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特表2024-515133高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/533 20060101AFI20240328BHJP
【FI】
H01R13/533 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565441
(86)(22)【出願日】2021-08-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 CN2021112664
(87)【国際公開番号】W WO2022227340
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110446217.5
(32)【優先日】2021-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516281137
【氏名又は名称】北京科益虹源光電技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 向宇
(72)【発明者】
【氏名】李 少華
(72)【発明者】
【氏名】袁 ▲チャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】江 鋭
(72)【発明者】
【氏名】曹 沛
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087FF03
5E087FF06
5E087FF12
5E087LL16
5E087MM05
5E087RR34
(57)【要約】
本発明は、高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造を提供し、高電圧高周波電気技術分野に関する。前記高速電気接続構造は、プラグ、ソケット及びケーブルを含む。前記ケーブルは、前記プラグにより前記ソケットに接続している。前記プラグ及び前記ソケットの内部は、前記ケーブルを取り囲むように設置されている環状キャビティを形成する。前記環状キャビティ内には、保護流体が充填されている。本発明は、プラグとソケット内部の環状キャビティに保護流体を流し入れ、環状キャビティ内、ケーブル接続部位の周囲において高強度の絶縁流体保護層を維持し、内部の湿度を下げることにより、コロナ放電及び沿面放電の発生を効果的に低減することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造であって、
プラグ(1)、ソケット(2)及びケーブル(100)を含み、
前記ケーブル(100)は、前記プラグ(1)により前記ソケット(2)に接続され、
前記プラグ(1)と前記ソケット(2)の内部は、前記ケーブル(100)を取り囲むように設置されている環状キャビティ(4)を形成し、
前記環状キャビティ(4)内には、保護流体が充填されていることを特徴とする高速電気接続構造。
【請求項2】
前記プラグ(1)又は前記ソケット(2)には、前記環状キャビティ(4)内に前記保護流体を流し入れるための入口(4.3)が設けられており、
前記ソケット(2)又は前記プラグ(1)には、前記環状キャビティ(4)に連通する出口(4.4)が設けられており、
出口(4.4)には、リリーフバルブが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の高速電気接続構造。
【請求項3】
前記ソケット(2)の、前記プラグ(1)の側には、前記ケーブル(100)のヘッド部を受け入れるための収容溝(2.4)が設けられており、収容溝(2.4)の内径は、前記ケーブル(100)の直径より大きく、前記ケーブル(100)が収容溝(2.4)に挿入されると、ケーブル(100)が収容溝(2.4)の内側壁に接触しないことを特徴とする請求項1に記載の高速電気接続構造。
【請求項4】
前記ソケット(2)内には、第一の環状キャビティ(4.1)が設けられ、前記第一の環状キャビティ(4.1)は、前記収容溝(2.4)の外側を被せるように設置され、前記ソケット(2)は、第一の環状キャビティ(4.1)と前記収容溝(2.4)の間に環状軸方向突起が設置され、環状軸方向突起は、スリーブ状であり、その内側には、前記収容溝(2.4)が形成され、外側がソケット(2)と取り囲むことで前記第一の環状キャビティ(4.1)を形成することを特徴とする請求項3に記載の高速電気接続構造。
【請求項5】
前記ソケット(2)は、ソケットヘッド(2.1)とソケット本体(2.2)を含み、ソケット本体(2.2)は、前記ソケットヘッド(2.1)により前記プラグ(1)に接続され、ソケットヘッド(2.1)は、導電性材料により作られていることを特徴とする請求項1に記載の高速電気接続構造。
【請求項6】
前記ソケット本体(2.2)は、前記ソケットヘッド(2.1)に近い一端の外周には、1つの環状溝(2.2a)又は間隔をあけて複数の環状溝(2.2a)が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の高速電気接続構造。
【請求項7】
前記プラグ(1)は、プラグ本体(1.1)を含み、前記プラグ本体(1.1)内には、貫通孔(1.1a)が設置され、前記ケーブル(100)は、プラグ本体(1.1)の第二の端から前記貫通孔(1.1a)に挿入し、前記ケーブル(100)のヘッド部(102)は、プラグ本体(1.1)の第一の端から前記貫通孔(1.1a)から伸びだし、前記プラグ本体(1.1)の第一の端は、前記ソケット(2)と密封接続された後、前記ケーブル(100)のヘッド部(102)は、前記収納溝(2.4)内に伸びることを特徴とする請求項3に記載の高速電気接続構造。
【請求項8】
