(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】燃料電池の膜加湿器
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04119 20160101AFI20240328BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240328BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240328BHJP
【FI】
H01M8/04119
H01M8/04 N
H01M8/10 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565330
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 KR2022008167
(87)【国際公開番号】W WO2022265298
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078241
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】キム ドウ
(72)【発明者】
【氏名】キム キョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】アン ナヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム インホ
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127AC02
5H127AC15
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB34
5H127EE17
(57)【要約】
カートリッジを構成するインナーケースとミッドケースとの間隙を密封し、排ガスがバイパスされることを防止することができる燃料電池の膜加湿器に係り、該燃料電池の膜加湿器は、内部空間を区画する隔壁が形成されたミッドケースと、ミッドケースの一側と締結される第1キャップと、ミッドケースの他側と締結される第2キャップと、ミッドケース内に配され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、インナーケースの一側に突設され、隔壁の一面に接触するリブと、インナーケースの他側に突設され、隔壁の他面に接触するフックと、第1キャップとインナーケースとの間に配され、第1キャップとミッドケースとの締結力をリブに伝達する第1ガスケットと、第2キャップとインナーケースとの間に配され、第2キャップとミッドケースとの締結力をフックに伝達する第2ガスケットと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を区画する隔壁が形成されたミッドケースと、
前記ミッドケースと締結されるキャップと、
前記ミッドケース内に配され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、
前記インナーケースの一側に突設され、前記隔壁の一面に接触するリブと、
前記キャップと前記インナーケースとの間に配され、前記キャップと前記ミッドケースとの締結力を前記リブに伝達し、前記インナーケースと前記隔壁との間隙を密封するガスケットと、を含む、燃料電池の膜加湿器。
【請求項2】
内部空間を区画する隔壁が形成されたミッドケースと、
前記ミッドケースと締結されるキャップと、
前記ミッドケース内に配され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、
前記インナーケースの他側に突設され、前記隔壁の他面に接触するフックと、
前記キャップと前記インナーケースとの間に配され、前記キャップと前記ミッドケースとの締結力を前記フックに伝達し、前記インナーケースと前記隔壁との間隙を密封するガスケットと、を含む、燃料電池の膜加湿器。
【請求項3】
前記ガスケットは、
前記ガスケットと前記インナーケースとが接するインナーケース境界面と、
前記ガスケットと前記キャップとが接するキャップ境界面と、
前記キャップの端部と、前記ミッドケースの端部との間に挿入される挿入突起と、を含む、請求項1または2に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項4】
前記キャップ境界面と接触する前記キャップの底面は、前記キャップ境界面と対応する大きさに形成される、請求項3に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項5】
前記リブは、
前記インナーケースの外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有する、請求項1に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項6】
前記フックは、
前記インナーケースの外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有する、請求項2に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項7】
内部空間を区画する隔壁が形成されたミッドケースと、
前記ミッドケースの一側と締結される第1キャップと、
前記ミッドケースの他側と締結される第2キャップと、
前記ミッドケース内に配され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、
前記インナーケースの一側に突設され、前記隔壁の一面に接触するリブと、
前記インナーケースの他側に突設され、前記隔壁の他面に接触するフックと、
前記第1キャップと前記インナーケースとの間に配され、前記第1キャップと前記ミッドケースとの締結力を前記リブに伝達する第1ガスケットと、
前記第2キャップと前記インナーケースとの間に配され、前記第2キャップと前記ミッドケースとの締結力を前記フックに伝達する第2ガスケットと、を含む、燃料電池の膜加湿器。
【請求項8】
前記第1ガスケットと前記第2ガスケットは、異なる大きさに形成される、請求項7に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項9】
前記リブは、前記インナーケースの外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有し、前記フックは、閉曲線形状ではない場合、
