(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】複数の照明源を有する診断機器およびその方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
G01N35/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562943
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022071367
(87)【国際公開番号】W WO2022221811
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ラヤル・ラジュ・プラサド・ナラム・ヴェンカット
(72)【発明者】
【氏名】イャオ-ジェン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・エス・ポラック
(72)【発明者】
【氏名】アンカー・カプール
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058GA02
2G058GE10
(57)【要約】
診断機器を動作させる方法は、診断機器の撮像位置を、第1の期間の間、第1のスペクトルを有する第1の光で照明することと、第1の光によって照明された撮像位置の第1の画像を取り込むこととを含む。本方法は、診断機器の撮像位置を、第2の期間の間、第2のスペクトルを有する第2の光で照明することであって、第2のスペクトルは、診断機器に受け入れられるように構成された化学物質に対して第1のスペクトルよりも破壊的であることと;第2の光によって照明された撮像位置の第2の画像を取り込むこととをさらに含む。診断機器の他の方法を開示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断機器を動作させる方法であって:
診断機器の撮像位置を、第1の照明期間の間、第1のスペクトルを有する第1の光で照明することと;
該第1の光によって照明された撮像位置の第1の画像を取り込むことと;
診断機器の撮像位置を、第2の照明期間の間、第2のスペクトルを有する第2の光で照明することであって、該第2のスペクトルは、診断機器に受け入れられる化学物質に対して第1のスペクトルよりも破壊的であることと;
第2の光によって照明された撮像位置の第2の画像を取り込むことと、
を含む前記方法。
【請求項2】
第1の画像を分析することを含み、診断機器の撮像位置を第2の光で照明することは、分析することに応答して診断機器の撮像位置を第2の光で照明することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
分析することは、第1の画像において1つまたはそれ以上の対象を特定することと、該1つまたはそれ以上の対象が第2の光への曝露によって損傷を受けるか否かを判定することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
分析することは、第1の画像において1つまたはそれ以上の対象を特定することと、該1つまたはそれ以上の対象が第2の光への曝露によって損傷を受ける程度を判定することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
分析することは、第2の照明期間を決定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
第1の光は赤外光または近赤外光である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1の光は、900nm~1,100nmの波長を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第2の光は紫外光である、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
第2の光は、355nm~375nmの波長を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
第2の照明期間は150ms未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第2の照明期間は約100msである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
撮像位置は、検体を処理するように構成された構成要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
検体を受け取ることを含み、検体は撮像位置に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
診断機器を動作させる方法であって:
診断機器の撮像位置を、第1の照明期間の間、第1のスペクトルを有する第1の光で照明することと;
該第1の光によって照明された撮像位置の第1の画像を取り込むことと;
該第1の画像を分析することと;
分析することに基づいて、撮像位置を照明する第2の光を決定することであって、第2の光は第2のスペクトルを有し、該第2のスペクトルは、診断機器に受け入れられる検体に対して第1のスペクトルよりも破壊的であることと;
分析することに基づいて、第2の光が撮像位置を照明すべき第2の照明期間を決定することであって、該第2の照明期間は第1の照明期間よりも短いことと;
撮像位置を第2の照明期間の間、第2の光で照明することと;
該第2の光によって照明された撮像位置の第2の画像を取り込むことと、
を含む前記方法。
【請求項15】
分析することは、第1の画像において1つまたはそれ以上の対象を特定することと、該1つまたはそれ以上の対象が第2の光への曝露によって損傷を受けるか否かを判定することとを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
分析することは、第1の画像において1つまたはそれ以上の対象を特定することと、該1つまたはそれ以上の対象が第2の光への曝露によって損傷を受ける程度を判定することとを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
1つまたはそれ以上の対象は、少なくとも1つの検体である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1の光は赤外光または近赤外光である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
第2の光は紫外光である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
診断機器であって:
撮像位置と;
該撮像位置を、第1の期間の間、第1のスペクトルを有する第1の光で照明するように構成された第1の照明源と;
撮像位置を、第2の期間の間、第2のスペクトルを有する第2の光で照明するように構成された第2の照明源であって、第2のスペクトルは、診断機器に受け入れ可能な検体に対して第1のスペクトルよりも破壊的であり、第2の期間は第1の期間よりも短い、第2の照明源と;
第1の光によって照明された撮像位置の第1の画像と、第2の光によって照明された撮像位置の第2の画像とを取り込むように構成された撮像デバイスと;
コンピュータであって:
第1の画像を分析し;
該第1の画像を分析することに応答して第2のスペクトルを決定し;
第1の画像を分析することに応答して第2の期間を決定する
命令を実行するように構成されたコンピュータと、
を含む前記診断機器。
【請求項21】
