(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】制御方法及び制御装置、電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
H02P 8/34 20060101AFI20240329BHJP
F16K 31/04 20060101ALN20240329BHJP
【FI】
H02P8/34
F16K31/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550625
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 CN2022094442
(87)【国際公開番号】W WO2022247777
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202110564209.0
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】董 勝海
(72)【発明者】
【氏名】王 傅鋼
(72)【発明者】
【氏名】宋 治国
【テーマコード(参考)】
3H062
5H580
【Fターム(参考)】
3H062BB04
3H062CC02
3H062HH08
5H580AA08
5H580AA10
5H580BB05
5H580FA14
5H580HH27
5H580JJ09
(57)【要約】
本開示は、自動車の技術分野に関し、制御方法及び制御装置、電子膨張弁を開示しており、この制御方法は、第1のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングを記録することと、第2のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングを記録することと、第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値を計算することと、差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ増加又は減少し、差分値が負の値であるとカウントを設定値だけ減少又は増加することと、設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することと、を含む。この制御方法を用いて、ステッピングモータの運転状態を、より正確に、効率的に、簡便に判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各前記第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングを記録することと、
第2のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各前記第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングを記録することと、
前記第2のタイミングと、対応する前記第1のタイミングとの差分値を計算することと、
前記差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ増加又は減少し、対応する前記差分値が負の値であると前記カウントを設定値だけ減少又は増加することと、
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが増加していない又は前記カウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することと、
を含む制御方法。
【請求項2】
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが増加していない又は前記カウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することは、
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが増加しておらず且つ減少した場合、前記ステッピングモータに第1のストールが発生したと判断すること、あるいは
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが減少しておらず且つ増加した場合、前記ステッピングモータに第1のストールが発生したと判断すること
を含む、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが増加していない又は前記カウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することは、
設定時間帯内で、前記カウントがそのまま変化しないと、前記ステッピングモータに第2のストールが発生したと判断する、請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記差分値が正の値であると前記ステッピングモータが正回転していると判断し、前記差分値が負の値であると前記ステッピングモータが逆回転していると判断する、請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
第1のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各前記第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングを記録するための第1の収集アセンブリと、
