(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】マイクロニードルバイオセンサーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1473 20060101AFI20240328BHJP
【FI】
A61B5/1473
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565222
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 KR2021019230
(87)【国際公開番号】W WO2022149754
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2021-0052167
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0122493
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523399360
【氏名又は名称】アルビティ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALBITI INC.
【住所又は居所原語表記】602,60,Apgujeong-ro 2-gil,Gangnam-gu,Seoul 06035,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アン,ジュニョン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ウンヒ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KY04
4C038KY11
4C038KY13
(57)【要約】
本発明は、円形状薄膜の第1のベース、第1のベース上に垂直に突出される複数のマイクロニードル、第1のベースの円周の一端で延長する第1の配線を含む作業電極;第1のベースと同芯に第1のベースの円周で設定距離だけ離隔し、3/4円形状のストリップ薄膜の第2のベース、第2のベース上に垂直に突出される複数のマイクロニードル、および第1の配線と水平に配置されるように第2のベースの一端で延長する第2の配線を含む相手電極;および第2のベースの他端で設定距離だけ離隔し、第1のベースと同芯に第1のベースの円周で設定距離だけ離隔し、1/4円形状のストリップ薄膜の第3のベース、第3のベース上に垂直に突出される複数のマイクロニードル、第3のベースの一端で延長する第3の配線を含む基準電極;を含む、マイクロニードルバイオセンサーおよびその製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形状薄膜の第1のベース、前記第1のベース上に垂直に突出される複数のマイクロニードル、前記第1のベースの円周の一端で延長する第1の配線を含む作業電極;
前記第1のベースと同芯に前記第1のベースの円周で設定距離だけ離隔した第2の円周の一部を成す形状のストリップ薄膜の第2のベース、前記第2のベース上に垂直に突出される複数のマイクロニードル、および前記第1の配線と水平に配置されるように第2のベースの一端で延長する第2の配線を含む相手電極;および
前記第2のベースの他端で設定間隔だけ離隔し、前記第2のベースのストリップ形状とともに第2の円周を成すストリップ薄膜の第3のベース、前記第3のベース上に垂直に突出される複数のマイクロニードル、前記第3のベースの一端で延長する第3の配線を含む基準電極を含む、マイクロニードルバイオセンサー。
【請求項2】
前記第2のベースは、前記第2の円周の3/4を占め、前記第3のベースは、前記第2の円周の1/4を占めることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロニードルバイオセンサー。
【請求項3】
前記第1の配線は、前記第1のベースの円周の一端で垂直に延長され、前記第2の配線は、前記第1の配線と水平に配置されるように前記第2のベースの一端で延長され、
前記第3の配線は、前記第1の配線と水平に配置されるように前記第3のベースの一端で延長されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロニードルバイオセンサー。
【請求項4】
マイクロニードルバイオセンサーを製造する方法において、
a)固体樹脂ブロックに作業電極、相手電極、基準電極それぞれのマイクロニードル形状に相応する溝を形成してモールドを形成するステップ;
b)前記モールド上にポリマーを利用して前記作業電極、相手電極、基準電極それぞれのポリマーレイヤーをインプリントするステップ;
c)前記ポリマーレイヤー上に前記作業電極、相手電極、基準電極のパターンに該当するシャドーマスクを形成し、AuまたはAu+Ti/Cr接着層をスパッタリングして金属レイヤーを形成するステップ;および
