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特表2024-515124可変的流路パターン形成が可能な燃料電池用分離板組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】可変的流路パターン形成が可能な燃料電池用分離板組立体
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0258 20160101AFI20240328BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20240328BHJP
   H01M 8/0247 20160101ALI20240328BHJP
   H01M 8/021 20160101ALI20240328BHJP
【FI】
H01M8/0258
H01M8/12 101
H01M8/0247
H01M8/021
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565234
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 KR2021017487
(87)【国際公開番号】W WO2022225125
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0051210
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523399739
【氏名又は名称】ジン ヨン プレシジョン マシーン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIN YOUNG PRECISION MACHINE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】566-21,Jangan-ro,Jangan-myeon,Hwaseong-si,Gyeonggi-do 18583,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヨン グン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ビョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ドン ス
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA08
5H126AA12
5H126BB06
5H126DD05
5H126DD14
5H126GG08
(57)【要約】
本発明は、固体酸化物燃料電池用分離板組立体において、ベースプレート;流路形成ブロック;及びガス流路;を含むことを特徴とする可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体を提供することを目的とする。本発明によると、ベースプレートに流路形成ブロックを配置することによってガス流路を形成し、その結果、流路形状加工の精密性及び生産性を向上させることができ、ベースプレートに多様なガス流路を可変的に形成できるという効果がある。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体酸化物燃料電池用分離板組立体において、
一側方向に突出しながら相互離隔するように配置される複数個の結合突起を形成するベースプレート;
前記結合突起に結合する結合孔を形成し、前記結合突起と前記結合孔との結合によって前記ベースプレート上に配置される一つ以上の流路形成ブロック;及び
前記流路形成ブロックの形状又は配置形態によってパターンが可変的に形成され、外部から供給される反応ガスが流動するように備えられるガス流路;
を含むことを特徴とする可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体。
【請求項2】
前記複数個の結合突起は、相互格子状に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体。
【請求項3】
前記流路形成ブロックは、
四角柱状からなり、長さ方向に二つ以上の前記結合孔を形成することを特徴とする、請求項1に記載の可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体。
【請求項4】
前記流路形成ブロックは、
横断面が円状で、内部に一つ以上の前記結合孔を形成することを特徴とする、請求項1に記載の可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体。
【請求項5】
前記流路形成ブロックは、
横断面が六角形状で、内部に一つ以上の前記結合孔を形成することを特徴とする、請求項1に記載の可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体。
【請求項6】