コンピュータは、第1の画像において1つまたはそれ以上の対象を特定し、1つまたはそれ以上の対象が第2の光への曝露によって損傷を受けるか否かを判定するように構成されている、請求項20に記載の診断機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月14日に出願された「DIAGNOSTIC INSTRUMENTS HAVING MULTIPLE ILLUMINATION SOURCES AND METHODS THEREOF」と題する米国仮特許出願第63/175,005号の利益を主張するものであり、その開示内容は、すべての目的のために参照によってその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示の実施形態は、複数の照明源を含む診断機器および診断機器を動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床診断機器には、特定の波長(たとえば、スペクトル)の光に過剰に曝露されることによって劣化する可能性がある、血液、血漿、および血清などの感光性物質を処理するものがある。紫外線(UV光)を含むスペクトルなど、いくつかのスペクトルは、いくつかの感光性物質に対して特に有害である可能性がある。たとえば、255nmの波長を有するUV光への30秒間程度の曝露により、血液中のDNAは、ポリメラーゼ連鎖反応(DNAを定量化する一般的な手順)の間に検出不可能であるほど損傷する可能性がある。特定の波長の光への曝露中に分解する感光性物質の別の例としては、血清中のビリルビンがある。別の例では、ある波長の光は、脊椎動物の血液の溶血の開始を加速する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
診断機器の動作中、成分および物質によっては、異なるスペクトルの光を使用して撮像する必要があるものがある。撮像中に使用される光は、診断機器内に位置する感光性物質に損傷を与える可能性がある。感光性物質に損傷を与える可能性があるスペクトルの光への感光性物質の曝露を低減させる診断機器および方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、診断機器を動作させる方法を開示する。本方法は、診断機器の撮像位置を、第1の照明期間の間、第1のスペクトルを有する第1の光で照明することと;第1の光によって照明された撮像位置の第1の画像を取り込むことと;診断機器の撮像位置を、第2の照明期間の間、第2のスペクトルを有する第2の光で照明することであって、第2のスペクトルは、診断機器に受け入れられるように構成された化学物質に対して第1のスペクトルよりも破壊的であることと;第2の光によって照明された撮像位置の第2の画像を取り込むこととを含む。
【0006】
別の態様では、診断機器を動作させる方法を開示する。本方法は、診断機器の撮像位置を、第1の期間の間、第1のスペクトルを有する第1の光で照明することと;第1の光によって照明された撮像位置の第1の画像を取り込むことと;第1の画像を分析することと;分析することに基づいて、撮像位置を照明する第2の光を決定することであって、第2の光は第2のスペクトルを有し、第2のスペクトルは、診断機器に受け入れ可能な検体に対して第1のスペクトルよりも破壊的であることと;分析することに基づいて、第2の光が撮像位置を照明すべき第2の期間を決定することであって、第2の期間は第1の期間よりも短いことと;撮像位置を、第2の期間の間、第2の光で照明することと;第2の光によって照明された撮像位置の第2の画像を取り込むこととを含む。
【0007】
別の態様では、診断機器を提供する。診断機器は、撮像位置と;撮像位置を、第1の期間の間、第1のスペクトルを有する第1の光で照明するように構成された第1の照明源と;撮像位置を、第2の期間の間、第2のスペクトルを有する第2の光で照明するように構成された第2の照明源であって、第2のスペクトルは、診断機器に受け入れ可能な検体に対して第1のスペクトルよりも破壊的であり、第2の期間は第1の期間よりも短い、第2の照明源と;第1の光によって照明された撮像位置の第1の画像と、第2の光によって照明された撮像位置の第2の画像とを取り込むように構成された撮像デバイスと;第1の画像を分析し;第1の画像を分析することに応答して第2のスペクトルを決定し;第1の画像を分析することに応答して第2の期間を決定する命令を実行するように構成されたコンピュータとを含む。
【0008】
本開示のさらに他の態様、構成、および利点は、本開示を実行するために企図される最良の形態を含む、多数の実施形態例の以下の説明および例示から容易に明らかになり得る。本開示はまた、他の異なる実施形態が可能である場合もあり、そのいくつかの詳細は、すべて本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな点で変更することができる。本開示は、請求項の範囲内にあるすべての変更形態、均等物、および代替形態を包含することが意図されている。
【0009】
以下に説明する図面は、例示を目的とするものであり、必ずしも原寸に比例して描かれていない。したがって、図面および説明は、限定的なものとしてではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。図面は、本開示の範囲を限定することは決して意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】1つまたはそれ以上の実施形態による、コンピュータに連結された診断機器の正面等角図であり、診断機器は複数の照明源を含む。
【
図2】1つまたはそれ以上の実施形態による診断機器のチャンバの内部の一部の上面図である。
【
図3】1つまたはそれ以上の実施形態による、診断機器のチャンバ内における、プローブアセンブリの側面立面図ならびにプラットフォームおよび希釈リングの部分断面図である。
【
図4】1つまたはそれ以上の実施形態による、診断機器のチャンバ内における、混合器の側面立面図および希釈リングの部分断面図である。
【
図5】1つまたはそれ以上の実施形態による、反応リングの下方に位置する光学検査システムを含む診断機器のプラットフォームの反応リングの部分断面図である。
【
図6A】1つまたはそれ以上の実施形態による、診断機器のチャンバ内に位置するように構成された撮像システムの一実施形態の正面立面図である。
【
図6B】1つまたはそれ以上の実施形態による
図6Aの撮像システムの側面立面図である。
【
図7A】1つまたはそれ以上の実施形態による、診断機器を動作させる方法を示すフローチャートである。
【
図7B】1つまたはそれ以上の実施形態による、診断機器を動作させる方法を示すフローチャートである。
【
図8】1つまたはそれ以上の実施形態による、診断機器を動作させる方法を示すフローチャートである。
【
図9】1つまたはそれ以上の実施形態による、診断機器を動作させる別の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
診断機器は、患者などの人から得られた検体に対して分析を行う。検体の例としては、限定されないが、血液、血清、血漿、汗、鼻ぬぐい液、尿、脳脊髄液、または他の任意の人体液が挙げられる。分析には、予め選択された期間、予め選択された光強度およびスペクトル(たとえば、波長)で検体が照射される、光分析があり得る。機器内の撮像デバイスは、照明された検体の画像を取り込んで、検体内の1つまたはそれ以上の化学物質(たとえば、分析物)の存在および/または濃度を決定する。
【0012】
上述した分析に加えて、診断機器は、検体、および/または検体を収容している検体容器を処理することもできる。診断機器は、検体および試薬を吸引し、分析中に使用されるキュベットまたは他の容器に検体および試薬を分注するように構成された構成要素を含むことができる。いくつかの例では、診断器具は、検体および試薬などの液体を混合する構成要素を含むことがある。診断機器は、他の構成要素を較正および/またはモニタリングするように構成された構成要素も含むことができる。
【0013】
検体によっては、特定のスペクトルの光に曝露されると損傷するかまたは破壊されるものがある。たとえば、紫外(UV)光は、いくつかの検体に損傷を与える。特に、365nmの波長を有するUV光は、血液、血漿、および血清を含むいくつかの検体に対して特に破壊的である。加えて、可視光は、いくつかの検体に対して破壊的である場合がある。赤外光(IR光)および近赤外光(NIR光)は、いくつかの検体に対して破壊的でないか、またはいくつかの検体に対して紫外光および可視光ほど破壊的でない。たとえば、IR光およびNIR光は、血液、血漿、および血清に対してUV光および可視光ほど破壊的ではない。しかしながら、UV光および可視光は機器において利点がある。たとえば、可視光は、診断機器内の構成要素を光学的に較正および診断するのに有用であり得る。UV光は、診断機器内の検体および試薬の流出などの流出を特定するのに有用である。
