(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】フェルト敷設装置
(51)【国際特許分類】
D04H 17/00 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
D04H17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544367
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-07-20
(86)【国際出願番号】 CN2021128740
(87)【国際公開番号】W WO2022222423
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】202110440013.0
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523276049
【氏名又は名称】南京玻璃▲繊▼▲維▼研究▲設▼▲計▼院有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523276670
【氏名又は名称】中材科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲唐▼ 宇
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 春
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼ 欣科
(72)【発明者】
【氏名】▲陸▼ ▲飛▼宇
【テーマコード(参考)】
4L047
【Fターム(参考)】
4L047AA07
4L047CB10
4L047CC00
4L047EA01
4L047EA22
(57)【要約】
フェルト敷設装置であって、フレーム(1)に設けられた1#ベルトコンベア(10)、2#ベルトコンベア(20)、フェルト敷設機(30)、揺動機構(40)、及びフェルト受け機(50)を備え、1#ベルトコンベア(10)は、成形された単層の綿フェルトを受けて2#ベルトコンベア(20)に搬送するためのものであり、2#ベルトコンベア(20)は、1#ベルトコンベア(10)から落下した綿フェルトを受けてフェルト敷設機(30)に搬送するためのものであり、フェルト敷設機(30)は、上端が2#ベルトコンベア(20)の後端にヒンジ連結され、且つ2#ベルトコンベア(20)とともに上下動し、下端が揺動機構(40)に接続され、且つ揺動機構(40)の駆動により水平方向に沿って往復揺動し、揺動により2#ベルトコンベア(20)から落下した単層の綿フェルトをフェルト受け機(50)の幅方向に沿って多層の綿フェルトに積層する。このフェルト敷設装置は、フェルト落下時のフェルト敷設機のアーク揺動を水平直線運動にすることができ、また、応答時間の短いサーボモータを揺動方向変換の駆動力として、方向変換時に発生する水平速度差を小さくすることにより、綿フェルト製品の幅における密度均一性を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームを備えるフェルト敷設装置であって、
前記フレームに、順次接続された1#ベルトコンベア、2#ベルトコンベア、フェルト敷設機、揺動機構、及びフェルト受け機が設けられ、
1#ベルトコンベアは、フレームの上方前端に位置し、成形された単層の綿フェルトを受けて2#ベルトコンベアに搬送するためのものであり、
2#ベルトコンベアは、1#ベルトコンベアの後下方に位置し、1#ベルトコンベアから落下した単層の綿フェルトを受けてフェルト敷設機に搬送するためのものであり、2#ベルトコンベアは第1のヒンジシートを介してフレームにヒンジ連結され、2#ベルトコンベアの底部後端には、その上下動を弾性的に支持するための空気バネが設けられ、
フェルト敷設機は、上端が2#ベルトコンベアの後端にヒンジ連結され、且つ2#ベルトコンベアとともに上下動し、下端が揺動機構に接続され、且つ揺動機構の駆動により水平方向に沿ってフェルト受け機の上方を往復揺動し、揺動により2#ベルトコンベアから落下した単層の綿フェルトを多層の綿フェルトに積層する、ことを特徴とするフェルト敷設装置。
【請求項2】
