、主流体通路と、複数の管と、複数のシャトルと、複数の溶接物とを含んでもよい。第1フランジ板アセンブリは、ハウジング壁の端の近くに位置している。第1フランジ板アセンブリは、第1フランジ板と、第2フランジ板とを含む。複数の第1開口は、第2フランジ板において確立されている。第2フランジ板アセンブリは、ハウジング壁のもう一つの端の近くに位置している。第2フランジ板アセンブリは、第3フランジ板と、第4フランジ板とを含む。複数の第2開口は、第4フランジ板において確立されている。主流体通路は、ハウジング壁によって、第1フランジ板アセンブリによって、および第2フランジ板アセンブリによって部分的に確立されている。管は、第1フランジ板アセンブリと第2フランジ板アセンブリとの間に延びている。管は、第1開口においておよび第2開口において受けられている。管の各々は、穴を確立している。シャトルは、管内に置かれている。シャトルの各々は1以上の磁石を含む。シャトルは、管の穴内において長さ方向に移動し得る。第1溶接物は、管と第1フランジ板アセンブリとを一緒に取り付ける。第2溶接物は、管と第2フランジ板アセンブリとを一緒に取り付ける。
【0004】
一実施形態において、空気圧操作磁気分離機は、ハウジング壁と、第1フランジ板と、第2フランジ板と、主流体通路と、複数の管と、複数のシャトルと、複数の第1溶接物とを含んでもよい。第1フランジ板は、ハウジング壁の近くに位置している。第1フランジ板は、複数の第1開口を有する。第1開口は、第1フランジ板を通って全体にわたっている。第1開口の各々は、第1フランジ板の第1表面において、第1開端縁を有する。第2フランジ板は、ハウジング壁の近く且つ第1フランジ板に対向する位置に位置している。主流体通路は、ハウジング壁によって部分的にまたはそれ以上確立されている。主流体通路は、第1フランジ板と第2フランジ板との間にわたっている。管は、第1フランジ板と第2フランジ板との間に延びている。管は、第1開口に挿入されている。管の各々は、管壁を有する。管壁は、各々第1末端縁を有する。シャトルは、管内に置かれている。シャトルの各々は、1以上の磁石を含む。第1溶接物は、第1フランジ板と管とを一緒に取り付ける。第1溶接物は、第1開端縁においておよび第1末端縁において確立されている。
【0005】
一実施形態において、空気圧操作磁気分離機は、ハウジング壁と、第1フランジ板アセンブリと、第2フランジ板アセンブリと、主流体通路と、複数の管と、複数のシャトルと、複数の第1溶接物と、複数の第2溶接物とを含んでもよい。第1フランジ板アセンブリは、ハウジング壁の端の近くに位置している。第1フランジ板アセンブリは、第1フランジ板と、第2フランジ板とを含む。複数の第1開口は、第2フランジ板に位置している。第1開口は、第2フランジ板を通って全体にわたっている。第1開口の各々は、第1開端縁を有する。第2フランジ板アセンブリは、ハウジング壁のもう一つの端の近くに位置している。第2フランジ板アセンブリは、第3フランジ板と、第4フランジ板とを含む。複数の第2開口は、第4フランジ板に位置している。第2開口は、第4フランジ板を通って全体にわたっている。第2開口の各々は、第2開端縁を有する。主流体通路は、ハウジング壁によって、第1フランジ板アセンブリによって、および第2フランジ板アセンブリによって部分的に確立されている。管は、第1フランジ板アセンブリと第2フランジ板アセンブリとの間に延びている。管は、第2フランジ板の第1開口において受けられ、且つ第4フランジ板の第2開口において受けられている。管の各々は、管壁を有する。管壁は、各々第1末端縁と第2末端縁とを有する。シャトルは、管内に置かれている。シャトルの各々は、1以上の磁石を含む。第1溶接物は、第2フランジ板と管とを一緒に取り付ける。第1溶接物は、第1開端縁においておよび第1末端縁において確立されている。第1溶接物は、第1開端縁のおよび第1末端縁の全範囲の周りに延びている連続した溶接物である。第2溶接物は、第4フランジ板と管とを一緒に取り付ける。第2溶接物は、第2開端縁においておよび第2末端縁において確立されている。第2溶接物は、第2開端縁のおよび第2末端縁の全範囲の周りに延びている連続した溶接物である。
【0006】
(図面の簡単な説明)
本開示の1つ以上の態様は、添付された図面とともに以下に説明され、図面において同様の符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、磁気分離機の一実施形態の断面図である。
図2図2は、磁気分離機の溶接物の一実施形態の拡大図である。
図2A図2Aは、溶接物のもう一つの拡大図である。
