(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】壁掛形空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0063 20190101AFI20240328BHJP
F24F 1/0007 20190101ALI20240328BHJP
F24F 1/0025 20190101ALI20240328BHJP
【FI】
F24F1/0063
F24F1/0007 321
F24F1/0025
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565542
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2022076090
(87)【国際公開番号】W WO2022252680
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202121216342.9
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517416385
【氏名又は名称】広東美的暖通設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Penglai Industry Road,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,China
(71)【出願人】
【識別番号】523296704
【氏名又は名称】合肥美的暖通▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 88, Chuangxin Avenue, Boyan Science Park, High-Tech Zone, Hefei City, Anhui 230088, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】周 柏松
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 多▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陽▼ 媛
(72)【発明者】
【氏名】李 波
(72)【発明者】
【氏名】万 永▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ 起▲欽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲塗▼ ▲運▼冲
【テーマコード(参考)】
3L049
3L050
3L051
【Fターム(参考)】
3L049BC01
3L049BC03
3L049BD02
3L050BA01
3L050BA05
3L051BE07
(57)【要約】
本開示は、壁掛形空気調和機(1)を開示し、前記壁掛形空気調和機(1)は、ケーシング(100)、ファンホイール(300)及び熱交換器(200)を含み、前記ケーシング(100)の正面に第1の吸込口が設けられ、前記ファンホイール(300)は前記ケーシング(100)内に設けられ、前記熱交換器(200)は前記ケーシング(100)内に設けられ、前記熱交換器(200)の少なくとも一部は前記第1の吸込口と前記ファンホイール(300)との間に位置し、前記熱交換器(200)の上端と下端のいずれか一端と前記ファンホイール(300)との間の距離は前記熱交換器(200)の中間部と前記ファンホイール(300)との間の距離より小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁掛形空気調和機であって、
正面に第1の吸込口が設けられるケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるファンホイールと、
前記ケーシング内に設けられる熱交換器であって、前記熱交換器の少なくとも一部が前記第1の吸込口と前記ファンホイールとの間に位置し、前記熱交換器の上端と下端のいずれか一端と前記ファンホイールとの間の距離が、前記熱交換器の中間部と前記ファンホイールとの間の距離より小さい熱交換器と、を含む、
ことを特徴とする壁掛形空気調和機。
【請求項2】
前記熱交換器と前記ファンホイールとの間の最小距離は15ミリメートル以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項3】
前記ケーシング内に風道が設けられ、前記風道は、接続される吸込セグメントと吹出セグメントとを含み、前記ファンホイールの一部は前記吸込セグメント内に位置し、前記ファンホイールの残りの部分は前記吹出セグメント内に位置し、前記熱交換器の少なくとも一部は前記吸込セグメント内に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項4】
前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記ファンホイールの回転軸線と前記垂直面とは基点で交差し、前記熱交換器の上端と前記基点を通過する垂直線との間の距離はゼロより大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項5】