【0014】
本明細書に記載する診断機器は、診断機器内に位置する検体および/または試薬に対する損傷を防止するかまたは低減させるために、異なるスペクトルを有する光を放出する照明源(たとえば、光源)を含む。いくつかの実施形態では、照明源によって放出され、第1のスペクトルを有する第1の光は、検体および/または試薬に対して第2のスペクトルを有する第2の光ほど破壊的ではない。いくつかの実施形態では、第1の光はIR光またはNIR光であり、第2の光はUV光または可視光である。第1の光は第1の照明源によって放出することができ、第2の光は第2の照明源によって放出することができる。
【0015】
使用時、第1の光は、診断機器内の少なくとも1つの撮像位置に位置する構成要素を照明することができる。第1の光によって第1の期間の間、照明された撮像位置に位置する画像が取り込まれ、分析される。分析に基づいて、第2の光で照明された撮像位置の画像を取り込む必要があるか否かの判定がなされる。加えて、分析により、撮像位置が第2の光によって照明される第2の期間を、検体または他の感光性物質に損傷を与えないかまたは損傷が最小限であるように決定することができる。
【0016】
上述した診断機器および方法について、診断機器および方法の他の実施形態とともに、本明細書において
図1~
図9を参照してより詳細に説明する。
【0017】
ここで
図1を参照する。
図1は、診断機器100の正面等角図を示す。診断機器100は、独立型の機器であってもよく、または、診断機器100は、相互接続された複数のモジュールおよび機器を含むことができる、より大きい検査室分析システムの構成要素であってもよい。診断機器100は、(たとえば、人または患者から)検体を受け取り、検体に対して分析を行って、検体中の1種またはそれ以上の化学物質(たとえば、分析物および/またはタンパク質)の存在および/または濃度を決定するように構成されている。検体としては、血液、血清、血漿、汗、鼻ぬぐい液、尿、脳脊髄液、または他の任意のヒト体液または身体組織から抽出された液体を挙げることができる。
【0018】
診断機器100は、検体が処理および/または分析(たとえば、検査)されるチャンバ102を含むことができる。したがって、チャンバ102は、本明細書に記載するような検体の処理および分析を行うように構成された構成要素(
図1には図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、光分析がチャンバ102内で行われる。いくつかの実施形態では、化学物質(たとえば、試薬)がチャンバ102内で検体と混合されて、分析が行われるか、または分析のために検体が調製される。正確な分析を行うために、チャンバ102は、チャンバ102内に位置する化学物質または検体に対して破壊的である波長を有する外来光を遮断することができる。たとえば、周囲光がチャンバ102に入らないようにすることができる。
【0019】
上述したように、検体のうちのいくつかは、1つまたはそれ以上の特定の光スペクトルに曝露されると、破壊または損傷する可能性がある。たとえば、十分な曝露により、UV光(100nm~400nm)は血液、血漿、および血清を破壊する可能性があり、近赤外(NIR)光(750nm~2,500nm)および赤外(IR)光(700nm~1mm)は血液、血漿、および血清にほとんど影響を与えない。他の例では、血清中のビリルビンが分解し、脊椎動物の血液中の溶血の開始は、周囲の室内照明(たとえば、750nm~2,500nmの可視光)で加速する。
図1の実施形態では、チャンバ102は、チャンバ102に入る光の一部の波長を遮断する(たとえば、フィルタリングするかまたは減衰させる)不透明シャッタなどのシャッタ104を含むことができる。いくつかの実施形態では、シャッタ104は、琥珀色の材料などの着色材料で着色してもよい。いくつかの実施形態では、シャッタ104は、約10nm~約400nmの波長を有する光を遮断することができる。したがって、シャッタ104の後方のチャンバ102内で行われる分析は、有害な可視光に曝露されない。可視光は380nm~700nmである。
【0020】
いくつかの実施形態では、診断機器100はディスプレイ106を含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ106は、診断機器100のユーザがディスプレイ106を介してデータを入力するのを可能にするタッチスクリーンであってもよい。たとえば、ディスプレイ106は、1つまたはそれ以上のメニューなどを表示することができ、ユーザは、メニューの項目にタッチして、診断機器100を制御し、診断機器100にデータを入力し、かつ/または診断機器100からデータを取得する。いくつかの実施形態では、診断機器100は、チャンバ102内に位置し、チャンバ102内の1つまたはそれ以上の撮像位置の画像(たとえば、デジタルピクセル化画像)を取り込むように構成された、1つまたはそれ以上のカメラ(
図1には図示せず)を含むことができる。ディスプレイ106は、取り込まれた画像を表示することができる。
【0021】
診断機器100は、コンピュータ108を含むか、またはコンピュータ108と通信することができる。コンピュータ108は、プロセッサ108Aと、メモリ108Bと、メモリ108Bに格納されたプログラム108Cとを含むことができる。プロセッサ108Aは、メモリ108Bに格納されたプログラム108Cを実行するように構成することができる。プログラム108Cは、コンピュータ108または診断機器100が、本明細書に記載するように、複数の光源で照明するなどの動作を実行し、決定を行い、かつ分析を実行するのを可能にする、命令を含むことができる。コンピュータ108およびそこに格納されたプログラム108Cは、診断機器100を動作させるなどの他の処理を実行してもよい。
【0022】
さらに
図2を参照する。
図2は、チャンバ102の内部の一実施形態の上面図を示す。チャンバ102は、チャンバ102内の1つまたはそれ以上の構成要素が取り付けられるプラットフォームまたはシャシ212(以下、「プラットフォーム」)を含むことができる。たとえば、検体を検査しかつ/または検査のために検体を調製する1つまたはそれ以上の構成要素を、プラットフォーム212に取り付けるか、またはプラットフォーム212の上に設置することができる。上述したように、これらの構成要素は、暗所で、光(たとえば、IRまたはNIR)に照らされて、または検体および/または試薬に損傷を与えないサブスペクトルの何らかの光に照らされて、動作することができる。
【0023】
図2に示すチャンバ102は、希釈リング214と反応リング216(「インキュベーションリング」と称する場合もある)とを含む。
図2の実施形態では、希釈リング214および反応リング216の両方の中に、複数のキュベット218(数個に符号を付す)が存在している。希釈リング214および反応リング216の両方は、キュベット218をプラットフォーム212に対して移動させるように、プラットフォーム212に対して移動する(たとえば、回転する)ように構成することができる。本明細書に記載するように、キュベット218の各々は、検体および/または検体に対する分析を行うために使用される試薬を保持するように構成されている。
図2の実施形態では、キュベット218のうちの1つまたはそれ以上の一部が、プラットフォーム212の下方に延びることができる。
【0024】
照明源(1つまたはそれ以上のレーザ光源など)および撮像デバイスを含むことができる1つまたはそれ以上の測光装置(たとえば、光学検査システム538、
図5)が、プラットフォーム212の下方に位置することができ、キュベット218の内容物に関する画像を取り込むか、またはレーザ読取値を取得することができる。画像および/または信号読取値は、1つまたはそれ以上の化学物質(たとえば、分析物またはタンパク質)の存在および/または濃度について検体を分析するために使用することができる。いくつかの実施形態では、分析は、現在の画像または信号読取値を、以前に取得された可能性のある参照画像または信号読取値と比較することによって、行うことができる。
【0025】