図3図3は、磁気分離機とともに用いられ得るシャトルの斜視図である。
図4図4は、シャトルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
図を参照して、プロセス流体から磁性混入物質を分離および除去する空気圧操作磁気分離機10の一実施形態が提示されている。磁気分離機10は、限定されないが、自動車および大型トラック、鉄鋼、産業用HVAC(heating, ventilation, and air conditioning)を含む多くの産業に採用される濾過設備に装備され得る。プロセス流体自体は、多岐にわたり得て、機械加工用冷却剤、洗浄溶液、脱脂溶液、および急冷液を含み得る。プロセス流体は、機械加工、ホーニング、研削、部品洗浄、高周波焼入れおよび急冷、塗装前処理、ならびに鉄鋼圧延などのあらゆる種類のアプリケーションにおいて使用される。従来の装置とは異なり、磁気分離機10は、溶接物を介して一緒に取り付けられたそのフランジ板と管とを有し、且つそれらの間および取り付け箇所の近くにおいてOリングシールおよびガスケットを欠き得る。磁気分離機10のこの構造は、磁気分離機10の使用において、より大きな頑強性および柔軟性を与える。磁気分離機10は、大きな生産施設よりも永続性が低いアプリケーションに採用され得て、たとえば、石油およびガス産業、環境修復、その他において恐らく最も一般的であるような現場アプリケーションにおける使用に適応し得る。さらに、磁気分離機10は、石油およびガス産業、環境修復、その他におけるプロセス流体のような、Oリングシールおよびガスケットをより積極的に劣化させるプロセス流体を有するアプリケーションに採用され得る。磁気分離機10は、このため、以前に実証されていないその使用における機動性の水準を示す。さらに、Oリングシールおよびガスケットがない実施形態において、特定の状況下で発生する可能性があるようなシールおよびガスケットの故障は、完全に回避される。
【0009】
なお、別の方法で明示しない限り、径方向、軸方向、および周方向の語句ならびにそれらの文法的な変化は、図に示されるような磁気分離機10およびその構成要素のほぼ円形および筒状の形状に対する方向を参照する。
【0010】
磁気分離機10は、それを通って移動する流体流れに関してインライン型式であり、且つ、そのサイズに応じて、特定の例において、1ガロン毎分(GPM)から250GPMまでの範囲の流体流量を扱い得て、なお、他の例において他の流体流量が可能であってもよい。磁気分離機10は、たとえば複数の個々の磁気分離機が互いに平行に配列されており且つ共通のマニフォールドからプロセス流体が与えられるより大きな濾過設備の一部であり得る。磁気分離機10によって捕獲された磁気混入物質は、-アプリケーションおよびプロセスに応じて-粒子、微粉末、または他の物であり得て、且つ鉄金属物質によって構成され得る。なお、除去対象である磁性混入物質は、それら自体が磁気的特性を有することは必ずしも必要でなく、且つ鉄金属組成を有する必要はない。たとえば、除去対象である磁性混入物質は、最初は非磁性の粒子、微粉末、または他の物であってもよく、且つその後に磁性粒子と関係するように誘導されてもよく、磁性粒子は磁性混入物質を磁界の影響を受けやすくする。上下水処理の例において、たとえば、塩化第二鉄、塩化第一鉄、ミョウバン、硫酸アルミニウム、または他の可溶性物質などの特定の凝固剤が、小さい粒子を塊にするために、水などの流体に加えられてもよい。水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムの形におけるカルシウムは、粒子の除去の強化のために採用され、特定のポリマー材料-時々凝集剤として参照される-が、粒子の塊に強度を加えるため、またはそのサイズを増大するために流体に加えられてもよい。最後に、この上下水処理の例において、粒子に磁気的特性を与えるために、鉄粉、マグネートパウダー、赤鉄鉱粉などの磁性材料が流体に加えられてもよい。それでもまだ、最初は非磁性である粒子、微粉末、または他の物が磁界に影響されやすくされる追加の例は存在する。磁性混入物質という語句は、ここで広く使用され、且つこれらの可能性の全てを含むように意図される。なお、捕獲対象である磁性混入物質のサイズは変化し得て、且つ1ミクロン以上またはサブミクロンサイズでさえあり得る。分離および除去は、磁気混入物質が染み込んだプロセス流体を害することなく、磁気分離機10によって行われる。磁気分離機10は、異なる実施形態において様々な設計、構造、および構成要素を有し得て、少なくとも一部分は、特定のアプリケーションおよび特定の混入物質によって規定される。図1-4の実施形態において、磁気分離機10は、空気圧で操作および作動され、一般に、ハウジング壁12、第1フランジ板アセンブリ14、第2フランジ板アセンブリ16、複数の管18、および複数のシャトル20を含む。