前記プラグ(1)は、固定ナット(1.7)を更に含み、前記ソケットヘッド(2.1)の外周には、雄ネジが設けられ、固定ナット(1.7)は、一端に雌ネジが設けられ、他端に径方向において内側への凸状の作動リング台が設置され、前記プラグ本体(1.1)には、作動リング台とマッチングするボスが設置されていることを特徴とする請求項7に記載の高速電気接続構造。
【請求項9】
前記ケーブル(100)を前記プラグ本体(1.1)と密閉して固定接続するためのロック装置を更に含み、前記ロック装置は、ワイヤーロック(1.4)及びロックスリーブ(1.3)を含み、ワイヤーロック(1.4)の第一の端は、前記プラグ本体(1.1)の第二の端に当接し、ワイヤーロック(1.4)の第二の端には、周方向に沿って間隔をあけて複数の弾性片(1.4b)が設置され、前記ロックスリーブ(1.3)の一端は、前記プラグ本体(1.1)にねじ込まれており、前記ロックスリーブ(1.3)の他端には、楔形面(1.3a)が設けられ、前記ケーブル(100)は、ワイヤーロック(1.4)及びロックスリーブ(1.3)の真ん中の貫通孔(1.1a)を通して前記プラグ本体(1.1)に挿入され、ロックスリーブ(1.3)を締めると、楔形面(1.3a)は、弾性片(1.4b)を径方向において収縮させ、前記ケーブル(100)を抱きしめさせるように強制することを特徴とする請求項1に記載の高速電気接続構造。
【請求項10】
前記貫通孔(1.1a)は、ソケット(2)に近い一端の内径がソケット(2)から遠く離れる一端の内径より大きく、貫通孔(1.1a)の内表面がスムーズに遷移することを特徴とする請求項7に記載の高速電気接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧高周波電気技術分野に関し、特に、高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波磁気圧縮パルススイッチング電源間で高電圧高周波パルスエネルギーを伝達する必要があり、接続装置の電気接続部でコロナ放電や沿面放電が発生しやすい。現在、一般的に使用されている高電圧コネクタは、使用上の制限が大きく、30kVで且つ6kHzである環境のような、一部の高周波パルス高電圧の環境に適していない。通常の高電圧コネクタを使用すると、接続回路や接続装置が焼損しやすく、接続装置が脱落しやすくなり、深刻な場合は、装置が破壊されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来技術における少なくとも1つの上述した技術課題を解決するために、高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した技術課題を解決するために、本発明による高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造は、プラグ、ソケット及びケーブルを含み、ケーブルは、プラグによりソケットに接続され、プラグとソケットの内部は、ケーブルを取り囲むように設置されている環状キャビティを形成し、環状キャビティ内には、保護流体が充填されている。
【0005】
本発明は、プラグとソケットの内部の環状キャビティ内に保護流体を流し入れ、環状キャビティ内、ケーブル接続部位の周囲において高強度の絶縁流体保護層を維持し、内部の湿度を下げることにより、コロナ放電及び沿面放電の発生を効果的に低減することができる。
【0006】
また、保護流体は、不活性流体(例えば、アルゴン、ヘリウム)又は窒素である。保護流体は、保護油等であっても良い。
【0007】
また、ソケット内には、ソケットコアが設置され、ケーブルの先端には、ソケットコアと差し込み接続してマッチングする電気コネクタが設置されている。
【0008】
ソケットコアは、ソケットから引き出された導線により電気デバイスに接続されている。好ましくは、ソケットコアは、ニッケルメッキ銅等の高導電率耐食材料で作られている。電気コネクタは、バナナヘッドである。バナナヘッドは、電子デバイスで一般的に使用される弾性電気接触構造である。バナナヘッドは、溶接方法によりケーブルに固定接続することができる。
【0009】
また、環状キャビティ内に充填されている保護流体の圧力値が外部の大気圧より大きい。環状キャビティ内の正圧状態の保護流体は、環状キャビティ内、電気コネクタ及びソケットコアの周囲において高強度の絶縁流体保護層をより長時間維持し、内部の湿度を効果的に下げ、保護効果の耐久性がより優れ、絶縁効果がより良い。
【0010】
また、プラグ又はソケットには、環状キャビティ内に保護流体を流すための入口が設置されている。好ましくは、入口には、単方向弁が設置されている。
【0011】
より好ましくは、入口には、エアーインレットジョイントが設置されている。
【0012】
また、ソケット又はプラグには、環状キャビティに連通する出口が設置されている。出口には、リリーフバルブ等のリリーフ弁が設置されている。
【0013】
また、出口の設置は、保護流体を流し入れる時に元々あった空気を排出するのに役立つ。よって、環状キャビティ内の保護流体の純度を保証することができる。また、リリーフバルブ等の単方向導通素子を設置することにより、環状キャビティ内の圧力値を効果的に制御することができる。
【0014】
また、ソケットにおけるプラグの側には、ケーブルヘッド部を受け入れるための収容溝が設けられている。収容溝の内径は、ケーブルの直径より大きく、ケーブルが収容溝に挿入されると、ケーブルは、収容溝の内側壁に接触しない。
【0015】
また、ソケット内には、第一の環状キャビティが設置され、第一の環状キャビティは、収容溝の外側を被せるように設置され、ソケットは、第一の環状キャビティと収容溝の間に環状軸方向突起が設置されている。環状軸方向突起は、スリーブ状であり、その内側には、収容溝が形成され、外側がソケットと取り囲むことで第一の環状キャビティを形成する。
【0016】
