(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】バイオ医薬製品のためのフィッティング接続でのガス漏れの可能性を検出するためのシーリングデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20240329BHJP
G01M 3/32 20060101ALI20240329BHJP
A61J 1/10 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G01M3/20 B
G01M3/32 A
A61J1/10 330
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563960
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2022060143
(87)【国際公開番号】W WO2022223476
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520118670
【氏名又は名称】ザトーリウス ステディム エフエムテー エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SARTORIUS STEDIM FMT SAS
【住所又は居所原語表記】Avenue de Jouques - ZI des Paluds,13400 Aubagne,France
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファザラッツィ,シャミール
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ベイジン,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ブレイク,フローリアン
(72)【発明者】
【氏名】セヴェニン,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ホグレーヴェ,マルク
【テーマコード(参考)】
2G067
4C047
【Fターム(参考)】
2G067AA44
2G067BB02
2G067BB03
2G067BB30
2G067CC13
2G067DD17
4C047AA11
4C047CC04
4C047DD13
4C047DD22
4C047GG11
4C047JJ14
(57)【要約】
シーリングアレンジメントは、接続デバイス(1)と、要素(典型的には接続デバイスのヘッドを形成する取付要素(15))の閉じ込めのためのハウジングユニットの1つ以上のハウジング部分(201)とを包含する。かかる要素(15)に形成されたガス透過性の端部を隔離することができ、それにより、シーリングアレンジメントは、密閉状態でシールされた検出チャンバ内で検出可能なガスを検出することにおける使用のために適合される。接続デバイスの締結のための通路に構成されたシーリング構造(4)のおかげで、接続デバイスの中間部分の周りに緊密な径方向接触を伴ったハウジングユニットが得られる。デバイス(1)は、フレキシブルなホース端部を、好ましくはガス透過性の端部とは反対側の端部を形成するバーブ付きノズル(1a)に、フィットさせられる。かかるアレンジメントを用いることで、ホース設置をその完全性について試験することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉状態でシールされた検出チャンバ(CH)内で検出可能なガスを検出することにおける使用のための、シーリングアレンジメント(100)であって、該シーリングアレンジメント(100)は:
- 第1のハウジング部分(201)、第2のハウジング部分(202)およびアクセス通路(20)を備え、第1のハウジング部分および第2のハウジング部分は、閉状態にあるハウジングユニット(2)の内容積部(V)を画定し、内容積部(V)はアクセス通路(20)を介してアクセス可能になっている、前記ハウジングユニット(2);
- 第1の環状部分(101)から第2の環状部分(102;102’)まで延在する管状部分を含み、管状部分が、流体路(8)を画定し、および、第1の環状部分と第2の環状部分との間に、流体路(8)の周りに配設された環状の形の中間部分(1c)を有する、接続デバイス(1;1’);および
- 第2の環状部分(102;102’)がハウジングユニット(2)の閉状態における内容積部(V)内に受け入れられるとき、中間部分(1c)の周りに連続的に接触することによって、アクセス通路(20)に気密な接合部を形成するように適合された、シーリング構造(4);
を含み、
ここで、第1の環状部分(101)は、これにフレキシブルなホース端部(11a)が重ねられるように構成され、一方で第2の環状部分(102;102’)は、取付要素(15;15’)を備え、
およびここで、ハウジングユニット(2)は、内容積部(V)内に取付要素(15;15’)を受け入れるように構成され、それにより、取付要素(15;15’)に包含される少なくとも1つのガス透過性の端部(1b)を介して流体路(8)から逃げようとするガスが内容積部(V)内に密閉状態で保たれる、
前記シーリングアレンジメント(100)。
【請求項2】
シーリング構造(4)が、第1のハウジング部分(201)の全部または一部を形成する第1の硬質のピースと、第2のハウジング部分(202)の全部または一部を形成する第2の硬質のピースと、の間に挟み込まれる少なくとも1つのピースを含む、請求項1に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項3】
シーリング構造(4)が、弾性変形可能であり、およびここで、シーリングアレンジメント(100)が、ハウジングユニット(2)の周縁部に、好ましくは内容積部(2)の周りに、ハウジングユニット(2)の閉状態をロックすることによってシーリング構造(4)の圧縮状態を維持するために、配設された締め付け部材(23)をさらに含む、請求項1または2に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項4】
シーリング構造(4)が、弾力のあるプラスチック材料で各々作られた2つの変形可能なピース(4a、4b)を含む、請求項1、2または3のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項5】
シーリング構造(4)の2つの変形可能なピース(4a、4b)が、
- 平行でありおよび閉状態で互いに接合される、2つの実質的に平面状の部分(J1、J2)、および
- 2つの平面状の部分(J1、J2)に相補的な環(R4;R4’)であって、中間部分(1c)を取り囲みおよび閉じ込める環(R4;R4’)
を含む、請求項4に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項6】
シーリング構造(4)が、2つの変形可能なピース(4a、4b)に分配された環(R4)を備える、請求項4または5に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項7】
第1の環状部分(101)が、プラスチックで作られたバーブ付きノズルである、請求項1~6のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項8】
接続デバイス(1;1’)が、環状凹部を備え、中間部分(1c)が環状凹部に延在し、シーリング構造(4)が環状凹部内に延在することによって中間部分(1c)を取り囲んでいる、請求項1~7のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項9】
第1のハウジング部分(201)および第2のハウジング部分(202)が、金属材料で作られているかまたはこれを包含する、請求項1~8のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項10】
内容積部(V)とハウジングユニット(2)の外部との間の流体連通が、ハウジングユニット(2)の閉状態では、流体路(8)を介してのみ可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項11】
取付要素(15;15’)に包含される少なくとも1つのガス透過性の端部(1b)が、以下のとおりである端部開口(O’):
- 第2の環状部分(102)に属する;および
- ガス透過性の膜(36)によって覆われる、
を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項12】
- 第1の環状部分(101)に重なるフレキシブルなホース端部(11a)を包含するフレキシブルなホース(11);
- フレキシブルなホース端部(11a)とバーブを付けられた第1の環状部分(101)のシャンク部分(46)との間の重なりの場所の周りに永久変形可能に圧接されるように構成された締め付けカラー(48)であって、シャンク部分(46)は、ショルダまたはアバットメント部分(BP)と第1の環状部分(101)のバーブ(B)との間に延在する、前記締め付けカラー(48)
を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項13】
ハウジングユニット(2)が、好ましくは金属を包含する、コネクタフィッティング(51)を備え、コネクタフィッティング(51)は、流体路(8)の外部で、内容積部(V)内に開く連通チャネル(50)を画定する、請求項1~12のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント。
【請求項14】
密閉状態でシールされた検出チャンバ(CH)内で検出可能なガスを検出することにおける使用のための装置であって、該装置は:
- 検出チャンバ(CH)内に位置させられるための滅菌された容器(40;40’)であり、検出可能なガスを受け入れおよび漏れの不在下でこれを保持するための内部チャンバ(42)を少なくとも部分的に定義するフレキシブルなボディを有する該容器;
- 検出チャンバ(CH)内に位置させられるための、請求項1~13のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント(100);
- 第1の環状部分(101)に接続されるフレキシブルなホース端部(11a)を包含し、および少なくとも1つのガス透過性の端部(1b)と内部チャンバ(42)との間の流体連通を許容する、ホース(11);
- 検出チャンバ(CH)に関連付けられ、および、漏れの結果として検出チャンバ(CH)の検出空間内で、内部チャンバ(42)の外部の検出可能なガスを検知することを可能とする、センサデバイス(9);および
- 内部チャンバ(42)と検出チャンバ(CH)との間に圧力差を生じさせるためのポンピングアセンブリ;
を含み、
ここで、ハウジングユニット(2)およびシーリング構造(4)は、少なくとも1つのガス透過性の端部(1b)を有する取付要素(15;15’)が受け入れられる内容積部(V)を、検出空間から、密閉状態で分離する、前記装置。
【請求項15】
検出可能なガスの供給源(14)および検出可能なガスの供給源に関連するバルブ(V5)を含み、
ここで、接続デバイス(1;1’)およびフレキシブルなホース端部(11a)が、流体移送アセンブリ(200)を形成するためのカップリング領域で接続され、