前記第1ガスケットの大きさが前記第2ガスケットの大きさより大きい、請求項7に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項10】
前記フックは、前記インナーケースの外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有し、前記リブは、閉曲線形状ではない場合、
前記第2ガスケットの大きさが前記第1ガスケットの大きさより大きい、請求項7に記載の燃料電池の膜加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の膜加湿器に係り、さらに具体的には、カートリッジを構成するインナーケースとミッドケースとの間隙を密封し、排ガスのバイパスを防止することができる燃料電池の膜加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池とは、水素と酸素とを結合させて電気を生産する発電型電池である。該燃料電池は、乾電池や蓄電池のような一般化学電池と異なり、水素と酸素とが供給される限り、続けて電気を生産することができ、熱損失がなく、内燃機関より効率が2倍ほど高いという長所がある。
また、水素と酸素との結合によって生じる化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するために、公害物質排出が少ない。従って、燃料電池は、環境にやさしいだけではなく、エネルギー消費増大による資源枯渇に対する心配を減らすことができるという長所がある。
そのような燃料電池は、使用される電解質の種類により、大きく見て、高分子電解質型燃料電池(PEMFC:polymer electrolyte membrane fuel cell)、リン酸型燃料電池(PAFC:phosphoric acid fuel cell)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:molten carbonate fuel cell、固体酸化物型燃料電池(SOFC:solid oxide fuel cell)及びアルカリ型燃料電池(AFC:alkaline fuel cell)などに分類されうる。
それらそれぞれの燃料電池は、根本的に同一原理によって作動されるが、使用される燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。そのうち、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)は、他の燃料電池に比べ、低温で動作するという点、及び出力密度が高く、小型化が可能であるために、小規模据え置き型発電装備だけではなく、輸送システムにおいても、最も有望であると知られている。
高分子電解質型燃料電池(PEMFC)の性能を向上させるにおき、最も重要な要因のうち一つは、膜・電極組立体(MEA:membrane electrode assembly)の高分子電解質膜(PEM:polymer electrolyte membraneまたはproton exchange membrane)に一定量以上の水分を供給することにより、関数率を維持させることである。該高分子電解質膜が乾燥すれば、発電効率が急激に低下されるためである。
高分子電解質膜を加湿する方法として、1)耐圧容器に水をいっぱいにした後、対象気体をして、拡散器(diffuser)を通過させ、水分を供給するバブラ(bubbler)加湿方式、2)燃料電池反応に必要な供給水分量を計算し、ソレノイドバルブを介し、ガス流動管に直接水分を供給する直接噴射(direct injection)方式、及び3)高分子分離膜を利用し、ガス流動層に水分を供給する加湿膜方式などがある。
それらのうちにおいても、排ガス中に含まれる水蒸気だけを選択的に透過させる膜を利用し、水蒸気を、高分子電解質膜に供給される空気に提供することにより、高分子電解質膜を加湿する膜加湿方式が、膜加湿器を軽量化及び小型化させることができるという点において有利である。
【0003】
膜加湿方式に使用される選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当たり透過面積が大きい中空糸膜が望ましい。すなわち、該中空糸膜を利用して膜加湿器を製造する場合、接触表面積が広い中空糸膜の高集積化が可能であり、小容量でも、燃料電池の加湿が十分になされ、低価素材の使用が可能であり、燃料電池から高温で排出される排ガス(off-gas)に含まれた水分と熱とを回収し、膜加湿器を介し、再使用することができるという利点を有する。
図1は、従来技術による燃料電池の膜加湿器が図示された分解斜視図であり、
図2は、従来技術による燃料電池の膜加湿器の問題点について説明するための断面図である。
図1及び
図2を参照すれば、従来技術の燃料電池の膜加湿器10は、外部から供給される空気と、燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの水分交換が起こる加湿モジュール11、及び加湿モジュール11の両端に結合されたキャップ12を含む。
キャップ12のうち一つは、外部から供給される空気を加湿モジュール11に供給し、他の一つは、加湿モジュール11によって加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
加湿モジュール11は、排ガス流入口(off-gas inlet)11bと排ガス排出口(off-gas outlet)11cとを有するミッドケース(mid-case)11a、及びミッドケース11a内に配された少なくとも1つのカートリッジ20を含む。図面においては、1つのカートリッジが例示されている。カートリッジ20は、インナーケース23を具備し、インナーケース23内部には、多数の中空糸膜21と、中空糸膜21束の両末端を固定するポッティング部22と、が形成される。ポッティング部22は、一般的に、キャスティング(casting)方式を介し、液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることによって形成される。
【0004】
カートリッジ20とミッドケース11aとの間には、樹脂層11eが形成され、樹脂層11eは、カートリッジ20をミッドケース11aに固定させ、キャップ12の内部空間と、ミッドケース11aの内部空間とを遮断する。