d)前記金属レイヤー上にパッシベーションレイヤーを形成するステップ;を含むことを特徴とする、マイクロニードルバイオセンサー製造方法。
【請求項5】
前記d)ステップ遂行後、前記作業電極のマイクロニードルの先端にPt-blackめっきおよびナフィオンコーティングをするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のマイクロニードルバイオセンサー製造方法。
【請求項6】
前記d)ステップ遂行後、前記基準電極のマイクロニードルにAg/AgClコーティングするステップをさらに含む、請求項4に記載のマイクロニードルバイオセンサー製造方法。
【請求項7】
前記固体樹脂ブロックは、Polydimethylsiloxane(PDMS)、またはPolytetrafluoroethylene(PTFE)材質であることを特徴とする、請求項4に記載のマイクロニードルバイオセンサー製造方法。
【請求項8】
前記b)ステップにおいて、前記ポリマーは、アクリルまたはPLAであることを特徴とする、請求項4に記載のマイクロニードルバイオセンサー製造方法。
【請求項9】
前記c)ステップにおいて、前記作業電極、相手電極、基準電極のパターンにおいて、前記作業電極は、円形状薄膜の第1のベースを含み、前記相手電極は、前記第1のベースと同芯に前記第1のベースの円周で設定距離だけ離隔した第2の円周の一部を成す形状のストリップ薄膜の第2のベースを含み、前記基準電極は、前記第2のベースの他端で設定間隔だけ離隔し、前記第2のベースのストリップ形状とともに前記第2の円周を成すストリップ薄膜の第3のベースを含むことを特徴とする、請求項4に記載のマイクロニードルバイオセンサー製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロニードルバイオセンサーおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なヒトの血糖濃度は、食前70~130mg/dL範囲内にあり、食後180mg/dLの範囲内にある。このような範囲を超える場合を高血糖症(hyperglycemia)に分類し、正常範囲未満である場合を低血糖症(hypoglycemia)に分類する。高血糖症は、糖尿病との関連性がかなり高い。糖尿病は、高い血糖数値が長期間持続するメタボリック疾患群を言う。
【0003】
このような糖尿病を診断して合併症に進展しないように管理するためには、体系的な血糖測定と治療が並行してなければならない。通常、糖尿病の疾患管理は、患者の血糖数値によってインスリン注入量を決め、所定時間間隔でインスリンを投与して管理される。ところが、患者それぞれの血糖数値およびインスリン投与による血糖変化は個別患者ごとに異なるため、正確且つ効率的なインスリン投与量および投与時期、間隔の決定が難しい問題点がある。
【0004】
このような問題点を解決するために、連続血糖モニタリング(continuous glucose monitoring;CGM)システムを利用することができる。連続血糖測定器は、メドトロニック社(Medtronic、Minneapolis、MN、USA)で初めて開発され、1999年6月、米国FDAの承認を受け、血糖変動幅が大きく、低血糖が頻繁な糖尿病患者の治療に役立っている。連続血糖測定器は、血糖センサー、無線伝送器、受信器の3部分で構成されている。センサーは、皮下脂肪に挿入されて細胞間質液で糖を測定することになる。
【0005】
従来の連続血糖モニタリング装置は、身体に挿入されて血液から血糖を測定するセンサーと、センサーが身体に挿入されるようにガイドするニードルと、センサーモジュールを身体に適用するためには、別途のアプリケート結合構造を含む。センサーは、シリンジニードルの中空に配置され、シリンジニードルによって皮下ピアスされ、皮下脂肪に挿入される。シリンジニードルの中空にセンサーが配置される。シリンジニードルは、血糖検出時に大きさが21 Gaugeまで使用され、シリンジニードルの中空にセンシングストリップが配置されなければならないため、連続血糖測定装置のセンサーニードルとして使用されるシリンジニードルは、一般的に直径が600nm~800nmまで使用される。センサーニードルの直径が600nm~800nmになると、ユーザーに痛みを誘発して、連続使用時に不快感を与える問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するために案出されたものであって、最小浸湿で着用時に、ユーザーの痛みを減少させることができるマイクロニードルバイオセンサーを提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、付着後にエッジリフト現象を改善することができる薄膜型マイクロニードルバイオセンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
円形状薄膜の第1のベース、前記第1のベース上に垂直に突出される複数のマイクロニードル、前記第1のベースの円周の一端で延長する第1の配線を含む作業電極;