およびここで、内部チャンバ(42)は、バルブ(V5)が開状態にあるときに、内部チャンバ(42)を介して流体路(8)と連通する注入ライン(L)を介して、検出可能なガスを充填されるように構成されている、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載のシーリングアレンジメント(100)を使用することによって、2つの流体受容部分の間の流体連通のための流体移送アセンブリ(200)、とりわけバイオ医薬のアセンブリ(18)における使用のための流体移送アセンブリ(200)を漏出モニタリングする方法であって、
準備フェーズにおいて、以下のこと:
- 流体移送アセンブリ(200)のカップリングされた状態を得るために、2つの流体受容部分の第1のものを形成している接続デバイス(1;1’)を、ホース(11)へカップリングさせること、カップリングは、雌型部分として形成されているフレキシブルなホース端部(11a)でホース(11)の内部に雄型部分としての第1の環状部分(101)を挿入することを含み、ホース(11)は、2つの流体受容部分の第2のものの全部または一部を形成している;
- フレキシブルなホース端部(11a)が第1の環状部分(101)上に重なるカップリング領域で、環状接触エリア(SC)を画定すること;
- 流体路(8)がハウジングユニット(2)の内側の体積(V)と、好ましくはガス透過性の膜(36)によって覆われた開口(O’)を介して、選択的に連通するように、シーリングアレンジメント(100)を組み立てること;
および次いで、試験フェーズにおいて、以下のこと:
- 流体路(8)内においてトレーサガスを集積させるために、環状接触エリア(SC)によって検出空間から分離されている集積空間から分離されている集積空間の内部で該トレーサガスを注入すること、検出空間は、密閉状態でシールされた検出チャンバ(CH)の内部に位置付けられている;
を含み、
これによって、検出空間内で、検出空間と流体連通するトレーサガスセンサデバイス(9)によって、考えられる環状接触エリア(SC)の欠陥を通じてのトレーサガスからのあらゆる逃げを検出することができる、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、バイオ医薬的流体の循環および/または供給に好適である滅菌された要素として提供されるバッグアセンブリにおいて使用される接続デバイスおよび同様のアクセサリの分野に関する。より具体的には、本発明は、接続デバイスを関与させたホース/チューブ接続の完全性試験における使用のためのシーリングアレンジメントに関するものであり、かかる試験というのは一般に、密閉状態でシールされた検出チャンバ内で検出可能なガスを検出することによって行われる。
【背景技術】
【0002】
用語「バイオ医薬的流体」は、バイオテクノロジーから結果としてもたらされる製品(培養培地、細胞培養物、緩衝剤溶液、人工栄養液、血液製剤および血液製剤の誘導体)または医薬品、あるいはより一般的には医療分野での使用を意図した製品を意味するものと理解される。かかる製品は、液体、ペースト、またはことによると粉末の形態である。本発明はまた、パッケージングに関して同様の要件を課される他の製品にも適用される。かかる製品は、典型的には付加価値が高く、および、かかる製品が含有されるパッケージングの完全性、特に、あらゆる汚染が不在であることを確実にすることが重要である。
【0003】
保管および輸送の目的で、かかるバイオ医薬的流体を、フレキシブルで、閉じた、かつ滅菌された、プラスチックで作られた壁を有するバッグ内に入れることが通例である。かかるバッグは、バイオ医薬的流体の使用に先立ちまたはその使用の間、バイオ医薬的流体を受け取るときに、流体密であるかまたは少なくとも満足のいく流体密レベルを有することが必須であり、それにより、それらの考えられる内容物が、バッグの外部に由来する汚染などのあらゆる劣化から保護される。したがって、使用前、使用中または使用後にバッグの完全性のいかなる喪失をも容易に検出できることが必要である。同じ要件は、接続部分にも、とくにフィッティングでの接続またはフィッティングのグループ内における接続または2次元もしくは3次元のバッグマニホールドにおいて提供されるものにも適用される。
【0004】
本発明の背景
バイオ医薬的流体のためのバッグアセンブリは、ホース、アダプタ、フィッティングまたはコネクタ、レジューサおよびフィルタのような種々異なる要素を含む。かかるアセンブリは、継ぎ目およびポートの周りにのみならずチューブ/ホース接続の周りにも、とくに要素のホースバーブに、漏れに対する脆弱性がある。ヘリウムまたは同様のトレーサガスを使用した、バッグアセンブリの完全性試験は、一般に全部の接続の漏れ止め性を保証することができる。これは、欠陥のある単回使用のバッグを充填するリスクを排除すること(そうしないと、高価値のバイオ医薬の内容物が変化しおよび/または失われ、使用できなくなる可能性がある)のために興味深い。
【0005】
使用の前にバイオ医薬システムを漏れ試験することは、典型的には、システムが試験チャンバ内に入れられるチャンバを形成し、これに続いてシステム(ホースと1つ以上のコネクタとを包含し得る)によって画定された内部チャンバと試験チャンバとの間に差圧が確立されることを要する。トレーサガスが、高圧チャンバへ導入され、および、高圧チャンバから低圧チャンバへのトレーサガスのあらゆる漏出を検出するように、低圧チャンバとトレーサガスに対して感受性がある質量分析計などの検出装置との間に連通が確立される。
【0006】
しかしながら、接続デバイスと導管との間に漏れが存在するかどうかを常に観察することが可能であるわけではない。実例として、多くの滅菌コネクタは、滅菌バリアとしてガス透過性の膜を使用し、これは、コネクタの、バーブ(単数または複数)を備えた端部とは反対側の開放端部を覆う。チューブラインの端部にあるガス透過性のバリアは、完全性試験にとって難題を提起する。実際的にいうと、滅菌接続デバイスの手前でチューブが締め付けられなければならず、それにより、接続デバイスのホースバーブの周りのホースの接続はその完全性について試験することができず、およびアセンブリにおける漏出または汚染のリスクとして残ったままになる。
【0007】
系の一部を真空チャンバの内部で試験することができないときには、ヘリウムスニッフィングステップを人手によって行うことができる。漏れは、ことによると検出され得る。しかしながら、人手によるスニッフィング操作、また同様にヘリウム噴霧は、漏れ試験を行うときに作業者によるばらつきを生じやすい。それらは測定値の分散を大きくさせ、および結果的に、試験方法の感度を低下させる。その他にも、複雑な製品に対してかかる種の試験を行うことは、しばしば不可能である。
【0008】
したがって、とりわけ本発明の特定の分野において、バイオ医薬的流体で満たされることを意図した系である、バイオ医薬品の系を、フィッティングまたは接続デバイスで、かかる接続デバイスの完全性をその使用の前に試験するときに可能な限り小さなマイクロメートル、およびことによるとサブマイクロメートルの穴を検出しながら、単純かつ信頼性があり、および典型的には目下知られているかまたは使用されている人手による方法よりも高い信頼性のレベルで、効率的に試験することの必要性がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的および概要
状況を改善するため、本発明の態様は、
- 第1のハウジング部分、第2のハウジング部分およびアクセス通路を備え、第1のハウジング部分および第2のハウジング部分は、閉状態にあるハウジングユニットの内容積部を画定し、内容積部はアクセス通路を介してアクセス可能になっている、ハウジングユニット;
- 第1の環状部分(annular part)から第2の環状部分まで延在する管状部分(tubular part)を含み、管状部分が、流体路を画定し、および、第1の環状部分と第2の環状部分との間に、流体路の周りに配設された環状の形の中間部分を有する、接続デバイス;および
- 第2の環状部分がハウジングユニットの閉状態における内容積部内に受け入れられるとき、中間部分の周りに連続的に接触することによって、アクセス通路に気密な接合部を形成するように適合された、シーリング構造;
を含むシーリングアレンジメントであって、
ここで、第1の環状部分は、これにフレキシブルなホース端部が重ねられるように構成され、一方で第2の環状部分は、取付要素を備え;
およびここで、ハウジングユニットは、内容積部内に取付要素を受け入れるように構成され、それにより、取付要素に包含される少なくとも1つのガス透過性の端部が内容積部内に封入されて、少なくとも1つのガス透過性の端部を介して流体路から逃げようとするガスが内容積部内に保たれる、
前記シーリングアレンジメントを提供する。
【0010】
かかる解決策は、典型的には、バーブ付きノズル(barbed nozzle)であり得る接続デバイスの第1の環状部分の周りのホース接続の完全性を試験するために、密閉状態でシールされた検出チャンバ内で検出可能なガスを検出することにおける使用のためである。かかるアレンジメントを用いることで、完全性試験において使用されおよび透過性の端部を通って流れる検出可能なガス(ヘリウムなどのトレーサガス)を内容積部内に(ハウジングユニットが開くまでハウジングユニットの外部へ逃げずに)密閉状態で保つことができ、よって完全性試験が効率的になるようにできる。
【0011】
ここで、本出願において、「密閉状態で」とは、漏れ検出の分野におけるその通例の理解で使用され、すなわちエアタイトである、ガスに対するバリア効果を持つということである。トレーサガスがヘリウムであるとき、このガス(これは、極めて軽い)のごく一部は、ことによると、完全性試験を損じることなしに、エアタイトなエンクロージャ/ハウジングユニットから逃げる可能性がある。結果的に、「密閉状態で」とは、「永続的にヘリウムに対して気密な」を意味するというわけでは必ずしもない:対照的に、かかる逃げは、試験下の系内の小さな漏れを検出することを目的では何ら困難を引き起こすことなく、低い速度で(典型的には長期にわたって)生じてもよい。
【0012】
シーリングアレンジメントは、有利なことに、それらのチューブの端にある開口した/滅菌された端部のコネクタを使用して、アセンブリを完全に完全性試験可能にさせるデバイスを提供する。ハウジングユニットは、再使用可能なものであってもよい。シーリング構造は、少なくとも部分的に、ことによると限られた数の種々の試験に、再使用されてもよい。周囲シールとして機能しておりおよび接続デバイスの締結のための通路に構成されているシーリング構造のおかげで、接続デバイスの中間部分の周りに緊密な径方向接触を伴ったハウジングユニットが得られる。
【0013】
ハウジングユニットは、簡単に相互ロックしおよび好ましくは締め付けられる単純なシェルで作られていてもよい。かかるシェルは、それらが、ホースへの接続のためのホースバーブまたは同様の雄型部分から離れた/反対側の端部でコネクタのような要素の自由端部を気密に閉じ込めることができるような様式で設計されている。
【0014】
かかる種の解決策は、トレーサガス試験を容易に実践することのために興味深い。接続デバイスは、典型的には、ホースにカップリングされるので、シーリングアレンジメントは、以下のことのために興味深い:
- 準備フェーズにおいて、フレキシブルなホース端部が接続デバイスのバーブ付きノズルまたは同様の第1の部分と重なり、および任意に締め付けカラーによって取り囲まれた、流体移送アセンブリを形成すること;ハウジング部分の間およびハウジング部分と接続デバイスの中間部分との間の界面に、シーリング構造を適用することによって、ハウジングユニットを閉じること;