前記ベースプレートは、Fe-Cr合金を含む材質からなることを特徴とする、請求項1に記載の可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用分離板組立体に関し、より詳細には、格子状に配置された結合突起を形成するベースプレートに流路形成ブロックを配置し、ベースプレート上に多様なパターンのガス流路を形成できる可変的流路パターン形成が可能な燃料電池用分離板組立体に関する。
【0002】
本出願は、2021年4月20日に出願された韓国特許出願第10-2021-0051210号に基づいた優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に記載の全ての内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
固体酸化物燃料電池は、一般に、燃料電池のうち最も高い温度(700℃~900℃)で作動し、全ての構成要素が固体からなっているので、他の燃料電池に比べて構造が簡単であり、電解質の損失及び補充と腐食の問題がなく、貴金属触媒が必要でなく、直接内部改質を通じた燃料供給が容易である。
【0004】
また、固体酸化物燃料電池は、高温のガスを排出するので、廃熱を用いた熱複合発電が可能であるという長所も有している。このような長所により、近年、固体酸化物燃料電池に関する研究が活発に行われている。
【0005】
固体酸化物燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)は、電気化学的エネルギー変換装置であって、酸素イオン伝導性電解質と、その両面に位置した空気極及び燃料極とからなる。
【0006】
空気極では、酸素の還元反応によって生成された酸素イオンが電解質を介して燃料極に移動し、再び燃料極に供給された水素と反応することによって水を生成するようになり、このとき、燃料極では電子が生成され、空気極では電子が消耗されるので、二つの電極を互いに連結すると電気が流れるようになる。
【0007】
しかし、前記空気極、電解質及び燃料極をベースにする一つの単位電池で発生する電力が非常に小さいので、多数個の単位電池を積層(スタック)することによって燃料電池を構成し、その結果、相当量の電力を出力できるようになり、さらに、多様な発電システム分野に適用できるようになる。
【0008】
前記積層のために、一つの単位電池の空気極と他の単位電池の燃料極は電気的に連結される必要があり、このために分離板(interconnect)が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が達成しようとする技術的課題は、ベースプレートにエッチング方式でガス流路を形成するのではなく、ベースプレート上に流路形成ブロックを配置することによってガス流路を形成し、その結果、流路形状加工の精密性及び生産性を向上できる燃料電池用分離板組立体を提供することを目的とする。
【0010】
また、ベースプレートに結合突起を格子状に配置し、多様な形状及び個数の流路形成ブロックを多様な形態で配置することによって、ベースプレート上に多様なガス流路を可変的に形成できる燃料電池用分離板組立体を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の目的は、これに制限されるものではなく、言及していない他の目的は、下記の記載から通常の技術者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記技術的課題を達成するための本発明の一実施例は、固体酸化物燃料電池用分離板組立体において、一側方向に突出しながら相互離隔するように配置される複数個の結合突起を形成するベースプレート;前記結合突起に結合する結合孔を形成し、前記結合突起と前記結合孔との結合によって前記ベースプレート上に配置される一つ以上の流路形成ブロック;及び前記流路形成ブロックの形状又は配置形態によってパターンが可変的に形成され、外部から供給される反応ガスが流動するように備えられるガス流路;を含むことを特徴とする可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体を提供する。
【0013】
また、前記複数個の結合突起は、相互格子状に配置されることを特徴とする可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体を提供する。
【0014】
また、前記流路形成ブロックは、四角柱状からなり、長さ方向に二つ以上の前記結合孔を形成することを特徴とする可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体を提供する。
【0015】
また、前記流路形成ブロックは、横断面が円状で、内部に一つ以上の前記結合孔を形成することを特徴とする可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体を提供する。
【0016】
また、前記流路形成ブロックは、横断面が六角形状で、内部に一つ以上の前記結合孔を形成することを特徴とする可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体を提供する。