フェルト敷設機は、フェルト敷設機フレームと、フェルト敷設機フレームに取り付けられた第1のフェルト敷設搬送ベルトコンベア及び第2のフェルト敷設搬送ベルトコンベアと、を備え、第1のフェルト敷設搬送ベルトコンベアは、主動ローラA、従動ローラA、搬送ベルトA、及び駆動モータAを備え、第2のフェルト敷設搬送ベルトコンベアは、主動ローラB、従動ローラB、搬送ベルトB、及び駆動モータBを備え、主動ローラA及び主動ローラBはフェルト敷設機フレームの上端に設けられ、従動ローラA及び従動ローラBはフェルト敷設機フレームの下端に設けられ、搬送ベルトAと搬送ベルトBとは、平行に設けられ、2つのベルトの対向する両側面の間には単層の綿フェルトが通過する搬送通路が形成され、搬送ベルトAと搬送ベルトBとは、同期して逆方向に回動する、ことを特徴とする請求項1に記載のフェルト敷設装置。
【請求項3】
フェルト敷設機フレームの上端は、第2のヒンジシートを介して2#ベルトコンベアに接続され、第2のヒンジシートは、第2のヒンジ軸と第2の軸受台とを備え、第2のヒンジ軸は、フェルト敷設機フレームを貫通して第2の軸受台内に回動可能に設けられ、第2の軸受台は、フェルト敷設機フレームに固定的に取り付けられ、第2のヒンジ軸は、2#ベルトコンベアの従動ローラの回転軸でもあり、主動ローラAは第2のヒンジ軸の直下に位置し、主動ローラBは第2のヒンジ軸よりも高い、ことを特徴とする請求項2に記載のフェルト敷設装置。
【請求項4】
揺動機構は、1つの2軸のサーボモータと、前記サーボモータの両側に平行かつ対称に設けられたタイミングベルト伝動機構と、を備え、前記タイミングベルト伝動機構は、主動ベルトプーリと、従動ベルトプーリと、主動ベルトプーリ及び従動ベルトプーリを接続するための往復運動するタイミングベルトと、タイミングベルトリング内に設けられたリニアガイドと、前記リニアガイドに摺動可能に設けられたスライダアセンブリと、を備え、前記スライダアセンブリは、タイミングベルトに固定され、タイミングベルトとともに同期して運動し、主動ベルトプーリは、カップリングを介してサーボモータの出力軸に固定接続され、前記スライダアセンブリは、フェルト敷設機の下端にヒンジ連結される、ことを特徴とする請求項1に記載のフェルト敷設装置。
【請求項5】
スライダアセンブリは、上部押圧板、下部押圧板、及びスライダホルダを備え、上部押圧板はボルトを介してフェルト敷設機のフェルト敷設機フレームにヒンジ連結され、下部押圧板はボルトを介してスライダホルダに固定接続され、スライダホルダはリニアガイドに摺動可能に接続され、上部押圧板と下部押圧板とは、上部押圧板及び下部押圧板の左右両端を貫通するボルトを介して固定接続され、上部押圧板と下部押圧板との中部の間には、タイミングベルトが介設される、ことを特徴とする請求項4に記載のフェルト敷設装置。
【請求項6】
フェルト敷設機フレームの下端には、第3のヒンジシートが設けられ、第3のヒンジシートは、第3の軸受台と、前記第3の軸受台内に回動可能に設けられた第3ヒンジ軸と、を備え、第3のヒンジ軸はフェルト敷設機フレームに固定接続され、上部押圧板はボルトを介して第3の軸受台に固定接続される、ことを特徴とする請求項5に記載のフェルト敷設装置。
【請求項7】
1#ベルトコンベアは、上から下へ傾斜して設けられ、2#ベルトコンベアは、下から上へ傾斜して設けられ、静止状態では、フェルト敷設機は垂直に設けられ、揺動機構はフェルト受け機の上方に水平に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のフェルト敷設装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ミネラルウール製造の技術分野に関し、具体的には、フェルト敷設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フェルト敷設とは、ミネラルウールの生産過程において、集綿機で集められた単層の綿フェルトを繰り返し折り畳んで、多層の綿フェルトとする重要な技術的手段である。振り子法によるミネラルウールの生産技術が広く用いられて以来、生産能力が徐々に向上し、製品の品質に対する要求が次第に高まるにつれ、ミネラルウールの生産における振り子法フェルト敷設技術も、最も伝統的な補償なしの振り子揺動から速度補償付きの振り子揺動へと進むように繰り返し更新されており、しかしながら、振り子法フェルト敷設技術に存在する固有の構造上の欠陥により、振り子揺動による綿フェルト落下時の軌跡がアークとなるため、多層の綿フェルトは幅的に中央が薄く両端が厚いという欠点がある。ミネラルウールの生産技術の研究開発及び普及に伴い、ミネラルウール生産ラインの生産量が高生産力に向かって進んでいき、生産ラインの幅がより広くなり、従来のアーク揺動によるフェルト敷設の欠陥が幅の広い生産ラインにおいて特に顕在化されており、その理由として、生産ラインの幅が広いほど、揺動するアークが長くなり、揺動の慣性量もより大きくなることを意味しているからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