第2のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各前記第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングを記録するための第2の収集アセンブリと、
前記第2のタイミングと、対応する前記第1のタイミングとの差分値を計算するための計算アセンブリと、
前記差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ増加又は減少し、前記差分値が負の値であると前記カウントを設定値だけ減少又は増加するためのカウントアセンブリと、
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが増加していない又は前記カウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断するための判断アセンブリと、
を含む制御装置。
【請求項6】
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが増加していない又は前記カウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することは、
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが増加しておらず且つ減少した場合、前記ステッピングモータに第1のストールが発生したと判断すること、あるいは
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが減少しておらず且つ増加した場合、前記ステッピングモータに第1のストールが発生したと判断すること
を含む、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
設定時間帯内であって、且つ前記カウントが増加していない又は前記カウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することは、
設定時間帯内で、前記カウントがそのまま変化しないと、前記ステッピングモータに第2のストールが発生したと判断することを含む、請求項5に記載の制御装置。
【請求項8】
ロータとステータとを含み、前記ロータは永久磁石を含む、ステッピングモータと、
前記永久磁石の周囲に設けられ、前記ロータの磁界の変化を感知して第1のジャンピング信号を出力する、第1のセンサと、
前記永久磁石の周囲に設けられ、前記ロータの磁界の変化を感知して第2のジャンピング信号を出力し、前記第1のセンサと位置をずらして設けられている、第2のセンサと、
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサに電気的に接続されている、請求項5から7のいずれか一項に記載の制御装置と、
を含む電子膨張弁。
【請求項9】
前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間の夾角がαであり、
【数1】
式中、mは正の整数であり、nは磁極対数であり、βは360°/2nより小さい正の数である、請求項8に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記ロータは少なくとも1対の磁極を含み、ここで、各対の磁極は1つのN極と1つのS極とを含み、前記第1のセンサは、前記ロータの磁極がN極からS極に変化したか又はS極からN極に変化したことを検出した場合、前記第1のジャンピング信号を1つ発生し、前記第2のセンサは、前記ロータの磁極がN極からS極に変化したか又はS極からN極に変化したことを検出した場合、前記第2のジャンピング信号を1つ発生する、請求項8に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、2021年5月24日に提出した出願番号が202110564209.0であり、名称が「制御方法及び制御装置、電子膨張弁」である中国特許出願の優先権を主張し、この中国特許出願の全ての内容は参照により全て本文に組み込まれる。
【0002】
本開示は自動車の技術分野に関し、具体的には、制御方法及び制御装置、この制御装置を含む電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
車両用のシステムにおいて、電子膨張弁は、冷却システムに用いられ冷媒の流量を調節する。電子膨張弁はステッピングモータを含み、ステッピングモータが制御装置により制御されて回転するため、ステッピングモータが回転する過程で障害物に遭うとき、ステッピングモータにストールが発生してしまう。電子膨張弁がオープンループ制御を採用するため、弁がストール、脱調した場合、弁体の現在の状態及び位置を正確に知ることができず、特に復帰過程において、弁芯が全閉状態にあるため、長時間にわたって復帰・ストールが継続され、バネ特性が変化しやすくなってしまい、復帰時間が長く騒音が大きい等の現象が現われ、弁芯のスタックが発生すると、バネの柔軟な変形によって逆起電力の変換が緩やかになり、制御装置も失速によってストールを正確に判断することが困難である。
【0004】
なお、上述の背景技術の部分で開示された情報は、単に本開示の背景に対する理解を高めるためのものにすぎず、当業者に知られている従来技術を構成しない情報を含んでもよい。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、上述の従来技術の欠点を克服し、制御方法及び制御装置、電子膨張弁を提供することを目的とする。