診断機器100は、検体を受け取り、検体をチャンバ102に輸送する。いくつかの実施形態では、チャンバ102は、キュベット218、および試薬容器(図示せず)などの他の液体収納ベッセルにかつそこから液体を吸引および分注するように構成された、1つまたはそれ以上のプローブアセンブリ220を含むことができる。
図2の実施形態は4つのプローブアセンブリ220を含み、これらは個々に、第1のプローブアセンブリ220A、第2のプローブアセンブリ220B、第3のプローブアセンブリ220C、および第4のプローブアセンブリ220Dと称する。プローブアセンブリ220はすべてが、同一であるかまたは実質的に同様であってもよい。他の実施形態は、より少ないかまたはより多くのプローブアセンブリ220を含んでもよい。
【0026】
さらに
図3を参照する。
図3は、第1のプローブアセンブリ220Aの側面立面図と、プラットフォーム212および希釈リング214の部分断面図とを示す。第1のプローブアセンブリ220Aは、すべてのプローブアセンブリ220と同様または同一であってもよい。プローブアセンブリ220は、プラットフォーム212に対して移動するように構成することができる。
図2に示す実施形態では、プローブアセンブリ220は、プラットフォーム212に垂直に延びる軸を中心に回転するように構成されている。たとえば、
図3に示すように、第1のプローブアセンブリ220Aは、軸A31を中心に回転することができる。第1のプローブアセンブリ220A、または第1のプローブアセンブリ220Aの1つまたはそれ以上の部分は、プラットフォーム212および希釈リング214に向かいかつそこから離れるZ方向に移動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1のプローブアセンブリ220Aは、ロボットであってもよく、またはロボットとして動作してもよい。
【0027】
第1のプローブアセンブリ220Aは、柱324およびアーム326を含むことができる。柱324は枢動することができ、または、アーム326が軸A31を中心に枢動してアーム326を予め決められた位置に移動させてもよい。カプラ328が、アーム326から延びることができ、プローブ330に連結することができる。カプラ328はまた、プローブ330によって液体が分注または吸引されるのを可能にするポンプ329などに連結してもよい。
【0028】
図3の実施形態では、プローブ330はキュベット318内に位置するように示されており、キュベット318は、希釈リング214内に位置するキュベット218のうちの1つであってもよい。たとえば、柱324は、プローブ330がキュベット318の上方に位置する点まで回転していてもよい。機構(たとえば、図示しないモータおよび駆動装置)が、柱324および/またはプローブ330をZ方向に移動させて、プローブ330がキュベット318に入るかまたはキュベット318から引っ込むようにすることができる。その後、プローブ330は、キュベット318からまたはキュベット318に液体を吸引および/または分注することができる。吸引または分注動作にエラーがあった場合、本明細書に記載するように、液体がプローブ330からプラットフォーム212の表面212Sの上に、またはチャンバ102内の他の構成要素の上に流出する可能性がある。
【0029】
図2の例では、第1のプローブアセンブリ220Aは、たとえば、1つまたはそれ以上のラック(図示せず)内の試料容器から希釈リング214内のキュベット218に検体(
図2には図示せず)を移送するように構成してもよい。第2のプローブアセンブリ220Bは、希釈リング214内のキュベット218から反応リング216内のキュベット218に検体(たとえば、希釈された検体)を移送するように構成してもよい。第3のプローブアセンブリ220Cおよび第4のプローブアセンブリ220Dは、試薬(
図2には図示せず)を反応リング216内のキュベット218に移送するように構成してもよい。プローブアセンブリ220のうちのいずれかによって行われる吸引、分注、または移送の動作中にエラーが発生した場合、液体がプラットフォーム212の上に、またはチャンバ102内の他の構成要素の上に流出する可能性がある。プローブアセンブリ220は、コンピュータ108(
図1)およびコンピュータ108上で実行しているプログラム108Cによって動作させることができる。
【0030】
チャンバ102は、キュベット218を洗浄するように構成されている1つまたはそれ以上の洗浄ステーションを含むことができる。
図2の実施形態では、第1の洗浄ステーション222Aが希釈リング214に近接して位置しており、希釈リング214内のキュベット218を洗浄するように構成されている。
図2の実施形態では、第2の洗浄ステーション222Bが反応リング216に近接して位置しており、反応リング216内でキュベット218を洗浄するように構成されている。第1の洗浄ステーション222Aおよび第2の洗浄ステーション222Bは、キュベット218を洗浄するためにキュベット218に液体を施すとともにキュベット218から液体を除去する複数のプローブ(
図2には図示せず)を含むことができる。洗浄プロセスのうちの1つまたはそれ以上の間にエラーが発生した場合、液体が、第1の洗浄ステーション222Aおよび/または第2の洗浄ステーション222Bから流出する可能性がある。液体は、本明細書に記載するように、プラットフォーム212の上に、またはチャンバ102内の他の構成要素の上に流出する可能性がある。第1の洗浄ステーション222Aおよび第2の洗浄ステーション222Bの動作は、コンピュータ108(
図1)とコンピュータ108上で実行しているプログラム108Cとによって制御することができる。
【0031】
チャンバ102は、キュベット218内の液体を混合するように構成されている1つまたはそれ以上の混合器を含むことができる。
図2の実施形態では、チャンバ102は、希釈混合器226A、試薬混合器226B、および検体混合器226Cを含む3つの混合器226を含む。希釈混合器226Aは、希釈リング214内のキュベット218内の液体を混合するように構成されている。試薬混合器226Bおよび検体混合器226Cは、反応リング216内のキュベット218内の液体を混合するように構成されている。
【0032】
図4をさらに参照する。
図4は、希釈混合器226Aの側面立面図と、希釈リング214の部分断面図とを示す。希釈混合器226Aは、試薬混合器226Bおよび/または検体混合器226Cと同様または同一であってもよい。希釈混合器226Aは、インペラ432を回転させるように構成されたモータ430を含むことができる。コンピュータ108(
図1)は、モータ430に連結することができ、モータ430にインペラ432を回転させる信号または命令を生成するように構成することができる。インペラ432は、キュベット418に入りかつキュベット418から引っ込むZ方向に移動するように構成することができる。回転するインペラ432は、キュベット418内の液体を混合する。いくつかの実施形態では、インペラ432は、モータ430とは無関係にZ方向に移動することができる。他の実施形態では、モータ430をZ方向に移動するように構成してもよく、これによりインペラ432がZ方向に移動する。
【0033】
混合器226による不適切な混合により、キュベット218が損傷するかまたは歪む可能性がある。キュベット218への損傷により、光分析中に異常な光吸収が引き起こされる可能性があり、これにより、分析が無効になる可能性がある。インペラ432とキュベット418とのZ方向における位置合わせが正しくない場合、不適切な混合が起こる可能性がある。他の実施形態では、インペラ432が、Z方向、X方向、またはY方向(
図1)にずれるなど、キュベット418に接触した場合、キュベット418が損傷する可能性がある。
【0034】
上述したように、キュベット418が損傷すると、光分析中に予期しない光散乱が生じる可能性がある。他の実施形態では、インペラ432が回転を停止した場合、キュベット418内の液体の不適切な混合が生じる可能性がある。不適切な混合は、誤った光分析をもたらす可能性がある。いくつかの実施形態では、高速または危険な速度での混合など、制御されていない混合により、キュベットからプラットフォーム212またはキュベット418に近接する他の任意の構成要素の上に、液体が流出する可能性もある。液体が混合器モータ430およびインペラ432に跳ね返る可能性もあり、それにより、混合器226が損傷する可能性がある。