- 試験フェーズ(検出チャンバを使用)において、流体路および内容積部を包含する、およびシーリング構造によって完成されたハウジング部分の間のシーリング接触エリアのおかげで外部から分離/隔離されている、内部空間内での、トレーサガスの注入を可能にし、および、検出空間と流体連通するトレーサガスセンサデバイスによって、検出チャンバの検出空間へ向かうトレーサガスからのあらゆる逃げ(考えられる欠陥に起因する)を検出すること。
【0015】
流体路内に注入される、トレーサガス、実例としてヘリウムは、ハウジングユニットの内部に追加の体積で流入することができる。かかる追加の体積は、25または30cm3未満、ことによると10または15cm3未満とすることができる。
【0016】
ハウジングユニットの閉状態において、シーリング構造は、中間部分の周りのシーリング環(ring)または同様の環状部分を形成する2つの別個のシーリング手段を使用して、中間部分を挟み込む。任意に、シーリング構造は、各々が周囲長を画定する2つのシーリング部材で成る。この周囲長は、以下のものの形状およびサイズと一致していてもよい:
- 第1のハウジング部分に包含される第1の接合端縁の周囲長、
- 第2のハウジング部分に包含される第2の接合端縁の周囲長。
【0017】
使用のユニットにおいて、第1の接合端縁と第2の接合端縁とを一緒に接合しているとき、溝(内容積部の周り)が形成されてもよい。シーリング構造は、かかる境界溝内に延在してもよい。
【0018】
より一般的には、シーリング構造を形成するシーリング手段は、接続デバイスのネックまたは同様の好適なセクションの周りを、緊密にしおよびシールするように適合されている。典型的には、第2の環状部分は、ハウジングユニットの内側面(単数または複数)との何らの接触もなく閉じ込められる。より一般的には、シェルまたは類似したハウジング部分の締結および締結解除は、接続に関与する第1および第2の環状部分を劣化させる何らのリスクもなく、単純な操作であるということが理解される。
【0019】
態様において、シーリングアレンジメントは、少なくとも2つのシェルおよび少なくとも2つのシーリング手段を含んでもよい。シェルは、フレキシブルなホース/チューブの端部で流体接続を形成することに関与する接続デバイスの自由端を気密に(密閉状態で)閉じ込めることができるような様式で設計されたハウジング部分である。シーリング手段は、2つの半分のものに分配されて、各々が2つのシェルの1つに脱着可能に取り付けられてもよい。シーリング手段を用いることで、ヘリウム拡散は、充分に留められまたは防止され、それにより、ハウジングユニット(実例として、検出チャンバ内における)の外部での漏れ試験のための手段が効率的に可能になる。
【0020】
より一般的には、シーリング構造は、完全性試験の構成において気密な接合部を形成している。気密な接合部は、ハウジングユニットの周りの空気が内容積部の内部に進入することを防止し、および典型的には、流体路を介して供給されおよび内容積部に届くあらゆるガスが、内容積部から逃げることを防止する。
【0021】
接続デバイスは、典型的には、第1の環状部分および流体路を包含する、単一のピースを含む。接続デバイスは、単一のプラスチックのピースであってもよい。ハウジングユニットは、2つのシェル、好ましくはいくつかの選択肢では同一のピースであり得る2つの半分のもので作られていてもよい。かかる構築とすることで、試験の準備フェーズは、単純化される。
【0022】
いくつかの選択肢では、ハウジングユニットは、各々が通路に関連付けられ、および、第1の環状部分とは反対側の流体接続を形成することに関与する接続デバイスの透過性の端部を閉じ込めるのに好適である、数個の内容積部を画定するように構成されたものである、マルチキャビティアセンブリの一部であってもよい。透過性の端部は、好ましくは折り畳まれたものである、膜を備えてもよい。
【0023】
フィッティング部材の第1の環状部分は、フレキシブルなホースを局部的に変形させるかまたは変形を増大させるために適合された、少なくとも1つの外側環状留めリム(rim)またはリブ(rib)を包含する、留め部分を備えてもよい。典型的には、接続デバイスの中間部分は、フレキシブルなホースから離れたままになる。係合された状態にあるフレキシブルなホースは、外側カラー(これは締め付けまたは圧接カラーであってもよい)と留め部分との間に挟み込まれた接触部分もしくはテーパリング部分を備える。
【0024】
典型的には、第1の環状部分は、雌型部分を形成するフレキシブルなホースの開放接続端部への挿入に好適な雄型管状端部を形成する硬質の接続端部を有する。ホースのみが変形し、一方で第2のコネクタのノズル様部分または挿入管状部分は変形しない。
【0025】
シーリングアレンジメントの様々な態様において、以下の具体的事項の1つおよび/または他のものもまた、ことによると、個別にまたは組み合わせで採用されてもよい:
- 内容積部とハウジングユニットの外部との間の流体連通は、ハウジングユニットの閉状態では、流体路を介してのみ可能である。
- 検出のチャンバを画定してかつ完全性試験装置に属している壁に、第1のハウジング部分および第2のハウジング部分のうちの1つが、取り付けられる(固定的にまたは取り外し可能に)。
- 接続デバイスは、単回使用デバイスである(流体路を通じて流れる特定のバイオ医薬的流体での単回使用の後は再利用できないことから、使い捨てである)。
【0026】
- 第1の環状部分は、プラスチックで作られたバーブ付きノズルであり;
- 第1の環状部分は、少なくとも1つのレリーフ(relief)を備え、第1の環状部分は、好ましくは、少なくとも1つのバーブを包含する。
- 第1の環状部分は硬質であり、および、中間部分から遠ざかる方向へテーパを付けられたテーパリング部分を備えている;
- 第1の環状部分は、第2の環状部分よりも断面積が小さい;
- 第1の環状部分における少なくとも1つのレリーフは、好ましくは接続デバイスの軸方向開口に隣接するかまたは近くにある、外側レリーフを含む。
- 第1の環状部分は、第2の環状部分を包含する同じプラスチックのピースに包含される。
- プラスチックのピースは、熱可塑性材料の硬質のピースである。
【0027】
- シーリング構造は、第1のハウジング部分の全部または一部を形成する第1の硬質のピースと、第2のハウジング部分の全部または一部を形成する第2の硬質のピースと、の間に挟み込まれる少なくとも1つのピースを含む。
- シーリング構造は、第1のハウジング部分と第2のハウジング部分との間の接合部に位置付けられる。
- シーリング構造は、弾性変形可能である。
- シーリングアレンジメントは、ハウジングユニットの周縁部に配設された締め付け部材をさらに含む、
【0028】
- 締め付け部材は、ハウジングユニットの閉状態をロックすることによってシーリング構造の圧縮された状態を維持するために適合されている。
- 締め付け部材は、内容積部の周りに配設されていてもよい。
- 2つの硬質のピースは、変形可能なプラスチック材料で作られたシーリング構造を圧縮するために、一緒に締め付けられることができる。
- シーリング構造は、弾力のあるプラスチック材料で各々作られた2つの変形可能なピースを含む。
- シーリング構造の2つの変形可能なピースは、平行でありおよび閉状態で互いに接合される2つの実質的に平面状の部分(平坦部分)、および2つの実質的に平面状の部分に相補的な環を含む。
- 環は、中間部分を取り囲み、および閉じ込める。
- シーリング構造は、2つの変形可能なピースに分配された環を備える。
【0029】
接続デバイスは、接続デバイスの頭部を形成する取付要素での滅菌接続のために適合された接続ピースであってもよい。接続デバイスは、環状凹部またはネックを備え、中間部分がかかる環状凹部またはネックに延在する。
接続デバイスは、同じ長手方向軸を中心とした2つの反対向きの開口を伴い、線状に延在してもよい。
【0030】
いくつかの態様において、取付要素に包含される少なくとも1つのガス透過性の端部は、以下のとおりである端部開口を含む:
- 第2の環状部分に属する;および
- ガス透過性の膜によって覆われる。
【0031】
任意に:
- 凹部は、環状の形、好ましくは円形の底部ラインを備えた溝を形成してもよい。
- 溝の底部ラインは、シーリング構造の環によって覆われる。
- 第1のハウジング部分および第2のハウジング部分は、金属材料で作られているかまたはこれを包含する。
- 2つのハウジング部分は、2つのピースである。
- 金属材料は、任意に、ステンレス鋼であってもよい。
- 任意に平行穴(シーリング構造の平面状の部分に垂直に延在する)内に延在してもよい、1つ以上の硬質の締め付け部材が、ハウジングユニットを閉じ、およびハウジングユニットを閉状態に維持/ロックするために使用される。
【0032】
様々な態様において、シーリング構造は、以下の特色の少なくとも1つを備えてもよい:
- シーリング構造は、接続デバイスから容易に脱着可能である。
- シーリング構造は、接続デバイスの環状凹部内に延在することによって中間部分を取り囲む。
- シーリング構造は、各々がブリッジ部分(丸みを帯びた、好ましくは連続的に湾曲した部分)を備えた、2つの重ね合わせられたシーリング部材を有する。
- シーリング構造のピースは、好ましくは同じプラスチック材料のものである。
【0033】
任意に、ハウジングユニットは、コネクタフィッティングを備え、これは好ましくは金属を包含し、コネクタフィッティングは、流体路の外部で、内容積部内に開く連通チャネルを画定する。
コネクタフィッティングは、単一ピースのハウジング部分(典型的には第1または第2のハウジング部分を形成している)に包含され/これと一体的に形成されてもよい。
【0034】
コネクタフィッティングは、逆止バルブを包含してもよい。
ハウジングユニットは、吸引のための第1のコネクタフィッティングおよびガスの注入のための第2のコネクタフィッティングを包含してもよく、第2のコネクタは第1のコネクタの使用を停止した後に使用される。
【0035】
別の側面に従うと、1つ以上のガス透過性の端部(単数または複数)を有する取付要素に隣接する接続を試験する能力を持つ、完全性試験に好適な装置の必要性がある。これのために、密閉状態でシールされた検出チャンバ内で検出可能なガスを検出することにおける使用のための装置が提供され、装置は、検出チャンバ内に位置させられるための、本発明に従うシーリングアレンジメントを含む。
【0036】
この装置は、典型的には、以下のものを含む:
- 検出チャンバ内に位置させられるための滅菌された容器、この容器は、検出可能なガスを受け入れおよび漏れの不在下でこれを保持するための内部チャンバを少なくとも部分的に定義するフレキシブルなボディを有する;
- ハウジングユニットの内容積部とおよび内部チャンバと選択的に連通する接続デバイスの流体路とともに配設されたシーリングアレンジメント;
- 接続デバイスの第1の環状部分に接続されるフレキシブルなホース端部を包含し、および、少なくとも1つのガス透過性の端部と内部チャンバとの間の流体連通を許容する、ホース;および
- 検出チャンバに関連し、および、漏れの結果として検出チャンバの検出空間内で内部チャンバの外部の検出可能なガスを検知することを可能とする、センサデバイス。
【0037】
ハウジングユニットおよびシーリング構造は、少なくとも1つのガス透過性の端部を有する取付要素が受け入れられる内容積部を、検出空間から、密閉状態で分離する。
かかるアレンジメントを用いることで、装置は、検出空間から、トレーサガス集積チャンバである内部チャンバを、密閉状態で分離するのに適切である。
装置はまた、内部チャンバ(検出可能なガスの集積チャンバ)と検出チャンバとの間に圧力差を生じさせるためのポンピングアセンブリも含んでもよい。
【0038】