【0006】
本開示の一態様によれば、
第1のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングを記録することと、
第2のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングを記録することと、
第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値を計算することと、
差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ増加又は減少し、差分値が負の値であるとカウントを設定値だけ減少又は増加することと、
設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することと、
を含む制御方法を提供する。
【0007】
本開示の1つの例示的な実施例において、設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することは、
設定時間帯内であって、且つカウントが増加しておらず且つ減少した場合、ステッピングモータに第1のストールが発生したと判断すること、あるいは
設定時間帯内であって、且つカウントが減少しておらず且つ増加した場合、ステッピングモータに第1のストールが発生したと判断すること
を含む。
【0008】
本開示の1つの例示的な実施例において、設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することは、
設定時間帯内でカウントがそのまま変化しないと、ステッピングモータに第2のストールが発生したと判断することを含む。
【0009】
本開示の1つの例示的な実施例において、差分値が正の値であるとステッピングモータが正回転していると判断し、差分値が負の値であるとステッピングモータが逆回転していると判断する。
【0010】
本開示の別の態様によれば、
第1のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングを記録するための第1の収集アセンブリと、
第2のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングを記録するための第2の収集アセンブリと、
第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値を計算するための計算アセンブリと、
差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ増加又は減少し、差分値が負の値であるとカウントを設定値だけ減少又は増加するためのカウントアセンブリと、
設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断するための判断アセンブリと、
を含む制御装置を提供する。
【0011】
本開示の1つの例示的な実施例において、設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することは、
設定時間帯内であって、且つカウントが増加しておらず且つ減少した場合、ステッピングモータに第1のストールが発生したと判断すること、あるいは
設定時間帯内であって、且つカウントが減少しておらず且つ増加した場合、ステッピングモータに第1のストールが発生したと判断すること
を含む。
【0012】
本開示の1つの例示的な実施例において、設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断することは、
設定時間帯内でカウントがそのまま変化しないと、ステッピングモータに第2のストールが発生したと判断することを含む。
【0013】
本開示の更に別の態様によれば、
ロータとステータとを含み、ロータは永久磁石を含む、ステッピングモータと、
永久磁石の周囲に設けられ、ロータの磁界の変化を感知して第1のジャンピング信号を出力する、第1のセンサと、
永久磁石の周囲に設けられ、ロータの磁界の変化を感知して第2のジャンピング信号を出力し、第1のセンサと位置をずらして設けられている、第2のセンサと、
第1のセンサ及び第2のセンサに電気的に接続されている、請求項5から8のいずれか一項に記載の制御装置と、
を含む電子膨張弁を提供する。
【0014】
本開示の1つの例示的な実施例において、第1のセンサと第2のセンサとの間の夾角がαであり、
【0015】
【0016】
式中、mは正の整数であり、nは磁極対数であり、βは360°/2nより小さい正の数である。
【0017】
本開示の1つの例示的な実施例において、ロータは少なくとも1対の磁極を含み、ここで、各対の磁極は1つのN極と1つのS極とを含み、第1のセンサは、ロータの磁極がN極からS極に変化したか又はS極からN極に変化したことを検出した場合、第1のジャンピング信号を1つ発生し、第2のセンサは、ロータの磁極がN極からS極に変化したか又はS極からN極に変化したことを検出した場合、第2のジャンピング信号を1つ発生する。
【0018】
以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、単に例示的且つ解釈的なものにすぎず、本開示を制限するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