【0017】
また、前記ベースプレートは、Fe-Cr合金を含む材質からなることを特徴とする可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施例によると、ベースプレートにエッチング方式でガス流路を形成するのではなく、ベースプレート上に流路形成ブロックを配置することによってガス流路を形成し、その結果、流路形状加工の精密性及び生産性を向上できるという効果がある。
【0019】
また、ベースプレートに結合突起を格子状に配置し、多様な形状及び個数の流路形成ブロックを多様な形態で配置することによって、ベースプレート上に多様なガス流路を可変的に形成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体の全体構成を示す分解斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体の全体構成を示す結合斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体の全体構成を示す図2のA-A線断面図である。
図4】本発明の結合突起の配置に関する一実施例を示す平面図である。
図5】本発明の結合突起の配置に関する他の実施例を示す平面図である。
図6】本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体に圧入部材が結合された状態を示す断面図及び部分拡大図である。
図7】本発明の一実施例に係る流路形成ブロックを示す斜視図である。
図8】本発明の他の実施例に係る流路形成ブロックを示す斜視図である。
図9】本発明の更に他の実施例に係る流路形成ブロックを示す斜視図である。
図10】本発明のベースプレート上に流路形成ブロックが配置され、ガス流路を形成する一実施例を示す斜視図である。
図11】本発明のベースプレート上に流路形成ブロックが配置され、ガス流路を形成する他の実施例を示す斜視図である。
図12】本発明のベースプレート上に流路形成ブロックが配置され、ガス流路を形成する更に他の実施例を示す斜視図である。
図13】本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体の間に燃料電池のセルが配置された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一部の実施例を、例示的な図面を通じて詳細に説明する。各図面の各構成要素に参照符号を付するにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されたとしても、可能な限り、同一の符号を付していることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知の構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合は、それについての詳細な説明は省略する。
【0022】
また、本発明の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用する場合がある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎなく、その用語によって該当の構成要素の本質、順番又は順序などが限定されない。一つの構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載した場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結又は接続され得るが、各構成要素の間に更に他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されることも可能であると理解すべきであろう。
【0023】
図1は、本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体の全体構成を示す分解斜視図で、図2は、本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体の全体構成を示す結合斜視図で、図3は、本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体の全体構成を示す図2のA-A線断面図で、図4は、本発明の結合突起の配置に関する一実施例を示す平面図で、図5は、本発明の結合突起の配置に関する他の実施例を示す平面図で、図6は、本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体に圧入部材が結合された状態を示す断面図及び部分拡大図で、図7は、本発明の一実施例に係る流路形成ブロックを示す斜視図で、図8は、本発明の他の実施例に係る流路形成ブロックを示す斜視図で、図9は、本発明の更に他の実施例に係る流路形成ブロックを示す斜視図で、図10は、本発明のベースプレート上に流路形成ブロックが配置され、ガス流路を形成する一実施例を示す斜視図で、図11は、本発明のベースプレート上に流路形成ブロックが配置され、ガス流路を形成する他の実施例を示す斜視図で、図12は、本発明のベースプレート上に流路形成ブロックが配置され、ガス流路を形成する更に他の実施例を示す斜視図で、図13は、本発明の一実施例に係る燃料電池用分離板組立体の間に燃料電池のセルが配置された状態を示す断面図である。