【0035】
診断機器100(
図1)は、反応リング216内のキュベット218内に位置する検体に対して光分析を行うように構成された光学検査システムを含むことができる。
図5を参照する。
図5は、光学検査システム538を含むプラットフォーム212の反応リング216の部分断面図を示す。光学検査システム538は、
図5に示すように、プラットフォーム212の上方のチャンバ102内のいかなる外来光からも隔離されるように、プラットフォーム212および/または反応リング216の下に位置することができる。
【0036】
図5の実施形態では、光学検査システム538は、撮像デバイス540と、少なくとも1つの照明源とを含むことができる。
図5の実施形態では、光学検査システム538は、前面照明源542Aと背面照明源542Bとを含む。前面照明は、キュベット514の撮像デバイス540と同じ側に設けられ、背面照明は、キュベット514の撮像デバイス540と反対側に設けられる。反応リング216は、キュベット218(
図2)のうちの異なるものが撮像デバイス540の撮像位置541内にあり得るように、回転することができる。撮像位置は、撮像デバイス540が焦点合わせされる位置であり得る。
【0037】
図5の構成では、キュベット514が、撮像デバイス540および/または光学検査システム538の撮像位置541に位置している。光学分析中、前面照明源542Aまたは背面照明源542Bのうちの少なくとも一方が、キュベット514を照明する。したがって、撮像位置541は、キュベット514を少なくとも前面照明源542Aまたは背面照明源542Bによって照明することができる位置と、焦点合わせされた画像が得られる位置とであり得る。キュベット514、したがってキュベット514内に位置する液体が照明されている間、撮像デバイス540は、キュベット514およびキュベット514内に位置する液体の画像を取り込む。撮像デバイス540によって取り込まれた画像は、本明細書に記載するように、コンピュータ108上で実行されるプログラム108C(
図1)によって分析することができる。いくつかの実施形態では、撮像デバイス540によって取り込まれた画像は、ディスプレイ106(
図1)上に表示することができる。
【0038】
前面照明源542Aおよび背面照明源542Bは、各々、特定のかつ/または選択可能な波長またはスペクトルの光を放出することができる。前面照明源542Aによって放出された光は、キュベット514内の液体から反射することができ、撮像デバイス540によって取り込むことができる。取り込まれた画像は、コンピュータ108(
図1)によって分析することができる画像データを含む。コンピュータ108またはコンピュータ108上で実行しているプログラム108Cは、画像データに基づいて、少なくとも1つの分析物が液体中に存在するか否か、および/または液体中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定することができる。背面照明源542Bは、キュベット514およびその中に収納された液体543を通過する光を放出することができる。その後、撮像デバイス540は、キュベット514内の液体543の画像を取り込み、上述した分析を行うことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、光学検査システム538は、レーザおよびレーザ光を使用することができ、いくつかの実施形態では、それは、実質的に単一波長であり得る。たとえば、前面照明源542Aおよび/または背面照明源542Bは、レーザであってもよく、撮像デバイス540は、レーザ光を測定し、レーザ光を受光したことに応答して信号を生成する、デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、撮像デバイス540は、少なくとも一部は受光したレーザ光に基づいて、レーザ読取値を生成してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、光学検査システム538が動作するとき、チャンバ102(
図2)の環境は暗く、そのため、外来光は光学検査システム538に影響を及ぼす可能性はない。いくつかの実施形態では、チャンバ102は、キュベット514内の液体543に対して破壊的でない波長またはスペクトルの光で動作することができる。いくつかの実施形態では、チャンバ102は、キュベット514内の液体に対して破壊的ではないが、撮像デバイス540によって撮像することができない波長またはスペクトルの光で動作させることができる。
【0041】
再び
図2を参照すると、チャンバ102は、異なる波長またはスペクトルの光を使用して撮像位置の画像を取り込むように構成された、1つまたはそれ以上の撮像システム246を含むことができる。
図2の実施形態では、チャンバ102は、第1の撮像システム246A、第2の撮像システム246B、第3の撮像システム246C、第4の撮像システム246D、第5の撮像システム246E、第6の撮像システム246F、および第7の撮像システム246Gとして個々に参照される7つの撮像システム246を含むことができる。チャンバ102の他の実施形態は、より少ないかまたはより多くの撮像システム246を含んでもよい。撮像システム246の各々は、チャンバ102内の特定の撮像位置の画像を取り込むように構成することができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の撮像位置が重なっていてもよい。
【0042】
図2の実施形態では、撮像システム246の各々は、それらのそれぞれの撮像位置を照明することができる。撮像位置のうちの1つまたはそれ以上は、チャンバ102内の1つまたはそれ以上の構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、撮像位置のうちの1つまたはそれ以上は、液体を取り扱う(たとえば、輸送する)かまたは処理するように構成された構成要素のエラーに応答して液体が流出する可能性がある、プラットフォーム212の1つまたはそれ以上の領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、撮像位置は、検体を処理または分析するように構成された1つまたはそれ以上の構成要素を含むことができる。本明細書に記載する他の実施形態では、チャンバ102は、1つまたはそれ以上の撮像位置を照明する1つまたはそれ以上の照明源を含むことができる。撮像システム246は、本明細書に記載するように、さまざまな波長またはスペクトルの光で撮像位置を条件付きで照明するように構成された構成要素を含むことができる。
【0043】
図6Aをさらに参照する。
図6Aは、すべての撮像システム246と同一または実質的に同様であってもよい第1の撮像システム246Aの一実施形態の正面立面図を示す。
図6Bもまた参照する。
図6Bは、
図6Aの第1の撮像システム246Aの側面立面図である。第1の撮像システム246Aは、撮像位置の画像を取り込み、画像を、コンピュータ108上で実行しているプログラム108C(
図1)によって分析することができる画像データに変換するように構成された、デジタルカメラと同様であり得る。第1の撮像システム246Aは、ハウジング650内に収容されてもよい。ハウジング650は、第1の撮像システム246Aを動作させ、画像データを生成する、電子部品(図示せず)を含むことができる。すべての撮像システム246は、第1の撮像システム246Aと同様または同一であってもよい。
【0044】
ハウジング650は、光が、ハウジング650に入り、ハウジング650内に位置する電子部品(図示せず)によって画像データに変換されるのを可能にする、アパーチャ652を含むことができる。第1の撮像システム246Aは、
図6Bの側面から見たときに、線654Aおよび線654Bによって画成される視野654を有することができる。線654Aおよび線654Bの両方は、アパーチャ652まで延びることができる。視野654は、第1の撮像システム246Aによって撮像することができる領域を画成し、したがって撮像位置541を画成する。
【0045】