沿面放電現象は、絶縁体の表面での微小な放電現象であり、特に、回路の接続部位で顕著に表れるが、本願においては、沿面放電現象が最も発生しやすい場所は、電気コネクタとソケットコアの接続部位、及びケーブルのヘッド部の末端である。本願では、ケーブルのヘッド部を収容する収容溝の外周には、第一の環状キャビティを設置し、第一の環状キャビティには、環状キャビティの一部として保護流体が充填されることにより、第一の環状キャビティは、電子が外へ広がることを効果的に防止する堀のようなものになり、沿面放電現象をソケット本体の内部の比較的小さい範囲内に制限する。
【0017】
ソケットにおける少なくとも環状軸方向突起部分は、絶縁材料で作られており、環状軸方向突起の設置は、沿面距離を大幅に増やし、第一の環状キャビティと合わせて電子の外への蔓延をより効果的に防止ことができる。
【0018】
また、ケーブルの軸方向においては、第一の環状キャビティの底部は、収容溝の底部より突出して設置され、第一の環状キャビティは、収容溝を完全に包み込んでいる。
【0019】
また、ソケットは、ソケットヘッド及びソケット本体を含み、ソケット本体は、ソケットヘッドによりプラグに接続され、ソケット本体は、例えばゴム、セラミック、PPSプラスチック等の絶縁材料で作られており、収容溝又は第一の環状キャビティは、ソケット本体内に設置されている。
【0020】
ソケットヘッドとソケット本体の接続方法は、締まりばめの差し込み接続、ねじ込み接続又はスナップリング止め等のような様々な方法がある。
【0021】
また、収容溝の底部には、電気コネクタを受け入れるためのスロットが設置され、ソケットコアは、スロット内に設置されている。より好ましくは、スロットの縁には、電気コネクタの挿入を案内するための案内面が設置されている。
【0022】
また、ソケットヘッドは、黄銅等の導電性の金属材料で作られ、ソケットヘッドには、径方向において外へ突出する環状接続座が設置され、環状接続座には、接続孔又は位置決め孔が設けられている。
【0023】
また、ソケットヘッドは、アースに接続されている。
【0024】
また、ソケット本体の、ソケットヘッドに近い一端の外周には、環状溝が設けられ又は間隔をあけて複数の環状溝が設けられている。
【0025】
環状溝は、高電圧電界によるソケット本体の外表面に沿った沿面放電の発生又は蔓延を効果的に防止ことができる。
【0026】
また、プラグは、プラグ本体を含み、プラグ本体内には、貫通孔が設けられている。ケーブルは、プラグ本体の第二の端から貫通孔に挿入している。ケーブルのヘッド部は、プラグ本体の第一の端から貫通孔から伸びだしている。プラグ本体の第一の端は、ソケットと密封接続された後、ケーブルのヘッド部は、収容溝内に伸びる。
【0027】
また、貫通孔の内側面は、滑らかで鋭利な部分がない。
【0028】
また、プラグ本体とソケットヘッドの間には、両者を密封接続するための密封構造が設置されている。
【0029】
より好ましくは、前記プラグは、固定ナット(または固定リングスリーブとも言う)を更に含む。前記ソケットヘッドの外周には、雄ネジが設置されている。固定ナットは、一端に雌ネジが設置されている。他端に径方向において内側への凸状の作動リング台が設置されている。前記プラグ本体には、作動リング台とマッチングするボスが設置されている。ソケットヘッドと固定ナットの間には、管本体を突合せ接続するためのフェルール構造が形成されている。前記プラグ本体の第一の端は、前記ソケットヘッドの真ん中の取付孔に挿入されると、固定ナットをソケットヘッドに締め付け、固定ナットがその作動リング台により前記プラグ本体のボスの外側端面をソケットヘッドの端面に密着させるように強制することにより、両者を密封接続することを実現する。なお、密封性能を高めるために、プラグ本体とソケットヘッドの間には、シールガスケットを設置しても良い。
【0030】
また、ケーブルをプラグ本体と密閉して固定接続するためのロック装置を更に含み、ロック装置は、ワイヤーロック及びロックスリーブを含み、ワイヤーロックの第一の端は、プラグ本体の第二の端に当接し、ワイヤーロックの第二の端には、周方向に沿って間隔をあけて複数の弾性片が設置されている。ロックスリーブの一端は、プラグ本体にねじ込まれており、両者の間には、密封構造がある。ロックスリーブの他端には、楔形面が設けられている。ケーブルは、ワイヤーロック及びロックスリーブの真ん中の貫通孔を通してプラグ本体に挿入され、ロックスリーブを締めると、楔形面は、弾性片を径方向において収縮させ、ケーブルを抱きしめさせるように強制する。
【0031】
また、弾性片の内側面には、ケーブルを抱きしめるための滑り止め歯又は滑り止めパターンが設置されている。
【0032】
また、プラグ本体、ロックスリーブ、ワイヤーロックは、何れも例えば真鍮、ステンレス等のような導電性金属材料で作られている。より好ましくは、ワイヤーロックは、例えばベリリウム青銅等の弾性導電材料で作られている。
【0033】
また、ワイヤーロックの第一の端には、リング本体部が設置されている。リング本体部には、外側円錐面が設けられている。プラグ本体の第二の端には、外側円錐面とマッチングする内側円錐面が設けられている。
【0034】
また、ケーブルの外側を被せるシールドネットを更に含み、シールドネットの末端(即ち、ケーブルヘッドの一端)が巻き起こられた後にプラグ本体とワイヤーロックの間に圧入されて固定されている。具体的には、シールドネットの末端が巻き起こられた後に外側円錐面と内側円錐面の間に圧入されて固定されている。
【0035】
また、ロックスリーブの他端には、径方向において内側への凸状のリング台が設置されている。リング台には、楔形面が設けられている。リング台とケーブルの間には、密封構造が設置されており、例えば、1つ又は若干のシールリング等である。
【0036】
また、貫通孔のソケットに近い一端の内径がソケットから遠く離れる一端の内径より大きく、貫通孔の内表面がスムーズに遷移(変化)する。