前記第1のベースと同芯に前記第1のベースの円周で設定距離だけ離隔した第2の円周の一部を成す形状のストリップ薄膜の第2のベース、前記第2のベース上に垂直に突出される複数のマイクロニードル、および前記第1の配線と水平に配置されるように第2のベースの一端で延長する第2の配線を含む相手電極;および
前記第2のベースの他端で設定間隔だけ離隔し、前記第2のベースのストリップ形状とともに第2の円周を成すストリップ薄膜の第3のベース、前記第3のベース上に垂直に突出される複数のマイクロニードル、前記第3のベースの一端で延長する第3の配線を含む基準電極を含む、マイクロニードルバイオセンサーを提供する。
【0009】
前記第2のベースは、円周の3/4円、前記第3のベースは、円周の1/4円を形成することを特徴とする。
【0010】
前記第1のベース、前記第2のベース、前記第3のベースの底面は、接着シートに付着されることを特徴とする。
【0011】
前記第1の配線は、前記第1のベースの円周の一端で垂直に延長され、前記第2の配線は、前記第1の配線と水平に配置されるように前記第2のベースの一端で延長され、
前記第3の配線は、前記第1の配線と水平に配置されるように前記第3のベースの一端で延長されることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の実施例によれば、
a)固体樹脂ブロックに作業電極、相手電極、基準電極それぞれのマイクロニードル形状に相応する溝を形成してモールドを形成するステップ;
b)前記モールドにポリマーで前記作業電極、相手電極、基準電極のポリマーレイヤーをインプリントするステップ;
c)前記作業電極、相手電極、基準電極のパターンに該当するシャドーマスクを形成し、AuまたはAu+Ti/Cr接着層をスパッタリングして金属レイヤーを形成するステップ;および
d)前記金属レイヤー上にパッシベーションレイヤーを形成するステップ;を含むことを特徴とする、マイクロニードルバイオセンサー製造方法を提供する。
【0013】
前記d)ステップ遂行後、前記作業電極のマイクロニードルの先端にPt-blackめっきおよびナフィオンコーティングをするステップをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
前記d)ステップ遂行後、前記基準電極のマイクロニードルにAg/AgClコーティングするステップをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
前記固体樹脂ブロックは、Polydimethylsiloxane(PDMS)、またはPolytetrafluoroethylene(PTFE)材質であることを特徴とする。
【0016】
前記b)ステップのポリマーは、アクリルまたはPLA材質であることを特徴とする。
【0017】
前記c)ステップにおいて、前記作業電極、相手電極、基準電極のパターンにおいて、前記作業電極は、円形状薄膜の第1のベースを含み、前記相手電極は、前記第1のベースと同芯に前記第1のベースの円周で設定距離だけ離隔した第2の円周の一部を成す形状のストリップ薄膜の第2のベースを含み、前記基準電極は、前記第2のベースの他端で設定間隔だけ離隔し、前記第2のベースのストリップ形状とともに前記第2の円周を成すストリップ薄膜の第3のベースを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施例によれば、最小浸湿で着用時にユーザーの痛みを減少させることができるマイクロニードルバイオセンサーを提供することができる。
【0019】
本発明の実施例によれば、付着後のエッジリフト現象を改善することができる薄膜型マイクロニードルバイオセンサーを提供することができる。
【0020】
前記のように構成された本発明の実施例によれば、着用時にユーザーの痛みを減少させることができるとともに、正確なセンシングが可能であり、皮膚表面形状に最も適したマイクロニードルバイオセンサーおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例によるマイクロニードルバイオセンサーを示した図面である。
【
図2】マイクロニードルバイオセンサー製造工程を示したフローチャートである。
【
図3】PLAマイクロニードルバイオセンサー製造工程のうち熱インプリント工程を示したフローチャートである。
【
図4】アクリルマイクロニードルバイオセンサー製造工程のうちUVインプリント工程を示したフローチャートである。
【
図5】
図2のS12ステップを遂行した結果物を示した図面である。
【
図6】
図2のS13ステップを遂行した結果物を示した図面である。
【
図7】
図2のS13ステップを遂行した結果物を示した図面である。
【
図8】
図2のS13ステップを遂行した結果物を示した図面である。
【
図9】ニードルにPt-blackめっきした状態を示した図面である。
【
図10】ニードルにPt-blackめっきした状態を示した図面である。