【0024】
図面に示したように、本発明の一実施例に係る可変的流路形成が可能な燃料電池用分離板組立体は、固体酸化物燃料電池用分離板組立体において、一側方向に突出しながら相互離隔するように配置される複数個の結合突起110を形成するベースプレート100;結合突起110に結合する結合孔210を形成し、結合突起110と結合孔210との結合によってベースプレート100上に配置される一つ以上の流路形成ブロック200;及び流路形成ブロック200の形状又は配置形態によってパターンが可変的に形成され、外部から供給される反応ガスが流動するように備えられるガス流路300;を含むことを特徴とする。
【0025】
以下、図1乃至図13を参照して、本発明の各構成に対して詳細に説明する。
【0026】
従来の固体酸化物燃料電池用分離板の場合、分離板に反応ガスである酸素又は水素を流動させるための流路を化学薬品の腐食作用によるエッチング(etching)方式で形成し、このようなエッチングによる流路形状加工においては、加工断面が均一でなく、加工精密度が低く、且つ加工時間が長いので生産性が低下するという問題があった。
【0027】
本発明は、固体酸化物燃料電池用分離板組立体が、ベースプレート100と、ベースプレート100上に配置される流路形成ブロック200とを含んで構成され、ベースプレート100上に流路形成ブロック200を配置し、流路形成ブロック200によって反応ガスが流動するガス流路300を形成するように構成したことを特徴とする。
【0028】
さらに、ベースプレート100上に流路形成ブロック200を多様な形態で配置できるように構成することによって、流路形成ブロック200の形状又は配置形態によってガス流路300のパターンを可変的に形成できるようにしたことを特徴とする。
【0029】
まず、ベースプレート100は、一側方向に突出しながら相互離隔するように配置される複数個の結合突起110を形成する。
【0030】
ベースプレート100は、一例として、所定の面積及び厚さを有する板状型部材として備えられてもよく、ベースプレート100上には、ベースプレート100の一側方向に突出した結合突起110が形成される。
【0031】
図3に示したように、結合突起110は、板材加工方法のうち一つであるスタンピング(stamping)加工によってベースプレート100上に突出形成されてもよく、本発明に係る結合突起110は、各実施例によって多様な形状に形成されてもよい。
【0032】
具体的には、図10及び図11に示したように、本発明の一実施例に係る結合突起110aは、横断面が円状に形成されてもよく、図12に示したように、本発明の他の実施例に係る結合突起110bは、横断面が多角形状に形成されてもよい。
【0033】
一方、ベースプレート100上には、相互離隔するように配置される複数個の結合突起110が形成されてもよいが、このとき、複数個の結合突起110は相互格子状に配置されてもよい。
【0034】
一実施例として、図4に示したように、複数個の結合突起110は、ベースプレート100の縦方向に沿って同一線上に所定間隔だけ離隔配置されることによって一つの配列aをなし、複数個の配列aがベースプレート100の横方向に沿って所定間隔だけ離隔して配置されてもよい。
【0035】
このとき、配列aを形成する複数個の結合突起110の間の隔離距離と、複数個の配列aの間の隔離距離とは、互いに同一に形成されたり、互いに異なるように形成されてもよい。
【0036】
一方、他の実施例として、図5に示したように、複数個の結合突起110は、ベースプレート100の縦方向に沿ってジグザグ状に配置されることによって一つの配列aをなし、複数個の配列aがベースプレート100の横方向に沿って所定間隔だけ離隔して配置されてもよい。
【0037】
一方、上述したように、結合突起110は、板材加工方法のうち一つであるスタンピング加工によってベースプレート100上に突出形成されてもよいが、これによって、結合突起110の形成位置に対応するベースプレート100上には、他側から一側方向に陥没した陥没部130が形成され得る。
【0038】
このとき、陥没部130は、結合突起110に対応する形状(横断面、高さなど)に形成されてもよい。
【0039】
続いて、本発明の一実施例に係るベースプレート100は、Fe-Cr合金を含む材質からなることを特徴とする。
【0040】
従来の固体酸化物燃料電池用分離板の場合、高温酸化環境での耐酸化性及び電気伝導性を向上させるために高価な稀土類元素(La、Zrなど)が必須的に添加されたが、本発明に係る分離板組立体は、高価の稀土類元素が添加されず、Fe-Cr合金をベースにして構成されることを特徴とする。
【0041】