前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記ファンホイールの回転軸線と前記垂直面とは基点で交差し、前記熱交換器の内側面の投影の中点と前記基点との第1の接続線は前記吸込セグメントの中心線とほぼ重なる、
ことを特徴とする請求項3に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項6】
前記熱交換器は、前記第1の吸込口に向かって突出する円弧状を呈する、
ことを特徴とする請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項7】
前記熱交換器の中間部の位置は前記ファンホイールの回転軸線より高い、
ことを特徴とする請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項8】
前記熱交換器の厚さは、前記熱交換器の中間部から前記熱交換器の上端に向かって徐々に減少し、前記熱交換器の厚さは、前記熱交換器の中間部から前記熱交換器の下端に向かう方向に沿って徐々に減少する、
ことを特徴とする請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項9】
前記ケーシングの頂面に第2の吸込口が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項10】
前記熱交換器の一部は前記第1の吸込口と前記ファンホイールとの間に位置し、前記熱交換器の別の部分は前記第2の吸込口と前記ファンホイールとの間に位置する、
ことを特徴とする請求項9に記載の壁掛形空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互引用]
本願は出願番号202121216342.9、出願日2021年06月01日の中国特許出願に基づいて提出され、かつ当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全内容はここで参考として本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は空気調和機技術分野に関し、具体的に壁掛形空気調和機に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、壁掛形空気調和機の吸込口はその頂部に設けられ、頂部から空気を吸い込むニーズを満たすために、壁掛形空気調和機と室内の頂壁との間の間隔を大きくしなければならないので、室内の空間利用率が低くなり、室内空間は狭く見える。そして、関連技術における壁掛形空気調和機はファンホイールと熱交換器の構造とレイアウトが合理的ではないので、壁掛形空気調和機の熱交換効率は低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は関連技術にける技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本開示は、壁掛形空気調和機と室内の頂壁との距離を短縮し又は除去することができ且つ熱交換効率が高い壁掛形空気調和機を提供する。
【0006】
本開示の壁掛形空気調和機は、正面に第1の吸込口が設けられるケーシングと、前記ケーシング内に設けられるファンホイールと、前記ケーシング内に設けられる熱交換器であって、前記熱交換器の少なくとも一部が前記第1の吸込口と前記ファンホイールとの間に位置し、前記熱交換器の上端と下端とのいずれか一端と前記ファンホイールとの間の距離が、前記熱交換器の中間部と前記ファンホイールとの間の距離より小さい熱交換器と、を含む。
【0007】
本開示の壁掛形空気調和機は第1の吸込口をケーシングの正面に設けることで、壁掛形空気調和機の前方からの吸い込みを実現することができ、そしてケーシングの頂部は室内の頂壁に隣接して取り付けることができ、室内に空間利用率を向上させる。また、交換器の端部とファンホイールとの間の距離が、熱交換器の中間部とファンホイールとの間の距離より小さいので、ケーシング内の吸込容積を拡大することができ、壁掛形空気調和機の吸込量を増加させ、壁掛形空気調和機の熱交換効率を高くする。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記熱交換器と前記ファンホイールとの間の最小距離は15ミリメートル以上である。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記ケーシング内に風道が設けられ、前記風道は、接続される吸込セグメントと吹出セグメントとを含み、前記ファンホイールの一部は前記吸込セグメント内に位置し、前記ファンホイールの残りの部分は前記吹出セグメント内に位置し、前記熱交換器の少なくとも一部は前記吸込セグメント内に位置する。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記ファンホイールの回転軸線と前記垂直面とは基点で交差し、前記熱交換器の上端と前記基点を通過する垂直線との間の距離はゼロより大きい。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記ファンホイールの回転軸線と前記垂直面とは基点で交差し、前記熱交換器の内側面の投影の中点と前記基点との第1の接続線と、前記吸込セグメントの中心線と、がほぼ重なる。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記熱交換器は、前記第1の吸込口に向かって突出する円弧状を呈する。