【0037】
また、絶縁材料により作られたサポートスリーブを更に含み、サポートスリーブは、プラグ本体の貫通孔内に設置され、さらにケーブルを被せることで、ケーブルがプラグ本体に直接的に接触することを防止する。
【0038】
好ましくは、サポートスリーブは、例えばPPS、PTFE、PEEK等のような高強度の絶縁材料で作られている。
【0039】
また、サポートスリーブは、ねじ込み方法、差し込み接続又はスナップ接続方法でプラグ本体に固定接続されている。
【0040】
また、サポートスリーブは、軸方向に順にネジ部、円錐台部及びスリーブ部を含み、円錐台部の壁厚がネジ部及びスリーブ部の壁厚より大きく、円錐台部に外側円錐台面が設けられ、プラグ本体の貫通孔内には、外側円錐台面に対応する内側円錐面が設けられている。
【0041】
本願のサポートスリーブは、全体として矢印の形状をしており、円錐台部が自身の支持能力を大幅に高め、使用中にケーブルのプラグやソケット内の部分がプラグやソケットに直接的に接触することを避ける。スリーブ部の外側端は、プラグ本体の第一の端面と面一であり又はプラグ本体の第一の端面より突出して設置されており、その自身の支持能力を向上させながら、スリーブ部とプラグ本体の間には、比較的大きな第二の環状キャビティをできるだけ確保する。よって、保護流体の体積が増え、プラグとソケットが接続されると、第一の環状キャビティと第二の環状キャビティが連通されて上述した環状キャビティが形成される。
【0042】
また、ロックスリーブには、入口が設置され、ソケット本体には、出口が設置されている。
【0043】
また、サポートスリーブには、保護流体が通過するための流体流路が設置されている。これにより、ロックスリーブの入口から充填された保護流体が流体流路を通って環状キャビティに流入することが容易になる。
【0044】
また、ケーブルの耐屈曲性を向上させるためにケーブルの外側を被せる折れ防止スリーブを更に含む。好ましくは、折れ防止スリーブとロックスリーブは、スナップ接続方法又はねじ込み接続方法で固定接続されている。
【発明の効果】
【0045】
上述した技術案を用いることにより、次の有益な効果が得られる。
【0046】
本発明による高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造は、プラグとソケット内部の環状キャビティに保護流体を流し入れ、環状キャビティ内、ケーブル接続部位の周囲において高強度の絶縁流体保護層を維持し、内部の湿度を下げることにより、コロナ放電及び沿面放電の発生を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下において説明する図面は、本発明の幾つかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働せずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本発明の実施例による高速電気接続構造の正面図である。
図2図1に示すソケットの断面図である。
図3図1に示すプラグの断面図である。
図4】本発明の実施例におけるソケットヘッドの斜視図である。
図5】本発明の実施例におけるワイヤーロックの斜視図である。
図6】本発明の実施例におけるプラグの内部の構造模式図である。
図7】本発明の実施例におけるソケットの立体断面図である。
図8】本発明の実施例における保護流体の流し入れの概略図である。
図9】本発明の実施例におけるサポートスリーブの斜視図である。
図10】本発明の実施例におけるサポートスリーブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照しながら、本発明の技術案をより明確且つ完全に説明する。明らかに、記載されている実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例を基に、当業者は、創造的な労働をせずに得られた全ての実施例が何れも本発明の保護範囲に属する。
【0049】
なお、本発明の記載においては、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等の専門用語が示している向き又は位置関係は、図面に示された向き又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明し、説明を簡略化させるためのものであり、言及した装置又は素子が特定の向きを有するべき、特定の向きで構成すべき、動作すべきことを示唆又は暗示するものではないので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。また、「第一」、「第二」、「第三」という専門用語は、説明の目的だけに使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとして解釈されるべきではない。
【0050】
本発明の説明においては、他に明確な規定及び制限がない限り、「取り付ける」、「互いに接続する」、「接続する」という専門用語は、広い意味で理解されるべきであることに留意されたい。例えば、固定して接続しても良く、取り外し可能な接続であっても良く、一体的に接続しても良く、機械的に接続しても良く、電気的に接続しても良く、直接に接続しても良く、中間媒体を介して間接的に接続しても良く、2つの素子の内部の連通であっても良い。当業者にとっては、具体的な状況により、本発明における上述した専門用語の具体的な意味を理解することができる。
【0051】
以下、具体的な実施形態を参照しながら、本発明を更に解釈して説明する。
【0052】