ここで、ベースプレート100は、Fe-Cr合金をベースにし、Fe-Cr合金には、Mn、Nb、及びMoのうち少なくともいずれか一つ以上が添加剤として含まれてもよい。
【0042】
一方、図3に示したように、本発明の一実施例に係るベースプレート100上には保護コーティング層150が形成されてもよい。
【0043】
ここで、保護コーティング層150は、La、Mn、及びSrのうち少なくともいずれか一つ以上を含むスピネル(Spinel)系コーティング層であったり、La、Mn、及びSrのうち少なくともいずれか一つ以上を含むペロブスカイト(Perovskite)系コーティング層であってもよい。
【0044】
ベースプレート100上に保護コーティング層150が形成されることによって、ベースプレート100のCr揮発による燃料電池の性能の劣化を防止することができる。また、図13に示したように、ベースプレート100の結合突起110がセル10の陰極層11又は陽極層15に接触する場合、結合突起110と陰極層11との間の界面接触抵抗(interfacial contact resistance、ICR)、及び結合突起110と陽極層15との間の界面接触抵抗を減少させ、界面接触抵抗の増加による燃料電池の性能の劣化を防止することができる。
【0045】
また、本発明の場合、後述する流路形成ブロック200は、結合孔210が結合突起110に結合されることによってベースプレート100上に配置されるが、このとき、ベースプレート100と流路形成ブロック200との間の界面上に離隔が発生し、ガス流路300上へのガスの正常な流動を妨害する場合がある。
【0046】
そこで、ベースプレート100上に保護コーティング層150が形成されることによって、ベースプレート100と流路形成ブロック200との間の界面密着性が向上し、上記のような問題が発生することを防止することができる。
【0047】
続いて、流路形成ブロック200は、結合突起110に結合する結合孔210を形成し、結合突起110と結合孔210との結合によってベースプレート100上に配置される。
【0048】
流路形成ブロック200は、ベースプレート100上にガス流路300を形成するためにベースプレート100上に配置されるが、本発明の一実施例に係る流路形成ブロック200は、結合孔210を、ベースプレート100に形成された結合突起110に結合することによってベースプレート100上に配置される。
【0049】
結合孔210は、流路形成ブロック200の一側面と他側面との間を貫通するホール状に形成されたり、他側から一側方向に陥没した溝状に形成されてもよく、ベースプレート100に突出形成された結合突起110への挿入結合が可能になるように、上述した結合突起110の形状に対応する形状に形成されてもよい。
【0050】
例えば、ベースプレート100上に横断面が円状又は多角形状である結合突起110a、110bが形成されながら、流路形成ブロック200にホール状の結合孔210が形成される場合、結合孔210の横断面は、結合突起110aの横断面に対応する形状に形成されてもよく、また、結合孔210の長さは、結合突起110aの高さに対応するように形成されてもよい。
【0051】
このとき、結合孔210がホール状に形成される場合、流路形成ブロック200の高さは、結合突起110の高さに対応するように形成される。
【0052】
また、ベースプレート100上に横断面が円状又は多角形状である結合突起110a、110bが形成されながら、流路形成ブロック200に溝状の結合孔210が形成される場合、結合孔210の横断面は、結合突起110aの横断面に対応する形状に形成されてもよく、また、結合孔210の陥没深さは、結合突起110aの高さに対応するように形成されてもよい。
【0053】
一方、本発明に係る流路形成ブロック200は、流路形成ブロック200に形成された結合孔210にベースプレート100の結合突起110を圧入させる方法によってベースプレート100上に配置されてもよい。
【0054】
これによって、結合孔210の大きさは、結合突起110の大きさより所定数値だけ小さく形成され得る。
【0055】
ここで、本発明に係る燃料電池用分離板組立体は、ベースプレート100と流路形成ブロック200との結合強度を向上させるために、図6に示したように、結合突起110の他側に結合し、結合突起110と結合孔210との結合時、流路形成ブロック200の他側に圧入される圧入部材170をさらに含むことができる。
【0056】
圧入部材170は、所定の環状に形成されながら結合突起110に挿入されてもよく、このとき、上述したように、結合突起110aが円筒状に形成される場合、圧入部材170は円環状に形成されてもよく、結合突起110bが多角形状に形成される場合、圧入部材170は多角形環状に形成されてもよく、このとき、圧入部材170の断面は四角形状に形成されてもよい。
【0057】
圧入部材170は、結合突起110の他側に結合し、結合突起110を結合孔210に圧入させるとき、流路形成ブロック200の他側に圧入され、ベースプレート100と流路形成ブロック200との結合強度を向上させるようになる。
【0058】