いくつかの態様において、装置は、検出可能なガスの供給源および検出可能なガスの供給源に関連するバルブをさらに含む。接続デバイスおよびフレキシブルなホース端部は、流体移送アセンブリを形成するためのカップリング領域で接続される。内部チャンバは、バルブが開状態にあるときに、内部チャンバを介して流体路と連通する注入ラインを介して、検出可能なガスを充填されるように構成されている。
【0039】
任意に、締め付けカラーは、カップリング領域の周りに提供され、かかるカラーは、フレキシブルなホース端部とバーブを付けられた第1の環状部分のシャンク部分との間の重なりの場所の周りに永久変形可能に圧接されるように構成されている。シャンク部分は、典型的には、ショルダまたはアバットメント部分(接続デバイスに包含される)と第1の環状部分のバーブとの間に延在してもよい。
【0040】
その他にも、本発明の態様は、本発明に従うシーリングアレンジメントを使用することによって、2つの流体受容部分の間の流体連通のための流体移送アセンブリ、とりわけバイオ医薬のアセンブリにおける使用のための流体移送アセンブリを漏出モニタリングする方法であって、
準備フェーズにおいて、以下のこと:
- 流体移送アセンブリのカップリングされた状態を得るために、2つの流体受容部分の第1のものを形成している接続デバイスを、ホースへカップリングさせること、カップリングは、雌型部分として形成されているフレキシブルなホース端部でホースの内部に雄型部分としての第1の環状部分を挿入することを含み、ホースは、2つの流体受容部分の第2のものの全部または一部を形成している;
- フレキシブルなホース端部が第1の環状部分上に重なるカップリング領域で、環状接触エリアを画定すること;
- 流体路がハウジングユニットの内側の体積と選択的に連通するように、シーリングアレンジメントを組み立てること;
および次いで、試験フェーズにおいて、以下のこと:
- 流体路内においてトレーサガスを集積させるために、環状接触エリアによって検出空間から分離されている集積空間の内部でトレーサガスを注入すること、検出空間は、密閉状態でシールされた検出チャンバの内部に位置付けられている;
を含み、これによって、検出空間内で、検出空間と流体連通するトレーサガスセンサデバイスによって、考えられる環状接触エリアの欠陥を通じてのトレーサガスからのあらゆる逃げを検出することができる、前記方法を提供する。
【0041】
典型的には、試験フェーズは、環状接触エリアが検出空間を集積空間から密閉状態で分離しているか否かを決定するのに好適である。
いくつかの態様において、トレーサガスは、画定するフレキシブルなバッグまたはパウチに接続された注入ラインを介してフィードされる。変型例において、ハウジング部分のうちの1つは、トレーサガス注入ラインとの気密な接続のためのコネクタを包含する。
真空吸引は、2つの流体受容部分の少なくとも1つの内部において、好ましくは2つの流体受容部分において、接続デバイスの内部に存在するある量の空気を真空排気するためにチャネルを使用して、行われてもよい。
【0042】
任意に、検出空間に関連するセンサデバイスによって行われる検出ステップには、検出空間内で、トレーサガスの、実例として ヘリウムの、分圧を表す情報を測定することが関与してもよい。真空ポンプに関連している質量分析計が、かかる真空排気のために使用されてもよい。トレーサガスの存在が検出されない場合またはかかるトレーサガスの分圧が漏出という状況を反映しているとみなされない場合、環状接触は、2μm試験またはあらゆる欠陥を検出するための(例えば、10μmよりも小さい欠陥サイズを検出する能力がある)あらゆる同様の試験に合格するシーリング接触エリアを形成している。
【0043】
次いで、これに続くステップにおいて、方法は、流体移送アセンブリの接続が試験/完全性検証に合格したとみなされるか否かを決定するために、センサデバイスを使用して得られた検出空間内のトレーサガス分圧降下を表す試験結果を少なくとも1つの参照結果と比較することを含んでもよい。かかるステップは、試験速度を上げるために自動化されてもよい。
【0044】
フレキシブルなプラスチックバッグは、フレキシブルなホースを包含するバッグアレンジメントを構成するかまたはその一部であってもよく、各バッグは、バイオ医薬製品を受け入れるのに好適である。試験は、かかるバイオ医薬製品を充填するためのあらゆる充填ステップの前に行われる。
かかる方法を用いることで、感度は良好であり得、かつ、試験フェーズのすべてのステップを同じ測定サイクルで(実例として、少なくとも1つの真空ポンプによって行われる吸引を変化させることなしに)行うことができる。
【0045】
様々な態様において、以下の特色の1つおよび/または他のものもまた、ことによると、個別にまたは組み合わせで採用されてもよい:
- フレキシブルなバッグのポートは、フレキシブルなバッグ(ホースに接続されている)を、フィーディングパイプまたは同様の注入ラインを使用して、ガストレーサ供給デバイス(ガス源)を包含する加圧系へ接続する。
- 圧力制御デバイスは、内部体積からのおよび任意にバッグ(ホースに接続されている)からの、ガスを空にするための、制御ユニットとして働く。
【0046】
- 圧力制御デバイスは、以下のステップが連続して行われるように構成されている: バッグを空にすること/接続デバイスおよびハウジングユニットの内部で、集積空間内において、トレーサガスを注入すること/トレーサガスの漏れ速度または微量のガス漏出を表すあらゆる好適なパラメータを測定すること。
- 加圧ヘリウムまたは同様の希ガスの供給源と供給ラインとの間に置かれた少なくとも1つのバルブを含む、バルブアレンジメントが提供される、
- バルブアレンジメントは、真空ポンプと集積空間との間に置かれた少なくとも1つのバルブを含む。
【0047】
様々な態様において、以下のものの1つ以上が、ことによると、個別にまたは組み合わせで使用されてもよい:
- 接続デバイスを包含するアセンブリの各バッグまたは少なくとも1つのバッグは、バッグの単一の内側空間を画定する外側エンベロープ/外壁を有する;
- バッグの外壁は、閉じられるかまたは流体密かつ取り外し可能な様式で、ことによるとパイプを介して、質量分析計に接続されるのに好適な、ポートを含む;
- バッグは、外側エンベロープ/外壁の外部に位置付けられる充填および/または放出チューブを備える。
- バッグは、1つ以上のコネクタ、フィルタ、センサを包含する。
【0048】
図面の簡単な記載
ここで、図面の図を手短に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1は、まだホースが接続されていない構成である、一態様に従うシーリングアレンジメントの斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、数個のフレキシブルなホースを備え、その1つが、ことによると
図1に示されている接続デバイスのバーブ付きノズルとの接続のための導管またはホースを形成する、バイオ医薬のアセンブリの図示である。
【
図2B】
図2Bは、
図1のシーリングアレンジメントに属する接続デバイスの第1の環状部分で得られる流体移送アセンブリの長手方向切断図での詳細である。
【
図3】
図3は、
図1と同様の図示であるが、ハウジングユニットのハウジングが取り外されており、それにより、接続デバイスの取付要素が見えている。
【
図4】
図4は、
図1および3の態様において使用されている例示のシーリング構造の斜視図である。
【0050】
【
図5】
図5は、ハウジング部分の間に挟み込まれたシーリング構造の図解を伴う、ハウジングユニット内部の切断概略図である。
【
図6】
図6は、
図1のシーリングアレンジメントの接続デバイスと、フレキシブルな容器/パウチにカップリングされたホースと、の間の接続を包含する、フレキシブルな容器/パウチおよび1つ以上の関連する接続の完全性を検証するための試験系の態様を概略的に示す。
【0051】
【
図7】
図7は、ハウジング部分と接触したときの気密性を確実にするための環または何らかの好適な環状部材を既に支持していてもよい接続デバイスを図解する。
【
図8】
図8は、バイオ医薬的流体のための滅菌接続を得るために協働することができる、例示の一対の接続デバイスを示し、膜が、ここでは、予備的な相互ロックの後で取り外されるように適合されている。
【
図9】
図9は、
図3と同様の図示であり、ハウジング部分がここでは外側へ張り出したコネクタフィッティングを備えており、かかるフィッティングは、ハウジングユニット内での直接吸引を可能にしている。
【発明を実施するための形態】
【0052】
より詳細な説明
本発明の複数の態様の詳細な説明を、例を添えておよび図面を参照して以下に提供する。
様々な図において、同じ参照符号は、同一のまたは同様のエレメントを指すのに使用される。一部のサイズまたは厚さは、よりよい図解の目的で誇張されることがある。
【0053】
記載された態様は、例を提供し、また、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。一態様または側面からの特色は、いずれかの他の態様または側面からの特色とあらゆる適切な組み合わせで組み合わせられてもよい。例えば、方法の側面または態様のあらゆる個々のまたは集合的な特色が、装置、物または要素の側面または態様に適用されてもよく、および逆の場合も同じである。
【0054】
図1および2Bは、ホース11(フレキシブルなチューブまたは同種のもの)のホース端部11aをフィッティングさせるのに好適なバーブ付きノズル1aまたは同様の雄型部分を備えた、接続デバイス1を示す。かかる挿入端部または雄型部分は、ホース11が1つ以上のバーブ(単数または複数)B上を越えて延在するように、フレキシブルなホースの遠位端部11内への挿入のために構成されている。
図2Aに図解されるとおり、かかるホース11は、一般にパウチと呼ばれるフレキシブルな容器、実例として3次元パウチ40または2次元パウチ40’に、カップリングされてもよい。2次元パウチ40’(
図6に図解されたものなど)は、その周囲シールが平面的なままであることから、充填された状態で相対的に平坦なままであるが、一方で、3次元パウチ40は、流体を充填されたときに直方体の容積を有し、かかるパウチ40はガセットを有する。
【0055】
図1、3および8を参照して、接続デバイス1または1’は、長手方向軸Xの周りに延在する単一の管状のピースであってもよい。接続デバイス1、1’は、ここでは、第1の環状部分101から第2の環状部分102または102’まで延在する管状部分を含む。かかる第2の環状部分102、102’は、ホース11が第1の環状部分101に緊密に接続させられた後で、相補的な部分に取り付けられることが意図される。接続デバイス1のガス透過性の端部1bは、第2の環状部分102、102’に提供されている、接続デバイス1、1’の取付要素15または15’に包含され得る。
【0056】
第1の環状部分101でのホース接続が完全性試験されることを可能にするために、ハウジングユニット2によって画定された内容積部V内に第2の環状部分102が受け入れられてもよい。
図1および5を参照して、ハウジングユニット2は、少なくとも2つのハウジング部分201、202で作られたケーシングであってもよい。ハウジング部分201および202夫々の2つの相補的な接合端縁24、25の間の接合部で周囲シールを形成することによって、第1のハウジング部分201および第2のハウジング部分202が組み立てられてもよい。
【0057】
ハウジングユニット2は、ここでは同じ壁である2つの壁部分W1、W2を備えていてもよく、これはハウジングユニット2の壁を通して接続デバイス1、1’の中間部分1cを通り抜けさせるために提供される通路20を画定する。典型的には、ハウジング部分201、202は、中空であってもよく、2つの相補的なシェルを形成する。アクセス通路20を持つ壁は、2つのシェルに分配されてもよい。非限定的な図解された態様において、中空のハウジング部201、202を伴うかかる構成は、中間部分1cおよび第1の環状部分101よりも有意に大きな外径を有する取付要素15、15’を閉じ込めるのに好適である。いくつかの変型例において、ハウジング部分201、202の1つのみが中空であり、および内容積部Vを画定する。