ここでの図面は、明細書に組み込まれ本明細書の一部として構成され、本開示に合致する実施例を示し、本開示の原理を解釈するために明細書とともに使用される。以下の説明における図面は単に本開示のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労力なしにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることもできることは明らかである。
【0020】
【
図1】本開示の制御方法の1つの例示的な実施形態のフローの模式的なブロック図である。
【
図2】本開示の制御方法の1つの例示的な実施形態の制御フローの模式図である。
【
図3】電子膨張弁のステッピングモータが正回転する場合の運転ステップ数、ロータの磁極、及び第1のフィードバック信号、第2のフィードバック信号の時間的対応関係の模式図である。
【
図4】電子膨張弁のステッピングモータが逆回転する場合の運転ステップ数、ロータの磁極、及び第1のフィードバック信号、第2のフィードバック信号の時間的対応関係の模式図である。
【
図5】電子膨張弁にストールスタックが発生した場合の原理の模式図である。
【
図6】電子膨張弁にストールリバウンドが発生した場合の原理の模式図である。
【
図7】本開示の制御装置の1つの例示的な実施形態の模式的なブロック図である。
【
図8】本開示の電子膨張弁の1つの例示的な実施形態の構造模式図である。
【
図9】
図8におけるA-Aに沿った断面模式図である。
【
図10】
図9におけるIで示す部分の部分拡大模式図である。
【0021】
符号の説明
1 ステッピングモータ、11 ロータ、12 ステータ、2 第1のセンサ、21 本体部、22 接続部、3 第2のセンサ、4 回路基板、41 連通孔、5 スピンドル、6 弁座、7 弁体、8 弁口部材、9 スクリュ、10 ナット部材、11 弾性素子、121 第1の収集アセンブリ、122 第2の収集アセンブリ、123 計算アセンブリ、124 カウントアセンブリ、125 判断アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、例示的な実施形態について、添付の図面を参照してより詳細に説明する。ただし例示的な実施形態は、様々な形式で実施することができ、且つここに記述する実施形態に制限されると理解されるべきではなく、むしろこれらの実施形態を提供することで本開示が徹底的且つ完全なものとなり、例示的な実施形態の思想を完全に当業者に伝達する。図において、同一の符号は、同一又は類似の構造を示すため、これらの詳細な説明は省略する。更に、図面は単に本開示の模式的な図解にすぎず、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0023】
本明細書では、例えば「上」、「下」のような相対的な用語を使用して図示の一方のアセンブリの他方のアセンブリに対する相対関係を説明しているが、これらの用語は、例えば図面に記載の例示的な方向のように、単に便宜のために本明細書で使用される。図示の装置を転倒して上下を反転させると、説明される「上」にあるアセンブリは「下」にあるアセンブリになることが理解できる。ある構造が他の構造の「上」にある場合、ある構造が他の構造上に一体形成されること、又はある構造が他の構造上に「直接」に設けられること、あるいは、ある構造が別の構造を介して他の構造上に「間接」に設けられることを意味する場合がる。
【0024】
「1つ」、「一」、「この」、「少なくとも1つ」、「前記」という用語は、1つ又は複数の要素/構成部分/等が存在することを示すために用いられ、「含む」及び「有する」という用語は、開放式に含む意味を示すために用いられるとともに、列挙された要素/構成部分/等の他に、別の要素/構成部分/等が存在してもよいことを示し、「第1」、「第2」及び「第3」等の用語は、単に表記として用いられ、その対象に対する数量を限制するものではない。
【0025】
本開示の実施形態はまず制御方法を提供し、
図1及び
図2に示されるように、この制御方法は、
第1のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングを記録するステップS10と、
第2のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングを記録するステップS20と、
第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値を計算するステップS30と、
差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ増加又は減少し、差分値が負の値であるとカウントを設定値だけ減少又は増加するステップS40と、
設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータにストールが発生したと判断するステップS50と、
を含んでもよい。
【0026】