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記熱交換器の中間部の位置は前記ファンホイールの回転軸線より高い。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記熱交換器の厚さは、前記熱交換器の中間部から前記熱交換器の上端に向かって徐々に減少し、前記熱交換器の厚さは、前記熱交換器の中間部から前記熱交換器の下端に向かう方向に沿って徐々に減少する。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記ケーシングの頂面に第2の吸込口が設けられる。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記熱交換器の一部は前記第1の吸込口と前記ファンホイールとの間に位置し、前記熱交換器の別の部分は前記第2の吸込口と前記ファンホイールとの間に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の実施例の壁掛形空気調和機の概略図である。
【
図2】本開示の実施例の壁掛形空気調和機の断面図である。
【
図3】本開示の実施例の壁掛形空気調和機の取り付け概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施例を詳しく説明し、前記実施例の例は図面に示される。以下、図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、本開示を説明するためのものであり、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0019】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例の壁掛形空気調和機1を説明する。
【0020】
図1~
図3に示すように、本開示の実施例の壁掛形空気調和機1は、ケーシング100、ファンホイール300及び熱交換器200を含む。ケーシング100の正面に第1の吸込口101が設けられ、ファンホイール300はケーシング100内に設けられ、熱交換器200はケーシング100内に設けられ、熱交換器200の少なくとも一部は第1の吸込口101とファンホイール300との間に位置し、熱交換器200の上端と下端とのいずれか一端とファンホイール300との間の距離は、熱交換器200の中間部とファンホイール300との間の距離より小さい。
【0021】
図2に示すように、ケーシング100の正面は、水平後方の視線で見えるケーシング100の表面であり、即ち、水平後方の視線で見えるケーシング100の表面はケーシング100の正面である。例えば、観察者の目とケーシング100とが大体同じ水平高さに位置し、且つ観察者がケーシング100の前方に位置する時、観察者が見えるケーシング100の表面はケーシング100の正面である。例えば、壁掛形空気調和機1は壁面に取り付けることができる。水平方向に沿って壁面から離れる方向は真正面であり、水平方向に沿って壁面に接近する方向は真背面である。前後方向は
図2の矢印Aに示すとおりであり、上下方向は
図2の矢印Bに示すとおりである。
【0022】
なお、
図2に示すように、熱交換器200の上端と下端とのいずれか一端とファンホイール300との間の距離は、熱交換器200の上部のいずれか一点とファンホイール300の外周面との間の最短距離、及び熱交換器200の上部のいずれか一点とファンホイール300の外周面との間の最短距離として理解することができる。熱交換器200の中間部とファンホイール300との間の距離は、熱交換器200の中間部におけるいずれか一点とファンホイール300の外周面との間の最短距離として理解することができる。
【0023】
本開示の実施例の壁掛形空気調和機1は使用時に室内の壁に掛けることができ、環境内の空気は必ずしもケーシングの真上から壁掛形空気調和機1内部に入るとは限らないので、壁掛形空気調和機1と室内の頂壁との間の距離を大幅に短縮し又は除去することができ、室内の空間利用率を向上させることができ、特に低い室内に対して、室内空間の窮屈感を効果的に軽減し又は除去することができる。そのため、本開示の実施例の壁掛形空気調和機1は取付空間に対する要件が非常に低く、取付空間が壁掛形空気調和機1を収容できる限り、壁掛形空気調和機1の上方に吸込空間を確保する必要がなく、壁掛形空気調和機1の適用範囲を拡大することができる。
【0024】
いくつかの選択可能な実施形態では、第1の吸込口101はケーシング100正面の部分に位置し、垂直面に対して、壁面(取り付け面として理解することができる)に向かって斜め上に傾斜する。このように、利用者が室内の床に立つ時、第1の吸込口101を通ってケーシング100(壁掛形空気調和機1)の内部を見ることができず、ケーシング100(壁掛形空気調和機1)の内部構造は利用者に露出しておらず、このように利用者の視覚的な快適性を向上させる。
【0025】
また、頂部から吸込するシーンでは、頂部空間が限られていて狭い場合が多いので、狭い頂部空間により吸込量が制限されてしまう。本出願の技術案では、第1の吸込口101をケーシング100の正面に設置することにより、第1の吸込口101を通ってケーシング100内に入る空気は、熱交換器200と充分に熱を交換するように熱交換器200を直接流れることができ、つまり、壁掛形空気調和機1の吸込量は頂部の狭い空間により制限されず、ケーシング100の正面から吸込することができ、吸込量を効果的に増加させることができ、熱交換器200を流れる空気の流量を顕著に大きくすることができ、熱交換器200の熱交換効率を極めて大きく向上させることができる。