【0058】
図1、5および6を参照して、接続デバイス1およびハウジングユニット2は一緒に協働し、これは第1の環状部分101のみがハウジングユニット2の外部で利用可能であり、第2の環状部分102がアクセス通路20または同様の開口を越えて全面的に内容積部V内に延在することを伴う。ここでは、接続デバイス1は、アクセス通路20を通って延在する中間部分1cの周りの締め付け作用に起因して、ハウジングユニット2に対して固定される。組み立てた構成は、
図1に図解されるとおり、閉状態のハウジングユニット2を伴って得られる。中間部分1cとアクセス通路20を画定する壁(W1、W2)との間には、漏れの通り道がなく、その理由は、中間部分1cが、ハウジング部分201、202の間に設置されるシーリング構造4との気密な接続に(すべてのまたは一部の周囲シールを形成して)維持されるためである。
【0059】
図4および5に図解されるとおり、シーリング構造4は、環状の形の内接触リムを形成する2つの別々のセクションJP1、JP2を有してもよく、それにより、連続的な環状の環R4が、組み立てた構成においてアクセス通路20に提供される。ここで、接続装置1、1’の管状部分と同軸である、中心軸X’の周りに延在した環R4が、シーリング構造4に包含されてもよく、それにより、以下の径方向接触領域が、アクセス通路20に、シーリング構造4のおかげで得られる:
- シーリング構造-ハウジングユニットの接触(ここでは第1の変形可能なピース/部材4aの下面F1および第2の変形可能なピース/部材4bの上面F2を使用)による外側の領域;および
- 2つの別々のセクションJP1、JP2の内側面f1、f2を使用した、シーリング構造-中間部分の接触による、内側の領域。
【0060】
内側面f1、f2は、典型的には、セクションJP1、JP2を形成しているブリッジ部分に包含される。それらは、任意に、対称なブリッジ部分(鏡反転配置にある)として形成される。勿論、シーリング構造4は、その幾何学的形状(サイズ、形)が、接続デバイス1、1’の流体路8を取り囲む中間部分1cに依存して、およびハウジングユニット2の特定の幾何学的形状(サイズ、形)に応じて、多様であってもよい。
【0061】
かかるシーリングアレンジメント100を用いることで、
図2Bおよび6に図解されているホース接続を検出チャンバCH内で試験することを可能にする完全性試験の間、開口Oを介して接続デバイス1内で循環しおよびガス透過性の端部1bを介して流体路8から逃げようとするガスが、ハウジングユニット2の内容積部V内に密閉状態で保たれる(検出チャンバCHの検出空間へ向かう逃げがない)。
【0062】
ハウジングユニット2によって画定された、接続デバイス1、1’の締結のための通路20は、反対向きの圧縮力によって中間部分1cでデバイス1、1’を締結させるためのサイズおよび形状になっている。かかる反対向きの圧縮力は、夫々反対方向(以下でさらに詳細に説明される接合部平面Pに垂直な方向)にこのシール構造4を押す、中間部分1cとハウジングユニットの壁W1、W2との間に介在するシーリング構造のおかげで、径方向の圧縮に変換される。
【0063】
接続デバイス(単数または複数)の例示の態様
図解されている接続デバイス1は、ホース11のための第1の環状部分101を形成するコネクタ/バーブ付きノズル、および相補的な接続デバイス1’において提供された対応する取付要素15’との滅菌接続のための取付要素15を伴い、線状に延在する。ここでは、ハウジングユニット2は、内側面f1、f2に対するシーリング構造-中間部分の接触を形成するのに好適である同じかまたは同様の中間部分1cをそれらが有することから、
図8に示されている接続デバイス1、1’のいずれか1つと協働するように適合されている。
【0064】
反対の端部の環状部分101、102は、ここでは揃えて並べられているが、しかし、本開示は、直線状の/線状のフィッティングまたは接続デバイスを用いた使用に限定されず、および他のフィッティング部材にもまた適用されてもよい。実例として、エルボフィッティング、または、そこを通る流体の流れを分割もしくは合流させるフィッティングが、提供されてもよい。内腔または流体路8は、第1の環状部分101に包含される第1の開口Oから第2の環状部分102に包含される第1の開口O’へ延在してもよい。より一般的には、接続デバイス1、1’は、2つの反対向きの開口O、O’を備えてもよいということが理解され、第2の開口O’は、ハウジングユニット2の内容積部V内に延在するとき、ことによると、覆われた状態にある。
【0065】
第2の開口O’を保護するために、キャップ130または同様の硬質のもしくは相対的に硬質のプラグエレメントが提供されてもよい。
図3を参照して、キャップ130は、底と、取付要素15、15’の全部または一部を横方向に覆う環状スカートとを含んでもよい。
図8を参照して、キャップ130は、取付要素15を直接覆ってもよいし、または、取付要素15’に対して位置をずらすことができる移動可能なカラーCを覆ってもよい。ここではかかるカラーCは、滅菌接続のカップリングされた状態にあるこれらの取付要素15、15’の少なくとも1つを取り囲む、取付要素15、15’間の接続のロッカーであってもよい。
【0066】
流体路8を画定する管状部分は、成形されたプラスチック材料の単一のピースで作られてもよい。かかる材料は、中間部分1c中において圧縮可能ではない。中間部分1cの一部は、開口Oを画定する自由端部での断面積と比較して大きくなった断面積のものである。接続デバイス1、1’のグリッピング領域は、ここでは、かかる大きくなった断面部分において得られる。
【0067】
典型的には、第2の環状部分102に提供されている取付要素15、15’は、第2の環状部分102の中央の管セクションに固定的に、径方向に締結される。この中央の管セクションの自由端部は、第2の開口O’を定義する。開口O’を覆う膜36が脱着可能に接着される受容表面を形成するように、端部フランジまたは環状リムが、この開口O’の周りに提供される。
【0068】
膜36が、ガスに対して、とくに完全性試験において使用されるヘリウムまたは同様のトレーサ/検出可能なガスに対して、何らバリア効果を有しないので、第2の管状部分102での、接続デバイス1、1’の対応する端部は、ガス透過性の端部1bである。各膜36は折り畳まれていてもよく、2つの接続デバイス1および1’を、それらの取付要素15、15’を介して取り付けるときに、折り畳みの展開が行われてもよい。 接続デバイス1、1’は、ロッキングスライダおよびクリップまたは同様のロッキング部材を使用して雌型要素(
図8に示されている取付要素15’)と協働する雄型要素(
図8に示されている取付要素15)を有する種のものであってもよい。
【0069】
図解されている接続デバイス1、1’は、本出願人からのOpta(登録商標)SFT滅菌コネクタの範囲のものである。接続デバイス1、1’は、バイオ医薬の製造作業において、2つの別々の、事前滅菌されたプロセス要素間の、手早くおよび信頼できる滅菌接続および滅菌流体移送を可能にさせ得る。各膜36は、滅菌グレードのポリエーテルスルホン(PES)膜であってもよい。ロッキング接続に関与するカップリングまたは取付要素15、15’は、フールプルーフ手段を備え、実例として、カップリング領域で接続デバイス1、1’の長手方向に垂直な方向に沿った摺動または同様の案内を要するか、または長手方向軸Xに沿った回転を要する。
【0070】
膜36は、実例として引張端部で、カップリングされるように構成されていてもよく、それによって要素15、15’間のロッキング接続の前に2つの膜の同時の取り外しが可能にされる。
図1または
図7の図解された例において、バーブBは、流体路8の端部での開口Oの近傍に、ここでは接続デバイス1の開口Oに隣接するかまたはこれを画定する周囲エリアにおいて、提供されている。いくつかの態様において、1よりも多くのバーブBが、この開口Oに隣接して形成されてもよい。バーブBは、流体路8の周りに周方向に延在してもよい。
【0071】
図2Bを参照して、バーブBは、バーブの最大直径部分から挿入端部へ向かうテーパ付きの表面44を提供してもよい。挿入端部は、開口Oに対応する。接続デバイス1、1’は、任意に、ホース11によって画定された対応する導管内への挿入端部の挿入の大きさを限定するために、ショルダ、カラーまたは同様のアバットメント部分BPを包含してもよい。実質的に円筒状であってもよいシャンク部46が、任意に、バーブBと、アバットメント部分BPによって形成されたショルダとの間の、接続デバイス1の部分として定義される。バーブ付きノズル1aは、ここでは、シャンク部分46と、1つ以上のバーブ(単数または複数)Bを備えたコネクタ端部部分とで構成される。
アバットメントBPは、シャンク部分46とグリッピング部分105との間の移行部とすることができ、任意にリブを、ここでは長手方向のリブを備える。
【0072】
ひとたび他の環状部分102がハウジングユニット2に緊密に締結されると、
図2Bに示される接続(環状部分101と関連するホース11との間の流体接続)を、試験下の接続とすることができる。よって、流体路8を通じてホース11の内部体積へのおよびそれへの流体の流れに好適である流体移送アセンブリ200(
図8も参照)が得られる。この流体接続の緊密性は、ホース11がバッグ40または40’に既に接続されているときに、実例として
図2Aに図解されているバッグ40または
図6に図解されているパウチ40’の内部体積V40との流体連通において、制御することができる。
【0073】
例示のバッグアセンブリの構築
図2Aのアセンブリ7は、ホース11が、流体移送回路の内部の流体(接続デバイス1、1’にカップリングされているとき)を移送するのに、および/またはフレキシブルなバッグ40などの容器の少なくとも1つの供給または移送ポート22上の接続を形成するのに好適であり得ることを示す。大きなバイオ医薬的流体容量を含有することができるフレキシブルなバッグ40は、接続を介して移送されるバイオ医薬的流体の受容容積を形成し得る。流体的接続部デバイス10は、容器40に包含されることができ、および、これらの例は限定するものではないが、バイオ医薬産業の製造ステップにおける、研究開発の1つ以上の段階における、品質管理の、濾過段階への流体の輸送のための、あらゆる好適な流体移送の用途のために提供され得る。同じことが、流体的な接続デバイス1、1’のバーブ付きノズル1aに接続されるホース11にも適用される。
【0074】
バッグ40は、ここでは、平坦にするために最初は折り畳んでおくことができるフレキシブルなバッグの形態である。それは、一般に、一式の壁によって本質的に画定されるフレキシブルなエンクロージャとして定義することができる。容器の壁の1つ(受容壁)は、少なくとも1つのポートコネクタアセンブリを一体化させることができる。同じことが、
図6に示されているパウチ40’にも適用される。より一般的には、容器40、40’を形成する一式の壁または「受容壁」は、ホースおよび接続デバイス1、1’の循環容積と連通し、よって流体路8と連通する、流体空間V40を画定している。
【0075】
図2Bを参照して、フレキシブルなホース端部11aバーブ付きノズル1aまたは同様の環状部分101上に重なった場所に対応する、カップリング領域が、得られることが理解される。ホース11の対応する開放端部11o(