ミッドケース11aの内部空間は、隔壁11dにより、第1空間S1と第2空間S2とに区画される。インナーケース23は、第1空間S1との流体連通のために、メッシュ形態に配列された第1メッシュホール部MH1を具備し、及び第2空間S2との流体連通のために、メッシュ形態に配列された第2メッシュホール部MH2を具備する。
排ガス流入口11bを介し、ミッドケース11aの第1空間S1に流入された排ガスは、第1メッシュホール部MH1を介してインナーケース23内に流れ込み、中空糸膜21の外表面と接触する。続けて、水分を奪われた排ガスは、第2メッシュホール部MH2を介して第2空間S2に抜け出した後、排ガス排出口11cを介し、ミッドケース11aから排出される。そのようなインナーケース23を含むカートリッジ20は、ミッドケース11aに容易に組み込まれうるだけではなく、容易に交換されうるという長所を有する。
図2を参照すれば、インナーケース23は、隔壁11dの一面に接触するリブ25と、隔壁11dの他面に接触するフック24と、を具備する。フック24は、傾斜面を具備する。キャップ12とミッドケース11aとが分離された状態で、図面の左側から右側の方向にカートリッジ20をミッドケース11aに挿入するとき、フック24の傾斜面が隔壁11dと接触しながら、締まり嵌め方式で隔壁間に挿入され、その後、カートリッジ20は、続けて挿入されていて、リブ25が隔壁11dに接触すれば、それ以上挿入されないで固定される。
すなわち、カートリッジ20のフック24とリブ25は、隔壁11dを挟め、隔壁11dの一面と他面とに固定され、それにより、カートリッジ20は、ミッドケース11a内に固定されうる。
そのとき、フック24とリブ25との間隔と、隔壁11dの幅サイズとが実質的に同一に製造されなければならない。そうでなければ、排ガス流入口11bを介して流入された排ガスが、リブ25と隔壁11dとの間隙、フック24と隔壁11dとの間隙を介し、排ガス排出口11cに排出される。すなわち、加湿に使用されなければならない排ガスが加湿を行わずにバイパスされて外部に排出される(
図2の符号「BF」参照)。
しかし、誤った組み立て、または寸法公差により、フック24とリブ25との間隔と、隔壁11dの幅サイズとが異なりうる。そのために、バイパスされる排ガスが発生し、加湿効率が低下されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、カートリッジを構成するインナーケースとミッドケースとの間隙を密封し、排ガスがバイパスされることを防止することができる燃料電池の膜加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器は、
内部空間を区画する隔壁が形成されたミッドケースと、前記ミッドケースと締結されるキャップと、前記ミッドケース内に配され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、前記インナーケースの一側に突設され、前記隔壁の一面に接触するリブと、前記キャップと前記インナーケースとの間に配され、前記キャップと前記ミッドケースとの締結力を前記リブに伝達し、前記インナーケースと前記隔壁との間隙を密封するガスケットと、を含む。
また、本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器は、
内部空間を区画する隔壁が形成されたミッドケースと、前記ミッドケースと締結されるキャップと、前記ミッドケース内に配され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、前記インナーケースの他側に突設され、前記隔壁の他面に接触するフックと、前記キャップと前記インナーケースとの間に配され、前記キャップと前記ミッドケースとの締結力を前記フックに伝達し、前記インナーケースと前記隔壁との間隙を密封するガスケットと、を含む。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記ガスケットは、前記ガスケットと前記インナーケースとが接するインナーケース境界面と、前記ガスケットと前記キャップとが接するキャップ境界面と、前記キャップの端部と、前記ミッドケースの端部との間に挿入される挿入突起と、を含むものでもある。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記キャップ境界面と接触する前記キャップの底面は、前記キャップ境界面と対応する大きさにも形成される。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記リブは、前記インナーケースの外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有することができる。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記フックは、前記インナーケースの外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有しうる。
【0007】
また、本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器は、
内部空間を区画する隔壁が形成されたミッドケースと、前記ミッドケースの一側と締結される第1キャップと、前記ミッドケースの他側と締結される第2キャップと、前記ミッドケース内に配され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、前記インナーケースの一側に突設され、前記隔壁の一面に接触するリブと、前記インナーケースの他側に突設され、前記隔壁の他面に接触するフックと、前記第1キャップと前記インナーケースとの間に配され、前記第1キャップと前記ミッドケースとの締結力を前記リブに伝達する第1ガスケットと、前記第2キャップと前記インナーケースとの間に配され、前記第2キャップと前記ミッドケースとの締結力を前記フックに伝達する第2ガスケットと、を含む。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記第1ガスケットと前記第2ガスケットは、異なる大きさを有しうる。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記リブは、前記インナーケースの外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有し、前記フックは、閉曲線形状ではない場合、前記第1ガスケットの大きさが前記第2ガスケットの大きさより大きく形成されうる。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記フックは、前記インナーケースの外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有し、前記リブは、閉曲線形状ではない場合、前記第2ガスケットの大きさが前記第1ガスケットの大きさより大きく形成されうる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、カートリッジを構成するインナーケースとミッドケースとの間隙を密封し、排ガスがバイパスされることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】従来技術による燃料電池の膜加湿器が図示された分解斜視図である。