【0026】
本出願では、第1の吸込口101がケーシング100の正面に位置するので、第1の吸込口101の下方に逆の略V字型の熱交換器200を設置する必要がなく、逆の略V字型の熱交換器200の下端に幅が逆の略V字型の熱交換器200の幅より大きい水受け皿を設置する必要もなくなり、これにより、水受け皿の遮蔽により熱交換器200の一部がほとんど空気と熱を交換しないことは回避された。第1の吸込口101がケーシング100の正面に位置することにより、水受け皿600は気流が熱交換器200に流れることを阻止することなく、例えば、水受け皿600は、気流が熱交換器200に流れる流路を通過しなくてもよく、このように熱交換器200の熱交換効率を大幅に向上させることができる。選択可能に、水受け皿600は熱交換器200の下方に設けられる。
【0027】
また、熱交換器200の中間部とファンホイール300との間の距離が、熱交換器200の上部とファンホイール300との間の距離より大きいことにより、本開示の壁掛形空気調和機1は、従来の熱交換器200の内側面とファンホイール300との間の距離がほぼ同じ構造にとって、ケーシング100内の吸込容積と壁掛形空気調和機1の吸込量とを増加させることができ、壁掛形空気調和機1の熱交換効率を高くする。
【0028】
好ましくは、
図2に示すように、熱交換器200とファンホイール300との間の最小距離はL1であり、最小距離L1は15ミリメートル以上である。発明人は実験研究により、熱交換器200とファンホイール300との間の最小距離L1が15ミリメートル以上である場合、本開示の実施例の壁掛形空気調和機1のケーシング100内の吸込容積を拡大するとともに壁掛形空気調和機1の内部寸法を小さくすることができることを見出し、これにより、壁掛形空気調和機1は高い熱交換効率を確保するとともに、壁掛形空気調和機1の体積を小さくすることができる。
【0029】
選択可能に、熱交換器200とファンホイール300との間の最小距離L1は20ミリメートル以上50ミリメートル以下である。さらに選択可能に、熱交換器200とファンホイール300との間の最小距離L1は30ミリメートル以上40ミリメートル以下である。さらに選択可能に、熱交換器200とファンホイール300との間の最小距離L1は36ミリメートル以上39ミリメートル以下であり、ケーシング100内の吸込容積を拡大するとともに壁掛形空気調和機1の内部寸法を小さくすることができ、これにより壁掛形空気調和機1は高い熱交換効率を確保するとともに、壁掛形空気調和機1の体積を小さくすることができる。
【0030】
選択可能に、熱交換器200とファンホイール300との間の最小距離L1は例えば15ミリメートル、20ミリメートル、25ミリメートル、30ミリメートル、35ミリメートル、36ミリメートル、37ミリメートル、38ミリメートル、39ミリメートル、40ミリメートル、45ミリメートル又は50ミリメートルであってもよいが、これらに限定されない。
【0031】
いくつかの実施例では、
図2に示すように、壁掛形空気調和機1は風道102とファンホイール300とをさらに含み、風道102はケーシング100内に位置し、風道102はつながる吸込セグメント1021と吹出セグメント1022とを含み、吸込セグメント1021は吸込通路を限定し、吹出セグメント1022は吹出通路を限定する。ファンホイール300の一部は吸込通路内に位置し、ファンホイール300の他の部分は吹出通路内に位置する。
【0032】
ファンホイール300は排風力を発生させるために使用され、空気が第1の吸込口101から吸込通路に入った後にファンホイール300を通過して吹出通路に入り、最後に吹出通路の吹出口から吹き出される。熱交換器200は吸込通路内に位置し且つ第1の吸込口101に設けられ、熱交換器200は第1の吸込口101に対向し、これにより、第1の吸込口101で吸込通路に入る空気と熱を交換することを容易にする。本開示の実施例の壁掛形空気調和機1は風道102内にファンホイール300を設けることで、熱交換器200を流れる空気の流量と流速とを向上させることができ、これによって熱交換器200の熱交換効率を向上させ、かつファンホイール300が吸込風道と吹出風道との境界に設けられることにより、壁掛形空気調和機1の構造をより合理的にすることができる。
【0033】
さらに、
図2に示すように、風道102の長さ方向に直交する垂直面内において、ファンホイール300の回転軸線と垂直面とは基点Oで交差し、熱交換器200の上端と基点Oを通過する垂直線との間の距離はL2であり、L2はセロより大きい。なお、風道102の長さ方向は
図3の矢印Cに示すとおりである。ここで、風道102の長さ方向は壁掛形空気調和機1の長さ方向と一致してもよく、即ち壁掛形空気調和機1の長さ方向は
図3の矢印Cの方向に沿っている。
【0034】
本出願の発明人は実験研究により、L2がゼロより大きい場合、熱交換器200作業時に発生する凝縮水が吹出セグメント1022に流れ込む確率を低下させ、かつ熱交換器200の熱交換効率を確保すると同時に熱交換器200のサイズを縮小して、壁掛形空気調和機1の内部空間のレイアウトを最適化できることを見出した。好ましくは、L2は3ミリメートル以上8ミリメートル以下である。これにより、熱交換器200作業時に発生した凝縮水が吹出セグメント1022に流れ込む確率をさらに低下させることができ、且つ熱交換器200の熱交換効果はよい。