ハウジング650は、第1の照明源656(たとえば、第1の光源)および第2の照明源658(たとえば、第2の光源)を含むことができる。第1の照明源656および第2の照明源658は、異なる波長またはスペクトルの光を放出することができる。本明細書で使用する場合の光のスペクトルは、光の単一波長または光の周波数帯域を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の照明源656は、第1のスペクトルの光を含む第1の光を放出し、第2の照明源658は、第2のスペクトルの光を含む第2の光を放出する。いくつかの実施形態では、第1の光および第2の光は、狭いスペクトルまたは実質的に単一の波長を有することができる。第1の照明源656および第2の照明源658の両方は、撮像位置541を構成する視野654を照明するように構成されたパターンで光を放出することができる。
図6Bの側面立面図から見た照明パターンは、線660Aおよび線660Bによって画成される。他のパターンも可能である。
【0046】
第1の撮像システム246Aは、第1の照明源656および第2の照明源658のいずれか一方または両方によって照明された視野654内の対象(item)の画像を取り込むように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の照明源656は、第1のスペクトルを有する第1の光で撮像位置を照明するように構成されている。第1のスペクトルは、光の第1の波長を含むかまたは第1の波長であり得る。第1のスペクトルの光の第1の波長は、たとえば、900nm~1,100nmであってもよい。いくつかの実施形態では、第2の照明源658は、第2のスペクトルを有する第2の光で撮像位置を照明するように構成されている。第2のスペクトルは、光の第2の波長の光を含むかまたは第2の波長であり得る。第2の光は、たとえば、355nm~375nmの第2の波長を含んでもよい。
【0047】
第2のスペクトルは、診断機器および/またはチャンバ102内に受け入れられるように構成された検体に対して、第1のスペクトルよりも破壊的である。いくつかの実施形態では、第1の照明源656および第2の照明源658の一方または両方は、異なる波長(たとえば、異なるスペクトル)で光を放出する発光ダイオード(LED)などの1つまたはそれ以上の光源を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の照明源656および第2の照明源658は、本明細書に記載するすべてのスペクトルを放出する単一の照明デバイスであってもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1の照明源656は、近赤外スペクトル(NIR)の光を放出するように構成され、この近赤外スペクトル(NIR)は、ある実施形態では約800nmの1つの波長または複数の波長を有する場合があるが、他の実施形態では750nm~2,500nmのいずれであってもよい。第2の照明源658は、いくつかの実施形態では約365nmの1つの波長または複数の波長を有する紫外(UV)光を放出するように構成される場合があるが、他の実施形態では100nm~400nmのいずれであってもよい。
【0049】
NIR光は、キュベット218内の検体などの検体に対して、UV光ほど破壊的ではない可能性がある。第2の照明源658によって放出されるUV光または他の光は、血液、血清、または血漿などの対象を検出するために短時間使用される場合がある。第1の撮像システム246Aは、第1のスペクトル(たとえば、NIR光)によって照明される対象および第2のスペクトル(たとえば、UV光)によって照明される対象の画像を取り込むように構成される場合がある。
【0050】
再び
図2を参照すると、撮像システム246は、チャンバ102全体を通して異なる撮像位置の画像を取り込むことができる。撮像位置は、撮像システム246によって撮像することができる場所である。
図2の実施形態では、第1の撮像システム246Aは、希釈混合器226Aの画像を取り込むように構成することができる。したがって、第1の撮像システム246Aに関連する撮像位置541は、希釈混合器226Aを含むことができる。いくつかの実施形態では、撮像位置541は、希釈混合器226Aに近接する領域も含むことができる。
【0051】
図4は、希釈混合器226Aに対する第1の撮像システム246Aの構成の一実施形態を示す。混合器226のうちの他のものに近接して位置する他の撮像システムは、同様の構成を有することができる。第1の撮像システム246Aは、モータ430、インペラ432、希釈リング214の上面214S、および/またはキュベット418の最上部の画像を取り込むように構成することができる。したがって、これらの対象のうちの1つまたはそれ以上は、撮像位置541にあるか、または第1の撮像システム246Aに関連する撮像位置にある可能性がある。いくつかの実施形態では、第1の撮像システム246Aによって取り込まれた画像は、ディスプレイ106(
図1)に表示することができる。
【0052】
図2の実施形態では、第7の撮像システム246Gは、
図3にさらに示す第1のプローブアセンブリ220Aの画像を取り込むように構成されている。他の撮像システムは、プローブアセンブリ220の他のものに対して同様の画像を取り込むように構成することができる。第7の撮像システム246Gは、プローブ330、カプラ328、希釈リング214の上面214S、および/またはキュベット318の最上部の画像を取り込むように構成することができる。したがって、これらの対象のうちの1つまたはそれ以上は、撮像位置341にあるか、または第7の撮像システム246Gに関連する撮像位置にある可能性がある。第7の撮像システム246Gによって取り込まれた画像は、ディスプレイ106(
図1)に表示することができる。
【0053】
図2の実施形態では、第2の撮像システム246Bは、第1の洗浄ステーション222Aの画像を取り込むように構成され、第3の撮像システム246Cは、第2の洗浄ステーション222Bの画像を取り込むように構成されている。いくつかの実施形態では、第2の撮像システム246Bおよび第3の撮像システム246Cは、それぞれ、第1の洗浄ステーション222Aおよび第2の洗浄ステーション222Bに近接する領域の画像も取り込むように構成することができる。第2の撮像システム246Bおよび/または第3の撮像システム246Cによって取り込まれた画像は、ディスプレイ106(
図1)に表示することができる。
【0054】
診断機器100(
図1)の動作中、チャンバ102は、周囲光がチャンバ102内に入るのを防止するように閉鎖することができる。周囲光は、チャンバ102内に位置する検体および/または試薬に損傷を与える可能性がある。
図2を参照すると、検体は、キュベット218および/またはプローブアセンブリ220内に位置することができる。チャンバ102の内部は、検体および/または試薬に破壊的でない第1の光で、監視モードで照明することができる。第1の光は、第1のスペクトルの光であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の光は、たとえば、IRまたはNIR光であってよい。他の実施形態では、検体に対して非破壊的な他のスペクトルの光を使用してもよい。第1の光は、第1の光が監視目的で使用される場合など、不定であり得る第1の期間にわたり、撮像位置の1つまたはそれ以上を照明することができる。
【0055】
第1の光は、目視検査システムが撮像位置の対象を正確に分析するのに十分な照明を提供することができない場合がある。液体の流出が疑われる場合など、追加の分析が必要であると判定された場合、診断機器100(
図1)またはコンピュータ108(
図1)は、撮像位置341、541を照明するために使用することができる第2のスペクトルの光を決定することができる。第2のスペクトルの光が検体または他の液体に対して破壊的である場合、診断機器100またはコンピュータ108は、第2のスペクトルが撮像位置を照明するために使用される期間を決定することができる。
【0056】
図7Aおよび
図7Bをさらに参照する。
図7Aおよび
図7Bは、診断機器100(