図6)は、よって、フレキシブルなホース端部11aのより高い径方向変形のエリアを越えて延在してもよく、そこでは1つ以上の環状シーリング接触エリア(単数または複数)SCが、環状部分101の管状の外部表面(ここではバーブBによって画定されている)とフレキシブルなホース端部11aの内部表面との間に提供される。
【0076】
バーブ付きノズル1aは、フレキシブルなホース端部11aを介して、接続デバイス1、1’およびバイオ医薬製品の容器またはバッグ40、40’に接続するのに好適である。流体的接続部デバイス10は、かかるフレキシブルなホース11を、容器またはバッグ40、40’において提供されている移送ポート22のコネクタにアセンブリ化するために提供される。ここで、移送ポート22は、フレキシブルなホース11の、バーブ付きノズル1aに重なるフレキシブルなホース端部11aとは反対側の端部に接続され得る。フレキシブルなホース端部11aが、ノズル1aを形成するバーブ付き部分を取り囲むので、緊密な接続は、欠陥があった場合を除いて、大抵得られる。トレーサガス試験は、充分に緊密でない接続、すなわち約2μm以上のサイズの欠陥を検出することができる接続を使用することを防止するために興味深い。
【0077】
図2Aのアセンブリ7の観点から、1つ以上の接続デバイス1、1’は、実例としてはバッグ/容器アレンジメントへの接続によって、流体移送回路を得るために使用することができるということが理解される。1つ以上のフレキシブルな使い捨てバッグ40、40’を含む容器アレンジメントが組み立てられ、および次いで完全性が試験されてもよい。フレキシブルな使い捨てバッグ40、40’の各々は、フレキシブルな接続チューブ/ホースが(滅菌接続を用いて)取り付けられる、入口エレメントまたはポートを有する。滅菌コネクタが、この入力側端部に提供されていてもよい。
図6を参照して、容器アレンジメント/アセンブリ18は、ホースを締め付けるための1つ以上のクランプまたは締め付け手段を備えてもよい。ここではアセンブリ18のその他の部分よりも硬質な材料で作られた、クランプが、対応するバッグ40または40’を選択的に隔絶するために提供されてもよい。
【0078】
より一般的には、接続デバイス1、1’は、1つまたは複数のバッグ40、40’を含むあらゆる種類の容器アレンジメント18または接続デバイス1および1’の間のカップリングによって接続される2つの相補的なデバイスを伴うアレンジメントにおいて使用されることができる。
【0079】
典型的には、
図1および8に図解されるとおりの接続デバイス1、1’は、かかる容器40、40’とは分離している。接続デバイス1、1’は、好ましくは、容器/バッグ40またはパウチ40’のあらゆる壁とは分離した流体移送アセンブリ200に属している。完全性試験を準備しているとき、接続デバイス1、1’は、既にシーリングアレンジメント100内で組み立てられており、それにより、透過性の端部1bは、ハウジングユニット2の内容積部Vに閉じ込められることによって閉じられる。ホース11もまた、第1の環状部分101に接続されており、および、トレーサガスとの連通を、かかるガス(好適な注入ラインLを介して注入される)を受け入れるパウチ/バッグ40、40’に接続されることによって、またはことによるとトレーサガス供給部分に直接接続されることによって、許容する。
【0080】
図6を参照して、完全性試験の試験フェーズの前の準備フェーズにおいて、バッグアセンブリ18が、流体移送アセンブリ200を形成するためにホース端部11aを接続することによって準備される。このバッグアセンブリ18は、その検出チャンバCH内において、試験装置の内部に入れられる。注入ラインLは、バッグアセンブリ18(流体路8を包含する)によって画定された内部空間内に注入ラインが選択的にトレーサガス、実例として ヘリウムまたはアルゴンを供給するように、十分にパウチ40’に接続される。結果的に、差圧が、この内部空間と試験チャンバ(以降で検出チャンバCHと呼ぶ)との間に確立される。ハウジングユニット2は、内部空間と検出チャンバCHの検出空間との間に気密なバリアを形成する。フレキシブルなホース端部11aがシャンク部分46に重なるカップリング領域での環状接触エリアSC(
図2Bを参照)もまた試験され、それは、かかる場所でのあらゆる漏れが、経路8内のトレーサガスを検出チャンバCHへ逃がしてしまうからである。
【0081】
ホース11は、内腔または流体路8のサイズおよび第1の環状部分101の壁厚に基づいて、バーブ付きノズルとの好適な使用のために選択される内径を有してもよい。ホース11は、ホース11の使用に依存した内側の流体圧力に耐えるその適性のために選択される内部表面および壁厚を有してもよい。ホース11は、単壁導管であってもよい。より一般的には、単壁導管の使用が、漏れまたは細菌成長の機会を与える可能性のある多壁導管の壁間に生じ得るあらゆる間隙空間を最小限にするのに好ましいとされ得る。
【0082】
いくつかの態様に従うと、バーブBとホース11との間の表面接触は、接続デバイス1、1’の環状部分101上にホース11を留めるのに充分とみなされる。他の態様において、ケーブルタイ、イヤークランプまたは同様の締め付けカラー48などの締結具が、ホース11の周りにシャンク部分46の領域に沿って、好ましくは、選択的にシャンク領域の周りに、固着される。
【0083】
遠位の部分に属するホース11の環状の端部リムは、かかる締め付けカラーに取り囲まれていない。この環状の端部リムは一時的に変形しおよび大きくなっているので、それは、典型的には、シャンク部分46の周りの緊密な接触を確実にすることができない。
図2Bを参照して、締め付けカラー48(または他の比較的硬質のピース、または弾性スリーブもしくは同様のスリーブ)のおかげで、ホース11は、バーブBと内部表面との間にそれらの間のガス漏れを最小限化または抑制するシールを生じさせることによって、バーブBに固着され得る。カップリング領域において、フレキシブルなホース端部11は、かかるシールを生じさせるためにバーブBを取り囲む近位部分よりも(カップリングされた状態で)変形が少ない遠位部分をシャンク部分46の周りに有する。
【0084】
圧接カラー48をホース端部セクションの周りに加える選択肢では、カラー内径をホース端部の(バーブBでの)最大外径よりも小さくするために、環状接触エリアSCが得られた後で、シャンク部分の領域におけるこのカラー48の圧接が行われてもよい。圧接カラー48または同様の締め付け環の間の追加の接触エリアZCは、アバットメント部分BPとバーブBとの間に、ここでは円筒状のシャンク部分46の周りに、位置付けられ/長手方向に延在する。
【0085】
図面は、単一の締め付けカラー48を用いた態様を示しているが、一方で、補強ステップを行うために、あらゆる好適な結合エレメント、ことによると1対の結合エレメントを、締め付け効果を提供しおよびホース11が誤って取り外されることがないことを確実にするために使用することができる。いくつかの変型例において、カラー48は、単層スリーブ、多層スリーブ、またはスリーブもしくはライナーとより硬質のカラーとの組み合わせ(実例として、弾性スリーブまたはライナーおよび金属スリーブ/カラー)によって置き換えられていてもよい。
【0086】
流体移送アセンブリ200は、様々な様式で得られてもよい。ここでは、ひとたびホース11の挿入端部11aがバーブ付きノズル1aに重なると、それが得られる。ホース11は、フレキシブルなホース端部の全部または一部がアバットメント部分BPに当接するまで挿入されてもよい。加えてまたは代替的に、バーブ付きノズルは、フレキシブルなホース端部11aが通路20に届くかまたは内容積部V内に部分的に延在するまで挿入されてもよい。
【0087】
図2Bを参照して、流体路8は、第2の環状部分102の中心軸である長手方向軸Aを有していてもよい。閉状態において、かかる軸Aは、通路20の中心軸に対応する。かかる軸はまた、接続デバイス1、1’の長手方向軸Xとも対応していてもよい。
【0088】
ハウジングユニット上へのシーリング構造の設置
ハウジング部分201、202は、典型的には、ハウジングユニット2がシーリング構造4を圧縮することができるように非圧縮性の部分である。第1の態様において、
図1および3~5に図解されるとおり、ハウジング部分201、202の間の接合部は、主として平面状に延在する。この態様において、第1のハウジング部分および第2のハウジング部分は、同一のピースである。ハウジング部分201、202によって画定される、ここでは2つの壁W1、W2の間の、通路20は、2つの壁W1、W2を包含するハウジングユニット前壁の厚さeに対応する延在長さを有する。ハウジング部分201、202における1つまたは2つのスロットが、通路20を形成してもよい。2つの半円スロットが、組み立て作業における混乱なしに中間部分1cの包囲を容易化するのに好ましいものであり得る。
【0089】
圧縮可能である、シーリング構造4は、
図5に示されるとおり、ハウジングユニット側壁の厚さにおける凹部によって得られる境界溝G内に延在してもよい。ここで、典型的にはハウジングユニット2の閉状態の外部からシーリング構造が見えないように、かかる境界溝は内部溝である。変型例において、シーリング構造4は、ハウジング部分201、202の間の接合部に、およびハウジングユニット2の外側面を越えておよび/または内側面を越えて延在する。
【0090】
シーリング構造4は、2つのシーリング部材4a、4bを含むかまたはそれらで構成されてもよく、好ましくは2つのピースである。より一般的には、シーリング構造4は、以下のものの間に挟み込まれる少なくとも1つのピースを含む:
- 第1のハウジング部分201の全部または一部を形成する第1の硬質のピース;
- および、第2のハウジング部分202の全部または一部を形成する第2の硬質のピース。
【0091】
第1の態様において、弾力のあるプラスチック材料で各々作られた、2つの変形可能なシーリング部材4a、4bは、以下のものを含む:
- 平行でありおよび閉状態で互いに接合される2つの実質的に平面状の部分J1、J2(これらの平面状の部分の間の直接接触である界面接触C4を伴う)、および
- 2つの平面状の部分J1、J2に相補的な環R4。
環R4は、典型的には、中間部分1cを取り囲み(surround)、および閉じ込める(enclose)。
【0092】
ハウジングユニット2を閉じる前に、第1のシーリング部材4aが、第1のハウジング部分201に属する下方溝部分内に設置されてもよい。
図3~5を参照して、第1のシーリング部材4aは、半円形部分または同様の曲線部分を有し、2つの別々のセクションJP1、JP2の第1のものを形成する。次いで、接続デバイス1(またはデバイス1’)は、内側面f1の上に乗っている中間部分1cの一部を伴って第1の環状部分201に締結される。中間部分1cは、第1のハウジング部分201の対応するスロットを通って延在する(暫定的に)。
【0093】
任意に、かかる内側面f1は、シーリング部材4a、4bの間の接合部のための接合部平面Pの下(ここでは完全に下)に延在してもよい。この面f1は、典型的には半円形であり、および/または、中間部分1cにおける接触領域の形状およびサイズと十分に一致する。内側面f1は、第1のシーリング部材4aに属する第1のセクションJP1に包含される。かかる第1のセクションJP1は、第1のハウジング部分201におけるスロットに起因して、境界溝Gの残りの部分と比較して下方にシフトされた溝部分に受け入れられ得る。同様に、もう一つの溝部分が、第2のハウジング部分におけるスロットに起因して、境界溝Gの残りの部分と比較して上方にシフトされていてもよい。
【0094】