一方、本発明に係る流路形成ブロック200は、ベースプレート100上に多様な流路パターンを形成するために一つ以上備えられ、図7乃至図9に示したように、横断面が多角形状及び円状などの多様な形状に形成されてもよい。
【0059】
本発明に係る流路形成ブロック200が多様な形状に形成されながらベースプレート100上に配置されることによって、ベースプレート100上に多様なパターンのガス流路300を可変的に形成するようになる。
【0060】
まず、図7(a)に示したように、本発明の一実施例に係る流路形成ブロック200aは、四角柱状からなり、長さ方向に二つ以上の結合孔210aを形成することを特徴とする。
【0061】
本発明の一実施例に係る流路形成ブロック200aの場合、所定の長さ、高さ及び幅を有する四角柱状に形成されてもよく、このとき、流路形成ブロック200a上には、二つ以上の結合孔210aが流路形成ブロック200aの長さ方向に沿って所定間隔だけ離隔するように形成されてもよい。
【0062】
ここで、本発明の一実施例に係る流路形成ブロック200aは、横断面が矩形である四角柱状以外にも、横断面が、「┐」字状及び「└」字状などのように、一部分が折り曲げられた四角柱状に形成されることも可能であることは当然である。
【0063】
このとき、流路形成ブロック200aに形成される結合孔210は、上述したように、結合突起110の形状に対応して横断面が円状又は多角形状に形成されてもよい。
【0064】
続いて、図8(a)に示したように、本発明の他の実施例に係る流路形成ブロック200bは、横断面が円状で、内部に一つ以上の結合孔210bを形成することを特徴とする。
【0065】
本発明の他の実施例に係る流路形成ブロック200bの場合、所定の直径及び高さを有する円柱状に形成されてもよく、このとき、流路形成ブロック200b上には、一つ以上の結合孔210bが流路形成ブロック200bの内部に形成されてもよく、このとき、結合孔210は、上述したように、結合突起110の形状に対応して横断面が円状又は多角形状に形成されてもよい。
【0066】
続いて、図9(a)に示したように、本発明の更に他の実施例に係る流路形成ブロック200cは、横断面が六角形状で、内部に一つ以上の結合孔210cを形成することを特徴とする。
【0067】
ここで、流路形成ブロック200cの横断面は、特に正六角形状からなってもよい。
【0068】
本発明の更に他の実施例に係る流路形成ブロック200cの場合、所定の高さを有する六角柱状に形成されてもよく、このとき、流路形成ブロック200b上には、一つ以上の結合孔210bが流路形成ブロック200bの内部に形成されてもよい。
【0069】
このとき、結合孔210は、上述したように、結合突起110の形状に対応して横断面が円状又は多角形状に形成されてもよいが、特に、本発明の更に他の実施例に係る流路形成ブロック200cの結合孔210cは、横断面が多角形状である結合突起110bに結合できるように横断面が多角形状に形成されることを特徴とする。
【0070】
横断面が円状である結合突起110aであるとき、上述した本発明の一実施例に係る流路形成ブロック200aの場合、内部に結合孔210aが二つ以上形成されるので、ガス流路300のパターンが、ベースプレート100上に配置された流路形成ブロック200aの回転などによって任意に変更されることが防止される。
【0071】
また、本発明の他の実施例に係る流路形成ブロック200bの場合は、横断面が円状であるので、流路形成ブロック200bが回転したとしてもガス流路300のパターンが変更されない。
【0072】
しかし、本発明の更に他の実施例に係る流路形成ブロック200cの場合、横断面が六角形状であって、流路形成ブロック200cが回転するとガス流路300のパターンが変更されるので、流路形成ブロック200cの回転を防止するために、横断面が多角形状である結合突起110bによってベースプレート100上に配置できるように結合孔210cの横断面を多角形状に形成する。
【0073】
一方、本発明に係る流路形成ブロック200は、横断面が八角形状(正八角形状を含む)で、内部に一つの結合孔210を形成することもできる。
【0074】
続いて、本発明に係る流路形成ブロック200は、一例として、図7(b)、図8(b)及び図9(b)に示したように、陰極層11又は陽極層15に接触する一側面の接触面積を増加させるために、一側面の面積を他側面の面積より大きく形成することができる。
【0075】
より具体的には、流路形成ブロック200は、他側面から一側面に行くほど流路形成ブロック200の外側に偏った勾配を有するように形成され、横断面の面積が他側面から一側面に行くほど増加するように形成されてもよい。
【0076】
図13に示したように、本発明に係る分離板がセル10に結合される場合、流路形成ブロック200の一側面が陰極層11又は陽極層15に接触するようになるが、このとき、流路形成ブロック200の一側面と陰極層11との間の界面接触抵抗、及び流路形成ブロック200の一側面と陽極層15との間の界面接触抵抗が増加するほど燃料電池の性能が劣化する。
【0077】