図1)などの診断機器を動作させる方法700の一実施形態を説明するフローチャートを構成している。方法700は、ブロック702において、目視検査を開始することから始まる。目視検査の開始は、撮像位置のうちの1つまたはそれ以上の画像を取り込むことが必要であると決定することを含むことができる。画像を取り込む理由には、診断機器100の動作におけるエラーの原因を決定するなどの保守および診断があり得る。画像を取り込む他の理由には、チャンバ102内の液体流出の検出もあり得る。いくつかの実施形態では、目視検査の開始は、診断機器100が上述したように監視モードで動作するのを開始したときに発生する。
【0057】
処理は判断ブロック704に進み、そこで診断機器100が通常のランタイムで動作しているか否かの判定がなされる。通常のランタイムは、診断機器100が、その中に検体が位置している状態で、またはチャンバ102内に検体が位置している状態で、動作している時間を含む。通常のランタイムは、診断機器100がチャンバ102内に少なくとも1つの試薬が位置している状態で動作している時間を含むことができる。いくつかの実施形態では、通常のランタイムは、検体がチャンバ102内で分析されているときなど、診断機器100が検体を分析しているときである。
【0058】
判断ブロック704の結果が否定である場合、診断機器100は、検体または試薬に損傷を与えることなくチャンバ102にアクセスすることができる状態にある可能性がある。たとえば、チャンバ102内に検体および/または試薬が存在しないため、チャンバ102を、スペクトルのうちのいずれの光に曝露してもよい。その後、処理はブロック706に進み、そこで目視検査のための任意のスペクトルの光を選択することができる。光のスペクトルは、一例として、行われている目視検査のタイプに基づいて最適化することができる。たとえば、目視検査中に、流出した血液、血漿、または血清が撮像されている場合、検査されている撮像位置を照明するためにUV光を使用することができる。処理は708に進み、そこで、ブロック706で選択されたスペクトルを使用して撮像位置が照明される。
【0059】
図6Aを参照すると、第1の照明源656または第2の照明源658のうちの少なくとも一方は、選択されたスペクトルの光を生成することができる。その後、処理はブロック710に進み、そこで、ブロック708で照明された撮像位置の1つまたはそれ以上の画像が取り込まれる。たとえば、1つまたはそれ以上の画像を取り込むために、撮像システム246(
図1)のうちの少なくとも1つを使用することができる。ブロック712において、1つまたはそれ以上の画像が分析される。たとえば、撮像位置の画像データは、コンピュータ108および/またはプログラム108Cによって分析することができる。いくつかの実施形態では、取り込まれた画像は、ディスプレイ106に表示することができる。いくつかの実施形態では、712の分析によって、流出したものを検出することができ、または、チャンバ102内の構成要素の動作特性を分析することができる。
【0060】
再び判断ブロック704に戻ると、結果が肯定である場合、診断機器100はランタイムで動作している。こうした状況では、検体が、分析されるためにチャンバ102内に位置している可能性があり、かつ/または、試薬が、検体と混合されるためにチャンバ102内に位置している可能性がある。こうした状況では、破壊的なスペクトルを使用する任意の目視検査が行われた場合、検体および/または試薬は、可視光、または検体および/または試薬に損傷を与えるスペクトルの光に曝露される可能性がある。
【0061】
肯定の場合、処理は、診断機器100がランタイムで動作していることに応答してブロック714に進む。ブロック714では、チャンバ102内の光学的監視に使用することができる非破壊的な第1のスペクトルの光に関して決定がなされる。いくつかの実施形態では、コンピュータ108内で実行している1つまたはそれ以上のプログラム108Cが、ランタイム中にチャンバ102内にある検体および/または試薬を確定する。プログラム108Cはまた、ランタイム中にチャンバ102内の検体および/または試薬の特定の場所も確定することができる。少なくとも一部、ランタイムにおける監視が実行される予定の時点においてチャンバ102内に位置する可能性がある検体および/または試薬に基づき、プログラム108Cは、監視に使用することができる非破壊的な第1のスペクトルを検索または決定することができる。たとえば、血液、血清、または血漿の検体がチャンバ102内に位置している場合、IRまたはNIRスペクトルが、IRまたはNIRスペクトルに曝露される可能性のある試薬に損傷を与えないという条件で、監視のためにIRまたはNIRスペクトルを選択することができる。他の検体タイプと、これらの他の検体タイプを分析するために使用されるそれぞれの試薬に対して、他の第1のスペクトルを使用することができる。第1のスペクトルが撮像位置の照明に使用される第1の期間も選択することができる。
【0062】
次いで、処理はブロック716に進み、そこで、第1のスペクトルを使用して撮像位置が照明される。
図2~
図4に示す実施形態では、撮像システム246は、第1のスペクトルの光でそれらのそれぞれの撮像位置を照明することができる。いくつかの実施形態では、撮像システム246または他の照明システムのうちの選択されたもののみが、それらのそれぞれの撮像位置を照明することができる。いくつかの実施形態では、撮像位置は、第1の期間の間、照明される。
【0063】
ここで、たとえば
図3を参照すると、第7の撮像システム246G内の照明源が、プローブ330、キュベット318、および/または希釈リング214の上面214Sを第1のスペクトルの光で照明することができる。別の例として
図4を参照すると、第1の撮像システム246Aの照明源が、インペラ432またはモータ430、キュベット418、および/あるいは希釈リング214の上面214Sなどの希釈混合器226Aの一部を照明することができる。他の撮像位置は、それらのそれぞれの照明源によって照明することができる。
【0064】
再び
図7Aおよび
図7Bを参照すると、処理は、次にブロック718に進み、そこで、第1のスペクトルによって照明された撮像位置の1つまたはそれ以上の画像が取り込まれる。一例として再び
図3を参照すると、第7の撮像システム246G内の撮像デバイスが、カプラ328、プローブ330、キュベット318、および/または希釈リング214の上面214Sの1つまたはそれ以上の画像を取り込むことができる。別の例として
図4を参照すると、第1の撮像システム246A内の撮像デバイスが、モータ430またはインペラ432、キュベット418、および/あるいは希釈リング214の上面214Sなど、希釈混合器226Aの1つまたはそれ以上の部分の1つまたはそれ以上の画像を取り込むことができる。他の撮像位置は、他の撮像デバイスによって取り込むことができる。撮像デバイスによって取り込まれた1つまたはそれ以上の画像は、ディスプレイ106(
図1)に表示することができる。
【0065】
処理は、次にブロック720に進み、そこで、取り込まれた画像のうちの1つまたはそれ以上が分析される。720における分析により、取り込まれた画像内の1つまたはそれ以上の対象を特定することができる。いくつかの実施形態では、ブロック718において取り込まれた画像はビデオ画像とすることができ、ブロック720における分析はビデオ画像の分析を含む。代替的に、またはそれに加えて、静止画像を取り込んでもよい。
図3を参照すると、ブロック720における分析は、第1のスペクトル(たとえば、IRまたはNIRスペクトル)を使用するプローブ330の位置の分析を含むことができる。たとえば、分析は、キュベット318および/または希釈リング214に対するプローブ330の位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、Z方向におけるプローブ330の位置は、ブロック720における分析によって決定される。
図4を参照すると、ブロック720における分析により、キュベット418および/または希釈リング214に対するインペラ432の位置および/または位置合わせを決定することができる。ブロック720における分析は、プログラム108Cのうちの1つまたはそれ以上によるか、またはディスプレイ106上などで撮像された画像を見る診断機器100のユーザにより、行うことができる。ここでもまた、画像は、ビデオ画像および/または1つもしくはそれ以上の静止画像であり得る。