中間部分1cがひとたび第1のシーリング部材4aと接触して位置させられ、および、第1のハウジング部分201の壁の間に取付要素を位置付けるためのスロットを通って延在すると、第1のシーリング部材4aを完成させるために、第2のシーリング部材4bが中間部分1cの周りに適用されることによってハウジングユニット2を閉じることができ、よって、中間部分1cで、接続デバイス1の対応するセクションの周りに、環R4が形成される。
【0095】
シーリング構造のかかる環R4を、作業者がシール部材を繊細に取り扱うことなしに形成するために、シーリング部材4a、4bの各々が、対応するハウジング部分201または202に既に締結されていてもよい。いくつかの相互ロックレリーフおよび/またはガイドが、ハウジング部分201、202の接合端縁24、25に提供されてもよい。
閉状態において、環R4は、
図4~5に図解されるとおり、平面状の部分J1、J2が互いに接触している接合部平面Pに垂直に延在してもよい。
【0096】
接合端縁24、25は、シーリング部材4a、4bがことによると径方向(ハウジングユニット側壁の厚さ方向に平行である)に沿って変形することを伴って、シーリング構造4の圧縮を可能にする。実に、ハウジング部分201、201は、硬質であり、および、閉状態における接合端縁24、25の間の隙間高さは、シーリング構造の公称サイズ/断面高さより小さくなり得る。第1の態様において、かかる隙間は、境界溝Gで得られ、接続デバイス1の長手方向軸Xに垂直にかつ典型的には接合部平面Pに垂直に測定した隙間高さである。
【0097】
シーリング構造4は、典型的には、中間部分1cを緊密に取り囲み、ハウジングユニット2の底壁と上壁との間の仲介領域内に、前壁を通って延在する。閉状態において、前壁(2つの壁W1、W2を包含する)は、実例として底壁および上壁に垂直に、底壁から上壁まで延在する。変型例において、ハウジングユニット2は、丸みを帯びた幾何学的形状を有し、および/または、底壁に平行でない上壁を含む。
【0098】
締め付けは、ハウジングユニット2の閉状態をロックするために、シーリング構造4が周囲シールで弾性変形することを伴って行われてもよい。実例として、シーリングアレンジメント100は、シーリング構造4の圧縮された状態を維持するために、内容積部Vの周りで、ハウジングユニット2の周縁部に配設された締め付け部材23を備えている。ハウジング部分201、201を形成する2つの硬質のピースは、シーリング構造4を圧縮するために(シーリング部材4a、4bの断面を変形させる拘束効果を伴って挟み込んで)、一緒に締め付けられることができる。締め付け部材23は、ネジ(単数または複数)および/またはボルト(単数または複数)を備えてもよく、タイロッド、締め付けレバーまたはあらゆる好適な締め付けアセンブリのうちの1つ以上を備えてもよい。これらの部材は、取り外し可能な接続を可能にする。実に、完全性試験の後、ハウジングユニットは、試験された接続を変化させる何らのリスクもなく解体される(関連するシーリング部材4a、4bを伴う2つのシェルを取り外すだけで)。
【0099】
第1の態様において、環R4は、部材4a、4bに分配され、およびよってハウジングユニット2のハウジング部分に第2の環状部分102が受け入れられた後に形成される。第2の態様およびいくつかの変型例において、
図7に図解されるとおり、環R4’は、単一のピースとすることができ、および/または、シーリングアレンジメント100を得るためにハウジングユニット2を組み立てる前に中間部分1cの周りに取り付けられることができる。いくつかの選択肢では、かかる環R4’は、シュリンクシールを形成するために(シュリンクラップ材料として)収縮可能であってもよい。ことによると、シーリング構造は、環R4’とは別個の、接触端部(これもまた環R4’に対する気密な接触を形成するように圧縮される)を備えた平坦部分を有する。かかる平坦部分は、部分的な周または全周を定義する周囲シールを形成して少なくとも1つのハウジング部分201、202に既に締結されていてもよい。
【0100】
より一般的には、環R4;R4’または同様の中間部分1cを取り囲む変形可能な材料の環状層は、1つ以上の部分に、ことによると、接合端縁24、25の間のシーリング界面に関与する2つの平面状の部分J1、J2に、相補的であるということが理解される。
【0101】
その他にも、各シーリング部材4a、4b(これは同一であってもよい)の断面は、多様であってもよい。かかる断面は、実例として、少なくとも中間部分1cと接触していない別々の部分J1、J2では平坦または平面状でありつつ、多様であってもよい。また、シーリング構造4は、円形、楕円形、H形である断面を有してもよい(この後者の選択肢では、シーリング構造4が、ハウジング部分201、202の夫々の壁端縁を挟み込んでもよい)。
【0102】
シーリングアレンジメントにおいて使用される材料
接続デバイス1は、成形、鋳造、積層造形、または他の知られているプロセスから形成された、フィッティングピースであってもよい。接続デバイス1は、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリビニリデンフッ化物(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエステル、ポリカーボネート、およびガラス入り熱可塑性物質などの、熱可塑性物質から作られてもよい。接続デバイス1はまた、エポキシ、フェノール、シリコーン、シリコーンとノボラックスとの共重合体などの熱硬化性樹脂から作られてもよい。他の好適な材料は、シアン酸エステル、ポリウレタン、およびウレタンメタクリラートを包含してもよい。
【0103】
ハウジングユニット2は、あらゆる好適な硬質の材料、典型的には金属材料で作られてもよい。内容積部Vは、ステンレス鋼で作られた内面によって画定されてもよい。ハウジングユニット2は、ヒンジ留めされてもよく、実例として、ハウジング部分201に対して相補的なカバーとして機能するハウジング部分202の案内運動のためである。
【0104】
シーリング構造4は、軟らかい材料、実例としてシリコーンまたはTPEから作られる。かかる軟らかい材料は、多孔質でなく(および典型的には中空でなく)、および、ガスバリア効果を有するために好適である。このシーリング材料は、圧縮されてもよく、それにより、シーリング構造の厚さが弾力的に減少し得、シーリング構造4は好ましくは少なくとも10%の厚さの減少を伴って圧縮可能である。
【0105】
フレキシブルなホース11は、好ましくは、医療または製薬環境における使用に好適であるフレキシブルな導管であってもよい。フレキシブルなホース11は、熱硬化性樹脂または熱可塑性重合体で構築されてもよい。熱硬化性樹脂が使用される場合は、シリコーン、ポリウレタン、フルオロエラストマーまたはペルフルオロポリエーテルが、導管のための好ましい構築材料である。熱可塑性物質が使用される場合は、C-Flex(登録商標)チュービング、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンのブロック共重合体、PureWeld、PVC、ポリオレフィン、またはポリエチレンが、好ましい構築材料である。いくつかの選択肢では、エチレン-酢酸ビニル(EVA)から構築されたフレキシブルなホース11が、EVAから作られた要素を一緒に溶接する能力に起因して好ましいものであり得る。
【0106】
フレキシブルなホース11は、ここでは、環状の断面を有し、および、特徴的な外径と公称内径とを有する。かかる直径は、一定なサイズであり、それにより、ホースの厚さが典型的には一定であり得る。5mm以下のホースの厚さが好ましいとされ得るが、かかる厚さは典型的には0.5mmより小さくはない(充分な機械的強度を有するように)。厚さは、1.5~3.2mmの範囲にあり得る。ホースの材料は、いくつかの選択肢では、半透明または透明であってもよい。接続デバイス1、1’の材料は、不透明であってもよい。
【0107】
例示の完全性試験におけるシーリングアレンジメントの使用
図6を参照して、流体移送アセンブリ200の接続に関しての試験を行うやり方を見ることができる。準備フェーズの後、流体移送アセンブリ200を、単独でまたはバッグアセンブリ18と一緒に試験することができる。バッグまたはパウチ40、40’がホース11を介して接続デバイス1、1’へ接続されたとき、補強ステップが、任意に、準備フェーズの間に、即座に締め付けカラー(ことによると圧接カラー48)を使用して行われてもよい。接続は、締め付けカラー48の有無にかかわらず、仕上げられてもよい。フレキシブルなホース端部11のシャンク部分46を取り囲む部分を締め付けるカラー48を使用することは、フレキシブルなホース端部11aのあらゆる不測の取り外し(かかる取り外しは流体圧力に起因する)を防止するために興味深い。締め付けカラー48はまた、
図2Bに図解されるとおりのバーブの後部で、エアギャップ66に起因する漏れ点の生成を制限することにおいても助けになり得る。しかし、かかる効果は、それが据え付け/締め付け/圧接される様式に依存し得る。
【0108】
完全性試験のための装置は、密閉状態でシールされた検出チャンバCHを備えた装置である。装置は、エンクロージャの固定された本体またはベースを備えてもよい。シール部材(図示せず)が、中空のカバー部材またはプレート部材であってもよいカバー部材の取り外し可能な受け入れのために提供される。シール部材を使用したフィットさせられた状態において、カバー部材および本体が検出チャンバCHを形成する。
【0109】
この装置は、ここでは、以下のことに好適である:
- 検出チャンバCHの内部で、より具体的にはバッグアセンブリまたはこれに類似した試験下の系内に、検出可能なガス(ヘリウムまたはアルゴンなどのトレーサガス)を注入すること;および
- 漏れがあった場合に、検出チャンバCH内でこのガスを検出すること。
【0110】
ここでは、試験下の系は、検出チャンバCH内に位置させられる滅菌された容器40、40’である。この容器は、検出可能なガスを受け入れおよび漏れの不在下でこれを保持するための内部チャンバ42を少なくとも部分的に定義するフレキシブルなボディを有する。勿論、試験される部分は、多数の種々異なるデバイスのいずれか1つとすることができ、ここでは少なくとも1つのシーリングアレンジメント100を備えている。
図6を参照して、装置は、検出チャンバCH内に位置させられるためのシーリングアレンジメント100、第1の環状部分101に接続されるフレキシブルなホース端部11oを包含しおよびガス透過性の端部1bと内部チャンバ42との間の流体連通を許容するホース11、を含む。
【0111】
装置は、注入チャネル5を備えた、加圧されたトレーサガスユニット14または同様のガス源を有する。検出チャンバの外部に位置付けられるバルブV5が、注入チャネル5を介したヘリウムまたは同様のトレーサガスのフィードを制御するために提供されてもよい。任意に、このチャネル5は、供給ラインLとして機能しおよび内部チャンバ42を形成する容器に接続されている、ホースと連通する。より一般的には、トレーサガスは、試験下の系の内部空間内に供給され、および流体移送アセンブリ200を通ってガス透過性の端部1bへ流れ、かかる端部1bはシーリングアレンジメント100のハウジングユニット2の内部に配設されている。ホース端部11aとの接続を試験することができるように、トレーサガスは、ハウジングユニット2を介して逃げることができなくなっている。実に、ハウジングユニット2およびシーリング構造4は、内容積部Vを検出チャンバCHの内部の検出空間から密閉状態で分離する。
【0112】
いくつかの変型例において、ハウジングユニット2は、トレーサガス注入ラインへの接続に好適なコネクタを備えてもよい。ハウジングユニットの特定のコネクタは、ハウジング部分201、202の1つに包含されていてもよい。かかる変型例において、トレーサガスは、流体路8に届く前に内容積部V内で循環する。パウチまたはバッグ40、40’もまた試験されるときは、トレーサガス充填時間が増大し得るので、この選択肢はより好ましくない。