【
図11】Pt-black上にナフィオンコーティングした状態を示した図面である。
【
図12】Ag/AgClおよびナフィオンコーティングした状態を示した図面である。
【
図13】本発明の実施例によるマイクロニードルバイオセンサーを利用してグルコースを測定したグラフを示す。
【
図14】本発明の実施例によるマイクロニードルバイオセンサーを利用してグルコースを測定したグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に対して、添付の図面を参照して詳細に説明すれば、次のとおりである。ここで、同一の構成に対しては、同一符号を使用し、繰り返した説明、本発明の要旨を不必要に不明確にする可能性がある公知機能および構成に対する詳細な説明は省略する。本発明の実施形態は、当業界において平均的な知識を有する者に、本発明をより完全に説明するために提供されるものである。よって、図面における要素の形状および大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがある。
【0023】
本発明の実施例によるマイクロニードルバイオセンサーは、最小浸湿型マイクロニードルバイオセンサーである。本発明は、マイクロニードルが皮膚に浸湿して、体液と接触して、生体シグナルをモニタリングするバイオセンサーに関する。本発明の実施例によるバイオセンサーは、浸湿されたホストの間質液(interstitial fluid、ISF)で血糖濃度を測定するためのものであって、設定期間連続して血糖濃度を測定するために皮膚表面に取り付けられることを意味するが、これに制限されない。
【0024】
図1は、本発明の実施例によるマイクロニードルバイオセンサーを示した図面である。図示されているように、マイクロニードルバイオセンサーは、作業電極(WE;Working Electrode)110、相手電極(CE;Counter Electrode)120、基準電極(RE;Reference Electrode)130、接着シート200を含む。作業電極110は、原型第1のベース111、前記第1のベース111上に垂直に突出される複数のマイクロニードル112、前記第1のベース111の一端で垂直に延長する第1の配線113を含む。相手電極120は、前記第1のベース111と同芯に前記第1のベース111の円周で設定間隔だけ離隔した3/4円形状の設定幅のストリップで形成される第2のベース121、前記第2のベース121上に垂直に突出される複数のマイクロニードル122、前記第1の配線113と水平に配置されるように第2のベース121の一端で延長する第2の配線123を含む。前記基準電極130は前記第2のベース121の他端で設定間隔だけ離隔し、第1のベース111と同芯に前記第1のベース111の円周と設定間隔だけ離隔した1/4円形状の設定幅のストリップで形成される第3のベース131、前記第3のベース131上に垂直に突出される複数のマイクロニードル132、前記第1の配線113と水平に配置されるように前記第3のベース131の一端で垂直に延長する第3の配線133を含む。
【0025】
相手電極120と基準電極130は、設定間隔だけ作業電極110で離隔して作業電極110を取り囲むように配置される。前記作業電極110、相手電極120、基準電極130は、接着シート200上に付着される。接着シート200は、繊維またはポリマー材質のシートの一面に接着剤が塗布されることが好ましい。接着シート200は、シート自体に弾性を有することが好ましい。接着シート200は、皮膚に付着可能な接着剤が塗布された面に作業電極110、相手電極220、基準電極130が付着される。原型の作業電極110と作業電極110で離隔してストリップ形状に形成され、作業電極110を取り囲むように相手電極120と基準電極130が配置され、繊維またはポリマー材質のシートに付着されるので、作業電極110、相手電極220、基準電極130がセンシングのための有効面積を十分に確保しながらも、構造的に平面になり得ない人体の皮膚に付着時に、それぞれ柔軟に皮膚の角度によって傾いて皮膚接触面に密接に付着されることができる。すなわち、ベースが平面であるセンサーの場合、平面ではない皮膚に付着時に、付着後の時間が経過するほど回復力のために縁が浮かぶ現象が発生するが、本発明の実施例によるマイクロニードルバイオセンサーは、このような問題点を解決することができるようになる。
【0026】
本発明の実施例によるマイクロニードルバイオセンサーは、ポリマー(polymer)レイヤー、金属電極レイヤー、パッシベーション(passivation)レイヤーが順に積層されて形成される。
【0027】
図2は、マイクロニードルバイオセンサー製造工程を示したフローチャートである。図示されているように、マイクロニードルバイオセンサー製造方法は、モールドおよびインプリント工程(S11)、メタライゼーション工程(S12)、パッシベーション工程(S13)で構成されたマイクロニードル製造工程(S10)と、Ag/AgCl、Pt-black、ナフィオンコーティングおよびワイヤリングとパッケージ工程で構成された後処理工程(S20)を含む。