図1~10に示すように、本実施例による高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造は、プラグ1、ソケット2及びケーブル100を含む。ケーブル100は、プラグ1によりソケット2に接続されている。プラグ1とソケット2の内部は、ケーブル100を取り囲むように設置されている環状キャビティ4を形成する。環状キャビティ4内には、保護流体が充填されている。具体的には、環状キャビティ4は、プラグ1内の第一の半キャビティとソケット2内の第二の半キャビティのそれぞれにより繋ぎ合わせられてなり、ケーブル100が2つの半キャビティを通過すると、環状キャビティが形成される。
【0053】
本発明は、プラグ1とソケット2内部の環状キャビティ4に保護流体を流し入れ、環状キャビティ4内、ケーブル100接続部位の周囲において高強度の絶縁流体保護層を維持し、内部の湿度を下げることにより、コロナ放電及び沿面放電の発生を効果的に低減することができる。
【0054】
また、保護流体は、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることが好ましく、保護流体は、保護油等であっても良い。
【0055】
図2に示すように、ソケット2内には、ソケットコア2.3が設置されている。ケーブル100の先端には、ソケットコア2.3と差し込み接続してマッチングする電気コネクタ101が設置されている。
【0056】
ソケットコア2.3は、ソケット2から引き出された導線により電気デバイスに接続されている。好ましくは、ソケットコア2.3は、ニッケルメッキ銅等の高導電率耐食材料で作られている。電気コネクタ101は、バナナヘッドである。バナナヘッドは、電子デバイスで一般的に使用される弾性電気接触構造である。バナナヘッドは、溶接方法によりケーブル100に固定接続することができる。
【0057】
また、環状キャビティ4内に充填されている保護流体の圧力値が外部の大気圧より大きい。環状キャビティ4内の正圧状態の保護流体は、環状キャビティ4内、電気コネクタ101及びソケットコア2.3の周囲において高強度の絶縁流体保護層をより長時間維持し、内部の湿度を効果的に下げ、保護効果の耐久性がより優れ、絶縁効果がより良い。
【0058】
図3に示すように、プラグ1には、環状キャビティ4内に保護流体を流し入れるための入口4.3が設置されている。入口4.3には、エアーインレットジョイント1.5が設置されている。エアーインレットジョイント1.5には、単方向弁(図示せず)が設置されている。ソケット2には、環状キャビティ4に連通する出口4.4が設置されている。出口4.4には、リリーフバルブ等のリリーフ弁(図示せず)が設置されている。出口4.4の設置は、保護流体を流し入れる時に元々あった空気を排出するのに役立つ。よって、環状キャビティ4内の保護流体の純度を保証することができる。また、リリーフバルブ等の単方向導通素子を設置することにより、環状キャビティ4内の圧力値を効果的に制御することができる。
【0059】
図2に示すように、ソケット2は、ソケットヘッド2.1及びソケット本体2.2を含む。ソケット本体2.2の、プラグ1の側には、ケーブル100のヘッド部102を受け入れるための収容溝2.4が設置されている。ソケット本体2.2は、ソケットヘッド2.1によりプラグ1に接続されている。収容溝2.4の内径は、ケーブル100の直径より大きく、ケーブル100が収容溝2.4内に挿入されると、収容溝2.4の内側壁に接触しない。
【0060】
ソケットヘッド2.1とソケット本体2.2の接続方法には、締まりばめの差し込み接続、ねじ込み接続又はスナップリング止め等のような様々な方法がある。また、ソケット本体2.2は、例えば、ゴム、セラミック、PPSプラスチック等の絶縁材料で作られてもよい。ソケットヘッド2.1は、真鍮等の導電性金属材料で作られてもよい。図4に示すように、ソケットヘッド2.1には、径方向において外へ突出する環状接続座が設置され、環状接続座には、接続孔又は位置決め孔が設置されている。ソケットヘッド2.1は、静電気を効果的に除去するために接地されている。
【0061】
また、収容溝2.4の底部には、電気コネクタ101を受け入れるためのスロット2.5が設置され、ソケットコア2.3は、スロット2.5内に設置されている。より好ましくは、スロット2.5の縁には、電気コネクタ101の挿入を案内するための面取りが設置されている。
【0062】
環状キャビティ4は、ソケット本体2.2内に設置されている第一の環状キャビティ4.1を含み、第一の環状キャビティ4.1は、収容溝2.4の外側を被せている。ケーブル100の軸方向においては、第一の環状キャビティ4.1の底部が収容溝2.4の底部より突出されて設置され、即ち、第一の環状キャビティ4.1は、収容溝2.4を完全に包み込んでいる。第一の環状キャビティ4.1と収容溝2.4の間には、環状軸方向突起が設置されている。環状軸方向突起は、スリーブ状であり、その内側には、収容溝2.4が形成され、外側がソケット2と取り囲むことで第一の環状キャビティ4.1を形成する。
【0063】
沿面放電現象は、絶縁体の表面での微小な放電現象であり、特に、回路の接続部位で顕著に表れるが、本願においては、沿面放電現象が最も発生しやすい場所は、電気コネクタ101とソケットコア2.3の接続部位、及びケーブル100のヘッド部102の末端である。本願では、ケーブル100のヘッド部102を収容する収容溝2.4の外周には、第一の環状キャビティ4.1を設置し、第一の環状キャビティ4.1には、環状キャビティ4の一部として保護流体が充填されることにより、第一の環状キャビティ4.1は、電子が外へ広がることを効果的に防止する堀のようなものになり、沿面放電現象をソケット本体2.2の内部の比較的小さい範囲内に制限する。環状軸方向突起部分は、絶縁材料で作られており、環状軸方向突起の設置は、沿面距離を大幅に増やし、第一の環状キャビティ4.1と合わせて電子の外への蔓延をより効果的に防止ことができる。
【0064】