【0011】
特に図1を参照して、ハウジング壁12は、磁気分離機10の外側の構造を作成している。ハウジング壁12は、筒状形状を有し、且つステンレス鋼などの金属材料によって構成されている。ハウジング壁12は、第1フランジ板アセンブリ14における第1端22から、第2フランジ板アセンブリ16における第2端24へ延びている。主通路26は、ハウジング壁12の内部に確立されており、第1および第2フランジ板アセンブリ14、16も主通路26の確立に貢献している。プロセス流体は、主通路26を通って入口導管28から出口導管30へ与えられ、または、プロセス流体は、特定のアプリケーションにおいて反対にされ得て且つ反対方向に参照番号30で示される導管から参照数字28で示される導管へ流れ得る。入口導管28は、第1フランジ板アセンブリ14内に配置され、且つ主通路26と流動的に通じている。同様に、出口導管30は、第2フランジ板アセンブリ16内に配置され、且つ主通路26と流動的に通じている。入口および出口導管28、30は、主通路26に対しておよび第1および第2フランジ板アセンブリ14、16に対して中心に配置される。主通路26は、第1および第2端22、24の間ならびに第1および第2フランジ板アセンブリ14、16の間にわたっている。磁性混入物質を伴うプロセス流体は、入口導管28を介して磁気分離機10に入り、且つ磁気混入物質がより少ないかまたはまったく含まないプロセス流体が出口導管30を介して磁気分離機10から出る。一対の二方弁または一つの三方弁は、磁気分離機10の動作モードに基づいてプロセス流体の流れを向かわせるために、出口導管30の下流に装備され得る。
【0012】
なお、示される実施形態において、内部バッフル本体32は、ハウジング壁の内部且つ主通路26の中に位置している。内部バッフル本体32は、管18およびシャトル20に向かって外側にプロセス流体の流れを転換するのに役立つ。入口導管28および出口導管30の間のより直接的且つ真っ直ぐな流体の流路は、内部バッフル本体32によって塞がれている。プロセス流体およびその中の磁性混入物質は、管18およびシャトル20により近接して流れさせられ、磁気混入物質の捕獲が最適化される。描かれた実施形態において、内部バッフル本体32は、ハウジング壁の内部の下半分を占める。ハウジング壁の内部の上半分は、内部バッフル本体32がない。上半分に提供された間隔は、使用中の磁気分離機10内への道を見つけるプロセス流体におけるより大きな障害の抜き取りを促進する。なお、他の実施形態において、内部バッフル本体32は、ハウジング壁の内部の上および下半分の両方を占める可能性がある。内部バッフル本体32は、1以上の閉端34を備えた金属材料の中空の筒である。内部バッフル本体32は、ペグ36を介して主通路26内に装着される。ペグ36は、第2フランジ板アセンブリ16に溶接され得る。閉端34は、間隔を横切って出口導管30に向かい合っている。また、示される実施形態において、内部バッフル板38はハウジング壁の内部且つ主通路26の中に位置している。内部バッフル板38は、第1および第2フランジ板アセンブリ14、16の間における管18の延長を支持するのに役立つ。内部バッフル板38はまた、主通路26を2つの半分の区画、すなわち第1または上区画40および第2または下区画42に分割する。内部バッフル本体32は、この実施形態において下区画42に位置する。内部バッフル板38は、主通路26を横切って側方かつ径方向に延びており、且つ内部バッフル本体32へ溶接を介してその位置に装着される。内部バッフル板38内の開口は、その構造を通っての管18の通過に適応する。上区画40から下区画42へのプロセス流体流れが進むのを許すために、凹み39は、内部バッフル板38の外周の周りにあり得る。凹み39は、内部バッフル板38およびハウジング壁12の内側面44の間に流体流路を確立する。
【0013】