本開示の制御方法及び制御装置において、第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値が正の値であることは、第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングが、第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングより小さく、第1のジャンピング信号が第2のジャンピング信号を超えていることを説明し、逆に、第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値が負の値であることは、第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングが第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングより大きく、第2のジャンピング信号が第1のジャンピング信号を超えていることを説明する。差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ増加し、差分値が負の値であるとカウントを設定値だけ減少し、設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータ1にストールが発生したと判断する。ステッピングモータ1が正常運転している場合、第1のジャンピング信号が常に第2のジャンピング信号を超え、あるいは、第2のジャンピング信号が常に第1のジャンピング信号を超え、カウントが常に増加又は減少し続ける。ステッピングモータ1にストールスタックが発生した場合、第1のジャンピング信号及び第2のジャンピング信号が受信されず、カウントが設定時間帯内でそのまま変化しない。ステッピングモータ1にストールリバウンドが発生した場合、第1のジャンピング信号は元々第2のジャンピング信号を超えていたが、リバウンドによって、第2のジャンピング信号が第1のジャンピング信号を超えるようになり、元々常に増加し続けていたカウントが減少し、第2のジャンピング信号は元々第1のジャンピング信号を超えていたが、リバウンドによって、第1のジャンピング信号が第2のジャンピング信号を超えるようになり、元々常に減少し続けていたカウントが増加する。本開示の制御方法及び制御装置は、ステッピングモータ1の運転状態をより正確に、効率的に、簡便に判断する。
【0027】
この制御方法及び制御装置は電子膨張弁に用いられ、この制御方法及び制御装置をより明確に説明するために、以下、電子膨張弁について説明する。
【0028】
この例示的な実施形態において、
図8、
図9及び
図10を参照すると、電子膨張弁は、第1のセンサ2、第2のセンサ3及び制御装置、ステッピングモータ1、並びにバルブ等を含んでもよく、制御装置によってステッピングモータ1の運転を制御し、ステッピングモータ1によってバルブの運転を連動させてオン・オフを実現する。
【0029】
ステッピングモータ1はロータ11とステータ12とを含んでもよく、ロータ11は永久磁石を含んでもよく、永久磁石は少なくとも1対の磁極を含んでもよく、ステータ12はコイルと磁気伝導部とを含んでもよく、コイルには規律的に変化する電流が流れており、更に、磁気伝導部で励起磁界が形成され、ロータ11の永久磁石の磁界とステータ12の磁極の励起磁界とが相互作用して、ロータ11が中心軸の回りに回転できるようにする。
【0030】
ロータ11は少なくとも1対の磁極を含み、各対の磁極はそれぞれN極とS極とを含み、N極及びS極はロータ11の円周方向に間隔をおいて分布されている。本実施例において、電子膨張弁は2相10対の磁極のステッピングモータ1を採用し、ロータ11は10個のN極と10個のS極とを含み、即ち、ロータ11は、20個の磁極を含みロータ11の円周に沿って配列されている。
【0031】
第1のセンサ2及び第2のセンサ3は、ロータ11の周囲に位置し、ロータ11に近接して設けられ、ロータ11が回転するとき、ロータ11のN極及びS極は第1のセンサ2及び第2のセンサ3を交互に経過し、第1のセンサ2はロータ11の磁界の変化を感知して周期的な第1のフィードバック信号を発生し、この第1のフィードバック信号は矩形波であり、この第1のフィードバック信号は複数の第1のジャンピング信号を含み、第2のセンサ3はロータ11の磁界の変化を感知して周期的な第2のフィードバック信号を発生し、この第2のフィードバック信号は矩形波であり、この第2のフィードバック信号は複数の第2のジャンピング信号を含み、即ち、N極からS極に変化するか又はS極からN極に動くと、第1のセンサ2は第1のジャンピング信号を1つ発生し、第2のセンサ3は第2のジャンピング信号を1つ発生し、第1のジャンピング信号及び第2のジャンピング信号は、ローレベルからハイレベルへジャンピングするか又はローレベルからハイレベルへジャンピングするものである。ステッピングモータ1が一回り運転すると、即ち、ロータ11が1回転すると、20個の第1のジャンピング信号及び20個の第2のジャンピング信号が発生する。
【0032】
制御装置は、マイクロプロセッサ、シングルチップマイクロコンピュータ等であってもよく、制御装置は上述の制御方法を実現するために用いられる。
【0033】
以下、制御方法の各ステップについて詳細に説明する。
【0034】
ステップS10:第1のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングを記録する。
【0035】
この例示的な実施形態において、第1のジャンピング信号は、第1のセンサ2が感知した、N極からS極に変化するか又はS極からN極に動く、これにより発生した、ローレベルからハイレベルへジャンピングするか又はローレベルからハイレベルへジャンピングする信号である。ロータ11が1回転すると、20個の第1のジャンピング信号が発生し、制御装置は、20個の第1のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングを記録し、即ち、制御装置は、20個の第1のタイミングを記録し、20個の第1のタイミングと20個の第1のジャンピング信号とは1対1で対応している。
【0036】
ステップS20:第2のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングを記録する。