そこで、陰極層11又は陽極層15に接触する流路形成ブロック200の一側面の面積を増加させ、流路形成ブロック200の一側面と陰極層11との間の界面接触抵抗、及び流路形成ブロック200の一側面と陽極層15との間の界面接触抵抗を減少させることによって、最終的に、界面抵触抵抗の増加による燃料電池の性能の劣化を防止することができる。
【0078】
一方、本発明の一実施例に係る流路形成ブロック200は、上述したベースプレート100と同様に、Fe-Cr合金を含む材質からなってもよい。
【0079】
また、流路形成ブロック200は、上述したベースプレート100と同様に、表面にLa、Mn、及びSrのうち少なくともいずれか一つ以上を含むスピネル系コーティング層、又はLa、Mn、及びSrのうち少なくともいずれか一つ以上を含むペロブスカイト系コーティング層が形成されてもよく、これによって、上述した技術的効果を達成できることは当然である。
【0080】
続いて、ガス流路300は、流路形成ブロック200の形状又は配置形態によってパターンが可変的に形成され、外部から供給される反応ガスが流動するように備えられる。
【0081】
図10乃至図12に示したように、ガス流路300は、ベースプレート100上に配置された流路形成ブロック200によってベースプレート100上に形成される。
【0082】
上述したように、従来の固体酸化物燃料電池用分離板の場合、エッチング加工によって流路を形成するが、本発明に係る燃料電池用分離板組立体は、ベースプレート100上に配置される流路形成ブロック200によってガス流路300を形成するようになる。
【0083】
このとき、ベースプレート100上に形成されるガス流路300は、ベースプレート100に配置する流路形成ブロック200の形状又は配置形態によって多様なパターンに可変的に形成されてもよい。
【0084】
上述したように、本発明に係る流路形成ブロック200は、横断面が多角形状及び円状などに多様に形成されてもよく、また、流路形成ブロック200内には、多様な個数及び配置の結合孔210が形成されてもよい。
【0085】
このとき、ベースプレート100上には結合突起110が格子状に配置されており、多様な形状に形成された流路形成ブロック200は、ベースプレート100上に多様な個数を多様な形態で配置することができる。
【0086】
これによって、ベースプレート100上に多様なパターンのガス流路300を可変的に形成することができ、図10は、ベースプレート100に本発明の一実施例に係る流路形成ブロック200aが配置され、所定のパターンを有するガス流路300が形成された状態を示しており、図11は、ベースプレート100に本発明の他の実施例に係る流路形成ブロック200bが配置され、所定のパターンを有するガス流路300が形成された状態を示しており、図12は、ベースプレート100に本発明の更に他の実施例に係る流路形成ブロック200cが配置され、所定のパターンを有するガス流路300が形成された状態を示している。
【0087】
このように、ベースプレート100に形成される結合突起100の配置と、流路形成ブロック200の形状及び配置形態を多様に変更し、ベースプレート100上に多様なガス流路300を可変的に形成可能であることを本発明の特徴とする。
【0088】
一方、図13は、本発明に係る燃料電池用分離板組立体の間に陰極層11、電解質層13及び陽極層15を含むセル10が備えられた状態を示している。
【0089】
図13に示したように、本発明に係る燃料電池用分離板組立体の間には燃料電池のセル10が備えられてもよく、このとき、セル10の陰極層11に備えられる燃料電池用分離板組立体のガス流路300には、水素が供給されて流動することができ、セル10の陽極層15に備えられる燃料電池用分離板組立体のガス流路300には、酸素が供給されて流動することができる。
【0090】
以上説明したように、本発明の一実施例によると、ベースプレートにエッチング方式でガス流路を形成するのではなく、ベースプレート上に流路形成ブロックを配置することによってガス流路を形成し、その結果、流路形状加工の精密性及び生産性を向上できるという効果がある。
【0091】
また、ベースプレートに結合突起を格子状に配置し、多様な形状及び個数の流路形成ブロックを多様な形態で配置することによって、ベースプレート上に多様なガス流路を可変的に形成できるという効果がある。
【0092】
以上では、本発明の好ましい実施例に対して図示して説明したが、本発明は、上述した特定の好ましい実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、当該発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変形実施が可能であることは当然であり、そのような変更は、特許請求の範囲に記載の範囲内で行われる。
【符号の説明】
【0093】
10 セル
11 陰極層
13 電解質層
15 陽極層
100 ベースプレート
110 結合突起
130 陥没部
150 保護コーティング層
170 圧入部材
200 流路形成ブロック
210 結合孔
300 ガス流路

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】