まだ図1を参照して、第1フランジ板アセンブリ14は、磁気分離機10の上端を構成する。第1フランジ板アセンブリ14は、異なる設計および構造および構成要素を有し得る。この実施形態において、第1フランジ板アセンブリ14は、第1フランジ板46および第2フランジ板48を含む。第1および第2フランジ板46、48は、ボルト50を介して互いに接続されている。それらは両方とも円盤形状であり、且つステンレス鋼などの金属材料によって構成され得る。第1および第2フランジ板46、48の両方にあるやや大きい中央開口は、入口導管28の受け入れに適応している。ここで図2の拡大図を参照して、第1フランジ板46は、第1、機内表面52および第2、機外表面54を有する。そして第2フランジ板48は、第1、機内表面56および第2、機外表面58を有する。第1表面52、56は、互いに直接的に向かい合っている。磁気分離機10の使用の最中に管18およびシャトル20へ空気圧を伝達および分配するために、第1隙間60は、第1および第2フランジ板46、48の間且つ向かい合っている第1表面52、56の間にある。第1隙間60は、第1フランジ板46内に定義される環状経路62によって部分的に確立されている。環状経路62は、全ての管18およびシャトル20との伝達のために第1フランジ板46の周りを周方向にわたっており、管18およびシャトル20も磁気分離機10の周りを周方向に位置決めされている。異なる径の一対のOリング64は、それらのそれぞれの位置に密閉を形成するために、第1隙間60の内周におよび外周に取り付けられている。Oリング64は、第1および第2フランジ板46、48の間に挟まれている。さらに、空気継手66は、第1フランジ板46に与えられており、且つ空気圧作動源との接続のために第1隙間60と通じている。
【0014】
図1および2の両方を参照して、組み立ての最中に管18の端の挿入を受けるために、第2フランジ板48は、その構造内に位置している複数の第1開口68を有する。管18と同じ数の第1開口68がある。単一の第1開口68は、各管18のために提供されている。図2に最も良く示されるように、挿入時における第1開口68と管18との間のしっかりとしたはめ合いのために、第1開口68は、管18の直径よりもわずかに大きい直径を有する。各第1開口68は、第1表面56と第2表面58との間において第2フランジ板48を通って全体に延びており、且つ第1表面56における第1開端縁70と第2表面58における第2開端縁72との間にわたっている。
【0015】
第2フランジ板アセンブリ16は、第1フランジアセンブリ14のような同様の設計および構造を有し得る。図1を参照して、第2フランジ板アセンブリ16は、磁気分離機10の下端を構成している。この実施形態において、第2フランジ板アセンブリ16は、第3フランジ板74と第4フランジ板76とを有する。第3および第4フランジ板74、76は、ボルト78を介して互いに接続されている。それらは両方とも円盤形状であり、且つステンレス鋼などの金属材料によって構成され得る。第3および第4フランジ板74、76の両方にあるやや大きい中央開口は、出口導管30の受け入れに適応している。第3フランジ板74は、第1、機内表面80および第2、機外表面82を有する。そして第4フランジ板76は、第1、機内表面84および第2、機外表面86を有する。第1表面80、84は、互いに直接的に向かい合っている。磁気分離機10の使用の最中に管18およびシャトル20へ空気圧を伝達および分配するために、第2隙間88は、第3および第4フランジ板74、76の間且つ向かい合っている第1表面80、84の間にある。第2隙間88は、第3フランジ板74内に定義される環状経路90によって部分的に確立されている。環状経路90は、全ての管18およびシャトル20との伝達のために第3フランジ板74の周りを周方向にわたっている。異なる径の一対のOリング92は、それらのそれぞれの位置に密閉を形成するために、第2隙間88の内周におよび外周に取り付けられている。Oリング92は、第3および第4フランジ板74、76の間に挟まれている。さらに、空気継手(図示せず)は、第3フランジ板74内に与えられ得て、且つ空気圧作動源との接続のために第2隙間88と通じ得る。
【0016】
組み立ての最中に管18の端の挿入を受けるために、第4フランジ板76は、その構造内に位置している複数の第2開口94を有する。管18と同じ数の第2開口94がある。単一の第2開口94は、各管18のために提供されている。挿入時における第2開口94と管18との間のしっかりとしたはめ合いのために、第2開口94は、管18の直径よりもわずかに大きい直径を有する。各第2開口94は、第1表面84および第2表面86の間において第4フランジ板76を通って全体に延びており、且つ第1表面84における第1開端縁96(図2、2Aに表される)と第2表面86における第2開端縁98(図2に表される)との間にわたっている。
【0017】