【0028】
図3は、
図2のマイクロニードルバイオセンサー製造工程のうちPLA材質のポリマーレイヤーを形成するモールドおよびインプリント工程(S11)を示したフローチャートである。
【0029】
図示されているように、マイクロニードルに相応する形状の溝をレーザーでポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene、PTFE)ブロックに形成するモールド製造ステップ(S111)、モールドに離型剤をコーティングする離型剤コーティングステップ(S112a)、離型剤乾燥ステップ(S113a)、溝が形成されたモールド上にPLAレイヤーを形成してセラミックスで加圧するステップ(S114a)、200℃真空オーブンで焼き付けるステップ(S115a)、真空オフ後にプレスで加圧するステップ(S116a)で構成される。
【0030】
環境に優しい・無毒性・生分解性・生物互換性材質であるPLA(Poly Lactic Acid)マイクロニードルが形成される。PLAニードルは、高い弾性係数と座屈剛性を有している。
【0031】
図4は、
図2のマイクロニードルバイオセンサー製造工程のうちアクリル材質のポリマーレイヤーを形成するモールドおよびインプリント工程(S11)を示したフローチャートである。レーザーでニードルに相応する形状の溝をポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene、PTFE)ブロックに形成するモールド製造ステップ(S111)、真空状態でアクリルUVレジンをモールド上に配置するステップ(S112b)、真空オフ後プレスで加圧するステップ(S113b)、UV硬化ステップ(S114b)、およびデモルディングステップ(S115b)を含む。アクリルマイクロニードルは、製造工程が5~10分程度で短い長所があり、アクリルマイクロニードルは、Auに対する接着性が良い長所がある。
【0032】
図5は、
図2のマイクロニードルバイオセンサー製造工程のうちメタライゼェーション工程を説明する図面である。メタライゼーション工程は、
図3または4のインプリント工程を通じて製造されたマイクロニードルポリマーレイヤー上に
図1の作業電極110、相手電極120、基準電極130のパターンに該当するシャドーマスクを形成し、AuまたはAu+Ti/Cr接着層をスパッタリングして金属レイヤーを形成することを特徴とする。前記作業電極110、相手電極120、基準電極130のパターンにおいて、前記作業電極110は、円形状薄膜の第1のベースを含み、前記相手電極120は、前記第1のベースと同芯に前記第1のベースの円周で設定距離だけ離隔した第2の円周の一部を成す形状のストリップ薄膜の第2のベースを含み、前記基準電極130は、前記第2のベースの他端で設定間隔だけ離隔し、前記第2のベースのストリップ形状とともに前記第2の円周を成すストリップ薄膜の第3のベースを含むことを特徴とする。
【0033】
図6ないし8は、
図2のマイクロニードルバイオセンサー製造工程のうちパッシベーション工程が完了した状態を示した図面である。パッシベーション工程は、Au表面でUV接着剤をスピンコーティングした後、乾燥して、パッシベーションレイヤーを形成することを特徴とする。UV接着剤は、NOA 68を適用することが好ましい。
【0034】
以下、
図9ないし12を通じて、後処理工程(S20)を説明することにする。
【0035】
本発明の実施例によるマイクロニードルバイオセンサーは、血糖測定のためにマイクロニードルの作動電極にグルコース酸化触媒でPt blackをコーティングすることが好ましい。
図9および10は、ニードルの先端にPt-blackをめっきした状態を示した図面である。2.5mmol塩化白金酸、0.1M HClを使用して、5mA電流でめっきすることが最も好ましい。
【0036】
図11は、Pt-black上にナピオンをさらにコーティングした状態を示した図面である。ナピオンは、生体適合性がある物質であって、多くの生体内シグナル干渉物質に対するPt blackへの接近を制限する防御膜として作用する。ナピオンは、スピンコーティング方法でコーティングすることが好ましい。
【0037】
図12は、Ag/AgCl上にナフィオンコーティングした状態を示した図面である。基準電極130領域にAg/AgClゲルをドロップキャスティングして、基準電極を形成することができる。
【0038】
後処理工程(S20)で、作動電極110領域は、Pt-blackおよびナピオンがコーティングされることが好ましく、基準電極130は、Ag/AgClがコーティングされることが好ましい。
【0039】
図13は、グルコース濃度15mmolから55mmolまで段階的に高めた際の出力電流を測定したグラフであり、
図14は、グルコース濃度によって線形に増加する電流を示すグラフであって、本発明の実施例によるマイクロニードルバイオセンサーを利用したグルコース測定値の正確度が分かる。
【国際調査報告】