【0113】
図9の任意選択の態様に示されているコネクタフィッティング51によって形成された連通チャネル50は、トレーサガス注入ラインへのかかる接続のためにおよび/または膜36に対して外側での吸引を可能にするために、使用され得る。ハウジングユニット2の内容積部V内での直接的な、かかる吸引は、膜36の内側から行われる第1の吸引と組み合わせられた第2の吸引であってもよい。この第1の吸引は、真空ポンプ16’に関連しているラインを使用してもよく、これは、ことによるとトレーサガス注入のための供給ラインLの一部を包含する。
【0114】
吸引が、ハウジングユニット2内で直接的にもまた行われるとき、より早く真空が確立され得る。より一般的には、ハウジングユニット2での内容積部Vへのアクセス(入力および/または出力アクセス)を提供することができる。組み合わせられた吸引が確立されているとき、膜36を通じたガス拡散(ことによると膜の種類に依存する)は、高真空に届くための吸引の終わりでの限定的な効果ではない。ハウジングユニット2での追加の入力/出力アクセスを用いることで、この接続を通じて個別に内容積部Vの排出をすることができるということが理解される。
【0115】
さらに
図6を参照して、装置は、内部チャンバ42と検出チャンバCHとの間に圧力差を生じさせるためのポンピングアセンブリを含んでもよい。実例として、トレーサガス注入を行う前に真空排気することを可能にするために、真空ポンプ16’が存在してもよい。真空が、検出チャンバCH内に得られる。内部チャンバ42および検出空間(試験下の系の周り)のうちの各々の排出をするための、2つの真空ポンプが存在してもよい。検出チャンバCH内の圧力を低下させるためには、吸引が行われる必要がある。
【0116】
少なくとも1つのコネクタフィッティングを有するハウジングユニット2を用いた選択肢では、コネクタフィッティング51に関連する真空ポンプもまた、内容積部V中の圧力を低下させるために、吸引を可能にし得る。かかるポンプは、任意に、他の真空ポンプ(単数または複数)16’から真空ポンプを分離してもよい。いくつかの構築において、連通チャネル50を介したかかる吸引は、実例として同じ真空ポンプ16’に接続された分岐を使用するなど、既に利用可能な真空源に接続された吸引ラインによって行われる。
【0117】
チャネル5は、任意に、内部チャンバ42を空にして、および試験下の系の内部での真空または低圧状態を得るために使用されてもよい。
図6は、同じチャネル5に接続したかかる真空ポンプ16’を有するという選択肢を概略的に図解する。トレーサガスを検知する前の準備フェーズにおいて、真空ポンプ16’は、選択的に活性化され、一方でトレーサガスユニット14は、OFFまたは同様の不活性化された状態である。
【0118】
バッグポートと供給ライン/チャネル5との間の接続された状態において、バルブV5は、バーブ付きノズル1aがフレキシブルなホース端部11aの内部に挿入された後、よって
図2Bに示されるものなどの少なくとも1つの環状接触エリアSC(接続をシーリングするための環状接触)が得られた後でのみ、内部チャンバ42内にトレーサガスを選択的にフィードするように作動させられてもよい。かかる環状接触は、典型的には、テーパを付けられた表面44とフレキシブルなホース端部11aの内部表面との間のシーリング接触である。
【0119】
装置はまた、センサデバイス9も含む。検出チャンバCHに関連し、および、試験下の系における漏れの結果として検出チャンバCHの検出空間内で内部チャンバの外部の検出可能なガスを検知することを可能とする。チャネル5とは分離したポート30またはパイプが、センサデバイス9をチャンバCHへ接続するために提供される。少なくとも1つのバルブは、センサデバイス9と連通するポート30に関連する吸引を制御するために使用されてもよい。実例として、バルブは、真空ポンプ16’とは別個である真空ポンプとトレーサガスセンサデバイス9との間の選択を可能にしてもよい。試験装置において、1つ以上のバルブは、ソレノイドバルブであってもよい。
【0120】
センサデバイス9は、トレーサガスのあらゆる漏出を検出するように、トレーサガスに対して感受性がある質量分析計または同様の装置の形態であってもよい。ここでは、試験下の系の周りの検出チャンバにおいて、圧力はより低くなり得る(ガスが注入されていないので、より高い真空度)。結果的に、内部チャンバ42は高圧チャンバであり、その一方で、試験下の系(ここではバッグアセンブリ18)の周りの検出空間は低圧チャンバである。
【0121】
バルブ5の妥当な作動のおかげで、試験フェーズの初めに、トレーサガスは高圧チャンバへと導入され、および、検出空間(低圧チャンバ)とセンサデバイス9との間に連通が確立される。
【0122】
吸引ステップ(単数または複数)およびトレーサガス注入の後で、好適な制御ユニット13の分析モジュールを使用して、測定サイクルのモニタリングフェーズ(試験フェーズ)が実行されてもよい。測定サイクルの初めに、試験装置は、待機期間の後で低圧の閾値に届くことを要するという点で、既知のシステムと同様であり得る。次いで、試験下の系の完全性に関して結論を出すために圧力降下が分析されてもよい。
【0123】
あらゆる好適な分析モジュール19は、漏れを表すトレーサガスの好適な分圧を設定するように構成されていてもよい。いくつかの選択肢では、かかる分析モジュールが、トレーサガスセンサデバイス9に関連付けられるかまたは包含されてもよく、および以下のことができる:
- 典型的には吸引モードがアクティブなときである、注入ステップに続く期間を包含する期間について検出された、ヘリウム分圧を表す情報を使用する;および
- 接続が完全性検証に合格したとみなされるか否かを決定するために、試験結果を少なくとも1つの参照結果と比較する。
【0124】
いくつかの選択肢では、ヘリウム(または他のトレーサガス)が急速に集積空間、ここでは内部チャンバ42の外に、検出チャンバCHの検出空間内へと漏れ出た場合、そこでヘリウム分圧が測定され(および、ことによるとスクリーン上に表示され)、ヘリウム分圧のプロファイルは、分圧の速やかな増大を表すものになる。分析モジュール19は、よって、検出されたヘリウムが内部チャンバ42から来るヘリウムであることを確認するのに好適である。流体移送系200のみが試験された場合、それは、試験下の流体移送アセンブリ200のカップリング領域に穴または欠陥が存在することを意味し、これは漏れ防止されているとみなされない。
【0125】
完全性についての結論は、圧力降下の後のトレーサガスの早期の検出に依存する。より一般的には、接続がトレーサガス完全性試験に合格したかどうかを結論付けるために、あらゆるトレーサガス分圧の増大または同様の好適なトレーサガスパラメータが検出空間で測定/検出されるということが理解される。
【0126】
制御ユニット13は、測定サイクルの間のサイクルを強調させるように適合されてもよい。かかる試験は、極めて小さい欠陥を検出するのに効率的であり得る。いくつかの態様において、首尾よく試験に合格した系は、低いサイズの閾値、例えば約2μm(2マイクロメートル)よりも大きな欠陥を何ら有しないとみなされる。解決策はより具体的にはシーリングアレンジメント100に関するものであるので、かかる試験装置についてはこれ以上詳解しない。
【0127】
勿論、ガス源接続ステップは、典型的には、シーリングアレンジメント100を組み立てた後、かつ、バーブ付きノズル1aであってもよい第1の環状部分の周りの接続を形成した後に行われる。よって、
図6に示されるとおりのバルブV5またはトレーサガス注入のためのあらゆる同様のバルブは、典型的には、中間部分1cが関与する組み立てステップの前、および接続部分/バーブ付きノズル1aが関与する接続ステップの前は、閉状態のままである。センサデバイス9に関連するモジュール19を分析することによって行われる分析ステップの前に、内部チャンバ42内にトレーサガスGを注入するための注入ステップで、かかるバルブは開いている。
【0128】
アセンブリ18の各バッグ/パウチ40、40’は、流体移送アセンブリ200で、真空チャンバを使用して試験することができる。同じ真空チャンバまたは異なる真空チャンバが使用され得る。
【0129】
勿論、排出ステップは、典型的にはいくつかのホース/チューブの締め付けの後に行われてもよく、および、注入ステップは、検出チャンバCHの試験されるゾーン/検出空間の排出後にスタートすることができる。内部チャンバ42は、アレンジメント/アセンブリ18または回路全体の内部体積の一部であってもよく、および、アセンブリ18の全流体容量と比較してより小さい内部チャンバを画定するためにクランプ3’(
図2Aを参照)が使用されてもよい。
【0130】
試験の後、ホース11を備えたバイオ医薬の使い捨て/滅菌系から供給ラインまたはチャネル5が接続解除されおよびクランプによる締め付け(もしあれば)がリリースされる、接続解除ステップが行われてもよい。試験された流体移送アセンブリ200は、首尾よく試験された場合、高い完全性のレベル、実例として2μm試験への準拠、を要求するバイオ医薬用途のために使用されることができる。
中間部分1cの周りの連続的な径方向接触は、径方向に従った圧縮と組み合わせられて、ガスバリアを形成するのに効率的である。
【0131】
上で詳解された態様は、典型的にはヘリウム(実例として、医療用途に好適な通例の純度のヘリウム)を含有する、加圧ヘリウムの供給源14の使用を示すが、一方で、フレキシブルなバッグ2の周りに注入されたヘリウムの量は、ことによると異なる種の供給源を使用して、ことによるとガス混合物または同じレベルの純度ではないヘリウムを使用して、追加することができる。
試験方法は、アレンジメント/アセンブリ18内に存在する高容量のバッグ40、40’についてさえも、マイクロメートルサイズの漏れを検出するために適切である。
【0132】
よって、試験下の接続に干渉することなしに、コンパクトなビルトインの内部チャンバ端部に相補的なものとしてハウジングユニットを使用して、流体的なフィッティングを試験するための漏れ試験キットが得られる。また、膜が第2の開口O’を覆うように提供されているとき、それらは、ハウジングユニット2の取り外しの後でもなお利用可能である。
【0133】
勿論、本発明は、上に記載のおよび例として提供されているにすぎない態様に限定されない。それは、本発明の文脈の範囲内で熟練者に企図され得る様々な改変、代替の形態、および他の変型、ならびにとりわけ、上に記載の、個別にまたは組み合わせで採られてもよい様々な操作のモードのあらゆる組み合わせを網羅する。
【0134】
実例として、中間部分1cは、
図1および8に図解されるとおり、グリッピング部分105と端部の要素15、15’との間の移行部分であるというわけでは必ずしもない。取付要素15、15’とバーブ付きノズルとの間に介在する、グリッピング部分105またはあらゆるその他の好適な部分は、典型的には、ハウジングユニット2によって圧縮されまたはつままれているフレキシブルな材料を伴う環状接触領域を越えて延在することによって、内容積部V内に受け入れられることができる。とりわけ、シーリング構造4は、接続デバイス1、1’の上にその環状の凹部に乗っている環R4、R4’を包含するというわけでは必ずしもない。いくつかの態様において、アクセス通路20での気密な接合部は、ハウジングユニット2と、ホース端部11aに包含される(またはホース端部11を緊密に取り囲む)フレキシブルな材料との、連続的な環状接触によって、ただしこの接触が中間部分1cの周りで得られることを条件として、得られてもよい。
【国際調査報告】