管18は、ハウジング壁の内部且つ主通路26の中に位置しており、且つ第1および第2フランジ板アセンブリ14、16の間において完全に延びている。管18は、主通路26の第1および第2区画40、42を通って延びている。主通路26において、管18は、磁気分離機10を通って流れているプロセス流体への直接の露出を有する。プロセス流体は、入口導管28からのおよび出口導管30への道を作るように管18の周りを流れる。各管18の内側において、単一のシャトル20が受けられている。管18は、磁気分離機10の使用中におけるシャトル20の長さ方向および上向きおよび下向きの移動を案内する。各管18は、筒状形状であり、且つステンレス鋼などの金属材料によって構成され得る。図1に描かれているように、管18は、主通路26の周りに周方向に配列されており且つ互いからオフセットされ且つ離されている。配列は、磁気引力と管18内に保持されているシャトルの磁石(後に紹介される)によって生成される引力との釣り合いを取るために、やや均一であり得る。管18の正確な量は、変わり得る。一例において、提供された合計26本の管18と26本の関連するシャトル20があり、他の例において、他の量が考えられる。図2を特に参照して、各管18は、管壁100を有する。管壁100は、外側表面102と内側表面104とを有する。穴106は、各管18の中空の内部に確立される。第1開端108は、各管18の一方の自由端において定義され、且つ同じく第2開端110(図2、2Aに表される)は、各管18の反対側の自由端において定義される。さらに、第1末端縁112は、第1開端108において定義され、且つ、似た方法で、第2末端縁114(図2、2Aに表される)は、第2開端110において定義される。第1および第2末端縁112、114は、第1および第2開端108、110のそれぞれの円周の周囲に完全にわたっている。
【0018】
シャトル20は、管18内に置かれ、且つシャトル20が磁気混入物質を捕獲する位置にあるとき、管壁100に対して磁気混入物質を引きつけるのに役立つ。磁気混入物質は、吸引の結果、管壁100に対して保持され且つ蓄積する。シャトル20は、管18の穴106内に受けられ、且つ空気圧の作動に反応してその中を長さ方向および上下に動き得る。シャトル20は、大体筒状形状である。長さ方向の、端から端までの個々のシャトル20の全長は、第1区画40の軸方向の長さに、および第2区画42の軸方向の長さにおよそ対応している。個々のシャトル20の直径は、穴106の直径よりもわずかに小さく、そのためシャトル20は、その中を移動できる。シャトル20は、異なる設計および構造および構成要素を有し得る。図3および4を参照して、この実施形態において、各シャトル20は、スピンドル116、第1エンドキャップ118、第2エンドキャップ120、Oリング122、複数の磁石124、および複数の磁極片126を含む。
【0019】
スピンドル116は、シャトル20の他の構成要素を支持する。第1および第2エンドキャップ118、120は、スピンドル116の対向する自由端に接続し、且つ磁石124および磁極片126を一緒に挟んでいる状態に引き留める。スピンドル116と第1および第2エンドキャップ118、120との間の接続は、それらの間のねじ切りを介している。第1および第2エンドキャップ118、120は、スピンドル116のそれぞれの自由端上にねじ込まれる。ネジ固定液がねじ切りに適用され得る。第1および第2エンドキャップ118、120の第1および第2端面128、130は、平面状であり、且つ磁気分離機10の使用の最中に加圧空気からの催促を受ける。第1および第2端面128、130は、シャトル20のそこに第1および第2閉端129、131を確立する。従来のシャトルにおいて、スピンドルは、そのような表面においてエンドキャップ内の開口を通って延びており、内部Oリングは、従来のシャトルにおいてその開口のせいでスピンドルとエンドキャップとの間に提供されていた。図の実施形態において、スピンドル116は、第1および第2エンドキャップ118、120を通って延びていない。むしろ、このため、第1および第2端面128、130において第1および第2閉端129、131は、シャトル20においておよびスピンドル116において、省略される内部Oリングの必要性を除去する。内部Oリングにおける潜在的な欠点は、図の実施形態において取り除かれている。
【0020】