【
図2】従来技術による燃料電池の膜加湿器の問題点について説明するための断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器が図示された断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるガスケットが図示された断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器において、隔壁が異なる形態に具現されたところが図示された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有しうるが、特定実施形態を例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。しかしながら、それらは、本発明を特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むと理解されなければならない。
本発明で使用された用語は、ただ特定の実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。以下、図面を参照し、本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器が図示された断面図であり、
図4は、本発明の一実施形態によるガスケットが図示された断面図であり、
図5は、本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器において、隔壁が異なる形態に具現されたところが図示された断面図である。
図3に図示されているように、本発明の一実施形態による燃料電池の膜加湿器100は、加湿モジュール110、キャップ120、ガスケット130を含む。
加湿モジュール110は、外部から供給される空気と、燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの水分交換を行う。キャップ120は、加湿モジュール110の両端に結合される。キャップ120のうち一つは、外部から供給される空気を加湿モジュール110に供給し、他の一つは、加湿モジュール110によって加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
加湿モジュール110は、排ガス流入口112と排ガス排出口113とを有するミッドケース111、及びミッドケース111内に配された少なくとも1つのカートリッジ20を含む。
ここで、設計により、キャップ120のうち一つは、排ガスを加湿モジュール110に供給し、中空糸膜内部を流れるようにし、他の一つは、水分交換が行われた排ガスを外部に排出することができるということは、言うまでもない。また、その場合、排ガス流入口112または排ガス排出口113のうちいずれか一つを介し、外部の空気が流入され、残り一つを介し、加湿モジュール110によって加湿された空気を燃料電池スタックに供給させうる。外部空気の流動方向と、排ガスの流動方向は、同じ方向でもあり、あるいは互いに反対方向でもある。
ミッドケース111とキャップ120は、それぞれ独立して、硬質プラスチックや金属によって形成され、円形または多角形の幅方向断面を有しうる。該円形は、楕円形を含み、該多角形は、丸コーナー(rounded corner)を有する多角形を含む。例えば、該硬質プラスチックは、ポリカーボネート、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)などでもある。ミッドケース111の内部空間は、隔壁114により、第1空間S1と第2空間S2とにも区画される。
カートリッジ20は、多数の中空糸膜21、ポッティング部22、インナーケース23、フック24、リブ25を含む。
【0011】
中空糸膜21は、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、またはそれらのうち少なくとも2以上の混合物によって形成された高分子膜を含むものでもある。
ポッティング部22は、中空糸膜21の末端を固定する。ポッティング部22は、ディップポッティング、遠心ポッティングのようなキャスティング方式を介し、液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることによって形成されうる。
インナーケース23は、それぞれの末端に開口(opening)を有し、内部に多数の中空糸膜21を収容する。中空糸膜21の端部がポッティングされているポッティング部22は、インナーケース23の開口を閉鎖させる。インナーケース23は、第1空間S1との流体連通のために、メッシュ形態に配列された第1メッシュホール部MH1、及び第2空間S2との流体連通のために、メッシュ形態に配列された第2メッシュホール部MH2を具備する。
排ガス流入口112を介し、ミッドケース111の第1空間S1に流入された排ガスは、第1メッシュホール部MH1を介し、インナーケース23内に流れ込み、中空糸膜21の外表面と接触する。続けて、水分を奪われた排ガスは、第2メッシュホール部MH2を介し、第2空間S2に抜け出した後、排ガス排出口113を介し、ミッドケース111から排出される。
キャップ120とカートリッジ20との間には、ガスケット130が設けられる。具体的には、ガスケット130は、カートリッジ20を構成する、インナーケース23とキャップ120との間において、キャップ120によって加圧されて設けられる。ガスケット130aは、キャップ120とミッドケース111との締結力をリブ25に伝達し、リブ25をして、インナーケース23と隔壁114との間隙を密封させる。