敷設成形された多層の綿フェルトが幅的に中央が薄く両端が厚いという従来のフェルト敷設機に存在する技術的課題を解決するために、本願はフェルト敷設装置を提供し、アーク揺動が直線運動となるようにでき、それにより、フェルト落下時に綿フェルトの水平線までの落下距離が変わらないように確保し、また、サーボモータを用いて高速な方向変換を実現し得るという特徴により、フェルト敷設機は、かなりの幅にわたって等速運動状態が維持される一方、両端に運動すると加速または減速を高速に行うことで、フェルト敷設機が両端の方向変換時に留まる時間を減らし、フェルト落下の水平分速度をほぼ等しくし、それにより、成形された綿フェルトの幅方向の厚さの均一性をさらに確保する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願で用いられる技術案は、以下の通りである。
【0005】
フレームを備えるフェルト敷設装置であって、
前記フレームに、順次接続された1#ベルトコンベア、2#ベルトコンベア、フェルト敷設機、揺動機構、及びフェルト受け機が設けられ、1#ベルトコンベアは、フレームの上方前端に位置し、成形された単層の綿フェルトを受けて2#ベルトコンベアに搬送するためのものであり、2#ベルトコンベアは、1#ベルトコンベアの後下方に位置し、1#ベルトコンベアから落下した単層の綿フェルトを受けてフェルト敷設機に搬送するためのものであり、2#ベルトコンベアは第1のヒンジシートを介してフレームにヒンジ連結され、2#ベルトコンベアの底部後端には、その上下動を弾性的に支持するための空気バネが設けられ、フェルト敷設機は、上端が2#ベルトコンベアの後端にヒンジ連結され、且つ2#ベルトコンベアとともに上下動し、下端が揺動機構に接続され、且つ揺動機構の駆動により水平方向に沿ってフェルト受け機の上方を往復揺動し、揺動により2#ベルトコンベアから落下した単層の綿フェルトを多層の綿フェルトに積層する。
【0006】
さらには、フェルト敷設機は、フェルト敷設機フレームと、フェルト敷設機フレームに取り付けられた第1のフェルト敷設搬送ベルトコンベア及び第2のフェルト敷設搬送ベルトコンベアと、を備え、第1のフェルト敷設搬送ベルトコンベアは、主動ロールA、従動ロールA、搬送ベルトA、及び駆動モータAを備え、第2のフェルト敷設搬送ベルトコンベアは、主動ロールB、従動ロールB、搬送ベルトB、及び駆動モータBを備え、主動ロールA及び主動ロールBはフェルト敷設機フレームの上端に設けられ、従動ロールA及び従動ロールBはフェルト敷設機フレームの下端に設けられ、搬送ベルトAと搬送ベルトBとは、平行に設けられ、2つのベルトの対向する両側面の間には単層の綿フェルトが通過する搬送通路が形成され、搬送ベルトAと搬送ベルトBとは、同期して逆方向に回動する。
【0007】
よりさらには、フェルト敷設機フレームの上端は、第2のヒンジシートを介して2#ベルトコンベアに接続され、第2のヒンジシートは、第2のヒンジ軸と第2の軸受台とを備え、第2のヒンジ軸は、フェルト敷設機フレームを貫通して第2の軸受台に回動可能に設けられ、第2の軸受台は、フェルト敷設機フレームに固定的に取り付けられ、第2のヒンジ軸は、2#ベルトコンベアの従動ロールの回転軸でもあり、主動ロールAは第2のヒンジ軸の直下に位置し、主動ロールBは第2のヒンジ軸よりも高い。
【0008】
さらには、揺動機構は、1つの2軸のサーボモータと、前記サーボモータの両側に平行かつ対称に設けられたタイミングベルト伝動機構と、を備え、前記タイミングベルト伝動機構は、主動ベルトプーリと、従動ベルトプーリと、主動ベルトプーリ及び従動ベルトプーリを接続するための往復運動するタイミングベルトと、タイミングベルトループ内に設けられたリニアガイドと、前記リニアガイドに摺動可能に設けられたスライダアセンブリと、を備え、前記スライダアセンブリは、タイミングベルトに固定され、タイミングベルトとともに同期して運動し、主動ベルトプーリは、カップリングを介してサーボモータの出力軸に固定接続され、前記スライダアセンブリは、フェルト敷設機の下端にヒンジ連結される。
【0009】