また、ソケット本体2.2の、ソケットヘッド2.1に近い一端の外周には、環状溝2.2aが設置され、又は間隔をあけて若干(複数)の環状溝2.2aが設置されている。環状溝2.2aは、高電圧電界によるソケット本体2.2の外表面に沿った沿面放電の発生又は蔓延を効果的に防止ことができる。
【0065】
図3及び図6に示すように、プラグ1は、プラグ本体1.1を含み、プラグ本体1.1内には、貫通孔1.1aが設置されている。貫通孔1.1aの内側面は、滑らかで鋭利な部分がないので、放電現象の発生を避けることができる。プラグ本体1.1とソケットヘッド2.1の間には、両者を密封接続するための密封構造が設置されている。
【0066】
ケーブル100は、プラグ本体1.1の第二の端から貫通孔1.1aに挿入されている。ケーブル100のヘッド部102は、プラグ本体1.1の第一の端から貫通孔1.1aから伸びだしている。プラグ本体1.1の第一の端は、ソケット2と密封接続された後、ケーブル100のヘッド部102は、収容溝2.4内に伸びる。電気コネクタ101は、スロット2.5に挿入されてソケットコア2.3に接続されている。貫通孔1.1aは、ケーブル100のヘッド部102の付近において第二の環状キャビティ4.2を自然に形成している。
【0067】
好ましくは、図1に示すように、プラグ1は、固定ナット1.7(または固定リングスリーブとも言う)を更に含む。ソケットヘッド2.1の外周には、雄ネジが設置されている。固定ナット1.7は、一端に雌ネジが設置され、他端に径方向において内側への凸状の作動リング台が設置されている。プラグ本体1.1には、作動リング台とマッチングするボスが設置されている。ソケットヘッド2.1と固定ナット1.7の間には、管本体を突合せ接続するためのフェルール構造が形成されている。プラグ本体1.1の第一の端は、ソケットヘッド2.1の真ん中の取付孔に挿入されると、固定ナット1.7をソケットヘッド2.1に締め付け、固定ナット1.7がその作動リング台によりプラグ本体1.1のボスの外側端面をソケットヘッド2.1の端面に密着させるように強制することにより、両者を密封接続することを実現する。なお、密封性能を高めるためには、プラグ本体1.1とソケットヘッド2.1の間には、シールガスケットを設置しても良い。
【0068】
本実施例は、ケーブル100をプラグ本体1.1と密閉して固定接続するためのロック装置を更に含む。図3及び図6に示すように、ロック装置は、ワイヤーロック1.4及びロックスリーブ1.3を含む。ワイヤーロック1.4の第一の端は、プラグ本体1.1の第二の端に当接している。具体的には、図5に示すように、ワイヤーロック1.4の第一の端には、リング本体部1.4aが設置されている。リング本体部1.4aには、外側円錐面が設置されている。プラグ本体1.1の第二の端には、外側円錐面とマッチングする内側円錐面が設置されている。ワイヤーロック1.4の第二の端には、周方向に沿って間隔をあけて複数の弾性片1.4bが設置されている。ロックスリーブの1.3の一端は、プラグ本体1.1にねじ込まれている。ロックスリーブ1.3とプラグ本体1.1の間には、保護流体が溢れ出ることを防止するための密封構造があることにより、環状キャビティ4の中の保護流体が溢れ出ることを防止する。ロックスリーブ1.3の他端には、楔形面1.3aが設けられている。ケーブル100は、ワイヤーロック1.4及びロックスリーブ1.3の真ん中の貫通孔1.1aを通してプラグ本体1.1に挿入され、ロックスリーブ1.3を締めると、楔形面1.3aは、弾性片1.4bを径方向において収縮させ、ケーブル100を抱きしめさせるように強制(付勢)する。弾性片1.4bの内側面には、ケーブル100を抱きしめるための滑り止め歯1.4cが設置されている。
【0069】
また、プラグ本体1.1、ロックスリーブ1.3、ワイヤーロック1.4は、何れも、例えば真鍮、ステンレス等のような導電性金属材料で作られている。より好ましくは、ワイヤーロック1.4は、例えばベリリウム青銅等のような弾性導電材料で作られている。
【0070】
本実施例は、ケーブル100の外側を被せるシールドネット100aを更に含む。シールドネット100aの末端(即ち、ケーブル100のヘッド部102の一端)が巻き起こられた後にプラグ本体1.1とワイヤーロック1.4の間に圧入されて固定されている。具体的には、図5に示すように、シールドネット100aの末端が巻き起こられた後に外側円錐面と内側円錐面の間に圧入されて固定されている。シールドネット100aは、多数の細孔を有する編組状金属線であり、保護流体の通過を容易にさせるために、外側円錐面と内側円錐面の間には、複数の流体流路を形成することができる。ソケットヘッド2.1、プラグ本体1.1及びワイヤーロック1.4は、何れも導電性材料で作られているので、シールドネット100aがプラグ本体1.1及びワイヤーロック1.4に押し付けられた後、ソケットヘッド2.1が接地されると、シールドネット100aの接地を実現する。
【0071】
ロックスリーブ1.3には、径方向において内側への凸状のリング台が設置されている。リング台には、楔形面1.3aが設置されている。リング台とケーブル100の間には、環状キャビティ4の中の保護流体が溢れ出ることを防止するために、密封構造(図示せず)が設置されており、密封構造は、例えば、1つ又は若干のシールリング等である。
【0072】
より好ましくは、絶縁材料により作られたサポートスリーブ1.2を更に含み、サポートスリーブ1.2は、プラグ本体1.1の貫通孔1.1a内に設置され、ケーブル100を被せることで、ケーブル100がプラグ本体1.1に直接的に接触することを防止することができる。
【0073】
好ましくは、サポートスリーブ1.2は、例えばPPS、PTFE、PEEK等のような高強度の絶縁材料で作られている。
【0074】