同様に、ガスケット130bは、キャップ120とミッドケース111との締結力をフック24に伝達し、フック24をして、インナーケース23と隔壁114との間隙を密封させる。
以下の説明において、リブ25が密封するところを中心に説明するが、フック24が密封する場合を排除するものではない。フック24またはリブ25のうちいずれが間隙を密封するかということは、フック24またはリブ25の形状によっても決定される。リブ25がインナーケース23の外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有する場合、リブ25が間隙を密封し、フック24がインナーケース23の外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有する場合、フック24が間隙を密封することができる。
【0012】
ガスケット130は、インナーケース境界面131とキャップ境界面132と挿入突起133とを具備し、
図4に図示されているように、単一閉曲線形態に形成されうる。
インナーケース境界面131は、ガスケット130とインナーケース23とが接する面であり、インナーケース23の横断面形態と対応する単一閉曲線形態を有しうる。キャップ境界面132は、ガスケット130とキャップ120とが接する面であり、キャップ120の横断面形態と対応する単一閉曲線形態を有しうる。挿入突起133は、キャップ120の端部と、ミッドケース111の端部との間に挿入され、キャップ120とミッドケース111とを締結組み立てるとき、加圧されながら、キャップ120内部の空間と、ミッドケース111内部の空間とを密閉させる。
ガスケット130は、所定硬度を有するゴム材質またはプラスチック材質によってなるので、キャップ120とインナーケース23との間に配された後、ボルトとナットとを利用したキャップ120と、ミッドケース111の締結時、キャップ120とミッドケース111とによって加えられる圧力によって圧縮されながら、キャップ120とミッドケース111との締結力を、インナーケース23、及びインナーケースの一側に突設されたリブ25に伝達することができる。
リブ25は、インナーケース23を介し、ガスケット130が受ける締結力(圧縮による圧力または反撥力)を伝達され、隔壁114方向に力を加えることになる。従って、製造時、寸法公差がある場合にも、リブ25は、インナーケース23と隔壁114との間隙が密封可能になる。その結果、その間隙を介し、排ガスのバイパスを防止することができる。ここで、「寸法公差」は、製造過程において、フック24とリブ25との間隔と、隔壁114の幅サイズとが異なる全ての場合を含む意味にも使用される。
締結力伝達をさらに効果的にするために、キャップ境界面132と接触するキャップ120の底面122は、キャップ境界面132と対応する大きさにも形成される。
リブ25側の第1ガスケット130aと、フック24側の第2ガスケット130bは、同一硬度と同一寸法に形成される場合にも、ガスケット130が受ける締結力が、リブ25に伝達されうる。しかしながら、フック24側の第2ガスケット130bも、フック24に締結力を伝達するために、両側の締結力が相殺される心配もある。
そのために、本発明においては、リブ25側の第1ガスケット130aと、フック24側の第2ガスケット130bとが互いに異なる大きさを有するようにすることもできる。ここで、ガスケット130a,130bの大きさとは、カートリッジ20との間隔であるガスケットヘッド134a,134bの大きさを意味する(
図3のL1、L2参照)
【0013】
再び、
図3を参照し、膜加湿器組み立て順序を考慮すれば、まず、右側キャップ120がミッドケース111と締結される。そのとき、第2ガスケット130bは、右側キャップ120とミッドケース111とに挿入される。その後、カートリッジ20がミッドケース111に挿入される。そのとき、傾斜面があるフック24がまず挿入され、リブ25は、後に挿入される。フック24とリブ25は、隔壁114を挟み、隔壁114の一面と他面とに固定される。次に、第1ガスケット130aが、インナーケース23及びミッドケース111の端部に配された後、左側キャップ120がミッドケース111と締結される。そのとき、左側キャップ120とミッドケース111との締結力がリブ25に伝達される。また、そのとき、右側キャップ120とミッドケース111との締結力がフック24に伝達される。
その状況において、リブ25側の第1ガスケット130aと、フック24側の第2ガスケット130bとが互いに異なる大きさを有する場合、ある一側の締結力(または、ガスケットによる反撥力)がさらに優勢になり、リブ25またはフック24のうち一つが、インナーケース23と隔壁114との間隙が密封可能になる。
また、第1ガスケット130aと第2ガスケット130bとが互いに異なる大きさを有するものの、フック24またはリブ25の形状により、大きさの大小が決定されうる。
リブ25が、インナーケース23の外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有する場合、リブ25が、インナーケース23と隔壁114との間隙を密封することができるので、リブ25側の第1ガスケット130aが、フック24側の第2ガスケット130bより大きく形成されることが望ましい。
同様に、フック24が、インナーケース23の外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有する場合、フック24が、インナーケース23と隔壁114との間隙を密封することができるので、フック24側の第2ガスケット130bが、さらに大きく形成されることが望ましい。
【0014】
フック24とリブ25とがいずれもインナーケース23の外表面周囲を取り囲む閉曲線形状を有する場合、第1ガスケット130aと第2ガスケット130bは、互いに異なる大きさに形成されればよいのである。
設計により、隔壁114は、
図5に図示されているような形状に形成されうる。
図5を参照すれば、隔壁114は、ミッドケース111の中央部分が内側に陥没された形態に形成されうる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であるならば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から外れない範囲内において、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより、本発明を多様に修正及び変更させることができるが、それらも、本発明の権利範囲内に含まれるものである。
【国際調査報告】