よりさらには、スライダアセンブリは、上部押圧板、下部押圧板、及びスライダホルダを備え、上部押圧板はボルトを介してフェルト敷設機のフェルト敷設機フレームにヒンジ連結され、下部押圧板はボルトを介してスライダホルダに固定接続され、スライダホルダはリニアガイドに摺動可能に接続され、上部押圧板と下部押圧板とは、上部押圧板及び下部押圧板の左右両端を貫通するボルトを介して固定接続され、上部押圧板と下部押圧板との中部の間には、タイミングベルトが介設される。
【0010】
よりさらには、フェルト敷設機フレームの下端には、第3のヒンジシートが設けられ、第3のヒンジシートは、第3の軸受台と、前記第3の軸受台に回動可能に設けられた第3ヒンジ軸と、を備え、第3のヒンジ軸はフェルト敷設機フレームに固定接続され、上部押圧板はボルトを介して第3の軸受台に固定接続される。
【0011】
さらには、1#ベルトコンベアは、上から下へ傾斜して設けられ、2#ベルトコンベアは、下から上へ傾斜して設けられ、静止状態では、フェルト敷設機は垂直に設けられ、揺動機構はフェルト受け機の上方に水平に設けられる。
【発明の効果】
【0012】
本願の有益な効果は、以下の通りである。
【0013】
従来のフェルト敷設機を分析した結果、固有の構造上の欠陥は2つあり、1つ目の欠陥としては、綿フェルトの水平線までの落下距離は、両端まで揺動する場合の落下距離が遠く、中点まで揺動する場合の落下距離が近く、2つ目の欠陥としては、振り子が両端まで揺動する場合、フェルト落下の水平分速度が最も遅い一方、中点まで揺動する場合の水平分速度が最も速く、上記2つの要因が重なることにより、敷設成形された多層の綿フェルトが幅的に中央が薄く両端が厚いという技術的欠陥がある。
【0014】
本願は、2#ベルトコンベアの底部がフレームにヒンジ連結され、後端がフェルト敷設機の上端にヒンジ連結され、フェルト敷設機の下端が揺動機構に接続され、且つ揺動機構の駆動により水平方向に沿ってフェルト受け機の上方を往復揺動するという設計案を用いることで、フェルト敷設機のアーク揺動時に発生する垂直方向の運動分量が解消され、水平方向の運動分量のみが残されるため、フェルト敷設時のフェルト敷設機の下端のフェルト落下点が直線となり、フェルト敷設の全過程において水平フェルト受け機構の垂直方向の高さと一致させるようにし、また、サーボモータの高速な方向変換の特徴により、フェルト敷設機構の方向変換時の反応速度が速くなるようにできるため、フェルト敷設機がかなりの程度でほぼ等速、等高のフェルト敷設動作を実行するようになり、それにより、積層された綿フェルトの幅方向の密度均一性を向上させるとともに、最終的な製品の外観品質及び強度も向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本願のフェルト敷設装置の立体構造概略図である。
【
図3】本願の2#ベルトコンベアの構造概略図である。
【
図7】本願のスライダアセンブリの構造概略図である。
【
図8】本願のフェルト敷設装置の動作原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願をよりよく理解するために、以下、実施例を参照しながら本願の内容をさらに説明し、なお、本願の内容は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0017】
実施例1
図1及び
図2に示すように、本実施例は、順次接続された1#ベルトコンベア10、2#ベルトコンベア20、フェルト敷設機30、揺動機構40、及びフェルト受け機50が設けられたフレーム1を備えるフェルト敷設装置を提供する。
【0018】
1#ベルトコンベア10は、フレーム1の上方前端に位置し、成形された単層の綿フェルトを受けて2#ベルトコンベア20に搬送するためのものであり、2#ベルトコンベア20は、1#ベルトコンベア20の後下方に位置し、1#ベルトコンベア10から落下した単層の綿フェルトを受けてフェルト敷設機30に搬送するためのものであり、2#ベルトコンベア20は第1のヒンジシート22を介してフレーム1にヒンジ連結され、2#ベルトコンベア20の底部後端には、その上下動を弾性的に支持するための空気バネ23が設けられ、フェルト敷設機30は、上端が2#ベルトコンベア20の後端にヒンジ連結され、且つ2#ベルトコンベア20とともに上下動し、下端が揺動機構40に接続され、且つ揺動機構40の駆動により水平方向に沿ってフェルト受け機50の上方を往復揺動し、揺動により2#ベルトコンベア20から落下した単層の綿フェルトを多層の綿フェルトに積層する。以下では、各機構の構造及び接続関係について詳細に説明する。