組み立てにおいて、第1バネ132(図1)は、第1エンドキャップ118に対して第1端面128に配置され、且つ同様に第2バネ134(図1)は、第2エンドキャップ120に対して第2端面130に配置される。シャトル20のように、第1および第2バネ132、134は、管18の穴106において受けられる。第1および第2バネ132、134は、シャトル20が空気圧の作動に反応して長さ方向および上下に移動するときに及ぼされる衝撃を緩和しおよび吸収するのに役立つ。第1および第2バネ132、134は、磁気分離機10の異なる動作モードにおいて、長さ方向に整列して、且つ第1区画40におよび第2区画42に従って、シャトル20の位置を決めるスペーサーとして役立ちもし得る。第1バネ132の長さ方向の大きさは、第1開口68の軸方向長さよりもやや大きくあり得て、且つ同じく第2バネ134の長さ方向の大きさは、第2開口94の軸方向長さよりもやや大きくあり得る。図3および4をもう一度参照して、一つのOリング122は、第1エンドキャップ118にある溝136に取り付けられ、且つもう一つのOリング122は、第2エンドキャップ120にあるもう一つの溝138に取り付けられる。Oリング122は、それらのそれぞれの位置において、管壁100の内側表面104と空気を通さない密閉を形成する。
【0021】
磁石124は、第1および第2エンドキャップ118、120の間においてスピンドル116によって支持される。磁石124は、この実施形態において、永久磁石である。それらは、管壁100に向かっておよび管壁100に対して磁性混入物質を引きつけ且つ引っ張る磁界を生み出す。磁石124の正確な量は変わり得る。この実施形態において、合計8つのフル磁石(F)および2つのハーフ磁石(H)があり、他の例において他の量が考えられる。磁石124は、スピンドル116上への挿入のための中央開口を持つ筒状形状である。いろいろな材料が磁石124の組成物として使用され得る。一例において、磁石124は、ネオジム-鉄-ボロン(NIB)によって構成されており、他の例において他の材料が考えられる。一緒に、磁石124は、アプリケーションに応じて、異なる大きさの磁場を生み出し得る。一例において、磁石124は10000ガウス(G)よりも大きい磁束密度を生み出し、他の例において他の大きさが考えられる。最後に、磁極片126は、スピンドル116によって支持され、且つ磁石124の中間に配置される。磁極片126は、生み出された磁界を径方向外側に向かわせる。磁極片126の正確な量は変わり得て、磁石124の量および配列に応じ得る。この実施形態において、合計9つの磁極片126があり、他の例において他の量が考えられる。磁極片126は、スピンドル116上への挿入のための中央開口を持つ円盤形状である。なお、一例において、連続的に配列された磁石124のN極は、間に入った磁極片126を横切って互いに対向し得て、同じく、連続的に配列された磁石124のS極は、間に入った磁極片126を横切って互いに対向し得る。この配列がより高い強度の磁界が生み出すことがあることが発見された。
【0022】
フランジ板と管との間の相互関係は空気および液体の漏れを防ぐために密閉されるべきであることが決定されている。従来において、Oリングシールは、フランジ板と管との間の境界面に配置された。すなわち、空気のための第1Oリングシールおよびプロセス流体のための第2Oリングシールである。第1および第2Oリングシールは、互いに離され、且つフランジ板内の開口の内側における溝に取り付けられた。その後、管は、管の外側表面が第1および第2Oリングシールに当接しつつ開口に部分的に挿入された。管は、その後のOリングシールの修理および交換のために、フランジ板から取り外し可能だった。2つのOリングシールは、異なる密閉の目的、すなわち空気のための第1の目的およびプロセス流体のための第2の目的を有していたので、それらは互いに対して異なる材料によって構成されていた。さらに、第2Oリングシールのために選択された材料は、関連した磁気分離機において混入物質の分離および除去の対象であるプロセス流体によってしばしば規定された。一つの材料は、一種のプロセス流体にとって劣化を防ぐために適していることがあるが、もう一つの種類のプロセス流体にとって適していないことがあり、その結果早く劣化する可能性があった。時間が過ぎ、および広範囲の使用とともに、いくつかの場合においてOリングシールが故障し且つ交換が必要になることがわかった。故障は、劣化または他の要因が原因である可能性がある。一度故障が発生すると、従来の磁気分離機は、取り外しおよび分解され、管が取り外され、Oリングシールが取り外しおよび交換され、且つ部品を再組み立ておよび再取り付けされなければならなかった。特定の状況における故障の可能性は、従来の磁気分離機の有用性を妨げることが発見されており、且つフィールドアプリケーションおよび他のより移動性のあるアプリケーションにおける使用のためのそれらの準備性を妨害する可能性があり、Oリングシールを劣化させやすいという点に関してより攻撃的な性質を持つプロセス流体を有するアプリケーションにおいても同様である。
【0023】