【0035】
選択可能に、L2は3ミリメートル、3.5ミリメートル、4ミリメートル、4.5ミリメートル、5ミリメートル、5.5ミリメートル、6ミリメートル、6.5ミリメートル、7ミリメートル、7.5ミリメートル又は8ミリメートルであってもよいが、これらに限定されない。
【0036】
さらに、
図2に示すように、風道102の長さ方向(例えば
図3の矢印Cに示す方向)に直交する垂直面内において、ファンホイール300の回転軸線と垂直面とは基点Oで交差し、熱交換器200の内側面の投影の中点Hと基点Oとの間の第1の接続線はL3であり、ここで、第1の接続線L3と吸込セグメント1021の中心線とがほぼ重なる。なお、第1の接続線L3と吸込セグメント1021の中心線とがほぼ重なるので、熱交換器200は第1の吸込口101とファンホイール300との両方に正対して設置され、これにより、熱交換器200の熱交換効果をよりよくすることができ、壁掛形空気調和機1の熱交換効率をさらに向上させる。
【0037】
選択可能に、
図2に示すように、熱交換器200は第1の吸込口101と対向し、熱交換器200は第1の吸込口101に向かって突出する湾曲又は屈曲した形状を呈しており、好ましくは、熱交換器200は第1の吸込口101に向かって突出する円弧状を提供する。本開示の実施例の壁掛形空気調和機1は、熱交換器200が第1の吸込口101に対向しており、これにより、ケーシング100内に入った気流が熱交換器200と直接接触しかつ熱を交換することができ、壁掛形空気調和機1の吸込経路を短縮し、また、熱交換器200が湾曲又は屈曲した構造であるため、熱交換器200の熱交換面積を拡大することができ、壁掛形空気調和機1の熱交換効率を向上させる。
【0038】
いくつかの実施例では、
図2に示すように、熱交換器200の中間部の位置はファンホイール300の回転軸線より高い。なお、熱交換器200は第1の吸込口101とファンホイール300との間に設けられ、第1の吸込口101はケーシング100の真正面及び/又は前方上部及び/又は前方下部に向かって開口しており、これによって壁掛形空気調和機1の正面から吸い込みを実現することができ、また、熱交換器200の突出する方向は第1の吸込口101に向かっており、熱交換器200は、第1の吸込口101に入った空気に対して熱交換を十分に行って、壁掛形空気調和機1の熱交換効率をさらに向上させることができる。
【0039】
いくつかの実施例では、
図2に示すように、熱交換器200の厚さは、熱交換器200の中間部から熱交換器200の上端に向かう方向(
図2の下から上への方向)に沿って徐々に減少し、熱交換器200の厚さは、熱交換器200の中間部から熱交換器200の下端に向かう方向(
図1の上から下への方向)に沿って徐々に減少する。なお、熱交換器200の中間部の厚さは熱交換器200の両端の厚さより大きい。
【0040】
壁掛形空気調和機1は作業時に、熱交換器200が第1の吸込口101に向かって突出する構造であるため、第1の吸込口101に入った気流はまず熱交換器200の中間部と接触し、本開示の実施例の壁掛形空気調和機1の熱交換器200の中間部の厚さが大きいので、第1の吸込口101に入ったほとんどの気流と熱を交換することができ、また、第1の吸込口101の縁部は第1の吸込口101の中間部に対して吸込量が小さいため、熱交換器200の熱交換効率に影響を与えずに熱交換器200の上端及び熱交換器200の下端の厚さを減少させることができる。本開示の実施例の壁掛形空気調和機1は熱交換器200の熱交換効率を確保すると同時に熱交換器200の寸法を減少させ、壁掛形空気調和機1の生産コストを削減することができる。
【0041】
いくつかの実施例では、ケーシング100は第2の吸込口(示されていない)を有し、第2の吸込口はケーシング100の頂面に位置し、
図2のケーシング100の上端面のとおりである。なお、ケーシング100の上端に第2の吸込口が設けられるので、壁掛形空気調和機1は頂部から吸込することができ、吸込量を増加させる。
【0042】
具体的に、熱交換器200の一部は第1の吸込口101とファンホイール300との間に位置し、熱交換器200のその他の部分は第2の吸込口とファンホイール300との間に位置し、なお、第1の吸込口101と第2の吸込口とはいずれも熱交換器200に対向することで熱交換器200の熱交換効率を向上させ、即ち、第1の吸込口101と第2の吸込口から吸込通路に入る気流はいずれも熱交換器200により熱を交換した後にファンホイール300の回転作用により吹出通路内に案内され、壁掛形空気調和機1の適用範囲を拡大することができ、壁掛形空気調和機1の異なるシーンでの使用ニーズを満たす。
【0043】
いくつかの実施例では、
図1~
図3に示すように、壁掛形空気調和機1は吸込グリル400をさらに含み、吸込グリル400はフレーム401と複数のブレード402とを含み、フレーム401は第1の吸込口101に設けられ、複数のブレード402はケーシング100の周方向に沿って配列され、各ブレード402は開位置と閉位置との間で回転可能にフレーム401に設けられる。そのため、壁掛形空気調和機1が動作を停止する時、ブレード402を閉位置に回転させることで第1の吸込口101を遮蔽し、ケーシング100内に入る埃と異物とを減少させ、壁掛形空気調和機1の内部を掃除する頻度を低下させ、実用性が高い。