【0066】
処理は、次にブロック722に進むことができ、そこで、第2の分析のための第2のスペクトルの光が必要であるか否かの判定が行われ、必要である場合には、ブロック722において、追加の分析のために第2のスペクトルの光が決定される。いくつかの実施形態では、ブロック720における分析に基づいて撮像位置において液体の流出が検出されるかまたは疑われる場合、第2のスペクトルの光を使用する第2の分析によって、撮像位置をより適切に分析することができる。分析に基づいて血液、血漿、または血清の流出が疑われる状況では、ブロック722における決定は、IR光(第2のスペクトル)が、より正確な分析のためのより適切な照明を提供することができる、ということであり得る。
【0067】
たとえば、液体の流出の疑いは、混合器のうちの1つまたはそれ以上(たとえば、混合器226A)を使用する混合におけるエラーの結果として生じた可能性がある。別の実施形態では、チャンバ102内の1つまたはそれ以上の物品の衝突により、コンピュータ108が、チャンバ102をさらに分析して液体543が流出したか否かを判定するように促される場合がある。他の実施形態では、プローブアセンブリ220のうちの1つまたはそれ以上の動作におけるエラーにより、液体の流出が引き起こされた可能性がある。他の実施形態では、第1の洗浄ステーション222Aおよび/または第2の洗浄ステーション222Bの動作におけるエラーにより、液体の流出が引き起こされる可能性がある。他の実施形態では、混合器モータ430のエラーにより、上述したような液体の流出が引き起こされる可能性がある。
【0068】
ここで
図7Bを参照すると、処理は判断ブロック724に進み、そこで、撮像位置の対象が第2のスペクトルの光によって損傷を受けるか否かについての判定がなされる。いくつかの実施形態では、判断ブロック724は、撮像位置の対象が損傷を受ける程度を判定することができる。判断ブロック724の結果が否定であるか、または損傷の程度が予め決められた閾値未満である場合、処理はブロック728に進み、そこで、撮像位置が、そのとき第2のスペクトルの光を使用して照明される。判断ブロック724の否定の結果により、第2のスペクトルの光は、1つまたはそれ以上の撮像位置における対象に損傷を与えない。処理は、次にブロック730に進むことができ、そこで、第2のスペクトルによって照明された撮像位置の1つまたはそれ以上の画像が取り込まれる。処理は、次にブロック732に進むことができ、そこで、取り込まれた画像が分析される。いくつかの実施形態では、ディスプレイ106(
図1)は、画像のうちの1つまたはそれ以上を表示することができる。いくつかの実施形態では、1つまたはそれ以上の撮像システム246は、分析されるビデオ画像を取り込む。代替的に、またはそれに加えて、静止画像を取り込んでもよい。
【0069】
判断ブロック724の結果が肯定(はい)であることに応答して、処理はブロック736に進み、そこで、第2のスペクトルの光で撮像位置を照明する照明期間が決定される。この照明期間は、第2の期間または第2の照明期間と称することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ108は、ブロック736でなされた決定を実行してもよい。照明期間は、チャンバ102内の対象を第2のスペクトルの光に、その対象に損傷を与えることなく、または対象にごくわずかにもしくは予め決められた量未満しか損傷を与えることなく、曝露することができる期間である。いくつかの実施形態では、第2の照明期間は、一例として、約100msなど、150ms未満であってもよく、これは、対象(たとえば、血液、血清、または血漿)の画像を、対象に対していかなる顕著な損傷もなしに取り込むのに十分な時間であり得る。いくつかの実施形態では、第2のスペクトルは、対象に損傷を与えることなく、100ms~200msなど、より長い第2の照明期間を可能にすることができ、これにより、より正確な画像を取り込むのを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、第2のスペクトルへのわずかな曝露であっても対象に損傷を与える可能性があるため、第2の撮像期間は100msよりさらに短くてもよい。いくつかの実施形態では、第2の照明期間は、たとえば、約150μsであり得る。
【0070】
処理はブロック738に進み、そこで、ブロック736で決定された第2の照明期間の間、第2のスペクトルを使用して撮像位置が照明される。処理は、次にブロック740に進み、そこで、第2の照明期間の間、第2のスペクトルの光によって照明された撮像位置の1つまたはそれ以上の画像が取り込まれる。次いで、ブロック742において、本明細書に記載するように1つまたはそれ以上の画像を分析することができる。
【0071】
他の実施形態では、手作業による監視は、たとえば、第1のスペクトル(たとえば、NIR)の光によって照明される対象を検査する経験が限られているユーザによって、行われる場合がある。こうした実施形態では、第1のスペクトルのみによる照明では、取り込みおよび/または分析のための適切な照明が得られない場合がある。この問題を克服するために、短時間にわたり、第1のスペクトルよりも破壊的である可能性がある第2のスペクトルで、撮像位置を照明してもよい。たとえば、ビデオ画像が取り込まれるとき、第1のスペクトルでの照明を使用して取り込まれたビデオ画像と、第2のスペクトルでの照明を使用する短いストロボのような閃光をインターリーブしてもよい。いくつかの実施形態では、第2のスペクトルでの照明は、規則的な間隔で生じてもよい。いくつかの実施形態において、第2のスペクトルでの照明は、たとえば、100msの第2の照明期間の間、生じてもよい。他の第2照明期間を使用してもよい。第1のスペクトルとインターリーブされた第2のスペクトルの使用により、人間が、取り込まれたビデオ内の対象をより良く見て識別することができるようにすることができる。
【0072】
ここで
図8を参照する。
図8は、診断機器(たとえば、診断機器100)を動作させる方法800を示すフローチャートである。方法800は、ブロック802において、診断機器の撮像位置を、第1の照明期間の間、第1のスペクトルを有する第1の光で照明することを含む。方法800は、ブロック804において、第1の光によって照明された撮像位置の第1の画像を取り込むことを含む。方法800は、ブロック806において、診断機器の撮像位置を、第2の照明期間の間、第2のスペクトルを有する第2の光で照明することを含み、第2のスペクトルは、診断機器において受け入れられる化学物質に対して第1のスペクトルよりも破壊的である。方法800は、ブロック808において、第2の光によって照明された撮像位置の第2の画像を取り込むことを含む。
【0073】
ここで
図9を参照する。
図9は、診断機器(たとえば、診断機器100)を動作させる方法900を示すフローチャートである。方法900は、902において、診断機器の撮像位置を、第1の期間の間、第1のスペクトルを有する第1の光で照射することを含む。方法900は、904において、第1の光によって照明された撮像位置の第1の画像を取り込むことを含む。方法900は、906において、第1の画像を分析することを含む。方法900は、908において、分析することに基づいて、撮像位置を照明する第2の光を決定することを含み、第2の光は第2のスペクトルを有し、第2のスペクトルは、診断機器において受け入れ可能な検体に対して第1のスペクトルよりも破壊的である。方法900は、910において、分析することに基づいて、第2の光が撮像位置を照明すべき第2の期間を決定することを含み、第2の期間は第1の期間よりも短い。方法900は、912において、撮像位置を、第2の期間の間、第2の光で照明することを含む。方法900は、914において、第2の光によって照明された撮像位置の第2の画像を取り込むことを含む。
【0074】
本開示は、さまざまな変更および代替形態が可能であるが、具体的な方法および装置の実施形を、図面において例として示しており、本明細書において詳細に説明している。しかしながら、本明細書に開示した特定の方法および装置は、本開示を限定することは意図されておらず、逆に、請求項の範囲内にあるすべての変更形態、均等物、および代替形態を包含することが意図されていることが理解されるべきである。
【国際調査報告】