これらの潜在的な欠点のいくつかまたは全てを解決するために、磁気分離機10は、管18と第1および第2フランジ板アセンブリ14、16との間に確立された溶接物を有する。溶接物は、管18と第1および第2フランジ板アセンブリ14、16との間におけるやや永久的な留め具として役立ち、且つ同時に管18と第1および第2フランジ板アセンブリ14、16との間における空気の漏れおよびプロセス流体の漏れの両方を防ぐための永続的な密閉として役立つ。溶接物自体によって密閉状態が与えられるので、従来のアセンブリのOリングシールは、不必要であってもよく、且つ完全に回避され得て、なお、いくつかの実施形態において、Oリングシールは、予備的な手段として提供される可能性がある。溶接物は、劣化しない密閉を提供する。磁気分離機10は、これゆえに、有用性を高めており、且つ石油およびガス産業、環境修復およびその他などのフィールドアプリケーションにおける使用のために適しており且つ用意が整っており、且つより攻撃的な性質のプロセス流体を採用するアプリケーションにおいて有用性を高めている。溶接物は、異なる実施形態において異なる形態を取り得る。一実施形態毎に、溶接物を介して適切な取り付けおよび密閉をもたらすときに遭遇した一つの課題は、管壁100の薄さだった。一例において、管壁100は、およそ0.07ミル(1000分の1インチ、0.000778ミリメートル(mm))の厚さ(即ち、外側表面102から内側表面104まで)を有し、他の例において他の厚さの値が考えられる。管壁100が薄いほど、溶接の最中により容易に傷つけられ且つ変形させられ得て、溶接自体が損傷し、且つ空気およびプロセス流体の漏れを防ぐための密閉が損傷することが発見されている。
【0024】
ここで図2Aを特に参照して、この実施形態において、第1溶接物140は、管18の各々と第2フランジ板48との間に確立され、そして、似た方法で、第2溶接物142(図2Aに表される)は、管18の各々と第4フランジ板76との間に確立される。組み立てにおいて、管18は、完全に挿入されるように第1開口68内に挿入され、それによって、第1末端縁112は第1開端縁70にある。第1開端108は、第2フランジ板48の第1表面56に対して第1開端縁70と大体同一平面である。第1末端縁112および第1開端縁70は、第1表面56によって定義される平面と大体一直線上にある。第1溶接物140は、第1開端108と第1開端縁70との間、且つ第1末端縁112と第1開端縁70との間に確立されている。さらに、一実施形態において、第1溶接物140は、外側表面102と第1表面56との間に形成され得る。管18の周りおよび第1開口68の周りに取り付けおよび完全な密閉を提供するために、第1溶接物140は、第1開端縁70と第1末端縁112との間の第1境界面の全範囲にわたって連続的に形成される。第1溶接物140は、管18の周りおよび第1開口68の周りにおいて周方向に連続的に延びている。一例において、第1溶接物140は、タングステン不活性ガス(TIG)溶接方法によって用意され、TIG溶接物が作り出される。第1溶接物充填材144は、TIG溶接方法において供給され得る。なお、他の溶接方法の型式が、第1溶接物140を作り出すために利用される可能性がある。特定の実施形態において溶接を容易にするために、および実行される特有の溶接方法に応じて、第1傾斜縁148は、第1開端縁70に提供される可能性がある。TIG溶接の例において、第1溶接物充填材144は、第1傾斜縁148において確立された間隔にその後固定される可能性がある。
【0025】
同様に、第4フランジ板76において、管18は、完全に挿入されるように第2開口94内に挿入され、それによって、第2末端縁114は第1開端縁96にある。第2開端110は、第4フランジ板76の第1表面84に対して第1開端縁96と大体同一平面である。第2末端縁114および第1開端縁96は、第1表面84によって定義される平面と大体一直線上である。第2溶接物142は、第2開端110と第1開端縁96との間、且つ第2末端縁114と第1開端縁96との間に確立される。さらに、一実施形態において、第2溶接物142は、外側表面102と第1表面84との間に形成され得る。管18の周りおよび第2開口94の周りに取り付けおよび完全な密閉を提供するために、第2溶接物142は、第1開端縁96と第2末端縁114との間の第2境界面の全範囲にわたって連続的に形成される。第2溶接物142は、管18の周りおよび第2開口94の周りにおいて周方向に連続的に延びている。一例において、第2溶接物142は、タングステン不活性ガス(TIG)溶接方法によって用意され、TIG溶接物が作り出される。第2溶接物充填材146は、TIG溶接方法において供給され得る。なお、他の溶接方法の型式が、第2溶接物142を作り出すために利用される可能性がある。特定の実施形態において溶接を容易にするために、および実行される特有の溶接方法に応じて、第2傾斜縁150は、第1開端縁96に提供され得る。TIG溶接の例において、第2溶接物充填材146は、第2傾斜縁150に設けられた間隔にその後固定される可能性がある。