【0037】
この例示的な実施形態において、第2のジャンピング信号は、第2のセンサ3が感知した、N極からS極に変化するか又はS極からN極に動く、これにより発生した、ローレベルからハイレベルへジャンピングするか又はローレベルからハイレベルへジャンピングする信号である。ロータ11が1回転すると20個の第2のジャンピング信号が発生し、制御装置は、20個の第2のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングを記録し、即ち、制御装置は、20個の第2のタイミングを記録し、20個の第2のタイミングと20個の第2のジャンピング信号とは1対1で対応している。
【0038】
なお、第1のジャンピング信号及び第2のジャンピング信号の数とロータ11に含まれる磁極対数は関連がある。本開示の他の例示的な実施形態において、磁極対数が変化すると第1のジャンピング信号及び第2のジャンピング信号の数も変化するが、いずれも本開示で保護される範囲内である。
【0039】
ステップS30:第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値を計算する。
【0040】
この例示的な実施形態において、第2のタイミングの個数と第1のタイミングの個数は同じである。20個の第1のタイミングを、記録順にT101、T102、T103、...、T119、T120と順次に順位付ける。20個の第2のタイミングを、記録順にT201、T202、T203、...、T219、T220と順次に順位付ける。第2のタイミングに対応する第1のタイミングとは、これらの配列番号が一致することを意味する。例えば、第2のタイミングT101に対応する第1のタイミングがT201、第2のタイミングT102に対応する第1のタイミングがT202であるというように類推する。第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値を計算し、即ち、第2のタイミングから第1のタイミングを減算し、例えばT201-T101である。
【0041】
ステップS40:差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ増加又は減少し、差分値が負の値であるとカウントを設定値だけ減少又は増加する。
【0042】
この例示的な実施形態において、第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値が正の値であることは、第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングが第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングより小さく、第1のジャンピング信号が第2のジャンピング信号を超えていることを説明し、即ち、第1のセンサ2が先にN極からS極に変化したか又はS極からN極に動いたことを感知し、ステッピングモータ1が正回転していると判断できる。設定値は1であってもよく、即ち、差分値が正の値であるとカウントを1だけ増加する。
【0043】
逆に、第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値が負の値であることは、第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングが第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングより大きく、第2のジャンピング信号が第1のジャンピング信号を超えていることを説明し、即ち、第2のセンサ3が先にN極からS極に変化したか又はS極からN極に動いたことを感知し、ステッピングモータ1が逆回転していると判断できる。設定値は1であってもよく、即ち、差分値が負の値であるとカウントを1だけ減少する。
【0044】
当然ながら、上述の設定値は単に例示にすぎず、必要に応じて設定してもよく、上述の設定値の数値は本開示に対する限定を構成するものではない。
【0045】
なお、本開示の他の例示的な実施形態において、例えば、差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ減少し、差分値が負の値であるとカウントを設定値だけ増加するというような異なるカウント方式を取ってもよい。
【0046】
ステップS50:設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータ1にストールが発生したと判断する。
【0047】
この例示的な実施形態において、ステッピングモータ1が正常運転している場合、例えば正回転している場合、
図3を参照すると、第1のジャンピング信号は常に第2のジャンピング信号を超えカウントが徐々に増加し続け、例えば逆回転している場合、
図4を参照すると、第2のジャンピング信号は常に第1のジャンピング信号を超えカウントが徐々に減少し続ける。
【0048】
ストールは、第1のストールと第2のストールとを含んでもよい。第1のストールはストールリバウンドであってもよく、第1のストールは、通常、上死点及び下死点の付近で発生する。第2のストールはストールスタックであってもよく、第2のストールは、通常、上死点と下死点との間で発生する。
【0049】
図5を参照すると、図においてMで示す部分のように、ステッピングモータ1にストールスタック(即ち、第2のストール)が発生した場合、ロータ11が回転せず、従って、第1のジャンピング信号及び第2のジャンピング信号が受信されず、カウントが設定時間帯内でそのまま変化しないようにする。