より好ましくは、図9及び図10に示すように、サポートスリーブ1.2は、軸方向に順に右側のネジ部1.2a、真ん中の円錐台部1.2b及び左側のスリーブ部1.2cを含む。サポートスリーブ1.2のネジ部1.2aは、ねじ込み方法でプラグ本体1.1に固定接続されている。円錐台部1.2bの壁厚が右から左へ徐々に増え、どこもネジ部1.2a及びスリーブ部1.2cの壁厚より大きい。円錐台部1.2bには、外側円錐台面が設置されている。プラグ本体1.1の貫通孔1.1a内には、外側円錐台面とマッチング(対応)する内側円錐面が設けられている。本願のサポートスリーブ1.2は、全体として矢印の形状をしており、円錐台部1.2bが自身の支持能力を大幅に高め、使用中にケーブル100のプラグ1やソケット2内にある部分がプラグ1やソケット2に直接的に接触することを避けることができる。なお、円錐台部1.2bの外側円錐台面とプラグ本体1.1内の内側円錐面のテーパーは、6:17である。円錐台部は、ケーブル100内の高電圧とシールド層の間の電界を均一に遷移させることができるので、コロナ放電及び沿面放電の発生を防止することに寄与する。
【0075】
スリーブ部1.2cの外側端は、プラグ本体1.1の第一の端面と面一であり又はプラグ本体1.1の第一の端面から突出して設置されているので、その自身の支持能力を向上させながら、スリーブ部1.2cとプラグ本体1.1の間には、比較的大きな第二の環状キャビティ4.2をできるだけ確保する。よって、保護流体の体積が増え、プラグ1とソケット2が接続されると、第一の環状キャビティ4.1と第二の環状キャビティ4.2が連通されて上述した環状キャビティ4が形成される。
【0076】
ロックスリーブ1.3には、入口4.3が設置されている。ソケット本体2.2には、出口4.4が設置されている。図9及び図10に示すように、サポートスリーブ1.2には、保護流体が通過するための流体流路1.2dが設置されている。よって、ロックスリーブ1.3の入口4.3から流れ込んだ保護流体が流体流路を通過して環状キャビティ4に流れ込みやすくなる。図8に示すように、ガス充填時、保護流体が入口4.3を通過し、流体流路1.2dを経て環状キャビティ4に流れ込み、元々の空気が出口4.4を経て排出される。よって、環状キャビティ4内において絶縁性の流体保護層が形成される。環状キャビティ4内の圧力は、出口4.4の圧力弁又はリリーフ弁により制御又は調整することができる。
【0077】
本実施例は、ケーブル100の耐屈曲性を向上させるために、ケーブル100の外側を被せる折れ(曲がり)防止スリーブ1.6を更に含む。好ましくは、折れ防止スリーブ1.6とロックスリーブ1.3は、スナップ接続方法又はねじ込み接続方法で固定接続されている。
【0078】
本発明による高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造は、プラグ1とソケット2の内部の環状キャビティ4内に保護流体を流し入れ、環状キャビティ4内、電気コネクタ100の接続部位の周囲において高強度の絶縁流体保護層を維持し、内部の湿度を下げ、コロナ放電及び沿面放電の発生を効果的に低減することができる。
【0079】
最後に、上述した各実施例は、本発明の技術案を説明するためにのみ用いられ、本発明を限定するものではないことに留意されたい。上述した各実施形態を参照しながら、本発明を詳しく説明した。当業者は、上述した各実施例に記載の技術案を変更することができ、或いは、一部又は全部の技術特徴に対して等価に置き換えることができるが、これらの修正又は置き換えは、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱させないと理解すべきである。
【符号の説明】
【0080】
1 プラグ
1.1 プラグ本体
1.1a 貫通孔
1.2 サポートスリーブ
1.2a ねじ部
1.2b 円錐台部
1.2c スリーブ部
1.2d 流体流路
1.3 ロックスリーブ
1.3a 楔形面
1.4 ワイヤーロック
1.4a リング本体部
1.4b 弾性片
1.4c 滑り止め歯
1.5 エアーインレットジョイント
1.6 折れ防止スリーブ
1.7 固定ナット
2 ソケット
2.1 ソケットヘッド
2.2 ソケット本体
2.2a 環状溝
2.3 ソケットコア
2.4 収容溝
2.5 スロット
4 環状キャビティ
4.1 第一の環状キャビティ
4.2 第二の環状キャビティ
4.3 入口
4.4 出口
100 ケーブル
101 電気コネクタ
102 ヘッド部
100a シールドネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧高周波パルス環境で使用するための高速電気接続構造であって、
プラグ(1)、ソケット(2)及びケーブル(100)を含み、
前記ケーブル(100)は、前記プラグ(1)により前記ソケット(2)に接続され、
前記プラグ(1)と前記ソケット(2)の内部は、前記ケーブル(100)を取り囲むように設置されている環状キャビティ(4)を形成し、
前記環状キャビティ(4)内には、保護流体が充填されていることを特徴とする高速電気接続構造。
【請求項2】
前記プラグ(1)又は前記ソケット(2)には、前記環状キャビティ(4)内に前記保護流体を流し入れるための入口(4.3)が設けられており、
前記ソケット(2)又は前記プラグ(1)には、前記環状キャビティ(4)に連通する出口(4.4)が設けられており、
出口(4.4)には、リリーフバルブが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の高速電気接続構造。
【請求項3】
前記ソケット(2)の、前記プラグ(1)の側には、前記ケーブル(100)のヘッド部を受け入れるための収容溝(2.4)が設けられており、収容溝(2.4)の内径は、前記ケーブル(100)の直径より大きく、前記ケーブル(100)が収容溝(2.4)に挿入されると、ケーブル(100)が収容溝(2.4)の内側壁に接触しないことを特徴とする請求項1に記載の高速電気接続構造。
【請求項4】