【0019】
ブラケット1は、形鋼製のいくつかの梁と支持脚からなる多層の矩形枠であり、例えば、本実施例では、ブラケット1は、1#ベルトコンベアと2#ベルトコンベアを取り付けるための第1層の矩形枠11と、フェルト敷設機30と揺動機構40を取り付けるための第2層の矩形枠12と、フェルト受け機50を取り付けるための第3層の矩形枠13と、を備える。各層の矩形枠の寸法及び構造は、取付要件に応じて異なる設計態様が用いられる。
【0020】
1#ベルトコンベアは、従来の通常のベルト搬送コンベアであり、主として、フレーム、搬送ベルト、アイドラーローラー、ロール、緊張装置、伝動装置などから構成される。1#ベルトコンベア10は、ブラケットを介してフレーム1の第1層の矩形枠11に固定的に取り付けられる。
【0021】
図3に示すように、2#ベルトコンベアは、1つのベルトコンベア本体21を備え、ベルトコンベア本体21は、従来の通常のベルト搬送コンベアであり、主として、フレーム、搬送ベルト、アイドラーローラー、ロール、緊張装置、伝動装置などから構成される。ベルトコンベア本体21の底部の中央部には、第1のヒンジシート22が設けられ、ベルトコンベア本体21は、第1のヒンジシート22を介してフレーム1に回動可能に接続される。第1のヒンジシート22は従来技術であり、そのベースがボルトを介してフレーム1の第1層の矩形枠11に固定的に取り付けられ、そのヒンジ軸がベルトコンベア本体21のブラケットを貫通してロック装置を介してベルトコンベア本体21のブラケットに固定接続される。ベルトコンベア本体21の底部後端には、その上下動を弾性的に支持するための空気バネ23が設けられ、空気バネ23は従来技術であり、その下端が第1層の矩形枠11に固定的に取り付けられ、上端がベルトコンベア本体21のブラケットに固定的に取り付けられる。ベルトコンベア本体21の後端両側には、ベルトコンベア本体21のブラケットに固定される2つのヒンジブラケット241が対称に設けられ、ヒンジブラケット241には、フェルト敷設機フレーム31を貫通して軸受台243に回動可能に設けられるヒンジ軸242が設けられ、軸受台243はボルトを介してフェルト敷設機フレーム31に固定的に取り付けられる。ヒンジ軸242はベルトコンベア本体21の従動ロールの回転軸でもある。ヒンジブラケット241、ヒンジ軸242及び軸受台243は2#ベルトコンベアの第2のヒンジシート24を構成する。
【0022】
図4に示すように、フェルト敷設機30は、フェルト敷設機フレーム31と、フェルト敷設機フレーム31に取り付けられた第1のフェルト敷設搬送ベルトコンベア及び第2のフェルト敷設搬送ベルトコンベアと、を備える。フェルト敷設機フレーム31は、第2のヒンジシート24を介して2#ベルトコンベアにヒンジ連結される。第1のフェルト敷設搬送ベルトコンベア及び第2のフェルト敷設搬送ベルトコンベアは、同一構造となっており、いずれも従来の通常のベルト搬送コンベアである。第1のフェルト敷設搬送ベルトコンベアは、主動ロールA33、従動ロールA35、搬送ベルトA37、及び駆動モータA(未図示)を備え、駆動モータAは、主動ロールA33が搬送ベルトA37を回動させるように駆動し、第2のフェルト敷設搬送ベルトコンベアは、主動ロールB32、従動ロールB34、搬送ベルトB36、及び駆動モータB(未図示)を備え、駆動モータBは、主動ロールB32が搬送ベルトB36を回動させるように駆動し、主動ロールA33及び主動ロールB32はフェルト敷設機フレーム31の上端に設けられ、従動ロールA35及び従動ロールB34はフェルト敷設機フレーム31の下端に設けられ、搬送ベルトA37と搬送ベルトB36とは、平行に設けられ、2つのベルトの対向する両側面の間には単層の綿フェルトが通過する搬送通路38が形成される。搬送ベルトA37と搬送ベルトB36とは、同期して逆方向に回動する。
【0023】
好ましくは、主動ロールA33はヒンジ軸242の直下に位置し、主動ロールB32はヒンジ軸242の側面の上方に位置し、主動ロールB32は主動ロールA33よりも高く、それにより、搬送ベルトB36の上端が搬送ベルトB36を超えてバッフルとなり、綿フェルトが2#ベルトコンベアから落下するときに搬送通路38を越えることを防止する。
【0024】
フェルト敷設機フレーム31の下端には、第3のヒンジシート39が設けられ、第3のヒンジシート39は従来技術であり、第3の軸受台391と、第3の軸受台391に回動可能に設けられた第3のヒンジ軸392と、を備え、第3のヒンジ軸392はフェルト敷設機フレーム31に固定接続される。