【0050】
図6を参照すると、図においてNで示す部分のように、ステッピングモータ1にストールリバウンド(即ち、第1のストール)が発生した場合、第1のジャンピング信号は元々第2のジャンピング信号を超えていたが、リバウンドによって、第2のジャンピング信号が第1のジャンピング信号を超えるようになり、元々常に徐々に増加し続けていたカウントが減少し、従って、設定時間帯内であって、且つカウントが増加しておらず且つ減少した場合、ステッピングモータ1に第1のストールが発生したと判断する。同様に、第2のジャンピング信号は元々第1のジャンピング信号を超えていたが、リバウンドによって、第1のジャンピング信号が第2のジャンピング信号を超えるようになり、元々常に徐々に減少し続けていたカウントが増加し、従って、設定時間帯内であって、且つカウントが減少しておらず且つ増加した場合、ステッピングモータ1に第1のストールが発生したと判断する。
【0051】
この例示的な実施形態において、電子膨張弁のステッピングモータ1は32マイクロステップの制御態様を採用し、1つのフルステップは32個のマイクロステップを含み、ステッピングモータ1は2つのフルステップを運転して、1つのロータ11の磁極の変化に対応し、即ち、1つのジャンピング信号のジャンピング後の運転持続時間は、2つのフルステップに対応する時間、即ち、理論上の64個のマイクロステップの時間を含む。
【0052】
具体的に、
図3を参照すると、電子膨張弁が正常に作動している場合、ステッピングモータ1は2つのフルステップに対応する時間を運転し、第1のセンサ2は、ロータ11の磁極に対応して、N極の一端からN極とS極との境界に回転し、対応する第1のジャンピング信号がハイレベルであり、ステッピングモータ1の運転につれて、第1のセンサ2はロータ11の磁極に対応してN極からS極に変化し、第1のジャンピング信号はローレベルにジャンピングし、ステッピングモータ1は2つのフルステップを運転し、第1のセンサ2はロータ11の磁極に対応してS極からN極とS極との境界に回転し、第1のジャンピング信号はローレベルを維持し続け、ステッピングモータ1の運転につれて、第1のセンサ2はロータ11の磁極に対応してS極からN極に変化し、第1のジャンピング信号はハイレベルにジャンピングし、このように往復運転して、ロータ11が1回転すると、ステッピングモータ1は40個のフルステップを運転して、20個の第1のジャンピング信号を発生し、第1のジャンピング信号のハイレベル及びローレベルの運転持続時間は2つのフルステップに対応する時間と等しくなる。
【0053】
この例示的な実施形態において、設定時間帯をステッピングモータ1の少なくとも2つのフルステップに対応する時間と定義し、設定時間帯Tと、モータの回転速度n及びロータ11の磁極対数p並びにモータの相数mとは関連があり、具体的な関係は、T=60/(n*m*P)であり、ここでnの単位は回転/分であり、m=2、p=10である。
【0054】
なお、図面において特定の順序で本開示における制御方法の各ステップを説明したが、この特定の順序でこれらのステップを実行しなければならないこと、あるいは、期待の結果を実現するために示された全てのステップを実行しなければならないことを要求又は暗示することではない。追加的に又は選択的に、あるステップを省略したり、複数のステップを組み合わせて1つのステップにして実行したり、及び/又は、1つのステップを複数のステップに分解して実行したり等してもよい。例えば、ステップS10とステップS20とを相互に置換してもよく、ステップS30とステップS40とを組み合わせて1つのステップにして実行してもよい。
【0055】
更に、本開示の実施形態は制御装置を更に提供し、
図7を参照すると、この制御装置は、第1の収集アセンブリ121、第2の収集アセンブリ122、計算アセンブリ123、カウントアセンブリ124及び判断アセンブリ125を含んでもよく、第1の収集アセンブリ121は、第1のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第1のジャンピング信号を収集した第1のタイミングを記録するために用いられてもよく、第2の収集アセンブリ122は、第2のジャンピング信号をリアルタイムで収集し、各第2のジャンピング信号を収集した第2のタイミングを記録するために用いられてもよく、計算アセンブリ123は、第2のタイミングと、対応する第1のタイミングとの差分値を計算するために用いられてもよく、カウントアセンブリ124は、差分値が正の値であるとカウントを設定値だけ増加又は減少し、差分値が負の値であるとカウントを設定値だけ減少又は増加するために用いられてもよく、判断アセンブリ125は、設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータ1にストールが発生したと判断するために用いられてもよい。
【0056】
この例示的な実施形態において、設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータ1にストールが発生したと判断することは、設定時間帯内であって、且つカウントが増加しておらず且つ減少した場合、ステッピングモータ1に第1のストールが発生したと判断すること、あるいは、設定時間帯内であって、且つカウントが減少しておらず且つ増加した場合、ステッピングモータ1に第1のストールが発生したと判断することを含む。
【0057】