【0044】
選択可能に、
図1及び
図2に示すように、吸込グリル400が閉位置にある時、吸込グリル400の横断面は円弧状面であり、円弧状面は外へ突出する。なお、閉位置の吸込グリル400は前へ突出する円弧構造であり、これによって吸込グリル400の表面積を増加させることができ、これにより、より多くの空気は吸込グリル400を通ってケーシング100内に入ることができ、第1の吸込口101の吸込量を向上させる。
【0045】
さらに、
図1及び
図2に示すように、壁掛形空気調和機1はフィルタスクリーン500をさらに含み、フィルタスクリーン500は吸込グリル400と熱交換器200との間に設けられ、本開示の実施例の壁掛形空気調和機1が設けられるので、第1の吸込口101に入る空気を濾過することができ、埃と異物とがケーシング100内部に入る確率を低減することができ、壁掛形空気調和機1の後期の使用コストとメンテナンスコストとを削減する。
【0046】
好ましくは、フィルタスクリーン500の日常の清掃を容易にするために、フィルタスクリーン500とケーシング100とは取り外す可能に接続される。具体的に、フィルタスクリーン500の横断面も円弧面であり、フィルタスクリーン500と熱交換器200及び吸込グリル400とは、突出する方向が一致し、これにより、壁掛形空気調和機1の構造をコンパクトにすることができ、清潔度が高い。
【0047】
本開示の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語により指示される方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、本開示を説明しかつその説明を簡素化するためのものに過ぎず、指示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作されることを指示又は暗示するものではないので、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0048】
また、「第1の」、「第2の」という用語は説明という目的に使用され、相対的な重要性を指示又は暗示するもの、又は指示された技術的特徴を暗黙的に指示するものとして理解してはならない。これにより、「第1の」、「第2の」により限定される特徴は、少なくとも一つの該特徴を明示又は暗黙的に指示することができる。本開示の説明では、明確かつ具体的な限定がない限り、「複数の」意味は少なくとも2つであり、例えば2つ、3つ等である。
【0049】
本開示では、明確な規定や限定がない限り、「取り付け」、「つながる」、「接続」、「固定」などの用語は広義的に理解すべきであり、例えば、固定的な接続であってもよく、取り外す可能な接続であってもよく、又は一体的なものであってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、または互いに通信できるものであってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体による間接的な接続であってもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における具体的な意味を理解することができる。
【0050】
本開示では、明確な規定や限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触することであってもよく、又は第1の特徴と第2の特徴とが中間媒体により間接的に接触することであってもよい。又は、第1の特徴が第2の特徴「の上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上方又は斜め上にあることであってもよく、又は第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことのみを表す。第1の特徴が第2の特徴「の下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下又は斜め下にあることであってもよく、又は第1の特徴の水平高さが第2の特徴より低いことのみを表す。
【0051】
本開示では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「一部の例」などの用語は、該実施例又は例に合わせて説明される具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを指す。本明細書では、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を対象としているとは限らない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書で説明される異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0052】
以上は本開示の実施例を示しかつ説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本開示の制限として理解してはならず、当業者であれば、本開示の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、入れ替えと変形を行うことができる。
【国際調査報告】