前記ソケット(2)内には、第一の環状キャビティ(4.1)が設けられ、前記第一の環状キャビティ(4.1)は、前記収容溝(2.4)の外側を被せるように設置され、前記ソケット(2)は、第一の環状キャビティ(4.1)と前記収容溝(2.4)の間に環状軸方向突起が設置され、環状軸方向突起は、スリーブ状であり、その内側には、前記収容溝(2.4)が形成され、外側がソケット(2)と取り囲むことで前記第一の環状キャビティ(4.1)を形成することを特徴とする請求項3に記載の高速電気接続構造。
【請求項5】
前記ソケット(2)は、ソケットヘッド(2.1)とソケット本体(2.2)を含み、ソケット本体(2.2)は、前記ソケットヘッド(2.1)により前記プラグ(1)に接続され、ソケットヘッド(2.1)は、導電性材料により作られていることを特徴とする請求項1に記載の高速電気接続構造。
【請求項6】
前記ソケット本体(2.2)は、前記ソケットヘッド(2.1)に近い一端の外周には、1つの環状溝(2.2a)又は間隔をあけて複数の環状溝(2.2a)が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の高速電気接続構造。
【請求項7】
前記プラグ(1)は、プラグ本体(1.1)を含み、前記プラグ本体(1.1)内には、貫通孔(1.1a)が設置され、前記ケーブル(100)は、プラグ本体(1.1)の第二の端から前記貫通孔(1.1a)に挿入し、前記ケーブル(100)のヘッド部(102)は、プラグ本体(1.1)の第一の端から前記貫通孔(1.1a)から伸びだし、前記プラグ本体(1.1)の第一の端は、前記ソケット(2)と密封接続された後、前記ケーブル(100)のヘッド部(102)は、前記収納溝(2.4)内に伸びることを特徴とする請求項3に記載の高速電気接続構造。
【請求項8】
前記プラグ(1)は、固定ナット(1.7)を更に含み、前記ソケットヘッド(2.1)の外周には、雄ネジが設けられ、固定ナット(1.7)は、一端に雌ネジが設けられ、他端に径方向において内側への凸状の作動リング台が設置され、前記プラグ本体(1.1)には、作動リング台とマッチングするボスが設置されていることを特徴とする請求項7に記載の高速電気接続構造。
【請求項9】
前記ケーブル(100)を前記プラグ本体(1.1)と密閉して固定接続するためのロック装置を更に含み、前記ロック装置は、ワイヤーロック(1.4)及びロックスリーブ(1.3)を含み、ワイヤーロック(1.4)の第一の端は、前記プラグ本体(1.1)の第二の端に当接し、ワイヤーロック(1.4)の第二の端には、周方向に沿って間隔をあけて複数の弾性片(1.4b)が設置され、前記ロックスリーブ(1.3)の一端は、前記プラグ本体(1.1)にねじ込まれており、前記ロックスリーブ(1.3)の他端には、楔形面(1.3a)が設けられ、前記ケーブル(100)は、ワイヤーロック(1.4)及びロックスリーブ(1.3)の真ん中の貫通孔(1.1a)を通して前記プラグ本体(1.1)に挿入され、ロックスリーブ(1.3)を締めると、楔形面(1.3a)は、弾性片(1.4b)を径方向において収縮させ、前記ケーブル(100)を抱きしめさせるように強制することを特徴とする請求項1に記載の高速電気接続構造。
【請求項10】
前記弾性片(1.4b)の内側面には、前記ケーブル(100)を抱きしめるための滑り止め歯(1.4c)又は滑り止めパターンが設置されていることを特徴とする請求項9に記載の高速電気接続構造。
【請求項11】
前記ワイヤーロック(1.4)の第一の端には、リング本体部(1.4a)が設置され、リング本体部(1.4a)には、外側円錐面が設置され、前記プラグ本体(1.1)の第二の端には、前記外側円錐面とマッチングする内側円錐面が設置されていることを特徴とする請求項9に記載の高速電気接続構造。
【請求項12】
前記ケーブル(100)の外側を被せるシールドネット(100a)を更に含み、シールドネット(100a)の末端が巻き起こられた後に前記プラグ本体(1.1)と前記ワイヤーロック(1.4)の間に圧入されて固定されていることを特徴とする請求項11に記載の高速電気接続構造。
【請求項13】
前記ロックスリーブ(1.3)の他端には、径方向において内側への凸状のリング台が設置され、前記リング台には、前記楔形面(1.3a)が設置され、前記リング台と前記ケーブル(100)の間には、密封構造が設置されていることを特徴とする請求項9に記載の高速電気接続構造。
【請求項14】
前記貫通孔(1.1a)は、ソケット(2)に近い一端の内径がソケット(2)から遠く離れる一端の内径より大きく、貫通孔(1.1a)の内表面がスムーズに遷移することを特徴とする請求項7に記載の高速電気接続構造。
【請求項15】
絶縁材料により作られたサポートスリーブ(1.2)を更に含み、サポートスリーブ(1.2)は、前記プラグ本体(1.1)の貫通孔(1.1a)内に設置され、前記ケーブル(100)を被せることで、ケーブル(100)が前記プラグ本体(1.1)に直接的に接触することを防止することを特徴とする請求項9に記載の高速電気接続構造。
【請求項16】
前記サポートスリーブ(1.2)は、高強度の絶縁材料で作られていることを特徴とする請求項15に記載の高速電気接続構造。
【請求項17】
前記サポートスリーブ(1.2)は、軸方向に順にネジ部(1.2a)、円錐台部(1.2b)及びスリーブ部(1.2c)を含み、円錐台部(1.2b)の壁厚がネジ部(1.2a)及びスリーブ部(1.2c)の壁厚より大きく、円錐台部(1.2b)に外側円錐台面が設けられ、前記プラグ本体(1.1)の貫通孔(1.1a)内には、前記外側円錐台面に対応する内側円錐面が設けられていることを特徴とする請求項15に記載の高速電気接続構造。
【請求項18】
前記サポートスリーブ(1.2)には、前記保護流体が通過するための流体流路(1.2d)が設置されていることを特徴とする請求項17に記載の高速電気接続構造。
【国際調査報告】