【0026】
第1および第2溶接物140、142によって提供された密閉は、従来のアセンブリのOリングシールに取ってかわり得る。Oリングにつきものの望まれない故障の可能性は、それゆえに、特定の実施形態において避けられ得る。たとえば、Oリングシールは、管18と第1フランジ板アセンブリ14、具体的には、第2フランジ板48との間の取り付けの隣接する第1近接部に不在であり得る。より具体的には、図の実施形態において、Oリングシールは、提供されず且つ管18と第1開口68との間の受け152(図2)の第1長さ方向範囲にわたって不在である。同じく、Oリングシールは、管18と第2フランジ板アセンブリ16、具体的には、第4フランジ板76との間の取り付けの隣接する第2近接部に不在であり得る。より具体的には、図の実施形態において、Oリングシールは、提供されず且つ管18と第2開口94との間の受け154(図2)の第2長さ方向範囲にわたって不在である。
【0027】
操作において、磁気分離機10およびその構成要素は、プロセス流体から磁性混入物質を分離および除去するために一緒に働く。磁気分離機10は、少なくとも2つの動作モード、すなわち濾過モードおよび浄化モードを有する。濾過モードにおいて、シャトル20は、第2区画42と整列して管18内に位置決めされる。このモードおよび位置は、図1において説明される。空気継手66を介した空気圧は、第2区画42で管18内の位置へシャトル20を移動させる。シャトル20の第1および第2端面128、130の間において異なる空気圧は、管18におけるシャトル20の移動および位置決めをもたらす。濾過モードにおいて、プロセス流体は、入口導管28を経て主通路26に入り、そして第2区画42を通って流れる。プロセス流体における磁性混入物質は、シャトルの磁石124によって管18に引きつけられ、且つ管壁100に対して保持される。磁性混入物質は捕獲され、且つこれゆえに今浄化されたプロセス流体とともに出口導管30を通って主通路26から出ない。浄化モードにおいて、一方で、シャトル20は、第1区画40と整列されて位置決めされる。第2フランジ板アセンブリ16において空気継手を介した空気圧は、第1区画40で管18内の位置へシャトル20を移動させる。浄化モードにおいて、第2区画42におけるシャトル20の位置決めの不在の結果、前もって捕獲された磁性混入物質は、第2区画42内に解放される。主通路26は浄化され、且つ解放された磁性混入物質は、洗い流され且つ磁気分離機10の外に排出される。なお、浄化モードの間、新たに入ったプロセス流体からの磁性混入物質は第1区画40に集まり得て、そのため、磁気分離機10は連続した方法において動作し、プロセス流体は磁気分離機10に連続的に与えられる。
【0028】
上記は、本開示の1つ以上の態様の説明であると理解されるべきである。本開示は、ここで開示された特定の実施形態に限定されず、むしろ、以下の特許請求の範囲のみによって定義される。さらに、前述の説明に含まれる記述は、特定の実施形態に関連し、語句または句が上記で明確に定義されている場合を除いて、本開示の範囲の、または特許請求の範囲において用いられる語句の定義の限定として解釈されるべきでない。様々な他の実施形態および開示された実施形態への様々な変更および修正は、当業者に明らかになるだろう。全てのそのような他の実施形態、変更、および修正は、添付の特許請求の範囲の範囲に入ることが意図されている。
【0029】
この明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、語句「たとえば(e.g.)」、「たとえば(for example)」、「たとえば(for instance)」、「など(such as)」、および「のような(like)」ならびに動詞「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、およびそれらの他の動詞形は、1つ以上の構成要素または他の項目のリストと組み合わせて使用される場合、各々オープンエンドとして解釈されるべきであり、リストは、他の、追加の構成要素または項目を除外するとして考慮されるべきでないことを意味する。他の語句は、異なる解釈が必要な文脈において用いられない限り、それらの最も広い合理的な意味を使用して解釈されるべきである。
図1
図2
図2A
図3
図4
【国際調査報告】