【0025】
図5~
図7に示すように、揺動機構40は、フレーム1の第2層の矩形枠12に取り付けられ、1つの2軸サーボモータ41と、前記サーボモータ41の両側に平行かつ対称に設けられた2つの同一構造のタイミングベルト伝動機構と、を備え、前記タイミングベルト伝動機構は従来技術であり、主動ベルトプーリ42と、従動ベルトプーリ43と、主動ベルトプーリ42及び従動ベルトプーリ43を接続するための往復運動するタイミングベルト44と、タイミングベルト44のベルトループ内に設けられたリニアガイド45と、前記リニアガイド45に摺動可能に設けられたスライダアセンブリ46と、を備え、スライダアセンブリ46は、上部押圧板461、下部押圧板462、及びスライダホルダ463を備え、上部押圧板461はボルトを介して第3の軸受台391に固定接続され、下部押圧板462はボルトを介してスライダホルダ463に固定接続され、スライダホルダ463はリニアガイド45に摺動可能に接続され、上部押圧板461と下部押圧板462とは、上部押圧板及び下部押圧板の左右両端を貫通するボルトを介して固定接続され、上部押圧板461と下部押圧板462との中部の間には、タイミングベルト44が介設される。タイミングベルト44をより確実に挟持固定するために、上部押圧板461と下部押圧板462とがタイミングベルトに接触する面を歯面とすることが好ましい。2軸サーボモータ41は、カップリング47を介して2つの主動ベルトプーリ42に接続されることで、カップリング47によって回転力を同時にタイミングベルト伝動機構に伝達することができ、両側の回動が一致するように確保され、それにより、タイミングベルト44に固定されるスライダアセンブリ46が所定の範囲内で同期して往復移動することができ、リニアガイド45の配置により、スライダの支持力を向上させ、スライダの動きの直線度を確保することができる。
【0026】
フェルト受け機50は、フレーム1の第3層の矩形枠13に取り付けられ、傾斜ベルト搬送コンベア51と水平ベルト搬送コンベア52とを備え、傾斜ベルト搬送コンベア51は、揺動機構40の直下に設けられ、フェルト敷設機30から落下した単層の綿フェルトを受け、積層して成形された多層の綿フェルトを水平ベルト搬送コンベア52に搬送することに用いられ、水平ベルト搬送コンベア52は、傾斜ベルト搬送コンベア51の排出端に繋がれ、多層の綿フェルトを次のユニットに搬送することに用いられる。
【0027】
好ましくは、1#ベルトコンベア10は、上から下へ傾斜して設けられ、2#ベルトコンベア20は、下から上へ傾斜して設けられ、静止状態では、フェルト敷設機30は垂直方向に沿って下向きに延在し、揺動機構40はフェルト受け機50の下方に水平に設けられる。このような設計案を用いることで、綿フェルトの水平搬送から垂直搬送への変化を実現することができ、本願のフェルト敷設装置は、構造がよりコンパクト化され、操作がより容易になることができる。
【0028】
本願の動作態様は、以下の通りである。
【0029】
図8に示すように、静止状態では、フェルト敷設機30が垂直方向に沿って設けられ、動作時に、生産ラインで生産された綿フェルト2が1#ベルトコンベア10から2#ベルトコンベア20に搬送されてから、フェルト敷設機30に搬送され、2軸サーボモータ41は正逆回転し、2つの主動ベルトプーリ42が2つのタイミングベルト44を水平方向に左右往復運動させるように駆動し、タイミングベルト44は、スライダアセンブリ46をリニアガイド45において往復摺動させ、スライダアセンブリ46は、フェルト敷設機30の下端が2#ベルトコンベアの第2のヒンジシート24回りにフェルト受け機50の上方を水平往復運動させて、フェルトを重層的に形成する。フェルト敷設機30の上端が2#ベルトコンベアにヒンジ連結されるため、フェルト敷設機30の往復運動中に、2#ベルトコンベアは第1のヒンジシート22回りに上下揺動して垂直方向の変位が発生し、この変位は空気バネ23により補償され、それにより、フェルト敷設機30の下端の運動軌跡が常に同一水平線上に位置し、また、この水平線と水平フェルト受け機構50との垂直距離も等しくなっている。
【0030】
上記内容は本願の好適な実施形態に過ぎず、なお、当業者にとって、本願の原理を逸脱せずに、多くの改良や修飾を行うこともでき、これらの改良や修飾も本願の保護範囲内のものとみなされるべきである。
【国際調査報告】