この例示的な実施形態において、設定時間帯内であって、且つカウントが増加していない又はカウントが減少していない場合、ステッピングモータ1にストールが発生したと判断することは、設定時間帯内でカウントがそのまま変化しないと、ステッピングモータ1に第2のストールが発生したと判断することを含む。
【0058】
この例示的な実施形態において、差分値が正の値であるとステッピングモータ1が正回転していると判断し、差分値が負の値であるとステッピングモータ1が逆回転していると判断する。
【0059】
上述の制御装置における各アセンブリの具体的な内容は、対応する制御方法で既に詳細に説明したため、ここでは説明を省略する。
【0060】
更に、本開示の実施形態は電子膨張弁を更に提供し、
図8、
図9及び
図10に示された電子膨張弁の構造模式図を参照する。この電子膨張弁は、ステッピングモータ1、第1のセンサ2、第2のセンサ3及び制御装置を含んでもよく、ステッピングモータ1はロータ11とステータ12とを含んでもよく、ロータ11は永久磁石を含み、第1のセンサ2は、永久磁石の周囲に設けられ、第1のセンサ2はロータ11の磁界の変化を感知して第1のジャンピング信号を出力し、第2のセンサ3は、永久磁石の周囲に設けられ、第2のセンサ3はロータ11の磁界の変化を感知して第2のジャンピング信号を出力し、第2のセンサ3と第1のセンサ2とは位置をずらして設けられ、制御装置は第1のセンサ2及び第2のセンサ3に電気的に接続され、制御装置は上述のいずれか一項に記載の制御装置である。
【0061】
制御装置の具体的な構造及び制御方法は、既に詳細に説明したため、ここでは説明を省略する。
【0062】
ステッピングモータ1の具体的な構造も、既に詳細に説明したため、ここでは説明を省略する。
【0063】
ここで、第1のセンサ2がホールセンサ又は位置センサであり、第1のジャンピング信号がホール信号であってもよい。第2のセンサ3もホールセンサ又は位置センサであり、第2のジャンピング信号もホール信号であってもよい。第1のセンサ2と第2のセンサ3とは位置をずらして設けられ、第1のセンサ2及び第2のセンサ3がロータ11の磁界の変化を同時に検出できなくなり、具体的には、第1のセンサ2と第2のセンサ3との間の夾角がαであり、即ち、第1のセンサ2の中心線と第2のセンサ3の中心線との間の夾角がαであり、
【0064】
【0065】
式中、mは正の整数で、mは2n以下であり、nは磁極対数であり、βは360°/2nより小さい正の数である。
【0066】
この例示的な実施形態において、第1のセンサ2の中心線と第2のセンサ3の中心線との間の夾角αは約154°である。
【0067】
第1のセンサ2は、本体部21と接続部22とを含んでもよく、接続部22は回路基板4に電気的に接続され、接続部22は回路基板4に溶接固定され、具体的には、回路基板4には連通孔41が形成されており、接続部22は、連通孔41を通過して設けれ、回路基板4に溶接固定して接続されている。
【0068】
電子膨張弁はバルブを更に含んでもよく、バルブはスピンドル5、弁座6、弁体7及び弁口部材8を含んでもよく、スピンドル5はロータ11により連動されて運動し、スピンドル5は上死点と下死点との間で運動し、スピンドル5が下死点にあるとき、弁口の両側の流路が遮断され、弁口が閉じられ、スピンドル5が下死点から上死点へ運動するにつれて弁口が徐々に開けられ両側の流路が弁口とスピンドル5との間の隙間を通って連通され、スピンドル5が上死点に達したら弁口の開口は最大となる。本実施例において、弁口の両側の流路はいずれも弁体7上に成形され、弁口は両側の流路間に位置し、弁口部材8には弁口が形成されており、弁口部材8は弁体7に固定接続され、弁座6は弁体7に固定接続され、スピンドル5はロータ11に接続して設けられている。
【0069】
電子膨張弁は、スクリュ9、ナット部材10及び動止ロッドを更に含んでもよく、ナット部材10はスクリュの周囲に嵌合され、ナット部材10とスクリュとはネジにより係合され、ナット部材10は弁座6に対して固定して設けられ、且つナット部材10はロータ11の内輪に固定され、ロータ11はナット部材10を連動させて回転できるようにし、スクリュがナット部材10に対して上向き又は下向きに運動するようにする。動止ロッドとスクリュとは、接続板によって固定接続され、動止ロッドはナット部材10に対して上向き又は下向きに運動し、動止ロッドとナット部材10とが係合されて、スクリュの運動を上死点と下死点との間に制限し、スピンドル5とスクリュとが相対的に固定接続されているため、更に、スピンドル5の運動を上死点と下死点との間の距離内に制限する。スピンドル5とスクリュ9との間には弾性素子11が設けられており、弾性素子11はバネであってもよく、このようにして、スピンドル5が下死点に運動したとき、スピンドル5と弁口部材8とが弾性接触し、スピンドル5と弁口部材8を緩衝させ、2つの部材の寿命を向上させるために有利であるが、上死点及び下死点の付近でストールが発生した場合、弾性素子11の弾性的な柔軟変形によってリバウンドが発生し、第1のセンサ及び第2のセンサがフィードバックしたパルスに周期的な振動波形が現われ、ストールされたことを判断できないか、又はストールされたと誤判する可能性がある。
【0070】
当業者は、明細書を考慮してここで開示された発明を実践したうえで、本開示の他の実施態様を容易に想到できるであろう。本出願は、本開示のいかなる変形、用途又は適応性の変化を含むことを意図しており、これらの変形、用途又は適応性の変化は、本開示の一般的な原理を遵守し、本開示で開示されていない本技術分野における公知常識又は慣用技術手段を含む。明細書及び実施例は単に例示的なものと見なされ、本開示の真の範囲と精神は添付の特許請求の範囲により示されることが意図されている。
【国際調査報告】